JP2007064133A - ピストン構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】実圧縮比を確保し、燃費を良好に維持し、トップリングの熱負荷を軽減し、且つトップリングへのカーボンの堆積を排除し、以って堆積カーボンによるシリンダライナー内壁の摩耗を防止することの出来るピストン構造の提供。
【解決手段】トップリング溝4の開口部上縁4aの直径は最大熱負荷時においてシリンダライナー内壁30と干渉しない限度の大きさであり、トップランド3はトップリング溝4の開口部上縁4aからピストン頂部2に向って外周面3Fがテーパ状に縮径して成形されており、且つトップランド3の外周面3Fには耐熱コーティング10が施されている。
【選択図】図1
【解決手段】トップリング溝4の開口部上縁4aの直径は最大熱負荷時においてシリンダライナー内壁30と干渉しない限度の大きさであり、トップランド3はトップリング溝4の開口部上縁4aからピストン頂部2に向って外周面3Fがテーパ状に縮径して成形されており、且つトップランド3の外周面3Fには耐熱コーティング10が施されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ディーゼルエンジンのピストン構造に関し、詳細には、本来の性能を維持した上で、耐熱及び耐摩耗性を考慮したトップランドの構造に関する。
図3に示すように、ピストンの外周部Rにおけるトップランド3Bの上下方向の長さH3は、セカンドランド5以下のランドの上下方向の長さH2、H1に比べて長く形成されている。
トップランド3Bは、ピストン頂部2に近く、トップランド3Bの外周とシリンダライナー内壁30との隙間Sが狭いこともあり、そのような隙間Sによって火炎の伝播が届き難く、当該隙間S近傍に残留するエンジンオイルや燃料が蒸し焼き状態となり、未燃焼のカーボン40がトップランド3Bに堆積し易い。
特に、図3のようにトップランド3Bの外周直径D3がセカンドランド5以下の直径D2と等しい場合にはその傾向が顕著である。
図3において、符号4はトップリング溝、符号6はセカンドリング溝、符号7はサードランド、符号8はオイルリング溝を示す。
トップランド3Bは、ピストン頂部2に近く、トップランド3Bの外周とシリンダライナー内壁30との隙間Sが狭いこともあり、そのような隙間Sによって火炎の伝播が届き難く、当該隙間S近傍に残留するエンジンオイルや燃料が蒸し焼き状態となり、未燃焼のカーボン40がトップランド3Bに堆積し易い。
特に、図3のようにトップランド3Bの外周直径D3がセカンドランド5以下の直径D2と等しい場合にはその傾向が顕著である。
図3において、符号4はトップリング溝、符号6はセカンドリング溝、符号7はサードランド、符号8はオイルリング溝を示す。
そこで、図4の様にトップランド3Cのピストン頂部2側を縮径してトップランド3Cの外周面をテーパ状に形成し、シリンダライナー内壁30とトップランド3C外周との隙間Sを増大させる例もあるが、その隙間Sは前記未燃焼カーボン40の発生を防ぐには依然として小さい。図4において符号50は、トップリングを示す。
トップランドへのカーボンの堆積は、シリンダライナーの早期摩耗を助長し、エンジン性能の悪化要因となる。
そのようなシリンダライナーの早期摩耗を防止するために、図5に示す様なトップランド3Cにカットバック(破線部分がカット縛処理で削り取られた領域)60を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
そのようなシリンダライナーの早期摩耗を防止するために、図5に示す様なトップランド3Cにカットバック(破線部分がカット縛処理で削り取られた領域)60を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
カットバック60は、図5に示すように、トップランド3Cをピストン中心側に後退させ、シリンダライナー内壁30とトップランド3Cとの隙間Sを増大させることで燃焼時に火炎を隙間Sに入り易くし、燃焼を向上させ、燃料やエンジンオイルの炭化、即ちカーボンの発生を抑制するものである。
然るにカットバック60は、デッドボリュームを形成し、実圧縮比を低下させ、燃費も悪化する。更にトップリング50の露出部分が増加し、トップリング50の熱耐久性が悪化するという問題がある。
或いは、別の技術で、ピストンのセカンドランド以下の領域の中心軸はシリンダライナーの中心軸に一致しているが、トップランドのみをシリンダライナーの中心軸に対して半径方向に偏芯させてピストン頂部に付着するカーボンを全周に亙って均一化する技術が提案されている(例えば特許文献3参照)。
然るに、係る従来技術は、上述した要請に応えるものではない。
特開2001−341173号公報
然るに、係る従来技術は、上述した要請に応えるものではない。
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、実圧縮比を確保し、燃費を良好に維持し、トップリングの熱負荷を軽減し、且つトップリングへのカーボンの堆積を排除し、以って堆積カーボンによるシリンダライナー内壁の摩耗を防止することの出来るピストン構造を提供することである。
本発明のピストン構造は、ディーゼルエンジンのピストン(1)において、トップリング溝(4)の開口部上縁(4a)の直径は最大熱負荷時においてシリンダライナー内壁(30)と干渉しない限度の大きさであり、トップランド(3)は前記トップリング溝(4)の開口部上縁(4a)からピストン頂部(2)に向って外周面(3F)がテーパ状に縮径して成形されており、且つトップランド(3)の外周面(3F)には耐熱コーティング(10)が施されていることを特徴としている(請求項1)。
或いは、本発明のピストン構造は、ディーゼルエンジンのピストン(1)において、トップリング溝(4)の開口部上縁(4a)の直径はセカンドランド(5)以下のピストン外周(R)の直径と略等しく、トップランド(3)は前記トップリング溝(4)の開口部上縁(4a)からピストン頂部(2)に向って外周面(3F)がテーパ状に縮径して成形されており、且つトップランド(3)の外周面(3F)には耐熱コーティング(10)が施されていることを特徴としている(請求項2)。
前記耐熱コーティング(10)は、フッ素系コーティングである(請求項3)。
又は、前記耐熱コーティング(10)は、ニッケル鍍金である(請求項4)。
或いは、前記耐熱コーティング(10)は、シリコンコーティングである(請求項5)。
又は、前記耐熱コーティング(10)は、ニッケル鍍金である(請求項4)。
或いは、前記耐熱コーティング(10)は、シリコンコーティングである(請求項5)。
上述した構成を具備する本発明のピストン構造によれば、トップリング溝(4)の開口部上縁(4a)の直径は最大熱負荷時においてシリンダライナー内壁(30)と干渉しない限度の大きさであり(請求項1)、或いは、トップリング溝(4)の開口部上縁(4a)の直径はセカンドランド(5)以下のピストン外周(R)の直径と略等しい(請求項2)ので、カットバック処理(図5参照)を行う必要が無い。そのため、トップランドにカットバックを施したために生じる「実圧縮比の減少による出力低下」及び「燃費の悪化」を防止することが出来る。
そしてカットバック処理を施さないので、トップリング(50)の暴露領域が最小限に留まり、トップリング(50)が高温に晒されることによる「熱耐久性の低下」が防止できる。
そしてカットバック処理を施さないので、トップリング(50)の暴露領域が最小限に留まり、トップリング(50)が高温に晒されることによる「熱耐久性の低下」が防止できる。
また、トップランド(3)の外周面(3F)に耐熱コーティング10を施しているので、カーボンが発生してもトップランド3に堆積することなく、ピストン上方の(図示しない)燃焼室側に掻き出され、燃焼してしまう。従って、カーボンの堆積が防止され、カーボンの堆積に起因してシリンダライナー内壁(30)が摩耗してしまうことも防ぐことが出来る。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るピストン全体を示した縦断面図であり、図2は図1のA部拡大図である。
図1は、本発明の実施形態に係るピストン全体を示した縦断面図であり、図2は図1のA部拡大図である。
図1において、全体を符号1で示すピストンは、ピストン外周部Rにおいて、図示の例では、ピストン頂部2から下方に向って順に、トップランド3と、トップリング溝4と、セカンドランド5と、セカンドリング溝6と、サードランド7と、オイルリング(サードリング)溝8が形成され、スカート9に連なっている。
トップリング溝4の開口部上縁4aの直径D3はセカンドランド5以下のピストン外周の直径D4と略等しい。
図2をも参照して、トップランド3は前記トップリング溝4の開口部上縁4aからピストン頂部2に向って外周面3Fがテーパ状に縮径して成形されている。
そして、そのトップランド3の外周面3Fには耐熱コーティング10が施されている。
図2において、符号30はシリンダライナー内壁を、符号50はトップリングを示す。
図2をも参照して、トップランド3は前記トップリング溝4の開口部上縁4aからピストン頂部2に向って外周面3Fがテーパ状に縮径して成形されている。
そして、そのトップランド3の外周面3Fには耐熱コーティング10が施されている。
図2において、符号30はシリンダライナー内壁を、符号50はトップリングを示す。
そして、その耐熱コーティング10は、フッ素系コーティングであるか、又は、ニッケル鍍金であるか、或いはシリコンコーティングである。
係る構造の実施形態によれば、カットバック処理(図5参照)を廃止しているので、従来例のトップランド3Cにカットバック40を施したために生じる「実圧縮比の減少による出力低下」、「燃費の悪化」が防止出来る。
また、カットバック処理を施さないので、トップリング50の暴露領域が最小限に留まり、トップリング50が高温に晒されることによる「熱耐久性の低下」が防止できる。
また、トップランド3の外周面3Fに耐熱コーティング10を施すことにより、従来例のトップランド3Bにカットバックを施こさないでトップランド3B、3C(図3及び図4参照)の外周とシリンダライナー内壁30とで形成される隙間Sが小さいために生じるカーボンの発生に対しても、係るカーボンはトップランド3に堆積することなくピストン1上方の図示しない燃焼室側に掻き出される。そして、燃焼室側に掻き出されたカーボンは、次サイクルの爆発で燃焼してしまう。
従って、カーボンのトップランド3への堆積が防止され、シリンダライナー内壁30の堆積カーボンによる摩耗も防ぐことが出来る。
従って、カーボンのトップランド3への堆積が防止され、シリンダライナー内壁30の堆積カーボンによる摩耗も防ぐことが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではなく、例えば、図示の実施形態のピストンは合計3箇所にピストンリング溝を有していたが、ピストンリング溝を合計2箇所としても良いし、4箇所以上としても良い。
1・・・ピストン
2・・・ピストン頂部
3・・・トップランド
4・・・トップリング溝
5・・・セカンドランド
6・・・セカンドリング溝
7・・・サードランド
8・・・オイルリング溝
9・・・スカート
10・・・耐熱コーティング
30・・・シリンダライナー内壁
50・・・トップリング
2・・・ピストン頂部
3・・・トップランド
4・・・トップリング溝
5・・・セカンドランド
6・・・セカンドリング溝
7・・・サードランド
8・・・オイルリング溝
9・・・スカート
10・・・耐熱コーティング
30・・・シリンダライナー内壁
50・・・トップリング
Claims (5)
- ディーゼルエンジンのピストンにおいて、トップリング溝の開口部上縁の直径は最大熱負荷時においてシリンダライナー内壁と干渉しない限度の大きさであり、トップランドは前記トップリング溝の開口部上縁からピストン頂部に向って外周面がテーパ状に縮径して成形されており、且つトップランドの外周面には耐熱コーティングが施されていることを特徴とするピストン構造。
- ディーゼルエンジンのピストンにおいて、トップリング溝の開口部上縁の直径はセカンドランド以下のピストン外周の直径と略等しく、トップランドは前記トップリング溝の開口部上縁からピストン頂部に向って外周面がテーパ状に縮径して成形されており、且つトップランドの外周面には耐熱コーティングが施されていることを特徴とするピストン構造。
- 前記耐熱コーティングは、フッ素系コーティングである請求項1、2の何れかのピストン構造。
- 前記耐熱コーティングは、ニッケル鍍金である請求項1、2の何れかのピストン構造。
- 前記耐熱コーティングは、シリコンコーティングである請求項1、2の何れかのピストン構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005253057A JP2007064133A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | ピストン構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103397949A (zh) * | 2013-07-04 | 2013-11-20 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 天然气发动机活塞及天然气发动机 |
CN105247197A (zh) * | 2013-06-05 | 2016-01-13 | 曼柴油机和涡轮机欧洲股份公司 | 内燃机的活塞 |
CN112443419A (zh) * | 2019-08-27 | 2021-03-05 | 曼恩能源方案有限公司 | 内燃机的活塞和气缸以及内燃机 |
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2005
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CN103397949A (zh) * | 2013-07-04 | 2013-11-20 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 天然气发动机活塞及天然气发动机 |
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