JP2007031893A - 発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐スクラッチ性及び耐カール性に優れた発泡壁紙を提供する。
【解決手段】紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を含み、
(2)エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂におけるメタクリル酸の含有量が10重量%以上である、
ことを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡壁紙に関する。
建築物の壁面内装等に発泡壁紙が使用されている。
発泡壁紙としては、従来から発泡樹脂層を保護する目的で発泡樹脂層上に、非発泡樹脂層を設けたものが知られている。特に、その非発泡樹脂層を構成する樹脂として、オレフィン系樹脂を使用すると発泡壁紙表面の耐スクラッチ性が向上することが知られている。
例えば、特許文献1には、紙質基材上に、エチレン系樹脂からなる発泡層、エチレン系樹脂からなる保護層、表面層が順に設けられた発泡壁紙において、前記保護層がポリエーテルポリオールを含有する層であることを特徴とする発泡壁紙が開示されている。
しかしながら、特許文献1の発泡壁紙は、耐スクラッチ性は良好であるものの、耐カール性に関し未だ改善の余地がある。一般的に、オレフィン系樹脂は結晶性が高いため、それを使用して得られる発泡壁紙はカールしやすい。カールした発泡壁紙は、取り扱いが困難である等、様々な点で不利である。
従って、耐スクラッチ性及び耐カール性の両者を兼ね備えた発泡壁紙の開発が切望されている。
特開2004−308039
本発明は、耐スクラッチ性及び耐カール性に優れた発泡壁紙を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙において、非発泡樹脂層が特定の樹脂を含むことにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1. 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を含み、
(2)エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂におけるメタクリル酸の含有量が10重量%以上である、
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 非発泡樹脂層中におけるエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂の含有量が70〜100重量%であることを特徴とする前記項1に記載の発泡壁紙。
3. 発泡樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、前記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4. 発泡樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、前記項1又は2に記載の発泡壁紙。
5. 発泡樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、前記項1又は2に記載の発泡壁紙。
6. 紙質基材及び発泡樹脂層の間に、さらに非発泡樹脂層を有する、前記項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
本発明の発泡壁紙は、メタクリル酸の含有量が10重量%以上のエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(以下「EMAA」と略記する)を含む非発泡樹脂層を発泡樹脂層上に有することにより、優れた耐スクラッチ性及び耐カール性を発揮する。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙であって、(1)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を含み、(2)エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂におけるメタクリル酸の含有量が10重量%以上であることを特徴とする。
紙質基材
紙質基材は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜80g/m2程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、紙質基材に接触する状態で形成されている。
発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂成分は、特に限定されず、用いる発泡剤、紙質基材の種類等に応じて適宜設定すればよい。特に、前記発泡剤含有樹脂層は、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合体樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(以下「EMMA」と略記する)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エチレンメチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)等を用いることができる。この中でも特に、EVAが好ましい。
発泡樹脂層は、さらに、無機充填剤、顔料、難燃剤、熱安定剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
上記のうち、無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を用いることにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、発泡樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して、0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、次のものが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、クロムチタンエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。
添加剤としては、上記のものに限定されず、他の公知の添加剤も使用できる。添加量は、発泡壁紙の種類に応じて幅広い範囲から選択できる。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類に応じて適宜設定できる。
発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、400〜800μm程度が好ましく、500〜700μm程度がより好ましい。
非発泡樹脂層(以下「樹脂層A」と略記する)
樹脂層Aは、発泡樹脂層に接触する状態で形成されている。
前記樹脂層Aは、メタクリル酸含有量が10重量%以上のEMAAを含む。特に、メタクリル酸含有量は、10〜20重量%程度が好ましい。メタクリル酸含有量が10重量%未満であると、得られる発泡壁紙は、カールしやすくなる。これは、メタクリル酸含有量が10重量%未満であると、エチレン成分の割合が大きくなるので、樹脂層Aの結晶性が高くなりすぎてしまい、その結果、樹脂層Aが、溶融押し出し後、収縮してしまうためであると考えられる。
前記樹脂層A中におけるEMAAの含有量は、特に限定されないが、70〜100重量%が好ましい。
前記樹脂層Aは、本発明の効果を妨げない範囲であれば、前記EMAA以外にも、水添石油樹脂、EVA等といった樹脂を含んでいてもよい。
また、前記樹脂層Aは、アクリレートモノマー、オリゴマー等の添加剤をさらに含有していてもよい。
樹脂層Aの厚みは限定的ではないが、5〜30μm程度が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。
紙質基材と発泡樹脂層との間に、さらに非発泡樹脂層(以下樹脂層Bと略記する)を形成してもよい。
樹脂層Bを形成した場合には、発泡樹脂層と紙質基材との密着性を向上できる。
樹脂層Bに含まれる樹脂の種類は限定的ではないが、発泡樹脂層との密着性の観点から、EVAが好ましい。EVAの酢酸ビニル含有量は限定的ではないが、10〜40重量%程度が好ましく、20〜40重量%程度がより好ましい。
樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、5〜20μm程度が好ましく、10〜15μm程度がより好ましい。
絵柄模様層
発泡樹脂層のおもて面には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、基材シートのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む公知の印刷インキが使用できる。
着色剤としては、前記顔料が使用できる。
ビヒクルは、基材シートの種類に応じて設定できるが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは絵柄模様の種類より異なるが、0.1〜10μm程度が好ましい。
エンボス
壁紙用化粧シートのおもて面には、必要に応じてエンボス模様を付してもよい。
エンボス模様は、例えば、公知のエンボス版により付与できる。例えば、発泡樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
発泡壁紙の製造方法
本発明の発泡壁紙の製造方法は、上記のような発泡壁紙が得られる限り、特に限定されない。
例えば、紙質基材上に、発泡剤含有樹脂層及び樹脂層Aを順に積層し且つ発泡剤含有樹脂層が紙質基材と接触するように同時積層後、前記発泡剤を加熱することにより本発明の発泡壁紙を好適に製造できる。
前記同時積層には、例えば、Tダイ押出し機による多層同時押出しが好適に利用できる。
具体的には、発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物、及び樹脂層Aを形成するための組成物を各々別個のシリンダー中に入れて、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。
また、発泡剤含有樹脂層及び紙質基材の間に、さらに樹脂層Bを形成させる場合は、樹脂層Aを形成するための組成物、発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物、及び樹脂層Bを形成するための組成物を各々別個のシリンダー中に入れて、3種3層を同時に押出し成膜・積層すればよい。
発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物は限定的ではない。例えば、樹脂、添加剤及び発泡剤を含む樹脂組成物を用いることができる。
前記樹脂としては、特に限定されないが、前記で示したエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。
前記添加剤は、前記で示した無機充填剤等を適宜使用すればよい。添加剤の使用量は、目的に応じて適宜調整すればよい。
前記発泡剤は限定的ではなく、例えば無機系発泡剤及び有機系発泡剤といった公知の発泡剤を使用できる。
無機系発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。
有機系発泡剤としては、ニトロソ化合物、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物、アジド化合物等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、例えばN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を例示できる。アゾ化合物としては、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレート等を例示できる。スルホニルヒドラジド化合物としては、例えばベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等を例示できる。アジド化合物としては、例えばカルシウムアジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等を例示できる。
これら発泡剤は、単独又は二種以上で使用できる。
発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。
発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物として、さらに、発泡助剤を添加してもよい。発泡助剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸、フタル酸、シュウ酸等が挙げられる。前記発泡助剤の添加量は限定的ではなく、発泡剤等に応じて適宜調節すればよい。
樹脂層Aを形成するための組成物としては、メタクリル酸含有量が10重量%以上のEMAAを含んでいる限り特に限定されるものではない。
樹脂層Bを形成するための組成物としては、前記に示したEVAを含む組成物を好適に用いることができる。
同時押出し時の溶融樹脂温度は、特に限定されず、用いる樹脂、発泡剤等に応じて適宜設定すればよい。
上記製造方法では、同時押出し積層体を紙質基材上に同時積層(成膜)できる。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め同時成膜した積層体を用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすること等により紙質基材と接着してもよい。
紙質基材上に同時積層した後、前記発泡剤を加熱することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とする。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましい。また、加熱時間は20〜90秒程度が好ましい。
前記加熱処理の前に、樹脂層A及び/又は発泡剤含有樹脂層に電子線照射を行ってもよい。これにより、各層に含まれる樹脂を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、前記組成物中に架橋助剤を含有してもよい。
架橋助剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよく、例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋助剤は、EVA100重量部に対して、0〜10重量部程度が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
さらに、非発泡樹脂層Aの表面にコロナ放電処理を施しても良い。コロナ放電処理は、公知の方法に従って実施することができる。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に樹脂層Aの表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りである。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
非発泡樹脂層Aを形成するために、EMAA(製品名「ニュクレルN1525」、MFR:25g/10分、メタクリル酸含有量:15重量%、三井・デュポンポリケミカル製)を100重量部用意した。
非発泡樹脂層Bを形成するために、EVA(製品名「エバテートCV5053」、MFR:70g/10分、酢酸ビニル含有量:20重量%、住友化学製)を100重量部用意した。
発泡剤含有樹脂層を形成するために、下記表1に記載の成分を含む組成物を用意した。
Figure 2007031893
上記樹脂及び樹脂含有組成物を溶融し、3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、厚み110μmの紙質基材(坪量70g)上に3層同時押出し積層し、非発泡樹脂層B/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Aの順に積層した。各層の厚みは、前記の順に10μm/100μm/15μmとした。なお、この3層同時押出し積層におけるTダイ押出し機において、上記樹脂層Bを形成するためのEVAの入ったシリンダー、発泡剤含有樹脂層を形成するための表1の各成分の入ったシリンダー、及び上記樹脂層Aを形成するためのEMAAの入ったシリンダーの温度は、それぞれ100℃、120℃、160℃とした。また、ダイス温度は、すべて120℃とした。
その後、上記樹脂層Aの上から電子線(175kV、5Mrad)を照射して、EVA樹脂を架橋させた。そして、非発泡樹脂層Aの表面にコロナ放電処理を行った。
次いで、グラビア印刷により、非発泡樹脂層Aの表面にEVA系水性エマルションを2g/m2塗布することによりプライマー処理を行った。さらに、その上に水性インキ(製品名「ハイドリック」大日精化工業製)を用いて布目模様(絵柄印刷層)を印刷した。
そして、当該積層体をギアオーブン中、220℃で30秒間加熱した。これにより、発泡剤が分解し、発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした。発泡倍率は5倍であり、発泡樹脂層の厚みは500μmであった。
さらに、発泡体のおもて側にエンボス加工を施して、布目模様パターンを賦型した。
以上の過程を経て、発泡壁紙を作製した。
実施例2
非発泡樹脂層Aを構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレルN1035」、MFR:35g/10分、メタクリル酸含有量:10重量%、三井・デュポンポリケミカル製)とし、発泡樹脂層を構成する樹脂をEMMA(製品名「アクリフトWH401」MFR:20g/10分、メタクリル酸メチル含有量:20重量%、住友化学製)とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための各成分の入ったシリンダーの温度を130℃にした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
比較例1
非発泡樹脂層Aを構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレルAN4311」、MFR:30g/10分、メタクリル酸含有量:8重量%、三井・デュポンポリケミカル製)にした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
比較例2
非発泡樹脂層Aを構成する樹脂をEMMA(製品名「アクリフトWH401」、MFR:20g/10分、住友化学製)にした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
試験例1(耐スクラッチ性)
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙に対して、耐スクラッチ試験を行った。耐スクラッチ試験は、日本ビニル工業会建築部会制定の「表面強化商品性能表示規定」に準拠して行った。即ち、次の手順によって試験を行った。
先ず、学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片(壁紙用化粧シート)を取り付けた。試験機の摩擦子として同部会指定の金属製爪を取り付け、金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を5往復させた。その後、試験片の表面状態(傷付き程度)を肉眼で確認することにより、耐スクラッチ性(良好/不良)を評価した。
試験例2(耐カール性)
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の紙質基材側全体に対して、デンプン糊を塗工し、5℃雰囲気下、10分間放置した。その後、壁紙の端部を持ち上げて、壁紙のカールの状態を確認した。
デンプン糊が表面に着かないものを良好、表面に着くものを不良と評価した。
試験例3(押出し加工適性)
実施例及び比較例において、樹脂層を3層同時押出し時の加工特性(良好/不良)を評価した。
上記試験の結果を下記表2に示す。
Figure 2007031893

Claims (6)

  1. 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙であって、
    (1)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を含み、
    (2)エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂におけるメタクリル酸の含有量が10重量%以上である、
    ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 非発泡樹脂層中におけるエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂の含有量が70〜100重量%であることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 発泡樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 発泡樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  5. 発泡樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  6. 紙質基材及び発泡樹脂層の間に、さらに非発泡樹脂層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
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