JP2007270412A - 発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐スクラッチ性及び施工性に優れた発泡壁紙を提供する。
【解決手段】最表面に表面保護フィルムを有する発泡壁紙であって、
(1)表面保護フィルムは、フィルム1が最表面となるように、フィルム2にフィルム1を積層したものであり、
(2)フィルム1は、樹脂成分として線状低密度ポリエチレン及びエチレン−オクテン共重合体を含有し、且つ、エチレン−オクテン共重合体の含有量は樹脂成分中20〜40重量%であり、
(3)フィルム2は、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、
ことを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙としては紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂からなる発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮し、発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
具体的には、アクリル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とを含むエマルションにマイクロカプセル型発泡剤を配合した塗料を、紙質基材上に塗工・乾燥後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで樹脂層を発泡後、エンボス版により凹凸模様を賦型してなる発泡壁紙が知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂と熱分解型発泡剤とを含有する組成物からなる発泡剤含有樹脂層を、Tダイ押出し機により紙質基材上に押出し形成後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで発泡剤含有樹脂層を発泡後、エンボス版により凹凸模様を賦型してなる発泡壁紙が知られている。
発泡壁紙は耐スクラッチ性が高いことが望ましい。そのため、最表面に保護層を設けることにより耐スクラッチ性を担保した発泡壁紙が提案されている。そして、前記保護層の樹脂成分として線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を採用することにより、耐スクラッチ性が向上することが知られている。
しかしながら、樹脂成分としてLLDPEを用いた保護層を有する発泡壁紙は、柔軟性が不十分(コシが強い)という特性がある。そのため、特に角部や曲部等の施工部位に対しては、施工が容易ではない。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、耐スクラッチ性及び施工性に優れた発泡壁紙を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡壁紙の最表面に、特定の構成を有する表面保護フィルムを採用することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1. 最表面に表面保護フィルムを有する発泡壁紙であって、
(1)表面保護フィルムは、フィルム1が最表面となるように、フィルム2にフィルム1を積層したものであり、
(2)フィルム1は、樹脂成分として線状低密度ポリエチレン及びエチレン−オクテン共重合体を含有し、且つ、エチレン−オクテン共重合体の含有量は樹脂成分中20〜40重量%であり、
(3)フィルム2は、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 表面保護フィルムが、フィルム1とフィルム2との間に、樹脂成分としてエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を含有するフィルム3を更に有する、前記項1に記載の発泡壁紙。
3. 線状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒を用いて製造される、前記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4. 紙質基材上に、発泡樹脂層、装飾層及び表面保護フィルムを順に有する、前記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
本発明の発泡壁紙は、樹脂成分としてLLDPEを含有する表面保護フィルムを最表面に有するため、耐スクラッチ性が非常に優れている。
しかも、本発明の発泡壁紙は、表面保護フィルムの樹脂成分としてLLDPEを使用することによるコシの強さの問題を有効に解決でき、優れた施工性を有する。本発明の発泡壁紙は、例えば施工対象領域における角部や曲部等に対して、容易に貼付することができる。
本発明の発泡壁紙は、最表面に表面保護フィルムを有する発泡壁紙であって、(1)表面保護フィルムは、フィルム1が最表面となるように、フィルム2にフィルム1を積層したものであり、(2)フィルム1は、樹脂成分としてLLDPE及びエチレン−オクテン共重合体を含有し、且つ、エチレン−オクテン共重合体の含有量は樹脂成分中20〜40重量%であり、(3)フィルム2は、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本発明の発泡壁紙は、最表面に位置するフィルム1が樹脂成分としてLLDPEとエチレン−オクテン共重合体を含有する。そして、エチレン−オクテン共重合体はフィルム1の樹脂成分中20〜40重量%含有される。上記エチレン−オクテン共重合体は、LLDPEを含有するフィルム1の柔軟性を改善する相溶化剤として作用する。上記エチレン−オクテン共重合体の含有量を樹脂成分中20〜40重量%に設定することにより、LLDPEを含有することによる表面強度を維持しつつ、発泡壁紙の柔軟性を改善して良好な施工性を実現する。
表面保護フィルム
表面保護フィルムは、フィルム1が最表面となるように、フィルム2にフィルム1を積層したものである。
フィルム1は、樹脂成分としてLLDPE及びエチレン−オクテン共重合体を含有する。
LLDPEは、通常は密度0.910〜0.938g/cm程度であるが、この中でも0.915〜0.925g/cm程度が好ましい。このようなLLDPEの中でも、製造方法に着目すると、メタロセン触媒を用いて製造されたm−LLDPEが好ましい。
エチレン−オクテン共重合体中、オクテンの含有量は、特に限定されないが、20〜30重量%が好ましい。
フィルム1中、エチレン−オクテン共重合体の含有量は、フィルム1の樹脂成分中20〜40重量%であり、好ましくは30〜40重量%である。エチレン−オクテン共重合体の含有量が20重量%未満であれば、相溶化が不十分となり、施工性が悪くなる。また、エチレン−オクテン共重合体の含有量が40重量%を超えれば、耐スクラッチ性が低くなる。
フィルム1は、樹脂成分として、LLDPE及びエチレン−オクテン共重合体とを含有していればよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂が含まれていてもよい。例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。
フィルム1には、目的に応じて、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、樹脂系ワックス、マット剤等が挙げられる。これら酸化防止剤、紫外線吸収剤等としては、公知のものを用いればよい。
フィルム1の厚さは限定的ではないが、5〜17μm程度が好ましく、10〜12μm程度がより好ましい。
フィルム2は、樹脂成分としてEVA、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)及びエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
前記EVAの酢酸ビニル含有量は、25〜40重量%が好ましい。前記EEAのエチルアクリレート含有量は、25〜40重量%が好ましい。前記EAAのアクリル酸含有量は、25〜40重量%が好ましい。
フィルム2中、これらEVA、EEA及びEAAの含有量は、通常70〜100重量%であり、好ましくは90〜98重量%である。
フィルム2は、樹脂成分として、EVA、EEA及びEAAからなる群から選択される少なくとも1種を含有していればよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂が含まれていてもよい。例えばEMMA、EMAA、低密度ポリエチレン(LLPE)等が挙げられる。特に、フィルム1とフィルム2との密着性向上の観点から、フィルム2は、フィルム1に含まれる樹脂成分と同じ樹脂成分を少量でも含有することが望ましい。
フィルム2の厚さは限定的ではないが、2〜10μm程度が好ましく、4〜6μm程度がより好ましい。
前記表面保護フィルムは、前記フィルム1と前記フィルム2との間に、必要に応じて更に、フィルム層を有していてもよい。
特に、本発明においては、前記表面保護フィルムが、フィルム1とフィルム2との間に、樹脂成分としてエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を含有するフィルム3を更に有することが好ましい。これにより、フィルム1とフィルム2との密着性がより向上する。
前記エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸含有量は、特に限定されないが、50〜90重量%が好ましく、70〜80重量%がより好ましい。
前記エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体中のアクリル酸エステル含有量は、特に限定されず、フィルム1及び2の樹脂成分の種類等に応じて適宜設定すればよい。
フィルム3は、樹脂成分として、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を含有していればよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂が含まれていてもよい。例えばEVA、EMMA、EMAA等が挙げられる。
フィルム3の厚さは限定的ではないが、3〜7μm程度が好ましく、5〜6μm程度がより好ましい。
表面保護フィルムの製造方法は限定的ではない。例えば、フィルム1〜3の積層体であれば、Tダイ押出し機を用いて、各フィルムを形成するための樹脂組成物を同時押出しすることにより形成することができる。また、各フィルムを別々に用意し、熱ラミネートによって積層してもよい。
発泡壁紙
本発明の発泡壁紙は、最表面に前記表面保護フィルムを有していればよい。本発明の発泡壁紙としては、例えば紙質基材上に、発泡樹脂層、装飾層及び表面保護フィルムを順に有するものが好適な態様として挙げられる。
以下、上記発泡壁紙について、例示して説明する。
紙質基材
紙質基材は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成されたものが好ましい。
発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分、発泡剤、その他の添加剤等を含む。樹脂成分としては限定的ではないが、例えば、エチレン共重合体樹脂が好ましい。この中でも、発泡剤含有樹脂層を溶融押出しにより形成する場合には、比較的低温で溶融押出しが可能であり、発泡剤の機内発泡(例えば、押出し機のシリンダ内での異常発泡)を抑制できる観点から、EVAが好ましい。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤は、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
熱分解型発泡剤の含有量は、種類、所望の発泡倍率等に応じて調整できる。通常は、発泡剤含有樹脂層の樹脂100重量部に対して1〜20重量部程度が好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、無機充填剤、顔料、セル調整剤、架橋助剤等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
顔料としては、次のものが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
セル調整剤としては、例えば、金属石鹸、亜鉛化合物等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
架橋助剤としては、アクリルモノマーなどが挙げられる。架橋助剤の添加量としては、発泡剤含有樹脂層の樹脂100重量部に対して、0〜10重量部程度が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、10〜200μm程度が好ましい。
熱分解型発泡剤は加熱により分解・発泡する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解温度以上であれば限定されない。加熱温度は200〜300℃程度が好ましく、加熱時間は10〜40秒程度が好ましい。発泡剤含有樹脂層に対する発泡樹脂層の発泡倍率は7〜20倍程度である。
発泡樹脂層は、樹脂架橋されてもよい。樹脂架橋の手段としては、例えば、電子線照射が挙げられる。
発泡樹脂層は、紙質基材に直接積層されてもよく、非発泡樹脂層1(接着剤層)を介して積層されてもよい。
また、発泡樹脂層の上に、発泡樹脂層を保護するために、非発泡樹脂層2を設けてもよい。
装飾層
装飾層は、絵柄模様を有し、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
装飾層は、例えば、非発泡樹脂層のおもて面に絵柄模様を印刷することにより形成する。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む公知の印刷インキが使用できる。
着色剤としては、前記顔料が使用できる。
結着剤樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できるが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いることができる。
装飾層の厚みは絵柄模様の種類より異なるが、0.1〜10μm程度が好ましい。
エンボス
壁装用化粧シートのおもて面には、エンボス加工による凹凸模様を付してもよい。
エンボス模様は、例えば、公知のエンボス版により付与できる。例えば、発泡樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
発泡壁紙の製造方法
本発明の発泡壁紙の製造方法は限定的ではないが、例えば、紙質基材上に発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層(1及び/又は2)を溶融同時押出しした後、発泡剤含有樹脂層又は非発泡樹脂層2に装飾層を形成し、発泡剤含有樹脂層を発泡させた後、表面保護フィルムを貼り付けることにより製造できる。溶融同時押出しは、例えば、Tダイ押出し機により行える。なお、電子線照射による樹脂架橋を行う場合には、発泡工程に先立って行うことが好ましい。
また、表面保護フィルムを貼り付けた後、必要に応じて、エンボス模様を賦型してもよい。
実施例1
表面保護フィルムの製造
フィルム1を形成するために、下記表1に記載の成分を含む組成物を用意した。
Figure 2007270412
フィルム2を形成するために、EVA(製品名「ウルトラセン750」、東ソー製)を用意した。
フィルム3を形成するために、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(製品名「ボンダインHX8140、住友化学製」)を用意した。
上記樹脂及び樹脂含有組成物を溶融し、3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、3層同時押出し積層した。
なお、前記3層同時押出し積層は、フィルム2/フィルム3/フィルム1の順に積層した。各層の厚みは、前記の順に4μm/5μm/10μmとした。なお、このTダイ押出し機において、フィルム1形成用シリンダー、フィルム2形成用シリンダー及びフィルム3形成用シリンダーの温度は、それぞれ190℃、170℃、140℃とした。また、ダイス温度は、すべて120℃とした。
発泡壁紙の製造
発泡剤含有樹脂層を形成するために、下記表2に記載の成分を含む組成物を用意した。
Figure 2007270412
接着剤層を形成するために、EVA(製品名「エバフレックスEV150」、MFR:30g/10分、VA含有量:33重量%、三井・デュポンポリケミカル製)を100重量部用意した。
上記樹脂及び樹脂含有組成物を溶融し、Tダイ押出し機を用いて、厚み110μmの紙質基材(坪量70g)上に2層同時押出し積層した。なお、前記2層同時押出し積層は、紙質基材と接着剤層とが接するように、紙質基材上に積層することにより、積層体を得た。接着剤層の厚みは、10μmとし、発泡剤含有樹脂層の厚みは、100μmとした。なお、このTダイ押出し機において、発泡剤含有樹脂層形成用シリンダー及び接着剤層形成用シリンダーの温度は、それぞれ115℃及び100℃とした。また、ダイス温度は、すべて120℃とした。
次いで、発泡炉中、220℃で35秒間加熱した。これにより、発泡剤が分解し、発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした。
発泡樹脂層の表面温度を80℃まで下げた後、熱ラミネートにより上記表面保護フィルムを発泡樹脂層側に貼り付けた。なお、熱ラミネートと同時にエンボス版を押圧することにより発泡体に対して布目模様パターンを賦型した。
得られた発泡壁紙の施工性及び耐スクラッチ性を表3に示す。
実施例2
m−LLDPEの含有量を80重量%とし、かつ、エチレン−オクテン共重合体の含有量を20重量%とした以外は、実施例1と同様にして、発泡壁紙を作製した。
得られた発泡壁紙の施工性及び耐スクラッチ性を表3に示す。
実施例3
m−LLDPEの含有量を60重量%とし、かつ、エチレン−オクテン共重合体の含有量を40重量%とした以外は、実施例1と同様にして、発泡壁紙を作製した。
得られた発泡壁紙の施工性及び耐スクラッチ性を表3に示す。
比較例1
m−LLDPEの含有量を90重量%とし、かつ、エチレン−オクテン共重合体の含有量を10重量%とした以外は、実施例1と同様にして、発泡壁紙を作製した。
得られた発泡壁紙の施工性及び耐スクラッチ性を表3に示す。
比較例2
m−LLDPEの含有量を50重量%とし、かつ、エチレン−オクテン共重合体の含有量を50重量%とした以外は、実施例1と同様にして、発泡壁紙を作製した。
得られた発泡壁紙の施工性及び耐スクラッチ性を表3に示す。
試験例1(施工性)
角部及び曲部を有する施工対象領域に対して、実施例及び比較例で製造した壁紙を施工した。
施工性を、◎、○及び×で評価した。これらの評価基準は、
「◎」…施工が容易であった、
「○」…施工できた、
「×」…施工が困難であった
である。
試験例2(耐スクラッチ性)
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の耐スクラッチ性を評価した。
試験・評価は、日本ビニル工業会ビニル建装部会制定の「表面強化壁紙性能
規定」に準拠して行った。具体的には、次の手順に従って試験・評価を行った。
学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片(発泡壁紙)を取り付けた。試験機の摩擦子として同部会指定の金属製爪を用いて、金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を5往復させた。試験片の試験後の表面状態を肉眼観察した。
前記規定における耐スクラッチ性の評価は、5級:変化なし、4級:表面に少し変化あり、3級:表面が破けて見える、2級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm未満)、1級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm以上)の5段階である。
Figure 2007270412

Claims (4)

  1. 最表面に表面保護フィルムを有する発泡壁紙であって、
    (1)表面保護フィルムは、フィルム1が最表面となるように、フィルム2にフィルム1を積層したものであり、
    (2)フィルム1は、樹脂成分として線状低密度ポリエチレン及びエチレン−オクテン共重合体を含有し、且つ、エチレン−オクテン共重合体の含有量は樹脂成分中20〜40重量%であり、
    (3)フィルム2は、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、
    ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 表面保護フィルムが、フィルム1とフィルム2との間に、樹脂成分としてエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を含有するフィルム3を更に有する、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 線状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒を用いて製造される、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 紙質基材上に、発泡樹脂層、装飾層及び表面保護フィルムを順に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。

















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