JP2007031361A - 乳酸エステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳酸エステルの製造プロセスにおける投入エネルギーを小とすることができ、薬品コストを低減することができ、且つ、設備費を小とすることができる乳酸エステルの製造方法を提供する。
【解決手段】発酵で得られた乳酸アンモニウム及びアルコールを含み、アンモニア濃度を1.0重量%以下とした反応液中でエステル反応を行う工程と、上記工程で合成された乳酸エステルを回収する工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、発酵で得られた乳酸アンモニウムから目的とする乳酸エステルを回収する乳酸エステルの製造方法に関する。
乳酸エステルの製造方法としては、乳酸菌による発酵で合成した乳酸から乳酸アンモニウムを経て乳酸エステルを製造する発酵法が知られている(特許文献1〜4参照)。この製造方法では、乳酸発酵で得られた乳酸をアンモニアで中和して乳酸アンモニウムとし、その後、アルコールを加えることによって乳酸アンモニウムをエステル化している。また、この製造方法では、エステル反応をより促進するために反応系に硫酸を加えている。この製造方法では最終的に、反応液に含まれる乳酸エステルを蒸留によって分離回収している。
ところが、例えば特許文献1〜4に開示された従来の乳酸エステルの製造方法は、乳酸エステルを工業的に生産する上で十分な技術を提供するものでなく、また製造コストをなんら考慮していない点で現実的なものでなかった。すなわち、乳酸エステルを工業的に生産するには、製造プロセスにおける投入エネルギーを最小限に抑え、薬品コストを低減し、且つ、設備費を抑える必要があるが、従来の乳酸エステルの製造方法は、このような諸問題を解決する具体的な手段を提供するものではなかった。
特開2004-208501号公報 特開2002-300898号公報 特開平7-194387号公報 特開2003-284580号公報
そこで、本発明は、上述した実状に鑑み、乳酸エステルを工業的に有利に製造することができる乳酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。より具体的には、乳酸エステルの製造プロセスにおける投入エネルギーを小とすることができ、薬品コストを低減することができ、且つ、設備費を小とすることができる乳酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者が鋭意検討した結果、乳酸エステルの製造プロセスにおけるエステル化反応において、反応液中のアンモニア濃度を所定の値以下に維持することで、製造プロセスにおける投入エネルギーを小とすることができ、薬品コストを低減することができ、且つ、設備費を小とすることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1) 発酵で得られた乳酸アンモニウム及びアルコールを含み、アンモニア濃度を1.0重量%以下とした反応液中でエステル反応を行う工程と、上記工程で合成された乳酸エステルを回収する工程とを含む、乳酸エステルの製造方法。
(2) 上記エステル反応を行う工程では、上記反応液に含まれるアンモニアをブタノール蒸気と共に反応系外に除去することを特徴とする(1)記載の乳酸エステルの製造方法。
(3) 上記エステル反応を行う工程では、エステル化反応における平衡時転化率の50〜90%の転化率で反応を終了することを特徴とする(2)記載の乳酸エステルの製造方法。
(4) 上記エステル反応を行う工程では、上記反応液に上記乳酸エステルを回収した後の残液を加えることを特徴とする(1)記載の乳酸エステルの製造方法。
本発明に係る乳酸エステルの製造方法によれば、製造プロセスにおける投入エネルギーを小とすることができ、薬品コストを低減することができ、且つ、設備費を小とすることができるため、乳酸エステルを低コストで生産することができる。
以下、本発明に係る乳酸エステルの製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る乳酸エステルの製造方法では、先ず、いわゆる発酵法により得た乳酸アンモニウムを含む反応液を使用する。
発酵法においては、培地に含まれる糖を乳酸発酵微生物を用いて乳酸発酵させる。この乳酸発酵微生物としては、細菌、酵母、カビが使用可能である。細菌としては、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、バチルス(Bacillus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属のものを例示できる。酵母としては、サッカロミセス(Saccharomyces)属、クルーベルマイセス(Kluyveromyces)属のものを例示できる。カビとしては、リゾプス(Rhyzopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属のものを例示できる。この乳酸発酵微生物としては、特に、ホモ乳酸発酵能を有する微生物を使用するのが好ましい。
発酵法においては培地に含まれる糖(6炭糖、5炭糖など)が代謝され、乳酸が生成する。乳酸発酵時には、乳酸の生成により発酵液のpHが低下するため、アンモニア等の塩基を用いて発酵液を中和する。アンモニアは、水溶液の状態(アンモニア水)で使用し、発酵液のpHを中性領域(好ましくはpH5〜7)に保つように供給するのが好ましい。これによって、乳酸がアンモニアと反応し、乳酸アンモニウムが生成し、乳酸アンモニウムを含む発酵液(乳酸アンモニウム溶液)が得られる。本発明に係る乳酸エステルの製造方法においては、発酵液をそのまま使用しても良いが、発酵法により得られた発酵液から遠心分離、膜分離等の手法によって菌体を分離するのが好ましい。すなわち、本発明に係る乳酸エステルの製造方法に使用する反応液は、未処理の発酵液にアルコールを添加して調製しても良いが、菌体を除去した後の発酵液にアルコールを添加して調製しても良い。
本発明に係る乳酸エステルの製造方法においては、このようにして準備した発酵液に含まれる乳酸アンモニウムをエステル化する。なお、エステル化に先だって、発酵液を濃縮するのが好ましい。濃縮された発酵液中の乳酸濃度は、70〜85質量%とするのが好ましい。発酵液を濃縮する手段としては、多重効用管や、薄膜蒸留器を挙げることができる。濃縮にあたっては、乳酸のラセミ化を避けるため、加熱温度を140℃以下にするのが好ましい。
エステル化は、発酵濃縮液にアルコールを添加して反応液を調製し、当該反応液を加熱することで実施することができる。アルコールとしては、炭素数が4以上であるものを用いるのが好ましい。特に、炭素数が4であるもの(C4アルコール)または炭素数が5であるもの(C5アルコール)を用いるのが好ましい。C4またはC5アルコールとしては、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、活性アミルアルコール、ジエチルカルビノール、t−ブチルカルビノールを例示できる。
アルコールの添加量は、発酵液中の乳酸に対して1〜10倍(好ましくは1.5〜4倍)(モル基準)とするのが好適である。エステル化反応における加熱温度は、100〜150℃(好ましくは120〜140℃)とするのが好適である。この加熱によって、反応液中の乳酸及び乳酸アンモニウムはエステル化し、乳酸エステルが生成する。例えばアルコールとしてブチルアルコールを用いる場合には、乳酸及び乳酸アンモニウムがブチルアルコールによってエステル化され、乳酸ブチルが生成する。
このとき、本発明に係る乳酸エステルの製造方法では、反応液中のアンモニア濃度を1.0重量%以下となるように、反応液中に残存するアンモニア及び反応液中に副産物として生成するアンモニアを除去する。本発明に係る乳酸エステルの製造方法において、反応液中のアンモニアを除去する手段及び手法には特に限定されないが、例えば、反応液からアルコール蒸気(例えば、ブタノール蒸気)とともに排出する手法を適用することができる。このとき、アルコール蒸気によるアンモニア除去は、反応液中のアンモニア濃度が1.0重量%以下、好ましくは0.8重量%以下となるまで行われる。なお、反応液中のアンモニア濃度を低減させるほど、エステル化反応の平衡時転化率が高くなるが、一方で反応液中のアンモニア除去に要する投入エネルギーが増えるため製造コストが増大するおそれがある。したがって、反応液中のアンモニア濃度は、0.3重量%以上であることが好ましく、0.5重量%以上であることがより好ましい。
また、アンモニアを除去する際に排出するアルコール蒸気には、反応液中に含まれるアルコール、水及びアンモニアを含むこととなる。本発明に係る乳酸エステルの製造方法では、アルコール蒸気に含まれるアンモニア及び水を除去することでアルコールを精製し、精製されたアルコールを反応液に戻すことが好ましい。
さらに、エステル化する工程では、エステル化反応における平衡時転化率の50〜90%の転化率で反応を終了することが好ましい。平衡時転化率の90%を超える転化率までエステル化反応を行うと、反応速度が徐々に低下するため反応時間が長くなり、製造プロセスにおける設備費が大となるため好ましくない。エステル化反応における平衡時転化率の50〜90%の転化率で反応を終了する場合、反応液中には未反応の乳酸及び乳酸アンモニウムを含むことととなるが、反応液から乳酸エステルを回収した後の残液を再びエステル化反応のための反応液として使用することができる。
次に、本発明に係る乳酸エステルの製造方法では、反応液から乳酸エステルを回収する。乳酸エステルを回収する手段及び手法としては特に限定されず、従来公知の回収手段及び方法を適宜使用することができる。例えば、反応終了後の反応液を蒸留することで乳酸エステルを分離回収することができる。
本発明に係る乳酸エステルの製造方法において、乳酸アンモニウムをエステル化する際の反応液中のアンモニア濃度を1.0重量%以下とすることによって、エステル化反応の平衡時におけるエステル転化率を向上させることができる。反応液中のアンモニア濃度とエステル化反応の平衡時におけるエステル転化率との関係を表1に示す。なお、表1は、反応温度を140℃とし、反応液中のブタノール/(乳酸+乳酸アンモニウム)mol比を4.0とした閉鎖系(蒸気の留出なし)でエステル化反応を行った場合の値を示している。
Figure 2007031361
表1から判るように、エステル化反応液中のアンモニア濃度を1.0重量%以下とすることによって、エステル化反応の平衡時におけるエステル転化率を60%を超える高い値にすることができる(なお、理論的には、反応成分と反応生産物のモル分率により平衡時転化率が決まる。)。
この際、平衡時転化率を上げるために必要以上にアンモニア濃度を低下させることは好ましくない。発酵濃縮液1.4kgにブタノール2.9kgを加えて反応させるに際して、反応液中の蒸気留出量を三水準振り、それぞれの場合におけるエステル反応中のアンモニア濃度推移を示した結果を表2及び図3に示す。
Figure 2007031361
表2及び図3に示すように、留出量が多いほど(すなわち、投入エネルギーが多いほど)アンモニア濃度が低下するが、その低下割合は極めて低いことが判る。具体的には、留出量を0.3L/hrから0.9L/hrへ3倍にしても、アンモニア濃度は約20%低下する程度である(なお、この際、留出に相当する量のブタノールを反応槽へ供給している)。従って、転化率を上げるために、エネルギーを投入して必要以上にアンモニア濃度を下げることは、単位重量の乳酸エステルを生成するめのエネルギー量が増大することとなりコストの増大に繋がる虞がある。なお、実際の製造プロセスにおいては、反応初期のアンモニア濃度を下げるため、アンモニア濃度の低い未反応液(エステル反応、蒸留後の残液)に新規な発酵濃縮液を混合して反応液を調製する。
ブタノール/(乳酸+乳酸アンモニウム)のmol比を上げることによってもアンモニア濃度を下げることはできるが、単位容量当たりの乳酸エステル生成量が低下し設備費の増大要因となり好ましくない。また、本発明に係る乳酸エステルの製造方法において、アンモニアを除去するためのアルコール蒸気(例えば、ブタノール蒸気)から当該アンモニアを除去した後、精製したアルコール(ブタノール)を反応液に戻すことが好ましい。この場合には、反応液に戻すアルコールにアンモニアが含まれていないため、反応液に含まれるアンモニア濃度を1.0重量%以下とするために要する投入エネルギーが少なくて済む。よって、本発明に係る乳酸エステルの製造方法によれば、乳酸エステルの製造プロセスにおける投入エネルギーの削減を実現することができる。
さらに、本発明に係る乳酸エステルの製造方法においては、エステル化反応における平衡時転化率の50〜90%の転化率といった早い反応速度でエステル化反応を実行することが好ましい。この場合、未反応の乳酸アンモニウムを反応液に還流することによって、早い反応速度を維持しつつ乳酸エステルの収率を向上させることができる。これにより、本発明に係る乳酸エステルの製造方法によれば、従来の方法で採用されてきた硫酸等を添加する必要がなく、薬品コストを大幅に削減することができる。
したがって、本発明に係る乳酸エステルの製造方法は、乳酸エステルの製造プロセスにおける投入エネルギーを小とすることができ、薬品コストを低減することができ、且つ、設備費を小とすることができる点で有利な製造方法であると言える。本発明に係る乳酸エステルの製造方法を適用することによって、乳酸エステル及び乳酸エステルから合成される乳酸を低コストで工業的に製造する製造ラインを構築することが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1は、図1に示す装置を用いて乳酸エステルを製造した例である。図1に示す装置は、攪拌翼による攪拌が可能な反応槽1と、蒸留塔2と、冷却器3と、第1の凝縮液槽4と、第2の凝縮液槽5と、真空ポンプ6とから構成されている。
先ず、本例で使用する乳酸アンモニウム水溶液を準備するため、通気攪拌条件下でアンモニア水によりpH調整を行い、乳酸発酵を行った。
その結果として12重量%程度の乳酸アンモニウム水溶液を得た。次に、精密ろ過(MF)フィルターを用いて当該水溶液をろ過して菌体を分離し、その後、水分を蒸発させることで濃縮し、70重量%程度の乳酸水溶液(乳酸換算での重量%)を準備した。準備した発酵濃縮液中のアンモニア濃度は8.0重量%であった。なお、濃縮する際にアンモニアの一部が蒸発したが、水溶液として回収して再利用することができる。
本例では、このように準備した発酵濃縮液を反応槽1に充填し、エステル化反応を行った。具体的には、反応槽1に残っているエステル蒸留残液475g(乳酸濃度67重量%)に、準備した発酵濃縮液500gとブタノール2200gとを加え反応仕込み液とした。添加したブタノールは、反応仕込み液に含まれる乳酸及び乳酸アンモニウムに対して4倍モルである。反応仕込み液のアンモニア濃度は、1.3重量%であった。
エステル化反応は、反応仕込み液を140℃まで加熱することで4hr行った。このとき、反応仕込み液中のアンモニア濃度を0.8重量%に低減させるまで、ブタノール蒸気を400g/hrで留出させた。ブタノール蒸気の留出は3時間であった。また、ブタノール蒸気の留出と同速度で精製ブタノールを反応槽1に供給した。
4時間のエステル化反応の結果、反応仕込み液中の乳酸ブチル濃度は18.9重量%であり、エステル化反応の転化率は55%であった。また、エステル化反応の反応速度は0.29mol/L・hr(ここでLは室温での反応仕込み液の容量である)であった。
次に、エステル反応後の反応仕込み液からブタノールを分離した後に乳酸ブチルを分離した。先ず、反応槽1内部を徐々に減圧にしてブタノール蒸気を留出させた。当該留出に際しては、反応槽1内の反応仕込み液温度を120℃、反応槽1内の圧力を50hPaまで行った。ブタノール蒸気は、蒸留塔2及び冷却器3によって溶液とされるが、同時に乳酸ブチルが留出することを防止するため、溶液の一部を反応仕込み液に環流した。次に、反応槽1内の圧力を徐々に下げ、120℃、20hPaまで乳酸ブチルを流出させた。その結果、600gの乳酸ブチルを回収することができた。
なお、本実施例では、本発明に係る乳酸エステルの製造方法によって得た乳酸ブチルを加水分解処理することによって乳酸水溶液とした。具体的には、回収した乳酸ブチルに対して水を16倍mol加え、120℃まで加熱し、4時間反応させた。なお、加水分解処理によって発生するブタノールは、水と共に蒸発させ系外へ留出させた。反応終了後、さらに水蒸気を留出させ、最終的に90重量%の乳酸水溶液を回収することができた。
〔実施例2〕
実施例2は、図2に示す装置を用いて乳酸エステルを製造した例である。図2に示す装置は、反応槽10と、アンモニア濃度調節用の蒸留塔11と、蒸留塔11に接続された冷却器12と、蒸留塔11及び冷却器12に接続された凝縮液槽13とを備え、これら蒸留塔11、冷却器12及び凝縮液槽13によって反応槽10内部のアンモニア濃度を調整する。また、図2に示す装置は、エステル化反応後の反応液からブタノールを分離するための第1の蒸留塔14と、第1の蒸留塔14に接続された冷却器15と、第1の蒸留塔14及び冷却器15に接続された凝縮液槽16とを備え、これら第1の蒸留塔14、冷却器15及び凝縮液槽16によって反応後の反応液からブタノールを分離する。さらに、図2に示す装置は、エステル化反応後の反応液から乳酸ブチルを分離するための第2の蒸留塔17と、第2の蒸留塔17に接続された冷却器18と、第1の蒸留塔17及び冷却器18に接続された凝縮液槽19とを備え、これら第2の蒸留塔17、冷却器18及び凝縮液槽19によって反応後の反応液から乳酸ブチルを分離する。
本例では、実施例1と同様にして、発酵濃縮液を準備した。また、本例では、蒸留塔11、冷却器12及び凝縮液槽13によって反応槽10内部のアンモニア濃度を1.0重量%以下となるようにアンモニアを含むブタノール蒸気を留出させながら、エステル反応を行った。なお、本例の装置では、反応槽10に対して発酵濃縮液及びブタノールを連続的に供給するとともに、反応槽10から第1の蒸留塔14に対して反応液を順次供給した。本例の装置によれば、第1の蒸留塔14でブタノールを分離した後、反応液に含まれる乳酸ブチルを第2の蒸留塔及17び冷却器18で分離し、凝縮液槽19に乳酸ブチルを回収することができる。さらに、本例の装置では、第2の蒸留塔17及び冷却器18によって凝縮液槽19に乳酸ブチルを分離した後、未反応の乳酸を含む反応液の一部を反応槽10に還流した。このとき、未反応の乳酸を含む反応液の一部を廃棄することで、反応槽10における不純物蓄積を抑制した。
なお、本例においても、実施例1と同様にして、乳酸ブチルを加水分解処理することによって乳酸水溶液を回収した。
本発明を適用した乳酸エステルの製造システムの一例である。 本発明を適用した乳酸エステルの製造システムの他の例である。 エステル反応中のアンモニア濃度推移を示した結果を示す特性図である。
符号の説明
1…反応槽、2…蒸留塔、3…冷却器、4…第1の凝縮液槽、5…第2の凝縮液槽、6…真空ポンプ、10…反応槽、11…蒸留塔、12…冷却器、13…凝縮液槽、14…第1の蒸留塔、15…冷却器、16…凝縮液槽、17…第2の蒸留塔、18…冷却器、19…凝縮液槽

Claims (4)

  1. 発酵で得られた乳酸アンモニウム及びアルコールを含み、アンモニア濃度を1.0重量%以下とした反応液中でエステル反応を行う工程と、
    上記工程で合成された乳酸エステルを回収する工程と
    を含む、乳酸エステルの製造方法。
  2. 上記エステル反応を行う工程では、上記反応液に含まれるアンモニアをブタノール蒸気と共に反応系外に除去することを特徴とする請求項1記載の乳酸エステルの製造方法。
  3. 上記エステル反応を行う工程では、エステル化反応における平衡時転化率の50〜90%の転化率で反応を終了することを特徴とする請求項1記載の乳酸エステルの製造方法。
  4. 上記エステル反応を行う工程では、上記反応液に上記乳酸エステルを回収した後の残液を加えることを特徴とする請求項1記載の乳酸エステルの製造方法。
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