以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図1〜図24に基づき説明する。
(1)パチンコ機10全体の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。この外枠11は、外枠11の下部を構成する合成樹脂製の腰板ユニット11aを備えている。外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えたガラス保持枠14と、上球皿15とが、それぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。ガラス保持枠14の上部前面には、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾を行うトップランプ16が前面側に向けて突出している。このトップランプ16は、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。また、腰板ユニット11aの前面側における左右両側部には、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音、言語音声など)を出力するスピーカ17が互いに離間して形成されている。中枠12の前面側において上球皿15の下方には、下球皿19、操作ハンドル20及び灰皿23などが装着されている。
図1に示されるように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央部には、矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材21が装着されている。大型装飾部材21の奥側には、可視表示部H1(表示画面)を備えた図柄表示装置18(図柄表示装置)が配設されている。なお、可視表示部H1は矩形状開口部から露出しており、視認可能とされている。この図柄表示装置18では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、図柄表示装置18では、始動入賞条件の成立に基づいて、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。また、複数種類の図柄が大当りとなる図柄組み合わせで確定停止する場合、全図柄は、特定図柄(確率変動を開始させる契機となる図柄)または非特定図柄(確率変動を開始させる契機とはならない図柄)で確定停止する。なお、本実施形態の図柄表示装置18は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置18であってもよい。
さらに、大型装飾部材21の上部中央には、可視表示部H2(表示画面)を備えたサブ表示装置25(演出装置、表示内容表示装置)が配設されている。本実施形態のサブ表示装置25は、蛍光表示管式の表示装置であり、図柄表示装置18とは別体になっている。また、可視表示部H2は大型装飾部材21の前面にて露出しており、視認可能とされている。このサブ表示装置25では、キャラクタ(馬)を初期段階→赤ちゃん→幼児期→成人期→エンディングの順に成長させるキャラクタ成長演出(変化演出)が行われるようになっている。なお、初期段階においては、金の卵(図8参照)が可視表示部H2に表示されるようになっている。赤ちゃんの段階においては、馬の赤ちゃん(図9参照)が可視表示部H2に表示されるようになっている。幼児期の段階においては、暴れる子馬(ヤンチャ君、図10参照)、普通の子馬(図11参照)及び居眠りする子馬(のんびり君、図12参照)のいずれか1つが可視表示部H2に表示されるようになっている。成人期の段階においては、普通の馬(図13参照)、酔っ払った馬(ぐうたら馬、図14参照)、筋肉質の馬(筋肉君、図15参照)及びサーファーの馬(図16参照)のいずれか1つが可視表示部H2に表示されるようになっている。エンディングの段階においては、ダービーで優勝した馬(図17参照)、馬車(図18参照)、夜逃げする馬(図19参照)のいずれか1つが可視表示部H2に表示されるようになっている。なお、これらのキャラクタは、キャラクタ成長演出が行われている間、サブ表示装置25に常時表示される。
図1に示されるように、図柄表示装置18の下方には、普通電動役物22aが一体的に構成された始動入賞口22が配設されている。普通電動役物22aは、一対の羽根部材からなり、図示しないソレノイドの励磁作用により開閉するようになっている。始動入賞口22の奥方には、通過した遊技球を検知する始動入賞口スイッチSW(図2参照)が設けられている。ここで、本実施形態の始動入賞口スイッチSWとしては、電磁式スイッチ(近接スイッチ)が用いられている。始動入賞口スイッチSWは、通過する遊技球を検知している間、オン状態となり、検知信号を出力するようになっている。一方、始動入賞口スイッチSWは、遊技球が通過していないときにオフ状態となり、検知信号を出力しなくなる。
また、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口24が配置されている。始動入賞口22にて遊技球が検知された場合には、図柄表示装置18による図柄組み合わせゲームが行われるとともに、賞球の払い出しが行われるようになっている。
(2)タッチセンサ26の概略構成
また、前記灰皿23の裏側には、『操作手段』としてのタッチセンサ26が設けられている。タッチセンサ26は、サブ表示装置25に表示されるキャラクタを前記初期段階に戻すために操作されるようになっている。タッチセンサ26は、遊技者が触れるとオン状態となり、操作信号を統括制御基板37の統括CPU37a(図2参照)に出力するようになっている。また、タッチセンサ26は、遊技者が触れていないときにオフ状態となり、操作信号を出力しなくなる。なお、タッチセンサ26は、前記上球皿15や前記操作ハンドル20などの他の場所に設けられていてもよい。
(3)パチンコ機10の電気的構成
図2に示されるように、このパチンコ機10は、主制御基板31、表示制御基板33、サブ表示制御基板34、音声・ランプ制御基板32及び統括制御基板37を備えている。主制御基板31に対しては統括制御基板37が接続され、その統括制御基板37に対しては表示制御基板33、サブ表示制御基板34及び音声・ランプ制御基板32がそれぞれ接続されている。統括制御基板37には、主制御基板31から出力された制御信号が入力され、表示制御基板33、サブ表示制御基板34及び音声・ランプ制御基板32には、統括制御基板37から出力された制御信号が入力されるようになっている。
(3−1)主制御基板31の電気的構成
主制御基板31はメインCPU31aを備えており、メインCPU31aにはROM31b及びRAM31cが接続されている。メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。また、ROM31bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラム(メイン処理プログラム、タイマ割込処理プログラム、電源断処理プログラムなど)が記憶されている。
図2に示されるROM31bには、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンP1〜P7が振り分けられた変動パターン振分テーブル(図3参照)が記憶されている。本実施形態の変動パターン振分テーブルには、ハズレ演出用の変動パターンP1,P2、ハズレリーチ演出用の変動パターンP3,P5及び大当り演出用の変動パターンP4,P6,P7が振り分けられている。なお、各変動パターンP1〜P7には、遊技演出の時間及び内容が対応付けられている。ここで、変動パターンP3,P4はノーマルリーチの場合のパターンを示し、変動パターンP5〜P7はスーパーリーチの場合のパターンを示している。なお、ノーマルリーチとは、左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で中図柄を変動させた後に、確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。また、スーパーリーチとは、例えば左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で、特別な演出を行うとともに、中図柄を変動させた後に確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。図4に示されるように、各変動パターンP1〜P7には、前記変動パターン振分乱数の値(本実施形態では、0〜99までの100通りの整数)が振り分けられている。なお、変動パターンP1,P2は、ハズレ図柄組み合わせ(大当りまたはリーチとなる図柄組み合わせが導出されない図柄組み合わせ)を導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP1は、通常変動が行われる演出のベースとなるパターンであり、変動パターンP2は、通常変動よりも図柄変動時間が短い短縮変動が行われる演出のベースとなるパターンである。なお、変動パターンP1は、確率変動状態(大当りの抽選確率が高確率に変動した状態)ではない通常状態時に選択され、変動パターンP2は、確率変動状態時に選択されるようになっている。変動パターンP3は、ノーマルリーチの場合において、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP4は、ノーマルリーチの場合において、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。なお、変動パターンP3,P4に基づいて行われる演出は、見た目上、互いに同一となっている。変動パターンP5は、スーパーリーチAに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP6は、スーパーリーチAに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。なお、変動パターンP5,P6に基づいて行われる演出は、見た目上、互いに同一となっている。変動パターンP7は、スーパーリーチBに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。なお、スーパーリーチAの出現率(変動パターンP5,P6が選択される確率)は、ノーマルリーチの出現率(変動パターンP3,P4が選択される確率)よりも低くなっている。しかも、スーパーリーチBの出現率(変動パターンP7が選択される確率)は、スーパーリーチAの出現率よりも低くなっている。なお、図4に示されるように、ノーマルリーチの場合、ハズレとなる変動パターン振分乱数の値は0〜79の80通りあり、大当りとなる変動パターン振分乱数の値は0〜19の20通りある。よって、ノーマルリーチが出現すると、大当りになる確率よりもハズレになる確率のほうが高い。一方、スーパーリーチAの場合、ハズレとなる変動パターン振分乱数の値は80〜99の20通りあり、大当りとなる変動パターン振分乱数の値は20〜98の79通りある。よって、スーパーリーチAが出現すると、ハズレになる確率よりも大当りになる確率のほうが高い。また、スーパーリーチBの場合、ハズレとなる変動パターン振分乱数の値はなく(0通り)、大当りとなる変動パターン振分乱数の値は99の1通りである。よって、スーパーリーチBが出現すると、100%大当りとなる。よって、スーパーリーチAは、ノーマルリーチに比べて大当りとなる信頼度が高く、スーパーリーチBは、スーパーリーチAに比べて大当りとなる信頼度が高い。なお、ハズレ演出、ハズレリーチ演出及び大当り演出の時間(図柄変動時間)は、変動パターンP1〜P7ごとに異なっている。
次に、前記メインCPU31aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、停止図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
図2に示されるメインCPU31aは、始動入賞条件の成立(前記始動入賞口スイッチSWからの検知信号の入力)に基づいて、所定の周期毎に更新される前記大当り判定用乱数の値及び前記大当り図柄用乱数の値を前記RAM31cから読み出し、それらの値をRAM31cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM31cの所定の格納領域に格納されている大当り判定用乱数の値と前記ROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、大当りを決定する。なお、本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当りの決定がなされると、図2に示されるメインCPU31aは、前記図柄表示装置18に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように決定する。具体的には、RAM31cに記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)を決定する。この決定された停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、図柄表示装置18に最終的な図柄組み合わせとして導出される。本実施形態では、大当り図柄用乱数の採りうる数値を0〜5の6通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている(例えば、図柄「3」には大当り図柄用乱数の値「3」が対応付けられている)。そして、メインCPU31aは、決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右に対応したデータを、次回の図柄組み合わせゲームに係る処理を行うまでの間、RAM31cに記憶する。
また、図2に示されるメインCPU31aは、RAM31cに記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて、各停止図柄が前記特定図柄であるか否かを判定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値が「1」、「3」、「5」であれば、各停止図柄が特定図柄であると判定され、大当り図柄用乱数の値が「0」、「2」、「4」であれば、各停止図柄が特定図柄ではなく前記非特定図柄であると判定される。各停止図柄が特定図柄であると判定された場合、メインCPU31aは、大当り遊技の終了後に、前記確率変動の付与を開始させる。なお、大当り遊技は、全図柄が大当りの組み合わせで確定停止した後に行われ、前記大入賞口24の開放により大量の遊技球を獲得できる。そして、確率変動が開始された場合、メインCPU31aは、前記大当り判定用乱数の採りうる数値の中から15個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の15として大当り判定を行う。即ち、確率変動時の大当り判定値の数は、確率変動前の5倍となる。なお、確率変動は、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、継続されるようになっていてもよいし、複数回(例えば、10000回)の図柄の変動表示が実行されるまでの間、継続されるようになっていてもよい。
そして、図2に示されるメインCPU31aは、RAM31cから前記変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記大当り演出用の変動パターンP4,P6,P7のいずれか1つを決定する。具体的には、特定図柄で大当りとなる場合であっても、非特定図柄で大当りとなる場合であっても、メインCPU31aは、大当り演出用の変動パターンP4,P6,P7のいずれか1つを決定する。
また、前記大当り判定の判定結果が否定(前記大当り判定用乱数の値と前記大当り判定値とが不一致)の場合、メインCPU31aは、RAM31cから読み出した前記リーチ判定用乱数の値と前記ROM31bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、ハズレリーチを決定する。なお、ハズレリーチが決定される確率は、通常時において1/10となっている。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、前記ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左及び停止図柄右(両停止図柄は同一種類)を決定する。そして、前記ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定する。ハズレ中図柄用乱数の値とハズレ左図柄用乱数の値(または前記ハズレ右図柄用乱数の値)とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄中と停止図柄左(または停止図柄右)とが一致しないように停止図柄中を決定する。本実施形態では、前記大当り図柄用乱数の値と同様に、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数及びハズレ右図柄用乱数の各乱数の採りうる数値を0〜5の6通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。また、メインCPU31aは、RAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレリーチ演出用の変動パターンP3,P5のいずれか1つを決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、図2に示されるメインCPU31aは、ハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左を決定し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて停止図柄右を決定する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄左と停止図柄右とが一致しないように停止図柄右を決定する。また、メインCPU31aは、前記ハズレ演出用の変動パターンP1,P2のいずれか1つを決定する。具体的に言うと、メインCPU31aは、前記通常状態であれば変動パターンP1を決定し、前記確率変動状態であれば、変動パターンP2を決定する。なお、本実施形態では、変動パターンP1,P2の決定に変動パターン振分乱数は用いていない。
そして、各停止図柄及び変動パターンを決定したメインCPU31aは、前記統括制御基板37の前記統括CPU37aに対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成して出力する。次に、メインCPU31aは、停止図柄左を指定する停止図柄左指定コマンド、停止図柄右を指定する停止図柄右指定コマンド及び停止図柄中を指定する停止図柄中指定コマンドを出力する。その後、メインCPU31aは、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止コマンドを統括制御基板37の統括CPU37aに対して出力する。
(3−2)統括制御基板37の電気的構成
図2に示されるように、統括制御基板37は、『演出制御手段』としての統括CPU37aを備えており、統括CPU37aにはROM37b及びRAM37cが接続されている。統括CPU37aは、前記遊技演出や前記キャラクタ成長演出の演出内容の決定のために用いる各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、統括CPU37aは、更新後の値をRAM37cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。また、RAM37cには、キャラクタの種類を示すキャラクタ状態カウンタの値が記憶されている。
ROM37bには、パラメータ値X,Y,Zへの加算値(0,1,2)が振り分けられたパラメータ加算値テーブル1(図5参照)が記憶されている。各加算値には、パラメータ振分用乱数の値(本実施形態では、0〜8までの9通りの整数)が振り分けられている。このパラメータ加算値テーブル1は、変動パターンP1(通常変動)が決定された際に用いられるようになっている。ここで、パラメータ値X,Y,Zとは、キャラクタ成長演出を行う際の基準となる値であり、RAM37cに記憶される。なお、変動パターンP2が決定された場合、統括CPU37aは、パラメータ値X,Y,Zを変更しないようになっている。
また、図2に示されるROM37bには、パラメータ値Xへの加算値(A,A',A'',A''',α)、パラメータ値Yへの加算値(B,B',B'',B''',β)、パラメータ値Zへの加算値(C,C',C'',C''',γ)が振り分けられたパラメータ加算値テーブル2(図6参照)が記憶されている。各パラメータ値には、各変動パターンP3〜P7が振り分けられている。即ち、パラメータ加算値テーブル2は、変動パターンP3〜P7のいずれか1つが決定された際に用いられるようになっている。なお、各加算値は、それぞれ0以上の値となっている。また、A+B+Cは、変動パターンP1が決定された際に得られる加算値の合計値よりも大きくなっている。さらに、変動パターンがハズレリーチ演出のベースとなるパターンである場合よりも大当り演出のベースとなるパターンである場合のほうが、加算値の合計が大きくなっている。例えば、A+B+C<A'+B'+C' となっている。ここで、A,B,Cとは、ハズレリーチ演出のベースとなる変動パターンP3に基づいて決定される加算値であり、A',B',C' とは、大当り演出のベースとなる変動パターンP4に基づいて決定される加算値である。また、A''+B''+C''<A'''+B'''+C''' となっている。ここで、A'',B'',C''とは、ハズレリーチ演出のベースとなる変動パターンP5に基づいて決定される加算値であり、A''',B''',C''' とは、大当り演出のベースとなる変動パターンP6に基づいて決定される加算値である。さらに、ノーマルリーチの場合よりもスーパーリーチAのほうが、加算値が大きくなっている。例えば、A+B+C<A''+B''+C''となっている。ここで、A,B,Cとは、ノーマルリーチの場合の変動パターンP3に基づいて決定される加算値であり、A'',B'',C''とは、スーパーリーチAの場合の変動パターンP5に基づいて決定される加算値である。また、A'+B'+C'<A'''+B'''+C'''となっている。ここで、A',B',C' とは、ノーマルリーチの場合の変動パターンP4に基づいて決定される加算値であり、A''',B''',C''' とは、スーパーリーチAの場合の変動パターンP6に基づいて決定される加算値である。また、変動パターンP7に基づいて決定される加算値α,β,γは、前記キャラクタを著しく成長させる値となっており、α+β+γは、他の加算値の合計よりもかなり大きくなっている。例えば、通常は1段階ずつ成長(例えば、幼児期→成長期に成長)していくのに対し、変動パターンP7が決定された場合には、途中の段階を飛ばして2段階以上成長(例えば、幼児期→エンディングに成長)する。よって、この2段階以上の成長を、大当り予告として用いることができる。
なお、本実施形態におけるパラメータ値X,Y,Zへの加算値は、図柄組み合わせゲームが270〜300回行われる程度の時間(50〜60分)で、キャラクタが初期段階からエンディングに成長するように振り分けられている。また、パラメータ値X,Y,Zへの加算値は、キャラクタが初期段階からエンディングに成長するまでに行われる図柄組み合わせゲームの平均回数が大当りの抽選確率の逆数よりも低くなるように設定されている。なお、本実施形態では、大当りの抽選確率が315.7分の1であるため、大当りの抽選確率の逆数は315.7となる。
さらに、図2に示されるROM37bには、キャラクタ成長テーブル(図7参照)が記憶されている。キャラクタ成長テーブルには、各成長段階(初期段階、赤ちゃん、幼児期、成人期、エンディング)に対して、キャラクタを変化させる条件となるキャラクタ変化条件(表示内容変化条件)、キャラクタを変化させる際のルール(第1変化ルール、第2変化ルール)、キャラクタの状態を示すキャラクタ状態カウンタの値が対応付けられている。
なお、上記キャラクタ変化条件と上記成長段階との関係は、以下のようになっている。例えば、パラメータ値X,Y,Zの最大値ρが1<ρ<32となる場合、キャラクタは赤ちゃんに変化するようになっている。また、キャラクタは、最大値ρが32≦ρ<70である場合に幼児期に変化し、最大値ρが70≦ρ<130である場合に成人期に変化するようになっている。さらに、キャラクタは、最大値ρが130以上である場合にエンディングに変化するようになっている。よって、キャラクタ変化条件が成立する閾値は最大値ρとなる。
また、上記第1変化ルールや上記第2変化ルールと上記成長段階との関係は、以下のようになっている。例えば、キャラクタが幼児期に変化する場合、パラメータ値X>パラメータ値Y(第1変化ルール)であれば、キャラクタはヤンチャ君(図10参照)に変化するようになっている。一方、キャラクタが幼児期に変化する場合にパラメータ値X≦パラメータ値Y(第1変化ルール)となるとき、パラメータ値Y>パラメータ値Z(第2変化ルール)であれば、キャラクタは普通の子馬(図11参照)に変化し、パラメータ値Y≦パラメータ値Z(第2変化ルール)であれば、キャラクタはのんびり君(図12参照)に変化するようになっている。また、キャラクタが成人期に変化する場合にパラメータ値X>パラメータ値Y(第1変化ルール)となるとき、パラメータ値X>パラメータ値Z(第2変化ルール)であれば、キャラクタは普通の馬(図13参照)に変化し、パラメータ値X≦パラメータ値Z(第2変化ルール)であれば、キャラクタはぐうたら馬(図14参照)に変化するようになっている。一方、キャラクタが成人期に変化する場合にパラメータ値X≦パラメータ値Y(第1変化ルール)となるとき、パラメータ値Y>パラメータ値Z(第2変化ルール)であれば、キャラクタは筋肉君(図15参照)に変化し、パラメータ値Y≦パラメータ値Z(第2変化ルール)であれば、キャラクタはサーファー(図16参照)に変化するようになっている。さらに、キャラクタがエンディングに変化する場合にパラメータ値X+パラメータ値Y>パラメータ値Y+パラメータ値Z(第1変化ルール)となるとき、パラメータ値X>パラメータ値Y(第2変化ルール)であれば、キャラクタは優勝した馬(図17参照)に変化し、パラメータ値X≦パラメータ値Y(第2変化ルール)であれば、キャラクタは夜逃げする馬(図19参照)に変化するようになっている。一方、キャラクタがエンディングに変化する場合にパラメータ値X+パラメータ値Y≦パラメータ値Y+パラメータ値Z(第1変化ルール)となるとき、キャラクタは馬車(図18参照)に変化するようになっている。
また、図2に示される前記メインCPU31aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、統括CPU37aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンをRAM37cに記憶するようになっている。さらに、統括CPU37aは、図柄変動中であることを示す変動中フラグをオン(RAM37cに記憶)するようになっている。そして、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された変動パターン指定コマンドを、前記表示制御CPU33a、前記サブ表示制御CPU34a及び前記音声・ランプ制御CPU32aに出力するようになっている。これにより、表示制御基板33、サブ表示制御基板34及び音声・ランプ制御基板32が実行する遊技演出の具体的な内容が、統括制御基板37によって統括的に制御される。
さらに、図2に示される統括CPU37aは、メインCPU31aから前記停止図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄左をRAM37cに記憶するようになっている。同様に、統括CPU37aは、メインCPU31aから前記停止図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄右をRAM37cに記憶し、前記停止図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄中をRAM37cに記憶するようになっている。そして、統括CPU37aは、停止図柄左指定コマンド、停止図柄右指定コマンド及び停止図柄中指定コマンドを、表示制御CPU33a、サブ表示制御CPU34a及び音声・ランプ制御CPU32aに出力するようになっている。
その後、メインCPU31aから前記全図柄停止コマンドが入力されると、統括CPU37aは、同統括CPU37aによってセット(一時的に記憶)された前記変動中フラグをオフするようになっている。また、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された全図柄停止コマンドを表示制御CPU33aに出力するようになっている。
また、図2に示される統括CPU37aは、入力された前記変動パターン指定コマンドが変動パターンP1を示すコマンドである場合に、RAM37cから前記パラメータ振分用乱数の値を読み出し、パラメータ加算値テーブル1(図5参照)に基づき、パラメータ値X,Y,Zへの加算値を決定する。一方、入力された前記変動パターン指定コマンドが変動パターンP3〜P7のいずれか1つを示すコマンドである場合、統括CPU37aは、パラメータ加算値テーブル2(図6参照)に基づいてパラメータ値X,Y,Zへの加算値を決定するようになっている。即ち、統括CPU37aは、『パラメータ値変化量決定手段』としての機能を有している。なお、各パラメータ値X,Y,Zへの加算値は、図柄組み合わせゲームが行われる度(統括CPU37aに変動パターン指定コマンドが入力される度)に決定される。
また、図2に示される統括CPU37aは、決定されたパラメータ値X,Y,Zへの加算値に基づいて、各パラメータ値X,Y,Zの加算を行うようになっている。即ち、統括CPU37aは、『パラメータ値変更手段』としての機能を有している。さらに、統括CPU37aは、加算された複数のパラメータ値を前記RAM37cに記憶するようになっている。即ち、RAM37cは、『パラメータ値記憶手段』としての機能を有している。
また、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されているパラメータ値X,Y,Zのうちの少なくとも1つ(図7に示す最大値ρ)が前記キャラクタ変化条件が成立する前記閾値に到達したか否かを判定するようになっている。即ち、統括CPU37aは、『判定手段』としての機能を有している。最大値ρが閾値に到達した場合、統括CPU37aは、前記キャラクタを成長させるようになっている。即ち、統括CPU37aは、『表示内容変化手段』としての機能を有している。詳述すると、統括CPU37aは、最大値ρが閾値に到達したときのパラメータ値X,Y,Zの関係に基づいて、複数種類のキャラクタの候補の中から1つを選択するようになっている(図7の幼児期、成人期、エンディング参照)。そして、統括CPU37aは、サブ表示装置25に表示されているキャラクタを、選択したキャラクタに成長させるようになっている。それとともに、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている前記キャラクタ状態カウンタの値を、選択されたキャラクタに対応した値に変更するようになっている。そして、統括CPU37aは、キャラクタ状態カウンタの値に基づいて、キャラクタの種類を示すキャラクタ指定コマンドを前記サブ表示制御基板34の前記サブ表示制御CPU34aに出力するようになっている。
また、図2に示される統括CPU37aは、キャラクタ状態カウンタの値が「8」である場合、即ち、前記サブ表示装置25にサーファーの馬(図16参照)が表示される場合に、前記図柄表示装置18にて行われる図柄組み合わせゲームをプレミア演出に変更するようになっている。なお、プレミア演出とは、図柄表示装置18に特別な背景や特別なキャラクタを表示させる演出である。そして、統括CPU37aは、プレミア演出であることを示す演出内容指定コマンドを、前記表示制御CPU33a及び前記音声・ランプ制御CPU32aに出力するようになっている。一方、キャラクタ状態カウンタの値が「8」以外である場合、統括CPU37aは、図柄表示装置18にて行われる図柄組み合わせゲームを通常演出とするようになっている。この場合、統括CPU37aは、通常演出であることを示す演出内容指定コマンドを、前記表示制御CPU33a及び前記音声・ランプ制御CPU32aに出力するようになっている。
さらに、キャラクタがエンディングまで成長した場合、図2に示される統括CPU37aは、前記キャラクタ成長演出を新たに開始するまでに実行される図柄組み合わせゲームの回数を抽選によって決定するようになっている。そして、統括CPU37aは、決定した回数だけ図柄組み合わせゲームが実行された後に、新たなキャラクタ成長演出を開始させるようになっている。
また、統括CPU37aは、前記タッチセンサ26からの前記操作信号がオフ状態かオン状態かを判定する。操作信号がオン状態である場合、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されているパラメータ値X,Y,Zをクリアする(0にする)ようになっている。
(3−3)表示制御基板33の電気的構成
図2に示されるように、表示制御基板33は前記表示制御CPU33aを備えており、表示制御CPU33aにはROM33b及びRAM33cが接続されている。RAM33cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、ROM33bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の表示演出実行データが記憶されている。各表示演出実行データは、前記変動パターンP1〜P7ごとに対応付けて記憶されている。表示演出実行データとは、表示制御CPU33aが、前記図柄表示装置18の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作など)を制御するための情報、即ち、図柄表示装置18に表示演出の実行を指示するための情報である。
そして、図2に示される統括CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記RAM33cに記憶するようになっている。
また、表示制御CPU33aは、前記統括CPU37aから前記停止図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄左をRAM33cに記憶するようになっている。同様に、表示制御CPU33aは、統括CPU37aから前記停止図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄右をRAM33cに記憶し、前記停止図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄中をRAM33cに記憶するようになっている。
その後、統括CPU37aから前記全図柄停止コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、変動開始時に入力されたRAM33cに記憶された前記停止図柄左、右、中に基づいて、前記図柄表示装置18に全図柄の停止を指示するようになっている。これにより、指定された図柄が停止して、図柄表示装置18に表示される。このとき、全図柄が停止して大当りの表示結果となると、前記大当り遊技が開始される。
また、変動パターン指定コマンドや演出内容指定コマンドが入力されると、図2に示される表示制御CPU33aは、前記ROM33bに記憶された複数種類の前記表示演出実行データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した表示演出実行データをRAM33cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、表示制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドや演出内容指定コマンドに対応する表示演出実行データに基づいて通常演出用またはプレミア演出用の表示制御を行うようになっている。より詳しくは、表示制御CPU33aは、RAM33cに記憶されている表示演出実行データを図柄信号に変換し、前記図柄表示装置18に出力するようになっている。その結果、図柄表示装置18は、図柄信号に基づき所定の表示を行うことができるようになる。
(3−4)サブ表示制御基板34の電気的構成
サブ表示制御基板34は前記サブ表示制御CPU34aを備えており、サブ表示制御CPU34aにはROM34b及びRAM34cが接続されている。RAM34cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
図2に示されるサブ表示制御CPU34aは、統括CPU37aから入力された前記キャラクタ指定コマンドに基づいて、RAM34cの記憶領域にキャラクタのデータを記憶させるようになっている。これにより、サブ表示制御CPU34aは、RAM34cに記憶されているキャラクタのデータに基づいて表示制御を行うようになっている。より詳しくは、サブ表示制御CPU34aは、RAM34cに記憶されているキャラクタのデータをキャラクタ信号に変換し、前記サブ表示装置25に出力するようになっている。その結果、サブ表示装置25は、キャラクタ信号に基づき所定の表示を行うことができるようになる。なお、統括CPU37aからのキャラクタ指定コマンドが正常にサブ表示制御CPU34aに入力されなかった場合、サブ表示制御CPU34aは、前回入力されたキャラクタ指定コマンドにて指示されたキャラクタ(既にRAM34cに記憶されているデータが示すキャラクタ)を表示するようになっている。また、統括CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、サブ表示制御CPU34aは、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンに対応付けられた遊技演出の時間に基づき、キャラクタの表示時間を決定する。これにより、キャラクタは、遊技演出の時間とほぼ同じ時間だけサブ表示装置25に表示される。
(3−5)音声・ランプ制御基板32の電気的構成
図2に示されるように、音声・ランプ制御基板32は前記音声・ランプ制御CPU32aを備えており、音声・ランプ制御CPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。ROM32bには、各種の制御プログラムなどが記憶されている。
また、ROM32bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の音声演出実行データ及び複数種類の発光演出データが記憶されている。音声演出実行データ及び発光演出実行データは、それぞれ前記変動パターンP1〜P7ごとに対応付けて記憶されている。音声演出実行データとは、音声・ランプ制御CPU32aが、前記スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。また、発光演出実行データとは、音声・ランプ制御CPU32aが、前記トップランプ16の発光出力態様を制御するための情報である。
なお、音声演出実行データ及び発光演出実行データは、前記表示演出実行データと同様のデータ構成となっている。また、音声演出実行データ及び発光演出実行データも、互いに同じデータ構成となっている。
そして、図2に示される統括CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU32aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記RAM32cに記憶するようになっている。
また、変動パターン指定コマンドや演出内容指定コマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU32aは、前記ROM32bに記憶された複数種類の前記音声演出実行データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した音声演出実行データをRAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、音声・ランプ制御CPU32aは、ROM32bに記憶された複数種類の前記発光演出実行データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した発光演出実行データをRAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声・ランプ制御CPU32aは、変動パターン指定コマンドや演出内容指定コマンドに対応する音声演出実行データに基づいて通常演出用またはプレミア演出用の音声制御を行うとともに、変動パターン指定コマンドや演出内容指定コマンドに対応する発光演出実行データに基づいて通常演出用またはプレミア演出用の発光制御を行うようになっている。より詳しくは、音声・ランプ制御CPU32aは、RAM32cに記憶されている音声演出実行データを音声信号に変換し、前記スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17は、音声信号に基づき所定の報知動作(音声の出力)を行うことができるようになる。また、音声・ランプ制御CPU32aは、RAM32cに記憶されている発光演出実行データを発光制御信号に変換し、前記トップランプ16に出力するようになっている。その結果、トップランプ16は、発光制御信号に基づき所定の報知動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(表示キャラクタ選択処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図20に示されるステップS10の処理において、統括CPU37aは、メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されているか否かを判定する。メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されていない場合(ステップS10:N)、統括CPU37aは、ステップS20〜S100の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、変動パターン指定コマンドが入力されている場合(ステップS10:Y)、統括CPU37aは、ステップS20の処理へ移行する。なお、変動パターン指定コマンドは、図示しない入力処理にて入力される。
ステップS20において、統括CPU37aは、前回の変動(図柄組み合わせゲーム)でキャラクタ成長演出のエンディングを迎えたか否かを判定する。この判定は、RAM37cに記憶されているキャラクタ状態カウンタの値が、エンディングのキャラクタを示す「9」〜「11」のいずれかであるか否かを確認することにより行われる。前回の変動でエンディングを迎えた場合(ステップS20:Y)、統括CPU37aは、ステップS30の処理へ移行する。ステップS30において、統括CPU37aは初期化処理を行う。具体的には、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されているパラメータ値X,Y,Zを全て0にするとともに、キャラクタ状態カウンタの値を「0」にして、初期段階に戻す。そして、統括CPU37aは、ステップS40の処理へ移行する。
その後、統括CPU37aは、次のキャラクタ成長演出を開始するまでに実行される変動の回数(待機回数)を決定するために、ステップS40において待機用乱数(本実施形態では0〜28までの29通りの整数)を取得し、ステップS50の処理へ移行する。例えば、待機用乱数の値が0の場合には、次の変動からキャラクタ成長演出を開始させ、待機用乱数が28の場合には、変動が28回行われた後の次の変動からキャラクタ成長演出を開始させる。このように、エンディングを迎えた直後にキャラクタ成長演出を開始させないことにより、遊技者を前回の変動でエンディングを迎えた余韻に浸らせることができる。また、待機用乱数を用いてキャラクタ成長演出をランダムに開始させるため、遊技者は、キャラクタ成長演出がいつ開始されるのかを想像できない。よって、新たなキャラクタ成長演出の開始への期待を高めることができる。
ステップS50において、統括CPU37aは、ステップS40にて取得した待機用乱数に対応する待機用カウンタの値をセット(RAM37cに記憶)し、ステップS60の処理へ移行する。なお、ここでセットした待機用カウント値は、ステップS80の処理で減算される。
一方、前記ステップS20において、前回の変動でエンディングを迎えていないと判定された場合(ステップS20:N)、統括CPU37aは、ステップS70の処理へ移行する。なお、電源投入時には初期化が行われるため、電源投入後の最初の変動での判定は「NO」となる。ステップS70において、統括CPU37aは、待機用カウンタの値が0以外であるか否かを判定する。待機用カウンタの値が0以外であると判定された場合(ステップS70:Y)、統括CPU37aは、ステップS80の処理へ移行する。ステップS80において、統括CPU37aは、待機用カウンタの値を1減算して、ステップS60の処理へ移行する。なお、待機用カウンタの値は、前回の変動でエンディングを迎えない限り、変動パターン指定コマンドが入力される度(図柄組み合わせゲームが開始される度)に1ずつ減算される。
待機用カウンタが0になると(ステップS70:N)、統括CPU37aは、ステップS90の処理へ移行する。ステップS90において、統括CPU37aは、前記ステップS10の処理にて入力された変動パターン指定コマンドが短縮変動用の変動パターンP2に関するものであるか否かを判定する。即ち、統括CPU37aは、変動パターンが確率変動状態時に選択されるハズレ演出に関するものであるか否かを判定する。変動パターンP2に関するものである場合(ステップS90:Y)、統括CPU37aは、後述するパラメータ値X,Y,Zの加算の処理を実行せずに、ステップS60の処理へ移行する。
一方、前記ステップS90において、入力された変動パターン指定コマンドが変動パターンP2に関するものではない、即ち、変動パターンP1,P3,P4,P5,P6,P7のいずれかに関するものである場合(ステップS90:N)、統括CPU37aは、ステップS100の処理(キャラクタ成長処理)へ移行する。
ステップS100において、統括CPU37aは、図21に示すサブルーチンを実行する。図21のサブルーチンは、ステップS210〜S290の処理からなる。ステップS210において、統括CPU37aは、前記ステップS10の処理にて入力された変動パターン指定コマンドが通常変動用の変動パターンP1に関するものであるか否かを判定する。変動パターンP1に関するものである場合(ステップS210:Y)、統括CPU37aは、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されているパラメータ振分用乱数を取得して、ステップS230の処理へ移行する。ステップS230において、統括CPU37aは、ステップS220にて取得したパラメータ振分用乱数とパラメータ加算値テーブル1(図5参照)とに基づいて、パラメータ値X,Y,Zへの加算値を決定する。そして、統括CPU37aは、決定した加算値をRAM37cに記憶されているパラメータ値X,Y,Zに加算する。なお、RAM37cに記憶されているパラメータ値X,Y,Zは、電源投入時やパラメータ値X,Y,Zがリセットされた直後であれば、全て0になっている。それ以外の場合では、前回の図柄組み合わせゲーム時のパラメータ値X,Y,ZがRAM37cに記憶されている。そして、統括CPU37aは、ステップS250の処理へ移行する。
一方、前記ステップS210において、入力された変動パターン指定コマンドが変動パターンP1に関するものではない、即ち、変動パターンP3〜P7のいずれかに関するものである場合(ステップS210:N)、統括CPU37aは、ステップS240の処理へ移行する。ステップS240において、統括CPU37aは、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンとパラメータ加算値テーブル2(図6参照)とに基づいて、パラメータ値X,Y,Zへの加算値を決定する。そして、統括CPU37aは、決定した加算値をRAM37cに記憶されているパラメータ値X,Y,Zに加算し、ステップS250の処理へ移行する。
ステップS250において、統括CPU37aは、ステップS230,S240で加算された現在のパラメータ値X,Y,Zの確認を行う。そして、ステップS270において、統括CPU37aは、キャラクタ成長テーブル(図7参照)に基づいて、キャラクタの第2成長条件(キャラクタを成人期からエンディングに成長させるための条件)を満たしたか否かを判定する。具体的には、パラメータ値X,Y,Zの最大値ρが130以上になったか否かを判定する。第2成長条件を満たしている場合(ステップS270:Y)、統括CPU37aはステップS280の処理へ移行する。一方、第2成長条件を満たしていない場合(ステップS270:N)、統括CPU37aはステップS260の処理へ移行する。
ステップS260において、統括CPU37aは、キャラクタ成長テーブルに基づいて、キャラクタの第1成長条件(キャラクタを、初期段階→赤ちゃん、赤ちゃん→幼児期、幼児期→成人期に成長させるための条件)を満たしたか否かを判定する。具体的には、初期段階→赤ちゃんの場合、最大値ρが1より大きくなったか否かを判定する。赤ちゃん→幼児期の場合、最大値ρが32以上になったか否かを判定する。幼児期→成人期の場合、最大値ρが70以上になったか否かを判定する。そして、第1成長条件を満たしている場合(ステップS260:Y)、統括CPU37aはステップS290の処理へ移行する。一方、第1成長条件を満たしていない場合、即ち、キャラクタが成長しない場合(ステップS260:N)には、統括CPU37aは、ステップS290の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。
ステップS280において、統括CPU37aは、前記ステップS10の処理にて入力された変動パターン指定コマンドが変動パターンP5〜P7のいずれか1つに関するものであるか否かを判定する。即ち、統括CPU37aは、入力された変動パターン指定コマンドが、スーパーリーチA,Bに発展する演出のベースとなる変動パターンに関するものであるか否かを判定する。変動パターンP5〜P7のいずれか1つに関するものである場合(ステップS280:Y)、統括CPU37aは、ステップS290の処理へ移行する。一方、変動パターン指定コマンドが変動パターンP5〜P7に関するものではない場合(ステップS280:N)、即ち、通常変動やノーマルリーチが行われる変動パターンに関するものである場合、統括CPU37aは、ステップS290の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。この場合、ステップS270にて第2成長条件を満たした場合であっても、キャラクタ成長演出においてエンディングに成長しなくなる。よって、エンディングを迎える場合は、スーパーリーチA,Bの予告となる。
ステップS290において、統括CPU37aは、キャラクタ成長テーブル(図7参照)に示す第1変化ルール及び第2変化ルールに基づいて、成長後の新たなキャラクタを決定する。そして、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されているキャラクタ状態カウンタの値を、成長後の新たなキャラクタに対応する値に書き換え(RAM37cに記憶)して、本サブルーチンを終了する。その後、記憶したキャラクタ状態カウンタの値に基づいて、前記ステップS60の処理にてサブ表示制御CPU34aにキャラクタ指定コマンドが出力される。なお、ステップS260の判定が否定の場合には、キャラクタ状態カウンタの値の書き換えが行われないため、前回の変動と同様のキャラクタを指示するキャラクタ指定コマンドがステップS60の処理にて出力される。
ここで、図21に示されるサブルーチンが終了すると、統括CPU37aは、図20に示される前記ステップS60の処理へ移行する。ステップS60の処理において、統括CPU37aは、キャラクタ状態カウンタの値に基づいてキャラクタ指定コマンドを出力し、ここでの処理を終了する。なお、ステップS80の後にステップS60の処理を行う場合には、待機中ということで、初期化処理(ステップS30)にて設定したキャラクタを示すキャラクタ指定コマンドが出力される。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(演出選択処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図22に示されるステップS410の処理において、統括CPU37aは、メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されたか否かを判定する。メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されない場合(ステップS410:N)、統括CPU37aは、ステップS420〜S460の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、変動パターン指定コマンドが入力された場合(ステップS410:Y)、統括CPU37aは、ステップS420の処理へ移行する。
ステップS420において、統括CPU37aは、前記ステップS410の処理にて入力された変動パターン指定コマンドが大当りの変動パターンP4,P6,P7に関するものであるか否かを判定する。大当りの変動パターンP4,P6,P7に関するものである場合(ステップS420:Y)、統括CPU37aは、ステップS430の処理へ移行する。一方、大当りの変動パターンP4,P6,P7に関するものではない場合(ステップS420:N)、統括CPU37aは、ステップS450の処理へ移行する。
ステップS430において、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されているキャラクタ状態カウンタの値が「8」であるか否か、即ち、サブ表示装置25に特殊キャラ(サーファー)が表示されている(今回の変動から表示される)か否かを判定する。キャラクタ状態カウンタが「8」である場合、統括CPU37aは、ステップS440の処理へ移行する。一方、キャラクタ状態カウンタが「8」以外の場合、統括CPU37aは、ステップS450の処理へ移行する。
ステップS440において、統括CPU37aは、図柄組み合わせゲームにて行う演出に変化を加えるために、プレミア演出(例えば、図柄表示装置18に特別な背景や特別なキャラクタを表示する演出)を選択して、ステップS460の処理へ移行する。また、ステップS450において、統括CPU37aは、通常の演出を選択して、ステップS460の処理へ移行する。
その後、ステップS460において、統括CPU37aは、ステップS440,S450にて決定した演出内容に基づいて、表示制御CPU33a及び音声・ランプ制御CPU32aに演出内容指定コマンドを出力し、ここでの処理を終了する。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(デモ処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図23に示されるステップS510の処理において、統括CPU37aは、デモンストレーション演出(デモ演出)中であることを示すデモフラグがオフされている(RAM37cに記憶されていない)か否かを判定する。デモフラグがオフされている場合(ステップS510:Y)、統括CPU37aは、ステップS520の処理へ移行する。ステップS520において、統括CPU37aは、デモコマンドが図示しない入力処理にて入力されたか否かを判定する。ここで、デモコマンドとは、主制御基板31のメインCPU31aから全図柄停止コマンドが出力された後に変動パターン指定コマンドが出力されない場合に、メインCPU31aから出力されるコマンドである。デモコマンドが入力されていなければ(ステップS520:N)、統括CPU37aは、ステップS530の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、デモコマンドが入力されていれば(ステップS520:Y)、ステップS530においてデモフラグをオン(RAM37cに記憶)して、ここでの処理を終了する。なお、統括CPU37aは、表示制御CPU33a、音声・ランプ制御CPU32a及びサブ表示制御CPU34aにデモコマンドを出力し、デモンストレーション演出(図示略)を実行させる。
また、前記ステップS510の処理において、デモフラグがオンされている場合(ステップS510:N)、統括CPU37aは、ステップS540の処理へ移行する。ステップS540において、統括CPU37aは、メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されたか否かを判定する。メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されない場合(ステップS540:N)、統括CPU37aは、ステップS550〜S570の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、変動パターン指定コマンドが入力された場合(ステップS540:Y)、統括CPU37aは、ステップS550の処理へ移行する。
ステップS550において、統括CPU37aは、変動パターン指定コマンドが入力されたということで、前記ステップS530でオンにしたデモフラグをオフにして、ステップS560の処理へ移行する。ステップS560において、統括CPU37aは、後述するキャラ初期化用フラグがオンされていればオフにして、ステップS570の処理へ移行する。ステップS570において、統括CPU37aは、後述するキャラ初期化用タイマをクリアする。これにより、デモンストレーション演出中にタッチセンサ26が操作されていても、変動パターン指定コマンドが入力された場合には、キャラクタ初期化のための処理をキャンセルすることができる。その後、統括CPU37aは、ここでの処理を終了する。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(キャラクタ初期化処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図24に示されるステップS610の処理において、統括CPU37aは、前記ステップS530の処理にて設定される前記デモフラグがオンされているか否かを判定する。デモフラグがオンされている場合(ステップS610:Y)、統括CPU37aは、ステップS620の処理へ移行する。一方、デモフラグがオフされている場合(ステップS610:N)、統括CPU37aは、ここでの処理を終了する。
ステップS620の処理において、統括CPU37aは、前記キャラ初期化用フラグがオフされているか否かを判定する。キャラ初期化用フラグがオフされている場合(ステップS620:Y)、統括CPU37aは、ステップS630の処理へ移行する。一方、キャラ初期化用フラグがオンされている場合(ステップS620:N)、統括CPU37aは、ステップS660の処理へ移行する。
ステップS630において、統括CPU37aは、タッチセンサ26(図1,図2参照)が操作されたか否か、即ち、タッチセンサ26からの操作信号がオフ状態からオン状態に切り換わったか否かを判定する。操作信号がオフ状態のままである場合(ステップS630:N)、統括CPU37aは、タッチセンサ26が操作されていないとして、ステップS640,S650の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、操作信号がオン状態に切り換わった場合(ステップS630:Y)、統括CPU37aは、タッチセンサ26が操作されたとして、ステップS640の処理へ移行する。
そして、統括CPU37aは、ステップS640においてキャラ初期化用フラグをオンした後、ステップS650においてキャラ初期化用タイマを3000msにセットし、ここでの処理を終了する。
また、前記ステップS660において、統括CPU37aは、タッチセンサ26からの操作信号が引き続きオン状態であるか否かを判定する。操作信号がオフ状態である場合(ステップS660:N)、統括CPU37aは、タッチセンサ26が操作されていないとして、ステップS670〜S690の処理を行わずに、ステップS700の処理へ移行する。なお、ステップS660が否定判定される場合としては、遊技者が一瞬タッチセンサ26に触れてしまった場合などが考えられる。一方、操作信号がオン状態である場合(ステップS660:Y)、統括CPU37aは、タッチセンサ26が継続して操作されたとして、ステップS670の処理へ移行する。
ステップS670において、統括CPU37aは、ステップS650の処理でセットしたキャラ初期化用タイマを減算して、ステップS680の処理へ移行する。ステップS680において、統括CPU37aは、キャラ初期化用タイマが0になっているか否かを判定する。キャラ初期化用タイマが0になっていないと判定された場合(ステップS680:N)、統括CPU37aは、ステップS690〜S710の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。なお、ステップS610,S620,S660〜S680の処理は、キャラ初期化用タイマが0になるまで繰り返し行われる。そして、キャラ初期化用タイマが0になった場合、即ち、遊技者がタッチセンサ26を3秒間操作した場合(ステップS680:Y)、統括CPU37aは、ステップS690の処理へ移行する。
ステップS690において、統括CPU37aは、パラメータ値X,Y,Zをリセットするとともに、キャラクタ状態カウンタの値をリセットする(「0」にする)初期化処理を行う。それとともに、統括CPU37aは、サブ表示制御CPU34aにキャラクタ指定コマンドを出力する。これにより、キャラクタは初期段階(図8に示す金の卵)に戻る。このように、3秒間タッチセンサ26を操作することではじめて前記ステップS30と同様の初期化処理が行われるため、タッチセンサ26に触れてしまうなどの誤操作により初期化処理が行われてしまうことを防止できる。その後、統括CPU37aは、ステップS700にてキャラ初期化用フラグをオフし、ステップS710にてキャラ初期化用タイマをクリアして、ここでの処理を終了する。
さて、キャラクタ成長演出の具体的な流れを説明する。例えば、キャラクタが赤ちゃんから幼児期に成長し、サブ表示装置25に暴れる子馬(図10参照)が表示された場合について考える。この場合、キャラクタが引き続き成長してエンディングに到達すると、キャラクタ成長演出が終了し、しばらくすると新たなキャラクタ成長演出が開始される。そして、キャラクタは再び幼児期に成長する。このとき、サブ表示装置25に、再び暴れる子馬(図10参照)が表示される場合もあるが、普通の子馬(図11参照)や居眠りする子馬(図12参照)が表示される可能性もある。ゆえに、キャラクタ成長演出を繰り返したとしても、幼児期において同じ演出が行われるとは限らない。
なお、このことは、成人期やエンディングについても同様のことが言える。即ち、成人期においては、サブ表示装置25に、普通の馬(図13参照)、酔っ払った馬(図14参照)、筋肉質の馬(図15参照)及びサーファーの馬(図16参照)のいずれか1つが表示される可能性がある。ゆえに、キャラクタ成長演出を繰り返したとしても、成人期において同じ演出が行われるとは限らない。また、エンディングにおいては、サブ表示装置25に、ダービーで優勝した馬(図17参照)、馬車(図18参照)、夜逃げする馬(図19参照)のいずれか1つが表示される可能性がある。ゆえに、キャラクタ成長演出を繰り返したとしても、エンディングにおいて同じ演出が行われるとは限らない。
従って、遊技者は、長時間遊技を続けたとしても、キャラクタが幼児期、成人期、エンディングの各段階で成長する度に、どのようなキャラクタに成長するのかをワクワクしながら待つことになる。ゆえに、同じ内容のキャラクタ成長演出が続いて飽きてしまうことを防止できる。
また、パラメータ値X,Y,Zへの加算値は、変動パターンの種類に応じて決定される。具体的に言うと、パラメータ値X,Y,Zへの加算値の合計は、変動パターンP1→変動パターンP3→変動パターンP4→変動パターンP5→変動パターンP6→変動パターンP7の順に徐々に大きくなっている。即ち、図柄組み合わせゲームにて行われる演出が、めったに見られないものであったり、遊技者にとって有利なものであったりする程、パラメータ値X,Y,Zへの加算値は他の演出に比べて大きくなる。これにより、キャラクタの成長が実際の図柄組み合わせゲームの内容に一致するようになる。
従って、例えば変動パターンP7が選択されて、図柄組み合わせゲームがめったに見ることのできないスーパーリーチBに発展した場合、キャラクタは2段階以上成長(例えば、幼児期→エンディングに成長)する。よって、「遊技成績が良いのにキャラクタがあまり成長しない」といった不満を解消することができる。また、例えば変動パターンP1が選択されて通常変動が行われる場合、キャラクタは成長したとしても1段階のみ(例えば、幼児期→成人期に成長)である。よって、遊技成績がさほど良くないのにキャラクタが大きく成長することで遊技者に違和感を与えることがなくなる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10によれば、統括CPU37aがパラメータ値X,Y,Zへの加算値を決定するため、統括CPU37aは、決定された加算値に応じてパラメータ値X,Y,Zを不規則に変化させることができる。しかも、幼児期、成人期及びエンディングにおいて、統括CPU37aは、複数種類のキャラクタの候補の中から1つを選択して成長させるため、図柄組み合わせゲームを繰り返すことで、キャラクタの成長過程が複雑になる。よって、遊技者を飽きさせないパチンコ機10を提供できる。
しかも、統括CPU37aは、変動パターンに基づいてパラメータ値X,Y,Zの変化量を決定するため、キャラクタの成長が実際の図柄組み合わせゲームの内容に一致する。従って、キャラクタを成長させる際の違和感をなくすことができる。
(2)一般的に、遊技者が遊技を行うにあたり、30分〜40分に1回は遊技者に何らかの刺激を与えることが望ましい。このようにすれば、長時間の遊技であっても、遊技者は遊技に飽きにくくなる。しかしながら、現実のパチンコ機10を考えた場合、30分〜40分に1回大当りを出現させて遊技者に刺激を与えることは不可能である。また、30分〜40分に1回の確率でスーパーリーチを発生させて遊技者に刺激を与えようとしても、結局のところ乱数抽選にてスーパーリーチの発生を決定しているため、この30〜40分の間にスーパーリーチが複数回発生することもあれば1回も発生しない場合もある。
そこで、本実施形態では、統括CPU37aにて決定されたパラメータ値X,Y,Zへの加算値に応じてパラメータ値X,Y,Zの加算を行い、加算されたパラメータ値X,Y,Zに基づいてキャラクタを成長させるようになっている。なお、本実施形態におけるパラメータ値X,Y,Zへの加算値は、50〜60分で、キャラクタが初期段階からエンディングに成長するように振り分けられている。これにより、30〜40分の間にキャラクタが成長する可能性が極めて高くなるため、30分〜40分の間に遊技者に刺激を与えることができる。ゆえに、遊技者は遊技に飽きにくくなる。
(3)本実施形態では、確率変動状態になると、大半の場合は変動パターンP2に基づいて短縮変動が実行されるようになる。この場合、1回の図柄変動時間が短くなるため、短時間に複数の図柄組み合わせゲームが行われるようになる。また、始動入賞口22の普通電動役物22aの開放時間が延長されるため、図柄組み合わせゲームが開始されやすくなる。このため、変動パターンP2に基づいてパラメータ値X,Y,Zを加算するようにすれば、すぐにキャラクタが成長してエンディングを迎えてしまう。しかも、確率変動状態では、時間効率を上げるために、通常時に比べてハズレリーチ演出が実行される確率が低くなっている(例えば1/10→1/50)。その結果、殆どの変動が短縮変動となるため、変動パターンP2に基づいてパラメータ値X,Y,Zを加算したとしても、パラメータ値X,Y,Zへの加算値の変化が乏しくなり、キャラクタの成長過程が同じものになりやすい。そこで、本実施形態では、短縮変動となる変動パターンP2が決定された場合に、統括CPU37aがパラメータ値X,Y,Zを加算しないようにしている。これにより、上記の問題点を解消することができる。
(4)ところで、図柄組み合わせゲームの大半は通常変動(ハズレ演出)である。このため、通常変動の際のパラメータ値X,Y,Zへの加算値のパターンが1通りであると、常に同じようなスピードでキャラクタが成長することになる。そこで、本実施形態では、通常変動に限り(変動パターンP1が決定された場合に限り)、パラメータ振分用乱数を取得して、パラメータ加算値テーブル1(図5参照)に基づき、複数のパターンの中からパラメータ値X,Y,Zへの加算値を決定している。これにより、キャラクタの成長スピードや成長過程をランダムに変化させることができる。
(5)本実施形態では、キャラクタがサーファーの馬(図16参照)である場合、図柄表示装置18にてプレミア演出が行われるようになっている。このように、単にサブ表示装置25にてキャラクタ成長演出を行うだけではなく、サブ表示装置25での演出と図柄表示装置18での演出とを関連付けることにより、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施形態では、サブ表示装置25にサーファーの馬が表示されている場合のみに、図柄表示装置18にてプレミア演出が表示されるため、プレミア演出が表示された際の喜びが大きくなる。
(6)例えば、プレミア演出を見たいにもかかわらず、成人期のキャラクタがプレミア演出を見ることができないキャラクタ、即ち、普通の馬(図13参照)、酔っ払った馬(図14参照)、筋肉質の馬(図15参照)のいずれかが表示される可能性がある。この場合、タッチセンサ26を操作すれば、キャラクタを初期段階(図8に示す金の卵)に戻すことができる。これにより、エンディングを迎えるまでの無駄な時間を消費せずに、最初からキャラクタ成長演出をやり直すことができる。
(7)本実施形態のキャラクタは、サブ表示制御基板34のサブ表示制御CPU34aにて決定されるのではなく、統括制御基板37の統括CPU37aにて決定される。このため、サブ表示制御CPU34aがキャラクタを決定する場合に比べて、サブ表示制御CPU34aにかかる負荷を軽減できる。
また、キャラクタがサーファーの馬(図16参照)である場合に、統括CPU37aからサブ表示制御CPU34aにキャラクタ指定コマンドを出力(図20のステップS60参照)できるだけでなく、表示制御基板33の表示制御CPU33a及び音声・ランプ制御基板32の音声・ランプ制御CPU32aに演出内容指定コマンドを出力(図22のステップS460参照)することもできる。これにより、表示制御CPU33a及び音声・ランプ制御CPU32aは、演出内容指定コマンドに基づいて、図柄表示装置18にて行われる図柄組み合わせゲームの演出内容をプレミア演出に変化させることができる。よって、図柄表示装置18にて行われる演出がより複雑になるため、遊技者をよりいっそう飽きさせないパチンコ機10を提供できる。また、キャラクタ指定コマンド及び演出内容指定コマンドが統括CPU37aから出力されるため、サブ表示装置25の表示、図柄表示装置18にて行われる演出、スピーカ17からの音声の出力、トップランプ16の点灯(点滅)・消灯を同期させることができる。
(8)例えば、図柄表示装置18及びサブ表示装置25を1つのCPUによって制御することが考えられる。この場合、CPUによって2つの表示装置を制御する必要があるため、CPUに負荷がかかってしまう。しかも、図柄表示装置18は液晶式の表示装置であるが、サブ表示装置25は液晶式とは異なる蛍光表示管式の表示装置である。さらに、両者はそれぞれ常時表示されている。よって、CPUにかかる負荷はよりいっそう大きくなる。
一方、本実施形態では、図柄表示装置18は表示制御基板33の表示制御CPU33aによって制御され、サブ表示装置25はサブ表示制御基板34のサブ表示制御CPU34aによって制御される。このため、図柄表示装置18及びサブ表示装置25を1つのCPUによって制御する場合に比べて、CPUにかかる負荷を軽減できる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、パラメータ値X,Y,Zの少なくとも1つを加算することにより、キャラクタを成長させていた。しかし、パラメータ値X,Y,Zの少なくとも1つを減算することにより、キャラクタを成長させるようにしてもよい。また、パラメータ値X,Y,Zの少なくとも1つを加算(または減算)することにより、キャラクタを若返らせるようにしてもよい。
・上記実施形態のタッチセンサ26は、キャラクタを初期段階に戻すためだけに操作されるようになっていた。しかし、タッチセンサ26を、図柄組み合わせゲーム中の演出を選択するためなどの他の用途に用いてもよい。この場合、図柄組み合わせゲーム中にタッチセンサ26から操作信号が入力されると、統括CPU37aは、図柄組み合わせゲーム中の背景の切換を指示する背景切換コマンドを表示制御基板33の表示制御CPU33aに出力する。そして、表示制御CPU33aは、統括CPU37aから入力された背景切換コマンドに基づいて、図柄表示装置18に表示される画面の背景を切り換える。
・上記実施形態のタッチセンサ26は、パラメータ値X,Y,Zをクリア(0に減算)して、キャラクタを初期段階に戻すために操作されるようになっていた。しかし、タッチセンサ26は、パラメータ値X,Y,Zの最大値ρを0以外の正の整数に減算して、キャラクタを前の成長段階に戻す(例えば、成人期から幼児期)ために操作されるようになっていてもよい。さらに、タッチセンサ26は、パラメータ値X,Y,Zの少なくとも1つを加算して、キャラクタを成長させるために操作されるようになっていてもよい。
・上記実施形態では、キャラクタ状態カウンタの値が「8」である場合のみに、図柄表示装置18にてプレミア演出が行われていた。しかし、キャラクタ状態カウンタの値が「8」でない場合であっても、図柄表示装置18にて何らかの演出を行うようにしてもよい。例えば、キャラクタ状態カウンタの値に応じて、図柄組み合わせゲームで表示される背景、キャラクタ、図柄などの種類を変更するようにしてもよい。また、キャラクタ状態カウンタの値に応じて、プレミア演出を行うタイミングを変更するようにしてもよい(例えば、リーチ演出中など)。
・上記実施形態では、図柄表示装置18が表示制御基板33の表示制御CPU33aによって制御され、サブ表示装置25がサブ表示制御基板34のサブ表示制御CPU34aによって制御されていたが、図柄表示装置18及びサブ表示装置25を1つのCPUによって制御するようにしてもよい。
・上記実施形態では、図柄表示装置18とサブ表示装置25とが別々に設けられていた。しかし、1つの表示装置に、図柄組み合わせゲームを表示する図柄組み合わせゲーム用表示部と、キャラクタを表示するキャラクタ用表示部とを設けてもよい。
・上記実施形態では、パラメータ値X,Y,Zに基づいて複数種類のキャラクタの候補の中から1つを選択し、サブ表示装置25に表示されるキャラクタを選択したキャラクタに成長させるようになっていた。しかし、サブ表示装置25の代わりに図柄組み合わせゲームを補助する可動体を設け、パラメータ値X,Y,Zに基づいて、複数種類の可動体の動作態様の候補の中から1つを選択し、可動体を選択した動作態様に変化させるようにしてもよい。例えば、可動体が卵である場合、選択した動作態様に基づき、卵(初期段階)→卵が割れる(中期段階)→ひよこ(成長段階、第1の動作態様)が出てくる、というように変化させてもよいし、卵(初期段階)→卵が割れる(中期段階)→桃太郎(成長段階、第2の動作態様)が出てくる、というように変化させてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記変動パターンが、大当りとなる図柄組み合わせが導出される大当り演出のベースとなるパターンである場合、または、出現率の低いプレミア演出のベースとなるパターンである場合、前記パラメータ値変化量決定手段が決定する前記パラメータ値の変化量は、変動パターンが他の演出のベースとなるパターンである場合よりも大きいこと。
(2)請求項1乃至6のいずれか1項において、遊技者にとって有利な特定遊技状態であって、該特定遊技状態中において大当りまたはリーチの図柄組み合わせが導出されないハズレ演出である場合、前記パラメータ値変更手段は、前記複数のパラメータ値を変更しないこと。
(3)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記パラメータ値変化量決定手段は、前記表示内容が初期段階から最終段階に変化するまでに行われる前記図柄組み合わせゲームの平均回数が大当りの抽選確率の逆数より低くなるように、パラメータ値の変化量を設定すること。
(4)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記パラメータ値変化量決定手段は、前記表示内容が初期段階から最終段階に変化するまでの時間が30分以上60分以下となるように、パラメータ値の変化量を設定すること。
(5)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記表示内容は、複数段階に成長するキャラクタであり、前記表示内容変化手段は、前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つが閾値に到達した場合に、前記キャラクタを成長させること。
(6)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記表示内容変化手段は、少なくとも1つが前記パラメータ値変更手段によって変更された前記複数のパラメータ値を記憶するパラメータ値記憶手段と、前記パラメータ値記憶手段に記憶されている前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つが閾値に到達したか否かを判定する判定手段とを備えること。
(7)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つを加算させるために操作される操作手段を備えたこと。
(8)複数のパラメータ値を記憶するパラメータ値記憶手段と、前記パラメータ値記憶手段に記憶されている前記複数のパラメータ値に基づいて、図柄組み合わせゲームを補助する可動体を動かして複数段階に変化させる変化演出を実行させる演出制御手段と、始動入賞条件の成立に基づいて前記図柄組み合わせゲームを行う図柄表示装置とを備える遊技機であって、前記演出制御手段は、前記図柄組み合わせゲームが行われる度に、前記図柄組み合わせゲームのベースとなる変動パターンに基づいて、前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つのパラメータ値の変化量を決定するパラメータ値変化量決定手段と、前記パラメータ値変化量決定手段にて決定されたパラメータ値の変化量に基づいて、前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つを変更するパラメータ値変更手段と、前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つが可動体変化条件が成立する閾値に到達した場合に、前記可動体を動かして変化させる可動体変化手段とを備え、前記可動体変化手段は、前記複数のパラメータ値のうちの少なくとも1つが前記閾値に到達したときの前記複数のパラメータ値の関係に基づいて、前記可動体を、複数種類の可動体の動作態様の候補の中から1つを選択して変化させることを特徴とする遊技機。