以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図1〜図21に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。この外枠11は、外枠11の下部を構成する合成樹脂製の腰板ユニット11aを備えている。外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えたガラス保持枠14と、上球皿15とが、それぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。ガラス保持枠14の上部前面には、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾を行うトップランプ16が前面側に向けて突出している。このトップランプ16は、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。また、腰板ユニット11aの前面側における左右両側部には、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音、言語音声など)を出力するスピーカ17が互いに離間して形成されている。中枠12の前面側において上球皿15の下方には、下球皿19、操作ハンドル20及び灰皿23などが装着されている。
図1に示されるように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央部には、矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材21が装着されている。大型装飾部材21の奥側には、可視表示部H(表示画面)を備えた液晶式図柄表示装置18(図柄表示手段)が配設されている。なお、可視表示部Hは矩形状開口部から露出しており、視認可能とされている。この液晶式図柄表示装置18では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、液晶式図柄表示装置18では、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。
また、液晶式図柄表示装置18の下方には、普通電動役物22aが一体的に構成された始動入賞口22が配設されている。普通電動役物22aは、一対の羽根部材からなり、図示しないソレノイドの励磁作用により開閉するようになっている。また、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口24が配置されている。始動入賞口22にて遊技球が検知された場合には、液晶式図柄表示装置18による図柄組み合わせゲームが行われるとともに、賞球の払い出しが行われるようになっている。
図1に示されるように、液晶式図柄表示装置18の左右両側には、遊技球の通過を検知する機能を有するゲート25が設けられている。なお、ゲート25にて遊技球が検知された場合、乱数抽選に基づいて普通電動役物22aのソレノイドが駆動される。これにより、一対の羽根部材が開放されるため、始動入賞口22に遊技球が入賞しやすくなる。
図2に示されるように、液晶式図柄表示装置18の前記可視表示部Hの左下部には、6種類の特別図柄B1を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが表示されるようになっている。各特別図柄B1は、「0」〜「5」を示す6通りの記号である。本実施形態では、図柄「△」は「0」を示し、図柄「▲」は「1」を示し、図柄「∴」は「2」を示している。また、図柄「▽」は「3」を示し、図柄「▼」は「4」を示し、図柄「∵」は「5」を示している。よって、これらの特別図柄B1は、遊技者には認識しにくいものとなっている。また、各特別図柄B1により、大当りの図柄組み合わせ(例えば、「△,△,△」、「▲,▲,▲」、「∴,∴,∴」、「▽,▽,▽」、「▼,▼,▼」、「∵,∵,∵」)、または、ハズレの図柄組み合わせ(例えば、「▽,∴,▼」、「▲,∵,∵」)が図柄組み合わせゲームの結果として導出されるようになっている。本実施形態では、大当りの図柄組み合わせのうち、「▲,▲,▲」、「▽,▽,▽」、「∵,∵,∵」を特定図柄(確率変動を開始させる契機となる図柄)の図柄組み合わせとし、「△,△,△」、「∴,∴,∴」、「▼,▼,▼」を非特定図柄(確率変動を開始させる契機とはならない図柄)の図柄組み合わせとしている。なお、各特別図柄B1は、大当り判定の結果のみを示すものであり、リーチや再抽選の図柄の変動を示すものではない。また、各特別図柄B1は一瞬だけ停止表示されるものである。このため、各特別図柄B1を見ることにより、特定図柄の図柄組み合わせか非特定図柄の図柄組み合わせかを判断することが非常に困難となっている。
また、図2に示される可視表示部Hの下部中央部には、複数(本実施形態では4個)の保留球表示図柄C1が表示されている。保留球表示図柄C1は、前記始動入賞口22への入賞を契機として記憶された遊技球(特別図柄始動保留球)が存在する場合に図柄「◎」となり、特別図柄始動保留球が存在しない場合に図柄「○」となる。各保留球表示図柄C1は、特別図柄始動保留球の数を示すためのものである。例えば、特別図柄始動保留球が3個である場合、3個の保留球表示図柄C1が図柄「◎」となる(図2参照)。
さらに、可視表示部Hの中央部には、6種類の飾り図柄E1を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが表示されるようになっている。飾り図柄E1は、「0」〜「5」の6通りの数字を示す図柄である。これら飾り図柄E1は、前記各特別図柄B1に対応付けられている。具体的には、飾り図柄E1の「0」は特別図柄B1の図柄「△」に対応し、飾り図柄E1の「1」は特別図柄B1の図柄「▲」に対応し、飾り図柄E1の「2」は特別図柄B1の図柄「∴」に対応している。また、飾り図柄E1の「3」は特別図柄B1の図柄「▽」に対応し、飾り図柄E1の「4」は特別図柄B1の図柄「▼」に対応し、飾り図柄E1の「5」は特別図柄B1の図柄「∵」に対応している。飾り図柄E1は、特別図柄B1の図柄組み合わせに応じて、図柄組み合わせを導出するようになっている。例えば、各特別図柄B1により「▲,∴,▽」の図柄組み合わせが導出される場合に、各飾り図柄E1により「1,2,3」の図柄組み合わせが導出され、各特別図柄B1により「▽,△,▽」の図柄組み合わせが導出される場合に、各飾り図柄E1により「3,0,3」の図柄組み合わせが導出されるようになっている。よって、遊技者は、これらの飾り図柄E1から、リーチや大当りなどを認識することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄B1により前記特定図柄での図柄組み合わせが導出されている場合に限り、飾り図柄E1が特別図柄B1に対応しなくなる可能性がある。具体的には、各特別図柄B1により「▽,▽,▽」の図柄組み合わせが導出されている場合に、各飾り図柄E1により「2,2,2」の図柄組み合わせが導出されることがある(本来は「3,3,3」)(図11参照)。また、各特別図柄B1により「▲,▲,▲」の図柄組み合わせが導出されている場合に各飾り図柄E1により「0,0,0」の図柄組み合わせが導出されることもある(本来は「1,1,1」)。さらに、各特別図柄B1により「∵,∵,∵」の図柄組み合わせが導出されている場合に各飾り図柄E1により「4,4,4」の図柄組み合わせが導出されることもある(本来は「5,5,5」)。
また、図1に示される前記ゲート25にて遊技球が検知された場合、前記可視表示部Hの右下部には、複数種類の普通図柄D1を2列で変動させて導出される図柄組み合わせが表示されるようになっている(図2参照)。なお、本実施形態の普通図柄D1は、図柄「○」または図柄「×」の2種類である。また、各普通図柄D1により、当りの図柄組み合わせ(例えば、「○,○」、「×,×」)、または、ハズレの図柄組み合わせ(例えば、「○,×」、「×,○」)が導出されるようになっている。そして、当りの図柄組み合わせが導出された場合、前記普通電動役物22aの前記ソレノイドが所定時間だけ駆動され、前記一対の羽根部材が開放されるようになっている。
また、可視表示部Hの右下部には、複数(本実施形態では4個)の保留球表示図柄F1が表示されている。各保留球表示図柄F1は、可視表示部Hにおいて各普通図柄D1の下側に配置されている。保留球表示図柄F1は、ゲート25への入賞を契機として記憶された遊技球(普通図柄始動保留球)が存在する場合に図柄「◎」となり、普通図柄始動保留球が存在しない場合に図柄「○」となる。各保留球表示図柄F1は、普通図柄始動保留球の数を示すためのものである。例えば、普通図柄始動保留球が2個である場合、2個の保留球表示図柄F1が「◎」となる(図2参照)。
図3,図4に示されるように、機内部に配置された統括制御基板37には、『設定手段』としてのモード切換スイッチSWが設けられている。モード切換スイッチSWは、大当りの抽選確率が高確率に変動する前記確率変動の報知タイミングのモードを設定するために、遊技店の店員によって操作されるようになっている。本実施形態のモード切換スイッチSWは、スイッチSW1及びスイッチSW2を有するディップスイッチである。スイッチSW1,SW2は、オン位置(図3のスイッチSW1参照)に操作されるとオン状態となり、操作信号を統括制御基板37の統括CPU37aに出力するようになっている。また、スイッチSW1,SW2は、オフ位置(図3のスイッチSW2参照)に操作されるとオフ状態となり、操作信号を出力しなくなる。よって、スイッチSW1、SW2の組み合わせは、ON−ON、ON−OFF、OFF−ON、OFF−OFFの4通りに設定可能となっている。
図4に示されるように、このパチンコ機10は、主制御基板31、表示制御基板33、音声・ランプ制御基板32及び統括制御基板37を備えている。主制御基板31に対しては統括制御基板37が接続され、その統括制御基板37に対しては表示制御基板33及び音声・ランプ制御基板32がそれぞれ接続されている。統括制御基板37には、主制御基板31から出力された制御信号が入力され、表示制御基板33及び音声・ランプ制御基板32には、統括制御基板37から出力された制御信号が入力されるようになっている。
主制御基板31は、メインCPU31aを備えており、メインCPU31aにはROM31b及びRAM31cが接続されている。メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。また、ROM31bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラム(メイン処理プログラム、タイマ割込処理プログラム、電源断処理プログラムなど)が記憶されている。
図4に示されるROM31bには、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンが振り分けられた変動パターン振分テーブル(図5参照)が記憶されている。各変動パターンは、前記液晶式図柄表示装置18に表示される各列の図柄(前記各特別図柄B1及び前記飾り図柄E1)が変動を開始(図柄組み合わせゲームを開始)してから全列の図柄が停止(図柄組み合わせゲームが終了)するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。図柄組み合わせゲーム用の変動パターンは、ハズレ演出用の変動パターンP1,P2、ハズレリーチ演出用の変動パターンP3及び大当り演出用の変動パターンP4に分類されている。各変動パターンP1〜P4には、変動パターン振分乱数の値(本実施形態では、0〜49までの50通りの整数)が振り分けられている。変動パターンP1は、通常状態(低確率状態)時であって、かつ通常変動の場合において、ハズレ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP2は、確率変動状態または変動時間短縮状態時であって、かつ通常変動よりも図柄変動時間を短縮した短縮変動の場合において、ハズレ演出のベースとなるパターンを示している。なお、ハズレ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく、ハズレの組み合わせで停止するように展開される演出である(図6参照)。変動パターンP3は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、ハズレの組み合わせで停止するように展開されるハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している(図6参照)。なお、図6では、説明の便宜上、前記保留球表示図柄C1、前記普通図柄D1及び前記保留球表示図柄F1を省略するとともに、特別図柄B1を拡大して記載している。変動パターンP4は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、大当りの組み合わせで停止するように展開される大当り演出のベースとなるパターンを示している。なお、リーチ演出は、リーチが形成されてから、大当りの組み合わせまたはハズレの組み合わせで停止または一旦停止するまでの間に行われる演出である。また、ハズレ演出、ハズレリーチ演出及び大当り演出の時間(図柄変動時間)は、変動パターンP1〜P4ごとに異なっている。具体的には、変動パターンP1に基づいてハズレ演出が10秒間実行され、変動パターンP2に基づいてハズレ演出が5秒間実行されるようになっている。また、変動パターンP3に基づいてハズレリーチ演出が30秒間実行され、変動パターンP4に基づいて大当り演出が35秒間実行されるようになっている。
次に、前記メインCPU31aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、特別図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
図4に示されるメインCPU31aは、前記始動入賞口22により遊技球の入賞検知がなされたときに、所定の周期毎に更新される前記大当り判定用乱数の値及び前記大当り図柄用乱数の値を前記RAM31cから読み出し、それらの値をRAM31cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM31cの所定の格納領域に格納されている大当り判定用乱数の値と前記ROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、大当りを決定する。即ち、メインCPU31aは、『大当り付与手段』としての機能を有している。なお、本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。また、本実施形態では、大当りを契機として、大当り終了後に、図柄組み合わせゲームにて大当りの図柄組み合わせが導出される可能性を高くする特典(前記変動時間短縮または前記確率変動)が付与されるようになっている。そして、この大当り判定が特典を付与するか否かを判定することになる。即ち、メインCPU31aは、『特典付与判定手段』としての機能を有している。
大当りの決定がなされると、図4に示されるメインCPU31aは、前記液晶式図柄表示装置18に最終的に停止させる特別図柄B1(特別図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように決定する。具体的には、RAM31cに記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて特別図柄左、特別図柄中及び特別図柄右(各特別図柄は同一種類)を決定する。この決定された特別図柄左、特別図柄中、特別図柄右が、液晶式図柄表示装置18に最終的な図柄組み合わせとして導出される。本実施形態では、大当り図柄用乱数の採りうる数値を0〜5の6通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている(例えば、図柄「▽」には大当り図柄用乱数の値「3」が対応付けられている)。そして、メインCPU31aは、決定した特別図柄左、特別図柄中、特別図柄右に対応したデータを、次回の図柄組み合わせゲームに係る処理を行うまでの間、RAM31cに記憶する。
また、図4に示されるメインCPU31aは、RAM31cに記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて、各特別図柄が前記特定図柄であるか否かを判定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値が「1」、「3」、「5」であれば、各特別図柄が特定図柄であると判定され、大当り図柄用乱数の値が「0」、「2」、「4」であれば、各特別図柄が特定図柄ではなく前記非特定図柄であると判定される。各特別図柄が非特定図柄であると判定された場合、メインCPU31aは、大当り遊技演出(大当り遊技状態)の終了後に、『特典』及び『第1の特典』としての変動時間短縮の付与を開始させる。なお、大当り遊技演出は、全図柄が大当りの組み合わせで確定停止した後に行われる演出である。また、変動時間短縮は、前記各普通図柄D1の変動時間を短縮して前記普通電動役物22aの開放頻度を高くする特典である。なお、この変動時間短縮は、100回の特別図柄B1において100回の図柄組み合わせゲームが行われるまで付与される。
一方、各特別図柄が特定図柄であると判定された場合、図4に示されるメインCPU31aは、大当り遊技演出の終了後に、『特典』及び『第2の特典』としての前記確率変動の付与を開始させる。即ち、メインCPU31aは、『特典付与手段』としての機能を有している。また、メインCPU31aは、変動時間短縮を付与するか確率変動を付与するかを決定する『特典内容決定手段』としての機能を有している。なお、確率変動は、変動時間短縮と比べて遊技者にとってさらに有利となる特典である。そして、確率変動が開始された場合、メインCPU31aは、前記大当り判定用乱数の採りうる数値の中から15個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の15として大当り判定を行う。即ち、確率変動時の大当り判定値の数は、確率変動前の5倍となる。なお、確率変動は、次回の大当り演出が開始されるまでの間、継続されるようになっていてもよいし、複数回(例えば、10000回)の図柄の変動表示が実行されるまでの間、継続されるようになっていてもよい。また、確率変動が付与されている場合にも、前記変動時間短縮が付与されているときと同様に、前記各普通図柄D1の変動時間を短縮して普通電動役物22aの開放頻度を高くすることが行われている。従って、第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)は、機内部での大当り確率が相違するだけとなる。このことから、遊技者は、特典内容(いずれの特典が付与されているか)の報知が行われない限り、第1の特典(変動時間短縮)が付与されているのか第2の特典(確率変動)が付与されているのかを認識できないようになっている。
そして、図4に示されるメインCPU31aは、RAM31cから前記変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記大当り演出用の変動パターンP4を決定する。具体的には、特定図柄で大当りとなる場合であっても、非特定図柄で大当りとなる場合であっても、メインCPU31aは、大当り演出用の変動パターンP4を決定する。
また、前記大当り判定の判定結果が否定(前記大当り判定用乱数の値と前記大当り判定値とが不一致)の場合、メインCPU31aは、RAM31cから読み出した前記リーチ判定用乱数の値と前記ROM31bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、ハズレリーチを決定する。そして、メインCPU31aは、特別図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、前記ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて特別図柄左及び特別図柄右(両特別図柄は同一種類)を決定する。そして、前記ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて特別図柄中を決定する。ハズレ中図柄用乱数の値とハズレ左図柄用乱数の値(または前記ハズレ右図柄用乱数の値)とが一致していた場合、メインCPU31aは、特別図柄中と特別図柄左(または特別図柄右)とが一致しないように特別図柄中を決定する。本実施形態では、前記大当り図柄用乱数の値と同様に、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数及びハズレ右図柄用乱数の各乱数の採りうる数値を0〜5の6通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。また、メインCPU31aは、RAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレリーチ演出用の変動パターンP3を決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、図4に示されるメインCPU31aは、ハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。そして、メインCPU31aは、特別図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて特別図柄左を決定し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて特別図柄中を決定し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて特別図柄右を決定する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、メインCPU31aは、特別図柄左と特別図柄右とが一致しないように特別図柄右を決定する。また、メインCPU31aは、RAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレ演出用の変動パターンP1,P2のいずれか1つを決定する。なお、メインCPU31aは、前記通常状態であれば変動パターンP1を決定し、前記確率変動状態または前記変動時間短縮状態時であれば、変動パターンP2を決定する。
そして、各特別図柄及び変動パターンを決定したメインCPU31aは、前記統括制御基板37の前記統括CPU37aに対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成して出力する。次に、メインCPU31aは、前記特別図柄B1の特別図柄左を指定する特別図柄左指定コマンド、特別図柄B1の特別図柄右を指定する特別図柄右指定コマンド及び特別図柄B1の特別図柄中を指定する特別図柄中指定コマンドを出力する。その後、メインCPU31aは、特別図柄B1及び前記飾り図柄E1の停止を指示する全図柄停止コマンドを統括制御基板37の統括CPU37aに対して出力する。
また、図4に示されるメインCPU31aにて前記大当り演出用の変動パターンP4が決定されている場合、メインCPU31aは、前記大当り遊技演出の終了を指示するためのエンディング指定コマンドを統括CPU37aに対して出力する。なお、エンディング指定コマンドは、大当り遊技演出の終了時、より詳しくは、大当り遊技演出の最終ラウンド終了時において前記大入賞口24(図1参照)の開放が終了したときに出力されるようになっている。
さらに、メインCPU31aは、エンディング指定コマンドの出力後に、前記RAM31cに記憶されている現在の遊技状態に基づいて、大当り遊技演出終了後の遊技状態を報知する第2の状態指定コマンドまたは第3の状態指定コマンドを統括CPU37aに対して出力するようになっている。なお、第2の状態指定コマンドは、記憶されている遊技状態が前記確率変動の状態(高確率状態)である場合に出力され、前記液晶式図柄表示装置18に「確率変動中」という文字を表示させるためのものである。第3の状態指定コマンドは、記憶されている遊技状態が前記変動時間短縮である場合に出力され、液晶式図柄表示装置18に「変動時間短縮中」という文字を表示させるためのものである。即ち、本実施形態では、大当り遊技演出終了後に、確率変動または変動時間短縮が必ず付与されるようになっている。なお、メインCPU31aが「確率変動中」、「変動時間短縮中」という文字を表示させる指示を行ったとしても、それらが表示されない場合もある。
また、図4に示されるメインCPU31aは、パチンコ機10への電源供給が開始された場合に、RAM31cに記憶されている現在の遊技状態に基づいて、第1〜第3の状態指定コマンドのうちいずれか1つを統括CPU37aに対して出力するようになっている。第1の状態指定コマンドは、記憶されている遊技状態が確率変動または変動時間短縮ではない通常状態(低確率状態)である場合に出力されるようになっている。なお、RAM31cは、パチンコ機10への電源供給が遮断された場合であっても、現在の遊技状態などを記憶した状態に維持可能とするメモリである。即ち、パチンコ機10への電源供給が遮断された際には、バックアップ用電源装置(図示略)からバックアップ用電源が供給されることにより、RAM31cは、現在の遊技状態などを記憶した状態に維持可能となる。また、バックアップ用電源装置は、コンデンサからなっており、機内部に設けられている。なお、バックアップ用電源を省略し、RAM31cを不揮発性メモリに変更してもよい。
また、前記変動時間短縮の状態で図柄組み合わせゲームが100回行われたのにもかかわらず、大当りにならなかった場合、図4に示されるメインCPU31aは、変動時間短縮の終了を指示するための時短終了指定コマンドを統括CPU37aに対して出力するようになっている。
前記統括制御基板37は、統括CPU37aを備えており、統括CPU37aにはROM37b及びRAM37cが接続されている。統括CPU37aは、状態報知タイミング決定用乱数、再抽選演出決定用乱数、特典未確認状態中報知タイミング決定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、統括CPU37aは、更新後の値をRAM37cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。
図4に示されるROM37bには、前記遊技状態を報知する状態報知タイミングT1〜T3が振り分けられた状態報知タイミング決定テーブル1〜3(図7参照)が記憶されている。各状態報知タイミングT1〜T3には、状態報知タイミング決定用乱数の値(本実施形態では、0〜29の30通りの整数)が振り分けられている。ここで、状態報知タイミングT1は、大当りの図柄組み合わせが導出されるまでの前半期間(図8参照)、即ち、図柄組み合わせゲーム中の期間を示している。状態報知タイミングT2は、大当り遊技状態となる後半期間(図8参照)、即ち、前記大当り遊技演出中の期間を示している。なお、前半期間及び後半期間により、前記変動時間短縮または前記確率変動を付与すると判定されたときからメインCPU31aにて変動時間短縮または確率変動の付与を開始するまでの第1の期間(第3の期間)(図8参照)が構成されている。また、状態報知タイミングT3は、大当り遊技演出終了後の特典未確認状態(メインCPU31aにて変動時間短縮または確率変動の付与が行われているが、遊技者はそれを確認できない状態)にある第2の期間(第4の期間)(図8参照)を示している。
また、図4に示されるROM37bには、再抽選用の再抽選パターンSP1〜SP4が振り分けられた再抽選演出決定テーブル(図9参照)が記憶されている。各再抽選パターンSP1〜SP4には、前記再抽選演出決定用乱数の値(本実施形態では、0〜9の10通りの整数)が振り分けられている。なお、再抽選パターンSP1に基づいて実行される再抽選においては、全図柄が特定図柄で仮停止した後、全図柄が再変動して特定図柄の組み合わせで確定停止する演出が行われるようになっている(図10参照)。再抽選パターンSP2に基づいて実行される再抽選においては、全図柄が非特定図柄で仮停止した後、全図柄が再変動して特定図柄の組み合わせで確定停止する演出が行われるようになっている(図11参照)。再抽選パターンSP3に基づいて実行される再抽選においては、全図柄が非特定図柄で仮停止した後、全図柄が再変動して非特定図柄の組み合わせで確定停止する演出が行われるようになっている(図11参照)。なお、この場合、大当り遊技演出中や特典未確認状態中に、第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のうち遊技者にとって有利な第2の特典(確率変動)が付与される(または付与されている)旨の報知が実行されうるため、「チャンス」という文字が表示されるようになっている。再抽選パターンSP4に基づいて実行される再抽選においては、全図柄が非特定図柄で仮停止した後、全図柄が再変動して非特定図柄の組み合わせで確定停止するとともに、「残念」という文字が表示される演出が行われるようになっている(図11参照)。この「残念」という文字を表示する演出を行うことにより、大当り遊技演出の終了後の遊技状態として確率変動(第2の特典)が付与されない旨(大当り遊技演出の終了後の遊技状態として変動時間短縮(第1の特典)が付与される旨)の報知が行われる。なお、図10,図11では、説明の便宜上、前記保留球表示図柄C1、前記普通図柄D1及び前記保留球表示図柄F1を省略するとともに、前記特別図柄B1を拡大して記載している。
さらに、図4に示されるROM37bには、エンディングパターンED及び大当り中昇格パターンSK1〜SK3が振り分けられた大当り中昇格演出決定テーブル(図12参照)が記憶されている。なお、エンディングパターンEDに基づいて行われる演出では、既に第1の特典及び第2の特典のうちいずれかの特典が付与される大当りであるか否かの報知(再抽選パターンSP1,SP2,SP4のいずれか1つに基づく再抽選)が実行されているため、通常のエンディング演出が行われるようになっている。また、大当り中昇格パターンSK1に基づいて行われる演出では、前記液晶式図柄表示装置18に「確変」、「確変?時短?」、「時短」のプレートを表示した状態で、キャラクタが「確変」のプレートを選択する演出が行われるようになっている(図13参照)。大当り中昇格パターンSK2に基づいて行われる演出では、液晶式図柄表示装置18に「確変」、「確変?時短?」、「時短」のプレートを表示した状態で、キャラクタが「確変?時短?」のプレートを選択する演出が行われるようになっている(図13参照)。大当り中昇格パターンSK3に基づいて行われる演出では、液晶式図柄表示装置18に「確変」、「確変?時短?」、「時短」のプレートを表示した状態で、キャラクタが「時短」のプレートを選択する演出が行われるようになっている(図13参照)。
そして、図4に示される前記統括CPU37aは、電源投入後の最初の図柄組み合わせゲームが行われる時点での前記モード切換スイッチSWの設定状態、即ち、前記スイッチSW1,SW2からの前記操作信号がオフ状態かオン状態かを判定する。これにより、統括CPU37aは、確率変動の報知タイミングのモードを決定する。具体的には、図14に示されるように、スイッチSW1,SW2からの操作信号がともにオン状態である場合、図柄組み合わせゲームの結果として図柄組み合わせが導出されることに加え、前記大当り遊技演出中、前記特典未確認状態中、ともに第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のうち遊技者にとって有利な第2の特典(確率変動)が付与される(または付与されている)旨の報知が実行される可能性があるモード1に設定される。この場合、統括CPU37aは、モードフラグ1をオン(前記RAM37cに記憶)するようになっている。また、スイッチSW1からの操作信号がオン状態であって、スイッチSW2からの操作信号がオフ状態である場合、図柄組み合わせゲームの結果として図柄組み合わせが導出されることに加え、大当り遊技演出中にのみ、第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のうち遊技者にとって有利な第2の特典(確率変動)が付与される旨の報知が実行される可能性があるモード2に設定される。この場合、統括CPU37aは、モードフラグ2をオン(RAM37cに記憶)するようになっている。さらに、スイッチSW1からの操作信号がオフ状態であって、スイッチSW2からの操作信号がオン状態である場合、大当り遊技演出に移行する際の図柄組み合わせゲーム中に、第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のいずれの特典が付与されるかの報知が行われる。この場合、大当り遊技演出中、特典未確認状態中、ともに第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のうち遊技者にとって有利な第2の特典(確率変動)が付与される旨の報知が実行されないモード3に設定される。換言すると、モード3は、大当り遊技演出終了時点で、既に第1の特典または第2の特典の付与が分かっているモードである。この場合、統括CPU37aは、モードフラグ3をオン(RAM37cに記憶)するようになっている。
また、図4に示される前記メインCPU31aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、統括CPU37aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンをRAM37cに記憶するようになっている。そして、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された変動パターン指定コマンドを、前記表示制御基板33のサブCPU33a及び前記音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力するようになっている。これにより、表示制御基板33及び音声・ランプ制御基板32が実行する図柄組み合わせゲームの具体的な内容が、統括制御基板37によって統括的に制御される。
さらに、統括CPU37aは、メインCPU31aから前記特別図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する特別図柄左をRAM37cに記憶するようになっている。同様に、統括CPU37aは、メインCPU31aから前記特別図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する特別図柄右をRAM37cに記憶し、前記特別図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する特別図柄中をRAM37cに記憶するようになっている。そして、統括CPU37aは、特別図柄左指定コマンド、特別図柄右指定コマンド及び特別図柄中指定コマンドを表示制御基板33のサブCPU33aに出力するようになっている。
また、図4に示される統括CPU37aは、前記変動パターン、特別図柄左、特別図柄右及び特別図柄中の全てがRAM37cに記憶されているか否かを判定するようになっている。変動パターン及び各特別図柄が記憶されている場合、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている変動パターンが前記大当り演出用の変動パターンP4であるか否かを判定するようになっている。即ち、統括CPU37aは、変動パターンが前記大当り演出を実行する際に選択されるものであるか否かを判定するようになっている。また、大当り演出用の変動パターンP4である場合、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている特別図柄左を用いることにより、前記特別図柄B1が前記特定図柄であるか否かを判定するようになっている。そして、特別図柄B1が特定図柄である場合、統括CPU37aは、特定図柄フラグをオン(RAM37cに記憶)するようになっている。
そして、図4に示される統括CPU37aは、前記モードフラグの種類、特定図柄フラグの有無、及び、RAM37cから取得した前記状態報知タイミング決定用乱数の値に基づいて、前記状態報知タイミング決定テーブル(図7参照)から前記状態報知タイミングT1〜T3のいずれか1つを決定するようになっている。そして、状態報知タイミングT1が決定された場合、統括CPU37aは、状態報知タイミングフラグ1をオン(RAM37cに記憶)するようになっている。また、状態報知タイミングT2が決定された場合、統括CPU37aは、状態報知タイミングフラグ2をオン(RAM37cに記憶)し、状態報知タイミングT3が決定された場合、統括CPU37aは、状態報知タイミングフラグ3をオン(RAM37cに記憶)するようになっている。
また、図4に示される統括CPU37aは、モードフラグの種類、状態報知タイミングフラグの種類、特定図柄フラグの有無、及び、RAM37cから取得した前記再抽選演出決定用乱数の値に基づいて、前記再抽選演出決定テーブル(図9参照)から前記再抽選パターンSP1〜SP4のいずれか1つを決定するようになっている。なお、再抽選パターンSP1,SP2に基づいて実行される再抽選は、前記第1の期間中に前記確率変動が付与される旨を報知する第1の報知演出(第4の報知演出)(図8参照)となる。また、再抽選パターンSP3に基づいて実行される再抽選は、前記第1の期間中に前記変動時間短縮または前記確率変動が付与される旨を報知する第2の報知演出(第4の報知演出)(図8参照)となる。即ち、統括CPU37aは、『特典報知手段』を構成している。つまり、統括CPU37aは、前記モード切換スイッチSWの設定状態などに基づいて、第1の報知演出を実行するか第2の報知演出を実行するかを決定するようになっている。即ち、統括CPU37aは、『特典報知内容決定手段』及び『特典報知実行可否判定手段』としての機能を有している。そして、統括CPU37aは、再抽選パターンSP1を指定する第1の再抽選パターン指定コマンド、再抽選パターンSP2を指定する第2の再抽選パターン指定コマンド、再抽選パターンSP3を指定する第3の再抽選パターン指定コマンド、及び、再抽選パターンSP4を指定する第4の再抽選パターン指定コマンドのいずれか1つを、前記表示制御基板33の前記サブCPU33a及び前記音声・ランプ制御基板32の前記サブCPU32aに対して出力する。
さらに、図4に示される統括CPU37aは、決定された再抽選パターンや、前記メインCPU31aから入力された前記特別図柄左指定コマンド、前記特別図柄右指定コマンド及び前記特別図柄中指定コマンドに基づいて、前記飾り図柄E1を決定するようになっている。詳述すると、再抽選パターンSP1,SP2が決定された場合、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンド(特別図柄左指定コマンド、特別図柄右指定コマンド及び特別図柄中指定コマンド)に対応する飾り図柄E1を決定する。例えば、各特別図柄指定コマンドがそれぞれ「1」を示す「▲」を指定する場合、飾り図柄E1として「1,1,1」の図柄組み合わせを決定する。また、再抽選パターンSP3が決定された場合、各特別図柄指定コマンドが指定する特別図柄左、右、中が特定図柄であれば、統括CPU37aは、飾り図柄E1として非特定図柄を決定する。例えば、各特別図柄指定コマンドがそれぞれ「1」を示す「▲」を指定する場合、飾り図柄E1として「0,0,0」の図柄組み合わせを決定する。なお、再抽選パターンSP3が決定された場合、各特別図柄指定コマンドが指定する特別図柄左、右、中が非特定図柄であれば、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンドに対応する飾り図柄E1を決定する。例えば、各特別図柄指定コマンドがそれぞれ「2」を示す「∴」を指定する場合、飾り図柄E1として「2,2,2」の図柄組み合わせを決定する。さらに、再抽選パターンSP4が決定された場合、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンドに対応する飾り図柄E1を決定する。例えば、各特別図柄指定コマンドがそれぞれ「4」を示す「▼」を指定する場合、飾り図柄E1として「4,4,4」の図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU37aは、飾り図柄E1の飾り図柄左を指定する飾り図柄左指定コマンド、飾り図柄E1の飾り図柄右を指定する飾り図柄右指定コマンド、及び、飾り図柄E1の飾り図柄中を指定する飾り図柄中指定コマンドを、サブCPU33aに対して出力する。
また、図4に示されるメインCPU31aから前記全図柄停止コマンドが入力されると、統括CPU37aは、全図柄停止コマンドをサブCPU33aに出力するようになっている。
その後、前記大当り遊技演出が開始されると、統括CPU37aは、前記エンディング指定コマンドがメインCPU31aから入力されたか否かを判定するようになっている。エンディング指定コマンドが入力された場合、統括CPU37aは、前記モードフラグの種類、前記特定図柄フラグの有無、及び、前記状態報知タイミングフラグの種類に基づいて、前記大当り中昇格演出決定テーブル(図12参照)から前記エンディングパターンED及び前記大当り中昇格パターンSK1〜SK3のうちいずれか1つを決定するようになっている。なお、大当り中昇格パターンSK1に基づいて実行される演出は、前記第1の期間中に前記確率変動が付与される旨を報知する第1の報知演出(第4の報知演出)(図8参照)となる。大当り中昇格パターンSK2に基づいて実行される演出は、前記第1の期間中に前記変動時間短縮または前記確率変動が付与される旨を報知する第2の報知演出(第4の報知演出)(図8参照)となる。つまり、統括CPU37aは、前記モード切換スイッチSWの設定状態などに基づいて、第1の報知演出を実行するか第2の報知演出を実行するかを決定するようになっている。
エンディングパターンEDが決定された場合、図4に示される統括CPU37aは、エンディング指定コマンドを前記表示制御基板33の前記サブCPU33a及び前記音声・ランプ制御基板32の前記サブCPU32aに出力するようになっている。一方、大当り中昇格パターンSK1が決定された場合、統括CPU37aは、大当り中昇格パターン指定コマンド1をサブCPU33a,32aに出力するようになっている。また、大当り中昇格パターンSK2が決定された場合、統括CPU37aは、大当り中昇格パターン指定コマンド2をサブCPU33a,32aに出力するようになっている。さらに、大当り中昇格パターンSK3が決定された場合、統括CPU37aは、大当り中昇格パターン指定コマンド3をサブCPU33a,32aに出力するようになっている。
また、図4に示される前記メインCPU31aから前記第1〜第3の状態指定コマンドのいずれか1つが入力されると、統括CPU37aは、その状態指定コマンドをサブCPU33a,32aに出力するようになっている。詳述すると、前記再抽選パターンSP1,SP2,SP4や、大当り中昇格パターンSK1,SK3に基づいて実行される演出により、前記第1の特典(変動時間短縮)及び前記第2の特典(確率変動)のいずれが付与されるのかが既に報知されている場合、統括CPU37aは、入力された状態指定コマンドをそのままサブCPU33a,32aに出力する。一方、第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のいずれが付与されるのか報知されていない場合、統括CPU37aは、前記特典未確認状態であることを示す第4の状態指定コマンドをサブCPU33a,32aに出力する。なお、第4の状態指定コマンドは、前記液晶式図柄表示装置18に「確変?時短?」という文字を表示させるためのものである。
前記大当り遊技演出終了後、図4に示される統括CPU37aは、前記モードフラグ1、前記状態報知タイミングフラグ3及び前記特定図柄フラグの全てがオン(前記RAM37cに記憶)されているか否かを判定するようになっている。全てのフラグがオンされている場合、統括CPU37aは、RAM37cから取得した前記特典未確認状態中報知タイミング決定用乱数の値(本実施形態では、0〜99の100通りの整数)に基づいて、大当り遊技演出終了後から昇格演出(確率変動が付与されていることを報知する演出)を実行するまでに行われる図柄組み合わせゲームの回数(報知時回数)を決定するようになっている。報知時回数が決定された場合、統括CPU37aは、その報知時回数をRAM37cにセット(一時的に記憶)するようになっている。
そして、統括CPU37aは、大当り遊技演出終了後の図柄組み合わせゲームが開始されると、RAM37cに記憶されている報知時回数の減算を開始する。なお、この報知時回数は、図柄組み合わせゲームが開始されるごとに減算されるようになっている。
さらに、図4に示される統括CPU37aは、報知時回数の減算を行った後、報知時回数が0回になったか否かを判定するようになっている。報知時回数が0回になっていると判定した場合、統括CPU37aは、報知時回数の減算を終了するとともに、前記昇格演出の実行を指示する特典未確認状態中昇格演出指定コマンドを前記表示制御基板33のサブCPU33a及び前記音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力するようになっている。なお、特典未確認状態中昇格演出指定コマンドに基づいて実行される昇格演出は、前記第2の期間中に確率変動が付与されている旨を報知する第3の報知演出(第5の報知演出)(図8参照)となる。
なお、図4に示されるメインCPU31aから前記時短終了指定コマンドが入力されると、統括CPU37aは、その時短終了指定コマンドをサブCPU33a,32aに出力するようになっている。
また、機内部に配置された電源基板(図示略)には、電源スイッチ(図示略)が設けられている。この電源スイッチが遊技店の店員によってオン位置に操作されると、パチンコ機10への電源供給が開始されるようになっている。また、電源スイッチがオフ位置に操作されると、パチンコ機10への電源供給が遮断されるようになっている。さらに、本実施形態の統括CPU37aは、メインCPU31aが第1の特典(変動時間短縮)または第2の特典(確率変動)の付与を行っている場合であって、前記第1の期間に前記第2の報知演出が実行された後の特典未確認状態中に、電源スイッチがオン・オフ操作(最初にオフ位置に操作した後、オン位置に操作すること)されると、強制的に、第1の特典であれば第1の特典が付与されている旨の報知を、第2の特典であれば第2の特典が付与されている旨の報知を実行させるようになっている。詳述すると、統括制御基板37(RAM37c)はバックアップ機能を有していないため、電源スイッチがオフ位置に操作された際に、RAM37cに設定されている各種フラグ(具体的には、図18のステップS390で設定した状態報知タイミングフラグ)がクリアされてしまう。この状態で、電源スイッチをオン位置に操作すると、統括CPU37aは、図21のステップS680にてコマンドに応じた状態指定コマンドを出力する。具体的には、電源スイッチがオン位置に操作されると、メインCPU31aは、RAM31cに記憶されている遊技状態に基づいて、第1〜第3の状態指定コマンドのいずれか1つを出力する。そして、統括CPU37aは、第1〜第3の状態指定コマンドのいずれか1つが入力されると、図21のステップS630の処理を実行する。しかし、電源スイッチがオフ位置に操作された際に状態報知タイミングフラグがクリアされているため、統括CPU37aは、ステップS630の判定を「NO」とする。このため、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された状態指定コマンドを、そのままサブCPU33a,32aに出力する。なお、ステップS630の処理は、通常の図柄組み合わせゲームでも(特典未確認状態を実現する上でも)用いられる処理である。また、このステップS630により、強制的に第1の特典であるか第2の特典であるかを報知するための処理(プログラム)の簡素化が図られている。そして、出力される状態指定コマンドにより、前記液晶式図柄表示装置18には、電源スイッチがオン・オフ操作される前に表示されていた「時短?確変?」の文字に代わって、「確率変動中」、「変動時間短縮中」などの文字が表示される。即ち、前記第1の期間中に前記第2の報知演出が行われた場合、電源スイッチがオン・オフ操作されると、統括CPU37aは、付与されている特典が変動時間短縮なのか確率変動なのかを明確にして報知するようになっている。即ち、本実施形態の電源スイッチは、『強制報知操作手段』としての機能を兼ねている。
図4に示されるように、前記表示制御基板33は、前記サブCPU33aを備えており、サブCPU33aにはROM33b及びRAM33cが接続されている。RAM33cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、ROM33bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の表示演出実行データが記憶されている。各表示演出実行データは、前記変動パターンP1〜P4ごとに対応付けて記憶されている。表示演出実行データとは、サブCPU33aが、前記液晶式図柄表示装置18の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作など)を制御するための情報、即ち、液晶式図柄表示装置18に表示演出の実行を指示するための情報である。
そして、図4に示される統括CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記RAM33cに記憶するようになっている。
また、サブCPU33aは、前記統括CPU37aから前記特別図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する特別図柄左をRAM33cに記憶するようになっている。同様に、サブCPU33aは、統括CPU37aから前記特別図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する特別図柄右をRAM33cに記憶し、前記特別図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する特別図柄中をRAM33cに記憶するようになっている。
また、図4に示されるサブCPU33aは、統括CPU37aから前記飾り図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する飾り図柄左をRAM33cに記憶するようになっている。同様に、サブCPU33aは、統括CPU37aから前記飾り図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する飾り図柄右をRAM33cに記憶し、前記飾り図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する飾り図柄中をRAM33cに記憶するようになっている。
その後、統括CPU37aから前記全図柄停止コマンドが入力されると、サブCPU33aは、変動開始時に入力されたRAM33cに記憶された前記特別図柄左、右、中及び前記飾り図柄左、右、中に基づいて、前記液晶式図柄表示装置18に前記特別図柄B1及び前記飾り図柄E1の停止を指示するようになっている。これにより、指定された特別図柄B1及び飾り図柄E1が停止して、液晶式図柄表示装置18に表示される。このとき、各特別図柄B1が停止して大当りの表示結果となると、前記大当り遊技演出が開始され、前記大入賞口24(図1参照)の開放によって多数の遊技球(賞球)を獲得するチャンスが付与される。
また、変動パターン指定コマンドが入力され、さらに前記第1〜第4の再抽選パターン指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、前記ROM33bに記憶された複数種類の前記表示演出実行データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した表示演出実行データをRAM33cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、サブCPU33aは、変動パターン指定コマンド及び第1〜第4の再抽選パターン指定コマンドに対応する表示演出実行データに基づいて表示制御を行うようになっている。より詳しくは、サブCPU33aは、RAM33cに記憶されている表示演出実行データを図柄信号に変換し、前記液晶式図柄表示装置18に出力するようになっている。その結果、液晶式図柄表示装置18は、図柄信号に基づき所定の表示を行うことができるようになる。特に、表示演出実行データが第1及び第2の再抽選パターン指定コマンドに対応する場合、再抽選後に前記特別図柄B1及び前記飾り図柄E1が特定図柄で確定停止する演出が行われるため、確率変動の付与が遊技者に報知されることとなる。即ち、液晶式図柄表示装置18は、『特典報知手段』を構成している。
なお、表示演出実行データが第2の再抽選パターン指定コマンドに対応する場合、飾り図柄E1が非特定図柄で仮停止した後、飾り図柄E1が再変動して特定図柄の組み合わせで確定停止する。そのため、飾り図柄E1は、仮停止した時点と確定停止した時点とで異なっている。そこで、第2の再抽選パターン指定コマンドが入力された場合、図4に示されるサブCPU33aは、仮停止図柄を決定するようになっている。例えば、入力される前記飾り図柄左指定コマンド、前記飾り図柄右指定コマンド及び前記飾り図柄中指定コマンドに基づいて、各飾り図柄E1により「5,5,5」の図柄組み合わせが導出される場合には、仮停止図柄を「4,4,4」に決定する。
大当り遊技演出が開始され、前記エンディング指定コマンドが入力されると、図4に示されるサブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に前記エンディング演出を実行させ、大当り遊技演出を終了させるようになっている。また、前記大当り中昇格パターン指定コマンド1が入力されると、サブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に「確変」、「確変?時短?」、「時短」のプレートを表示した状態で、キャラクタが「確変」のプレートを選択する演出を実行させ、大当り遊技演出を終了させるようになっている(図13参照)。前記大当り中昇格パターン指定コマンド2が入力されると、サブCPU33aは、キャラクタが「確変?時短?」のプレートを選択する演出を実行させ、大当り遊技演出を終了させるようになっている(図13参照)。前記大当り中昇格パターン指定コマンド3が入力されると、サブCPU33aは、キャラクタが「時短」のプレートを選択する演出を実行させ、大当り遊技演出を終了させるようになっている(図13参照)。
大当り遊技演出終了後、前記第2の状態指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に「確率変動中」という文字を表示させるようになっている。前記第3の状態指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に「変動時間短縮中」という文字を表示させるようになっている。さらに、前記第4の状態指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に「確変?時短?」という文字を表示させるようになっている。また、前記特典未確認状態中昇格演出指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に前記昇格演出を実行させるようになっている。具体的には、サブCPU33aは、キャラクタが選択しているプレートを、「確変?時短?」のプレート(前記特典未確認状態中を示す表示)から「確変」のプレート(確率変動中を示す表示)に変更する演出(第3の報知演出)を実行させるようになっている。なお、前記第1の状態指定コマンドは、パチンコ機10への電源供給が開始された際に入力されるようになっている。
また、前記時短終了指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、液晶式図柄表示装置18に表示されている「時短中」、「確変?時短?」の文字を消去するようになっている。
図4に示されるように、前記音声・ランプ制御基板32は、前記サブCPU32aを備えており、サブCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。ROM32bには、各種の制御プログラムなどが記憶されている。
また、ROM32bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の音声演出実行データ及び複数種類の発光演出データが記憶されている。音声演出実行データ及び発光演出実行データは、それぞれ前記変動パターンP1〜P4ごとに対応付けて記憶されている。音声演出実行データとは、サブCPU32aが、前記スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。また、発光演出実行データとは、サブCPU32aが、前記トップランプ16の発光出力態様を制御するための情報である。
なお、音声演出実行データ及び発光演出実行データは、前記表示演出実行データと同様のデータ構成となっている。また、音声演出実行データ及び発光演出実行データも、互いに同じデータ構成となっている。
そして、図4に示される統括CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記RAM32cに記憶するようになっている。
また、変動パターン指定コマンドが入力され、さらに前記第1〜第4の再抽選パターン指定コマンドが入力されると、サブCPU32aは、前記ROM32bに記憶された複数種類の前記音声演出実行データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した音声演出実行データをRAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、サブCPU32aは、ROM32bに記憶された複数種類の前記発光演出実行データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した発光演出実行データをRAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンド及び第1〜第4の再抽選パターン指定コマンドに対応する音声演出実行データに基づいて音声制御を行うとともに、変動パターン指定コマンド及び第1〜第4の再抽選パターン指定コマンドに対応する発光演出実行データに基づいて発光制御を行うようになっている。より詳しくは、サブCPU32aは、RAM32cに記憶されている音声演出実行データを音声信号に変換し、前記スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17は、音声信号に基づき所定の報知動作(音声の出力)を行うことができるようになる。また、サブCPU32aは、RAM32cに記憶されている発光演出実行データを発光制御信号に変換し、前記トップランプ16に出力するようになっている。その結果、トップランプ16は、発光制御信号に基づき所定の報知動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。
大当り遊技演出が開始され、前記エンディング指定コマンドが入力されると、図4に示されるサブCPU32aは、スピーカ17の音声出力の停止を指示するとともに、トップランプ16の消灯を指示し、大当り遊技演出を終了させるようになっている。また、前記大当り中昇格パターン指定コマンド1、前記大当り中昇格パターン指定コマンド2及び前記大当り中昇格パターン指定コマンド3が入力されると、サブCPU32aは、スピーカ17の音声出力を一定時間実行して停止を指示するとともに、トップランプ16の点灯を一定時間実行して消灯を指示するようになっている。そして、サブCPU32aは、大当り遊技演出を終了させるようになっている。
大当り遊技演出終了後、前記第2の状態指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、スピーカ17に「確率変動中」という音声を出力させるとともに、トップランプ16を激しく点滅させるようになっている。即ち、スピーカ17及びトップランプ16は、『特典報知手段』を構成している。前記第3の状態指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、スピーカ17に「変動時間短縮中」という音声を出力させるとともに、トップランプ16を激しく点滅させるようになっている。さらに、前記第4の状態指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、スピーカ17に「確変?時短?」という音声を出力させるとともに、トップランプ16をゆっくりと点滅させるようになっている。また、前記特典未確認状態中昇格演出指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、スピーカ17及びトップランプ16に前記昇格演出に対応した演出を実行させるようになっている。
また、前記時短終了指定コマンドが入力されると、図4に示されるサブCPU33aは、スピーカ17の音声出力の停止を指示するとともに、トップランプ16の消灯を指示するようになっている。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(モード切換処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
パチンコ機10への電源供給が開始されると、図15に示されるステップS10の処理において、統括CPU37aは、コマンド入力済みフラグがオフされているか否かを判定する。電源供給の開始時にコマンドは何ら入力されていないため、統括CPU37aは、コマンド入力済みフラグがオフされていると判定して(ステップS10:Y)、ステップS20の処理へ移行する。
ステップS20において、統括CPU37aは、モード切換スイッチSWの設定状態、即ち、スイッチSW1,SW2から入力された操作信号がオフ状態かオン状態かを確認し、ステップS30の処理へ移行する。ステップS30において、統括CPU37aは、スイッチSW1,SW2の設定状態からモードフラグ1〜3のいずれか1つをオンして、ステップS40の処理へ移行する。ステップS40において、統括CPU37aは、現在設定されている確率変動の報知タイミングのモード(モード1〜3のいずれか1つ)を、統括制御基板37上に設けられた7セグメント表示器(図示略)に表示して、ここでの処理を終了する。具体的には、モード1であれば7セグメント表示器に「1」の数字を表示し、モード2であれば「2」の数字を表示し、モード3であれば「3」の数字を表示する。よって、遊技店の店員は、この7セグメント表示器によってモードを確認することができる。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(コマンドチェック処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図16に示されるステップS110において、統括CPU37aは、メインCPU31aから図柄変動に関するコマンド(変動パターン指定コマンド、特別図柄左指定コマンド、特別図柄右指定コマンド、特別図柄中指定コマンド及び全図柄停止コマンド)のいずれか1つが入力されたか否かを判定する。メインCPU31aから何らコマンドが入力されない場合や、図柄変動とは関係ないコマンドが入力された場合(ステップS110:N)、統括CPU37aは、ステップS120〜S220の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、図柄変動に関するコマンドが入力された場合(ステップS110:Y)、統括CPU37aは、ステップS120の処理へ移行する。なお、これらの変動に関するコマンドは、互いに異なる割込み周期で統括CPU37aに入力される。具体的には、1回の割込みにつき1つのコマンドが入力される。
ステップS120において、統括CPU37aは、入力されたコマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。入力されたコマンドが変動パターン指定コマンドである場合(ステップS120:Y)、統括CPU37aは、ステップS130の処理の処理へ移行する。ステップS130において、統括CPU37aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンをRAM37cに記憶して、ステップS140の処理(特典未確認状態中報知演出実行処理)へ移行する。
ステップS140において、統括CPU37aは、図17に示すサブルーチンを実行する。図17のサブルーチンは、ステップS710〜S760の処理からなる。ステップS710において、統括CPU37aは、大当り遊技演出終了後から昇格演出(確率変動が付与されていることを報知する演出)を実行するまでに行われる図柄組み合わせゲームの回数(報知時回数)が0よりも大きいか否かを判定する。今回の割込みでは、パチンコ機10への電源供給が開始されてから最初の図柄組み合わせゲームを開始させるための処理であるため、大当り遊技演出は未だ実行されていない。このため、統括CPU37aは、ステップS710の判定を「NO」とし、ステップS720〜S760の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。
ここで、図17に示されるサブルーチンが終了すると、統括CPU37aは、図16に示されるステップS150の処理へ移行する。ステップS150の処理において、統括CPU37aは、コマンド入力済みフラグがオフされているか否かを判定する。コマンド入力済みフラグがオンされている場合(ステップS150:N)、統括CPU37aは、ステップS160の処理を行わずに、ステップS170の処理へ移行する。しかし、今回の割込みは、パチンコ機10への電源供給が開始されてから最初の図柄組み合わせゲームを開始させる際の処理であるため、統括CPU37aは、コマンド入力済みフラグがオフであるとして(ステップS150:Y)、ステップS160の処理へ移行する。そして、ステップS160において、統括CPU37aは、コマンド入力済みフラグをオンして、ステップS170の処理へ移行する。なお、コマンド入力済みフラグは、パチンコ機10への電源供給が遮断されるまでオン状態となる。
なお、コマンド入力済みフラグがオンされると、統括CPU37aは、前記ステップS10においてコマンド入力済みフラグがオンされていると判定するため(ステップS10:N)、前記ステップS20〜S40の処理が行われなくなる。よって、パチンコ機10への電源供給が開始されてから最初の図柄組み合わせゲームが行われるまでの期間が、モード切換スイッチSWの切換操作の有効期間となる。従って、例えば、遊技中のトラブル発生に伴ってパチンコ機10の裏側を点検した際に、誤ってモード切換スイッチSWを操作したとしても、モードが切り換わることはない。ゆえに、突然のモードの切り換わりによって、遊技者を混乱させることもなくなる。
前記ステップS170において、統括CPU37aは、前記ステップS130においてRAM37cに記憶された変動パターン指定コマンドを、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力し、ここでの処理を終了する。
また、前記ステップS120において、入力されたコマンドが変動パターン指定コマンドではないと判定された場合(ステップS120:N)、統括CPU37aは、ステップS180の処理へ移行する。ステップS180において、統括CPU37aは、入力されたコマンドが前記特別図柄左指定コマンド、前記特別図柄右指定コマンド及び前記特別図柄中指定コマンドであるか否かを判定する。入力されたコマンドが各特別図柄指定コマンドである場合(ステップS180:Y)、統括CPU37aは、ステップS190の処理へ移行する。ステップS190において、統括CPU37aは、特別図柄左指定コマンドにて指定された特別図柄左、特別図柄右指定コマンドにて指定された特別図柄右、特別図柄中指定コマンドにて指定された特別図柄中をRAM37cに記憶して、ステップS200の処理へ移行する。ステップS200において、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンドを、表示制御基板33のサブCPU33aに出力し、ここでの処理を終了する。
一方、ステップS180において、入力されたコマンドが各特別図柄指定コマンドではないと判定された場合(ステップS180:N)、統括CPU37aは、入力されたコマンドが前記全図柄停止コマンドであると判定して、ステップS210の処理へ移行する。ステップS210において、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている変動パターン、特別図柄左、特別図柄右、特別図柄中をクリア(消去)して、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、統括CPU37aは、全図柄停止コマンドを、表示制御基板33のサブCPU33aに出力し、ここでの処理を終了する。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(演出決定処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図18のステップS310において、統括CPU37aは、RAM37cに変動パターン、特別図柄左、特別図柄右、特別図柄中の全てが記憶されているか否かを判定する。変動パターン及び各特別図柄のうち1つでも記憶されていなければ(ステップS310:N)、統括CPU37aは、ステップS320〜S450の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。また、ステップS320〜S450の処理を一度実行した場合には、統括CPU37aは、ステップS310での判定を「NO」とする。一方、変動パターン及び各特別図柄の全てが記憶されている場合(ステップS310:Y)、統括CPU37aはステップS320の処理へ移行する。
ステップS320において、統括CPU37aは、前記ステップS130の処理にてRAM37cに記憶された変動パターンが大当り演出用の変動パターンP4であるか否かを判定する。即ち、統括CPU37aは、変動パターンが大当りの際に選択されるものであるか否かを判定する。変動パターンP4である場合(ステップS320:Y)、統括CPU37aは、ステップS330の処理へ移行する。
一方、前記ステップS320において、RAM37cに記憶された変動パターンが変動パターンP4ではない、即ち、変動パターンP1,P2,P3のいずれかである場合(ステップS320:N)、統括CPU37aは、ステップS440の処理へ移行する。ステップS440において、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンドに基づいて飾り図柄E1を決定して、ステップS450の処理へ移行する。
前記ステップS330において、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている特別図柄が確率変動を開始させる契機となる特定図柄であるか否かを判定する。具体的には、前記ステップS190の処理でRAM37cに記憶された特別図柄左を確認し、その特別図柄左が特定図柄であるか否かを判定する。なお、変動パターンP4は大当り演出を実行するためのパターンであるため、全図柄は同一となる。従って、特定図柄であるか否かの判定に特別図柄左を用いる代わりに、特別図柄右または特別図柄中を用いるようにしてもよい。
大当り図柄が特定図柄である場合(ステップS330:Y)、統括CPU37aは、ステップS340において特定図柄フラグをオン(RAM37cに記憶)して、ステップS360の処理へ移行する。一方、大当り図柄が特定図柄ではない場合(ステップS330:N)、統括CPU37aは、ステップS350において特定図柄フラグをオフ(消去)して、ステップS360の処理へ移行する。
ステップS360において、統括CPU37aは、前記ステップS30の処理にて設定されたモードフラグを確認し、ステップS370の処理へ移行する。ステップS370において、統括CPU37aは、所定の周期毎に更新される状態報知タイミング決定用乱数の値をRAM37cから取得して、ステップS380の処理へ移行する。ステップS380において、統括CPU37aは、状態報知タイミング決定テーブル1〜3(図7参照)から状態報知タイミングT1〜T3のいずれか1つを決定する。例えば、ステップS360の処理で確認したモードフラグがモード1を設定するモードフラグ1である場合、状態報知タイミング決定テーブル1が選択される。そして、統括CPU37aは、特定図柄フラグ(特定図柄または非特定図柄)及び状態報知タイミング決定用乱数の値によって、状態報知タイミングT1〜T3のいずれか1つを決定する。例えば、状態報知タイミング決定用乱数の値が21であって、特定図柄フラグがオンされている場合、統括CPU37aは、状態報知タイミングT3を決定する。また、状態報知タイミング決定用乱数の値が23であって、特定図柄フラグがオフされている場合、統括CPU37aは、状態報知タイミングT2を決定する。なお、状態報知タイミング決定テーブル2または3が選択された場合においても、状態報知タイミング決定テーブル1が選択された場合と同様にして、状態報知タイミングを決定する。但し、状態報知タイミング決定テーブル2が選択された場合、状態報知タイミングT3(特典未確認状態中に報知)が決定されることはない。また、状態報知タイミング決定テーブル3が選択された場合、状態報知タイミングT2(大当り遊技演出中に報知)及び状態報知タイミングT3が決定されることはない。
そして、ステップS390において、統括CPU37aは、ステップS380にて決定した状態報知タイミングに対応する状態報知タイミングフラグをオン(RAM37cに記憶)(オン)して、ステップS400の処理(飾り図柄・再抽選パターン決定処理)へ移行する。
ステップS400において、統括CPU37aは、図19に示すサブルーチンを実行する。図19のサブルーチンは、ステップS410〜S430の処理からなる。ステップS410において、統括CPU37aは、所定の周期毎に更新される再抽選演出決定用乱数の値をRAM37cから取得する。この再抽選演出決定用乱数は、ステップS380の処理で状態報知タイミングT1(図柄組み合わせゲーム中(再抽選中)に報知)が決定されている場合にのみ用いられる。状態報知タイミングT2,T3が決定されている場合には、再抽選演出決定用乱数を取得するものの、用いられることはない。そして、ステップS420において、統括CPU37aは、再抽選演出決定テーブル(図9参照)から再抽選パターンSP1〜SP4のいずれか1つを決定する。再抽選パターンは、モードフラグの種類、状態報知タイミングフラグの種類、特定図柄フラグの有無及び再抽選演出決定用乱数の値に基づいて決定される。例えば、モードフラグ1、状態報知タイミングフラグ1であって、特定図柄フラグがオンされている場合、統括CPU37aは、再抽選パターンSP1またはSP2を決定する。この場合、RAM37cから取得した再抽選演出決定用乱数が0〜4のいずれか1つであれば、再抽選パターンSP1を決定し、再抽選演出決定用乱数の値が5〜9のいずれか1つであれば、再抽選パターンSP2を決定する。また、モードフラグ3、状態報知タイミングフラグ1であって、特定図柄フラグがオフされている場合、統括CPU37aは、再抽選パターンSP4を決定する。
そして、ステップS430において、統括CPU37aは、決定された再抽選パターンに基づいて、前記全図柄停止コマンドの出力時に停止させる飾り図柄E1を決定し、本サブルーチンを終了する。例えば、再抽選パターンSP1,SP2が決定された場合、統括CPU37aは、前記各特別図柄指定コマンドに基づいて飾り図柄E1を決定する。特に、再抽選パターンSP2が決定された場合、仮停止した際の飾り図柄E1と確定停止した際の飾り図柄E1(特別図柄B1)とが互いに異なるため、サブCPU33aにて仮停止図柄が決定される。また、再抽選パターンSP3が決定された場合、各特別図柄指定コマンドが指定する特別図柄左、右、中が特定図柄であれば、統括CPU37aは、飾り図柄E1として非特定図柄を決定する。なお、再抽選パターンSP3が決定された場合、各特別図柄指定コマンドが指定する特別図柄左、右、中が非特定図柄であれば、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンドに対応する飾り図柄E1を決定する。さらに、再抽選パターンSP4が決定された場合、統括CPU37aは、各特別図柄指定コマンドに対応する飾り図柄E1を決定する。
ここで、図19に示されるサブルーチンが終了すると、統括CPU37aは、図18に示されるステップS450の処理へ移行する。ステップS450において、統括CPU37aは、飾り図柄E1の飾り図柄左を指定する飾り図柄左指定コマンド、飾り図柄E1の飾り図柄右を指定する飾り図柄右指定コマンド、及び、飾り図柄E1の飾り図柄中を指定する飾り図柄中指定コマンドを、表示制御基板33のサブCPU33aに対して出力する。また、統括CPU37aは、再抽選パターンSP1を指定する第1の再抽選パターン指定コマンド、再抽選パターンSP2を指定する第2の再抽選パターン指定コマンド、再抽選パターンSP3を指定する第3の再抽選パターン指定コマンド、及び、再抽選パターンSP4を指定する第4の再抽選パターン指定コマンドのいずれか1つを、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに対して出力する。これにより、統括CPU37aは、ここでの処理を終了する。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(大当り中昇格パターン決定処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図20に示されるステップS510において、統括CPU37aは、メインCPU31aからエンディング指定コマンドが入力されたか否かを判定する。エンディング指定コマンドが入力されていない場合(ステップS510:N)、統括CPU37aは、ステップS520〜S560の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、エンディング指定コマンドが入力された場合(ステップS510:Y)、統括CPU37aは、ステップS520の処理へ移行する。
ステップS520において、統括CPU37aは、前記ステップS30の処理にて設定されたモードフラグを確認し、ステップS530の処理へ移行する。ステップS530において、統括CPU37aは、前記ステップS340の処理にて記憶された特定図柄フラグを確認し、ステップS540の処理へ移行する。ステップS540において、統括CPU37aは、前記ステップS390の処理にて設定された状態報知タイミングフラグを確認し、ステップS550の処理へ移行する。
ステップS550において、統括CPU37aは、大当り中昇格演出決定テーブル(図12参照)からエンディングパターンED及び大当り中昇格パターンSK1〜SK3のうちいずれか1つを決定する。エンディングパターンED及び大当り中昇格パターンSK1〜SK3は、モードフラグの種類、状態報知タイミングフラグの種類及び特定図柄フラグの有無に基づいて決定される。そして、ステップS560において、統括CPU37aは、ステップS550の処理で決定されたエンディングパターンED及び大当り中昇格パターンSK1〜SK3のいずれか1つに基づいて、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに対して出力を行い、ここでの処理を終了する。エンディングパターンEDが決定された場合、統括CPU37aは、エンディング指定コマンドをサブCPU33a,32aに出力するようになっている。一方、大当り中昇格パターンSK1が決定された場合、統括CPU37aは、大当り中昇格パターン指定コマンド1をサブCPU33a,32aに出力する。また、統括CPU37aは、大当り中昇格パターンSK2が決定された場合に、大当り中昇格パターン指定コマンド2をサブCPU33a,32aに出力し、大当り中昇格パターンSK3が決定された場合に大当り中昇格パターン指定コマンド3をサブCPU33a,32aに出力する。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(状態報知処理及び特典未確認状態中昇格パターン決定処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図21に示されるステップS610において、統括CPU37aは、メインCPU31aから第1〜第3の状態指定コマンドのいずれか1つが入力されたか否かを判定する。なお、パチンコ機10への電源供給が開始された時点であれば、第1〜第3の状態指定コマンドのいずれか1つが入力される。一方、大当り遊技演出の終了後であれば、第2または第3の状態指定コマンドが入力される。第1〜第3の状態指定コマンドが入力されていない場合(ステップS610:N)、統括CPU37aは、ステップS620〜S690の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、第1〜第3の状態指定コマンドのいずれか1つが入力された場合(ステップS610:Y)、統括CPU37aは、ステップS620の処理へ移行する。
ステップS620において、統括CPU37aは、前記ステップS30の処理にて設定されたモードフラグがモードフラグ1か否かを判定する。即ち、統括CPU37aは、特典未確認状態中にも確率変動が付与されている旨の報知が行われる可能性があるモード1にモード切換スイッチSWが設定されているか否かを判定する。モードフラグ1が設定されている場合(ステップS620:Y)、統括CPU37aは、ステップS630の処理へ移行する。
ステップS630において、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている状態報知タイミングフラグが状態報知タイミングフラグ3であるか否かを判定する。即ち、統括CPU37aは、状態報知タイミングT3(特典未確認状態中に報知を行う)であるか否か、換言すると、統括CPU37aは、変動時間短縮または確率変動である旨の報知を行っていないか否かを判定する。状態報知タイミングフラグ3である場合(ステップS630:Y)、統括CPU37aは、ステップS640の処理へ移行する。
ステップS640において、統括CPU37aは、特定図柄フラグがオンされているか否かを判定する。特定図柄フラグがオンされていれば(ステップS640:Y)、確率変動となり、統括CPU37aは、ステップS650の処理へ移行する。一方、特定図柄フラグがオフされていれば(ステップS640:N)、確率変動とはならないため、統括CPU37aは、ステップS650,S660の処理を行わずにステップS670の処理へ移行する。
ステップS650において、統括CPU37aは、所定の周期毎に更新される特典未確認状態中報知タイミング決定用乱数の値をRAM37cから取得する。そして、統括CPU37aは、RAM37cから取得した前記特典未確認状態中報知タイミング決定用乱数の値に基づいて、前記報知時回数を決定する。例えば、特典未確認状態中報知タイミング決定用乱数が「0」である場合には報知時回数を1回に決定し、「1」である場合には報知時回数を2回に決定し、「99」である場合には報知時回数を100回に決定する。そして、ステップS660において、統括CPU37aは、決定した報知時回数をRAM37cにセット(一時的に記憶)し、ステップS670の処理へ移行する。ステップS670において、統括CPU37aは、特典未確認状態中を示す状態指定コマンド(第4の状態指定コマンド)を表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力し、ステップS690の処理へ移行する。
一方、モードフラグ1ではない場合(ステップS620:N)や、状態報知タイミングフラグ3ではない場合(ステップS630:N)、統括CPU37aは、ステップS680の処理へ移行する。ステップS680において、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された状態指定コマンドを、そのままサブCPU33a,32aに出力する。具体的には、第1の状態指定コマンドが入力された場合には第1の状態指定コマンドを出力し、第2の状態指定コマンドが入力された場合には第2の状態指定コマンドを出力し、第3の状態指定コマンドが入力された場合には第3の状態指定コマンドを出力する。そして、統括CPU37aは、ステップS690の処理へ移行する。
ステップS690において、統括CPU37aは、RAM37cに記憶されている状態報知タイミングフラグ及び特定図柄フラグをクリア(消去)して、ここでの処理を終了する。
その後、次の図柄組み合わせゲームが開始されると、統括CPU37aは、図15に示される前記ステップS10の処理へ移行する。この場合、前回の図柄組み合わせゲーム(前記ステップS160)においてコマンド入力済みフラグがオンされているため、統括CPU37aは、ステップS10の判定を「NO」として、ここでの処理を終了する。
そして、統括CPU37aは、図16に示される前記ステップS110の処理へ移行する。ここで、メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されていれば、統括CPU37aは、ステップS110〜S130の判定を「YES」として、前記ステップS140の処理へ移行し、図17に示すステップS710の処理へ移行する。
ステップS710では、前回の図柄組み合わせゲーム(前記ステップS660)において報知時回数がセットされているため、統括CPU37aは、ステップS710の判定を「YES」として、ステップS720の処理へ移行する。
ステップS720において、統括CPU37aは、報知時回数を1減算して、ステップS730の処理へ移行する。なお、報知時回数は、変動パターン指定コマンドが入力される度(図柄組み合わせゲームが開始される度)に、1ずつ減算される。ステップS730において、統括CPU37aは、ステップS720の報知時回数の減算により、報知時回数が0(報知タイミング)になったか否かを判定する。
報知時回数が0になっていない場合(ステップS730:N)、統括CPU37aは、ステップS750の処理へ移行する。ステップS750において、統括CPU37aは、前記ステップS130にてRAM37cに記憶された変動パターンが大当り演出用の変動パターンP4であるか否かを判定する。変動パターンP4である場合(ステップS750:Y)、統括CPU37aは、ステップS760の処理へ移行する。そして、ステップS760において、統括CPU37aは、昇格演出が行われているか否かに関係なく、報知時回数をクリアして(0にして)、本サブルーチンを終了する。一方、変動パターンP4ではない場合(ステップS750:N)、統括CPU37aは、報知時回数をクリアせずに本サブルーチンを終了する。この場合、その次の回の図柄組み合わせゲームにおいて、報知時回数が減算され(ステップS720)、報知時回数が0になったか否かが判定される(ステップS730)。なお、このステップS720,S730の処理は、変動パターンP4が入力されない限り、報知時回数が0になるまで繰り返し行われる。
そして、報知時回数が0になると(ステップS730:Y)、統括CPU37aは、ステップS740の処理へ移行する。ステップS740において、統括CPU37aは、昇格演出の実行を指示する特典未確認状態中昇格演出指定コマンドを表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力する。なお、特典未確認状態中昇格演出指定コマンドに基づいて実行される昇格演出が、第3の報知演出(図8参照)となる。
さて、第1の報知演出及び第2の報知演出の具体的な流れを、図8,図10,図11,図13に基づいて説明する。例えば、特定図柄が表示されなかった場合には確率変動が付与されないというゲーム性に慣れ親しんでいる遊技者が、来店者の大部分であるとき、図柄組み合わせゲームを開始してから大当り遊技演出を終了するまでの期間(図8に示す第1の期間)内に確率変動を報知させるようにすることが好ましい。また、遊技店がラッキーナンバー制度(LN制度)を採用している場合も、大当り遊技演出を終了するまでの期間(第1の期間)内に確率変動を報知させるようにすることが好ましい。この場合、モード切換スイッチSWを操作してモード2(図14参照)に設定しておくことがよい。
このようにすれば、第1の期間のみに確率変動が報知されうるようになる。具体的には、図10に示されるように、全飾り図柄E1が特定図柄の図柄組み合わせ(「3,3,3」)で仮停止した後、全飾り図柄E1が再変動して特定図柄の図柄組み合わせ(「3,3,3」)で確定停止する再抽選が行われる可能性がある。また、図11に示されるように、全飾り図柄E1が非特定図柄の図柄組み合わせ(「2,2,2」)で仮停止した後、全飾り図柄E1が再変動して特定図柄の図柄組み合わせ(「3,3,3」)で確定停止する再抽選が行われる可能性がある。なお、再抽選は、第1の期間中、具体的には、図柄組み合わせゲームが行われる前半期間中に実行される第1の報知演出(第4の報知演出)である(図8参照)。そして、再抽選が行われて全飾り図柄E1が特定図柄で確定停止した場合、遊技者は確率変動が付与される旨を知ることができる。その結果、遊技者には、「もっと遊技を続けたい」という意欲が湧くようになる。また、全飾り図柄E1が特定図柄で確定停止することで確率変動が付与される旨を知ることができるだけでなく、全飾り図柄E1が非特定図柄で確定停止することで変動時間短縮が付与される旨を知ることができるため、「付与される特典が時短なのか確変なのかを知りたい」という遊技者の欲求を満たすことができる。
また、図13に示されるように、大当り遊技演出中に、「確変」、「確変?時短?」、「時短」のプレートが表示され、キャラクタが「確変」のプレートを選択する演出が行われる可能性がある。なお、キャラクタが「確変」のプレートを選択する演出は、第1の期間中、具体的には、大当り遊技演出が行われる後半期間中に実行される第1の報知演出(第4の報知演出)である(図8参照)。そして、キャラクタがプレートを選択する演出が行われた場合、遊技者は、確率変動が付与される旨を知ることができる。このとき、遊技者は、全飾り図柄E1が特定図柄で確定停止しないことで「確変にはならない」と諦めていたので、確率変動が付与されたときの喜びはよりいっそう大きいものとなる。
従って、モード切換スイッチSWを操作してモード2に設定しておけば、大当り遊技演出の終了後(特典未確認状態となる第2の期間中(図8参照))にキャラクタが「確変」のプレートを選択する演出(第3の報知演出)が行われなくなるため、遊技者が確率変動の付与を見逃して遊技を止めてしまう可能性が低くなる。また、確率変動が付与されている状態であれば、必ずその旨が報知されるため、確率変動が付与されていないと勘違いして遊技を止めてしまう可能性が低くなる。その結果、確率変動が報知されないことで、遊技者が「遊技店に騙された」と感じることがなくなるため、遊技者と遊技店との間でトラブルになるのを防ぐことができる。
また、例えば、遊技店の店員が大当り図柄の確認を行った際(図8に示す後半期間中)には、確率変動が付与されないことを示す非特定図柄が表示されていたのにもかかわらず、確認後(図8に示す第2の期間中)に、キャラクタが「確変」のプレートを選択する演出が行われることがなくなる。よって、店員は、確率変動が付与されるか否かを正確に判断することができる。ゆえに、店員が判断を誤ったことで、遊技者が本来得られる筈の権利(持ち球での遊技)を失ってしまう可能性が低くなる。従って、遊技者が店員の判断に憤る可能性が低くなるため、遊技者と遊技店との間でトラブルになるのを防ぐことができる。
一方、来店する遊技者の大部分が、早い段階で確率変動が付与されない旨を知ると、落胆して遊技継続に対するモチベーションが殺がれる傾向にある場合、遅い段階で確率変動が付与されるか否かを報知させるようにすることが好ましい。具体的には、大当り遊技演出後の期間(図8に示す第2の期間)内に確率変動を報知させるようにすることが好ましい。この場合、モード切換スイッチSWを操作してモード1(図14参照)に設定しておくことがよい。
このようにすれば、第2の期間において確率変動が報知されうるようになる。具体的には、第1の期間において、全飾り図柄E1が非特定図柄の図柄組み合わせ(「2,2,2」)で仮停止した後、全飾り図柄E1が再変動して非特定図柄の図柄組み合わせ(「2,2,2」)で確定停止する再抽選が行われるとともに、「チャンス」という文字が表示された場合(図11参照)、第2の期間において確率変動が報知されることがある。より詳しくは、全飾り図柄E1が非特定図柄の図柄組み合わせ(「2,2,2」)で確定停止するとともに、全特別図柄B1が特定図柄(「▽,▽,▽」)で確定停止した場合(図11参照)に、第2の期間において確率変動が報知される。この場合、特典未確認状態中(第2の期間)において、キャラクタが選択しているプレートを、「確変?時短?」のプレート(前記特典未確認状態中を示す表示)から「確変」のプレート(確率変動中を示す表示)に変更する演出が行われる。このとき、遊技者は、大当り遊技演出が終了するまでに確率変動が付与される旨が報知されないことで「確変にはならない」と諦めていたので、確率変動が付与されたときの喜びはよりいっそう大きいものとなる。
従って、モード切換スイッチSWを操作してモード1に設定しておけば、図柄組み合わせゲーム中(図8に示す前半期間)や大当り遊技演出中(図8に示す後半期間)に、第1の報知演出(全図柄が特定図柄で停止する再抽選や、キャラクタが「確変」のプレートを選択する演出)が行われる可能性が低くなる一方で、第2の報知演出(全図柄が非特定図柄で停止する再抽選を行うとともに「チャンス」という文字を表示させる演出や、キャラクタが「確変?時短?」のプレートを選択する演出)が行われる可能性が高くなる。よって、遊技者は、確率変動が付与されることへの期待感を長期間持ち続けることができるため、遊技継続に対するモチベーションを維持し続けることができる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の好みや遊技店の営業形態に応じてモード切換スイッチSWの設定を行うと、統括CPU37aは、モード切換スイッチSWの設定状態に基づいて、第1の報知演出を実行するか第2の報知演出を実行するかを決定する。なお、第1の報知演出では確率変動が付与される旨が報知され、第2の報知演出では変動時間短縮または確率変動が付与される旨が報知されるため、モード切換スイッチSWの設定状態に応じて報知される特典の内容が異なるようになる。ゆえに、遊技者の好みや遊技店の営業形態を反映させることにより、特典の付与に関する報知である第1の報知演出や第2の報知演出を適切に実行することができる。
よって、例えば、「特典内容が第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のいずれであるかを早く知りたい」という遊技者であっても、「なるべく楽しみは後に取っておきたい」という遊技者であっても、モード切換スイッチSWの設定状態に応じて確率変動や変動時間短縮の報知タイミングを異ならせることができるため、互いの要望を満たすことができる。また、遊技店側も、モード切換スイッチSWの設定状態に応じて確率変動や変動時間短縮の報知タイミングを異ならせることができるため、パチンコ機10の状態を正確に把握することができる。
(2)さらに、本実施形態では、遊技者の好みや遊技店の営業形態に応じてモード切換スイッチSWの設定を行うと、統括CPU37aは、モード切換スイッチSWの設定状態に基づいて、第4の報知演出(第1の報知演出または第2の報知演出)の実行可否の判定及び第5の報知演出(第3の報知演出)の実行可否の判定を行う。そして、第4の報知演出は第1の期間中(図柄組み合わせゲーム中または大当り遊技演出中)に実行され、第5の報知演出は第1の期間とは別の第2の期間中(特典未確認状態中)に実行されるため、モード切換スイッチSWの設定状態に応じて確率変動や変動時間短縮を報知するタイミングが異なるようになる。ゆえに、遊技者の好みや遊技店の営業形態をより細かく反映させることができる。
(3)本実施形態では、特典内容が第1の特典(変動時間短縮)及び第2の特典(確率変動)のいずれであるかを報知するタイミングの管理(状態報知タイミングT1〜T3のいずれか1つを決定する処理)などは、メインCPU31aではなく統括CPU37aによって行われるようになっている。よって、メインCPU31aによる処理が複雑になることはない。しかも、ROM31bに記憶されている制御プログラムを何ら変更しなくても済むため、メインCPU31aによる処理は、従来機種の場合と同一となる。
(4)本実施形態では、第1の特典(変動時間短縮)または第2の特典(確率変動)が付与されているにもかかわらず、いずれの特典が付与されているかの報知が行われていない場合(前記第1の期間に第2の報知演出が行われた場合)に、電源スイッチをオン・オフ操作して強制的にいずれの特典が付与されているかを示す報知演出を実行するようにしている。そのため、遊技店と遊技者との間でいずれの特典が付与されているか(閉店時の確率変動の補償など)でトラブルになることを防止できる。また、強制的に報知演出を実行させるにあたって、統括CPU37aのステップS630,S680などの処理が行われるため、メインCPU31aによる処理が複雑になったり、ROM31bに記憶されている制御プログラムの変更が必要になったりする可能性が小さくなる。さらに、電源スイッチのオフ操作によりRAM37cに設定されている状態報知タイミングフラグがクリアされることを利用して、メインCPU31aから入力された状態指定コマンドをそのまま出力することにより、第1の特典及び第2の特典のうちいずれの特典が付与されているのかを報知するようにした。このため、統括CPU37aが行う処理を新たに追加する必要がなくなるとともに、パチンコ機10への電源供給が遮断された場合にRAM37cへの電源供給を行うバックアップ用電源を設ける必要もなくなる。しかも、本実施形態の電源スイッチは、『強制報知操作手段』としての機能も兼ねているため、強制報知操作手段を電源スイッチとは別々に設けたりしなくても済む。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態にて用いられていた飾り図柄E1は、特になくてもよい。
・上記実施形態とは別のタイミング(契機)で、第1の特典(変動時間短縮)または第2の特典(確率変動)を付与するようにしてもよい。
例えば、特定のハズレリーチが形成されたことを契機として変動時間短縮や確率変動を付与するようにしてもよい。この場合、特定のハズレリーチ実行中に第1の報知演出または第2の報知演出が行われ、特定のハズレリーチ終了後に変動時間短縮または確率変動が付与される。また、特定のハズレリーチを契機として変動時間短縮や確率変動の付与を決定し、特定のハズレリーチ終了後に変動時間短縮または確率変動を付与した状態で次の図柄組み合わせゲームを行い、その図柄組み合わせゲーム中に突然第3の報知演出を実行するようにしてもよい。
即ち、統括CPU37aは、モード切換スイッチSWの設定状態に基づいて、第1の特典または第2の特典の付与が決定されてから特典付与手段にて特典の付与を開始するまでの第1の期間中(特定のハズレリーチ実行中)に第1の報知演出または第2の報知演出を実行するか、第1の特典または第2の特典の付与が行われている第2の期間中(特定のハズレリーチ終了後から図柄組み合わせゲームが所定回実行されるまでの間)に第3の報知演出を実行するかを決定する。
・上記実施形態では、変動開始時の大当り判定を行う際に、第1の特典を付与するか否かの判定や第2の特典を付与するか否かの判定を行ったが、入賞検出時に大当り判定用乱数や大当り図柄用乱数を取得した際に、第1の特典を付与するか否かの判定や第2の特典を付与するか否かの判定を行ってもよい。このようにすれば、第1の期間の前半期間が長くなるため、特典の報知タイミングのバリエーションを増加させやすくなる。
・上記実施形態では、モード切換スイッチSWによって設定されるモードとして、モード1〜3の3種類を有していた。しかし、例えばスイッチSW1,SW2からの操作信号がともにオフ状態である場合に、第1の報知演出、第2の報知演出及び第3の報知演出を全く実行しないモードをさらに追加してもよい。
・上記実施形態では、モード切換スイッチSWは、機内部に配置された統括制御基板37に設けられていた。しかし、モード切換スイッチSWは、パチンコ機10の機表側(具体的には、上球皿15など)に設けられていてもよい。このようにすれば、確率変動や変動時間短縮を報知するタイミングを変更したいという旨を遊技店の店員に伝えなくても、遊技者は、自身でモード切換スイッチSWを操作することで、確率変動や変動時間短縮を報知するタイミングを変更させることができる。
なお、この場合、モード切換スイッチSWの切換操作の有効期間を、パチンコ機10への電源供給が開始されてから最初の図柄組み合わせゲームが行われるまでの期間に限定しなくてもよい。具体的には、ステップS10,S150,S160の処理を省略してもよい。このようにすれば、遊技者が、現状の確率変動や変動時間短縮の報知タイミングに飽きてしまった場合でも、遊技中にモード切換スイッチSWを操作することで、報知タイミングを変更することができる。よって、遊技継続に対するモチベーションをより長期間に亘って維持し続けることができる。
・上記実施形態では、図柄組み合わせゲームが大当りの組み合わせで停止したことに基づいて、確率変動や変動時間短縮を付与するようになっていた。しかし、大当りとは無関係に確率変動や変動時間短縮を付与するようになっていてもよい。
・上記実施形態のパチンコ機10の構成を、スロットマシンなどの遊技機に適用してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至5のいずれか1項において、前記設定手段は、前記遊技機の機表側に配置されていること。このようにすれば、遊技者が設定手段を操作することができる。
(2)請求項5において、遊技機の電源スイッチは、前記強制報知操作手段を兼ねること。このようにすれば、強制報知操作手段を電源スイッチとは別々に設けたりしなくても済む。
(3)複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせゲームを行い、大当りの図柄組み合わせが導出された場合に大当り遊技状態を付与する大当り付与手段と、前記図柄組み合わせゲームでの前記各図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮状態、または、大当りの図柄組み合わせが導出される確率が高確率に変動する確率変動状態を付与するか否かを判定する特典付与判定手段と、前記変動時間短縮状態または前記確率変動状態を付与すると判定された場合に、前記変動時間短縮状態を付与するか前記確率変動状態を付与するかを決定する特典内容決定手段と、前記特典内容決定手段により前記変動時間短縮状態または前記確率変動状態の付与が決定された場合に、前記変動時間短縮状態または前記確率変動状態の付与を行う特典付与手段とを備えた遊技機において、前記特典内容決定手段により前記変動時間短縮状態または前記確率変動状態の付与が決定されたときから前記特典付与手段にて前記変動時間短縮状態または前記確率変動状態の付与を開始するまでの第1の期間中に、前記確率変動状態が付与される旨を報知する第1の報知演出と、前記変動時間短縮状態または前記確率変動状態が付与される旨を報知する第2の報知演出とを実行しうる特典報知手段と、前記第1の報知演出または前記第2の報知演出を実行しうる状態に設定する設定手段と、前記設定手段の設定状態に基づいて、前記特典報知手段によって前記第1の報知演出を実行するか前記第2の報知演出を実行するかを決定する特典報知内容決定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
(4)複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせゲームを行い、大当りの図柄組み合わせが導出された場合に大当り遊技状態を付与する大当り付与手段と、前記図柄組み合わせゲームにて大当りの図柄組み合わせが導出される可能性を高くする特典を付与するか否かを判定する特典付与判定手段と、特典を付与すると判定された場合に特典の付与を行う特典付与手段とを備えた遊技機において、特典を付与すると判定されたときから前記特典付与手段にて特典の付与を開始するまでの第3の期間中に特典が付与される旨を報知する第4の報知演出と、前記特典付与手段にて特典の付与が行われている第4の期間中に特典が付与されている旨を報知する第5の報知演出とを実行しうる特典報知手段と、前記第4の報知演出及び前記第5の報知演出の少なくとも一方を実行しうる状態に前記特典報知手段を設定する設定手段と、前記設定手段の設定状態に基づいて、前記特典報知手段による前記第4の報知演出の実行可否の判定、及び、前記特典報知手段による前記第5の報知演出の実行可否の判定を行う特典報知実行可否判定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
(5)技術的思想(4)において、前記特典は、第1の特典と、前記第1の特典と比べて遊技者にとってさらに有利となる第2の特典とからなり、前記第1の特典または前記第2の特典を付与するかを決定する特典内容決定手段を備え、前記特典付与手段は、前記特典内容決定手段により前記第1の特典または前記第2の特典の付与が決定された場合に特典の付与を行い、前記特典報知手段は、前記特典内容決定手段により前記第1の特典または前記第2の特典の付与が決定されたときから前記特典付与手段にて特典の付与を開始するまでの第1の期間中に、前記第2の特典が付与される旨を報知する第1の報知演出と、前記第1の特典または前記第2の特典が付与される旨を報知する第2の報知演出とを実行しうるようになっており、前記設定手段は、前記特典報知手段によって前記第1の報知演出または前記第2の報知演出を実行しうる状態に設定し、前記特典報知内容決定手段は、前記設定手段の設定状態に基づいて、前記特典報知手段によって前記第1の報知演出を実行するか前記第2の報知演出を実行するかを決定すること。
(6)技術的思想(5)において、前記特典報知手段により前記第1の期間中に前記第2の報知演出が行われた場合、前記特典報知内容決定手段は、前記設定手段の設定状態に基づいて、前記特典付与手段にて前記第1の特典または前記第2の特典の付与が行われている第2の期間中に、前記第2の特典が付与されている旨を報知する第3の報知演出を実行するか否かを決定すること。