以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠13は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠13の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠13は、中央部に窓口14を有するとともに、該窓口14の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠13の裏面側には、機内部に配置された遊技盤16を保護し、かつ窓口14を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤16は、中枠12に装着される。また、前枠13には、窓口14のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部(装飾ランプ)を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17〜19は、前枠13の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠13には、窓口14の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う音声演出手段としての左スピーカ20及び右スピーカ21が配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠13の裏面に装着されており、該前枠13の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)22が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿22の右方には、遊技球を遊技盤16に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル23が装着されている。また、前枠13には、下皿22の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ24が配置されている。下スピーカ24は、中枠12に装着されている。本実施形態において左スピーカ20、右スピーカ21及び下スピーカ24は、パチンコ遊技機10の機本体に設けられた音声演出手段になる。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口15aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15bが連設されており、さらに右方側に貯留通路15b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤16に向けて発射される。遊技盤16に向けて発射される遊技球は、発射ハンドル23の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿22には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口22aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部22bが遊技球の出口22aに連設されている。
次に、遊技盤16の構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤16の前面には、発射ハンドル23の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域16aを形成する誘導レール25が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール25によって遊技盤16には、該遊技盤16の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路25aが形成されるとともに、誘導レール25の内側に遊技領域16aが形成される。また、遊技盤16の前面であって誘導レール25の外側となる遊技領域16a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域16bとされている。
遊技盤16の遊技領域16aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する画像式の表示装置としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出用図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体27の右下方には、表示装置としての特別図柄表示装置29が配置されている。本実施形態の特別図柄表示装置29は、7セグメントLED式の表示装置とされている。特別図柄表示装置29には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。なお、特別図柄表示装置29の図柄変動ゲームは、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置29と演出表示装置28では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置29では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示装置29と演出表示装置28には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される。このとき、特別図柄表示装置29と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置29には、複数種類の特別図柄の中から1つの特別図柄が表示されるようになっている。本実施形態における複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄には、大当り抽選で大当りに当選し、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が15回に設定されている15ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄と、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が7回に設定されている7ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄とがある。その一方、本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、複数種類(本実施形態では9種類)の数字図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28に表示される9種類の飾り図柄は、麻雀遊技で使用する遊技媒体としての麻雀牌([一萬]〜[九萬])を模した数字図柄によって構成されている。なお、以下の説明では、[一萬]、[ニ萬]、[三萬]、・・・、[九萬]を、単に数字の[1]、[2]、[3]、・・・、[9]と示す。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置29の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置29よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
本実施形態では、全ての図柄列(本実施形態では3列)の飾り図柄を同一種類の飾り図柄で形成した図柄組み合わせを、内部抽選で大当りを決定した場合に演出表示装置28に確定停止表示させる飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄の大当り図柄)としている。そして、本実施形態では、[7]を除く[1]〜[6]、[8]及び[9]による同一の数字図柄からなる図柄組み合わせ(大当り図柄)が、7ラウンド大当り遊技を認識し得る組み合わせとなる。一方、本実施形態では、[7]による同一の数字図柄からなる図柄組み合わせ(大当り図柄)が、15ラウンド大当り遊技を認識し得る組み合わせとなる。本実施形態において[7(七萬)]の数字図柄は、遊技者が、15ラウンド大当り遊技を付与する大当りに当選したことを認識し得る有利図柄となる。
一方、全列の飾り図柄を同一種類とせずに形成した図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に演出表示装置28に確定停止表示させる飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(飾り図柄のはずれ図柄)としている。全列の飾り図柄が同一種類とならない場合には、全列の飾り図柄の全てが異なる場合や複数列(2列)の飾り図柄が同一種類で1列の飾り図柄の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾り図柄のはずれの図柄組み合わせは、[123]、[115]、[767]などである。
そして、演出表示装置28には、特別図柄表示装置29の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置29の特別図柄による図柄と、演出表示装置28の飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄に対応した飾り図柄による図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。
ここで、演出表示装置28の画像表示部GHについて図2を用いてさらに詳しく説明する。
画像表示部GHには、飾り図柄を表示する3つの図柄表示位置H1,H2,H3が配置(形成)されている。図柄表示位置H1,H2は画像表示部GHの左右に分かれて配置されており、図柄表示位置H1,H2の間に図柄表示位置H3が配置されている。そして、各図柄表示位置H1〜H3には、図柄変動ゲームにおいて各1つの飾り図柄が表示される。これにより、画像表示部GHでは、各図柄表示位置H1〜H3に各1つの図柄列が対応し、3列の飾り図柄からなる図柄組み合わせが表示されるようになっている。本実施形態において図柄表示位置H1には図柄組み合わせを構成する左列の飾り図柄が表示されるとともに、図柄表示位置H2には図柄組み合わせを構成する右列の飾り図柄が表示され、さらに図柄表示位置H3には図柄組み合わせを構成する中列の飾り図柄が表示される。また、画像表示部GHには、各図柄表示位置H1〜H3に対応して、図柄飾り枠W1,W2,W3が画像表示されている。各図柄飾り枠W1〜W3は、各図柄表示位置H1〜H3に表示される飾り図柄を囲む大きさで形成されており、各図柄列の飾り図柄は図柄飾り枠W1〜W3内に表示されるようになっている。
また、画像表示部GHでは、図柄変動ゲームの開始に伴って各図柄列の図柄の変動が開始する。変動を開始した各図柄列は、各図柄表示位置H1〜H3において、予め定めた表示順序にしたがって変動表示される。「変動表示」とは、表示させる図柄の種類を変化させながら表示される変動形態である。本実施形態において各図柄列の表示順序は、[1]〜[9]までの間で数字が昇順となる順序で、[9]に達したら再び[1]に戻って変動表示させるように定められている。
また、画像表示部GHにおいて変動を開始した各図柄列は、予め定めた変動停止順にしたがって変動を停止(変動表示を停止)させ、対応する各図柄表示位置H1〜H3に各1つの飾り図柄を停止表示させるようになっている。本実施形態において各図柄列の変動停止順序は、最初に図柄表示位置H1に対応する図柄列(左列)の変動を停止させ、次に図柄表示位置H2の対応する図柄列(右列)の変動を停止させ、最後に図柄表示位置H3に対応する図柄列(中列)の変動を停止させるように定められている。そして、画像表示部GHでは、左列と右列の2列の変動が停止した際に、両図柄列に同一の飾り図柄(例えば、[1↓1])が停止表示された場合、リーチが形成される。画像表示部GHにリーチが形成された場合、画像表示部GHでは引き続き変動表示されている中列の飾り図柄を導出するためのリーチ演出が行われる。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、画像表示部GHに3つの図柄表示位置H1〜H3が配置され、各図柄表示位置H1〜H3に飾り図柄が停止表示された場合に1つの図柄組み合わせが形成されるようになっていることから、図柄組み合わせが有効となる有効ラインを一本備えた1ライン機となる。また、図柄の停止表示には、「一旦停止表示」と「確定停止表示」とがある。そして、図柄変動ゲームが終了する迄の間に図柄列の変動停止によって表示された図柄は、例えば図柄を上下に小刻みに変動させる揺れ変動などの「一旦停止表示」の状態とされ、これらの各図柄列の図柄は図柄変動ゲームの終了によって「確定停止表示」の状態とされる。なお、特別図柄表示装置29では、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間、特別図柄の変動表示が継続して行われ、図柄変動ゲームの終了時に特別図柄が確定停止表示される。一方、演出表示装置28では、図柄変動ゲームが開始してから、所定時間の経過毎に各図柄列の変動が停止して飾り図柄が一旦停止表示され、図柄変動ゲームの終了時に各図柄列の飾り図柄が確定停止表示される。
図1及び図2において、表示枠体27の下方であって、特別図柄表示装置29の左横(万点棒を模した飾り部材内)には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示装置30が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体27の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口33と下始動入賞口34)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板45の主制御用RAM45c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示装置30は、2つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示装置30は、保留ランプの点灯態様により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。本実施形態の特別図柄保留記憶表示装置30では、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合に2つの保留ランプが消灯し、「1」の場合に1つ目の保留ランプが点滅し、「2」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、「3」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、かつ2つ目の保留ランプが点滅し、「4」の場合に2つの保留ランプが点灯する。
また、表示枠体27の下方であって、特別図柄表示装置29の左横(万点棒を模した飾り部材内)において特別図柄保留記憶表示装置30の上方には、発光型の普通図柄表示装置31が配置されている。本実施形態の普通図柄表示装置31は、2つのランプを上下に並設して構成されている。普通図柄表示装置31には、普通図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として上側のランプが点灯し、かつ下側のランプが消灯し、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として上側のランプが消灯し、かつ下側のランプが点灯する。本実施形態において普通図柄表示装置31には、普通図柄表示装置31を構成する2つのランプの点灯態様によって普通図柄が構成される。
また、普通図柄表示装置31の下方には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示装置32が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体27の左方に配置される普通図柄作動ゲート36へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板45の主制御用RAM45c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート36に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート36へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
普通図柄保留記憶表示装置32は、2つの保留ランプによって構成されている。そして、普通図柄保留記憶表示装置32は、保留ランプの点灯態様により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。本実施形態の普通図柄保留記憶表示装置32では、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合に2つの保留ランプが消灯し、「1」の場合に1つ目の保留ランプが点滅し、「2」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、「3」の場合に1つ目の保留ランプが点灯し、かつ2つ目の保留ランプが点滅し、「4」の場合に2つの保留ランプが点灯する。
また、表示枠体27の下方の遊技領域16aには、遊技球の入球口33aを有する入球検知手段としての上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する入球検知手段としての下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。
上始動入賞口33と下始動入賞口34の各奥方には、入球した遊技球を検知する入球検知手段としての始動口スイッチSW1,SW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口34の下方の遊技領域16aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉37を備えた入賞手段(可変入賞装置)としての大入賞口(特別電動役物)38が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉37の開動作によって大入賞口38が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。すなわち、大入賞口38は、常には大入賞口扉37によって入球を許容し得ない閉状態とされており、大当り遊技が付与されることによって不利な閉状態から遊技球の入球が許容される有利な開状態に変化する。本実施形態において大当り遊技は、賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉37の開動作により大入賞口38が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回又は7回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉37の開動作により大入賞口38が開放されてから大入賞口扉37の閉動作により大入賞口38が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口38は、入球上限個数(規定入球個数)の遊技球が入球するまでの間、又はラウンド遊技時間(規定上限時間)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体27の左方の遊技領域16aには、普通図柄作動ゲート36が配設されている。普通図柄作動ゲート36の奥方には、該普通図柄作動ゲート36へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート36は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤16の遊技領域16aの最下方(大入賞口38よりも下方)には、遊技領域16aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口39が形成されている。アウト口39を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、上皿15の上面15cには、遊技者(及び遊技場の従業員)が操作可能な演出用操作手段としての演出用操作ボタン40が配設されている。本実施形態において演出用操作ボタン40は、押しボタン式とされている。演出用操作ボタン40は、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲーム中、大当り遊技中やデモンストレーション中など)に、その操作が有効とされるようになっている。そして、演出用操作ボタン40の操作が有効である場合には演出用操作ボタン40に内蔵した図示しないランプが点灯するとともに、演出用操作ボタン40の操作が無効である場合には演出用操作ボタン40に内蔵したランプが消灯するようになっている。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と7ラウンド大当り遊技)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選した場合、2種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づいた大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当りのうち、何れの大当りを付与するかは、大当り抽選で大当りに当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。大当り図柄となる特別図柄は、大当り遊技毎に複数種類設定されており、大当り遊技毎に設定される特別図柄の個数によって大当り抽選に当選した際に決定される大当り遊技の振分け率が規定される。例えば、大当り図柄となる特別図柄の総数を「100」とし、2種類の大当り遊技に対して特別図柄を50種類ずつ振分けた場合、大当り遊技の振分け率は2分の1(100分の50)となる。以下の説明では、説明の便宜上、「15ラウンド大当り遊技」に振分けた特別図柄を特別図柄A(又は特図A)とし、「7ラウンド大当り遊技」に振分けた特別図柄を特別図柄B(又は特図B)とする。
特別図柄Aに基づく15ラウンド大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されている。また、15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間が「25秒」に設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間となる。そして、15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口38を「1回」開放させるように設定されている。
特別図柄Bに基づく7ラウンド大当り遊技は、規定ラウンド数が「7回」に設定されている。また、7ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、7ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間が「25秒」に設定されている。そして、7ラウンド大当り遊技における7回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口38を「1回」開放させるように設定されている。
前述したように、本実施形態において15ラウンド大当り遊技と7ラウンド大当り遊技は、規定ラウンド数が相違し、1回のラウンド遊技における入球上限個数、及びラウンド遊技時間は同一設定とされている。このため、15ラウンド大当り遊技と7ラウンド大当り遊技を比較した場合、大入賞口38への1球の入球に対する賞球数(例えば、15球)を同一設定にしたもとで、大入賞口38を閉状態から開状態に変化させる回数が多い15ラウンド大当り遊技の方が遊技者に有利な大当り遊技となる。具体的に言えば、15ラウンド大当り遊技の方が、7ラウンド大当り遊技に比して、1回の大当り遊技で遊技者が獲得可能な賞球総数が多く、遊技者に与えられる価値(獲得賞球数)が高くなる。なお、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されており、何れの大当り遊技中も当該設定にしたがって同一条件のもとで遊技球は発射される。また、本実施形態において15ラウンド大当り遊技のオープニング時間及びエンディング時間と、7ラウンド大当り遊技のオープニング時間及びエンディング時間は、何れの時間も同一時間に設定されている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図3にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、表示制御手段としての演出表示制御基板47と、音声制御手段としての音声・ランプ制御基板48が装着されている。これらのサブ統括制御基板46、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48が、副制御装置となる。
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ17〜19の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、及びスピーカ20,21,24の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、各制御基板45〜48の具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。
また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口38に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート36を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、特別図柄表示装置29と、普通図柄表示装置31と、特別図柄保留記憶表示装置30と、普通図柄保留記憶表示装置32を搭載する図柄表示基板49が接続されている。また、主制御用CPU45aは、特別図柄用の大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、普通図柄用の当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。特別図柄用の大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとなる場合に特別図柄表示装置29に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普通図柄用の当り判定用乱数は、普通図柄の当りとするか否かの普通図柄当り抽選(普通図柄当り判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU45aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM45cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM45bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、普通図柄当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、演出表示装置28の画像表示部GHに画像表示される飾り図柄を用いた図柄変動ゲームで行われる。本実施形態では、図柄変動ゲームの変動内容を特定可能な変動パターンを記憶する主制御用ROM45bが、変動パターン記憶手段となる。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。この大当り判定値として定める数値の個数により、大当り抽選で大当りに当選する確率(大当り確率)が定められている。例えば、大当り判定用乱数の値を「0〜599」までの全600通りの整数に定め、大当り判定値を「2個」に設定した場合、大当り確率は600分の2(=300分の1)となる。また、普通図柄当り判定値は、普通図柄当り抽選で用いる判定値であり、普通図柄用当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。この普通図柄当り判定値として定める数値の個数により、普通図柄当り抽選で当りに当選する確率(当り確率)が定められている。例えば、当り判定用乱数の値を「0〜99」までの全100通りの整数に定め、当り判定値を「2個」に設定した場合、当り確率は100分の2(=50分の1)となる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、サブ統括制御基板46には、上皿15に配設した演出用操作ボタン40が接続されている。演出用操作ボタン40は、その操作が有効である場合(ランプが点灯している場合)に押下操作すると、統括制御用CPU46aに操作信号が出力され、その操作信号を入力した統括制御用CPU46aは演出用操作ボタン40の操作を有効として所定の遊技演出制御を実行する。なお、演出用操作ボタン40の操作が無効である場合(ランプが消灯している場合)に演出用操作ボタン40を押下操作したときには、その演出用操作ボタン40の操作が無効とされる。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
次に、音声・ランプ制御基板48について説明する。
音声・ランプ制御基板48には、制御動作を所定の手順で実行することができる音声ランプ制御用CPU48aと、音声ランプ制御用CPU48aの制御プログラムを格納する音声ランプ制御用ROM48bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる音声ランプ制御用RAM48cが設けられている。音声ランプ制御用CPU48aには、各枠用ランプ部17〜19及び各スピーカ20,21,24が接続されている。また、本実施形態の音声ランプ制御用CPU48aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。音声ランプ制御用ROM48bには、音声演出用の音声データ(音楽用データ)や発光演出用の発光データが記憶されている。
以下、各制御基板45〜48が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板45について説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の大当り判定用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特別図柄用の大当り判定用乱数の値も取得しない。
また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した特別図柄用の大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当り遊技を付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(特別図柄用の大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置29で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した値と特別図柄から特定される大当り遊技の種類をもとに大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
具体的に言えば、主制御用CPU45aは、特別図柄が15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、15ラウンド大当り遊技の当選時に選択可能な大当り演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄が7ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、7ラウンド大当り遊技の当選時に選択可能な大当り演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(特別図柄用の大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置29で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した値をもとに、はずれリーチ演出の当選時に選択可能なはずれリーチ演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。一方、主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した値をもとに、はずれ演出の当選時に選択可能なはずれ演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置29の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
本実施形態では、遊技盤16に配設した始動領域(上始動入賞口33と下始動入賞口34)への遊技球の入球を契機に、大当り抽選(大当り判定)を行う主制御用CPU45aが、大当り抽選手段となる。また、本実施形態では、大当り抽選で大当りに当選した場合に、複数種類の大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と7ラウンド大当り遊技)の中から何れの大当り遊技を遊技者に付与するかを決定する主制御用CPU45aが、大当り種決定手段となる。また、本実施形態では、大当り抽選の抽選結果に基づき、変動パターンを選択する主制御用CPU45aが、変動パターン選択手段となる。また、本実施形態では、大入賞口38の開閉制御を行う主制御用CPU45aが、可変制御手段となる。また、本実施形態において主制御用CPU45aは、特別図柄を決定する図柄決定手段、大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段にもなり得る。
次に、サブ統括制御基板46が実行する制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置28に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、停止図柄(特別図柄)が15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄である場合、最終的に確定停止表示させる大当り図柄を構成する飾り図柄の図柄組み合わせとして[7]を決定する。一方、統括制御用CPU46aは、停止図柄(特別図柄)が7ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄である場合、最終的に確定停止表示させる大当り図柄を構成する飾り図柄の図柄組み合わせとして[7]を除く他の飾り図柄([1]〜[6]、[8]、[9])の中から1つの飾り図柄を決定する。
また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU46aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
次に、演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(ゲーム用の表示パターン)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM47bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームにおいて飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を導出し、図柄停止コマンドの入力によって飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
次に、音声・ランプ制御基板48について説明する。
音声・ランプ制御基板48の音声ランプ制御用CPU48aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容をもとに、音声データ及び発光データを選択する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、選択した音声データ及び発光データで音声演出及び発光演出を行わせるように各スピーカ20,21,24及び各枠用ランプ部17〜19を制御する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って音声演出及び発光演出を終了させる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能なリーチ演出(銅鑼リーチ)について、図4〜図6にしたがって説明する。
銅鑼リーチには、複数種類(本実施形態では、図6に示す6種類)の演出内容が定められており、これらの各演出内容が1つの変動パターンP1〜P6に対応付けられている。変動パターンP1,P4は、銅鑼リーチにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開されるはずれリーチ演出用の変動パターンとされている。変動パターンP2,P3,P5,P6は、銅鑼リーチにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される大当り演出の変動パターンとされている。
また、銅鑼リーチにおける変動パターンP1〜P3と変動パターンP4〜P6は、左右2列の図柄列によってリーチが形成された状態において、最終停止図柄である中列の図柄を導出する態様が異なっている。具体的に言えば、変動パターンP1〜P3では、変動パターンP1〜P3に対応する演出内容(ゲーム用の表示パターン)にしたがって中列の図柄を表示順序にしたがって順次導出させる態様で行われる。その一方、変動パターンP4〜P6では、変動パターンP4〜P6に対応する演出内容(ゲーム用の表示パターン)にしたがって演出用操作ボタン40の操作を有効とし、当該演出用操作ボタン40が操作されることを契機に図柄をランダムに選択し、その選択した図柄を中列の図柄として導出させる態様で行われる。すなわち、変動パターンP1〜P3と変動パターンP4〜P6は、演出用操作ボタン40の操作を有効又は無効とし、中列の図柄を導出する演出に遊技者を関与させるか否かという点で演出内容が相違している。なお、変動パターンP1〜P3は銅鑼リーチの基準演出であり、変動パターンP4〜P6の演出は変動パターンP1〜P3の演出を経由して行われ、演出用操作ボタン40の操作が有効となる演出が発展演出とされている。また、本実施形態では、変動パターンP4〜P6の演出においてリーチを形成しているリーチ形成図柄が、図柄変動ゲームにおいて既に導出されている導出済図柄となる。
また、銅鑼リーチにおける大当り演出用の変動パターンP2,P5と変動パターンP3,P6は、大当り図柄を導出する態様が異なっている。具体的に言えば、変動パターンP2,P5は、中列の図柄を導出する過程でリーチ形成図柄と同一図柄を導出し、大当り図柄を導出させる態様で行われる。一方、変動パターンP3,P6は、中列の図柄を導出する過程でリーチ形成図柄とは異なる図柄を導出し、一旦はずれ図柄を導出させた後に中列を再び変動させてリーチ形成図柄と同一図柄を導出し、大当り図柄を導出させる態様で行われる。すなわち、変動パターンP2,P5と変動パターンP3,P6は、一旦はずれ図柄が導出されるか否かという点で演出内容が相違し、変動パターンP3,P6の演出は遊技者にはずれと思わせてから、大当り図柄を導出する復活的な要素を取り入れた演出とされている。
図4及び図5は、変動パターンP4に基づく「銅鑼リーチ発展連打はずれ」の演出と、変動パターンP5に基づく「銅鑼リーチ発展連打通常当り」の演出を具体化した模式図である。
図柄変動ゲームの開始後、左右2列の変動停止によってリーチが形成され、「銅鑼リーチ」が行われると、まず、画像表示部GHには、銅鑼リーチの基本演出から表示される。具体的に言えば、画像表示部GHには、その中央に銅鑼Dが出現し、無数の図柄が螺旋状に連なって銅鑼Dに吸収される画像が表示される(図4(a))。そして、画像表示部GHには、全ての図柄が吸収された後、銅鑼Dに重なるようにして「銅鑼リーチ」が始まることを示す「開始」の文字が表示されるとともに、画面の左右上隅にリーチ形成図柄(この例では[7])が表示される(図4(b))。次に、画像表示部GHには、銅鑼Dが打ち鳴らされると同時に、リーチ形成図柄[7]の表示順序に対して2つ前の表示順序(−2図柄)となる図柄[5]が中列の図柄として導出される(図4(c))。この図柄[5]は、銅鑼Dが打ち鳴らされたことによって銅鑼Dから飛び出し、その後に拡大表示されながら画像表示部GHから消えて行く。
続いて、画像表示部GHには、二度目の銅鑼Dが打ち鳴らされると同時に、リーチ形成図柄[7]の表示順序に対して1つ前の表示順序(−1図柄)となる図柄[6]が中列の図柄として導出される(図4(d))。この図柄[6]は、前述した図柄[5]と同様に、銅鑼Dが打ち鳴らされたことによって銅鑼Dから飛び出し、その後に拡大表示されながら画像表示部GHから消えて行く。続いて、画像表示部GHには、三度目の銅鑼Dが打ち鳴らされると同時に、リーチ形成図柄[7]と同一の図柄[7]が中列の図柄として導出される(図4(e))。この図柄[7]は、前述した図柄[5],[6]と同様に、銅鑼Dが打ち鳴らされたことによって銅鑼Dから飛び出し、その後に拡大表示される。そして、この図柄[7]が、画像表示部GHから消えなければ「大当り」の態様となり、画像表示部GHから消えると「はずれ」の態様となる。図4に示す変動パターンP4,P5の演出では、図柄[7]が画像表示部GHから消え、リーチ形成図柄[7]の表示順序に対して1つ後の表示順序(+1図柄)となる図柄[8]が中列の図柄として導出される(図4(f))。その後、画像表示部GHでは、銅鑼リーチの演出が基本演出から発展演出へ移行する(図5に示す)。
なお、変動パターンP1に基づく「銅鑼リーチはずれ(+1)」の演出では、図4(f)に示す状態で導出されているはずれ図柄(この例では[787])が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する。また、変動パターンP2に基づく「銅鑼リーチ通常当り」の演出では、図4(e)に示す状態で、3度目の銅鑼Dが打ち鳴らされたことによって導出された中列の図柄(この例では[7])、すなわちリーチ形成図柄と同一図柄が画像表示部GHから消えずに残る。そして、画像表示部GHでは、大当り図柄(この例では[777])が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する。また、変動パターンP3に基づく「銅鑼リーチ復活当り」の演出では、図4(f)に示す状態で、一旦はずれ図柄(この例では[787])が導出され、その後に中列が再び変動してリーチ形成図柄と同一図柄が導出される。そして、画像表示部GHでは、大当り図柄(この例では[777])が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する。
また、銅鑼リーチでは、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化し得るように、2種類の予告演出(本実施形態では、「波紋予告」と「キャラ予告」)が付加されるようになっている。「波紋予告」は、画像表示部GHを水面に見立て、輪の形に広がる波模様を表示する態様で行われ、波紋の色(具体的に言えば「青」と「赤」)によって大当りへの期待感を変化させるようになっている。また、「キャラ予告」は、画像表示部GHに落下するキャラクタ(本実施形態では「仔パンダ」)を表示する態様で行われ、キャラクタが落下するか否か、及び落下した場合にはキャラクタの多少によって大当りへの期待感を変化させるようになっている。そして、これらの予告演出(「波紋予告」と「キャラ予告」)は、銅鑼リーチの基本演出において銅鑼Dが打ち鳴らされ、中列の図柄が導出されるタイミングで表示される。なお、「波紋予告」は、銅鑼Dが打ち鳴らされる3回のタイミングの全てにおいて表示される一方で、「キャラ予告」は、銅鑼Dが打ち鳴らされる3回のタイミングにおいて表示される場合と表示されない場合がある。また、「波紋予告」は、後述する銅鑼リーチの発展演出においても表示される一方で、「キャラ予告」は、銅鑼リーチの基本演出のみで表示される。
一度目の銅鑼Dが打ち鳴らされた様子を示す図4(c)では、画像表示部GHに「波紋予告」と「キャラ予告」の両方が表示されている。また、二度目の銅鑼Dが打ち鳴らされた様子を示す図4(d)では、画像表示部GHに「波紋予告」のみが表示され、「キャラ予告」が表示されていない。また、三度目の銅鑼Dが打ち鳴らされた様子を示す図4(e)では、画像表示部GHに「波紋予告」と「キャラ予告」の両方が表示されている。図4(e)の「キャラ予告」は、図4(c)の「キャラ予告」に比して、落下するキャラクタの数が多くなっている。なお、「波紋予告」は、1度目の銅鑼Dが打ち鳴らされた時の色が「青」の場合には以降の「波紋予告」も必ず「青」で表示され、1度目の銅鑼Dが打ち鳴らされた時の色が「赤」の場合には以降の「波紋予告」も必ず「赤」で表示される。
銅鑼リーチの説明に戻り、図4(f)の状態から銅鑼リーチが発展演出へ移行すると、画像表示部GHには、遊技者に対して演出用操作ボタン40の操作を促す「連打」の文字が表示される(図5(a))。この段階で、銅鑼リーチの発展演出が開始する。そして、画像表示部GHでは、「連打」の文字が消えると、画面の左下に「ボタン表示」と「残り十秒」の表示がなされる(図5(b))。本実施形態における演出用操作ボタン40の操作有効期間は「10秒」に設定されている。
そして、遊技者が、演出用操作ボタン40を押下(連打)すると、そのボタン操作に伴って中列の図柄が導出される(図5(b),(c))。また、画像表示部GHには、中列の図柄が導出されるタイミングで「波紋予告」が表示される。発展演出における「波紋予告」は、基本演出時に行われた「波紋予告」と同色で表示される。図5(b)は演出用操作ボタン40のボタン操作によって図柄[6]が、図5(c)は演出用操作ボタン40のボタン操作によって図柄[1]が、それぞれ導出された様子を示す。演出用操作ボタン40のボタン操作によって導出される中列の図柄は、基本演出と同様に銅鑼Dから飛び出し、拡大表示される。そして、導出された中列の図柄は、再び演出用操作ボタン40がボタン操作されることによって画像表示部GHから消え、次の中列の図柄が導出される。なお、中列の図柄が導出された後、演出用操作ボタン40がボタン操作されなかった場合、導出された中列の図柄は、そのまま画像表示部GHに残る。演出用操作ボタン40のボタン操作に伴って導出される中列の図柄は、後述する図柄選択処理(図8〜図11)によってランダムに選択される。このため、銅鑼リーチの発展演出では、中列の図柄が表示順序にしたがって規則的に導出される基本演出とは異なり、不規則に導出されることになる。
その後、演出用操作ボタン40のボタン操作により、中列の図柄としてリーチ形成図柄(この例では[7])と同一図柄([7])が導出されると、「大当り」の態様となる(図5(d))。そして、画像表示部GHでは、操作有効期間の終了後、大当り図柄(この例では[777])が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する。一方、演出用操作ボタン40のボタン操作により、中列の図柄としてリーチ形成図柄(この例では[7])と同一図柄([7])が導出されなかった場合、「はずれ」の態様となる(図5(e))。そして、画像表示部GHでは、操作有効期間の終了後、はずれ図柄(この例では[787])が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する。
変動パターンP5に基づく「銅鑼リーチ発展連打通常当り」の演出では、演出用操作ボタン40のボタン操作によってリーチ形成図柄と同一図柄を中列に導出させる制御が行われる。また、演出用操作ボタン40のボタン操作により、中列の図柄としてリーチ形成図柄と同一図柄が導出された場合、以降、操作有効期間が終了する迄の間、演出用操作ボタン40をボタン操作したときに導出される中列の図柄は、リーチ形成図柄と同一図柄のみとなるように制御が行われる。一方で、変動パターンP4に基づく「銅鑼リーチ発展連打はずれ」の演出では、演出用操作ボタン40をボタン操作しても、リーチ形成図柄と同一図柄を中列に導出させない制御が行われる。
なお、銅鑼リーチの発展演出において、演出用操作ボタン40のボタン操作を全く行わない遊技者や、途中で演出用操作ボタン40のボタン操作を止めてしまう遊技者も存在する。また、演出用操作ボタン40を操作有効期間の経過まで押し続けたが、リーチ形成図柄と同一図柄が導出されない遊技者も存在する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、このような遊技者が存在することに伴い、演出用操作ボタン40の操作有効期間の経過後に、中列の図柄を変動させて図柄を導出させる制御(図柄導出制御)が行われる。これにより、変動パターンP5に基づく「銅鑼リーチ発展連打通常当り」の演出が行われている場合、すなわち大当り抽選で大当りに当選している場合には、リーチ形成図柄と同一図柄が中列の図柄として導出され、画像表示部GHに大当り図柄が表示される。一方、変動パターンP4に基づく「銅鑼リーチ発展連打はずれ」の演出が行われている場合、すなわち大当り抽選で大当りに当選していない場合(はずれの場合)には、リーチ形成図柄とは異なる図柄が中列の図柄として導出され、画像表示部GHにはずれ図柄が表示される。
また、変動パターンP6に基づく「銅鑼リーチ発展連打復活当り」の演出では、演出用操作ボタン40をボタン操作しても、リーチ形成図柄と同一図柄を中列に導出させない制御が行われる。すなわち、演出用操作ボタン40の操作有効期間の終了時、画像表示部GHには、図5(e)に示すように、はずれ図柄(この例では[787])が導出されている。このため、前記演出では、画像表示部GHにおいてはずれ図柄の導出後、中列が再び変動してリーチ形成図柄と同一図柄が導出される。そして、画像表示部GHでは、大当り図柄(この例では[777])が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する。
以下、銅鑼リーチを行うための制御構成を、図6〜図11を用いて詳しく説明する。
統括制御用ROM46bには、波紋予告の態様(「青」及び「赤」)を決定するための波紋予告テーブル(図6(a))と、キャラ予告の態様(予告なし、キャラクタの数など)を決定するためのキャラ予告テーブル(図6(b))が記憶されている。なお、各テーブルに振分けた乱数の値は、統括制御用CPU46aにより、所定周期毎に更新され、統括制御用RAM46cの所定の格納領域に格納される。また、統括制御用CPU46aは、変動パターンP1〜P6を指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、波紋予告テーブル及びキャラ予告テーブルを参照し、波紋予告の態様とキャラ予告の態様を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、決定した波紋予告の態様を指示する予告指定コマンドとキャラ予告の態様を指示する予告指定コマンドを、それぞれ演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。本実施形態では、統括制御用CPU46aが、大当りか否かの可能性を示唆するとともに、発展演出へ移行するか否かの可能性を示唆する予告演出を選択し、指示する予告選択指示手段として機能する。
図6(a)に示すように、波紋予告テーブルでは、銅鑼リーチの基本演出において行う波紋予告の「青」及び「赤」の何れかを選択し得るように、変動パターンP1〜P6毎に所定個数ずつ乱数の値が振分けられている。本実施形態において、前記乱数の値は、「0」〜「196」までの全197通りの整数とされている。銅鑼リーチの基本演出における波紋予告の「青」と「赤」の振分けは、大当りの場合に波紋予告の「赤」が選択され易く、また銅鑼リーチの発展演出へ移行する場合に波紋予告の「赤」が選択され易くなっている。なお、「青」の波紋予告は、デフォルト演出として設定されており、「赤」の波紋予告が選択された場合に、その旨を指示するためのコマンド(図中に示す「B0H0BH」)が出力されるようになっている。
また、波紋予告テーブルは、銅鑼リーチの発展演出において行う波紋予告が「青」の場合に、その波紋予告の態様を「青」の波紋のみとするか、及び「青」の波紋に加えて「特別ボタン表示」とするかの何れかを選択可能に構成されている。また、波紋予告テーブルは、銅鑼リーチの発展演出において行う波紋予告が「赤」の場合に、その波紋予告の態様を「赤」の波紋のみとするか、及び「赤」の波紋に加えて「特別ボタン表示」とするかの何れかを選択可能に構成されている。銅鑼リーチの発展演出において行う波紋予告を「青」及び「赤」の何れとするかは、銅鑼リーチの基本演出において行う波紋予告に準じて決定される。図6(a)に示す「連打波紋」は銅鑼リーチの発展演出において行う波紋予告を示し、その欄に記載されている「青」や「赤」が波紋のみを、「青+P」や「赤+P」が波紋と特別ボタン表示を示す。「特別ボタン表示」は、例えば通常ボタン表示よりもサイズが大きいボタン表示や、キャラクタを模したキャラ型ボタン表示などである。
そして、波紋予告テーブルでは、銅鑼リーチの発展演出において行う波紋予告が「青」の場合に、「青の波紋のみ」及び「青の波紋と特別ボタン表示」の何れかを選択し得るように、変動パターンP4〜P6毎に所定個数ずつ乱数の値が振分けられている。本実施形態において、前記乱数の値は、「0」〜「906」までの全907通りの整数とされている。「青の波紋のみ」と「青の波紋と特別ボタン表示」の振分けは、大当りの場合に「青の波紋+特別ボタン表示」が選択され易くなっている。また、波紋予告テーブルでは、銅鑼リーチの発展演出において行う波紋予告が「赤」の場合に、「赤の波紋のみ」及び「赤の波紋と特別ボタン表示」の何れかを選択し得るように、変動パターンP4〜P6毎に所定個数ずつ乱数の値が振分けられている。本実施形態において、前記乱数の値は、「0」〜「906」までの全907通りの整数とされている。「赤の波紋のみ」と「赤の波紋と特別ボタン表示」の振分けは、大当りの場合に「赤の波紋+特別ボタン表示」が選択され易くなっている。なお、「青」の波紋予告(連打波紋)は、デフォルト演出として設定されており、「青+特別ボタン表示」、「赤」、「赤+特別ボタン表示」の波紋予告が選択された場合に、その旨を指示するためのコマンド(図中に示す「B1H0CH」、「B1H0BH」、「B1H0DH」)が出力されるようになっている。
図6(b)に示すように、キャラ予告テーブルでは、「予告なし」と「予告あり」、及び「予告あり」の場合における「キャラ予告のパターン」を選択し得るように、変動パターンP1〜P6毎に所定個数ずつ乱数の値が振分けられている。本実施形態において、前記乱数の値は、「0」〜「910」までの全911通りの整数とされている。本実施形態の「キャラ予告のパターン」は、複数種類(7種類)用意されている。銅鑼リーチの基本演出においてキャラ予告は、3回の出現機会(3回の銅鑼が打ち鳴らされるタイミング)が設定されている。このため、「キャラ予告のパターン」は、それぞれ3回分のキャラ予告の出現態様を規定している。図6(b)では、各キャラ予告のパターンにおいて3回分のキャラクタの出現態様を、「×」、[○]、[◎]で示している。「×」はキャラ予告なしを、「○」はキャラクタ数の少ないキャラ予告を、「◎」はキャラクタ数の多いキャラ予告を、それぞれ示す。キャラ予告の振分けは、大当りの場合に3回目のキャラ予告の出現態様として「◎」が設定された「キャラ予告のパターン」が選択され易く、また銅鑼リーチの発展演出へ移行する場合に前記「キャラ予告のパターン」が選択され易くなっている。なお、「キャラ予告なし」は、デフォルト演出として設定されており、「キャラ予告あり」が選択された場合は「キャラ予告のパターン」毎に、その旨を指示するためのコマンド(図中に示す「B2H11H〜17H」)が出力されるようになっている。
また、統括制御用ROM46bには、銅鑼リーチの発展演出へ移行する大当り演出用の変動パターンP5が選択された場合に、演出用操作ボタン40のボタン操作を契機に、リーチ形成図柄と同一図柄を中列の図柄として導出するか否かを決定するためのボタン当り抽選テーブル(図7)が記憶されている。
図7に示すように、ボタン当り抽選テーブルでは、「−(落選)」及び「当選」を決定し得るように、予め定めたボタン操作回数(PUSH回数)の区分毎に所定個数ずつ乱数の値が振分けられている。本実施形態において、前記乱数の値は、「0」〜「150」までの全151通りの整数とされている。ボタン当り抽選テーブルに振分けた乱数の値は、統括制御用CPU46aにより、所定周期毎に更新され、統括制御用RAM46cの所定の格納領域に格納される。
本実施形態においてボタン操作回数の区分は、「1〜5回」と「6回〜」の2区分に設定されている。なお、ボタン操作回数は、演出用操作ボタン40を操作した際に、当該演出用操作ボタン40が出力した操作信号を、統括制御用CPU46aが有効な信号として受付けた回数を示している。そして、本実施形態においてボタン当り抽選テーブルでは、「1〜5回」の当選確率が151分の7に設定されているとともに、「6回〜」の当選確率が151分の13に設定されている。これは、演出用操作ボタン40の操作回数が「1〜5回」の時よりも、「6回〜」の時の方が、ボタン当り抽選(大当り図柄導出抽選)に当選し易いことを示している。すなわち、本実施形態のボタン当り抽選テーブルは、演出用操作ボタン40の操作回数が多くなることによって、ボタン当り抽選の当選確率が高確率状態へ変動するように構築されている。
以下、統括制御用CPU46aが、銅鑼リーチの発展演出へ移行する変動パターンP4〜P6が決定されている場合に実行する制御内容を、図8〜図11にしたがって詳しく説明する。なお、以下の説明では、演出用操作ボタン40のボタン操作に係る制御内容についてのみ説明する。
統括制御用CPU46aは、所定の制御周期(例えば2ms)毎に、図8のボタン処理(図9の表示処理と図10のはずれ図柄決定処理を含む)と、図11のコマンド処理を順次実行する。
図8のボタン処理において統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲーム中に操作有効期間が設定されているか否かを判定する(ステップS10)。統括制御用CPU46aは、変動パターンP4〜P6を指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの開始からの経過時間が予め定めた経過時間に達した時点で操作有効期間を設定(期間フラグの設定)し、ステップS10では期間フラグが設定されているか否かを判定する。ステップS10を肯定判定した統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン40のボタン操作があるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において統括制御用CPU46aは、当該制御周期において演出用操作ボタン40の操作信号がOFF→ONへ立ち上がったか否かを判定し、その判定結果が肯定の場合にはステップS11を肯定判定し、前記判定結果が否定の場合にはステップS11を否定判定する。
そして、ステップS11を肯定判定した統括制御用CPU46aは、操作有効期間内に演出用操作ボタン40がボタン操作されたので、統括制御用RAM46cに記憶されているボタン操作回数を1加算し、加算後のボタン操作回数を統括制御用RAM46cに上書き記憶する(ステップS12)。続いて、統括制御用CPU46aは、操作有効期間内に演出用操作ボタン40がボタン操作されたので、ステップS13の音処理、及びステップS14の表示処理を順次実行する。なお、統括制御用CPU46aは、ステップS10及びステップS11の何れかを否定判定すると、ボタン処理を終了する。
ステップS13の音処理において統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン40がボタン操作されたことに伴って操作音を出力させるべく、操作音を出力する演出の実行を指示する操作音出力指定コマンドを、統括制御用RAM46cにセットする。統括制御用RAM46cにセットした操作音出力指定コマンドは、次周期以降の制御周期で音声・ランプ制御基板48に出力される。音処理を終了した統括制御用CPU46aは、ステップS14の表示処理に移行する。
ステップS14の表示処理において統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン40がボタン操作されたことに伴って画像表示部GHに導出する図柄、すなわち銅鑼リーチの発展演出において中列の図柄として導出する表示図柄を決定する。表示処理において統括制御用CPU46aは、大当りか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンが、変動パターンP4(銅鑼リーチ発展連打はずれ)の場合、はずれであるからステップS20を否定判定する。一方、ステップS20において統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンが、変動パターンP5(銅鑼リーチ発展連打通常当り)及び変動パターンP6(銅鑼リーチ発展連打復活当り)の何れかである場合、大当りであるからステップS20を肯定判定する。なお、ステップS20の判定は、図柄変動ゲームの開始に伴って入力した特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された特別図柄を参照することによっても行うことが可能である。すなわち、特別図柄指定コマンドで指示された特別図柄が大当り図柄である場合にはステップS20を肯定判定し、特別図柄指定コマンドで指示された特別図柄がはずれ図柄である場合にはステップS20を否定判定する。
ステップS20を肯定判定した統括制御用CPU46aは、続いて、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンが、変動パターンP6(銅鑼リーチ発展連打復活当り)であるか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が否定の場合、すなわち変動パターンP5(銅鑼リーチ発展連打通常当り)が指示されている場合、統括制御用CPU46aは、連打フラグに「00H」がセットされているか否かを判定する(ステップS22)。連打フラグは、統括制御用RAM46cに記憶されるフラグであって、銅鑼リーチの発展演出においてリーチ形成図柄と同一図柄を中列の図柄として既に導出したか否かを示し、導出している場合には「01H」がセットされ、導出していない場合には「00H」がセットされる。
ステップS22を肯定判定した統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン40がボタン操作されたことに伴い、中列に導出する表示図柄をリーチ形成図柄と同一図柄とするか否かを図7に示すボタン当り抽選テーブルにしたがって抽選する(ステップS23)。ステップS23において統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cから、乱数の値(「0」〜「150」の何れか)とボタン操作回数を取得する。そして、統括制御用CPU46aは、取得したボタン操作回数と取得した乱数の値にしたがい当りか否かを判定する。例えば、統括制御用CPU46aは、ボタン操作回数が「4(回)」の場合に取得した乱数の値が、「−」に振分けられていれば「非当選」とし、「当選」に振分けられていれば「当選」とする。
次に、統括制御用CPU46aは、ステップS23のボタン当り抽選に当選したか否かを判定する(ステップS24)。この判定結果が肯定の場合、すなわちボタン当り抽選に当選した場合、統括制御用CPU46aは、中列に導出する表示図柄をリーチ形成図柄と同一図柄に決定する(ステップS25)。例えば、統括制御用CPU46aは、リーチ形成図柄が[7]の場合、ステップS25において表示図柄を[7]に決定する。なお、リーチ形成図柄は、図柄変動ゲームの開始に伴って入力した特別図柄用の停止図柄停止コマンドにしたがって、統括制御用CPU46aが決定した飾り図柄の図柄組み合わせを形成する図柄である。そして、ステップS25において表示図柄をリーチ形成図柄と同一図柄に決定した統括制御用CPU46aは、連打フラグに「01H」をセットする。また、統括制御用CPU46aは、ステップS22を否定判定した場合もステップS25に移行し、表示図柄をリーチ形成図柄と同一図柄に決定する。ステップS25にて表示図柄を決定した統括制御用CPU46aは、ステップS26に移行する。
ステップS26にて統括制御用CPU46aは、決定した表示図柄を統括制御用RAM46cに定めた表示図柄記憶用の記憶領域に記憶する。このとき、統括制御用CPU46aは、表示図柄記憶用の記憶領域に既に表示図柄が記憶されている場合、今回決定した表示図柄を上書き記憶する。これにより、表示図柄記憶用の記憶領域には、決定した時期が最新の表示図柄のみが記憶されていることになる。そして、ステップS25にて表示図柄を記憶した統括制御用CPU46aは、表示処理を終了する。
一方、統括制御用CPU46aは、ステップS20を否定判定した場合にはステップS27に移行するとともに、ステップS21を肯定判定した場合もステップS27に移行する。さらに、統括制御用CPU46aは、ステップS24を否定判定した場合もステップS27に移行する。統括制御用CPU46aは、変動パターンP4が指示されている場合にステップS20を否定判定し、変動パターンP6が指示されている場合にステップS21を肯定判定する。また、統括制御用CPU46aは、ボタン当り抽選に当選しなかった場合にステップS24を否定判定する。
ステップS27に移行した統括制御用CPU46aは、図10に示すはずれ図柄決定処理を実行する。はずれ図柄決定処理において統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン40がボタン操作されたことに伴って中列に導出する表示図柄としてリーチ形成図柄とは異なる図柄を決定する。このはずれ図柄決定処理において統括制御用CPU46aは、リーチ形成図柄の種類数から1減算した減算値を上限と定めた「0(零)」を除く自然数群の中から1つの自然数を決定し、その抽選で得た自然数とリーチ形成図柄(導出済図柄)の数値を加算して得た加算値をもとに表示図柄を決定する。以下、はずれ図柄決定処理における表示図柄の決定方法を具体的に説明する。
はずれ図柄決定処理において統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cからはずれ図柄用乱数の値を取得する(ステップS30)。はずれ図柄用乱数の値は、統括制御用CPU46aにより、所定周期毎に更新され、統括制御用RAM46cの所定の格納領域に格納される。そして、本実施形態では、はずれ図柄用乱数の値を「0」〜「40」までの全41通りの整数値に定めている。はずれ図柄用乱数の最大値は、リーチ形成図柄となり得る図柄数(本実施形態では[1]〜[9]までの9種類)から1減算した値(本実施形態では9−1=8)よりも大きい素数(本実施形態では8<41)に定めている。
次に、統括制御用CPU46aは、ステップS30で取得した値(抽出値)をもとに、加算用数値を算出する(ステップS31)。ステップS31において統括制御用CPU46aは、まず、ステップS30の抽出値をリーチ形成図柄となり得る図柄数から1減算した値で除算する(ステップST1)。次に、統括制御用CPU46aは、ステップST1の除算で得られる余りに1加算し(ステップST2)、この加算後の値を加算用数値として算出する。具体的に言えば、はずれ図柄用乱数の値として「37」を取得している場合、その「37」を図柄数「8」で除算(37÷8)すると、余りが「5」となるので「5」に1加算し、「6」を加算用数値として定める。この加算用数値が、リーチ形成図柄の種類数から1減算した減算値を上限と定めた「0(零)」を除く自然数群の中から決定される1つの自然数に相当する。そして、「0(零)」を除く自然数群を構成する自然数は、ステップS30,S31の処理によって作り出される。すなわち、本実施形態においてステップS30,S31の処理を実行した場合は、「1」〜「8」までの自然数が作り出されることになり、この「1」〜「8」が自然数群となる。
次に、統括制御用CPU46aは、表示図柄を決定する(ステップS32)。ステップS32において統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームにおいて導出されているリーチ形成図柄の数値(本実施形態では「1」〜「8」の何れか)に対し、ステップS31で算出した加算用数値を加算し、その加算後の数値である加算値をもとに表示図柄を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、加算値「1」の場合は表示図柄を[1]とし、加算値「2」の場合は表示図柄を[2]とし、加算値「3」の場合は表示図柄を[3]とし、加算値「4」の場合は表示図柄を[4]とし、加算値「5」の場合は表示図柄を[5]とする。また、統括制御用CPU46aは、加算値「6」の場合は表示図柄を[6]とし、加算値「7」の場合は表示図柄を[7]とし、加算値「8」の場合は表示図柄を[8]とし、加算値「9」の場合は表示図柄を[9]とする。
そして、統括制御用CPU46aは、加算値が図柄数の上限数(本実施形態では「9」)を超える「10」以上の数値(本実施形態では最大「17」)となった場合、リーチ形成図柄となり得る図柄の最小図柄(本実施形態では[1])に戻って表示図柄を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、加算値「10」の場合は表示図柄を[1]とし、加算値「11」の場合は表示図柄を[2]とし、加算値「12」の場合は表示図柄を[3]とし、加算値「13」の場合は表示図柄を[4]とし、加算値「14」の場合は表示図柄を[5]とする。また、統括制御用CPU46aは、加算値「15」の場合は表示図柄を[6]とし、加算値「16」の場合は表示図柄を[7]とし、加算値「17」の場合は表示図柄を[8]とする。
前記加算値には、当該加算値が1増加する毎に1つの表示図柄が予め定めた順番に対応付けられている。本実施形態において加算値に対応付けるための表示図柄の順番は、図柄の数字が大きくなる順番となっている。そして、リーチ形成図柄の種類数を超えた加算値には、最小の加算値(本実施形態では「1」)に対応付けられている図柄(本実施形態では[1])に戻り、その図柄から前記順番にしたがって1つの図柄が加算値毎に対応付けられている。このため、統括制御用CPU46aは、ステップS32において表示図柄を決定する場合、加算値がリーチ形成図柄の種類数を超えたときには、最小の加算値(「1」)に対応する図柄([1])に戻って、1つの表示図柄を決定する。
このような表示図柄の決定手法によれば、表示図柄は必ずリーチ形成図柄とは異なる図柄として決定される。例えば、リーチ形成図柄[7]のときに、ステップS30,S31で加算用数値「1」〜「8」の何れかを算出した場合を考える。すなわち、加算用数値「1」の場合には[7]を加算した加算値「8」から表示図柄[8]が決定され、加算用数値「2」の場合には[7]を加算した加算値「9」から表示図柄[9]が決定され、加算用数値「3」の場合には[7]を加算した加算値「10」から表示図柄[1]が決定される。また、加算用数値「4」の場合には[7]を加算した加算値「11」から表示図柄[2]が決定され、加算用数値「5」の場合には[7]を加算した加算値「12」から表示図柄[3]が決定され、加算用数値「6」の場合には[7]を加算した加算値「13」から表示図柄[4]が決定される。また、加算用数値「7」の場合には[7]を加算した加算値「14」から表示図柄[5]が決定され、加算用数値「8」の場合には[7]を加算した加算値「15」から表示図柄[6]が決定される。
ステップS32で表示図柄を決定した統括制御用CPU46aは、はずれ図柄決定処理を終了し、表示処理のステップS26の処理へ戻る。そして、ステップS27からステップS26へ移行した統括制御用CPU46aは、ステップS27で決定した表示図柄を統括制御用RAM46cに定めた表示図柄記憶用の記憶領域に記憶する。その後、統括制御用CPU46aは、表示処理を終了する。
次に、図11のコマンド処理について説明する。
コマンド処理は、表示処理のステップS26で記憶した表示図柄を指示する表示図柄指定コマンドを、演出表示制御基板47に出力するための処理である。本実施形態において統括制御用CPU46aは、表示処理の後にコマンド処理を実行する。
コマンド処理において統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲーム中に操作有効期間が設定されているか否かを判定する(ステップS40)ステップS40にて統括制御用CPU46aは、図8のステップS10と同様に、期間フラグが設定されているか否かを判定する。ステップS40を否定判定した統括制御用CPU46aは、コマンド処理を終了する。
一方、ステップS40を肯定判定した統括制御用CPU46aは、銅鑼リーチの発展演出において表示図柄を中列に導出させる画像を表示するための画像表示準備が、演出表示制御基板47(表示制御用CPU47a)で完了しているか否かを判定する(ステップS41)。本実施形態の演出表示制御基板47は、予め定めた一定時間(本実施形態では500ms)毎に画像表示準備を完了させるように構成されている。なお、「画像表示準備が完了する」とは、入力した表示図柄指定コマンドで指示された表示図柄を画像表示することができる状態(表示図柄の表示を更新できる状態)になったことを意味する。そして、統括制御用CPU46aは、表示図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する毎に、前記一定時間のカウントを開始し、そのカウントした時間が一定時間になると画像表示準備が完了したことを示す完了フラグを統括制御用RAM46cにセットする。この完了フラグにより、統括制御用CPU46aは、ステップS41にて画像表示準備が完了しているか否かを判定する。ステップS41を否定判定した統括制御用CPU46aは、コマンド処理を終了する。
一方、ステップS41を肯定判定した統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに表示図柄が記憶されているか否かを判定する(ステップS42)。そして、ステップS42を肯定判定した統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている表示図柄を、中列に導出させる図柄として指示する表示図柄指定コマンドを統括制御用RAM46cにセットする。図9に示す表示処理のステップS26では、ステップS25、及びステップS32(はずれ図柄決定処理)で決定された表示図柄が上書き記憶される。このため、ステップS43では、統括制御用RAM46cに記憶されている1つの表示図柄(最新の表示図柄)を指示する表示図柄指定コマンドがセットされる。また、ステップS43で表示図柄指定コマンドを統括制御用RAM46cにセットした統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにおける表示図柄の記憶領域をリセットし、表示図柄が記憶されていない状態とする。なお、ステップS42を否定判定した統括制御用CPU46aは、コマンド処理を終了する。
以上説明した統括制御用CPU46aの処理によれば、銅鑼リーチの発展演出で設定される操作有効期間中に演出用操作ボタン40がボタン操作されると、中列に導出される表示図柄が決定される。具体的に言えば、大当りの場合には、ステップS23のボタン当り抽選で当選することによりリーチ形成図柄と同一図柄が表示図柄として決定され、ステップS23のボタン当り抽選に当選しなかったことによりリーチ形成図柄とは異なる図柄が表示図柄として決定される。また、一度当り抽選に当選したならば、それ以降は、演出用操作ボタン40がボタン操作される毎に、リーチ形成図柄と同一図柄が表示図柄として決定される(ステップS22→ステップS25の処理)。一方、はずれの場合、及び特別演出(銅鑼リーチ発展連打復活当り)の場合には、ステップS27の処理によってリーチ形成図柄とは異なる図柄が表示図柄として常に決定される。
また、本実施形態では、演出用操作ボタン40がボタン操作されることに基づく、表示演出に係る制御と音声演出に係る制御では、これらの演出を指示するコマンドの出力条件が相違している。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、図11に示すコマンド処理のステップS41,S42を何れも肯定判定したこと、すなわち演出表示制御基板47の画像表示準備が完了し、かつ統括制御用RAM46cに表示図柄が記憶されていることを出力条件として表示図柄指定コマンドを出力する。その一方で、統括制御用CPU46aは、図8に示すボタン処理のステップS12(音処理)の処理に基づき、演出用操作ボタン40がボタン操作されたことを出力条件として操作音出力指定コマンドを出力する。このような出力条件の相違によれば、操作音出力指定コマンドについては演出用操作ボタン40のボタン操作とほぼ時間差なく出力され、表示図柄指定コマンドについては演出用操作ボタン40のボタン操作に対し、画像表示準備に係る時間が最大時間となる時間差を生じて出力されることになる。なお、銅鑼リーチの発展演出で操作有効期間が設定された後、最初の演出用操作ボタン40のボタン操作時には、そのボタン操作に対してほぼ時間差なく操作音出力指定コマンドと表示図柄指定コマンドが出力される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、表示制御用CPU47aによる画像表示準備が完了するのを待って表示図柄指定コマンドを出力しているので、演出用操作ボタン40のボタン操作に伴って導出される表示図柄の種類を遊技者が確実に認識することができる。すなわち、演出用操作ボタン40がボタン操作され、表示図柄の決定を契機に直ちに表示図柄指定コマンドを出力した場合、当該コマンドの出力間隔によってはコマンドで指示された表示図柄の種類を遊技者が認識し得る前に次の表示図柄に更新されてしまう可能性がある。また、表示制御用CPU47aの表示速度が追い付かない場合もある。このため、演出用操作ボタン40を早く操作できる遊技者(連打速度が速い遊技者)の場合は、画像表示部GHに導出される表示図柄の種類を確認できず、違和感を与えてしまう。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10のように、画像表示準備が完了するのを待って表示図柄指定コマンドを出力すれば、表示図柄の種類を確実に認識させることができる。
その一方で、画像表示準備が完了するのを待って表示図柄指定コマンドを出力した場合、画像表示部GHにおける表示図柄の更新タイミングが、演出用操作ボタン40の操作タイミングに追従せずに遅れが生じる可能性がある。この場合、遊技者は、演出用操作ボタン40を操作しても、その操作に反応していないのではないかという違和感を抱いてしまう。しかし、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出用操作ボタン40が操作される毎に操作音出力指定コマンドを出力しているので、スピーカ20,21からは演出用操作ボタン40の操作に追従して操作音が出力されることになる。このため、遊技者は、演出用操作ボタン40の操作に追従して操作音が出力されることで、演出用操作ボタン40の操作と実行される演出の間に違和感を抱くことがない。
本実施形態では、制御プログラムにしたがって銅鑼リーチの発展演出へ移行した際に演出用操作ボタン40の操作有効期間を設定する統括制御用CPU46aが、操作有効期間設定手段として機能する。また、本実施形態では、制御プログラムにしたがい図8に示すボタン処理のステップS10,S11で演出用操作ボタン40が操作されたか否かを判定する統括制御用CPU46aが、操作判定手段として機能する。また、本実施形態では、制御プログラムにしたがって図9に示す表示処理のステップS25,S27で、画像表示部GHに表示させる表示内容としての表示図柄を決定する統括制御用CPU46aが、表示内容決定手段(表示図柄決定手段)として機能する。また、本実施形態では、制御プログラムにしたがって図8に示すボタン処理のステップS13、及び図11に示すコマンド処理のステップS43で、演出の実行を指示するコマンド(操作音指定コマンド、表示図柄指定コマンド)をセットする統括制御用CPU46aが、演出実行指示手段として機能する。また、本実施形態では、図9に示す表示処理のステップS26にて表示図柄が記憶される統括制御用RAM46cが、記憶手段として機能する。
次に、表示図柄指定コマンドを入力した演出表示制御基板47(表示制御用CPU47a)の制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムにしたがって以下に説明する制御において、画像表示部GHに表示する画像を生成し、その生成した画像を画像表示部GHに表示させる表示制御用CPU47aが、表示制御手段として機能する。
表示制御用CPU47aは、銅鑼リーチの発展演出時に表示図柄指定コマンドを入力すると、当該表示図柄指定コマンドで指示された表示図柄を画像表示するための表示データを生成する。そして、表示制御用CPU47aは、生成した表示データをもとに画像表示部GHの表示内容を制御し、表示図柄指定コマンドで指示された表示図柄を中列に導出する画像を映し出す。また、表示制御用CPU47aは、表示図柄指定コマンドを入力する毎に、画像表示部GHに画像表示されている表示図柄を更新する。
そして、表示制御用CPU47aは、変動パターンP4(銅鑼リーチ発展連打はずれ)、及び変動パターンP5(銅鑼リーチ発展連打通常当り)に基づく銅鑼リーチの発展演出において、操作有効期間が経過したならば、その時点で画像表示部GHに画像表示されている表示図柄を更新する制御を実行する。この制御が、操作有効期間の終了時に最終停止図柄(中列の図柄)を導出する図柄導出制御となる。当該制御において表示制御用CPU47aは、大当り抽選で大当りに当選している場合にはリーチ形成図柄と同一図柄を画像表示する表示データを生成し、その表示データをもとに中列の図柄を導出するように画像表示部GHの表示内容を制御する。一方、表示制御用CPU47aは、大当り抽選で大当りに当選していない場合にはリーチ形成図柄とは異なる図柄を画像表示する表示データを生成し、その表示データをもとに中列の図柄を導出するように画像表示部GHの表示内容を制御する。この制御により、演出用操作ボタン40を一度も操作しなかった場合、及び操作したが大当り図柄が導出されなかった場合でも、大当り抽選の抽選結果に適合する図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を画像表示部GHに導出させることができる。
一方、表示制御用CPU47aは、変動パターンP6(銅鑼リーチ発展連打復活当り)に基づく銅鑼リーチの発展演出において、操作有効期間が経過したならば、その時点で画像表示部GHに画像表示されている表示図柄(この場合はリーチ形成図柄とは異なる表示図柄)を更新する制御を実行する。当該制御において表示制御用CPU47aは、リーチ形成図柄と同一図柄を画像表示する表示データを生成し、その表示データをもとに中列の図柄を導出するように画像表示部GHの表示内容を制御する。この制御により、画像表示部GHでは、一旦はずれ図柄が導出されたが、中列の図柄が再び変動し、その再変動によってリーチ形成図柄と同一図柄が導出されて大当り図柄が形成される。
次に、操作音出力指定コマンドを入力した音声・ランプ制御基板48(音声ランプ制御用CPU48a)の制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムにしたがって以下に説明する制御において、音声出力させる音声演出手段(本実施形態ではスピーカ20,21)を選択し、その選択した音声演出手段に音声演出を実行させる音声ランプ制御用CPU48aが、音声制御手段として機能する。
音声ランプ制御用CPU48aは、銅鑼リーチの発展演出時に操作音出力指定コマンドを入力すると、当該コマンドを入力する毎に操作音を出力させるスピーカを選択し、その選択したスピーカから操作音を出力させるように制御する。具体的に言えば、音声ランプ制御用CPU48aは、最初の操作音出力コマンドを入力した際に操作音を出力させるスピーカとしてスピーカ20を選択する場合、次に選択するスピーカをスピーカ21とする旨を示す選択フラグを音声ランプ制御用RAM48cにセットする。これにより、音声ランプ制御用CPU48aは、次に操作音出力指定コマンドを入力したならば、選択フラグを確認し、当該コマンドの入力に基づき操作音を出力させるスピーカとしてスピーカ21を選択し、スピーカ21から操作音を出力させる。また、音声ランプ制御用CPU48aは、スピーカ21を選択したならば、次に選択するスピーカをスピーカ20とする旨を示す選択フラグを音声ランプ制御用RAM48cにセットする。
このような制御により、音声ランプ制御用CPU48aは、操作音出力指定コマンドを入力する毎に、操作音を出力させるスピーカを順次切換える。すなわち、音声ランプ制御用CPU48aは、銅鑼リーチの発展演出時において、操作音を出力させる複数のスピーカ20,21を独立して制御し、1回の操作音出力指定コマンドの入力により、スピーカ20及びスピーカ21の何れか片方のスピーカから操作音を出力させるように制御する。したがって、演出用操作ボタン40の操作に伴って出力される操作音は、2つのスピーカ20,21から交互に出力されることで、途切れて出力されるようなことがない。すなわち、単一のスピーカから操作音を出力させる場合は、操作音出力指定コマンドを入力する毎に音声ランプ制御用CPU48aが、現在出力している操作音の出力を停止し、新たな操作音出力指定コマンドの入力に基づく操作音を出力させることになるので、操作音が途切れることになる。しかし、本実施形態の場合、音声ランプ制御用CPU48aは、操作音出力指定コマンドを入力する毎に操作音を出力させるスピーカを切換えて独立して制御することから、一方のスピーカから操作音を出力させつつ、片方のスピーカからも操作音を出力させることができる。
以下、銅鑼リーチの発展演出時における統括制御用CPU46a、表示制御用CPU47a、及び音声ランプ制御用CPU48aが実行する制御の流れを図12に示す模式図にしたがって説明する。なお、図12に示す例では、リーチ形成図柄[7]によってリーチが形成されているものとする。
そして、図12において演出用操作ボタン40の欄(「ボタン操作」)に付した「1」〜「11」の数字は、累積加算されたボタン操作回数を示す。また、図12において決定した図柄の欄に付した[4]、[6]、[8]などの数字は、図9に示す表示処理で決定した図柄を示し、表示図柄指定コマンドの欄に付した[4]、[8]、[1]などの数字は、表示図柄指定コマンドで指示した表示図柄を示す。また、図12において操作音の欄に付した「左」は左スピーカ20を、「右」は右スピーカ21を示す。
図12に示すように、銅鑼リーチの発展演出の開始に伴って操作有効期間が設定され、操作有効期間中に演出用操作ボタン40がボタン操作されると、そのボタン操作に伴って統括制御用CPU46aは、表示図柄を決定する。図12に示す例では、1回目のボタン操作によって表示図柄[4]が決定されている。1回目のボタン操作がなされると、統括制御用CPU46aは、表示図柄[4]を指示する表示図柄指定コマンドを表示制御用CPU47aに出力するとともに、操作音出力指定コマンドを音声ランプ制御用CPU48aに出力する。これにより、画像表示部GHには、表示制御用CPU47aの制御により、中列の図柄として表示図柄[4]が導出されるとともに、音声ランプ制御用CPU48aの制御により、左スピーカ20から操作音が出力される。また、統括制御用CPU46aは、表示図柄[4]を指示する表示図柄指定コマンドを出力したことにより、画像表示準備が完了する迄の時間をカウントする。
そして、遊技者が1回目のボタン操作に続けて、2回目、3回目のボタン操作を行うと、そのボタン操作毎に統括制御用CPU46aは表示図柄を決定する。図12に示す例において統括制御用CPU46aは、2回目のボタン操作に伴って表示図柄[6]を、3回目のボタン操作に伴って表示図柄[8]を決定している。統括制御用CPU46aは、表示図柄[6],[8]を決定した際、画像表示準備が完了していないことから、表示図柄を決定する毎に統括制御用RAM46cに記憶する。具体的に言えば、表示図柄[6]の決定時に当該表示図柄[6]を記憶し、表示図柄[8]の決定時に先に記憶した表示図柄[6]に対して表示図柄[8]を上書き記憶する。
一方、統括制御用CPU46aは、2回目のボタン操作がなされると、音声ランプ制御用CPU48aに操作音出力指定コマンドを出力する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、1回目のボタン操作時に左スピーカ20から操作音を出力しているので、入力した操作音出力指定コマンドに基づく操作音を出力するスピーカとして右スピーカ21を選択し、操作音を出力させる。また、統括制御用CPU46aは、3回目のボタン操作がなされると、音声ランプ制御用CPU48aに操作音出力指定コマンドを出力する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、2回目のボタン操作時に右スピーカ21から操作音を出力しているので、入力した操作音出力指定コマンドに基づく操作音を出力するスピーカとして左スピーカ20を選択し、操作音を出力させる。
その後、統括制御用CPU46aは、画像表示準備が完了すると(図12の例では3回目と4回目のボタン操作の間)、図11に示すコマンド処理のステップS41を肯定判定するとともに、統括制御用RAM46cに表示図柄[8]が記憶されていることからステップS42も肯定判定する。そして、統括制御用CPU46aは、表示図柄[8]を指示する表示図柄指定コマンドを表示制御用CPU47aに出力する。これにより、画像表示部GHには、表示制御用CPU47aの制御により、中列の図柄として表示図柄[8]が導出される。すなわち、先に導出した表示図柄[4]が更新され、表示図柄[8]が画像表示部GHに導出される。また、統括制御用CPU46aは、表示図柄[8]を指示する表示図柄指定コマンドを出力したことにより、画像表示準備が完了する迄の時間をカウントする。
そして、遊技者が、4回目、5回目、6回目のボタン操作を行うと、そのボタン操作毎に統括制御用CPU46aは表示図柄を決定する。図12に示す例において統括制御用CPU46aは、4回目のボタン操作に伴って表示図柄[5]を、5回目のボタン操作に伴って表示図柄[2]を、6回目のボタン操作に伴って表示図柄[1]を決定している。統括制御用CPU46aは、表示図柄[5],[2],[1]を決定した際、画像表示準備が完了していないことから、表示図柄を決定する毎に統括制御用RAM46cに記憶する。具体的に言えば、表示図柄[5]の決定時に当該表示図柄[5]を記憶し、表示図柄[2]の決定時に先に記憶した表示図柄[5]に対して表示図柄[2]を上書き記憶し、表示図柄[1]の決定時に先に記憶した表示図柄[2]に対して表示図柄[1]を上書き記憶する。
一方、統括制御用CPU46aは、4回目〜6回目のボタン操作毎に、音声ランプ制御用CPU48aに操作音出力指定コマンドを出力する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、操作音出力指定コマンドを入力する毎に、操作音を出力させるスピーカを切換え、操作音を出力させる。図12に示す例では、4回目のボタン操作時に右スピーカ21から操作音を出力させ、5回目のボタン操作時に左スピーカ20から操作音を出力させ、6回目のボタン操作時に右スピーカ21から操作音を出力させる。
その後、統括制御用CPU46aは、画像表示準備が完了すると(図12の例では6回目と7回目のボタン操作の間)、図11に示すコマンド処理のステップS41を肯定判定するとともに、統括制御用RAM46cに表示図柄[1]が記憶されていることからステップS42も肯定判定する。そして、統括制御用CPU46aは、表示図柄[1]を指示する表示図柄指定コマンドを表示制御用CPU47aに出力する。これにより、画像表示部GHには、表示制御用CPU47aの制御により、中列の図柄として表示図柄[1]が導出される。すなわち、先に導出した表示図柄[8]が更新され、表示図柄[1]が画像表示部GHに導出される。また、統括制御用CPU46aは、表示図柄[1]を指示する表示図柄指定コマンドを出力したことにより、画像表示準備が完了する迄の時間をカウントする。
そして、遊技者が、6回目のボタン操作後、しばらくの間、ボタン操作を行わず、画像表示準備が完了した場合、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに表示図柄が記憶されていないことから(図9に示すコマンド処理のステップS42を否定判定)、表示図柄指定コマンドを出力しない。その後、遊技者が7回目のボタン操作を行うと、そのボタン操作に伴って統括制御用CPU46aは表示図柄を決定する。図12に示す例において統括制御用CPU46aは、ボタン当り抽選に当選し、表示図柄[7]を決定している。そして、統括制御用CPU46aは、表示図柄[7]の決定時に画像表示準備が完了していることから、その決定した表示図柄[7]を指示する表示図柄指定コマンドを出力する。これにより、画像表示部GHには、表示制御用CPU47aの制御により、中列の図柄として表示図柄[7]が導出される。
以降、8回目からのボタン操作において統括制御用CPU46aは、既に表示図柄[7]が導出され、図9に示す表示処理のステップS22を否定判定することから、ボタン操作毎に表示図柄[7]を決定し、統括制御用RAM46cに記憶する。そして、統括制御用CPU46aは、画像表示準備が完了する毎に、表示図柄[7]を指示する表示図柄指定コマンドを出力することから、画像表示部GHには表示図柄[7]が導出される。なお、統括制御用CPU46aは、7回目からのボタン操作においてもボタン操作毎に操作音出力指定コマンドを出力する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、操作音出力指定コマンドを入力する毎に、操作音を出力させるスピーカを切換え、操作音を出力させる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)画像表示部GHにおける表示内容(銅鑼リーチの発展演出における表示図柄)の変化が演出用操作ボタン40の操作に追従していなくても、スピーカ20,21からは演出用操作ボタン40の操作に追従して操作音を出力する。このため、遊技者は、スピーカ20,21から出力される操作音によって、演出用操作ボタン40を操作していることを感じることができる。したがって、演出用操作ボタン40の操作に追従して演出(音声演出)が行われることで、演出用操作ボタン40の操作と実行される演出の間に違和感を抱くことがなく、演出用操作ボタン40の操作に対する興趣の低下を抑制することができる。すなわち、図柄変動ゲーム中に操作有効期間が設定されたならば、演出用操作ボタン40を積極的に操作したいという気持ちを遊技者に抱かせることができる。
(2)遊技者は、図柄変動ゲームにおいて導出される図柄から大当りやはずれを認識する。このため、演出用操作ボタン40の操作に伴って図柄変動ゲーム中に導出される表示図柄が変化するので、演出用操作ボタン40を遊技者に積極的に操作させ得る演出を実現できる。
(3)演出用操作ボタン40の操作によってリーチが形成された状態における中列の図柄(最終停止図柄)が導出されるので、演出用操作ボタン40を遊技者に積極的に操作させ得る演出を実現できる。すなわち、演出用操作ボタン40の操作によって導出される中列の図柄が、リーチ形成図柄と同一図柄であるか否かによって大当り及びはずれを認識し得ることになるので、大当りか否かを知るために演出用操作ボタン40を遊技者に操作させる契機を作り出すことができる。
(4)大当り抽選で大当りに当選している場合には、ボタン当り抽選を行い、当該抽選に当選したことによって中列の図柄(最終停止図柄)をリーチ形成図柄と同一図柄に決定するので、リーチ形成図柄と同一図柄を含む全ての図柄の中からランダムに図柄を決定する場合に比して制御を簡素化することができる。
(5)また、一度、ボタン当り抽選に当選したならば、それ以降は中列の図柄(最終停止図柄)としてリーチ形成図柄と同一図柄のみを決定するので、画像表示部GHにはリーチ形成図柄と同一図柄のみが導出されるようになる。したがって、前記同一図柄が表示された後に前記同一図柄とは異なる図柄が表示されるような事が生じず、遊技者に不安や不信感を抱かせることがない演出を実現できる。
(6)ボタン操作回数に応じてボタン当り抽選の当選確率を異ならせた。このため、演出用操作ボタン40のボタン操作回数が少ない時点ではリーチ形成図柄と同一図柄が導出され難い状況を作り出すことができる。すなわち、遊技者に演出用操作ボタン40をたくさん操作させる機会を作り出すことができ、演出用操作ボタン40を積極的に操作させる契機を与えることができる。
(7)図柄導出制御を実行することにより、操作有効期間中に一度も演出用操作ボタン40を操作しなかった遊技者に対して、大当り抽選の結果に対応する図柄変動ゲームの結果を導出し、大当りか否かを把握させることができる。また、図柄導出制御を実行することにより、操作有効期間中に演出用操作ボタン40を操作したが、大当り抽選の結果に対応する図柄変動ゲームの結果が導出されていない遊技者に対して、大当り抽選の結果に対応する図柄変動ゲームの結果を導出し、大当りか否かを把握させることができる。
(8)演出用操作ボタン40のボタン操作毎に表示図柄を決定し、統括制御用RAM46cに上書き記憶し、画像表示準備が完了した際に統括制御用RAM46cに記憶されている最新の表示図柄を指示する。このため、演出用操作ボタン40のボタン操作毎に画像表示準備が完了したか否かを判定し、その判定結果が肯定の場合に表示図柄を決定する場合に比して、制御を簡素化できる。すなわち、表示図柄の決定時に画像表示準備が完了したか否かを判定する必要がない。
(9)また、決定した表示図柄を統括制御用RAM46cに記憶するので、演出表示制御基板47(表示制御用CPU47a)に対する演出の指示側において演出内容(演出用操作ボタン40の操作に伴って導出させる表示図柄)を管理することができる。そして、統括制御用CPU46aは、画像表示準備が完了していることを条件に表示図柄を指示するので、表示図柄の決定毎にその決定した表示図柄を演出表示制御基板47に指示し、当該演出表示制御基板47に表示図柄を管理させる場合に比して、演出表示制御基板47側の管理を簡素化できる。
(10)はずれ図柄決定処理により、演出用操作ボタン40のボタン操作を契機にリーチ形成図柄とは異なる図柄を中列に導出させる場合の表示図柄の決定手法を簡素化できる。この決定手法を用いることで、リーチ形成図柄とは異なる図柄が導出されるようにリーチ形成図柄毎にそのリーチ形成図柄と同一図柄を決定しない抽選手法をプログラミングしておく必要がない。具体的に言えば、例えばリーチ形成図柄となり得る図柄[1]に対して、図柄[1]を除く他の図柄の中から表示図柄を抽選するプログラムを用意する必要がなく、この場合は図柄毎にプログラムが必要となる。
(11)また、図柄変動ゲームにおいて如何なる図柄がリーチ形成図柄として導出されているかを判定してから表示図柄を決定する必要がなく、制御が簡素化される。したがって、演出用操作ボタン40の操作に伴って図柄を導出する演出を行う場合において、導出する図柄の決定に係る制御内容を簡素化できる。
(12)銅鑼リーチの基本演出時には波紋予告及びキャラ予告を実行させるようにした。そして、波紋予告及びキャラ予告は、大当りとなる可能性を示唆することに加えて、発展演出へ移行する可能性も示唆するようにした。このため、これらの予告の態様から、発展演出へ移行する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態を、演出用操作ボタン40のボタン操作によってリーチ形成図柄を導出させる演出に具体化しても良い。
○ 実施形態において、演出用操作ボタン40のボタン操作により、画像表示部GHの背景画像や画像表示部GHに登場するキャラクタ画像などを変化させるようにしても良い。
○ 実施形態において、3つ以上のスピーカを切換え、独立して制御することにより操作音を出力させるようにしても良い。
○ 実施形態において、演出表示装置28を、発光体の発光により図柄を画像表示する表示装置、例えば7セグメントLED式やドットマトリクス式の表示装置に変更しても良い。
○ 実施形態において、ボタン当り抽選に当選した場合に、リーチ形成図柄と同一図柄を含む全ての図柄の中から均等割合で表示図柄を選択するようにしても良い。この場合、ボタン当り抽選に当選しなかったときにはリーチ形成図柄と同一図柄を除く図柄の中から表示図柄を選択する。なお、均等割合に変えて、リーチ形成図柄と同一図柄が選択される割合を高めたり、低めたりしても良い。
○ 実施形態において、大当りの場合の表示図柄を決定するにあたってボタン当り抽選をなくし、演出用操作ボタン40がボタン操作される毎にリーチ形成図柄を含む全ての図柄の中から均等割合で表示図柄を選択するようにしても良い。なお、均等割合に変えて、リーチ形成図柄と同一図柄が選択される割合を高めたり、低めたりしても良い。
○ 実施形態において、ボタン当り抽選の当選確率を、ボタン操作回数に関係なく、一定確率に設定しても良い。また、前記当選確率をボタン操作回数毎、すなわちボタン操作回数が1回増加する毎に、当選確率が増加するようにしても良い。また、前記当選確率を変化させるボタン操作回数の区分を3区分以上にしても良い。
○ 実施形態において、ボタン当り抽選の当選確率を、表示図柄の更新回数に対応付けて設定しても良い。
○ 実施形態において、画像表示部GHにおける図柄列の変動停止順を左列→中列→右列の順序とし、リーチを左列と中列の図柄によって形成するようにしても良い。
○ 実施形態において、リーチ形成図柄となり得る図柄数を、10種類以上に変更しても良いし、8種類以下に変更しても良い。
○ 実施形態において、図10に示すはずれ図柄決定処理のステップS30で取得するはずれ図柄用乱数の取り得る数値を変更しても良い。すなわち、はずれ図柄用乱数の値は、その最大値がリーチ形成図柄となり得る図柄数から1減算した値よりも大きい素数であれば良い。
○ 実施形態において、サブ統括制御基板46の処理を演出表示制御基板47で行うように構成しても良い。この場合、サブ統括制御基板46は、演出用操作ボタン40が操作されると、その操作信号を演出表示制御基板47に出力し、その演出表示制御基板47が表示図柄を決定する。また、演出表示制御基板47に演出用操作ボタン40を接続する場合、演出用操作ボタン40からの操作信号を入力して演出表示制御基板47が表示図柄を決定し、音声・ランプ制御基板48に操作音出力指定コマンドを出力する。また、サブ統括制御基板46と音声・ランプ制御基板48を統合した制御基板を搭載し、当該制御基板でサブ統括制御基板46の処理を行うように構成しても良い。
○ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。また、複数の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、29…特別図柄表示装置、40…演出用操作ボタン、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM、47…演出表示制御基板、47a…表示制御用CPU、47b…表示制御用ROM、47c…表示制御用RAM、48…音声・ランプ制御基板、48a…音声ランプ制御用CPU、48b…音声ランプ制御用ROM、48c…音声ランプ制御用RAM。