以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置9が設けられている。識別情報としての演出図柄は、第1情報としての数字情報(たとえば数字)と、第2情報としての装飾情報(たとえばキャラクタ)から構成される。第1識別情報や第2識別情報は、変動表示に対応して表示態様が変化する。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」(SPリーチ)は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[識別情報について]
次に、本実施の形態で用いられる識別情報について説明する。本実施の形態では、演出表示装置9において、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄が変動表示される。識別情報としての演出図柄は、第1情報としての数字情報(数字)と、第2情報としての装飾情報(キャラクタ)から構成される。第1情報としての数字を示す画像と第2情報としてのキャラクタを示す画像とは、それぞれ1対1に対応付けられている。なお、第1情報は、漢字、英字、所定のマークやシンボル等であってもよい。また、第2情報は、キャラクタ以外のエフェクト表示等でもよく、第1情報のモチーフに合った装飾表示であればよい。
図12は、第1情報と第2情報との関係を示す図である。図12に示すように、数字の「1」に対応して「キャラクタA」が対応付けられ、数字の「2」に対応して「キャラクタB」が対応付けられ、数字の「3」に対応して「キャラクタC」が対応付けられ、数字の「4」に対応して「キャラクタD」が対応付けられ、数字の「5」に対応して「キャラクタE」が対応付けられ、数字の「6」に対応して「キャラクタF」が対応付けられ、数字の「7」に対応して「キャラクタG」が対応付けられ、数字の「8」に対応して「キャラクタH」が対応付けられ、数字の「9」に対応して「キャラクタI」が対応付けられている。
識別情報の表示パターンには、装飾情報(キャラクタ)を表示せず数字情報(数字)を表示する第1表示パターンと、数字情報(数字)および装飾情報(キャラクタ)を表示する第2表示パターンとが設けられている。第1情報としての数字情報(数字)および、第2情報としての装飾情報(キャラクタ)は、変動表示において第1表示パターンや第2表示パターンに変化することにより、表示態様が変化するようになっている。変動表示における第1情報としての数字および第2情報としてのキャラクタの表示態様の変化について、以下に説明する。
[変動表示の表示態様について]
図13は、変動表示の態様を示す図である。特に図13では、短縮変動時の表示態様を示している。短縮変動時には3つの全図柄が一斉に変動を開始するとともに、短い変動時間内に全図柄が一斉に変動を停止する。それに対し、通常の変動時には3つの図柄一斉に変動を開始するとともに、左図柄、右図柄、中図柄の順番で変動を停止する。なお、短縮変動時に、通常の変動時と同じ図柄の停止順としてもよく、変動開始時に図柄が1つずつ動き出すようにしてもよい。
図13では、図13(a)〜(e)の順に変動表示における時間の経過を示している。図13(a)は、変動開始時の演出表示装置9の表示画面を示している。図13(a)に示す変動開始時とは、演出図柄が停止しており、これから変動表示が開始される直前の状態を示す。演出表示装置9の表示画面には、数字とキャラクタとから形成される識別情報としての演出図柄が表示される。数字とキャラクタとで形成される演出図柄は、演出表示装置9の表示画面に対して広い表示範囲に表示される。また、数字とキャラクタとでは、キャラクタの方が表示範囲が広い。
図13(a)のように数字とキャラクタとで形成されていた演出図柄が、変動開示時図柄アクションとして図13(b)のように、数字のみとなる。このように、変動開始時には、演出図柄が下方向へ変動を開始した後に、第1表示パターンである数字による変動表示が開始される。図13(a)から図13(b)においては、キャラクタが拡大する等、変動開始時の動作を実行した後、消去され、数字が変動開始前よりも大きくなり、下方向への数字のみによる変動表示が実行される。図13(c)は、変動中の演出図柄の表示態様を示している。下向きの矢印は、数字が下方向に変動している様子を示している。
図13(d)は、演出図柄の変動表示時が停止するときの図柄アクションを示している。変動停止時には、高速で変動していた3つの数字が表示画面の中央の停止位置に停止する動作が実行される。その後、3つの数字図柄が図柄の停止位置よりも下方向へ移動する。このときの変動停止時図柄アクションとして、図13(e)の点線で示す停止位置の図柄を下方向に押下げるように、キャラクタB,C,Hが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に向かって飛出すように表示される演出が実行される。その演出に伴い、数字が下方向へさらに移動し縮小した表示態様で表示される。
その後、図13(f)のように、変動停止時においては、演出図柄が数字とキャラクタとからなる第2表示パターンにより表示される。ここで、変動開始時図柄アクションとして数字とキャラクタとからなる第2表示パターンから数字のみからなる第1表示パターンへ変化するときの表示態様と、変動停止時図柄アクションとして数字のみからなる第1表示パターンから数字とキャラクタとからなる第2表示パターンへ変化するときの表示態様とは、異なっている。たとえば、変動開始時にキャラクタが前方へ拡大表示され、消去されるときの動きと、変動停止時にキャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向(後方)から前方へ出現し、数字を押下げる動きとで表示態様が異なっている。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
なお、変動停止時の動作は、キャラクタA〜キャラクタIにより各々異なるが、変動開始時に数字のみになるときの動作は、全図柄で共通となるようにしてもよい。このようにすれば、変動開始時には、3つの図柄が同時に動き出すので、図柄アクションの統一がとれて見栄えをよくすることができる。
また、図13に示すように、第2表示パターンにより表示するときの数字の大きさと第1表示パターンにより表示するときの数字の大きさが異なっている。たとえば、第2表示パターンにより表示される変動開始時や変動停止時に表示される数字の大きさは、第1表示パターンにより表示される変動中の数字の大きさより表示範囲が小さい。このようにすれば、変動開始時や変動停止時には、数字とキャラクタとからなる表示態様に遊技者を注目させることができるとともに、変動表示中は、変動停止時よりも大きな表示範囲で数字のみによる変動表示を実行することで、変動表示中の演出図柄の移り変わりを認識させやすくすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図13に示すように、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行される。このようにすれば、数字とキャラクタとを表示するときの表示態様に面白みを持たせ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図13に示すように、変動表示を停止するときに、キャラクタを停止前の数字の表示範囲より広くして出現させる表示を行なう表示を実行する。このようにすれば、第1表示パターンから第2表示パターンに変化するときの違和感を軽減することができる。よって、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図13(d),(e)に示すように、変動停止時図柄アクションとして、キャラクタが演出表示装置9を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出すように表示する演出が実行される。このようにすれば、キャラクタを用いた迫力のある表示を行なうことができる。
また、図12に示すような数字とキャラクタとの対応関係があり、図13に示すように、数字に応じたキャラクタを表示するパターンで変動表示が停止される。このようにすれば、数字に応じて各々別々のキャラクタが出現することとなるので、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
[非リーチはずれ時図柄表示パターンについて]
図14は、非リーチはずれ時図柄表示パターンのタイミングチャートである。図13に示す変動表示が図14に示すようなタイミングで実行される。時間t0において、変動表示が開始される(図13(a)参照)。次いで、時間t0〜t1にかけて変動開始時アクションが実行される(図13(b)参照)。変動開始時アクションでは、数字とキャラクタとから成る演出図柄が数字のみとなり、数字が下方向に動く変動表示が実行される。その後、T1の期間において、数字のみによる変動表示が実行される(図13(c)参照)。
T1の後のt2〜t3にかけて、変動停止時図柄アクションが実行される(図13(d),(e)参照)。変動停止時図柄アクションでは、数字のみで表示されていた図柄が変動を停止するときに停止位置よりも下方に移動し、その空いた空間にキャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出す演出が実行される。また、変動停止時図柄アクションでは、数字が下に移動したときにキャラクタを数字よりも大きく表示する。そして、t3において、変動表示が数字とキャラクタとから成る第2表示パターンにより停止する(図13(f)参照)。
図14に示すように、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1変更演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する。第1変更演出と第2変更演出とでは、実行態様が異なっている。第1変更演出として実行される変動停止時図柄アクションでは、キャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出し、数字が下に移動し、数字よりもキャラクタを大きく表示し、第2変更演出として実行される変動開始時図柄アクションでは、数字とキャラクタからキャラクタが消去され変更前より大きく表示された数字のみが下方向に変動する。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
[SPリーチ大当り時図柄表示パターンについて]
次に、スーパーリーチ(SPリーチ)が発生し、大当りとなるときの図柄表示パターンについて説明する。図15は、SPリーチ大当り時図柄表示パターンのタイミングチャートである。時間t0において、変動表示が開始される。次いで、時間t0〜t1にかけて変動開始時アクションが実行される。変動開始時アクションでは、数字とキャラクタとから成る演出図柄が数字のみとなり、数字が下方向に動く変動表示が実行される。その後、T1の期間において、数字のみによる変動表示が実行される。
その後、t2において、左図柄変動停止時図柄アクションとして、演出図柄が数字のみから成る第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとなり、仮停止した状態(完全に図柄が停止せずに、上下に僅かに動く状態)となる。このときの数字とキャラクタの動きは、前述した変動停止時アクションと同様である。ついで、t3において、右図柄変動停止時アクションとして、演出図柄が数字のみから成る第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとなり、仮停止した状態となる。このときの数字とキャラクタの動きも、前述した変動停止時アクションと同様である。
そして、t3の状態からt4にかけてリーチ形成時アクションが実行される。リーチ形成時アクションでは、第2表示パターンとして表示されるキャラクタを大きく動く演出が実行される。たとえば、リーチ状態となった後にキャラクタが横方向に回転する演出が実行されることにより、キャラクタの前面および背面を見せる演出が実行される。なお、キャラクタのリーチ形成時アクションの動作は、各キャラクタ毎に異なるようにすればよい。また、キャラクタの動きを大当り期待度により異ならせてもよい。また、リーチ状態となるまでのt2およびt3の段階では数字図柄のままとし、t4のタイミングにおいて左右の数字図柄(リーチ図柄)を数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとしてもよい。
その後、数字図柄のみで実行される通常のリーチ演出から中図柄が高速スクロールし、t5において、SPリーチへとリーチが発展する。SPリーチへ発展するときに、数字で示される演出図柄が演出表示装置9の画面の隅(たとえば、右隅)で縮小した表示態様の小図柄として表示される。
SPリーチへ発展した後のT2における期間では、小図柄アクションパターンが実行される。小図柄アクションパターンの期間では、SPリーチ演出が実行され、小図柄が激しく動く演出が実行される。たとえば、小図柄アクションパターン中は、SPリーチ演出において流れる演出音に合わせて小図柄が上下に飛び跳ねる演出や縦方向および横方向に回転する演出が実行されればよい。そして、t6において、SPリーチが終了し大当りとなったことが、小図柄から拡大され通常の大きさとなった数字のみの図柄揃いにより表示される。
なお、SPリーチの種類(第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチ等)により、小図柄アクションのパターンが変化するようにしてもよい。また、SPリーチ中に流れる曲の種類により小図柄の動作が異なるようにしてもよい。また、SPリーチ中の途中で小図柄の動作が変化するようにしてもよい。また、大当り期待度により小図柄の動作態様を異ならせてもよい。また、SPリーチに発展する前に小図柄を表示してもよく、SPリーチの種類により、SPリーチ発展前と発展後とで、小図柄の動作態様が異なるようにしてもよい。このようにすれば、小図柄の動作態様が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
その後、t7において、SPリーチの背景から通常背景に戻る演出が実行される。さらに、その後、図柄が変動を停止し、確定表示(完全に図柄が停止した状態)となるまでに、数字のみの第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンで表示され、キャラクタが決め動作を実行する。キャラクタの決め動作としては、たとえば、キャラクタがVサインをして大当り表示結果となる数字が確定したことが示される演出が実行される。
図15に示すように、リーチ形成時アクションとしてキャラクタが大きく動く表示が行われるので、キャラクタの動きに注目させることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図15に示すように、SPリーチ終了時に数字のみで図柄揃いし、通常背景に戻った後の確定表示時に数字とキャラクタで決め動作をする。このようにすれば、演出の各場面に適した演出図柄の表示態様とすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図15に示すように、小図柄アクションパターンBとしてSPリーチ中の演出音に応じて小図柄を激しく動かす演出が実行される。このようにすれば、縮小させて表示さした小図柄としての数字を好適に表示することができる。
なお、SPリーチ前は、小図柄を表示させないようにしてもよい。具体的には、SPリーチへ発展する前は、簡単に数字のみでリーチはずれとする演出を実行し、その後SPリーチ発展したときに数字図柄を小図柄で表示するようにしてもよい。
次に図柄表示パターン等を決定するための処理について説明する。図16は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理では、S603〜S605において決定された図柄の種類に基づいて図柄表示パターン等を決定する。図柄表示パターンの決定の際には、今回の変動表示が通常変動はずれであるか、短縮変動はずれであるか、リーチを伴うものであるか、SPリーチへ発展するものであるか等により、演出図柄の表示パターンや表示態様を決定する。なお、これらの情報は、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにより判定されるようにすればよい。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、S616の処理で決定された演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
[その他の演出について]
前述した実施の形態において、次のような演出を実行してもよい。たとえば、全画面予告演出を実行してもよい。全画面予告演出とは、変動開始時に演出表示装置9の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して飾り図柄(演出図柄)の表示態様を視認困難とするブラックアウト演出といった全画面を覆う予告演出のことである。なお、被覆画像は、暗転画像DGや黒画像に限るものではなく、発光態様の画像やフリーズ態様の画像など、所定の色や模様などの画像であってもよく、飾り図柄の表示形態(特に飾り図柄の表示内容)が視認困難または視認不可能になる画像であればよい。また、全画面予告演出などの所定の予告演出は、パネル型(パネル表示形式)のステップアップ予告、カットイン予告、ストーリー予告、ミニゲーム予告、発展予告などであってもよく、表示画面の全域または部分(少なくとも飾り図柄を隠すことが可能な部分)に表示される予告演出であって、少なくとも飾り図柄(たとえば、飾り図柄の表示形態または表示内容など)が全く見えない(透過性がゼロ)などの視認不可能とする予告演出や、表示画面や飾り図柄が透けて見える(透過性が低い)などの視認困難とする予告演出であってもよい。
図17、図18を参照して、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出と逆変動が表示される場合の一例を説明する。図17は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出の実行が無く、(B)では全画面予告演出の実行が有る場合を示す。図18は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図17に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図18(A)、(B1)〜(E1)は図17(A)の場合の演出実行例であり、図18(A)、(B2)〜(E2)は図17(B)の場合の演出実行例である。
図17(A)に示すように、飾り図柄の変動表示についてみれば、その変動開始時(タイミングT01)に全ての飾り図柄の逆方向変動が開始され、逆方向変動の終了時(タイミングT03)に飾り図柄の順方向への変動が開始されてから高速変動となり、その後に左右の飾り図柄の変動が減速され、リーチの表示態様となり(リーチ成立)、リーチ演出が実行される。また、各予告演出などについてみれば、図17(A)では、全画面予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、逆方向変動はタイミングT03に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図18(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図18(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始されるとともに、図18(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(たとえば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図17(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図18(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図18(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図18(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向へ変動表示されていく。
これに対して、図17(B)では、全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図18(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図18(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図18(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図18(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図18(B1)に示す変動開始時ではなく、図18(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は変更なく実行されているが、図18(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。また、図18(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図18(D2)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から図柄予告演出を開始しているが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から図柄予告演出を実行するようにしてもよい。また、図柄予告演出の実行期間は、図17(A)に示すように逆方向変動の実行期間よりも短いが、逆方向変動の実行期間と同じまたはそれよりも長くしてもよい。図17(B)のように開始がタイミングT03に変更された場合も、前記と同様である。
次に、図19、図20を参照して、図柄予告演出の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合において逆変動が表示される場合の一例を説明する。図19は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では図柄予告演出と全画面予告演出との実行が無く逆変動が実行される場合、(B)では図柄予告演出の実行が無く全画面予告演出と逆変動が実行される場合を示す。図20は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図19に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図20(A)、(B1)、(C1)、(D)、(E)は図19(A)の場合の演出実行例、図20(A)、(B2)、(C2)、(D)、(E)は図19(B)の場合の演出実行例である。
図19(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図17(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図19(A)では、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示が開始され、逆方向変動はタイミングT03にて終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図20(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図20(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始され、図19(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図20(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図20(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図20(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向に変動表示されていく。
これに対して、図19(B)では、図柄予告演出の実行が無しに決定され、全画面予告演出と逆方向変動の実行が有りに決定されており、全画面予告演出と逆方向変動とが変動開始時(タイミングT01)に開始され、タイミングT03にて共に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図20(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図20(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図20(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図20(D)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されている。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は実行されているが、図20(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは逆方向変動が見えない。また、図20(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図20(D)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から順方向への変動表示が視認可能であるが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から順方向への変動表示が視認可能としてもよい。
ここで、図21、図22を参照して、逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出が実行される場合の一例を説明する。図21は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出と逆方向変動の実行が無く、(B)では逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が有る場合を示す。図22は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図21に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図22(A)、(B1)は図21(A)の場合の演出実行例であり、図22(A)、(B2)、(C2)、(D2)は図21(B)の場合の演出実行例である。
図21(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図17(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図21(A)では、全画面予告演出と飾り図柄の逆方向変動との実行が無しに決定されており、変動開始時(タイミングT01)において図柄予告演出が開始される。図柄予告演出はその後のタイミングT02にて終了する。なお、飾り図柄の順方向への変動も変動開始時(タイミングT01)に開始される。このときの演出実行例を見てみると、図22(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図22(B1)に示すように順方向(下方向)への変動が開始されるとともに、図22(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(たとえば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。
これに対して、図21(B)では、図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図22(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図22(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図22(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図22(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図22(B1)に示す変動開始時ではなく、図22(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、図21(B)に示すように図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定され、飾り図柄の逆方向変動の実行無しに決定されているので、図22(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の実行期間中では、図21(B)に示すように飾り図柄の揺動が実行されているが、全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは飾り図柄の揺動が見えない。飾り図柄の順方向への変動開始は、全図柄予告演出の実行期間の終了後に変更されている。また、図22(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。
(1) 上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1など)であって、
識別情報(たとえば、飾り図柄など)を所定方向へと変動表示する変動表示手段(たとえば、演出表示装置9など)と、
所定の予告演出(たとえば、全画面予告演出など)を実行可能な予告演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU101など)と、
を備え、
前記所定の予告演出は、変動表示の開始時に識別情報の表示態様を視認不可または視認困難とするように実行され(たとえば、図18(B2)、図20(B2)または図22(B2)に示すような飾り図柄が視認不可になるブラックアウト演出など)、
識別情報は、前記所定の予告演出が実行される際に、該所定の予告演出の実行期間の経過後に前記所定方向への変動表示の開始が可能である(たとえば、図18(B2)、図20(B2)または図22(B2)に示すブラックアウト演出の実行期間の経過後に図18(D2)、(E2)、図20(D)、(E)または図22(D2)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始されるなど)。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上できる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記所定方向は通常方向である(たとえば、図18(D1)、(D2)、(E1)、(E2)に示すように飾り図柄の順方向など)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記所定の予告演出は、有利状態となる期待度を示唆する演出であって、識別情報の一部分または全体を隠す態様で実行される演出である(たとえば、全画面予告演出は、はずれの場合よりも大当りの場合の方が表示されやすく、飾り図柄の全体を隠す態様の演出(図18(B2)参照)であるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記変動表示手段は、識別情報を前記所定方向とは異なる特定方向(たとえば、逆方向など)へと変動表示することが可能である(たとえば、図18(B1)、図20(B1)に示すように飾り図柄が順方向とは異なる逆方向へと変動表示されるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、変動表示の方向が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記変動表示手段は、少なくとも前記所定の予告演出の実行期間中において、識別情報を前記特定方向へ変動表示する(たとえば、図17(B)、に示すように少なくとも全画面予告演出の実行期間において、飾り図柄を逆方向へ変動表示することなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報を特定方向に変動表示させてから、特定方向とは異なる所定方向に変動表示させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記所定方向への変動表示の開始時に識別情報予告が実行可能である(たとえば、演出制御用CPU101により、図18(B1)、図22(B1)に示すように図柄予告演出が実行可能であるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報予告を実行することにより、遊技の興趣を向上できる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記識別情報予告と前記所定の予告演出とを実行するときには、前記所定の予告演出の終了後に前記識別情報予告を実行する(たとえば、図18(C2)、図22(C2)に示す全画面予告演出の終了後に、図18(D2)、図22(D2)に示すように図柄予告演出を実行するなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報予告と所定の予告演出とが同時期に重複して実行されることを防止でき、識別情報予告が所定の予告演出によって視認不可または視認困難になることを防止できる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図13に示すように、第2表示パターンにより表示するときの数字の大きさと第1表示パターンにより表示するときの数字の大きさが異なっている。たとえば、第2表示パターンにより表示される変動開始時や変動停止時に表示される数字の大きさは、第1表示パターンにより表示される変動中の数字の大きさより表示範囲が小さい。このようにすれば、変動開始時や変動停止時には、数字とキャラクタとからなる表示態様に遊技者を注目させることができるとともに、変動表示中は、変動停止時よりも大きな表示範囲で数字のみによる変動表示を実行することで、変動表示中の演出図柄の移り変わりを認識させやすくすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(2) 図12に示すような数字とキャラクタとの対応関係があり、図13に示すように、数字に応じたキャラクタを表示するパターンで変動表示が停止される。このようにすれば、数字に応じて各々別々のキャラクタが出現することとなるので、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(3) 図13に示すように、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行される。このようにすれば、数字とキャラクタとを表示するときの表示態様に面白みを持たせ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(4) 図15に示すように、リーチ形成時アクションとしてキャラクタが大きく動く表示が行われるので、キャラクタの動きに注目させることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(5) 図14に示すように、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1変更演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する。第1変更演出と第2変更演出とでは、実行態様が異なっている。第1変更演出として実行される変動停止時図柄アクションでは、キャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出し、数字が下に移動し、数字よりもキャラクタを大きく表示し、第2変更演出として実行される変動開始時図柄アクションでは、数字とキャラクタからキャラクタが消去され変更前より大きく表示された数字のみが下方向に変動する。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(6) 図15に示すように、SPリーチ終了時に数字のみで図柄揃いし、通常背景に戻った後の確定表示時に数字とキャラクタで決め動作をする。このようにすれば、演出の各場面に適した演出図柄の表示態様とすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(7) 図13に示すように、変動表示を停止するときに、キャラクタを停止前の数字の表示範囲より広くして出現させる表示を行なう表示を実行する。このようにすれば、第1表示パターンから第2表示パターンに変化するときの違和感を軽減することができる。よって、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(8) 図13(d),(e)に示すように、変動停止時図柄アクションとして、キャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出すように表示する演出が実行される。このようにすれば、キャラクタを用いた迫力のある表示を行なうことができる。
(9) 図15に示すように、小図柄アクションパターンBとしてSPリーチ中の演出音に応じて小図柄を激しく動かす演出が実行される。このようにすれば、縮小させて表示さした小図柄としての数字を好適に表示することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、確変大当り状態と通常大当り状態とが設けられていた。また、演出図柄としては、確変大当りに対応して奇数図柄、通常大当りに対応して偶数図柄が設けられていた。ここで、第2表示パターンで表示されるのは、確変大当りに対応した数字のみであってもよい。たとえば、確変大当りに対応した数字においてのみ、数字とキャラクタとで表示し、通常大当りに対応した数字は、キャラクタを表示させず数字のみを表示するようにしてもよい。このようにすれば、確変大当りに対応した奇数図柄について特別感を出すことができ、有利度の高い奇数図柄に特別な印象を与えることができる。なお、奇数図柄のうち、「3」図柄や「7」図柄のみを確変図柄としてもよく、第2表示パターンで表示する図柄の数は、適宜変更可能である。
(2) 前述した実施の形態では、大当りの終了後の変動表示100回転までは、時短状態(高ベース状態)となっていた。このような時短状態においては、数字のみで変動を開始するとともに数字のみで変動を停止するようにしてもよい。時短状態においては、変動時間が通常状態よりも短いので、動作を伴うキャラクタが表示されると、キャラクタを表示したり消去したりすることで、図柄の動きが慌ただしくなり、変な見え方となってしまい、変動表示が見え難くなる虞がある。そこで、時短状態においては、通常状態と異なり数字のみの第1表示パターンにより変動表示を実行するようにしてもよい。このようにすれば、時短状態において、好適に数字を表示することができる。
(3) 前述した実施の形態では、数字のみで表示する第1表示パターンと、数字とキャラクタとで表示する第2表示パターンとで、数字の表示態様が異なる場合として数字の大きさが異なる場合を説明した。しかしながら、数字の表示態様が異なる場合としては、数字の大きさではなく、数字の位置や数字の色、数字の種類等であってもよく、また、いずれか2つ以上の組合せで合ってもよい。また、大当り期待度により、数字の表示態様が異なるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、小図柄を演出表示装置9の画面の隅に表示する場合を示した。しかしながら、リーチとなっている小図柄のうち、一方を画面の左上隅、他方を画面の右上隅に表示するようにしてもよい。また、小図柄アクションパターンとして、小図柄を上下に動かす場合等を説明した。小図柄の動きはこれらに限定されるものではなく、音楽に合わせて図柄を揺らしたり、横方向に回転させたり、ダンスを踊るように跳ねる動作をしてもよい。また、小図柄の周囲にエフェクト画像(たとえば、炎の画像)を付加するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行されていた。しかしながら、変動停止時の図柄アクションとしては、数字を下方向に動かすのではなく、斜め方向に動かすものであってもよい。具体的には、変動表示の停止時に、左図柄に関しては右斜めに動かし、中図柄に関しては真下に動かし、右図柄に関しては、左斜めに動かしてもよい。このようにすれば、変動停止時に小さく表示される数字図柄が中央に集まるように表示されて見栄えがよい。なお、変動停止時の図柄アクションの動きは、これらに限定されず、どのような方向に動かすものでもよい。
(6) 前述した実施の形態では、数字とキャラクタとが1対1に対応するものを示した。しかしながら、数字とキャラクタとは、1対1に対応していなくてもよい。たとえば、複数の数字に対して同一のキャラクタが対応するようにしてもよいし、背景によって、対応するキャラクタが変化するものでもよい。また、先読み予告を実行する場合に先読みの対象となるターゲットの変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示について特殊なステージへ変更するようにしてもよい。この場合には、通常は表示されない特別な数字やキャラクタを表示するようにしてもよい。また、このときの数字やキャラクタの表示パターンは、通常時とは異なるものとすることが望ましい。なお、数字のみで変動表示が実行されるステージを設けるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、変動表示中は、数字のみで図柄を変動させることで、遊技者に変動表示中か否かを認識できるようにしていた。このような変動表示中の数字は、変動開始時や変動停止時の表示態様よりも薄く表示させることが望ましい。このようにすれば、変動開始時等と同様の濃さとすることで、背景で実行される演出が視認困難となることを防ぐことができる。そして、数字およびキャラクタで表示するよりも数字のみで表示することにより、図柄の表示面積を小さくすることができ、図柄を変動していることを示しつつ、他の予告の妨げになることを低減することができる。
(8) 前述した実施の形態では、リーチ中の図柄は、変動表示中の第1表示パターンで示される図柄と同じであってもよい、第1表示パターンで示される図柄とは異なる図柄であってもよい。
(9) 前述した実施の形態では、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する場合について説明した。変更演出の実行時には、キャラクタが動作したが、別のエフェクト画像が追加されるようなものであってもよく。表示態様に対し、何らかの変更が加えられるものであってもよい。
(10) 前述した実施の形態では、変動停止時図柄アクションとして、停止する数字を一旦前方に拡大表示させ、その後縮小させるようにしてもよい。そして、拡大された数字の後ろからキャラクタを出現させるようにしてもよい。このようにすれば、拡大された数字の後ろからキャラクタがいきなり大きな表示態様で示されるように表示されるので、より迫力のあるキャラクタの表示とすることができ、遊技者に驚きを与えることができる。
(11) 前述した実施の形態では、SPリーチの種類を複数設けるようにしてもよい。そして、SPリーチの種類により小図柄アクションが異なるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、1つの数字に対して1人のキャラクタが表示される場合を示した。しかしながら、1つの数字に対してキャラクタ以外の画像が付加されるようにしてもよい。たとえば、変動停止時アクションとして、数字が停止するときにキャラクタとともに保留表示が変化することを示す画像(大当り期待度の高い保留表示に変化することを示す画像)が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、変動停止時アクションにより注目させることができる。そして、当該画像が表示されることにより保留表示が変化する先読み予告とすることができる。
(13) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(17) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(18) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、識別情報(図柄情報、図柄等)の変動表示(可変表示等)を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、識別情報の変動表示を実行可能な変動表示手段(演出表示装置9、演出制御用マイクロコンピュータ100等)を備え、識別情報(図柄情報等)は、第1情報(数字情報、数字等)および第2情報(装飾情報、キャラクタ等)を含み、識別情報の表示パターンには、前記第2情報を表示せず前記第1情報を表示する第1表示パターン(数字で表示するパターン等)と、前記第1情報および前記第2情報を表示する第2表示パターン(数字とキャラクタとで表示するパターン等)とが設けられ、前記変動表示手段は、識別情報が所定方向(下方向等)への変動を開始した後に前記第1表示パターンにより変動表示を実行する(数字により変動表示を実行する等)とともに、前記第2表示パターンにより変動表示を停止し(数字とキャラクタとにより変動表示を停止する等)、前記第1表示パターンにて表示されるときの前記第1情報と、前記第2表示パターンにて表示されるときの前記第1情報とでは、表示態様が異なり(図13に示すように、数字のみで表示するときの数字は、数字とキャラクタとで表示するときの数字よりも大きく表示される等)、さらに、遊技者による動作(操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124、傾倒方向センサユニット90123等)と、所定表示(図39のタイマ表示等)が所定動作(計時動作等)を行ない特定態様(タイマ表示が「0」表示態様等)となる表示をする所定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図36の演出図柄変動中処理、図43のS90922,S90934等)と、前記所定表示が前記特定態様となったとき(タイマ表示が「0」となったとき等)に、複数種類の特定演出(高期待度の期待度示唆表示または低期待度の期待度示唆表示等)のうち、いずれかの特定演出を実行可能(図38(B),(C))な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図36の演出図柄変動中処理等)と、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、遊技者の動作に対応する動作対応演出(図38および図39の操作対応演出)を実行可能な動作対応演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図36の演出図柄変動中処理、図43のS90927,S90929等)とを備え、前記所定表示手段は、第1期間(図38(B)の25秒間等)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第1表示(図38(B)の第1演出の表示等)、または、当該第1期間よりも長い第2期間(図38(C)の60秒間)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第2表示(図38(C)の第3演出の表示等)をすることが可能であり、前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記動作対応演出が実行される割合が高くなるように演出を制御する(図40(C)〜(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定されている等)演出制御手段をさらに備える遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、第1識別情報と第2識別情報とを好適に表示することができる。また、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる。
上記遊技機において、所定表示が特定態様となったときに第2表示パターンの識別情報を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、所定表示が特定態様となることに対してより注目させることができる。また、第1表示がされたときよりも第2表示がされたときの方が、高い割合で第2表示パターンにより識別情報が表示されるようにしてもよい。このような構成によれば、所定表示の態様により注目させることができる。
さらに、第1識別情報と第2識別情報とを好適に表示することができるとともに、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる遊技機の形態の一例として、所定の遊技を行なう遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、遊技者による動作(操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124、傾倒方向センサユニット90123等)と、所定表示(図39のタイマ表示等)が所定動作(計時動作等)を行ない特定態様(タイマ表示が「0」表示態様等)となる表示をする所定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図36の演出図柄変動中処理、図43のS90922,S90934等)と、前記所定表示が前記特定態様となったとき(タイマ表示が「0」となったとき等)に、複数種類の特定演出(高期待度の期待度示唆表示または低期待度の期待度示唆表示等)のうち、いずれかの特定演出を実行可能(図38(B),(C))な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図36の演出図柄変動中処理等)と、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、遊技者の動作に対応する動作対応演出(図38および図39の操作対応演出)を実行可能な動作対応演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図36の演出図柄変動中処理、図43のS90927,S90929等)とを備え、前記所定表示手段は、第1期間(図38(B)の25秒間等)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第1表示(図38(B)の第1演出の表示等)、または、当該第1期間よりも長い第2期間(図38(C)の60秒間)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第2表示(図38(C)の第3演出の表示等)をすることが可能であり、前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記動作対応演出が実行される割合が高くなるように演出を制御する(図40(C)〜(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定されている等)演出制御手段をさらに備える遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。なお、この他の形態例を「実施形態」ということがある。
[他の第1実施形態]
以下、他の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図23はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図24は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図25参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図25参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図25参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図25参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図25参照)が設けられていればよい。図23に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図23に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
演出表示装置909の上方には、可動体としての役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、駆動源としての役物モータ9017によって動作させられ、位置を変位することが可能である。役物9012は、非動作時に遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行される等の動作時に遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図24の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図24に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図25は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図25には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図26は、各乱数を示す説明図である。図26においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図27は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図27(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図27(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図27(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図27(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図27(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図27(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図27(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図27(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図27(B)、および、図27(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図27(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図27(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図27(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図27(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図27(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図27(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図27(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図27(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図27(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図28を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図28は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図28には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図28(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図28に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図28の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図28の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機901では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置909において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置909において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置909において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機901では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図28(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (130秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が130秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図28のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図28(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図28(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図28のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図28(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図28(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図28(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図28(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図28(a),図28(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図28(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図28(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図28(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図28(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図28(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図28(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図28(a)および図28(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図28(c)および図28(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図28(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図28(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図29は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図29に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図29のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図29に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる(図33のS901221、S901232参照)。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図33のS901217,S901228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図30は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図30(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM9055に形成(RAM9055内の領域である)され、図30(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図30(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図30(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図30(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図30(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図31は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図31に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図32は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図33は、S90312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1始動口スイッチ9013aがオン状態であるか否かを確認する(S901211)。第1始動口スイッチ9013aがオン状態でなければ、S901222に移行する。第1始動口スイッチ9013aがオン状態であれば、CPU9056は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S901212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S901222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901214)。また、CPU9056は、図30で説明した第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S901215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU9056は、図30に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図30(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図30(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S901216)。S901216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR´)、大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU9056は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S901217)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901219)。また、CPU9056は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901221)。
S901218,S901219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口9013に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信される。
また、この実施の形態では、S901218〜S901221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU9056は、第2始動口スイッチ9014aがオン状態であるか否かを確認する(S901222)。第2始動口スイッチ9014aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ9014aがオン状態であれば、CPU9056は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S901223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901225)。また、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S901226)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図30(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S901227)。なお、S901227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR´)、大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU9056は、入賞時演出処理を実行する(S901228)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901230)。また、CPU9056は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901232)。
S901229,S901230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口9014に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S901229〜S901232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S90300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU9056は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S9051)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S9077)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU9056は、保留特定領域(図30(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S9052)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S9052のN)、CPU9056は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S9053)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S9052のY)、CPU90103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S9054)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S9052〜S9054の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU9056は、RAM9055において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する(S9055)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S9056)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
S9056の処理を実行した後、RAM9055に形成され合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S9057)。なお、CPU9056は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM9055の所定の領域に保存し、かつ、保留特定記憶領域に格納されている内容をシフトする。
すなわち、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM9055の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM9055の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU9056は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口9013を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口9014を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S90300〜S90307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU9056は、保留記憶バッファからランダムR´(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S9061)。なお、この場合、CPU9056は、始動口スイッチ通過処理のS901216や始動口スイッチ通過処理のS901227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図27参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM9054における図27(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM9054における図27(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU9056は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図27(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S9061のY)、S9071に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図32のS90307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S9061のN)、後述するS9075に進む。
S9061において大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU9056は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S9071)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図27(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図27(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S9072)。具体的に、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図27(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図27(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU9056は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S9072で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S9073)。
図27(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU9056は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM9055における大当り種別バッファに設定する(S9074)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を設定する(S9075)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S9073により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S90301)に対応した値に更新する(S9076)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S90302)においては、CPU9056が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図29参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S90303)においては、CPU9056は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S90304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S90305)、大入賞口開放中処理(S90306)、および、大当り終了処理(S90307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S90307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S90307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図35は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1´、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2´、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3´、領域演出実行決定用のSR2´、領域演出実行タイミング決定用のSR3´、第1領域演出決定用のSR4´、第2領域演出決定用のSR5´)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1−1´〜SR5´のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図36は、図35に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S90601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S90602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM90102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S90604)、S90616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1´〜SR1−3´のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S90604の処理では、所定のタイミングでSR1−1´〜SR1−3´のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S90602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90605)、S90616へ進む。S90605の処理では、所定のタイミングでSR1−1´〜SR1−3´のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1´から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2´から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S90601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S90601のN)、演出制御用CPU90101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90603)、S90616へ進む。
S90603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1´から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1´と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1´から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1´と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、先読み演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S90616)を実行した後、S90617に進む。
S90617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S90617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S90616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM90102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置909における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および予告演出における演出表示動作という各種演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S90617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S90618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S90619)。
S90619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027等)の制御を開始する(S90620)。たとえば、表示制御実行データに従って、演出表示装置909において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP90109に指令を出力する。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027から音声出力をさせるために、音声出力基板9070に制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S90621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S90802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S90622)。
[タイマ演出の第1例]
次に、タイマ演出の第1例を説明する。タイマ演出の第1例としては、所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明する。
「所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示」としては、タイマ表示のように、タイマ数値表示が計時動作を行なって計時終了態様となる表示がされる。「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、タイマ表示が計時終了態様となったときに、所定の画像を表示することにより遊技者にとって有利な状態となる期待度を示唆する複数種類の期待度示唆表示演出のうち、いずれかの演出を実行する演出がされる。その場合における所定の画像の例としては、たとえば、遊技者に何かの事象が起こることを示唆するために、「READY GO」または「START」というような所定の示唆をする文字を表示してもよく、所定のキャラクタ画像によるアクション表示等の表示をしてもよい。また、そのような文字表示とアクション表とは、いずれか一方を実行してもよく、両方を実行してもよい。なお、「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、計時終了態様を表示した後に、所定の画像を表示することなく特定演出を実行するようにしてもよい。
図38は、タイマ演出の第1例の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。図38(A)には、1回の変動表示中にタイマ演出が複数回実行可能な所定変動パターンでの演出実行タイミング例が示されている。図38(B)には、図38(A)の第1演出の演出実行タイミング例が示されている。図38(C)には、図38(A)の第3演出の演出実行タイミング例が示されている。
図38(A)に示すように、たとえば、前述の第4スーパーリーチのような特定スーパーリーチの変動表示時においては、タイマ演出を実行可能な第1演出、第2演出、および、第3演出という複数種類の演出が1回の変動表示中に実行される。複数種類の演出の実行期間の長さは、「第1演出<第2演出<第3演出」という長短関係で設定されている。第1演出、第2演出、および、第3演出においては、演出期間の開始時から所定期間が経過したときに、複数種類の期待度示唆表示演出のような複数種類の特定演出のうちから選択された演出が実行される。
第1演出、第2演出、および、第3演出については、タイマ演出が実行される場合と、タイマ演出が実行されない場合とが抽選により選択されるので、タイマ演出が実行される場合をタイマ有演出と呼び、タイマ演出が実行されない場合をタイマ無演出と呼ぶことにより演出態様を区別する。
図38(B)においては、図38(A)に示された第1演出について、(B1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(B2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。図38(B)に示す第1演出では、その他の演出よりも演出期間が短い演出であり、演出期間の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する背景色の画像を表示する演出が行なわれる。
背景色とは、演出表示装置9で表示される画像のうち、演出図柄の背景を構成する背景画像の画像色をいう。背景色は、第1演出が実行される前の段階で青色および赤色以外の色(たとえば、黄色)である。第1演出においては、図38(B1)のタイマ有演出、および、(B2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第1演出の演出期間(第1演出期間)の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として、背景色が赤色(赤色背景)または青色(青色背景)に変化する演出が行なわれる。期待度示唆表示において表示される背景色による大当りの期待度の高さについては、「青色背景<赤色背景」という関係が設定されている。第1演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第2演出および第3演出とともに一括的に決定される。
図38(B1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第1演出の開始時から25秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、役物9012が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
図38(B2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第1演出の開始時から25秒間が経過すると、不意に役物9012が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、青色背景が選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
第1演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外の画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
第1演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて役物9012の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、タイマ無演出が実行されたときには、期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
図38(C)においては、図38(A)に示された第3演出について、(C1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(C2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。図38(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも演出期間が長い演出であり、演出期間の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する操作手段の画像を表示する演出が行なわれる。図38(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも操作演出を実行する頻度が高くなるような演出制御が行なわれる。
操作手段は、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122のようなパターンに設けられ、遊技者が操作可能な操作手段をいう。第3演出においては、図38(C1)のタイマ有演出、および、(C2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第3演出の演出期間(第3演出期間)の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として、スティックコントローラの画像またはプッシュボタンの画像が表示される演出が行なわれる。その演出は、変動表示結果を表示する直前の操作促進演出でもある。その演出中に表示された操作手段が実行されると、変動表示結果が導出表示される演出が実行される。
期待度示唆表示において表示される操作手段による大当りの期待度の高さについては、「プッシュボタン<スティックコントローラ」という関係が設定されている。第3演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第1演出および第2演出とともに一括的に決定される。
図38(C1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第3演出の開始時から60秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じてスティックコントローラの画像とプッシュボタンの画像とのどちらかが選択されて画面中央部に表示される演出が実行される。
図38(C2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第3演出の開始時から60秒間が経過すると、不意に期待度示唆表示として、プッシュボタンの画像が選択されて表示される演出が実行される。
第3演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合がある。操作演出とは、動作対応演出とも呼ばれ、所定の検出有効期間内に遊技者の動作により所定の操作手段が操作されたときに、その操作に対応する画像表示等の所定の演出が実行される演出である。第3演出における操作演出は、図40(E)に示すように、特定の割合で実行可能である。一方、第3演出では、タイマ無演出において、タイマ有演出で実行されるような操作演出が実行される場合がない。
操作演出としては、第1操作演出〜第5操作演出という5種類の操作演出が実行される。第1操作演出は、プッシュボタン90120の操作を促進する画像を表示(以下、ボタン操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、チャンス表示をする演出である。チャンス表示とは、遊技者にとってチャンスとなることを示唆する画像を表示することをいう。第2操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、リーチ表示をする演出である。リーチ表示とは、リーチ状態となることを示唆する画像を表示することをいう。
第3操作演出は、スティックコントローラ90122の操作を促進する画像を表示(以下、スティック操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ90122が操作されたことに対応して、SP表示をする演出である。SP表示とは、スーパーリーチとなることを示唆する画像を表示することをいう。第4操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、期待度%表示をする演出である。期待度%表示とは、今回の変動表示により大当り遊技状態となる割合を%で示唆する画像を表示することをいう。第5操作演出は、スティック操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ90122が操作されたことに対応して、激熱表示をする演出である。激熱表示とは、今回の変動表示が大当り遊技状態となる期待度が激しく高い(極めて高い)ことを示唆する画像を表示することをいう。
第2演出の演出内容については、図示を省略するが、たとえば、タイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第2演出の開始時から40秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、複数種類の大当り予告用キャラクタ(第1予告用キャラクタ、第2予告用キャラクタ)の画像のうちから選択された予告用キャラクタが所定位置に表示される。たとえば、第2演出の期待度示唆表示において表示される予告用キャラクタの大当りの期待度の高さについては、「第1予告用キャラクタ<第2予告用キャラクタ」という関係が設定されている。第2演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第1演出および第3演出とともに一括的に決定される。
また、第1演出および第2演出のそれぞれについても、図40(C),(D)に示すように、タイマ有演出時において、所定の割合(割合は異なる)で、第3演出で実行可能な操作演出と同様の演出を実行することが可能である。
第3演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて役物9012の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
また、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
また、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
なお、タイマ無演出が実行されたときに期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
次に、タイマ演出において演出表示装置909で表示される演出画像の一例として、第3演出の演出画像を説明する。図39は、タイマ演出が実行されるときの第3演出の演出画像を示す表示画面図である。図39(A)〜(L)に、第3演出において演出表示装置9で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。図39において、保留表示等のタイマ演出と関係が少ない画像は省略されている。
図39において、左,中,右の演出図柄9091,9092,9093は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。演出表示装置909において、変動表示が実行されるときに、左,中,右の演出図柄9091,9092,9093は、画面中央部で変動表示が開始される。タイマ演出が実行されるときには、演出表示装置909の表示領域内における右下部に、タイマ演出において数値によりタイマ表示をするタイマ表示領域9094と、タイマ演出において操作促進表示、および、操作対応表示等の操作演出に関する画像を表示する操作演出表示領域95とが形成される(設けられる)。
第3演出においてタイマ表示の計時開始時から10秒が経過したときには、図39(A)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り50秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、プッシュボタン90120の操作を促進するボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図39(A)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図38に示す対応関係の操作対応表示に従って、図39(B)に示すように、「チャンス」という文字画像が表示されるチャンス表示が実行される。
タイマ表示の計時開始時から20秒が経過したときには、図39(C)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り40秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図39(C)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図38に示す対応関係の操作対応表示に従って、図39(D)に示すように、「リーチ」という文字画像が表示されるリーチ表示が実行され、演出図柄9091,9092,9093がリーチ表示態様となる。
タイマ表示の計時開始時から30秒が経過したときには、図39(E)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り30秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でスティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティックコントローラ90122の操作を促進するスティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図39(E)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、図38に示す対応関係の操作対応表示に従って、図39(F)に示すように、「SP」という文字画像が表示されるSP表示が実行され、SP演出に用いられるSPキャラクタ画像9096が画面中央部で表示される。SP演出キャラクタ画像9096は、遊技者の味方となる味方キャラクタ(左側のキャラクタ)と、遊技者の敵となる敵キャラクタ(右側のキャラクタ)とがバトル(戦う)バトル演出態様で表示される。バトル演出では、味方キャラクタが勝ったときに大当り表示結果が導出表示され、味方キャラクタが負けたときにはずれ表示結果が導出表示される。バトル演出が実行されるときに、演出図柄9091,9092,9093は、縮小されて画面右上隅部に移動し、その移動先の位置で変動表示を継続する。
タイマ表示の計時開始時から40秒が経過したときには、図39(G)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り20秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図39(G)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図38に示す対応関係の操作対応表示に従って、図39(H)に示すように、「80%」という文字画像が表示される期待度%表示が実行され、バトル演出が継続される。
タイマ表示の計時開始時から50秒が経過したときには、図39(I)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り10秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でスティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図39(I)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、図38に示す対応関係の操作対応表示に従って、図39(J)に示すように、「激熱」という文字画像が表示される激熱表示が実行され、バトル演出が継続される。
タイマ表示の計時開始時から60秒が経過したときには、図39(K)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り0秒となり、画面中央部に、たとえば、スティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とよるなる期待度示唆表示9097が表示される。期待度示唆表示9097は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図39(K)の期待度示唆表示9097に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、大当り表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが勝ち、図38に示す対応関係の操作対応表示に従って、図39(L)に示すように、大当り表示結果の変動表示結果を導出表示する演出が実行される。一方、はずれ表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが負け、はずれ表示結果の変動表示結果を導出表示する演出が実行される。
次に、特定のスーパーリーチの変動パターンの変動表示を実行するときに、タイマ演出を実行するか否かの選択、および、タイマ演出を実行するときにおける第1演出〜第3演出での操作演出を実行するか否かの選択をするための抽選に用いるデータテーブルを説明する。
図40は、第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブル、第1演出の操作演出選択テーブル、第2演出の操作演出選択テーブル、および、第3演出の操作演出選択テーブルを示す説明図である。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90100のROM90102に記憶されている。以下に説明する演出の選択割合には、まったく選択されない割合(0割合(0%))が含まれてもよく、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「小」である例には、選択割合が「0割(0%)」である場合が含まれてもよい。逆に、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「大」である例には、選択割合が「10割(100%)」である場合が含まれてもよい。
第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、特定のスーパーリーチである第4スーパーリーチの変動パターンを実行するときに、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかの選択をするための抽選に用いられる。第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる図40(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる図40(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルとが含まれている。
図40(A),(B)のテーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとしてのタイマ演出選択用の乱数SR2´(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、タイマ表示有演出と、タイマ表示無演出とに割振られている。SR2´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2´値の個数が示されている。
図40(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「タイマ表示有演出>タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示有演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。一方、図40(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「タイマ表示有演出<タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示無演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図40(A),(B)でのデータの設定により、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、タイマ表示有演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、タイマ表示有演出が実行されるときには、タイマ表示無演出実行されるときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図40(C)の第1演出の操作演出選択テーブルは、図40(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第1演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。図40(C)の第2演出の操作演出選択テーブルは、図40(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第2演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。図40(D)の第3演出の操作演出選択テーブルは、図40(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第3演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。
図40(C)〜(E)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR3´(0〜109の数値範囲)の合計110個の数値が、操作演出有と、操作演出無とに割振られている。SR3´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3´値の個数が示されている。
図40(C)の第1演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有<操作演出無」という大小関係となるように、操作演出無が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図40(D)の第2演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有=操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有と操作演出無とが同じ割合で選択されるようにデータが設定されている。図40(E)の第3演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有>操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。このようなテーブルにより、第1演出〜第3演出において、演出期間が長いもの程、操作演出有が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
図40(C)のテーブルに示すように、25秒間のタイマ表示をする第1演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が1回、すなわち、25秒間のうちに1回の操作演出が実行される。図40(D)のテーブルに示すように、40秒間のタイマ表示をする第2演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が2回、すなわち、40秒間のうちに2回の操作演出が実行される。図40(E)のテーブルに示すように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が5回、すなわち、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される。
このように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときに、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される、第3演出よりもタイマ表示をする期間が短い第2演出では2回の操作演出が実行され、第2演出よりもタイマ表示をする期間が短い第1演出では1回の操作演出が実行される。このように、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行頻度が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合(頻度)が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
また、図40(C)〜(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される頻度が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合(頻度)が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
次に、第1演出〜第3演出における操作演出を含む演出パターンの一例を説明する。図41は、第3演出の演出パターンを選択する演出パターン選択テーブルを表形式で示す図である。図41(A)には、大当り時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示され、図41(B)には、はずれ時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示されている。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90100のROM90102に記憶されている。
図41(A),(B)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR4´(0〜89の数値範囲)の合計90個の数値が、第1パターンと第2パターンと第3パターンとのそれぞれに割振られている。SR4´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4´の値の個数が示されている。
図41(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4´の値によって、「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。図41(B)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4´の値によって、「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図41に示す各操作演出における青、緑、赤という複数種類の色は、「青<緑<赤」という大小関係で大当りについての期待度を示唆する色である。
第1パターンは、操作演出パターンが、ボタン操作促進演出が実行された後操作に応じてチャンス表示がされる第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤色の文字で「80%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第1パターンでは、操作演出パターンの後に期待度示唆演出として実行される最終演出が、スティック操作促進表示がされた大当り後操作に応じて大当り表示結果が導出表示される演出である。
第2パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、第1パターンと同じ第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「70%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。第2パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
第3パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、第2パターンと同じ第第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「60%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第3パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
図41(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、図41(A)の大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルに設定された第1パターン〜第3パターンと同様の第1パターン〜第3パターンが設定されており、前述したように、これらパターンの選択割合が大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルの選択割合と逆の選択割合となるようにデータが設定されている。
前述の第2パターンでは、前述の第3パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。前述の第1パターンでは、第2パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。したがって、図41(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、大当り表示結果となるときに、大当りの期待度がより高い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。一方、逆に、図41(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、はずれ表示結果となるときに、大当りの期待度がより低い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図示を省略するが、第1演出では、たとえば、操作演出表示領域9095において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、青色背景の期待度示唆表示をする第1変動パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、赤色背景の期待度示唆表示をする第2変動パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
第1演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、変動表示結果別に、第1演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3´の値が各演出パターンに割振られている。
図示を省略するが、第2演出では、たとえば、操作演出表示領域9095において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、演出図柄周囲に青色のエフェクト画像を表示する第1演出パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、演出図柄周囲に赤色のエフェクト画像を表示する第2演出パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
第2演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、変動表示結果別に、第2演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3´の値が各演出パターンに割振られている。
次に、図38および図39に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を設定するための処理について説明する。図42は、演出設定処理(S90616)を示すフローチャートである。図42においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンが特定スーパーリーチである第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S90901)。受信した変動パターンコマンドは、RAM90103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU90101は、RAM90103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。第4スーパーリーチの変動パターンでなければS90912の処理へ移行する。第4スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図40(A),(B)に示すいずれかのタイマ演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR2´の値から、今回の変動表示について、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかを選択決定する(S90902)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
次に、S90902の決定結果に基づいて、タイマ表示有演出が選択決定されたか否かを判定する(S90903)。S90903でタイマ表示有演出が選択決定されていない(タイマ表示無演出が選択決定された)ときは、たとえば図38(B2),(C2)等に例示したような第1〜第3演出においてタイマ表示をしない演出を実行するためのデータ設定を行ない、S90912に進む。一方、S90903でタイマ表示有演出が選択決定されたときは、SR3´の値を抽出し、図40(C)〜(E)の第1演出〜第3演出のそれぞれの操作演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR3´の値から、今回の変動表示における第1〜第3演出のそれぞれについて、操作演出を実行するか否か(有無)を選択決定する(S90904)。
次に、S90904の決定結果に基づいて、第1演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90905)。S90905で操作演出有に選択決定されていないときは、S90907に進む。一方、S90905で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第1演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第1演出の演出パターンを選択決定し(S90906)、S90907に進む。
S90907では、S90904の決定結果に基づいて、第2演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90907)。S90907で操作演出有に選択決定されていないときは、S90909に進む。一方、S90907で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第2演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第2演出の演出パターンを選択決定し(S90908)、S90909に進む。
S90909では、S90904の決定結果に基づいて、第3演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90909)。S90909で操作演出有に選択決定されていないときは、S90911に進む。一方、S90909で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図41(A),(B)のいずれかの第3演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第3演出の演出パターンを選択決定し(S90910)、S90911に進む。
S90911では、今回の変動表示で、第1〜第3演出のそれぞれにおいてタイマ表示をし、前述のように選択した操作演出の有無に応じて、前述のように選択した演出パターンで操作演出が実行可能な演出を実行するためのデータを設定し(S90911),S90912に進む。
S90912では、今回の変動表示の演出に関し、前述した第1演出、第2演出、および、第3演出以外のその他の演出内容を決定する。その後、処理を終了する。
演出設定処理においては、図38および図39に示すような操作演出を含むタイマ演出を実行するときに、変動表示の開始時において、タイマ表示演出の有無、操作演出の有無、操作演出の実行回数、および、操作演出の演出パターン等の各種事項を予め決定し、その後の変動表示中は、当該決定にしたがって演出を実行するので、変動表示中における演出制御用マイクロコンピュータ90100の制御処理負荷を軽減することができる。
次に、演出図柄の変動表示中において、図38および図39に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を実行する処理について説明する。図43は、演出図柄変動中処理(S90802)内でタイマ演出をするときに実行されるタイマ演出処理を示すフローチャートである。
図43においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
まず、現在が第1演出〜第3演出で実行され得るいずれかのタイマ演出の実行開始時であるかどうかを判定する(S90920)。S90920においては、変動表示を実行中の第4スーパーリーチの変動パターンにおいて予め定められた演出進行のタイムスケジュールと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在がタイマ演出の実行開始時であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、各変動パターンについて、演出進行のタイミングのタイムスケジュールが予め定められており、変動表示タイマの計時値に基づき、演出を進行させる演出制御が実行されるからである。
S90920でタイマ演出の実行開始時であるときは、演出制御用マイクロコンピュータ90100においてタイマ表示に用いる演出タイマの計時を開始させ(S90921)、その計時値に対応したタイマ表示を開始させ(S90922)、処理を終了する。一方、S90920でタイマ演出の実行開始時でないときは、変動表示タイマの計時値に基づき、現在が操作演出有が設定された演出(たとえば、第1演出、第2演出、第3演出)の期間中であるか否かを判定する(S90923)。
S90923で現在が操作演出有が設定された演出期間中であるときは、変動表示タイマの計時値に基づき、当該演出期間中におけるいずれかの操作演出期間中であるか否かを判定する(S90924)。S90924で操作演出期間中であるときは、操作演出中における操作促進表示(前述のボタン操作促進表示、スティック操作促進表示)中である否かを判定する(S90925)。S90925で操作促進表示中であるときは、S90927に進む。一方、S90925で操作促進表示中でないときは、実行中の操作演出期間の態様に応じて設定されている操作促進表示を開始させ(S90926)、S90927に進む。これにより、各操作演出においては、図39(A),(C),(E),(G),(I)のような操作促進表示が実行される。
S90927では、操作促進演出に対応した所定の操作演出が検出されたか否かを確認する(S90927)。S90927で対応した所定の操作演出が検出されなかったときは、処理を終了する。一方、S90927で対応した所定の操作演出が検出されたときは、実行中の操作促進表示を終了させ(S90928)、S90911での設定情報に基づいて、第1演出の期間、第2演出の期間、および、第3演出の期間のような操作演出の期間の種類に応じた操作対応演出を開始させ(S90929)、処理を終了する。
前述のS90923で特定演出有設定の特定演出期間中ではないとき、および、S90924でいずれかの操作演出期間中ではないときのそれぞれでは、演出タイマの計時終了時(第1演出では25秒経過時、第2演出では40秒経過時、第3演出では60秒経過時)であるか否かを判定する(S90930)。S90930で演出タイマの計時終了時ではないときは、現在が操作促進演出中または操作対応演出中であるか否かを判定する(S90931)。S90931で操作促進演出中または操作対応演出中ではないときは、処理を終了する。一方、S90931で操作促進演出中または操作対応演出中であるときは、演出期間が終了したので、実行中の操作促進演出または操作対応演出理を終了し(S90932)、処理を終了する。
前述のS90930で演出タイマの計時終了時であるときは、タイマ表示の終了時であるともに、タイマ表示終了後の期待度示唆表示の実行開始時であるので、S90911で設定された期待度示唆表示の実行を開始する(S90933)。そして、実行中のタイマ表示を終了し(S90934)、処理を終了する。これにより、図39(K)に示すような期待度示唆表示が実行され、図39(K)に示すようなタイマ表示領域9094の消去と、操作演出表示領域9095の消去とが行なわれる。
〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕
次に、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(図38および図39の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例を説明する。
図41に示した演出パターンでは、操作演出について、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出は実行されない。しかし、操作演出については、たとえば、特別なリーチ演出(SP演出等)が複数種類あり、ノーマルリーチの演出状態から特別なリーチ演出に演出が発展するときに、演出の発展先を示唆する演出をする等、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出が実行されるようにしてもよい。そのような操作演出を実行するときには、当該操作演出と、図42および図43の期待度%を表示する操作演出のような大当りとなる期待度を示唆する操作演出との少なくとも一方の演出を実行する演出制御をしてしてもよい。このようにすれば、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
次に、他の実施の形態で実行される領域演出としての第1領域演出および第2領域演出、並びに、第1領域演出において実行される特殊演出およびタイマ演出について説明する。
[タイマ演出の第2例]
〔1領域演出〕
第1領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、演出表示装置909の左下に位置する第1領域9091(図44参照)で実行されるすべての演出である。第1領域演出の実行中は、後述する特殊演出を実行した後にタイマを表示してタイマ演出を実行する演出、または、特殊演出を実行した後に何も表示ない所謂ガセ演出(「ガセ」は「偽」という意味を含む)を実行する演出が実行される。なお、第1領域演出は、第1領域9091に限らず、演出表示装置909のいずれの表示領域で実行されてもよい。
〔特殊演出〕
特殊演出は、第1領域9091にタイマ演出の実行を示唆するタイマ枠9097を表示させたり、表示させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」を実行することにより、特殊演出の実行後にタイマ演出が実行されることを示唆する示唆表示をする演出である。特殊演出を所定時間実行した後、特殊演出からタイマ演出またはタイマ演出を実行しないガセ演出を実行する。なお、特殊演出とは、前述の演出に限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよく、たとえば、半透明のタイマ枠が実体化するか否かを煽る演出であってもよい。
〔タイマ演出〕
タイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特殊演出実行後に特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って第1領域91に表示される。
〔第2領域演出〕
第2領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、後述する特定演出を実行した後に当該変動表示の表示結果や変動中に実行される演出を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する演出が実行される。なお、第2領域演出は、第2領域9092に限らず、演出表示装置909のいずれの表示領域で実行されてもよい。
特定演出とは、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出である。特定演出を所定時間実行した後、たとえば、「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する。特定演出としては、たとえば、すべての所定表示を付した仮想的な回転リールを、いずれの所定表示が表示されているかを視認することができない程度の速度で所定時間回転させた後、徐々に回転速度を落として所定表示を視認可能にした後、一の所定表示が視認できる位置で停止させる演出が実行される。なお、特定演出は、前述の演出に限らず、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。また、所定表示は、タイマ演出を示唆するタイマ演出示唆表示と、タイマ演出示唆表示以外の複数種類の特定表示とを含む。特定表示については後述する(図42参照)。
図44は、第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出を説明するための図である。図44(a)は、領域演出が実行されていない場合における変動開始時の演出表示装置909の表示例を示す図である。図44(b)〜(d)は、第1領域演出中の演出表示装置909の表示例を示す図である。図44(e)、(f)は第2領域演出実行中の演出表示装置909の表示例を示す図である。図44においては、左,中,右の演出図柄が変動表示中である状態が、3つの下向き矢印で示されている。
図44(a)に示すように、演出表示装置909の表示領域において、左下側に第1領域演出を実行可能な第1領域9091の表示領域が設けられ、右下側に第2領域演出を実行可能な第2領域9092の表示領域が設けられる。第1領域9091は、基本的に当該領域に関する画像が表示されておらず、必要に応じて当該領域に関する画像が表示される。図44(a)においては、第2領域9092では、当該領域に関する画像が常時表示される。
図44(a)では、特別図柄に対応する演出図柄の変動開始時において、第1領域演出および第2領域演出のいずれの領域演出も実行されていない状態が示されている。具体的に、図中に破線で示される第1領域9091には何も表示されていない。第2領域9092には、第2領域9092であることを特定可能な枠部が表示されている。また、枠部の内側の領域は、たとえばシャッターを示すような表示態様で表示され(図示省略)、通常はシャッター部分が閉じている。そして、第2領域演出が実行されるときに当該シャッター部分が開く。
第1領域9091で第1領域演出が実行されるときに表示されるタイマ演出の画像は、図44(d)のように、タイマ枠9097と、タイマ枠9097内でタイマ数値を表示するタイマ表示9094とにより構成される。タイマ枠9097およびタイマ数値のそれぞれの画像は、たとえば白色および赤色のような複数種類の表示色のうちいずれかで表示される。
第1領域演出が実行されるときは、図44(b)に示すように、第1領域9091において、複数の表示色から選択された色のタイマ枠9097を図柄中の矢印の方向に往復動作させる画像を表示することにより、演出表示装置909の表示領域に表示させたり、させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」をする特殊演出が実行される。
特殊演出の実行後は、図44(c)に示すようなガセ演出、または、図44(d)に示すようなタイマ演出が実行される。図44(c)に示すように、ガセ演出は、タイマ演出の実行がされない演出であり、見え隠れ表示されていたタイマ枠9097が消去されることにより、第1領域9091に何も表示されていない状態となる。一方、図44(d)に示すように、タイマ演出が実行される場合は、見え隠れ表示されていたタイマ枠9097が、第1領域9091において複数種類の表示色のうちいずれかの色で表示される。そして、タイマ枠9097内において、複数種類の表示色のうちいずれかの色でタイマ表示9094が出現表示され、たとえば、10秒を示す「10:00」というような計時期間がタイマ数値として示される。タイマ演出においては、このような計時期間がタイマ表示9094において示された後、タイマ表示9094でのカウントダウン計時が開始される。
タイマ演出において、タイマ表示9094のカウントダウンが進行し、タイマ表示9094のタイマ数値が0秒を示す「00:00」となると、変動開始時に変動パターンコマンドにより指定されたスーパーリーチ演出を開始する演出制御が実行される。
このように、第1領域演出が実行されるときには、第1領域9091でタイマ表示9094が表示されてタイマ演出が実行された後に、スーパーリーチ演出のような所定演出が実行され得る。これにより、第1領域演出においてタイマ枠9097の見え隠れ表示がされる特殊演出が実行されたときに、タイマ演出が実行されるか否に遊技者を注目させることができる。
また、図44(b)の特殊演出が実行された後に、図44(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図44(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
また、図44(b)に示すように、第1領域9091において、タイマ枠9097を見え隠れ表示することによりタイマ表示9094が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
第2領域9092で第2領域演出が実行されるときには、図44(d)のように、特定演出において、第2領域9092の枠部内で、前述のように「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示が、図中矢印で示すように順次表示される。そして特定演出の開始時から特定期間経過後に、図44(f)のように、複数種類の所定表示のうちのいずれかが停止表示される。図中では「激熱」という所定表示が停止表示された例が示されている。
第2領域演出において、第2領域9092でいずれかの種類の所定表示が停止表示されると、その停止表示された所定表示に対応する演出がその後、実行される。たとえば、「READY GO」という所定表示が指定表示されたときには、所定のタイマ演出が実行される。また、「NEXT」という所定表示が指定表示されたときには、前述の擬似連の演出が実行される。
このように、第2領域演出が実行された後には、第2領域9092で停止表示された所定表示に対応する各種の演出が実行され得る。これにより、第2特定演出が実行されるときに、第2領域9092の表示に遊技者の注意を引付けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、他の第1実施形態においては、特殊演出は「見え隠れ表示」を実行する演出であるとしたが、これに限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよい。たとえば、半透明のタイマ枠を表示させる演出や複数種類のタイマ数値を付した仮想的な回転リールを表示し、回転リールを回転させる演出であってもよい。また、特定演出は仮想的な回転リールを回転させる演出としたが、これに限らず複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。たとえば、第2領域9092に仮想的なシャッターを表示し、このシャッターを開閉する演出や、第2領域9092に所定表示を半透明に表示する演出であってもよい。
以上に説明したタイマ演出の第2例に関する演出制御は、演出制御用マイクロコンピュータ90100により実行される。
[他の第2実施形態]
他の第2実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第2実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091で実行される演出を代表例として示すが、他の第2実施形態によるタイマ演出は、第2領域92でも同様に実行可能である。
他の第2実施形態で実行されるタイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って演出表示装置909に表示される。
また、タイマ演出の実行中には、タイマ表示による期間表示が開始されてから期間表示が所定態様である0となるまでの期間において、タイマ表示をカウントダウンさせた後に、停止態様としてタイマ表示を数秒間に亘り停止させ、その停止態様を経由した後にタイマ表示の値を0にする場合がある。このように、タイマ表示のカウントダウンを数秒間停止する演出のことを、以下ではフリーズ演出と称する。なお、フリーズ演出としては、タイマ表示のカウントダウンが数秒間に亘り完全に停止するものではなく、所定の期間以上にカウントダウンが進まないようなものでもよい。たとえば、カウントダウンの途中の「15:47」のタイマ表示でフリーズ演出が発生した場合には、「15:46」→「15:47」→「15:46」のように、所定の数字と特定の数字との間を行き来することで、タイマ表示が所定期間以上にカウントダウンを進めないような演出としてもよい。また、「15:47」→「15:46」→「15:45」とカウントダウンが進むが、そのカウントダウンを実際の時間の計時よりも極端に遅くすることで、ほとんど時間が進んでいないような演出としてもよい。
図45は、他の第2実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図45(a)〜(e)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行される場合の第1領域9091におけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。また、図45(f)〜(i)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行されない場合の第1領域9091におけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。ここで、タイマ演出では、複数種類の時間の中からいずれかの時間がタイマ演出の秒数として決定される。図45(a)〜(e)では、タイマ演出を実行する期間として30秒の時間が選択されている。また、図45(f)〜(i)では、タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択されている。なお、他の第2実施形態のタイマ演出は、第2領域9092で実行されるようにしてもよく、演出表示装置909内のどの領域で実行されるようにしてもよい。
図45(a)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示9094として20秒を示す「20:00」という計時期間が第1領域9091に表示される。タイマ表示9094に表示される期間は、秒以下2桁(百分の一の位)まで表示され、時間の経過とともにその値がカウントダウンされる。図45(b)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示9094を示す図である。図49(b)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示されたときに、タイマ表示9094の上側にLOCK表示9095が表示される。LOCK表示9095は、表示画像がタイマ表示9094に対して作用する作用演出であり、LOCKの文字で示す表示画像が、タイマ表示9094に付加される。LOCK表示9095がタイマ表示9094に付加されることにより、フリーズ演出が実行される。このように、LOCK表示9095がタイマ表示9094に付加されることにより、フリーズ演出の実行中であることを遊技者に容易に認識させることができる。
図45(c)は、図45(b)の状態から10秒間が経過したときの、タイマ表示9094の表示態様を示す図である。図45(b),(c)に示すように、フリーズ演出が実行される場合は、「10:00」の表示のままで10秒間に亘りタイマ表示9094の表示が停止されるとともに、LOCK表示9095が付加される。10秒間のフリーズ期間経過後には、図45(d)に示すように、再度タイマ表示9094がカウントダウンされる。その後、図45(e)に示すように、タイマ表示9094は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
ここで、タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出について、一例を示す。タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出には、たとえば、擬似連の仮停止図柄が仮停止する演出(たとえば、「NEXT」と記載された図柄が仮停止する)、リーチ図柄が停止しリーチになったことを示す演出(たとえば、リーチ図柄停止のタイミングで役物が動作する)、リーチ演出中において当該変動の大当り期待度を示す演出(たとえば、リーチ中に大当り期待度の高い背景に変化する)等である。なお、タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出は、ここに示した演出に限らず、どのような演出であってもよい。
次に、フリーズ演出が実行されない場合を図45(f)〜(i)により説明する。タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択された場合、図45(f)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示9094として20秒を示す「20:00」という計時時間が第1領域91に表示される。図45(g)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示9094を示す図である。図45(g)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示される。フリーズ演出が実行されないので、LOCK表示9095は表示されない。
次いで、図45(h)に示すように、図45(g)から1秒経過したときには、図45(h)に示すように、タイマ表示が9秒を示す「09:00」で表示される。その後、図45(i)に示すように、タイマ表示9094は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。ここで、図45(a)〜(i)では、秒以下2桁のタイマ表示9094については、実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
このように、タイマ演出において表示されるタイマ表示9094は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示9094によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出において、フリーズ演出が実行されるパターンでは、図45(b)〜(d)に示すように、フリーズ演出を10秒間実行した後に、再度タイマ表示9094の更新が実行される。このようにすれば、タイマ表示9094が0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出の実行される秒数であるタイマ秒数(タイマ表示の開始から0秒となるまでの時間)を決定するためのタイマ選択時間は異なるが、図45に示すように、フリーズ演出を実行しない場合とフリーズ演出を実行する場合とで、タイマ表示9094の開始時の表示態様が同一(いずれも「20:00」で同じ)の場合がある。このようにすれば、タイマ表示9094の開始時にフリーズ演出を経由するか否かがばれることがなく、意外性のある演出を実行することができる。
[他の第3実施形態]
他の第3実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第3実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091で実行される演出を代表例として示すが、他の第3実施形態によるタイマ演出は、第2領域9092でも同様に実行可能である。
他の第3実施形態で実行されるタイマ演出では、通常パターンのタイマ演出の他に特別パターンのタイマ演出が設定されている。通常パターンのタイマ演出とは、タイマ表示が開始されてからタイマ表示が0秒となるまでの期間において、タイマ表示の表示値が時間経過とともにカウントダウンされるのみのパターンである。それに対し、特別パターンのタイマ演出では、タイマ表示9094がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ90122のような操作手段を用いる演出が実行される。スティックコントローラ90122での遊技者の操作は、傾倒方向センサユニット90123により検出される。具体的には、タイマ表示9094がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ90122を遊技者が引く操作を実行すると、0秒となっていたタイマ表示9094の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。このような、特別パターンは複数回実行されることがあり、最終的に0秒となったときに、所定の演出が実行される。
図46は、他の第3実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図46のうち図46(a)は、タイマ演出の特別パターンとして、タイマ選択時間20秒の2回パターンの場合のタイミングチャートを示す図である。2回パターンとは、タイマ演出の実行中に操作手段を用いた演出が2回実行される演出パターンを示している。また、図46(b)〜(i)は、図46(a)のパターンにおけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。まず、図46(a)〜(i)により特別パターンのタイマ演出について説明する。なお、特別パターンは2回パターンだけではなく、1回パターンや3回以上のパターンが設けられていてもよい。
図46(a)に示すように、タイマ演出として実行されるタイマ選択時間20秒の2回パターンでは、最初にタイマ表示9094に「04:00」が表示される(図46(b))。この状態からタイマ表示9094のカウントダウンが4秒間実行される。そして、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図46(c))、スティックコントローラ90122等の操作手段を操作する操作演出が実行される。スティックコントローラ90122は、操作が有効な期間(以下、操作有効期間とも称する)が2秒間に設定されている。この操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+04:00」が演出表示装置909の画面上に表示される(図46(d))。「+04:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒(タイマ表示の最少期間)加算した期間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図46(e))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+04:00」の表示が自動的に演出表示装置909の画面上に表示される(図46(d))。「+04:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図46(e))。
ここで、スティックコントローラ90122が操作された場合も操作されなかった場合も、少なくとも1秒の間は、「+04:00」の表示が演出表示装置909の画面上に表示される(図46(d))。また、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図46(e))。この時間に遊技者は、タイマ表示9094の秒数が増加したことを認識することができる。操作有効期間(図46(a)の操作2秒)とタイマ表示9094の増加秒数を示す演出表示装置909のタイマ表示期間(図46(a)のタイマ表示1秒)との合計期間は3秒間に設定されている。
その後、タイマ表示9094は、「04:00」で示される4秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図46(f))に、再度、操作有効期間中にスティックコントローラ90122を引く演出が実行される。2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+06:00」が演出表示装置909の画面上に表示される(図46(g))。「+06:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒加算した期間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域9091に表示される(図46(h))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+06:00」の表示が自動的に演出表示装置909の画面上に表示される(図46(g))。「+06:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域9091に表示される(図46(h))。
タイマ表示9094が、6秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図46(i))に、所定の演出が実行される。タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出には、どのような演出であってもよい。
このように、特別パターンでは、タイマ演出が開始されタイマ表示9094が0秒で示す値となったときに、タイマ表示9094の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。これにより、タイマ表示9094の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。また、このような特別パターンのタイマ演出により、タイマ表示9094のカウントダウンが開始されてから、タイマ表示9094の値が最終的に0秒となるまでの期間における表示態様に遊技者を注目させることができる。
[他の第4実施形態]
他の第4実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第4実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091と第2領域9092とのそれぞれのタイマ演出に適用する場合の例を、図47に示す第3領域9096という1つの領域を代表例として用いて説明する。
他の第4実施形態におけるタイマ演出は、リーチ中に実行される。ここで、図28に示すように、リーチとなる変動パターンには、ノーマルリーチの変動パターンとスーパーリーチの変動パターンとが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560からスーパーリーチを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU90101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図28の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
また、他の第4実施形態では、演出表示装置909の表示画面の中央下部領域である第3領域9096においてタイマ演出が開始される場合について説明する。たとえば、SPリーチ中は、画面全体を用いた派手な演出が実行される。このような場合、第3領域9096に表示されるタイマ表示9094がそのような演出を阻害しないように演出表示装置909の表示画面と重ならない位置(たとえば、演出表示装置909の左下位置)にタイマ表示9094を移動させる。他の第4実施形態では、タイマ演出とSPリーチとが同時に実行される。タイマ演出とSPリーチとが実行される場合の演出について図47により説明する。
図47は、他の第4実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。タイマ演出が実行される場合には、図47(a),(b)に示すようなパターンや図47(a),(c)に示すパターンが実行される。図47(a)に示すように、演出表示装置9において「4」を示す図柄でリーチがかかっている場合に、画面の中央下部の第3領域9096にタイマ画像が表示される。タイマ画像には、「20:00」と表示されたタイマ表示9094が表示される。タイマ表示9094は、時間の経過とともにカウントダウンされる。
図47(a)から図47(b)となるパターンは、通常のリーチから弱SPリーチへと発展する場合を示している。弱SPリーチは、後述する強SPリーチと比較して大当り表示結果となる期待度が低いSPリーチである。大当り表示結果となる期待度は、図47(b)中に示す、黒色の星の数で示される。今回実行される弱SPリーチは、期待度が5段階中の2なのであまり期待度が高くないということになる。弱SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置909の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、弱SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の位置から左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)へと移動する。
SPリーチが実行される際には、タイマ画像の枠部9096aが変化する場合がある。しかし、図47(b)に示すように、弱SPリーチにおいては、枠部9096aがSPリーチへの発展前の図47(a)と同様の態様で表示される。また、タイマ表示9094は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。SPリーチ中は、SPリーチ発展前の図47(a)のような場合に比べ、表示画面の全体を用いた派手な演出が実行される。SPリーチ演出のような派手な演出が実行される場合には、画面の中央下部の第3領域9096においてタイマ画像が表示されていると演出の妨げになってしまう。そこで、タイマ表示9094が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示9094が画面の左端の位置(第1領域9091に対応する位置)へ移動される。また、SPリーチが実行されない場合には、タイマ画像は画面の中央下部の位置で変化せずタイマ表示9094のカウントダウンが実行される。
このように、タイマ表示9094の表示が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示9094の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、図47(c)は、図47(a)のリーチ状態から強SPリーチへ発展した場合を示している。強SPリーチは、弱SPリーチと比べ大当り表示結果となる期待度が高い。図47(c)に示すように、今回実行される強SPリーチは、期待度が5段階中の4なので、大当り期待度が高い演出であることが示される。強SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置909の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、強SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の第3領域9096から左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)へと移動する。
また、強SPリーチが実行されるときには、タイマ画像の枠部9096bの態様が変化する。たとえば、図47(c)に示すように、枠部9096bの色が白から赤(図47(c)の斜線部分)に変化する。また、タイマ表示9094は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。強SPリーチでも弱SPリーチと同様にタイマ表示9094が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示9094が画面の左端の位置(第1領域9091に対応する位置)へ移動される。
このように、タイマ表示9094の表示が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示9094の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、SPリーチは、SPリーチまで発展せずに終了するノーマルリーチと比べ大当り期待度の高いリーチである。よって、このような大当りとなる期待度の高いリーチが実行されることを考慮することにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、図47に示すように、SPリーチに発展する前の通常状態(リーチがかかっているのみの状態)においては演出表示装置909の中央下部の第3領域9096でタイマ表示9094を表示し、SPリーチの実行中においては演出表示装置909の左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)でタイマ表示9094を表示する。よって、SPリーチ中の演出をタイマ表示9094が阻害しないようにすることにより、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図47に示すように、弱SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部9096aを白色のまま変化させず、強SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部9096bを赤色に変化させて表示する。このようにすれば、実行されるSPリーチに応じたタイマ表示9094の枠の表示態様とすることにより、大当りに対する期待度が示され、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、他の第4実施形態のタイマ演出が実行されているときに、第2領域9092に対応する位置においては、第1実施形態で示したような第2領域演出が実行されるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図40(C)〜(E)に示すように、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行割合が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
(2) 図38(C1)に示すように、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図38(C1)に示すように、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
(4) 〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕で説明したように、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(図38および図39の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例では、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
(5) 図38(C1)に示すように、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
(6) 図40(C)〜(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される割合が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
(7) 図44に示されるように、図44(b)の特殊演出が実行された後に、図44(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図44(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図44(b)に示すように、第1領域9091において、タイマ枠9097を見え隠れ表示することによりタイマ表示9094が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図47に示すように、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能等により、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能であることにより、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(10) 図46,図47に示すように、はずれ時と大当り時とで第1領域演出の実行タイミングの選択割合が異なり、はずれ時と大当り時とで第1領域演出でのタイマ演出の選択割合が異なる等により、いずれのタイミングで特殊演出が実行されるかに、より一層注目させることができる。
(11) 図47に示すように、特殊演出時に見え隠れ表示させるタイマ枠9097として、白色のタイマ枠9097を表示する特殊演出と、赤色のタイマ枠9097を表示する特殊演出との複数種類の特殊演出のうちのいずれかを実行可能である等により、いずれの種類の特殊演出が実行されるかに注目させることができる。
(12) 図47に示すように、赤色のタイマ数値表示の実行前にも、白色のタイマ枠見せ隠れ表示を実行可能である等により、白色のタイマ枠の見せ隠れ表示をする特殊演出が実行されたとしても、遊技者の大当り遊技状態への期待感が下がらないようにすることができる。
(13) 図45に示すように、タイマ演出において表示されるタイマ表示9094は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示9094によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
(14) 図46に示すように、タイマ表示9094が0秒となったときにタイマ表示9094の計時数値が増加する特別パターンが実行可能であることにより、タイマ表示9094の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。
(15) 図47に示すように、SPリーチを実行しているか否かにより、第3領域9096の位置を変更可能であることにより、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) タイマ演出の第1例では、所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明した。「所定表示」とは、図39のような時間経過に応じて数値が変化する表示に限らず、砂時計のように、時間経過を直接的に数値で示すものではなく、砂の流れ等により時間経過を間接的に示すようなものであってもよい。時間経過を間接的に示すその他の例としては、たとえば、時間経過に応じて爆弾を示す画像が爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているような同じ動作を繰返す表示であってもよい。また、「所定表示」は、時間経過に応じて、所定タイミングまで爆弾が同じ大きさで爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているが、所定タイミング経過後に、爆弾が徐々に拡大表示されていくような異なる動作を実行するようなものであってもよい。
(2) タイマ演出の第1例で説明した「所定表示」は、時間経過を示さないが、所定時間が経過すると、特定態様となるようなものであってもよい。たとえば、所定動作として、虫が幼虫からさなぎとなり成虫(特定態様)となる動作過程を時間経過の経過に対応して実行するようなものであってもよい。
(3) タイマ演出の第1例で説明した「動作対応演出(操作演出)」は、遊技者が動作したときに応じて実行する演出であり、図40(C)〜(E)のように、たとえば、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるように演出が制御される。動作対応演出が実行される割合(頻度)を高くすることは、図39等に示した操作促進表示を実行する頻度を高く設定することより実現してもよい。また、割合(頻度)を高くする動作対応演出は、操作促進表示を実行した後遊技者の実際の動作が検出されなくても、動作の検出有効期間の経過時において、自動的に動作対応演出が実行されるものが含まれてもよい。
(4) 図39に示す操作演出表示領域9095においては、操作演出が実行されるときの操作有効期間を特定画像な画像を表示してもよい。その場合には、操作有効期間の表示がタイマ表示と見間違えられないようにするのが好ましい。たとえば、操作有効期間の表示は、数値ではなく、メーター表示のゲージの増減により操作有効期間を示してもよく、ボタン画像またはスティック画像を操作有効期間中に明滅表示させる等により操作有効期間を示してもよい。
(5) 図41に示すように、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、1種類に固定されたように表示されるものと、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとが混在している例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、すべての操作演出について、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとしてもよく、すべての操作演出について、1種類に固定されたように表示されるものとしてもよい。
(6) 図41に示すように、複数の操作演出については、大当りの期待度が異なっても、同じ種類の演出が予め定められた順番で実行される例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出については、大当りの期待度に応じて、実行される演出の種類が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの期待度が高い程、希少な演出(プレミア演出)が実行可能となるようにしてもよい。
(7) 図41に示すように、複数の操作演出については、異なる種類の演出が実行される例を示した。しかしこれに限らず、所定のストーリー(物語)に従った1種類の演出を複数回に分けて実行し、操作演出ごとにストーリが進んでいくような演出を実行してもよい。
(8) 図38に示すように、複数の操作演出については、一定間隔で実行される例を示した。しかし、これに限らず、不定間隔で実行されるようにしてもよい。また、複数の操作演出の実行間隔は、抽選によりランダムな実行間隔となるようにしてもよい。
(9) 前述した演出期間が最も短い第1演出については、複数回の操作演出を実行することを可能としてもよい。その場合においては、第1演出〜第3演出においては、演出期間の短い演出は、演出期間が長い演出よりも短い時間間隔で操作演出を実行するようにしてもよい(たとえば、第3演出の10秒間隔に対し、第1演出は3秒間隔等)。
(10) 図38(C)に一例を示したようにタイマ表示時における操作演出の実行間隔は、1種類(10秒)であるものを示したが、これに限らず、タイマ表示時における操作演出の実行間隔は、複数種類(たとえば、5秒、10秒、15秒)設けてもよく、複数種類のうちから抽選により選択した実行間隔で操作演出を実行してもよい。
(11) 動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出として、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出を示唆してもよく、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出とは特に関係なく、実行されるスーパーリーチの種類等のその他の情報を示唆してもよい。
(12) 動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、操作手段の操作検出ごとに、いずれか一方の示唆をしてもよく、変動表示の開始時において、演出の進行に応じてどちらの示唆をするかを演出制御用マイクロコンピュータ90100が抽選により選択決定しておき、その選択決定に沿って示唆する演出を実行するようにしてもよい。
(13) 図41に示すように、複数回の操作演出の実行順番パターンとしては、予め固定的に定められたもの(複数種類の操作手段の順番が交互のように規則的に定められたものでもよく、複数種類の操作手段の順番が不規則に定められたものでもよい)を実行してもよく、変動表示開始時等に実行順番を抽選によりランダムに決定されたものを実行してもよい。
(14) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能なプッシュセンサ90124および傾倒方向センサユニット90123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
(15) 前述した操作演出については、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出において、操作演出が実行可能である例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出においては、操作演出が1回も実行されないようにしてもよい。そのような制御例も、第3演出のような演出期間が長い演出において、第1演出のような演出期間が短い演出と比べて、高い割合(頻度)で操作演出を実行可能な一制御例として含まれる。
(16) 領域演出は第1領域9091および第2領域9092のいずれか一方の領域でのみしか実行されないようにしてもよい。なお、このような場合には、いずれか一方の領域で領域演出を実行すると決定した場合には、他方の領域で領域演出を実行しないように制限するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、第1領域9091においてタイマ演出(ガセ演出)が実行される場合には、第2領域9092ではタイマ演出の実行が制限される場合について説明した。しかし、第1領域9091と第2領域9092との両方の領域において、同時にタイマ演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、第1領域9091に表示されるタイマ表示9094の数値と第2領域9092に表示されるタイマ表示9094の数値とが同時に更新されるようにしてもよい。また、そのときの数値は一方の領域と他方の領域とで同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、一方の領域での数値のカウントダウンが終了した後に他方の領域での数値のカウントダウンが開始されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、第1領域9091および第2領域9092においてタイマ演出が実行されるようにしてもよい。そして、第1領域9091と第2領域9092とにおいたタイマ表示9094の数値が同時に0秒を示す値となったときに、所定の演出が実行がされるようにしてもよい。このような場合には、一方の領域のみにおいてタイマ演出が実行されるよりも両方の領域においてタイマ演出が実行される場合の方が大当り値期待が高くなるように設定してもよい。
(19) 領域演出が実行されるタイミングは、変動開始時またはリーチ開始前時以外のタイミングであってもよい。たとえば、リーチ成立時やリーチ中の所定のタイミング、擬似連の最変動表示の開始時のタイミング、SPリーチの開始タイミング、先読み演出を実行するときのタイミング等のタイミング実行されるようにしてもよい。また、実行されるタイミングにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、複数のタイミングのうち2つ以上のタイミングで実行されるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、大当り遊技中の保留連予告としてタイマ表示を行なってもよい。保留連予告とは、大当り表示結果となった時点の保留記憶および大当り遊技中の保留記憶を先読みし、当該保留記憶に新たな大当りを発生させるものが存在している、いわゆる、保留連チャン(大当り遊技状態が連続して発生すること)が生じていることを予告するものをいう。たとえば、このような保留記憶がある場合には、大当りの終了前の所定のタイミングでタイマ演出を開始し、タイマの数値が0となったタイミングで大当りとなる保留記憶の変動表示が開始されるようにすればよい。
(21) 前述した実施の形態では、大当りのラウンド中にタイマ演出を実行してもよい。このような場合には、たとえば、タイマの数値が0となったタイミングで保留連予告を実行してもよいし、確変状態であることを示す確変告知を実行してもよいし、ラウンドが継続するか否かを示すラウンド継続告知を実行してもよい。
(22) 特殊演出時とタイマ演出時とに実行される演出は、同時に決定されてもよく、特殊演出時とタイマ演出時とで実行される演出を別々に決定するようにしてもよい。また、特殊演出で実行される演出を決定するときは枠色を決定し、タイマ演出で実行される演出を決定するときはタイマの表示色を決定するようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態では、保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう先読み演出として領域演出を実行してもよい。このような場合には、領域演出が実行される領域に「準備中」等の表示をし、領域演出が実行されることを遊技者に示してもよい。
(24) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときにタイマ演出が複数回実行されるようにしてもよい。このような場合には、将来実行されるタイマ演出の実行回数を示すようにしてもよい。たとえば、「×2」と表示するときには、タイマ演出が2回実行されることを示すようにすればよい。また、タイマ演出の実行回数をタイマ画像を複数個表示することで示してもよい。
(25) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときに「準備中」の表示をし、「準備中」の表示期間を変化させることで、タイマの減算時間を1パターンとしてもよい。具体的には、変動表示中に「準備中」の表示をし、その後に表示されるタイマ表示はどのような変動パターンであっても5秒間がタイマ表示9094として表示されるようにしてもよい。このようにすれば、実際のタイマの減算時間を1パターンとすることができるので、演出の設計が容易となり、演出に用いるデータ量も軽減することができる。
(26) 前述した実施の形態では、第2領域9092において実行される演出について、期間表示が実行される場合と期間表示以外の特定表示が実行される場合とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期間表示が実行される場合には、特定表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、特定表示が実行される場合には、期間表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態では、第2領域9092の枠が演出表示装置9の画面上で常に表示されている場合を示した。しかし、第2領域9092の枠は、領域演出が実行されるタイミングでのみ表示されるようにしてもよい。また、第2領域9092についても特殊演出が実行されるようにしてもよい。
(28) 前述した実施の形態では、タイマ演出で表示される期間表示として、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマ表示9094について説明した。しかし、タイマ表示9094は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、期間表示を更新することによって期間の経過情報を示す期間表示手段の構成が設けられていた。また、期間表示手段により更新された前記期間表示が所定態様となったときに所定演出を実行可能な所定演出実行手段の構成が設けられていた。しかし、期間表示手段の構成では、期間表示を更新せずに単に表示するのみのものでもよい。具体的には、期間表示を示す表示態様として爆弾の導火線に火が付いている画像を表示してもよい。このような画像は、爆弾の導火線に火が付いていることにより、期間表示がされていることが分かるものの、導火線自体は短くならないようなものであればよい。そして、期間表示としての爆弾の導火線に火が付いている画像が所定期間表示された後に爆発して、何らかの演出が実行されるようにしてもよい。
(30) 前述した実施の形態では、タイマ表示が0となったときに実行される所定演出は、どのような演出であってもよい。たとえば、所定演出としてリーチ図柄が停止するもの、擬似連演出を実行する際の擬似連図柄が停止するもの、大当り確定となる予告を実行するもの(大当り確定音やプレミアム予告等)、所定のスーパーリーチに発展するもの、役物が動作するものが実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマ表示が0となったタイミングにおいて、複数種類の演出の中から選択されるいずれかの演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、擬似連図柄の停止するタイミングにおいて、一発告知(大当り確定予告)が実行されるようにすると、遊技者に意外性を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
(31) 前述した実施の形態では、第1領域9091と第2領域9092との両方の領域において、領域演出を実行するときは、一方の領域でタイマ演出を実行し、その値が0となったときに、他方の領域でタイマ演出が開始されるようにしてもよい。
(32) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、領域演出が実行されるようにすればよい。
(33) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(34) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機901の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(35) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(36) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(37) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(38) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7,9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(39) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。