<第1発明の実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。
前面枠12には、前面に遊技領域が形成され中央には表示装置41を有するセンターケース40が配設された遊技盤30が収納されるとともに、遊技盤の前方を覆う透明なカバーガラス14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、音響(例えば、効果音)を発する一対のスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球で上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置(図示省略)の回転式操作ダイヤル24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した入力手段としての演出ボタン25が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作ダイヤル24を回動操作すると、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域に向かって発射する。そして、始動入賞口36又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置(図示省略)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
また、遊技者が入力手段としての演出ボタン25を操作することによって、遊技経過情報を取得したり、表示装置41で実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができるようにされている。
さらに、遊技機10の裏面側には、表示装置41およびセンターケース40や前面枠12に設けられている装飾ランプを制御する演出制御装置、遊技内容を含み遊技機全体を制御する遊技制御装置が設けられている。本実施形態では、演出制御装置と遊技制御装置を別々に設けているが、一体の制御装置として構成してもよい。
センターケース40の表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。また、センターケース40は、表示装置41のほか、始動記憶表示部42、ポイント変動表示部43、ポイント数表示部44等を備えている。始動記憶表示部42は表示装置41の右側方に、ポイント数表示部44は表示装置41の下方に、ポイント変動表示部43はポイント数表示部44の下方にそれぞれ設けられている。このポイント変動表示部43およびポイント数表示部44の詳細については後述する。
遊技領域32のセンターケース40の左側方には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられている。さらに、始動入賞口36の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
遊技機10の裏側には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100、および表示装置41に表示する画像等を制御する演出制御装置300が備えられている(図66,67参照)。
また、遊技機10には、別に備えられるメインサーバ(図示省略)と通信するための通信部(図示省略)を備え、遊技制御装置100や演出制御装置300に記憶されている遊技に関する情報等をメインサーバに送信することが可能となっている。
遊技領域32内に発射された遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、例えば、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された普図表示器(図示省略)において普図変動表示ゲームが行われる。普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。
始動入賞口36へ入賞した遊技球は特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、遊技制御装置100のRAMに4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、特図始動記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、表示装置41右側方に設けられた始動記憶表示部42において表示される。
従って、遊技制御装置100のRAMは、始動入賞領域への入賞を所定上限数まで記憶
可能な始動記憶手段をなす。
また、遊技領域32内に発射された遊技球が始動入賞口36に入賞すると、当該入賞を始動入賞(始動記憶)として記憶し、この始動記憶に基づき、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROMに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを当該特図変動表示ゲームの開始前に事前に判定する処理を行う。
従って、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの実行結果を、当該変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。
遊技領域32内に発射された遊技球が始動入賞口36に入賞すると、遊技制御装置100は表示装置41において特図変動表示ゲームを実行する。特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。そして、表示装置41の表示態様が特別結果態様となった場合には、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
また、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。
そして、遊技制御装置100は、上記の特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、表示装置41等に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態では、例えば、特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。
従って、遊技制御装置100は、遊技領域に設けられた始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの実行結果が特別結果であった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能に制御する制御手段、前記変動表示ゲームの結果が前記特別結果となる確率を、通常の確率となる通常確率、または通常よりも高い確率となる高確率に設定する確率設定手段、および、設定されている前記特別結果となる確率を遊技者に報知可能な確率報知手段をなす。
また、遊技領域32内に発射された遊技球が始動入賞口36に入賞すると、特図変動表示ゲームの開始に合わせて、演出制御装置300が演出表示ゲームを実行する。演出表示ゲームの結果は、当該演出表示ゲームの契機となる遊技球の入賞時に演出制御装置300が抽出する演出表示ゲームの結果判定用の乱数に基づいて決定される。
そして、乱数を判定した結果が当りになると、所定の演出ポイント(遊技経過情報)が付与される。演出ポイントは累積され演出制御装置300にポイント累積値として記憶されるとともに、メインサーバに送信される。ポイント累積値が所定値に達すると特典が付与される。この特典の詳細については後述する。
以下、演出制御装置300による演出表示ゲームについて具体的に説明する。
まず、演出表示ゲームの表示手段であるポイント変動表示部43等について説明する。図2は、ポイント変動表示部43およびポイント数表示部44を示している。
ポイント変動表示部43は、センターケース40の内側であって表示装置41(図1参照)の下方に設けられている。ポイント変動表示部43は、中央に設けられたポイント獲得報知部43aとポイント獲得報知部43aから左右方向に延設される変動部43bによって構成されている。変動部43bには、LED等の光源を備えた複数の点灯部43cが横一列に設けられている。また、ポイント獲得報知部43aもLED等の光源を備え点灯可能となっている。以下、点灯するポイント獲得報知部43aや点灯部43cを黒く塗りつぶして示す。
演出表示ゲームの実行中は、ポイント獲得報知部43aおよび変動部43bに設けられた各点灯部43cが順次点灯と消灯を行うことにより、光(黒丸)がポイント変動表示部43の両端を往復するように変動する演出変動がなされる。そして、図2(b)に示すように、ポイント獲得報知部43aが点灯した状態で演出表示ゲームが終了すると、演出表示ゲームの結果が当りとなり、演出ポイントが1ポイント付与される。なお、ポイント獲得報知部43aおよび変動部43bを、一方向に変動する(往復変動させない)よう点灯させてもいいし、ランダムに点灯させるようにしてもよい。また、一回に付与するポイント数を、2ポイント以上としてもいいし、条件に応じて変化させてもよい。
ポイント数表示部44は、表示装置41(図1参照)の下方であってポイント変動表示部43との上方に設けられている。ポイント数表示部44は、インジケータ部44aとMAX報知部44bによって構成されている。インジケータ部44aには、それまでに付与された演出ポイントの累積値を表示するようになっている。例えば、図2(a)の状態は、演出ポイントの累積値が2であることを示しており、演出表示ゲームの結果が当りになると、図2(b)に示すように、インジケータ部44aの表示が1増加し、演出ポイントの累積値が3になったことが示される。演出ポイントの累積値が最大値になると、MAX報知部44bが点灯する。また、ポイント数表示部44は、図11(b)、(c)に示すように、左端部を回転軸として、表示装置41の表示面に沿って回動可能となっている。
次に、演出表示ゲームの流れについて説明する。図3は始動記憶がある状態の流れを示しており、図4は遊技が進行し始動記憶がなくなった状態の流れを示している。
本実施形態の遊技機10は、始動入賞口36に遊技球が入賞し、表示装置41において特図変動表示ゲームが開始されると、同時に演出表示ゲームを開始する。この演出表示ゲームは、始動記憶の有無に応じて終了タイミングを変化させる点に特徴がある。
特図変動表示ゲームが終了すると、図3(a)に示すように、表示装置41に表示された特別図柄が停止し、特図変動表示ゲームの結果(ここでは、はずれ)が示される。このとき、始動記憶表示部42に表示されている始動記憶数は2なので(始動記憶が存在するので)、次の特図変動表示ゲームが直ちに実行される。すると、特図変動表示ゲームと並行して実行されていた演出表示ゲームは終了となり、演出表示ゲームの結果が示される。ここでの演出表示ゲームの結果は、点灯しているのがポイント獲得報知部43aではないためハズレとなる。
そして、図3(b)に示すように、最先の始動記憶に基づいて表示装置41の特別図柄が変動して次の特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶表示部42に表示される始動記憶数は1となる。また、特図変動表示ゲームの開始を契機として、ポイント獲得報知部43aおよび点灯部43cが順次点灯して次の演出表示ゲームが開始される。
最先の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、図3(c)に示すように、表示装置41に表示された特別図柄が停止し、特図変動表示ゲームの結果(ここでは、はずれ)が示される。このとき、始動記憶表示部42に表示されている始動記憶数は1なので、並行して実行されていた演出表示ゲームは終了となり、演出表示ゲームの結果が示される。ここでの演出表示ゲームの結果は、点灯しているのがポイント獲得報知部43aではないのでハズレとなる。
そして、図3(d)に示すように、次の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶表示部42に表示される始動記憶数は0となる(始動記憶がなくなる)。また、次の特図変動表示ゲームの開始を契機として演出表示ゲームが開始される。
次の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、図4(a)に示すように、表示装置41に表示された特別図柄が停止し、特図変動表示ゲームの結果(ここでは、はずれ)が示される。このとき、始動記憶表示部42に表示されている始動記憶数は0なので(始動記憶が存在しないので)、新たに始動入賞口36へ遊技球が入賞するまで次の特図変動表示ゲームが実行されない。すると、特図変動表示ゲームと並行して実行されていた演出表示ゲームはそのまま継続される。
このように、表示装置41の表示が停止しても、ポイント変動表示部43が変動しつづけいるため、遊技者は何か変化があるかもしれないという期待を抱きつつ遊技を継続することになる。
ここで、始動入賞口36に遊技球が入賞すると、図4(b)に示すように、直ちに特図変動表示ゲームが開始される。このとき、継続して実行されていた演出表示ゲームが終了し、所定時間おいた後、図4(c)に示すように、次の演出表示ゲームが実行される。この所定時間は、それほど長く取る必要はなく、演出表示ゲームが終了し、次ぎの演出表示ゲームが開始されたことを認識できる程度、或いは、遊技者がポイント付与の演出を見ることができる程度の長さがあれば充分である。
再開された特図変動表示ゲームが終了すると、図4(d)に示すように、表示装置41に表示された特別図柄が停止し、特図変動表示ゲームの結果(ここでは、はずれ)が示される。このとき、始動記憶表示部42に表示される始動記憶数は0であるため、特図変動表示ゲームと並行して実行されていた演出表示ゲームはそのまま継続される。
以上のように、本実施形態の遊技機10は、基本的には特図変動表示ゲームに同期して演出表示ゲームを実行し、始動記憶がなく特図変動表示ゲームが実行されない場合に、次の始動入賞があるまで変動を延長することで、特図変動表示ゲームが実行されない間に遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐようにしている。
次に、上記の演出表示ゲームを実行するための制御について具体的に説明する。図5には、演出制御装置300が実行するメイン図柄変動開始処理の手順が、図6には、メイン図柄変動停止処理の手順が示されている。
〔メイン図柄変動開始処理〕
メイン図柄変動開始処理は、演出表示ゲームの開始に関する処理である。メイン図柄変動開始処理では、まず、特別図柄が変動開始したか否か、すなわち特図変動表示ゲームが開始されたか否かを判定(ステップS401)し、変動開始していない場合(ステップS401;No)には、メイン図柄変動開始処理を終了する。変動開始した場合(ステップS401;Yes)には、変動フラグがオンになっているか否かを判定(ステップS402)する。この変動フラグは、ポイント変動表示部43が演出変動を行っているか否か、すなわち演出表示ゲームが実行中であるか否かを示すものである。
この変動フラグがオンになっていない、すなわち演出変動が行われていない場合(ステップS402;No)は、演出変動を開始(ステップS403)して、メイン図柄変動開始処理を終了する。変動フラグがオンになっている、すなわち演出変動が行われている場合(ステップS402;Yes)は、演出変動を一旦(所定時間)停止し、対応するポイントを加算(演出表示ゲームの結果が当りであれば1ポイントを加算し、はずれであれば0ポイントを加算)し、再び変動を開始する処理(ステップS404)を行う。そして、変動フラグをオフにする処理(ステップS405)を行って、メイン図柄変動開始処理を終了する。
〔メイン図柄変動停止処理〕
メイン図柄変動停止処理は、演出表示ゲームと並行して実行される特図変動表示ゲームの終了時に実行される処理である。このメイン図柄変動停止処理では、先ず、特別図柄の変動が停止したか否か、すなわち、特図変動表示ゲームが終了したか否かを判定(ステップS411)し、停止していない場合(ステップS411;No)には、メイン図柄変動停止処理を終了する。特別図柄の変動が停止した場合(ステップS411;Yes)には、始動記憶があるか否かを判定する。この判定に始動記憶の数は関係なく、少なくとも一つ記憶されていれば始動記憶ありとなる。始動記憶がある場合(ステップS412;Yes)には、演出表示ゲームの演出変動を停止させる処理(ステップS413)を行い、特別図柄を停止させる処理(ステップS414)を行って、メイン図柄変動停止処理を終了する。
始動記憶がない場合(ステップS412;No)には、実行中の演出表示ゲームの演出変動を継続する処理(ステップS415)を行い、特別図柄の変動を停止する処理(ステップS416)を行う。そして、変動フラグをオン(ステップS417)にして、メイン図柄変動停止処理を終了する。
この処理により、特図変動表示ゲームの終了時に始動記憶がある場合には、演出表示ゲームが特図変動表示ゲームに同期して終了し、変動表示ゲームの終了時に始動記憶がない場合には、特図変動表示ゲームの終了後、新たに特図変動表示ゲームが実行されるまで演出表示ゲームが継続される。
図7には、演出変動ゲームおよび特図変動表示ゲームの進行に関するタイミングチャートを示した。このうち、(a)は特図変動表示ゲームの終了時に始動記憶がない場合を、(b)は始動記憶がある場合を示している。
始動記憶が記憶されていない状態(ここでは、演出変動も停止しているため、遊技開始時の状態)では、表示装置41の特別図柄は停止しており、ポイント変動表示部43も停止している。ここで始動入賞口36に遊技球が入賞(t11)すると、特別図柄が変動して特図変動表示ゲームが開始されるとともに、ポイント変動表示部が変動して演出表示ゲームが開始される(t12)。そして、特別図柄の変動が終了すると、始動記憶がないため演出変動が継続される(t13:図4(a)参照)。ここで、始動入賞口36に新たに遊技球が入賞(t14)すると、直ちに特別図柄の変動が開始されるとともに、演出変動が停止する(t15:図4(b)参照)。演出変動が所定時間停止した後、演出変動が再開される(t16:図4(d)参照)。
始動記憶が記憶されている状態(ここでは、始動記憶数3の状態から開始)では、特別図柄の変動が終了すると、始動記憶があるため演出変動も同時に終了する(t21)。そして、直ちに次の特別図柄の変動および演出変動が開始され、始動記憶数が2に減少する(t22)。そして、特別図柄の変動が終了すると、始動記憶があるため演出変動も同時に終了する(t23:図3(a)参照)。そして、直ちに次の特別図柄の変動および演出変動が開始され、始動記憶数が1に減少する(t24:図3(b)参照)。そして、特別図柄の変動が終了すると、始動記憶があるため演出変動も同時に終了する(t25:図3(c)参照)。そして、直ちに次の特別図柄の変動および演出変動が開始され、始動記憶数が0になる(t26:図3(d)参照)。
次に、演出ポイントが所定値まで貯められたことに基づいて付与される特典について説明する。図8には、演出制御装置300が実行する演出ポイントMAX処理1の手順が、図10には、演出ポイントMAX処理2の手順が示されている。
〔演出ポイントMAX処理1〕
まず、演出ポイントMAX処理1について説明する。図8に示すように、演出ポイントMAX処理1では、まず、ポイント数表示部44に表示されている演出ポイントの累積値が最大値に達したか否かを判定(ステップS421)し、最大値に達していない場合(ステップS421;No)には演出ポイントMAX処理1を終了する。演出ポイントの累積値が最大値に達した場合(ステップS421;Yes)には、新変動パターン(特別演出態様)を発生可能に設定、すなわち、変動パターンを決定するのに用いる変動パターンテーブルを、それまで用いていた変動パターンテーブル1から新変動パターンを含む変動パターンテーブル2に変更し、特図変動表示ゲームの変動パターンを、変動パターンテーブル2に基づいて決定するようにする(ステップS422)。そして、演出ポイントの累積値をリセット(ステップS423)して、演出ポイントMAX処理1を終了する。
この処理により、演出表示ゲームにおいて演出ポイントの累積値が最大値に達すると、当該演出表示ゲームの次の演出表示ゲームと同時に開始される特図変動表示ゲームの変動パターン(演出態様)が、変動パターンテーブル2に基づいて決定されるようになり、当該特図変動表示ゲームの次以降の特図変動表示ゲームの変動パターンは、演出ポイントの累積値が再び最大値となるまで変動パターンテーブル1に基づいて決定される。なお、変動パターンテーブル2に基づく特図変動表示ゲームが1回実行された後は、再び変動パターンテーブル2が設定されることになるが、変動パターンテーブル2に基づく特図変動表示ゲームを複数回繰り返し実行しても良い。
ここで、本実施形態の遊技機10が変動パターンを決定する際に用いる変動パターンテーブルについて説明する。図9(a)には演出ポイント数が最大値に達していない通常時に設定される変動パターンテーブル1を示し、図9(b)には演出ポイントが最大値に達したMAX時に設定される変動パターンテーブル2を示した。
変動パターンテーブル1,2は、演出制御装置300に記憶されている。演出ポイントが最大値に達していない通常時は、変動パターンテーブル1が設定される。変動パターンテーブル1には、複数の変動パターンが含まれており、演出制御装置300は、遊技制御装置100から変動パターンコマンドを受信すると変動パターン決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数をこの変動パターンテーブル1に参照して特図変動表示ゲームの変動パターン(演出態様)を決定する。具体的には、抽出した乱数が1のときはA変動、2のときはB変動、3〜11のときはC変動となる。
演出ポイントが最大値に達したMAX時は、使用する変動パターンテーブルが変動パターンテーブル1から変動パターンテーブル2に変更され、変動パターンテーブル2に基づいて変動パターンが決定される。変動パターンテーブル2にも、複数の変動パターンが含まれているが、その一部が変動パターンテーブル1とは異なっている。具体的には、変動パターンテーブル2には、A変動、B変動の代わりに、新変動パターンであるA変動SP、B変動SPが含まれている。すなわち、抽出した乱数が1のときはA変動SP、2のときはB変動SPとなり、それ以外の乱数の場合は変動パターンテーブル1を用いた場合と同様の変動パターンが設定される。
A変動とA変動SP、B変動とB変動SPはそれぞれ変動時間が等しくなっており、変動の際に表示装置41において表示される内容だけが異なっている。すなわち、変動パターンとしてA変動SP(B変動SP)が設定されると、A変動(B変動)が設定された場合よりも高い期待を遊技者に持たせる特図変動表示ゲームが実行される。
〔演出ポイントMAX処理2〕
次に、演出ポイントMAX処理2について説明する。図10に示すように、演出ポイントMAX処理2では、まず、ポイント数表示部44に表示されている演出ポイントの数が最大値に達したか否かを判定(ステップS431)し、最大値に達していない場合(ステップS431;No)には演出ポイントMAX処理1を終了する。演出ポイントの数が最大値に達した場合(ステップS431;Yes)には、確率状態を報知する処理(ステップS432)を行い、演出ポイントの数をリセット(ステップS433)して、演出ポイントMAX処理1を終了する。
図11には、演出ポイントMAX処理2により実行される確率状態の報知例を示した。図11(a)に示すように、演出表示ゲームの結果が当たりとなり、演出ポイント数が最大値に達すると、確率状態の報知が行われる。具体的には、それまでの遊技状態が潜伏確変状態であった場合には、図11(b)に示すように、表示装置41に確変状態であることが表示されるとともに、MAX報知部44bが表示装置41の表示領域の中央部に達するまでポイント数表示部44が回動する。
それまでの遊技状態が通常確率状態であった場合には、図11(c)に示すように、表示装置41に通常状態であることが表示されるとともに、MAX報知部44bが表示領域の下部に達するまでポイント数表示部44が回動する。通常確率状態の場合には確変状態よりもポイント数表示部44の回動角度を小さくすることで、確変状態の場合における遊技者の期待感をより高めるようにしている。
なお、本実施形態では、演出ポイント数が最大値に達した場合の特典として、特別変動パターンで変動する特図変動表示ゲームを発生可能にしたり、大当りの確率状態を報知したりするようにしたが、これらの他にも例えば、遊技制御装置100が変動表示ゲームの実行結果を当該変動表示ゲームの実行前に事前に判定する機能を利用して、変動中の特図変動表示ゲームの結果を事前に報知するといった演出を行うことも可能である。
具体的には、図12(a)に示すように、ポイント数が最大値となるまであと1ポイントの状態であり、かつ、特図変動表示ゲームが実行されていない(特別図柄が停止している)状態のときに、図12(b)に示すように始動入賞口36に遊技球が入賞すると、特図変動表示ゲームが開始されるとともに、演出表示ゲームが終了して当該演出表示ゲームの結果が表示される。このとき、図12(c)に示すように、ポイント獲得報知部43aが点灯した状態で演出表示ゲームが終了すれば、演出表示ゲームの結果は当りとなり、ポイントが加算されてポイント数が最大値に達する。
このとき、例えば、MAX報知部44bを表示領域の中央部前方に位置するように、ポイント数表示部44を回動させる。そして、表示装置41の表示領域のうち、ポイント数表示部44に遮蔽されていない領域(ここでは、表示領域の左上部や右側部)で縮小された特別図柄を変動させるともに、実行中の特図変動表示ゲームの結果(例えば、「大当り確定」等の文字)を事前に表示する。
このような演出を行うことで、特図変動表示ゲームの結果を事前に知りたい遊技者は遊技球を入賞させようと積極的に遊技を行うようになる。特に、当該特図変動表示ゲームの結果が遊技者にとって期待の持てるもの(ここでは、大当り)であれば、遊技者は、演出ポイント数が最大となった状態で特図変動表示ゲームが実行されると、当該特図変動表示ゲームの結果は大当りになる可能性が高い、と考えるようになり、演出ポイントを増やすために積極的に遊技を行うようになる。
従って、演出制御装置300は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームとは別の演出表示ゲームを実行可能な演出表示ゲーム実行制御手段、および演出表示ゲームの実行結果が所定結果となったことに基づき、所定のポイントを付与するとともに、付与されたポイントを累積してポイント累積値として記憶するポイント累積手段をなす。なお、演出表示ゲームの結果判定用の乱数を抽出するタイミングを、演出表示ゲームおよび特図変動表示ゲームの実行直前としてもよい。
なお、図示は省略したが、本実施形態の演出制御装置300は、ポイント累積値に応じたQRコード(アクセス情報)を生成し、例えばポイント累積値の増加時等に表示装置41に表示することが可能となっている。このQRコードを携帯電話等で読み取りウェブからメインサーバにアクセスすると、当該QRコード生成時におけるポイント累積値を呼び出すためのパスワード(識別情報)が得られる。次回の遊技開始時にこのパスワードを遊技機に入力すると、遊技機10がメインサーバから前回の遊技終了時のポイント累積値を取得し、前回の遊技終了時の状態から遊技を再開できるようになる。なお、パスワードは、回転式操作ダイヤル24や操作ボタン25(入力部)を操作することによって行うが、専用の入力装置を備えるようにしてもよい。
従って、演出制御装置300は、遊技に関わる遊技経過情報を累積し、累積遊技経過情報として記憶する遊技経過情報記憶手段、遊技経過情報記憶手段に記憶された累積遊技経過情報に対応する識別情報にアクセスするためのアクセス情報を出力する情報出力手段、識別情報が入力されたことに基づいて、遊技経過情報記憶手段から当該識別情報に対応する累積遊技経過情報を取得して設定可能な遊技状態設定手段をなす。
(変形例1)
次に、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、特図変動表示ゲームの終了時に始動記憶が無ければ必ず演出表示ゲームを継続するものとして説明したが、本変形例では、所定の確率で演出表示ゲームを継続しないようにしている。具体的には、メイン図柄変動停止処理(図6参照)の演出変動継続処理(ステップS415)において、図13に示すような処理を実行する。
〔演出変動継続処理〕
演出変動継続処理では、まず、遊技機10の確率状態が潜伏高確率状態であるか否かを判定(ステップS441)し、潜伏高確率状態である場合(ステップS441;Yes)は、50パーセントの割合で演出表示ゲームの継続を行う振り分け(ステップS442)を行い、演出変動継続処理を終了する。
確率状態が潜伏高確率状態でない場合(ステップS441;No)は、演出ポイント累積値があと1または2で最大値となるか否かを判定(ステップS443)し、あと1または2で最大値となる場合(ステップS443;Yes)は、演出表示ゲームを(100パーセント)継続する処理(ステップS444)を行い、演出変動継続処理を終了する。演出ポイント数があと1または2で最大値とならない場合(ステップS443;No)は、1パーセントの割合で演出表示ゲームの継続を行う振り分け(ステップS445)を行い、演出変動継続処理を終了する。
このような処理を行うことで、始動記憶がない状態であっても、そのときの大当りの確率状態や演出ポイント数次第で、特図変動表示ゲームの終了後に演出表示ゲームが継続されない状態を発生させることができる。このため、遊技者が演出表示ゲームに飽きてしまうのを防ぐことができる。
(変形例2)
次に、本実施形態の別の変形例について説明する。
上記実施形態では、遊技盤30中央のセンターケース40にポイント変動表示部43を備え、ポイント変動表示部43の演出変動によって演出表示ゲームを実行するようにしたが、従来備えているもの、例えば、表示装置41や前面枠12によって実行することもできる。
まず、表示装置41を用いて演出表示ゲームを実行する場合について説明する。例えば、図14(a)に示すように、特図変動表示ゲームと演出表示ゲームの開始時に、表示装置41の表示領域を特図変動表示ゲーム用の表示領域41aと演出表示ゲーム用の表示領域41bとに分割し、特図変動表示ゲームと演出表示ゲームを両方とも表示装置41で表示する。演出表示ゲームの実行態様としては、例えば、特図変動表示ゲームと同様に複数の識別図柄を変動させ、全ての識別図柄が同一の図柄で停止した場合を当りとする。
なお、図14(a)に示すように、演出表示ゲームを大きく表示するようにすれば、特図変動表示ゲームが終了した後も継続する演出表示ゲームが、あたかも特図変動表示ゲームのように見え、遊技者の期待感の低下を防ぐことができる。
次に、前面枠12を用いて演出表示ゲームを実行する場合について説明する。遊技機の前面枠には、図14(b)に示すように、LED等によって発光する枠装飾装置18が遊技盤を囲むように複数設けられている。表示装置41において特図変動表示ゲームが開始されるのに合わせて、これら枠装飾装置18を例えば時計回りまたは逆時計回りに順次発光させることで演出表示ゲームを行う。そして、所定の枠装飾装置18が発光した状態で演出表示ゲームが終了した場合を当りとする。
枠装飾装置18は遊技盤30の周囲に環状に配置されるので、演出表示ゲームの実行態様がルーレットのようになる。このため、遊技者は通常の遊技時と異なる演出に興味をもって見入るようになる。また、前面枠12を使って大きく表示されるので、遊技機を探して遊技場内を移動している遊技者の目に入り易く、その遊技機で遊技を行いたいという意欲を高めることができる。
なお、これらの変形例では、上記のポイント数表示部44に相当する構成について説明を省略したが、上記実施形態と同様のポイント数表示部44を備えるようにしてもよし、表示装置41に表示するようにしてもよい。また、前面枠12の下部(遊技盤の周囲以外)に設けられた枠装飾装置を用いるようにしてもよい。
上記したように、本実施形態の遊技機10の制御手段(遊技制御装置100)は、始動入賞領域(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)とは別の演出表示ゲームを実行可能な演出表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)を備え、演出表示ゲーム実行制御手段は、演出表示ゲームを、少なくとも当該演出表示ゲームの契機となった入賞の次の入賞まで継続可能としている。
本実施形態の遊技機10によれば、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて変動表示ゲームと演出表示ゲームが実行される。変動表示ゲームが終了するまでに新たな入賞がないと、当該変動表示ゲームの終了後、次の変動表示ゲームが実行されないことになるが、次の変動表示ゲームの実行契機となる次の入賞があるまで演出表示ゲームが継続される。このため、変動表示ゲームが実行されない所謂「回らない」状態が発生しても、遊技者は演出表示ゲームに期待して遊技を続けることになり、客離れを防止することができる。
また、本実施形態の遊技機10の制御手段(遊技制御装置100)は、始動入賞領域(始動入賞口36)への入賞を所定上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、演出表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶がある状態で演出表示ゲームおよび変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されている場合は、演出表示ゲームと変動表示ゲームとの実行タイミングを同期させる様にしている。
本実施形態の遊技機10によれば、変動表示ゲームの実行中に入賞があっても、実行中の演出表示ゲームは、直ちに終了とはならず、当該変動表示ゲームの終了に合わせて終了する。そして、次の演出表示ゲームは、次の変動表示ゲームの開始に合わせて開始される。このため、短時間の間に多数の入賞があった場合等に一回の演出表示ゲームが短くなりすぎて演出効果が低下してしまうのを防止することができる。
また、本実施形態の遊技機10の演出表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)は、演出表示ゲームの実行結果が所定結果(当り)となったことに基づき、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の演出態様(変動パターン)を決定するのに用いる演出態様決定用テーブルを、第1演出態様決定用テーブル(変動パターンテーブル1)から第1演出態様決定用テーブルにはない特別演出態様(新変動パターン)を発生可能な第2演出態様決定用テーブル(変動パターンテーブル2)に変更するようにしている。
本実施形態の遊技機10によれば、演出表示ゲームの結果が所定結果となると、第2演出態様決定用テーブルに基づいて変動表示ゲームの演出態様が決定されるため、演出表示ゲームの結果が所定結果とならない場合には見ることのできない特別演出態様の変動表示ゲームが実行可能となる。この特別演出態様の変動表示ゲームが実行されれば、遊技者の期待が膨らむので、遊技の興趣が高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10の演出表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)は、演出表示ゲームの実行結果が所定結果(当り)となったことに基づき、所定のポイント(演出ポイント)を付与するとともに、付与されたポイントを累積してポイント累積値として記憶するポイント累積手段(演出制御装置300)を備え、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶がない場合であって、ポイント累積値が所定値以上の場合に、ポイント累積値が所定値未満の場合よりも、高い確率で次の入賞まで演出表示ゲームを継続する様にしている。
本実施形態の遊技機10によれば、演出表示ゲームが所定結果となる毎にポイントが累積され、ポイント累積値が所定値を超えると、変動表示ゲーム終了後の演出表示ゲームが継続する確率が高くなる。このため、遊技者は、ポイントが累積されるほど演出表示ゲームが継続するようになるのではないかと考えて遊技球を入賞させるために積極的に遊技を行うので、遊技機の稼働率を上げることができる。
また、本実施形態の遊技機10の制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲーム(とく図変動表示ゲーム)の結果が特別結果(大当り)となる確率を、通常の確率となる通常確率(低確率)、または通常よりも高い確率となる高確率に設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、設定されている特別結果となる確率を遊技者に報知可能な確率報知手段(演出制御装置300)と、を備え、演出表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶がない場合であって、特別結果となる確率が高確率に設定されかつ遊技者に報知されていない場合に、次の入賞まで演出表示ゲームを所定の割合で継続するようにしている。
本実施形態の遊技機10によれば、高確率状態でありながら高確率状態であることが報知されていない所謂潜伏確変状態である場合に、所定の確率で演出表示ゲームが継続する。このため、遊技者は、演出表示ゲームが継続する程度によって、特別結果となる確率が高確率になっているのではないかと推察することができ、遊技球を入賞させるために積極的に遊技を行うようになり、遊技機の稼働率を上げることができる。
また、本実施形態の遊技機10の制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲーム(とく図変動表示ゲーム)の実行結果を、当該変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)を備え、演出表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段による演出表示ゲームの実行結果が所定結果(大当り等)となったことに基づき、当該変動表示ゲームの事前判定結果(先読み結果)を当該変動表示ゲームの終了前に報知するようにしている。
本実施形態の遊技機10によれば、演出表示ゲームの実行結果が所定結果となれば、当該変動表示ゲームの結果が当該変動表示ゲームの終了前(当該変動表示ゲームの開始前や実行中)に報知される。このことを遊技者に報知しておけば、遊技者は変動表示ゲームの結果を早く知りたいと考えるので、遊技者の遊技意欲が促進される。
また、本実施形態の遊技機10の制御手段(遊技制御装置100)は、識別コードを入力可能な入力部と、入力された識別コードに基づいて変動表示ゲームに関わる遊技態様を設定可能な遊技状態設定手段と、識別コードが入力されてから、再び前記識別コードが入力されるまでに行われた遊技に関わる遊技経過情報を記憶する遊技経過情報記憶手段と、入力された識別コードと遊技経過情報記憶手段に記憶された遊技経過情報に基づいて、遊技経過情報の累積値である累積遊技経過情報にアクセスするためのアクセス情報を出力する情報出力手段と、を備え、遊技経過情報記憶手段は、ポイント累積値を記憶するようになっている。
この遊技機10によれば、ポイント数を累積しながら遊技を行うことができる。よって、遊技を中断しても今まで累積してきたポイントが無駄にならないので、遊技者の意欲が高まり、遊技機の稼働率を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技者が識別情報(パスワード)を入力可能な入力部(回転式操作ダイヤル24、操作ボタン25)を備え、制御手段(遊技制御装置100)は、遊技に関わる遊技経過情報(演出ポイント)を累積し、累積遊技経過情報(ポイント累積値)として記憶する遊技経過情報記憶手段(演出制御装置300)と、遊技経過情報記憶手段に記憶された累積遊技経過情報に対応する識別情報にアクセスするためのアクセス情報(QRコード)を出力する情報出力手段(演出制御装置300)と、識別情報が入力されたことに基づいて、遊技経過情報記憶手段から当該識別情報に対応する累積遊技経過情報を取得して設定可能な遊技状態設定手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技経過情報記憶手段は、累積遊技経過情報として前記ポイント累積値を記憶するようにしている。
この本実施形態の遊技機10によれば、遊技の進行に伴いポイントが累積されていく。そして、ポイント累積値に対応付けられた識別情報にアクセスするためのアクセス情報が出力される。このアクセス情報を取得しておけば、例えば、途中で遊技を中断した場合に、取得したアクセス情報を用いて識別情報にアクセスし、この識別情報を入力部に入力することにより、ポイント累積値が遊技終了時の値となった状態から遊技を再開することができる。すなわち、一回の遊技でポイントを所定値となるまで貯めることが困難であっても、複数回の遊技で少しずつポイントを貯めていくことができる。よって、遊技を中断しても今まで貯めてきたポイントが無駄にならないので、遊技者の意欲が高まり、遊技機の稼働率を高めることができる。
<第2発明の実施形態>
第2発明は、遊技者毎に人間の顔を模したオリジナルなキャラクタを作成して表示装置に表示可能にすることで興趣を高めるようにするものである。
第1の実施形態においては、予め制御装置の記憶装置(例えば図67のROM330)内には顔を構成するためのパーツ画像(以下、単にパーツと称する)がそれぞれ複数個ずつ記憶されており、その中から遊技者が1つずつ選択して合成することでオリジナルキャラクタ画像(以下、単にオリジナルキャラクタと称する)を作成する。オリジナルキャラクタの作成期間としては、例えば遊技が単調になり易い大当たりのラウンド中などがある。
図15を用いて、大当たりのラウンド中におけるキャラクタの作成の具体的な手法について説明する。大当たりの途中のラウンド(例えば8ラウンド目)で、(a)のように複数の「顔の輪郭」を表示装置に表示する。表示装置は、変動表示ゲームを実行する表示装置41を兼用することができる。選択の仕方としては、図16(c)のように、画面にカーソルCを表示させ、演出ボタン25が操作されるとカーソルCを矢印Aのように移動させる。そして、確定の操作がなされると、そのときカーソルCが位置する画像が選択されるようにする方法がある。なお、この場合、演出ボタン25は例えば図44に示すような押圧操作部25aと回転操作部25bとを有するものが望ましく、回転操作部25bの検出信号はカーソルを移動させる信号として、また押圧操作部25aの検出信号は選択確定の信号として使用される。
「顔の輪郭」が確定すると、次のラウンド(例えば9ラウンド目)で、(b)のように複数の「眉」を表示装置に表示して選択させる。そして、その後のラウンドで(c),(d),(e)のように、「目」、「口」、「髪型」を順次表示、選択させる。また、最後に、(f)のようにアルファベットを表示して、オリジナルキャラクタに付けるイニシャルを選択させる。すべてのパーツの選択が終了すると、図16(a)のように次のラウンド(例えば14ラウンド目)で、完成したオリジナルキャラクタを表示させる。
さらに、この実施例では、最後のラウンドで図16(b)のように、作成したオリジナルキャラクタを登場させる時期を、例えば大当たり予告の際とか、大当たりとなるリーチが発生した際とか、大当たりが確定した際とかのように、選択させる。そして、次回以降に発生するリーチを伴う変動表示ゲームで、図16(c)のように、予め設定されているキャラクタに代えてオリジナルキャラクタを表示させるようにしている。また、図16(d)のように、遊技機の履歴情報を表示可能にされた遊技機においては、履歴の情報とともにオリジナルキャラクタを記憶しておいて履歴表示の際にオリジナルキャラクタを表示させるようにしてもよい。
以上の説明より、上記実施形態には、また、図15および図16に示す遊技機の制御手段は、特別遊技状態(大当たり)中にオリジナルキャラクタ画像を構成するパーツ画像を選択可能である発明が含まれる。
かかる発明によれば、単調になり易い大当たり遊技中にオリジナルキャラクタ画像を作成するため、遊技者にとって楽しみが増えることとなる。
なお、この実施例では、大当たり遊技中にオリジナルキャラクタを作成できるようにしているが、キャラクタの作成時期はこれに限定されず、例えば遊技がなされていない客待ち画面表示中に行えるように構成してもよい。
また、作成したオリジナルキャラクタは、演出制御装置によって、確率状態を報知する際の演出表示において登場させるように構成してもよい。
図17には、本実施形態の遊技機におけるオリジナルキャラクタの作成に関連して実行されるオリジナルキャラクタ選択処理の手順の具体例が示されている。特に限定されるものではないが、本実施形態の遊技機においては、遊技機側の制御装置が、遊技機全体を制御する遊技制御装置と表示装置41や装飾ランプなどの制御を行う演出制御装置とによって構成されており、図17のオリジナルキャラクタ選択処理は演出制御装置によって実行されるようになっている。また、演出制御装置は、上述したように、複数の各パーツを選択可能な状態で表示手段としての表示装置41に表示する表示制御手段として、また表示装置41に表示された各パーツの中から所望のパーツを遊技者に選択可能にする選択手段として機能する。
この処理においては、先ずオリジナルキャラクタが設定された後、所定回転数(所定変動表示ゲーム数)以内であるか否か判定する(ステップS501)。ここで、所定回転数以内である(=Yes)と判定すると、ステップS502へ進み、当該変動表示ゲームは結果が大当たりであるか否か判定する。そして、大当たりである(=Yes)と判定すると、ステップS503へ進み、例えば乱数を用いて50%の確率でオリジナルキャラクタを表示させる。また、ステップS502で、当該変動表示ゲームは結果が大当たりでない(=No)と判定すると、ステップS504へ進み、例えば乱数を用いて0.5%の確率でオリジナルキャラクタを表示させる。
この実施例においては、変動表示ゲームの大当たりの発生確率が1/99に設定されている。つまり、はずれの確率は98/99である。そのため、上記のように、オリジナルキャラクタ設定後、所定回転数以内の大当たりの場合には50%の確率でオリジナルキャラクタを表示させ、大当たりでない場合には0.5%の確率でオリジナルキャラクタを表示させるようにすると、いずれの場合にもおよそ1/200の確率つまり200回の変動表示ゲームに1回の割合でオリジナルキャラクタを出現させることができる。これにより、所定回転数以内にオリジナルキャラクタが出現すると50%の確率で大当たりになるという予告表示の意味を持たせることができる。
一方、ステップS501で、所定回転数以内でない(=No)と判定すると、ステップS505へ進み、当該変動表示ゲームは結果が大当たりであるか否か判定する。そして、大当たりである(=Yes)と判定すると、ステップS506へ進み、例えば乱数を用いて10%の確率でオリジナルキャラクタを表示させる。また、ステップS505で、当該変動表示ゲームは結果が大当たりでない(=No)と判定すると、ステップS507へ進み、例えば乱数を用いて0.5%の確率でオリジナルキャラクタを表示させる。従って、オリジナルキャラクタ設定後、所定回転数以内の大当たりの場合には、オリジナルキャラクタ設定後、所定回転数以内でない大当たりの場合よりも、オリジナルキャラクタが出現する割合がひくい高い(5倍)こととなる。
大当たり遊技終了後、所定回転数(例えば5回転)以内は大当たりが発生し易く制御する高確率モードを有する遊技機があるので、そのような遊技機に上記のようなオリジナルキャラクタ選択制御を適用して、所定回転数以内にオリジナルキャラクタが出現する確率を高くすることで、オリジナルキャラクタが出現した場合の大当たりへの期待感を高めることができる。また、そのようなモードを有する遊技機であることを遊技者に認識させ易くなるという利点がある。上記高確率モード以外にも、例えば大当たり終了時の始動記憶数(4個や8個)に対応する変動表示ゲームの実行の際にオリジナルキャラクタが出現する確率を高くするように制御してもよい。
以上の説明より、上記実施形態には、画像を表示可能な表示手段と、所定条件の成立により複数の識別情報を変動する変動表示ゲームを行い、該変動表示ゲームの結果が特定の結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能に制御する制御手段と、遊技者の操作動作を検出可能な検出手段と、を備える遊技機において、
前記制御手段は、人間の顔の各パーツ画像をそれぞれ複数種類記憶するパーツ記憶手段と、前記各パーツ画像を選択可能な状態で前記表示手段に表示する表示制御手段と、前記表示手段に表示された前記各パーツ画像の中から前記検出手段からの入力に応じてパーツ画像を選択可能な選択手段と、前記選択手段により選択された各パーツ画像を合成したオリジナルキャラクタ画像を遊技中に表示可能にした発明が含まれることが分かる。
かかる発明によれば、選択手段により選択された各パーツ画像を合成したオリジナルキャラクタ画像を遊技中に表示可能であるため、遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技者が自らの意思でキャラクタを作成することができるため、出来上がったキャラクタに対して親しみを感じることとなり、より一層遊技意欲を高めることができる。
また、図16(b)に示す実施例より、制御手段は、検出手段からの入力に応じてオリジナルキャラクタの出現条件を設定可能である発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、遊技者の出現して欲しいと望むようなタイミングでオリジナルキャラクタを表示させることが出来るので、遊技を充分に楽しむことができる。
また、図15および図16に示す実施例より、遊技機の制御手段は、特別遊技状態(大当たり)中にオリジナルキャラクタ画像を構成するパーツ画像を選択可能である発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、単調になり易い大当たり遊技中にオリジナルキャラクタ画像を作成するため、遊技者にとって楽しみが増えることとなる。
さらに、図17に示す実施例より、制御手段としての演出制御装置は、特別遊技状態終了後に実行される所定回数以内の変動表示ゲームにおいて前記オリジナルキャラクタ画像を出現させる場合は、通常時の変動表示ゲームに前記オリジナルキャラクタ画像を出現させる場合よりも特別遊技状態が発生する割合が高くなるように設定する発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、特別遊技状態終了後に実行される限られた回数の変動表示ゲームでオリジナルキャラクタが出現すると、通常の変動表示ゲームでオリジナルキャラクタが出現する場合よりも高い確率で特別遊技状態が発生することとなるので、特別遊技状態終了後に実行される所定回数以内の変動表示ゲームにおいてオリジナルキャラクタ画像が出現するのを期待するようになり、それによって遊技の興趣を高めることができる。
次に、第2発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態においては、図18に示すように、変動表示ゲームを行う第1表示部DP1(例えば表示装置41)とは別個に、第2表示部DP2(例えば図64のタッチパネル式の枠表示装置28)を設け、演出制御装置が、第2表示部DP2において始動記憶SMを表示するとともに、オリジナルキャラクタOCを表示していわゆる先読み予告演出を行うようにしている。
また、本実施形態においては、第2表示部DP2において、オリジナルキャラクタ画像を用いた演出表示で確率状態の報知を行うようにしている。なお、第1表示部と第2表示部は、1つの表示装置(例えば表示装置41)の画面を2つに分割したものであってもよい。
以上の説明より、上記実施形態には、画像を表示可能な表示装置と、所定条件の成立により複数の識別情報を変動する変動表示ゲームを行い、該変動表示ゲームの結果が特定の結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能に制御する制御手段と、遊技者の操作動作を検出可能な検出手段と、を備える遊技機において、
前記表示装置は、前記変動表示ゲームを表示する第1表示部と、第2表示部と、を備え、
前記制御手段は、人間の顔の各パーツ画像をそれぞれ複数種類記憶するパーツ記憶手段と、
前記各パーツ画像を選択可能な状態で前記第1表示部または第2表示部に表示する表示制御手段と、前記第1表示部または第2表示部に表示された前記各パーツ画像の中から前記検出手段からの入力に応じてパーツ画像を選択可能な選択手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された各パーツ画像を合成したオリジナルキャラクタ画像を、遊技中に前記第2表示部に表示する演出において表示する発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、表示制御手段は、選択手段により選択された各パーツ画像を合成したオリジナルキャラクタ画像を、遊技中に第2表示部に表示する演出において表示するため、遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技者が自らの意思でキャラクタを作成することができるため、出来上がったキャラクタに対して親しみを感じることとなり、より一層遊技意欲を高めることができる。さらに、オリジナルキャラクタ画像は、遊技中に前記第2表示部に表示する演出において表示するので、第1表示部において機種ごとに設定したテーマに従って表示される表現の一貫性を損なうことがない。
また、上記実施形態には、所定条件の成立を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段を備え、制御手段としての演出制御装置は、前記始動記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行される前に当該始動記憶により開始される変動表示ゲームの結果を判定する先読み判定手段を備え、表示制御手段としての演出制御装置は、第2表示部に、前記始動記憶手段に記憶されている始動記憶の数を認識可能に表示し、前記オリジナルキャラクタ画像を用いた演出表示によって、前記先読み判定手段による判定結果を報知する表示を行う発明が含まれている。
かかる発明によれば、いわゆる先読み表示においてオリジナルキャラクタ画像を用いた演出を行うので、従来にない斬新な表示が行われることで遊技の興趣を高めることができる。また、オリジナルキャラクタ画像が表示されることで、先読み表示に対する遊技者の注意力を高めることができる。
さらに、上記実施形態には、表示制御手段としての演出制御装置は、第2表示部において、オリジナルキャラクタ画像を用いた演出表示で確率状態の報知を行う発明が含まれている。
かかる発明によれば、オリジナルキャラクタ画像を用いた演出表示で確率状態の報知を行うので、従来にない斬新な表示が行われることで遊技の興趣を高めることができる。また、オリジナルキャラクタ画像を用いた演出表示で確率状態の報知を行うので、確率状態の報知に対する遊技者の注意力を高めることができる。
次に、第2発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、遊技機の前面に設けた撮像手段としてのCCDカメラ550により撮影した画像データを利用して専用のハードウェアにより遊技者に似たオリジナルキャラクタ(以下、アバターと称する)を作成するようにしたもので、図19に示すように、CCDカメラ550と演出制御装置300との間には、画像処理ユニット560とアバター作成装置570が設けられている。画像処理ユニット560とアバター作成装置570は、遊技機の裏面に設けられる制御基板上に電子回路として実装することができる。従って、この場合、画像処理ユニット560とアバター作成装置570は、演出制御装置300と共に制御手段を構成しているとみなすことができる。
以上の説明より、本実施形態には、画像を表示可能な表示手段と、所定条件の成立により複数の識別情報を変動する変動表示ゲームを行い、該変動表示ゲームの結果が特定の結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能に制御する制御手段と、遊技者の操作動作を検出可能な検出手段と、を備える遊技機において、
遊技者の顔画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された顔画像に基づいて顔の各部位を認識し、該認識結果に基づいて前記パーツ記憶手段から類似度の高いパーツ画像を選択し、選択したパーツ画像を合成して遊技者の顔画像に似たキャラクタを作成する画像作成手段とを備え、前記制御手段は、画像作成手段により作成されたオリジナルキャラクタ画像を遊技中に表示可能にした発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、オリジナルキャラクタ画像を遊技中に表示可能であるため、遊技の興趣を高めることができる。また、作成されたキャラクタ(アバター)は遊技者に似ているため、思い入れをもって遊技に望むことが出来、遊技意欲を向上させることができる。
上記画像処理ユニット560は、図20に示すように、画像取得部561と顔画像抽出部562と送信部563とを備える。画像取得部561は、カメラ550より出力される撮像画像を取得し、顔画像抽出部562に供給する。顔画像抽出部562は、画像取得部21より供給された画像を解析し、遊技者の顔画像となる部分を抽出し、顔画像と画像中の位置情報とを送信部563に渡し、送信部563は受け取った情報を、画像合成手段としてのアバター作成装置570へ送信する。
上記アバター作成装置570は、図21に示すように、顔画像取得部571と、複数の顔パーツを記憶する記憶部572と、類似度を計算する類似度計算部573と、パーツを合成してアバターを作成するパーツ合成部574とを備える。
顔画像取得部571は、画像処理ユニット560より送信された顔画像と位置情報を受け取って類似度計算部573へ供給する。類似度計算部573は、供給された顔画像を、「顔の輪郭」や「眉」、「目」、「口」など各部に分割し各部分と記憶部572から読み出した各パーツとの類似度を計算し、最も類似しているパーツを選択する。パーツ合成部574は、類似度計算部573により選択されたパーツを位置情報に基づいて合成してアバターを作成し、演出制御装置300へ出力する。
従って、図19〜図21の実施例では、画像処理ユニット560とアバター作成装置570とによってアバター作成手段が構成される。なお、画像処理ユニット560およびアバター作成装置570は、CPU(マイクロプロセッサ)とROMやRAMなどの記憶デバイスと、画像処理機能を有するプログラムとによってファームウェアとして構築するようにしてもよい。また、そのようにした場合、アバター作成手段はCPUを有する演出制御装置300と一体のものとして構成することも可能である。
上記説明より、この実施形態には、遊技者の顔画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された顔画像に基づいて顔の各部位を認識し、該認識結果に基づいて前記パーツ記憶手段から類似度の高いパーツ画像を選択し、選択したパーツ画像を合成して遊技者の顔画像に似たキャラクタを作成するアバター作成手段とを備える発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、作成されたキャラクタは遊技者に似ているため、思い入れをもって遊技に望むことが出来、遊技意欲を向上させることができる。
なお、顔の各パーツは予め記憶されていなくてもよく、撮影画像に基づくパーツ認識処理から新たに作成してするようにしも良い。また、実物よりも見栄えの良いアバターを作成する機能や、特徴のあるパーツ(例えば目)を大きくしたアバターを作成する機能等、撮影画像を加工してアバターを作成する機能を持たせるようにしてもよい。
図22には、第2発明の第3の実施形態における遊技機が示されている。この実施形態の遊技機10は、前面枠12の前面右側に、遊技者による接触操作を検出可能であり、当該接触操作を検出した場合に接触位置を示す検出信号を出力するタッチパネル式の枠表示装置28が配設されている。そして、この枠表示装置28のやや上方に、レンズ551が位置するようにパネル内部にカメラ550が配設されており、枠表示装置28の画面を見ながらアバターを作成するように構成されている。
具体的には、例えば図23(a)のように、枠表示装置28に表示されているメニュー画面の中から「アバター作成」と表示されたボタン画像にタッチすると、(b)のように、カメラ550で撮影した画像が表示される。また、ボタン画像の表示を「撮影」に切り替える。そして、遊技者がこの画像を見て顔が完全に画面に映るような位置に移動させて、ボタン画像にタッチすると、そのときの撮影画像が図20の画像取得部561により取り込まれる。その後は、図19に示されている画像処理ユニット560とアバター作成装置570とによって、撮影された遊技者の顔に類似したアバターが自動的に作成される(c)。
この実施例では、アバター作成装置570は、パーツの異なる複数のアバターA,B,Cを作成して、図20(d)のように枠表示装置28の画面に表示して、いずれかを選択するように促すメッセージも表示する。ここで、遊技者がいずれかのアバター画像にタッチすると選択が完了し、タッチされたアバターの画像のみが枠表示装置28の画面に表示枠表示装置28の画面に表示される(e)。そして、この選択されたアバターが表示装置41の演出においても出現するような制御が行われるようになっている。
なお、後に説明する実施形態のように、遊技機10が表示装置41等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコード(以下、二次元コードと称する)を表示する機能を有する場合、遊技機側の記憶装置(図21の記憶部572)に記憶されている顔を構成するためのパーツと同一のパーツデータをウェブサーバ側にも記憶しておいて、アバターが作成されると、遊技機10側では作成されたアバターを構成しているパーツを特定するためのデータをパラメータの一つとして二次元コードを生成して表示する。ここで、遊技者がこの二次元コードを携帯端末等で取り込んでウェブサーバへ送信すると、ウェブサーバは、二次元コードに含まれるパーツ特定データに基づいてアバターを合成する。
そして、ウェブサーバからサービスデータとして、例えば当該遊技機の変動表示ゲームにおいて発生可能なリーチの数と、当該遊技者が実際の遊技で出現させたリーチや予告演出の種類を一覧として示す図24に示すような演出図鑑データを携帯端末へ送信する際に、ウェブサーバで合成したアバター画像データも送信する。これにより、図24の左上隅に示すように、アバター画像も携帯端末の表示画面上に表示させることができるようになる。また、かかるデータを携帯端末に表示させることで、遊技者はまだ出現していないリーチがどの位あるかを知ることができ、すべて出現させたいという遊技意欲を掻き立てるのに貢献することができる。
さらに、遊技機10が表示装置41等によって二次元コードを表示する機能を有する場合、所定の条件の成立(例えば全リーチ出現や所定時間遊技達成、所定ポイント数獲得等)により何らかの特典を与える際に、オリジナルキャラクタやアバター画像に追加するアイテム画像を指定するデータをパラメータとして二次元コードを生成して表示するようにする。そして、遊技者がこの二次元コードを携帯端末等で取り込んでウェブサーバへ送信すると、ウェブサーバは、二次元コードに含まれるアイテム指定データに基づいて、図25(a)のようにオリジナルキャラクタOCにアイテム画像IPを付加した画像を生成する。なお、ウェブサーバには、予めアイテム指定データに対応したアイテム画像データが格納されている。
また、ウェブサーバは、生成した画像と遊技者が遊技を行っている遊技機の機種における演出等に登場するキャラクタとオリジナルキャラクタやアバターが登場した図25(b)のような画像を作成して携帯端末へ送信する。これにより、遊技者毎に異なる画像を携帯端末の表示画面上に表示させ、遊技者の満足感を高めることができる。
また、アイテム画像データをウェブサーバに格納しておく代わりに、遊技機の記憶装置に格納しておき、追加アイテムに関する情報もパラメータとする二次元コードがウェブサーバへ送信されると、ウェブサーバはパスワードを返信し、遊技者がこのパスワードを入力するとアイテム画像IPを付加した画像が遊技機10の表示装置41等に表示されるように構成してもよい。また、遊技者にパスワードを付与するようにすることによって、例えば翌日でもパスワードを使用した遊技が行えるようにすることができる。
<第3発明の実施形態>
図26には、第3の発明に係る遊技機を使用した遊技システムの概略構成が示されている。
図26に示すように、本発明における遊技システムは、遊技機10と携帯電話機のような無線通信機能を有する携帯端末80とメインサーバ(ウェブサーバ)90とから構成され、携帯端末80とメインサーバ90とは無線通信回線(インターネット)を介してデータの送受信が可能にされている。遊技機10は、図1に示されているものと同様の構成を有する。
メインサーバ90は、コンピュータの一種であり、CPU(マイクロプロセッサ)91や、該CPU91が実行するプログラムや固定データを記憶するROM(リードンオンリメモリ)92、CPU91の作業領域を提供したり遊技機においてユーザ(遊技者)に実行させるミッションやのミッション達成時に遊技者に提供するデータ(画像や音楽など)を記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)93の他、通信機能などを備え、インターネットを介して情報を提供するウェブサーバとして機能するように構成されている。
本実施例の遊技システムにおいては、所定の状態の時もしくは条件が成立した時に、遊技機10が表示装置41(図1参照)等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元コードを表示する機能を有する。そして、表示されたQRコードを、遊技者が所有する携帯端末80の撮影機能(デジカメ)により読み込んで無線通信回線を介してメインサーバ90に送信してミッションを受信し、受信したミッションに応じて遊技者が入力手段(演出ボタン25)を操作することで、ミッションをクリアするゲームを実行することができるように構成されている。そして、ミッションが達成された場合には、例えば遊技者に対して画像(携帯の待ち受け画面)や音楽などのコンテンツを送信したり、例えばオリジナル携帯ストラップのような賞品を提供するなどの特典を付与するようにしている。
図27には、本実施形態において、遊技者がミッションを伴うゲームに参加するために必要とされる二次元コードの表示の仕方の例が示されている。図27(A),(B)は、表示装置41(図1参照)に表示される画面の例を示すもので、例えば遊技機において所定時間遊技が行われていないもしくは所定時間変動表示ゲームが実行されていない場合に表示される客待ちデモ表示の画面であり、図27(A)においては、スピーカからの「QRコードを読み取れ」などのメッセージとともにQRコードQCDが表示される。
また、図27(B)は、QRコードを画像の中に埋め込むようにして表示する例であり、例えば画面に「壁」の画像を表示しているときにあたかもその「壁」の一部を構成しているかのようにQRコードQCDを表示している。さらに、変動表示ゲームを実行する表示装置41ではなくタッチパネル式の表示装置を設け、該表示装置に二次元コードを表示したり、二次元コードが印刷されたシールを遊技機の前面に貼付しておくようにしてもよい。
また、本実施例においては、遊技機の制御手段は、所定時間遊技が行われていないもしくは所定時間変動表示ゲームが実行されていない場合に、表示手段としての表示装置において表示される客待ちデモ表示の画面で最初の二次元コードを表示可能に構成されている。
なお、表示装置41の表示するQRコードQCDは、デモ画面表示中に必ず表示させるのではなく、内部的に演出ボタン25の有効化期間を設定し、設定された有効化期間中に遊技者が演出ボタン25を操作し該操作を内蔵スイッチ(検出手段)が検出したことを条件にして表示するようにしてもよい。そして、この場合、演出ボタンの有効化期間中であることは報知しないようにする。従って、このような実施例の遊技機は、検出手段有効化手段を備え、検出手段が有効化状態であるにもかかわらず有効化状態であることを報知しない有効化非報知状態を発生可能である。
また、このような実施例では、演出ボタン25に内蔵されているスイッチが、遊技者による操作動作を検出可能な検出手段として機能することとなる。また、演出ボタン25にランプを内蔵させ、該ランプを検出手段の有効化状態を報知する有効化状態報知手段として機能させることができる。あるいは、表示装置41の表示や遊技盤や30前面枠12に設けられているランプの点灯により検出手段の有効化状態を報知するようにしてもよい。
以上の説明から、上記実施例には、変動表示ゲームを表示する表示装置を二次元コードの表示手段とし、遊技機の制御手段は、該表示装置において演出のために表示される画像に融合した形態で二次元コードを表示する発明が含まれることが分かる。
近年の遊技機は、一般に、表示装置における演出のために表示する画像として機種ごとに予め決定したテーマに基づいたものを表示するようにしているが、上記発明によれば、二次元コードが演出のための画像に融合して表示されるため違和感がなくなり、機種ごとに設定したテーマによる表現の一貫性を損なうことがない。
図28には、本実施形態の遊技機におけるミッションの取得およびミッションを伴う補助ゲームの流れが示されている。
図28(a)に示すように、表示装置41においてスペシャルリーチ(SリーチA)を伴う変動表示ゲームが実行されると、その途中(a)で、最初のQRコード(QR1)が表示される。遊技者がこのQRコードを携帯端末により読み込んでメインサーバ90に送信すると所定の第1ミッションが送信され、携帯端末によりこれを受信すると、(b)のように携帯端末の表示画面に受信したミッションが表示される。
そして、その後、(c)のようにミッションで指示された例えばスペシャルリーチ(SリーチB)を伴う変動表示ゲームが実行された場合に、その途中で遊技者が適切なタイミングで演出ボタン25を操作することでミッションが達成されると、(d)のように第2のQRコード(QR2)が表示される。遊技者がこのQRコードを携帯端末により読み込んでメインサーバ90に送信すると第2のミッションが送信され、携帯端末によりこれを受信すると、(e)のように携帯端末の表示画面に受信したミッションが表示される。
なお、ミッションで指示されたスペシャルリーチ(SリーチB)を伴う(c)の変動表示ゲームが実行される際には、演出ボタン25に内蔵されているランプを点灯させて、演出ボタンの内蔵スイッチ(検出手段)が有効であることを表示するようにしている。従って、演出ボタンの内蔵スイッチは検出手段の有効化状態を報知する有効化状態報知手段として機能する。
その後、(f)のようにミッションで指示された内容の画面が表示され、そのタイミングで遊技者が入力手段(演出ボタン25)を操作してミッションが達成されると、(g)のように第3のQRコード(QR3)が表示される。遊技者がこのQRコードを携帯端末により読み込んでメインサーバ90に送信すると、サーバがすべてのミッションが達成されたと判定して、例えばメッセージおよびオリジナルの待ち受け画像データを送信する。すると、携帯端末がこれを受信して、(h)のようなメッセージが画面に表示され、(i)のような待ち受け画像を取得することができる。なお、ミッションが達成された時に待ち受け画像のようなコンテンツデータを遊技者へ送信する代わりに、パスワードを送信して、このパスワードにより遊技機における演出内容が変化する(プレミアリーチを見られる)等の特典を提供するようにしてもよい。
以上の説明から、上記実施例には、画像を表示可能な表示手段と、所定条件の成立により複数の識別情報を変動する変動表示ゲームを制御する制御手段と、前記変動表示ゲーム中に検出手段もしくは検出手段からの入力を有効にする検出手段有効化手段と、前記検出手段の有効化状態を報知する有効化状態報知手段と、を備える遊技機において、
前記制御手段は、前記検出手段有効化手段により前記検出手段が有効化状態であるにもかかわらず前記有効化状態報知手段による報知をしない有効化非報知状態を発生可能な有効化状態非報知手段と、前記有効化非報知状態のタイミングで前記検出手段が検出状態になると、インターネットに接続されたサーバにアクセス可能な二次元コードを前記表示手段に表示可能な二次元コード表示設定手段と、を備える発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、変動表示ゲーム中に検出手段を有効にする検出手段有効化手段を備えるため、変動表示ゲーム中でも検出手段が有効なタイミングを探し、探し当てることでサーバにアクセス可能な二次元コードが表示され、表示された二次元コードを遊技者が所有する携帯端末で取り込んでサーバにアクセスすることで、本来の遊技の他にサーバとの連動による補助ゲームを楽しむことが出来る。
図29には、本実施形態の遊技機における図27のようなQRコード表示およびミッション取得に関連して実行される処理の手順の具体例が示されている。このうち、図29(A)は遊技機側の処理、図29(B)はメインサーバ側の処理である。また、特に限定されるものではないが、本実施形態の遊技機においては、遊技機側の制御装置が、遊技機全体を制御する遊技制御装置と表示装置41や装飾ランプなどの制御を行う演出制御装置とによって構成されており、図29(B)の処理は演出制御装置によって実行されるようになっている。
図29(A)に示されている二次元コード表示処理は、所定の状態の時もしくは所定の条件が成立したときに開始され、先ず表示タイミングtiに応じて設定された有効期間中(ti±Δt)であるか否か判定する(ステップS511)。ここで、有効期間中でない(=No)と判定すると、当該二次元コード表示処理を終了する。また、ステップS511で、有効期間中である(=Yes)と判定すると、ステップS512へ進み、最初の演出ボタン25のオンであるか否か判定する。遊技者が連続して何回も演出ボタン25を操作することで偶然にミッションが達成されてしまうのを回避するためである。
ステップS512で、最初の演出ボタン25のオンでない(=No)と判定すると、当該二次元コード表示処理を終了する。また、ステップS512で、最初の演出ボタン25のオンである(=Yes)と判定すると、ステップS513へ進み、二次元コード表示タイミングであるか否か判定する。
ステップS513で、二次元コード表示タイミングでない(=No)と判定すると、当該二次元コード表示処理を終了する。また、ステップS513で、二次元コード表示タイミングである(=Yes)と判定すると、ステップS514へ進み二次元コード(QRコード)を表示する。
図29(B)には、メインサーバ側で実行されるミッション送信処理の手順の具体例が示されている。この処理においては、先ず携帯端末からのアクセスすなわち遊技機が発行した二次元コード(QRコード)に基づくデータを受信したか否か判定する(ステップS351)。ここで、携帯端末からの二次元コードに基づくデータを受信してない(=No)と判定すると、当該ミッション送信処理を終了する。一方、ステップS351で、携帯端末からの二次元コードに基づくデータを受信した(=Yes)と判定すると、ステップS352へ進み、受信した二次元コードに対応したミッションあるいは待ち受け画像などのコンテンツデータを送信する。
図30は、図28のような複数ステージからなるミッションクリアゲームを進行する場合に、各ミッションを表示するゲームにおいて、演出ボタン25の操作タイミング(時間)をランダムに設定できるようにするために、演出制御装置によって実行される二次元コード表示設定処理の手順を示す。
この二次元コード表示設定処理は、所定の状態の時もしくは所定の条件が成立したときに開始され、先ず所定のタイミングで演出ボタン25が操作(プッシュ)されたか否か判定する(ステップS521)。なお、ステップS521における所定のタイミングは、遊技者に報知されていないものとする。
ステップS521で、所定のタイミングの操作(プッシュ)でない(=No)と判定すると、当該二次元コード表示設定処理を終了する。また、ステップS521で、演出ボタン25の操作(プッシュ)が所定のタイミングで操作(プッシュ)された(=Yes)と判定すると、ステップS522へ進み、次のミッションのタイミングをランダムに設定し、設定したタイミングに対応した二次元コードを生成する。その後、ステップS523で、上記設定タイミングで二次元コードを表示可能に設定する。
上記のように、タイミング情報を含む二次元コードを生成することで、携帯端末からそのコードを受信したサーバは、タイミングを反映したミッションを返信することができる。また、遊技者がでたらめに演出ボタン25を操作しても二次元コードが表示されないようにすることができる。
以上の説明より、上記実施例には、二次元コード表示設定手段としての演出制御装置は、有効化非報知状態のタイミングで検出手段が検出すると、次の二次元コードを表示可能なタイミングを設定する発明が含まれていることが分かる。
かかる発明によれば、有効化非報知状態のタイミングで検出手段が検出すると、次の二次元コードを表示可能なタイミングを設定するため、遊技者がむやみに演出ボタンの操作等の行為を行っても二次元コードを表示させることは難しくなる。よって、ゲームの持つ本来の目的を楽しむことが出来る。
図31には、上記二次元コード表示設定処理によるプッシュポイントの設定と二次元コードの表示のタイミングが示されている。
演出制御装置は、所定のタイミングであるプッシュポイントPP1で演出ボタン25が操作(プッシュ)されたと判定すると、ミッション1によるプッシュポイントPP2として所定のリーチ(SPリーチB)開始後tx秒後(txはランダム)を設定する。そして、このミッション1に応じて、プッシュポイントPP2で演出ボタン25が操作(プッシュ)された場合に、ミッション1の達成と判定する。
なお、ミッション1で設定されたプッシュポイントPP2で演出ボタン25が操作(プッシュ)された場合に、抽選を行って次のミッション2を決定し、そのミッションに応じた二次元コードを生成して表示するようにしてもよい。また、上記ミッションとは別に、変動表示ゲーム中に演出ボタン25の操作(プッシュ)を促すメッセージを表示して演出ボタン25の操作があるとそれに応じて変動表示ゲームの演出内容を変化させる制御を行う遊技機があるが、そのような遊技機においては、上記ミッションのためのプッシュポイントは、演出制御のための演出ボタン25の操作促進期間の終了後であって、変動表示停止タイミングの10秒以上前に設定するのが望ましい。
従って、上記実施例には、表示手段としての表示装置における二次元コードの表示可能タイミングは、変動表示ゲームの変動停止より所定時間以上前に設定されるようにする発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、二次元コードの表示を複数の変動表示ゲームにまたがって表示しなくても遊技者は携帯端末へ二次元コードを取り込むことが出来、本来の変動表示ゲームを楽しむ機会が損なわれるのを防止することが出来る。
図32は、上記実施例の変形例におけるミッションのタイミングを示す。この変形例は、1回のリーチ変動表示ゲーム実行中に複数回のミッションを発生可能にしたものであり、これにより遊技者はよりスピーディに進行する補助ゲームを楽しむことができる。
なお、複数のゲームにまたがって3回以上のミッションクリアで遊技者に特典を与えるようにしている場合に、1回のゲーム中に2回以上のミッションを実行する時は最終ミッションまでのステップを飛ばすことができるようにしてもよい。また、このように2回以上のミッションを実行する変動表示ゲームは、大当たりが高確率で発生する変動表示ゲームにおいて発生するようにしてもよい。これにより、1回目のミッションが達成された時に表示される二次元コードによって同一ゲーム内での次のミッションが指令された場合に、当該変動表示ゲームにおける大当たり発生への期待感を高めることができる。
図33は、第3発明の第2の実施例を示す。この実施例は、ミッションが達成された時に、待ち受け画面のようなコンテンツデータを送信する代わりにパスワードを送信するようにし、パスワードを遊技機に入力した場合に提供されるサービスの一例として、演出制御装置によって実行されるリーチ演出追加処理の手順を示す。
このリーチ演出追加処理は、タイマ割込みにより所定の周期ごとに実行するように構成することができる。このリーチ演出追加処理が開始されると、先ずパスワードが入力されたか否か判定する(ステップS531)。そして、パスワードが入力されていない(=No)と判定すると、何もせずに当該リーチ演出追加処理を終了する。
一方、ステップS531で、パスワードが入力された(=Yes)と判定すると、次のステップS532で新しいリーチ演出を発生可能に設定して当該リーチ演出追加処理を終了する。
ここで、新しいリーチ演出を発生可能な設定とは、例えば通常の遊技状態で実行される変動表示ゲームにおけるリーチ演出を決定するのに使用する図34(A)のような選択テーブルTBL1を、通常の遊技状態では出現することのないリーチ演出を含む図34(B)のようなテーブルTBL2に切り替えることを意味する。また、以前から表示可能なリーチの出現率を変えたテーブルに変更しても良い。
図35は、第3発明の第3の実施例を示す。この実施例は、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン25を、プッシュ式の押圧操作部他に回転操作部を有するように構成し(図44参照)、あるミッションが達成された時に、次のミッションを与える二次元コードを回転操作部の操作によって切り替えることができるようにしたものである。
この実施例の場合、例えば表示される二次元コードを、対応するミッションの難易度に応じて色彩を変えて表示する(例えば「青」→「黄」→「赤」→「虹色」)とともに、難易度の高いミッションが達成された場合には、複数のステージからなる補助ゲームの最終ミッションまでのステップを一部飛ばして進行するようにしている。これにより、遊技者のレベルに応じた補助ゲームを提供し、より一層遊技の興趣を高めることができる。
図36は、第3発明の第4の実施例を示す。この実施例は、遊技者が所有する携帯電話機の電話番号などをIDコードとして、遊技機の制御装置またはメインサーバが各遊技者の遊技履歴情報を記憶可能な遊技機もしくは遊技システムにおいて、遊技者ごとの累積遊技時間に応じて、ミッションおける演出ボタン25の操作タイミングを報知したり報知しないようにしたものである。
具体的には、例えばミッションが図36(a)のように「スペシャルリーチB(SPリーチB)開始5秒後に演出ボタンをプッシュせよ」である場合、当該遊技者の累積遊技時間が例えば100時間以上であれば、(b)のように演出ボタンの操作タイミングを報知する。また、当該遊技者の累積遊技時間が例えば10時間以上100時間未満であれば、(c)のように演出ボタンの操作タイミングをあいまいに報知し、累積遊技時間が例えば10時間以内あるいは登録されていない遊技者であれば、(d)のように演出ボタンの操作タイミングを報知しないように制御する。これにより、遊技者は累積遊技時間に応じて補助ゲームを楽しむことができる。つまり、より長い時間、遊技を行っている遊技者ほどミッションを達成し易くなり、ミッションクリアによる特典を得ることが容易となる。
図37は、第3発明の第1〜第4の実施例に共通の変形例を示す。この変形例は、ミッション付与のための二次元コードの表示時間が短いと、慣れていない遊技者は二次元コードを取得(撮影)する前に表示されなくなってしまうおそれがあるので、複数の変動表示ゲームにまたがって二次元コードを表示するようにしたものである。また、タイミングt2のように、二次元コードの表示の契機となった演出ボタン操作の次の演出ボタンの操作で二次元コードの表示を中止するように制御している。これにより、遊技に慣れていない遊技者であっても、確実にミッションを伴う補助ゲームを楽しむことができるとともに、ミッションクリアによる特典を得ることができる。
また、変動表示ゲームを実行する表示装置41の他に、例えば遊技機の一側部にタッチパネル式の表示装置を設けたものにおいては、表示装置41に二次元コードが表示されている状態で、演出ボタン25を操作すると表示装置41に表示されていた二次元コードが消えて、代わりにタッチパネル式の表示装置に二次元コードが表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者は、上記のような操作によりタッチパネル式の表示装置に二次元コードが表示させてから余裕を持って二次元コードを携帯端末に取り込むことができるようになる。
以上の説明より、上記実施例には、内蔵スイッチのような検出手段によって操作されたことが検出される操作手段を備え、二次元コード表示設定手段としての演出制御装置は、前記操作手段が操作されたことを前記検出手段が検出したことに応じて二次元コードの表示を開始し、再度前記操作手段が操作されたことを前記検出手段が検出するまで継続して二次元コードを表示させるようにした発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、操作手段の操作で表示された二次元コードは、再度操作手段が操作されるまで継続して表示されるため、遊技者は表示されている二次元コードを携帯端末に確実に取り込むことが出来る。
<第4発明の実施形態>
図38には、本発明に係る遊技機を使用した遊技システムの概略構成が示されている。
図38に示すように、本発明における遊技システムは、遊技機10と携帯電話機のような無線通信機能を有する携帯端末80とメインサーバ90とから構成され、携帯端末80とメインサーバ90とは無線通信回線(インターネット)を介してデータの送受信が可能に構成される。
メインサーバ90は、コンピュータの一種であり、CPU(マイクロプロセッサ)91や、該CPU91が実行するプログラムや固定データを記憶するROM(リードンオンリメモリ)92、CPU91の作業領域を提供したり遊技機の経歴データやユーザ(遊技者)のデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)93の他、通信機能などを備え、インターネットを介して情報を提供するウェブサーバとして機能するように構成されている。
本実施例の遊技システムにおいては、人(遊技者)が遊技機10に対して上記演出ボタンのような入力手段を操作すると、遊技機10は表示装置41(図65参照)等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコードを表示する。そして、表示されたこのQRコード(登録商標)を、携帯端末80が備える撮影機能(デジカメ)により読み込んで無線通信回線を介してメインサーバ90に送信してパスワードを取得し、取得したパスワードを入力手段により入力することで遊技機10により特別な遊技態様による遊技などのサービスを受けることができるように構成されている。従って、演出ボタンは、識別コードを入力可能な入力手段として機能する。
また、携帯端末80が備える撮影機能(デジカメ)は、非接触情報読取手段として機能する。なお、QRコード(登録商標)の代わりに、赤外線などの無線通信信号により同様なコードを遊技機10から携帯端末80へ送信するように構成してもよい。
図39には、図38の遊技システムを構成する遊技機における遊技者による遊技開始の流れが示されている。
図39に示すように、遊技機において所定時間遊技が行われていない場合に表示装置41において客待ちデモ表示が行われている状態あるいは変動表示ゲームの停止表示がされている状態(a)で、本実施形態の遊技機が提供する独自のサービスモード(以下、RPGモードと称する)による遊技を開始したい遊技者が演出ボタンを押圧操作すると、表示装置41に遊技履歴の表示や「RPGモードの開始」、「RPGモードの終了」のいずれかを選択するメニュー画面(b)が表示される。この画面で「RPGモードの開始」を選択すると、(c)のような入力画面が表示される。
既にパスワードを取得している遊技者は、この画面で、パスワードを入力すると前回の遊技の経過を反映した遊技(継続)が開始される。一方、パスワードを持っていない遊技者は、「初めから」を選択すると、RPGモードの最初(遊技経過情報が「0」の初期状態)からの遊技が開始され、遊技終了時(画面(b)で「RPGモード」の終了が選択された時)に表示装置41に(d)のようにQRコード(登録商標:以下、同様)が表示されるので、これを携帯端末のカメラ機能で撮影して送信すると、メインサーバからパスワードが返信され、このパスワードを使用して次回のRPGモードによる遊技を行なったりコンテンツの取得などの様々なサービスの提供を受けることができる。
演出ボタンによるパスワード等の具体的な入力の仕方やRPGモードによる遊技の例、「RPGモードの終了」が選択された際の処理については、後に詳しく説明する。なお、本実施例の遊技機においては、上記のようなRPGモードによる遊技をしたくない遊技者が、演出ボタンを操作せずに遊技球を上皿に投入して発射操作ダイヤルを操作すると、従来の遊技機と同様な遊技が行えるように構成してもよい。
図40〜図42には、本実施形態の遊技機におけるパスワードに入力や取得に関連して実行される処理の手順の具体例が示されている。このうち、図40および図41は遊技機側の処理、図42はメインサーバ側の処理である。また、特に限定されるものではないが、本実施形態の遊技機においては、遊技機側の制御装置が、遊技機全体を制御する遊技制御装置と表示装置41や装飾ランプなどの制御を行う演出制御装置とによって構成されており、図40および図41の処理は演出制御装置によって実行されるようになっている。
図40には遊技開始時設定処理の手順の具体例が示されている。この処理は、演出ボタンが押圧操作されたことに基づいて開始され、先ず大当たり中または変動表示ゲームの実行中か否かすなわち客待ちデモ表示中か否か判定する(ステップS201)。ここで、大当たり中または変動表示ゲームの実行中である(=Yes)と判定すると、当該遊技開始時設定処理を終了する。一方、ステップS201で、大当たり中または変動表示ゲームの実行中でない(=No)と判定すると、ステップS202へ進み、図39(b)のメニュー画面を表示する。
続いて、遊技開始時のパスワード入力可能操作すなわち図39(b)の画面において「RPGモードの開始」が選択されたか否か判定する(ステップS203)。そして、「RPGモードの開始」が選択されていない(=No)と判定すると、当該遊技開始時設定処理を終了する。また、ステップS203で、「RPGモードの開始」が選択された(=Yes)と判定すると、ステップS204へ進み、図39(c)のパスワード入力可能画面を表示する。それから、図39(c)の画面において「初めから」が選択されたか否か判定する(ステップS205)。
ここで、「初めから」が選択された(=Yes)と判定するとステップS206へ移行し、「初めから」の選択操作が実施されたことを記憶し、次のステップS207で初期状態の遊技態様に設定して遊技開始時設定処理を終了する。また、このとき演出制御装置の記憶装置(RAM)内に用意される遊技履歴情報記憶領域は、初期状態(累積遊技データ等が0の状態)にされる。
一方、ステップS205で、「初めから」が選択されてない(=No)と判定すると、ステップS208へ進み、パスワードが入力されたか否か判定する。そして、パスワードが入力されていない(=No)と判定すると、当該遊技開始時設定処理を終了する。また、ステップS208で、パスワードが入力された(=Yes)と判定するとステップS209へ移行し、パスワードに基づく遊技態様に設定して遊技開始時設定処理を終了する。
図41には遊技終了時設定処理の手順の具体例が示されている。この処理も、演出ボタンが押圧操作されたことに基づいて開始され、先ず大当たり中または変動表示ゲームの実行中か否かすなわち客待ちデモ表示中か否か判定する(ステップS211)。ここで、大当たり中または変動表示ゲームの実行中である(=Yes)と判定すると当該遊技終了時設定処理を終了する。一方、ステップS211で、大当たり中または変動表示ゲームの実行中でない(=No)と判定すると、ステップS212へ進み、図39(b)のメニュー画面を表示する。
続いて、遊技終了時のパスワード入力可能操作すなわち図39(b)の画面において「RPGモードの終了」が選択され遊技終了時のパスワード入力可能操作があったか否か判定する(ステップS213)。そして、遊技終了時のパスワード入力可能操作がされていない(=No)と判定すると、当該遊技終了時設定処理を終了する。また、ステップS213で、「RPGモードの終了」が選択され遊技終了時のパスワード入力可能操作がなされた(=Yes)と判定すると、ステップS214へ進み、図39(c)のパスワード入力可能画面を表示する。それから、図39(c)の画面において、「初めから」が選択されたか否か判定する(ステップS215)。
ここで、「初めから」が選択された(=Yes)と判定するとステップS218へ移行し、遊技中に記憶した「累積遊技結果」に基づいてQRコードを表示して遊技終了時設定処理を終了する。一方、ステップS215で、「初めから」が選択されてない(=No)と判定すると、ステップS216へ進み、パスワードが入力されたか否か判定する。そして、パスワードが入力されていない(=No)と判定すると、遊技終了時設定処理を終了する。
また、ステップS216で、パスワードが入力された(=Yes)と判定するとステップS217へ移行し、記憶されているパスワードと同じパスワードが入力されたか否か判定する。ここで、記憶されているパスワードと同じパスワードでない(=No)と判定すると、遊技終了時設定処理を終了する。また、ステップS217で、記憶されているパスワードと同じパスワードが入力された(=Yes)と判定するとステップS218へ移行して、遊技中に記憶した「累積遊技結果」に基づいてQRコードを表示して遊技終了時設定処理を終了する。
図42にはメインサーバ側で実行されるパスワード送信処理の手順の具体例が示されている。この処理においては、先ず携帯端末からのアクセスすなわち遊技機が発行したQRコードを受信したことを検出したか否か判定する(ステップS301)。ここで、携帯端末からのアクセスを検出してない(=No)と判定すると、当該パスワード送信処理を終了する。一方、ステップS301で、携帯端末からのアクセスを検出した(=Yes)と判定すると、ステップS302へ進み、受信したQRコードに応じて累積遊技データを更新する。
その後、サービス送信の条件が成立したか否か判定する(ステップS303)。そして、サービス送信の条件が成立していない(=No)と判定すると、ステップS304で次のパスワードを送信して当該パスワード送信処理を終了する。また、ステップS303でサービス送信の条件が成立した(=Yes)と判定するとステップS305へ移行して、次のパスワードと携帯端末の待ち受け画像などのサービスデータを送信して当該パスワード送信処理を終了する。なお、サービスデータは一度だけ送信される。
なお、メインサーバ90から携帯端末80へ送信されるサービスデータとしては、例えば図43(A)に示すような、当該遊技機の変動表示ゲームにおいて発生可能なリーチの数と、当該遊技者が実際の遊技で出現させたリーチや予告演出の種類を一覧として示す演出図鑑データや、(B)に示すような、当該遊技者のやりこみ度合を示すやりこみデータなどが考えられる。かかるデータを携帯端末に送信して表示させることで、遊技者はまだ出現していないリーチがどの位あるかを知ることができ、すべて出現させたいという遊技意欲を掻き立てるのに貢献することができる。
本実施例のようなサービスの提供は、例えば遊技機を管理する管理装置が、インターネットを介してメインサーバへ、当該遊技機がRPGモード中に出現させたリーチや予告演出の種類を逐次送信するように構成することで可能である。ここで、リーチ(リーチ状態)とは、複数の識別情報が変動表示する変動表示ゲームにおいて、複数の識別情報の一部がまだ導出表示(停止)されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
図44には、第4発明の実施形態における入力手段としての演出ボタンの具体的な構成例が示されている。図44において、(A)は平面図、(B)は非操作状態の断面図、(C)は操作状態の断面図である。
図44に示されている演出ボタンは、中央に圧縮バネおよびオン・オフスイッチを内蔵した円形の押圧操作部25aと、該押圧操作部25aの外周に嵌合するように配置された円環状の回転操作部25bとからなる。押圧操作部25aは、これを指で押すと内部のスイッチがオン状態にされ、指を離すと圧縮バネの復元力で元の位置に戻り内部のスイッチがオフ状態になる。
一方、回転操作部25bは、内部に一対のスイッチを備えるとともに時計回り方向および反時計回り方向に回動可能に構成され、時計回り方向へ所定角度だけ回動させると第1のスイッチがオンされ、反時計回り方向へ所定角度だけ回動させると第2のスイッチがオンされるようになっている。この実施例では、回転操作部25bの第1スイッチのオン信号は、表示装置41に表示される図39(b)や(c)の画面に表示されるカーソルCを順方向Aへ移動させる信号として使用され、回転操作部25bの第2スイッチのオン信号は、カーソルCを逆方向へ移動させる信号として使用される。また、押圧操作部25aの内蔵スイッチのオン信号は、カーソルCで選択された指令や文字を入力情報として確定する決定信号として使用されるようになっている。
なお、図44の回転操作部25bは、内部に時計回り方向と反時計回り方向への回動を検出する一対のスイッチを備えると説明したが、一方向の回動のみ検出するスイッチを設け、カーソルは一方向のみ移動可能に構成してもよい。この場合、最後まで移動したカーソルは先頭へジャンプするように表示される。また、図44に示す入力手段は一例であって、図64に示す遊技機のように、前面枠12の側部にタッチパネル式の枠表示装置28を設け、該枠表示装置28に図39(b)や(c)に示すような画面を表示して、表示されているボタンに触れたことを検出して入力信号として取り込むように構成してもよい。従って、この場合には、タッチパネル式の表示装置が、識別コードを入力可能な入力手段として機能する。
また、図64に示すようなタッチパネル式の枠表示装置28を設けた場合には、枠表示装置28においてQRコードを表示するようにしてもよい。タッチパネル式の枠表示装置28を設ける代わりに、遊技領域の表示装置41そのものをタッチパネル式の表示装置としてもよい。また、タッチパネル式表示装置は単独の装置として構成してもよいし、変動表示ゲームを表示可能な表示装置をタッチパネル式表示装置で構成することにより、前記情報出力手段および入力手段と兼用の装置として構成してもよい。なお、図64に示されている遊技機の構成およびそれに内蔵される機能や制御装置については、後に詳しく説明する。
以上の説明より、上記実施例には、遊技機が情報出力手段を備え、情報出力手段は、遊技機前面側に設けられ、接触可能な表示部を備え、該表示部に接触したことを検出可能なタッチパネル式表示装置である発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、遊技機前面側にタッチパネル式表示装置を設けているため、識別コードを素早く入力することが出来るとともに、表示部にアクセス情報を表示させることができ、それによって遊技者はアクセス情報を取得し易くなる。すなわち、パチンコ機のような遊技機の場合、一般に、遊技領域に表示装置が設けられておりその前面にガラス板があるため、遊技領域の表示装置にアクセス情報を表示しても周囲の光の反射等で読み取りにくい場合がある。しかし、本実施例のように、遊技前面側に接触可能な表示部を備えるタッチパネル式表示装置を設けることで、該装置の表示部に表示されたアクセス情報を取得し易くなる。
次に、本実施形態の遊技機の演出制御装置によって、RPGモードの遊技中に実行される処理の一例について説明する。
図45は、演出制御装置によって実行される遊技態様変更処理の手順を示す。この遊技態様変更処理は、例えばタイマ割込みにより所定の周期ごとに実行するように構成することができる。
この遊技態様変更処理が開始されると、先ず累積遊技データ(例えば変動表示ゲーム実行回数)が所定値(例えば1000回)を超えたか否か判定する(ステップS221)。そして、所定値を超えていない(=No)と判定すると、何もせずに当該遊技態様変更処理を終了する。
一方、ステップS221で、累積遊技データが所定値を超えた(=Yes)と判定すると、次のステップS222で遊技態様を変更して当該遊技態様変更処理を終了する。ここで、遊技態様の変更とは、例えば表示装置41で実行される変動表示ゲームの背景画像を通常の遊技状態とは異なる画像に変換する等、遊技機において進行する遊技の演出状態や遊技環境を変更して、遊技がマンネリ化するのを防止したり、遊技者に達成感あるいは得をしたような気分を与える処理を意味する。
上記説明より、制御手段としての演出制御装置は遊技態様設定手段と遊技経過情報記憶手段を備え、遊技態様設定手段は、遊技開始時に第1識別コードを取り込んでから、遊技終了時に前記第1識別コードを取り込むまでの間でも、遊技経過情報記憶手段に記憶された情報に基づき遊技態様を変更可能であることが分かる。そして、かかる構成によれば、遊技開始から終了までの間でも遊技経過に応じて遊技態様が変化するので、遊技の進行が多様化し遊技の興趣を高めることが出来る。なお、遊技経過情報記憶手段の記憶は、入力操作部の操作によりクリア可能に構成しても良い。
図46は、演出制御装置によって実行されるリーチ演出追加処理の手順を示す。このリーチ演出追加処理も、タイマ割込みにより所定の周期ごとに実行するように構成することができる。
このリーチ演出追加処理が開始されると、先ず図43(A)のようなリーチ演出図鑑に登録されているすべてのリーチが出現したか否か判定する(ステップS231)。そして、すべてのリーチが出現していない(=No)と判定すると、何もせずに当該リーチ演出追加処理を終了する。
一方、ステップS231で、すべてのリーチが出現した(=Yes)と判定すると、次のステップS232で新しいリーチ演出を発生可能に設定をして当該リーチ演出追加処理を終了する。
ここで、新しいリーチ演出を発生可能な設定とは、例えば通常の遊技状態で表示装置41において実行される変動表示ゲームにおけるリーチ演出を決定するのに使用する図47(A)のような選択テーブルTBL1を、通常の遊技状態では出現することのないリーチ演出を含む図47(B)のようなテーブルTBL2に切り替えることを意味する。また、以前から表示可能なリーチの出現率を変えたテーブルに変更しても良い。
上記説明より、上記実施例には、制御手段としての演出制御装置は遊技経過情報記憶手段を備え、変動表示ゲームは複数の識別情報の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たすリーチ状態を経由可能であり、遊技経過情報記憶手段は、第1識別コードとしてのパスワードを取り込んでから開始された遊技中に実行された変動表示ゲームで発生したリーチ状態の種類を記憶し、遊技態様設定手段は記憶したリーチの種類が所定条件を満たすと新たなリーチ状態を発生可能に設定するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、第1識別コードを取り込んでから開始された遊技中に実行された変動表示ゲームで発生したリーチ状態の種類を記憶し、記憶したリーチの種類が所定条件を満たすと新たなリーチ状態が発生可能にされるので、通常の遊技状態では出現しないリーチ状態が新たに発生することで、遊技の興趣を高めることが出来るようになる。
次に、図48を用いて、本実施形態の遊技機において、RPGモードの遊技中に特典を付与するサービス付与処理について説明する。
この実施例のサービス付与は、遊技制御装置と演出制御装置との協同で実行するようになっている。具体的には、サービス付与の条件となる遊技経過情報として始動記憶のオーバーフローの発生回数を採用し、回数に応じたサービスを付与するようにしたものである。オーバーフローの発生回数に応じたサービスを付与することで、始動記憶数が最大値(4個)になると打球の発射を中断するいわゆる止打ちを防止する効果が期待できる。
図48(A)には遊技制御装置側におけるオーバーフロー情報送信処理の手順が、また図48(B)には演出制御装置側におけるオーバーフローカウント処理の手順が、さらに図49には演出制御装置側における遊技終了時設定処理の手順が示されている。
図48(A)に示す遊技制御装置のオーバーフロー情報送信処理においては、先ず大当たり中または普電サポート中であるか否か判定する(ステップS141)。そして、大当たり中または普電サポート中である(=Yes)と判定すると、何もせずにオーバーフロー情報送信処理を終了する。
また、ステップS141で、大当たり中または普電サポート中でない(=No)と判定すると、次のステップS142で、始動記憶のオーバーフローが発生したか否か判定する。ここで、オーバーフローが発生していない(=No)と判定すると、何もせずに当該オーバーフロー情報送信処理を終了する。
一方、ステップS142で、オーバーフローが発生した(=Yes)と判定すると、次のステップS143で演出制御装置へオーバーフロー情報を送信する設定を行なってオーバーフロー情報送信処理を終了する。なお、ここで「普電サポート中」とは大当たり遊技終了後に普通変動入賞装置37(図65参照)の開放時間を長くしたり普図変動ゲームの当り確率を高くする等の制御による通常よりも賞球が発生しやすい状態、遊技者に有利な遊技状態のことである。
図48(B)に示すように、演出制御装置側によるオーバーフローカウント処理においては、先ず遊技制御装置からのオーバーフロー情報を受信しているか否か判定する(ステップS241)。そして、受信していない(=No)と判定すると、何もせずに当該オーバーフローカウント処理を終了する。一方、ステップS241で、オーバーフロー情報を受信した(=Yes)と判定すると、次のステップS242で、演出制御装置側のRAM内に設定されているオーバーフローカウンタを更新(+1)して当該オーバーフローカウント処理を終了する。
その後、RPGモードの遊技終了時に図49の遊技終了時設定処理を実行する。なお、図49の遊技終了時設定処理は、既に説明した図41の遊技終了時設定処理に代わるものであるので、重複した説明は省略する。図41との相違点は、ステップS218でQRコードを表示した次のステップS219で、オーバーフローカウンタをクリアして遊技終了時設定処理を終了する点にある。
なお、本実施例のステップS218で表示されるQRコードは、オーバーフローカウンタの値を反映したものとなり、QRコードを用いて遊技者は例えばメインサーバより携帯端末の表示装置に表示可能なプレミア画像のようなコンテンツの提供を受けることができるなどのサービスが付与される。また、付与される画像は、携帯端末の表示装置に表示するものではなく、遊技機の表示装置41に表示される画像であってもよい。その場合、遊技者は次回の遊技開始の際に前回の遊技終了時に表示されたQRコードにより取得したパスワードを入力することで、遊技機の表示装置41に表示される画像を通常時とは異なるものにすることができる。
オーバーフロー回数で付与する所定のサービスとして画像を付与する場合には、図50に示すように、所定の期間ごとに付与する画像の更新期間を設けるようにするとよい。これにより、例えば画像付与のサービスを受けることを目的として、始動記憶のオーバーフローを多く発生させるようなことを行う遊技者を、過剰に遊技にのめり込ませないようにすることができる。また、サービス付与の条件となる遊技経過情報は、始動記憶のオーバーフローの発生回数に限定されるものではなく、例えば図51(A)に示す表の左側の欄に示すようなものが考えられる。さらに、サービスの付与は、いちいちQRコードを表示してそれをメインサーバに送るのではなく、演出制御装置が遊技経過情報に基づいてサービスを付与するか否か判定して実行するようにしてもよい。
付与するサービスの内容も、画像に限定されず音楽などであってもよいし、画像の内容も図51(A)に示す表の右側の欄に示すように、様々に遊技状況での画像が考えられる。なお、図51(A)の表において、「回転数」とは変動表示ゲームの実行回数のこと、「確変中」とは大当たりの発生の確率の高い遊技状態(いわゆる確変状態)のこと、「転落回数」とは確変状態から確率の低い状態へ移行した回数のこと、「中サポ」とは普電サポートの一種であり普図変動時間を長めにしたり普通変動入賞装置(普電)37の開放時間を短めにして通常の普電サポートよりも出球が少なくなるようにした緩めのサポート状態を意味する。「ミッション」とは、遊技中に遊技者に操作スイッチ25を使用して表示装置41に表示されている指令を達成したり、操作スイッチを操作せずに表示装置41に表示されている指令通りの変動表示ゲームを実行したり、操作スイッチを操作せずに指令通りの図柄でリーチを発生したりするような遊技のことである。
なお、変動表示ゲームを行わなくても、始動入賞した時点で回転数として計数しても良い。また、始動入賞のオーバーフロー分も回転数に加えても良い。さらに、図51(B)に示すように、「回転数」の値に応じて付与する画像(音楽でもよい)を変えるように制御してもよい。また、図51(A)の表に示されている「曜日に合わせた画像」として、図52に示すように、曜日毎に画面の異なる領域の分割画像を付与し、全曜日遊技した場合に完成した画像を見ることができるようにしてもよい。そして、この場合、例えば月曜日のように統計的に客の入りがよくない特異な曜日には、画像の中央のような重要部位の画像を付与するようにすることで、特異な曜日における遊技店の営業成績のアップを図ることも可能となる。条件をクリアした場合に、画像データや音楽データを携帯端末でダウンロード可能となるように設定しても良い。
上記説明より、上記実施例には、複数の識別情報が変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示装置と、始動条件の成立により前記表示装置にて変動表示ゲームを開始させ、結果が予め定められた特別停止態様であった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能に制御する制御手段と、外部より操作可能な入力手段と、を備える遊技機において、
前記制御手段は、遊技開始時および終了時に前記入力手段の操作により入力された第1識別コードを取り込む入力部と、遊技開始時に入力された前記第1識別コードに基づいて変動表示ゲームに関わる遊技態様を設定可能な遊技態様設定手段と、遊技開始時に前記第1識別コードを取り込んでから、遊技終了時に前記第1識別コードを取り込むまでの間に発生した遊技経過情報を記憶する遊技経過情報記憶手段と、前記第1識別コードと前記遊技経過情報記憶手段に記憶された遊技経過情報に基づいて、遊技経過情報の累積値である累積遊技経過情報にアクセスするためのアクセス情報を出力する情報出力手段と、を備える発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、遊技開始時に入力された第1識別コードにより遊技態様が変更可能であるので、第1識別コードとアクセス情報とを関連させることで、遊技者は累積遊技経過情報に応じて様々なヴァリエーションの遊技を楽しむことが出来、遊技の興趣が高まる。また、他の遊技機でのゲームの進行段階情報に応じて当たり外れ確率を切り替えることはしないので、遊技の公平性を欠くことがない。
また、上記説明より、上記実施例には、制御手段としての演出制御装置は、遊技経過情報記憶手段と、遊技態様設定手段と、始動条件の成立を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段とを備え、遊技経過情報記憶手段は始動記憶手段の記憶数が上記上限数に達している状態で新たな始動条件が成立するオーバーフロー状態が発生した回数を記憶し、遊技態様設定手段は、前記記憶した始動記憶のオーバーフロー回数が所定数に達すると新たな遊技態様を設定可能である発明が含まれることが分かる。
かかる発明によれば、始動記憶のオーバーフロー回数が所定数に達すると新たな遊技態様を設定されるので、遊技の興趣を高めることが出来るとともに、始動記憶数が上限数に達すると遊技者が打球の発射を停止するいわゆる止め打ちを行うのを抑制することが出来るようになる。
なお、上記実施例に前記第3の発明の実施例を適用して、サーバの記憶装置にキャラクタのパーツ画像データを記憶しておくとともに、遊技機の表示装置に二次元コードを表示する際に遊技者が選択したキャラクタのパーツを特定するデータもパラメータとして二次元コードを生成し、携帯端末で取り込まれた二次元コードによりウェブヘのアクセスが行われたことに応じて、サーバより図43(A)に示すような演出図鑑データを送信する際に、図24に示すようにオリジナルキャラクタを含む画像を送信するようにしてもよい。
このようにした場合の実施例には、制御手段としての演出制御装置は、遊技開始時と終了時に第1識別コード(パスワードもしくはIDコード)を入力可能な入力部と、遊技開始時に入力された前記第1識別コードに基づいて変動表示ゲームに関わる遊技態様を設定可能な遊技態様設定手段と、遊技開始時に前記第1識別コードを入力してから、遊技終了時に前記第1識別コードを入力するまでの遊技経過情報を記憶する遊技経過情報記憶手段と、前記第1識別コードと前記遊技経過情報記憶手段に記憶された遊技経過情報に基づいて、遊技経過情報の累積値である累積遊技経過情報にアクセスするためのアクセス情報を出力する情報出力手段と、を備え、前記遊技経過情報記憶手段は、前記オリジナルキャラクタに関する情報を記憶可能である発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技開始時に入力された第1識別コードにより遊技態様が変更可能であるので、第1識別コードとアクセス情報とを関連させることで、遊技者は累積遊技経過情報に応じて様々なヴァリエーションの遊技を楽しむことが出来る。また、累積遊技経過情報により遊技態様が変更可能であるのでさらにヴァリエーションのある遊技を楽しむことが出来、遊技の興趣が高まる。
次に、第4発明における第2の実施例について説明する。
第2の実施例は、グループ化された複数の遊技者間でQRコードを分け合ったり、グループ内の他の遊技者(仲間)の遊技データを閲覧したり、仲間が取得したコンテンツなどのサービスデータを取得できるようにしたものである。なお、QRコードやパスワードを使用して遊技を行う基本的な構成は第1の実施例と同様である。
図53には、一例として2人の遊技者AとBがグループを結成してデータを共有できるようにしたシステムの概念が示されている。図53に示すように、遊技者Aがパチンコ機10Aにパスワードを入力して遊技を行い、発行されたQRコードを携帯端末80Aで取り込んでメインサーバ90へ送信して新たなパスワードを取得する。また、遊技者Bはパチンコ機10Bにパスワードを入力して遊技を行い、発行されたQRコードを携帯端末80Bで取り込んでメインサーバ90へ送信して新たなパスワードを取得する。
この実施例では、メインサーバ90に複数の遊技者をグループとして結合する機能が設けられており、遊技者Aと遊技者Bが同じグループの仲間としてメインサーバ90に登録されていると、A,B間で互いに仲間のデータを閲覧したり、遊技者Bの携帯端末80Bから遊技者Aの携帯端末80Aへ遊技者Bが取得したQRコードを送信して、遊技者Bが取得したQRコードを遊技者Aが利用できる(逆も可)ように構成されている。なお、この実施例では、QRコードは単にパスワードを取得するためのものでなく、何らかの有意な価値に変換可能なポイントを取得することにも利用される。
図54には、本実施例における遊技を開始する前の設定方法の一例が示されている。
この実施例では、図54(A)のようにシステムにアクセス可能にするための最初のQRコードが遊技機10のガラス枠あるいは前面枠の表面に表記されており、遊技者は携帯端末でこのQRコードを取り込んでメインサーバへ、アクセスすると、(B)のように携帯端末の表示パネルに名前とパスワードの入力可能画面が表示される。このパスワードはメインサーバから付与されるものではなく、同一氏名の遊技者を区別したり他人が勝手に携帯端末を使用して本人になりすましてデータを取得するのを回避するため、携帯端末の所有者が決定するパスワードである。
携帯端末を用いて名前とパスワードを入力すると、(C)のように登録が完了し取得したデータを閲覧したりすることが可能となる。なお、図54には示されていないが、グループ名とグループのパスワードを入力する画面を表示することでグループの結成や既登録グループへの追加登録が可能となるように構成してもよい。
次に、図55を用いて、本実施例の特有の機能の一例について説明する。
図55は、遊技開始前にパスワードの入力を忘れた場合の遊技終了後のポイント合算手順を示す。ちなみに、遊技開始前にパスワードを入力していると、遊技終了時に遊技機がQRコードを表示し、携帯端末を使ってそのQRコードを読み込んでメインサーバにアクセスすると、当該遊技者のポイント欄に新たに取得したポイントが自動的に加算される。
遊技開始前にパスワードの入力を忘れた場合には、図55(a),(b)に示すように、遊技機の表示装置に表示されたQRコードQR1を携帯端末で取り込んで送信する。すると、(c)のように携帯端末の表示パネルにQRコードQR1に対応したポイントが表示される。ここで、自分の名前とパスワードを入力すると自己のポイントとして加算される一方、仲間からもらっているポイントを加算したい場合には、画面に表示されている「追加」ボタンを選択すると、(d)のような追加を促すメッセージが表示される。
ここで、友人が取得し転送を受けたQRコードQR2を表示してメインサーバへ送信すると、当該QRコードQR2が未使用でポイントの加算が可能な場合には、(h)のように携帯端末の表示パネルに名義と確認のための表示が行われ、「Yes」を選択して送信するとメインサーバにおいてポイントの加算が実行され、携帯端末に加算された結果が表示される(i)。
一方、友人から転送を受けたQRコードQR2が既に使用されているものであるとメインサーバが判定した場合には、(j)のように使用済みであるとのメッセージと、QRコードQR2の取得者であった遊技者を仲間として登録するか選択する画面が表示される。ここで、「Yes」を選択して送信すると、メインサーバにおいて同一グループに仲間として登録する処理が行われる。このように、転送を受けたQRコードを利用してグループの登録を行うことができるようにすることで、グループ登録処理を簡略化することができる。
上記説明より、上記実施例のメインサーバは、第1アクセス情報と第2アクセス情報に基づき合計遊技経過情報を算出可能なアクセス情報合算手段を備えることが分かる。これにより、識別コードを入力しなくても、遊技後データを上乗せすることが可能となる。上記実施例において、友人が取得し転送を受けたQRコードQR2を表示してメインサーバへ送信する部分を、パスワードを入力し忘れた場合に置き換えることが出来る。
次に、第4発明における第3の実施例について説明する。
第3の実施例は、図56(A)に示すように、遊技機とメインサーバと携帯端末とからなる第1の実施例や第2の実施例のようなシステム構成に、さらに複数の遊技機を管理する遊技店の管理装置510を加え、管理装置510とメインサーバ90とをインターネット600を介して接続し、管理装置510からメインサーバ90へ遊技機や特定の遊技者の遊技データを送信したり、メインサーバ90から管理装置510へサービスデータを送信したりできるようにしたものである。なお、QRコードやパスワードを使用して遊技を行う基本的な構成は前記実施例と同様である。
また、遊技店の管理装置510と遊技機10とはLANなどで直接接続してもよいが、第3の実施例では、図56(B)に示すように、遊技店の管理装置510と遊技機10とは、遊技機と1対1で設けられプリペードカードのリードライトを行うカードユニットと呼ばれる台間装置520およびLAN530を介してデータ伝送可能に接続されている。
さらに、特に限定されるものではないが、遊技機10の上方に設けられ呼出しボタンや呼出しボタンが押されたときや特別遊技状態発生時等に点灯されるランプなどを備えた呼出装置540も、台間装置520を介して管理装置510と接続されている。
図57には、第3の実施例における遊技機10に設けられる制御システムのうち演出制御装置300を中心とする構成の概略が示されている。
図57に示すように、演出制御装置300は、内部にCPU310、RAM320及びROM330を備えた演出制御用のマイクロコンピュータや、入出力I/F(インタフェース)340等により構成されている。遊技制御装置100と演出制御装置300とは一方向へのみ信号の送信が可能に構成され、遊技制御装置100から演出制御装置300へコマンドが送信され、演出制御装置300は遊技制御装置100からのコマンドに従って制御動作を行う。
本実施例では、上記台間装置520は演出制御装置300と接続され、演出制御装置300が記憶している履歴情報を台間装置520を介して管理装置510へ送信したり、管理装置510から送信される画像などのデータを、台間装置520を介して受信するように構成されている。
前述した遊技機前面の演出ボタンの押圧操作部25aの検出信号や回転操作部25bの検出信号が演出制御装置300へ入力され、演出制御装置300はこれらの検出信号や遊技制御装置100からのコマンド、管理装置510からのデータに従って、自己の制御下にある表示装置41や、遊技盤30に設けられたLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えばセンターケース40に設けられたランプ等)42、遊技盤30に設けられた電動役物などの盤演出装置44、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18、スピーカ19a,19bなどを駆動制御する。
図58には、第3の実施例において管理装置510のRAM内に記憶される内容(送信データ)の例が示されている。すなわち、本実施例では、遊技機の機種ごとにミッションが達成された際に付与するデータが一旦管理装置510のRAM内に記憶され、管理装置510からミッションが達成された遊技機へ送信されるように構成されている。これにより、一度メインサーバ90から管理装置510へデータを送信しておけば、実際にサービスを付与する際にはメインサーバ90から管理装置510へクリアされたミッションの記号もしくは番号のみ送信すればよく、メインサーバ90と管理装置510との間の送信量および送信に要する時間を減らすことができる。
次に、第4発明における第4の実施例について説明する。
第4の実施例は、QRコードおよびパスワードを用いて遊技機にアクセスする代わりに、遊技者ごとに固有のIDコードを用いて遊技機にアクセスして遊技履歴に応じたサービスを受けることができるようにしたものである。
本実施例においては、図59に示すように、遊技機10と管理装置510がLAN等で接続され、管理装置510とメインサーバ90とがインターネット等で接続されており、遊技者は携帯端末80によりメインサーバ90とデータの送受信が可能にされているものとする。遊技者のIDコードとしては、携帯電話機の電話番号あるいは携帯アドレス、または携帯電話機の電話番号あるいは携帯アドレスから一定のアルゴリズムで暗号化しもの等、個人を識別可能で重複することがないものであればどのようなものでもよい。
本実施例においては、遊技者は先ず遊技機10にIDコードを入力する。遊技機10は遊技者すなわちIDコードごとに記憶する遊技履歴情報を記憶し、サービス付与条件が成立すると、遊技者のIDコードを管理装置510へ送信し、管理装置510はメインサーバ90へIDコードと達成条件を送信する。すると、メインサーバ90は、達成した条件に応じて例えば追加リーチなどの追加データを管理装置510へ送信し、管理装置510は受信したデータを対応する遊技機10へ送信し、遊技機において受信したデータを反映した演出制御を実行する。
このように、メインサーバ90から管理装置510へ追加リーチなどの追加データを送信するように構成することによって、管理装置あるいは遊技機側の記憶装置に追加データに相当するデータをそれぞれ記憶しておく場合に比べて、管理装置あるいは遊技機側の記憶容量を減らすことができる。また、本実施例では、メインサーバ90は、IDコードごとに遊技履歴やポイントを記憶する機能を備えるように構成されている。そのため、遊技によって演出制御以外のサービスを受けることができる条件が成立した場合に、遊技者が携帯端末80を使用してメインサーバ90へ自己のIDコードを送信すると、メインサーバ90は、遊技履歴に応じて各種情報を携帯端末80へ送信して提供したり、画像や音楽などのコンテンツを付与することができる。
また、遊技者は開始時に自分のIDコードを入力して、終了時に終了ボタン(演出ボタン)を押すだけでよいので楽であるとともに、外部から管理装置を介して遊技機のサブ基板データ(演出制御データ)を書き換え可能にしているので、遊技内容の拡張性が高く、記憶データの変更が可能である。終了ボタンを押さず遊技を終了しても、次の遊技者がIDコードを入力した時点で遊技機に記憶された累計データをクリアするようにしても良い。
図60には、第4の実施例において、遊技機の演出制御装置が実行する処理の手順が示されている。このうち、(A)はコンプリート情報送信処理、(B)は演出データ追加処理の手順であり、コンプリート情報送信処理はタイマ割込みで実行し、演出データ追加処理はタイマ割込みあるいは受信割込みで実行することができる。
コンプリート情報送信処理においては、先ず遊技機ごとに予め設定されている条件がコンプリート(達成)したか否か判定する(ステップS251)。そして、コンプリートしていない(=No)と判定すると何もせずに当該コンプリート情報送信処理を終了し、コンプリートした(=Yes)と判定すると、次のステップS252で、コンプリート情報を管理装置へ送信して当該コンプリート情報送信処理を終了する。
図60(B)の演出データ追加処理においては、先ず管理装置から追加データを受信したか否か判定する(ステップS261)。そして、受信していない(=No)と判定すると何もせずに当該演出データ追加処理を終了し、受信した(=Yes)と判定すると、次のステップS262で、追加データをRAMに記憶して当該演出データ追加処理を終了する。なお、ステップS261の追加データの受信は管理装置から送信されるものに限定されず、メインサーバから送信されるものであってもよい。
図61には、遊技者すなわちIDコードごとに記憶される遊技履歴情報の種類と達成回数(条件)の例が示されている。この情報は、遊技機の演出制御装置300において記憶、管理してもよいし、遊技店の管理装置510において記憶、管理するようにしてもよい。内容は図51のものと類似しているので、説明は省略する。コンプリートした場合に追加データが送信されても良い。
図62には、第4の実施例において、遊技者によるIDコードの具体的に入力の仕方の例を示す。図62に示すように、この実施例では、遊技機10の前面枠の前面に赤外線センサ66を設けて、該センサの信号を演出制御装置300へ入力し、演出制御装置300が赤外線受信処理を実行してIDコードを認識するようにしている。近年の携帯電話機は、赤外線によるデータの送受信機能および自身の電話番号をワンタッチで赤外線送信する機能を備えているので、携帯電話番号をIDコードとすることにより、遊技の開始を迅速に行えるようにすることができる。
図63には、演出制御装置300による赤外線受信処理の手順が示されている。この赤外線受信処理においては、先ず赤外線を受信可能な状態にあるか否か判定する(ステップS271)。赤外線を受信可能な状態は、表示装置のメニュー画面を見ながら遊技機前面の演出ボタン25を操作して受信モードを選択することによって移行させるように構成することができる。演出ボタン25の代わりにタッチパネル式の入力手段を設けて選択させるように構成してもよい。
そして、ステップS271で、受信可能な状態でない(=No)と判定すると何もせずに当該赤外線受信処理を終了し、受信可能な状態である(=Yes)と判定すると、次のステップS272で、赤外線を受信したか否か判定する。ここで、赤外線を受信していない(=No)と判定すると何もせずに当該赤外線受信処理を終了し、赤外線を受信した(=Yes)と判定すると、受信したデータに基づいて遊技モード等を決定し表示する(ステップS273)。
上記のように、IDコードを使用して遊技状態を制御可能とすることにより、例えば前日に確変状態で閉店時間となり遊技が終了した場合には、翌日確変状態で遊技を開始できるように制御することが可能となる。また、遊技をした遊技者のIDコードと遊技機の識別コードを管理装置の記憶装置に記憶しておくことにより、同一機種の遊技機であれば、前日に遊技を終了した遊技機とは異なる他の遊技機で確変状態から遊技を開始できるように制御することも可能となる。このように、IDコードで遊技者の履歴情報を管理することによって、様々なサービスを提供することができ、遊技者の遊技回数の増加を期待することができる。
上記説明より、上記実施例には、アクセス情報は光学式または無線式の非接触情報読取手段を備えた携帯端末により読み取ることが可能な形態の情報(QRコード等)であり、携帯端末は電気通信回線を介してメインサーバと通信する通信機能を備え、非接触情報読取手段により読み取ったアクセス情報を通信機能によりメインサーバへ送信可能であり、メインサーバは、第1識別コード(パスワード、IDコード等)とアクセス情報とを対応させて記憶可能な記憶手段と、アクセス情報に基づいて入力手段(演出ボタン)の操作に応じて入力することが可能な第2識別コードを生成する識別コード生成機能とを備え、識別コード生成手段により生成した第2識別コードを携帯端末へ送信可能であり、遊技機の遊技態様設定手段は、第2識別コードに応じた遊技態様を設定可能である遊技システムの発明が含まれることが分かる。
そして、かかる遊技システムによれば、遊技機が出力したアクセス情報を携帯端末からメインサーバへ送信し、メインサーバから第2識別コードの送信を受けて遊技機へ入力することで、次回の遊技の際も引き続き累積遊技情報(確変の情報を含む)に基づくに遊技を行うことができるため、同一遊技店での再遊技の意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることが出来るようになる。
<第5発明の実施形態>
図64には、本出願に係る第5発明の実施形態における遊技機が示されている。図64(a)は遊技機の正面図、図64(b)は遊技機の平面図である。この実施形態の遊技機10は、図64(b)に示すように、前面枠12の前面右側に、前方へ突出した前面枠突出部26が設けられている。この前面枠突出部26は、カバーガラス14の平面と略平行の突出面26aと、当該突出面26aの左側端部から遊技機10の中央に向かって傾斜する左側面26bとを備え、当該左側面26bに、遊技者による接触操作を検出可能であり、当該接触操作を検出した場合に接触位置を示す検出信号を出力するタッチパネル式の枠表示装置28が配設されている。
次に、図65を用いて遊技盤30の一例について説明する。図65は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。また、センターケース40の上部には当該遊技機10の表題(例えば漫画や映画のタイトル)の文字等があしらわれた飾り部材Tが配設されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図66参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域としての始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図66参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図66参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図66参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図66参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図66参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図66参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図66は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R確変当りや2R確変当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図67を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、内部にCPU310、RAM320及びROM330を備えた演出制御用のマイクロコンピュータや、入出力I/F340等により構成されている。
具体的には、CPU310には、主制御用マイコン(1stCPU)と、該1stCPUの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)と、が含まれる。また、当該演出制御用のマイクロコンピュータには、図示は省略するが、該2ndCPUからのコマンドやデータに従って表示装置41や枠表示装置28a(後述)への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)や、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI等が備えられている。
また、ROM330には、上記主制御用マイコン(1stCPU)が実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなる1stCPU用のプログラムROMや映像制御用マイコン(2ndCPU)が実行するプログラムを格納した2ndCPU用のプログラムROM、VDPが画像処理を行う際のキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM、音源LSIが音の出力制御を行う際の音声データが記憶された音声ROMが含まれる。主制御用マイコン(1stCPU)は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコンへ出力映像の内容を指示したり、音源LSIへの再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
また、RAM320は、主制御用マイコン(1stCPU)及び映像制御用マイコン(2ndCPU)によって処理される各種データを一時的に記憶する記憶領域や各CPUの作業領域を備えている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)と映像制御用マイコン(2ndCPU)との間、主制御用マイコン(1stCPU)と音源LSIとの間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)との間、主制御用マイコン(1stCPU)とVDPとの間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDPには、画像ROMから読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)や、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41や枠表示装置28a(後述)へ送信する映像信号を生成する信号変換回路などが設けられている。
VDPから主制御用マイコンへは表示装置41及び枠表示装置28aの映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDPから映像制御用マイコンへは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコンからのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコンから主制御用マイコンへは、映像制御用マイコンが正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコンと音源LSIとの間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)には、主制御用マイコン(1stCPU)よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(図示省略)が設けられている。このコマンドインタフェースチップを介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)はDC3.3Vで動作するため、コマンドインタフェースチップには信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えばセンターケース40に設けられたランプ等)42を駆動制御する盤装飾LED制御回路(図示省略)、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路(図示省略)、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41や枠表示装置28aにおける演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路(図示省略)が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路は、入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)と接続されている。
また、演出制御装置300には、図示は省略するが、前面枠突出部26に設けられた枠表示装置28aを有する枠表示ユニット28を駆動制御する制御回路やカバーガラス14の前面で遊技者が手を翳したときの位置を検出する位置検出装置29を駆動制御する制御回路等が設けられている。なお、当該制御回路も入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)と接続されている。
枠表示ユニット28は、枠表示装置28aと、当該枠表示装置28aを振動させることが可能な振動機構部28bと、当該枠表示装置28aを回動させる駆動源としてのモータ28cと、当該枠表示装置28aの回動角度等を検出する3軸加速度センサ28dと、遊技者が当該枠表示装置28aを接触操作したときの接触位置や接触強度を検出するタッチセンサ28eと、を備えている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタンに内蔵されているスイッチや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)へ検出信号を入力するスイッチ入力回路(図示省略)、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路(図示省略)、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路(図示省略)が設けられている。そして、これらの制御回路も入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)と接続されている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)や映像制御用マイコン(2ndCPU)として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン、映像制御用マイコン、VDP、音源LSI、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路、スピーカを駆動するアンプ回路に供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコンの有する汎用のポートを利用して、VDPに対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコンとVDPの動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
例えば、この特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図68及び図69参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図70参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図68に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図69のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図69のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電検出信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図70に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図70のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。
図71に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。
図72に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。
図73に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。
図74に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
次に、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される送信コマンドの一例について説明する。
図75〜図82に示すように、送信コマンドは、主に特別遊技状態における演出の実行を指示する特図ゲーム系、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を指示する飾り図柄系、特図変動表示ゲームにおける遊技状態(確率状態や普電サポート状態)の設定を指示する確率情報系、演出表示に関する指示等を行う機種仕様系、電源投入時等の初期動作を指示する初期化系、遊技機において発生したエラーの報知を指示するエラー報知系、テスト動作を指示するテストモード系、機種毎に自由に指示することが可能な機種自由系、演出内容の確認を指示する演出デバック系、展示見本機用であることを指示する展示用系、そして飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを指示する変動系に大別される。
図75に示すように、特図ゲーム系の送信コマンドには、客待ちデモ画面を表示するとき(客待ちデモ時)の装飾動作を指示する客待ちデモコマンドと、大当り遊技開始時の大当り開始デモ表示を指示するファンファーレコマンドと、大当り遊技開始時の大当り開始デモ表示を指示するファンファーレコマンドと、大当り遊技中に行われる大当り中演出を指示する大入賞口開放n回目コマンドと、大当り遊技のラウンド間に行われるインターバル演出を指示するインターバルコマンドと、大当り遊技のエンディングを指示するエンディングコマンドとがある。
また、飾り図柄系の送信コマンドには、図76に示す飾り特図1変動表示ゲームの停止図柄である飾り特別図柄(特図)1を指示する飾り特別図柄1コマンドと、図77に示す飾り特図2変動表示ゲームの停止図柄である飾り特別図柄(特図)2を指示する飾り特別図柄2コマンドとがある。
なお、飾り特別図柄1コマンドのうち、MODE;85h、ACTION;11h〜1Fhの飾り特別図柄1コマンドは、後述する機種指定コマンドによって機種Fが指定されたときに用いられるコマンドである。また、MODE;85h、ACTION;21h〜2Fhの飾り特別図柄1コマンドは、後述する機種指定コマンドによって機種Mが指定されたときに用いられるコマンドである。また、MODE;85h、ACTION;31h〜3Fhの飾り特別図柄1コマンドは、後述する機種指定コマンドによって機種GLが指定されたときに用いられるコマンドである。
また、飾り特別図柄2コマンドについても、飾り特別図柄1コマンドと同様、機種指定コマンドによって指定された機種毎にコマンドが設定されるようになっている。
図78に示すように、確率情報系の送信コマンドには、例えば、通常モードにて確率状態を低確率状態、普通変動入賞装置37のサポートを無しの状態に設定する指示を行う変動時間短縮機能未作動時情報(低確率)コマンドや、DTM(Dream Tour Mode)にて確率状態を高確率状態、普通変動入賞装置37のサポートを有りの状態に設定する指示を行う変動時間短縮機能作動時情報(高確率)コマンド等がある。
また、図78に示すように、機種仕様系の送信コマンドには、飾り図柄1保留数の表示を指示する飾り図柄1保留数コマンドや、残りの時短回数を指示する時短回数コマンド、モード移行前の8回転前を指示するモード移行前コマンド、モードの移行を指示するモード移行コマンド、停止情報を指示する停止情報コマンド等がある。
なお、停止情報コマンドは、特図変動表示ゲームの図柄停止中に特定の演出(例えば、ツアーモードリミット演出等)が行われる場合に送信されるコマンドである。
また、図78に示すように、初期化系の送信コマンドには、RAM初期化報知の装飾動作を指示する電源投入コマンドと、停電復旧時の動作を指示する停電復旧コマンドと、大当り確率の値を異ならせた機種F、M,GLの何れかを指定する機種指定コマンドとがある。
図79に示すように、エラー報知系の送信コマンドには、例えば、扉開放表示LEDの点滅を指示する前枠開放エラー報知コマンドや、当該LEDの消灯を指示する前枠開放エラー報知終了コマンド等、各種エラーの報知を指示するエラー報知コマンド及び当該エラー報知の終了を指示するエラー報知終了コマンドがある。
また、テストモード系の送信コマンドには、工場検査時のテスト動作を指示するテストモードコマンドと、テストモードへの移行を指示するテストモード移行コマンドと、基板出荷検査用のコマンドに使用する製造工程テストコマンドとがある。
図80に示すように、機種自由系の送信コマンドには、機種により自由に使用できる機種自由コマンドがある。
また、演出デバッグ系の送信コマンドには、演出確認用に使用する演出デバッグコマンドがある。また、展示用系の送信コマンドには、展示見本機用に使用する展示見本機用コマンドがある。
また、変動系の送信コマンドには、飾り特図変動表示ゲームの変動を指示する飾り図柄変動パターンコマンドと、先読み判定処理によって判定された変動を指示する先読み演出指示コマンドと、特定の回転数のみ高確率状態に設定されるスペシャルタイム(ST)中に特図2変動表示ゲームにて大当りが発生する場合の先読み演出を指示する先読み演出図柄3指示コマンドとがある。
なお、先読み演出図柄3指示コマンドのうち、MODE;F9h、ACTION;21h〜2Fhの先読み演出図柄3指示コマンドは、機種指定コマンドによって機種Fが指定されたときに用いられるコマンドである。また、MODE;F9h、ACTION;31h〜3Fhの先読み演出図柄3指示コマンドは、機種指定コマンドによって機種GLが指定されたときに用いられるコマンドである。
また、変動系の送信コマンドには、その他、図81に示すように特図1変動表示ゲームにおける先読み演出を指示する先読み演出図柄1指示コマンドや、図82に示すように特図2変動表示ゲームにおける先読み演出を指示する先読み演出図柄2指示コマンドがある。
なお、先読み演出図柄1指定コマンドのうち、MODE;FBh、ACTION;11h〜1Fhの先読み演出図柄1指定コマンドは、機種指定コマンドによって機種Fが指定されたときに用いられるコマンドである。また、MODE;FBh、ACTION;21h〜2Fhの先読み演出図柄1指定コマンドは、機種指定コマンドによって機種Mが指定されたときに用いられるコマンドである。また、MODE;FBh、ACTION;31h〜3Fhの先読み演出図柄1指定コマンドは、機種指定コマンドによって機種GLが指定されたときに用いられるコマンドである。
また、先読み演出図柄2指定コマンドについても、先読み演出図柄1指定コマンドと同様、機種指定コマンドによって指定された機種毎にコマンドが設定されるようになっている。
次に、各タイミングにて遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されるコマンドについて、図83を用いて説明する。
図83(a)に示すように、遊技機10への電源投入時には、先ず機種指定コマンドが送信され、その後に電源投入コマンドが送信されることとなる。
図83(b)に示すように、停電復旧時には、先ず機種指定コマンドが送信され、次に停電復旧コマンドが送信され、次いで、飾り特別図柄1又は2コマンドが送信され、最後に確率情報系の何れかのコマンドが送信されることとなる。
図83(c)に示すように、特図変動表示ゲームの変動開始時には、先ず飾り図柄変動パターンコマンドが送信され、次に飾り特別図柄1又は2コマンドが送信され、次いで、停止情報コマンドが送信され、最後に飾り特図1又は2保留数コマンドが送信されることとなる。
ここで、停止情報コマンドが特図変動表示ゲームの変動時間経過後ではなく変動開始時に送信されるのは、図柄が変動停止するタイミングの前後は、演出ボタンの連続的な押下などによって演出制御装置300側への信号入力が多くなり、当該タイミングにおける演出制御装置300の負担が重くなるからである。
図83(d)に示すように、特図変動表示ゲームにて大当りが発生し、大当り遊技が開始される大当り開始時には、先ず確率情報系の何れかのコマンドが送信され、次にファンファーレコマンドが送信され、最後に飾り特別図柄1又は2コマンドが送信されることとなる。
図83(e)に示すように、大当り終了時には、先ずエンディングコマンドが送信され、次いで飾り特別図柄1又は2コマンドが送信されることとなる。
次に、変動開始時に送信されるコマンドのその他の実施形態について説明する。
図84(a)に示すように、かかる実施形態では、図83(c)に示す送信コマンドと異なり、飾り図柄変動パターンコマンドが送信された後、飾り特別図柄1又は2コマンドが送信され、最後に、飾り特図1又は2保留数コマンドが送信され、停止情報コマンドが送信されないようになっている。
このように、停止情報コマンドの送信が不要となるのは、飾り特別図柄1及び2コマンドによって送信される飾り特別図柄情報と対応付けて当該図柄の停止時間情報が遊技制御装置100側で記憶されており、当該飾り特別図柄1又は2コマンドを送信することで、演出制御装置300は図柄停止時間情報を受信することができるからである。
具体的には、図84(b)に示すように、特図1変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合のはずれ図柄情報と当該はずれ図柄の停止時間情報とが対応付けられて記憶されている。なお、ここで言うはずれ図柄とは、表示装置41の表示部41aにおいて表示される左図柄、中図柄、右図柄とは別に当該表示部41aの左下部等に小さく表示される図柄のことである。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図85に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図86に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図87に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図88に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。
続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図89に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図90に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図91に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔小当りフラグ1設定処理〕
図92には、図90に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
図93には、図91に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA19)の詳細について説明する。
図94に示すように、図柄変動制御処理では、先ず、対象の変動制御フラグがセットされ当該図柄が変動中であるか否かチェックする(ステップA361)。
ここで、当該図柄が変動中であると判定された場合(ステップA362;Yes)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(表示用)を取得し(ステップA363)、対象の図柄の変動時間を計時する変動タイマを−1更新し、タイムアップしたか否かチェックする(ステップA364)。
そして、タイムアップしたと判定された場合(ステップA365;Yes)は、図柄変動制御タイマ初期値を対象の変動タイマ領域にセーブし(ステップA366)、対象の図柄の変動図柄番号を更新して(ステップA367)、ステップA368へ移行する。
一方、タイムアップしていないと判定された場合(ステップA365;No)は、ステップA366及びステップA367をスキップして、ステップA368へ移行し表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードして(ステップA368)、ステップA371へ移行する。
また、ステップA362にて、当該図柄が変動中でないと判定された場合(ステップA365;No)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得し(ステップA369)、表示図柄ポインタとして対象の停止図柄番号領域の値をロードして(ステップA370)、ステップA371へ移行する。
次いで、ステップA371では、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA371)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA372)、図柄変動制御処理を終了する。
次に、特図変動表示ゲームの変動開始時にコマンドが送信されるときのタイミングチャートについて、図95を用いて説明する。
図95(a)は、図83(c)のように飾り図柄変動パターンコマンド、飾り特別図柄1又は2コマンド、停止情報コマンド及び飾り特図1又は2保留数コマンドを変動開始時に送信する場合のタイミングチャートである。
また、図95(b)は、図84(a)のように飾り図柄変動パターンコマンド、飾り特別図柄1又は2コマンド及び飾り特図1又は2保留数コマンドを変動開始時に送信する場合のタイミングチャートである。
また、図95(a)及び(b)に示すように、特図変動表示ゲームの変動中は普通変動入賞装置37のサポート(電サポ)が付与される一方で、図柄停止中は普通変動入賞装置37のサポートが付与されないようになっている。また、図柄停止中は所定の演出が行われるようになっている。
次に、特図変動表示ゲームの変動中に停電が発生し、停電復旧時にコマンドが送信されるときのタイミングチャートについて、図96を用いて説明する。
図96に示すように、停電時に遊技機10に電源が投入され電源がONの状態になった停電復旧時(タイミングt1)に、先ず機種指定コマンドが送信され、次に停電復旧コマンドが送信され、次いで、飾り特別図柄1又は2コマンドが送信され、最後に確率情報系の何れかのコマンドが送信されることとなる(図83(b)参照)。なお、停電の間、当該飾り特別図柄1又は2コマンドに基づく飾り特図情報や、確率情報系のコマンドに基づく確率情報は、バックアップ電源部420の電源によってRAM111Cに保持されるようになっているが、停止情報コマンドはRAM111Cに保持されるようになっている。
そして、図96のように、例えば、演出制御装置300が飾り特別図柄1又は2コマンドとして「8」「7」「5」のはずれ図柄情報を受信すると、次の変動開始時(タイミングt2)のコマンドを受信するまで、「8」「7」「5」の各飾り図柄を振動させる揺れ変動表示が行われる。
なお、当該次の変動開始時のコマンドを受信するまで、演出制御装置300は受信した飾り特別図柄1又は2コマンドに基づく飾り図柄を停止表示するようにしても良い。
また、演出制御装置300が受信した飾り特別図柄1又は2コマンドに基づく飾り図柄が大当りに係る図柄(例えば、ぞろ目の図柄)の場合には、大当り開始時に開始されるコマンドを受信するまで、当該飾り図柄を揺れ変動表示又は停止表示する。
〔演出制御装置側停電復旧処理〕
次に、演出制御装置300による停電復旧処理の詳細について説明する。
図97に示すように、演出制御装置側停電復旧処理では、先ず、停電復旧時に遊技制御装置100によって送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1)。
ここで、当該コマンドを受信したと判定された場合(ステップB1;Yes)は、飾り特別図柄1又は2コマンドに基づく飾り図柄を表示(揺れ変動表示又は停止表示)して(ステップB2)、演出制御装置側停電復旧処理を終了する。
一方、当該コマンドを受信していないと判定された場合(ステップB1;No)は、ステップB2をスキップして、演出制御装置側停電復旧処理を終了する。
次に、本実施形態の遊技機10によって行われるツアーモード(TM;Tour Mode)の遊技内容について説明する。
図98に示すように、ツアーモードは、大当り遊技の終了後の4回転の特図変動表示ゲームの確率状態を高確率状態とするスペシャルタイム(ST;Special Time)ゲーム(ワンモアチャンス( OMC;One More Chance)ゲーム)の終了後に開始されるようになっている。
具体的には、ワンモアチャンスゲームが終了するとツアーモードに移行して、図98のように表示部41aにてツアーモードについての説明内容(例えば、「ツアーモードとは…」)が表示される。
そして、当該ツアーモードは、最大60回転の特図変動表示ゲームが行われる間継続するようになっており、所定回転毎(例えば、20回転毎)の特図変動表示ゲームの図柄停止表示時間にツアーモードを継続させるか又は終了させるかを決定するツアーモードリミット演出を行うようになっている。
図99は、上記ツアーモードリミット演出の表示内容を説明する図である。
図99に示すように、ツアーモードリミット演出が実行されると、表示部41aに表示領域を4分割する表示枠W1〜W4が表示される。そして、例えば、表示枠W1内には「継続」、表示枠W2内には「?」、表示枠W3内には「継続」、表示枠W4内には「終了」の文字が表示されるとともに、図柄停止表示時間中、表示枠W1〜W4の枠部が順番(時計周り)に太枠表示されるようになっており、最終的に太枠表示された表示枠内に表示された内容の演出(「継続」又は「終了」)が行われるようになっている。
具体的には、最終的に表示枠W1が太枠表示された場合はツアーモードが継続することとなる。なお、最終的に太枠表示された表示枠内の表示が「?」の場合は、当該太枠が停止表示された段階で「?」から「継続」又は「終了」の文字表示に切り替わるようになっている。
図100は、上記ツアーモードリミット演出の演出パターンテーブルを説明する図である。
図100に示すように、ツアーモードリミット演出の演出パターンは、遊技制御装置100から送信される停止情報コマンドの内容に基づいて決定されるようになっている。
具体的には、当該停止情報コマンドのACTIONデータが「04h」の場合は、終了パターン(終了1−1−1から1−4−3)、ACTIONデータが「02h」の場合は、終了パターン(終了2−1から2−4)、ACTIONデータが「03h」の場合は、継続パターン(継続1−1から4−4)が選択されることとなる。
より具体的には、終了パターン1−1−1が選択された場合は、表示枠W1に「継続」、表示枠W2〜W4に「終了」の文字表示がなされ、最終的に表示枠W2が太枠表示されて、ツアーモード演出が終了することとなる。
なお、図78に示すように、停止情報コマンドのうちACTIONデータが「01h」のコマンドは、ワンモアゲーム終了時の図柄停止情報(例えば、12秒)を指示する。また、ACTIONデータが「02h」のコマンドは、ツアーモード終了時の図柄停止情報(例えば、18秒)を指示するものであり、当該図柄停止情報に基づく図柄停止時間は通常の停止時間(例えば、10秒)よりも長めに設定されている。また、ACTIONデータが「03h」のコマンドは、ツアーモード継続時の図柄停止情報(例えば、15秒)を指示する。また、ACTIONデータが「04h」のコマンドは、ツアーモード終了時の図柄停止情報を指示するものであり、当該図柄停止情報に基づく図柄停止時間はACTIONデータが「02h」の停止時間よりも短い停止時間(例えば、15秒)に設定されている。
図101は、上記のように変動開始時に図柄停止時間コマンドが送信されない場合(図84(a)参照)におけるツアーモードリミット演出の演出パターンテーブルである。
かかる場合には、演出制御装置300は飾り特別図柄コマンドを受信することで、図柄停止時間がわかるようになっており(図84(b)参照)、ツアーモードリミット演出の演出パターンは、遊技制御装置100から送信される当該飾り特別図柄コマンドの内容に基づいて決定されるようになっている。
次に、上記したツアーモードリミット演出の実行途中に停電が発生し、当該停電復旧させた後の演出表示内容について、図102を用いて説明する。
図102(a)に示すように、ツアーモードリミット演出パターンが継続パターンに設定されている場合は、停電復旧後は、「ツアーモード継続」の文字を表示部41aに表示させるとともに、当該ツアーモードリミット演出が行われた特図変動表示ゲームの停止図柄(例えば、「8」「7」「5」)を揺れ変動表示させるようにする。
また、図102(b)に示すように、ツアーモードリミット演出パターンが終了パターンに設定されている場合は、停電復旧後は、「ツアーモード終了」の文字を表示部41aに表示させるとともに、当該ツアーモードリミット演出が行われた特図変動表示ゲームの停止図柄(例えば、「8」「7」「5」)を揺れ変動表示させるようにする。
なお、停電復旧後の当該特図変動表示ゲームの停止図柄は揺れ変動させることなく、停止表示させるようにしても良い。
以上のように、本実施形態の遊技機10によれば、特図変動表示ゲームの変動表示開始情報として、飾り図柄変動パターンコマンドと飾り特別図柄コマンドだけではなく、複数の図柄の停止時間を特定させるための停止情報コマンドを送信するようにしたので、遊技制御装置100から演出制御装置300への特図変動表示ゲームに関する各種コマンドの送信制御を容易にすることができる。
また、特別遊技状態の終了後、所定回数の変動表示ゲームにおいて図柄が変動中の場合に特定遊技状態(普通変動入賞装置37のサポート)を発生させ、当該図柄が停止中の場合には特定遊技状態を発生させないようにしたので、遊技者に過剰に遊技価値(例えば、賞球)が付与されることを抑制することができる。
また、図84に示すような実施形態の場合には、特図変動表示ゲームの変動表示開始情報として、特図変動表示ゲームの終了時の表示結果態様を特定させるだけでなく、複数の図柄の停止時間を特定させるようにした図柄停止態様情報(飾り特別図柄コマンド)を送信するので、遊技制御装置100から演出制御装置300への特図変動表示ゲームに関する各種コマンドの送信制御を容易にすることができる。
また、停電復旧時に遊技制御装置100から演出制御装置300へ飾り特別図柄コマンドを送信するようにしたので、特図変動表示ゲームの変動中に停電が発生した場合でも、当該飾り特別図柄コマンドに基づく所定の図柄を停止表示させることができるようになり、当該特図変動表示ゲームの結果を知ることができる。
また、図84に示すような実施形態の場合にも、停電復旧時に遊技制御装置100から演出制御装置300へ図柄停止態様情報(飾り特別図柄コマンド)を送信するようにしたので、特図変動表示ゲームの変動中に停電が発生した場合でも、当該図柄停止態様情報に基づく所定の図柄を停止表示させることができるようになり、当該特図変動表示ゲームの結果を知ることができる。
また、モード選択演出(ツアーモードリミット演出)中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に図柄停止態様情報(飾り特別図柄コマンド)に基づく所定の図柄を停止表示させるとともに所定のモード(ツアーモード)の状態(ツアーモード継続又はツアーモード終了)を報知することができるようになり、特図変動表示ゲームの結果だけでなく当該所定のモードの状態を知ることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態において、ワンモアチャンスゲーム終了後はツアーモードに移行し、当該ツアーモード中の図柄停止時間が通常よりも長めに設定された特図変動表示ゲームの図柄停止時間中に、ツアーモードの内容について説明する画面を表示させたり、ツアーモードリミット演出を行うようにしたが、当該図柄停止時間中に行われる演出内容は適宜変更可能である。
例えば、図103のように、ワンモアチャンスゲーム終了後に確率状態が高確率状態に設定されているか低確率状態に設定されているかを明確に報知しない確率曖昧モードに移行し、当該確率曖昧モード中の図柄停止時間が通常よりも長めに設定された特図変動表示ゲームの図柄停止時間中に、演出ボタンの押下を促す表示を行うようにしても良い。そして、確率状態が高確率状態に設定されている場合において、演出ボタンが押されると、高確率状態であることを報知する表示(例えば、「高確率モード突入」)を行う。一方、演出ボタンが押されないと、通常のモードに移行したことを報知する表示(例えば、「ノーマルモード突入」)を行う。ただし、このときの確率状態は高確率状態のままである。
また、確率状態が低確率状態に設定されている場合においては、演出ボタンの押下
に関わらず、通常のモードに移行したことを報知する表示(例えば、「ノーマルモード突入」)を行う。
また、図96のように特図変動表示ゲームの変動中に停電が発生した場合、停電復旧後に次の変動開始時のコマンド又はファンファーレコマンド等のデモコマンドが送信されるまで各飾り図柄を振動させる揺れ変動表示が行われるようにしたが、かかる場合以外にも、図104のようにノイズの発生等によって変動開始時に送信されるコマンドのうち停止情報コマンドが欠落した場合にも、次の変動開始時のコマンド又はファンファーレコマンド等のデモコマンドが送信されるまで各飾り図柄を振動させる揺れ変動表示が行われるようにしても良い。
また、枠表示ユニット28を備える遊技機10において、上記図柄停止時間中に当該遊技機10の機種情報や大当たり履歴を遊技者に知らせるようにしても良い。
具体的には、例えば、図105に示すように、図柄停止時間中になると枠表示装置28aに「機種情報」及び「大当たり履歴」の項目を表示させるようにする。
そして、「機種情報」の項目が表示された領域の画面に遊技者が指等を接触させると、表示内容が切り替えられ、当該遊技機10の“大当たり確率”、大当たりのうち確変大当たりとなる割合を示す“確率変動割合”、大当たり遊技におけるラウンド数を示す“大当たり”、各入賞口に遊技球が入賞したときの賞球数を示す“賞球”等の情報が表示されるようになっている。
また、「大当たり履歴」の項目が表示された領域の画面に遊技者が指等を接触させると、表示内容が切り替えられ、前回の大当たり遊技の終了後、今回の大当たりが発生するまでの間に行われた特図変動表示ゲームの実行回数(回転数)情報が表示されることとなる。より具体的には、今回の大当たりが発生するまでの回転数のほかに前回及び前々回等の大当たりが発生するまでの回転数が表示されるようになっている。
なお、大当たり履歴情報の閲覧に関しては、前回の大当たり終了後から1000回転以上の特図変動表示ゲームが行われても大当たりが発生しない場合に、当該大当たり履歴情報が表示されるようにしても良い。具体的には、例えば、前回の大当たり終了後から1000回転以上の特図変動表示ゲームが行われているときの図柄停止時間中に限り、枠表示装置28aに「大当たり履歴」の項目を表示させるようにしても良いし、当該1000回転未満であっても「大当たり履歴」の項目を表示させるが、当該1000回転以上となるまでは「大当たり履歴」の項目が表示された領域の画面に遊技者が指等を接触させても表示内容が切り替わらないように設定しても良い。
また、「機種情報」や「大当たり履歴」に係る情報の閲覧は、当該遊技機10の情報に限らず、例えば、当該遊技機10と相互間通信可能な他の遊技機(例えば、隣接する遊技機等)に関する情報を閲覧できるようにしても良い。
また、センターケース40上部の飾り部材T(図65参照)に施された当該遊技機10の表題が原作の漫画に関連するものである場合には、上記図柄停止時間中に当該原作の漫画本の内容を枠表示装置28aに表示するようにしても良い。このとき、枠表示装置28aの表示画面の左下部には「もどる」の項目をそして右下部には「すすむ」の項目を表示させるようにする。そして、遊技者が「すすむ」の項目が表示された領域の画面に指等を接触させると次頁に進み、「もどる」の項目が表示された領域の画面に指等を接触させると前頁に戻るようにして、当該漫画本を自由に読むことができるようになっている。
なお、当該漫画本の内容の表示は原作に限らず、当該漫画本の内容に脚色を加えたアニメーションを表示するようにしても良い。また、当該図柄停止時間中に原作の漫画本の内容を表示させるか当該アニメーションを表示させるかを遊技者に選択させるようにしても良い。
また、当該漫画本の内容の表示範囲を特図変動表示ゲームの大当り回数に応じて変更するようにしても良い。
具体的には、例えば、当該大当り回数が1〜3回の場合には原作の漫画本の1巻を読むことができ、当該大当り回数が4〜8回の場合には1巻及び2巻を読むことができるようにしても良い。
また、上記のように枠表示装置28aにて演出表示を行うときは、図107に示すように当該枠表示装置28aの近傍(点線で囲まれた領域)に配設された枠装飾装置18等のLEDによる明かりを消すようにする。
ここで、遊技機10は、遊技領域32の近傍で発光することで当該遊技領域32を装飾可能な枠装飾装置18と、枠装飾装置18の発光制御と枠表示装置28aの表示制御を行う演出制御装置300と、を備え、枠装飾装置18は、枠表示装置28aの近傍に配設され、演出制御装置300は、枠表示装置28aの表示制御を行っている場合、枠装飾装置18の発光量を通常よりも少なくしたこととなる。
これにより、枠表示装置28aにて表示された演出内容を見やすくすることができるようになる。
<第5発明の第2実施例>
次に、第5発明の第2実施例における表示装置41及び枠表示装置28aを用いた一連の演出表示について説明する。なお、本実施例が適用される遊技機は、基本的には、上述の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
先ず、表示装置41及び枠表示装置28aを用いて特図変動表示ゲーム実行中に演出を行った場合の演出表示の一例について図108及び図109を用いて説明する。
図108(a)は、特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の何れの図柄も変動中の状態を示す図である。このとき、枠表示装置28aには演出キャラクタ(例えば、“ヒト”)Cを表示させる。
そして、図108(b)のように、遊技者が指等を枠表示装置28aの演出キャラクタCが表示された領域に接触させた状態でその指等を表示装置41側へと左横方向にスライドさせる。なお、演出キャラクタCが枠表示装置28aに表示された際に遊技者に対して指等の当該左横方向へのスライド動作を促す表示(例えば、左向の矢印表示)を行うようにしても良い。
次いで、図108(c)に示すように、遊技者による指等のスライド動作後に枠装飾装置18に配設された棒状発光部材18aが発光しない場合は、演出キャラクタCが枠表示装置28aから表示装置41へ移動して、表示装置41の右下部に表示されることとなる。
なお、演出キャラクタCが枠表示装置28aから表示装置41への移動に成功する演出表示は、例えば、当該特図変動表示ゲームにてリーチが発生することを条件に行うようにする。
一方、図108(d)に示すように、遊技者による指等のスライド動作後に棒状発光部材18aが発光した場合は、演出キャラクタCは枠表示装置28aから表示装置41への移動を阻まれ、枠表示装置28aにて転倒する演出表示がなされる。
ここで、演出制御装置300は、枠表示装置28aの操作に基づいて、当該枠表示装置28aの表示内容と関連性のある表示画像を表示装置41に表示させたこととなる。
これにより、遊技者による当該枠表示装置28aの接触操作によって、当該枠表示装置28aに表示された表示内容と関連性のある表示画像を表示装置41に表示させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図108(e)に示すように、特図変動表示ゲームが開始され、枠表示装置28aに演出キャラクタを表示するとき、複数の演出キャラクタC1〜C3を表示するようにしても良い。かかる場合、遊技者は所望の演出キャラクタを選択し、当該所望の演出キャラクタが表示された領域に指等を接触させた状態でその指等を表示装置41側へと左横方向にスライドさせるようにする。
次に、図108(c)のように演出キャラクタCが枠表示装置28aから表示装置41への移動に成功する演出表示が行われたときの続きの演出表示の一例について説明する。
図109(a)は、特図変動表示ゲームにてリーチが発生した状態(左図柄及び右図柄が「7」図柄で停止し、中図柄が変動中の状態)を示す図である。当該リーチの発生によって、表示装置41に表示された演出キャラクタCが変動中である中図柄を止める演出表示がなされる。
そして、図109(b)に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、演出キャラクタCが左図柄及び右図柄と同じ図柄である「7」図柄で中図柄を停止させる演出表示を行う。
続けて、図109(c)に示すように、中図柄が「7」図柄で停止すると、演出キャラクタCが枠表示装置28aの方へ戻る演出表示がなされた後、図109(d)に示すように、演出キャラクタCが表示装置41から枠表示装置28aへ移動して、枠表示装置28aでは演出キャラクタCが当該大当りの発生を喜ぶ演出表示(例えば、演出キャラクタCが踊る演出表示)がなされることとなる。
一方、図109(e)に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、演出キャラクタCが左図柄及び右図柄と異なる図柄である「6」図柄で中図柄を停止させる演出表示を行う。
続けて、図109(f)に示すように、中図柄が「6」図柄で停止すると、演出キャラクタCが枠表示装置28aの方へ戻る演出表示がなされた後、図109(g)に示すように、演出キャラクタCが表示装置41から枠表示装置28aへ移動して、枠表示装置28aでは演出キャラクタCが当該はずれの発生に落胆する演出表示(例えば、演出キャラクタCが寝込んでしまう演出表示)がなされることとなる。
次に、遊技が行われていない(又は特図変動表示ゲームの始動契機となる遊技球の入賞がない)状態の客待ちデモ画面の表示中に表示装置41及び枠表示装置28aを用いて、枠表示装置28aの表示画面の背景として貼り付けられる画像(背景画像)を選択して表示する演出の一例について図110を用いて説明する。
図110(a)に示すように、まず、表示装置41において枠表示装置28aの背景画像として選択可能な複数の背景画像を表示させる。具体的には、例えば、表示装置41には、背景画像として「花」の画像、「月」の画像、及び「太陽」の画像が表示される。また、夫々の画像の縁に太枠画像が順次時計周りに移動して表示されるようになっている。
そして、図110(b)に示すように、遊技者が所望のタイミングで演出ボタンを押下することによって、太枠画像の移動が停止するようになっており、当該太枠画像が停止した位置に重畳表示されている背景画像(例えば、「花」の画像)が選択されることとなる。
そして、図110(c)に示すように、一の背景画像が選択されると、表示装置41には「決定」の文字表示がなされ、枠表示装置28aには選択された背景画像(例えば、「花」の画像)が表示されることとなる。
ここで、演出ボタンは、表示装置41に表示された複数の画像のうち一の画像を選択する演出操作部をなし、演出制御装置300は、演出ボタンの操作により選択された一の画像を枠表示装置28aに背景画像として表示したこととなる。
これにより、遊技者による操作によって、枠表示装置28aに表示される背景画像を選択することができるので、当該遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるようになる。
なお、上記実施例では、選択可能な背景画像として「花」の画像、「月」の画像、及び「太陽」の画像を用いたが、大当りが継続して発生した場合(例えば、確変大当りが継続して5回発生した場合)、選択可能な背景画像の種類を増やすようにしても良い。
また、客待ちデモ画面の表示中に現在の変更可能な背景画像を表示装置41に表示するようにしても良い。また、例えば、確変大当りのラウンド遊技中に背景画像を設定可能にしても良い。
なお、図108に示す演出表示例では、特図変動表示ゲームの開始とともに、枠表示装置28aに演出キャラクタCを表示させるようにしたが、これに限らず、例えば、図111(a)に示すように、遊技者が指等を枠表示装置28aに接触させると、当該接触位置に対応した領域に演出キャラクタ(例えば、魚)を表示させるとともに、遊技者が指等を接触させた際に生じる振動強度に応じた数の演出キャラクタを集めて表示させる演出を行うようにしても良い。
具体的には、例えば、図111(b)に示すように、演出制御装置300は、枠表示ユニット28が備えるタッチセンサ28eによって検出された振動強度に基づいて振動強度のレベル(例えば「弱」「中」「強」)を判定する。
そして、判定されたレベルに対応する数の演出キャラクタを枠表示装置28aに集めて表示させるようにする。そして、図111(c)に示すように、遊技者が指等を枠表示装置28aの演出キャラクタが表示された領域に接触させた状態でその指等を表示装置41側へと左横方向にスライドさせると、図112(a)に示すように、集めた数の演出キャラクタを表示装置41に移動させて表示させることができるようになる。
図112(b)は、タッチセンサ28eによって検出された振動強度が「強」と判定されて11匹以上の演出キャラクタ(例えば「魚」)が枠表示装置28aに表示された状態を示す図である。そして、この状態で遊技者が指等を表示装置41側へと左横方向にスライドさせると、図112(c)に示すように、集めた数の演出キャラクタ(11匹以上の魚)を表示装置41に移動させて表示させることができるようになる。また、図112(d)に示すように、例えば、枠表示装置28aに親指と人指し指を接触させた状態で、親指を下方向にスライドさせるとともに人差し指を上方向にスライドさせることによって、枠表示装置28aに表示されている演出キャラクタを拡大して表示させることができるようになっている。
また、図113(a)に示すように、枠表示ユニット28は、枠表示装置28aの裏面側に当該枠表示装置28aを回動させるモータ28cを備えている。
そして、演出制御装置300は、モータ28cによる動力を発生させて演出表示を行っている状態の枠表示装置28aを回動させた場合、当該枠表示装置28aに表示された画像自体は回動させないようにして表示するようにしても良い。
具体的には、例えば、図113(b)に示すように、枠表示装置28aに“太陽と山”の画像が表示された状態で当該枠表示装置28aを時計周りに90度回動させた場合、3軸加速度センサ28dによって、枠表示装置28aが時計周りに90度回動したことを算出することができるため、反時計周りに90度回動させた状態の“太陽と山”の画像を枠表示装置28aに表示させることで、図113(c)に示すように、当該枠表示装置28aに表示された画像自体は回動させないようにすることができる。
なお、枠表示装置28aは、モータ28cの動力により回動させる場合に限らず、遊技者による手動によって回動させても良い。
また、枠表示ユニット28に備えられた3軸加速度センサ28dを用いることによって、前面枠12の開放状態を検出することができるようにしても良い。
図114には、演出制御装置300によって実行される前面枠開放検出処理のフローチャートを示した。
図114に示すように、先ず、演出制御装置300は、3軸加速度センサ28dによって前面枠12の水平方向への移動を検出することができたか否かを判定(ステップB1)する。
ここで、前面枠12の水平方向への移動を検出することができたと判定された場合(ステップB1;Yes)は、前面枠12の異常開放を報知するエラー報知処理(ステップB2)を行い、前面枠開放検出処理を終了する。
一方、前面枠12の水平方向への移動を検出することができないと判定された場合(ステップB1;No)は、前面枠開放検出処理を終了する。
<第5発明の第3実施例>
次に、第5発明の第3実施例における演出制御装置300において実行される手翳し演出処理について図115〜図125を用いて説明する。なお、本実施例が適用される遊技機は、基本的には、上述の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
ここで、手翳し演出とは、カバーガラス14の前面に翳された遊技者の手を遊技機10が備える位置検出装置29によって検出し、表示装置41にて当該手の動きに応じた表示を行う演出をいう。
図115(a)は、カバーガラス14の前面に遊技者が手を翳した状態における当該遊技機10の平面図である。また、図115(b)は、カバーガラス14の前面に遊技者が手を翳した状態における当該遊技機10の正面図である。
図115(a)に示すように、遊技機10は遊技者が翳した手の位置を検出可能な位置検出装置29を備えている。
そして、演出制御装置300は、図115(b)に示すように、位置検出装置29によって遊技者が翳した手の位置を検出することによって、当該手がカバーガラス14前面の右側から左側へ移動したと判定し、図115(c)に示すように、当該手の動きに合わせて表示装置41にて魚群画像を表示部41aの右側から左側へ移動させる演出表示を行う。
〔位置検出処理〕
次に、手翳し演出を行うための位置検出処理の手順について図116のフローチャートを用いて説明する。
図116に示すように、演出制御装置300は、まず、位置検出装置29によって、遊技者がカバーガラス14の前面に手を翳したときの位置を検出することができたか否かを判定(ステップB11)する。
ここで、遊技者の手の位置を検出することができたと判定された場合(ステップB11;Yes)は、上記位置検出の結果に対応する演出(手翳し演出)を実行し(ステップB12)、位置検出処理を終了する。
一方、遊技者の手の位置を検出することができないと判定された場合(ステップB11;No)は、位置検出処理を終了する。
次に、位置検出装置29の構成について図117を用いて説明する。
図117(a)に示すように、位置検出装置29は、ガラス枠15に複数の発光部A1〜A12と各発光部A1〜A12と対向する複数の受光部B1〜B12とを備えている。
具体的には、図118(a)に示すように、発光部A1には受光部B1、発光部A2には受光部B2、…、発光部A12には受光部B12がそれぞれ対向するようにカバーガラス14の周囲近傍に各発光部A1〜A12及び各受光部B1〜B12が配設されている。
発光部A1〜A12は、例えば、赤外線を発光する赤外発光ダイオードによって構成される。また、受光部B1〜B12は、例えば、赤外線を受光するフォトトランジスタによって構成される。
図117(b)は、同図(a)に示したガラス枠15の側面図である。このように、カバーガラス14の前面の動作検出空間に遊技者が手を翳すことによって、発光部からの光が遮られ手の位置を検出することができるようになっている。
次に、位置検出装置29による位置検出方法の詳細について説明する。
図118(b)に示すように、例えば、先ず、遊技者がE1の位置に手を翳した場合、発光部A1、A2、A3、A7、A8、及びA9からの光が遮られることによって、発光部A1と受光部B1とを結ぶ線、発光部A3と受光部B3とを結ぶ線、発光部A7と受光部B7とを結ぶ線、そして発光部A9と受光部B9とを結ぶ線で囲まれる領域近傍に遊技者の手が翳されていることが検出されるようになっている。
そして、遊技者がE2の位置に手を左方向にスライドさせた場合、発光部A4、A5、A6、A10、A11、及びA12からの光が遮られることによって、発光部A4と受光部B4とを結ぶ線、発光部A6と受光部B6とを結ぶ線、発光部A10と受光部B10とを結ぶ線、そして発光部A12と受光部B12とを結ぶ線で囲まれる領域近傍に遊技者の手が翳されていることが検出されるようになる。
これにより、演出制御装置300は、遊技者がカバーガラス14の前面に翳した手の位置を検出して、当該手の動きを推測することができることとなる。
ここで、位置検出装置29は、表示装置41の前面の所定領域内で移動した物体の位置を検出可能な位置検出手段として機能する。
具体的には、位置検出装置29は、表示装置41の前面側に複数の発光部A1〜A12を備えるとともに当該複数の発光部A1〜A12のそれぞれと対向する位置に複数の受光部B1〜B12を備え、発光部から照射された光が遮られ対向する受光部で検出されなくなることによって、表示装置41の前面の所定領域内で移動した物体の位置を検出可能としたこととなる。
なお、位置検出装置29は、遊技者が翳した手の位置を検出することができれば良く、例えば、遊技者が翳した手に光を照射して反射してきた光を検出することで当該手の位置を検出することができる赤外センサ(例えば、フォトリフレクタ等)を用いても良い。
具体的には、例えば、図119(a)のガラス枠15の平面図に示すように、遊技機10は、ガラス枠15前面の左側部に赤外センサI1を備えるとともに、右側部に赤外センサI2を備える。
赤外センサI1は、ガラス枠15前面の左半分の領域内で翳された手を検出可能となっている。また、赤外センサI2は、ガラス枠15前面の右半分の領域内で翳された手を検出可能となっている。
図119(b)は、赤外センサI1によって手が検出された後、赤外センサI2によって手が検出されたときのタイミングチャートである。
同図のタイミングチャートから、演出制御装置300は遊技者がガラス枠15前面の左側から右側に向かって手を動かしたことを判定可能となり、かかる判定結果に対応して、例えば、表示装置41の左部から右部に向かって魚群が移動する演出表示を行うようにすることが可能となる。
図119(c)は、赤外センサI2によって手が検出された後、赤外センサI1によって手が検出されたときのタイミングチャートである。
同図のタイミングチャートから、演出制御装置300は遊技者がガラス枠15前面の右側から左側に向かって手を動かしたことを判定可能となり、かかる判定結果に対応して、例えば、表示装置41の右部から左部に向かって魚群が移動する演出表示を行うようにすることが可能となる。
次に、上述の手翳し演出表示の一例について、図120を用いて説明する。
図120(a)は、特図変動表示ゲームにてリーチ(ダブルリーチ)が発生した状態を示す図である。このとき、演出制御装置300は、表示装置41の表示部41aに演出ボタンの押下を促す表示(例えば演出ボタンを模した図形に「PUSH」の文字を付した表示)を行う。
ここで、演出ボタンが押下されると、演出制御装置300は、図120(b)に示すように、遊技者に対してカバーガラス14の前面に手を翳すことを促す表示、図120(c)に示すように、泡の画像の表示、又は図120(d)に示すように、大魚の画像の表示の何れかを行う。
一方、演出ボタンが押下されない場合には、図120(e)に示すように、上記のような演出表示を行うことなく、特図変動表示ゲームを実行する。
続けて、図120(b)のように手を翳すことを促す表示がなされ、遊技者が手を翳した場合、演出制御装置300は、図120(f)に示すように、魚群の画像の表示、又は図120(g)に示すように、大魚の画像の表示の何れかを行う。
また、ここで手を翳さない場合には、図120(h)に示すように、上記のような演出表示を行うことなく、特図変動表示ゲームを実行する。
〔リーチ演出処理〕
次に、上述の手翳し演出を行うリーチ演出処理の手順について図121及び図122のフローチャートを用いて説明する。
図121に示すように、演出制御装置300は、まず、特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定(ステップB21)する。
ここで、特図変動表示ゲームの結果が大当りであると判定された場合(ステップB21;Yes)は、当該特図変動表示ゲームにてリーチが発生するか否かを判定(ステップB22)する。
そして、当該特図変動表示ゲームにてリーチが発生すると判定された場合(ステップB22;Yes)は、実際にリーチが発生するタイミングで表示部41aに演出ボタンの押下を促す表示(図120(a)参照)を行い、当該表示後の所定期間内に演出ボタンが押下されたか否かを判定(ステップB23)する。
ここで、演出ボタンが押下されたと判定された場合(ステップB23;Yes)は、20%の割合で表示部41aに泡画像の表示(図120(c)参照)を行う(ステップB24)か、当該泡画像の表示と同様、20%の割合で表示部41aに大魚画像の表示(図120(d)参照)を行う(ステップB25)か、又は60%の割合で表示部41aに手を翳すことを促す表示(図120(b)参照)を行う(ステップB26)。
そして、ステップB24にて泡画像の表示がなされた場合、若しくは、ステップB25にて大魚画像の表示がなされた場合、又は、ステップB22にてリーチが発生しないと判定された場合(ステップB22;No)、若しくは、ステップB23にて演出ボタンが押下されなかったと判定された場合(ステップB23;No)は、リーチ演出処理を終了する。
また、ステップB26にて手を翳すことを促す表示がなされた場合は、当該表示後の所定期間内に手が翳されたか否かを判定する(ステップB27)。
ここで、手が翳されたと判定された場合(ステップB27;Yes)は、90%の割合で表示部41aに魚群画像の表示(図120(f)参照)を行う(ステップB28)か、10%の割合で表示部41aに大魚画像の表示(図120(g)参照)を行い(ステップB29)、リーチ演出処理を終了する。
一方、手が翳されていないと判定された場合(ステップB27;No)は、リーチ演出処理を終了する。
また、ステップB21にて特図変動表示ゲームの結果が大当りでないと判定された場合(ステップB21;No)は、図122のステップB30へ移行して、当該特図変動表示ゲームにてリーチが発生するか否かを判定(ステップB30)する。
そして、当該特図変動表示ゲームにてリーチが発生すると判定された場合(ステップB30;Yes)は、実際にリーチが発生するタイミングで表示部41aに演出ボタンの押下を促す表示(図120(a)参照)を行い、当該表示後の所定期間内に演出ボタンが押下されたか否かを判定(ステップB31)する。
ここで、演出ボタンが押下されたと判定された場合(ステップB31;Yes)は、90%の割合で表示部41aに泡画像の表示(図120(c)参照)を行う(ステップB32)か、7%の割合で表示部41aに大魚画像の表示(図120(d)参照)を行う(ステップB33)か、又は3%の割合で表示部41aに手を翳すことを促す表示(図120(b)参照)を行う(ステップB34)。
このように、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合に比べて大当りとなる場合の方が手を翳すことを促す表示処理を行う割合が高く設定されている。
そして、ステップB32にて泡画像の表示がなされた場合、若しくは、ステップB33にて大魚画像の表示がなされた場合、又は、ステップB30にてリーチが発生しないと判定された場合(ステップB30;No)、若しくは、ステップB31にて演出ボタンが押下されなかったと判定された場合(ステップB31;No)は、リーチ演出処理を終了する。
また、ステップB34にて手を翳すことを促す表示がなされた場合は、当該表示後の所定期間内に手が翳されたか否かを判定する(ステップB35)。
ここで、手が翳されたと判定された場合(ステップB35;Yes)は、90%の割合で表示部41aに魚群画像の表示(図120(f)参照)を行う(ステップB36)か、10%の割合で表示部41aに大魚画像の表示(図120(g)参照)を行い(ステップB37)、リーチ演出処理を終了する。
一方、手が翳されていないと判定された場合(ステップB35;No)は、リーチ演出処理を終了する。
次に、上述の手翳し演出表示のその他の一例について、図123を用いて説明する。
図123(a)は、特図変動表示ゲームの実行中(識別図柄が変動中)に表示装置41の表示部41aの表示内容を視認不可能にした状態を示す図である。
かかる状態において、遊技者がカバーガラス14の前面で手を翳して動かすと、演出制御装置300は当該手の位置情報を順次記憶することによって、当該手の動きの軌跡情報を取得することができるようになっている。
そして、図123(b)に示すように、演出制御装置300は、当該軌跡情報に基づいて、表示部41aの遊技者が手を動かした軌跡に対応した表示領域の内容を視認可能にすることができるようになっている。
ここで、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において、複数の図柄が変動表示する特図変動表示ゲームを実行可能な変動表示手段、少なくとも特図変動表示ゲーム中の表示画面の表示内容を隠蔽するかのようにして識別不能な画像を表示する隠蔽表示手段、及び、隠蔽表示手段による識別不能な画像の表示中に位置検出装置29により検出された物体の位置に基づいて、当該位置に対応する表示画面の隠蔽された表示内容の少なくとも一部を識別可能に表示する現出表示手段として機能する。
これにより、特図変動表示ゲーム中に遊技者による操作が可能な演出表示を実行することができることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、当該表示領域は視認可能となってから所定時間経過後に再度視認不可能な状態に戻るようになっている。
また、上記のように遊技者が手を翳して動かした軌跡に対応した表示領域の内容を視認可能にする方法以外にも、下記の方法によって当該表示領域の内容を視認可能にしても良い。
具体的には、例えば、図123(c)に示すように、演出制御装置300は、表示部41aの表示領域P1〜P6の各領域の位置情報を記憶しておく。
また、図123(d)に示すように、演出制御装置300は、遊技者がカバーガラス14の前面で手を翳す手翳領域T1〜T6についても各領域の位置情報を記憶しておく。
また、表示領域P1の位置情報と手翳領域T1の位置情報、表示領域P2の位置情報と手翳領域T2の位置情報、…、表示領域P6の位置情報と手翳領域T6の位置情報を夫々対応付けて記憶しておく。
そして、遊技者によって手が翳された手翳領域に対応する表示部41aの表示領域が視認不可能な状態から視認可能な状態に切り替えられるようになっている。
図123(e)は、遊技者によって手翳領域T2、T5、及びT6に手が翳された状態を示す図である。これにより、表示領域P2、P5、及びP6が視認可能な状態となっている。
ここで、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において、複数の図柄が変動表示する特図変動表示ゲームを実行可能な変動表示手段、少なくとも特図変動表示ゲーム中の表示画面の表示内容を隠蔽するかのようにして識別不能な画像を表示する隠蔽表示手段、及び、隠蔽表示手段による識別不能な画像の表示中に位置検出装置29により検出された物体の位置に基づいて、当該位置に対応する表示画面の隠蔽された表示内容の少なくとも一部を識別可能に表示する現出表示手段として機能する。
これにより、特図変動表示ゲーム中に遊技者による操作が可能な演出表示を実行することができることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技者が手を翳すにあたって、同図(e)の表示領域P1に示すように、演出制御装置300は、遊技者に手を翳させる領域(ここでは手翳領域T1)に手翳しを促す表示(例えば、「タッチ!」の文字表示)を行う。また、演出制御装置300によって、「タッチ!」の文字表示がなされた表示領域に対応する手翳領域以外に手を翳しても当該表示領域は視認可能な状態に切り替わらないようになっている。
次に、上述の手翳し演出表示のその他の一例について、図124を用いて説明する。
図124(a)は、特図変動表示ゲームの実行中(識別図柄が変動中)に始動入賞が発生したことに基づいて、新たに始動記憶の表示が行われた状態を示す図である。
具体的には、このとき既に始動記憶を一つ有する状態で、新たに始動入賞が発生し消化順序が2番目の始動記憶として先読み予告が行われることを報知する始動記憶(先読み記憶)の表示(図中、ハッチングされた丸印表示)がなされる。
ここで、先読み予告とは、保留された始動記憶(始動権利)に基づく特図変動表示ゲームの抽選結果に応じて、その保留より前に保留されている始動記憶に対応した特図変動表示ゲームにおいて実行される予告演出である。
そして、当該先読み記憶の表示がなされると、図124(b)及び(c)に示すように、遊技者に対してカバーガラス14の前面右側へ手を翳すことを促す画像(例えば、手のひらを象った画像)を当該表示装置41の表示部41aの右部に表示させる。
そして、図124(d)及び(e)に示すように、先読み記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される前にカバーガラス14の前面右側に手を翳し続けると、表示部41aの右部に魚が集まってくる演出表示がなされる。
続けて、図124(f)に示すように、カバーガラス14の前面右側に手を翳し続けた状態で先読み記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されてリーチが発生したとき、遊技者に対して右側から左側へ手をスライドさせることを促す画像(例えば、左向きの矢印画像)を表示部41aの中央に表示させる。
そして、図124(g)に示すように、遊技者が手を右側から左側へスライドさせると、表示部41aの右部から左部へ魚群が移動する演出表示がなされる。
ここで、演出制御装置300は、位置検出装置29によって検出された物体の位置に基づいて、表示装置41の表示内容を変化させたこととなる。
これにより、位置検出装置29によって、表示装置41の前面の所定領域内で移動した物体の位置を検出して、当該検出された物体の位置に基づいて、表示装置41の表示内容を変化させることができるので、遊技者の動きに対応した特図変動表示ゲームの演出表示を適切に行うことができる。
また、先読み記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される前にカバーガラス14の前面右側に手を翳さなかった場合でも、当該特図変動表示ゲームが実行されたときにカバーガラス14の前面へ手を翳すことを促す画像を表示部41aの中央に表示させる。
そして、図124(h)に示すように、遊技者がカバーガラス14の前面へ手を翳すとともに、当該特図変動表示ゲームにてリーチが発生すると、図124(i)に示すように、表示部41aの右部から左部へ魚群が移動する演出表示がなされる。
また、リーチの発生に合わせて表示装置41に魚群画像を表示させた場合、当該リーチが発生した特図変動表示ゲームの結果に合わせた演出表示を行うようになっている。
具体的には、例えば、図125(a)に示すように、表示装置41に魚群画像を表示させた場合、図125(b)に示すように、当該魚群画像の行く手に岩壁画像を表示させた後、図125(c)に示すように、当該魚群画像が岩壁画像に衝突する演出表示を行う。また、当該演出表示を行うタイミングで、枠表示装置28aの表示画面に当該表示画面の連続押下を促す表示(例えば「PUSH」の文字表示)を行う。
そして、当該演出表示中の特図変動表示ゲームの結果が大当りであり、且つ、遊技者が所定回数以上枠表示装置28aの表示画面を連続押下した場合には、図125(d)に示すように、岩壁が砕ける演出表示を行った後、大当り結果を表示するようにする。なお、当該特図変動表示ゲームの結果が大当りであるが、遊技者が所定回数以上枠表示装置28aの表示画面を連続押下しない場合には、上記のように岩壁が砕ける演出表示を行わずに上記連続押下を促す表示がされてから所定時間経過後に大当り結果を表示するようにする。
また、当該演出表示中の特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、上記のように岩壁が砕ける演出表示を行わずに上記連続押下を促す表示がされてから所定時間経過後にはずれ結果を表示するようにする。
ここで、演出制御装置300は、表示装置41の表示内容を変化させた後、枠表示装置28aを操作することで、所定の演出を実行したこととなる。
これにより、遊技者による当該枠表示装置28aの接触操作によって、表示装置41の表示内容を変化させた後、さらに所定の演出を実行することができるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態において、枠表示装置28aを表示装置41の右方に配設するようにしたが、表示装置41の下方に配設するようにしても良い。
具体的には、上皿21や下皿23の上面に枠表示装置28aを備えるようにしても良い。また、下皿が無く、上皿のみで構成された遊技機の場合でも当該上皿の上面に枠表示装置28aを備えるようにしても良い。
また、上記実施形態において、表示装置41には、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置を用いたが、タッチパネル式の表示装置を用いても良い。
また、上記実施形態において、枠表示装置28aの操作例として指による接触操作を示したが、これ以外にもタッチペン等の操作部材を用いて接触操作することができるようにしても良い。
また、上記実施形態において、押下げ式の演出ボタンを用いたが、当該押下げ式の演出ボタンを回動させることができるようにし、当該ボタンを回動させることによって、例えば、表示装置41に表示される演出内容等を切り替えて表示することができるようにしても良い。また、押下げ式の演出ボタンとは別に当該ボタンの近傍に回動式操作部を配設し、当該回動式操作部の回動操作によって、表示装置41に表示される演出内容等を切り替えて表示することができるようにしても良い。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。