本発明の一実施形態にかかるパチンコ遊技機を図面に基づいて以下に説明する。図1は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる。
遊技領域の下方表面には打球供給皿(上皿)4がある。打球供給皿4の下部には、打球供給皿4に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿6や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域のほぼ中央位置には、可変入賞装置40が設けられている。可変入賞装置40の右側方には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。また、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄(第1特別図柄)を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄(第2特別図柄)を「第2特図」ともいう。
可変入賞装置40の左側方には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示装置20は、例えば通過ゲート41を通過した遊技球が図4に示すゲートスイッチ21によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、普通図柄の可変表示を行う。そして、例えば普通図柄の可変表示結果として「−」を示す記号が表示された場合には「普図はずれ」となる。その一方で、例えば普通図柄の可変表示結果として「7」を示す数字が表示された場合には「普図当り」となる。
可変入賞装置40の下方には、普通入賞球装置6A、特別可変入賞球装置7、一般入賞口42F、42L、42Rなどが設けられている。また、可変入賞装置40の向かって右下方の遊技領域には普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば図4に示す普通電動役物用ソレノイド55によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7は、例えば図4に示す下部大入賞口扉用ソレノイド54によって開閉駆動される下部大入賞口扉61を有し、その下部大入賞口扉61によって、下部大入賞口60を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とに変化させる。一般入賞口42F、42L、42Rはそれぞれ、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入(例えば、通過を含む。進入について同じ。)した遊技球は、例えば図4に示す始動口スイッチ22Aによって検出される。始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件(第1実行条件ともいう)が成立する。
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図4に示す始動口スイッチ22Bによって検出される。始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、このときに所定の条件が成立しているとき(この実施の形態では、遊技球の検出時に特図ゲームの実行中でないなど)のみにおいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始される。つまり、第2特図の可変表示については、後述の保留記憶が行われない。普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイド55がオン状態であるときに、可動翼片が傾動位置となることにより、通常開放状態に比べて遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい第1状態としての拡大開放状態となる。これに対して、普通電動役物用ソレノイド55がオフ状態であるときには、可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい第2状態としての通常開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、第2状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動条件が成立しやすい第1状態と第2始動条件が成立しにくい(成立しない場合を含む)第2状態とに変化する始動入賞装置を構成する。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う普通可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
特別可変入賞球装置7に形成された下部大入賞口60に進入した遊技球は、例えば図4に示す下部カウントスイッチ28によって検出される。下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。特別可変入賞球装置7では、下部大入賞口扉用ソレノイド54がオフ状態であるときに、下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を第1の状態としての閉鎖状態にする。他方、下部大入賞口扉用ソレノイド54がオン状態であるときには、下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を第2の状態としての開放状態にする。このように、特別可変入賞球装置7は、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する特定動作を行う変動入賞装置を構成する。
一般入賞口42Fに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27Fによって検出される。一般入賞口42Lに進入した遊技球は、一般入賞球スイッチ27Lによって検出される。一般入賞口42Rに進入した遊技球は、一般入賞球スイッチ27Rによって検出される。一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2は、可変入賞装置40の一構成例を拡大して示す図である。本実施の形態の可変入賞装置40には、可変入賞装置40の向かって右上部位置に、開閉部材となる可動部材として、上部大入賞口扉32が、摺動変化可能に設けられている。上部大入賞口扉32は、例えば連係アームといった所定のリンク機構などを介して、図4に示す上部大入賞口扉用ソレノイド53におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。そして、上部大入賞口扉用ソレノイド53がオン状態であるときには、上部大入賞口扉32が、上部大入賞口31を、第1の状態としての開放状態(遊技球が可変入賞装置40の内部に進入できる状態)にする。他方、上部大入賞口扉用ソレノイド53がオフ状態であるときには、上部大入賞口扉32が、上部大入賞口31を、第2の状態としての閉鎖状態(遊技球が可変入賞装置40の内部に進入できない状態)にする。なお、上部大入賞口扉32は、摺動変化可能に構成されたものに限定されず、例えば回動可能に構成されることにより、上部大入賞口31を、第1の状態である開放状態(遊技球の進入が容易な状態であればよい。)と第2の状態である閉鎖状態(第1の状態よりも遊技球の進入が困難な状態であれば、開放状態であってもよい。)とに変化させることができるものであればよい。このように、可変入賞装置40は、遊技者にとって有利な第1の状態(ここでは開放状態)と遊技者にとって第1の状態よりも不利な第2の状態(ここでは閉鎖状態)とに変化する始動動作を実行することができるように構成されている。
可変入賞装置40の内部には、遊技球が流下して通過可能な上部球経路34が設けられている。開放状態にある上部大入賞口31を通過して可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、上部球経路34を通過した後に、最終的に、例えば特定領域49や通常領域50などといった、複数の領域のいずれかに進入して、可変入賞装置40の外部へと排出される。このとき、特定領域49に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。すなわち、特定領域スイッチ24は、可変入賞装置40に設けられた複数の領域のうち、特定領域49に進入した遊技球を検出する。また、通常領域50に進入した遊技球は、通常領域スイッチ25によって検出される。すなわち、通常領域スイッチ25は、可変入賞装置40に設けられた複数の領域のうち、通常領域50に進入した遊技球を検出する。本実施の形態では、小当り遊技状態における始動動作で上部大入賞口扉32により開放状態となった上部大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が、特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
可変入賞装置40の上部には、天入賞口39が形成されている。天入賞口39に進入した遊技球は、そのまま遊技盤2の裏面に排出される。このとき、天入賞口39に進入した遊技球は、図4に示す天入賞球スイッチ26によって検出される。天入賞球スイッチ26によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2(a)では、上部大入賞口31が閉鎖状態となっており、図2(b)では、上部大入賞口31が開放状態となっている。上部大入賞口31はそれぞれ、可変入賞装置40の内部と外部とを連通させる開口部であり、図2(b)に示すような開放状態であるときに、遊技球を可変入賞装置40の外部から内部に進入させることができる。上部大入賞口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、上部球経路34への流入口に設けられた上部カウントスイッチ23にて検出された後、該流入口から上部球経路34へ流入する。上部カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、この実施の形態では、上部カウントスイッチ23にて検出されたことに応じて賞球を付与しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定領域スイッチ24、通常領域スイッチ25による遊技球の検出に応じて賞球を付与するようにしてもよい。
図3(a)及び(b)は、上部球経路34へと誘導された遊技球の流れを示す図である。図2(a)や図3(a)及び(b)に示すように、上部球経路34の付近には、装飾模型の一例として、人形模型47が設けられている。人形模型47には、振分部材となる可動部材の一例として、足模型51が取り付けられている。足模型51は、所定のリンク機構などを介して、図4に示す模型用ソレノイド52におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。なお、模型用ソレノイド52は、人形模型47に取り付けられた口飾り模型などにも連結され、足模型51と連係して動作させるようにしてもよい。
模型用ソレノイド52がオフ状態であるときには、図3(a)に示すように、足模型51が上部球経路34を流下する遊技球には接触しないよう遊技球の経路よりも上方向に保持される。このとき、上部球経路34を流下した遊技球は、足模型51には接触することなく、下部ステージ35へと振分けられるように誘導される。その後、遊技球は、特定領域49に進入する。一方、模型用ソレノイド52がオン状態であるときには、図3(b)に示すように、足模型51が下方向に移動して、上部球経路34を流下する遊技球と接触する。このとき、上部球経路34を流下した遊技球は、足模型51に接触して、下部球経路36へと振分けられるように誘導される。その後、遊技球は、通常領域50に進入する。
可変入賞装置40の入賞空間内(内部)において、例えば可変入賞装置40の背面部分などには、画像表示装置5が配置されている。画像表示装置5は、例えば、液晶表示器(LCD;)といった、画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5には、演出画像を表示する表示領域が形成されている。画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された演出図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の演出図柄(飾り図柄ともいう)を可変表示するとともに、普通入賞球装置6Aに進入した有効進入球数としての第1保留記憶数を表示する。この演出図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄可変表示部が配置され、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームが実行されることに対応して、各演出図柄可変表示部にて演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて演出図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部は、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、演出図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組み合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、演出図柄(飾り図柄)として変動可能に表示される。
画像表示装置5の表示領域において演出図柄の可変表示が開始されると、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である演出図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である演出図柄が表示される。演出図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」や「小当り」となることを予告する予告演出画像といった、各種の演出表示を行うための画像が、画像表示装置5の表示領域内において表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、普通入賞球装置6Aに進入した有効進入球数としての第1保留記憶数が表示される第1保留記憶表示部から成る特別図柄始動記憶表示エリアが設けられている。具体的には、第1保留記憶数が1加算されたときには、始動入賞なしに対応する例えば青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち向かって左端の表示部位)を始動入賞ありに対応する表示態様である赤色表示に変化させる。これに対して、第1保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。
第1特別図柄表示装置4Aの上方には、第1特別図柄保留記憶LED15Aが設けられている。第1特別図柄保留記憶LED15Aはそれぞれ、例えば4個のLEDを含んで構成されている。第1特別図柄保留記憶LED15Aは、第1保留記憶数を表示する。また、普通図柄表示装置20の上方には、普通図柄保留記憶LED15C並びに5ラウンド用LED15Dと15ラウンド用LED15Eとが設けられている。普通図柄保留記憶LED15Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。5ラウンド用LED15D並びに15ラウンド用LED15Eは、例えば1個のLEDを含んで構成され、5ラウンド大当りまたは15ラウンド大当りにおいて点灯されることで、実施中の大当り状態が5ラウンド大当りであるか15ラウンド大当りであるかを報知する。
これら第1特別図柄保留記憶LED15A、普通図柄保留記憶LED15C、5ラウンド用LED15D並びに15ラウンド用LED15Eは、図4に示すように、いずれも主基板11に接続され、遊技制御用マイクロコンピュータ100により点灯状態が制御される。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、特別可変入賞球装置7、可変入賞装置40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
普通図柄表示装置20による普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示を開始させた後、可変表示結果が「普図当り」の図柄となったことに対応して、例えば普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることなどにより、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が、垂直位置にある通常開放状態から傾動位置にある拡大開放状態に変化する。その後、所定時間が経過すると、通常開放状態に戻る。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲームとも言う)は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲームとも言う)は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したときに、例えば特図ゲームが終了していること(特図ゲームが開始されていないこと(開始させるための処理が行われていないことを含む))や大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了したことといった、第2特別図柄の可変表示を開始するための条件が成立している場合に、開始される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が進入した(例えば、入った)ことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、第1特別図柄表示装置4Aにおいては「1」、「2」、「3」、「4」、「5」を示す数字を第1〜第5大当りの図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄としている。また、第2特別図柄表示装置4Bにおいては、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「1」、「2」、「3」、「4」を示す数字を小当り図柄としている。尚、この実施の形態では、第2特別図柄表示装置4Bでは、必ず大当りまたは小当りとなりはずれが存在しないためにはずれ図柄を設けていないが、はずれを設ける場合には、第1特別図柄表示装置4Aと同様に、「−」を示す記号をはずれ図柄とすればよい。第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第1特定表示結果となる。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第2特定表示結果となり、小当り図柄は第2所定表示結果となる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われることに対応して、演出図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となる場合には、演出図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて所定の大当り組み合せを構成する確定演出図柄が停止表示される。このような大当り組み合せの確定演出図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて、「7」を示す英数字といった、同一の演出図柄が揃って導出表示されるものが含まれていればよい。また、第2特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となる場合には、演出図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて所定の小当り組み合せを構成する確定演出図柄が停止表示される。このような小当り組み合せの確定演出図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の演出図柄可変表示部にそれぞれ「1」、「3」、「5」を示す英数字を停止表示させる場合のように、予め定められた組み合せの演出図柄が導出表示されるものが含まれていればよい。
第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく小当り遊技状態では、例えば上部大入賞口扉用ソレノイド53をオフ状態からオン状態に切り換えることなどにより、可変入賞装置40における上部大入賞口扉32を摺動させて、上部大入賞口31を所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させる。その後、所定時間が経過すると、例えば上部大入賞口扉用ソレノイド53をオン状態からオフ状態に切り換えることなどにより、上部大入賞口31を閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる上部大入賞口31の開閉動作を、始動動作という。例えば、小当り遊技状態では上部大入賞口31を開閉する始動動作が、1回、あるいは2回といった複数回行われる。このように、始動動作は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの可変表示結果が第2所定表示結果である「小当り」となったことに対応して、可変入賞装置40における上部大入賞口31を、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に、再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった上部大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合には、大当り遊技状態(第7大当り)となる。このように、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった場合には、始動動作にて開放状態となった上部大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、大当り遊技状態とする制御が行われる。他方、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合には、特定領域49に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当り遊技状態(第1〜第6大当り)とする制御が行われる。大当り遊技状態の場合には、可変入賞装置40に設けられた上部大入賞口31を開放状態とすることなく、特別可変入賞球装置7に設けられた下部大入賞口扉61により下部大入賞口60を開放状態とする特定動作が開始される。
大当り遊技状態では、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の特定動作が実行可能となり、特別可変入賞球装置7に形成された下部大入賞口60が、第2の状態としての閉鎖状態から第1の状態としての開放状態となる。一例として、特別可変入賞球装置7では、下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を閉鎖状態から開放状態へと変化させた後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、下部大入賞口60を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められている。また、大当り遊技状態にてラウンド遊技を繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数としてのラウンド最大値は、「5」、「15」のいずれかに決定される。ここで、ラウンド最大値が「15」に決定された大当り遊技状態は、ラウンド最大値が「5」に決定された大当り遊技状態に比べて、下部大入賞口60に多くの遊技球が入賞することで払い出される賞球の個数を多くすることが可能であり、遊技者にとって有利である。このように、大当り遊技状態には、ラウンド最大値が「5」に決定された場合のような第1特定遊技状態となる大当り遊技状態と、ラウンド最大値が「15」に決定された場合のような第1特定遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利な第2特定遊技状態となる大当り遊技状態とが、含まれている。
大当り遊技状態では、ラウンド最大値に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技の終了後に、次のラウンド遊技が実行可能となる。このときには、ラウンド遊技の実行中に下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件(ラウンド継続条件)としてもよい。他方、ラウンド最大値に達するまでは、下部カウントスイッチ28や継続入賞検出器によって遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド遊技の終了後に次のラウンド遊技が実行可能となるようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態や大当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態としての時短状態(第1有利状態または第2有利状態)に制御される。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短(有利)状態等の有利状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。
時短(有利)状態では、例えば普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常遊技状態よりも向上することや、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったときに普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片が第2始動入賞口を第1誘導状態としての拡大開放状態とする期間や回数が通常遊技状態よりも増大すること、普図ゲームにて普通図柄の可変表示を開始してから可変表示結果が停止表示されるまでの可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなること、これらのいずれかを組み合せること、あるいは、これらの全てを組み合せることなどにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が通常遊技状態に比べて成立しやすくなればよい。この実施の形態では、時短(有利)状態では、「普図当り」となる確率は通常遊技状態と同じとされているものの、普図ゲームの可変表示時間が通常遊技状態(30秒)よりも短く(1秒)なるとともに、可動翼片が拡大開放状態とする期間が0.1秒から5秒に延長される時短制御が実施されることで、普通可変入賞球装置6Bに入賞しやすくなることにより、遊技者に有利とされる。
本実施の形態では、これら時短(有利)状態として、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが2回となる期間において上述した時短状態に制御される第1有利状態と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが10回となる期間において上述した時短状態に制御される第2有利状態と、の2種類の時短(有利)状態が設けられており、第1特別図柄表示装置4Aでは、大当り遊技状態に制御された際の有利状態の有無並びに発生した大当りの種別(第1〜第5)に基づいて、開始する有利状態を第1有利状態または第2有利状態とするかが決定されて、大当り遊技状態が終了するときに、決定された第1有利状態または第2有利状態の制御が開始され、第2特別図柄表示装置4Bでは、発生した大当りの種別(第6)や、小当り遊技状態に制御されて特定領域49に遊技球が流入したことにより大当り遊技状態に制御されたときには、当選した小当りの種別(第1〜4)に基づいて、開始する有利状態を第1有利状態または第2有利状態とするかが決定されて、大当り遊技状態が終了するときに、決定された第1有利状態または第2有利状態の制御が開始される。これら開始された時短(有利)状態は、時短(有利)状態であるときに大当り遊技状態に制御されたこと、あるいは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが上限回数(2回または10回)に到達することに対応して、時短(有利)状態の制御が終了する。
つまり、第1有利状態では、最大2回しか小当りとなる可能性がない、すなわち、小当りにより実施される上部大入賞口31が開放状態とされるチャンスが2回しかないので、特定領域49に遊技球が流入することにより大当りとなる可能性が低いのに対し、第2有利状態では、最大10回、小当りとなる可能性がある、すなわち、小当りにより実施される上部大入賞口31が開放状態とされるチャンスが10回もあるので、特定領域49に遊技球が流入することにより大当りとなる可能性が高くなる。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板11及び演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11には、遊技盤2に設けられた各スイッチ21、22A、22B、23、24、25、26、27F、27L、27R、28からの信号が入力される。主基板11からは、遊技盤2に設けられた各ソレノイド52、53、54、55を駆動制御するための駆動制御信号が出力される。
また、主基板11からは、遊技の進行状況に応じた画像表示制御や電飾制御、効果音出力制御といった演出制御を指示する電気信号としての演出制御コマンド(図15、16参照、詳しくは後述)が出力され、演出制御基板12へと伝送される。加えて、主基板11からは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力される。さらに、主基板11からは、所定の情報端子基板などに対して、各種の遊技情報が伝送されるようにしてもよい。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各種ソレノイドに対する駆動制御信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号としての演出制御コマンドは、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされている。なお、図15,16に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)106と、ゲーム制御用のプログラムや乱数を生成する乱数生成プログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)105と、CPU106のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)104と、乱数回路108と、入出力ポート107とを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU106がROM105から読み出したプログラムを実行し、RAM104をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。RAM104には、後述の処理で使用される、各種バッファ、各種フラグ、各種カウンタ、各種タイマなどが設けられる。
乱数回路108は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否かや小当りとするか否かを判定するための判定用の乱数ランダム0を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路108は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路108が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM105等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路108が更新する数値データの初期値として設定する。RAM104は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。
図8は、主基板11の側において用いられるランダム0以外の乱数値を例示する説明図である。図8に示すように、この本実施の形態では、主基板11の側において、ランダム1〜ランダム5までの各乱数が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数ランダム1〜ランダム5は、CPU106にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路108によって更新されてもよい。乱数回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU106がROM105から読み出したプログラムを実行し、RAM104をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU106は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM105には、CPU106が各種の判定や決定を行うために用意された、複数の判定テーブルや決定テーブルや種別テーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。また、ROM105には、CPU106が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
入出力ポート107は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
図4に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、画像表示装置5の表示動作やスピーカ8L、8Rからの効果音出力動作、遊技効果ランプ9の点灯動作といった各種の演出動作を、主基板11からの演出制御コマンドに応じて制御する。一例として、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図6は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU126と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM125と、CPU126のワークエリアを提供するRAM124と、入出力ポート127とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU126がROM125から読み出したプログラムを実行し、RAM124をワークエリアとして用いることで、画像表示装置5などによる演出動作を制御するための処理が実行される。RAM124には、後述の処理で使用される、各種バッファ、各種フラグ、各種カウンタ、各種タイマなどが設けられる。また、CPU126は、ROM125に記憶されている乱数生成プログラムを実行することで、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数を必要に応じて生成可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら乱数生成プログラムとは個別に、CPU126とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路を設けるようにしても良い。
演出制御用マイクロコンピュータ120におけるROMには、後述するように、各種のパターンテーブルが記憶されている。各種のパターンテーブルには、演出制御パターンテーブルなどが含まれる。演出制御パターンテーブルは、CPU126による演出制御用マイクロコンピュータ120での設定内容、画像表示装置5の表示制御の内容、スピーカ8L、8Rの音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの点灯制御の内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして当該演出制御パターンを特定可能な演出制御パターンコードに対応付けて複数種類格納されていればよい。各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5の表示内容(表示制御データなどによって規定される。)やスピーカ8L、8Rからの音声出力内容(音声制御データなどによって規定される。)、遊技効果ランプ9あるいは装飾用LEDの点灯動作内容(ランプ制御データなどによって規定される。)といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。この実施の形態では、演出制御パターンとして、図7に示す各種の変動パターンに対応する各種の演出制御パターンや、5ラウンド大当りの演出に用いられる演出制御パターンや、15ラウンド大当りの演出に用いられる演出制御パターンや、特定領域49に遊技球が流入してV入賞した際の15ラウンド大当りの演出に用いられる演出制御パターン等が用意されている。
入出力ポート127は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート127の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御信号や、音制御部122やランプ制御部123へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御信号などに基づき、画像表示装置5の表示領域における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部121では、画像表示装置5の表示領域にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、演出図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
演出制御基板12に搭載された音制御部122では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての効果音信号に応じて、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作の制御が行われる。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての電飾信号に応じて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDによる点灯動作の制御が行われる。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12とは別個に設けられた制御基板上に搭載されるように構成されてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU106)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、メイン処理を開始する。
メイン処理において、CPU106は、まず、必要な所定の初期設定、初期化処理(RAM104のクリア、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにする処理など)などを行う。その後、CPU106は、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、画像表示装置5において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ120である。
タイマ割込が発生すると、CPU106は、タイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理は、下記の処理を含む。タイマ割込処理では、最後に割込許可状態に設定される。
(スイッチ処理)スイッチ回路101を介して、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22A、始動口スイッチ22B、上部カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、通常領域スイッチ25、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R、下部カウントスイッチ28の検出信号を入力し、それらの状態判定(例えば、オンしているかなど)を行う。
(表示制御処理)第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1特別図柄保留記憶LED15A、普通図柄保留記憶LED15Cの表示制御を行う。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、後述の特別図柄表示制御処理及び普通図柄表示制御処理で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
(判定用乱数更新処理)遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理。
(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理)初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理。
(特別図柄プロセス処理)第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび下部大入賞口60を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
(普通図柄プロセス処理)普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。この処理では、通過ゲート41を遊技球が通過した場合に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶を行ったり、保留記憶を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターンを決定したり、普図ゲームを実行するときに普通図柄の変動に関する開始フラグをセットしたり、普図ゲームを終了するときに普通図柄の変動に関する終了フラグをセットするとともに普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを拡大開放状態にするための処理を行ったりして、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの拡大開放状態などを実現する。CPU106は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
(演出制御コマンド制御処理)演出制御用マイクロコンピュータ120に演出制御コマンドを送出する処理。
(情報出力処理)例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
(賞球処理)始動口スイッチ22A、始動口スイッチ22B、上部カウントスイッチ23、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R、下部カウントスイッチ28の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する。具体的には、始動口スイッチ22A、始動口スイッチ22B、上部カウントスイッチ23、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R、下部カウントスイッチ28のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
(出力処理)出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU106は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する。
(特別図柄表示制御処理)特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する。CPU106は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU106は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
(普通図柄図柄表示制御処理)普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する。CPU106は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「7」を示す1と「−」を示す0)を切り替える。また、CPU106は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理(上記タイマ割込処理における情報出力処理以外の処理)は2ms毎に起動されることになる。なお、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットなどがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび画像表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」とも「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび画像表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L、5C、5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第2特別図柄表示装置4Bに小当りである「1」〜「4」が停止表示される場合には、画像表示装置5において演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(例えばチャンス図柄「135」)が停止表示されることがある。第2特別図柄表示装置4Bに小当り図柄である「1」〜「4」が停止表示されることに対応する画像表示装置5における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。ここで、小当りとは、大当りと比較して下部大入賞口60の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りであって、可変入賞装置40の上部大入賞口扉32が始動動作によりスライドすることで上部大入賞口31が開放されることで、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入可能とされる当りである。
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1〜特殊PG3の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1〜特殊PG3の変動パターンは、第2特別図柄が小当り図柄となる場合に使用される変動パターンである。
図8は、この実施の形態で使用される乱数のうちの一部を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):当りの種類(後述する第1大当り〜第6大当り、第1小当り〜第4小当り)を決定する(当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。
(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数は、判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。また、この実施の形態では、当り判定用乱数(ランダム0)として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路108(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図9(a)は、当り判定テーブル130aを示す説明図である。当り判定テーブルとは、ROM105に記憶されているデータの集まりであって、ランダム0と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。当り判定テーブルは、後述する特別図柄ポインタが第1である、つまり、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合と、後述する特別図柄ポインタが第2である、つまり、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。図9(a)に記載されている数値が当り判定値である。特別図柄ポインタが第1である場合には、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、特別図柄ポインタが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、特別図柄ポインタが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合と同じ確率で大当り(第6大当り;いわゆる直撃大当り)が発生するとともに、これら大当りに対応する判定値以外の判定値が全て小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合には、はずれがなく、大当り以外は全て小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU106は、所定の時期に、乱数回路108のカウント値を抽出して抽出値を当り判定用乱数(ランダム0)の値とするのであるが、当り判定用乱数値が図9(a)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、当り判定用乱数(ランダム0)が図9(a)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特図ゲームの停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特図ゲームの停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(b)、(c)は、ROM105に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを示す説明図である。このうち、図9(b)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図9(c)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したとき(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)に大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を第1大当り〜第6大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(b)、(c)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、第6大当りの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第6大当りのみとなる。
大当り種別判定テーブル131aには、第1大当り〜第5大当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、確定特別図柄(「1」〜「5」)データ、ラウンド数(5R、15R)データ、有利状態フラグ(有利状態のときにオン状態になるフラグ)がオフ状態であるかオン状態であるかに応じて大当り後に第1有利状態とするか或いは第2有利状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、第1大当りから第3大当りに対応するラウンド数データに5ラウンドが設定されることで、第1大当り、第2大当り、第3大当りが5ラウンド大当りに設定される一方、第4大当りと第5大当りに対応するラウンド数データに15ラウンドが設定されることで、第4大当り、第5大当りが15ラウンド大当りに設定される。つまり、第4大当り、第5大当りとなることで、遊技者は、第1大当り、第2大当り、第3大当りよりも多くの遊技球が獲得可能となる。
また、有利状態フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常遊技状態においては第3,5大当りとなった場合においてのみ、該大当り後の有利状態が第2有利状態とされ、その他の第1,2,4大当りは第1有利状態とされ、有利状態フラグがオン状態(セットされている状態)である有利状態においては第2大当りとなった場合においてのみ第1有利状態とされ、その他の大当りは全て第2有利状態とされる。
本実施の形態における判定値数としては、第1大当りが70、第2大当りが100、第3大当りが90、第4大当りが30、第5大当りが10であり、発生確率としては、第2>第3>第1>第4>第5の順としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの判定値数としては、遊技性を考慮して適宜に設定すれば良い。通常遊技状態のときは、第1特図ゲームでは、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される大当り(第1,2,4大当り)に当選する割合は2/3であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される大当り(第3,5大当り)に当選する割合は1/3である。一方、有利遊技状態のときは、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される大当り(第2大当り)に当選する割合は1/3であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される大当り(第1,2,4,5大当り)に当選する割合は2/3である。よって、有利状態での大当りの終了後は、通常遊技状態での大当りの終了後(1/3)よりも高い割合(2/3)で第2有利状態に制御されるため、有利状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
大当り種別判定テーブル131bには、第6大当りについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値「0」〜「299」、確定特別図柄(「7」)データ、ラウンド数(15R)データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかにかかわらず、第2有利状態とすることを示すデータが設定されている。つまり、第2特別図柄で直撃大当りとなった場合には、全て第6大当りとなり、ラウンド数として15Rの大当り遊技が付与されるとともに、大当り後には必ず第2有利状態となる。
図9(d)は、ROM105に記憶されている小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cを示す説明図である。この小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cは、第2特図ゲームの開始時に小当りの発生が決定されたときに、小当りの種別を決定する場合のテーブルである。つまり、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、小当りの種別を第1小当り〜第4小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cには、第1小当り〜第4小当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、確定特別図柄(「1」〜「4」)データ、小当りによる可変入賞装置40の上部大入賞口扉32の始動動作による開放パターンを含む小当り制御パターンデータ、小当りによって特定領域49に遊技球が流入することにより発生する大当りのラウンド数データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じて大当り後に第1有利状態とするか或いは第2有利状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、全ての小当りに対して、15ラウンドのラウンド数データとなる第7大当りが設定されることで、小当りによって特定領域49に遊技球が流入した場合には、一義的に第7大当りとなり、15ラウンドの大当り遊技状態が付与される。また、有利状態フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常遊技状態においては、第3小当りと第4小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態とされ、第1小当りと第2小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態とされるように設定され、有利状態フラグがオン状態(セットされている状態)である時短(有利)状態においては、第1小当りと第3小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態とされ、第2小当りと第4小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態とされるように設定される。各小当り制御パターンは、上部大入賞口扉32の開放秒数や開放回数が異なるとともに、模型用ソレノイド52の駆動時期や駆動時間が異なるように設定される(図37〜図40参照)ことで、小当りの種別によって特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率が異なるようになっている。
第2特図ゲームでは、通常遊技状態において、大当り遊技状態(第7大当り)の終了後に第1有利状態に制御される第1,2小当りに当選する割合は23/30であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第3,4小当りに当選する割合は7/30である。一方、有利遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第2,4小当りに当選する割合は1/2であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第1,3小当りに当選する割合は1/2である。よって、有利状態での小当り中において発生する第7大当りの終了後は、通常遊技状態での大当りの終了後(7/30)よりも高い割合(1/2)で大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される小当りが当選するため、有利状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
また、第2特図ゲームにおける有利状態での小当り中において発生する第7大当りの終了後は、第1特図ゲームでの通常遊技状態での大当りの終了後(1/3)よりも高い割合(1/2)で、大当り遊技状態(第7大当り)の終了後に第1有利状態よりも有利状態に制御される有利期間が長い第2有利状態に制御される小当りが当選するため、当該有利状態の終了後に再び大当りとなる可能性が高いばかりか、当該大当りの終了後も第2有利状態となる可能性が高い、つまり第2有利状態の継続率が高いため、大当りが連続して発生することを期待できる。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄についてのみ、小当りが発生するようにしているが、第1特別図柄についても、小当りが発生するようにするとともに、該小当りの発生の種別に応じて該小当り後に第1有利状態または第2有利状態とすることで、大当りとならずに突然的に第1有利状態または第2有利状態となるようにしても良い。
図10(a)〜(c)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132b並びに小当り用変動パターン種別判定テーブル132cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。また、小当り用変動パターン種別判定テーブル132cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132bを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
小当り用変動パターン種別判定テーブル132cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、特殊CA4−1といった大当りである場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「小当り」となることに応じて小当り状態に制御する場合には、大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。尚、本実施の形態では、これら判定値としてランダム2がとりうる全ての値が判定値として設定されており、小当りとなった場合には、全て特殊CA4−1の変動パターンが選択されるようになっている。
図11(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135bを示す説明図である。このうち、図11(a)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であるとともに第1保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135aを示している。また、図11(b)は、遊技状態が時短(有利)状態であるか、または第1保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図12(a),(b)は、ROM105に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1にする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図12(a)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3、スーパーCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、図12(b)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの短縮変動パターンである特殊PG2の変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1のみに種別分けされている場合が示されている。
図13は、ROM105に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図14は、ROM105に記憶されている有利状態種別テーブル142を示す説明図である。有利状態種別テーブルには、有利状態の種別である第1有利状態と第2有利状態とに対応付けて、遊技状態を時短制御が実施される有利状態とする期間となる第2特別図柄の上限変動回数が設定されており、本実施の形態では、第1有利状態に対応して「2回」の上限変動回数が設定され、第2有利状態に対応して「10回」の上限変動回数が設定されている。
ROM105には、普図表示結果判定テーブルなども記憶される。普図表示結果判定テーブルは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするか等を判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブルは、普図表示結果判定用の乱数値ランダム4を、普図当り判定値データやはずれ判定値データなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成されている。
ROM105には、普図変動パターン決定テーブルも記憶される。普図変動パターン決定テーブルは、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの変動パターン(普図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、普図変動パターン決定テーブルは、普図変動パターンの種類や、普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの時間である普図変動時間を、普図ゲームにおける表示結果種別である普図表示結果が「当り」、「はずれ」のいずれであるかを、有利状態フラグのオン(セット)/オフ(非セット)、つまり、時短(有利)状態または通常遊技状態のそれぞれに対応して決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。この実施の形態では、普図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、通常遊技状態の「当り」に対応する変動パターンa(変動時間30秒)、普通状態の「はずれ」に対応する変動パターンb(変動時間30秒)、時短(有利)状態の「当り」に対応する変動パターンc(変動時間1秒)、有利状態の「はずれ」に対応する変動パターンd(変動時間1秒)の各変動パターンが用意されている。
ROM105には、普電開放パターンテーブルも記憶される。普電開放パターンテーブルには、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づき、普通電動役物用ソレノイド55により第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態にされる期間を示すデータが、普電開放パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、普電開放パターンテーブルには、2種類の期間の普電開放パターン(例えば、普電開放パターンFA1及び普電開放パターンFA2)が格納されている。普電開放パターンFA1は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態である通常時に、普図表示結果が「普図当り」に決定された場合に対応して選択されるパターンである。普電開放パターンFA2は、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態である有利時に、普図表示結果が「普図当り」に決定されたことに対応して選択されるパターンである。普電作動パターンFA1では、普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることにより普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である拡大開放時間を、「0.1秒」に設定する。普電作動パターンFA2では、拡大開放時間を「5秒」に設定する。このような設定により、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態である有利時には、通常遊技状態である通常時に比べて、第2始動入賞口が拡大開放状態となる期間が長くなり、遊技球が第2大入賞口に入賞しやすくなる。
ROM105には、小当り制御パターンテーブルも記憶される。小当り制御パターンテーブルには、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU106による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、下部大入賞口扉用ソレノイド54、模型用ソレノイド52、上部大入賞口扉用ソレノイド53における駆動動作の内容を示すデータが、小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、小当り制御パターンテーブルには、第1小当り〜第4小当りからなる4種類の小当り種別のそれぞれに対応して、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。各小当り制御パターンKP1〜KP4は、小当り種別が第1小当り〜第4小当りのそれぞれに決定された場合に対応して選択される。
小当り制御パターンテーブルに格納される複数種類の小当り制御パターンKP1〜KP4はそれぞれ、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU106による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、下部大入賞口扉用ソレノイド54、模型用ソレノイド52、上部大入賞口扉用ソレノイド53における駆動動作の内容といった、始動動作に対応した各種の設定や制御の内容、実行タイミング等を示している。小当り制御パターンKP1〜KP4を用意することで、小当り遊技状態では、下部大入賞口60を開放状態とする回数(2回)や開放時間(0.1秒)などが各小当りで共通とされるとともに、上部大入賞口31を始動動作で開放状態とする回数(始動開放回数)や開放時間などが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として停止表示された小当り図柄などに応じて、図37〜図40に示すように、異ならせることができる。
図15および図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、はずれを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、5R大当り(第1〜第3)を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り(第1〜第5)を指定する。コマンド8C04(H)(表示結果4指定コマンド)は、15R大当り(第6)を指定する。コマンド8C05(H)(表示結果5指定コマンド)は、小当りを指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび大当り開始指定3指定コマンドがある。大当り開始1指定コマンドは、5ラウンド大当りである第1大当り〜第3大当りの場合において送信されるコマンドであり、大当り開始2指定コマンドは、15ラウンド大当りである第4大当り〜第6大当りの場合において送信されるコマンドであり、大当り開始3指定コマンドは、小当りにおいて特定領域49に遊技球が流入してV入賞することで発生する第7大当りの場合において送信されるコマンドである。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に下部大入賞口60の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される(図42参照)。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知又は示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
小当り遊技状態は、上部大入賞口31の開放等が行われる小当り遊技状態のメインとなる小当り遊技が実行され、小当り遊技のあとに小当りエンディングが実行される(図41参照)。小当りエンディングは、小当り遊技状態が終了すること、すなわち、小当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA1XX(H)は、小当りの種別を指定するとともに、小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。第1小当りの場合にはEXTデータに「01(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第2小当りの場合にはEXTデータに「02(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第3小当りの場合にはEXTデータに「03(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第4小当りの場合にはEXTデータに「04(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の下部大入賞口60の開放を指定する演出制御コマンド(下部大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の下部大入賞口60の開放を指定する演出制御コマンド(下部大入賞口開放後指定コマンド)である。コマンドA4XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の上部大入賞口31の開放を指定する演出制御コマンド(上部大入賞口開放中指定コマンド)である。A5XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の上部大入賞口31の開放を指定する演出制御コマンド(上部大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA602(H)は、エンディングの開始を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA603(H)は、小当りエンディングの開始を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドA701(H)は、遊技球が通常領域50に進入したことを通常領域スイッチ25によって検出したことを指定する演出制御コマンド(通常領域進入指定コマンド)である。コマンドA702(H)は、遊技球が特定領域49に進入したことを特定領域スイッチ24によって検出したことを指定する演出制御コマンド(特定領域進入指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。
図17は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU106)が実行する特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび下部大入賞口60、可変入賞装置40を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU106は、まず、始動入賞判定処理を行う(S311)。
図18は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU106は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオンしているかを判定し(S201)、オンしている場合(例えば、スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオンしていると判定された場合など)、つまり、第1始動入賞口への始動入賞が発生していたら(S201;Y)、CPU106は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタ(RAM104に設けられる。)の値が4であるか否か)を確認する(S202)。第1始動口スイッチ22Aがオフしている場合、つまり、第1始動入賞口への始動入賞が発生していない場合(S201;N)、又は、第1保留記憶数が上限値に達していれば(S202;Y)、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ(S202;N)、CPU106は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やし(S203)、乱数回路108やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し(S204)、それらを、第1保留記憶バッファ(図19参照)における保存領域に格納する(S205)。なお、S204の処理では、ハードウェア乱数であるランダム0(当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
図19は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図19に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダム0(当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファは、RAM104に形成されている。
S205のあとは、第1保留記憶数カウンタの値を指定する第1保留記憶数指定コマンドを、送信する設定を行い(S206)、始動入賞判定処理を終了する。なお、前記送信する設定が行われた第1保留記憶数指定コマンドは、その後に実行される演出制御コマンド制御処理にて送信されることになる。これは他のコマンドについても同様である。つまり、以下で送信する設定が行われたコマンドは、その後に実行される演出制御コマンド制御処理にて送信されることになる。
始動入賞判定処理のあと、CPU106は、RAM104に設けられた特別図柄プロセスフラグの値(初期値は「0」)に応じてS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。以下、それぞれの処理において実行される主な処理内容について説明する。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第2始動口スイッチ22bがオン状態になっているかを判定し、オン状態になっている場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否か、或いは小当りとするか否かを決定する。第2始動口スイッチ22bがオン状態になっていない場合には、第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数を第1保留記憶数カウンタのカウント値などに基づいて確認し、0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを確認する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。また、大当り種別や小当り種別も決定される(決定結果は記憶される。)。つまり、これから実行する可変表示の表示結果が決定される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技状態が終了するときにリセットされ、小当りフラグは、小当り開始処理にてリセットされる。なお、S300の詳細は、後述する。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、S300にて決定した表示結果などに基づいて、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる(例えば、初期値をセットする。)。そして、特別図柄の変動についての開始フラグをセットして(これによって、特別図柄表示制御処理において特図ゲームの実行が開始される。)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。なお、S301の詳細は、後述する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ120に、S300で決定した表示結果を指定する表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を送信する設定を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄が開始されてからの経過時間を計測する(例えば、変動時間タイマの値を1減じる)。計測した経過時間が、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間に達した場合(変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。計測した経過時間が前記変動時間に達していない場合(変動時間タイマの値が0になっていない場合)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変更せずに特別図柄変動中処理を終了する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける可変表示を停止して停止図柄(S300で決定した表示結果)を導出表示させる。このとき、特別図柄の変動についての終了フラグをセットする。また、演出制御用マイクロコンピュータ120に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると画像表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。S304の詳細は、後述する。
大当り開始処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。この処理は、大当り遊技状態におけるファンファーレの演出を演出制御用マイクロコンピュータ120に行わせるための処理である。大当り開始処理では、例えば、ファンファーレの期間を計測するためのファンファーレ用タイマの値が0であるか(つまり、タイマが動作しているか)を判定し、タイマの値が0である場合には、S300で決定した大当り種別に応じた大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンド〜大当り開始3指定コマンド)を送信する設定を行うとともに、ファンファーレの期間に対応した値を初期値としてファンファーレ用タイマにセットし、大当り開始処理を終了する。ファンファーレ用タイマの値が0でない場合には、ファンファーレ用タイマの値を1減じることで、ファンファーレの実行期間を計測する。
1減じたあとの値が0になった場合には、大当り種別に応じて(例えば、特別図柄通常処理や小当り終了処理において記憶される大当り種別に応じて)、ラウンド遊技をカウントするラウンド数カウンタの値をカウント初期値(第4〜第7大当りであれば「15」、第1〜第3大当りであれば「5」)に設定して、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。このとき、下部大入賞口60に入賞した遊技球をカウントする大入賞口カウンタをリセットするとともに(これ以降、このカウンタの値は、例えば、下部カウントスイッチ28がオンしたことにもとづく入賞検出があるごとにスイッチ処理や賞球処理にてカウントアップされる。)、下部大入賞口60の開放期間を計測するための開放期間用タイマの値を開放期間(ここでは、29秒)に応じた値に設定して、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動(オン)する設定を行う。駆動する設定によって、その後に実行される出力処理において、下部大入賞口扉用ソレノイド54が駆動され、下部大入賞口60が開放状態になる(以降、閉鎖するまで開放状態が保たれるように制御される。)。また、1減じたあとの値が0になっていない場合には、内部状態を更新せずに大当り開始処理を終了する(これによって、ファンファーレ終了までの待機が行われる)。
大当り中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技の実行期間に行われる処理であり、大当り種別に応じた各ラウンド遊技を実現する。例えば、開放期間用タイマの値が0でない場合(つまり、タイマが動作している場合)には、この値を1減じる。減じたあとの値が0であるか、または、大入賞口カウンタのカウント値が所定個数(例えば、10個)に達した場合、下部大入賞口60を開放状態から閉鎖状態へと変化させるタイミング(ラウンド遊技の終了タイミング)となっているので、開放期間用タイマの値を0にリセットし、ラウンド数カウンタの値を1減じ、下部大入賞口扉用ソレノイド54をオフする設定を行う。この設定によって、その後に実行される出力処理において、下部大入賞口扉用ソレノイド54はオフ状態となり、下部大入賞口60が閉鎖状態になる。減じたあとの値が0でない、かつ、大入賞口カウンタのカウント値が所定個数に達していない場合、大当り中処理は終了する(これによって、下部大入賞口60の開放されたまま待機される。)。
1減じた後のラウンド数カウンタの値が0になった場合には、ラウンド遊技が全て終了したことになるので、開放期間用タイマや下部大入賞口60の閉鎖期間を計測するための閉鎖期間用タイマの値を0にリセットするなどしたあとに内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。1減じた後のラウンド数カウンタの値が0になっていない場合には、残りのラウンド遊技があるので、開放期間用タイマの値をリセットするとともに、閉鎖期間用タイマに閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル)に対応した値を設定して、大当り中処理は終了する。
閉鎖期間用タイマの値が0でない場合(つまり、タイマが動作している場合)には、この値を1減じる。減じたあとの値が0である場合、下部大入賞口60を開放状態に変化させるタイミング(ラウンド遊技の開始タイミング)となっているので、上記と同様に、大入賞口カウンタをリセットするとともに(これ以降、このカウンタの値は、例えば、下部カウントスイッチ28がオンしたことにもとづく入賞検出があるごとにスイッチ処理や賞球処理にてカウントアップされる。)、開放期間用タイマの値を開放期間(ここでは、29秒)に応じた値に設定して、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動(オン)する設定を行う。減じたあとの値が0でない場合、大当り中処理は終了する(これによって、下部大入賞口60が閉鎖されたまま待機される。)。
なお、大当り開始処理及び大当り中処理では、下部大入賞口60を開放したときには、ラウンド数に応じた下部大入賞口開放中指定コマンドを送信する設定を行い、下部大入賞口60を閉鎖したときには、ラウンド数に応じた下部大入賞口開放後指定コマンドを送信する設定を行うようにしてもよい。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。この処理は、大当り遊技状態におけるエンディングの演出を演出制御用マイクロコンピュータ120に行わせるための処理である。詳しくは後述するが、大当り種別に応じて、遊技状態を示すフラグ(例えば有利状態フラグ)をセットする処理を行うとともに、エンディングの演出が終了するまで待機するための処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開始処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開始処理では、例えば、S300で決定した小当り種別に応じた小当り開始指定コマンドを送信する設定を行う。そして、下部大入賞口60を開放状態とするタイミングや閉状態とするタイミングや上部大入賞口31を開放状態とするタイミングや閉状態とするタイミングや足模型51を動作させるタイミングを含む小当り種別に対応した小当り制御パターン(小当り制御パターンKP1〜KP4)をセットすることで、これら小当り遊技状態の動作設定を実施する。また、小当り遊技用タイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間(小当り遊技の期間であり、小当り種別によって異なるようにしてもよいし、共通としてもよい。)に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、小当り遊技用タイマの値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、小当り中処理において、小当り遊技用タイマの値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技を開始してから、始動動作により開放状態となった上部大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49又は通常領域50に進入するまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、上部大入賞口31に進入した遊技球が、特定領域49又は通常領域50に進入した場合に特定領域スイッチ24又は通常領域スイッチ25によって有効に検出されるまでの猶予期間である有効入賞検出期間を示している。その後、小当りフラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態にするとともに、大入賞口カウンタなどを初期化した後(これ以降、大入賞口カウンタの値は、例えば、下部カウントスイッチ28がオンしたことにもとづく入賞検出があるごとにスイッチ処理や賞球処理にてカウントアップされる。)、特図プロセスフラグの値を小当り中処理に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。詳しくは、後述するが、小当り中処理においては、下部大入賞口60を開放する制御と、上部大入賞口31を開放状態とする制御とを行い、小当り遊技を実現する。具体的には、小当り開始処理でセットした小当り制御パターンなどに基づいて、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動して下部大入賞口60を開放状態にするとともに、上部大入賞口31を開放状態にする。また、小当り遊技用タイマと小当り遊技終了基準値とによって小当り遊技状態の終了を判定して、終了と判定した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。なお、この処理では、下部大入賞口60を開放したときには、ラウンド数(下部大入賞口60の開放回数、この明細書では、小当り遊技における下部大入賞口60の開放も適宜ラウンド遊技という。)に応じた下部大入賞口開放中指定コマンドを送信する設定を行い、下部大入賞口60を閉鎖したときには、ラウンド数に応じた下部大入賞口開放後指定コマンドを送信する設定を行うようにしてもよい。なお、この処理では、上部大入賞口31を開放したときには、開放回数に応じた上部大入賞口開放中指定コマンドを送信する設定を行い、上部大入賞口31を閉鎖したときには、ラウンド数に応じた上部大入賞口開放後指定コマンドを送信する設定を行うようにしてもよい。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。この処理は、小当り遊技状態における小当りエンディングの演出を演出制御用マイクロコンピュータ120に行わせるための処理である。小当り終了処理では、例えば、小当りエンディングの期間を計測するための小当りエンディング用タイマの値が0であるか(つまり、タイマが動作しているか)を判定し、タイマの値が0である場合には、小当り終了指定コマンドを送信する設定を行うとともに、小当りエンディングの期間に対応した値を初期値として小当りエンディング用タイマにセットし、小当り終了処理を終了する。小当りエンディング用タイマの値が0でない場合には、小当りエンディング用タイマの値を1減じることで、小当りエンディングの実行期間を計測する。
1減じたあとの値が0になった場合には、後述する特定入賞判定処理を行う。たとえば、小当りによって特定領域49に遊技球が進入したか否かを判定する。小当りにおいて特定領域49に遊技球が進入した場合には、大当り種別(第7大当り)が記憶されるとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する一方、特定領域49に遊技球が進入していない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。また、1減じたあとの値が0になっていない場合には、内部状態を更新せずに小当り終了処理を終了する(これによって、小当りエンディング終了までの待機が行われる)。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)の主な内容例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU106は、、第2始動口スイッチ22Bがオンしているかを判定し(S51)、オンしている場合(S51;Y)、つまり、第2始動入賞口への始動入賞が発生していたら、CPU106は、乱数回路108やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、RAM104の乱数バッファ領域に一時記憶する(S52)。なお、ここで抽出されるのは、ハードウェア乱数であるランダム0(当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)である。その後、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。
第2始動口スイッチ22Bがオンしていない場合(S51;N)、つまり、第2始動入賞口への始動入賞が発生していない場合、CPU106は、第1保留記憶数が0であるか否かを確認する(S54)。具体的には、第1保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第1保留記憶数が0でなければ(S54;N)、CPU106は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S55)。第1保留記憶数が0であれば(S54;Y)、特図ゲームを実行するための始動入賞がないことになるので、CPU106は、処理を終了する。
S55のあと、CPU106は、RAM104において、第1保留記憶バッファの第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM104の乱数バッファ領域に格納する(S56)。そして、CPU106は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする(S57)。すなわち、CPU106は、RAM104の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。第1保留記憶数カウンタの値を指定する第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する設定を行う(S58)。
S53、S58のあと、CPU106は、乱数バッファ領域の当り判定用乱数(ランダム0)の値および特別図柄ポインタのデータに基づいて、図9(a)に示すテーブルを参照し、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(停止図柄)を「大当り」とするかなどを決定する(S59)。具体的には、特別図柄ポインタに「第1」が設定されている場合には、第1について設定されている当り判定値(1020〜1079、13320〜13586)と当り判定用乱数とを比較し、当り判定用乱数が当該当り判定値に一致している場合には、可変表示結果を大当りと決定する。一致しない場合には、はずれと決定する。特別図柄ポインタに「第2」が設定されている場合には、第2について設定されている当り判定値(1020〜1079、13320〜13586)と当り判定用乱数とを比較し、当り判定用乱数が当該当り判定値に一致している場合には、可変表示結果を大当りと決定する。一致しない場合(つまり、前記の当り判定値以外の当り判定値と一致した場合)には、小当りと決定する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
その後、CPU106は、S59での決定結果が大当りであるかを判定し(S61)、大当りである場合には(S61;Y)、S71に移行する。大当りでない場合には(S61;N)、CPU106は、決定結果が小当りであるかを判定し(S62)、小当りである場合には(S62;Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットするとともに(S63)、乱数バッファ領域からランダム1を読み出し、読み出したランダム1と小当り種別判定テーブル(図9(d)参照)に基づいて小当り種別を特定して(S64)、該特定した小当り種別(第1〜第4)をRAM104における小当り種別バッファに設定(記憶)する(S65)。一方、小当りとすることに決定しない場合には(S62;N)、S66に移行する。
次いで、CPU106は、有利状態終了フラグがオン(セット)されているか否かを判定する(S66)。このとき、有利状態終了フラグがオフ(非セット)であれば(S66;N)、さらに、有利状態フラグがオン(セット)されているか否かの判定を行う(S67)。有利状態フラグがオフ(非セット)であれば(S67;N)、時短回数カウント値の更新を行う必要がないので、S75に進む一方、有利状態フラグがオン(セット)されていれば(S67;Y)、特別図柄ポインタが第2であるか否か、つまり、特図ゲームの対象が第2特別図柄であるか否かを判定する(S67+)。特別図柄ポインタが第2でない場合(S67+;N)には、S75に進む一方、特別図柄ポインタが第2である場合(S67+;Y)には、時短回数カウンタにてカウントされている時短回数カウント値から1を減算更新するとともに(S68)、該減算更新後の時短回数を演出制御用マイクロコンピュータ120に通知するための時短回数指定コマンドを送信する設定をしたあと(S68+)、減算後の時短回数カウント値が0となっているか、つまり、有利状態が第2特図ゲームについての所定の上限値である例えば10回に到達したか否かを判定する(S69)。
このとき、時短回数カウント値が0であれば(S69;Y)、次の特図ゲームにおいて有利状態フラグをクリアして有利状態を終了させるための有利状態終了フラグをセットした後(S70)、S75に進む一方、有利状態カウント値が0でなければ(S69;N)、有利状態終了フラグをセットすることなくS75に進む。つまり、有利状態が第2特図ゲームについての所定の上限値である例えば10回に到達したことに応じて有利状態終了フラグがセットされる。
また、S66において有利状態終了フラグがオン(セット)されている場合には(S66;Y)、有利状態終了フラグ及び有利状態フラグをクリア(リセット)して有利状態を終了するとともに(S77)、通常遊技状態指定コマンドを送信する設定を行った後、S75に進む。つまり、第2特図ゲームについての上限回数(例えば10回)に到達することに応じて有利状態終了フラグがセットされた次の特図ゲームにおいて有利状態が終了されることで、上限回数(例えば10回)に到達した特図ゲームを契機として大当りとなっても、時短(有利)状態にて発生した大当りとして判断できる。
S71では、CPU106は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU106は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(b)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU106は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(c)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU106は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(第1〜第6大当り)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU106は、乱数バッファ領域の大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、CPU106は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM104における大当り種別バッファに設定(記憶)する(S74)。
次いで、CPU106は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り種別に応じた「1」〜「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する(図9(b)、(c)参照)。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」〜「4」を特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)の主な内容例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU106は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には(S91;Y)、CPU106は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132b(図10(a)〜(b)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には(S91;N)、CPU106は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には(S93;Y)、CPU106は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132c(図10(c)参照)を選択する(S94)。そして、S102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には(S93;N)、CPU106は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、有利状態フラグは、遊技状態を時短(有利)状態に移行するときにセットされ、時短(有利)状態を終了するときにリセットされる。有利状態フラグがセットされていれば(S95;Y)、CPU106は、S100に進んで変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135b(図11(b)参照)を選択した後、S102に移行する。
有利状態フラグがセットされていなければ(S95;N)、CPU106は、第1保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S96)。第1保留記憶数が3未満であれば(S96;N)、CPU106は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a(図11(a)参照)を選択する(S97)。そして、S102に移行する。第1保留記憶数が3以上であれば(S96;Y)、上記S100に進む。
この実施の形態では、遊技状態が時短(有利)状態である場合または第1保留記憶数が3以上である場合には、図11(b)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図13参照)。従って、遊技状態が時短(有利)状態である場合または第1保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU106は、乱数バッファ領域からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、S92、S94、S97またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU106は、S102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137a、137b(図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138a(図13参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する設定を行う(S106)。また、特別図柄の変動を開始する(S107)。例えば、上記特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM104に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)の主な内容例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU106は、特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされているかを
判定し(S133)、セットされていない場合には(S133;N)、S147に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には(S133;Y)、CPU106は、演出制御用マイクロコンピュータ120に大当り開始指定コマンドを送信する設定を行う(S134)。具体的には、大当りの種別が5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)である場合には大当り開始1指定コマンドを送信する設定を行う。大当りの種別が15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)である場合には大当り開始2指定コマンドを送信する設定を行う。大当りの種別が15ラウンド大当り(第6大当り)である場合には大当り開始3指定コマンドを送信する設定を行う。なお、大当りの種別が第1大当り〜第6大当りのいずれであるかは、RAM104に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。CPU106は、演出制御用マイクロコンピュータ120に通常状態指定コマンドを送信する設定を行う(S135)。
次に、CPU106は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されているか否かを判定する(S138)。有利状態フラグがオン(セット)されている場合(S138;Y)には、大当り時有利フラグをオン状態にセットするともに(S139)、有利状態フラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態とする(S140)。また、時短回数カウンタをクリアして、時短回数カウント値を「0」に初期化しておく(S141)とともに、S138にて有利状態フラグがオンであるときには、時短(有利)状態の上限回数に到達する第2特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから直接大当りとなった場合があることから、セットされている場合には、有利状態終了フラグをリセット(クリア)してオフ(非セット)状態としておく(S142)。S139にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が時短(有利)状態であった旨を記憶しておくことができる。S142の処理の後、或いはS138にて有利状態フラグがオフ(非セット)であるときには(S138;N)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開始(S305)に対応した値に更新する(S143)。
S147では、小当りフラグがセットされているか否かを判定する。小当りフラグもセットされていなければ(S147;N)、CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。一方、小当りフラグがセットされていれば(S147;Y)、CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り前処理(S308)に対応した値に更新する(S148)。
図24は、特別図柄プロセス処理における小当り中処理(S309)の主な内容例を示すフローチャートである。小当り中処理において、CPU106は、まず、小当り遊技用タイマの値を、例えば1加算することなどにより更新する(S161)。小当り遊技用タイマの値は、例えばS308の処理により「0」に設定された後、S161の処理が実行されるごとに更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。S161の処理に続いて、更新後の小当り遊技用タイマの値に対応した各種の設定や制御が行われる。このときには、S308でセットされている小当り制御パターンに従って、各種設定や制御の内容が決定されることになる。
例えば、CPU106は、小当り遊技用タイマの値が小当り制御パターンに示される上部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(S162)。ここで、小当り遊技状態にて上部大入賞口31を開放状態とする始動動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の小当り遊技用タイマの値に対応した複数の上部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値が設定されている。この場合、S162の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の上部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値のいずれか1つに小当り遊技用タイマの値が合致すれば、上部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
S162にて小当り遊技用タイマの値が上部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致した場合には(S162;Y)、上部大入賞口扉用ソレノイド53を駆動して、可変入賞装置40に設けられた上部大入賞口31を上部大入賞口扉32により開放状態とする設定を行う(S163)。例えば、小当り制御パターンに含まれる上部大入賞口扉用ソレノイド駆動制御データが示す駆動パターンに従って上部大入賞口扉用ソレノイド53の駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。これによって、その後に実行される出力処理において、上部大入賞口扉用ソレノイド53はオン状態となり、上部大入賞口31が開放状態になる(閉鎖状態になるまで開放状態が維持される)。S162にて小当り遊技用タイマの値が上部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致しない場合には(S162;N)、S163の処理をスキップする。
この後、CPU106は、小当り遊技用タイマの値が小当り制御パターンに示される模型用ソレノイド駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(S164)。ここで、小当り遊技状態にて人形模型47が備える足模型51を複数回動作させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の小当り遊技用タイマの値に対応した複数の模型用ソレノイド駆動判定値が設定されている。この場合、S164の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の模型用ソレノイド駆動判定値のいずれか1つに小当り遊技用タイマの値が合致すれば、模型用ソレノイド駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
S164にて小当り遊技用タイマの値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致した場合には(S164;Y)、足模型51に対応して設けられた模型用ソレノイド52の駆動を開始する設定を行う(S165)。S165の処理では、小当り制御パターンに含まれる模型用ソレノイド駆動制御データが示す駆動パターンに従って模型用ソレノイド52の駆動(オン)を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。これによって、その後に実行される出力処理において、模型用ソレノイド52はオン状態となり、足模型51が下方向に移動する(駆動の停止まで足模型51は下方向に移動したままになる)。S164にて小当り遊技用タイマの値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致しない場合には(S164;N)、S165の処理をスキップする。
そして、CPU106は、上部大入賞口進入時処理を実行することにより、上部大入賞口31より可変入賞装置40の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(S166)。上部大入賞口進入時処理については、後述する。
S166にて上部大入賞口進入時処理を実行した後には、CPU106は、小当り遊技用タイマの値が小当り制御パターンに示される模型用ソレノイド停止判定値と合致するか否かの判定を行う(S167)。ここで、小当り遊技状態にて人形模型47が備える足模型51を複数回動作させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の小当り遊技用タイマの値に対応した複数の模型用ソレノイド停止判定値が設定されている。この場合、S164の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の模型用ソレノイド停止判定値のいずれか1つに小当り遊技用タイマの値が合致すれば、模型用ソレノイド停止判定値と合致したとの判定がなされる。
S167にて小当り遊技用タイマの値が模型用ソレノイド停止判定値と合致した場合には(S167;Y)、足模型51に対応して設けられた模型用ソレノイド52の駆動を停止する設定を行う(S168)。S165の処理では、小当り制御パターンに含まれる模型用ソレノイド停止制御データが示す停止パターンに従って模型用ソレノイド52の駆動の停止(オフ)を開始する停止制御信号の生成などが行われる。これによって、その後に実行される出力処理において、模型用ソレノイド52はオフ状態となり、足模型51が上方向に移動する。S167にて小当り遊技用タイマの値が模型用ソレノイド停止判定値と合致しない場合には(S167;N)、S168の処理をスキップする。
その後、CPU106は、小当り遊技用タイマの値が小当り制御パターンに示される上部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致するか否かの判定を行う(S169)。ここで、小当り遊技状態にて上部大入賞口31を閉鎖状態とする動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の小当り遊技用タイマの値に対応した複数の上部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値が設定されている。この場合、S169の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の上部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値のいずれか1つに小当り遊技用タイマの値が合致すれば、上部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致したとの判定がなされる。
S169にて小当り遊技用タイマの値が上部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致した場合には(S169;Y)、上部大入賞口扉用ソレノイド53の駆動を停止して、可変入賞装置40に設けられた上部大入賞口31を上部大入賞口扉32により閉鎖状態とする設定を行う(S170)。例えば、小当り制御パターンに含まれる上部大入賞口扉用ソレノイド停止制御データが示す駆動パターンに従って上部大入賞口扉用ソレノイド53の駆動を停止する停止制御信号の生成などが行われる。これによって、その後に実行される出力処理において、上部大入賞口扉用ソレノイド53はオフ状態となり、上部大入賞口31が閉鎖状態になる。S169にて小当り遊技用タイマの値が上部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致しない場合には(S169;N)、S170の処理をスキップする。
続いて、CPU106は、小当り遊技用タイマの値が小当り制御パターンに示される下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(S171)。ここで、小当り遊技状態にて下部大入賞口60を開閉する開放動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の小当り遊技用タイマの値に対応した複数の下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値が設定されている。この場合、S171の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値のいずれか1つに小当り遊技用タイマの値が合致すれば、下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
S171にて小当り遊技用タイマの値が下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致した場合には(S171;Y)、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動して、特別可変入賞球装置7に設けられた下部大入賞口60を開放状態とする開始設定を行う(S172)。S172の処理では、小当り制御パターンに含まれる下部大入賞口扉用ソレノイド駆動制御データが示す駆動パターンに従って下部大入賞口扉用ソレノイド54の駆動(オン)を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。これによって、その後に実行される出力処理において、下部大入賞口扉用ソレノイド54はオン状態となり、下部大入賞口60が開放状態になる(閉鎖状態になるまで開放状態が維持される)。S171にて小当り遊技用タイマの値が下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致しない場合には(S171;No)、S172の処理をスキップする。
この後、CPU106は、小当り遊技用タイマの値が小当り制御パターンに示される下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致するか否かの判定を行う(S173)。ここで、小当り遊技状態にて下部大入賞口60を開閉する開放動作が複数回行われる場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の小当り遊技用タイマの値に対応した複数の下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値が設定されている。この場合、S173の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値のいずれか1つに小当り遊技用タイマの値が合致すれば、下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致したとの判定がなされる。
S173にて小当り遊技用タイマの値が下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致した場合には(S173;Yes)、下部大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止して、特別可変入賞球装置7に設けられた下部大入賞口60を閉鎖状態とする動作の設定を行う(S174)。S174の処理では、小当り制御パターンに含まれる下部大入賞口扉用ソレノイド停止制御データが示す駆動パターンに従って下部大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止(オフ)する駆動制御信号の生成などが行われる。これによって、その後に実行される出力処理において、下部大入賞口扉用ソレノイド54はオフ状態となり、下部大入賞口60が閉鎖状態になる。S173にて小当り遊技用タイマの値が下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致しない場合には(S173;No)、S174の処理をスキップする。
そして、CPU106は、小当り遊技用タイマの値を小当り遊技終了基準値と比較して、小当り遊技用タイマの値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(S175)。このとき、小当り遊技用タイマの値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(S175;Yes)、特図プロセスフラグの値を小当り終了処理に対応した値に更新する一方(S176)、小当り遊技用タイマの値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(S175;No)、特図プロセスフラグの値は変更しない。
図25は、小当り中処理(S309)における大入賞口進入処理を示すフローチャートである。図25に示す上部大入賞口進入時処理において、CPU106は、まず、特定領域スイッチ24がオン状態となっているか否かの判定を行う(S503)。このとき、特定領域スイッチ24がオン状態であれば(S503;Yes)、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)をオン状態にセットする(S504)。さらに、特定領域進入指定コマンドを送信する設定を行う(S505)。これに対して、特定領域スイッチ24がオフ状態である場合には(S503;No)、S504、S505の処理をスキップする。
続いて、通常領域スイッチ25がオン状態となっているか否かの判定を行う(S506)。このとき、通常領域スイッチ25がオフ状態であれば(S506;No)、上部大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、通常領域スイッチ25がオン状態である場合には(S506;Yes)、通常領域進入指定コマンドを送信する設定を行い(S507)、上部大入賞口進入時処理を終了する。
図26は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)における特定入賞判定処理の主な内容例を示すフローチャートである。特定入賞判定処理において、CPU106は、まず、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオン状態にセットされているか否かを判定する(S510)。このとき、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオンであれば(S510;Y)、大当りフラグをオン状態にセットし(S511)、大当り種別バッファに大当り種別として、第7大当りを設定(記憶)するとともに(S512)、通常状態指定コマンドを送信する設定を行う(S514)。そして、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)をリセット(クリア)してオフ(非セット)状態とする(S517)。次いで、CPU106は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されているか否かを判定する(S518)。
時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されている場合(S518;Y)には、大当り時有利フラグをオン状態にセットするともに(S519)、有利状態フラグをセットしてオン状態とする(S520)。また、時短回数カウンタをクリアして、時短回数カウント値を「0」に初期化しておく(S521)。S518にて有利状態フラグがオンであるときには、時短(有利)状態の上限回数に到達する第2特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから、小当りとなって特定領域49に入賞することで大当りとなった場合があることから、セットされている場合には、有利状態終了フラグをリセット(クリア)してオフ(非セット)状態としておく(S522)。S519にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が有利状態であった旨を記憶しておくことができる。S522の処理の後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開始処理(S305)に対応した値に更新する(S523)。
一方、S510で特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオン状態にセットされていない場合には(S510;N)、小当り種別バッファに設定(記憶)されている小当り種別をクリアした後(S524)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S525)。
図27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)の主な内容例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU106は、エンディング用タイマが設定されているか否か確認し(S190)、エンディング用タイマが設定されている場合には(S190;Y)、S206に移行する。エンディング用タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットした後(S191)、S192〜S205までの処理を実施することにより、大当り時有利フラグの有無と大当り種別バッファに記憶されている大当り種別とに基づいて、大当り後の時短(有利)状態を第1有利状態とするか第2有利状態とするかを判定して、第1有利状態または第2有利状態に対応する時短回数の設定並びに大当り終了指定コマンドを送信する設定を実施する。
S192では、まず、大当り時有利フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する。大当り時有利フラグがオン状態にセットされていない場合には(S192;N)、S200へ進む一方、大当り時有利フラグがオン状態にセットされている場合には(S192;Y)、S193に進んで、大当り時有利フラグをリセット(クリア)する。そして、CPU106は、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別が第7大当りであるか否か、つまり、終了した大当りが第7大当りであるか否かを判定する(S194)。終了した大当りが第7大当りでない場合には(S194;N)、S195に進み、更に、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別が第2大当りであるか否か、つまり、終了した大当りが第2大当りであるか否かを判定する(S195)。
終了した大当りが第2大当りである場合(S195;Y)にはS196に進み、大当り後の有利状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する設定を行う(S197)。一方、S195において終了した大当りが第2大当りでない場合には(S195;N)、S204に進み、大当り後の有利状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として10回を設定するともに(S204)、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する設定を行う(S205)。
また、S194において終了した大当りが第7大当りである場合には、S203に進んで、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別が第1小当り、或いは第3小当りであるか否か、つまり、終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りであるか否かを判定する。終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りである場合には(S203;Y)、S204に進む一方、終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りでない場合、つまり、時短(有利)状態において発生した第2小当りまたは第4小当りである場合には、S196に進む。
一方、S200においてCPU106は、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別が第7大当りであるか否か、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第7大当りであるか否かを判定する。終了した大当りが第7大当りでない場合には(S200;N)、S201に進み、更に、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別が第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかであるか、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかであるかを判定する(ステップS201)。終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかである場合には(S201;Y)、S204に進む一方、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれでもない場合、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第1大当り、第2大当り、第4大当りである場合には(S201;N)、S196に進む。
一方、S200において終了した大当りが第7大当りである場合には(S200;Y)、S202に進んで、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別データが第3小当り、或いは第4小当りであるか否か、つまり、終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りであるか否かを判定する(S202)。終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りである場合には(S202;Y)、S204に進む一方、終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りでない場合(S202;N)、つまり、通常遊技状態において発生した第1小当りまたは第2小当りである場合には、S196に進む。
そして、S197の処理或いはS205の処理の終了後、大当り種別バッファ並びに小当り種別バッファに設定(記憶)されている大当り種別並びに小当り種別をクリアした後(S198)、エンディング用タイマに、画像表示装置5などにおいてエンディングが行われる時間(エンディング時間)に対応する値を設定し(S199)、処理を終了する。
S206では、エンディング用タイマの値を1減算する。そして、CPU106は、エンディング用タイマの値が0になっているか否か、すなわちエンディング時間が経過したか否か確認する(S207)。経過していなければ(S207;N)処理を終了する。経過していれば(S207;Y)ステップ208に進み、CPU106は、有利状態フラグをセットして遊技状態を時短(有利)状態に移行させる(S208)。また、CPU106は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する設定を行う(S209)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S210)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ120(具体的には、CPU126)は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、例えば、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う。その後、CPU126は、タイマ割込フラグの監視を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、CPU126は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、CPU126は、そのフラグをクリアし、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、CPU126は、例えば、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理)。このコマンド解析処理では、例えば、図28に示す一覧のように、受信した演出制御コマンドに応じた処理を行う。なお、図28における各種格納領域や各種フラグは、RAM124に形成される。第1保留記憶数指定コマンドを受信したときの表示更新とは、特別図柄始動記憶表示エリアにおける第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数分の表示部位の表示態様を更新することをいう。これによって、第1保留記憶数が1加算されたときには、始動入賞なしに対応する例えば青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち向かって左端の表示部位)を始動入賞ありに対応する表示態様である赤色表示に変化させる。これに対して、第1保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析を行って図28に示す処理を行う。
次いで、CPU126は、演出制御プロセス処理を行う。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御などを実行する。次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタ(RAM124に設けられる)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する。その後、タイマ割込フラグの監視に戻る。演出制御処理は、タイマ割込が行われるごとに繰り返し行われることになる。
演出制御用マイクロコンピュータ120におけるROM125には、図柄変動制御パターンテーブル、各種演出制御パターンテーブル等の各種のパターンテーブルが記憶されている。図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、リーチ演出における演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータ(図柄変動制御パターン)が、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターン(演出制御パターンに含まれる。)には、例えば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータ(演出制御パターン)がラウンド遊技ごとなどに格納されている。各演出制御パターンには、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
演出制御パターンには、大当り遊技状態のファンファーレ時において、大当りの種別に応じて異なる大当りのラウンド数表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示して遊技者に報知するための演出制御パターンが含まれる。また、演出制御パターンには、大当り遊技状態のエンディングにおいて、該大当り後に付与される時短(有利)状態の種別に応じて異なる時短状態の上限回数表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示して遊技者に報知するためのパターンが含まれる。
この実施の形態では、小当り遊技状態に制御されている期間中には、小当り遊技中演出(小当り遊技の期間中に対応して実行される演出)、小当りエンディングの演出が実行される(図43、44などを参照)。小当り遊技中演出では、敵キャラクターC1が登場し、味方キャラクターC2と戦うことを報知する演出が実行される。これによって、小当り遊技状態になっていることが示唆される。さらに、小当り遊技中演出では、敵キャラクターC1と味方キャラクターC2とが戦う演出が実行される。その後、今回の小当り遊技中に遊技球が特定領域49に進入しなかった場合には、小当りエンディングにおいてその旨(味方キャラクターC2の敗北)が報知される(図43)。今回の小当り遊技中に遊技球が特定領域49に進入した場合(V入賞があった場合)には、小当りエンディングにおいてその旨(味方キャラクターC2の勝利)が報知され、その後に第7大当りの大当り遊技状態(V入賞の大当り遊技状態)が開始される(図44)。なお、この実施の形態では、小当り遊技中において、遊技球が特定領域50に進入した場合、上部大入賞口31に遊技球が入賞したが特定領域50に進入せずに通常領域49に進入した場合、上部大入賞口31にも遊技球が入賞しなかった場合などに応じてポイントが付与される。そこで、図43、図44では、小当りエンディングにおいて今回の小当り遊技において付与されたポイントが報知される(図43、図44の報知画像P1、P2参照)。さらに、このポイントは、例えば、所定のタイミングから次の大当りの発生まで累積される。V入賞の大当り遊技状態では、累積ポイントが上限値に満たない場合、その累積ポイントが報知される(図44の報知画像P3を参照)。この実施の形態では、このような演出を実行可能なように演出制御パターンが用意される。
また、小当り遊技中演出では、上部大入賞口31の開放に合わせて、開放中であることを報知する開放報知演出(例えば、図43における報知画像X1を表示する演出など)が実行される。このため、小当り遊技中演出は、上部大入賞口31の開放状態を報知する開放状態報知演出でもある。演出制御パターンには、このような小当り遊技中演出を実行するパターンも含まれる。なお、開放報知演出の実行時期は、小当り制御パターンにおいて規定される上部大入賞口扉用ソレノイド53の駆動タイミング及び停止タイミングに対応して、演出制御パターンにおいて規定されていればよい。このため、小当り遊技中演出を実行するための演出制御パターンには、小当り種別それぞれに対応して用意されてもよい。
また、第2特図の特図ゲームの可変表示結果が「大当り」になる場合であって、スーパーリーチBが実行される変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、リーチ演出において、上記小当り遊技中演出、小当りエンディングと同種(例えば、同じバトル演出)であるが態様を特別の態様とした特別演出が実行される。例えば、図45のように敵キャラクターC1の代わり敵キャラクターC3が登場する演出(バトル演出)が実行される。このときには、可変表示結果の導出表示のときにおいて、敵キャラクターC3が倒される演出が実行され、大当り遊技状態(ファンファーレ)に突入する。この実施の形態では、このような演出を実行可能なように演出制御パターンが用意される。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されている期間中には、ファンファーレの演出、大当り遊技中演出(小当り遊技の期間中に対応して実行される演出)、エンディングの演出が実行される。大当り遊技状態において実行される演出として、通常の通常演出と、上記累積ポイントが上限値になったときに実行されるプレミアム演出とが用意されている。この実施の形態では、このような演出が実行可能なように、演出制御パターンが用意される。なお、例えば、第2特図の特図ゲームにおいて「大当り」になる場合(直当たりの場合)には、上記累積ポイントが一気に上限値に達する。図45の例では、プレミアム演出でのファンファーレ演出が実行される。
なお、図柄変動制御パターン、各種演出制御パターンの各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
図29は、上記メイン処理における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、CPU126は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、主に以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態などが制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現される。さらに、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態などが制御され、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されているときに対応した演出が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):演出制御プロセスフラグの値が0のときに実行される。CPU126は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンドの受信があったことになる。この場合、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値(ここでは、1)に更新する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出制御プロセスフラグの値が1のときに実行される。CPU126は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(例えば、図30参照。表示結果指定コマンドに応じて停止図柄を決定すればよい)。はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合せを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドである場合)、CPU126は、停止図柄として「135」などのチャンス目演出図柄の組み合せを決定する。また、画像表示装置5に導出表示される3図柄の組み合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。CPU126は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組み合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組み合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
次いで、CPU126は、変動パターンコマンド格納領域の変動パターンコマンドによって指定される変動パターンなどに応じたプロセステーブルを選択する。特に変動パターンが、スーパーリーチBが実行される変動パターンPA3−4、PB3−4であり、受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合には、図45の演出を実行するようなプロセステーブルを選択する。そして、CPU126は、選択したプロセステーブルに従って演出動作の実行を開始する(例えば、プロセスタイマに初期値として、プロセステーブルに含まれる演出制御プロセスタイマ設定値を設定する。)。そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値(ここでは、2)にする。
演出図柄変動中処理(S802):演出制御プロセスフラグの値が2のときに実行される。演出制御プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を1減じる。そして、S801で選択したプロセステーブルのうち、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどに基づいて演出動作制御を行う。CPU126は、1減じた後の変動時間タイマの値が0になったとき、又は、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応するデータが終了コードであったとき(プロセスデータが終了コードを含む場合)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値(ここでは、3)に更新する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていたら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理に応じた値に更新する。タイマ割り込み毎に演出図柄変動中処理が順次実行されることで、演出図柄変動中に各種演出が実行されることが実現される。
飾り図柄変動停止処理(S803):演出制御プロセスフラグの値が3のときに実行される。図31は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(S803)の主な内容例を示すフローチャートである。CPU126は、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認し(S851)、セットされている場合には(S851;Y)、図柄確定指定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄変動開始処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(S853)。次いで、CPU126は、停止図柄が大当り図柄であるか判定し(S854)、大当り図柄である場合(S854;Y)、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンドが表示結果4指定コマンドであるかを判定する(S855)。表示結果4指定コマンドである場合には(S855;Y)、次の大当りまで蓄積される付与ポイントをカウントするための累積付与ポイントカウンタの値(初期値は0である)を上限値(ここでは、100ポイント)に設定する(S855)。
S855のあと、又は、上記で表示結果4指定コマンドでない場合(S855;N)、演出制御プロセスフラグをファンファーレ処理に対応した値(ここでは、4)に更新する。停止図柄が大当り図柄でない場合(ステップS854;N)、停止図柄が小当りであるかを確認する(S858)。小当りである場合には(S858;Y)、演出制御プロセスフラグの値を小当り設定処理(S807)に応じた値(ここでは、7)に更新する(S859)。小当りでない場合には(S858;N)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値(ここでは、0)に更新する(S859)。図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(図柄確定指定コマンドの受信が無い場合)、飾り図柄変動停止処理は終了する。
ファンファーレ処理(S804):演出制御プロセスフラグの値が4のときに実行される。タイマ割り込み毎にファンファーレ処理が順次実行されることで、ファンファーレの演出が実行されることが実現される。演出制御プロセスフラグの値が4に変更された最初のファンファーレ処理では、図32に主な内容例を示すプロセステーブル設定処理を実行する。CPU126は、累積付与ポイントカウンタの値が上限値であるかを判定する(S861)。上限値である場合には(S861;Y)、プレミアム演出を実行するためのプロセステーブルを選択する(S862)。なお、このときに選択されるプロセステーブルは、ファンファーレの演出、大当り遊技中演出(ラウンド毎に使用されるものであってもよい。)それぞれについてのプロセステーブルであればよい。上限値でない場合には(S861;N)、通常演出を実行するためのプロセステーブルを選択する(S862)。なお、このときに選択されるプロセステーブルは、ファンファーレの演出、大当り遊技中演出(ラウンド毎に使用されるものであってもよい。)それぞれについてのプロセステーブルであればよい。通常演出を実行する場合には、大当り遊技中演出のプロセステーブルの選択において、適宜、現在の累積付与ポイントカウンタの値を例えば第1ラウンド中で報知するプロセステーブル(図44参照)を選択する。その後、累積付与ポイントカウンタの値をリセットする(ステップS864)。このとき、選択したプロセステーブルに従って演出動作の実行も開始する(例えば、プロセスタイマに初期値として、ファンファーレに対応するプロセステーブルに含まれる演出制御プロセスタイマ設定値を設定する。)。
そして、プロセステーブル設定処理後の処理(タイマ割り込み毎に実行される)において、演出制御プロセスタイマの値を1減じる。そして、前記演出制御プロセスタイマ設定値を設定したプロセステーブルのうち、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどに基づいて演出動作制御を行う。CPU126は、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応するデータが終了コードであったとき(プロセスデータが終了コードを含む場合)、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に応じた値(ここでは、5)に更新する。
プレミアム演出を実行するためのプロセステーブルや通常演出を実行するためのプロセステーブルを選択する場合には、プロセステーブル設定処理の前に、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または大当り開始3指定コマンドを受信したことを示す大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認し、いずれもセットされていない場合には、プロセステーブル設定処理、ファンファーレ処理を一旦終了し、その後、セットされたときにプロセステーブル設定処理やそれ以降の処理を実行するようにしてもよい。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、ファンファーレにおいて、現在セットされているフラグに応じた遊技開始画面を画像表示装置5に表示するプロセステーブルを選択する。これによって、ファンファーレでは、プレミアム用又は通常用それぞれについて、5ラウンド大当りであれば、ラウンド数が5ラウンドであることの表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示し、15ラウンド大当りであれば、ラウンド数が15ラウンドであることの表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示し、V入賞(第7)大当りであれば、V入賞したことの表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示する。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または大当り開始3指定コマンド受信フラグ)をリセットする。
大当り遊技中処理(S805):演出制御プロセスフラグの値が5のときに実行される。タイマ割り込み毎に大当り遊技中処理が順次実行されることで、大当り遊技中演出が実行されることが実現される。演出制御プロセスフラグの値が5に変更された最初の大当り遊技中処理処理では、S804で選択した大当り遊技中演出についてのプロセステーブルに従って、例えば、プロセスタイマに、初期値として、このプロセステーブルに含まれる演出制御プロセスタイマ設定値を設定する。その後の処理(タイマ割り込み毎に実行される。)において、演出制御プロセスタイマの値を1減じる。そして、前記演出制御プロセスタイマ設定値を設定したプロセステーブルのうち、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどに基づいて演出動作制御を行う。CPU126は、大当り終了1指定コマンド受信フラグ又は大当り終了2指定コマンド受信フラグがセットされたときには(つまり、大当り終了1指定コマンドなどを受信して大当り遊技が終了するタイミングのときには)、演出制御プロセスフラグの値をエンディング処理(S806)に応じた値(ここでは、6)に更新する。大当り遊技中演出についてのプロセステーブルがラウンド毎に使用される場合には、下部大入賞口開放中指定コマンドや下部大入賞口開放後指定コマンドを受信するたびに、使用するプロセステーブルを切り替えていけばよい。
エンディング処理(S806):演出制御プロセスフラグの値が6のときに実行される。タイマ割り込み毎にエンディング処理が順次実行されることで、エンディング演出が実行されることが実現される。演出制御プロセスフラグの値が6に変更された最初のエンディング処理では、セットされている大当り終了指定コマンド受信フラグが大当り終了1指定コマンド受信フラグである場合には有利状態が時短回数2回分であることを含む大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を画像表示装置5に表示するエンディングを行うためのプロセステーブルを選択する一方、セットされている大当り終了指定コマンド受信フラグが大当り終了2指定コマンド受信フラグである場合には、有利状態が時短回数10回分であることを含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示するエンディングを行うためのプロセステーブルを選択する。そして、選択したプロセステーブルに従って、例えば、プロセスタイマに、初期値として、このプロセステーブルに含まれる演出制御プロセスタイマ設定値を設定する。その後の処理(タイマ割り込み毎に実行される。)において、演出制御プロセスタイマの値を1減じる。そして、前記演出制御プロセスタイマ設定値を設定したプロセステーブルのうち、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどに基づいて演出動作制御を行う。CPU126は、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応するデータが終了コードであった場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値(ここでは、0)に更新する。なお、エンディングは、プレミアム演出と通常演出とで共通としているが、異なるものとしてプロセステーブルを用意してもよい。
小当り設定処理(S807):演出制御プロセスフラグの値が7のときに実行される。タイマ割り込み毎に小当り設定処理が順次実行されることで、小当りファンファーレの演出が実行されることが実現される。まず、小当り開始指定コマンドを受信したか(小当り開始指定コマンド受信フラグがオン状態であるか)を判定し、受信しているときに小当り開始指定コマンド格納領域に格納されている小当り開始指定コマンドが示す小当り種別に対応した小当り遊技中演出についてのプロセステーブル(なお、プロセステーブルは小当り種別によらず共通でもよい。)を選択する。そして、選択したプロセステーブルに従って、例えば、プロセスタイマに、初期値として、このプロセステーブルに含まれる演出制御プロセスタイマ設定値を設定する。演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S805)に応じた値(ここでは、8)に更新する。
小当り遊技中処理(S808):演出制御プロセスフラグの値が8のときに実行される。タイマ割り込み毎に小当り遊技中処理が順次実行されることで、小当り遊技中演出が実行されることが実現される。演出制御プロセスタイマの値を1減じる。そして、小当り設定処理で選択したプロセステーブルのうち、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどに基づいて演出動作制御を行う。CPU126は、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときには(つまり、小当り終了指定コマンドなどを受信して小当り遊技が終了するタイミングのときには)、演出制御プロセスフラグの値を小当りエンディング処理(S809)に応じた値(ここでは、9)に更新する。なお、上部大入賞口開放中指定コマンドや上部大入賞口開放後指定コマンドを受信するたびに、使用するプロセステーブルを切り替えて、開放報知演出を実行するようにしてもよい。
また、小当り遊技中処理では、図33に主な内容例を示す付与ポイントを加算するポイント加算処理を実行する。CPU126は、通常領域進入指定コマンド受信フラグがセットされ、通常領域進入指定コマンドの受信があったかを判定する(S861)。フラグのセットがあった場合(S861;Y)、付与ポイントの決定を行い(S862)、今回の小当り中で付与されるポイントをカウントする暫定付与ポイントカウンタの値に、前記で決定した付与ポイント分の値を加算する(S863)。このとき、通常領域進入指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、この実施の形態では、上述したものも含め、他の各種の受信フラグ、その他のフラグも(遊技制御側も含む。)、コマンドの受信の誤認識(例えば、1回のコマンド受信に対して、複数回のコマンドの受信があったと誤認識してしまうなど)を防止するため、適宜のタイミングでリセットされる。S862では、CPU126は、乱数更新処理によって更新される付与ポイント決定用の乱数値を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、所定の決定テーブルを参照して付与ポイントを決定する。この実施の形態では、付与ポイントとしては、3ポイント、5ポイント、7ポイントがあり、これら付与ポイントの決定割合は、1/3となっている(図34参照)。通常領域進入指定コマンドの受信があったということは、上部大入賞口31への入賞があったが、特定領域50への入賞はならなかったということである。このような場合に、ポイントが付与されることになる。
S863のあと、通常領域進入指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S861;N)、CPU126は、特定領域進入指定コマンド受信フラグがセットされ、特定領域進入指定コマンドの受信があったかを判定する(S864)。フラグのセットがあった場合(S864;Y)、暫定付与ポイントカウンタの値に、30ポイントの付与ポイントの値を加算する(S865)。S862では、CPU126は、乱数更新処理によって更新される付与ポイント決定用の乱数値を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、所定の決定テーブルを参照して付与ポイントを決定する。特定領域進入指定コマンドの受信があったということは、上部大入賞口31への入賞があり、特定領域50への入賞があったということである。このような場合に、ポイントが付与されることになる。
ステップS865、又は、特定領域進入指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、ポイント加算処理を終了する。
小当りエンディング処理(S809):演出制御プロセスフラグの値が9のときに実行される。タイマ割り込み毎にエンディング処理が順次実行されることで、小当りエンディング演出が実行されることが実現される。演出制御プロセスフラグの値が9に変更された最初の小当りエンディング処理では、図35に主な内容例を示すエンディング前処理を実行する。CPU126は、暫定付与ポイントカウンタの値が0であるかを判定する(S881)。暫定付与ポイントカウンタの値が0である場合(S881;Y)、小当り遊技中に、特定領域進入指定コマンド及び通常領域進入指定コマンドの受信が無く、前記各スイッチによる入賞検出が無かったことになるので、小当り遊技中において上部大入賞口31に遊技球が入賞しなかったこと(未入賞)が検出されたことになり、この場合には付与ポイントの決定を行い(S882)、今回の小当り中で付与されるポイントをカウントする暫定付与ポイントカウンタの値に、前記で決定した付与ポイント分の値を加算する(S883)。S862では、CPU126は、乱数更新処理によって更新される付与ポイント決定用の乱数値を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、所定の決定テーブルを参照して付与ポイントを決定する。この実施の形態では、付与ポイントとしては、8ポイント、10ポイント、12ポイントがあり、これら付与ポイントの決定割合は、1/3となっている(図36参照)。暫定付与ポイントカウンタの値が0であるということは、小当り遊技中において、上部大入賞口31への入賞がない(当然、特定領域50への入賞もない)ということである。このような場合に、ポイントが付与されることになる。
S883のあと、又は、暫定付与ポイントカウンタの値が0でない場合(S881;N)、暫定付与ポイントの値を報知する演出を含む小当りエンディングを実行するためのプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに従って、例えば、プロセスタイマに、初期値として、このプロセステーブルに含まれる演出制御プロセスタイマ設定値を設定する(S884)。そして、暫定付与ポイントカウンタの値を累積付与ポイントカウンタの値に加算し(S885)、暫定付与ポイントカウンタの値をリセットする(S886)。なお、S884では、プロセステーブルを選択するときには、今回の小当りで実行される小当り遊技中処理においてステップS865の処理を実行した場合(例えば、ステップS865では所定フラグをオン状態とし、ここで、その所定フラグの状態によってステップS865の実行の有無を特定すればよい。)には、V入賞があったので、V入賞があったことを報知するような小当りエンディング(図44)のプロセステーブルを選択する。一方、今回の小当りで実行される小当り遊技中処理においてステップS865の処理を実行していない場合には、V入賞がないので、V入賞がないことを報知するような小当りエンディング(図43)のプロセステーブルを選択する。
そして、その後の処理(タイマ割り込み毎に実行される。)において、演出制御プロセスタイマの値を1減じる。そして、前記演出制御プロセスタイマ設定値を設定したプロセステーブルのうち、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどに基づいて演出動作制御を行う。CPU126は、1減じた後の演出制御プロセスタイマの値と同じ演出制御プロセスタイマ判定値に対応するデータが終了コードである場合には、例えば、今回の小当りで実行される小当り遊技中処理においてステップS865の処理を実行した場合には、V入賞があったので、演出制御プロセスフラグの値をファンファーレ処理(S804)に応じた値(ここでは、4)に更新する。ステップS865の処理を実行していない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値(ここでは、0)に更新する。
図37は、第2特別図柄の表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄としての「1」を示す数字となる場合において、上部大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図37では、横軸が時間の経過を示している。第1小当りが発生した場合においては、変動パターンとして、図9に示すように、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。そして、小当り開始処理(S308)において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第1小当りに対応する小当り制御パターンKP1が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンに従って、上部大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP1による設定に基づき、上部大入賞口扉用ソレノイド53は第1の開閉駆動パターンで駆動される。模型用ソレノイド52は第1の振分駆動パターンで駆動される。例えば、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒、開放待機期間)が経過した後に、1秒間だけ、上部大入賞口31は開放状態になり(上部大入賞口扉用ソレノイド53が駆動する)、その後閉鎖状態になる。閉鎖状態になったあと、足模型51を下方向に移動させ上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分けるように模型用ソレノイド52を1秒間駆動する。
このように、第1小当りの場合には、上部大入賞口31が開放される時間が比較的短く、遊技球が可変入賞装置40内に進入し難いが、足模型51によりはずれ(通常領域49への進入)となる下部球経路36に振分けられる期間が短いとともに、上部大入賞口31の開放後に振分けが実施される。
図38は、第2特別図柄の表示結果が「第2小当り」に対応した小当り図柄としての「2」を示す数字となる場合において、上部大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図38では、横軸が時間の経過を示している。第2小当りが発生した場合においても、他の小当りと同じく、変動パターンとして、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、図38に示すように、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。そして、小当り開始処理(S308)において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第2小当りに対応する小当り制御パターンKP2が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP2で定められた駆動パターンに従って、上部大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP2による設定に基づき、上部大入賞口扉用ソレノイド53は第2の開閉駆動パターンで駆動される。模型用ソレノイド52は第2の振分駆動パターンで駆動される。例えば、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒、開放待機期間)が経過した後に、2秒間だけ、上部大入賞口31は開放状態になり(上部大入賞口扉用ソレノイド53が駆動する)、その後閉鎖状態になる。上部大入賞口31が開放状態になってから1秒経過後、足模型51を下方向に移動させ上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分けるように模型用ソレノイド52を5秒間駆動する。
このように、第2小当りの場合には、上部大入賞口31が開放される時間が比較的長く、遊技球が可変入賞装置40内に進入し易いが、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が長いとともに、上部大入賞口31の開放中に下部球経路36にへの振分けが開始されることで下部球経路36に振分けられてはずれとなってしまう可能性が非常に高い。
図39は、第2特別図柄の表示結果が「第3小当り」に対応した小当り図柄としての「3」を示す数字となる場合において、上部大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図39では、横軸が時間の経過を示している。第3小当りが発生した場合においても、他の小当りと同じく、変動パターンとして、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。そして、小当り開始処理(S308)において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第3小当りに対応する小当り制御パターンKP3が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP3で定められた駆動パターンに従って、上部大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP3による設定に基づき、上部大入賞口扉用ソレノイド53は第3の開閉駆動パターンで駆動される。模型用ソレノイド52は第3の振分駆動パターンで駆動される。例えば、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒、開放待機期間)が経過した後に、2秒間だけ、上部大入賞口31を開放状態にし(上部大入賞口扉用ソレノイド53が駆動する)、その後1秒間閉鎖状態にし、2秒間だけ、上部大入賞口31を再度開放状態にする。上部大入賞口31が開放状態になってから1秒経過後、足模型51を下方向に移動させ上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分けるように模型用ソレノイド52を3秒間駆動する。
このように、第3小当りの場合には、上部大入賞口31が開放される回数が多いとともに、開放時間も比較的長く、遊技球が可変入賞装置40内に非常に進入し易いばかりか、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が、上部大入賞口31が開放されている期間に対して比較的短く、上部大入賞口31の開放途中に下部球経路36にへの振分けが終了されるので、下部球経路36にへの振分けされてはずれとなる可能性が非常に低いため、V入賞の確率は高い。
図40は、第2特別図柄の表示結果が「第4小当り」に対応した小当り図柄としての「4」を示す数字となる場合において、上部大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図40では、横軸が時間の経過を示している。第4小当りが発生した場合においても、他の小当りと同じく、変動パターンとして、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。そして、小当り開始処理(S308)において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第4小当りに対応する小当り制御パターンKP4が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP4で定められた駆動パターンに従って、上部大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP4による設定に基づき、上部大入賞口扉用ソレノイド53は第4の開閉駆動パターンで駆動される。模型用ソレノイド52は第4の振分駆動パターンで駆動される。例えば、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒、開放待機期間)が経過した後に、秒間だけ、上部大入賞口31を開放状態にし(上部大入賞口扉用ソレノイド53が駆動する)、その後1秒間閉鎖状態にし、1秒間だけ、上部大入賞口31を再度開放状態にする。上部大入賞口31が閉鎖状態になっている1秒間だけ、足模型51を下方向に移動させ上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分けるように模型用ソレノイド52を駆動する。
このように、第4小当りの場合には、上部大入賞口31が開放される開放時間が比較的短いものの、開放される回数が多いことで、遊技球が可変入賞装置40内に比較的進入し易いとともに、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が、上部大入賞口31が開放されていない1秒の期間と短く、下部球経路36に振分けられてはずれとなる可能性が比較的低いことで、V入賞の確率はある程度高い。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の遊技方法について説明する。
遊技を行う場合、遊技者は打球操作ハンドル30を操作することにより、パチンコ機2を正面から見て遊技盤2の右側下方に配設された打球発射装置(図示略)にて遊技球が発射される。打球操作ハンドル30は、前後方向を向く軸周りに回転可能に設けられ、初期位置から右回転操作することにより打球が発射されるとともに、操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が変化するようになっている。本実施の形態では、回転量が増大すると弾発力も増大し、回転量が減少すると弾発力も減少する。
打球操作ハンドル30の操作により発射された遊技球は、図示しないガイドレールにて誘導され、遊技盤2の前面に正面視略円形状に形成された遊技領域の上部左側から遊技領域内に進入する。例えば打球操作ハンドル30を第1操作態様{例えば初期位置から所定角度θ1(例えばθ1=約40〜90度の範囲)右回転する操作態様}にて操作することにより遊技球が発射された場合、遊技領域内に進入した遊技球の多くは、遊技領域の中心位置に配置された可変入賞装置40の中心よりも左側及び可変入賞装置40の下方にわたり形成される第1遊技領域の上部から下部に向けて通過(流下)する。また、打球操作ハンドル30を第2操作態様{例えば初期位置から所定角度θ2(例えばθ2=約91〜180度の範囲)右回転する操作態様}にて操作することにより遊技球が発射された場合、遊技領域内に進入した遊技球の多くは、遊技領域の中心位置に配置された可変入賞装置40の中心よりも右側の第2遊技領域の上部から下部に向けて通過(流下)する。
このように、打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作した場合は弾発力が弱いため、発射された遊技球の大半は第1遊技領域を通過し、打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作した場合は第1操作態様にて操作した場合よりも弾発力が強いため、発射された遊技球の大半は第2遊技領域を通過することになる。つまり、打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作した場合、発射された遊技球は第2遊技領域を通過するよりも高い割合で第1遊技領域を通過する(遊技球が100%の割合で第1遊技領域を通過する場合を含む)。また、打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作した場合、発射された遊技球が第1遊技領域を通過するよりも高い割合で第2遊技領域を通過する(遊技球が100%の割合で第2遊技領域を通過する場合を含む)。このように遊技者は打球操作ハンドル30の回転量を調整することにより、左側の第1遊技領域または右側の第2遊技領域のいずれかを狙って遊技球を発射させること(左右に打ち分けること)ができる。
そして、左側の第1遊技領域における可変入賞装置40の直下には普通入賞球装置6Aが設けられており、遊技者は左側の第1遊技領域を狙って打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作すること(左打ちとも言う)で、第1特図ゲームによる遊技を行うことができる。
一方、右側の第2遊技領域における可変入賞装置40の右側方には普通可変入賞球装置6Bが設けられており、この普通可変入賞球装置6Bの上方位置には、通過ゲート41が設けられるとともに、可変入賞装置40の右側上部に形成された上部大入賞口31が臨むように設けられ、かつ、該上部大入賞口31を開閉する上部大入賞口扉32の一端部が、開放状態において右側方に突出して第2遊技領域を通過する遊技球を可変入賞装置40内に誘導可能に設けられているため、遊技者は右側の第2遊技領域を狙って打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作すること(右打ちとも言う)で、第2特図ゲーム及び可変入賞装置40による遊技を行うことができる。
尚、本実施形態では、これら第1遊技領域と第2遊技領域とは、可変入賞装置40の右側下部位置から斜め下方に向けて直線状に列設された複数の障害釘(図1参照)により区画され、第2遊技領域を流下する遊技球は、第1遊技領域に設けられた普通入賞球装置6Aに入賞させることなく流下させてアウト口69に誘導されるようになっている。
また、本実施形態では、右打ち遊技において、第2特図ゲームを実行させるための通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bに遊技球を進入可能な操作態様にて操作することで、可変入賞装置40の上部大入賞口31が開放した際には遊技球が可変入賞装置40内に進入可能するように、通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bと上部大入賞口31とが配置または障害釘が配置されているが、通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bに遊技球を進入可能な操作態様と上部大入賞口31に遊技球を進入可能な操作態様とが異なる操作態様となるように通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bと上部大入賞口31とを配置または障害釘を配置してもよい。
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機1での遊技の流れについて説明する。
<通常遊技状態(左打ち)>
まず、通常遊技状態において左打ちした場合の遊技の流れを説明すると、打球発射装置により打ち出された遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入すると、特図ゲームの抽選(可変表示結果の決定)が実行されるとともに、該特図ゲームの抽選結果に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示が開始される。そして特別図柄の可変表示結果として「第1〜5大当り」表示結果が導出されると大当り遊技状態に移行する。
第1特図ゲームにおいて「第1,2,4大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行し、「第3,5大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行する。
<通常遊技状態(右打ち)>
通常遊技状態において右打ちした場合の遊技の流れを説明すると、打球発射装置により打ち出された後、第2遊技領域に進入した遊技球が通過ゲート41を通過すると、普図ゲームの抽選が実行されるとともに、該普図ゲームの抽選結果に応じて、普通図柄表示装置20にて普通図柄の可変表示が開始される。そして普通図柄の可変表示結果として「普図当り」表示結果が導出されると、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が1回開放される。また、普通図柄の可変表示結果として「普図はずれ」表示結果が導出されると、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を開放せずに閉鎖状態に維持されるため、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい。
また、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の開放により遊技球が普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入した場合、第2特図ゲームの抽選が実行されるとともに、該第2特図ゲームの抽選結果に応じて、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が開始される。そして、特別図柄の可変表示結果として「第1〜4小当り」表示結果が導出されると小当り遊技状態となって上部大入賞口扉32が開放され、この開放により遊技球が可変入賞装置40内に進入して特定領域スイッチ24により検出された場合は大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。
また、上部大入賞口扉32の開放により遊技球が可変入賞装置40内に進入しなかった場合及び可変入賞装置40内に進入したものの特定領域スイッチ24により検出されなかった場合は有利状態が終了して通常遊技状態に移行する場合がある。また、特別図柄の可変表示結果として「第6大当り」表示結果が導出されると、小当り遊技状態を経由することなく大当りとなる(所謂直撃大当り、直当り)。また、第2特図ゲームにおいて「第6大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後及び「第1,2小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行し、「第3,4小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行する。
また、第1小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP1が選択され、第2小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP2が選択され、第3小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP3が選択され、第4小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP4が選択される。つまり、第3小当りに当選した場合が可変入賞装置40内に進入した遊技球が特定領域スイッチ24にて検出される確率が最も高く、第2小当りに当選した場合が可変入賞装置40内に進入した遊技球が特定領域スイッチ24にて検出される確率が最も低い。
<第1有利状態、第2有利状態(左打ち)>
第1有利状態または第2有利状態において左打ちした場合の遊技の流れは、通常遊技状態において左打ちした場合と同様であるため説明を省略し、以下、通常遊技状態と相違する点のみを説明する。第1有利状態及び第2有利状態では、特図ゲームにおいて「第1,3,4,5大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行し、「第2大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行する。有利状態での大当りを契機とした大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態での大当りを契機とした大当り遊技状態の終了後(約33.3%)よりも高い割合(約66.7%)で第1有利状態よりも有利な第2有利状態に移行する。尚、第1有利状態は、大当り遊技状態になることまたは大当り遊技状態の終了後から第2特図ゲームの変動数が2回に到達することで終了し、第2有利状態は、大当り遊技状態になることまたは大当り遊技状態の終了後から第2特図ゲームの変動数が10回に到達することで終了する。
<第1有利状態、第2有利状態(右打ち)>
第1有利状態または第2有利状態において右打ちした場合の遊技の流れは、通常遊技状態において右打ちした場合と同様であるため説明を省略し、以下、通常遊技状態と相違する点のみを説明する。有利状態では、普図ゲームにおける「普図当り」「普図はずれ」の当選確率は通常遊技状態と変わらないが(図17参照)、普通図柄の変動時間は、「普図当り」または「普図はずれ」のいずれが当選した場合も1秒となり(図18参照)、また、「普図当り」の当選に基づく拡大開放状態に維持される期間は2秒となる(図19参照)。
すなわち、通常遊技状態に比べて、普通図柄の変動時間が30秒から1秒に短縮されることで、所定期間内において普図ゲームを実行する機会、つまり普通可変入賞球装置6Bが開放する機会が増加するとともに、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる期間が0.1秒から2秒に延長されるため、特図ゲームの抽選を受ける機会が増加する。尚、普通図柄の変動時間の短縮及び普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる期間の延長が行われる有利状態は、第1有利状態では、大当り遊技状態が発生することまたは大当り終了後から第2特図ゲームが2回行われることのうちいずれかが成立すること、第2有利状態では、大当り遊技状態が発生することまたは大当り終了後から第2特図ゲームが10回行われることのうちいずれかが成立すること、により終了するようになっている。また、第2特図ゲームにおいて「第1,3小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行し、特図ゲームにおいて「第2,4小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行する。
このように通常遊技状態においては、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特図ゲームの実行頻度に比べて極めて低いため、右打ち遊技を行うよりも左打ち遊技を行う方が遊技者にとって有利となる。
一方、第1有利状態または第2有利状態においては、左打ち遊技を行う場合でも、右打ち遊技を行う場合でも、大当りに当選する割合(1/200)は同じであるが、普通図柄の変動時間が30秒から1秒に短縮されることで、普図ゲームの抽選が実行される機会が増大するばかりか、普図当りの当選確率は通常遊技状態と同一であるものの、普図当りに当選した場合の拡大開放時間が0.1秒から2秒に延長(開放延長)されるので、通常遊技状態よりも遊技球が第2始動入賞口に誘導されやすくなるとともに、普通入賞球装置6Aは、普通可変入賞球装置6Bのように第1始動入賞口に向けて遊技球を誘導する可動翼片を有していないため、拡大開放状態となった普通可変入賞球装置6Bは、普通入賞球装置6Aよりも遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなるため、第2特図ゲームが実行される機会が高まる。
このように第1有利状態及び第2有利状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、可動翼片が拡大開放状態となる時間が延長されることにより、一定期間において遊技球が第2始動入賞口に進入する割合が高くなることで、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特図ゲームの実行頻度よりも高くなるだけでなく、小当り遊技状態において可変入賞装置40で大当りとなる確率が第1特図ゲームで大当りとなる確率よりも高いので、左打ち遊技を行うよりも右打ち遊技を行う方が遊技者にとって有利となる。
大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態に制御された場合には、通常遊技状態に制御される場合に比べて、次回の大当り遊技状態の終了後に再び第1有利状態及び第2有利状態のうち制御期間が長い第2有利状態に制御されやすくなるばかりか、遊技球が第2始動入賞口へ進入しやすくなるため、大当り遊技状態に制御されやすくなる。つまり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御されることにより、次回の大当り遊技状態が発生することだけでなく、該次回の大当り遊技状態の終了後も連続して大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、小当り遊技状態が発生したときの処理内容などを、図41などを参照して説明する。第2特図変動(第2特図ゲーム)の可変表示結果が小当りになった場合には、小当り遊技状態に制御されるが、このとき、小当り遊技中演出が実行される。小当り遊技中演出では、まず、敵キャラクターC1が登場し、味方キャラクターC2と戦うことを報知する演出が実行される。これによって、小当り遊技状態の開始が示唆される(図43、44参照)。さらに、小当り遊技中演出では、敵キャラクターC1と味方キャラクターC2とが戦う演出が実行される(図43、44参照)。その後、小当りエンディングが実行される。この演出では、今回の小当り遊技中に遊技球が特定領域49に進入しなかった場合には、小当りエンディングにおいてその旨(味方キャラクターC2の敗北)が報知される(図43)。なお、このときには、V入賞(第7大当り)の大当り遊技状態に移行せず、第2始動入賞があった場合には、第2特図の特図ゲームが実行される。今回の小当り遊技中に遊技球が特定領域49に進入した場合(V入賞があった場合)には、小当りエンディングにおいてその旨(味方キャラクターC2の勝利)が報知され、その後に第7大当りの大当り遊技状態(V入賞の大当り遊技状態)が開始される(図44)。
この実施の形態では、小当り遊技中において、遊技球が特定領域50に進入したことが特定領域スイッチ24によって検出されるごと(つまり、特定領域進入指定コマンドが伝送されてくるごと)、上部大入賞口31に遊技球が入賞したが特定領域50に進入せずに通常領域49に進入したことが通常領域スイッチ25によって検出されるごと(つまり、通常領域進入指定コマンドが伝送されてくるごと)にポイントが付与される。そのポイントは、遊技球の検出ごとに付与され、1回の小当り遊技中で蓄積される(暫定付与ポイント)。小当りエンディングの実行時(つまり、小当り遊技の終了時)に、この暫定付与ポイントが0の場合(特定領域進入指定コマンド及び通常領域進入指定コマンドの受信が無かったとき)には、前記各スイッチによる入賞検出が無かったことになるので、小当り遊技中において上部大入賞口31に遊技球が入賞しなかったことになる(未入賞)。この場合には、小当りエンディング時において、ポイントが暫定付与ポイントとして付与される。そして、小当りエンディング時では、暫定付与ポイントの報知が行われる(図43、図44の報知画像P1、P2参照)。なお、この報知は、暫定付与ポイントの値に応じて、報知する値が異なるので、ポイントによって異なる態様の報知演出が実行されることになる。特に、通常領域スイッチ25の検出時及び未入賞時には、複数種類のポイントのいずれかが付与ポイントして付与されるので、これによって、ポイントによって異なる態様の報知演出が実行されることになる。このポイントは、次の大当り遊技状態が到来するまで蓄積される(累積付与ポイント)。大当り遊技状態では、その累積ポイントが報知される(図44の報知画像P3を参照)。この実施の形態では、このような演出を実行可能なように演出制御パターンが用意される。
また、小当り遊技中演出では、上部大入賞口31の開放に合わせて、開放中であることを報知する開放報知演出(例えば、図43における報知画像X1を表示する演出など)が実行される。このため、小当り遊技中演出は、上部大入賞口31の開放状態を報知する開放状態報知演出でもある。
次に、大当り遊技状態が発生したときの処理内容などを、図42などを参照して説明する。大当り遊技状態に制御されている期間中には、ファンファーレの演出、大当り遊技中演出(小当り遊技の期間中に対応して実行される演出)、エンディングの演出が実行される。大当り遊技状態において実行される演出として、通常の通常演出と、上記累積ポイントが上限値になったときに実行されるプレミアム演出とが用意されている。なお、例えば、第2特図の特図ゲームにおいて「大当り」になる場合(直当たりの場合)には、上記累積ポイントが一気に上限値に達する。図45の例では、プレミアム演出でのファンファーレ演出が実行される。
また、第2特図の特図ゲームの可変表示結果が「大当り」になる場合であって、スーパーリーチBが実行される変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、リーチ演出において、上記小当りファンファーレの演出、小当り遊技中演出、小当りエンディングと同種(例えば、同じバトル演出)であるが特別の態様とした特別演出が実行される。例えば、図45のように敵キャラクターC1の代わりに敵キャラクターC3が登場して戦うバトル演出(図45の左の縦3つの画像参照)が実行される。このときには、可変表示結果の導出表示のときにおいて、敵キャラクターC3が倒される演出が実行され、大当り遊技状態(ファンファーレ)に突入する。この実施の形態では、このような演出を実行可能なように演出制御パターンが用意される。
この実施の形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、遊技球が入賞しやすい入賞容易状態(この実施の形態では、開放状態)と、遊技球が入賞容易状態よりも入賞しにくい入賞困難状態(この実施の形態では、閉鎖状態)と、に変化可能であり、入賞した遊技球(この実施の形態では、開放状態となった上部大入賞口31に進入した遊技球)が進入可能な特定領域49が設けられた可変入賞装置40と、遊技球が特定領域49に進入したことを検出する特定検出手段(この実施の形態では、特定領域スイッチ24によって特定領域49に進入した遊技球を検出するCPU106)と、遊技球が前記特定領域に進入したことが前記特定検出手段により検出されたことにもとづき、遊技者にとって有利な特定遊技状態(この実施の形態では、V入賞後(第7大当り)の大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(この実施の形態では、S305〜S307の処理を実行するCPU106)と、入賞容易状態の期間中(この実施の形態では、特に小当り遊技中)に遊技球が可変入賞装置に入賞しなかったことを未入賞として検出する未入賞検出手段(この実施の形態では、S881で暫定付与ポイントカウンタの値が0であると判定することによって未入賞を検出するCPU126)と、未入賞検出手段が未入賞を検出した場合に特定遊技状態とは異なる特典(この実施の形態では、ポイント)を遊技者に付与する特典付与手段(この実施の形態では、S882の処理を行うCPU126)と、を備えることになるので、未入賞のときに特典が付与され、可変入賞装置が入賞容易状態になっている期間中、特に小当り遊技中に遊技球が特定領域に進入できなかったことによる遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、遊技者に付与される特典は、2次元コードなど、遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより所定のデジタルコンテンツを取得するためのものであってもよい。また、特典は、演出表示装置5の画面上にプレミアキャラクタとなる所定の演出画像を表示するものであってもよい。あるいは、所定の演出ポイントが特典として付与されてもよい。そして、演出ポイントの合計値(演出ポイント獲得数)が所定数に達したときに、デジタルコンテンツを取得するための2次元コードの表示が行われるようにしてもよい。あるいは、演出ポイント獲得数が所定数に達することで、例えば予告演出やリーチ演出といった、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでに実行される所定演出の演出態様を、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様に変更してもよい。なお、演出ポイント獲得数が所定数に達するごとに、演出レベルが予め用意された複数レベルのいずれかに切り替えられることにより、所定演出の演出態様が変更されるようにしてもよい。遊技者に付与される特典は、例えば、遊技機において付与される所定の遊技価値とは異なり、遊技機における遊技の実行や進行とは直接関連しない演出上の価値となるものであればよい。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
なお、この実施の形態では、上部大入賞口31に入賞しなかった遊技球の数によらず、特典を付与しているが、入賞しなかった遊技球の数に応じて特典の大きさ(ポイントの値など)を変化させてもよい。この場合、例えば、アウト口69に排出された遊技球を小当り遊技中などにカウントして、カウントした数に応じた大きさの特典を付与するようにしてもよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、特典付与手段は、特典を付与したことを報知する特典報知演出(この実施の形態では、暫定付与ポイントの報知演出(図43、図44の報知画像P1、P2参照))を実行する特典報知演出実行手段(この実施の形態では、S809で小当りエンディングを実行するCPU126)が構成される。このような構成によれば、特典の付与の報知が行われるので、特典が付与されたことを遊技者が容易に認識でき、遊技の興趣が向上する。
なお、特典報知演出の態様は、この実施の形態に限らず、適宜の態様を採用できる。例えば、特典の付与において、付与される特典の大きさ(ポイントの値など)を報知するのではなく、特典が付与されたことのみを報知するものであってもよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、特典付与手段は、複数種類の特典のうちのいずれか(この実施の形態では、8P、10P、12Pのいずれか(図36))を付与し(この実施の形態では、S882〜S883)、特典報知演出実行手段は、付与する特典の種類に応じて、複数種類の特典報知演出のうちのいずれか(この実施の形態では、暫定付与ポイントの値を報知する報知演出(図43、図44の報知画像P1、P2参照))を実行する(この実施の形態では、S809)ことになる。このような構成によれば、付与される特典の種類に応じて種類の異なる特典報知演出を実行するので、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、複数種類の特典報知演出は、基本的な演出態様が同じであっても実際に報知される付与ポイントが異なることによって、その種類が異なるとしているが、演出態様を特典の種類に応じて異ならせる(例えば、キャラクターを異ならせる)ようにしてもよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、可変入賞装置が入賞容易状態になっていることを報知する入賞容易状態報知演出(この実施の形態では、上部大入賞口31の開放状態を報知する開放状態報知演出(この実施の形態では、図43における報知画像X1を表示する演出)としての小当り遊技中演出)を実行する入賞容易状態報知演出実行手段(この実施の形態では、S808で小当り遊技中演出を実行するCPU126)が構成されることになる。このような構成によれば、可変入賞装置が入賞容易状態になっていることを遊技者が容易に認識できる。
入賞容易状態報知演出は、小当り遊技中演出など、その実行期間のうちの一部の期間において可変入賞装置が入賞容易状態になってもよく、可変入賞装置が入賞容易状態になっていることを報知する期間は、当該一部の期間であってもよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、特定遊技状態制御手段は、遊技球が特定領域49に進入したことが特定検出手段により検出されたことではない特定条件の成立(この実施の形態では、特図ゲームにおいて大当り図柄が導出表示されたこと)を契機として特定遊技状態(この実施の形態では、第1〜第6大当り遊技状態)に制御可能であり、パチンコ遊技機1は、入賞容易状態報知演出の態様を特別の態様とした特別演出であって、特定の条件の成立を契機として特定遊技状態に制御されることを示唆する特別演出(この実施の形態では、小当り遊技中演出と登場キャラクターを変更した演出となっている図45のリーチ演出)を実行する特別演出実行手段を備えることになる。このような構成によれば、入賞容易状態報知演出に特別の態様があるので、遊技の興趣が向上する。
入賞容易状態報知演出の態様を特別の態様にするとは、キャラクターを変更することの他、背景やモードを変更することなどであってもよい。特別演出は、入賞容易状態報知演出の態様を特別なものに変化させたものであると遊技者が認識できるようなものであるとよい。
この実施の形態では、特別演出は、小当り遊技状態時には実行されないようになっているが、このようなときに実行されてもよい。これによって、実行される特別演出が、小当り遊技状態中に実行されているもの(入賞容易状態報知演出の一種にあたるもの)であるか、特定遊技状態に制御されることを示唆するものであるか、を認識し難くすることで、遊技者の注目度が増し、遊技の興趣が向上する。また、特別演出は、はずれ時には実行されないようになっているが、このようなときに実行されてもよい。これによっても、遊技者の注目度が増し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、上記の構成によって、特典付与手段は、特典を付与したことを報知する特典報知演出(この実施の形態では、暫定付与ポイントの報知演出(図43、図44の報知画像P1、P2参照))を実行する特典報知演出実行手段(この実施の形態では、S809で小当りエンディングを実行するCPU126)を備え、特典報知演出実行手段は、入賞容易状態報知演出の実行後に特典報知演出を実行する(この実施の形態では、小当り遊技中演出のあとに暫定付与ポイントの値を報知する報知演出(図43、図44の報知画像P1、P2参照)を実行する)ことになる。このような構成によれば、入賞容易状態報知演出の実行後に特典報知演出を実行するので、遊技の流れを遊技者が容易に把握できる。
この実施の形態では、上記の構成によって、遊技球が特定領域49に進入したことが特定検出手段により検出されたことにもとづき、特定領域49に遊技球が進入したことを報知する進入報知演出(この実施の形態では、バトル演出において味方キャラクターC2が勝利する小当りエンディング)を実行する進入報知演出実行手段(この実施の形態では、ステップS865を実行しているときにステップS884でV入賞があったことを報知する小当りエンディング(図44)のプロセステーブルを選択して、ステップS809で当該小当りエンディング実行するCPU126)が構成される。このような構成によれば、特定領域に遊技球が進入したことを遊技者が容易に把握できる。
進入報知演出の態様は、この実施の形態のような態様に限らず、適宜の態様であればよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、遊技球が特定領域49に進入したことが特定検出手段により検出されたことにもとづき、特定領域49に遊技球が進入したことを報知する進入報知演出(この実施の形態では、バトル演出において味方キャラクターC2が勝利する小当りエンディング)を実行する進入報知演出実行手段(この実施の形態では、ステップS865を実行しているときにステップS884でV入賞があったことを報知する小当りエンディング(図44)のプロセステーブルを選択して、ステップS809で当該小当りエンディング実行するCPU126)と、可変入賞装置4が入賞容易状態になっていることを報知する入賞容易状態報知演出(この実施の形態では、上部大入賞口31の開放状態を報知する開放状態報知演出(この実施の形態では、図43における報知画像X1を表示する演出)としての小当り遊技中演出)を実行する入賞容易状態報知演出実行手段(この実施の形態では、S808で小当り遊技中演出を実行するCPU126)と、を備え、進入報知演出実行手段は、進入報知演出を入賞容易状態報知演出の実行後に実行する(この実施の形態では、小当り遊技中演出のあとに小当りエンディングを実行する)ことになる。このような構成によれば、入賞容易状態報知演出の実行後に進入報知演出を実行するので、遊技の流れを遊技者が容易に把握できる。特に入賞容易状態報知演出の実行時に特定領域への遊技球の進入を期待し、進入報知演出の実行を期待するので遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、上記の構成によって、入賞容易状態の期間中に遊技球が可変入賞装置4に入賞したが特定領域に進入しなかったことを入賞未進入として検出する入賞未進入検出手段(この実施の形態では、S861で通常領域進入指定コマンドの受信があったと判定することによって遊技球が通常領域に進入し特定領域に進入しなかったことを検出するCPU126)を備え、特典付与手段は、入賞未進入検出手段が入賞未進入を検出した場合に特定遊技状態とは異なる特典(この実施の形態では、ポイント)を遊技者に付与する(この実施の形態では、S862〜S863の処理を行うCPU126)ことになる。このような構成によれば、入賞未進入のときに特典が付与されるので、可変入賞装置が入賞容易状態になっている期間中に遊技球が特定領域に進入できなかったことによる遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、未入賞や入賞未進入の検出は、この実施形態以外の方法によって実現してもよい。例えば、上部カウントスイッチ23によって上部大入賞口31に入賞した遊技球の数(第1の数とする。)を検出し、通常領域スイッチ25によって通常領域に進入した遊技球の数(第2の数とする。)を検出し、第1の数と第2の数とが同じであった場合に、未入賞を検出してもよい。例えば、主基板11側では、第1の数を示すコマンドと、第2の数を示すコマンドとを送信し、CPU126は、第1の数と第2の数とが同じであった場合に、未入賞を検出する。例えば、上部カウントスイッチ23によって上部大入賞口31に入賞した遊技球の数(第3の数とする。)を検出し、特定領域スイッチ24によって特定領域に進入した遊技球の数(第4の数とする。)を検出し、第3の数と第4の数とが異なる場合に、入賞未進入を検出してもよい。例えば、主基板11側では、第3の数を示すコマンドと、第4の数を示すコマンドとを送信し、CPU126は、第3の数と第4の数とが同じであった場合に、入賞未進入を検出する。
また、この実施の形態では、入賞未進入と未入賞とで付与される特典の大きさが異なるようになっているが、特定の種類が異なるようにしてもよい。例えば、入賞未進入では2次元バーコードを特典とし、未入賞ではポイントを特典としてもよい。また、この実施の形態では、未入賞のときの特典の大きさ(例えば、平均値)が、入賞未進入のときの特典の大きさ(例えば、平均値)よりも大きくなっている。これによって、未入賞のときの残念感をより補うことができ、遊技の興趣の低下を軽減又は防止できる。未入賞のときの特典の大きさ(例えば、平均値)を、入賞未進入のときの特典の大きさ(例えば、平均値)よりも小さくしてもよい。これによって、遊技者は、上部大入賞口31への入賞をより狙うので遊技の興趣の向上させることができる。
この実施の形態では、ポイントが上限値に達したときにプレミアム演出が実行されるようになっているが、ポイントに応じて複数のプレミアム演出のうちのいずれかが実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1有利状態と第2有利状態とが用意されている。第1有利状態は、第2特図ゲームの上限実行回数が2回と少ない。このため、ポイントが上限値に達しにくくなっている。このため、第1有利状態ではより多くのポイントが付与されるようにしてもよい。このようなことを実現するには、例えば、主基板11から第1有利状態の開始時と終了時(時短状態の終了時)とに所定のコマンドを送信し、CPU126では当該所定のコマンドに基づいて第1有利状態の期間中に所定のフラグ(第1フラグとする)をオン状態とし、主基板11から第2有利状態の開始時と終了時(時短状態の終了時)とに所定のコマンドを送信し、CPU126では当該所定のコマンドに基づいて第2有利状態の期間中に所定のフラグ(第2フラグとする)をオン状態とし、S882やS862、S865などでは、第1フラグと第2フラグとのいずれかがオン状態になっているかで、異なるポイント(異なる特典)の付与を決定してもよい。さらに、第1フラグ又は第2フラグがオン状態となっているときにのみポイント加算処理やエンディング前処理などを行うことによって、有利状態になっているときにのみポイント(特典)を付与するようにしてもよい。また、第1フラグのときはポイント加算処理やエンディング前処理などを行わないようにしてポイント(特典)を付与しないようにしてもよい。
累積付与ポイントはステップS864などでリセットしなくてもよい。つまり、大当り遊技状態になるときにリセットされなくてもよい。また、ポイントが一度上限値に達したら2周目のポイント付与が行われ(2周目以降も同様)、何周目かで大当り遊技状態でのプレミアム演出の種類を異なるようにするなどしてもよい。
また、付与されるポイント(特典の種類や大きさ)は、小当り種別(例えば、小当り開始指定コマンド格納領域に格納された小当り開始指定コマンドによって特定すればよい。)に応じて異なるものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態などを図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態などに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における実施の形態などへの変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、パチンコ遊技機などの遊技機に適用可能であり、特に、可変表示装置における識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機に好適に適用される。
尚、この実施の形態では、第1有利状態及び第2有利状態は、第2特図ゲームの実行回数が所定の上限値(第1有利状態は2回、第2有利状態は10回)に達することで終了するようになっていたが、これら上限回数は任意に変更可能である。また、このような有利状態の終了条件は、第2特図ゲームの実行回数が所定の上限値に達することに限定されるものではなく、例えば第1特図ゲームの実行回数が所定の上限値に達すること、または第1特図ゲーム及び第2特図ゲームの合計実行回数が所定の上限値に達することとしてもよい。
また、有利状態の終了条件は、このように特図ゲームの実行回数が所定の上限値に達することに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態が終了してから所定時間が経過したこと、あるいは小当り遊技において遊技球が可変入賞装置40に進入した合計球数が所定値に達すること等としてもよい。
尚、本実施の形態では、第1特図ゲームで当選した大当りの種別に応じて、当該大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定していたが、例えば大当り遊技状態中に抽選を実行すること等により第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定してもよい。
尚、本実施の形態では、第2特図ゲームで当選した小当りの種別に応じて、当該小当りを契機とする大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定していたが、例えば大当り遊技状態中や小当り遊技状態中に抽選を実行すること等により第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定してもよい。
また、本実施の形態では、可変入賞装置40内に設けられる可動部の一例である足模型51は、上部球経路34を流下した遊技球に接触せずに100%の割合で特定領域49に進入させる下部ステージ35に誘導する第1状態(上方向に保持された姿勢)と、上部球経路34を流下した遊技球に接触して100%の割合で通常領域50へ進入させる下部球経路36に誘導する第2状態(下方向に保持された姿勢)と、に変化可能に設けられていたが、上部球経路34を流下した遊技球を、通常領域50に誘導するよりも高い割合で特定領域49に誘導する第1状態と、特定領域49に誘導するよりも高い割合で通常領域50に誘導する第2状態と、に変化可能に設けられていれば、第1状態において100%の割合で特定領域49に誘導しなくてもよいし、第2状態において、100%の割合で通常領域50に誘導しなくてもよい。
また、足模型51は、第1状態において上部球経路34を流下した遊技球に接触しないようになっていたが、特定領域49に進入させる下部ステージ35に誘導可能であれば接触するようにしてもよい。
尚、本実施の形態では、可変入賞装置40は、内部に進入した遊技球の流路に変化を与える可動部として足模型51のみが設けられていたが、特に図示はしないが、例えば上部球経路34により誘導された遊技球を特定領域49に進入させる第1の状態と、通常領域50に進入させる第2の状態と、に一定の周期で可動する可動体(例えばV穴とはずれ穴を備える回転体等)を設け、そしてこれら各小当り制御パターンの開放待機期間を、前記回転体の周期の範囲内の異なる開放待機期間に設定してもよい。
また、足模型51のような可動部は、上記実施の形態のように上部球経路34を流下した遊技球に接触することで該遊技球の流路を下部ステージ35または下部球経路36のいずれかに振分ける、つまり流路を変更可能とするものに限定されるものではなく、上記のように回転体に誘導するタイミングを変化させる、つまり流下させるタイミング(流下速度等)を変更可能とするものであってもよい。
この発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態、通信回線等を介して他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。