図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる。
遊技領域の下方表面には打球供給皿(上皿)4がある。打球供給皿4の下部には、打球供給皿4に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿6や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域のほぼ中央位置には、可変入賞装置40が設けられている。可変入賞装置40の右側方には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数字のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。また、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
可変入賞装置40の左側方には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示装置20は、例えば通過ゲート41を通過した遊技球が図4に示すゲートスイッチ21によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、普通図柄の可変表示を行う。そして、例えば普通図柄の可変表示結果として「−」を示す記号が表示された場合には「普図はずれ」となる。その一方で、例えば普通図柄の可変表示結果として「7」を示す数字が表示された場合には「普図当り」となる。
可変入賞装置40の下方には、普通入賞球装置6A、特別可変入賞球装置7、一般入賞口42F、42L、42Rなどが設けられている。また、可変入賞装置40の向かって右下方の遊技領域には普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば図4に示す普通電動役物用ソレノイド55によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7は、例えば図4に示す下部大入賞口扉用ソレノイド54によって開閉駆動される下部大入賞口扉61を有し、その下部大入賞口扉61によって、下部大入賞口60を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とに変化させる。一般入賞口42F、42L、42Rはそれぞれ、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図4に示す始動口スイッチ22A、22Bのうち、始動口スイッチ22Aによって検出される。始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件(第1実行条件ともいう)が成立する。
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図4に示す始動口スイッチ22A、22Bのうち、始動口スイッチ22Bによって検出される。始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件(第2実行条件ともいう)が成立する。普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイド55がオン状態であるときに、可動翼片が傾動位置となることにより、通常開放状態に比べて遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい第1誘導状態としての拡大開放状態となる。これに対して、普通電動役物用ソレノイド55がオフ状態であるときには、可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい第2誘導状態としての通常開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、第2誘導状態となる通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、第1誘導状態である拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、第2誘導状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動条件が成立しやすい第1誘導状態と第2始動条件が成立しにくい、または、しない第2誘導状態とに変化する始動入賞装置を構成する。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う普通可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
特別可変入賞球装置7に形成された下部大入賞口60に進入した遊技球は、例えば図4に示す下部カウントスイッチ28によって検出される。下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。特別可変入賞球装置7では、下部大入賞口扉用ソレノイド54がオフ状態であるときに、下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を第1の状態としての閉鎖状態にする。他方、下部大入賞口扉用ソレノイド54がオン状態であるときには、下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を第2の状態としての開放状態にする。このように、特別可変入賞球装置7は、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する特定動作を行う変動入賞装置を構成する。
また、特別可変入賞球装置7の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である継続入賞検出器が設けられるようにしてもよい。この場合、継続入賞検出器の上部には、一旦V入賞検出があると次に下部大入賞口60が閉鎖状態となってから開放状態となるまでは遊技球が継続入賞検出器を通過しないようにするVシャッターを設けるようにすればよい。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介してVシャッター用ソレノイドと連結されていればよい。
一般入賞口42Fに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのうち、第1一般入賞球スイッチ27Fによって検出される。一般入賞口42Lに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのうち、一般入賞球スイッチ27Lによって検出される。一般入賞口42Rに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのうち、一般入賞球スイッチ27Rによって検出される。一般入賞球スイッチ27F、27L、27Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2は、可変入賞装置40の一構成例を拡大して示す図である。本実施例の可変入賞装置40には、可変入賞装置40の向かって右上部位置に、開閉部材となる可動部材として、第1大入賞口扉32が、摺動変化可能に設けられている。第1大入賞口扉32は、例えば連係アームといった所定のリンク機構などを介して、図4に示す第1大入賞口扉用ソレノイド53におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。そして、第1大入賞口扉用ソレノイド53がオン状態であるときには、第1大入賞口扉32が、第1大入賞口31を、第1の状態としての開放状態にする。他方、第1大入賞口扉用ソレノイド53がオフ状態であるときには、第1大入賞口扉32が、第1大入賞口31を、第2の状態としての閉鎖状態にする。なお、第1大入賞口扉32は、摺動変化可能に構成されたものに限定されず、例えば回動可能に構成されることにより、第1大入賞口31を、第1の状態である開放状態と第2の状態である開放状態とに変化させることができるものであればよい。このように、可変入賞装置40は、遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)とに変化する始動動作を実行することができるように構成されている。
可変入賞装置40の内部には、遊技球が流下して通過可能な上部球経路34が設けられている。また、可変入賞装置40の左側には、足模型51を備えた人形模型47が設けられている。可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、上部球経路34を通過した後に、例えば特定領域49や通常領域50などといった、複数の領域のいずれかに進入して、可変入賞装置40の外部へと排出される。このとき、特定領域49に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。すなわち、特定領域スイッチ24は、可変入賞装置40に設けられた複数の領域のうち、特定領域49に進入した遊技球を検出する。本実施例では、小当り遊技状態における始動動作で第1大入賞口扉32により開放状態となった第1大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が、特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
可変入賞装置40の上部には、天入賞口39が形成されている。天入賞口39に進入した遊技球は、そのまま遊技盤2の裏面に排出される。このとき、天入賞口39に進入した遊技球は、図4に示す天入賞球スイッチ26によって検出される。天入賞球スイッチ26によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2(a)では、第1大入賞口31が閉鎖状態となっており、図2(b)では、第1大入賞口31が開放状態となっている。第1大入賞口31はそれぞれ、可変入賞装置40の内部と外部とを連通させる開口部であり、図2(b)に示すような開放状態であるときに、遊技球を可変入賞装置40の外部から内部に進入させることができる。第1大入賞口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、上部球経路34への流入口に設けられた上部カウントスイッチ23にて検出された後、該流入口から上部球経路34へ流入する。上部カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、本実施例では、上部カウントスイッチ23にて検出されたことに応じて賞球を付与しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述する排出口スイッチ25による遊技球の検出に応じて賞球を付与するようにしてもよい。
図3(a)及び(b)は、上部球経路34へと誘導された遊技球の流れを示す図である。図2(a)や図3(a)及び(b)に示すように、上部球経路34の付近には、装飾模型の一例として、人形模型47が設けられている。人形模型47には、振分部材となる可動部材の一例として、足模型51が取り付けられている。足模型51は、所定のリンク機構などを介して、図4に示す模型用ソレノイド52におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。なお、模型用ソレノイド52は、人形模型47に取り付けられた口飾り模型などにも連結され、足模型51と連係して動作させるようにしてもよい。
模型用ソレノイド52がオフ状態であるときには、図3(a)に示すように、足模型51が上部球経路34を流下する遊技球には接触しないよう遊技球の経路よりも上方向に保持される。このとき、上部球経路34を流下した遊技球は、足模型51には接触することなく、下部ステージ35へと振分けられるように誘導される。一方、模型用ソレノイド52がオン状態であるときには、図3(b)に示すように、足模型51が下方向に移動して、上部球経路34を流下する遊技球と接触する。このとき、上部球経路34を流下した遊技球は、足模型51に接触して、下部球経路36へと振分けられるように誘導される。
尚、通常領域50に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出されることなく、可変入賞装置40から排出されるときに、排出口スイッチ25によって検出される。一方、特定領域49に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出された後、可変入賞装置40から排出されるときに、排出口スイッチ25によって検出される。
可変入賞装置40の入賞空間内において、例えば可変入賞装置40の背面部分などには、画像表示装置5が配置されている。画像表示装置5は、例えば液晶表示器(LCD;)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5には、演出画像を表示する表示領域が形成されている。画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された演出図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の演出図柄(飾り図柄ともいう)を可変表示するとともに、普通入賞球装置6Aに進入した有効進入球数としての第1保留記憶数や普通可変入賞球装置6Bに進入した有効進入球数としての第2保留記憶数を表示する。この演出図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄可変表示部が配置され、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームが実行されることに対応して、各演出図柄可変表示部にて演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて演出図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部は、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、演出図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組み合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、演出図柄として変動可能に表示される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。
画像表示装置5の表示領域において演出図柄の可変表示が開始されると、「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である演出図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である演出図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である演出図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「8」である演出図柄が表示されてもよい。演出図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」や「小当り」となることを予告する予告演出画像といった、各種の演出表示を行うための画像が、画像表示装置5の表示領域内において表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、普通入賞球装置6Aに進入した有効進入球数としての第1保留記憶数が表示される第1保留記憶表示部18(図67参照)や普通可変入賞球装置6Bに進入した有効進入球数としての第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部19(図67参照)から成る特別図柄始動記憶表示エリアが設けられている。具体的には、第1保留記憶数が1加算されたときには、始動入賞なしに対応する例えば青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち向かって左端の表示部位)を始動入賞ありに対応する表示態様である赤色表示に変化させる。また、第2保留記憶数が1加算されたときには、通常緑色であった表示部位のうちの1つ(例えば緑色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を黄色表示に変化させる。これに対して、第1保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。また、第2保留記憶数が1減算されたときには、黄色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば黄色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を緑色表示に戻す。尚、本実施例では、これら保留記憶数の表示態様として、後述する第1特別図柄保留記憶LED15Aと、第2特別図柄保留記憶LED15Bと同様に、点状の表示を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特別図柄始動記憶表示エリアでは、第1保留記憶数や第2保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、第1保留記憶数や第2保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を、演出図柄とは別個に特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「◎」や「○」、「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「◎」や「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「◎」を停止表示し、小当り図柄である場合には「○」を停止表示し、はずれ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第1特別図柄保留記憶LED15Aと、第2特別図柄保留記憶LED15Bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶LED15Aと第2特別図柄保留記憶LED15Bはそれぞれ、例えば4個のLEDを含んで構成されている。第1特別図柄保留記憶LED15Aは、第1保留記憶数を表示する。第2特別図柄保留記憶LED15Bは、第2保留記憶数を表示する。また、普通図柄表示装置20の上方には、普通図柄保留記憶LED15C並びに5ラウンド用LED15Dと15ラウンド用LED15Eとが設けられている。普通図柄保留記憶LED15Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。5ラウンド用LED15D並びに15ラウンド用LED15Eは、例えば1個のLEDを含んで構成され、5ラウンド大当りまたは15ラウンド大当りにおいて点灯されることで、実施中の大当り状態が5ラウンド大当りであるか15ラウンド大当りであるかを報知する。
これら第1特別図柄保留記憶LED15A、第2特別図柄保留記憶LED15B、普通図柄保留記憶LED15C、5ラウンド用LED15D並びに15ラウンド用LED15Eは、図4に示すように、いずれも主基板11に接続され、遊技制御用マイクロコンピュータ100により点灯状態が制御される。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、可変入賞装置40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
普通図柄表示装置20による普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示を開始させた後、可変表示結果が「普図当り」の図柄となったことに対応して、例えば普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることなどにより、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が、垂直位置にある通常開放状態から傾動位置にある拡大開放状態に変化する。その後、所定時間が経過すると、通常開放状態に戻る。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲームとも言う)は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲームとも言う)は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことといった、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。このように、第1特別図柄表示装置4Aは、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、識別情報となる特別図柄を可変表示する第1可変表示手段を構成する。また、第2特別図柄表示装置4Bは、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、識別情報となる特別図柄を可変表示する第2可変表示手段を構成する。尚、本実施例では、例えば第1始動条件と第2始動条件の双方が成立した後に、それぞれに対応する第1開始条件と第2開始条件とがいずれも成立していない場合のように、第1開始条件と第2開始条件の双方を成立させることができる場合に、第2開始条件の方を第1開始条件よりも優先して成立させる。また、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、第1特別図柄表示装置4Aにおいては「1」、「2」、「3」、「4」、「5」を示す数字を第1〜第5大当りの図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄としている。また、第2特別図柄表示装置4Bにおいては、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「1」、「2」、「3」、「4」を示す数字を小当り図柄としている。尚、本実施例では、第2特別図柄表示装置4Bでは、必ず大当りまたは小当りとなりはずれが存在しないためにはずれ図柄を設けていないが、はずれを設ける場合には、第1特別図柄表示装置4Aと同様に、「−」を示す記号をはずれ図柄とすればよい。第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第1特定表示結果となる。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果である確定特別図柄として停止表示される大当り図柄は第2特定表示結果となり、小当り図柄は第2所定表示結果となる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われることに対応して、演出図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となる場合には、演出図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて所定の大当り組み合せを構成する確定演出図柄が停止表示される。このような大当り組み合せの確定演出図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて、「7」を示す英数字といった、同一の演出図柄が揃って導出表示されるものが含まれていればよい。また、第2特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となる場合には、演出図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄可変表示部にて所定の小当り組み合せを構成する確定演出図柄が停止表示される。このような小当り組み合せの確定演出図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の演出図柄可変表示部にそれぞれ「1」、「3」、「5」を示す英数字を停止表示させる場合のように、予め定められた組み合せの演出図柄が導出表示されるものが含まれていればよい。
第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく小当り遊技状態では、例えば第1大入賞口扉用ソレノイド53をオフ状態からオン状態に切り換えることなどにより、可変入賞装置40における第1大入賞口扉32を摺動させて、第1大入賞口31を所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させる。その後、所定時間が経過すると、例えば第1大入賞口扉用ソレノイド53をオン状態からオフ状態に切り換えることなどにより、第1大入賞口31を閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる第1大入賞口31の開閉動作を、始動動作という。例えば、小当り遊技状態では第1大入賞口31を開閉する始動動作が、1回、あるいは2回といった複数回行われる。このように、始動動作は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの可変表示結果が第2所定表示結果である「小当り」となったことに対応して、可変入賞装置40における第1大入賞口31を、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に、再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった第1大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入して特定領域スイッチ24によって検出された場合には、大当り遊技状態(第7大当り)となる。このように、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった場合には、始動動作にて開放状態となった第1大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、大当り遊技状態とする制御が行われる。他方、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合には、特定領域49に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当り遊技状態(第1〜第6大当り)とする制御が行われる。この場合には、可変入賞装置40に設けられた第1大入賞口31を開放状態とすることなく、特別可変入賞球装置7に設けられた下部大入賞口扉61により下部大入賞口60を開放状態とする特定動作が開始される。
大当り遊技状態では、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の特定動作が実行可能となり、特別可変入賞球装置7に形成された下部大入賞口60が、第2の状態としての閉鎖状態から第1の状態としての開放状態となる。一例として、特別可変入賞球装置7では、下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を閉鎖状態から開放状態へと変化させた後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、下部大入賞口60を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められている。また、大当り遊技状態にてラウンド遊技を繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数としてのラウンド最大値は、「5」、「15」のいずれかに決定される。ここで、ラウンド最大値が「15」に決定された大当り遊技状態は、ラウンド最大値が「5」に決定された大当り遊技状態に比べて、下部大入賞口60に多くの遊技球が入賞することで払い出される賞球の個数を多くすることが可能であり、遊技者にとって有利である。このように、大当り遊技状態には、ラウンド最大値が「5」に決定された場合のような第1特定遊技状態となる大当り遊技状態と、ラウンド最大値が「15」(小当りを経由した第7大当りの場合には、実質的には後述するように14回)に決定された場合のような第1特定遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利な第2特定遊技状態となる大当り遊技状態とが、含まれている。
大当り遊技状態では、ラウンド最大値に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技の終了後に、次のラウンド遊技が実行可能となる。このときには、ラウンド遊技の実行中に下部カウントスイッチ28によって遊技球が検出されたこと、あるいは、継続入賞検出器によってV入賞検出がなされたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件(ラウンド継続条件)としてもよい。他方、ラウンド最大値に達するまでは、下部カウントスイッチ28や継続入賞検出器によって遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド遊技の終了後に次のラウンド遊技が実行可能となるようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態や大当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態としての時短状態(第1有利状態または第2有利状態)に制御される。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短(有利)状態等の有利状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。
時短(有利)状態では、例えば普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常遊技状態よりも向上することや、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったときに普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片が第2始動入賞口を第1誘導状態としての拡大開放状態とする期間や回数が通常遊技状態よりも増大すること、普図ゲームにて普通図柄の可変表示を開始してから可変表示結果が停止表示されるまでの可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなること、これらのいずれかを組み合せること、あるいは、これらの全てを組み合せることなどにより、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が通常遊技状態に比べて成立しやすくなればよい。具体的に本実施例においては、時短(有利)状態では、「普図当り」となる確率は通常遊技状態と同じとされているものの(図17)、普図ゲームの可変表示時間が通常遊技状態(30秒)よりも短く(1秒)なるとともに、可動翼片が拡大開放状態とする期間が0.1秒から5秒に延長される(図18、図19)時短制御が実施されることで、普通可変入賞球装置6Bに入賞しやすくなることにより、遊技者に有利とされる。
本実施例では、これら時短(有利)状態として、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが2回となる期間において上述した時短状態に制御される第1有利状態と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが10回となる期間において上述した時短状態に制御される第2有利状態と、の2種類の時短(有利)状態が設けられており、第1特別図柄表示装置4Aでは、大当り遊技状態に制御された際の有利状態の有無並びに発生した大当りの種別(第1〜第5)に基づいて、開始する有利状態を第1有利状態または第2有利状態とするかが決定されて、大当り遊技状態が終了するときに、決定された第1有利状態または第2有利状態の制御が開始され、第2特別図柄表示装置4Bでは、発生した大当りの種別(第6)や、小当り遊技状態に制御されて特定領域49に遊技球が流入したことにより大当り遊技状態に制御されたときには、当選した小当りの種別(第1〜4)に基づいて、開始する有利状態を第1有利状態または第2有利状態とするかが決定されて、大当り遊技状態が終了するときに、決定された第1有利状態または第2有利状態の制御が開始される。これら開始された時短(有利)状態は、時短(有利)状態であるときに大当り遊技状態に制御されたこと、あるいは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが上限回数(2回または10回)に到達することに対応して、時短(有利)状態の制御が終了する。
つまり、第1有利状態では、最大2回しか小当りとなる可能性がない、すなわち、小当りにより実施される第1大入賞口31が開放状態とされるチャンスが2回しかないので、特定領域49に遊技球が流入することにより大当りとなる可能性が低いのに対し、第2有利状態では、最大10回、小当りとなる可能性がある、すなわち、小当りにより実施される第1大入賞口31が開放状態とされるチャンスが10回もあるので、特定領域49に遊技球が流入することにより大当りとなる可能性が高くなる。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示す振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72といった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられていてもよい。一例として、遊技領域の内部における所定位置に対応した遊技盤2の裏面には、振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72が設けられ、パチンコ遊技機1を振動させることによる不正行為や、磁石または電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。振動センサ70は、遊技機用枠3の裏面における所定位置に設けられてもよい。振動センサ70は、例えば可変入賞装置40の内部に遊技球が進入したときに遊技機用枠3を叩いて遊技球の動きに変化を与えて特定領域49に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。磁石センサ71は、例えば可変入賞装置40に設けられた特定領域49に磁力で遊技球を誘導すること、あるいは、普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサ72は、例えば図4に示す始動口スイッチ22A、22Bや上部カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、下部カウントスイッチ28などの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。
加えて、可変入賞装置40において第1大入賞口扉32が第1大入賞口31を開放状態とする際の開放位置や、特別可変入賞球装置7において下部大入賞口扉61が下部大入賞口60を開放状態とする際の開放位置、普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする際の傾動位置などには、動作監視用のセンサが設けられていてもよい。一例として、第1大入賞口扉32における動作監視用のセンサは、第1大入賞口扉32により第1大入賞口31が開放状態となっているか閉鎖状態となっているかを検出可能にする。そして、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動が停止されているにもかかわらず、第1大入賞口扉32の少なくともいずれかが開放位置にあることが検出された場合には、第1大入賞口31のいずれかが不正に開放状態とされたものとして、エラー判定を行うことができるようにすればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板11及び演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11には、遊技盤2に設けられた各スイッチ21、22A、22B、23、24、25、26、27F、27L、27R、28や各センサ70、71、72からの信号が入力される。主基板11からは、遊技盤2に設けられた各ソレノイド52、53、54、55を駆動制御するための駆動制御信号が出力される。
また、主基板11からは、遊技の進行状況に応じた画像表示制御や電飾制御、効果音出力制御といった演出制御を指示する電気信号としての演出制御コマンドが出力され、演出制御基板12へと伝送される。加えて、主基板11からは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力される。さらに、主基板11からは、所定の情報端子基板などに対して、各種の遊技情報が伝送されるようにしてもよい。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各種ソレノイドに対する駆動制御信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号としての演出制御コマンドは、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図22、23は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図であり、詳細な後述する。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされている。なお、図22、23に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図11は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図11に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)106と、ゲーム制御用のプログラムや乱数を生成する乱数生成プログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)105と、CPU106のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)104と、乱数回路108と、入出力ポート107とを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU106がROM105から読み出したプログラムを実行し、RAM104をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
乱数回路108は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否かや小当りとするか否かを判定するための判定用の乱数ランダム0を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路108は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路108は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切り換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路108が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM105等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路108が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路108が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動口スイッチ22A、22Bへの始動入賞が生じたときに乱数回路108から数値データをランダム0として読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダム0にもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM104は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM104の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM104の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ100等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
図10は、主基板11の側において用いられるランダム0以外の乱数値を例示する説明図である。図10に示すように、この本実施例では、主基板11の側において、ランダム1〜ランダム5までの各乱数が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数ランダム1〜ランダム5は、CPU106にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路108によって更新されてもよい。乱数回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU106がROM105から読み出したプログラムを実行し、RAM104をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU106は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM105には、CPU106が各種の判定や決定を行うために用意された、図11〜図20に示す複数の判定テーブルや決定テーブルや種別テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM105には、CPU106が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM105が記憶する判定テーブルには、例えば図11に示す当り判定テーブル130aや大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aや大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bや小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cや、図12に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132a,132bや小当り用変動パターン種別判定テーブル132c、図13に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135b、図14に示す当り変動パターン判定テーブル137a,137b、図15に示すはずれ変動パターン判定テーブル138a、図16に示す有利状態種別テーブル142、図17に示す普図表示結果判定テーブル143、図18に示す普図変動パターン決定テーブル144、図19に示す普通可変入賞球装置開放時間決定テーブル145、図20に示す小当り制御パターンテーブル146などが含まれている。尚、各テーブルの詳細については後述する。
図4に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、画像表示装置5の表示動作やスピーカ8L、8Rからの効果音出力動作、遊技効果ランプ9の点灯動作といった各種の演出動作を、主基板11からの演出制御コマンドに応じて制御する。一例として、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図6は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU126と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM125と、CPU126のワークエリアを提供するRAM124と、入出力ポート127とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU126がROM125から読み出したプログラムを実行し、RAM124をワークエリアとして用いることで、画像表示装置5などによる演出動作を制御するための処理が実行される。また、CPU126は、ROM125に記憶されている乱数生成プログラムを実行することで、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数を必要に応じて生成可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら乱数生成プログラムとは個別に、CPU126とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路を設けるようにしても良いが、乱数生成プログラムによってCPU126が乱数値のカウントを行うことにより、例えば乱数回路といったハードウェア回路に故障が発生した場合でも、ソフトウェアによる更新によって乱数値のカウントを継続できることから、各種の演出動作が固定的なものになるのを防止できる。そして、CPU126自体に故障が発生した場合には、パチンコ遊技機1における演出動作自体の進行が制御不能となるため、直ちにその故障発生を認識することが可能になる。
演出制御用マイクロコンピュータ120におけるROMには、後述するように、図47に示す図柄変動制御パターンテーブル180、図48に示す各種演出制御パターンテーブル182が記憶されている。これら各種演出制御パターンテーブル182には、特別図柄の可変表示が開始された時点から特別図柄の表示結果となる確定図柄が停止表示されるまでの期間における、CPU126による演出制御用マイクロコンピュータ120での設定内容、画像表示装置5の表示制御の内容、スピーカ8L、8Rの音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの点灯制御の内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして当該演出制御パターンを特定可能な演出制御パターンコードに対応付けて複数種類格納されていればよい。
各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5の表示内容やスピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9あるいは装飾用LEDの点灯動作内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
本実施例では、演出制御パターンとして、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当りや小当りに対応する特図表示結果となる特図ゲームの変動表示期間における図9に示す各種の変動パターンに対応する図47に示す各種の演出制御パターンや、5ラウンド大当りの演出に用いられる演出制御パターンや、15ラウンド大当りの演出に用いられる演出制御パターンや、特定領域49に遊技球が流入してV入賞した際の14ラウンド大当りの演出に用いられる演出制御パターン等が用意されている。
さらに、大当り遊技状態に制御されている期間に用いられる演出制御パターンとして、ラウンド最大値が「5」、「14」(V入賞)、「15」のそれぞれについて、大当り開始時に異なる表示を実施できるよう、当り開始CST1−1〜当り開始CST3−1が用意されているとともに、大当り終了時に異なる表示を実施できるよう、当り終了CED1−1〜当り開始CED3−32が用意されている。
尚、本実施例では、大当り遊技状態の終了時に用いられる演出制御パターンとして、大当り後の有利状態の種別に対応して、互いに異なる演出制御パターン、当り終了CED1−1(第1有利状態)、当り終了CED1−2(第2有利状態)、当り終了CED2−1(第1有利状態)、当り終了CED2−2(第2有利状態)、当り終了CED3−1(第1有利状態)、当り終了CED3−2(第2有利状態)が用意されている。これにより、各ラウンドの種別とともに、大当り後に移行する有利状態の種別に応じて異なる態様の演出表示を実行することができる。
図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM124には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM124には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
入出力ポート127は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート127の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御信号や、音制御部122やランプ制御部123へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御信号などに基づき、画像表示装置5の表示領域における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部121では、画像表示装置5の表示領域にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、演出図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
演出制御基板12に搭載された音制御部122では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から入力される情報信号としての効果音信号に応じて、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作の制御が行われる。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から入力される情報信号としての電飾信号に応じて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDによる点灯動作の制御が行われる。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12とは別個に設けられた制御基板上に搭載されるように構成されてもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板11における遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU106)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU106は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU106は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU106が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU106は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU106は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU106は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU106は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU106は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM105に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM104内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、有利状態フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU106は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU106は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板12に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU106は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM104の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM105に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU106は、サブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ100が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120は、初期化指定コマンドを受信すると、画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU106は、乱数回路108を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU106は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路108にランダム0の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU106は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU106は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、画像表示装置5において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ120である。
タイマ割込が発生すると、CPU106は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU106は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路101を介して、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22A、始動口スイッチ22B、上部カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、排出口スイッチ25、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R、下部カウントスイッチ28の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU106は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1特別図柄保留記憶LED15A、第2特別図柄保留記憶LED15B、普通図柄保留記憶LED15Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU106は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU106は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび下部大入賞口60を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU106は、普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU106は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU106は、演出制御用マイクロコンピュータ120に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU106は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU106は、始動口スイッチ22A、始動口スイッチ22B、上部カウントスイッチ23、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R、下部カウントスイッチ28の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ22A、始動口スイッチ22B、上部カウントスイッチ23、天入賞球スイッチ26、一般入賞球スイッチ27F、27L、27R、下部カウントスイッチ28のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU106は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU106は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU106は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU106は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU106は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「7」を示す1と「−」を示す0)を切り替える。また、CPU106は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび画像表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」とも「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび画像表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L、5C、5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第2特別図柄表示装置4Bに小当りである「1」〜「4」が停止表示される場合には、画像表示装置5において演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(例えばチャンス図柄「135」)が停止表示されることがある。第2特別図柄表示装置4Bに小当り図柄である「1」〜「4」が停止表示されることに対応する画像表示装置5における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。ここで、小当りとは、大当りと比較して下部大入賞口60の開放回数が少ない回数(この実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りであって、可変入賞装置40の第1大入賞口扉32が始動動作によりスライドすることで第1大入賞口31が開放されることで、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入可能とされる当りである。
図9は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図9に示すように、この実施例では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図9に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
また、図9に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1〜特殊PG3の変動パターンが用意されている。なお、図9において、特殊PG1〜特殊PG3の変動パターンは、第2特別図柄が小当り図柄となる場合に使用される変動パターンである。また、図9に示すように、小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施例では、図9に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は5.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):当りの種類(後述する大当り1〜6、小当り1〜4)を決定する(当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、後述するように、15ラウンド大当りである第4〜第6大当りの場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3およびスーパーCA3−4とに種別分けされている。また、5ラウンド大当りである第1〜第3大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−4とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路108(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図11(a)は、当り判定テーブル130aを示す説明図である。当り判定テーブルとは、ROM105に記憶されているデータの集まりであって、ランダム0と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。当り判定テーブルは、後述する特別図柄ポインタが第1である、つまり、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合と、後述する特別図柄ポインタが第2である、つまり、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。図11(a)に記載されている数値が当り判定値である。
図11(a)に示すように、特別図柄ポインタが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、特別図柄ポインタが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、特別図柄ポインタが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合と同じ確率で大当り(第6大当り;いわゆる直撃大当り)が発生するとともに、これら大当りに対応する判定値以外の判定値が全て小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合には、はずれがなく、大当り以外は全て小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU106は、所定の時期に、乱数回路108のカウント値を抽出して抽出値を当り判定用乱数(ランダム0)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図11(a)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する大当り1〜6)にすることに決定する。また、当り判定用乱数(ランダム0)が図11(a)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(後述する小当り1〜4)にすることに決定する。なお、図11(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図11(b)、(c)は、ROM105に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを示す説明図である。このうち、図11(b)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図11(c)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を第1大当り〜第6大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図11(b)、(c)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、第6大当りの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第6大当りのみとなる。
大当り種別判定テーブル131aには、第1大当り〜第5大当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、確定特別図柄(「1」〜「5」)データ、ラウンド数(5R、15R)データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じて大当り後に第1有利状態とするか或いは第2有利状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、第1大当りから第3大当りに対応するラウンド数データに5ラウンドが設定されることで、第1大当り、第2大当り、第3大当りが5ラウンド大当りに設定される一方、第4大当りと第5大当りに対応するラウンド数データに15ラウンドが設定されることで、第4大当り、第5大当りが15ラウンド大当りに設定される。つまり、第4大当り、第5大当りとなることで、遊技者は、第1大当り、第2大当り、第3大当りよりも多くの遊技球が獲得可能となる。
また、有利状態フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常遊技状態においては第3,5大当りとなった場合においてのみ、該大当り後の有利状態が第2有利状態とされ、その他の第1,2,4大当りは第1有利状態とされ、有利状態フラグがオン状態(セットされている状態)である有利状態においては第2大当りとなった場合においてのみ第1有利状態とされ、その他の大当りは全て第2有利状態とされる。
つまり、第5大当りは、多くの遊技球を獲得可能な15ラウンド大当りであって、遊技状態にかかわらず、第2有利状態となって、大当り後においても大当りとなる可能性が高い大当りであるので、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が10とされ、第2大当りは、比較的少ない遊技球を獲得可能な5ラウンド大当りであって、遊技状態にかかわらず第1有利状態となって、大当り後においても大当りとなる可能性が低い大当りであるので、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が100とされている。尚、本実施例における判定値数としては、第1大当りが70、第2大当りが100、第3大当りが90、第4大当りが30、第5大当りが10であり、発生確率としては、第2>第3>第1>第4>第5の順としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの判定値数としては、遊技性を考慮して適宜に設定すれば良い。
このように第1特図ゲームでは、通常遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第1,2,4大当りに当選する割合は2/3であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第3,5大当りに当選する割合は1/3である。一方、有利遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第2大当りに当選する割合は1/3であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第1,2,4,5大当りに当選する割合は2/3である。よって、有利状態での大当りの終了後は、通常遊技状態での大当りの終了後(1/3)よりも高い割合(2/3)で第2有利状態に制御されるため、有利状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
大当り種別判定テーブル131bには、第6大当りについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値「0」〜「299」、確定特別図柄(「7」)データ、ラウンド数(15R)データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかにかかわらず、第2有利状態とすることを示すデータが設定されている。つまり、第2特別図柄で直撃大当りとなった場合には、全て第6大当りとなり、ラウンド数として15Rの大当り遊技が付与されるとともに、大当り後には必ず第2有利状態となる。
図11(d)は、ROM105に記憶されている小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cを示す説明図である。この小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cは、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)小当りの発生が決定されたときに、小当りの種別を決定する場合のテーブルである。つまり、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131c、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、小当りの種別を第1小当り〜第4小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cには、第1小当り〜第4小当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、確定特別図柄(「1」〜「4」)データ、小当りによる可変入賞装置40の第1大入賞口扉32の始動動作による開放パターンを含む小当り制御パターンデータ、小当りによって特定領域49に遊技球が流入することにより発生する大当りのラウンド数データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じて大当り後に第1有利状態とするか或いは第2有利状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、全ての小当りに対して、15ラウンドのラウンド数データ(実質は14ラウンド)となる第7大当りが設定されることで、小当りによって特定領域49に遊技球が流入した場合には、一義的に第7大当りとなり、15ラウンド(実質には14ラウンド)の大当り遊技が付与される。
また、有利状態フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常遊技状態においては、第3小当りと第4小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態とされ、第1小当りと第2小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態とされるように設定され、有利状態フラグがオン状態(セットされている状態)である時短(有利)状態においては、第1小当りと第3小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態とされ、第2小当りと第4小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態とされるように設定される。
各小当り制御パターンは、第1大入賞口扉32の開放秒数や開放回数が異なるとともに、模型用ソレノイド52の駆動時期や駆動時間が異なるように設定される(図70〜図73参照)ことで、図69に示すように、小当りの種別よって特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率が異なるようになっており、後述するように、第3小当りが最も特定領域49に遊技球が流入し易い(確率約90%)パターンとされ、第2小当りが最も特定領域49に遊技球が流入し難い(確率約5%)パターンとされている。
つまり、第3小当りは、特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率が約90%と高く、遊技状態にかかわらずに大当り後は第2有利状態となり、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が30とされ、第1小当りは、特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率が約20%であり、有利状態での大当り後にのみ第2有利状態となり、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が120とされている。一方、第2小当りは、特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率が約5%と低く、遊技状態にかかわらずに大当り後は第1有利状態となり、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が110とされ、第4当りは、特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率が約50%であり、有利状態での大当り後にのみ第1有利状態となり、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が40とされている。つまり発生確率としては、第1>第2>第5>第4の順としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの判定値数としては、遊技性を考慮して適宜に設定すれば良い。
このように第2特図ゲームでは、通常遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第1,2大当りに当選する割合は23/30であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第3,4大当りに当選する割合は7/30である。一方、有利遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第2,4大当りに当選する割合は1/2であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第1,5大当りに当選する割合は1/2である。よって、有利状態での大当りの終了後は、通常遊技状態での大当りの終了後(7/30)よりも高い割合(1/2)で大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される小当りが当選するため、有利状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
また、第2特図ゲームにおける有利状態での大当りの終了後は、第1特図ゲームでの通常遊技状態での大当りの終了後(1/3)よりも高い割合(1/2)で、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態よりも有利状態に制御される有利期間が長い第2有利状態に制御される小当りが当選するため、当該有利状態の終了後に再び大当りとなる可能性が高いばかりか、当該大当りの終了後も第2有利状態となる可能性が高い、つまり第2有利状態の継続率が高いため、大当りが連続して発生することを期待できる。
ここで、ランダム1の比率から遊技性を説明すると、第1有利状態では、第2特図ゲームが2回、つまり小当り遊技状態となるチャンスは2回あり、第2有利状態では、第2特図ゲームが10回、つまり小当り遊技状態となるチャンスは10回ある。尚、以下の説明においては、第2特図ゲームにて小当りとなり、小当たり遊技状態において可変入賞装置40に遊技球が進入することを前提とした場合の大当りの発生確率として説明するが、実際には障害釘や打球等により遊技球が必ず進入するとは限らない。
まず、1回の第2特図ゲームで第3小当りとなる確率は約1/10であるため、第1有利状態での第3小当りの発生確率は約0.2回であるのに対し、第2有利状態での発生確率は約1回である。そして第3小当りで特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率は約90%と高いため、第1有利状態において第3小当りを契機に大当りとなる確率は約18%、第2有利状態において第3小当りを契機に大当りとなる確率は約90%である。
また、1回の第2特図ゲームで第1小当りとなる確率は約2/5であるため、第1有利状態での第1小当りの発生確率は約0.8回であるのに対し、第2有利状態での発生確率は約4回である。そして第1小当りで特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率は約20%であるため、第1有利状態において第1小当りを契機に大当りとなる確率は約16%、第2有利状態において第1小当りを契機に大当りとなる確率は約80%である。
一方、1回の第2特図ゲームで第4小当りとなる確率は約2/15であるため、第1有利状態での第4小当りの発生確率は約0.3回であるのに対し、第2有利状態での発生確率は約1.3回である。そして第4小当りで特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率は約50%であるため、第1有利状態において第4小当りを契機に大当りとなる確率は約13.3%、第2有利状態において第4小当りを契機に大当りとなる確率は約66.6%である。
また、1回の第2特図ゲームで第2小当りとなる確率は約11/30であるため、第1有利状態での第2小当りの発生確率は約0.7回であるのに対し、第2有利状態での発生確率は約3.6回である。そして第2小当りで特定領域49に遊技球が流入して大当りとなる確率は約5%と低いため、第1有利状態において第2小当りを契機に大当りとなる確率は約3.6%、第2有利状態において第2小当りを契機に大当りとなる確率は約18.3%である。
このように、第1有利状態では、第1小当りを契機に大当りが発生する確率は約16%、第2小当りを契機に大当りが発生する確率は約3.6%、第3小当りを契機に大当りが発生する確率は約18%、第4小当りを契機に大当りが発生する確率は約13.3%であるのに対し、第2有利状態では、第1小当りを契機に大当りが発生する確率は約80%、第2小当りを契機に大当りが発生する確率は約18.3%、第3小当りを契機に大当りが発生する確率は約90%、第4小当りを契機に大当りが発生する確率は約66.6%であるため、第2特図ゲームが10回の第2有利状態は、第2特図ゲームが2回の第1有利状態よりも高い割合で有利状態において大当り遊技状態となるため、遊技者にとって有利である。
また、第2有利状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態よりも有利な第2有利状態となる第1小当りを契機に大当りが発生する確率(約80%)と第3小当りを契機に大当りが発生する確率(約90%)との合算値の平均値が約85%であるのに対し、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態となる第2小当りを契機に大当りが発生する確率(約18.3%)と第4小当りを契機に大当りが発生する確率(約66.6%)との合算値の平均値が約42.4%であるため、第2有利状態で大当りとなった場合、第1有利状態よりも第2有利状態に移行しやすい。
また、第1有利状態において第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる平均確率は約12.7%であるのに対し、第2有利状態において第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる平均確率は約63.7%であるため、第2有利状態は、第1有利状態において第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる割合よりも高い割合で第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる。
つまり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御された場合は、該第2有利状態において第1,3小当りを契機に大当りとなり、その大当り遊技状態の終了後も連続して第2有利状態となることを期待できる。
尚、本実施例では、第1有利状態において特図ゲームが2回実施されたときまたは第2有利状態において特図ゲームが10回実施されたときに、第2保留記憶数が最大で4個記憶されていることがあるため、第1有利状態または第2有利状態が終了した後においても、その時点で第2保留記憶数に保留記憶がある場合は該保留記憶にもとづく第2特図ゲームが実施されるため、第1有利状態に制御された場合は最大で6回、第2有利状態に制御された場合は最大で14回のチャンスがある。
すなわち、第1有利状態において大当りとなることなく2回目の第2特図ゲームが終了した時点または第2有利状態において大当りとなることなく10回目の第2特図ゲームが終了した時点で有利状態は終了するが、この時点で第2保留記憶数が1以上ある場合、該第2保留記憶数分の第2特図ゲームが有利状態の終了後に実施される。但し有利状態は終了するため、1の保留記憶にもとづく第2特図ゲームの実施期間中に新たに保留記憶数が増加することは殆どない。
なお、本実施例では、第2特別図柄についてのみ、小当りが発生するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄についても、小当りが発生するようにするとともに、該小当りの発生の種別に応じて該小当り後に第1有利状態または第2有利状態とすることで、大当りとならずに突然的に第1有利状態または第2有利状態となるようにしても良い。
図12(a)〜(c)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132b並びに小当り用変動パターン種別判定テーブル132cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。また、小当り用変動パターン種別判定テーブル132cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が第1大当り〜第3大当り、つまり5ラウンド大当りである場合に用いられる図11(a)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132aと、大当り種別が第4大当り〜第6大当り、つまり15ラウンド大当りである場合に用いられる図11(b)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132bにはスーパーCA3−3に対して判定値が割り当てられているのに対して、大当り用変動パターン種別判定テーブル132aにはスーパーCA3−3に対して判定値が割り当てられていない。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132a、132bを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図11(a),(b)に示すように、この実施例では、5ラウンド大当りまたは15ラウンド大当りである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
小当り用変動パターン種別判定テーブル132cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、特殊CA4−1といった大当りである場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「小当り」となることに応じて小当り状態に制御する場合には、大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。尚、本実施例では、これら判定値としてランダム2がとりうる全ての値が判定値として設定されており、小当りとなった場合には、全て特殊CA4−1の変動パターンが選択されるようになっている。
図13(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135bを示す説明図である。このうち、図13(a)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135aを示している。また、図13(b)は、遊技状態が時短(有利)状態であるか、または合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図13に示す例では、遊技状態が時短(有利)状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bを用いる場合を示しているが、時短(有利)状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135bとの2種類のテーブルのみを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組み合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組み合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図13(a),(b)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
なお、この実施例では、図13に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が時短(有利)状態であるか通常遊技状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図13(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常遊技状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短(有利)状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図14(a),(b)は、ROM105に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1にする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図14(a)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3、スーパーCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、図14(b)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの短縮変動パターンである特殊PG2の変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1のみに種別分けされている場合が示されている。なお、図14(b)において、特殊CA4−1の種別のみとするのではなく、例えば、特殊CA4−1以外にリーチとなる種別を設けて、これら種別をランダム2により振分けるようにしても良い。また、これら変動パターンの種別をリーチの有無によって分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。
図15は、ROM105に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図16は、ROM105に記憶されている有利状態種別テーブル142を示す説明図である。有利状態種別テーブルには、有利状態の種別である第1有利状態と第2有利状態とに対応付けて、遊技状態を時短制御が実施される有利状態とする期間となる第2特別図柄の上限変動回数が設定されており、本実施例では、第1有利状態に対応して「2回」の上限変動回数が設定され、第2有利状態に対応して「10回」の上限変動回数が設定されている。
図17は、ROM105に記憶されている普図表示結果判定テーブル143を示す説明図である。普図表示結果判定テーブル143は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするか等を判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブル143は、普図表示結果判定用の乱数値ランダム4を、普図当り判定値データやはずれ判定値データなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成されている。
図18は、ROM105に記憶されている普図変動パターン決定テーブル144を示す説明図である。普図変動パターン決定テーブル144は、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの変動パターン(普図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、普図変動パターン決定テーブル144は、普図変動パターンの種類や、普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの時間である普図変動時間を、普図ゲームにおける表示結果種別である普図表示結果が「当り」、「はずれ」のいずれであるかを、有利状態フラグのオン(セット)/オフ(非セット)、つまり、時短(有利)状態または通常遊技状態のそれぞれに対応して決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。本実施例では、普図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、通常遊技状態の「当り」に対応する変動パターンa(変動時間30秒)、普通状態の「はずれ」に対応する変動パターンb(変動時間30秒)、時短(有利)状態の「当り」に対応する変動パターンc(変動時間1秒)、有利状態の「はずれ」に対応する変動パターンd(変動時間1秒)の各変動パターンが用意されている。
図19は、ROM105に記憶されている普電開放パターンテーブル145を示す説明図である。普電開放パターンテーブル145には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づき、普通電動役物用ソレノイド55により第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態される期間を示すデータが、普電開放パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、普電開放パターンテーブル145には、2種類の期間の普電開放パターンが格納されている。普電開放パターンFA1は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態である通常時に、普図表示結果が「普図当り」に決定された場合に対応して選択されるパターンである。普電開放パターンFA2は、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態である有利時に、普図表示結果が「普図当り」に決定されたことに対応して選択されるパターンである。
具体的には、普電作動パターンFA1では、図19に示すように、普通電動役物用ソレノイド55をオン状態とすることにより普通可変入賞球装置6Bにおいて可動翼片が第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である拡大開放時間を、「0.1秒」に設定する。普電作動パターンFA2では、拡大開放時間を「5秒」に設定する。このような設定により、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態である有利時には、通常遊技状態である通常時に比べて、第2始動入賞口が拡大開放状態となる期間が長くなり、遊技球が第2大入賞口に入賞しやすくなる。
図20は、ROM105に記憶されている小当り制御パターンテーブル146を示す説明図である。小当り制御パターンテーブル146には、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU106による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、下部大入賞口扉用ソレノイド54、模型用ソレノイド52、第1大入賞口扉用ソレノイド53における駆動動作の内容を示すデータが、小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。一例として、小当り制御パターンテーブル146には、第1小当り〜第4小当りからなる4種類の小当り種別のそれぞれに対応して、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。各小当り制御パターンKP1〜KP4は、小当り種別が第1小当り〜第4小当りのそれぞれに決定された場合に対応して選択される。
小当り制御パターンテーブル146に格納される複数種類の小当り制御パターンKP1〜KP4はそれぞれ、例えば図21に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU106による遊技制御用マイクロコンピュータ100での設定内容や、下部大入賞口扉用ソレノイド54、模型用ソレノイド52、第1大入賞口扉用ソレノイド53における駆動動作の内容といった、始動動作に対応した各種の設定や制御の内容、実行タイミング等を示している。なお、小当り制御パターンは、CPU106による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、小当り制御パターンKP1〜KP4はそれぞれ、下部大入賞口扉用ソレノイド54、模型用ソレノイド52、第1大入賞口扉用ソレノイド53について、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図21に示す小当り制御パターンに示された各判定値(例えば特定入賞有効判定値、第1大入賞口開放開始判定値、模型用ソレノイド駆動判定値#1、下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値#1、模型用ソレノイド停止判定値#1、第1大入賞口開放終了判定値、下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値#1など、なお、#1は、複数の判定値のうちの1番目であることを示す)は、RAM104内に遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として設けられている遊技制御用データ保持エリアの遊技制御タイマ設定部に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、CPU106によって比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。こうした小当り制御パターンKP1〜KP4の設定に基づき、小当り遊技状態では、下部大入賞口60を開放状態とする回数(2回)や開放時間(0.1秒)などが各小当りで共通とされるとともに、第1大入賞口31を始動動作で開放状態とする回数(始動開放回数)や開放時間などが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として停止表示された小当り図柄などに応じて、図70〜図73に示すように、異ならせることができる。
図22および図23は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図22および図23に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図9に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施例では、後述する入賞時演出処理(図28参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時にいずれの変動パターン種別となるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターン種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ120に対して送信する制御を行う。例えば、この実施例では、第1始動入賞口への始動入賞時に変動パターン種別が非リーチCA2−1となる(非リーチはずれとなる)と判定した場合には、EXTデータに「00(H)」を設定した入賞時判定結果1指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口への始動入賞時に変動パターン種別がスーパーCA2−7となる(スーパーリーチはずれとなる)と判定した場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した入賞時判定結果3指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口への始動入賞時に変動パターン種別が非リーチCA2−1(非リーチはずれ)でも、スーパーCA2−7(スーパーリーチはずれ)でもない場合(ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、ノーマルCA2−6となるノーマルリーチはずれとなる場合)には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果2指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口への始動入賞時に変動パターン種別がノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2(ノーマルリーチ大当りとなる)と判定した場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した入賞時判定結果4指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口への始動入賞時に変動パターン種別がスーパーCA3−4となる(スーパーリーチ大当りとなる)と判定した場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した入賞時判定結果5指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび大当り開始指定3指定コマンドがある。大当り開始1指定コマンドは、5ラウンド大当りである第1大当り〜第3大当りの場合において送信されるコマンドであり、大当り開始2指定コマンドは、15ラウンド大当りである第4大当り〜第6大当りの場合において送信されるコマンドであり、大当り開始3指定コマンドは、小当りにおいて特定領域49に遊技球が流入してV入賞することで発生する第7大当りの場合において送信されるコマンドである。
コマンドA1XX(H)は、小当りの種別と小当り種別に応じたV入賞確率を含む小当りの開始画面を表示すること、すなわち小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。第1小当りの場合にはEXTデータに「01(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第2小当りの場合にはEXTデータに「02(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第3小当りの場合にはEXTデータに「03(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第4小当りの場合にはEXTデータに「04(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の下部大入賞口60開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の下部大入賞口60の閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1有利状態である第2特別図柄の始動回数2回までの時短(有利)状態となることを報知する大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA402(H)は、第2有利状態である第2特別図柄の始動回数10回までの時短(有利)状態となることを報知する大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA403(H)は、小当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120(具体的には、CPU126)は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図22および図23に示された内容に応じて画像表示装置5の表示状態を変更したり、ランプ制御部123を介してランプの表示状態を変更したり、音制御部122に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する。
図22および図23に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用マイクロコンピュータ120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図24および図25は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU106)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび下部大入賞口60、可変入賞装置40を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU106は、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ22Aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU106は、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ22Bがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。始動口スイッチ22Aまたは始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否か、或いは小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされ、小当りフラグは、小当り開始前処理にてリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ120に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると画像表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、下部大入賞口60を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、下部大入賞口60に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動して下部大入賞口60を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御や下部大入賞口60の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。下部大入賞口60の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ120に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば有利状態フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、小当り種別に対応した小当り開始コマンドを送信するとともに、カウンタ(例えば、下部大入賞口60に入った遊技球数をカウントするカウンタや、可変入賞装置40に進入した遊技球をカウントする残存球数カウンタ)などを初期化する。また、下部大入賞口60を開放状態とするタイミングや閉状態とするタイミングや第1大入賞口31を開放状態とするタイミングや閉状態とするタイミングや足模型51を動作させるタイミングを含む小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットすることで、これら小当り遊技状態の動作設定を実施し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り開放中処理においては、下部大入賞口60を開放する制御と、第1大入賞口31を開放状態とする制御とを行う。具体的には、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動して下部大入賞口60を開放状態にするとともに、第1大入賞口31を開放状態にする。また、タイマによって小当り遊技状態の終了を判定して、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り終了指定コマンドを送信して小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ120に行わせるための制御を行うとともに、小当りによって特定領域49に遊技球が進入したか否かを判定する(特定入賞判定処理)。小当りにおいて特定領域49に遊技球が進入した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する一方、特定領域49に遊技球が進入していない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図26は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図26(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図26(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図26(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。始動口スイッチ22Aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU106は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU106は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。次いで、CPU106は、乱数回路108やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図27参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダム0(当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図27は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図27に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダム0(当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM104に形成されている。
次いで、CPU106は、第1保留記憶バッファに大当りを示す大当りデータが格納されているか否かを判定し、大当りデータが格納されている場合、つまり、第1保留記憶数の範囲内で大当りとなる場合には、ステップS218Aを経由することなく、そのままステップS219Aに移行する。大当りデータが格納されていなければ、CPU106は、ステップS216Aに進んで、遊技状態が時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、そのままステップS219Aに移行する。有利状態フラグがセットされていなければ、CPU106は、さらに、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS217A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU106は、そのままステップS219Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、CPU106は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS218A)。そして、CPU106は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行うとともに、入賞時判定結果指定コマンドに次いで第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS219A)。
なお、ステップS215A、ステップS216AまたはステップS217AでYesと判定したことによりステップS218Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU106は、ステップS219Aにおいて、第1保留記憶数指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御は行わない。なお、ステップS218Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施例では、ステップS215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口への始動入賞があった場合には、第1保留記憶バッファに大当りを示す大当りデータが格納されていない場合にのみ、ステップS218Aの入賞時演出処理が実行される。これによって、該格納されている大当りデータの大当りの発生前、発生中および発生後において継続して第1保留記憶表示部18に表示されることとなる第1始動入賞があっても、入賞時演出処理が実行されることがないので、これら第1始動入賞が該当する変動パターン種別が、保留予告演出(先読み予告)の対象となる変動パターン種別であったとしても、保留予告演出が実施されないようになる。つまり、これら第1保留記憶バッファに大当りを示す大当りデータが格納されている段階における第1始動入賞により、保留予告演出を大当りの発生前に実施してしまうと、その後に発生する大当り中に保留予告演出を実施しないようにするためには、該大当り前に表示されていた保留予告演出を通常の保留記憶表示に変更することになり、保留予告が不自然となってしまうが、このように、第1保留記憶バッファに大当りを示す大当りデータが格納されている段階における第1始動入賞においてはステップS218Aの入賞時演出処理を実施しないことで、保留予告が不自然となってしまうことを回避することができる。
また、ステップS216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口への始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)である場合(時短(有利)状態でない場合)にのみステップS218Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施例では、ステップS217Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS218Aの入賞時演出処理が実行される。これにより、時短(有利)状態中、大当り中、並びに小当り中においては、始動入賞があっても、入賞時演出処理が実行されることがないので、これら始動入賞が該当する変動パターン種別が、保留予告演出の対象となる変動パターン種別であったとしても、保留予告演出が実施されることはない。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS218Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS218Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
次に、図26(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。始動口スイッチ22Bがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU106は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU106は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。次いで、CPU106は、乱数回路108やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図27参照)における保存領域に格納する処理を実行した後(ステップS214B)、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS219B)。尚、本実施例では、図27に示すように、第2保留記憶についても、第2保留記憶バッファを設けて、第2始動入賞口への始動入賞があった時点において乱数値を抽出し、該抽出した乱数値を該第2保留記憶バッファに記憶することで、第2始動入賞口への始動入賞があった場合にも、第1始動入賞口への始動入賞があった場合と同じく、必要に応じて入賞時判定処理を実施可能としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2保留記憶バッファを設けず、これら乱数値の抽出を、特別図柄の変動を開始する時点において実施するようにしてもよい。
また、本実施例では、第2始動口スイッチ通過処理については、入賞時判定処理を実施しないことで、第2保留記憶表示部19では、保留予告演出を実施しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第2保留記憶表示部19についても、第1保留記憶表示部18と同じく、保留予告演出を実施するようにしてもよい。
図28は、ステップS218Aの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU106は、まず、ステップS214Aで抽出した大当り判定用乱数(ランダム0)と図11(a)の第1特別図柄に対応する左欄に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ120によって、第1保留記憶表示部18において保留予告演出が実施される。
大当り判定用乱数(ランダム0)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のNo)、CPU106は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS221)。この実施例では、CPU106は、ステップS221において、遊技状態が時短(有利)状態であるか否か(具体的には、有利状態フラグがセットされているか否か)を判定する。また、CPU106は、合算保留記憶数が3以上であるか否か(具体的には、合算保留記憶数カウンタの値が3以上であるか否か)を判定する。
そして、CPU106は、ステップS221の判定結果に応じて、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを設定する(ステップS222)。具体的には、CPU106は、遊技状態が時短(有利)状態であると判定した場合、または合算保留記憶数が3以上であると判定した場合には、図13(b)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)135bを設定する。また、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であるとともに合算保留記憶数が3未満であると判定した場合には、図13(a)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)135aを設定する。なお、遊技状態や合算保留記憶数に応じていずれのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a,135bを用いるかを区別するのではなく、遊技状態や合算保留記憶数に関係なく、いずれか一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a,135bを選択して設定するようにしてもよい。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるのではなく、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムを組み込んでおき、閾値より大きいか否かを判定することにより、後述するステップS223で変動パターン種別を判定するようにしてもよい。例えば、この実施例では、図12(a),(b)に示すように、スーパーリーチ大当りとなるスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して150〜251の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値150以上であるか否かを判定し、150以上であればスーパーCA3−4の変動パターン種別となると判定してもよい。また、例えば、この実施例では、図13(a),(b)に示すように、スーパーリーチはずれとなるスーパーCA2−7の変動パターン種別に対して230〜251の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値230以上であるか否かを判定し、230以上であればスーパーCA2−7の変動パターン種別となると判定してもよい。さらに、例えば、この実施例では、図13(a),(b)に示すように、非リーチはずれとなる非リーチCA2−1の変動パターン種別に対して1〜79の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値79以下であるか否かを判定し、79以下であれば非リーチCA2−1の変動パターン種別となると判定してもよい。
次いで、CPU106は、ステップS223で設定した変動パターン種別判定テーブルと、ステップS214Aで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別を判定する(ステップS223)。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU106は、ステップS214Aで抽出した乱数値に加えて、大当りであることを示す大当りデータを保存領域に格納する(ステップS226)。
そして、ステップS214Aで抽出した当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS227)。この場合、CPU106は、図11(b)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「5ラウンド大当り(第1大当り〜第3大当り)」または「15ラウンド大当り(第4大当り〜第5大当り)」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU106は、ステップS227で判定した大当り種別に応じて、大当り用変動パターン種別判定テーブルを設定する(ステップS228)。具体的には、CPU106は、「5ラウンド大当り」と判定した場合には、図12(a)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132aを設定する。また、「15ラウンド大当り」と判定した場合には、図12(b)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132bを設定する。
次いで、CPU106は、ステップS228で設定した変動パターン種別判定テーブルと、ステップS214Aで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別を判定する(ステップS229)。
なお、前述したように、この実施例では、図12(a),(b)に示すように、大当りとなる場合には、大当り種別が「5ラウンド大当り」であるか「15ラウンド大当り」であるかにかかわらず、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して共通の範囲の判定値(150〜251)が割り当てられている。従って、「5ラウンド大当り」または「15ラウンド大当り」となる場合には、CPU106は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)が150〜251であれば、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA3−4になる(すなわち、スーパーリーチ大当りとなる)と判定することができる。
また、例えば、この実施例では、図13(a),(b)に示すように、はずれとなる場合には、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、非リーチCA2−1の変動パターン種別に対して共通の範囲の判定値(1〜79)が割り当てられている。従って、はずれとなる場合には、CPU106は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)が1〜79であれば、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1になる(すなわち、非リーチはずれとなる)と判定することができる。また、図13(a),(b)に示すように、この実施例では、はずれとなる場合には、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の範囲の判定値(230〜251)が割り当てられている。従って、はずれとなる場合には、CPU106は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)が230〜251であれば、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7になる(すなわち、スーパーリーチはずれとなる)と判定することができる。
そして、CPU106は、判定した変動パターン種別を入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。例えば、ステップS223で「非リーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「00(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS224で「スーパーリーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS224で「非リーチはずれ」でも「スーパーリーチはずれ」とも判定しなかった場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「01(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS224で「ノーマルリーチ大当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「04(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチ大当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「04(H)」を設定する処理を行う。
図29および図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU106は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU106は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU106は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU106は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施例では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
次いで、CPU106は、RAM104において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM104の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU106は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM104の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU106は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM104の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU106は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU106は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU106は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM104の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM104の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU106は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM104の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU106は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM104の所定の領域に保存する。
また、CPU106は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU106は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU106は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU106は、乱数バッファ領域からランダム0(当り判定用乱数)を読み出し、当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU106は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した当り判定用乱数を読み出し、当り判定を行う。当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図11(a)参照)と当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
すなわち、CPU106は、当り判定用乱数(ランダム0)の値が図11(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
当り判定用乱数(ランダム0)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のNo)、CPU106は、当り判定テーブル(図11(a)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU106は、当り判定用乱数(ランダム0)の値が図11(a)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU106は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、第1特別図柄に対応する小当りに対応付けて記憶されている判定値を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、第2特別図柄に対応する小当りに対応付けて記憶されている判定値を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62;Yes)、CPU106は、小当りであることを示す小当りフラグをセットするとともに(ステップS63)、乱数バッファ領域からランダム1を読み出し、読み出したランダム1と小当り種別判定テーブル(図11(d)参照)に基づいて小当り種別を特定して(ステップS64)、該特定した小当り種別(第1〜第4)をRAM104における小当り種別バッファに設定(記憶)する(ステップS65)。例えば、小当り種別が第1小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「01」が設定され、小当り種別が第2小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「02」が設定され、小当り種別が第3小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「03」が設定され、小当り種別が第4小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「04」が設定される。一方、小当りとすることに決定しない場合には(ステップS62;No)、ステップS63〜S64を経由することなく、ステップS66に移行する。
次いで、CPU106は、有利状態終了フラグがオン(セット)されているか否かを判定する(ステップS66)。このとき、有利状態終了フラグがオフ(非セット)であれば(ステップS66;No)、さらに、有利状態フラグがオン(セット)されているか否かの判定を行う(ステップS67)。
そして、有利状態フラグがオフ(非セット)であれば(ステップS67;No)、時短回数カウント値の更新を行う必要がないので、ステップS67+〜S70の処理を実施することなくステップS75に進む一方、有利状態フラグがオン(セット)されていれば(ステップS67;Yes)、特別図柄ポインタが第2であるか否か、つまり、特図ゲームの対象が第2特別図柄であるか否かを判定する(ステップS67+)。特別図柄ポインタが第2でない場合(ステップS67+;No)には、ステップS75に進む一方、特別図柄ポインタが第2である場合(ステップS67+;Yes)には、時短回数カウンタにてカウントされている時短回数カウント値から1を減算更新するとともに(ステップS68)、該減算更新後の時短回数を演出制御用マイクロコンピュータ120に通知するための時短回数指定コマンドを送信した後(ステップS68+)、減算後の時短回数カウント値が0となっているか、つまり、有利状態が第2特図ゲームについての所定の上限値である例えば10回に到達したか否かを判定する(ステップS69)。
このとき、時短回数カウント値が0であれば(ステップS69;Yes)、次の特図ゲームにおいて有利状態フラグをクリアして有利状態を終了させるための有利状態終了フラグをセットした後(ステップS70)、ステップS75に進む一方、有利状態カウント値が0でなければ(ステップS69;No)、有利状態終了フラグをセットすることなくステップS75に進む。つまり、有利状態が第2特図ゲームについての所定の上限値である例えば10回に到達したことに応じて有利状態終了フラグがセットされる。
また、ステップS66において有利状態終了フラグがオン(セット)されている場合には(ステップS66;Yes)、有利状態終了フラグをクリア(リセット)するとともに、有利状態フラグをクリア(リセット)して有利状態を終了するとともに(ステップS77)、通常遊技状態指定コマンドを送信した後、ステップS75に進む。つまり、第2特図ゲームについての上限回数(例えば10回)に到達することに応じて有利状態終了フラグがセットされた次の特図ゲームにおいて有利状態が終了されることで、上限回数(例えば10回)に到達した特図ゲームを契機として大当りとなっても、時短(有利)状態にて発生した大当りとして判断できる。
ステップS71では、CPU106は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU106は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図11(b)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU106は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図11(c)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU106は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(第1〜第6大当り)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU106は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU106は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM104における大当り種別バッファに設定(記憶)する(ステップS74)。例えば、大当り種別が第1大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が第2大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が第3大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が第4大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が第5大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定され、大当り種別が第6大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「06」が設定される。
次いで、CPU106は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り種別に応じた「1」〜「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する(図11(b)、(c)参照)。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」〜「4」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU106は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU106は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132b(図12(a)〜(b)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU106は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU106は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132c(図12(c)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU106は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、有利状態フラグは、遊技状態を時短(有利)状態に移行するときにセットされ、時短(有利)状態を終了するときにリセットされる。具体的には、第1〜第7大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。有利状態フラグがセットされていれば(ステップS95のYes)、CPU106は、ステップS100に進んで変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135b(図13(b)参照)を選択した後、ステップS102に移行する。
有利状態フラグがセットされていなければ(ステップS95のNo)、CPU106は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のNo)、CPU106は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a(図13(a)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
つまり、本実施例では、ステップS95〜S100の処理が実行されることによって、遊技状態が時短(有利)状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、図13(b)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図15参照)。従って、この実施例では、遊技状態が時短(有利)状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施例では、遊技状態が時短(有利)状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU106は、ステップS95でYesと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a(図13(a)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU106は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU106は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137a、137b(図14参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138a(図15参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU106は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM104に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図13に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図13に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU106は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。
図32は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU106は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図22参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU106は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。また、大当りの種別が5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S114)。また、CPU106は、小当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。そして、小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のNo)、すなわち、はずれである場合には、CPU106は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS113)。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU106は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU106は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS147に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU106は、演出制御用マイクロコンピュータ120に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS134)。具体的には、大当りの種別が5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)である場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)である場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が第1大当り〜第6大当りのいずれであるかは、RAM104に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU106は、演出制御用マイクロコンピュータ120に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、下部大入賞口60開放回数カウンタに開放回数(例えば、5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)である場合には5回、15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)である場合には15回)をセットする(ステップS137)。
また、CPU106は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されているか否かを判定する。
そして、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されている場合(ステップS138;Yes)には、大当り時有利フラグをオン状態にセットするともに(ステップS139)、有利状態フラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態とする(ステップS140)。また、時短回数カウンタをクリアして、時短回数カウント値を「0」に初期化しておく(ステップS141)とともに、ステップS138にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS138;Yes)、時短(有利)状態の上限回数に到達する第2特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから直接大当りとなった場合があることから、セットされている場合には、有利状態終了フラグをリセット(クリア)してオフ(非セット)状態としておく(ステップS142)。このように、ステップS139にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が時短(有利)状態であった旨を記憶しておくことができる。
ステップS142の処理の後、或いはステップS138にて有利状態フラグがオフ(非セット)であるときには(ステップS138;No)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS143)。
ステップS147では、小当りフラグがセットされているか否かを判定する。小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のNo)、CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。一方、小当りフラグがセットされていれば(ステップS147のYes)、CPU106は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図35は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU106は、まず、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(ステップS151)。ステップS151の処理では、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたかに対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされることになる。
ステップS151の処理に続いて、小当り種別に応じた小当り開始指定コマンドを送信するとともに(ステップS152)、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS153)。例えば、ステップS153の処理ではCPU106が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図36に示すステップS309にて実行される小当り開放中処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった第1大入賞口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49に進入するまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開放状態となった第1大入賞口31に進入した遊技球が、特定領域49に進入した場合に特定領域スイッチ24によって有効に検出されるまでの猶予期間である有効入賞検出期間を示している。加えて、ステップS153の処理では、遊技を停止させるまでの猶予期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行うようにしてもよい。
ステップS153にて小当り遊技制御時間を設定した後には、小当りフラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態にするとともに(ステップS154)、下部大入賞口60に入った遊技球数をカウントするカウンタ並びに可変入賞装置40に進入した遊技球をカウントする残存球数カウンタなどのカウンタを初期化した後(ステップS155)、特図プロセスフラグの値を小当り開放中処理に対応した値に更新する(ステップS156)。
図36は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU106は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(ステップS161)。遊技制御プロセスタイマ値は、例えば図35に示すステップS153の処理により「0」に設定された後、ステップS271の処理が実行されるごとに更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。ステップS161の処理に続いて、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定や制御が行われる。このときには、図35に示すステップS151の処理でセットした小当り制御パターンに従って、各種設定や制御の内容が決定されることになる。
例えば、CPU1016は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される第1大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS162)。ここで、小当り遊技状態にて第1大入賞口31を開放状態とする始動動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の第1大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、ステップS162の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の第1大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、第1大入賞口開放開始判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS162にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放開始判定値と合致した場合には(ステップS162;Yes)、第1大入賞口扉用ソレノイド53を駆動して、可変入賞装置40に設けられた第1大入賞口31を第1大入賞口扉32により開放状態とする始動動作の開始設定を行う(ステップS163)。ステップS163の処理では、小当り制御パターンに含まれる第1大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンに従って第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS162にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS162;No)、ステップS163の処理をスキップする。
この後、CPU106は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される模型用ソレノイド駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS164)。ここで、小当り遊技状態にて人形模型47が備える足模型51を複数回動作させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の模型用ソレノイド駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS164の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の模型用ソレノイド駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、模型用ソレノイド駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS164にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致した場合には(ステップS164;Yes)、足模型51に対応して設けられた模型用ソレノイド52の駆動を開始する設定を行う(ステップS165)。ステップS165の処理では、小当り制御パターンに含まれる模型用ソレノイド駆動制御データが示す駆動パターンに従って模型用ソレノイド52の駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS164にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致しない場合には(ステップS164;No)、ステップS165の処理をスキップする。
そして、CPU106は、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口31より可変入賞装置40の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS166)。
ステップS166にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される模型用ソレノイド停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS167)。ここで、小当り遊技状態にて人形模型47が備える足模型51を、複数回動作させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の模型用ソレノイド停止判定値が設定されている。この場合、ステップS167の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の模型用ソレノイド停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、模型用ソレノイド停止判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS167にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致した場合には(ステップS167;Yes)、模型用ソレノイド52の駆動を停止する設定を行う(ステップS168)。ステップS168の処理では、小当り制御パターンに含まれる模型用ソレノイド停止制御データが示す駆動パターンに従って模型用ソレノイド52の駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS167にて遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致しない場合には(ステップS167;No)、ステップS168の処理をスキップする。
この後、CPU106は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される第1大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS169)。ここで、小当り遊技状態にて第1大入賞口31を開閉する始動動作が複数回行われる場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の第1大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS169の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の第1大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、第1大入賞口開放終了判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS169にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放終了判定値と合致した場合には(ステップS169;Yes)、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動を停止して第1大入賞口31を第1大入賞口扉32により閉鎖状態とする動作の設定を行う(ステップS170)。ステップS170の処理では、小当り制御パターンに含まれる第1大入賞口開放終了制御データが示す駆動パターンに従って第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS169にて遊技制御プロセスタイマ値が第1大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS169;No)、ステップS170の処理をスキップする。
続いて、CPU106は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS171)。ここで、小当り遊技状態にて下部大入賞口60を開閉する開放動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS171の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS171にて遊技制御プロセスタイマ値が下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致した場合には(ステップS171;Yes)、下部大入賞口扉用ソレノイド54を駆動して、特別可変入賞球装置7に設けられた下部大入賞口60を開放状態とする開始設定を行う(ステップS172)。ステップS172の処理では、小当り制御パターンに含まれる下部大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンに従って下部大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS171にて遊技制御プロセスタイマ値が下部大入賞口扉用ソレノイド駆動判定値と合致しない場合には(ステップS171;No)、ステップS172の処理をスキップする。
この後、CPU106は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS173)。ここで、小当り遊技状態にて下部大入賞口60を開閉する開放動作が複数回行われる場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値が設定されている。この場合、ステップS173の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS173にて遊技制御プロセスタイマ値が下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致した場合には(ステップS173;Yes)、下部大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止して、特別可変入賞球装置7に設けられた下部大入賞口60を閉鎖状態とする動作の設定を行う(ステップS174)。ステップS174の処理では、小当り制御パターンに含まれる下部大入賞口開放終了制御データが示す駆動パターンに従って下部大入賞口扉用ソレノイド54の駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS173にて遊技制御プロセスタイマ値が下部大入賞口扉用ソレノイド停止判定値と合致しない場合には(ステップS173;No)、ステップS174の処理をスキップする。
そして、CPU106は、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較して、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(ステップS175)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS175;Yes)、特図プロセスフラグの値を小当り終了処理に対応した値に更新する一方(ステップS176)、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS175;No)、特図プロセスフラグの値は変更しない。
図37は、小当り開放中処理(ステップS309)における大入賞口進入処理を示すフローチャートである。図37に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU106は、まず、上部カウントスイッチ23からの検出信号のいずれかがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、上部カウントスイッチ23からの検出信号のいずれかがオン状態であれば(ステップS501;Yes)、残存球数カウント値を1加算する(ステップS502)。これに対して、上部カウントスイッチ23からの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502の処理をスキップする。
この後、特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS503)。このとき、特定領域スイッチ24からの検出信号がオン状態であれば(ステップS503;Yes)、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)をオン状態にセットする(ステップS504)。これに対して、特定領域スイッチ24からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS503;No)、ステップS504の処理をスキップする。
続いて、排出口スイッチ25からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS505)。このとき、排出口スイッチ25からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS505;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出口スイッチ25からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS505;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(ステップS506)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図38は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU106は、まず、小当り終了指定コマンドを送信するとともに(ステップS180)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS181)。なお、残存球数カウント値は、図36に示すステップS166の第1大入賞口進入時処理にて、図37に示すステップS502、S506の処理が実行されることにより、更新される。
ステップS181にて残存球数カウント値が「0」である場合には(ステップS181;Yes)、例えば模型用ソレノイド52の駆動を停止させる駆動制御信号を生成することなどにより、模型用ソレノイド52の駆動を停止させるための設定を行う(ステップS182)。その後、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(ステップS183)、特定入賞判定処理を実行することにより、小当り遊技状態における有効入賞検出期間にて特定領域49に遊技球が進入したか否かの判定が行われる(ステップS184)。
ステップS181にて残存球数カウント値が「0」ではない場合には(ステップS181;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(ステップS186)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(ステップS186;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS186にて遊技停止判定値に達している場合には(ステップS186;Yes)、異常状態である旨を報知する異常報知処理を繰返し実行する(ステップS187)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS187の異常報知処理では、所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプを点灯させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、あるいは、これらを組み合せることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS187にて実行される異常報知処理は、電源基板からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われることにより、RAM104がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が生じたときには、電源の再投入時にクリアスイッチの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板11に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS187にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチの押圧操作や電源の再投入などによりRAM104をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS187の異常報知処理では、例えば演出制御基板12に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに小当り開放時処理を終了するようにしてもよい。あるいは、ステップS186にて遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達した場合でも、CPU106は異常報知処理を実行しないようにして、演出制御基板12の側で所定時間の経過を検出して、異常を報知するようにしてもよい。一例として、主基板11から演出制御基板12に対しては、上部カウントスイッチ23のいずれかによって遊技球が検出されたときに、その遊技球の検出を示す演出制御コマンドとしての上部カウント検出コマンドを送信する。演出制御基板12の側では、上部カウント検出コマンドを受信してからの経過時間を計測し、主基板11からの小当り終了コマンドや大当り開始コマンドを受信することなく、計測された経過時間が所定のエラー判定時間に達したときには、異常の発生を報知するための処理を実行すればよい。この場合、例えば上部カウントスイッチ23のいずれかによる遊技球の検出に対応した異常入賞に関しては賞球の払い出しを行い、異常の発生を報知する動作のみが実行されるようにしてもよい。これにより、例えばパチンコ遊技機1を設置する店舗の閉店時において、出球補償を容易に行うことができるようになる。
図39は、小当り終了処理(ステップS310)における特定入賞判定処理を示すフローチャートである。特定入賞判定処理において、CPU106は、まず、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS510)。このとき、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオンであれば(ステップS510;Yes)、大当りフラグをオン状態にセットし(ステップS511)、大当り種別バッファに大当り種別として、第7大当りに該当する「07」を設定(記憶)するとともに(ステップS512)、演出制御用マイクロコンピュータ120に大当り開始指定3指定コマンドを送信する(ステップS513)。また、CPU106は、演出制御用マイクロコンピュータ120に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS514)。
次いで、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(V入賞により大当りが発生したことを、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS515)。また、下部大入賞口60開放回数カウンタに、第7大当りに該当する開放回数である14回をセットした後(ステップS516)、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)をリセット(クリア)してオフ(非セット)状態とする(ステップS517)。
次いで、CPU106は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されているか否かを判定する。
そして、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されている場合(ステップS518;Yes)には、大当り時有利フラグをオン状態にセットするともに(ステップS519)、有利状態フラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態とする(ステップS520)。また、時短回数カウンタをクリアして、時短回数カウント値を「0」に初期化しておく(ステップS521)とともに、ステップS518にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS518;Yes)、時短(有利)状態の上限回数に到達する第2特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから、小当りとなって特定領域49に入賞することで大当りとなった場合があることから、セットされている場合には、有利状態終了フラグをリセット(クリア)してオフ(非セット)状態としておく(ステップS522)。このように、ステップS519にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が有利状態であった旨を記憶しておくことができる。ステップS522の処理の後、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS523)。
一方、ステップS510で特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオン状態にセットされていない場合には(ステップS510;No)、小当り種別バッファに設定(記憶)されている小当り種別をクリアした後(ステップS524)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS525)。
図40は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU106は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS190)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS206に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットした後(ステップS191)、ステップS192〜ステップS205までの処理を実施することにより、大当り時有利状態フラグの有無と大当り種別バッファに記憶されている大当り種別とに基づいて、大当り後の時短(有利)状態を第1有利状態とするか第2有利状態とするかを判定して、第1有利状態または第2有利状態に対応する時短回数の設定並びに大当り終了指定コマンドの送信を実施する。
ステップS192では、まず、大当り時有利状態フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する。大当り時有利状態フラグがオン状態にセットされていない場合には、ステップS200へ進む一方、大当り時有利状態フラグがオン状態にセットされている場合には、ステップS193に進んで、セットされている大当り時有利状態フラグをリセット(クリア)する。
そして、CPU106は、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第7大当りに該当する「7」であるか否か、つまり、終了した大当りが第7大当りであるか否かを判定する(ステップS194)。
終了した大当りが第7大当りでない場合には、ステップS195に進み、更に、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第2大当りに該当する「2」であるか否か、つまり、終了した大当りが第2大当りであるか否かを判定する。
終了した大当りが第2大当りである場合にはステップS196に進み、大当り後の有利状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS197)。
一方、ステップS195において終了した大当りが第2大当りでない場合には、ステップS204に進み、大当り後の有利状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS205)
また、ステップS194において終了した大当りが第7大当りである場合には、ステップS203に進んで、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別データが第1小当りに該当する「1」、或いは第3小当りに該当する「3」であるか否か、つまり、終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りであるか否かを判定する。
終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りである場合には、ステップS204に進み、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS205)一方、終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りでない場合、つまり、時短(有利)状態において発生した第2小当りまたは第4小当りである場合には、ステップS196に進み、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS197)。
一方、ステップS200においてCPU106は、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第7大当りに該当する「7」であるか否か、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第7大当りであるか否かを判定する。
終了した大当りが第7大当りでない場合には、ステップS201に進み、更に、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第3大当りに該当する「3」、第5大当りに該当する「5」、第6大当りに該当する「6」のいずれかであるか、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかであるかを判定する。
終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかである場合には、ステップS204に進み、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS205)一方、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれでもない場合、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第1大当り、第2大当り、第4大当りである場合には、ステップS196に進み、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS197)。
一方、ステップS200において終了した大当りが第7大当りである場合には、ステップS202に進んで、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別データが第3小当りに該当する「3」、或いは第4小当りに該当する「4」であるか否か、つまり、終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りであるか否かを判定する。
終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りである場合には、ステップS204に進み、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS205)一方、終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りでない場合、つまり、通常遊技状態において発生した第1小当りまたは第2小当りである場合には、ステップS196に進み、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウント値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS197)。
そして、ステップS197の処理或いはステップS205の処理の終了後、大当り種別バッファ並びに小当り種別バッファに設定(記憶)されている大当り種別並びに小当り種別をクリアした後(ステップS198)、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS199)、処理を終了する。
ステップS206では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU106は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS207)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していればステップ208に進み、CPU106は、有利状態フラグをセットして遊技状態を時短(有利)状態に移行させる(ステップS208)。また、CPU106は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する制御を行う(ステップS209)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS210)。
図41は、図8のステップS27にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU106は、まず、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート41を遊技球が通過したか否かの判定を行う(ステップS401)。遊技球が通過ゲート41を通過してゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS401;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS402)。他方、ゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS401;No)、ステップS402の処理をスキップする。
ステップS402にて実行されるゲート通過時処理では、まず、RAM104の普図保留記憶バッファに記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えばCPU106が、ランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、普図表示結果判定用の乱数値ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値ランダム4を示す数値データを、普図保留記憶バッファにおける空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた普図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS401にてゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS410〜S414の各処理を実行する。
ステップS410の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶バッファに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示装置20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶バッファに格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS411の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果判定用の乱数値ランダム4を示す数値データに基づき、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかの判定などが行われる。また、普通図柄判定処理では、普図表示結果並びに有利状態の有無に対応する普図変動パターンの決定も行われる。
ステップS412の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、ステップS413の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS413の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示装置20にて普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定が行われる。なお、普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定は、ステップS412の普通図柄変動処理にて、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する以前に、行われるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、普通可変入賞球装置6Bに対応して設けられた普通電動役物用ソレノイド55を駆動するための設定が行われ、普図プロセスフラグの値が“5”に更新される。他方、普図表示結果が「普図はずれ」である場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS414の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS413の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用ソレノイド55を駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイド55を駆動して第2始動入賞口を拡大開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した拡大開放時間に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が拡大開放期間に達した場合には、普通電動役物用ソレノイド55の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口を拡大開放状態から通常開放状態に変化させるための設定を行う。このときには、普図プロセスフラグの値を“0”に更新すればよい。
図42は、図41のステップS411にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す普通図柄判定処理において、CPU106は、まず、普図保留記憶バッファにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値ランダム4を示す数値データを読み出す(ステップS431)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶バッファにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値ランダム4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS432)。
ステップS432の処理に続いて、ステップS432の処理で抽出した数値データに示される乱数値ランダム4や、図17に示す普図表示結果判定テーブル143を参照することにより、乱数値ランダム4が普図当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS433)。
尚、本実施例では、図17に示すように、有利状態フラグがオンであるか否かにかかわらず、乱数値ランダム4により普図当りかはずれであるかを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、有利状態フラグがオンである場合には、有利状態フラグがオフである場合に比べて多くの乱数値ランダム4が普図当り判定値データに割り当てられるように普図表示結果判定テーブルを設定することにより、有利状態フラグがオンである有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくすることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなるようにしても良い。つまり、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件を成立しやすくするようにしても良い。
ステップS433にて乱数値ランダム4が普図当り判定値データと合致すれば(ステップS433;Yes)、普図当りフラグをオン状態にセットする(ステップS434)。これに対して、乱数値ランダム4が普図当り判定値データと合致しない場合には(ステップS433;No)、ステップS434の処理をスキップする。
その後、CPU106は、ステップS434の処理における判定結果や、有利状態フラグがオフ(非セット)であるかオン(セット)であるかなどに基づき、例えば、図18に示す普図変動パターン決定テーブルを参照することなどにより普図変動パターンを決定し、決定された普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間を設定する(ステップS435)。ここで、有利状態フラグがオンである場合には、有利状態フラグがオフである場合に比べて普図変動時間が短くなる(30秒→1秒)ように設定されればよい。これにより、有利状態フラグがオンである時短(有利)状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS435にて普図変動時間を設定した後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS436)、普通図柄判定処理を終了する。
図43は、図41のステップS413にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す普通図柄停止処理において、CPU106は、まず、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS451)。このとき、普図当りフラグがオンであれば(ステップS451;Yes)、普図当りフラグをリセット(クリア)してオフ状態とした後(ステップS452)、有利状態フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS453)。
ステップS453にて有利状態フラグがオン状態にセットされている場合には(ステップS453;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短(有利)状態であることに対応した普電作動パターンFA2をセットする(ステップS454)。これに対して、有利状態フラグがオフ(非セット)である場合には(ステップS453;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であることに対応した普電作動パターンFA1をセットする(ステップS455)。ここで、普電作動パターンFA2では、例えば図19に示すように、普電作動パターンFA1に比べて拡大開放時間が長くなるように設定されている。このように、有利状態フラグがオンである有利状態では、拡大開放時間が長くなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、通常遊技状態であるときに比べて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなる。ステップS454、S455の処理のいずれかを実行した後には、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS456)、普通図柄停止処理を終了する。また、ステップS451にて普図当りフラグがオフである場合には(ステップS451;No)、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS457)、普通図柄停止処理を終了する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図44は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ120(具体的には、CPU126)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。CPU126は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、CPU126は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、CPU126は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、CPU126は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、CPU126は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、CPU126は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図45は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図22および図23参照)であるのか解析する。
図46は、演出制御用マイクロコンピュータ120が用いる乱数を示す説明図である。図46に示すように、この実施例では、予告演出決定用乱数SR1を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
予告演出決定用乱数SR1は、後述するように、演出図柄の演出パターンが、非リーチはずれであるときに、保留予告演出を実施することを決定する(いわゆるがせ)ための乱数である。
RAM124には、乱数SR1を生成するためのカウンタが形成されている。そして、カウンタの数値は、図44に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図46に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図46に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
なお、保留予告演出は、後述するように、第1保留記憶表示部18における保留表示において、スーパーリーチとなる保留表示や大当りとなる保留表示の表示態様を変化させることで、これらスーパーリーチや大当りとなることを事前に予告するための演出である。
演出制御用マイクロコンピュータ120におけるROM125には、図47に示す図柄変動制御パターンテーブル180、図48に示す各種演出制御パターンテーブル182等の各種のパターンテーブルが記憶されている。図47に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、リーチ演出における演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データやランプ制御実行データといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
図48に示す各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データやランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
これら演出制御パターンには、大当り遊技状態の開始時において、大当りの種別に応じて異なる大当りのラウンド数表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示して遊技者に報知するための当り開始CST1−1(15ラウンド大当り用)、当り開始CST2−1(5ラウンド大当り用)、当り開始CST3−1(V入賞による15(14)ラウンド大当り用)が含まれる。
また、演出制御パターンには、大当り遊技状態の終了時において、該大当り後に付与される時短(有利)状態の種別に応じて異なる時短状態の上限回数表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示して遊技者に報知するための当り終了CED1−1(15ラウンド大当り、第1有利状態用)、当り終了CED1−2(15ラウンド大当り、第2有利状態用)、当り終了CED2−1(5ラウンド大当り、第1有利状態用)、当り終了CED2−2(5ラウンド大当り、第2有利状態用)、当り終了CED3−1(V入賞大当り、第1有利状態用)、当り終了CED3−2(V入賞大当り、第2有利状態用)が含まれる。
また、演出制御パターンには、小当り遊技状態中において、小当りの種別に応じて異なるV入賞確率表示を含む小当り画面を画像表示装置5に表示して遊技者に報知するための第1小当り制御CKD1(第1小当り用)、第2小当り制御CKD1(第2小当り用)、第3小当り制御CKD1(第3小当り用)、第4小当り制御CKD1(第4小当り用)が含まれる。
なお、図柄変動制御パターン、各種演出制御パターンの各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
図49〜図52は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、CPU126は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、CPU126は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、CPU126は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、CPU126は、その変動パターンコマンドを、RAM124に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、CPU126は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAM124に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、CPU126は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドであれば(ステップS621)、CPU126は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは大当り開始3指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、CPU126は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。そして、CPU126は、受信した小当り開始指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を、RAM124に形成されている小当り開始指定コマンド格納領域に格納する(ステップS624+)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、CPU126は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を画像表示装置5に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、CPU126は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、CPU126は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、CPU126は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、CPU126は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。また、CPU126は、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第1保留記憶表示部18における第1保留記憶数の表示を更新する、図53に示す第1保留記憶数表示更新処理を実施する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS654)、CPU126は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数保存領域に格納する(ステップS655)。また、CPU126は、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第2保留記憶表示部19における第2保留記憶数の表示を更新する、図55に示す第2保留記憶数表示更新処理を実施する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS657)、CPU126は、セットされていれば、遊技状態が時短状態であることを示す有利状態フラグをリセットする(ステップS658)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS659)、CPU126は、有利状態フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(ステップS663)、CPU126は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(ステップS664)。すなわち、CPU126は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
次いで、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば、CPU126は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じたフラグをセットする。
例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果1指定コマンドであれば(ステップS665)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「00(H)」が指定されている場合には、CPU126は、第1始動入賞口への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果1フラグをセットする(ステップS666)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果2指定コマンドであれば(ステップS667)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「01(H)」が指定されている場合には、CPU126は、第1始動入賞口への始動入賞時に「ノーマルリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果2フラグをセットする(ステップS668)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果3指定コマンドであれば(ステップS669)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「02(H)」が指定されている場合には、CPU126は、第1始動入賞口への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果3フラグをセットする(ステップS670)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果4指定コマンドであれば(ステップS671)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「03(H)」が指定されている場合には、CPU126は、第1始動入賞口への始動入賞時に「ノーマルリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞判定結果4フラグをセットする(ステップS672)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果5指定コマンドであれば(ステップS673)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「04(H)」が指定されている場合には、CPU126は、第1始動入賞口への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞判定結果5フラグをセットする(ステップS674)。
その他、CPU126は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞判定結果フラグをセットする。なお、この実施例では、始動入賞時の判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「ノーマルリーチ大当り」、「スーパーリーチ大当り」である場合に、保留予告演出を実行するように構成しているので、入賞時判定結果2指定コマンドを除く入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果6指定コマンドについてのみ受信したか否かを確認し、フラグをセットするようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、CPU126は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS677)。そして、ステップS611に移行する。
ここで、ステップS653で実施される第1保留記憶数表示更新処理について以下に説明する。
尚、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM124には、図54に示す、第1保留記憶表示部18の表示を行うための第1保留表示バッファが設けられている。図54に示すように、第1保留表示バッファには、各第1保留記憶数の順位(表示の向かって左が上位に対応し、表示の向かって右が下位に対応する)に対応した保存領域が確保されており、始動入賞の有無や予告演出の対象となる大当りやスーパーリーチや非リーチはずれとなることを特定可能な数値データが格納できるように構成されている。
第1保留記憶数表示更新処理においてCPU126は、まず、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数が増加であるか否かを判定する(ステップS901)。
第1保留記憶数が増加である場合(ステップS901でYes)には、図54に示す第1保留表示バッファに、後述するステップS904でセットされる予告対象データ「2」がセット(記憶)されているか否かを判定する(ステップS902)。
既に予告対象データがセットされている場合、つまり、予告対象が既に存在している場合には、ステップS910に進み、第1保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして始動入賞したことを示す入賞データ「1」を格納した後、ステップS905に進む。
また、予告対象データがセットされていない場合、つまり、予告対象が存在していない場合には、ステップS903に進み、スーパーリーチはずれを示す入賞時判定結果3指定コマンドの受信による入賞時判定結果3フラグや、ノーマルリーチ大当り示す入賞時判定結果4指定コマンドの受信による入賞時判定結果4フラグや、スーパーリーチ大当りを示す入賞時判定結果5指定コマンドの受信による入賞時判定結果5フラグがセットされているか否か、つまり、新たに加算された保留記憶数が該当する保留記憶に対応する演出図柄変動においてスーパーリーチが発生するか或いは大当りとなるかを判定する(ステップS903)。
入賞時判定結果3〜5フラグがセットされていない場合には(ステップS903でNo)、ステップS907に進み、非リーチはずれを示す入賞時判定結果1指定コマンドの受信による入賞時判定結果1フラグがセットされているか否か、つまり、新たに加算された保留記憶数が該当する保留記憶に対応する演出図柄変動において非リーチはずれとなるか否かを判定する。
入賞時判定結果1フラグがセットされていない場合には、ステップS910に進み、第1保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして入賞したことを示す入賞データ「1」を格納する。
一方、入賞時判定結果1フラグがセットされている場合には、ステップS908に進んで、予告演出決定用乱数SR1を抽出し、該抽出したSR1が、保留予告演出を実施すると判定する判定値である「1」であるか否かを判定する。つまり、第1保留表示バッファに予告対象データ「2」がセット(記憶)されておらず、且つ、新たに加算された保留記憶数が該当する保留記憶に対応する演出図柄変動において非リーチはずれとなる場合には、保留予告演出を実施する抽選を実施して、所定確率(本実施例では1/10)で、演出図柄変動において非リーチはずれとなる保留予告演出(いわゆるがせ予告)を実施すると決定する。
抽出したSR1が「1」である場合にはステップS904に進み、第1保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして予告対象データとなる「2」を格納した後、ステップS905に進む。
また、抽出したSR1が「1」ではない場合にはステップS910に進み、第1保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして始動入賞したことを示す入賞データ「1」を格納した後、ステップS905に進む。
ステップS904の処理またはステップS910の処理の後、ステップS905においてCPU126は、セットされている全ての入賞時判定結果フラグをクリアする。そして、第1保留表示バッファに基づいて、第1保留記憶表示部18の表示を更新する(ステップS906)。
具体的には、第1保留表示バッファに始動入賞ありを示す「1」が格納されている順位に対応する保留表示については、保留有りを示す所定の赤色の「●」の表示を行い、予告対象データ「2」が格納されている順位に対応する保留表示については、大当りやスーパーリーチとなる可能性があることを報知するための「★」の表示を行う一方、入賞なしを示す「0」が格納されている順位については、保留なしを示す青色の「●」の表示を行うことで、図54に示すように、第1特別図柄保留記憶LED15Aの点灯態様と同じように保留記憶数が表示される。
尚、この実施例では、第1保留表示バッファに予告対象データが最大1つのみ格納されるようにすることで、第1保留記憶表示部18に表示される★の最大表示数を1としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1保留記憶表示部18に表示される★の最大表示数を2や3としたり、或いは制限を設けないようにしても良い。
また、第1保留記憶数が増加でない場合(ステップS901でNo)、つまり、第1保留記憶数が減少した場合にはステップS911に進み、第1保留表示バッファにおける最上位(1位)の保存領域のデータをクリアするとともに、各保存領域の内容を1つ上位の順位にシフトして更新する。つまり、第1保留表示バッファにおいて順位1のデータを削除するとともに、順位2,3,4に対応する保存領域に格納されているデータを、順位1,2,3に対応する保存領域に格納し、順位4には、入賞なしを示す「0」を格納した後、ステップS906に進み、更新後の第1保留表示バッファに基づいて、第1保留記憶表示部18の表示を更新する。
次に、図55、図56を用いて、第2保留記憶数表示更新処理について説明する。第2保留記憶数表示更新処理においてCPU126は、まず、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数が増加であるか否かを判定する(ステップS921)。
第2保留記憶数が増加である場合(ステップS921でYes)には、図56に示す第2保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして始動入賞したことを示す入賞データ「1」を格納した後、ステップS924に進む。
一方、第2保留記憶数が増加でない場合(ステップS921でNo)、つまり、第2保留記憶数が減少した場合にはステップS923に進み、第2保留表示バッファにおける最上位(1位)の保存領域のデータをクリアするとともに、各保存領域の内容を1つ上位の順位にシフトして更新する。つまり、第2保留表示バッファにおいて順位1のデータを削除するとともに、順位2,3,4に対応する保存領域に格納されているデータを、順位1,2,3に対応する保存領域に格納し、順位4には、入賞なしを示す「0」を格納した後、ステップS924に進む。
ステップS922の処理またはステップS923の処理の後、ステップS924においてCPU126は、第2保留表示バッファに基づいて、第2保留記憶表示部19の表示を更新する。
具体的には、第1保留表示バッファに始動入賞ありを示す「1」が格納されている順位に対応する保留表示については、保留有りを示す所定の黄色の「●」の表示を行う一方、入賞なしを示す「0」が格納されている順位については、保留なしを示す緑色の「●」の表示を行うことで、図56に示すように、第2特別図柄保留記憶LED15Bの点灯態様と同じように保留記憶数が表示される。
図57は、図44に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、CPU126は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または小当り表示処理(ステップS807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、下部大入賞口60開放中指定コマンドや下部大入賞口60開放後指定コマンドを受信したら、画像表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS806):画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(ステップS807):画像表示装置5において、小当りの種別に応じたV入賞確率を含む小当り画面を表示して、小当りとなったことともにV入賞確率を遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図58は、図44に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、CPU126は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図59は、図44に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、CPU126は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)の演出態様に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。なお、CPU126は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図60は、画像表示装置5における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図60に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、CPU126は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(5ラウンド大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組み合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、CPU126は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(15ラウンド大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組み合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合せを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、CPU126は、停止図柄として「135」などのチャンス目演出図柄の組み合せを決定する。また、画像表示装置5に導出表示される3図柄の組み合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
CPU126は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組み合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組み合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、CPU126は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS823)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
図61は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、CPU126が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、CPU126は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。CPU126は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図61に示すプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROM125に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、CPU126は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8R,8L)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP等を含む表示制御部121に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御部123に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8R,8Lからの音声出力を行わせるために音制御部122に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、CPU126は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、CPU126は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図62は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、CPU126は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS830A,S830B,S830C)。
また、CPU126は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS831)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS832)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS833)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS834)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS835)、CPU126は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS836)。そのようにして、画像表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP等を含む表示制御部121は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を画像表示装置5に出力する。そのようにして、画像表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS837)。
また、CPU126は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS838)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS840)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS839)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS840)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、図61に例示されたプロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS831の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。演出図柄の変動制御(演出図柄の変動に関連するキャラクタ画像や背景を表示させる制御を含む。)は、あくまでも変動期間経過時(最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトした時点に相当)に終了する。
図63は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、CPU126は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。次いで、CPU126は、大当りとすることに決定されているか否か(ステップS854)、または小当りとすることに決定されているか否かを確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施例では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。また、小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS857)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、CPU126は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS858)。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図64は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、CPU126は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または大当り開始3指定コマンドを受信したことを示す大当り開始3指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS861)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を画像表示装置5に表示する制御を行う(ステップS862)。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または大当り開始3指定コマンド受信フラグ)をリセットする(ステップS863)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS864)。
なお、ステップS862では、CPU126は、大当りの種別に応じた大当り遊技の開始を報知する画面、具体的には、5ラウンド大当りであれば、図48に示す当り開始CST1−1の演出制御パターンに基づくラウンド数が5ラウンドであることの表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、15ラウンド大当りであれば、図48に示す当り開始CST2−1の演出制御パターンに基づくラウンド数が15ラウンドであることの表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、V入賞(第7)大当りであれば、図48に示す当り開始CST3−1の演出制御パターンに基づくV入賞したこととラウンド数が14ラウンドであることの表示を含む大当り開始画面を画像表示装置5に表示する制御を行う。
図65は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、CPU126は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS870)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS877に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、いずれの大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS871)。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定するとともに(ステップS872)、セットされている大当り終了指定コマンド受信フラグが大当り終了1指定コマンド受信フラグであるか否かを判定する(ステップS873)。
セットされている大当り終了指定コマンド受信フラグが大当り終了1指定コマンド受信フラグである場合にはステップS874に進み、時短回数2回を含む大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を画像表示装置5に表示する制御を行う一方、セットされている大当り終了指定コマンド受信フラグが大当り終了1指定コマンド受信フラグでない場合、つまり、大当り終了2指定コマンド受信フラグである場合にはステップS875に進み、時短回数10回を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行う。
具体的には、終了した大当りが15ラウンド大当りであって、大当り終了1指定コマンド受信フラグがセットされている場合であれば、図48に示す当り終了CED1−1の演出制御パターンに基づく15ラウンド開放遊技の終了と時短回数が2回であることの表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、大当り終了2指定コマンド受信フラグがセットされている場合であれば、図48に示す当り終了CED1−2の演出制御パターンに基づく15ラウンド開放遊技の終了と時短回数が10回であることの表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行う。
また、終了した大当りが5ラウンド大当りであって、大当り終了1指定コマンド受信フラグがセットされている場合であれば、図48に示す当り終了CED2−1の演出制御パターンに基づく5ラウンド開放遊技の終了と時短回数が2回であることの表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、大当り終了2指定コマンド受信フラグがセットされている場合であれば、図48に示す当り終了CED2−2の演出制御パターンに基づく5ラウンド開放遊技の終了と時短回数が10回であることの表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行う(図68(a)参照)。
また、終了した大当りがV入賞(第7)大当りであって、大当り終了1指定コマンド受信フラグがセットされている場合であれば、図48に示す当り終了CED3−1の演出制御パターンに基づく14ラウンド開放遊技の終了と時短回数が2回であることの表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、大当り終了2指定コマンド受信フラグがセットされている場合であれば、図48に示す当り終了CED3−2の演出制御パターンに基づく14ラウンド開放遊技の終了と時短回数が10回であることの表示を含む大当り終了画面を画像表示装置5に表示する制御を行う。
次いで、CPU126は、大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグをリセットした後(ステップS876)、処理を終了する。
ステップS877では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、CPU126は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS878)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合には、CPU126は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
図66は、演出制御プロセス処理における小当り表示処理(ステップS807)を示すフローチャートである。小当り表示処理においてCPU126は、小当り遊技状態の開始に伴い遊技制御用マイクロコンピュータ100から小当り開始指定コマンドが送信されることに基づく小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS880)、小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、小当り遊技状態の終了に伴い遊技制御用マイクロコンピュータ100から小当り終了指定コマンドが送信されることに基づく小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS884)。
小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS881に進み、小当り開始指定コマンド格納領域に格納されている受信した小当り開始指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)に基づいて、小当りの種別(第1〜第4)を特定する。
そして、特定した小当り種別に応じた大当り確率(V入賞確率)を含む小当り画面を画像表示装置5に表示して、小当りとなったことともに、可変入賞装置40に遊技球が進入してV入賞により大当りとなる大当り確率(V入賞確率)を遊技者に報知する(S882)。
具体的には、特定した小当りの種別が第1小当りであれば、図48に示す小当り制御CKD1の演出制御パターンに基づくV入賞確率約20%の表示を含む小当り画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、特定した小当りの種別が第2小当りであれば、図48に示す小当り制御CKD2の演出制御パターンに基づくV入賞確率約5%の表示を含む小当り画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、特定した小当りの種別が第3小当りであれば、図48に示す小当り制御CKD3の演出制御パターンに基づくV入賞確率約90%の表示を含む小当り画面を画像表示装置5に表示する制御を行い、特定した小当りの種別が第4小当りであれば、図48に示す小当り制御CKD4の演出制御パターンに基づくV入賞確率約50%の表示を含む小当り画面を画像表示装置5に表示する制御を行う。
次いで、ステップS883に進み、小当り開始指定コマンド受信フラグをリセット(クリア)するとともに、小当り開始指定コマンド格納領域に格納されている小当り開始指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をクリアする。
つまり、小当り遊技中においては、小当りの種別に応じたV入賞確率約20%の表示を含む小当り画面が画像表示装置5に表示される。
そして、小当り遊技の終了に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から小当り終了指定コマンドが送信されることに基づく小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS884からステップS885に進み、まず、小当り終了指定コマンド受信フラグをリセット(クリア)する。
そして、特定領域49の遊技球が流入すること(V入賞)することに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される大当り開始3指定コマンドの受信による大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定するとともに、大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、所定の大当り開始3指定コマンドの受信待ち時間が経過しているか否かを判定し、受信待ち時間が経過していない場合には、ステップS886に戻ることで、所定の大当り開始3指定コマンドの受信待ち時間が経過するまで、大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされるか否か、つまり、大当り開始3指定コマンドの受信を待機する。
大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS888に進み、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する一方、所定の大当り開始3指定コマンドの受信待ち時間が経過した場合、つまり、特定領域49の遊技球が流入しなかった場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS889)。
次に、保留予告演出の演出態様の具体例について説明する。図67は、本実施例の保留予告演出の具体例を示す説明図である。なお、図67において、(a)(b)(c)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図67に示す例では、まず、図67(a)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図67(b)に示すように第1始動入賞口に始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS218A参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ120に送信する(ステップS219A参照)。また、更新後の第1保留記憶数指定コマンドを送信し(ステップS219A参照)、演出制御用マイクロコンピュータ120は、図67(b)に示すように、受信した第1保留記憶数指定コマンドにもとづいて、第1保留記憶表示部18における第1保留記憶数の表示を1増やす(ステップS906参照)。
この際、第1保留記憶数指定コマンドとともに受信した入賞時判定結果指定コマンドに基づき特定される、増加した保留記憶の変動パターン種別(入賞時判定結果の種別)が、保留予告の対象である場合、若しくは保留予告をすると抽選にて決定された場合には、図67(b)に示すように、該保留記憶の表示が「★」の表示とされて、大当りやスーパーリーチとなる可能性があることが予告される。そして、図67(c)に示すように、変動時間が終了して図柄確定指定コマンドを受信し、はずれ図柄を停止表示したものとする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを受信して、図67(d)に示すように、第1保留記憶表示部18における第1保留記憶数の表示を1減らし、次の演出図柄の変動表示を開始する。そして、図67(e)に示すように、変動時間が終了して図柄確定指定コマンドを受信し、はずれ図柄を停止表示したものとする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを受信して、図67(f)に示すように、第1保留記憶表示部18における第1保留記憶数の表示をさらに1減らし、次の演出図柄の変動表示を開始する。そして、図67(g)に示すように、変動時間が終了して図柄確定指定コマンドを受信し、はずれ図柄を停止表示したものとする。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ120は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを受信して、図67(h)に示すように、第1保留記憶表示部18における第1保留記憶数の表示をさらに1減らし、次の演出図柄の変動表示を開始する。
このように、大当りやスーパーリーチとなる可能性があることが予告された保留表示が、特別図柄並びに演出図柄の変動に伴って、向かって左方向に順次移動して、大当りやスーパーリーチとなる特別図柄並びに演出図柄の変動が近づいている状況を、遊技者が把握することができるようになっている。
次に、本実施例において大当り終了から該大当りの終了後の時短(有利)状態において小当りとなるまでの演出態様の具体例について、図68に基づき説明する。
図68(a)は、大当り終了画面の具体例を示す説明図である。大当り終了時には、図68(a)に示すように、5ラウンド大当りが終了したこととともに、大当り後の時短(有利)状態が終了となるまでの上限回数(時短回数)の表示を含む大当り終了画面が画像表示装置5に表示される(大当り終了演出処理のステップS874やステップS875)。
尚、この際、大当り中において遊技制御用マイクロコンピュータ100は、新たに第1始動入賞が発生しても入賞時演出処理を実行しないので(ステップS217A)、入賞時判定結果指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ120に送信されることはなく、よって、これら大当り中においては、「★」の表示による保留予告演出は実施されないので、大当りの終了時において、これら「★」の表示による保留予告演出が第1保留記憶表示部18に表示されることはない。
また、大当り後の時短(有利)状態中において遊技制御用マイクロコンピュータ100は、新たに第1始動入賞が発生しても大当り中と同様に、入賞時演出処理を実行しないので(ステップS216A)、入賞時判定結果指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ120に送信されることはなく、よって、これら大当り中並びに大当り後の時短(有利)状態が終了するまでは、「★」の表示による保留予告演出は実施されない。
そして、時短(有利)状態となることで、普通可変入賞球装置6Bが普通図柄の変動時間が短縮制御されるとともに、普通可変入賞球装置6Bの開放時間が、通常遊技状態の0.1秒から2秒に延長されることで、2球の第2始動入賞が発生したものとする。
この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、新たに始動入賞があったことにもとづいて第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS314参照)。そして、更新後の第2保留記憶数指定コマンドを送信し(ステップS219B参照)、演出制御用マイクロコンピュータ120は、図68(b)に示すように、受信した第2保留記憶数指定コマンドにもとづいて、第2保留記憶表示部19における第2保留記憶数の表示を2増やす(ステップS924参照)。
この際、第1保留記憶数と第2保留記憶数の双方が存在する場合には、第2保留記憶数による第2特別図柄の変動表示が優先して実行されるので(ステップS52〜S54)、新たに始動入賞した第2保留記憶数に基づく第2特別図柄の変動表示が開始され、図68(c)に示すように、該第2特別図柄の変動表示が開始に伴って、第2保留記憶表示部19の保留記憶数の表示が1つ減少される。
そして、第2特別図柄の変動表示において、第3小当りに当選したものとする。この場合、第2特別図柄表示装置4Bには、第3小当りに対応する特別図柄である「3」が導出表示されるともに、該特別図柄である「3」が導出表示されるとほぼ同時に、画像表示装置5にはチャンス目演出図柄である、例えば「135」の演出図柄の組み合せが停止表示される。
そして、小当り遊技状態となることにより、下部大入賞口60が2回、0.1秒間だけ開放されるとともに、画像表示装置5には、図68(e)に示すように、第3小当りに対応した小当り画面が表示される(ステップS882)。図68(e)は、小当り画面の具体例を示す説明図であり、本実施例では、後述するように、可変入賞装置40の第1大入賞口31が開放されるタイミングや開放回数と足模型51を動作させるタイミングとにより、図69に示すように、小当りによりV入賞する確率が異なるようになっているため、これら小当りによるV入賞確率(%)の表示を含む小当り画面を小当り遊技において画像表示装置5に表示すること(示唆演出の実行)で、これらV入賞確率(%)を遊技者が認識することができ、遊技者の大当りへの期待感を向上させることができる。
図70は、第2特別図柄の表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄としての「1」を示す数字となる場合において、第1大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図70では、横軸が時間の経過を示している。
第1小当りが発生した場合においては、変動パターンとして、図9に示すように、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、図70に示すように、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。
そして、小当り開放前処理(ステップS308)のステップS151において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第1小当りに対応する小当り制御パターンKP1が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP1による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53は第1の開閉駆動パターンで駆動される。この第1の開閉駆動パターンでは、例えば図36に示すステップS162の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致したことに対応して、図70に示すように、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒、開放待機期間)が経過した後に、始動開放回数が「1」で開放時間が「1秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動制御が開始される(ステップS163)。こうして、可変入賞装置40に設けられた第1大入賞口31は、始動開放回数が「1」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、図36に示すステップS169の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致したことに対応して、閉鎖状態に戻る(ステップS170)。また、模型用ソレノイド52は第1の振分駆動パターンで駆動される。この第1の振分駆動パターンでは、例えば図70に示すように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動が開始されて第1大入賞口31が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは模型用ソレノイド52の駆動を停止する。このときには、上部球経路34を流下する遊技球に足模型51が接触しないよう保持して下部ステージ35へ遊技球を振分ける。
その後、例えば図36に示すステップS164の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52を駆動させ、ステップS167の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52の駆動を停止させることにより、1秒間にわたり模型用ソレノイド52を駆動する。これにより、足模型51が下方向に移動して上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分ける。
このように、第1小当りの場合には、第1大入賞口31が開放される時間が比較的短く、遊技球が可変入賞装置40内に進入し難いが、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が短いとともに、第1大入賞口31の開放後に振分けが実施されることで、ややV入賞する確率があり、V入賞の確率としては図69に示すように約20%とされている。
図71は、第2特別図柄の表示結果が「第2小当り」に対応した小当り図柄としての「2」を示す数字となる場合において、第1大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図71では、横軸が時間の経過を示している。
第2小当りが発生した場合においても、他の小当りと同じく、変動パターンとして、図9に示すように、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、図71に示すように、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。
そして、小当り開放前処理(ステップS308)のステップS151において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第2小当りに対応する小当り制御パターンKP2が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP2で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP2による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53は第2の開閉駆動パターンで駆動される。この第2の開閉駆動パターンでは、例えば図36に示すステップS162の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致したことに対応して、図71に示すように、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「1」で開放時間が「2秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動制御が開始される(ステップS163)。こうして、可変入賞装置40に設けられた第1大入賞口31は、始動開放回数が「1」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、図36に示すステップS169の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致したことに対応して、閉鎖状態に戻る(ステップS170)。また、模型用ソレノイド52は第2の振分駆動パターンで駆動される。この第2の振分駆動パターンでは、例えば図71に示すように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動が開始されて第1大入賞口31が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは模型用ソレノイド52の駆動を停止する。このときには、上部球経路34を流下する遊技球に足模型51が接触しないよう保持して下部ステージ35へ遊技球を振分ける。
その後、例えば図36に示すステップS164の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52を駆動させ、ステップS167の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52の駆動を停止させることにより、5秒間にわたり模型用ソレノイド52を駆動する。これにより、足模型51が下方向に移動して上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分ける。
このように、第2小当りの場合には、第1大入賞口31が開放される時間が比較的長く、遊技球が可変入賞装置40内に進入し易いが、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が長いとともに、第1大入賞口31の開放中に下部球経路36にへの振分けが開始されることで下部球経路36に振分けられてはずれとなってしまう可能性が非常に高いため、V入賞の確率としては図69に示すように約5%とされている。
図72は、第2特別図柄の表示結果が「第3小当り」に対応した小当り図柄としての「3」を示す数字となる場合において、第1大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図72では、横軸が時間の経過を示している。
第3小当りが発生した場合においても、他の小当りと同じく、変動パターンとして、図9に示すように、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、図72に示すように、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。
そして、小当り開放前処理(ステップS308)のステップS151において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第3小当りに対応する小当り制御パターンKP3が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP3で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP3による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53は第3の開閉駆動パターンで駆動される。この第3の開閉駆動パターンでは、例えば図36に示すステップS162の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致したことに対応して、図72に示すように、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「2」で開放時間が「2秒」であって、初めの開放終了から次の開放開始までの時間が「1秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動制御が開始される(ステップS163)。こうして、可変入賞装置40に設けられた第1大入賞口31は、始動開放回数が「2」で開放時間が「2秒」であって、初めの開放終了から次の開放開始までの時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、図36に示すステップS169の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致したことに対応して、閉鎖状態に戻る(ステップS170)。また、模型用ソレノイド52は第3の振分駆動パターンで駆動される。この第3の振分駆動パターンでは、例えば図72に示すように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動が開始されて第1大入賞口31が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは模型用ソレノイド52の駆動を停止する。このときには、上部球経路34を流下する遊技球に足模型51が接触しないよう保持して下部ステージ35へ遊技球を振分ける。
その後、例えば図36に示すステップS164の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52を駆動させ、ステップS167の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52の駆動を停止させることにより、3秒間にわたり模型用ソレノイド52を駆動する。これにより、足模型51が下方向に移動して上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、遊技球を下部球経路36へと振分けるが、模型用ソレノイド52の駆動が停止された後は、足模型51が上方向に移動して下部ステージ35へ遊技球を振分ける。
このように、第3小当りの場合には、第1大入賞口31が開放される回数が多いとともに、開放時間も比較的長く、遊技球が可変入賞装置40内に非常に進入し易いばかりか、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が、第1大入賞口31が開放されている期間に対して比較的短く、第1大入賞口31の開放途中に下部球経路36にへの振分けが終了されるので、下部球経路36にへの振分けされてはずれとなる可能性が非常に低いため、V入賞の確率としては図69に示すように約90%とされている。
図73は、第2特別図柄の表示結果が「第4小当り」に対応した小当り図柄としての「4」を示す数字となる場合において、第1大入賞口扉用ソレノイド53、模型用ソレノイド52の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。尚、図73では、横軸が時間の経過を示している。
第4小当りが発生した場合においても、他の小当りと同じく、変動パターンとして、図9に示すように、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示の期間としては、図73に示すように、1.5秒、5.75秒、12.75秒の3つの期間のうちのいずれかの期間に設定される。
そして、小当り開放前処理(ステップS308)のステップS151において、小当り種別に対応した小当り制御パターン、つまり、第4小当りに対応する小当り制御パターンKP4が制御パターンとしてセットされることにより、小当り制御パターンKP4で定められた駆動パターンに従って、第1大入賞口扉用ソレノイド53や模型用ソレノイド52などの駆動制御が開始される。
小当り制御パターンKP4による設定に基づき、第1大入賞口扉用ソレノイド53は第4の開閉駆動パターンで駆動される。この第4の開閉駆動パターンでは、例えば図36に示すステップS162の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致したことに対応して、図73に示すように、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動開放回数が「2」で開放時間が「1秒」であって、初めの開放終了から次の開放開始までの時間が「1秒」となるように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動制御が開始される(ステップS163)。こうして、可変入賞装置40に設けられた第1大入賞口31は、始動開放回数が「2」で開放時間が「1秒」であって、初めの開放終了から次の開放開始までの時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、図36に示すステップS169の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致したことに対応して、閉鎖状態に戻る(ステップS170)。また、模型用ソレノイド52は第4の振分駆動パターンで駆動される。この第4の振分駆動パターンでは、例えば図73に示すように、第1大入賞口扉用ソレノイド53の駆動が開始されて第1大入賞口31が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは模型用ソレノイド52の駆動を停止する。このときには、上部球経路34を流下する遊技球に足模型51が接触しないよう保持して下部ステージ35へ遊技球を振分ける。
その後、例えば図36に示すステップS164の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド駆動判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52を駆動させ、ステップS167の処理で遊技制御プロセスタイマ値が模型用ソレノイド停止判定値と合致したことに対応して、模型用ソレノイド52の駆動を停止させることにより、1秒間にわたり模型用ソレノイド52を駆動する。これにより、足模型51が下方向に移動して上部球経路34を流下する遊技球に接触させ、1秒間に亘り遊技球を下部球経路36へと振分けるが、模型用ソレノイド52の駆動が停止された後は、足模型51が上方向に移動して下部ステージ35へ遊技球を振分ける。
このように、第4小当りの場合には、第1大入賞口31が開放される開放時間が比較的短いものの、開放される回数が多いことで、遊技球が可変入賞装置40内に比較的進入し易いとともに、足模型51によりはずれとなる下部球経路36に振分けられる期間が、第1大入賞口31が開放されていない1秒の期間と短く、下部球経路36に振分けられてはずれとなる可能性が比較的低いことで、V入賞の確率としては図69に示すように約50%とされている。
以上のように、本実施例では、小当り結果となる第2特別図柄「1」〜「4」の導出表示(変動停止)から、第1大入賞口31を可動により開閉する第1大入賞口扉32が動作するまでの時間は0.5秒と同一(一定)であるが、第2特別図柄の変動表示の開始から第1大入賞口扉32が動作するまでの時間は、第2特別図柄の変動パターンとして、特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されるため、1.5+0.5秒、5.75+0.5秒、12.75+0.5秒の複数の期間が存在している。
言い換えると、小当り結果となる第2特別図柄が導出表示(変動停止)されてから、模型用ソレノイド52の駆動を開始するまでの時間は1.5秒と同一(一定)であるが、第2特別図柄の変動表示の開始から第1大入賞口扉32が開放動作を開始するまでの時間は、第2特別図柄の変動パターンとして特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されることで複数の期間が存在する。
尚、本実施例では、各小当り毎で特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンを選択するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動パターンが、各小当りで固定とされているが、各小当りの変動時間が、例えば、第1小当りが1.5秒、第2小当りが3.5秒、第3小当りが5.5秒、第4小当りが7.5秒といったように、それぞれ異なる時間に設定されているものであっても良い。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の遊技方法について説明する。
遊技を行う場合、遊技者は打球操作ハンドル30を操作することにより、パチンコ機2を正面から見て遊技盤2の右側下方に配設された打球発射装置(図示略)にて遊技球が発射される。打球操作ハンドル30は、前後方向を向く軸周りに回転可能に設けられ、初期位置から右回転操作することにより打球が発射されるとともに、操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が変化するようになっている。本実施例では、回転量が増大すると弾発力も増大し、回転量が減少すると弾発力も減少する。
打球操作ハンドル30の操作により発射された遊技球は、図示しないガイドレールにて誘導され、遊技盤2の前面に正面視略円形状に形成された遊技領域の上部左側から遊技領域内に進入する。例えば打球操作ハンドル30を第1操作態様{例えば初期位置から所定角度θ1(例えばθ1=約40〜90度の範囲)右回転する操作態様}にて操作することにより遊技球が発射された場合、遊技領域内に進入した遊技球の多くは、遊技領域の中心位置に配置された可変入賞装置40の中心よりも左側及び可変入賞装置40の下方にわたり形成される第1遊技領域の上部から下部に向けて通過(流下)する。また、打球操作ハンドル30を第2操作態様{例えば初期位置から所定角度θ2(例えばθ2=約91〜180度の範囲)右回転する操作態様}にて操作することにより遊技球が発射された場合、遊技領域内に進入した遊技球の多くは、遊技領域の中心位置に配置された可変入賞装置40の中心よりも右側の第2遊技領域の上部から下部に向けて通過(流下)する。
このように、打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作した場合は弾発力が弱いため、発射された遊技球の大半は第1遊技領域を通過し、打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作した場合は第1操作態様にて操作した場合よりも弾発力が強いため、発射された遊技球の大半は第2遊技領域を通過することになる。つまり、打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作した場合、発射された遊技球は第2遊技領域を通過するよりも高い割合で第1遊技領域を通過する(遊技球が100%の割合で第1遊技領域を通過する場合を含む)。また、打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作した場合、発射された遊技球が第1遊技領域を通過するよりも高い割合で第2遊技領域を通過する(遊技球が100%の割合で第2遊技領域を通過する場合を含む)。このように遊技者は打球操作ハンドル30の回転量を調整することにより、左側の第1遊技領域または右側の第2遊技領域のいずれかを狙って遊技球を発射させること(左右に打ち分けること)ができる。
そして、左側の第1遊技領域における可変入賞装置40の直下には普通入賞球装置6Aが設けられており、遊技者は左側の第1遊技領域を狙って打球操作ハンドル30を第1操作態様にて操作すること(左打ちとも言う)で、第1特図ゲームによる遊技を行うことができる。
一方、右側の第2遊技領域における可変入賞装置40の右側方には普通可変入賞球装置6Bが設けられており、この普通可変入賞球装置6Bの上方位置には、通過ゲート41が設けられるとともに、可変入賞装置40の右側上部に形成された第1大入賞口31が臨むように設けられ、かつ、該第1大入賞口31を開閉する第1大入賞口扉32の一端部が、開放状態において右側方に突出して第2遊技領域を通過する遊技球を可変入賞装置40内に誘導可能に設けられているため、遊技者は右側の第2遊技領域を狙って打球操作ハンドル30を第2操作態様にて操作すること(右打ちとも言う)で、第2特図ゲーム及び可変入賞装置40による遊技を行うことができる。
尚、本実施例では、これら第1遊技領域と第2遊技領域とは、可変入賞装置40の右側下部位置から斜め下方に向けて直線状に列設された複数の障害釘(図1参照)により区画され、第2遊技領域を流下する遊技球は、第1遊技領域に設けられた普通入賞球装置6Aに入賞させることなく流下させてアウト口69に誘導されるようになっている。
また、本実施例では、右打ち遊技において、第2特図ゲームを実行させるための通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bに遊技球を進入可能な操作態様にて操作することで、可変入賞装置40の第1大入賞口31が開放した際には遊技球が可変入賞装置40内に進入可能するように、通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bと第1大入賞口31とが配置または障害釘が配置されているが、通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bに遊技球を進入可能な操作態様と第1大入賞口31に遊技球を進入可能な操作態様とが異なる操作態様となるように通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bと第1大入賞口31とを配置または障害釘を配置してもよい。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1での遊技の流れについて説明する。
<通常遊技状態(左打ち)>
まず、通常遊技状態において左打ちした場合の遊技の流れを説明すると、打球発射装置により打ち出された遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入すると、特図ゲームの抽選が実行されるとともに、該特図ゲームの抽選結果に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の可変表示が開始される。そして特別図柄の可変表示結果として「第1〜5大当り」表示結果が導出されると大当り遊技状態に移行する。
第1特図ゲームにおいて「第1,2,4大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行し、「第3,5大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行する(図11(b)参照)。
また、第1特図ゲームにおける「大当り」の当選確率は1/200であり、そのうち「第1,2,4大当り」に当選する割合は1/3、「第3,5大当り」に当選する割合は2/3である。従って、大当り遊技状態の終了後は100%の割合で有利状態に移行するとともに、その打ち分けは第2有利状態に移行する割合が約33.3%、第1有利状態に移行する割合が約66.7%である。
尚、本実施例では通常遊技状態での大当りを契機に移行した大当り遊技状態の終了後は、100%の割合で第1有利状態または第2有利状態に移行するようになっているが、例えば通常遊技状態に移行する割合よりも高い割合で有利状態に移行するようにすれば、100%の割合で移行しなくてもよい。
また、大当り遊技状態の終了後に移行する有利状態の振分け率は第1有利状態と第2有利状態とで異なっていたが、同一としてもよい。
また、「第1〜3大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態のラウンド数は5ラウンドとなるのに対し、「第4,5大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態のラウンド数は15ラウンドとなる。
<通常遊技状態(右打ち)>
通常遊技状態において右打ちした場合の遊技の流れを説明すると、打球発射装置により打ち出された後、第2遊技領域に進入した遊技球が通過ゲート41を通過すると、普図ゲームの抽選が実行されるとともに、該普図ゲームの抽選結果に応じて、普通図柄表示装置20にて普通図柄の可変表示が開始される。そして普通図柄の可変表示結果として「普図当り」表示結果が導出されると、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が1回開放される。また、普通図柄の可変表示結果として「普図はずれ」表示結果が導出されると、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を開放せずに閉鎖状態に維持されるため、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい。
また、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の開放により遊技球が普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入した場合、第2特図ゲームの抽選が実行されるとともに、該第2特図ゲームの抽選結果に応じて、第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が開始される。そして、特別図柄の可変表示結果として「第1〜4小当り」表示結果が導出されると小当り遊技状態となって第1大入賞口扉32が開放され、この開放により遊技球が可変入賞装置40内に進入して特定領域スイッチ24により検出された場合は大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。
また、第1大入賞口扉32の開放により遊技球が可変入賞装置40内に進入しなかった場合及び可変入賞装置40内に進入したものの特定領域スイッチ24により検出されなかった場合は通常遊技状態に移行する。
また、特別図柄の可変表示結果として「第6大当り」表示結果が導出されると、小当り遊技状態を経由することなく大当りとなる(所謂直撃大当り)。
ここで、普図ゲームにおいて「普図当り」の当選確率は22/23であり、「普図はずれ」の当選確率は1/23である(図17参照)。普通図柄の変動時間は、「普図当り」または「普図はずれ」のいずれが当選した場合も30秒であり(図18参照)、また、「普図当り」の当選に基づく拡大開放状態に維持される期間は0.1秒であるため(図19参照)、開放しても殆ど遊技球は第2始動入賞口に誘導されない。
また、第2特図ゲームにおいて「第6大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後及び「第1,2小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行し、「第3,4小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行する(図11(d)参照)。
ここで、第1特図ゲームにおける「第6大当り」の当選確率は1/200であり、そのうち「第1,2小当り」に当選する割合は23/30、「第3,4小当り」に当選する割合は7/30である。従って、大当り遊技状態の終了後は100%の割合で有利状態に移行するとともに、その打ち分けは第2有利状態に移行する割合が約23.3%、第1有利状態に移行する割合が約76.7%である。また、「第1〜4小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態のラウンド数は全て15ラウンドとなる。
また、第1小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP1が選択され、第2小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP2が選択され、第3小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP3が選択され、第4小当りに当選した場合は小当り制御パターンKP4が選択される。つまり、第3小当りに当選した場合が可変入賞装置40内に進入した遊技球が特定領域スイッチ24にて検出される確率が最も高く、第2小当りに当選した場合が可変入賞装置40内に進入した遊技球が特定領域スイッチ24にて検出される確率が最も低い。
<第1有利状態、第2有利状態(左打ち)>
第1有利状態または第2有利状態において左打ちした場合の遊技の流れは、通常遊技状態において左打ちした場合と同様であるため説明を省略し、以下、通常遊技状態と相違する点のみを説明する。
第1有利状態及び第2有利状態では、特図ゲームにおいて「第1,3,4,5大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行し、「第2大当り」の当選に基づき移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行する(図11(b)参照)。
また、第1特図ゲームにおける「大当り」の当選確率は1/200であり、そのうち「第1,3,4,5大当り」に当選する割合は2/3、「第2大当り」に当選する割合は1/3である。従って、大当り遊技状態の終了後は100%の割合で有利状態に移行するとともに、その打ち分けは第2有利状態に移行する割合が約66.7%、第1有利状態に移行する割合が約33.3%である。
つまり、有利状態での大当りを契機とした大当り遊技状態の終了後は、通常遊技状態での大当りを契機とした大当り遊技状態の終了後(約33.3%)よりも高い割合(約66.7%)で第1有利状態よりも有利な第2有利状態に移行する。
尚、第1有利状態は、大当り遊技状態になることまたは大当り遊技状態の終了後から第2特図ゲームの変動数が2回に到達することで終了し、第2有利状態は、大当り遊技状態になることまたは大当り遊技状態の終了後から第2特図ゲームの変動数が10回に到達することで終了する。
<第1有利状態、第2有利状態(右打ち)>
第1有利状態または第2有利状態において右打ちした場合の遊技の流れは、通常遊技状態において右打ちした場合と同様であるため説明を省略し、以下、通常遊技状態と相違する点のみを説明する。
有利状態では、普図ゲームにおける「普図当り」「普図はずれ」の当選確率は通常遊技状態と変わらないが(図17参照)、普通図柄の変動時間は、「普図当り」または「普図はずれ」のいずれが当選した場合も1秒となり(図18参照)、また、「普図当り」の当選に基づく拡大開放状態に維持される期間は2秒となる(図19参照)。
すなわち、通常遊技状態に比べて、普通図柄の変動時間が30秒から1秒に短縮されることで、所定期間内において普図ゲームを実行する機会、つまり普通可変入賞球装置6Bが開放する機会が増加するとともに、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる期間が0.1秒から2秒に延長されるため、特図ゲームの抽選を受ける機会が増加する。
尚、普通図柄の変動時間の短縮及び普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となる期間の延長が行われる有利状態は、第1有利状態では、大当り遊技状態が発生することまたは大当り終了後から第2特図ゲームが2回行われることのうちいずれかが成立すること、第2有利状態では、大当り遊技状態が発生することまたは大当り終了後から第2特図ゲームが10回行われることのうちいずれかが成立すること、により終了するようになっている。
また、第2特図ゲームにおいて「第1,3小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第2有利状態に移行し、特図ゲームにおいて「第2,4小当り」の当選に基づき移行した小当り遊技状態を契機に移行した大当り遊技状態の終了後は第1有利状態に移行する(図11(d)参照)。
ここで、第2特図ゲームにおける「第6大当り」の当選確率は1/200であり、そのうち「第1,3小当り」に当選する割合は1/2、「第2,4小当り」に当選する割合は1/2である。従って、大当り遊技状態の終了後は100%の割合で有利状態に移行するとともに、その打ち分けは第2有利状態に移行する割合が約50%、第1有利状態に移行する割合が約50%である。
しかし、大当り終了後に第2有利状態となる「第1,3小当り」は、可変入賞装置40内に進入した遊技球が特定領域スイッチ24にて検出される確率(役物確率)が高い(20%、90%)小当り制御パターンKP1,KP3が選択される。一方、大当り終了後に第1有利状態となる「第2,4小当り」は、可変入賞装置40内に進入した遊技球が特定領域スイッチ24にて検出される確率が低い(5%、50%)小当り制御パターンKP2,KP4が選択される。
つまり、各小当りにて大当りが発生する確率は、各小当りの当選確率に該小当りに対応する小当り制御パターンのV入賞率を乗算した値となるとともに、第1有利状態と第2有利状態とはそれぞれ有利期間が異なることで、各小当り及び大当りの発生確率は第1有利状態と第2有利状態とで異なる。
前述したように、第1有利状態では、第1小当りを契機に大当りが発生する確率は約16%、第2小当りを契機に大当りが発生する確率は約3.6%、第3小当りを契機に大当りが発生する確率は約18%、第4小当りを契機に大当りが発生する確率は約13.3%であるのに対し、第2有利状態では、第1小当りを契機に大当りが発生する確率は約80%、第2小当りを契機に大当りが発生する確率は約18.3%、第3小当りを契機に大当りが発生する確率は約90%、第4小当りを契機に大当りが発生する確率は約66.6%である。
よって、第2特図ゲームが2回の第1有利状態において第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる平均確率は約12.7%であるのに対し、第2特図ゲームが10回の第2有利状態において第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる平均確率は約63.7%であるため、第2有利状態では、第1有利状態において第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる割合(約12.7%)よりも高い割合(約63.7%)で第1〜4小当りを契機に大当り遊技状態となる。
つまり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御された場合は、該第2有利状態において第1,3小当りを契機に大当りとなる割合が高まるため、その大当り遊技状態の終了後も連続して第2有利状態となることを期待できる。
尚、本実施例では、第1有利状態における2回目の第2特図ゲームが終了したときまたは第2有利状態における10回目の第2特図ゲームが終了したときに、第2保留記憶数が最大で4個記憶されていることがあるため、第1有利状態または第2有利状態が終了した後においても、その時点で第2保留記憶数に保留記憶がある場合は該保留記憶にもとづく第2特図ゲームが実施されるため、第1有利状態に制御された場合には最大で6回、第2有利状態に制御された場合には最大で14回のチャンスがある。
すなわち、第1有利状態において大当りとなることなく2回目の第2特図ゲームが終了した時点または第2有利状態において大当りとなることなく10回目の第2特図ゲームが終了した時点で有利状態は終了するが、この時点で第2保留記憶数が1以上ある場合、該第2保留記憶数分の第2特図ゲームが有利状態の終了後に実施される。但し有利状態は終了して通常遊技状態に移行するため、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態となる可能性は低くなるとともに、1の保留記憶にもとづく第2特図ゲームの実施期間中に新たに保留記憶数が増加することは殆どない。
以上説明したように、通常遊技状態では、左打ち遊技を行う場合でも、右打ち遊技を行う場合でも、大当りに当選する割合(1/200)は同じであるが、普通図柄の変動時間は30秒であり、しかも普図当りに当選しても開放時間が0.1秒であるので遊技球は殆ど第2始動入賞口に誘導されない。つまり、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの実行頻度に比べて極めて低い。
このように通常遊技状態においては、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特図ゲームの実行頻度に比べて極めて低いため、右打ち遊技を行うよりも左打ち遊技を行う方が遊技者にとって有利となる。
一方、第1有利状態または第2有利状態においては、左打ち遊技を行う場合でも、右打ち遊技を行う場合でも、大当りに当選する割合(1/200)は同じであるが、普通図柄の変動時間が30秒から1秒に短縮されることで、普図ゲームの抽選が実行される機会が増大するばかりか、普図当りの当選確率は通常遊技状態と同一であるものの、普図当りに当選した場合の拡大開放時間が0.1秒から2秒に延長(開放延長)されるので、通常遊技状態よりも遊技球が第2始動入賞口に誘導されやすくなるとともに、普通入賞球装置6Aは、普通可変入賞球装置6Bのように第1始動入賞口に向けて遊技球を誘導する可動翼片を有していないため、拡大開放状態となった普通可変入賞球装置6Bは、普通入賞球装置6Aよりも遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなるため、第2特図ゲームが実行される機会が高まる。
このように第1有利状態及び第2有利状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、可動翼片が拡大開放状態となる時間が延長されることにより、一定期間において遊技球が第2始動入賞口に進入する割合が高くなることで、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が第1特図ゲームの実行頻度よりも高くなるだけでなく、小当り遊技状態において可変入賞装置40で大当りとなる確率が第1特図ゲームで大当りとなる確率よりも高いので、左打ち遊技を行うよりも右打ち遊技を行う方が遊技者にとって有利となる。
ここで、通常遊技状態と有利状態(第1有利状態、第2有利状態)とを比較すると、有利状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、可動翼片が拡大開放状態となる時間が延長されることにより、一定期間において遊技球が第2始動入賞口に進入する割合が高くなることで、通常遊技状態よりも第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの実行頻度が高まり、大当り遊技状態に移行する機会が増大するばかりか、大当り遊技状態でのラウンド数が全て15ラウンドとなり、大当り遊技状態において遊技者が獲得可能な遊技球数が多くなる。
このように本実施例では、通常遊技状態において大当りが発生した場合、該大当りの種別に応じて、該大当り遊技状態の終了後において2/3の割合で第1有利状態へ、1/3の割合で第2有利状態に移行する。つまり大当り遊技状態の終了後は通常遊技状態には移行せずに第1有利状態または第2有利状態のいずれかに移行する。
そして、この第1有利状態で大当りにならなければ通常遊技状態に移行することになるが、第1有利状態における2回の第2特図ゲームで大当りになった場合には、該大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に移行するよりも高い割合で第2有利状態に移行する。また、第2有利状態に移行した場合は、10回の第2特図ゲームで大当りにならなければ通常遊技状態に移行することになるが、10回の第2特図ゲームで大当りになった場合には、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に移行するよりも高い割合で第2有利状態に移行するため、第2有利状態の継続率が維持されやすくなる。また、第2有利状態において第2,4小当りを契機とした大当り遊技状態に移行した場合には、該大当り遊技状態の終了後に直接通常遊技状態に移行するのではなく、第1有利状態に移行するため、再度2回の第2特図ゲームを実行する機会が与えられる。
よって、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態に制御された場合には、通常遊技状態に制御される場合に比べて、次回の大当り遊技状態の終了後に再び第1有利状態及び第2有利状態のうち制御期間が長い第2有利状態に制御されやすくなるばかりか、遊技球が第2始動入賞口へ進入しやすくなるため、大当り遊技状態に制御されやすくなる。つまり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御されることにより、次回の大当り遊技状態が発生することだけでなく、該次回の大当り遊技状態の終了後も連続して大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、通常遊技状態における第1特図ゲーム(または第2特図ゲーム)で第1〜5大当りに当選した場合、当選した大当りの種別に応じて、当該大当り遊技状態の終了後に、有利状態に制御する期間が異なる第1有利状態または第2有利状態のうちいずれに制御するかを決定するとともに、第1有利状態または第2有利状態における各第2特図ゲーム(または第1特図ゲーム)で第6大当りまたは第1〜4小当りに当選した場合、当該大当りまたは小当りの種別に応じて、V入賞確率が異なる小当り制御パターンKP1〜4のいずれに制御するかを小当り種別判定テーブル131cにもとづいて決定する。すなわち、第1有利状態または第2有利状態で発生する各小当り遊技状態においていずれの小当り制御パターンKP1〜4が決定されるか、つまり、有利状態に制御する期間と、各小当り遊技状態にて選択される始動動作及び/または可動動作パターンの種別とによって、第1有利状態または第2有利状態において、大当り遊技状態に制御することなく、所定の割合で終了させることが可能となるため、第1有利状態または第2有利状態に過度に連続して制御されることが防止されるとともに、所定の割合で終了する場合でも有利期間と小当り制御パターンとの組み合せが異なることがあり、これにより第1有利状態または第2有利状態が連続するか終了するかを遊技者が予測しにくくなるため、有利状態が連続することに対する期待感を持続させることができる。
また、従来のように、大当り遊技状態の終了後に有利状態に制御するか否かを抽選等により決定する場合には、大当り遊技状態の終了後は有利状態とならないことがあり、有利状態とならなかった場合には大当りに対する期待感を維持できないのに対し、本実施例では、有利状態において発生した大当り遊技状態の終了後必ず有利状態に制御されることで、大当り遊技状態の終了後に再度大当りとなる機会が与えられるので、大当り遊技状態の終了後も遊技者の期待感を持続させることができる。
尚、本実施例では、第1有利状態及び第2有利状態は、第2特図ゲームの実行回数が所定の上限値(第1有利状態は2回、第2有利状態は10回)に達することで終了するようになっていたが、これら上限回数は任意に変更可能である。また、このような有利状態の終了条件は、第2特図ゲームの実行回数が所定の上限値に達することに限定されるものではなく、例えば第1特図ゲームの実行回数が所定の上限値に達すること、または第1特図ゲーム及び第2特図ゲームの合計実行回数が所定の上限値に達することとしてもよい。
また、有利状態の終了条件は、このように特図ゲームの実行回数が所定の上限値に達することに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態が終了してから所定時間が経過したこと、あるいは小当り遊技において遊技球が可変入賞装置40に進入した合計球数が所定値に達すること等としてもよい。
また、本実施例では、制御期間が異なる複数種類(2種類)の有利状態(第1有利状態または第2有利状態)のうちからいずれの有利状態に制御するかを選択することにより有利状態に制御する期間が決定されていたが、制御期間が異なる2種類以上の有利状態に移行可能としてもよい。あるいは、このように有利状態の種別を決定するのではなく、有利期間のみを抽選等により決定するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1〜4小当りに対して小当り制御パターンKP1〜4が1対1で対応していたが、例えば小当り種別が決定されたときに該決定された小当りの種別に対応する小当り制御パターンを複数種類のうちからいずれかに決定するようにしてもよく、このようにすることで、小当り種別と小当り制御パターンの種別とが小当り遊技状態ごとに変わるため、各小当り遊技において、V入賞確率が高い小当り制御パターンが選択されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
さらにこの場合、例えば第2有利状態においては、第1有利状態よりも高い割合でV入賞確率が高い小当り制御パターンが選択されるようにしてもよく、このようにすることで、第2有利状態において大当り遊技状態に移行する割合を効果的に高めることができる。
また、本実施例では、制御期間が第1有利状態よりも長い第2有利状態の方が第2特図ゲームで小当りの当選を契機に大当りとなるとなる機会が多いため、遊技者にとって有利であるが、例えば第1有利状態においては、第2有利状態よりも高い割合でV入賞確率が高い小当り制御パターンが選択されるようにすることで、第1有利状態の制御期間が第2有利状態よりも短くても、大当りとなる割合を高めることができる。
また、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態のいずれかに制御される場合、例えば図68(a)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120は、右打ち遊技が有利である旨を示す報知演出を実行するようになっていたが、第1有利状態または第2有利状態において大当り遊技状態に移行することなく、該有利状態が終了して通常遊技状態に移行する場合、左打ち遊技が有利である旨を示す報知演出を実行するようにしてもよい。
尚、この場合において、例えば第1有利状態または第2有利状態の終了条件が成立して通常遊技状態に移行する際において、第2保留記憶バッファに1以上の第2保留記憶数が記憶されているときは、第2保留記憶数分の第2特図ゲーム(最大で4回)が実行されて小当り遊技状態となるため、遊技制御用マイクロコンピュータ100が第1有利状態または第2有利状態の終了後において保留記憶にもとづく第2特図ゲームを実行する場合、つまり演出制御用マイクロコンピュータ120が第2保留記憶数が未だあると判定した場合には、右打ち遊技が有利である旨を示す報知演出を実行するようにすることが好ましい。そしてこのようにすることで、有利状態が終了しても第2保留記憶数にもとづく第2特図ゲームが実行されることを遊技者が確実に認識できるため、小当り遊技状態が実施されているにも関わらず左打ち遊技を行ってしまい、大当りの機会を逃してしまうことを防止できる。
また、このように有利状態の終了後に第2保留記憶数にもとづく第2特図ゲームが実行される場合にその旨を報知する演出を実行する場合、有利状態の最後の第2特図ゲームが終了するときに該有利状態が終了した旨を示す報知演出を実行し、その後第2特図ゲームが開始された時点で未だ第2特図ゲームが実行される旨を示す復活演出を実行可能とすることで、有利状態が終了しても第2特図ゲームが実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、本実施例では、小当り制御パターンKP1〜4は、小当り結果となる第2特別図柄が導出表示(変動停止)されてから、模型用ソレノイド52の駆動を開始するまでの時間は1.5秒と同一(一定)であるが、第2特別図柄の変動表示の開始から第1大入賞口扉32が開放動作を開始するまでの時間は、第2特別図柄の変動パターンとして特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンが選択されることで複数の期間が存在している。すなわち、第2特別図柄が導出表示(変動停止)されてから、足模型51が第1状態(上方向に保持される姿勢)となるタイミングは一定でも、選択された第2特別図柄の変動パターン(変動時間)によって、第2特別図柄の変動表示の開始から第1大入賞口扉32が開放動作を開始するまでの時間が変化することで、いずれの小当り制御パターンKP1〜4が選択されたのかを判別しにくくなり、可変入賞装置40に遊技球が進入するか、あるいは進入した遊技球が通過するタイミングで足模型51が第1状態となるか否かを予測しにくくなるので、小当たり遊技状態における遊技者の期待感を持続させることができる。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第2特別図柄表示装置4Bの可変表示が開始されてから可変入賞装置40を開放状態とする始動動作を開始するまでの開放待機期間を複数種類のうちからいずれかに決定する(変動パターンとして特殊PG1〜特殊PG3のいずれかの変動パターンを選択する)とともに、小当り種別に対応する小当り制御パターンにもとづいて、第2特別図柄表示装置4Bに特別図柄が停止表示されてから予め定められた一定の可動待機期間(1.5秒)が経過したときに足模型51の駆動を開始させる制御及び第2特別図柄表示装置4Bの可変表示が開始されてから開放待機期間が経過したときに第1大入賞口扉32を開放させる始動動作を開始させる制御を行うことで、小当り遊技状態における第1大入賞口扉32の始動動作及び足模型51による可動動作に変化をもたせることができる。
また、足模型51が第1状態となるタイミング(模型用ソレノイド52;オフ)と第1大入賞口扉32が開放動作を開始するタイミング(大入賞口扉用ソレノイド53;オン)とをそれぞれ異ならせることができることで、遊技者が足模型51が第1状態となるタイミングや第1大入賞口扉32が開放動作を開始するタイミングを見計らって遊技球を打ち出すこと等が困難となるため、遊技者の技術介入により大当りを連続して発生させて想定数以上の賞球を故意に狙われることを防止できる。
また、小当り制御パターンKP1〜4は、第2特別図柄が導出表示(変動停止)されてから一定期間(0.5秒)が経過した時点で第1大入賞口扉32が開放動作を開始するようになっていたが、パターン毎に異なるようにしてもよい。
また、小当り制御パターンKP1〜4は、第1大入賞口扉32が開放動作を開始してから一定期間(1秒)が経過した時点で足模型51の駆動が開始されるようになっていたが、パターン毎に異なるようにしてもよい。
また、小当り制御パターンKP1〜4は、第1大入賞口扉32が開放動作を開始してから一定期間(1秒)が経過した時点で足模型51の駆動が開始されて第2状態となるようになっていたが、第1大入賞口扉32が開放動作を開始してから所定時間が経過した時点で第1状態となるようにしてもよいし、あるいは、所定持間(例えば1秒間)のうちに第1状態と第2状態とに交互に可動するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1特図ゲームにて停止表示された大当り図柄に対応する大当りの種別に応じて、当該大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御するか、第2有利状態に制御するかを決定するため、第1特図ゲームの表示結果が大当り表示結果となることだけでなく、大当り遊技状態の終了後の有利期間がより有利となる種類の表示結果、つまり第2有利状態に移行する大当り表示結果となることを期待するため、第2特図ゲームによる遊技の結果に対する期待感が向上する。
尚、本実施例では、第1特図ゲームで当選した大当りの種別に応じて、当該大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定していたが、例えば大当り遊技状態中に抽選を実行すること等により第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定してもよい。
また、本実施例では、第2特図ゲームにて停止表示された小当り図柄に対応する小当たりの種別に応じて、当該小当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御するか第2有利状態に制御するかを決定するため、第2特図ゲームによる遊技の結果が小当り遊技結果となることだけでなく、大当り遊技状態の終了後の有利期間がより有利となる種類の小当り表示結果となることを期待するため、第2特図ゲームによる遊技の結果に対する期待感が向上する。
尚、本実施例では、第2特図ゲームで当選した小当りの種別に応じて、当該小当りを契機とする大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定していたが、例えば大当り遊技状態中や小当り遊技状態中に抽選を実行すること等により第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御するかを決定してもよい。
また、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御されるかを、大当りまたは小当りの種別に応じて当該大当り遊技状態において報知される(図68(a)参照)ため、大当り遊技状態における興趣が向上する。
尚、本実施例では、大当り遊技状態の終了時に第1有利状態または第2有利状態のいずれに制御されるかを報知していたが、大当り遊技状態中であれば、例えば大当り遊技状態の開始時や、ラウンド中またはラウンドインターバル中に報知してもよい。
また、本実施例では、第2特図ゲームが開始されたときに決定される小当り種別に対応する小当り制御パターンの開放待機期間にもとづいて、遊技球がV入賞領域に進入する割合を予測してV領域に進入する可能性を示唆する示唆演出を実行するため、遊技球がV入賞領域に進入することに対する期待感を向上させることができる。
尚、本実施例では、遊技球がV入賞領域に進入する割合を示す%表示を実施することで、遊技球がV領域に進入する可能性を示唆していたが、%表示に限定されるものではなく、例えば表示する文字や背景の色、表示するキャラクタの種別等によって可能性を示唆するようにしてもよい。
また、有利状態中及び大当り遊技状態中においては、第1保留記憶表示部18における保留予告演出を行わないようにすることによって、遊技者の技術介入により大当り遊技状態を連続して発生させて想定数以上の賞球を故意に狙われることを防止することができる。
また、本実施例では、可変入賞装置40内に設けられる可動部の一例である足模型51は、上部球経路34を流下した遊技球に接触せずに100%の割合で特定領域49に進入させる下部ステージ35に誘導する第1状態(上方向に保持された姿勢)と、上部球経路34を流下した遊技球に接触して100%の割合で通常領域50へ進入させる下部球経路36に誘導する第2状態(下方向に保持された姿勢)と、に変化可能に設けられていたが、上部球経路34を流下した遊技球を、通常領域50に誘導するよりも高い割合で特定領域49に誘導する第1状態と、特定領域49に誘導するよりも高い割合で通常領域50に誘導する第2状態と、に変化可能に設けられていれば、第1状態において100%の割合で特定領域49に誘導しなくてもよいし、第2状態において、100%の割合で通常領域50に誘導しなくてもよい。
また、足模型51は、第1状態において上部球経路34を流下した遊技球に接触しないようになっていたが、特定領域49に進入させる下部ステージ35に誘導可能であれば接触するようにしてもよい。
尚、本実施例では、可変入賞装置40は、内部に進入した遊技球の流路に変化を与える可動部として足模型51のみが設けられていたが、特に図示はしないが、例えば上部球経路34により誘導された遊技球を特定領域49に進入させる第1の状態と、通常領域50に進入させる第2の状態と、に一定の周期で可動する可動体(例えばV穴とはずれ穴を備える回転体等)を設け、そしてこれら各小当り制御パターンの開放待機期間を、前記回転体の周期の範囲内の異なる開放待機期間に設定してもよい。
このようにすることで、可動体が第1の状態となるときに可変入賞装置40に進入した遊技球が特定領域49に到達する第1大入賞口扉32の開放タイミングを、可動体の可動位置(例えばV穴がどのような位置にあるか等)を目安に予測する、言い換えると、遊技球を可変入賞装置40内に進入させるタイミングでのV穴の位置を特定することはできても、第2特図ゲームの変動が開始されてから第1大入賞口扉32が開放するまでの開放待機期間が可動体の可動周期よりも短い期間に決定されることで、第1大入賞口扉32の開放タイミングに合わせて遊技球を打ち出すタイミングを開放待機期間において可動体の可動位置を目安に予測することが困難となるため、可動体の可動周期に合わせて遊技球を打ち出して可変入賞装置40に進入させるといった技術介入により、想定数以上の賞球を故意に狙われて射幸性が高くなりすぎる事態が生じることを防止できる。
また、足模型51のような可動部は、上記実施例のように上部球経路34を流下した遊技球に接触することで該遊技球の流路を下部ステージ35または下部球経路36のいずれかに振分ける、つまり流路を変更可能とするものに限定されるものではなく、上記のように回転体に誘導するタイミングを変化させる、つまり流下させるタイミング(流下速度等)を変更可能とするものであってもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定して変動パターンを決定する。この場合、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数にかかわらず、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチ以外の変動パターン(ノーマルリーチや非リーチ)を含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。そのため、合算保留記憶数が多くなるに従って可変表示時間の短い変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割合が多くなるように割り当てを行うことによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
図74は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合には、図13(b)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、合算保留記憶数が0〜2(3以下)である場合には、図13(a)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる(ステップS96〜S98参照)。図74に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合には、合算保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少ない。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、図13(b)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2が選択されうるので、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、この実施例では、図74に示すように、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、スーパーリーチとなるか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振分けを異ならせる場合を示したが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振分けの異ならせ方は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に振分けを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターン種別や短縮変動の変動パターン種別の振分けをさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。また、このような例にかぎらず、あらかじめ用意しておくはずれ用変動パターン種別判定テーブルの組み合せは、様々なものが考えられる。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、全く共通の判定値(230〜251)が割り当てられている場合を示したが、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値を包含しているものであってもよい。図75は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態の他の例を示す説明図である。
図75に示す変形例では、合算保留記憶数3以上の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜251が割り当てられているのに対して、合算保留記憶数0〜2の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
具体的には、図75に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値0〜199のうち、判定値100〜199の範囲については、合算保留記憶数が0〜2である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲0〜99には含まれていない。これに対して、合算保留記憶数が3以上である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲230〜251は、合算保留記憶数が0〜2である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲200〜251にすべて含まれている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。
なお、図75に示す変形例では、合算保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、合算保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜229が割り当てられ、ノーマルリーチを伴う変動パターンに対して判定値が割り当てられている範囲が重複していないが、合算保留記憶数0〜2の場合と3以上の場合とで、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して割り当てられている判定値の範囲が重複するようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、合算保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値180〜229が割り当てられるように構成してもよい。なお、このように構成した場合であっても、合算保留記憶数が3以上である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値180〜229のうちの一部の判定値180〜199の範囲のみが、合算保留記憶数が0〜2である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲100〜199に含まれていることになる。
また、この実施例では、スーパーリーチを伴う変動パターンを一括りの変動パターン種別としてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを構成する場合を示したが、スーパーリーチの種類ごと(例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチB)に変動パターン種別を分けてもよい。図76は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態のさらに他の例を示す説明図である。
図76に示す変形例では、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチAを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜237が割り当てられているとともに、スーパーリーチBを伴う変動パターン種別に対して判定値237〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを図76に示すように構成する場合であっても、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの判定値の振分けはテーブルごとに異なるようにしてもよく、図75に示した変形例と同様に、例えば、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値を包含しているものであってもよい。また、テーブル間でスーパーリーチAとスーパーリーチBに対する判定値の振分けが一部重複するように構成してもよい。このことは、この実施例およびこの実施例で示す各変形例のいずれにおいても、同様に当てはめて考えることができる。
また、この実施例によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む。そのため、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う可変表示が行われることによって、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施例によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定するときには、合算保留記憶数が少ない場合には、合算保留記憶数が多い場合と比較して、擬似連の再変動の実行回数が多い変動パターンを決定する。そのため、合算保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う可変表示が頻繁に行われる事態を防止することができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
図77は、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、判定値が215〜229の範囲であることにもとづいて、ノーマルCA2−6の変動パターン種別が選択される(図13(b)参照)。そして、図77に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴うノーマルPB2−1の変動パターンが選択される(図15、図9参照)。一方、合算保留記憶数が0〜2である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、判定値が170〜229の範囲であることにもとづいて、ノーマルCA2−5の変動パターン種別が選択される(図13(a)参照)。そして、図77に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴うノーマルPB2−2の変動パターンが選択される(図15、図9参照)。
図77に示すように、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う可変表示が行われる場合があるので、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、図77に示すように、擬似連を伴う可変表示が行われる場合には、合算保留記憶数が0〜2と少ないときには、再変動3回の擬似連を伴う可変表示が実行され、合算保留記憶数が3以上と多い場合には、再変動回数が2回と少ない擬似連を伴う可変表示が実行される。そのようにすることによって、合算保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う可変表示が頻繁に行われる事態を防止することができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
なお、この実施例では、判定値230〜251の範囲に割り当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の可変表示パターンとして、擬似連を伴う変動パターンと擬似連を伴わない変動パターンとが含まれているのであるが(図9および図15のスーパーCA2−7参照)、判定値230〜251の範囲に割り当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別は、スーパーリーチを伴うのみで擬似連を伴わない変動パターンが含まれるものであってもよい。さらに、スーパーリーチとともに擬似連を伴う変動パターンが用いられる場合であっても、判定値230〜251の範囲には、特定の可変表示パターンとして、スーパーリーチを伴うのみで擬似連を伴わない変動パターンのみを含む変動パターン種別が割り当てられるようにし、スーパーリーチとともに擬似連も伴う変動パターンを含む変動パターン種別や、ノーマルリーチで擬似連を伴う変動パターン種別や、非リーチで擬似連を伴う変動パターン種別については、判定値230〜251以外の範囲に、特定の可変表示パターン以外の可変表示パターンを含む変動パターン種別として割り当てられるようにしてもよい。
また、この実施例によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数以上(この実施例では3回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。尚、これらスーパーリーチを伴う変動パターンとして、再変動の実行回数を4回としても良い。この場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数未満(この実施例では2回または3回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能であるため、再変動回数が所定回数(例えば4回)以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図78は、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この場合においては、スーパーリーチを伴うスーパーCA2−7の変動パターンにおけるスーパーPA3−1〜スーパーPA3−2における再変動回数を上述したように4回の擬似連とする。そして、合算保留記憶数にかかわらず、判定値が230〜251の範囲であることにもとづいて、スーパーリーチを伴うスーパーCA2−7の変動パターン種別が選択される(図10参照)。そして、図78に示すように、再変動回数4回の擬似連を伴う変動パターンであるスーパーPA3−1〜スーパーPA3−2が選択されることがある(図15、図9参照)。一方、合算保留記憶数が3以上である場合には、判定値が215〜229の範囲であることにもとづいて、スーパーリーチとならないノーマルCA2−6の変動パターン種別が選択される(図13(b)参照)。そして、図78に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴う変動パターンであるノーマルPB2−1が選択されることがある(図15、図9参照)。また、合算保留記憶数が0〜2である場合には、判定値が170〜229の範囲であることにもとづいて、スーパーリーチとならないノーマルCA2−5の変動パターン種別が選択される(図13(a)参照)。そして、図78に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴う変動パターンであるノーマルPB2−2が選択されることがある(図15、図9参照)。
図78に示すように、再変動回数が4回以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ遊技機などの遊技機に適用可能であり、特に、可変表示装置における識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機に好適に適用される。