JP2013022276A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 普電サポート状態を有する遊技機において、遊技が単調にならないようにする。
【解決手段】 始動入賞部への遊技球の入賞で当り判定用の乱数値を取得し、当り判定値と比較判定することで特別遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて特別遊技状態を発生可能な遊技機において、始動入賞部は開閉型始動入賞部を含み、制御手段は、記始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定することが可能な保留記憶データを所定の上限値まで記憶し、保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに可変表示部にて変動表示ゲームを実行し、開閉型始動入賞部が開放する可能性の高い特殊遊技状態を発生可能であり始動入賞部に遊技球が入賞した際に特殊遊技判定用乱数値を取得し、取得した特殊遊技判定用乱数値と所定の特殊遊技用当り判定値とを比較判定することで抽選を行い、該抽選結果に基づいて特殊遊技状態を発生するようにした。
【選択図】 図29

Description

本発明は、遊技領域に設けられた始動入賞部への遊技球の入賞タイミングで当り判定用の乱数値を取得し、取得した当り判定用乱数値と所定の当り判定値とを比較判定することで、遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機には、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(所定の契機)に基づいて、表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)が変動する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲーム結果に応じて多くの賞球を払い出す特別遊技状態(大当り状態)を発生することで、遊技者が多くの利益を獲得できるようにするものがある。
さらに、かかる遊技機において、所定の契機の累積結果が所定の条件(天井回数)を満たすことに基づいて、特別遊技状態の発生に関連する遊技状態を、少なくとも一時的に遊技者にとって有利な状態に変更する制御を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2000−5391号公報
特許文献1で提案されている遊技機の発明は、遊技者にとって有利な状態として、所定期間(5回の図柄変動の間)だけ大当たり状態の発生の確率が高くなるチャンスタイムを実行するというものであり、その期間以外の遊技中は、遊技内容が単調であり興趣が低いとともに充分に遊技者の期待感を高めることができないという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、遊技の興趣を向上させるとともに遊技者の期待感を充分に高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域に設けられた始動入賞部への遊技球の入賞タイミングで当り判定用の乱数値を取得し、取得した当該当り判定用乱数値と所定の当り判定値とを比較判定することで、遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて前記特別遊技状態を発生可能な制御手段と、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを実行可能な可変表示部と、を備える遊技機において、
前記始動入賞部は、
遊技球の入賞しやすい開放状態と遊技球の入賞しにくい若しくは入賞しない状態とに変化可能な開閉型始動入賞部を含み、
前記制御手段は、
前記始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定することが可能な保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に前記保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、前記可変表示部にて変動表示ゲームを実行する可変表示実行手段と、
前記開閉型始動入賞部が開放状態になり易い特殊遊技状態を発生可能であり、前記始動入賞部に遊技球が入賞した際に特殊遊技判定用乱数値を取得し、取得した当該特殊遊技判定用乱数値と所定の特殊遊技用当り判定値とを比較判定することで、特殊遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて前記特殊遊技状態を発生可能な特殊遊技状態制御手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、「開閉型始動入賞部」は実施形態における普通変動入賞装置(普電)を含む概念であり、「特殊遊技状態」とは、開閉型始動入賞部が開放される確率が高くなるように制御されたり、開閉型始動入賞部が開放している時間もしくは単位時間当りの開放回数が実質的に多くなるように制御される状態(いわゆる電サポ状態)などを意味する。
請求項1に記載の発明によれば、開閉型始動入賞部に遊技球が入賞し易い特殊遊技状態の発生が、遊技中いつも期待できるようになるため、遊技の興趣を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記制御手段は、
前記始動入賞部に遊技球が入賞した際に取得した前記特殊遊技判定用乱数値と所定の判定値とを、変動表示ゲームの開始前に比較判定することで特殊遊技状態が発生するか否かを前もって判定する先読み判定手段と、
前記先読み判定手段が、特殊遊技状態が発生すると判定した場合に、対応する変動表示ゲームが開始される前に先読み予告を行う予告実行手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、特殊遊技状態が発生するか否かを前もって判定する先読み判定手段と判定結果に基づく予告実行手段とを備えるため、通常の遊技状態においても特殊遊技状態の発生予告により遊技の進行に対する期待感を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記特殊遊技状態制御手段は、
前記特殊遊技状態の発生確率を複数種類設定可能であり、前記変動表示ゲームの実行回数に応じて前記発生確率を変更し、
前記先読み判定手段は、
前記特殊遊技状態の発生確率が最も低い場合の判定値により特殊遊技状態の先読み判定を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、先読み判定手段は、特殊遊技状態の発生確率が最も低い場合の判定値により特殊遊技状態が発生するか否かの先読み判定を行うので、変動表示ゲームの実行回数が特殊遊技状態の発生確率の切り替わる回数を跨って先読み判定手段が先読み判定をした場合でも、先読み予告と実際の変動表示ゲームの結果とに矛盾が生じるのを回避することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の遊技機において、
普図変動表示ゲームを実行する普図表示装置と、前記普図変動表示ゲームを開始させるための普図始動ゲート部と、をさらに備え、
前記始動入賞部は、第1始動入賞部と、前記開閉型始動入賞部である第2始動入賞部とを含み、
前記保留記憶手段は、
前記第1始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定可能な第1保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する第1保留記憶手段と、
前記第2始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定可能な第2保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する第2保留記憶手段と、
を備え、
前記可変表示部は、
前記第1保留記憶手段に前記第1保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示部と、
前記第2保留記憶手段に前記第2保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示部と、
を備え、
前記可変表示実行手段は、
前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段に保留記憶データがある場合に、前記第2保留記憶手段に記憶された第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームを、前記第1保留記憶手段に記憶された第1保留記憶データに基づく変動表示ゲームに優先して実行する優先実行手段を備え、
前記制御手段は、
前記普図始動ゲート部への遊技球の通過により前記普図表示装置で変動表示を行い、表示結果に関連して、前記開閉型始動入賞部を開放状態に制御する普図変動表示実行手段を備え、
前記先読み判定手段は、
前記普図表示装置または開閉型始動入賞部が動作しているときは特殊遊技状態の先読み判定を行わないことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、先読み判定手段は普図表示装置または開閉型始動入賞部が動作しているときは特殊遊技状態の先読み判定を行わないので、第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームを第1保留記憶データに基づく変動表示ゲームに優先して実行する場合に、先読み予告と実際の変動表示ゲームの進行や結果に矛盾が生じるのを回避することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記普図変動表示実行手段は、
前記普図始動ゲート部に遊技球が入賞した際に普図当り判定用乱数値を取得し、取得した普図当り判定用乱数値による抽選を行い、
前記保留記憶手段は、
前記普図当り判定用乱数値による抽選結果を特定可能な第3保留記憶データを記憶する第3保留記憶手段を備え、
前記先読み判定手段または前記予告実行手段は、
既に普図当りの記憶があるときは、前記第1保留記憶データに基づく先読み判定または先読み予告は行わないことを特徴とする。
普図始動ゲート部への入賞に基づく抽選により普図当りが発生すると、第2始動入賞部に球が入賞して優先処理される第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームが実行されることが通常よりも多くなるが、請求項5に記載の発明によれば、そのような場合には先読み判定または先読み予告は行わないので、先読み予告と実際の変動表示ゲームの進行や結果に矛盾が生じるのを回避することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の遊技機において、
前記予告実行手段は、
前記特殊遊技状態の発生確率の切り替わる変動表示ゲームの所定回数前から、前記開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないように促す警告表示を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、特殊遊技状態の発生確率の切り替わる変動表示ゲームの所定回数前から開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないように促す警告表示を行うことで、遊技者による打球の発射を抑制させ、優先実行される第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームの開始条件を与える開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないようにすることができ、これによって先読み予告と実際の変動表示ゲームの進行や結果に矛盾が発生しないようにすることができる。
本発明によれば、普電サポート状態のような遊技状態を有する遊技機において、遊技が単調にならないようにして、遊技の興趣を向上させるとともに遊技者の期待感を充分に高めることができるという効果がある。
本発明の遊技用管理装置と、遊技機と、隣接表示装置との接続の様子を示すブロック図である。図1(a)は概略ブロック図であり、図1(b)はより詳細なブロック図である。 遊技機に設けられる遊技盤の構成を示す正面図である。 大当たりの確率を示す表である。図3(a)は、特図1についての大当たりの確率を示し、図3(b)は、特図2についての大当たりの確率を示す。 遊技機から外部出力情報として遊技用管理装置へ送られる遊技情報の種類を示す表である。 遊技用管理装置において管理する各遊技機の情報を示す遊技情報テーブルである。1つのテーブルとして管理することもできるが、ここでは便宜上図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)の4つのテーブルに分けて描いてある。 遊技用管理装置が、収集する各遊技機からの遊技情報に基づいてMSの発生を検出する処理、すなわちMS発生検出処理を示すフローチャートである。 通常状態から始まり、小当たりなどの状態に遷移する場合であって、MS発生としない場合の状態遷移図である。 通常状態から始まり、15R大当たりなどの状態に遷移する場合であって、MS発生とする場合の状態遷移図である。 MSの計数をする場合としない場合とを比較するデータ比較説明図である。 MS中払出球計数処理を示すフローチャートである。 隣接表示装置の表示例を示す表示画面のハードコピーであり、(a)は隣接表示装置に対応する遊技機の台の番号等の情報を報知する画面例、(b)はモード中(特殊モード状態)データを視覚的に遊技者に見せて報知する画面例、(c)は遊技者が運のいいことを報知する画面例、(d)は遊技者が運のないことを報知する画面例である。 遊技用管理装置において隣接表示装置への表示コマンドを送信する処理を示すフローチャートである。 本出願の第2発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。 第2発明の実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。 第2発明の実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。 第2発明の実施形態の遊技機の制御システムを構成する演出制御装置の構成例を示すブロック図である。 第2発明の実施形態における特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのそれぞれにおいて発生可能な大当りの種類と割合の設定例を示す説明図である。 実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。 実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。 実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図20のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図21の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図22の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図23の特図始動口スイッチ共通処理中に実行される特図保留情報判定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図21の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図25の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理および特図2変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図26の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される小当りフラグ1,2設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図21の特図ゲーム処理中に実行される図柄変動制御処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図24の特図保留情報判定処理中に実行される電サポ状態判定処理の具体的な手順の一例と、図26の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される電サポ抽選処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 第2発明の実施形態の遊技機の制御システムを構成する演出制御装置によって実行される演出制御のうち1stCPUによる1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。 同じく実施形態の演出制御装置によって実行される割込み制御のうち1stCPUによるコマンド受信割込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。 同じく実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによるメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図32の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第2発明の実施形態の遊技機の制御システムを構成する演出制御装置の2ndCPUによるVプランク割込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第2発明の第2の実施例における電サポ抽選処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 第2発明の第2の実施例における電サポ状態の発生タイミングの例を示すタイミングチャートである。 第2発明の第3の実施例におけるカウンタ計数処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 第2発明の第4の実施例における特図変動回数と発動確率、発動判定値、先読み判定値の具体的な設定例を示す説明図である。 第2発明の第4の実施例における判定値切替え前後の始動入賞と特図1及び特図2の変動のタイミング例を示すタイミングチャートである。 第2発明の実施形態の第1〜第3の変形例における電サポ先読み処理、電サポ先読み抑制処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第2発明の実施形態の第4の変形例における特図2入賞抑制処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第4の変形例を適用した場合に表示装置に表示する内容の具体例を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の遊技用管理装置100と、パチンコ機のような遊技機10と、隣接表示装置80などからなる遊技システムの構成例を示すブロック図である。図1(a)は概略ブロック図であり、図1(b)はより詳細なブロック図である。遊技用管理装置100は、ホールコンピュータと呼ばれるコンピュータであり、通常はワークステーションクラスのスペックを有するコンピュータが使用される。
遊技用管理装置100は、数十台から数百台の遊技機10を集中管理する性能を有しており、遊技用管理装置100と各遊技機10とは、コンピュータネットワーク(LAN)を介して接続される。また、隣接表示装置80と遊技用管理装置100との間もコンピュータネットワークにより接続される。隣接表示装置80は、図1(a)に示すように、遊技機10が列設される場合に遊技機と遊技機との間に設けられるカードサンド(玉貸し機、台間装置)に設けられる表示装置であって、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ、有機EL、CRTなどによって構成され得る。なお、隣接表示装置80を台間装置に設けずに、遊技機の上部の島設備の側に設けることとしてもよい。
上述した「遊技機での遊技に関連して発生する遊技情報」の中には、
売上金額=売上信号受信数(カードサンドからのデータ)×信号比
がある。玉貸し機から出力される売り上げ信号受信数は、便宜上ここでは、隣接表示装置80を介して遊技用管理装置100へと入力される情報であるものとする。この意味において、隣接表示装置と遊技用管理装置とのデータのやり取りは双方向である。すなわち、隣接表示装置から遊技用管理装置へは売上信号が送られ、遊技用管理装置から隣接表示装置へは表示コマンド(表示内容に関するデータと、表示することを命令するコマンド)とが送られる。
一方、遊技機10と遊技用管理装置100との間の通信は、一方向のみである。すなわち、遊技機10から外部へ出力する遊技情報が遊技用管理装置100へ送られて、遊技用管理装置100により収集され、加工され、処理されるが、遊技用管理装置100から何らかのデータが遊技機10へ送られることはない。
図示を省略したが、遊技機10と遊技用管理装置100との間に中継装置を設けることとしてもよい。通常は、島毎に一つの中継装置が設けられる。
図1(b)にパチンコ機(遊技機)10のブロック図を遊技制御装置10aと払出制御装置10bとからなるものとして簡略的に描いてある。遊技制御装置10aは、メイン制御装置とも呼ばれるものであり、外部出力情報の出力はこの遊技制御装置10aからのみなされる。この外部出力情報の出力に関しては、図4を参照しつつ後述する。
遊技機10の内部には、遊技制御装置10aのほかにサブ制御装置がいくつか設けられる。例えば、演出制御装置、払出制御装置10b、発射制御装置である。ここでは、払出制御装置10bから賞球払出に関する情報が遊技制御装置10aに向けて暗号通信により必要なセキュリティ条件を満たして送られているものする。図1(b)の遊技制御装置10aと払出制御装置10bとの間の双方向矢印は、そのことを意味している。すなわち、遊技制御装置10aから払出制御装置10bに向けて、ゲームの進行にしたがって賞球払出を制御するコマンドを送信し、払出制御装置10bから遊技制御装置10aに向けて、実際に払出した賞球数に関する情報(例えば、遊技制御装置から払出指示があった賞球数の払出が完了したことを示す払出完了信号)を送信する。
遊技用管理装置100は、中央処理装置(CPU)101、主記憶装置(メインメモリ、RAM)102、リードオンリメモリ(ROM)103、入力部110、補助記憶装置(ハードディスクドライブ、HD)120、入力装置150、ディスプレイ180、出力部190を有している。遊技用管理装置100は、通常はマザーボードを有するタイプのコンピュータとして設計され、起動時にはCPU101がまずROM103に格納されたBIOSを読み込んで、各入出力機器を管理下においた後、HD120に記憶されたコンピュータプログラムを読み込んで、ホールコンピュータとしての本来の機能を果たすものである。ここで、RAM102は、CPU101の作業領域を提供するワークエリアとして利用される。入力部は、遊技機10からの情報を受け付けて、遊技用管理装置100が処理できるように取り込む回路である。入力装置150は、遊技用管理装置100を操作するパチンコ店従業員が操作に用いる入力装置(キーボードなど)であって、専用の入力装置、たとえば一つ一つの遊技機を即座に指示、指定するためのキーを備える入力装置を含む。ディスプレイ180は、当該遊技用管理装置100の処理内容を表示する表示装置である。出力部190は、隣接表示装置80へ向けて表示コマンドを送信するための信号を扱う回路である。
各遊技機から外部出力情報として収集される遊技情報は、入力部110により処理されて、RAM102により記憶され、CPU101により、加工処理、演算処理などがなされてRAM102上にテーブル(図5参照)が作成されて格納される。そして、このテーブルは、補助記憶装置であるHD120にも格納される。
一方、CPU101は、そのテーブルに格納された遊技情報に基づいて、各遊技機10に対応する隣接表示装置80に表示されるべき内容を編集し、表示コマンドを生成して、出力部190を介して隣接表示装置80へ向けて出力する。
図1(b)で隣接表示装置80から遊技用管理装置100の入力部110へ向けての矢印は、玉貸し機から売上信号が隣接表示装置80を介して遊技用管理装置100へと入力されることを意味している。
本実施形態の遊技機10は前面枠を備え、該前面枠は本体枠(外枠)にヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠の表側に形成された収納部に収納されている。また、前面枠には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラスのような透明部材を保持する透明部材保持枠が取り付けられている。
前面枠の下部には、遊技盤に遊技球を発射する発射装置に遊技球を供給する上皿、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口、上皿が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿及び発射装置の操作部等が設けられている。また、前面枠下部右側には、前面枠を開放したり施錠したりするための錠及び鍵穴が設けられている。
この実施形態の遊技装置にあっては、遊技者が上記操作部を回動操作することによって、発射装置が、上皿から供給される遊技球を遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が上皿近傍に設けられた演出ボタンを操作することによって、表示装置における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿上方の透明部材保持枠の前面には、遊技者が隣接する球貸機(カードサンド)から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン等が設けられている。遊技機10に設けられている球貸ボタンが操作されると、カードユニットは、プリペイドカード又は会員カード等のカードに記憶されている有価価値から貸し出される遊技球分の有価価値を減算して、減算された有価価値の値を遊技機10の残高表示部に表示する。また、遊技機10に設けられている排出ボタンが操作されると、カードユニットは、カード挿入口に挿入されているカードを排出する。
図2は、本発明を適用した一実施形態の遊技機に設けられる遊技盤の構成を示す正面図である。
本実施形態の遊技機10(図1参照)の前面枠の表側に形成された収納部に遊技球が流下する遊技領域を前面に備えた遊技盤30が収納されている。また、前面枠には、遊技盤30の前面を覆う透明なカバーガラスを保持する透明部材保持枠が取り付けられている。
遊技盤30の前面には、図示しない発射装置により発射された遊技球(打球;遊技媒体)を上方へ誘導するガイドレール31で囲まれた遊技領域が形成されており、遊技領域の略中央には、複数の識別情報(識別図柄)を変動表示する特図変動表示ゲームを実行可能な可変表示装置(図示省略)を有するセンターケース41が取り付けられている。この可変表示装置は、例えば、カラー液晶ディスプレイにより構成されるが、有機EL、CRT等のディスプレイにより構成されるものであっても良い。
センターケース41の下方には、可変表示装置における変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の開始条件を与える特図1始動口36が配置され、この特図1始動口36の下方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に変動表示ゲーム(特図2ゲーム)の開始条件を与える特図2始動口37を有する左右に開閉可能な開閉部材を備えた普通変動入賞装置37が配設されている。さらに、普通変動入賞装置37の右上方には普図ゲート34が設けられ、その普図ゲート34の下には、可変表示装置における第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームの結果に応じて前後に開閉して遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な開閉扉を有するアタッカー形式の大入賞口装置(以下、単に大入賞口と称する)38が配設されている。
図2に示す遊技盤にあっては、遊技領域の右側上方には、弾性部材25が設けられており、ガイドレール31に沿って遊技領域の右側上方に達した遊技球は、弾性部材25に当たることによって、勢いを減ぜられ下に落下するようになっている。
また、遊技領域内の前記可変表示装置の左下方には一般入賞口となる多穴入賞ユニット20が設けられている。遊技領域の下部には入賞口に入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴が配設されている。さらに、遊技領域内には、打球方向変換部材としての風車、多数の障害釘などが設けられている。さらに、遊技領域の外側、遊技盤30の右下隅には上記可変表示装置における第1特図変動表示ゲームや第2特図表示ゲームに対応した変動表示ゲームおよび普図ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置は、セグメント型の液晶表示器等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)および第2特図変動表示部(特図2表示器)と、上下2つのLEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)と、同じく上下2つのLEDランプで構成された大当りや時短状態などの発生を報知する遊技状態表示部(図示省略)とを備える。また、図示しないが、一括表示装置には、上下2つのLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部も設けられている。
上記普図ゲート34内には、該普図ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触センサなどからなるゲートスイッチ(ゲートSW)である普図始動SWが設けられており、遊技領域40内に打ち込まれた遊技球が普図ゲート34内を通過すると、普図始動SWにより検出されて普図変動表示部にて普図変動表示ゲームが行われる。また、既に普図変動表示ゲームが行われている状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて記憶される。普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)としての当たりを示すLEDと、普通識別情報としてのはずれを示すLEDとから構成され、二つのLEDを交互に点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、何れか一方のLEDを点灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置の駆動手段としてのソレノイド(普電SOL)によって開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置の特図2始動口37に遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームの所定時間内の実行回数が増加する。
特図1始動口36の内部には第1始動口スイッチ(特図1始動口SW)が設けられ、この特図1始動口SWによって遊技球が検出されたことに基づき、第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、普通変動入賞装置の内部には第2始動口スイッチ(特図2始動口SW)が設けられ、この特図2始動口SWによって遊技球が検出されたことに基づき、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
さらに、上記第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留数)として記憶される。そして、この第1始動記憶の数は、特図1記憶表示器に表示される。また、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利も、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留数)として記憶される。そして、この第2始動記憶の数は、特図2記憶表示器にて表示される。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームは、一括表示装置に設けられた特図表示器で実行されるようになっており、複数の特別識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、可変表示装置にて、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。従って、特図表示器、可変表示装置が変動表示ゲームを表示する変動表示装置をなす。
そして、上記特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって大入賞口38が開成される特別遊技状態(いわゆる、大当り遊技状態)が発生する。また、特図表示器の表示態様に対応して可変表示装置の表示態様も特別結果態様となる。なお、可変表示装置は、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良い。また、遊技機に特図表示器を備えずに、可変表示装置のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。第2始動記憶は第1始動記憶よりも優先的に消化され、第2始動記憶がある場合は、第1始動記憶があっても第2特図変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となり、特別遊技状態が発生した場合には、大入賞口38の開閉パネルが駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL)により大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換される。大入賞口の内部には入賞球を検出するスイッチ(カウントSW)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、特図1始動口36、特図2始動口(普通変動入賞装置)37、大入賞口38、一般入賞口等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が払出制御装置10b(図1に図示)によって払い出されるようになっている。
遊技制御装置10aは外部情報端子に接続されており、遊技機10に関する情報を、外部情報端子を介して、遊技店の島毎に設置された中継装置(図示を省略)を介して遊技用管理装置100に出力する。
遊技制御装置10aには、各種検出装置(特図始動スイッチ、普図始動スイッチ、カウントスイッチ、一般入賞口スイッチ、オーバーフロースイッチ、枠開放スイッチ及び球切れスイッチ)からの検出信号が入力される。オーバーフロースイッチは、下皿に遊技球が所定数以上貯留されていることを検出する。枠開放スイッチは、ガラス枠又は前面枠が開いたことを検出する。球切れスイッチは、遊技機裏面の払出球流路に配設され、払出球流路に貯留される遊技球が所定数以下になることを検出する。
遊技制御装置10aに入力された上記各種検出装置からの検出信号は、入力I/Fを介して遊技制御装置の遊技用マイコンに入力され、遊技用マイコンはこれらの信号に基づいて大当り抽選等、種々の処理を行う。また、遊技制御装置の遊技用マイコンは、出力I/Fを介して、普図表示器、特図表示器、普電SOL(ソレノイド)、大入賞口SOL(ソレノイド)、払出制御装置10b及び演出制御装置に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
さらに、遊技制御装置10aの遊技用マイコンは、球払出ユニットの払出モータを制御する払出制御装置10bへ払出し指令信号を送信するとともに、演出制御装置へ、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として送信する。また、遊技制御装置10aの遊技用マイコンは、出力I/Fを介して発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射装置の動作を制御する。したがって、遊技制御装置10aの遊技用マイコンは、この発射許可信号により発射装置を制御可能に構成されている。
演出制御装置は、遊技制御装置10aから入力される各種信号に基づいて、エラー報知LED、スピーカ及び遊技の進行に対応させて演出画像が表示される表示装置を制御する。演出制御装置は、遊技制御装置の遊技用マイコンと同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)と、該1stCPUの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)と、該2ndCPUからのコマンドやデータに従って表示装置への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)と、各種のメロディや効果音などをスピーカから再生させるため音の出力を制御する音源LSIを備えており、遊技制御装置10aの遊技用マイコン(遊技用マイクロコンピュータ)からの制御指令に基づいて表示装置における表示を制御する。
また、演出制御装置には、遊技制御装置10aから送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)が設けられている。このコマンドI/Fを介して、遊技制御装置10aから演出制御装置へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。
払出制御装置10bは、遊技制御装置10aからの賞球払出し指令信号に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置10bは、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて遊技制御装置10aから送信される払出指令信号に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
払出制御装置10bは、遊技用マイコン、入力I/F(Interface)及び出力I/F(Interface)を備え、遊技制御装置10aからの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置10bは、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。遊技用マイコンは、CPU、ROM及びRAMを備える。
払出制御装置10bの遊技用マイコンが備えるCPUは、払い出しを統括的に制御する制御装置であって、払出制御を司る。ROMは、払出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAMは、払出制御時にワークエリアとして利用される。
CPUには、入力I/Fを介して払出ユニット内の払出球検出スイッチ、オーバーフロースイッチ、球切れスイッチ、エラー解除スイッチ、税率設定スイッチ、貸出料金設定スイッチからの信号が入力される。また、CPUは、出力I/Fを介して、払出ユニット内の払出モータ、エラーナンバー表示器、税率表示器、貸出料金表示器への駆動信号を出力する。また、払出制御装置10bのCPUは、出力I/Fを介して発射制御装置へ発射許可信号を出力する。発射制御装置は、遊技制御装置からの発射許可信号と払出制御装置からの発射許可信号とが双方とも発射許可を意味する信号であるときに、発射装置が遊技球を遊技領域40内に発射するように制御する。
図3は、遊技機のスペックとしての大当たりの確率を示す表である。図3(a)は、特図1についての大当たりの確率を示し、図3(b)は、特図2についての大当たりの確率を示す。図3の表の前提として、特図1,2共通であるが、通常状態でゲーム進行中の大当たり確率は1/307としている。また、高確率状態でゲームが進行している際の大当たり確率は1/31としている。そして、小当たり確率については、特図1の場合が1/300であり、特図2の場合が1/750である。大当たり終了後、変動表示ゲーム36回まで高確率状態が維持される(ST36回)。なお、ST36回のほかに、ST68回、ST100回の場合も用意されていて、それぞれ68回、100回の高確率状態が維持される。
図3(a)は、特図1の電サポ無しの場合の大当たりの三つの種類(突確(サポ無し)、突確(サポ有り)、15R大当たり)のそれぞれが当たる確率が、40%、10%、50%であることを示す。また、特図1の普電サポート状態付きの場合には、その確率がそれぞれ、5%、50%、45%になることを示している。ここで、突確(サポ無し)は、大入賞口の開放回数は同じで、それぞれの開放時間を短くするのでもよいし、開放回数が少ないこととするのでもよい。
図3(b)は、特図2の大当たりには、大当たり遊技後に高確率状態となる突確(サポ有り)とアタッカーを15回開く15R大当たりの2種類があって、それらの確率は、電サポ有無に関わらず、突確(サポ有り)が10%、15R大当たりの確率が90%であることを示している。15R大当たりは、出玉のある大当たりであるが、突確(サポ有り)は出玉のない大当たりである。突確が出玉のほぼ無い大当たりであるのは、アタッカーの開放時間が極端に短いからである(例えば、同じ15Rであれば0.1秒×15回であり、2Rであれば0.2秒×2回)。遊技者は通常左打ちをする。ここで、左打ちは遊技球の行き先が遊技領域の左側となるように打つことをいい、右打ちは遊技球の行き先が遊技領域の右側となるように打つことを言う。
図4は、遊技機10の遊技制御装置10aから出力され外部出力情報として遊技用管理装置100へ送られる遊技情報の種類を示す表である。各遊技機10から遊技用管理装置100に取り込まれる遊技情報は、例えば、図4の表に記載した情報1〜6、賞球数、扉開放、エラーの情報を含むものである。
図4で、情報1の「役物連続作動装置作動中」は、大当たり中はONになりっぱなしの情報である。「変動時間短縮機能作動中」は、普電サポート状態付きの状態にあることを示す情報であって、電サポがある間はON状態を継続する。
情報3、4、5の「第1特図始動口入賞タイミング」、「第2特図始動口入賞タイミング」、「右大入賞口入賞タイミング」は、第1特図始動口、第2特図始動口、右大入賞口それぞれの入賞センサが遊技球の入賞を検知したときの信号に基づく情報である。
情報6の「第1又は第2特図変動停止タイミング」は、それぞれの変動停止のタイミングで出力される情報である。
賞球数の情報は、賞球払出装置から払い出された賞球数の情報である。遊技制御装置10aが払出制御装置10bとのやりとりで得た情報を出力することが可能である。
扉開放情報は、遊技機10のガラス枠或いは前面枠の開閉状態を(開いている状態を検出して)知らせる情報である。
エラー情報は、振動や磁気検出などの異常状態を外部へ出力する情報である。
図4に記載した情報群は、一例であって、遊技制御装置のCPUが扱う他の遊技情報をも出力することが可能である。
図5は、遊技用管理装置において管理する各遊技機の情報を示す遊技情報テーブルである。1つのテーブルとして管理することもできるが、ここでは便宜上、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)の4つのテーブルに分けて描いてある。
図4に示された遊技機から得た情報は、遊技用管理装置100において、必要な加工(計算、処理など)がなされた上で遊技用管理装置100の記憶装置(例えばHD120)に図5のようなテーブルとして格納される。
図5に示すように、年月日時刻とともに時々刻々と変化する遊技情報がテーブルに格納されている。各遊技情報の算出式を掲げると次の通りである。
打ち込み球数=打込球情報受信数×信号比
払出球数=賞球情報受信数×信号比
差球数=打込球数−払出玉数
出玉率=払出球数÷打込球数×100
スタート回数=スタート情報受信数
特賞回数=特賞情報受信数
確変回数=確変情報受信数
時短回数=時短情報受信数
売上金額=売上信号受信数(カードサンドからのデータ)×信号比
通常期間中打込球数=特賞期間中及び付加期間以外の打ち込み球情報受信数×信号比
通常期間中払出球数=特賞期間中及び付加期間以外の賞球情報受信数×信号比
通常期間中差球数=通常期間中打ち込み球数−通常期間中払出球数
ベース=通常期間中払出球数÷通常期間中打ち込み球数×100
TY(特賞期間中の差数)=特賞期間中払出球数−特賞期間中打込球数
TS(特賞の発生確率)=スタート回数÷(特賞回数−確変(次回までサポ有り)回数)
MS(特殊モード突入確率)=1/TS×特殊モード突入率「例えば、50%」
MB(特殊モード突入ベース)=特殊モード中の払出球数÷特殊モード中の打ち込み球数×100
MY:遊技台において特賞ごとに遊技者が獲得した玉(メダル)の累計
このようにして、算出されてテーブルに格納された情報は、隣接表示装置への表示コマンドを生成する際に用いられる。
ここで、遊技機から収集した情報に基づいて、遊技用管理装置が遊技情報を扱うのみならず、セキュリティの保護の面でも機能することについて触れておく。
遊技制御装置10a内の遊技用マイコンが有しているIDプロパティメモリには、遊技用マイコンの識別や正当性の判定のために使用する固有ID(固有情報)が書き込まれており、この固有IDは、遊技用マイコンのバスおよび外部通信制御回路を介して遊技機10外部の遊技用管理装置(ホールコンピュータ)100で読み取ることができる。固有IDをはじめとするデータを外部との送受信可能にするには、遊技用マイコン内にローカルバスとCPUバスとの双方に接続されるバスモニタ回路が役立っている。
これによって、遊技用管理装置100で遊技機10の固有IDを監視することができる。具体的には、予め遊技機10に設定された固有IDと、遊技用管理装置100によって読み取られた固有IDとが一致しない場合は、遊技用管理装置100は、各種信号の入出力を不可能にする。すると、遊技制御装置100に接続された各種装置(例えば、大入賞口ソレノイド及び普通変動入賞口ソレノイド)や従属制御装置(払出制御装置10b、発射制御装置、演出制御装置)と遊技制御装置10aとの信号の入出力が不可能となり、例えば、スイッチが操作できなくなったり、装飾用ランプが点灯しなかったりして、遊技機10に異常が発生したことが明確となる。この意味において、遊技用管理装置100は、各遊技機の遊技進行状況を把握するのみならず、不正が行われないように監視して、異常がある場合には、当該遊技機を不能にする役割をも果たしている。
図6は、遊技用管理装置が、収集する各遊技機からの遊技情報に基づいてMSの発生を検出する処理、すなわちMS発生検出処理を示すフローチャートである。MS発生検出処理はメイン処理の中でサブルーチン処理として実行される。MSは、モードスタートという意味からのネーミングである。後述する図8に示すように15R大当たりが発生したときのみ、MS発生とする。このMS発生を遊技用管理装置(ホールコンピュータ)にて、各遊技機から収集した遊技情報に基づいて検出するには、図4に示す情報2(役物連続作動装置作動中)の信号を受信中であること(ステップ601でYes)と、大当たりが所定時間以上続いていること(ステップ602でYes)との二つの条件をともにクリアできたことを判定した上でMS発生検出(ステップ603)とすることができる。図6のフローチャートは、そのことを示すものである。
このMS発生検出処理は、遊技機が稼働する間、遊技用管理装置において頻繁に行い、繰り返し行う処理である。ステップ601の判定でNoの場合や、ステップ602の判定でNoの場合には、メイン処理へ戻る。
本明細書において「MS中」というとき、解決手段の項において特殊モードと表現している状態にあることを表現している。本発明をもっとも広く捉える立場では、特殊モード状態は、サポ有り突確やサポ無し突確をも含むものと考えることができる。しかし、図6から図9までに該当する実施形態では、特殊モード状態を15R大当たりのときのみであって、サポ有り突確やサポ無し突確を含まないものとして扱い、特殊モード状態を「MS中」と表示している。出玉の少ない大当たりを除外して演算処理を行うことにより、大当たりの回数を出玉の数との関係をわかりやすくするためである。図5(d)のテーブルに格納される値としてのMSは特殊モード突入確率のことを意味し、
MS(特殊モード突入確率)=1/TS×特殊モード突入率「例えば、50%」
で算出される。ここで、TSは
TS(特賞の発生確率)=スタート回数÷(特賞回数−確変(次回までサポ有り)回数)
で算出される値である。これらのMS、TS、また後述するMBは、稼働している当該遊技機の現在の性能、スペックを示すデータとして、当該遊技機に対応する隣接表示装置に表示され得るデータ、あるいは表示内容のもとになるデータである。遊技者は、当該隣接表示装置に表示される内容を見て、ゲームの進め方の参考にすることができる。
ここで、図6では、15R大当たりのときのみをMS中(特殊モード中)としたが、他の実施例として、15R大当たりのときだけでなく、普電サポート状態無しの特図高確率状態でも特殊モード状態であると判定するようにすることもできる。この場合には、特殊モード中であると遊技用管理装置側で判定するため、再び大当たりが発生すると特殊モード継続と判断することによって、特殊モード中であることが途切れることなく、正確なデータを算出することが出来る。
図7は、通常状態(700)から始まり、小当たり(701)などの状態に遷移する場合であって、MS発生としない場合の状態遷移図である。図7には、通常状態(700)から小当たり(701)になる場合、通常状態(700)から突確当たり(電サポなし)(702)を経てST36回終了(703)となる場合、通常状態(700)から突確当たり(普電サポート状態付き)(704)を経てST36回終了(703)となる場合、通常状態(700)から突確当たり(普電サポート状態付き)(704)、ST中に突確当たり(普電サポート状態付き)(705)を経てST36回終了(703)となる場合と4つの状態遷移のパターンが示されている。これらの場合は、いずれもMS発生とはしない。なお、ST36回終了(703)の後、電サポ継続がある。STは、スペシャルタイムを意味し、回数打ち切り方式の確率変動のことである。ST中には転落抽選(高確率状態から通常状態の確率へと抽選により落ちること)があることとしてもよい。
図8は、通常状態(800)から始まり、15R大当たり(801)などの状態に遷移する場合であって、MS発生とする場合の状態遷移図である。15R大当たり(801)となるのは、通常状態(800)から抽選により引き当てて15R大当たり(801)となる場合と、通常状態(800)から「突確当たり(普電サポート状態付き)」(802)へと遷移し、さらに「ST中に突確当たり(普電サポート状態付き)」(803)となって、15R大当たり(801)となる場合とがある。それらのどちらの場合であっても、15R大当たりが発生してからMS発生とし、802や803の段階ではMS発生としないのが、本実施形態におけるMSの概念である。すなわち、15R大当たり(801)となったときに「MS発生」とする。
図9は、MSの計数をする場合としない場合とを比較するデータ比較説明図である。今、遊技者がある遊技台において遊技を開始して(900)、変動表示ゲームを600回行ったところで、突確当たり(普電サポート状態付き)となった(910)。この時、出玉はゼロ個であった。その後、30回のゲームを行ったところで、ST中に突確当たり(普電サポート状態付き)となった(920)。この時、出玉はやはりゼロ個であった。その後、30回のゲームの後に、15R大当たりとなった(930)。このときの出玉は6000個であった。という状況を想定する。
このような遊技情報を遊技用管理装置で扱う場合、MS発生の検出(図6)及びMS中払出球計数処理(図10)をしない場合には、管理装置では大当たりが3回、出玉6000個として、大当たり1回当たりの出玉を2000個と認識する。また、平均大当たり確率を1/220としてしまい、実際の遊技機とは乖離したスペックの遊技機であると分析してしまう。
これに対して、MS発生の検出(図6)及びMS中払出球計数処理(図10)により、大当たりの確率が1/660で、1回の出玉6000個の台であることが分かる。
図10は、MS中払出球計数処理を示すフローチャートである。
前提として、払出球の計数は図4に示す各遊技機から遊技用管理装置へ向けて出力される外部出力情報に含まれる「賞球数」を遊技用管理装置のCPU101においてカウントすることによってなされる。このカウントは、ソフトウェアのカウンタによってなされる。計数結果はテーブルに記憶され、HD120に記憶され、必要に応じてアクセスし、利用される。各遊技機から出力される賞球数の情報は賞球払出信号であり、10個の払出について1パルスの信号である。払出球計数処理は、通常期間中、特賞期間中、特殊モード中のそれぞれについて行われ、遊技用管理装置の払出球計数カウンタは、それら通常期間中、特賞期間中、特殊モード中のそれぞれについてカウンタが設けられて計数処理がなされる。
図10のフローチャートに記載されたMS中払出球計数処理は、特殊モード中の払出球計数カウンタである「MS中払出球計数カウンタ」をクリアする(初期化する)処理について示している。MS中払出球計数カウンタをクリアする条件は、電サポがないこと(ステップ1001でYes)及び始動記憶の上限以内でないこと(ステップ1002でNo)であり、それらの二つの判定を経てMS中払出球計数カウンタをクリアする処理を実行する(ステップ1003)。その後、戻る。また、ステップ1001でNoと判定されたとき、ステップ1002でYesと判定されたときも戻る。図10に示す処理はループ処理であり、遊技機が稼働する間、ずっと繰り返される処理である。
ここで、ステップ1002の判定をすることにより、電サポ状態が終了しても始動記憶の上限までは、特殊モード中であると遊技用管理装置側で判定するため、電サポ終了時点での始動記憶の範囲内で再び大当たりが発生すると特殊モード継続と判断することによって、特殊モード中であることが途切れることなく、正確なデータを算出することが出来る。
MS中払出球計数カウンタにより計数されてテーブルに記憶される特殊モード中の払出球数は、例えば図5(d)に示すMB(モードベース)の算出に利用される。前述したように、MB(特殊モード突入ベース)=特殊モード中の払出球数÷特殊モード中の打ち込み球数×100 で算出される。この算出に必要なもう一つの値は、「特殊モード中の打ち込み球数」である。打ち込み球数は、図4の表には記載されていないが、各遊技機から遊技用管理装置へ向けて出力される外部出力情報の一つであり、遊技機の発射装置からどれだけの遊技球を発射したかに関する情報である。これもまた10個で1パルスの扱いがなされる。遊技用管理装置における打ち込み球の計数は、払出球の計数と同様に、「通常期間中」、「特賞期間中」、「特殊モード」のそれぞれについてカウンタを設けて、計数処理を行う。そして、それぞれ必要な判定を行って各カウンタをクリアして計数処理を継続する。
払出球数、打ち込み球数に基づいて算出され、遊技用管理装置によって管理される遊技情報は、次の通りである。これらの情報は、遊技用管理装置により頻繁に算出され、テーブルに格納される。そして、隣接表示装置への表示コマンドを作成する際に取得されて利用される。
打ち込み球数=打込球情報受信数×信号比
払出球数=賞球情報受信数×信号比
差球数=打込球数−払出玉数
出玉率=払出球数÷打込球数×100
通常期間中打込球数=特賞期間中及び付加期間以外の打ち込み球情報受信数×信号比
通常期間中払出球数=特賞期間中及び付加期間以外の賞球情報受信数×信号比
通常期間中差球数=通常期間中打ち込み球数−通常期間中払出球数
ベース=通常期間中払出球数÷通常期間中打ち込み球数×100
TY(特賞期間中の差数)=特賞期間中払出球数−特賞期間中打込球数
MB(特殊モード突入ベース)=特殊モード中の払出球数÷特殊モード中の打ち込み球数×100
図11は、隣接表示装置の表示例を示す表示画面のハードコピーである。
図11(a)は、その隣接表示装置に対応する当該遊技機の台の番号、モード当選確率、回転数を報知する例である。この表示例では、遊技用管理装置は、各遊技機から送られる遊技情報に基づいて、必要な算出処理を実行することにより、各遊技機のモード当選確率と、回転数とを求め、台番号とともに、対応する隣接表示装置へ表示コマンドを送って、当該画面を表示させている。ここで、1回転は、変動表示ゲームの図柄が動き始めてから停止するまでをいう。機種により適切な他の概念を1回転と選定することもできる。
ここで、回転数を遊技用管理装置が求めるには、各遊技機から送られてくる遊技情報に基づいて遊技用管理装置のCPU101が計数処理を行うことになる。計数処理は、例えばソフトウェアによるカウンタを用いることができ、その計数結果をテーブルに書き込んで必要に応じてテーブルの値を取得して用いることができる。テーブルは、図1(b)に示す遊技用管理装置のHD120に記憶される。
図11(b)は、モード中(特殊モード状態)データとして、通常確率普電サポート状態付きの回数の割合と高確率普電サポート状態付きの状態の回数の割合とを画面上で視覚的に遊技者に見せて報知する画面例である。図4に、各遊技機から外部出力情報として遊技用管理装置へ送られる遊技情報の種類を示したが、図11(b)のモード中データを隣接表示装置に表示させることは、図4に示した以外に「高確率信号状態中」であることを示す情報をも各遊技機から外部出力情報として遊技用管理装置へ送ることによって可能となる。遊技用管理装置は、各遊技機において「通常確率普電サポート状態付き」の状態が何回転続き、「高確率普電サポート状態付き」の状態が何回転続いたかを解析し、11(b)のような時系列データを編集して対応する隣接表示装置へ向けて表示のためのコマンドを送信する。隣接表示装置においては、当該コマンドを受けて画面表示を実行する。図11(b)の上部に表示した帯グラフは、「通常確率普電サポート状態付き」の状態を白抜きで表示し、「高確率普電サポート状態付き」の状態を斜線による塗りつぶしで表示した例である。帯全体の長さが例えば600回転を意味し、右端が現在の状態、左に行けば行くほど、過去のデータを示している。この帯グラフを回転数に基づくものではなく、時間の長さに基づくものとして表示することも可能である。遊技者は、この表示を見ることによって、現在が高確率状態なのか、通常確率の状態なのかを確認できるとともに、これまでのところそれらの二つの状態がどのような割合で遷移してきたかを一目で確認できる。例えば、高確率状態から転落抽選により確率が落ちたことなどを確認できる。
図11(c)は、通常確率で当たりを引き戻す回数が二回以上ある場合に「あなたはついています。」の表示をして遊技者が運のいいことを報知する画面例である。遊技用管理装置において収集した各遊技機の遊技情報に基づいて、遊技用管理装置が必要な判定処理などを行い、それに基づいて対応する隣接表示装置へのコマンドを送信することにより、隣接表示装置に表示する画面である。具体的には、図12(a)に示すフローチャートに基づいて遊技用管理装置が処理を実行する。
図11(d)は、サポ無しST抜けが多い場合に「あなたはついていません。」の表示をして遊技者が運のないことを報知する画面例である。図12(b)に示すフローチャートに基づいて遊技用管理装置が処理を実行するのに基づいて、当該遊技情報(当該遊技機)に対応する隣接表示画面に表示する画面である。
図12は、遊技用管理装置において隣接表示装置への表示コマンドを送信する処理を示すフローチャートである。図12(a)は、「ついてる」表示データ送信処理を示すフローチャートであり、図12(b)は、「ついていない」表示データ送信処理を示すフローチャートである。
図12(a)に示すフローチャートは、図1(b)に示すCPU101が実行する処理であり、ROM103に格納されたプログラムのうち必要なものを読み込んで、ハードディスクドライブ(HD)120に格納されている遊技情報テーブル(図5(a)(b)(c)(d))にアクセスして必要な情報を取得して、判定し処理するものである。定期的に当該遊技用管理装置の管理下にあるすべての遊技機を対象にこの処理を実行するようにプログラムが組まれている。
具体的には、まずモードが終了したか否かを判定する(S1201)。モードが終了していると(S1201でYes)、次に当該モード中に引き戻し回数が2回以上あったか否かを判定する(S1202)。ここで、引き戻しとは、通常確率で当たりを戻すことをいう。S1202でYesの場合に、「ついてる」表示コマンドを当該遊技機に対応する隣接表示装置へ送信する(S1203)。S1203で送信を終えたら戻る。S1201でNo、S1202でNoの場合も戻る。
この「ついてる」表示データ送信処理は、各遊技機においてモードが終了したタイミングをとらえて遅滞なく、隣接表示装置への表示をすることができるように表示データを送信することが望ましい。当該遊技用管理装置の管理下にあるすべての遊技機を対象に定期的にこの処理を実行するかわりに、モードが終了した信号を捉えて、それをきっかけにして、この処理に入ることとしてもよい。
図12(b)に示すフローチャートも、同様に図1(b)に示すCPU101が実行する処理であって、遊技情報テーブル図5(a)(b)(c)(d)にアクセスして必要な情報を取得して、判定し処理するものである。定期的にすべての遊技機を対象にこの処理を実行するか、又はST終了の信号を捉えて、それをきっかけにして、この処理に入ることとする。
具体的には、まずSTが終了したか否かを判定する(S1251)。STが終了していると(S1251でYes)、次にST抜けが2回以上連続したか否かを判定する(S1252)。役物連続作動装置が作動するが抜けてしまう、サポ無しST抜けが多い場合、モードとは関係無しにこの判定がなされる。S1252でYesの場合に、「ついていない」表示コマンドを当該遊技機に対応する隣接表示装置へ送信する(S1253)。S1253で送信を終えたら戻る。S1251でNo、S1252でNoの場合も戻る。
ここで、「サポ無しST抜け」とは、普電サポート中に大当たりが発生せず、普電サポート状態が終了してしまうことをいう。
このように、本発明にあっては、MSという概念を設けて、MS発生を検出して(図6)、そのMS中における払出球計数処理(図10)などを行うことにより、隣接表示装置に当該遊技機の現在の性能(モード当選確率、回転数)を表示させること(図11(a))、通常確率普電サポート状態付きと高確率普電サポート状態付きとの割合を示すこと(図11(b))、普電サポート中の引き戻しが多いことを報知すること(図11(c))、サポ無しST抜けが多いこと(図11(d))などを表示して、遊技者が当該遊技機の性能や本人のつきぐあいを確認しつつ遊技を進行することが可能となる。
以上の説明から、本出願には、
遊技者にとって有利な特賞状態を発生可能であり、前記特賞状態終了後、特定状態を発生可能な遊技機から、該遊技機での遊技に関連して発生する遊技情報を収集して管理する制御手段を備える遊技用管理装置であって、
前記制御手段は、
前記遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段と、
前記遊技機が前記特賞状態である特賞期間中に該遊技機から出力される特賞情報、前記特賞期間中又は、前記特定状態である特定期間中に該遊技機から出力される特殊情報を入力する情報入力部と、
前記情報入力部に入力された前記特殊情報により特殊モード状態を判定する特殊モード状態判定手段と、
前記特殊モード状態が開始してから終了するまでの払出球数と、前記遊技機から外部に払い出す打込球数と、の差を計数する特殊モード中計数手段と、
を備えるようにした発明が含まれていることが分かる。
ここで、「特賞状態」とは、例えば大当たりのことである。「特定状態」とは、例えば、特図高確率状態、普電サポート状態、或いはその両方のことである。「特図高確率状態」とは、特図変動表示ゲーム(実施形態における第1、第2特図変動表示ゲーム)が所定回数消化されるまで、或いは次回大当たりまで、特図変動表示ゲームにおける大当たりの当選確率を高くする状態である。
「普電サポート状態」とは、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、或いは次回大当たりまで、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物としての可動部材の開閉動作を頻発させているか、或いは、普通電動役物としての可動部材の開放時間を長くしている電動役物サポート状態である。または、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、或いは次回大当たりまで、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮しないが、普図の当選確率を高くし、普通電動役物としての可動部材の開閉動作を頻発させている。または、その際の可動部材の開放時間を長くしている電動役物サポート状態である。(普電サポート状態のことを電サポ有り、電サポ、サポ有り、などと表現する場合もある。)
「特殊モード状態」とは、大当たりのモードであって、15R大当たりのみならず、サポ有り突確やサポ無し突確も含む場合がある。
そして、上記のような構成を有する発明によれば、特に、特殊モード状態判定手段及び特殊モード中計数手段を設けたので、より詳細なデータを収集可能である。
また、本出願には、上記発明において、前記特殊モード状態判定手段は、
前記特賞情報が所定時間以上入力されている場合に特殊モード状態に突入したと判定するようにした発明が含まれている。
かかる発明によれば、例えば、大入賞口の開放時間が長い当たりの場合に特賞情報が所定時間以上入力されるため、より詳細なデータを収集可能である。前記特賞情報が、遊技者が多く出玉を得られることを意味する情報(例えば、大当たり図柄情報で、大当たり図柄毎に開放ラウンド数やラウンドごとの開放時間が決められているもの)であれば「所定時間」の入力を待たずとも良い。
さらに、本出願には、上記発明において、前記特定状態は、特図高確率状態や普電サポート状態或いはその両方が同時に発生している状態が含まれ、
前記特殊モード状態判定手段は、前記特定情報が前記普電サポート状態付き特図高確率状態で特殊モード状態であるようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、特定情報が普電サポート状態付き特図高確率状態で特殊モード状態であると判定するので、より詳細なデータを収集可能である。
あるいは、上記発明において、前記特定状態は、特図高確率状態や普電サポート状態或いはその両方が同時に発生している状態が含まれ、前記特殊モード状態判定手段は、前記特定情報が前記普電サポート無し状態で特殊モード状態でないと判定するようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、球が減っている状態では、特殊モードではないと判断するので正確なデータを収集することが出来る。
また、本出願には、上記発明において、
前記制御手段は、前記遊技機に隣接する隣接表示装置を制御可能であり、
特殊モード状態中の遊技状態の割合を演算可能であり、該演算結果に基づき、前記隣接表示装置に表示する内容を設定可能であるようにした発明が含まれている。
ここで、隣接表示装置は遊技機の台間装置に備えられるものだけでなく、遊技機の上部の島側に備えられるものも含む。また、特殊モード状態中の遊技状態の割合とは、特図高確率、通常確率、普電サポートの有無の割合のことをいう。
そして、かかる発明によれば、遊技者が、どれぐらい普電サポート中に大当たりを引き戻しているか分かるような表示を行うことができる。それにより、遊技者は自分がついているか否かを判断できる。
(第2の発明)
次に、本出願の第2の発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図13は、本出願の第2発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図14参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。枠装飾装置18は、半透明なプラスチックなどで形成され前面枠のほぼ全域にわたって発光可能に構成されているとともに、内蔵ランプには3原色である赤、青、緑それぞれの色を発光可能なLEDがセット(組)でマトリックス状に配置されたものが使用され、多色カラー発光が可能にされている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。演出ボタン25は、内部に複数の検出スイッチを備え押圧することで入力とするプッシュ機能の他、傾動操作することでカーソルを上下、左右へシフトすることを指示可能なシフト操作機能を備えているものが望ましい。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図14参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を反映させた演出やシステムへのログイン、ログアウト等を行わせることができる。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図14を用いて遊技盤30の一例について説明する。図14は、第2発明の実施形態における遊技盤30の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための球検出手段としての入賞口スイッチ35a〜35n(図15参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図15参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図15参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する球検出手段としてのカウントスイッチ38a(図15参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下隅)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図15参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図15参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ(センサ)36aと始動口2スイッチ(センサ)37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図15参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図15は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは電サポ動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、上述したような遊技機間通信機能と、情報端末を使用した連動遊技機能(得点付与と共通演出)とを実現する演出制御装置300の構成について、図16を用いて説明する。
図16に示すように、演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、遊技制御装置100により行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
さらに、本実施例では、遊技制御装置100は、高確率状態を、特別遊技状態の終了後所定回数(例えば36回)の特図変動表示ゲームの実行期間に制限する制御(以下、ST制御と称する)を行うようにしている。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態として普電サポート状態(以下、電サポ状態と称する)を発生可能となっている。そして、この電サポ状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置(普電)37を通常状態とは異なる遊技者にとって有利に動作するように制御する電サポ状態とする制御(以下、電サポ制御と称する)を行う。
具体的には、電サポ状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの当り発生確率が通常の遊技状態より高くなるように制御される。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の電サポ動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また、遊技制御装置100は、電サポ状態で特図変動表示ゲームの変動時間を短くする、つまりゲームの結果が早く確定する時短制御を行う。
さらに、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)ようにしてもよい。また、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回ではなく、2回以上の複数回に設定されても良い。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数を複数回とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
次に、第2の発明の遊技機における特有な遊技制御とそれに伴う具体的な大当りの確率制御の一実施例について説明する。
本実施例では、特別遊技状態(大当り)として特別変動入賞装置38を所定個数入賞までアタッカを開く動作を15回(15R:15ラウンド)繰り返す15R大当りの他に、入賞がほとんど期待できないアタッカの開放を行い高確率状態へ移行する小当りを発生する制御を行う。また、大当りとして、上記15R大当りの他に、電サポ状態を伴う高確率状態へ移行する突確(サポ有り)と、電サポ状態を伴わない高確率状態へ移行する突確(サポ無し)を発生する制御を行う。
また、本実施例では、特に限定されるものではないが、図17(A)に示すように、大当りの発生確率は特図1変動表示ゲームも特図2変動表示ゲームも同じであるが、小当りに関しては、特図2変動表示ゲームよりも特図1変動表示ゲームの方が、発生確率が高くなるように設定している。
さらに、本実施例では、始動入賞が発生したときに、大当りの判定用の乱数を用いて、あるいはそれとは別個に電サポ判定用乱数を抽出して、始動入賞を契機に毎回、電サポ状態を発生するか否かの判定(電サポ当り判定)を行うことを特徴としている。そして、この電サポ当り判定で電サポ状態を発生することとなった場合には、その始動入賞に対応する変動表示ゲームから電サポ状態を開始してそのゲームより数えて100回目まで、電サポ状態を継続するようにしている。なお、電サポ当りの発生確率は、特図1の始動入賞も特図2の始動入賞も同一(図17では1/600)になるように設定している。
図17(B)には特図1変動表示ゲームにおいて発生可能な大当りの種類と割合の設定例が、また、図17(C)には特図2変動表示ゲームにおいて発生可能な大当りの種類と割合の設定例が示されている。
図17(B)より、特図1変動表示ゲームでは、電サポ状態の方が電サポでない状態(非電サポ状態)よりも、突確(サポ有り)大当りの発生割合が、高くなるように(約5倍に)設定されている。また、図17(C)より、特図2変動表示ゲームにおいては、電サポ状態の有無にかかわらず、大当りとして突確(サポ有り)大当りまたは15R大当りが発生され、突確(サポ無し)大当りは発生しないが、突確(サポ有り)大当りは15R大当りに比べて割合が非常に低く(1/10)なるように設定されている。
本実施例の突確(サポ有り)では、大当りの発生確率が高確率となる変動表示ゲーム数(例えば36回)と同一回数だけ電サポ状態が継続される。
なお、各大当りの発生割合は、図17に示すものに限定されるものでない。また、突確(サポ有り)大当りとして、図柄によっては、電サポ状態がST制御状態(36回)を超えて例えば68回、100回のように継続する制御を行うようにしても良い。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図18及び図19参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図20参照)とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図18に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図19のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図19のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にオン情報をセーブしてから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、ステップS25で、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出して図19のする処理(ステップS32)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行なって、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図20に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図20のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について、図21を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図21に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。なお、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細については後述する。
次に、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップまたは特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。なお、図柄変動制御処理(ステップA19)の詳細については後述する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図22に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA113とステップA117おける特図始動口スイッチ共通処理の詳細については後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、ステップS116およびS117をスキツプして始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について、図23を用いて説明する。
この始動口スイッチ監視処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図23に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA205)。そして、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行った後、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
そして、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出(ステップA214)して、大当り乱数をロード(抽出)して乱数セーブ領域にセーブした後(ステップA215)、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。なお、ここで、大当り乱数および大当り図柄乱数は、特図1と特図2で同じ乱数カウンタで生成された乱数である。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブ(ステップA217)した後、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA218)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
さらに、本実施例では、電サポ抽選乱数を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。続いて、ステップA216にて乱数セーブ領域にセーブした監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を次の特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(ステップA221)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。特図保留情報判定処理(ステップA222)については後に詳しく説明する。なお、ステップA215で抽出した大当り乱数を電サポ抽選乱数としてもよく、その場合、ステップA220を省略することができる。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックしてする(ステップA223)。そして、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA224;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA225)、コマンド設定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。これにより、演出制御装置300へオーバーフローコマンドが送信される。
また、ステップA224にて、始動口1スイッチ36aの入力でない(No)と判定された場合は、ステップA225,A226をスキップして特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について、図24を用いて説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図24に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放時間等を遊技者にとって有利にする普電サポート中であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
ここで、普電サポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通サポート中である(Yes)と判定されるか、或いは、ステップA234にて、大当り中である(Yes)と判定された場合は、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普電サポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力である(Yes)と判定された場合は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普電サポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
ステップA235では、始動記憶が大当り発生を伴うものであるか判定する大当り判定処理を実行する。そして、判定結果が大当りでない(ステップA236;No)場合には、始動記憶が普電サポート状態の発生を伴うものであるか判定する電サポ状態判定処理(ステップA237)を実行してから、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA238)を行った後、ステップA246へ移行する。
一方、ステップA236の判定結果が大当り(Yes)であった場合には、ステップA239へ移行して、始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックし、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA240;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA241)。
また、ステップA239で、始動口1スイッチ36aの入力である(Yes)と判定された場合は、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA242)。
そして、大当り図柄乱数をチェックして対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA243)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA244)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA245)を行う。
その後、ステップA246へ移行して大当り情報テーブルから始動口入賞演出情報を取得する処理を行ってから、当該始動口入賞演出情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA247)。
続いて、大当り情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA248)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA249)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備する処理(ステップA250)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する処理(ステップA251)した後、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA252)を行う。
その後、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA253)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA254)を行う。
そして、前半変動パターンの番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA255)、後半変動パターンの番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(ステップA256)、コマンドを送信するためのコマンド設定処理(ステップA257)を行う。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA258)、コマンド設定処理(ステップA259)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA251にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA258にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図25に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。
ここで、特図2保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、特図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモフラグをセーブする処理(ステップA307)を行う。
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
次に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。なお、ステップA310における特図普段処理移行設定処理1の詳細については後述する。
一方、ステップA302にて、特図2保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行って、特図普段処理を終了する。このように、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)と特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行うことで、特図2の変動が特図1の変動に優先して実行されることとなる。
また、ステップA304にて、特図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA314)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)および特図2変動開始処理(ステップA314)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図26(A)に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、乱数を用いて始動記憶が電サポ当りか否かを判定する電サポ抽選処理(ステップA322)を行った後、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA323)を行う。
その後、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA324)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA325)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をロードし(ステップA326)、当該停止図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA327)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA328)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA329)。
その後、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA330)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA331)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA332)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA333)を行う。
その後、特図1の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA334)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図26(B)に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2に、はずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、乱数を用いて始動記憶が電サポ当りか否かを判定する電サポ抽選処理(ステップA342)を行った後、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA343)を行う。
その後、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA344)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA345)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をロードし(ステップA346)、当該停止図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA347)。
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA348)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA349)。
その後、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA350)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA351)を行う。続いて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA352)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA353)を行う。
その後、特図2の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA354)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔小当りフラグ設定処理〕
次に、図26の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における小当りフラグ設定処理(ステップA323,A343)の詳細について、図27を用いて説明する。
図27(A)に示すように、小当りフラグ1設定処理においては、先ず小当りフラグ1領域に、はずれ情報をセーブする(ステップA361)。続いて、大当りフラグ1が「大当り」か否かチェックする(ステップA362)。そして、大当りフラグ1が「大当り」である(ステップA363;Yes)と判定した場合は、ステップA369へ移行する。また、大当りフラグ1が「大当り」でない(ステップA363;No)と判定した場合は、次のステップS364へ進む。
ステップS364では、大当り乱数セーブ領域(特図1用)から大当り乱数をロードして準備した後、特図1判定データを準備する(ステップA365)。そして、準備した大当り乱数と特図1判定データとから、小当りに当選しているか判定する小当り判定処理(ステップA366)を実行する。この処理の判定結果が小当りである(ステップA367;Yes)場合は、ステップA368へ移行して、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブし、ステップA369へ移行する。また、ステップA367で小当りでない(No)と判定した場合は、ステップS368をスキップしてステップA369へ移行する。
そして、ステップS369では、大当り乱数セーブ領域(特図1用)を「0」にクリアして、当該小当りフラグ1設定処理から抜ける。
図27(B)の小当りフラグ2設定処理は、図27(A)の小当りフラグ2設定処理と同様であり、先ず小当りフラグ2領域に、はずれ情報をセーブする(ステップA371)。続いて、大当りフラグ2が「大当り」か否かチェックする(ステップA372)。そして、大当りフラグ2が「大当り」である(ステップA373;Yes)と判定した場合は、ステップA379へ移行する。また、大当りフラグ2が「大当り」でない(ステップA373;No)と判定した場合は、次のステップS374へ進む。
ステップS374では、大当り乱数セーブ領域(特図2用)から大当り乱数をロードして準備した後、特図2判定データを準備する(ステップA375)。そして、準備した大当り乱数と特図2判定データとから、小当りに当選しているか判定する小当り判定処理(ステップA376)を実行する。この処理の判定結果が小当りである(ステップA377;Yes)場合は、ステップA378へ移行して、小当りフラグ2領域に小当り情報をセーブし、ステップA379へ移行する。
また、ステップA377で小当りでない(No)と判定した場合は、ステップS378をスキップしてステップA379へ移行する。そして、ステップS379では、大当り乱数セーブ領域(特図2用)を「0」にクリアして、当該小当りフラグ2設定処理から抜ける。
上記のように、本実施例では特図1又は特図2の変動ゲームが小当りに当選しているか否かの判定に、大当り乱数を用いて大当り判定とは異なる判定データで判定するようにしている。なお、大当り乱数の代わりに小当り乱数を抽出して判定するようにしても良い。
〔図柄変動制御処理〕
次に、図21の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA17,A19)の詳細について、図28を用いて説明する。
図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理であり、図28に示すように、先ず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る特図変動中フラグが変動中であるか否かをチェックする(ステップA671)。そして、当該特図変動中フラグが変動中である(ステップA672;Yes)と判定すると、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(変動用)を取得する処理(ステップA673)を行う。
続いて、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る変動タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA674)、タイムアップした(ステップA675;Yes)と判定すると、特図変動制御タイマ初期値を当該制御タイマの変動タイマにセーブする(ステップA676)。
その後、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係る図柄番号を更新(+1)する処理(ステップA677)を行いステップA678へ移行する。また、ステップA676にてタイムアップしていない(No)と判定された場合は、ステップA676,A677をスキップしてステップA679に移行する。
ステップA678では、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする。そして、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA681)、取得された表示データを、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係るセグメント領域にセーブして(ステップA682)、図柄変動制御処理を終了する。
また、ステップA672にて、特図変動中フラグが変動中でない(No)と判定した場合には、処理をステップA679に移行して、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に対応する特図表示テーブル(停止用)を取得する処理を行う。その後、表示図柄ポインタとして対象の停止図柄番号領域の値をロードする(ステップA680)。そして、ステップA681へ移行して表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し、取得された表示データを、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図等)に係るセグメント領域にセーブして(ステップA682)、図柄変動制御処理を終了する。
以上の処理により、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器51等)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔電サポ状態判定処理〕
次に、図24の特図保留情報判定処理中に行われる電サポ状態判定処理(ステップA237)の詳細について、図29(A)を用いて説明する。
図29(A)に示すように、電サポ状態判定処理においては、先ず、普電サポート中であるか否か判定し(ステップA381)、普電サポート中である(Yes)と判定すると何もせずに当該電サポ状態判定処理から抜ける。普電サポート中であるか否かは、後のステップA388で設定される電サポ情報を参照することで判断することができる。
また、ステップA381で普電サポート中でない(No)と判定すると、当り範囲の下限である下限判定値を設定する(ステップA382)。そして、図23の始動口スイッチ監視処理のステップA220で抽出しセーブした電サポ抽選乱数の値が、ステップA382で設定した下限判定値未満であるかチェックする(ステップA383)。ここで、電サポ抽選乱数の値が、ステップA382で設定した下限判定値未満である(ステップA384;Yes)と判定すると当該電サポ状態判定処理から抜ける。
一方、電サポ抽選乱数の値が、ステップA382で設定した下限判定値未満でない(ステップA384;No)と判定すると、上限判定値を設定する(ステップA385)。そして、電サポ抽選乱数の値が、ステップA385で設定した上限判定値以下であるかチェックする(ステップA386)。ここで、電サポ抽選乱数の値が、上限判定値以下でない(ステップA387;No)と判定すると当該電サポ状態判定処理から抜ける。
一方、電サポ抽選乱数の値が、上限判定値以下である(ステップA387;Yes)と判定すると、普電サポート状態(電サポ当り)であることを示す電サポ情報を作業用の設定情報領域にセーブし(ステップA388)、普電サポート状態であることを演出制御装置300へ知らせる電サポ情報コマンドを準備する(ステップA389)。続いて、準備したコマンドを送信するためにコマンド設定処理(ステップA390)を行って当該電サポ状態判定処理から抜ける。
〔電サポ抽選処理〕
次に、図26の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に行われる電サポ抽選処理(ステップA322,A342)の詳細について、図29(B)を用いて説明する。
図29(B)に示すように、電サポ抽選処理においては、先ず、大当り中であるか否か判定し(ステップA421)、大当り中である(Yes)と判定すると何もせずに当該電サポ抽選処理から抜ける。大当り中であるか否かは、図26(A)の特図1変動開始処理中の大当りフラグ1設定処理(ステップA321)または図26(B)の特図2変動開始処理中の大当りフラグ2設定処理(ステップA341)で設定される大当りフラグ1または大当りフラグ2を参照することで判断することができる。先ずステップA421で大当り中であるか否か判定することで、既に大当りが発生している場合に、電サポ抽選処理を行わないようにすることができる。
また、ステップA421で大当り中でない(No)と判定すると、乱数セーブ領域から電サポ抽選乱数をロード(ステップA422)した後、電サポ(普電サポート)中であるか否か判定する(ステップA423)。ここで、電サポである(ステップA423;Yes)と判定すると当該電サポ状態判定処理から抜ける。一方、ステップA423で電サポ中でない(No)と判定すると、当り範囲の下限である下限判定値を設定する(ステップA424)。そして、ステップA422でロードした電サポ抽選乱数の値が、ステップA424で設定した下限判定値未満であるかチェックする(ステップA425)。
ここで、電サポ抽選乱数の値が、ステップA424で設定した下限判定値未満である(ステップA426;Yes)と判定すると当該電サポ抽選処理から抜ける。一方、電サポ抽選乱数の値が、ステップA424で設定した下限判定値未満でない(ステップA426;No)と判定すると、上限判定値を設定する(ステップA427)。そして、電サポ抽選乱数の値が、ステップA427で設定した上限判定値以下であるかチェックする(ステップA428)。ここで、電サポ抽選乱数の値が、上限判定値以下でない(ステップA429;No)と判定すると当該電サポ状態判定処理から抜ける。
一方、電サポ抽選乱数の値が、上限判定値以下である(ステップA429;Yes)と判定すると、普電サポート中のゲーム数を計数する電サポカウンタを設定する処理(ステップA430)を実行する。続いて、乱数セーブ領域の電サポ抽選乱数をクリアする処理(ステップA431)を行って当該電サポ状態判定処理から抜ける。
上記一連の処理により、始動入賞が発生するたびに抽出された電サポ抽選乱数に基づいて電サポ当りに当選したか否かの判定と、当選した場合の電サポカウンタの設定が行われる。
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図30に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔1stメイン処理〕
図30に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B23を行う。
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの信号の立ち上がりエッジを検出して入力データを作成する入力処理(ステップB9)、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信割込み処理で受信バッファに取り込んで情報を読み込む遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信された遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドをシーン制御のために区分けし確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、表示や装飾のランプや役物等の動作確認をするためのテストモード処理(ステップB11)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB12)、遊技機のエラー監視を行う遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB13)。
さらに、内部レジスタに書き込むことで2ndCPU312へコマンドを送出して特図変動表示ゲームにおける演出に関する設定を行う演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻り、ステップB8〜B18の処理(ループ処理)を繰り返し実行する。
〔コマンド受信割込み処理〕
図31には、本実施形態の演出制御装置300によって実行される割込み制御のうち1stCPUによるコマンド受信処理の手順の一例が示されている。
図31に示すように、このコマンド受信割込み処理では、先ず、遊技制御装置100か
ら送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB21)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB22)を行う。
ここで、MODEコマンドの待機中である場合(ステップB22;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB23)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB23;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB24)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB24;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB25)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB26)を行う。
続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB27)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB28)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB23において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない(No)と判定した場合、又はステップB24において、受信したコマンドがMODEコマンドでない(No)と判定した場合は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB22において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB22;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定する(ステップB29)。
ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB29;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB30)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である(Yes)と判定した場合は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(ステップB31)。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB31;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB32)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB33)を行う。
続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB34)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB29において、タイムアウト(Yes)となった場合、又はステップB30において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB30;No)は、ステップB35へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB35)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB36)を行う。
それから、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。また、ステップB31において、受信したコマンドがMODEコマンドである(Yes)と判定した場合は、ステップB25へ移行し、それ以降の処理を行う。
次に、2ndCPU312による制御について説明する。2ndCPU312による制御処理には、図32に示す2ndメイン処理と、図34に示す所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるVブランク割込み処理がある。
図32には、実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによる2ndメイン処理の手順の一例が示されている。
2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行ってから、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻り、ステップB48〜B51の処理(ループ処理)を繰り返し実行する。
図33には、図32の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理(ステップB51)の手順の一例が示されている。
この通常ゲーム処理では、先ず、1stCPUから受信したコマンドを特定し区分けする受信コマンドチェック処理(ステップB511)を行う。
続いて、予告キャラクタ等の設定や表示の優先順位を設定して表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB512)、確率状態(通常確率/高確率)や客待ちなどの遊技状態、演出モード、リーチシーンに応じた背景表示設定を行う背景処理(ステップB513)、変動表示ゲームにおける図から変動に関する表示制御を行うリール制御/表示処理(ステップB514)、始動記憶領域に記憶されている事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて先読み演出を行う保留表示処理(ステップB515)、客待ちデモ画面表示を行う客待ちデモ処理(ステップB516)、画像ROMに格納されている画像データをRAMに転送して表示装置への表示を行わせる表示システム処理(ステップB517)を行い、通常ゲーム処理を終了する。
〔Vブランク割込み処理〕
図34には、実施形態の演出制御装置300によって実行される演出制御のうち2ndCPUによるVブランク割込み処理の手順の一例が示されている。なお、図34に示すVブランク割込み処理は、例えば16.6ms(フレーム周期33msの1/2)毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPU312に入力されることで開始される。
Vブランク割込み処理が開始されると、先ず、フレームカウンタの値を+1更新する処理(ステップB71)を行い、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか判定(ステップB72)する。
ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB72;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB72;Yes)は、ステップB73へ移行し、システム周期待ちフラグが「0」であるか判定(ステップB73)する。
そして、ステップB73で、システム周期待ちフラグが「0」でない(No)と判定した場合はVブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である(Yes)と判定した場合は、ステップB74へ移行し、VDP313が表示装置41へ表示する描画を完了したか判定(ステップB74)する。
このステップB74で、VDP313が描画を完了していない(No)と判定した場合はVブランク割込み処理を終了し、VDP313が描画を完了した(Yes)と判定した場合は、ステップB75へ移行し、表示フレームバッファを切り替える処理を行い、VDP313に切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(ステップB76)。上記規定値を例えば「2」に設定することによって、基本的には2回のVブランク割込みに1回、フレームの切り替えが行われるようにすることができる。
次いで、VDP313が描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(ストップB77)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(ステップB78)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(ステップB79)を順次行い、当該Vブランク割込み処理を終了する。
演出制御装置300が上記のような処理を実行することによって、表示装置41等における特図変動表示ゲームやそれに伴う演出表示、始動記憶表示による電サポ当りや大当りの先読み表示が可能となる。
(第2発明の第2実施例)
次に、第2発明の実施形態における第2の実施例について説明する。
第2の実施例は、第1の実施例では図29(B)のフロー(特にステップA423)に示すように既に普電サポート状態である場合には電サポ当りの抽選を行わないようにしていたものを、既に普電サポート状態である場合にも電サポ当りの抽選を行ない、当選した場合には普電サポート状態が延長されるようにしたものである。
第2の実施例における遊技制御装置100による処理は、図29(B)に示す電サポ抽選処理を、図35に示す電サポ抽選処理に置き換えることで実現することができる。図29(B)に示す電サポ抽選処理と、図35に示す電サポ抽選処理との差異は、図35に示す電サポ抽選処理では、図29(B)に示す電サポ抽選処理の普電サポート中であるか否か判定するステップA423を省略している点にある。
また、第2の実施例では、図35に示す電サポ抽選処理のステップA430の電サポカウンタ設定処理におけるカウンタの設定の仕方で、一旦それまでの電サポ回数をリセットして再設定することも、電サポ回数を上乗せして設定することも可能である。具体的には、例えば図36のように、タイミングt1で最初の電サポ当りが発生して普電サポート状態(100回)が開始され、タイミングt2で再度電サポ当りが発生した場合を想定すると、一旦電サポ回数をリセットする設定方法の場合には、図36(A)に示すように、タイミングt2からさらに100回の普電サポート状態が継続されることとなる。一方、電サポ回数を上乗せして設定する方法の場合には、図36(B)に示すように、タイミングt2からさらに180回の普電サポート状態が継続されることとなる。
(第2発明の第3実施例)
次に、第2発明の実施形態における第3の実施例について説明する。
第3の実施例は、普電サポート有り状態と普電サポート無し状態とを繰り返すようにしたもの、すなわち、普電サポートのない通常の変動表示ゲームをa回実行すると、普電サポート状態の変動表示ゲームをb回実行し、再度普電サポート状態の変動表示ゲームをa回実行するというような繰り返し制御を行うようにしたものである。
上記のような制御は、例えば図21の特図ゲーム処理中に実行される特図変動中処理(ステップA10)の中に、図37に示すようなカウンタ計数処理を設けて実行することで実現することができる。このような制御を行うことにより、大当り後長期間にわたって次の大当りが発生しない場合(スランプにはまっている場合)に、普電サポート状態を発生させることで遊技者を救済することができる。この第3実施例においては電サポ当りの抽選は行ってもよいし、行わなくてもよい。また、この第3実施例のような制御は、大当り後の普電サポート状態は対象外である。
図37のカウンタ計数処理においては、先ず変動表示ゲームの図柄停止タイミングであるか否か判定し(ステップA441)、図柄停止タイミングでない(No)と判定すると何もせずに当該カウンタ計数処理から抜ける。また、ステップA441で、図柄停止タイミングである(Yes)と判定すると、次のステップA442へ進み、普電サポート状態であることを示す電サポフラグがオンしているか否か判定する。
そして、ステップA442で電サポフラグがオンしていない(No)と判定すると、ステップA443へ進み、通常カウンタを更新(+1)する。続いて、通常カウンタの値が所定の回数a以上か否か判定する(ステップA444)。ここで、通常カウンタの値が所定の回数a以上でない(No)と判定すると当該カウンタ計数処理から抜ける。また、ステップA444で、通常カウンタの値が所定の回数a以上である(Yes)と判定すると、次のステップA445へ進んで通常カウンタをクリアしてから、ステップA446で電サポフラグをオンしてカウンタ計数処理から抜ける。
一方、上記電サポフラグがオンしている(ステップA442;Yes)と判定すると、ステップA447へ移行して、電サポカウンタを更新(+1)する。続いて、電サポカウンタの値が所定の回数b以上か否か判定する(ステップA448)。ここで、電サポカウンタの値が所定の回数b以上でない(No)と判定すると当該カウンタ計数処理から抜ける。また、ステップA448で、電サポカウンタの値が所定の回数b以上である(Yes)と判定すると、次のステップA449へ進んで電サポカウンタをクリアしてから、ステップA450で電サポフラグをオフしてカウンタ計数処理から抜ける。
以上用に処理を行うことで、普電サポートのない通常の変動表示ゲームをa回実行すると、普電サポート状態の変動表示ゲームをb回実行し、再度普電サポート状態の変動表示ゲームをa回実行するというような制御を繰り返すことができる。
(第2発明の第4実施例)
第4の実施例は、電サポ当りの抽選における発動確率および先読み予告を実行するかしないかを、図38の表に示されているように、直前の大当り終了後からの変動表示ゲームの回数(特図1と特図2の和)に応じて、例えば1〜200ゲーム目のときは2/200、201〜400ゲーム目のときは1/200、401〜600ゲーム目のときは0/200、601ゲーム目以降のときは4/200のように、発動確率を切替えるようにしたものである。
また、このような制御を、前述した第1実施例での説明のように、特図2の変動表示ゲームを特図1の変動表示ゲームより優先して実行するようにした遊技機において適用すると、先読み表示の内容と実際の変動表示ゲームの進行内容とにずれが生じて間違った先読み表示を行うことになってしまう事態が生じる。
そこで、この実施例においては、図38の表の最も右側の欄のように、電サポ当りの発動確率が切り替わるゲームである201回目、401回目、601回目の数回前(例えば最大保留数前)から、先読み予告の判定値の数を減少させるようにした。
具体的には、1〜200ゲームの範囲では、発動確率の切替え前の数ゲームを除く通常時は先読みの判定値が0〜1の2個であるのに対し、発動確率の切替え前の数ゲーム(始動記憶数の範囲)では先読みの判定値を1個(0のみ)とする。また、201〜400ゲームの範囲では、通常時は先読みの判定値が0の1個であるのに対し、発動確率の切替え前の数ゲームでは先読みの判定値を0個すなわち先読みを実行しないようにする。
さらに、401〜600ゲームの範囲では、通常時は先読みの判定値が0個(先読みなし)であるので、発動確率の切替え前の数ゲームでも先読みを実行しないようにする。なお、600ゲーム以降では、発動確率の切替えはなくなるので、通常時の先読みの判定値が0〜3の4個に設定されているのに対し、発動確率の切替え前の数ゲームの欄の判定値は存在しない。
ここで、本実施例における具体的な事例について、図39のタイミングチャートを用いて説明する。図39は、始動入賞の199回目から201回目までの様子を示している。なお、図において、C1は先読み時(始動入賞発生時)のゲームカウント数、C2は実際の変動開始時のゲームカウント数を表している。
図39の例では、始動口1に続けて2個の遊技球が入賞し、最初(199個目)の入賞で開始した特図1の変動表示ゲームが終了する前に、優先処理される特図2の始動口2に1個の遊技球が入賞した場合が示されている。ここで、C1=200回目の始動入賞で抽出した乱数値が電サポ当り値「1」であった場合、図38の表の通常時の判定値で先読み判定を行うと「当り」と判定してしまう。
そして、この判定結果で先読み表示を行ったとすると、実行中の特図1の変動表示ゲーム(C1=199)の次に実行されるのは、C1=201回目の特図2の変動表示ゲーム(C2=200)であるため、このゲームが電サポ外れであるとすると、先読み表示は間違っていたことになる。しかし、この実施例では、発動確率の切替えゲーム(201回)の前の数ゲームでは先読みの判定値が少なくされている(0のみとされている)ので、図39の例では、はずれと判定して先読み表示を行わないため、矛盾した先読み表示がなされるのを回避することができる。
また、図39の例で、C1=201回目の始動記憶の乱数値が電サポ当り値「1」であった場合、図38の表に従うと、これに対する先読み表示は行われないこととなる。しかし、これは先読み演出ができたにもかかわらずしなかったのと同じであり、間違った先読み表示により遊技者に失望を与えるのとは逆に、遊技者は諦めていたのに電サポ当りに当選したことで満足感を与えることができるので、遊技制御にとっては支障となるものではない。
(第2発明の変形例)
次に、第2発明の実施形態の変形例について説明する。上記第4実施例では、発動確率の切替えゲーム前の数ゲームでは先読みの判定値を通常時よりも少なくすることで、先読み表示に矛盾が生じるのを回避しているのに対し、第1の変形例は、図40(A)に示すような電サポ先読み処理を設けている。
この電サポ先読み処理では、普図変動表示器または通変動入賞装置が動作しているか否か判定する(ステップA451)。そして、いずれかの装置が動作している(Yes)と判定すると先読み演出不実行処理(ステップA452)を実行し、いずれかの装置も動作していない(No)と判定すると先読み演出実行処理(ステップA453)を実行するようにししいる。このように、普図変動表示器または通変動入賞装置が動作している場合、優先処理される特図2の始動入賞が発生し易いので、先読み演出を実行しないようにすることによって、先読み演出の内容と実際のゲームの進行とが矛盾するのを抑制することができる。
なお、上記処理は、遊技制御装置100が行ってもよいが、演出制御装置300が行うようにしても良い。
(第2の変形例)
第2発明の第2の変形例は、図40(B)に示すように、特図2電サポ先読み抑制処理を設けたものである。
この特図2電サポ先読み抑制処理では、変動中のものを含めて始動記憶内に、普電サポート状態を発動する電サポ当りとなるものがあるか否か判定する(ステップA461)。そして、電サポ当りとなるものがある(Yes)と判定すると、以降、電サポ当りおよび大当りの先読み演出の実行を禁止する処理(ステップA462)を実行するようにしている。普電サポート状態を発動すると、優先処理される特図2の始動入賞が発生し易くなるので、上記のように、先読み演出の実行を禁止することによって、先読み演出の内容と実際のゲームの進行とが矛盾するのを抑制することができる。
なお、上記処理も、遊技制御装置100が行ってもよいが、演出制御装置300が行うようにしても良い。
(第3の変形例)
第2発明の第3の変形例は、図40(C)に示すように、電サポ先読み抑制処理を設け、この処理では、普図の保留すなわち普図始動記憶があるか否か判定する(ステップA471)。そして、普図の保留がある(Yes)と判定すると、以降、特図1に関する先読み演出の実行を禁止する処理(ステップA472)を実行するようにしたものである。普図の保留があると、普図変動ゲームで当りが発生して普通変動入賞装置37が開いて特図2の始動入賞が連続して発生し易くなるので、特図1の先読み演出の実行を禁止することによって、先読み演出の内容と実際のゲームの進行とが矛盾するのを抑制することができる。単に普図始動記憶がある場合でなく、乱数による抽選によって普図当りが発生することが決定している場合に、特図1に関する先読み演出の実行を禁止するようにしてもよい。
なお、上記処理も、遊技制御装置100が行ってもよいが、演出制御装置300が行うようにしても良い。
(第4の変形例)
第2発明の第4の変形例は、図41に示すように、特図2入賞抑制処理を設け、この処理では、特図の変動回数が所定回数(例えば196回)以上であるか否か判定する(ステップA481)。そして、特図2の変動回数が所定回数以上である(Yes)と判定すると、表示装置41の画面に、図42に示すように、例えば「普電に入賞させるな!」などの表示を行う処理(ステップA482)を実行するようにしたものである。
第4実施例で説明したように特図2の変動回数が200回を超えたら電サポの発動確率を高くするような制御をする場合、特図2の始動条件となる普通変動入賞装置37が開く確率が高くなりそれにより特図2の始動入賞が連続して発生し易くなるので、遊技者が普通変動入賞装置37に入賞させないよう、遊技者に打球の発射を中断させることで、特図2の始動条件が発生しにくくさせる。これによって、先読み演出の内容と実際のゲームの進行とが矛盾するのを抑制することができる。
なお、上記処理も、遊技制御装置100が行ってもよいが、演出制御装置300が行うようにしても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、上記実施形態の第1〜第3変形例では、所定の条件が成立している場合には先読み演出(先読み予告)を実行しないようにしたものを説明したが、所定の条件が成立している場合には先読み自体を実行しないようにしても良い。
また、上記実施形態では、普通変動入賞装置37として開閉部材37b,37bが閉じた状態では遊技球が入賞不能に構成されているものを示したが、始動入賞口36の下端と普通変動入賞装置37と上端部とが離間して設けられ、開閉部材37b,37bが閉じた状態でも遊技球が入賞可能に構成された普通変動入賞装置37を使用しても良い。
以上の説明から、本出願には、
遊技領域に設けられた始動入賞部への遊技球の入賞タイミングで当り判定用の乱数値を取得し、取得した当該当り判定用乱数値と所定の当り判定値とを比較判定することで、遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて前記特別遊技状態を発生可能な制御手段と、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを実行可能な可変表示部と、を備える遊技機において、
前記始動入賞部は、
遊技球の入賞しやすい開放状態と遊技球の入賞しにくい若しくは入賞しない状態とに変化可能な開閉型始動入賞部を含み、
前記制御手段は、
前記始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定することが可能な保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に前記保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、前記可変表示部にて変動表示ゲームを実行する可変表示実行手段と、
前記開閉型始動入賞部が開放状態になり易い特殊遊技状態を発生可能であり、前記始動入賞部に遊技球が入賞した際に特殊遊技判定用乱数値を取得し、取得した当該特殊遊技判定用乱数値と所定の特殊遊技用当り判定値とを比較判定することで、特殊遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて前記特殊遊技状態を発生可能な特殊遊技状態制御手段と、を備えるようにした第2発明が含まれていることが分かる。
ここで、「開閉型始動入賞部」は実施形態における普通変動入賞装置(普電)を含む概念であり、「特殊遊技状態」とは、開閉型始動入賞部が開放される確率が高くなるように制御されたり、開閉型始動入賞部が開放している時間もしくは単位時間当りの開放回数が実質的に多くなるように制御される状態(いわゆる電サポ状態)などを意味する。
上記のように構成を有する第2発明によれば、開閉型始動入賞部に遊技球が入賞し易い特殊遊技状態の発生が、遊技中いつも期待できるようになるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、本出願には、上記第2発明において、前記制御手段は、
前記始動入賞部に遊技球が入賞した際に取得した前記特殊遊技判定用乱数値と所定の判定値とを、変動表示ゲームの開始前に比較判定することで特殊遊技状態が発生するか否かを前もって判定する先読み判定手段と、
前記先読み判定手段が、特殊遊技状態が発生すると判定した場合に、対応する変動表示ゲームが開始される前に先読み予告を行う予告実行手段と、を備えるようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、特殊遊技状態が発生するか否かを前もって判定する先読み判定手段と判定結果に基づく予告実行手段とを備えるため、通常の遊技状態においても特殊遊技状態の発生予告により遊技の進行に対する期待感を高めることができる。
また、本出願には、上記発明において、前記特殊遊技状態制御手段は、前記特殊遊技状態の発生確率を複数種類設定可能であり、前記変動表示ゲームの実行回数に応じて前記発生確率を変更し、前記先読み判定手段は、前記特殊遊技状態の発生確率が最も低い場合の判定値により特殊遊技状態の先読み判定を行うようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、先読み判定手段は、特殊遊技状態の発生確率が最も低い場合の判定値により特殊遊技状態が発生するか否かの先読み判定を行うので、変動表示ゲームの実行回数が特殊遊技状態の発生確率の切り替わる回数を跨って先読み判定手段が先読み判定をした場合でも、先読み予告と実際の変動表示ゲームの結果とに矛盾が生じるのを回避することができる。
また、本出願には、上記発明において、
普図変動表示ゲームを実行する普図表示装置と、前記普図変動表示ゲームを開始させるための普図始動ゲート部と、をさらに備え、
前記始動入賞部は、第1始動入賞部と、前記開閉型始動入賞部である第2始動入賞部とを含み、
前記保留記憶手段は、
前記第1始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定可能な第1保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する第1保留記憶手段と、
前記第2始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定可能な第2保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する第2保留記憶手段と、を備え、
前記可変表示部は、
前記第1保留記憶手段に前記第1保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示部と、
前記第2保留記憶手段に前記第2保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示部と、を備え、
前記可変表示実行手段は、
前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段に保留記憶データがある場合に、前記第2保留記憶手段に記憶された第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームを、前記第1保留記憶手段に記憶された第1保留記憶データに基づく変動表示ゲームに優先して実行する優先実行手段を備え、
前記制御手段は、前記普図始動ゲート部への遊技球の通過により前記普図表示装置で変動表示を行い、表示結果に関連して、前記開閉型始動入賞部を開放状態に制御する普図変動表示実行手段を備え、
前記先読み判定手段は、前記普図表示装置または開閉型始動入賞部が動作しているときは特殊遊技状態の先読み判定を行わないようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、先読み判定手段は普図表示装置または開閉型始動入賞部が動作しているときは特殊遊技状態の先読み判定を行わないので、第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームを第1保留記憶データに基づく変動表示ゲームに優先して実行する場合に、先読み予告と実際の変動表示ゲームの進行や結果に矛盾が生じるのを回避することができる。
さらに、本出願には、上記発明において、前記普図変動表示実行手段は、前記普図始動ゲート部に遊技球が入賞した際に普図当り判定用乱数値を取得し、取得した普図当り判定用乱数値による抽選を行い、
前記保留記憶手段は、前記普図当り判定用乱数値による抽選結果を特定可能な第3保留記憶データを記憶する第3保留記憶手段を備え、
前記先読み判定手段または前記予告実行手段は、既に普図当りの記憶があるときは、前記第1保留記憶データに基づく先読み判定または先読み予告は行わないようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、普図始動ゲート部への入賞に基づく抽選により普図当りが発生すると、第2始動入賞部に球が入賞して優先処理される第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームが実行されることが通常よりも多くなるが、請求項5に記載の発明によれば、そのような場合には先読み判定または先読み予告は行わないので、先読み予告と実際の変動表示ゲームの進行や結果に矛盾が生じるのを回避することができる。
また、本出願には、上記発明において、前記予告実行手段は、前記特殊遊技状態の発生確率の切り替わる変動表示ゲームの所定回数前から、前記開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないように促す警告表示を行うようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、特殊遊技状態の発生確率の切り替わる変動表示ゲームの所定回数前から開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないように促す警告表示を行うことで、遊技者による打球の発射を抑制させ、優先実行される第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームの開始条件を与える開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないようにすることができ、これによって先読み予告と実際の変動表示ゲームの進行や結果に矛盾が発生しないようにすることができる。
なお、本発明の遊技機10は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
30 遊技盤
32 遊技領域
34 普図始動ゲート(普図始動ゲート部)
36 特図1始動入賞口(始動入賞部、第1始動入賞部)
37 普通変動入賞装置(始動入賞部、第2始動入賞部、開閉型始動入賞部)
41 表示装置(可変表示部)
50 一括表示部(可変表示部)
51 第1特図変動表示部(第1可変表示部)
52 第2特図変動表示部(第2可変表示部)
100 遊技制御装置(制御手段)
111 遊技用マイクロコンピュータ(保留記憶手段、第1保留記憶手段、第2保留記憶手段、第3保留記憶手段、可変表示実行手段、特殊遊技状態制御手段、先読み判定手段、予告実行手段、優先実行手段、普図変動表示実行手段)
300 演出制御装置(制御手段)

Claims (6)

  1. 遊技領域に設けられた始動入賞部への遊技球の入賞タイミングで当り判定用の乱数値を取得し、取得した当該当り判定用乱数値と所定の当り判定値とを比較判定することで、遊技者に有利な特別遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて前記特別遊技状態を発生可能な制御手段と、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを実行可能な可変表示部と、を備える遊技機において、
    前記始動入賞部は、
    遊技球の入賞しやすい開放状態と遊技球の入賞しにくい若しくは入賞しない状態とに変化可能な開閉型始動入賞部を含み、
    前記制御手段は、
    前記始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定することが可能な保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する保留記憶手段と、
    前記保留記憶手段に前記保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、前記可変表示部にて変動表示ゲームを実行する可変表示実行手段と、
    前記開閉型始動入賞部が開放状態になり易い特殊遊技状態を発生可能であり、前記始動入賞部に遊技球が入賞した際に特殊遊技判定用乱数値を取得し、取得した当該特殊遊技判定用乱数値と所定の特殊遊技用当り判定値とを比較判定することで、特殊遊技状態を発生するか否かの抽選を行い、該抽選結果に基づいて前記特殊遊技状態を発生可能な特殊遊技状態制御手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記制御手段は、
    前記始動入賞部に遊技球が入賞した際に取得した前記特殊遊技判定用乱数値と所定の判定値とを、変動表示ゲームの開始前に比較判定することで特殊遊技状態が発生するか否かを前もって判定する先読み判定手段と、
    前記先読み判定手段が、特殊遊技状態が発生すると判定した場合に、対応する変動表示ゲームが開始される前に先読み予告を行う予告実行手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記特殊遊技状態制御手段は、
    前記特殊遊技状態の発生確率を複数種類設定可能であり、前記変動表示ゲームの実行回数に応じて前記発生確率を変更し、
    前記先読み判定手段は、
    前記特殊遊技状態の発生確率が最も低い場合の判定値により特殊遊技状態の先読み判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 普図変動表示ゲームを実行する普図表示装置と、前記普図変動表示ゲームを開始させるための普図始動ゲート部と、をさらに備え、
    前記始動入賞部は、第1始動入賞部と、前記開閉型始動入賞部である第2始動入賞部とを含み、
    前記保留記憶手段は、
    前記第1始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定可能な第1保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する第1保留記憶手段と、
    前記第2始動入賞部への入賞に対応した抽選結果を特定可能な第2保留記憶データを、所定の上限値まで記憶する第2保留記憶手段と、
    を備え、
    前記可変表示部は、
    前記第1保留記憶手段に前記第1保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示部と、
    前記第2保留記憶手段に前記第2保留記憶データが記憶されている状態で開始条件が成立したときに、識別情報を可変表示させる変動表示ゲームを開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示部と、
    を備え、
    前記可変表示実行手段は、
    前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段に保留記憶データがある場合に、前記第2保留記憶手段に記憶された第2保留記憶データに基づく変動表示ゲームを、前記第1保留記憶手段に記憶された第1保留記憶データに基づく変動表示ゲームに優先して実行する優先実行手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記普図始動ゲート部への遊技球の通過により前記普図表示装置で変動表示を行い、表示結果に関連して、前記開閉型始動入賞部を開放状態に制御する普図変動表示実行手段を備え、
    前記先読み判定手段は、
    前記普図表示装置または開閉型始動入賞部が動作しているときは特殊遊技状態の先読み判定を行わないことを特徴とする請求項2または3に記載の遊技機。
  5. 前記普図変動表示実行手段は、
    前記普図始動ゲート部に遊技球が入賞した際に普図当り判定用乱数値を取得し、取得した普図当り判定用乱数値による抽選を行い、
    前記保留記憶手段は、
    前記普図当り判定用乱数値による抽選結果を特定可能な第3保留記憶データを記憶する第3保留記憶手段を備え、
    前記先読み判定手段または前記予告実行手段は、
    既に普図当りの記憶があるときは、前記第1保留記憶データに基づく先読み判定または先読み予告は行わないことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記予告実行手段は、
    前記特殊遊技状態の発生確率の切り替わる変動表示ゲームの所定回数前から、前記開閉型始動入賞部に遊技球を入賞させないように促す警告表示を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の遊技機。
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