〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
センターケース40が遊技領域32の中央に配されることで、遊技領域32にはセンターケース40の左側の領域である第1の領域32aと、センターケース40の右側の領域である第2の領域32bとが形成される。遊技者は遊技球の発射勢を調節することで、第1の領域42aに遊技球を流下させるか第2の領域32bに遊技球を流下させるかを選択可能である。すなわち、センターケース40が、遊技領域32を第1の領域32aと第2の領域32bに区画する区画部材をなす。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の左下側には、二つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
さらに、始動入賞口36の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、下カウントスイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ38aに検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。また、第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
遊技領域32のセンターケース40の右側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。さらに、普図始動ゲート34の下方には、上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備える普通変動入賞装置(普電)37が配設された第2始動入賞口80(始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、第2始動入賞口80に流入して始動口2スイッチ80a(図3参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能であるが、閉状態では遊技球が入賞できないようにしても良い。さらに、普通変動入賞装置37の左下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)39が配設されている。
第2特別変動入賞装置39も第1特別変動入賞装置38と同様に、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図3参照)により駆動される開閉扉39cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上カウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54、55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、第2動作状態が発生すると点灯して第2動作状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にする。また、ゲームの結果が「大当り」のときは、大当りの結果態様(特別結果態様、例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示し、ゲームの結果が「小当り」のときは、小当りの結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口80の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部58は、例えば普通変動入賞装置37の動作状態が第1動作状態の場合にはランプを消灯状態にし、第2動作状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。発射装置は上皿21に遊技球がありかつ発射可能な状態で操作部24が操作(回動)されることにより、一定時間あたり一定数の遊技球(例えば1分間に100個)を発射するように図示しない発射制御手段により制御される。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、第2始動入賞口80又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、第2始動入賞口80又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
なお、普図始動ゲート34、第2始動入賞口80及び第2特別変動入賞装置39へは、センターケース40の右側の遊技領域32である第2の領域32bを流下した遊技球のみが流入可能である。また、第2の領域32bを流下した遊技球が、一般入賞口35、始動入賞口36及び第1特別変動入賞装置38に入賞できないように図示しない遊技釘が配置されている。また、逆に一般入賞口35、始動入賞口36及び第1特別変動入賞装置38へは、センターケース40の左側の遊技領域32である第1の領域32aを流下した遊技球のみが流入可能である。
よって、遊技者が発射勢を調節して、遊技球を第1の領域32aを流下させるか第2の領域32bを流下させるかを選択することにより、始動入賞口36と第2始動入賞口80の何れに入賞させるか、すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れを実行するかを遊技者の意思により選択可能となっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、第2始動入賞口80へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び第2始動入賞口80への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ80aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口80へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは第2始動入賞口80への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。なお、第1特図変動表示ゲームで特別結果又は小当り結果が導出された場合は、特別遊技状態又は小当り遊技状態において第1特別変動入賞装置38が開放され、第2特図変動表示ゲームで特別結果又は小当り結果が導出された場合は、特別遊技状態又は小当り遊技状態において第2特別変動入賞装置39が開放される。すなわち、特別結果及び小当り結果が、特別変動入賞装置を開放する特定結果をなす。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38,39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良い。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは同時に実行可能である。
また、第1特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲームが開始される。
同様に、第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第2始動入賞口80に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第2特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第2特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口80に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第2特図変動表示ゲームが開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口80内の始動口2スイッチ80a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。この初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段をなす。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様や小当り結果態様が導出される場合(大当りや小当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りや小当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(第1動作状態或いは第2動作状態)、始動記憶数、遊技のモード(通常モード或いは特殊モード)などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。すなわち、遊技制御装置100が、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段をなす。なお、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなすとも言える。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口80内の始動口2スイッチ80a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ80a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号や、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号も入力されるようになっている。枠電波不正信号は前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ80aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ)等の枠演出装置45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられたスピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、第2始動入賞口80に備えられた始動口2スイッチ80aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口80)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果)の場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、8個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、30秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回、10回、4回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が小当り(小当り結果)の場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に小当り結果態様を表示するとともに、小当り遊技状態を発生させる処理を行う。小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、8個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、1.8秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放する。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が小当り結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態を、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定するようになっている。なお、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは同じ確率の状態とされる。すなわち、例えば特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に高確率状態が設定されるようになっており、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様を、第1動作状態(通常動作状態)と第2動作状態(入賞容易状態)の何れかに設定するようになっている。第2動作状態においては、普通変動入賞装置37が第1動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、普通変動入賞装置37の状態変換の動作態様を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも単位時間当たりにおける開状態となる時間が長い第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御する動作状態制御手段をなす。
例えば、第2動作状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、30000msが2000ms)。また、第2動作状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、第2動作状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が第1動作状態の第1開放時間(例えば500ms)よりも長い第2開放時間(例えば3000ms)となるように制御することが可能である。また、第2動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば1回)よりも多い回数(例えば、2回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、第2動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を第1動作状態である場合の通常確率(低確率、1/256)よりも高い高確率(255/256)とすることが可能である。
第2動作状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の第2動作状態を設定することも可能である。また、第1動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)しても良い。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、通常変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する通常モードと、特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する特殊モードの何れかを設定する。変動パターンテーブルには、少なくとも変動時間が異なる複数の変動パターンが規定されているとともに各変動パターンの選択確率が規定されており、変動パターン乱数を変動パターンテーブルに参照することで変動パターンを選択するようになっている。
特殊モードで用いられる特殊変動パターンテーブルは、通常モードで用いられる通常変動パターンテーブルよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高くなっている。すなわち、特殊モードで選択される変動時間の期待値は、通常モードで選択される変動時間の期待値よりも小さく(時間が短く)、特殊モードでは通常モードよりも単位時間における特図変動表示ゲームの実行回数が高められた状態となる。なお、高確率状態、第2動作状態及び特殊モードは、それぞれ独立して発生可能であり、全てを同時に発生することも可能であるし、一つ又は二つのみを発生させることも可能である。
図5には、本実施形態の遊技機における確率の設定等を示した。図5(a)に示すように、特別結果(大当り)となる確率は第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで共通であって、通常確率状態では1/300であり、高確率状態では1/250となっている。また、小当りとなる確率は、第1特図変動表示ゲームでは1/300であり、第2特図変動表示ゲームでは1/5となっている。この小当りとなる確率は特別結果となる確率の状態(通常確率状態、高確率状態)にかかわらず一定である。このように小当りの確率が異なることで、始動口の種類により遊技性を変えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
特別遊技状態の終了後には遊技状態としてST状態を設定することが可能となっている。ST状態とは、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として高確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第2動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する特殊モードが設定される状態である。
第1特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合は、特別遊技状態の終了後に15%の確率(ST突入率)でST状態が設定される。ST状態を設定するか否かは導出された特別結果の種類により選択される。なお、別途の抽選によりST状態を設定するかを決定するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合は、特別遊技状態の終了後に100%の確率(ST突入率)でST状態が設定される。
このST状態は、特別遊技状態の終了から300回の特図変動表示ゲームを実行するまで設定される。このST状態において、ST状態を設定する特別結果が再度導出された場合は、ST状態を設定する特図変動表示ゲームの回数がリセットされ、当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了から300回の特図変動表示ゲームを実行するまでST状態となる。また、ST状態において特別結果が導出されずに300回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、ST状態が終了して遊技状態が通常遊技状態となる。この通常遊技状態とは、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として通常確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第1動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、通常変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する通常モードが設定される状態である。
また、第1特図変動表示ゲームでST状態が設定されない特別結果が導出された場合(ST非突入時)は、特別遊技状態の終了から20回の特図変動表示ゲームを実行するまで特殊状態が設定される。特殊状態とは、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として通常確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第2動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する特殊モードが設定される状態である。
図5(b)には、特別結果が導出された場合に当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行されるラウンド回数の選択確率を示した。このラウンド回数は大当り図柄乱数値に基づき決定される。すなわち、導出された特別結果の種類により決定されるようになっている。なお、別途の抽選により決定するようにしても良い。第1特図変動表示ゲームでは、ラウンド回数が2回の2Rが選択される確率が30%であり、ラウンド回数が4回の4Rが選択される確率が20%であり、ラウンド回数が10回の10Rが選択される確率が45%であり、ラウンド回数が16回の16Rが選択される確率が5%である。また、第2特図変動表示ゲームでは、2R、4R及び10Rが選択される確率がそれぞれ10%であり、ラウンド回数が16回の16Rが選択される確率が70%であって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な振り分けとなっている。
図5(c)には、特別遊技状態における各ラウンドでの特別変動入賞装置38,39の動作態様を示した。なお、第1特図変動表示ゲームで特別結果が導出されたことに基づく特別遊技状態では第1特別変動入賞装置38が開放され、第2特図変動表示ゲームで特別結果が導出されたことに基づく特別遊技状態では第2特別変動入賞装置39が開放される。各ラウンドでは第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39が連続的に開放された状態とされ、開放の開始から30秒が経過するか8個の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると、ラウンドが終了して特別変動入賞装置が閉鎖される。その後、所定のインターバル期間(閉鎖期間)を挟んで次のラウンドが開始される。そして、特別結果の導出により選択されたラウンド回数だけラウンドを実行すると特別遊技状態が終了する。
図5(d)には、小当り遊技状態における特別変動入賞装置38,39の動作態様を示した。なお、第1特図変動表示ゲームで小当り結果が導出されたことに基づく小当り遊技状態では第1特別変動入賞装置38が開放され、第2特図変動表示ゲームで小当り結果が導出されたことに基づく小当り遊技状態では第2特別変動入賞装置39が開放される。小当り遊技状態では第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39が連続的に開放された状態とされ、開放の開始から1.8秒が経過するか8個の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると、小当り遊技状態が終了して特別変動入賞装置が閉鎖される。なお、小当り遊技状態においては1.8秒の開放を行うとしたが、これ以上の時間に亘り開放するようにしても良く、例えば、10秒の開放を1秒のインターバルを挟んで3回行うようにしても良い。
図5(e)には、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様を示した。第1動作状態では、普通変動表示ゲームで当りとなる確率が1/256とされ、普通変動表示ゲームの変動時間が30秒とされる。また、普通変動表示ゲームが当りとなった場合の普通変動入賞装置37の開放パターンは0.5秒の開放を1回行うパターンとされている。なお、開放時間内であっても10個の遊技球が入賞した場合は開放が終了する。なお、第1動作状態では普通変動表示ゲームで当りとならないようにし、かつ、普通変動入賞装置37が閉状態では入賞できないようにすれば、通常モードである場合に普通変動入賞装置37を狙って遊技球を発射することを防止することができる。
第2動作状態では、普通変動表示ゲームで当りとなる確率が255/256とされ、普通変動表示ゲームの変動時間が2秒とされる。また、普通変動表示ゲームが当りとなった場合の普通変動入賞装置37の開放パターンは3秒の開放を1秒のインターバル(閉鎖)を挟んで2回行うパターンとされている。なお、開放時間内であっても10個の遊技球が入賞した場合は開放が終了する。なお、第2動作状態において一の当りに基づき開状態とされる時間は6秒としたが、これ以上の時間に亘り開放するようにしても良く、例えば、10秒の開放を1秒のインターバルを挟んで3回行うようにしても良い。
図6には、第1特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に用いる変動パターンテーブルの内容を示した。変動パターンテーブルには、複数の変動パターンと、各変動パターンに対応する変動パターン乱数値及び各変動パターンの変動時間が規定されている。変動パターンを選択する際には、この変動パターンテーブルに変動パターン乱数値を参照することで複数の変動パターンのうちから一の変動パターンが選択されることとなる。変動パターンには、リーチ状態が発生しないリーチなしパターンと、リーチ状態が発生するノーマルリーチパターン及びSPリーチパターンがある。SPリーチパターンは、ノーマルリーチの演出を経てからSPリーチ演出に発展する演出となっている。
図6(a)は、結果がはずれである場合に用いられる変動パターンテーブルAの内容を示した。第1特図変動表示ゲームについては、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態(通常確率状態又は高確率状態)や、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様(第1動作状態又は第2動作状態)にかかわらず図6(a)の変動パターンテーブルAが用いられる。また、特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に用いる変動パターンテーブルの種類により分類される通常モードと特殊モードについては、第2特図変動表示ゲームについてのみ適用があり、第1特図変動表示ゲームについては通常モード、特殊モードにかかわらず図6(a)の変動パターンテーブルAが用いられる。これにより、始動口の種類により遊技性を変えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図6(b)には、結果が大当りである場合に用いられる変動パターンテーブルBの内容を示した。この変動パターンテーブルBでは、SPリーチパターン1〜3のみが選択可能である。また、この変動パターンテーブルBは第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで共通して用いられるようになっている。
図7には、第2特図変動表示ゲームで結果がはずれの場合に用いられる変動パターンテーブルの内容を示した。この場合の変動パターンテーブルには変動パターンテーブルCとDの二種類がある。両変動パターンテーブルは、選択可能な変動パターンの種類は同じであるが、各変動パターンの選択割合が異なっている。図7(a)に示す変動パターンテーブルCは、リーチなしパターンのうち変動時間が60秒のリーチなし5の変動パターンの選択割合が最も多く、図7(b)に示す変動パターンテーブルDは、リーチなしパターンのうち変動時間が2秒のリーチなし1の変動パターンの選択割合が最も多くなっている。また、図7(b)に示す変動パターンテーブルDでは、ノーマルリーチの変動時間が10秒となっている。
これにより、変動パターンテーブルDにより選択される変動パターンの変動時間の期待値(2.4秒)が、変動パターンテーブルCにより選択される変動パターンの変動時間の期待値(55.9秒)よりも小さく(時間が短く)なり、単位時間当りの変動表示ゲームの実行頻度が高まることとなる。すなわち、変動パターンテーブルCが通常モードで用いられる通常変動パターンテーブルをなし、変動パターンテーブルDが特殊モードで用いられる特殊変動パターンテーブルをなす。
また、結果が小当りの場合に用いられる変動パターンテーブルは示していないが、ノーマルリーチパターンのみが選択され、リーチ状態を経て小当り結果が導出されることとなる。なお、変動時間は結果がはずれの場合に用いられる変動パターンテーブルでのノーマルリーチと同じ時間であり、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの通常モードでは30秒、第2特図変動表示ゲームの特殊モードでは10秒となっている。
ここで、第2特図変動表示ゲームにおける通常モードと特殊モードの詳細について説明する。通常変動パターンテーブルで選択される変動時間の期待値は、発射装置により連続して遊技球を発射し、かつ、第2特図変動表示ゲームが連続して実行される場合に、当該変動時間の期待値の期間で発射される遊技球数よりも、一の第2特図変動表示ゲームに対して算出される小当りにより獲得可能な遊技球数の期待値の方が少なくなるような値とされている。
これに対して特殊変動パターンテーブルで選択される変動時間の期待値は、発射装置により連続して遊技球を発射し、かつ、第2特図変動表示ゲームが連続して実行される場合に、当該変動時間の期待値の期間で発射される遊技球数よりも、一の第2特図変動表示ゲームに対して算出される小当りにより獲得可能な遊技球数の期待値の方が多くなるような値とされている。よって、通常モードである場合は遊技者の持球が減少する傾向にあり、特殊モードである場合には遊技者の持球が増加する傾向にある。
図8に示すように、変動パターンテーブルCを用いる通常モードからは、性能変化タイミング1(昇格)を契機に変動パターンテーブルDを用いる特殊モードに移行し、変動パターンテーブルDを用いる特殊モードからは、性能変化タイミング2(転落)を契機に変動パターンテーブルCを用いる通常モードに移行する。本実施形態では、性能変化タイミング1(昇格)は、図5(a)で説明したとおり、ST状態を設定する特別結果が導出されることであり、性能変化タイミング2(転落)は、ST状態において特別結果が導出されずに300回の特図変動表示ゲームを実行した場合や、特殊状態において特別結果が導出されずに20回の特図変動表示ゲームを実行した場合である。
本実施形態の遊技機では、通常変動パターンテーブルにより選択される変動パターンの変動時間の期待値は55.9秒であり、特殊変動パターンテーブルにより選択される変動パターンの変動時間の期待値は2.4秒である。なお、小当り結果が導出される場合の変動時間は通常モードで30秒、特殊モードで10秒である。また、発射装置は60秒で100個の遊技球を発射する。
そして、小当り遊技状態の実行時間は2秒であり、この間に1.8秒の第2特別変動入賞装置39の開放が行われる。第2特別変動入賞装置39への遊技球1個の入賞に対して15個の賞球が払い出されるようになっており、小当り遊技状態では平均して3個の遊技球が第2特別変動入賞装置39に入賞するようになっている。小当り遊技状態の期間に発射される遊技球は3.3個であるので、小当り遊技状態では平均で41.7個の持球の増加がある。第2特図変動表示ゲームでは小当りの当選確率は常に1/5であり、一回の第2特図変動表示ゲームについて小当りによる持球の増加の期待値は8.3個である。
また、第2始動入賞口80への入賞率が上記の変動時間の期待値の時間内に1個以上の入賞が可能な入賞率となるように、遊技釘の配置や普通変動入賞装置37の動作態様が設定されている。すなわち、第2特図変動表示ゲームは通常モードであっても特殊モードであっても途切れることなく実行可能であるものとする。以上の条件において、特別結果が導出される確率は低いため考慮しないものとし、遊技者は連続して遊技球を発射し続けるものとする。
通常モードにおいて、結果がはずれ又は小当りとなる確率とそれぞれの変動時間から、一の第2特図変動表示ゲームの変動時間の期待値は50.7秒である。この時間に発射装置は84.5個の遊技球を発射することとなるが、小当りによる持球の増加の期待値は8.3個であるため、遊技者の持球は大きく減少する傾向にある。
なお、第1特図変動表示ゲームについては小当りの当選確率が低いため、小当りによる賞球の獲得はほとんど望めないが、変動パターンテーブルAにより選択される変動パターンの変動時間の期待値は20.2秒であり、この時間に発射装置は33.7個の遊技球を発射することとなる。第2特図変動表示ゲームと同じく遊技者の持球は減少する傾向にあるが、通常モードである場合は時間の効率の良さから第2始動入賞口80を狙うより始動入賞口36を狙ったほうが遊技者にとっては有利である。
特殊モードにおいて、結果がはずれ又は小当りとなる確率とそれぞれの変動時間から、一の第2特図変動表示ゲームの変動時間の期待値は3.9秒である。この時間に発射装置は6.6個の遊技球を発射することとなるが、小当りによる持球の増加の期待値は8.3個であるため、小当りによる持球の増加だけを考慮しても1ゲームあたり純増1.7個となり、遊技者の持球は増加する傾向にある。よって、特殊モードである場合は第2始動入賞口80を狙ったほうが始動入賞口36を狙うよりも遊技者にとっては有利である。
また、特殊モードではこれに加えて、第2始動入賞口80への入賞に基づく賞球や、特別結果の導出に基づく特別遊技状態における賞球もあるため、遊技者の持球は増加する傾向にあることは確実である。特に、本実施形態では、普通変動入賞装置37の動作状態が、通常モードでは第1動作状態であり、特殊モードでは第2動作状態であるため、特殊モードでは第2始動入賞口80への入賞に基づく賞球が持球の増加に寄与する割合も高い。
また、普通変動入賞装置37の動作状態が、通常モードでは第1動作状態であり、特殊モードでは第2動作状態であることで、変動時間が短くなる特殊変動パターンテーブルが設定される期間において変動表示ゲームが途切れることなく実行できるようになり、大当りによらずに持球数を増やすという機能を確実に生かすことができる。また、閉状態である場合に遊技球が入賞不能となるようにすれば、通常モードにおいて遊技者が第2始動入賞口80を狙って持球を増やそうとする行為を確実に防止できる。
また、図5(b)に示した第2特図変動表示ゲームでのラウンド回数の振り分けを、4R、10R及び16Rが選択される確率を0%とし、2Rが選択される確率を100%とすれば、第2特図変動表示ゲームにおいて特別結果の導出に基づく遊技球の獲得困難となる。これにより、通常モードである場合に第2始動入賞口80を狙って遊技球を発射することを防止することができる。
なお、通常モードにおいて、遊技者が適宜止め打ちをして発射球数を減少させるとしても、小当り結果態様の導出の確認から遊技球の発射を再開して遊技球が第2特別変動入賞装置39に到達するまでに時間がかかるために十分な賞球を得られず、依然として遊技者の持球は減少する傾向にある。このような止め打ちに対する対策として、小当り結果態様の導出から特別変動入賞装置39の開放までの時間(ファンファーレ時間)を短くすることや、小当り遊技状態における特別変動入賞装置39の開放時間を短くすること、第2特別変動入賞装置39を第2の領域32bの下部に設け、発射位置から第2特別変動入賞装置39までの経路を長くすること、遊技釘や役物の配置により発射位置から第2特別変動入賞装置39まで到達時間を長くすることなどが挙げられる。
これらの対策により、小当り結果態様の導出の確認から遊技球の発射を再開して遊技球が第2特別変動入賞装置39に到達するまでの時間内に、第2特別変動入賞装置39の開放時間の半分以上が経過又は開放時間が終了しているようになることが好ましい。また、小当り結果が導出される場合の変動パターンを短い変動時間(例えば2秒)とし、リーチ状態を発生させないものとしたり、演出上で小当り結果態様の導出の可能性を予測できないようにしたりすれば、遊技者が小当り結果態様の導出を予測できず、遊技球の発射を再開するタイミングを遅らせることができるのでより効果的である。
次に、本実施形態の遊技機における遊技状態と遊技の進行について図9を参照して説明する。通常遊技状態では通常モードであるので、遊技者は第1の領域32aに遊技球を流下させて始動入賞口36に遊技球を入賞させるように遊技球を発射(左打ち)する方が有利な状態となっている。
そして、始動入賞口36への入賞に基づき第1特図変動表示ゲームが行われ、第1特図変動表示ゲームで特別結果が導出されると、第1特別変動入賞装置38が開放される特別遊技状態となる。この特別遊技状態では第1特別変動入賞装置38が開放されるので、遊技者は左打ちのまま特別遊技状態を消化する。特別結果の種類がST状態を設定するものである場合は、特別遊技状態の終了後にST状態に移行する。また、特別結果の種類がST状態を設定するものでない場合は、特別遊技状態の終了後に特殊状態に移行する。
図10にはST状態を設定する特別結果が導出された場合の表示例を示した。図10(a)に示すように特別結果が導出されたことを示す表示が行われて特別遊技状態が開始される。そして、特別遊技状態における最終ラウンドにおいて、図10(b)に示すように特別遊技状態の終了後にST状態(小当りRush)となることが報知される。その後、ST状態の開始に伴い図10(c)に示すようにST状態の開始を報知する表示がなされる。なお、この表示の右上部にはST状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数が表示されており、この表示はST状態の期間中に継続して表示され、特図変動表示ゲームを実行する毎に更新されるようになっている。
図9に戻り、ST状態及び特殊状態では、特殊モードであるので、遊技者は第2の領域32bに遊技球を流下させて第2始動入賞口80に遊技球を入賞させるように遊技球を発射(右打ち)する方が有利な状態となっている。上述したように特殊モードが設定されている期間では、小当りが頻発することにより遊技者が持球を増加させることができるようになっており、特図変動表示ゲームの実行回数に比例して持球が増加するようになっている。
そして、第2始動入賞口80への入賞に基づき第2特図変動表示ゲームが行われ、第2特図変動表示ゲームで特別結果が導出されると、第2特別変動入賞装置39が開放される特別遊技状態となる。この特別遊技状態では第2特別変動入賞装置39が開放されるので、遊技者は右打ちのまま特別遊技状態を消化する。第2特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合は特別遊技状態の終了後に必ずST状態が設定される。
ST状態において特別結果が導出されずに300回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、ST状態が終了して遊技状態が通常遊技状態となる。また、特殊状態において特別結果が導出されずに20回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、特殊状態が終了して遊技状態が通常遊技状態となる。
また、通常遊技状態、ST状態及び特殊状態の何れであっても小当り結果が導出されると小当り遊技状態となる。第1特図変動表示ゲームで小当り結果となった場合は第1特別変動入賞装置38が開放されるので、小当り遊技状態でも遊技者は左打ちのまま小当り遊技状態を消化する。また、第2特図変動表示ゲームで小当り結果となった場合は第2特別変動入賞装置39が開放されるので、小当り遊技状態でも遊技者は右打ちのまま小当り遊技状態を消化する。この小当り遊技状態の終了後は小当り遊技状態の開始前の遊技状態に戻ることとなる。
すなわち、通常モードである場合は左打ちのまま、特殊モードである場合は右打ちのまま特図変動表示ゲームの実行や特別遊技状態、小当り遊技状態での遊技を継続でき、特別結果の発生や小当り結果の発生により遊技者が発射勢を変更する必要がない。よって、例えば、開放時間が短い小当り遊技状態でも遊技球を確実に入賞させることが可能となる。
図11には、小当り結果が導出された場合の表示例を示した。飾り特図変動表示ゲームでの小当り結果態様は、図11(a)に示すようにリーチ状態を形成した識別情報(ここでは「7」)とは異なる識別情報(ここでは並び順で一つ手前の識別情報である「6」)を最終停止したものとしても良い。また、図11(b)に示すように、リーチ状態を形成した状態から(ここでは「7」がリーチ態様を形成している)、最終停止図柄として小当り用の図柄(ここでは「小」)が停止した状態を小当り結果態様としても良い。
このように、所定条件の成立を契機に通常モードと特殊モードとが切り替わり特図変動表示ゲームの変動時間が変化するので飽きにくく興趣の高い遊技機とすることができる。また、変動時間の短縮により特図変動表示ゲームの実行頻度を増やすことができ、遊技者が有利に遊技を進めることができる。また、通常モードと特殊モードとが切り替わる所定条件は特定の特別結果の導出であるので、特定結果(特別結果)の導出に対して所定条件が成立することに対する興味を持つようになり、遊技の興趣を向上することができる。また、用いられる変動パターンテーブルの種類により、第1の領域32aと第2の領域32bとに打ち分けるという新たな遊技性を持たせることができて興趣を高めることができる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行可能な遊技機において、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、変動パターンテーブル取得手段は、所定条件の成立を契機に通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するようにしていることとなる。
また、通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替える所定条件は、少なくとも変動表示ゲームの実行結果として所定結果が導出されることを条件に成立可能である。ここで言う所定結果はどのようなものでも良く、条件装置の作動を伴う大当りの結果、前記条件装置の作動を伴わない小当りの結果、はずれの結果などが挙げられ、これらのうちの一部の結果でも良い。本実施形態では大当りや小当りである特定結果を例として説明しているが、所定のはずれ結果を契機に変動パターンテーブルを切り替えるようにすることも可能である。
また、所定結果は、条件装置の作動を伴う大当りと、条件装置の作動を伴わない小当りとの何れかを発生可能な特定結果であり、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)及び特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)が備えられる遊技領域32に遊技球を発射する発射装置と、一定時間あたり一定数の遊技球を発射するように発射装置を制御する発射制御手段と、を備え、通常変動パターンテーブルで選択される変動時間の期待値は、発射装置により連続して遊技球を発射し、かつ、変動表示ゲームが連続して実行される場合に、当該変動時間の期待値の期間で発射される遊技球数よりも、一の変動表示ゲームに対して算出される小当りにより獲得可能な遊技球数の期待値の方が少なくなるような値であり、特殊変動パターンテーブルで選択される変動時間の期待値は、発射装置により連続して遊技球を発射し、かつ、変動表示ゲームが連続して実行される場合に、当該変動時間の期待値の期間で発射される遊技球数よりも、一の変動表示ゲームに対して算出される小当りにより獲得可能な遊技球数の期待値の方が多くなるような値であることとなる。
また、始動口は、第1変動表示ゲームを実行可能な第1始動入賞口(始動入賞口36)と、第2変動表示ゲームを実行可能な第2始動入賞口80と、を備え、第1変動表示ゲームよりも第2変動表示ゲームの方が、特定結果となる確率が高く設定され、変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)は、第2変動表示ゲームについて用いられる変動パターンテーブルについて、通常変動パターンテーブルと、特殊変動パターンテーブルとの何れかを取得するようにしていることとなる。
また、第1変動表示ゲームよりも第2変動表示ゲームの方が小当りとなる確率が高いこととなる。
また、遊技領域32に、当該遊技領域32を第1の領域32aと第2の領域32bに区画する区画部材(センターケース40)を備え、第1始動入賞口(始動入賞口36)を第1の領域を流下した遊技球が入賞可能となるように設けるとともに、第2始動入賞口80を第2の領域を流下した遊技球が入賞可能となるように設け、通常変動パターンテーブルが用いられる期間では、第1の領域32aへ遊技球を発射した方が第2の領域32bへ遊技球を発射するよりも遊技者に有利となるように通常変動パターンテーブルで選択される変動時間の期待値が設定され、特殊変動パターンテーブルが用いられる期間では、第2の領域32bへ遊技球を発射した方が第1の領域32aへ遊技球を発射するよりも遊技者に有利となるように特殊変動パターンテーブルで選択される変動時間の期待値が設定されていることとなる。
また、第2始動入賞口80に、遊技球が入賞不能又は困難な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置37を備え、普通変動入賞装置37の状態変換の動作態様を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも単位時間当たりにおける開状態となる時間が長い第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御する動作状態制御手段(遊技制御装置100)を備え、動作状態制御手段は、通常変動パターンテーブルが用いられる期間では第1動作状態で制御し、特殊変動パターンテーブルが用いられる期間では第2動作状態で制御するようにしていることとなる。
また、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であることとなる。これにより、始動口の種類により遊技性を変えた上でこれらの遊技性の異なる変動表示ゲームを同時に実行することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果が特定結果となったことに基づき、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開放する遊技機において、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、始動口に遊技球が入賞不能又は困難な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置37と、普通変動入賞装置37の動作として、第1動作状態と、該第1動作状態よりも単位時間あたりにおける開状態となる時間が長い第2動作状態の何れかを設定する動作状態制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、変動パターンテーブル取得手段は、動作状態制御手段により第2動作状態が設定されている場合は、特殊変動パターンテーブルを取得するようにしていることとなる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図12及び図13に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図14に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図12に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)を行う。次に、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS4)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS5)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS6)を行い、電源ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図13のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図13のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図13のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、高確率でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、高確率である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。
なお、ステップS25で送信される停電復旧時のコマンド及びステップS30で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、第2動作状態での残りゲーム数を示す第2動作回数情報コマンドが含まれる。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図14に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図14のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS103)を行う。なお、メイン処理におけるステップS4で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ80a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a、上カウントスイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。また、第1特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップS108)、第2特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理や、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石/電波不正監視処理(ステップS112)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS113)を行う。続いて、ステップS101で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS114)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS115)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図1ゲーム処理〕
図15には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップS108)を示した。この特図1ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ80aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、第2始動入賞口80に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いで、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下カウントスイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた上カウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次いで、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図1ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップA4)。特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA7)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、第1特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、第1特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップA9)を行う。ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、第1特図変動表示ゲームの停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップA10)を行う。
ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、第1特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、特図1ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、特図1大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1ファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、特図1大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップA15)を行う。
ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、特図1小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。また、ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り中処理(ステップA17)を行う。
ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図1小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り残存球処理(ステップA18)を行う。また、ステップA8にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップA19)を行う。
次いで、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。一方、ステップA4で、特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA4;N)には、処理をステップA20に移行して、それ以降の処理を行う。
〔特図1普段処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図16に示すように、特図1普段処理では、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるかを判定する(ステップA31)。そして、特図1保留数が0でない(ステップA31;N)と判定すると、−1更新後の特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA32)、コマンド設定処理(ステップA33)を行う。次に、特図1変動開始処理(ステップA34)を行い、特図1変動中処理移行設定処理(ステップA35)を行って、特図1普段処理を終了する。
なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップA32)を行う時点では特図変動表示ゲームの開始に基づく保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から−1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。実際に特図1保留数を−1更新する処理は特図1変動開始処理(ステップA34)で行われる。
一方、特図1保留数が0である場合(ステップA31;Y)は、特図2保留数が0であるかを判定し(ステップA36)、特図2保留数が0でない場合(ステップA36;N)は、特図1普段処理を終了する。また、特図2保留数が0である場合(ステップA36;Y)は、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA37)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA37;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA38)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA39)、コマンド設定処理(ステップA40)を行い、特図1普段処理移行設定処理1(ステップA41)を行って、特図1普段処理を終了する。一方、ステップA37にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA37;Y)は、特図1普段処理移行設定処理1(ステップA41)を行って、特図1普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップA34)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図17に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA51)、第1特図変動表示ゲームが大当りや小当りであるか否かを判別するための当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報又は小当り情報を設定する当りフラグ1設定処理(ステップA52)を行う。なお、この当りフラグ1設定処理では、特図1大当り乱数についてまず大当りか否かを決定し、大当りでない場合に小当りであるかを判定するようになっている。すなわち小当りは大当りでない場合に抽選されるものであって、はずれの中から抽選されるとも言える。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA53)を行う。この特図1停止図柄設定処理では、当りフラグ1に大当り情報が設定されている場合に、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)の大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、当該停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得する。この処理により複数種類の特別結果から一の特別結果が選択される。また、当りフラグ1に小当り情報が設定されている場合には、小当りに対応する停止図柄番号を取得し、当該停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得する。また、当りフラグ1に大当り情報及び小当り情報が設定されていない場合には、はずれに対応する停止図柄番号を取得し、当該停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得する。すなわち、遊技制御装置100が、特定結果(特別結果、小当り結果)を導出する際に、複数種類の特定結果のうちから一つを選択する特定結果選択手段をなす。なお、はずれや小当りにも複数種類を設け、それぞれの結果である場合にも種類を選択するようにしても良く、これらの種類のうちに変動パターンテーブルを切り替える契機となる結果が複数含まれていても良い。すなわち、遊技制御装置100が、所定結果を導出する際に、複数種類の所定結果のうちから一つを選択する所定結果選択手段をなすようにしても良い。
その後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA54)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA55)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA56)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA57)を行って、特図1変動開始処理を終了する。なお、変動パターン設定処理(ステップA56)では、第1特図変動表示ゲームの変動パターンを決定する際に用いるテーブルとして、結果がはずれの場合は変動パターンテーブルA(図6(a)参照)を、結果が大当りの場合は変動パターンテーブルB(図6(b)参照)を、結果が小当りの場合は小当り変動パターンテーブル(図示略)を選択するようになっている。
〔特図1表示中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図18に示すように、特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における当りフラグ1設定処理にて設定された当りフラグ1をロードして(ステップA71)、RWMの当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA72)を行う。そして、ロードされた当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA73)、大当りである(ステップA73;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA74)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA75)。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA75)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA76)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA77)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA78)、コマンド設定処理(ステップA79)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA80)、コマンド設定処理(ステップA81)を行う。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA82)、コマンド設定処理(ステップA83)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA84)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA85)。そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(ここでは第1特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA86)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA87)。
次に、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップA88)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップA89)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。その後、特図1ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA90)を行い、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップA73にて、当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA73;N)は、特殊モードとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する変動回数更新処理(ステップA91)を行う。そして、当りフラグ1が小当りかをチェックし(ステップA92)、小当りでない場合(ステップA93;N)、すなわち、はずれである場合は、特図1普段処理移行設定処理(ステップA99)を行い、特図1表示中処理を終了する。特図1普段処理移行設定処理(ステップA99)では、特図1普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
また、当りフラグ1が小当りである場合(ステップA93;Y)は、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA94)、コマンド設定処理を行う(ステップA95)。さらに、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA96)、コマンド設定処理を行う(ステップA97)。そして、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA98)を行って、特図1表示中処理を終了する。
これにより、特図1変動表示ゲームの結果態様が小当り結果となったことに基づき、図15に示した特図1小当りファンファーレ中処理(ステップA16)、特図1小当り中処理(ステップA17)、特図1小当り残存球処理(ステップA18)及び特図1小当り終了処理(ステップA19)が行われるようになる。これらの処理により、第1特別変動入賞装置38を開閉変換する小当り遊技状態が行われることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が小当り結果となったことに基づき、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開閉変換する小当り遊技状態を発生させる小当り遊技発生手段をなす。
〔変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における変動回数更新処理(ステップA91)の詳細について説明する。図19に示すように、変動回数更新処理では、まず、ST状態又は特殊状態中であるかを判定する(ステップA101)。ST状態又は特殊状態中でない場合(ステップA101;N)は、変動回数更新処理を終了する。また、ST状態又は特殊状態中である場合(ステップA101;Y)は、特殊モード回数を−1更新し(ステップA102)、特殊モード回数が0であるかを判定する(ステップA103)。なお、特殊モード回数は、後述するように特別遊技状態の終了時に、ST状態又は特殊状態とする特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは20又は300)が設定される。
この特殊モード回数が0でない場合(ステップA103;N)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでもST状態又は特殊状態が継続する場合は、変動回数更新処理を終了する。また、特殊モード回数が0である場合(ステップA103;Y)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームでST状態又は特殊状態が終了する場合は、特殊モード終了時の確率情報コマンド(通常)を準備し(ステップA104)、コマンド設定処理を行う(ステップA105)。
その後、第2動作状態の終了に関する信号を外部出力データ領域にセーブし(ステップA106)、第2動作状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA107)。次に、遊技状態表示番号領域に通常遊技状態時の番号をセーブし(ステップA108)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA109)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に通常遊技状態フラグをセーブし(ステップA110)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(通常)をセーブして(ステップA111)、変動回数更新処理を終了する。
なお、図18に示した特図1表示中処理と同様の処理が、後述する特図2ゲーム処理における特図2表示中処理において第2特図変動表示ゲームを対象として行われる。図19に示す変動回数更新処理も同様に行われるようになっており、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れを実行しても特殊モード回数は−1更新される。
以上の処理により、特別遊技状態の発生によりST状態や特殊状態が設定された場合は設定された回数の特図変動表示ゲームを実行するまでST状態や特殊状態が継続され、その後、通常遊技状態に移行するようになる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了から所定の継続回数の変動表示ゲームが実行されるまでST状態や特殊状態を継続させることが可能な制御手段をなす。
〔特図1大当り終了処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図20に示すように、特図1大当り終了処理では、まず、ST状態が設定される特別結果であった場合にセットされるSTフラグがあるかを判定する(ステップA71)。そして、STフラグがない場合(ステップA121;N)は、第2動作状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA122)、第2動作状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA123)。
次に、遊技状態表示番号領域に特殊状態時の番号をセーブし(ステップA124)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA125)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特殊状態フラグをセーブし(ステップA126)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(特殊状態)をセーブして(ステップA127)、特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数初期値をセーブする(ステップA134)。
この場合は、特別結果としてST状態を設定しない特別結果が導出された場合であり、この処理により、特別遊技状態の終了後に特殊状態が設定される。なお、特殊状態とは、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として通常確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第2動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する特殊モードが設定される状態である。また、特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数初期値をセットすることで、所定回数(20回)の特図変動表示ゲームの実行により特殊状態が終了して通常遊技状態が設定されるようになる。
一方、STフラグがある場合(ステップA121;Y)は、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA128)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA129)。次に、遊技状態表示番号領域にST状態時の番号をセーブし(ステップA130)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA131)。そして、特図ゲームモードフラグ領域にST状態フラグをセーブし(ステップA132)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(ST状態)をセーブして(ステップA133)、特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数初期値をセーブする(ステップA134)。
この場合は、特別結果としてST状態を設定する特別結果が導出された場合であり、この処理により、特別遊技状態の終了後にST状態が設定される。なお、ST状態とは、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として高確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第2動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する特殊モードが設定される状態である。また、特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数をセットすることで、所定回数(300回)の特図変動表示ゲームの実行によりST状態が終了して通常遊技状態が設定されるようになる。
特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数初期値をセーブする処理(ステップA134)を行った後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA135)、コマンド設定処理(ステップA136)を行う。そして、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理に係る処理番号「0」をセーブして(ステップA137)、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA138)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA139)。その後、STフラグ領域をリセットし(ステップA140)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA141)、特図1大当り終了処理を終了する。
〔特図2ゲーム処理〕
図21には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップS109)を示した。この特図2ゲーム処理では、上述の特図1ゲーム処理(図15参照)におけるステップA3〜A21の処理と同等の処理を、第2特図変動表示ゲームを対象として行うものである。この特図2ゲーム処理では、まず、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップA201)。なお、特図2ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップA202)。特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップA202;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA203)、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA204)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA205)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA206)を行う。
ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、第2特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、第2特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップA207)を行う。ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、第2特図変動表示ゲームの停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップA208)を行う。
ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、第2特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、特図2ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップA209)を行う。
ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、特図2大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2ファンファーレ/インターバル中処理(ステップA210)を行う。ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、特図2大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大入賞口開放中処理(ステップA211)を行う。
ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大入賞口残存球処理(ステップA212)を行う。ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップA207)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップA213)を行う。
ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、特図2小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当りファンファーレ中処理(ステップA214)を行う。また、ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り中処理(ステップA215)を行う。
ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図2小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り残存球処理(ステップA216)を行う。また、ステップA206にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理(ステップA207)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップA217)を行う。
次いで、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA218)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA219)を行う。一方、ステップA202で、特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA202;N)には、処理をステップA218に移行して、それ以降の処理を行う。
〔特図2普段処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップA207)の詳細について説明する。図22に示すように、特図2普段処理では、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるかを判定する(ステップA221)。そして、特図2保留数が0である場合(ステップA221;Y)は、特図2普段処理を終了する。また、特図2保留数が0でない(ステップA221;N)と判定すると、−1更新後の特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA222)、コマンド設定処理(ステップA223)を行う。次に、特図2変動開始処理(ステップA224)を行い、特図2変動中処理移行設定処理(ステップA225)を行って、特図2普段処理を終了する。
なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップA222)を行う時点では特図変動表示ゲームの開始に基づく保留数の減算は行われておらず、現在の特図2保留数から−1した特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備している。実際に特図2保留数を−1更新する処理は特図2変動開始処理(ステップA224)で行われる。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップA224)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図23に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA231)、第2特図変動表示ゲームが大当りや小当りであるか否かを判別するための当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報又は小当り情報を設定する当りフラグ2設定処理(ステップA232)を行う。なお、この当りフラグ2設定処理では、特図2大当り乱数についてまず大当りか否かを決定し、大当りでない場合に小当りであるかを判定するようになっている。すなわち小当りは大当りでない場合に抽選されるものであって、はずれの中から抽選されるとも言える。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA233)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA234)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA235)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA236)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA237)を行って、特図2変動開始処理を終了する。なお、変動パターン設定処理(ステップA236)では、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを決定する際に用いるテーブルとして、結果がはずれの場合は変動パターンテーブルC又はD(図7参照)を、結果が大当りの場合は変動パターンテーブルB(図6(b)参照)を、結果が小当りの場合は小当り変動パターンテーブル(図示略)を選択するようになっている。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA234)の詳細について説明する。図24に示すように特図情報設定処理では、まず、特殊モード中(ST状態又は特殊状態)であるかを判定する(ステップA241)。特殊モード中でない場合(ステップA241;N)は、通常モード時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA242)。また、特殊モード中である場合(ステップA241;Y)は、特殊モード時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA243)。これにより、通常モードの場合であって結果がはずれの場合は、変動パターンテーブルCが用いられるようになり、特殊モードの場合であって結果がはずれの場合は、変動パターンテーブルDが用いられるようになる。
そして、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードし(ステップA244)、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得して変動振分情報1領域にセーブする(ステップA245)。これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(ここでは特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、特殊モードか否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、振分ベースポインタテーブルを設定し(ステップA246)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(ステップA247)。さらに、取得したポインタに演出モード番号を加算し(ステップA248)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA249)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報と、演出モード情報とからとから求められる変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、特殊モードであるか否か、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA236)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図25に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA261)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA262)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(ステップA263)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(ステップA263;N)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA266)。
一方、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(ステップA263;Y)は、ステップA262で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA264)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(ステップA265)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA266)。
停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、2バイト振分処理(ステップA267)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップA268)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップA269)。そして、振り分け処理(ステップA270)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA271)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA272)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA273)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップA274)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(ステップA275)。その後、振り分け処理(ステップA276)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップA277)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA237)の詳細について説明する。図26に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA281)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA282)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA283)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA284)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA285)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA286)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA287)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA288)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA289)、コマンド設定処理を行う(ステップA290)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(ステップA291)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定して(ステップA292)、乱数格納領域をシフトし(ステップA293)、シフト後の空き領域を0クリアする(ステップA294)。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図2大当り終了処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップA213)の詳細について説明する。図27に示すように、特図2大当り終了処理では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA301)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA302)。
次に、遊技状態表示番号領域にST状態時の番号をセーブし(ステップA303)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA304)。そして、特図ゲームモードフラグ領域にST状態フラグをセーブし(ステップA305)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(ST状態)をセーブして(ステップA306)、特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数初期値をセーブする(ステップA307)。
第2特図変動表示ゲームの場合は、特別結果の種類にかかわらず特別遊技状態の終了後にST状態が設定される。ST状態とは、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として高確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第2動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、特殊変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する特殊モードが設定される状態である。また、特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数をセットすることで、所定回数(300回)の特図変動表示ゲームの実行によりST状態が終了して通常遊技状態が設定されるようになる。
特殊モード回数領域に図柄情報に応じた特殊モード回数初期値をセーブする処理(ステップA307)を行った後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理に係る処理番号「0」をセーブして(ステップA310)、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA311)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA312)。その後、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA313)、特図2大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。前述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、当該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコン(1stCPU)311では、図28に示す1stメイン処理が行われる。
〔1stメイン処理〕
1stメイン処理においては、図28に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップC2)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。
この1stメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップC5)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC6)を行う。次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップC7)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップC8)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のステップC12〜C14)において制御を行う。なお、テストモードは遊技機10の電源遮断で終了するようになっている。
次いで、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップC9)を行い、エラー報知に関する処理を行う遊技機エラー監視処理(ステップC10)を行って、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップC11)を行う。次いで、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC12)、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC13)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップC14)を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC15)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC5)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
演出制御装置300の映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、図29に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップC21)を行い、RAMを0クリアして(ステップC22)、RAMの初期値を設定する(ステップC23)。次いで、VDP313を初期化するVDP初期化処理(ステップC24)を行い、各種割込みを許可する(ステップC25)。次いで、各種制御処理の初期化処理(ステップC26)を行い、画面描画を許可する(ステップC27)。
この2ndメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップC28)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップC29)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップC29)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップC29;Y)、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC30)。
次いで、受信コマンドチェック処理(ステップC31)を行う。この受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次いで、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップC32)を行う。この2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示する処理を行う。
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップC33)を行う。この背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップC34)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップC35)を行う。この保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。
次いで、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップC36)を行う。この客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ち画面の設定に関する処理や、客待ち画面に表示する告知表示の設定に関する処理等を行う。次いで、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップC37)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップC28)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップC9)の詳細について説明する。図30に示すように、1stシーン制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップC51)。ステップC51で、テストモード中であると判定した場合(ステップC51;Y)には、1stシーン制御処理を終了する。一方、ステップC51で、テストモード中でないと判定した場合(ステップC51;N)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップC52)。このシーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動コマンド、ファンファーレコマンド、ラウンドコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等)である。
ステップC52で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップC52;Y)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップC53)、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否か、すなわち、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップC54)。ステップC54で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップC54;Y)には、受信コマンドをセーブし(ステップC55)、演出リクエストフラグをセットして(ステップC56)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップC57)を行う。
一方、ステップC52でシーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップC52;N)や、ステップC54で有効なコマンドでないと判定した場合(ステップC54;N)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップC57)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップC57)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップC58)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合には、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップC59)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合には、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップC60)を行う。
また、変動コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップC61)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動コマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。なお、停止情報コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間として対応する特図延長表示時間を設定する処理も行う。
なお、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームが同時に実行可能であるので、変動中処理においては第1特図変動表示ゲームについての処理と第2特図変動表示ゲームについての処理は別々に並行して行われるようになっている。遊技制御装置100から送信されるコマンドには何れのゲームのものかを識別可能とする情報が含まれており、この情報に基づき対応するゲームについての処理を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態や小当り遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップC62)を行う。また、ラウンドコマンドを受信した場合には、ラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップC63)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップC64)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップC65)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップC57)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップC66)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップC67)を行う。
次いで、確率状態に関する情報(高確率状態であるか否か、第2動作状態であるか否か、特殊モードであるか否かなど)を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップC68)を行う。次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(先読み図柄コマンド、先読み変動パターンコマンド)に基づく処理を行う事前判定処理(ステップC69)を行って、1stシーン制御処理を終了する。このように事前判定処理(ステップC69)の前に確率情報コマンド受信処理(ステップC68)を行い、確率情報の変化を監視しておくことで信憑性の高い事前判定を行うことができる。
以上のような処理により、演出制御装置300が表示装置41で行われる飾り特図変動表示ゲームの表示制御や演出の制御を行う。なお、上述の実施形態では、遊技制御装置100で特殊モードと通常モードの切り替えを制御していたが、演出制御装置300で特殊モードと通常モードの切り替えを制御するようにしても良い。このようにする場合は、変動中処理(ステップC61)において、少なくとも変動時間を決定する処理を行うようにし、この決定の際に状況に応じて特殊モード用の変動時間と通常モード用の変動時間の何れかを設定する。このように演出制御装置300が通常モードと特殊モードの切り替えを制御すれば、スロットマシンと同様に演出制御装置300の制御により出玉の変化をもたらすことができる。さらに、演出制御装置300で制御するようにすれば、演出ボタン25の操作態様によりST状態へ移行するか否かを決定することも可能となる。
また、以上の実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態、ST状態及び特殊状態を設定したが、上述したように、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態には通常確率状態と高確率状態があり、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様には第1動作状態と第2動作状態があり、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンの選択態様には、通常モードと特殊モードがある。これらは独立して設定、変更可能であり、これらの設定態様により図31に示すように第1から第8遊技状態を構成することができる。
そして、例えばこれらの遊技状態を、特別結果の種類に基づき、又は、特別結果の導出に基づき行う振り分け抽選の結果に基づき選択し、特別遊技状態の終了後に何れかの遊技状態に移行するようにする。もちろん、小当りの導出など特別結果の導出以外の条件の成立により遊技状態を移行しても良い。
例えば、以上の実施形態においては、ST状態でも特殊状態でも特殊モードが設定される(第8遊技状態又は第4遊技状態へ移行)としたが、特殊状態では特殊モードを設定せずに通常モードを設定(第3遊技状態へ移行)するようにしたり、特殊状態に替えて通常遊技状態に移行(第1遊技状態へ移行)するようにしたりしても良い。このようにすれば、ST状態へ移行するか否かを特殊モードへ移行するか否かと言うことができる。
また、高確率状態が設定される特別結果であった場合にはSTフラグを設定するようにしてST状態(第8遊技状態)へ移行するとしたが、高確率状態を設定する特別結果であってもSTフラグを設定せずにST状態へ移行しない場合があっても良い。すなわち、高確率状態及び特殊モードが設定される場合(第8遊技状態へ移行)と、高確率状態及び通常モードが設定される場合(第7遊技状態へ移行)を設け、いずれの状態に移行するかを特別結果の種類により選択するようにする。このようにすればより遊技状態を多彩なものとすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
つまり、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果が特定結果となったことに基づき、特別遊技状態を発生する遊技機において、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、特定結果を導出する際に、複数種類の特定結果のうちから一つを選択する特定結果選択手段(遊技制御装置100)と、特定結果となる確率を、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、確率設定手段は、特定結果選択手段が選択した特定結果の種類に基づき、特別遊技状態の終了後の確率を設定し、変動パターンテーブル取得手段は、確率設定手段が高確率状態を設定する特別結果のうち、所定の特定結果が選択されたことを契機に通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するようにしても良い。ここで、特定結果は条件装置の作動を伴う大当りの結果の他、前記条件装置の作動を伴わない小当りの結果などが挙げられる。
また、特別結果の導出によりST状態へ移行する所定条件を成立可能としたが、小当り結果の導出により、常に又は所定の確率でST状態へ移行する所定条件が成立可能としても良い。また、ST状態とするか否かを導出された特別結果の種類により決定するようにしたが、別途の抽選により行うようにしても良いし、特別変動入賞装置の内部に流入部を設け、特別遊技状態において当該流入部に遊技球が流入すればST状態が設定されるようにしても良い。
また、通常モードから特殊モードへの切り替えの契機を特別結果の導出としたが、これに限られるものではない。例えば、特別結果のうち所定の特別結果が導出された場合や、高確率状態を設定する特別結果(確変当り)が導出された場合の全部や一部としても良い。また、リーチや特定のリーチの発生などとしても良いし、所定の抽選に当選したこととしても良い。また、小当りが導出された場合や、特別結果や小当りの導出から所定期間が経過した場合としても良い。
所定期間とは、例えば所定回数の特図変動表示ゲームの実行や、所定時間である。また、この所定期間は一の規定値であっても良いし、抽選により決定することで変化するようにしても良い。さらに、一定の条件を満たすことでこの所定期間を延長することができるようにしても良い。また、所定回数の特図変動表示ゲームの実行を条件とした場合に、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの両方を合わせて計数するようにしても良いし、一方のみを計数するようにしても良い。また、一定期間で所定条件を課すミッション演出を行い、所定条件を満たしてミッションが達成されることに基づき特殊モードに切り替えるようにしても良い。また、これらの条件を特殊モードから通常モードへの切り替えの契機としても良い。さらに、現実の日時や時刻を計時するRTC(リアルタイムクロック)を備え、RTCの情報を契機に、すなわち日時や時刻に応じて通常モードと特殊モードを切り替えるようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを同時に実行可能としたが、一方の特図変動表示ゲームを実行している場合には他方の特図変動表示ゲームを実行しないようにしても良い。この場合に第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかを優先して実行するようにしても良いし、始動記憶の発生順に第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを順次実行するようにしても良い。
なお、遊技盤30の構成や、遊技状態の構成を以下のようにすることも可能である。図32に示すように、始動入賞口36の下方に第2始動入賞口80を備える普通変動入賞装置37を設けるようにしても良い。この場合、普通変動入賞装置37が閉状態である場合には、始動入賞口36が存在するため第2始動入賞口80へは入賞不能となる。また、第2特別変動入賞装置39が第1領域32aに設けられており、常時第1領域32aへ遊技球を発射するように構成されている。なお、第1領域32aと第2領域32bの何れに遊技球を流下させても始動入賞口36と普通変動入賞装置37の両方を狙うことが可能であるようにしても良いし、第2領域32bを流下した遊技球は始動入賞口36と普通変動入賞装置37の何れにも入賞できないようにしても良い。また、第1動作状態では普通変動表示ゲームで当りとならないようにし、かつ、普通変動入賞装置37が閉状態では入賞できないようにすれば、通常モードである場合における第2始動入賞口80への入賞を防止することができる。
また、図33には遊技状態の振り分けの別例を示した。ここでは特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率を通常確率状態では1/300、高確率状態では1/30とする。また、小当りとなる確率は、第1特図変動表示ゲームでは1/300であり、第2特図変動表示ゲームでは1/5となっている。
特別遊技状態の終了後に高確率状態が設定される確率は70%とされ、高確率状態が設定された場合は、特別遊技状態の終了後に300回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態が継続し、その後通常確率状態となる。また、特別遊技状態の終了後に第2動作状態が設定される確率は70%とされ、第2動作状態が設定された場合は、特別遊技状態の終了後に300回の特図変動表示ゲームを実行するまで第2動作状態が継続し、その後第1動作状態となる。また、特別遊技状態の終了後に特殊モードが設定される確率は70%とされ、特殊モードが設定された場合は、特別遊技状態の終了後に300回の特図変動表示ゲームを実行するまで特殊モードが継続し、その後通常モードとなる。
これにより、特別遊技状態の終了後には第1から第8遊技状態の何れかに移行し、特別結果が導出されずに300回の特図変動表示ゲームを実行すると、第1遊技状態に戻ることとなる。このようにすれば、遊技状態を多彩なものとすることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、遊技状態の移行条件を調整することで、第1から第8遊技状態のうち、予め定められたいくつかの遊技状態のみに移行可能としても良い。
この他に、例えば高確率状態である場合に特図変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態への移行抽選(いわゆる転落抽選)を行う遊技機とし、特別遊技状態の終了後には第5遊技状態を設定することで次回の特別結果の導出を期待できるが持球が減少するようにし、転落抽選に当選することに基づき第1遊技状態又は第2遊技状態に移行するようにしても良い。これにより、転落後に持球を増加できる可能性も持たせることができ、転落の回避に対する期待感だけでなく転落後の状態に対する期待感も持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。
図34には、遊技盤30の構成の別例を示した。この遊技盤30では、始動入賞口36が上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備える普通変動入賞装置37を備えるものとし、第2始動入賞口80には普通変動入賞装置37を設けていない。始動入賞口36へは普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞可能である。なお、このような構成とする場合には、第2領域32bを流下した遊技球が始動入賞口36に入賞しないように構成して、通常モードにおける第2領域32bへの遊技球の発射を抑制するようにすることが望ましい。さらに、第2特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合は2Rの特別遊技状態しか発生しないようにすれば、より通常モードにおける第2領域32bへの遊技球の発射を抑制することができる。
図35には図34に示す遊技盤30を用いた場合における遊技状態の遷移の一例を示した。左打ち遊技1状態は、図31に示した第1遊技状態に対応するものである。この左打ち遊技1状態において、特別遊技状態の後に通常確率状態が設定される通常当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技2状態に移行する。また、左打ち遊技1状態において、特別遊技状態の後に高確率状態が設定される確変当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技3状態に移行する。
左打ち遊技2状態は、図31に示した第3遊技状態に対応するものである。この左打ち遊技2状態において、特別遊技状態の後に高確率状態が設定される確変当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技3状態に移行する。また、左打ち遊技2状態において、特別結果が導出されずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行すると左打ち遊技1状態に移行する。さらに、左打ち遊技2状態において、特別遊技状態の後に通常確率状態が設定される通常当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に再度左打ち遊技2状態となる。
左打ち遊技3状態は、図31に示した第7遊技状態に対応するものである。この左打ち遊技3状態において、特別遊技状態の後に通常確率状態が設定される通常当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技1に移行する。また、左打ち遊技3状態において、特別結果が導出されずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行すると左打ち遊技4状態に移行する。さらに、左打ち遊技3状態において、特別遊技状態の後に高確率状態が設定される確変当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に再度左打ち遊技3状態となる。
左打ち遊技4状態は、図31に示した第5遊技状態に対応するものである。この左打ち遊技4状態において、特別遊技状態の後に通常確率状態が設定される通常当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技3に移行する。また、左打ち遊技4状態において、特別遊技状態の後に高確率状態が設定される確変当りの特別結果が導出されると、特別遊技状態の終了後に再度左打ち遊技3状態となる。さらに、左打ち遊技4状態において、第1特図変動表示ゲームで小当り結果が導出されると、小当り遊技状態の終了後に小当りRushモード1に移行する。
小当りRushモード1は、図31に示した第6遊技状態に対応するものであって、ここでは右打ちで遊技を行うようになっている。この小当りRushモード1において、特別遊技状態の後に通常確率状態が設定される通常当りの特別結果が第2特図変動表示ゲームで導出されると、特別遊技状態の終了後に小当りRushモード2に移行する。また、小当りRushモード1において、特別遊技状態の後に高確率状態が設定される確変当りの特別結果が第2特図変動表示ゲームで導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技3状態に移行する。なお、小当りRushモード1で小当り結果が導出されると、小当り遊技状態の終了後に再度小当りRushモード1となる。
小当りRushモード2は、図31に示した第2遊技状態に対応するものであって、ここでは右打ちで遊技を行うようになっている。この小当りRushモード2において、特別遊技状態の後に通常確率状態が設定される通常当りの特別結果が第2特図変動表示ゲームで導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技2状態に移行する。また、小当りRushモード2において、特別遊技状態の後に高確率状態が設定される確変当りの特別結果が第2特図変動表示ゲームで導出されると、特別遊技状態の終了後に左打ち遊技3状態に移行する。なお、小当りRushモード2で小当り結果が導出されると、小当り遊技状態の終了後に再度小当りRushモード2となる。
小当りRushモードでは主に小当りにより遊技者の持球が増加する傾向にあり、小当りRushモード2であれば1/300の確率で特別結果に当選するまでの期間に亘り遊技者の持球が増加する状態となる。従来の遊技機であれば、高確率状態が継続しなければ持球の大幅な増加は望めなかったが、この構成の遊技機では、通常確率状態であっても持球の増加を望むことができ、むしろ特別結果が発生せずに小当りRushモード2に長期間に亘り滞在するほうが持球を増加することができるという従来にない遊技性を備えている。また、小当りRushモードへの移行は複数の遊技状態を経由する必要があり、このような複雑な条件をクリアした遊技者に対する特典となっていて、小当りRushモードへの移行の期待感による興趣の向上を図ることができる。
図36には、遊技盤30の構成の別例を示した。この遊技盤30では、始動入賞口36と第2始動入賞口80の何れにも普通変動入賞装置37を設けていない。このような構成としても、通常モードと特殊モードとを切り替える機能を備えることにより、遊技者の持球が減る傾向にある状態と増える傾向にある状態を作り出すことができ、従来にない遊技性を持たせることができる。なお、このような構成とする場合には、第2領域32bを流下した遊技球が始動入賞口36に入賞しないように構成して、通常モードにおける第2領域32bへの遊技球の発射を抑制することが望ましい。さらに、第2特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合は2Rの特別遊技状態しか発生しないようにすれば、より通常モードにおける第2領域32bへの遊技球の発射を抑制することができる。
以上のように、遊技盤30の構成を変更したり、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態や、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンの選択条件を様々に設定したりすることで、趣の異なる様々な遊技機を構成できる。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、ST状態へ移行させるかを抽選により決定するようにしている。
〔移行抽選処理〕
本変形例の遊技機では、特図1ファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)におけるファンファーレの設定の際に図37に示す移行抽選処理を行う。この移行抽選処理では、まず、特別結果の種類に対応する判定値を設定する(ステップA331)。これにより、特別結果の種類(大当り図柄乱数の値)に応じてST状態へ移行する確率が設定されることとなる。例えば、特別結果の種類に応じてST状態への移行確率が15%、50%、100%の何れかとなるように判定値が設定される。
そして、移行抽選乱数を取得し(ステップA332)、取得した移行抽選乱数が判定値と一致するか、すなわち移行抽選に当選するかを判定する(ステップA333)。移行抽選乱数が判定値と一致した場合、すなわち移行抽選に当選した場合(ステップA333;Y)は、STフラグをセットし(ステップA334)、移行抽選処理を終了する。これにより、特図1大当り終了処理(ステップA15)においてST状態が設定されることとなる。また、移行抽選乱数が判定値と一致しない場合、すなわち移行抽選に当選しなかった場合(ステップA333;N)は、移行抽選処理を終了する。これにより特図1大当り終了処理(ステップA15)において特殊状態が設定されることとなる。これにより特別結果の導出に加えて特別結果の種類に対しても興味を持つようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、移行抽選の抽選結果は、表示装置41において所定のゲームを表示することで遊技者に報知されるようになっている。図38には本変形例の遊技機におけるST状態への移行の報知例を示した。図38(a)に示すように特別結果が導出されたことを示す表示が行われて特別遊技状態が開始される。そして、特別遊技状態における最終ラウンドにおいて、図38(c)に示すように特別遊技状態の終了後にST状態(小当りRush)への移行があるかを報知する報知ゲームが開始される。
図38(d)に示すようにこの報知ゲームでは、まず、ST状態に移行しないことを報知するための「残念」の領域と、ST状態に移行することを報知するための「Rush」の領域が、順次所定の表示色で表示される移動表示がなされる。そして、所定時間の経過又は演出ボタン25の操作に基づき移動表示が終了して最終的に所定の表示色で表示された領域により遊技状態を報知するルーレットのようなゲームとなっている。図38(d)では、「Rush」の領域が最終的に所定の表示色で表示された状態で報知ゲームが終了しており、ST状態への移行が報知された状態となっており、特別遊技状態の終了後にST状態となる。
なお、特図2ファンファーレ/インターバル中処理(ステップA210)におけるファンファーレの設定の際に図37に示す移行抽選処理を行うようにするとともに、特図2大当り終了処理についても特図1大当り終了処理と同様の処理とし、所定の確率でST状態への移行が設定されるようにしても良い。また、小当り結果の導出によってもST状態へ移行可能とし、小当り結果態様にも複数種類を設定して小当り結果態様の種類によりST状態への移行確率を変化させるようにしても良い。この場合は、図38(b)に示すように小当り結果が導出され、当該小当り結果に基づく小当り遊技状態において図38(b)、(c)に示す報知ゲームを表示するようにする。
また、移行抽選に当選しなかった場合には特殊モードが設定される特殊状態ではなく、通常モードが設定される遊技状態を設定しても良い。すなわち、移行抽選を特殊モードへ移行するか否かの抽選としても良い。つまり、遊技制御装置100が、特定結果の導出に基づき、通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替える所定条件を成立させるか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段としても良い。また、特別結果の種類に応じて移行確率を設定するのではなく、抽選により移行確率を設定しても良い。また、報知ゲームの開始前にST状態への移行の有無を決定して、報知ゲームでは単にその決定結果を報知するようにしたが、演出ボタン25の入力が遊技制御装置100になされるようにし、報知ゲームにおける演出ボタン25の操作タイミングでST状態へ移行するか否かを決定するようにしても良い。
さらに、はずれや小当りにも複数種類を設け、それぞれの結果である場合にも種類を選択するようにしても良く、これらの種類のうちに移行抽選の契機となる結果が複数含まれていても良い。すなわち、遊技制御装置100が、所定結果(特定結果やはずれ結果を含む)の導出に基づき、通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替える所定条件を成立させるか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段をなすとしても良い。そして、所定結果の種類により移行抽選の当選確率を設定するようにしても良い。
以上のことから、所定結果の導出に基づき、所定条件を成立させるか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段(遊技制御装置100)と、所定結果を導出する際に、複数種類の特定結果のうちから一つを選択する所定結果選択手段(遊技制御装置100)と、を備え、移行抽選手段は、所定条件を成立させると決定する確率を、導出された所定結果の種類に基づき設定するようにしていることとなる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、小当り結果となる確率を変更可能である。
図39には、本変形例の遊技機における小当り確率を示した。第1特図変動表示ゲームについては、特別結果の導出確率(通常確率状態或いは高確率状態)や、遊技のモード(通常モード或いは特殊モード)にかかわらず、常に1/300となっている。第2特図変動表示ゲームについては、通常モードである場合は小当り通常確率として1/300が設定され、特殊モードである場合は小当り高確率として1/5が設定される。
この小当り確率は、特図ゲームモードフラグの状態に基づき遊技制御装置100が制御するようになっており、特図ゲームモードフラグとしてST状態フラグ、特殊状態フラグを設定した場合(ステップA126、A132、A305)に小当り高確率を設定する。そして、特図ゲームモードフラグとして通常遊技状態フラグを設定した場合(ステップA110)に小当り通常確率を設定する。すなわち、遊技制御装置100が、小当りとなる確率を、小当り通常確率と、該小当り通常確率より高い小当り高確率の何れかに設定する小当り確率設定手段をなす。
このようにすることで、通常モードである場合に遊技者が小当りを期待して右打ちをすることを防止できるとともに、特殊モードへの移行に伴い小当りが発生しやすくなるため、従来にない遊技性を持たせることができて興趣を高めることができる。
以上のことから、変動パターンテーブルの切り替えの契機となりうる所定結果は、条件装置の作動を伴う大当りと、条件装置の作動を伴わない小当りとの何れかを発生可能な特定結果であり、小当りとなる確率を、小当り通常確率と、該小当り通常確率より高い小当り高確率の何れかに設定する小当り確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、小当り確率設定手段は、通常変動パターンテーブルが用いられる変動表示ゲームでは小当り通常確率を設定し、特殊変動パターンテーブルが用いられる変動表示ゲームでは小当り高確率を設定可能であることとなる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、所定回数の特図変動表示ゲームを実行する待機状態を経た後に特殊モードに移行するようになっている。
〔特図1大当り終了処理〕
本変形例の遊技機では、図20に示した特図1大当り終了処理に替えて図40に示す特図1大当り終了処理を行う。この特図1大当り終了処理では、STフラグがある場合(ステップA121;Y)は、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA128)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA129)。そして、ST待機フラグをセットし(ステップA341)、遊技状態表示番号領域に待機状態時の番号をセーブする(ステップA342)。また、STフラグがない場合(ステップA121;N)は、遊技状態表示番号領域に待機状態時の番号をセーブする(ステップA342)。
遊技状態表示番号領域に待機状態時の番号をセーブする処理(ステップA342)を行った後、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA343)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に待機状態フラグをセーブし(ステップA344)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(待機状態)をセーブして(ステップA345)、待機モード回数領域に待機モード回数初期値(ここでは30)をセーブする(ステップA346)。その後、ステップA135〜A141の処理を行い、特図1大当り終了処理を終了する。
〔特図2大当り終了処理〕
また、図27に示した特図2大当り終了処理に替えて図41に示す特図2大当り終了処理を行う。この特図2大当り終了処理では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA301)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA302)。そして、遊技状態表示番号領域に待機状態時の番号をセーブし(ステップA351)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA352)。
そして、特図ゲームモードフラグ領域に待機状態フラグをセーブし(ステップA353)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(待機状態)をセーブして(ステップA354)、待機モード回数領域に待機モード回数初期値(ここでは30)をセーブする(ステップA355)。その後、ST待機フラグをセットし(ステップA356)、ステップA308〜A313の処理を行い、特図2大当り終了処理を終了する。
この特図1大当り終了処理及び特図2大当り終了処理により、特別遊技状態の終了後の遊技状態として待機状態が設定される。待機状態は、特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態として特別結果の種類に応じて通常確率状態又は高確率状態が設定され、普通変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作態様として第1動作状態が設定され、特図変動表示ゲームの実行態様である変動パターンを選択する際に、通常変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する通常モードが設定される状態である。
〔変動回数更新処理〕
また、図19に示した変動回数更新処理に替えて図42に示す変動回数更新処理を行う。この変動回数更新処理では、待機回数更新処理(ステップA361)を行う。
〔待機回数更新処理〕
図43に示すように待機回数更新処理では、まず、待機状態中であるかを判定する(ステップA371)。待機状態中でない場合(ステップA371;N)は、待機回数更新処理を終了する。また、待機状態中である場合(ステップA371;Y)は、待機モード回数を−1更新し(ステップA372)、待機モード回数が0であるかを判定する(ステップA373)。なお、待機モード回数は、上述のように特別遊技状態の終了時に、待機状態とする特図変動表示ゲームの実行回数に合わせて初期値(ここでは30)が設定される。
この待機モード回数が0でない場合(ステップA373;N)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも待機状態が継続する場合は、待機回数更新処理を終了する。また、待機モード回数が0である場合(ステップA373;Y)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで待機状態が終了する場合は、ST待機フラグがあるかを判定する(ステップA374)。
ST待機フラグがない場合は、第2動作状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA375)、第2動作状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA376)。次に、遊技状態表示番号領域に特殊状態時の番号をセーブし(ステップA377)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA378)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特殊状態フラグをセーブし(ステップA379)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(特殊状態)をセーブして(ステップA380)、特殊モード回数領域に特殊モード回数初期値(ここでは20)をセーブする(ステップA385)。これにより、待機状態が終了して特殊状態が開始されることとなる。
一方、ST待機フラグがある場合(ステップA374;Y)は、遊技状態表示番号領域にST状態時の番号をセーブし(ステップA381)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする(ステップA382)。そして、特図ゲームモードフラグ領域にST状態フラグをセーブし(ステップA383)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(ST状態)をセーブして(ステップA384)、特殊モード回数領域に特殊モード回数初期値(ここでは300)をセーブする(ステップA385)。これにより、待機状態が終了してST状態が開始される。
その後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA386)、コマンド設定処理(ステップA387)を行って、待機回数更新処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段をなす。
図44には、ST状態への移行が決定されている場合における待機状態における演出の例を示した。図44(a)に示すように、特別遊技状態における最終ラウンドにおいて、特別遊技状態の終了後から30回の特図変動表示ゲームを実行するとST状態(小当りRush)への移行する旨の報知がなされる。待機状態における特図変動表示ゲームでは、待機状態の終了までのゲーム数が表示されるようになっている。
図44(b)は、特別遊技状態の終了から21回目の特図変動表示ゲームであって、今回の特図変動表示ゲームを含めてあと10回の特図変動表示ゲームを実行するとST状態に移行する旨が報知されている。また、図44(c)は、特別遊技状態の終了から30回目の特図変動表示ゲームであって、今回の特図変動表示ゲームを含めてあと1回、すなわち次回の特図変動表示ゲームでST状態に移行する旨が報知されている。この特図変動表示ゲームの終了時には、図44(d)に示すように待機状態が終了してST状態に移行する旨の報知が行われ、次の特図変動表示ゲームの開始時には、図44(e)に示すようにST状態が開始された旨の報知が行われる。このように待機状態を設けることで、遊技状態の変化を多彩なものとでき、飽きにくく興趣の高い遊技機とすることができる。
なお、報知の態様はこれに限られるものではなく、例えば、図44(a)から(d)の状態では、待機状態となる旨や待機状態の残り回数のみを報知するようにしても良い。第1特図変動表示ゲームでは、ST状態が設定される場合と特殊状態が設定される場合があるので、待機状態の終了まで何れの状態が設定されるかを報知しないようにすることで、待機状態における興趣を向上することができる。
また、この場合に、待機状態における一部の期間又は全部の期間に亘り連続的な演出である前兆演出を行い、ST状態となることや特殊状態となることを示唆したり、演出の最終結果によりST状態となるか否かを報知したりするようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームについては100%の確率でST状態が設定されるため、待機状態を設定しないようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームについてもST状態と特殊状態の何れかが所定の確率で設定されるようにして待機状態で前兆演出を行うようにしても良い。
また、ST状態が設定される場合の待機状態と、特殊状態が設定される場合の待機状態とで、異なる変動パターンテーブルを用いるようにし、変動時間やリーチ選択率の違いから待機状態の後に設定される状態を示唆するようにしても良い。また、これらの待機状態中に用いられる変動パターンテーブルでは、第2始動入賞口80を狙って遊技を行ったとしても遊技者の持球が増減しないか微増するような変動時間の期待値とするようにしても良い。
また、待機状態中に再度特別結果が導出された場合は、当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後における待機状態では、前回の待機状態における前兆演出を引き継いだ前兆演出を行うようにしても良い。また、待機状態中に再度特別結果が導出された場合は、待機状態を設定しないようにしても良いし、特別結果の種類にかかわらずST状態へ移行するようにしても良い。また、ST状態中に第1特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、待機状態を設定しないようにしても良い。
また、特殊状態では特殊モードを設定せずに通常モードを設定するようにしたり、特殊状態に替えて通常遊技状態に移行するようにしたりしても良い。このようにすれば、ST状態へ移行するか否かを特殊モードへ移行するか否かと言うことができる。また、特別結果の導出を契機に待機状態を設定し、その後ST状態や特殊状態へ移行するとしたがこれに限られるものではなく、何らかの条件が成立することにより待機状態が開始されて当該待機状態の後に特殊モードが設定されれば良い、例えば、特定のリーチ状態が発生したことや、待機状態を開始する抽選に当選したことに基づき待機状態が開始されるようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームで特別結果が導出される確率状態については特別遊技状態の終了時に変更するようにしたが、これについても待機状態では通常確率状態を設定し、待機状態の終了時に直近の特別結果の種類に応じて変更するようにしても良い。また、待機状態が終了した場合に、特別結果が導出される確率や普通変動入賞装置37の動作状態などは変更せずに通常モードから特殊モードへ変更するのみとしても良い。この場合に、待機回数を例えば1000や1500のような十分に大きい値とし、かつ、普通変動入賞装置37への入賞率が第2動作状態としなくても連続して特図変動表示ゲームを実行可能な入賞率としておけば、長期間に亘り特別結果が導出されないいわゆるハマリ状態の場合の救済とすることができる。すなわち、スロットマシンにおける天井と同等の機能を持たせることができる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行可能な遊技機において、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、変動パターンテーブル取得手段は、計数手段による計数結果が予め定められた値である待機回数となることを契機に通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するようにしていることとなる。
また、高確率状態が設定される特別結果であった場合にはSTフラグを設定するようにしてST状態へ移行するとしたが、高確率状態を設定する特別結果であってもSTフラグを設定せずにST状態へ移行しない場合があっても良い。すなわち、高確率状態及び特殊モードが設定される場合と、高確率状態及び通常モードが設定される場合を設け、いずれの状態に移行するかを特別結果の種類により選択するようにする。そして、高確率状態及び特殊モードが設定される場合には、待機状態を経た後に特殊モードへ移行するようにしても良い。このようにすれば、待機状態の終了後に特殊モードへ移行するか否かについての興味を持たせることができ、より遊技状態を多彩なものとすることができて遊技の興趣を向上することができる。
すなわち、変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段(遊技制御装置100)を備え、計数手段は、特別遊技状態の終了からの変動表示ゲームの実行回数を計数し、変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)は、通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得する所定の特定結果が選択された場合には、当該所定の特定結果に基づく特別遊技状態の終了後、計数手段の計数結果が所定値となったことに基づき通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するようにしても良い。ここで、特定結果は条件装置の作動を伴う大当りの結果(特別結果)の他、条件装置の作動を伴わない小当りの結果を含む。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、待機状態の長さが抽選により決定されるようになっている。
〔特図1大当り終了処理〕
本変形例の遊技機では、図40に示した特図1大当り終了処理に替えて図45に示す特図1大当り終了処理を行う。この特図1大当り終了処理では、待機回数決定処理(ステップA391)を行う。
〔特図2大当り終了処理〕
また、図41に示した特図2大当り終了処理に替えて図46に示す特図2大当り終了処理を行う。この特図2大当り終了処理でも、待機回数決定処理(ステップA401)を行う。
〔待機回数決定処理〕
図47には、待機回数決定処理(ステップA391、A401)を示した。この待機回数決定処理では、まず、待機回数乱数を取得し(ステップA411)、取得した待機回数乱数を待機回数設定テーブルに参照して待機回数を取得する(ステップA412)。そして、待機回数に対応する待機回数コマンドを準備し(ステップA413)、コマンド設定処理を行って(ステップA414)、待機回数決定処理を終了する。なお、待機回数コマンドは演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこのコマンドに基づき、待機状態の残り回数の報知を所定のタイミングで行う制御を行う。
図48には、待機回数設定テーブルの内容を示した。待機回数としては、30,50,100,200又は300が選択可能である。選択された待機回数は、特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理における待機モード回数領域に待機モード回数初期値をセーブする処理(ステップA346、A355)で待機モード回数初期値として設定される。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの実行結果として所定結果が導出されることに基づき、待機回数を選択する移行契機選択手段をなす。
また、待機回数に応じて、待機状態の残り回数の報知タイミングが異なるようにされている。待機回数が30又は50である場合は、待機状態の開始時や開始前、例えば特別遊技状態の終了時に残り回数が報知されるようになっており、図49(a)に示すように特別遊技状態における最終ラウンドで報知が行われる。
また、待機回数が100である場合は、待機状態の終了の所定回転数前となることに基づき待機状態の残り回数が報知されるようになっており、例えば、特別遊技状態の終了から90回目の特図変動表示ゲームまでは残り回数が報知されず、91回目の特図変動表示ゲームが開始されると、図49(b)に示すように残り回数が報知される。
また、待機回数が200又は300である場合は残り回数の報知が行われず、待機状態の終了にともないST状態又は特殊状態が開始されることによって、待機状態の終了を認識できるようになっている。なお、待機回数が200又は300である場合に、待機状態が終了する可能性がある100ゲーム目や200ゲーム目となる数ゲーム前から、待機状態が終了する可能性があることを示唆する演出を行うようにしても良い。
この待機状態の残り回数の報知の制御は演出制御装置300が行うようになっている。演出制御装置300では、待機回数コマンドに基づき報知の態様を決定し、待機回数に応じた報知タイミングで報知を行う。報知を待機状態の開始時や開始前に行わない場合は、待機状態の開始からの特図変動表示ゲームの実行回数を計数し、又は遊技制御装置100が計数結果を演出制御装置300に送信し、所定のゲーム数となったことに基づき演出制御装置300が報知を開始する。すなわち、演出制御装置300が、移行契機選択手段により選択された待機回数を報知可能な移行契機報知手段をなす。
このように待機回数を変化させることで待機状態に変化を持たせることができ、飽きにくく興趣の高い遊技機とすることができる。また、待機回数により報知タイミングを異ならせることにより、待機回数が少ない場合は早い段階で報知を行うことで待機状態の終了まで遊技を継続する意欲を持たせることができ、待機回数が多い場合は早い段階で報知を行わないことで遊技を継続する意欲を失わせないようにすることができる。
以上のことから、変動表示ゲームの実行結果として所定結果が導出されること基づき、待機回数を選択する移行契機選択手段(遊技制御装置100)を備え、計数手段(遊技制御装置100)は、所定結果の導出に基づき計数を開始するようにしていることとなる。なお、上述の例では特定結果の導出に基づき計数を開始する例を挙げたが、これに限られず、はずれ結果を含む所定結果の導出に基づき計数を介することも可能である。
また、移行契機選択手段(遊技制御装置100)により選択された待機回数を報知可能な移行契機報知手段(演出制御装置300)を備え、移行契機報知手段は、移行契機選択手段により選択された待機回数が所定数未満である場合には、所定結果(計数開始の契機となる結果)の導出の後、変動表示ゲームが開始されるまでの間に報知を行うこととなる。
また、移行契機選択手段(遊技制御装置100)により選択された待機回数を報知可能な移行契機報知手段(演出制御装置300)を備え、移行契機報知手段は、移行契機選択手段により選択された待機回数が所定数以上である場合には、計数手段(遊技制御装置100)による計数結果が当該待機回数の所定回数前となるまで報知を行わないようにしていることとなる。
なお、待機状態中において、所定の条件が成立することに基づき待機回数を設定しなおすことができるようにしても良い。所定の条件の成立とは、例えば、リーチや特定のリーチの発生、所定の抽選に当選したこと、小当りが導出されたこと、一定期間で一定の条件を課すミッション演出を行い、一定の条件を満たしてミッションが達成されることである。このようにすることで、待機状態の期間が短縮又は延長されるようになり、遊技の興趣を向上することができる。すなわち、待機状態中に待機回数を再設定する再設定手段(遊技制御装置100)を備えても良い。
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、待機状態で所定条件を課すミッション演出を行い、所定条件を満たしてミッションが達成されることにより特殊モードが設定されるようになっている。
図50には、待機状態におけるミッション演出の例を示した。図50(a)に示すように特別遊技状態における最終ラウンドにおいて、ミッションを達成すなわち所定条件が満たされればST状態(小当りRush)となることが報知される。ここでの所定条件は、特別遊技状態の終了後、待機状態である30回の特図変動表示ゲームを実行する間にリーチ状態が発生しないことである。
図50(b)に示すように、待機状態における特図変動表示ゲームでは、待機状態の終了までのゲーム数が表示されるとともに、課されたミッションの内容が表示されるようになっている。そして、図50(c)に示すように、待機状態においてリーチ状態が発生してミッションを達成できなかった場合は、図50(c)、(d)に示すように、ミッションが達成できなかった旨の表示がなされる。ここで待機状態は終了し、次の特図変動表示ゲームからは通常遊技状態となる。
また、図50(e)に示すように待機状態の最終ゲームまでリーチ状態が発生せずにミッションを達成した場合は、図50(f)に示すように次の特図変動表示ゲームからST状態(特殊モード)が開始されるようになっている。
〔特図1大当り終了処理、特図2大当り終了処理〕
本変形例の遊技機では、図40に示した特図1大当り処理及び図41に示した特図2大当り終了処理において、ST待機フラグをセットする処理(ステップA341、A356)を行わない。
〔待機回数更新処理〕
また、図43に示した待機回数更新処理に替えて図51に示す待機回数更新処理を行う。この待機回数更新処理では、待機状態中である場合(ステップA371)に、待機モード回数を−1更新し(ステップA372)、待機モード回数が0であるかを判定する(ステップA373)。
待機モード回数が0である場合(ステップA373;Y)は、ST状態の設定に関する処理(ステップA381〜A385)を行う。これにより、待機状態が終了してST状態が開始される。この場合は待機状態で課された所定条件を満たした場合である。その後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA386)、コマンド設定処理(ステップA387)を行って、待機回数更新処理を終了する。
一方、待機モード回数が0でない場合(ステップA373;N)は、ミッション不達成が確定したかを判定する(ステップA451)。ここではミッション演出として待機状態で課された所定条件がリーチ状態を発生しないことであるので、リーチ状態が発生した時点でミッションの不達成が確定することとなる。このようにミッション不達成が確定した場合(ステップA451;Y)は、待機モード終了時の確率情報コマンド(通常)を準備し(ステップA452)、コマンド設定処理を行う(ステップA453)。
そして、遊技状態表示番号領域に通常遊技状態時の番号をセーブし(ステップA454)、特図ゲームモードフラグ領域に通常遊技状態フラグをセーブして(ステップA455)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(通常)をセーブする(ステップA456)。これにより、待機状態が終了して通常遊技状態が開始されることとなる。その後、特図ゲームモードフラグ及び特図演出モードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA386)、コマンド設定処理(ステップA387)を行って、待機回数更新処理を終了する。また、ミッション不達成が確定していない場合(ステップA451;N)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームでも待機状態が継続する場合は、待機回数更新処理を終了する。
つまり、遊技制御装置100が、所定期間を設定し、該所定期間内に所定条件を満たすかを判定するミッションモードを実行可能なミッション実行手段をなす。そして、ミッション実行手段が所定条件を満たしたと判定したことを契機に変動表示ゲームの変動時間が変化するので飽きにくく興趣の高い遊技機とすることができる。
図52には、別の所定条件が課されるミッション演出の例を示した。図52(a)に示すように特別遊技状態における最終ラウンドにおいて、ミッションを達成すなわち所定条件が満たされればST状態(小当りRush)となることが報知される。ここでの所定条件は、特別遊技状態の終了後、待機状態である50回の特図変動表示ゲームを実行する間にリーチ状態を2回発生させることである。
図52(b)に示すように待機状態が開始されると、待機状態の終了までのゲーム数が表示される。この表示は待機状態の終了まで継続される。さらに、図52(c)に示すように待機状態では、課されたミッションの内容と達成回数が表示されるようになっており、ここでは条件である2回に対して達成回数が0回であることが示されている。
そして、図52(d)に示すようにリーチ状態が発生すると、「リーチ発生」と明確に報知されるとともに、達成回数が1つ加算される。また、図52(e)に示すようにリーチ状態が発生した特図変動表示ゲームが終了して、次の特図変動表示ゲームが開始されると、図52(f)に示すようにミッション達成までの残り回数が報知される。
その後、ミッションの達成となる2回目のリーチが発生する可能性があると、図52(g)に示すように「リーチ発生なるか!?」の表示がなされる。図52(h)に示すようにリーチ状態が発生すると、「リーチ発生」と明確に報知されるとともに、達成回数が1つ加算される。これによりミッションが達成されたので、当該特図変動表示ゲームの終了時に図52(i)に示すようにミッションを達成した旨の報知がなされる。そして、図52(j)に示すように次の特図変動表示ゲームからST状態(特殊モード)が開始されるようになっている。
一方、図52(g)の状態からリーチ状態が発生せず、待機状態において最終のゲームでリーチ状態が発生しなかった際には、図52(k)に示すようにミッションを達成できなかったことを示す「ざんねん」の表示がなされる。さらに、当該特図変動表示ゲームの終了時に図52(l)に示すようにミッションが達成できなかった旨の表示がなされ、次の特図変動表示ゲームからは通常遊技状態となる。
〔待機回数更新処理〕
この場合は、図51に示した待機回数更新処理に替えて図53に示す待機回数更新処理を行う。この待機回数更新処理では、待機モード回数を−1更新した後にミッションを達成したかを判定し(ステップA457)、ミッションを達成した場合(ステップA457;Y)は、ST状態を設定する処理を行う。
また、ミッションを達成していない場合(ステップA457;N)は、待機モード回数が0であるかを判定する(ステップA373)。そして、待機モード回数が0でない場合(ステップA373;N)は、待機回数更新処理を終了する。また、待機モード回数が0である場合(ステップA373;Y)は、通常遊技状態を設定する処理を行う。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果が特定結果となったことに基づき、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開放する遊技機であって、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、所定期間を設定し、該所定期間内に所定条件を満たすかを判定するミッションモードを実行可能なミッション実行手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、変動パターンテーブル取得手段は、ミッション実行手段が所定条件を満たしたと判定したことを契機に通常変動パターンテーブルから特殊変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するようにしていることとなる。
なお、ミッションである所定条件は遊技の進行に伴い達成可能なものであれば何でも良く、リーチ状態が発生することや発生しないこと、所定回数リーチ状態が発生すること、所定のリーチ状態が発生すること、始動入賞口36へ所定数の遊技球を入賞させることなどが挙げられる。この所定の条件は常に一定の条件であっても良いし、待機状態の開始前に選択されるものであっても良い。
また、ミッション演出は特別遊技状態の終了後の待機状態以外で実行しても良い。例えば通常モードが設定されている状態でミッション演出を実行するか否かの抽選に当選したことに基づきミッション演出を開始する。このときミッションとなる所定条件や、ミッション演出の実行回数なども決定する。そしてこのミッション演出においてミッションを達成した場合に特殊モードを設定するようにしても良い。
この場合に、普通変動入賞装置37の動作状態が第2動作状態であり、かつ、通常モードが設定される遊技状態を備えた遊技機においては、普通変動入賞装置37の動作状態が第1動作状態の場合にのみミッション演出を開始可能としても良い。このようにすれば、すでに第2動作状態となることで遊技者に有利になっている場合に特殊モードへの切り替えを行わないようにすることができ、遊技者に有利になりすぎることがないようにすることができる。
すなわち、始動口は、遊技球が入賞不能又は困難な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置37と、普通変動入賞装置37の動作として、第1動作状態と、該第1動作状態よりも単位時間あたりにおける開状態となる時間が長い第2動作状態の何れかを設定する動作状態制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、ミッション実行手段(遊技制御装置100)は、動作状態制御手段により第2動作状態が設定されている場合は、ミッションモードを実行しないようにしても良い。
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特殊モード(例えばST状態)の終了条件が異なる。
〔特図1大当り終了処理、特図2大当り終了処理〕
本変形例の遊技機では、図20に示した特図1大当り処理及び図27に示した特図2大当り終了処理に替えて、図54に示す特図1大当り処理及び図55に示す特図2大当り終了処理を行う。これらの処理では、待機モード回数領域に特殊モード回数初期値をセーブする処理(ステップA134、A307)に替えて、特殊モードの終了条件を設定する終了条件設定処理(ステップA461、A462)を行う。
〔終了契機設定処理〕
図56に示すように終了条件設定処理では、まず、終了契機乱数1を取得し(ステップA471)、終了契機乱数1に基づき終了契機を選択する(ステップA472)。さらに、選択された終了契機における詳細な条件を終了契機乱数2、3に基づき選択し(ステップA473)、選択された条件を設定して(ステップA474)、終了契機設定処理を終了する。
終了契機乱数1に基づき終了契機を選択する処理(ステップA472)では、終了契機乱数1を図57(a)に示す終了契機設定テーブルに参照して終了契機を選択する。選択可能な終了契機としては、特図変動表示ゲームの実行回数が所定数に達することに基づき特殊モードを終了する終了契機である「回転数」、所定のリーチ状態が所定回数発生することに基づき特殊モードを終了する終了契機である「所定条件」、小当りや大当りの発生に基づき特殊モードを終了する終了契機である「所定契機」、所定の時間が経過することに基づき特殊モードを終了する終了契機である「時間」があり、終了契機乱数1に基づき何れかが選択される。例えば、終了契機乱数1の値が5001〜8000であった場合は、所定のリーチ状態が所定回数発生することに基づき特殊モードを終了する終了契機である「所定条件」が終了契機として選択される。
また、選択された終了契機における詳細な条件を終了契機乱数2、3に基づき選択する処理(ステップA473)では、終了契機乱数2、3を図57(b)から(d)及び図58に示すテーブルに参照して詳細な条件を選択する。終了契機として回転数が選択された場合は、図57(b)に示すテーブルに終了契機乱数2を参照して特殊モードを実行する特図変動表示ゲームの実行回数を選択する。例えば、終了契機乱数2の値が2001〜6000であった場合は、特殊モードを実行する特図変動表示ゲームの実行回数として50が選択される。
また、終了契機として所定条件が選択された場合は、図57(c)に示すテーブルに終了契機乱数2を参照して特殊モードを終了する契機となるリーチ状態の種類を選択し、さらに、図57(d)に示すテーブルに終了契機乱数3を参照して当該リーチ状態が何回発生すると特殊モードを終了するかを選択する。例えば、終了契機乱数2の値が1〜5000であり、かつ、終了契機乱数3の値が5001〜8000であった場合は、リーチ状態の種類を問わずにリーチ状態が2回発生することに基づき特殊モードを終了することが選択される。また、終了契機乱数2の値が5001〜8000であり、かつ、終了契機乱数3の値が8001〜9500であった場合は、SPリーチ1が3回発生することに基づき特殊モードを終了することが選択される。
また。終了契機として所定契機が選択された場合は、図58(a)に示すテーブルに終了契機乱数2を参照して特殊モードを終了する契機を選択し、さらに、図58(b)に示すテーブルに終了契機乱数3を参照して当該契機が発生した場合に特殊モードを終了しない確率を選択する。例えば、終了契機乱数2の値が1〜8000であり、かつ、終了契機乱数3の値が4001〜8000であった場合は、小当りが発生した場合に30%の確率で特殊モードが継続(70%の確率で特殊モードが終了)することが選択される。
また、終了契機乱数2の値が8001〜10000である場合は、大当りが発生した場合に特殊モードが終了することが選択される。この場合は特別遊技状態の終了後に再度終了契機が選択されることとなるので、終了契機乱数3による継続確率の選択は行わない。ただし、終了契機として大当りが選択された場合にも継続確率の選択を行うようにしても良く、この場合は、特別遊技状態の終了に伴う終了契機の選択は行わない。なお、継続確率の再選択は行うようにしても良い。
また、終了契機として時間が選択された場合は、図58(c)に示すテーブルに終了契機乱数2を参照して特殊モードを実行する時間を選択する。例えば、終了契機乱数2の値が2001〜6000であった場合は、特殊モードの開始から180秒の経過に基づき特殊モードを終了することが選択される。
図59には上述のように設定された特殊モードの終了条件の報知例を示した。図59(a)のように特別遊技状態が開始され、図59(b)に示すように特別遊技状態における最終ラウンドにおいて、特別遊技状態の終了後にST状態(小当りRush)となることが報知される。
そして、特殊モードの開始時に設定された条件の報知が行われる。終了条件として回転数が選択された場合は、図59(c)に示すように特殊モードで実行可能なゲーム数が報知されるようになっており、ここでは特図変動表示ゲームの300回の実行が選択されたことが報知されている。また、終了条件として所定条件が選択された場合は、図59(d)に示すように終了条件となるリーチの種類と回数が報知されるようになっており、ここではSPリーチ1を1回発生(1回なので単に発生と表示している)させることが選択されたことが報知されている。
また、終了条件として時間が選択された場合は、図59(e)に示すように特殊モードで実行可能な時間が報知されるようになっており、ここでは300秒の経過が選択されたことが報知されている。また、終了条件として所定契機が選択された場合は、図59(f)に示すように終了契機が報知されるようになっており、ここでは、大当りの発生が選択されたことが報知されている。なお、終了契機として小当りが選択された場合は継続確率についても報知される。
〔変動回数更新処理〕
また、図19に示した変動回数更新処理に替えて図60に示す変動回数更新処理を行う。この変動回数更新処理では、特殊モード回数を−1更新する処理(ステップA102)に替えて、終了条件成立判定処理(ステップA481)を行う。また、特殊モード回数が0になったかの判定(ステップA103)に替えて、終了条件が成立したかの判定(ステップA482)を行う。
終了条件成立判定処理(ステップA481)及び終了条件が成立したかの判定(ステップA482)では、設定された終了条件に応じた判定処理を行う。例えば、終了条件として回転数が選択された場合は、第1実施形態と同様に選択された回数の初期値が特殊モード回数領域に設定されるようになっており、これを−1更新して0となった場合に終了条件が成立したとして特殊モードを終了する処理(ステップA104〜A111)を行う。
また、終了条件として所定条件が選択された場合は、対象のリーチ状態の発生と発生回数を監視し、当該リーチ状態が設定された回数発生した場合に終了条件が成立したとして特殊モードを終了する処理(ステップA104〜A111)を行う。また、終了条件として所定契機が選択された場合であって小当りが選択された場合は、小当りの発生を監視し、小当りが発生した場合に設定された継続確率で継続抽選を行って、当該継続抽選に当選した場合は終了条件が成立しないものとして変動回数更新処理を終了し、継続抽選に当選しなかった場合は終了条件が成立したとして特殊モードを終了する処理(ステップA104〜A111)を行う。
また、終了条件として時間が選択された場合は、選択された時間に応じた初期値が特殊モードタイマ領域に設定されるようになっており、これをタイマ割り込み毎に−1更新して0となった場合に終了条件が成立したとして特殊モードを終了する処理(ステップA104〜A111)を行う。
なお、終了契機として所定契機が選択された場合には、特殊モードの終了が選択されるまで同じ終了契機を設定するようにしても良い。すなわち特別結果が導出された場合でも終了契機の再選択を行わないようにしても良い。例えば、終了契機として小当りの発生の30%で特殊モードが継続すると設定された場合は、特殊モードの終了が選択されるまでこの終了契機が設定されたままとする。また、終了契機として大当りが選択された場合にも図58(b)に示すテーブルと終了契機乱数3に基づき継続確率の選択を行うようにして次回の特別遊技状態の終了後に特殊モードが継続する確率を設定するとともに、特別結果が導出された場合でも終了契機の再選択を行わないようにしても良い。また、他の終了契機が選択された場合も、特別結果の導出の際に再選択を行わずに同じ条件を再設定するようにしても良い。
以上のことから、変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)は、終了条件の成立を契機に特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するように構成され、終了条件を選択する終了条件選択手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第6変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特殊モードの終了条件を変更可能である。
〔変動回数更新処理〕
本変形例の遊技機では、図60に示した変動回数更新処理に替えて図61に示す変動回数更新処理を行う。この変動回数更新処理では、終了条件変更処理(ステップA491)を行う。
〔終了条件変更処理〕
図62に示すように終了条件変更処理では、まず、終了条件の変更を行うための延長演出が既に実行中であるかを判定する(ステップA511)。延長演出の実行中である場合(ステップA511;Y)は、延長条件成立判定処理(ステップA518)へ移行する。また、延長演出の実行中でない場合(ステップA511;N)は、延長乱数1を取得し(ステップA512)、取得した延長乱数1に基づき延長演出を実行するかを判定する(ステップA513)。
延長演出を実行しない場合(ステップA513;N)は、終了条件変更処理を終了する。また、延長演出を実行する場合(ステップA513;Y)は、延長乱数2〜4を取得し(ステップA514)、延長乱数2に基づき延長演出の期間を設定し(ステップA515)、延長乱数3に基づき延長条件を設定する(ステップA516)。さらに、延長乱数4に基づき条件成立時の延長期間を設定して(ステップA517)、延長条件成立判定処理(ステップA518)を行う。
延長条件成立判定処理(ステップA518)では、ステップA516設定された延長条件が成立したかを判定し、延長条件が成立した場合(ステップA519;Y)は、ステップA517での設定に従い終了期間を延長して(ステップA520)、終了条件変更処理を終了する。また、延長条件が成立していない場合(ステップA519;N)は、ステップA515で設定された延長演出期間を管理するための延長演出期間管理処理を行い(ステップA521)、延長演出期間が終了したかを判定する(ステップA522)。
延長演出期間が終了していない場合(ステップA522;N)は、終了条件変更処理を終了する。また、延長演出期間が終了した場合は、延長演出を終了し(ステップA523)、終了条件変更処理を終了する。
図63には、終了条件変更処理で用いる各種テーブルの内容を示した。なお、図63に示すテーブルは、図56に示した終了契機設定処理において、特殊モードとする期間が回転数により設定されている場合に用いるテーブルである。
延長演出を実行するかの判定(ステップA513)では、延長乱数1を図63(a)に示す延長条件設定テーブル1Aに参照して延長演出を実行するかを決定する。また、延長演出期間を設定する処理(ステップA515)では、延長乱数2を図63(b)に示す延長条件設定テーブル2に参照して延長演出を実行する期間を設定する。例えば、延長乱数2の値が2001〜5000であった場合は、延長演出の期間として20回の特図変動表示ゲームを実行する期間を設定する。
また、延長条件を設定する処理(ステップA516)では、延長乱数3を図63(c)に示す延長条件設定テーブル3に参照して終了期間の延長を行うための条件を設定する。例えば、延長乱数3の値が2001〜5000であった場合は、延長演出においてSPリーチ1が発生した場合に終了期間の延長が行われる。また、条件成立時の延長期間を設定する処理(ステップA517)では、延長乱数4を図63(d)に示す延長条件設定テーブル4に参照して延長する期間を設定する。例えば、延長乱数4の値が5001〜8000であった場合は、特殊モードとする期間を30回の特図変動表示ゲームを実行する分だけ延長することが設定される。
図64には、延長演出の一例を示した。この例では特殊モードとする期間が300回の特図変動表示ゲームを実行する期間とされており、図64(a)に示すように特殊モードの開始時にその旨が報知されている。特殊モードで遊技が進行し、延長演出の実行が決定されたゲームでは図64(b)に示すように延長演出(ミッション演出)が開始される旨が報知されるとともに、図64(c)に示すように延長演出の期間(ここでは30ゲーム)と延長条件(ここではリーチ状態の発生)が報知される。
そして、次ゲームの開始時には図64(d)に示すように延長演出(ミッション演出)が開始される旨の報知が行われる。延長演出中は図64(e)に示すように延長演出の残り期間が報知される。また、延長条件が成立する可能性がある場合にはその旨の報知が行われるようになっており、ここでは「リーチ発生なるか!?」と報知されている。そして、図64(f)に示すように延長条件が成立するとその旨(ここでは「リーチ発生」)が報知され、当該特図変動表示ゲームの終了時に図64(g)に示すように延長条件が成立した旨と、延長期間(ここでは20回の延長)が報知される。また、特殊モードで実行可能な期間を報知する表示において延長期間が加算される表示がなされる。
延長条件を達成しても延長演出の期間が終了していなければ延長演出は継続するようになっており、次ゲームでは図64(h)に示すようにその旨が報知される。なお、図64(g)では特殊モードの残り期間が141ゲームであり、これに20ゲームが加算されてこの時点では特殊モードの残り期間は161ゲームであるが、このゲームの終了に伴い残り期間が−1更新されて、図64(h)では残り期間が160ゲームとなっている。
図65にも、終了条件変更処理で用いる各種テーブルの内容を示した。図65に示すテーブルは、図56に示した終了契機設定処理において、特殊モードとする期間が時間により設定されている場合に用いるテーブルである。
延長演出を実行するかの判定(ステップA513)では、延長乱数1を図65(a)に示す延長条件設定テーブル1Aに参照して延長演出を実行するかを決定する。また、延長演出期間を設定する処理(ステップA515)では、延長乱数2を図65(b)に示す延長条件設定テーブル2に参照して延長演出を実行する期間を設定する。例えば、延長乱数2の値が2001〜5000であった場合は、延長演出の期間として60秒の期間を設定する。
また、延長条件を設定する処理(ステップA516)では、延長乱数3を図65(c)に示す延長条件設定テーブル3に参照して終了期間の延長を行うための条件を設定する。例えば、延長乱数3の値が2001〜5000であった場合は、延長演出においてSPリーチ1が発生した場合に終了期間の延長が行われる。また、条件成立時の延長期間を設定する処理(ステップA517)では、延長乱数4を図65(d)に示す延長条件設定テーブル4に参照して延長する期間を設定する。例えば、延長乱数4の値が5001〜8000であった場合は、特殊モードとする期間を120秒延長することが設定される。
図66には、延長演出の一例を示した。この例では特殊モードとする期間が300秒の期間とされており、図66(a)に示すように特殊モードの開始時にその旨が報知されている。特殊モードで遊技が進行し、延長演出の実行が決定されたゲームでは図66(b)に示すように延長演出(ミッション演出)が開始される旨が報知されるとともに、図66(c)に示すように延長演出の期間(ここでは60秒)と延長条件(ここではリーチ状態の発生)が報知される。
そして、次ゲームの開始時には図66(d)に示すように延長演出(ミッション演出)が開始される旨の報知が行われる。延長演出中は図66(e)に示すように延長演出の残り期間が報知される。また、延長条件が成立する可能性がある場合にはその旨の報知が行われるようになっており、ここでは「リーチ発生なるか!?」と報知されている。そして、図66(f)に示すように延長条件が成立するとその旨(ここでは「リーチ発生」)が報知され、当該特図変動表示ゲームの終了時に図66(g)に示すように延長条件が成立した旨と、延長期間(ここでは180秒の延長)が報知される。また、特殊モードで実行可能な期間を報知する表示において延長期間が加算される表示がなされる。
延長条件を達成しても延長演出の期間が終了していなければ延長演出は継続するようになっており、次ゲームでは図66(h)に示すようにその旨が報知される。なお、図66(g)では特殊モードの残り期間が122秒であり、これに180秒が加算されてこの時点では特殊モードの残り期間は302秒であるが、図66(h)の状態では図66(g)の状態から2秒が経過しており、残り期間が300秒となっている。
なお、延長演出で延長条件を満たした場合(ミッションを達成した場合)の延長期間を延長演出の開始時に設定するようにしているが、延長条件を達成した際に選択するようにしても良い。また、延長演出における別途の条件を満たすことにより、延長条件を達成した場合の延長期間を変更するようにしても良い。また、延長条件を達成した場合に延長条件を選択するようにした場合は、当該延長条件の選択において、延長演出における別途の条件を満たしたか否かを考慮するようにしても良い。
以上のことから、変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)は、終了条件の成立を契機に特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替えて変動パターンを取得するように構成され、終了条件を選択する終了条件選択手段(遊技制御装置100)と、選択された終了条件を変更可能な終了条件変更手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
〔第8変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第7変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動口への入賞タイミングに応じて特殊モードの延長態様が異なるようにされている。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図67には、本変形例の遊技機における特図始動口スイッチ処理を示した。この特図始動口スイッチ共通処理は、図15に示した特図1ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)において行われる処理で、始動入賞口36への入賞に基づく始動口1スイッチ36aへの入力や、第2始動入賞口80への入賞に基づく始動口2スイッチ80aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
この特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ80aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA551)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA551;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA551;Y)は、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA552)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA552;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA552;Y)は、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA553)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA554)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ80aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA555)、ロードした値を+1更新して(ステップA556)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA557)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA557;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA558)、処理をステップA559に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA557;Y)は、処理をステップA559に移行する。
次に、入賞のタイミングを計測するための入賞監視タイマ処理を行い(ステップA559)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ80aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA560)。特図保留数が上限値未満である場合(ステップA560;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新し(ステップA561)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA562)、コマンド設定処理(ステップA563)を行う。
続けて、監視対象の始動口スイッチに対応する特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出し(ステップA564)、大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA565)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA566)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA567)。さらに、変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA568)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA569)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や第2始動入賞口80の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口80への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA560にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA560;N)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA570)、コマンド設定処理(ステップA571)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔入賞監視タイマ処理〕
図68には、入賞監視タイマ処理(ステップA559)を示した。この入賞監視タイマ処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ80aのうち、監視対象の入賞監視タイマ値を取得し(ステップA581)、対象の入賞監視タイマをクリアする(ステップA582)。そして、取得した入賞監視タイマの値に基づき、前回の入賞から所定時間以内であるかを判定し(ステップA583)、所定時間以内である場合(ステップA583;Y)には、連続入賞フラグをセットする(ステップA584)。
入賞監視タイマは入賞の間隔を計時するためのタイマであって、タイマ割込み処理ごとに+1更新されるようになっている。始動口への入賞により行われる入賞監視タイマ処理でのステップA582の処理で値がクリアされ、次の入賞による入賞監視タイマ処理でのステップA581の処理で値を取得することで、前回の入賞からの時間を取得することができる。すなわち、遊技制御装置100が、始動口への遊技球の入賞タイミングを検出する入賞タイミング検出手段をなすとともに、始動口への遊技球の入賞間隔を検出する入賞間隔検出手段をなす。
なお、始動記憶が発生するか否かにかかわらず計時を開始するようにしているが、始動記憶が発生する場合のみ計時を開始するようにして、前回の始動記憶の発生からの時間を計時するようにしても良い。この場合は、特図保留数が上限値未満である場合(ステップA560;Y)にのみ入賞監視タイマ処理(ステップA559)を行うようにする。
〔終了条件変更処理〕
本変形例の遊技機では、図62に示した終了条件変更処理に替えて、図69に示す終了条件変更処理を行う。この終了条件変更処理では、延長演出の実行中でない場合(ステップA511;N)に、連続入賞フラグがあるかを判定する(ステップA600)。連続入賞フラグがない場合(ステップA600;N)は、延長条件設定テーブル1Aを取得し(ステップA601)、連続入賞フラグをクリアする(ステップA603)。延長条件設定テーブル1Aは第7変形例で用いたテーブルである(図63(a)、図65(a)参照)。
また、連続入賞フラグがある場合(ステップA600;Y)は、延長条件設定テーブル1Bを取得し(ステップA602)、連続入賞フラグをクリアする(ステップA603)。図70には、延長条件設定テーブル1Bを示した。この延長条件設定テーブル1Bは、図63(a)や図63(a)に示した延長条件設定テーブル1Aよりも延長演出の実行を選択する確率が高められたテーブルとなっている。すなわち、短い間隔で連続的に入賞があった場合は、延長演出を実行する確率が高まるという特典が付与されることとなる。
これにより、始動口への入賞タイミングが変動表示ゲームの実行態様に影響するので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して変動表示ゲームの実行態様を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、延長演出を実行する確率を高める契機を入賞間隔が所定時間以内であることとしたがこれに限られるものではなく、入賞のタイミングによるものを契機とするものであれば良い。例えば、入賞に基づき行う所定の抽選に当選することや、入賞した際の遊技状態が所定の遊技状態であることを条件に延長演出を実行する確率を高めるようにしても良い。また、入賞タイミングにより延長演出を実行する確率を変化させるようにしたが、延長演出における各種条件を変更するようにしても良い。すなわち、延長条件設定テーブル2〜4についても入賞タイミングにより内容が異なるテーブルを選択するようにしても良い。また、延長条件設定テーブル1Aが選択される場合には延長演出を設定せず、延長条件設定テーブル1Bが選択される場合のみ延長演出を設定可能としても良い。
また、連続入賞フラグが設定された直後に実行される終了条件変更処理で延長条件設定テーブル1Bを選択するようにしたが、連続入賞フラグの設定を伴った始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて延長条件設定テーブル1Bを選択するようにしても良い。この場合は、始動記憶が発生する場合のみ入賞監視タイマが計時を終了するようにし、連続入賞フラグを始動記憶と関連付けて記憶しておくようにして、終了条件変更処理では実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に連続入賞フラグがあるかを判定するようにする。またこの場合に、延長演出を実行する確率を高める契機を他の条件を満たすこととした場合は、始動記憶の発生時に当該条件を満たすか否かを始動記憶と関連付けて記憶しておくようにする。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果が特定結果となったことに基づき、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開放する遊技機において、始動口への遊技球の入賞タイミングを検出する入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、変動パターンテーブル取得手段は、入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)による検出結果に基づき、特殊変動パターンテーブルを用いる期間を延長するようにしていることとなる。
〔第9変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第9変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動口への入賞タイミングに応じて事前演出の実行態様が異なるようにされている。
事前演出は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理の結果を示唆、報知する演出である。この事前演出は、図71に示すように、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示81,82において行われるようになっている。
図71に示す飾り特図始動記憶表示は、表示部の左下方に表示され、第1始動記憶の情報を表示する第1飾り特図始動記憶表示81と、表示部の右下方に表示され、第2始動記憶の情報を表示する第2飾り特図始動記憶表示82とから構成されている。第1及び第2飾り特図始動記憶表示のそれぞれについては、始動記憶の上限数に対応して4つ設けられ、一の飾り特図始動記憶表示が一の始動記憶に対応した情報を表示するようになっている。また、それぞれ左端に位置する飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応し、特図変動表示ゲームの実行順に従い左から順に並んでいる。
始動記憶の有無は、飾り特図始動記憶表示81,82の表示色を異ならせることで示し、図71に示す例では第1始動記憶が2つあり、第2始動記憶が0であることを示している。また、事前演出は飾り特図始動記憶表示の表示色を通常の表示色とは異なる表示色にすることで行う。例えば、飾り特図始動記憶表示は、始動記憶がない状態では白色で表示され、これとは異なる表示色とすることで始動記憶の存在を報知する。始動記憶が存在する場合における通常の表示色は黒色であり、事前演出における表示色としては、図72に示すように青、緑、赤、桜、虹(7色)の表示色がある。
図72に示すように各表示色には、事前判定により判明した当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで実行される予定の演出である発生予定演出が対応付けられており、表示色により当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの内容を示唆、報知するようになっている。なお、虹色は特別結果の導出を確定的に報知する確定演出である。図72に示した発生予定演出は下にいくにつれて特別結果が導出される可能性が高くなる順となっている。事前演出もこれに応じて、青、緑、赤、桜、虹(7色)の順で段階が高くなると言え、特別結果となる可能性の高さを段階的に遊技者に報知する演出となっている。
事前演出においては、発生予定演出に対応付けられた表示色の段階以下となる段階の演出を実行可能である。例えば、SP1リーチが発生する始動記憶については、表示色として緑又は青を表示可能である。また、SPリーチ3が発生する始動記憶については、桜、赤、緑又は青を表示可能である。この事前演出の開始タイミングは、図73(a)に示すように対象の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が表示される際でも良いし、図73(b)に示すように他の始動記憶が消化された際でも良い。図73(a)では、すでに2つの始動記憶があり、3つ目の始動記憶が発生した際に当該始動記憶について事前演出が開始されている。また、図73(b)では、すでに2つの始動記憶があり、最先の始動記憶が消化された際に2つ目であった始動記憶について事前演出が開始されている。
本変形例の遊技機では、図67に示した特図始動口スイッチ共通処理を行う。また、図68に示した入賞監視タイマ処理のうち、ステップA581及びA582の処理を行う。そして、後述するように、取得した入賞監視タイマの値の情報は演出制御装置300に送信される。
〔特図保留情報判定処理〕
図74には、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA569)を示した。この特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかを判定し(ステップA231)、満たしていない場合(ステップA611;N)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップA611;Y)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA611;Y)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA612)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA613;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA614)、大当り図柄乱数をチェックして対応する大当り停止図柄パターンを取得して(ステップA615)、停止図柄パターンを先読み停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA620)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA613;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA616)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA617;Y)は、小当り停止図柄パターンを取得して(ステップA618)、停止図柄パターンを先読み停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA620)。また、判定結果が小当りでない場合(ステップA617;N)は、はずれ停止図柄パターンを設定し(ステップA619)、停止図柄パターンを先読み停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA620)。
その後、対象の始動口スイッチ、停止図柄パターン及び入賞監視タイマ値に対応する先読み図柄コマンドを準備し(ステップA621)、コマンド設定処理を行う(ステップA622)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA623)を行い、対象の始動口スイッチに対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(ステップA624)、特図変動表示ゲームの変動態様を判定する変動パターン設定処理を行う(ステップA625)。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA626)、コマンド設定処理を行い(ステップA627)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA623における特図情報設定処理、ステップA625における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や、当該始動記憶を発生させた入賞についての前回の入賞からの時間を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類など)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させて、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔事前判定処理〕
本変形例の遊技機では図30に示した1stシーン制御処理における事前判定処理(ステップC69)において、図75に示す処理を行う。この事前判定処理では、まず、事前判定コマンド(先読み図柄コマンド、先読み変動パターンコマンド)を受信したかを判定する(ステップC101)。事前判定コマンドは、上述の特図保留情報判定処理で生成されて遊技制御装置100から送信されるコマンドであり、当該始動記憶について行われた先読み処理の結果が含まれている。
この事前判定コマンドを受信していない場合(ステップC101;N)は、事前判定処理を終了する。また、事前判定コマンドを受信した場合(ステップC101;Y)は、事前判定コマンドの内容を対応する保留(始動)記憶領域にセーブする(ステップC102)。そして、取得した入賞監視タイマ値に応じた実行確率を設定し(ステップC103)、実行判定乱数を取得して(ステップC104)、設定された実行確率に応じた先読み演出実行抽選(ステップC105)を行う。
取得した入賞監視タイマ値に応じた実行確率を設定する処理(ステップC103)では、図76に示すテーブルに従い実行確率を設定する。例えば、入賞監視タイマ値により示される入賞間隔が0.5秒〜0.8秒であった場合は、60%の確率で先読み演出の実行が選択されるように判定値を設定する。そして、設定された実行確率に応じた先読み演出実行抽選(ステップC105)において、取得した実行判定乱数をこの判定値に参照することで抽選を行う。
図75に戻り、設定された実行確率に応じた先読み演出実行抽選(ステップC105)を行った後、先読み演出を実行するかの判定(ステップC106)、すなわち先読み実行抽選に当選したかを判定する。先読み演出実行抽選に当選せず先読み演出を実行しない場合(ステップC106;N)は、事前判定処理を終了する。また、先読み演出実行抽選に当選し先読み演出を実行する場合(ステップC106;Y)は、事前判定コマンドの内容から事前演出情報を取得し(ステップC107)、対象となる保留記憶領域に事前演出情報をセーブして(ステップC108)、事前判定処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、遊技に関する予告演出を実行する予告演出手段をなす。
このように入賞したタイミング(ここでは前の入賞からの経過時間)によって演出の実行態様(ここでは実行確率)が変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果が特定結果となったことに基づき、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開放する遊技機において、始動口への遊技球の入賞タイミングを検出する入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)と、遊技に関する予告演出を実行する予告演出手段(演出制御装置300)と、を備え、予告演出手段は、入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)による検出結果に応じて予告演出の実行態様を変更可能であることとなる。ここで、特定結果には、条件装置の作動を伴う大当りの他、条件装置の作動を伴わない小当りも含まれる。
また、入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)は、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞間隔を検出する入賞間隔検出手段(遊技制御装置100)を備え、予告演出手段(演出制御装置300)は、入賞間隔検出手段にて検出された入賞間隔に応じて予告演出の実行態様を変更可能であることとなる。
また、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特定結果となるか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、予告演出手段(演出制御装置300)は、特定結果の導出を示唆する予告演出を実行可能であり、当該予告演出として、事前判定手段による判定結果を報知する先読み予告演出を実行可能であり、始動口への遊技球の入賞タイミングに応じて当該先読み予告演出の実行態様を変更可能であることとなる。
〔第10変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第10変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第9変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動口への入賞タイミングに応じて事前演出の実行態様が異なるようにされている。
〔事前判定処理〕
本変形例の遊技機では、図75に示した事前判定処理に替えて、図77に示す事前判定処理を行う。この事前判定処理では、ステップC103〜C106の処理に替えて、現在の遊技状態に応じた事前演出テーブルを設定する処理(ステップC111)を行う。そして、設定された事前演出テーブルに基づき事前判定コマンドの内容から事前演出情報を取得する(ステップC107)。
図78には各遊技状態に応じた事前演出テーブルの内容を示した。遊技状態に応じた各事前演出テーブルでは、発生予定演出に対する表示可能段階が異なっている。遊技状態の分類としては、特別遊技状態中、小当り遊技状態中、リーチ状態中、客待ち画面中と、これらの何れでもない通常中が定められている。そして、例えば発生予定演出がSPリーチ1である場合、当該始動記憶の発生タイミングが通常中であれば緑又は青の表示色を設定可能である。また、特別遊技状態中、小当り遊技状態中又はリーチ中であれば赤、緑又は青の表示色を設定可能であり、客待ち画面中であれば事前演出は実行されないこととなる。
事前判定コマンドは始動記憶の発生後すぐに演出制御装置300に送信されるので、演出制御装置300が事前判定コマンドを受信したタイミングにおける遊技状態を始動記憶が発生した際の遊技状態とみなすこととする。そして、この遊技状態に応じた事前演出テーブルを取得し、当該事前演出テーブルに定義された表示可能段階に基づき、事前演出の表示色を決定するようになっている。
このように入賞したタイミング(ここでは始動記憶の発生タイミング)によって演出の実行態様(ここでは表示可能段階)が変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
〔第11変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第11変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第9変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動口への入賞タイミングに応じて事前演出の実行態様が異なるようにされている。
〔事前判定処理〕
本変形例の遊技機では、図75に示した事前判定処理に替えて、図79に示す事前判定処理を行う。この事前判定処理では、ステップC103〜C106の処理に替えて、取得した入賞監視タイマ値に応じた先読み条件設定テーブルを設定し(ステップC121)、事前判定コマンドの内容から変動パターン情報を取得して(ステップC122)、先読み演出を実行するかを判定する(ステップC123)。
図80には、取得した入賞監視タイマの値に応じた各先読み条件設定テーブルの内容を示した。各先読み条件設定テーブルは、先読み演出を実行可能な発生予定演出が異なっている。例えば、入賞監視タイマ値により示される入賞間隔が0.5秒〜0.8秒であった場合は、発生予定演出がSPリーチ1〜3である場合と結果が特別結果となる場合に先読み演出を実行可能である。また、入賞監視タイマ値により示される入賞間隔が2.6秒以上であった場合は、結果が特別結果となる場合にのみ先読み演出を実行可能であり、この場合は先読み演出の実行が特別結果の発生を報知するものとなる。
このように入賞したタイミング(ここでは前の入賞からの経過時間)によって演出の実行態様(ここでは先読み演出を実行可能な発生予定演出)が変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
〔第12変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第12変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第9変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動口への入賞タイミングに応じて事前演出の実行態様を変更可能となっている。
〔事前判定処理〕
本変形例の遊技機では、図75に示した事前判定処理に替えて、図81に示す事前判定処理を行う。この事前判定処理では、事前判定コマンドを受信した場合には再事前判定処理(ステップC131)を行う。
〔再事前判定処理〕
図82に示すように再事前判定処理では、まず、対象の始動記憶があるかを判定する(ステップC141)。対象の始動記憶とは、同一の特図種類(特図1又は特図2)であって、図81において事前演出に関する処理を行った始動記憶の一つ前に記憶された始動記憶である。この対象の始動記憶がない場合(ステップC141)は、再事前判定処理を終了する。この場合は対象の始動記憶が既に消化されてしまっており、変更対象の始動記憶がない場合である。
また、対象の始動記憶がある場合(ステップC141;Y)は、取得した入賞監視タイマ値に応じた再判定実行率を設定する(ステップC142)。さらに、再判定乱数を取得し(ステップC143)、設定された再判定実行率に応じた再判定実行抽選を行って(ステップC144)、再判定を実行するかを判定する(ステップC145)。
再判定実行抽選の結果、再判定を実行しないと判定された場合(ステップC145;N)は、再事前判定処理を終了する。また、再判定を実行すると判定された場合(ステップC145;Y)は、対象の始動記憶について記憶された事前判定コマンドの内容を取得し(ステップC146)、対象の始動記憶の事前演出情報を取得する(ステップC147)。そして、対象の始動記憶について先読み演出を実行済みであるかを判定する(ステップC148)。
対象の始動記憶について先読み演出を実行済みである場合(ステップC148;Y)は、先読み再判定テーブル1を設定する(ステップC149)。また、対象の始動記憶について先読み演出を実行済みでない場合(ステップC148;N)は、先読み再判定テーブル2を設定する(ステップC150)。そして、設定したテーブルに基づき事前演出情報を設定し(ステップC151)、対象となる保留記憶領域に事前演出情報をセーブして(ステップC152)、再事前判定処理を終了する。
図83(a)には、ステップC142の処理で再判定実行率を選択するための先読み再判定確率テーブルの内容を示した。入賞監視タイマ値により示される入賞間隔により再判定を実行すると判定する確率が異なっており、例えば、入賞監視タイマ値により示される入賞間隔が0.5秒〜0.8秒であった場合は、20%の確率で再判定を実行すると判定するように確率が設定される。
また、図83(b)には、ステップC149で設定される先読み再判定テーブル1の内容を示した。ここでは対象の始動記憶における発生予定演出の種類により設定する先読み演出の種類が異なっており、例えば、発生予定演出がSPリーチである場合は赤色の表示色が設定される。
また、図83(c)には、ステップC150で設定される先読み再判定テーブル2の内容を示した。ここでも対象の始動記憶における発生予定演出の種類により設定する先読み演出の種類が異なっており、例えば、発生予定演出がN(ノーマル)リーチである場合は緑色の発光色が設定される。また、発生予定演出がSPリーチ1〜3である場合は変更されない。なお、変更の設定はこれに限られないが、既に設定されている段階よりも低い段階への変更を規制するようにすることが望ましい。
このように入賞したタイミング(ここでは前の入賞からの経過時間)によって演出の実行態様(ここでは既に記憶されている始動記憶についての先読み演出)が変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、対象の始動記憶を、同一の特図種類(特図1又は特図2)であって、図81において事前演出に関する処理を行った始動記憶の一つ前に記憶された始動記憶としたが、これに限られるものではなく、すべての始動記憶を対象の始動記憶としても良いし、抽選等により選択した特定の始動記憶を対象の始動記憶としても良い。
以上のような遊技機10は、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果が特定結果となったことに基づき、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を開放する遊技機であって、始動口への遊技球の入賞タイミングを検出する入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)と、遊技に関する予告演出を実行する予告演出手段(演出制御装置300)と、を備え、予告演出手段は、入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)による検出結果に応じて予告演出の実行態様を変更可能である。
ここで、特定結果には、条件装置の作動を伴う大当りの他、前記条件装置の作動を伴わない小当りも含まれる。
したがって、入賞したタイミングによって演出の実行態様が変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)は、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞間隔を検出する入賞間隔検出手段(遊技制御装置100)を備え、予告演出手段(演出制御装置300)は、入賞間隔検出手段にて検出された入賞間隔に応じて前記予告演出の実行態様を変更可能である。
したがって、入賞したタイミングによって演出の実行態様が変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、始動口(始動入賞口36、第2始動入賞口80)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特定結果となるか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、予告演出手段(演出制御装置300)は、特定結果の導出を示唆する予告演出を実行可能であり、当該予告演出として、事前判定手段による判定結果を報知する先読み予告演出を実行可能であり、始動口への遊技球の入賞タイミングに応じて当該先読み予告演出の実行態様を変更可能である。
したがって、先読み予告演出の実行態様が始動口への入賞タイミングによって変更されるので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して演出を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、変動表示ゲームにおける変動時間を決定するための変動パターンテーブルを複数記憶した変動パターンテーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動パターンテーブル記憶手段に記憶された複数の変動パターンテーブルのうち一の変動パターンテーブルを取得し変動パターンを決定する変動パターンテーブル取得手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の変動パターンテーブルは、通常用いられる通常変動パターンテーブルと、通常変動パターンテーブルにて選択される変動パターンよりも短い変動時間の変動パターンの選択割合が高い特殊変動パターンテーブルと、を少なくとも備え、変動パターンテーブル取得手段は、入賞タイミング検出手段(遊技制御装置100)による検出結果に基づき、特殊変動パターンテーブルを用いる期間を延長するようにしている。
したがって、始動口への入賞タイミングが変動表示ゲームの実行態様に影響するので、遊技を飽き難いものとすることができ興趣が向上する。また、始動口への入賞に対して変動表示ゲームの実行態様を変更させるという新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。