<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の側部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される球払出装置から、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。なお、本実施形態で用いる変動パターンテーブルの詳細については後述する。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、擬似連リーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、擬似連SP1リーチ、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、擬似連SP2リーチ、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、擬似連SP3リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<擬似連リーチ<スペシャル1リーチ<擬似連SP1リーチ<スペシャル2リーチ<擬似連SP2リーチ<スペシャル3リーチ<擬似連SP3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値(大当り乱数)を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値(大当り乱数)を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技に関する各種の演出制御を行う演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
本実施形態の遊技機では、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御する(例えば、10秒が1秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば0.3秒)よりも長い第2開放時間(例えば1.93秒)となるように制御する。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定する。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とする。なお、時短状態においては、普図変動時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにしても良い。
上述の高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また以下の説明において、この時短状態を普電サポートあり状態と称することがある。
図示は省略するが、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とすることである。
特別結果態様の種類には、15R確変(図柄)、15R通常(図柄)、2R確変(図柄)、の3種類が設定されている。15R確変(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態となる。また、特別遊技状態の終了後、次回の大当りまで時短状態となる。15R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後の確率状態が通常確率状態となる。また、特別遊技状態の終了後、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる。2R確変(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで該特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態となるが、特別遊技状態の終了後は時短状態とならない。
また、遊技制御装置100は、所定の確率で小当りを発生可能に構成されている。小当りが発生した場合は小特別遊技状態となる。小特別遊技状態では、2R大当りと同様にラウンド数が2ラウンドで大入賞口の開放時間が第2開放時間(1秒)とされる。なお、小特別遊技状態の終了後の確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態は小当り発生前の状態と同じ状態となる。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
また、2R確変、小当りに基づく特別遊技状態の終了後の所定期間は、確率状態が明確に報知されない非報知状態となる。これにより所定期間において、高確率状態であることへの期待感や特別結果となることへの期待感を高め、遊技の興趣を高めるようにしている。
図5には、特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの一部を示した。図5(a)は特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合に用いられるはずれ変動パターンテーブルであり、図5(b)は特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合に用いる大当り変動パターンテーブルである。これらの変動パターンテーブルは、遊技制御装置100の遊技用マイコン111および演出制御装置300にそれぞれ記憶されている。
本実施形態の変動パターンテーブルは、リーチ系統毎にそれぞれ設定された複数(リーチなしは3つ、他のリーチ系統では2つ)の異なる変動時間の中から何れか一つの変動時間を選択可能となっている。そして、これら複数の変動時間の中から所定の変動時間(例えば、リーチなし;12秒、ノーマルリーチ;24秒など)が選択された場合は、特図変動表示ゲームの変動態様して、変動表示ゲームの実行中に複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行って結果態様を導出する通常変動態様(パターン)、または変動表示ゲームの実行中に単位変動表示を複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様(パターン)の何れかが選択可能となる。すなわち、同一リーチ系統かつ同一変動時間で2種類の異なる変動態様の変動表示ゲームを選択的に実行することが可能となっている。
また、擬似連変動態様が選択された場合、単位変動表示を繰り返す回数である擬似変動回数を選択可能となっている。
複数の変動時間の中から上記所定以外の変動時間(例えば、リーチなし;2秒または8秒、ノーマルリーチ;16秒など)が選択されると、実行される特図変動表示ゲームの変動態様は通常変動態様のみとなる。
基本的には、遊技制御装置100がこの変動パターンテーブルを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を設定すると、演出制御装置300も対応する変動態様を設定するようになっている。しかし、本実施形態の演出制御装置300は、特定演出(詳細後述)の結果に基づいて、遊技制御装置100側で設定された変動態様と異なる変動態様を設定可能となっている。具体的には、遊技制御装置100により所定変動時間の擬似連変動態様が設定されても、所定条件が成立しない場合には、演出制御措置300が、遊技制御装置100が設定した変動態様と変動時間が等しい通常変動態様を設定することにより、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの変動態様を通常変動態様とすることが可能となっている。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図7のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図7のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図7のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処
理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。なお、特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細については後述する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う処理である。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)および特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。なお、大当り終了処理(ステップA15)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。なお、小当り終了処理(ステップA19)の詳細については後述する。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA20に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図10に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェック(ステップA205)して、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブ(ステップA207)して、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合(ステップA206;Yes)は、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェック(ステップA208)して、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブ(ステップA215)する。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備(ステップA216)して、大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブ(ステップA217)する。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA218)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA220)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
この処理により、抽出された各種の乱数値が始動記憶として記憶される。従って、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて各種の乱数値を抽出し、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA225)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図12に示すように、特図保留情報判定処理では、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェック(ステップA231)を行い、満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップA232;Yes)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力である場合は、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、すなわち、特定遊技状態中である場合と、大当り(特別遊技状態)中である場合と、を除く場合であって、小当り発生後に所定期間設定される先読み禁止フラグがない場合に先読み演出を実行してよい条件を満たすこととなる。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA233)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA236)を行う。その後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA237)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA238)を行い、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行う。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA239)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA240;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定し(ステップA241)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行う。また、判定結果が小当りでない場合(ステップA240;No)は、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA242)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行う。
設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行った後、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA244)。次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA245)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA246)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA247)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームにおける変動パターンのうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA248)を行った後、特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA249)を行う。なお、ステップA247における特図情報設定処理、ステップA248における後半変動パターン設定処理、ステップA249における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理(特図1,2変動開始処理)における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA250)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA251)、コマンド設定処理(ステップA252)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA253)、コマンド設定処理(ステップA254)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA250、A251にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA253にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
従って、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される各種の乱数値を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図13に示すように、特図普段処理では、まず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA306にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図14に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA320)を行う。その後、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、設定された特図1停止図柄の特図1停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。なお、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細については後述する。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA325)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動パターンのうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。
その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA331)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示41cに係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
このように、遊技制御装置100が、前記始動記憶に基づいて前記変動表示ゲームの実行制御を行うゲーム実行制御手段をなす。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。図15に示すように、特図1停止図柄設定処理では、まず、設定された大当りフラグ1が大当りを示すものであるかをチェック(ステップA341)し、大当りである場合(ステップA342;Yes)には、大当り時停止図柄情報テーブルを設定する処理(ステップA343)を行う。次に、停止図柄情報設定処理(ステップA344)を行い、飾り特図コマンドテーブルを設定(ステップA345)して、ステップA351に進む。
大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA342;No)は、設定された小当りフラグ1が小当りを示すものであるかをチェック(ステップA346)し、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当り時設定処理(ステップA348)を行って、ステップA351に進む。
小当りフラグが小当りでない場合(ステップA347;No)は、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特図1停止図柄番号領域にセーブ(ステップA349)する。そして、はずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブ(ステップA350)して、ステップA351に進む。
ステップA351では、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得する。そして、飾り特図1コマンド(MODE)を設定(ステップA352)、飾り特図コマンド領域に飾り特図1コマンドをセーブ(ステップA353)する。そして、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)をクリア(ステップA354)して、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、上述の特図1変動開始処理と同様の処理である。具体的には、図16に示すように、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA370)を行う。その後、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA371)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA372)を行った後、設定された特図2停止図柄の特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA373)。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA374)。なお、特図2停止図柄設定処理(ステップA372)の詳細については後述する
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA375)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA376)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA377)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA378)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動パターンのうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA379)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA380)を行う。
その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA381)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA381)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA372)の詳細について説明する。図17に示すように、特図2停止図柄設定処理では、まず、設定された大当りフラグ2が大当りを示すものであるか否かをチェック(ステップA391)し、大当りである場合(ステップA392;Yes)には、大当り時停止図柄情報を設定する処理(ステップA393)を行う。次に、停止図柄情報設定処理(ステップA394)を行い、飾り特図コマンドテーブルを設定(ステップA395)して、ステップA401に進む。
ステップA392で大当りフラグが大当りでない場合(ステップA392;No)は、設定された小当りフラグ2が小当りを示すものであるか否かをチェック(ステップA396)し、小当りである場合(ステップA397;Yes)は、小当り時設定処理(ステップA398)を行って、ステップA401に進む。
小当りフラグが小当りでない場合(ステップA397;No)は、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特図2停止図柄番号領域にセーブ(ステップA399)する。続いて、はずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブ(ステップA400)して、ステップA401に進む。
ステップA401では、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得する。そして、飾り特図2コマンド(MODE)を設定(ステップA402)、飾り特図コマンド領域に飾り特図コマンドをセーブ(ステップA403)する。そして、大当り図柄乱数セーブ領域(特図2用)をクリア(ステップA404)して、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図18に示すように、特図変動中処理では、まず、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン情報)が、はずれ図柄パターンであるかをチェックする(ステップA521)。
そして、図柄情報がはずれ図柄である場合(ステップA522;Yes)は、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする(ステップA523)。後半変動番号がリーチなしの番号である場合(ステップA524;Yes)は、はずれ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA525)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。また、後半変動番号がリーチなしの番号でない場合(ステップA524;No)、すなわちリーチありの場合は、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態となる場合であるはずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA526)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
一方、図柄情報がはずれ図柄でない場合(ステップA522;No)、すなわち大当り又は小当りである場合は、大当り時/小当り時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA527)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行った後、特図停止時間ポインタに対応する停止時間を取得する処理(ステップA529)を行う。この処理では、ステップA525にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタ、ステップA526にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、ステップA527にて設定された大当り時又は小当り時の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する。
そして、取得した特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA530)、特図表示中処理移行設定処理(ステップA531)を行って、特図変動中処理を終了する。特図表示中処理移行設定処理(ステップA531)では、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図19に示すように、特図表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA542)。次に、特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA543)、RWMの小当りフラグ1領域をクリアする(ステップA544)。
その後、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA554)を行う。次に、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA555)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA556)を行う。
一方、ステップA548にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA549)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA551)、大当りである(ステップA552;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA553)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA556)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA556)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA557)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA558)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA559)、コマンド設定処理(ステップA560)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA561)、コマンド設定処理(ステップA562)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA563)、コマンド設定処理(ステップA564)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA565)、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA566)。その後、大入賞口開放情報に対応するファンファーレ時間を設定し(ステップA567)、ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA568)。そして、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA570)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA571)を行い、特図表示中処理を終了する。この処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時短変動回数や特図変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA552にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA552;No)と判定すると、図20に示すように、小当りフラグ1が小当りかをチェックし(ステップA572)、小当りでない場合(ステップA573;No)は、小当りフラグ2が小当りかをチェックする(ステップA574)。そして、小当りでない場合(ステップA575;No)、すなわち、はずれである場合は、変動回数更新処理(ステップA585)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA586)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA586)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。なお、変動回数更新処理(ステップA585)の詳細については、ステップA576における変動回数更新処理とともに後述する。
一方、小当りフラグ1をチェックした結果、小当りである場合(ステップA573;Yes)又は小当りフラグ2をチェックした結果、小当りである場合(ステップA575;Yes)は、変動回数更新処理(ステップA576)を行う。そして、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA577)、コマンド設定処理を行う(ステップA578)。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA579)、コマンド設定処理(ステップA580)を行う。
そして、小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報かをチェックし(ステップA581)、特図1小当り開放情報である場合(ステップA582;Yes)、すなわち、特図1の小当り当選である場合は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA583)を行い、特図表示中処理を終了する。また、特図1小当り開放情報でない場合(ステップA582;No)、すなわち、特図2の小当り当選である場合は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理2(ステップA584)を行い、特図表示中処理を終了する。ステップA583、ステップA584では、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号「7」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。このとき、小当りの当選が特図1であるか特図2であるかによって設定する情報を異ならせることができるので、小当りの開始時の演出をそれぞれ異なるものとすることができる。
〔変動回数更新処理〕
図21には、上述の特図表示中処理において、特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための変動回数更新処理(ステップA576,A588)を示した。この変動回数更新処理では、まず、時短状態であるかを判定(ステップA591)し、時短状態でない場合(ステップA591;No)は、変動回数更新処理を終了し、時短状態である場合(ステップA591;Yes)は、高確率状態であるか否かを判定(ステップA592)する。ステップA592で、高確率状態であると判定した場合(ステップA592;Yes)は、変動回数更新処理を終了し、高確率状態でないと判定した場合(ステップA592;No)は、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための時短変動回数を−1更新し(ステップA593)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA594)。なお、時短変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは100)が初期値として設定される。
時短変動回数が0でない場合(ステップA594;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態のままとする場合は、変動回数更新処理を終了する。時短変動回数が0である場合(ステップA594;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする期間が終了する場合は、時短変動回数領域をクリア(ステップA595)し、時短終了時の確率情報コマンドを準備(ステップA596)して、コマンド設定処理(ステップA597)を行う。
その後、時短状態の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA598)、時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA599)。さらに、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA600)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA601)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブして(ステップA602)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA603)、変動回数更新処理を終了する。
この処理により、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作が終了し、普通変動入賞装置37が通常動作状態となり、特図変動表示ゲームの実行態様が、通常動作状態(普電サポートなし)における実行態様となる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図22に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される確率変動判定フラグをロードし(ステップA621)、確率変動判定フラグによる分岐処理(ステップA622)を行う。
確率変動判定フラグが15R確変を示すものである場合、すなわち特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに、次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる場合は大当り終了設定処理1(ステップA623)を行う。また、確率変動判定フラグが15R通常を示すものである場合、すなわち特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに、特別遊技状態の終了後100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる場合、すなわち特別遊技状態の終了後に高確率状態となり、時短状態とはならない場合は大当り終了設定処理2(ステップA624)を行う。また、確率変動判定フラグが2R確変を示すものである場合は大当り終了設定処理3(ステップA625)を行う。
大当り終了設定処理1から3の何れかを行った後、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA626)、コマンド設定処理(ステップA627)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA628)、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(ステップA628)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
〔大当り終了設定処理1〕
図23には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA623)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA631)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA633)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA634)。この普図高確率、普電サポートフラグをセーブすることにより時短状態となる。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、時短フラグをセーブし(ステップA635)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA636)。その後、時短変動回数領域をリセットし(ステップA637)、大当り終了設定処理1を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに時短状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図27には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA624)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA641)、時短時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA642)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA643)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA644)。この普図高確率、普電サポートフラグをセーブすることにより時短状態となる。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、時短フラグをセーブし(ステップA645)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(ステップA646)。その後、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(100)をセーブし(ステップA647)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(100)をセットすることで、所定回数(100回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理3〕
図25には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA625)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、潜伏確変時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA651)、潜伏確変時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA652)。
次に、遊技状態表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブし(ステップA653)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、時短なしフラグをセーブする(ステップA654)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、時短なしフラグをセーブして(ステップA655)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブする(ステップA656)。その後、特図変動回数領域をリセット(ステップA656)して、大当り終了設定処理3を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(潜伏確変状態)となり、時短状態とはならない。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)の詳細について説明する。図26に示すように、小当り終了処理では、まず、処理番号として特図普段処理の「0」を設定し(ステップA671)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA672)。次に、小当り終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA673)。そして、小当り終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA674)し、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブ(ステップA675)する。そして、ラウンドLEDポインタ領域をリセット(ステップA676)して、小当り終了処理を終了する。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図27に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、特定演出の制御に関する特定演出設定処理(ステップB22)を行う。この特定演出及び特定演出設定処理(ステップB22)の詳細については後述する。そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB23)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB23)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB24)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB25)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB26)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB27)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB28)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンの詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB29)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図28に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図29には、図28に示した2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)を示した。この通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB52)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB52)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB53)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB54)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB55)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB56)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
〔1stシーン制御処理〕
図30には、図27に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、シーンを変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態や小特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態や小特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。
次に、本発明の要部について説明する。ここでは、まず、1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)の説明を行った後、1stメイン処理における特定演出設定処理(ステップB22)、1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の順に説明していく。
〔先読みコマンド受信処理〕
図31には、図30に示す1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)を示した。この先読みコマンド受信処理は、始動記憶の先読み判定結果を受信する処理である。また、本処理では対象の始動記憶が特定演出を実行可能なものかどうかを判断する処理を行う。
この先読みコマンド受信処理では、まず、遊技制御装置100から先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB401)、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB401;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、先読みコマンドを受信している場合(ステップB401;Yes)は、先読み情報を演出制御装置30の保留記憶領域(図32参照)の対応する領域にセーブする(ステップB402)。
次に、特定演出実行中フラグがあるか、すなわち、特定演出が実行中であるかをチェックし(ステップB403)、特定演出実行中フラグがある場合(ステップB404;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定演出実行中フラグがない場合(ステップB404;No)は、保留記憶領域の変動パターン情報領域の情報を取得(ステップB405)する。そして、取得した変動パターン情報が擬似連変動態様であるかを判定(ステップB406)し、擬似連変動態様でない場合(ステップB406;No)は、通常先読み演出設定処理(ステップB407)を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。取得した変動パターン情報が擬似連変動態様である場合(ステップB406;Yes)は、保留数情報を取得(ステップB408)する。そして、先読み演出が実行可能であるか、すなわち、保留が2個以上記憶されているか否かを判定する(ステップB409)。ここで、保留数を2個以上としているのは、一の特定演出を実行するのに特図変動表示ゲーム2回分以上の時間を必要とするからである。
そして、特定演出が実行可能でない、すなわち、保留数が0若しくは1である場合(ステップB410;No)は、通常先読み演出設定処理(ステップB407)を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定演出が実行可能である、すなわち、保留が2個以上記憶されている場合(ステップB410;Yes)は、次変動から特定演出を開始することを示す特定演出開始フラグをセットし(ステップB411)、保留記憶領域の対応する連続予告演出領域に特定演出対象フラグをセーブして(ステップB412)、先読みコマンド受信処理を終了する。
以上の処理により、当該コマンドに対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンが擬似連変動態様であり、かつ、諸条件が満たされていれば(先読みコマンドを受信した時点で特定演出は実行されておらず、かつそのときの始動記憶数が所定個数以上あれば)、本処理中に実行されている特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームにおいて特定演出が実行される。
〔特定演出設定処理〕
図33には、上述の1stメイン処理における特定演出設定処理(ステップB22)について示した。この特定演出設定処理は、先読みコマンド受信処理(ステップB78)で設定された情報に基づいて行われる特定演出に関する処理である。特定演出とは、擬似連変動態様で特図変動表示ゲームを実行可能であると先読み判定された始動記憶(以下、擬似連判定始動記憶と称する)が発生した場合に、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを擬似連変動態様で表示させるための所定条件が成立するか否かを決定する際に行われる演出である。本実施形態では、特定演出として遊技者が介入可能なサブゲームを実行し、当該サブゲームをクリアすることで所定条件が成立したことになる。また、本処理は、一の特定演出を複数の特図変動表示ゲームに跨って実行可能とするため、1stシーン制御処理(ステップB23)から独立した専用の処理としてある。
この特定演出設定処理では、まず、特定演出に関するフラグ領域を参照し(ステップB201)、特定演出に関するフラグによる分岐処理(ステップB202)を行う。特定演出に関するフラグには、特定演出を開始することを示す特定演出開始フラグ、特定演出が実行中であることを示す特定演出実行中フラグ、特定演出において所定条件が成立したことを示す特定演出獲得フラグがある。
特定演出に関するフラグが特定演出開始フラグである場合は、条件設定処理(ステップB203)を行う。また、特定演出に関するフラグが特定演出実行中フラグである場合は、演出実行設定処理(ステップB204)を行う。また、特定演出に関するフラグが特定演出獲得フラグである場合は、演出実行処理(ステップB205)を行う。条件設定処理、演出実行設定処理、演出実行処理の何れかを行った後は、特定演出設定処理を終了する。
〔条件設定処理〕
次に、上述の特定演出設定処理における条件設定処理(ステップB203)の詳細について説明する。条件設定処理は、特定演出の実行前に行われる処理である。
図34(a)に示すように、条件設定処理では、まず、設定条件決定用乱数を抽出(ステップB211)し、抽出した乱数に対応する条件、すなわちサブゲームのクリア条件を設定(ステップB212)する。本実施形態では、図34(b)に示す4つの条件の中から何れか一つがランダムに選択されるようになっている。具体的には、設定条件決定用乱数が0〜2の場合には、演出ボタン25の一定回数連打を所定回繰り返すことが条件に設定される。また、設定条件決定用乱数が3〜5の場合には、遊技領域32内の特定のゲート(例えば普図始動ゲート34等)に遊技球を所定数通過させることが条件に設定される。また、設定条件決定用乱数が6,7の場合には、遊技球を所定数オーバーフローさせることが条件に設定される。また、設定条件決定用乱数が8,9の場合には、特図変動表示ゲームの変動回数を所定の判定値と一致させることが条件に設定される。なお、設定可能な条件を1種類のみとし、乱数による選択を行わないようにしてもよい。
そして、選択した設定条件に基づく演出表示情報を設定(ステップB213)し、変動パターン情報を取得(ステップB214)する。そして、取得した変動パターン情報に基づいて、条件達成カウンタ領域に初期値をセーブ(ステップB215)する。この初期値が上記サブゲームのクリア条件における所定数或いは所定回数となり、条件の成立後に擬似連変動態様で実行される特図変動表示ゲームの擬似変動回数となる。次に、特定演出開始フラグをクリア(ステップB216)し、特定演出実行中フラグをセット(ステップB217)して、条件設定処理を終了する。
以上の処理により、特定演出の実行後に擬似連変動で飾り特図変動表示ゲームを表示するのに必要な所定条件(サブゲームのクリア条件)の内容が決定される。
〔演出実行設定処理〕
次に、上述の特定演出設定処理における演出実行設定処理(ステップB204)の詳細について説明する。演出実行設定処理は、特定演出の実行中に行われる処理である。
図35に示すように、演出実行設定処理では、まず、設定条件に対応する情報が発生したかをチェック(ステップB221)する。この情報というのは、サブゲームクリアまでの到達度が上昇した、すなわちサブゲームクリアに近づく事象が起きたことを示す。具体的には、設定条件がボタン操作である場合は演出ボタン25が一定回数押されたことが情報であり、オーバーフローである場合は保留数コマンド受信処理(ステップB77:図41参照)においてオーバーフローカウンタが+1更新されたこと等がそれにあたる。
この情報が発生しなかった場合(ステップB222;No)は、演出実行設定処理を終了する。情報が発生した場合(ステップB222;Yes)は、条件達成カウンタを−1更新(ステップB223)し、カウンタが0になったかを判定(ステップB224)する。このカウンタが0である、すなわち、サブゲームをクリアして設定条件が成立した場合(ステップB224;Yes)は、条件達成表示情報を設定(ステップB225)し、決定した設定条件に基づく演出表示情報を設定(ステップB226)する。そして、特定演出獲得フラグをセット(ステップB227)し、特定演出実行中フラグをクリア(ステップB231)して、演出実行設定処理を終了する。
カウンタが0でない、すなわち、サブゲームをまだクリアしておらず設定条件が成立していない場合(ステップB224;No)は、対象変動の開始タイミングであるかをチェック(ステップB228)し、変動開始タイミングでない、すなわち特定演出がまだ続く場合(ステップB229;No)は、演出実行設定処理を終了する。変動開始タイミングである、すなわち特定演出が終了する場合(ステップB229;Yes)は、条件達成カウンタ領域をリセット(ステップB230)し、特定演出実行中フラグをクリア(ステップB231)して、演出実行設定処理を終了する。
以上の処理により、特定演出におけるサブゲームクリアまでの到達度がカウントされ、特定演出が終了するまでに到達度が所定数(擬似変動回数)に達すれば、サブゲームのクリア、すなわち所定条件の成立となる。
なお、本実施形態のサブゲームは、遊技者の操作を介入させることが可能なものとしたが、遊技者の操作を介入させずにサブゲームクリアの可否を、例えば、変動表示ゲームの実行毎に抽選によって決定するようにしてもよい。その際は、上述の演出実行設定処理において変動開始タイミングである場合に所定の抽選方法(例えば乱数等)によって、サブゲームのクリアの可否の抽選を行うようにする。
具体的には、ステップB222で変動開始タイミングであると判定された後、条件達成決定用乱数を抽出(ステップB1221)し、抽出した条件達成決定用乱数に基づいて条件達成カウンタを更新可能であるかを判定(ステップB1222)する。更新可能でない場合(ステップB232;No)は、演出実行設定処理を終了する。更新可能である場合(ステップB232;Yes)は、ステップB223以降の処理を行う。
〔演出実行処理〕
次に、上述の特定演出設定処理における演出実行処理(ステップB205)の詳細について説明する。演出実行処理は、特定演出において所定条件が成立した場合に行われる処理である。図36に示すように、演出実行処理では、まず、対象変動、すなわち特定演出を伴う特図変動表示ゲームの開始タイミングであるかをチェック(ステップB241)し、対象変動の開始タイミングである場合(ステップB242;Yes)は、特定演出表示情報を設定(ステップB243)して、演出実行処理を終了する。対象変動の開始タイミングでない場合(ステップB242;No)は、特定演出の終了タイミングであるかをチェック(ステップB244)し、終了タイミングでない場合(ステップB245;No)は、演出実行処理を終了する。終了タイミングである場合(ステップB245;Yes)は、特定演出獲得フラグをクリア(ステップB246)して、演出実行処理を終了する。
〔変動中処理〕
図37には、図30に示した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理は、飾り特図変動表示ゲームの表示内容等を決定する処理である。また、本処理では、特定演出の結果に基づいて、特図変動表示ゲームの変動態様を通常変動態様または擬似連変動態様に決定する(変動パターン情報設定処理(ステップB95)参照)。
この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB92)、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行う。次に、時短状態や特定期間とする期間等を管理する変動回数管理処理(ステップB94)を行い、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB95)を行う。そして、乱数シード初期化処理(ステップB96)を行い、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定(ステップB97)する。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB98)を行う。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB99)変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB100)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB100;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB100;Yes)は、次のシーンデータを設定(ステップB101)する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。そして、次シーンが最終シーンであるか否かを判定(ステップB102)し、最終シーンでない場合(ステップB102;No)は、変動中処理を終了する。最終シーンである場合(ステップB102;Yes)は、変動表示ゲームの終了を設定(ステップB103)して、変動中処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
図38には、図37に示す変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB95)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB121)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB122)。次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB123)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB124)。演出情報とは先読み情報に基づく連続的な演出(連続予告演出)である特定演出を実行する際に、当該特定演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB125)、特定演出対象フラグがあるかをチェック(ステップB126)する。特定演出対象フラグは、対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを擬似連変動態様で実行可能であることを示すフラグである。ステップB127で特定演出対象フラグがないと判定した場合(ステップB127;No)は、遊技状態と演出情報をもとにコマンドに対応する変動パターンを決定(ステップB132)し、特定演出対象フラグをクリア(ステップB133)して、変動パターン情報設定処理を終了する。
特定演出対象フラグがあると判定した場合(ステップB127;Yes)は、所定条件が成立したこと(サブゲームをクリアしたこと)を示す特定演出獲得フラグがあるかをチェック(ステップB128)する。特定演出獲得フラグがある、すなわち所定条件が成立したと判定した場合(ステップB129;Yes)は、対応する擬似連変動態様を参照(ステップB130)して、ステップB132に進む。特定演出獲得フラグがない、すなわち所定条件が成立していないと判定した場合(ステップB129;No)は、擬似連変動態様と時間値が共通する(同一変動時間の)通常変動態様を参照(ステップB131)して、ステップB132に進む。
以上の処理により、特定演出対象フラグがあり、かつ特定演出獲得フラグがある、すなわち擬似連判定保留が存在し、所定条件が成立した場合に、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが擬似連変動態様に設定され、特定演出対象フラグがない場合や、特定演出対象フラグがあっても特定演出獲得フラグがない場合には、遊技制御装置100側で擬似連変動態様が設定されていても、演出制御装置300側では、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが通常変動態様に設定される。従って、演出制御装置300は、変動表示ゲームの表示制御を行うゲーム表示制御手段をなす。
〔変動回数管理処理〕
図39には、図37に示す変動中処理における変動回数管理処理(ステップB94)を示した。この変動回数管理処理では、まず、時短状態であるか否かをチェック(ステップB111)して、時短状態でない場合(ステップB111;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、時短状態である場合(ステップB111;Yes)は、演出制御装置300において時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための時短変動回数を−1更新し(ステップB112)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップB113)。時短変動回数は、所定期間に限り時短状態とする場合に、時短状態とする期間を演出制御装置300において管理するためのものであって、15R通常に基づく特別遊技状態の終了時に時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数が初期値(100)として設定される。
この時短変動回数が0である場合(ステップB113;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短状態終了に関する演出を設定(ステップB114)し、時短フラグをクリア(ステップB115)して、変動回数管理処理を終了する。一方、ステップA114で時短変動回数が0でないと判定した場合、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態のままとする場合(ステップA113;No)は、変動回数管理処理を終了する。
この変動回数管理処理により、演出制御装置300においても時短状態とする期間を管理でき、遊技状態に応じた演出を行うことが可能となる。
〔エンディング処理〕
図40には、図30に示す1stシーン制御処理におけるエンディング処理(ステップB75)を示した。このエンディング処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB151)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB151;Yes)は、小当りに基づく小特別遊技状態の終了であるかを判定する(ステップB152)。そして、小当りに基づく小特別遊技状態の終了である場合(ステップB152;Yes)は、小当り時エンディング処理(ステップB153)を行い、演出リクエストフラグをクリア(ステップB160)して、エンディング処理を終了する。小当りに基づく小特別遊技状態の終了でない場合(ステップB152;No)は、大当りエンディングを設定(ステップB154)し、確率情報に基づき大当りに関する情報を取得(ステップB155)して、時短状態発生大当りであるかをチェックする(ステップB156)。
そして、時短状態発生大当りでない場合(ステップB156;No)、すなわち2R確変である場合は、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB160)、エンディング処理を終了する。また、時短状態発生大当りである場合(ステップB156;Yes)、すなわち15R確変又は15R通常である場合は、時短フラグをセットし(ステップB157)、時短変動回数をセット(ステップB158)する。具体的には、15R通常であった場合は時短回数として100をセットし、15R確変であった場合は0をセットする。そして、対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB159)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB160)、エンディング処理を終了する。
また、演出リクエストフラグがない場合(ステップB151;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB161)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の終了時のエンディング時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはエンディング時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB161;No)は、エンディング処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB161;Yes)は、次シーンデータを設定(ステップB162)し、設定した次シーンが最終シーンであるかを判定(ステップB163)する。最終シーンでない場合(ステップB163;No)は、エンディング処理を終了する。また、最終シーンである場合(ステップB163;Yes)は、エンディング終了を設定し(ステップB164)、エンディング処理を終了する。
〔保留数コマンド受信処理〕
図41には、図30に示す1stシーン制御処理における保留数コマンド受信処理(ステップB77)を示した。この保留数コマンド受信処理では、まず、遊技制御装置100から受信した特図保留数コマンドを確認(ステップB301)し、受信した特図保留数コマンドが保留数コマンドであるか否かを判定(ステップB302)する。特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB302;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、特図保留数コマンドを受信している場合(ステップB302;Yes)は、受信した特図保留数コマンドがオーバーフローコマンドかを判定する(ステップB303)。
そして、オーバーフローコマンドでない場合(ステップB303;No)、すなわち、始動記憶数の増減に基づくコマンドである場合は、飾り保留数コマンドの対象が特図1であるかを判定する(ステップB304)。飾り保留数コマンドの対象が特図1である場合(ステップB304;Yes)、すなわち第1始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得し(ステップB305)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB306)。次に、差分を算出して特図1保留数記憶領域の値を更新し(ステップB307)、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定して(ステップB308)、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、飾り保留数コマンドの対象が特図1でない(特図2である)場合(ステップB304;No)、すなわち第2始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得し(ステップB309)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB310)。次に、差分を算出して特図2保留数記憶領域の値を更新し(ステップB311)、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定して(ステップB312)、保留数コマンド受信処理を終了する。
ステップB303でオーバーフローコマンドであると判定した場合(ステップB303;Yes)は、オーバーフローカウンタが上限値であるかを判定(ステップB313)し、上限値である場合(ステップB313;Yes)は、保留数コマンド受信処理を終了する。オーバーフローカウンタが上限値でない場合(ステップB313;No)は、オーバーフローカウンタを+1更新(ステップB314)し、オーバーフロー表示処理(ステップB315)を行って、保留数コマンド受信処理を終了する。オーバーフロー表示処理では、サブゲームとしてオーバーフローゲームが選択された場合のオーバーフロー数の表示に関する処理が行われる。
以上の処理により、特図始動記憶数(保留数)の増減に応じて表示装置41の始動記憶表示の増減が行われる。すなわち、演出制御装置300が、始動入賞記憶手段に記憶されている前記始動記憶に対応する始動記憶表示の表示制御を行う始動記憶表示制御手段をなす。
〔演出例〕
次に、本実施形態の特定演出、および当該特定演出に続いて実行される特図変動表示ゲームにおける演出表示の一例について説明する。図42は特定演出について、図43は特定演出後の特図変動表示ゲームについてそれぞれ示している。
始動入賞があり始動記憶が記憶されると、図42(a)に示すように、始動記憶表示が表示装置41に表示され、最先の始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、図42(a)で表示されている3つの始動記憶41a〜41cに対応する始動記憶表示は、何れも先読み判定結果を遊技者に報知しない表示態様(黒丸)となっている。
図42(b)に示すように、3つの始動記憶41a〜41cが記憶されている状態で新たに擬似連判定始動記憶(ここでは擬似変動回数4回)41dが記憶されると、当該始動記憶41dの前に始動記憶が2つ以上記憶されていることから、特定演出の開始条件が揃ったことになる。なお、図42(b)では擬似連判定始動記憶41dを他の3つと区別できるように示しているが、実際には他の3つの始動記憶41a〜41cと同様の表示態様で遊技者が区別できないようになっている。このため、遊技者は他の3つの始動記憶41a〜41cに基づく特図変動表示ゲームが擬似連変動態様で実行されるかもしれないという期待を持つようになり、他の3つの始動記憶41a〜41cが無駄にならない。なお、始動記憶表示の表示態様を変えて擬似連判定始動記憶の存在を報知するようにしてもよい。
図42(c)に示すように、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図42(d)に示すように、最先の始動記憶41aに基づく次の特図変動表示ゲームが開始されると、同時にサブゲーム(特定演出)も開始される。本演出例では、サブゲームとしてボタン連打ゲームが設定されたものとして説明していく。サブゲームが開始されると、表示装置41の表示領域の左端部に、サブゲームクリアまでの到達度を示す手段として到達度メーター41eが表示されるとともに、演出ボタン25を操作(連打)するよう指示する文字が表示される。このとき、サブゲームクリアにより擬似連変動が発生する旨が予め遊技者に報知されていれば、到達度メーター41eの登場により、この後擬似連変動が発生するかもしれないという示唆が行われたことになる。
演出ボタン25を所定回数押す毎に、図42(e)〜(h)に示すように、到達度メーター41eのメーター値が一目盛りずつ上昇していく。そして、メーター値が上昇する毎に、演出ボタン25を連打するよう指示する表示が、図42(d)〜(g)に示すように、遊技者を煽るように変化していく(「連打」、「激連打」、「超達成」、「最後の超激連打」など)。なお、本演出例では、先読み判定による擬似変動回数が4回であることから、所定条件の成立に必要な達成ライン(到達度メーター41eのメーター値)は4となるが、敢えてメーター値を4に到達させる必要があることを明示していない。こうすることで、設定された擬似変動回数が少なくても、遊技者はメーター値を最高値(ここでは5)まで上昇させることを目指して積極的に遊技を行うようになる。なお、所定条件の成立に必要なメーター値(擬似変動回数)を報知するようにしてもよい。
特定演出の途中、図42(f)に示すように、擬似連判定始動記憶の2つ前の始動記憶41bに基づく変動表示ゲームが終了するが、特定演出は擬似連判定始動記憶の直前の始動記憶41cに基づく特図変動表示ゲームまで跨って継続される。
特定演出が終了するまでに、すなわち擬似連判定始動記憶の直前の始動記憶41cに基づく特図変動表示ゲームが終了するまでに到達度メーター41eのメーター値が予め設定されたレベル(ここでは4)に到達すると、当該特図変動表示ゲームの終了時に、図42(h)に示すように、所定条件が成立したことが表示される。そして、所定条件成立時の到達度メーター41eのメーター値は、この後実行される擬似連変動の擬似変動回数と等しいことから、遊技者は到達度メーター41eの表示によって次の特図変動表示ゲームにおける擬似連変動の擬似変動回数を知ることができる。
擬似連判定始動記憶の直前の始動記憶41cに基づく特図変動表示ゲームが終了すると、図43(a)に示すように、擬似連判定始動記憶41dに基づく特図変動表示ゲームが開始される。当該特図変動表示ゲームは、先の特定演出において所定条件が成立したことから、擬似連変動態様で変動表示される。すなわち、図43(a)〜(e)に示すように、始動記憶が新たに消化されることなく(擬似連判定始動記憶41dの直後に記憶された始動記憶41fが最先の始動記憶として残されたまま)単位変動表示(特別図柄の変動と停止)が繰り返される。擬似連変動中は、単位変動表示が始まる毎に、到達度メーター41eのメーター値が一つずつ減少していく。図43(e)に示すように、到達度メーター41eのレベルが0になるとき、最後(4回目の)の単位変動表示が始まる。そして、最後の単位変動表示が終了すると、図43(f)に示すように、リーチ変動が開始される。
なお、本演出例では、特定演出において所定条件が成立した場合(サブゲームをクリアした場合)について説明したが、所定条件が成立しなかった場合(サブゲームをクリアできなかった場合)には、擬似連判定始動記憶41dに基づく特図変動表示ゲームは通常変動態様で変動表示される。これにより、所定条件が成立してもしなくても擬似連変動態様で特図変動表示ゲームが実行され、遊技者が特定演出に対する関心を失ってしまうのを防ぐことができる。
また、遊技制御装置100で設定された擬似変動回数を、所定条件の成立に必要なサブゲームクリアに必要な到達度としたが、設定された擬似変動回数が多すぎるとサブゲームのクリア(所定条件の成立)が困難になるので、擬似変動回数を遊技制御装置100で決定せず、サブゲームの到達度に応じて演出制御装置300側で決定するようにしてもよい。
また、擬似連判定始動記憶でなくても、当該始動記憶が特定の始動記憶(擬似連変動態様と同じ変動時間の通常変動態様となる始動記憶)であった場合には、条件成立に関する特定演出を行い、所定条件が成立した場合には当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンを擬似連変動態様に変更するようにしてもよい。そうすれば、擬似連判定始動記憶の存在を報知するようにしている場合であっても、遊技者は擬似連判定始動記憶でない始動記憶にに対して期待感を持つことができる。
また、上記の条件を満たさない始動記憶も含めて、所定の確率でランダムに特定演出を行うようにしてもよい。
また、擬似連判定始動記憶が存在しない場合に、特定演出としてガセ演出を実行するようにしてもよい。例えば、遊技者がどんなに演出ボタン25を連打しても、遊技球を特定ゲートに通しても、メーター値が全く上昇しない、或いは所定のメーター値(1,2程度)以上上昇しない到達度メーターを表示する。
また、当該擬似連判定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果に応じて、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動態様に変化をつけて(例えば、個々の単位変動表示の変動時間に差をつける(後になるほど長くする)等)、その期待度を表現するようにしてもよい。
また、サブゲームの難易度を、特定演出の時間が長いほど高くなる(例えば、演出ボタン25の連打数やゲートに通過させる遊技球数を増やしたり、対象となるゲートを限定したりする等)ように加減してもよい。そうすれば、擬似連判定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始まで遊技球を打たせ続けることができる。
また、特定演出の実行中には、先読みによる新たな特定演出を行わないようにしたが、特定演出の実行中に先読みにより新たな疑似連判定始動記憶が発生した場合に、レベルメーターのメーター最大値を増加させて、特定演出を新たな疑似連判定始動記憶まで継続させるようにしてもよい。この場合には、1つめの特定演出中に、所定条件成立後、さらに遊技者によって所定条件を増やそうとされる(所定条件達成にもかかわらず継続してボタン操作を行っている等)場合には、その分の条件は新たな疑似連判定始動記憶のために到達度メーターに加算されるようにしてもよい。
なお、特定演出開始前の特図変動表示ゲーム実行中に演出ボタン25を用いた演出がなされると、特定演出で演出ボタン操作ゲームを実行する意味が薄れるので、特定演出開始前に実行される特図変動表示ゲームにおける演出をできる限り操作ボタン25を用いないものとする(専用のモードを設ける等)ことが望ましい。
以上のように、本実施形態の遊技機10は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて所定の乱数(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数等)を抽出し、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に基づいて変動表示ゲームの実行制御を行うゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの表示制御を行うゲーム表示制御手段(演出制御装置300)と、遊技に関する各種の演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、ゲーム表示制御手段によって表示制御される変動表示ゲームの変動態様には、変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行って結果態様を導出する通常変動態様と、変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様と、が含まれ、演出制御手段は、事前結果判定手段によって擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶(擬似連判定始動記憶)が存在する場合、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に、擬似連変動態様の発生を示唆する特定演出(サブゲーム)を実行可能となっている。
従って、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能と判定された始動記憶が記憶された場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に特定演出が実行される。この特定演出において、擬似連変動態様の発生を示唆する等の従来にない演出を行うことで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10の演出制御手段(演出制御装置300)は、特定演出において、擬似連変動態様の発生に関する所定条件の成立に関わる演出(サブゲーム)を実行可能であり、ゲーム表示制御手段(演出制御装置300)は、特定演出において所定条件が成立(サブゲームをクリア)した場合に、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶(擬似連判定始動記憶)に基づく変動表示ゲームの変動態様を、擬似連変動態様とすることが可能となっている。
従って、特定演出において所定条件が成立すれば当該始動記憶に基づく変動表示ゲームは事前結果判定手段による判定結果どおりの変動態様で、すなわち、そのまま擬似連変動態様で変動表示装置に変動表示されるが、所定条件が成立しなければ擬似連変動態様で変動表示されない可能性がある。このように、所定条件が成立したか否かによって後に行われる変動表示ゲームの変動態様が変わってくるという従来にない演出を行うことで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10のゲーム表示制御手段(演出制御装置300)によって表示制御される変動表示ゲームの変動表示態様には、変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を一回のみ行って結果態様を導出する通常変動態様が含まれ、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定演出における所定条件の成立の可否を、遊技者の操作に基づいて決定可能に構成され、ゲーム表示制御手段(演出制御装置300)は、特定演出において所定条件が成立しなかった場合には、変動表示装置(表示装置41)に表示する当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動態様を、擬似連変動態様から通常変動態様に切替可能としている。
従って、所定条件が成立しなければ、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能と判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームであっても通常変動態様で変動表示される。このため、変動表示ゲームが通常変動態様よりは擬似連変動態様で実行されることを望む遊技者や特定演出を楽しみたい遊技者は、所定条件を成立させるために積極的に遊技機の操作を行い、擬似連変動態様での変動表示ゲームの実行を望まない遊技者は所定条件を成立させないように意図的な操作を行う(或いは操作を行わない)ようになる。このように、演出を遊技者の意思に基づくものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10の演出制御手段(演出制御装置300)は、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示の表示制御を行う始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)を備え、事前結果判定手段(遊技制御装置100)によって擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が存在する場合であって、かつ、当該始動記憶よりも前に始動記憶が所定数以上存在する場合に、特定演出を実行可能としている。
従って、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能と判定された始動記憶の前に始動記憶が所定数記憶されている場合に特定演出が実行可能となるので、擬似連判定始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に特定演出を実行するための充分な時間を取ることができる。逆に、始動記憶がある一定数以上記憶されていなければ、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能と判定された始動記憶が存在していても特定演出が実行されない。このため、特定演出の実行には所定数以上の始動記憶が必要であることを予め遊技者に報知しておけば、遊技者は、特定演出を発生させるために始動記憶を増やそうと積極的に遊技球の発射操作を行うようになるので、止め打ちを防止することができる。
<第1実施形態変形例>
次に、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。以下、上記実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、本変形例で変更した点のみ説明する。
本変形例では、擬似連判定始動記憶の発生時に、当該擬似連判定始動記憶の前に記憶されている始動記憶の情報を参照し、特定保留(ここでは、変動時間が所定時間以上のリーチ変動を実行すると先読み判定された始動記憶)が存在する場合、当該特定保留に基づく特図変動表示ゲームにおいて特定演出を行うようにしている。これは、当該保留に基づく特図変動表示ゲームの変動時間が長いため、充分に特定演出を実行する時間を確保できるからである。
このような制御を行うため、演出制御装置300が実行する制御処理のうち、1stメイン処理、変動パターン情報設定処理(ステップB95)、先読みコマンド受信処理(ステップB78)がそれぞれ変更されている。
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理の変更点について説明する。図示は省略するが、本変形例の1stメイン処理では、特定演出設定処理(ステップB22)が除かれている。
〔先読みコマンド受信処理〕
まず、先読みコマンド受信処理の変更点について説明する。図44に示すように、本変形例の先読みコマンド受信処理は、上記実施形態の同処理(図31参照)におけるステップB408〜B412をステップB1401〜B1404に置き換えている。
具体的には、ステップB406の処理で擬似連変動態様であると判定された後に、保留情報領域の情報を取得(ステップB1401)し、特定保留の有無をチェック(ステップB1402)する。そして、特定保留がない場合(ステップB1403;No)は、ステップB407の処理を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。特定保留がある場合(ステップB1403;Yes)は、連続予告演出領域に特定演出実行フラグをセット(ステップB1404)して、先読みコマンド受信処理を終了する。
〔変動中処理〕
次に、変動中処理の変更点について説明する。図45に示すように、本変形例の変動中処理は、上記実施形態の同処理(図37参照)におけるステップB91とB100との間にステップB1091が、ステップB102とB103との間にステップB1092の処理がそれぞれ追加されている。すなわち、ステップB91で演出リクエストがないと判定された後、特定演出実行処理(ステップB1091)を実行し、ステップB101、B102の処理を実行する。そして、ステップB102で次シーンデータが最終シーンであると判定された後、特定演出終了処理(ステップB1092)を実行し、ステップB103の処理を行って、変動中処理を終了する。
〔特定演出実行処理〕
図46には、上述の変動中処理における特定演出実行処理(ステップB1091)について示した。この特定演出実行処理は、上記実施形態の演出実行設定処理(図35参照)に相当する処理である。
特定演出実行処理では、まず、特定演出実行フラグがあるかをチェック(ステップB171)し、特定演出実行フラグがない場合(ステップB172;No)には、特定演出実行処理を終了する。特定演出実行フラグがある場合(ステップB172;Yes)には、設定条件に対応する情報が発生したかをチェック(ステップB173)する。この情報というのは、上記実施形態の演出実行設定処理のステップB221でチェックした情報と同様である。
この情報が発生しなかった場合(ステップB174;No)は、特定演出実行処理を終了する。情報が発生した場合(ステップB174;Yes)は、条件達成カウンタを−1更新(ステップB175)し、カウンタが0になったか否かを判定(ステップB176)する。このカウンタが0でない、すなわち、サブゲームをまだクリアしておらず設定条件が成立していない場合(ステップB176;No)は、特定演出実行処理を終了する。カウンタが0である、すなわち、サブゲームをクリアして設定条件が成立した場合(ステップB176;Yes)は、条件達成表示情報を設定(ステップB177)し、決定した設定条件に基づく演出表示情報を設定(ステップB178)する。そして、特定演出実行中フラグをクリア(ステップB179)し、条件達成カウンタをクリア(ステップB180)する。そして、特定演出獲得フラグをセット(ステップB181)して、特定演出実行処理を終了する。
〔特定演出終了処理〕
図47には、上述の変動中処理における特定演出終了処理(ステップB1092)について示した。この特定演出終了処理では、まず、特定演出実行フラグがあるかをチェック(ステップB191)し、特定演出実行フラグがない場合(ステップB192;No)は、特定演出終了処理を終了する。特定演出実行フラグがある場合(ステップB192;Yes)は、特定演出実行フラグをクリア(ステップB193)し、条件達成カウンタをクリア(ステップB194)して、特定演出終了処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
次に、変動パターン情報設定処理の変更点について説明する。図48に示すように、本変形例の変動パターン情報設定処理は、上記実施形態の同処理(図38参照)におけるステップB125とB132との間にステップB1121〜B1125の処理が追加され、ステップB126、B127およびB133の処理が除かれている。
具体的には、ステップ125の処理の後、特定演出実行フラグがあるかをチェック(ステップB1121)し、特定演出実行フラグがある場合(ステップB1122;Yes)は、設定条件決定用乱数を抽出(ステップB1123)し、対応する条件を設定(ステップB1124)する。そして、取得した変動パターン情報に基づいて条件達成カウンタ領域に初期値をセーブ(ステップB1125)し、ステップB132の処理に進む。
一方、ステップB1122で、特定演出実行フラグがないと判定した場合(ステップB1122;No)は、ステップB128以降の処理を実行する。
〔演出例〕
次に、本実施形態の特定演出における演出表示の一例について説明する。
始動入賞があり始動記憶が記憶されると、図49(a)に示すように、当該始動記憶に対応する始動記憶表示が表示装置41に表示され、最先の始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、図49(b)で表示されている3つの始動記憶41a〜41cのうち2つ目の始動記憶41bの先読み判定結果は特定リーチとなっているが、3つの始動記憶41a〜41cに対応する始動記憶表示は、何れも先読み判定結果を報知しない表示態様(例えば黒丸)となっている。
図49(b)に示すように、3つの始動記憶41a〜41cが記憶されている状態で新たに擬似連判定始動記憶(擬似変動回数4回)41dが記憶されると、当該始動記憶41dの前に特定リーチとなる始動記憶が記憶されていることから、特定演出の開始条件が揃ったことになる。なお、図49(b)では特定リーチとなる始動記憶41bおよび擬似連判定始動記憶41dを他の2つの始動記憶41a,41cと区別できるように示しているが、実際には他の2つの始動記憶41a,41cと同様に遊技者が区別できない表示態様となっている。また、特定リーチとなる始動記憶41bの位置は、擬似連判定始動記憶41dよりも前にあれば何処でもよい(直前である必要はない)。
図49(c)に示すように、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図49(d)に示すように、最先の始動記憶41aに基づく特図変動表示ゲームが開始されると、同時に特定演出において用いられる到達度メーター41eが表示され、この後特定演出が実行されることが予告される。
図49(e)に示すように、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図49(f)に示すように、特定リーチとなる始動記憶(特定保留)41bに基づく特図変動表示ゲームが開始されると、同時に特定演出が開始される。このとき表示される到達度メーター41eは上記実施形態における演出例と同様である。しかし、特定演出が実行される期間は上記実施形態では複数の特図変動表示ゲームに跨っていたのに対し、本変形例では特定リーチと判定された始動記憶41bに基づく一の特図変動表示ゲームの実行中に限られる。
特定演出が終了するまでに、すなわち特定リーチとなる始動記憶の始動記憶41bに基づく特図変動表示ゲームが終了するまでに到達度メーター41eのメーター値が予め設定されたレベル(ここでは4)に到達すると、当該特図変動表示ゲームの終了時に、図49(i)に示すように、所定条件が成立したことが表示される。そして、同時に擬似連変動と判定された始動記憶41bに対応する始動記憶表示を指して、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて何かが起こる可能性があることを示唆する表示がなされる。遊技者は、この示唆が特定演出(到達度メーター41eが表示される演出)によってなされたものであるため、擬似連変動が起こるのではないかと考えるようになる。なお、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて実行される擬似連変動は、図43に示した流れと同様である。
本変形例においても、所定条件が成立しなかった場合(サブゲームをクリアできなかった場合)は、擬似連判定始動記憶に基づく飾り特図変動表示ゲームは通常変動態様で実行される。
以上のように、本変形例の遊技機10が実行する変動表示ゲームの通常変動態様には、リーチ状態を発生させるリーチ変動態様が含まれ、演出制御手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段(遊技制御装置100)によって擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が存在する場合であって、かつ、当該始動記憶よりも前に、事前結果判定手段によって、リーチ変動態様で変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合に、当該リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームにおいて特定演出を実行可能としている。
従って、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が存在し、当該始動記憶の前にリーチ変動態様で変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合、リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームにおいて特定演出も実行される。このため、リーチ変動により表示される演出と特定演出とが組み合わされ、従来にない斬新な演出を行うことができる。
また、リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームの変動時間は、リーチ状態が発生する分だけ長くなるので、特定演出を実行するための充分な演出時間を確保することができる。
また、特定演出において、遊技者が所定条件を成立させるための発射操作を行うため、リーチ変動中の止め打ちを防止することもできる。
また、遊技機10の演出制御手段(演出制御装置300)は、リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームにおける特定演出において、所定条件が成立した場合には、事前結果判定手段(遊技制御装置100)によって擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が存在することを示唆可能としている。
従って、リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームでの特定演出において所定条件が成立すれば、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶の存在が示唆される。このため、リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームの結果がはずれとなっても、その後実行される擬似連変動態様での変動表示ゲームにおいて特別結果となる可能性が残されるので、リーチ変動態様で実行される変動表示ゲームの後も遊技者の期待感を維持させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の遊技機について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、本実施形態で変更した点のみ説明する。
本実施形態では、擬似連判定始動記憶が発生すると、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける擬似連の発生及び擬似変動回数の示唆表示を行い、所定条件が成立することによって、当該示唆表示を確定表示に変更し、所定条件成立=擬似連発生であることを印象付けるようにしている。
また、2R確変もしくは小当りの終了後、所定回数(例えば20回)の特図変動表示ゲームが実行されるまでの間、擬似連変動態様が選択される確率が通常よりも高い特定期間が発生するようになっている。そして、特定期間中は擬似連判定始動記憶が存在しなくてもサブゲームが実行されるようになっている。
このような制御を行うため、変動パターンテーブル、遊技制御装置100が実行する変動回数更新処理(ステップA585)、大当り終了設定処理3(ステップA625)、小当り終了処理(ステップA19)、演出制御装置300が実行する変動回数管理処理(ステップB94)、エンディング処理(ステップB75)、保留数コマンド受信処理(ステップB77)、先読みコマンド受信処理(ステップB78)、確率情報コマンド受信処理(ステップB79)、保留表示処理(ステップB55)がそれぞれ変更されている。
図50,51には、本実施形態で用いる変動パターンテーブルの一部を示した。図51は特定期間で用いられる変動パターンテーブルであり、図50は特定期間以外、すなわち通常期間で用いられる変動パターンテーブルである。図50(a)は通常確率状態で結果がはずれである場合の変動パターンテーブル、図50(b)は高確率状態で結果がはずれである場合の変動パターンテーブルである。また、図50(c)は通常確率状態で結果が大当り又は小当りである場合の変動パターンテーブル、図50(d)は高確率状態で結果が大当り又は小当りである場合の変動パターンテーブルである。そして、図51は、2R確変、小当りに基づく特別遊技状態の終了後の所定期間である特定期間で用いられる変動パターンテーブルであり、擬似連変動態様が選択される確率が図50に示す通常の場合よりも高くなっている。なお、図51(a)の変動パターンテーブルは確率状態に関係なく結果がはずれの場合に用いられるものであり、図51(b)の変動パターンテーブルは確率状態に関係なく結果が大当り又は小当りの場合に用いられる。
なお、図50,51では、擬似変動回数について示していないが、第1実施形態と同様に一のリーチ系統で複数の擬似変動回数を選択可能としてもよいし、一つの擬似変動回数のみとしてもよい。
本実施形態では、リーチ系統が決定すると変動態様が通常変動態様または擬似連変動態様の何れかに決定される。すなわち、リーチ系統毎に複数の変動態様が選択可能にはなっていない。具体的には、これらの変動パターンテーブルで選択可能な変動パターンのうち、リーチなし、Nリーチ、SP1リーチ、SP2リーチは、通常変動態様となっており、擬似連リーチ、擬似連SPリーチは、擬似連変動態様となっている。
また、本実施形態においても、遊技制御装置100側で特図変動表示ゲームの変動態様が擬似連変動態様に設定された場合に、所定条件が成立しなければ、演出制御装置300が当該特図変動表示ゲームの変動態様を通常変動態様に設定することが可能となっている。具体的には、図51(a)に示すように、特定期間中に用いられる変動パターンテーブルでは、擬似連リーチの変動時間は30秒、擬似連スペシャルリーチの変動時間は60秒となっており、ノーマルリーチが選択されたときには、10秒、30秒、60秒の3通りの変動時間が選択可能となっている。これにより、遊技制御装置100で特図変動表示ゲームのリーチ系統が擬似連リーチ(擬似連スペシャルリーチ)に設定された場合であっても、所定条件が成立しなければ、演出制御装置300側では変動時間30秒(60秒)のノーマルリーチを設定する。このことは、図51(b)の変動パターンテーブルが選択された場合も同様である。
〔変動回数更新処理〕
次に、変動回数更新処理(ステップA585)の変更点について説明する。図52に示すように、本変形例の変動回数更新処理は、第1実施形態の同処理(図21参照)におけるステップA591の前にステップA1591〜A1595が追加され、ステップA592が除かれている。
具体的には、初めに擬似連変動態様が選択される確率が高い期間である特定期間であるかを判定し(ステップA1591)、特定期間でない場合(ステップA1591;No)は、ステップA591以降の処理を行う。また、特定期間である場合(ステップA1591;Yes)は、特定期間とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための特図変動回数を−1更新し(ステップA1592)、特図変動回数が0であるかを判定する(ステップA1593)。なお、特図変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、特定期間とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは20)が初期値として設定される。特図変動回数が0でない場合(ステップA1593;No)は、ステップA591以降の処理を行う。特図変動回数が0である場合(ステップA1593;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで特定期間が終了する場合は、特図変動回数領域をクリアし(ステップA1594)、特定期間フラグをクリア(ステップA1595)して、ステップA591以降の処理を行う。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、大当り終了設定処理3(ステップA625)の変更点について説明する。図53に示すように、本変形例の大当り終了設定処理3は、第1実施形態の同処理(図25参照)におけるステップA656とA657の間に、ステップA1651,A1652の処理が追加されている。すなわち、ステップA656の処理までを行った後、特図変動回数領域に特図変動回数初期値をセーブ(ステップA1651)する。そして、特定期間フラグをセーブ(ステップA1652)し、ステップA657の処理を行って、大当り終了設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、小当り終了処理(ステップA19)の変更点について説明する。図54に示すように、本変形例の小当り終了処理は、第1実施形態の同処理(図26参照)におけるステップA671の前に、ステップA1671〜A1673の処理が追加されている。すなわち、初めに特図変動回数領域に特図変動回数初期値をセーブ(ステップA1671)し、特定期間フラグをセーブ(ステップA1672)する。そして、対応する変動パターンテーブルを設定(ステップA1673)した後、ステップA671以降の処理を行う。
大当り終了設定処理3、小当り終了処理で特定期間フラグがセーブされることにより、2R確変、小当りに基づく特別遊技状態の終了後は、図51に示した擬似連リーチや擬似連SPリーチの発生率が高く設定された特定期間用の変動パターンテーブルが設定される。
〔変動回数管理処理〕
次に、変動回数管理処理(ステップB94)の変更点について説明する。図55に示すように、本変形例の小当り終了処理は、第1実施形態の同処理(図39参照)におけるステップB111の前に、ステップB1111〜B1116の処理が追加され、ステップB114の処理が除かれている。
具体的には、初めに特定期間中であるか否かを判定(ステップB1111)し、特定期間中でない場合(ステップB1111;No)は、ステップB111移行の処理を行う。特定期間中である場合(ステップB1111;Yes)は、特図回数を−1更新(ステップB1112)する。そして、特図回数が0であるか否かを判定(ステップB1113)し、0でない場合(ステップB1113;No)は、ステップB111移行の処理を行う。0である場合(ステップB1113;Yes)は、特定期間終了情報を設定(ステップB1114)し、特定期間フラグをクリア(ステップB1115)する。そして、オーバーフローカウンタをクリア(ステップB1116)し、ステップB111移行の処理を行う。
〔エンディング処理〕
次に、エンディング処理(ステップB75)の変更点について説明する。図56に示すように、本変形例のエンディング処理は、第1実施形態の同処理(図40参照)におけるステップB153の処理が除かれ、ステップB154〜B158の処理がステップB1151〜B1160の処理に置き換えられている。
具体的には、ステップB152で小当りに基づく小特別遊技状態の終了でないと判定した後、大当りに関する情報を取得(ステップB1151)し、通常大当りであるかをチェック(ステップB1152)する。
そして、通常大当りでない場合(ステップB1153;No)、すなわち15R確変または2R確変である場合は、特定期間発生大当りであるかをチェックする(ステップB1156)。また、通常大当りである場合(ステップB1153;Yes)、すなわち15R通常である場合は、時短フラグをセットし(ステップB1154)、時短回数をセットして(ステップB1155)、特定期間発生大当りであるかをチェックする(ステップB1156)。なお、時短回数をセットする処理(ステップB1155)では、15R通常であった場合は時短回数として100をセットする。また、15R確変であった場合は時短回数として0をセット(時短回数カウンタをリセット)する。
特定期間発生大当りであるかをチェックして(ステップB1156)特定期間発生大当りでない場合(ステップB1157;No)、すなわち15R確変又は15R通常である場合は、ステップB159以降の処理を行う。一方、特定期間発生大当りである場合(ステップB1157;Yes)、すなわち2R確変である場合や、小当りに基づく小特別遊技状態の終了である場合(ステップB152;Yes)は、特定期間フラグをセット(ステップB1158)し、特図回数をセット(ステップB1159)する。そして、オーバーフローカウンタをセット(ステップB1160)し、ステップB159以降の処理を行う。
〔確率情報コマンド受信処理〕
次に、確率情報コマンド受信処理(ステップB79)について説明する。第1実施形態では本処理の具体的な説明は省いたが、本実施形態の確率情報コマンド受信処理では、図57に示すように、まず、遊技制御装置100から確率情報コマンドを受信したかを判定(ステップB501)する。確率情報コマンドには、時短状態終了コマンド、大当り終了時の遊技状態に関するコマンド等の他、特定期間の終了を指示する特定期間終了コマンドが含まれている。確率情報コマンドを受信していない場合(ステップB501;No)は、確率情報コマンド受信処理を終了する。一方、確率情報コマンドを受信している場合(ステップB501;Yes)は、確率情報を対応する確率情報格納領域にセーブ(ステップB502)して、確率情報コマンド受信処理を終了する。
〔先読みコマンド受信処理〕
次に、先読みコマンド受信処理(ステップB78)の変更点について説明する。図58に示すように、本変形例の先読みコマンド受信処理は、第1実施形態の同処理(図31参照)におけるステップB408〜B411の処理がステップB2401の処理に置き換えられている。すなわち、ステップB406の処理で、擬似連変動態様であると判定された後は、擬似連示唆表示を設定(ステップB2401)し、ステップB412の処理を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。この擬似連示唆表示を設定する処理では、後述する保留表示処理において、当該始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様を他の始動記憶に対応する始動記憶表示と異ならせるための設定を行う。
〔保留数コマンド受信処理〕
次に、保留数コマンド受信処理(ステップB77)の変更点について説明する。図59に示すように、本変形例の保留数コマンド受信処理は、第1実施形態の同処理(図41参照)におけるステップB303より後の処理がステップB1301〜B1306の処理に置き換えられている。
具体的には、ステップB303の処理でオーバーフローコマンドでないと判定した場合(ステップB303;No)は、通常保留情報設定処理(ステップB1301)を行って、保留数コマンド受信処理を終了する。この通常保留情報設定処理(ステップB1301)は、第1実施形態の同処理(図41参照)のステップB304からB312までの処理である。一方、オーバーフローコマンドであると判定した場合(ステップB303;Yes)は、特定期間中であるか否かを判定(ステップB1302)し、特定期間中でない場合(ステップB1302;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。特定期間中である場合(ステップB1302;Yes)は、擬似連示唆表示を実行中であるか否かを判定し、実行中でない場合(ステップB1303;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。実行中である場合(ステップB1303;Yes)は、オーバーフローカウンタを+1更新(ステップB1304)し、更新したオーバーフローカウンタの値を取得(ステップB1305)する。
そして、オーバーフローカウンタの値が所定数に到達したか否かを判定(ステップB1306)し、到達していない場合(ステップB1306;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。到達した場合(ステップB1306;Yes)は、保留表示変更情報を設定(ステップB1307)して、保留数コマンド受信処理を終了する。
〔保留表示処理〕
次に、保留表示処理(ステップB55)について説明する。第1実施形態では本処理の具体的な説明は省いたが、本実施形態の保留表示処理には、始動記憶表示の表示態様を変更可能とする処理が追加されている。
具体的には、図60に示すように、まず、保留数表示データの有無をチェック(ステップB81)し、保留数表示データがない場合(ステップB82;No)は保留表示処理を終了する。保留数表示データがある場合(ステップB82;Yes)は、擬似連示唆表示に関する設定があるかチェック(ステップB83)し、擬似連示唆表示設定がある場合(ステップB84;Yes)は、対応する擬似連示唆表示を設定(ステップB85)して、保留表示処理を終了する。この擬似連示唆表示を設定する処理(ステップB85)が行われることにより、対象となる擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示が、例えば図61(c)の41dで示されるように、他の始動記憶41a〜41cに対応する始動記憶表示とは異なる表示態様で表示され、擬似連判定始動記憶であることが示唆されるようになる。
擬似連示唆表示設定がない場合(ステップB84;No)は、保留表示変更情報があるかチェック(ステップB86)し、保留表示変更情報がある場合(ステップB87;Yes)は、擬似連報知表示に変更する設定(ステップB88)を行って、保留表示処理を終了する。保留表示変更情報がない場合(ステップB87;No)は、通常保留表示の設定(ステップB89)を行って保留表示処理を終了する。この擬似連報知表示に変更する設定を行う処理(ステップB88)が行われることにより、擬似連示唆表示態様であった始動記憶表示の表示態様が、例えば図61(h)の41dで示される擬似連報知表示態様に変更され、擬似連判定始動記憶であることが報知されるようになる。また、通常保留表示の設定処理(ステップB89)が行われることにより、擬似連判定始動記憶でない始動記憶が、例えば図61(a)の41a〜41cで示されるように、擬似連示唆表示態様でも擬似連報知表示態様でもない通常の表示態様で表示される。
以上の処理により、擬似連判定始動記憶が存在し所定条件が成立していない場合には、当該始動記憶に対応する始動記憶表示を、擬似連判定始動記憶の存在を示唆する擬似連示唆表示態様に変更し、擬似連判定始動記憶が存在し所定条件が成立した場合には、擬似連報知表示態様に変更する。従って、演出制御装置300は、事前結果判定手段の判定結果を報知する事前報知演出を実行可能な報知演出手段をなす。
〔演出例〕
次に、本実施形態の特定演出における演出表示の一例について説明する。
2R確変または小当りに基づく特別遊技状態が終了すると特定期間が開始される。そして、この特定期間の開始と同時に、擬似連判定始動記憶の有無にかかわらず、第1実施形態の特定演出時に行われたものと同様のサブゲームが実行される。このため、特定期間の開始時、表示装置41の表示領域には、図61(a)に示すように、サブゲームの開始を知らせる旨の表示がなされる。本実施形態では、サブゲームとして遊技球のオーバーフローゲームが行われるものとして説明していく。特定期間の間、表示領域の右上部は、図61(b)に示すように、到達度表示領域41eとなり、サブゲームクリアまでの到達度、すなわちオーバーフローした遊技球の数が表示される。表示領域の中央部では、特別図柄が変動表示される。
特定期間中に擬似変動回数4回の擬似連判定始動記憶41dが記憶されると、当該始動記憶41dに対応する始動記憶表示が擬似連示唆表示態様で表示領域に表示される。本実施形態における擬似連示唆表示態様の始動記憶表示は、図61(c)に示すように、白丸の中に小さい白丸が破線で描かれたものとなっている。小さい白丸の数は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける擬似変動回数を示唆しており、この場合の小さい白丸の数は4となる。
擬似連判定始動記憶41dに対応する始動記憶表示が表示されたとき、到達度表示領域41eの数が擬似連示唆表示態様となる始動記憶表示の小さい丸の数よりも少なければ、到達度表示領域の数が必要数に達していない等、遊技球を入賞(オーバーフロー)させることを促す旨の表示がなされる。すると、遊技者は、始動記憶表示の表示態様を擬似連示唆表示態様から擬似連報知表示態様に変化させて擬似連変動を確実にするためには、サブゲームをクリアする必要があるのではないかと考えるようになり、小さい丸の数と到達度表示領域の数が関係していることが遊技者に印象付けられる。従って、擬似連示唆表示態様の始動記憶表示が表示されたことを契機として、特定期間におけるサブゲームが、所定条件の成立に関する特定演出として機能することになる。
そして、図61(d)〜(g)に示すように、擬似連判定始動記憶41dの前にある始動記憶41a〜41cに基づく特図変動表示ゲームが順次実行され、図61(g)に示すように、擬似連判定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前に到達度表示領域の数が擬似連示唆表示の小さい丸の数、すなわち予め設定された擬似変動回数に到達すると、図61(h)に示すように、その時点で到達度表示領域の数が擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示に取り込まれるような演出が行われ、到達度表示領域の数が0になるとともに、擬似連示唆表示態様の始動記憶表示の小さい白丸が全て黒丸に変化する。こうして、擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様が擬似連示唆表示態様から擬似連報知表示態様になる。すなわち、所定条件の成立によって擬似連変動態様の先読み結果が報知されたことになる。逆に言えば、所定条件の成立まで、擬似連変動態様の先読み報知が規制されていたともいえる。
なお、擬似連判定始動記憶が記憶されたときに、既に到達度表示領域の数が設定された擬似変動回数以上となっていれば、擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示が表示された直後に当該始動記憶表示の表示態様が擬似連報知表示態様に変化する。
一方、図62(c)に示すように、到達度表示領域の数が小さい丸の数に達していないときに、所定時間操作を行わないなどして遊技球をオーバーフローさせずにいると、擬似連判定始動記憶41dに対応する始動記憶表示の表示態様が、先読み結果を報知しない状態(黒丸)に変化する。そして、当該始動記憶41dに基づく特図変動表示ゲームは通常変動態様で実行される。このため、演出に対する関心が低い遊技者は、サブゲームや擬似連変動を飛ばして遊技を行うことができる、すなわち、遊技を遊技者の意思を介したものとすることができる。
また、サブゲームに積極的に参加したのに擬似連判定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始までに到達度表示領域の数を擬似連示唆表示の小さい丸の数に到達させることができなかった場合も、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが通常変動態様で実行される。
なお、図63(a)に示すように、特定期間中には、偽の擬似連判定始動記憶を発生させるガセ演出を行うようにしてもよい。すなわち、擬似連示唆表示態様の始動記憶表示に対応する始動記憶41dは、実際には擬似連判定始動記憶ではない。どの始動記憶表示を擬似連示唆表示態様とするかは、例えば、所定の確率でランダムに決定すればよい。この場合、到達度表示領域41eの数が擬似連示唆表示態様の始動記憶表示の小さい丸の数(ここでは4)に達しても、図63(b)に示すように、当該始動記憶41dに対応する始動記憶表示の表示態様を変化させる演出が発生しない。やがて、62(c)に示すように、当該始動記憶41dに対応する始動記憶表示の表示態様が他の始動記憶と同様はずれの表示態様(黒丸)に変化する。
また、上記演出例では擬似連判定始動記憶が存在する場合には必ず擬似連示唆表示を表示するようにしていたが、図64(a)に示すように、示唆態様表示を行わないようにしてもよい。この場合、擬似連判定始動記憶41aが存在していても、遊技者は他の始動記憶と区別することができない。ここで、到達度表示領域41eの数が設定された擬似連変動回数に達すると、図64(b)に示すように、到達度表示領域41eの数が擬似連判定始動記憶41aに対応する始動記憶表示に取り込まれ、当該始動記憶41aに基づく特図変動表示ゲームが擬似連変動態様で実行される。なお、到達度表示領域41eの数が始動記憶表示に取り込まれる表示を行う際、どの始動記憶に取り込まれたかを曖昧にして、実際に特図変動表示ゲームが開始されるまで、どれが擬似連判定始動記憶なのか遊技者が分からないようにしてもよい。
また、擬似連判定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、特定演出において所定条件が必ず成立する、もしくは成立し易くなるようにするとよい。この場合に上記したような擬似連判定始動記憶の表示態様を擬似連示唆表示態様としない演出が行われると、到達度表示領域の数が擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示に取り込まれた後、擬似連判定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行され、図64(f)に示すように大当りの結果態様が表示される。こうすることで、この演出が行なわれた後に行われる特図変動表示ゲームが擬似連変動態様で実行されると大当りになるという印象を与えることができる。
また、図65(a)に示すように、擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様を変更してもよい。具体的には、実際に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示を黒丸で表示し、当該始動記憶が擬似連判定始動記憶である場合には、その黒丸の後に擬似変動回数の数だけ破線で描かれた白丸を表示する。もし、擬似連判定始動記憶の後に既に別の始動記憶が記憶されている場合には、擬似連判定始動記憶に対応する始動記憶表示(黒丸)と、別の始動記憶に対応する始動記憶表示(黒丸)との間に並ぶように白丸を表示する。ここで、所定条件が成立した場合には、白丸を黒丸に変更する。
また、上記の演出例では、サブゲームをクリアできた場合のみ始動記憶表示の表示態様を擬似連示唆表示態様から擬似連報知表示態様に変化させたが、到達度が所定値に満たない場合であっても、擬似連変動を報知するようにしてもよい。具体的には、図65(b)に示すように、4つの始動記憶が記憶され、これらを先読み判定した結果、最先の始動記憶41aが擬似変動回数2回の擬似連変動態様、2番目の始動記憶41bが変動回数1回で擬似連変動時の演出が行われる変動態様、3番目の始動記憶41cが擬似変動回数4回の擬似連変動態様、最後の始動記憶41dが通常変動態様とそれぞれ判定されたとする。すると、表示装置41の表示領域には前3つの始動記憶41a〜41cに対応する始動記憶表示が擬似連示唆表示態様で、通常変動態様と判定された始動記憶41dに対応する始動記憶表示が通常の表示態様でそれぞれ表示される。
この後、最先の擬似連判定始動記憶41aに対応するサブゲームが実行され、当該サブゲームをクリアすると、当該サブゲームの終了時に擬似連判定始動記憶41aに対応する始動記憶表示の表示態様が、図65(c)に示すように擬似連示唆表示態様から擬似連報知表示態様に変化する。そして、2番目の始動記憶41bに対応するサブゲームが開始され、当該サブゲームをクリアすれば、当該サブゲームの終了時に2番目の始動記憶41bに対応する始動記憶表示の表示態様も、擬似連報知表示態様に変化する。
続いて、3番目の擬似連判定始動記憶41cに対応するサブゲームが開始されるが、サブゲームの終了までに所定の到達度(ここでは4)に到達できず(3でストップし)サブゲームが終了すると、当該始動記憶41cに対応する始動記憶表示の4つの小さい白丸のうち3つが黒丸に変化する。こうすることで、当該始動記憶41cに対応する始動記憶表示は、確実に擬似連変動となることを報知するものではないが、信頼度の高い擬似連示唆報知態様とすることができる。
以上のように、本実施形態の遊技機10の始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果を報知する事前報知演出を実行可能な報知演出手段(演出制御装置300)を備え、報知演出手段は、事前結果判定手段によって擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が存在する場合であって、かつ、当該始動記憶よりも前に、事前結果判定手段によって特別遊技状態が発生すると判定された始動記憶が存在しない場合に、当該始動記憶に対する事前報知演出を所定条件が成立するまで規制するようにしている。
従って、新たに擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が記憶されても、所定条件が成立するまでは当該始動記憶の事前報知演出が規制され、遊技者には当該始動記憶の事前判定結果が隠された状態となる。しかし、当該始動記憶が記憶されると特定演出が開始されることから、記憶されている始動記憶が当該始動記憶のみであれば当該始動記憶に対して、当該始動記憶以外にも始動記憶が記憶されていれば全ての始動記憶に対して、変動表示ゲームが擬似連変動態様で実行されるかもしれないという期待感を持って遊技を行うことができる。
また、所定条件の成立により判定結果が隠された始動記憶の事前報知演出が実行されることを予め報知しておけば、遊技者は当該始動記憶に対する事前報知演出が実行されることを期待して特定演出に注目したり、特定演出に積極的に介入したりするようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10の演出制御手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段(遊技制御装置100)によって特別遊技状態が発生すると判定された始動記憶が存在する場合には、特定演出において所定条件を成立させるようにしている。
従って、擬似連変動態様で変動表示ゲームを実行可能であると判定された始動記憶が特別結果となるものである場合に、演出制御手段が所定条件を成立させるので、特定演出で所定条件が成立し擬似連変動態様で変動表示ゲームが実行されれば特別遊技状態が発生するという印象を遊技者に与え、特定遊技及び擬似連変動に対する期待感や信頼感を高めることができる。
なお、本演出例では、オーバーフロー数をカウントすることとしたが、特定演出を開始する際に始動記憶に空きがある場合には、この空きを埋める入賞(始動入賞)をカウントするようにしてもよい。
また、上記実施形態では示さなかったが、擬似連判定始動記憶と大当りとなる始動記憶が連続して発生する場合、擬似連変動回数と大当り時の変動回数を合わせた回数をサブゲームクリアに必要な所定の到達度として、遊技者に条件成立を促すようにしてもよい。
また、時短状態において、当該時短状態の終了までに擬似連判定始動記憶が発生した場合、当該時短状態が少し延長されるように見せる演出を行うようにしてもよい。具体的には、時短状態の終了から数えて所定回数(例えば10回)の特図変動表示ゲームを特定期間と同じ変動パターンテーブルに基づいて実行し、擬似連変動の実行が確定した場合に「時短残り10回」と表示されているところに、擬似連変動回数を足すことにより「時短○回上乗せ!!」のように見せる。
また、特図1始動記憶数が既に上限数に到達していて、その中に擬似連判定始動記憶が無い場合に、擬似連判定始動記憶を発生させるにはオーバーフローや特定ゲート通過等を行う必要がある旨の表示を行い、達成すれば対応する変動が擬似連となるようにしてもよい。
また、所定条件が成立したときに、表示装置41に表示されているサブゲームの到達度を0に戻さず(いくつか残したまま)に擬似連変動を開始するようにしても良い。そうすれば、次回の特定演出における所定条件達成の難易度に変化をつけることができる。
また、特定演出が必要以上に長くなる場合(例えば、複数の特図変動表示ゲームに跨って特定演出を実行するような場合)には、特定演出時の特図変動表示ゲームの実行時間を短縮してもよい。例えば、擬似連判定始動記憶の前に2つの始動記憶が記憶されていたときに、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの1回の変動時間を実行可能な最短の変動時間(例えば2秒、合計4秒)として、特定演出を実行するようにする。そうすることで、特定演出が早く終わるので、演出に興味を持たない遊技者も飽きることなく遊技を行うことができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、上記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。