以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を、例えば上から下に移動するように可変表示する。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が進入したり通過したことである。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9の下方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、保留記憶数が上限数(例えば4)に達しているときに始動入賞口に遊技球が入賞しても、その始動入賞は無効始動入賞になる。すなわち、その始動入賞は、可変表示の実行条件である始動条件を成立させない。
また、演出表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示部18cという。)が設けられている。なお、特別図柄保留記憶表示器18が設けられているので、保留記憶表示部18cは、設けられていなくてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
特別図柄表示器8において、特別図柄の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、小当り図柄が導出表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄にする。「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄にする。特別図柄表示器8に15ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。15ラウンド大当り状態では、ラウンドの回数は第1回数(例えば、15)である。以下、ラウンドの回数が第1回数である大当り遊技状態を15ラウンド大当り状態ともいう。
また、特別図柄表示器8に2ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、ラウンドの回数が第2回数(例えば、「2」)である大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)に移行する。また、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドの期間は、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば、0.5秒間)になる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば、「2」)である。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、例えば、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
2ラウンド大当り状態が終了した後にも、遊技状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2ラウンド大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
特別図柄表示器8に小当り図柄が停止表示された場合には、遊技状態が、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、可変入賞球装置20における開閉板が第2期間(例えば、0.5秒間)開放状態になって大入賞口が開放される。ラウンドの回数は第2回数(例えば、2)である。ただし、2ラウンド大当り状態とは異なり、遊技状態は変更されない。すなわち、小当り遊技状態に制御される前の遊技状態が継続する。ただし、時短状態の終了条件が成立する場合には、遊技状態は通常状態に制御される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、その入賞球装置を第1状態に変化させる。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄(演出図柄)の可変表示を行う。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときと、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
演出表示装置9の上側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(演出表示装置9等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている演出装置としての装飾発光体の一例である。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および飾り図柄の可変表示は、始動入賞口への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン150が設けられている。図2に示すように、操作ボタン150には、遊技者が押圧操作することが可能な押圧操作部151が設けられている。なお、操作ボタン150には、押圧操作部151だけでなく、遊技者による回転操作が可能な回転操作部152も設けられている。遊技者は、回転操作部152を回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25や枠側に設けられている枠LED28等の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出制御プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン150に対する押圧操作に応じた操作信号(押下信号)を操作ボタン150から入力する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS32において、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)となった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)となった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)となったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
さらに、CPU56は、普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS33において、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値となったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値となったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、飾り図柄の可変表示態様について説明する。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせ、または、飾り図柄の特殊組み合わせのうち発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかが、停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、大当りにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後、リーチ演出が実行された後に、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
図7は、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。なお、可変表示結果が小当りまたは突然確変大当りなるとき(以下、「チャンス目」ともいう。)にも使用される可変表示態様も図7に示されている。図7に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチA11〜非リーチA16の変動パターンおよび特殊A,B,Cの変動パターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルA21〜ノーマルA22、スーパーA31〜スーパーA34、スーパーB31〜スーパーB34の変動パターンが用意されている。
なお、この実施の形態では、リーチ演出を伴わない非リーチA11〜非リーチA16の変動パターンは、いわゆる通常変動の変動パターンである。特殊A,B,Cの変動パターンは、「滑り」や「擬似連」等の特殊演出の変動パターンである。「滑り」は、左中右の図柄表示エリア9L、9C、9Rのうち例えば2つの図柄表示エリアで飾り図柄を仮停止表示させた後、図柄が滑るように変動して表示図柄が変化する変動パターンである。「擬似連」は、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。なお、特殊A,B,Cの変動パターンは、可変表示結果が「チャンス目」になる場合に使用される。
図8は、可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルA23〜ノーマルA24、スーパーA41〜スーパーA44、スーパーB41〜スーパーB44の変動パターンが用意されている。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りまたは小当りとするか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2(MR2):大当り/小当りの種類(確変大当たり、突然確変大当り(突確大当りまたは2ラウンド(2R)大当りともいう。)、通常大当り、小当り)を決定する(大当り種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図10(A)、(B)は、判定テーブルを示す説明図である。当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである。また、当り判定テーブルとして、図9(A)に示す大当り判定テーブル130Aと、図9(B),(C)に示す小当り判定テーブル130Bとがある。大当り判定テーブル130Aには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。小当り判定テーブル130Bには、図9(B),(C)に記載されている各数値が設定されている。図9(A),(B),(C)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A),(B)に示すいずれかの大当り判定値または小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、通常大当りもしくは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図10(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(例えば、0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(例えば、0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、突然確変大当りが発生して遊技状態が確変状態に移行する場合には、大当りが発生する確率は高くなるが、普通図柄の当りに関して確率は変化しない。また、普通図柄の変動時間や可変入賞球装置15の開放態様は、遊技状態が通常状態である場合と同じである。
図10(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図11(A),(B),(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、遊技状態の相違に関わらず、大当りの種類に応じて、それぞれ1つの大当り用変動パターン種別判定テーブルが使用されるが、遊技状態(確変状態、時短状態を除く通常状態、時短状態)に応じて、異なる大当り用変動パターン種別判定テーブルを使用してもよい。
各大当り時変動パターン種別判定テーブル132A,132B,132Cには、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマル、スーパーα、スーパーβ、特殊1、特殊2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図10(A)に示す通常大当り時変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図10(B)に示す確変大当り時変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマル、スーパーα、スーパーβの変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる図10(C)に示す突確大当り時変動パターン種別判定テーブル132Cには、「特殊1」の変動パターン種別に対応する判定値が設定されている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り時変動パターン種別判定テーブル132A,132B,132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図11(D)は、ROM54に記憶されている小当り用変動パターン種別判定テーブル133を示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル133は、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。小当り用変動パターン種別判定テーブル133には、「特殊2」の変動パターン種別に対応する判定値が設定されている。なお、この実施の形態では、遊技状態の相違に関わらず、1つの小当り用変動パターン種別判定テーブル133が使用されるが、遊技状態(確変状態、時短状態を除く通常状態、時短状態)に応じて、異なる小当り用変動パターン種別判定テーブルを使用してもよい。
図12(A),(B)は、ROM54に記憶されているはずれ時変動パターン種別判定テーブル134A,134Bを示す説明図である。はずれ時変動パターン種別判定テーブル134A,134Bは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、遊技状態が通常状態であるときにははずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aを使用し、確変状態または時短状態であるときにははずれ時変動パターン種別判定テーブル134Bを使用を使用する。なお、確変状態と時短状態とで別のはずれ時変動パターン種別判定テーブルを使用するようにしてもよい。なお、突然確変大当りにもとづく確変状態では、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aを使用するようにしてもよい。
はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「0」〜「2」である場合に対応して、「1」〜「201」の範囲の値が非リーチ1に割り当てられている。また、「202」〜「221」の範囲の値がノーマルに割り当てられ、「222」〜「237」の範囲の値がスーパーαに割り当てられ、「238」〜「241」の範囲の値がスーパーβに割り当てられている。
また、保留記憶数が「3」である場合に対応して、「1」〜「221」の範囲の値が非リーチ2に割り当てられている。また、「222」〜「230」の範囲の値がノーマルに割り当てられ、「231」〜「237」の範囲の値がスーパーαに割り当てられ、「238」〜「241」の範囲の値がスーパーβに割り当てられている。
また、保留記憶数が「4」である場合に対応して、「1」〜「231」の範囲の値が非リーチ2に割り当てられている。また、「232」〜「234」の範囲の値がノーマルに割り当てられ、「235」〜「237」の範囲の値がスーパーαに割り当てられ、「238」〜「241」の範囲の値がスーパーβに割り当てられている。
はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Bにおいて、保留記憶数が「0」〜「2」である場合に対応して、「1」〜「101」の範囲の値が非リーチ1に割り当てられ、「102」〜「201」の範囲の値が非リーチ4に割り当てられている。また、「202」〜「221」の範囲の値がノーマルに割り当てられ、「222」〜「237」の範囲の値がスーパーαに割り当てられ、「238」〜「241」の範囲の値がスーパーβに割り当てられている。
また、保留記憶数が「3」,「4」である場合に対応して、「1」〜「231」の範囲の値が非リーチ4に割り当てられている。また、「232」〜「234」の範囲の値がノーマルに割り当てられ、「235」〜「237」の範囲の値がスーパーαに割り当てられ、「238」〜「241」の範囲の値がスーパーβに割り当てられている。
図13は、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。図12(A)および図13に示すように、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aには、スーパーβの変動パターン種別に対して、保留記憶数の違いに関わらず、同じ判定値が割り当てられている。具体的には、「238」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられている。なお、図12(B)に示すように、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Bにおいても、スーパーβの変動パターン種別に対して、保留記憶数の違いに関わらず、「238」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられている。
なお、この実施の形態では、変動パターン種別判定用乱数とはずれ時変動パターン種別判定テーブル134A,134Bとによってリーチにするか否か決定されることになるが、リーチ判定用乱数を用い、リーチ判定用乱数の値が所定の判定値と一致した場合に、リーチすることに決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aにおいて、確変大当りの期待度が高い(図11(A),(B)参照)スーパーβの変動パターン種別に対して、保留記憶数が「0」〜「2」である場合と、保留記憶数が「3」である場合と、保留記憶数が「4」である場合とで同じ判定値が割り当てられ、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134Bにおいても、スーパーβの変動パターン種別に対して、保留記憶数が「0」〜「2」である場合と、保留記憶数が「3」,「4」である場合とで同じ判定値が割り当てられているが、それらにおいて、異なる判定値を割り当てるようにしてもよい。異なる判定値を割り当てる場合、それぞれの判定値の中に共通する判定値(共通の数値範囲内の判定値)が存在するように構成されていることが好ましい。そのように構成されている場合には、それぞれのテーブルにおいて異なる判定値が割り当てられていても、CPU56は、保留記憶数の値に関わらず、乱数の値が所定の数値範囲に入っているか否か判定するだけで、スーパーβの変動パターン種別になるか否かを判定することができる。
図14(A),(B)は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。大当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン判定テーブル137A,137Bには、変動パターン種別毎に、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には、大当り変動パターン判定テーブル137Bが使用され、それ以外の種類の大当りの場合には、大当り変動パターン判定テーブル137Aが使用される。
図14(C)は、ROM54に記憶されている小当り変動パターン判定テーブル137Cを示す説明図である。小当り変動パターン判定テーブル137Cは、可変表示結果を「小当り」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン判定テーブル137Cには、変動パターン種別毎に、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
図15(A),(B)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、リーチ状態にするか否かと変動パターン種別の決定結果とに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
はずれ変動パターン判定テーブル138Aには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)が設定されている。はずれ変動パターン判定テーブル138Bには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)が設定されている。
なお、例えば、非リーチ14は、「滑り」や「擬似連」等の特殊演出の変動パターンであってもよい。その場合に、非リーチ14が、非リーチ1〜非リーチ3の変動パターン種別に属するのではなく、非リーチ14が属する特殊演出の変動パターン種別を設けてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン種別判定用乱数が非リーチ14が属する変動パターン種別に割り当てられている判定値と一致したと判定した場合に、変動パターンとして、特殊演出の変動パターンである非リーチ14を選択する。
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7および図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りにするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは突確/小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド(通常大当り時に送信される。)と大当り開始指定2指定コマンド(確変大当り時に送信される。)とがある。また、突確/小当り開始指定コマンドは、突確大当り時と小当り時とで共通に使用される。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、通常大当り時での大当り終了画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り時での大当り終了画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突確大当りまたは小当り終了画面を表示すること、すなわち突然確変大当り遊技または小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突確/小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC002(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづく通常大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定通常大当り指定コマンド)であり、コマンドC003(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづく確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定確変大当り指定コマンド)、コマンドC004(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづく確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定突然確変大当り指定コマンド)である。
コマンドC102(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづくスーパーリーチα指定の演出制御コマンド(入賞時判定スーパーリーチα指定コマンド)であり、コマンドC103(H)は、始動入賞が生じたときの判定結果にもとづくスーパーリーチβ指定の演出制御コマンド(入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンド)である。
コマンドC002(H)〜コマンドC103(H)を、入賞時判定結果コマンドということがある。
コマンドC2XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。コマンドE402(H)は、時短状態になったときに送信されるコマンドである。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドE400(H)、コマンドE401(H)およびコマンドE402(H)を、遊技状態が変化したときに送信するが、飾り図柄の変動開始の度に送信してもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図16に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンド、表示結果特定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間(変動時間)が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS320,S321)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305またはステップS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図18は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)であるか否かを確認する(ステップS211)。保留記憶数カウンタの値が上限値であれば、処理を終了する。
保留記憶数カウンタの値が上限値になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2,3,4:図9参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS214)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS215)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(ステップS216)。
図19は、入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理は、始動入賞について、その始動入賞にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に、大当りが生ずるか否か判定するとともに変動パターン種別を判定する処理である。
入賞時判定処理において、CPU56は、ステップS213の処理で保存領域に記憶されたランダムRの値を読み出す(ステップS221)。そして、ランダムRの値が大当り判定値(図10(A)参照)のいずれかと一致するか否か確認することによって、発生した始動入賞にもとづいて将来実行される可変表示において大当り図柄が停止表示されるか否か(すなわち、大当りになるか否か)判定する(ステップS222)。ランダムRの値がいずれの判定値とも一致しない場合には、ステップS231に移行する。なお、ステップS222の処理では、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りになるか否かの判定を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りになるか否かの判定を行う。
また、CPU56は、判定対象の始動入賞の以前に発生した始動入賞にもとづく保留記憶が保留記憶バッファ(4つの保存領域)が存在する場合に、その中に通常大当りに対応する乱数値が記憶されているか否かに応じて、確変時大当り判定テーブルと通常時大当り判定テーブルのいずれを使用するのか決めるようにしてもよい。また、CPU56は、常に、通常時大当り判定テーブルを使用するようにしてもよい。その場合には、判定対象の始動入賞の以前に発生した始動入賞にもとづいて通常大当りが発生する場合に、予告を実行したにも関わらず大当りにならないという事態が生ずることを防止できる。
大当りになると判定した場合には、CPU56は、図10(C)に示す大当り種別判定テーブル131において、ステップS213の処理で保存領域に記憶された大当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「突確」)が大当りの種別であると判定する(ステップS223)。
判定結果が確変大当りである場合には、CPU56は、入賞時判定確変大当り指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS224,S225)。また、判定結果が突然確変大当りである場合には、入賞時判定突然確変大当り指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226,S227)。判定結果が確変大当りでも突然確変大当りでもない場合には、入賞時判定通常大当り指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS228)。
ステップS231では、CPU56は、ステップS213の処理で保存領域に記憶された変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を読み出す。そして、CPU56は、ランダム3の値とスーパーリーチαの変動パターン種別に割り当てられた共通の判定値(この実施の形態では235〜237:図12(A),(B)参照))とを比較し(ステップS232)、ランダム3の値がいずれかの判定値と一致する場合、すなわち変動パターン種別がスーパーリーチαになると判定した場合には(ステップS233)、入賞時判定スーパーリーチα指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS234)。
また、CPU56は、ランダム3の値とスーパーリーチβの変動パターン種別に割り当てられた共通の判定値(この実施の形態では238〜241:図12(A),(B)参照))とを比較し(ステップS235)、ランダム3の値がいずれかの判定値と一致する場合、すなわち変動パターン種別がスーパーリーチβになると判定した場合には(ステップS236)、入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS237)。
なお、CPU56は、まず、スーパーリーチになるか否か判定し、スーパーリーチになると判定した場合に、スーパーリーチαになるのかスーパーリーチβになるのかを判定するようにしてもよい。具体的には、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が、必ずスーパーリーチと判定されることになる235以上の範囲であるか否か確認し、235以上であることを確認したら、238以上であるか否確認し、238以上であればスーパーリーチβになると判定し、そうでなければ、スーパーリーチαと判定する。
この実施の形態では、入賞時判定処理において、図12(A)に示す通常状態において使用されるはずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aおよび図12(B)に示す確変状態および時短状態において使用されるはずれ時変動パターン種別判定テーブル134Bにおいて共通するスーパーリーチβに関する判定値とランダム3の値とが比較されるので、大当りの信頼度が高いリーチ(スーパーリーチβの変動パターン種別に含まれる変動パターンによる)になることを予告する演出が実行される場合に、大当りの信頼度が高いリーチになることを予告する演出を実行したにもかかわらず大当りの信頼度が高いリーチにならないという事態は生じない。つまり、通常状態において使用される判定値の数値範囲と確変状態および時短状態において使用される判定値の数値範囲とが異なる場合に、例えば、入賞時判定処理の実行時に遊技状態が確変状態であって、実際に可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態であった場合には、入賞時判定処理ではスーパーリーチβの変動パターン種別に含まれる変動パターンが使用されると判定したにもかかわらず、実際に可変表示が開始されるときにはスーパーリーチβの変動パターン種別に含まれる変動パターン以外の変動パターンが使用される事態が生じうるが、この実施の形態では、そのような事態が生じない。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。具体的には、CPU56は、保存領域における保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、CPU56は、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18の点灯個数を1減らす(ステップS54)。また、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS55)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
次に、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、ランダムRと大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図10(A)参照)とを比較し(ステップS56)、それらが一致したら、大当りにすることに決定し大当りフラグをセットする(ステップS71)。ステップS56の処理では、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が非確変状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
また、遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りとすることに決定されている場合に、大当り遊技を開始するときにリセットされる。
また、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム2(大当り種別判定用乱数)を読み出し、大当りの種別(通常大当りまたは確変大当り)を、大当り種別判定テーブル131においてランダム2の値に一致する大当り種別判定値(図10(C)参照)に応じた種別に決定する(ステップS72)。
そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。そして、ステップS74に移行する。
ランダムRの値が大当り判定値に一致しない場合には、ランダムRの値が図10(B)に示す小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(ステップS57)。小当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ステップS74に移行する。一致した場合には、小当りフラグをセットした後(ステップS58)、ステップS74に移行する。
ステップS74では、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされて場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常」または「確変」に決定した場合には、「3」または「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、保存領域からランダム3を読み出す(ステップS90)。そして、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、決定されている大当りの種類に応じて、大当り時変動パターン種別判定テーブル132A,132B,132C(図11(A),(B),(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。
小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り時変動パターン種別判定テーブル133(図11(D)参照)を選択する(ステップS93,S94)。
そして、ステップS92の処理またはステップS94の処理で選択した大当り時変動パターン種別判定テーブル132A,132B,132Cまたは小当り時変動パターン種別判定テーブル133に設定されている判定値におけるランダム3に一致する値に対応する変動パターン種別を決定する(ステップS102)。また、大当り変動パターン判定テーブル、突確大当り変動パターン判定テーブルまたは小当り変動パターン判定テーブル(図14参照)における変動パターン種別に応じたテーブル(ノーマル、スーパーα、スーパーβ、特殊1、特殊2の部分)を選択する(ステップS103)。
次いで、CPU56は、保存領域からランダム4を読み出し(ステップS104)、ステップS103の処理で選択したテーブルに設定されている判定値におけるランダム4の値に一致する値に対応する変動パターンを決定する(ステップS105)。そして、ステップS106に移行する。
大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、CPU56は、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134A,134B(図12参照)を選択する(ステップS95)。なお、遊技状態が通常状態であるときにははずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aを選択し、確変状態または時短状態であるときにははずれ時変動パターン種別判定テーブル134Bを選択する。また、CPU56は、保存領域からランダム3を読み出し、はずれ時変動パターン種別判定テーブル134A,134Bにおける保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム3の値と一致する値に対応した変動パターン種別を決定する(ステップS96)。
そして、CPU56は、また、保存領域からランダム4の値を読み出す(ステップS97)。リーチすることに決定した場合(リーチの変動パターン種別が選択された場合)には、はずれ変動パターン判定テーブル(リーチ)138B(図15(B)参照)における変動パターン種別に応じたテーブル(ノーマル、スーパーαまたはスーパーβの部分)を選択し(ステップS98,S99)、リーチしないことに決定した場合(非リーチの変動パターン種別が選択された場合)には、はずれ変動パターン判定テーブル(非リーチ)138A(図15(A)参照)における変動パターン種別に応じたテーブル(非リーチ1、非リーチ2、非リーチ3または非リーチ4の部分)を選択する(ステップS100)。そして、ランダム4の値にもとづいて、選択したテーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS101)。その後、ステップS106に移行する。
ステップS106では、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図22は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図16参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合には、決定されている大当り種別が「確変」である場合には、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。決定されている大当り種別が「突確」である場合には、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。「確変」でも「突確」でもない場合には、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。なお、CPU56は、大当りの種別を、大当り種別バッファに設定されているデータによって判定できる。
CPU56は、ステップS116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS138に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、通常大当りとすることに決定されている場合には大当り開始1指定コマンドを送信し、確変大当りとすることに決定されている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、突然確変大当りとすることに決定されている場合には突確/小当り開始指定コマンドを送信する。なお、いずれの種類の大当りとすることに決定されているかは、大当り種別を示すデータで判定される。
また、大入賞口制御タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
ステップS138では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS139)。また、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS140)、時短フラグをリセットする(ステップS141)。そして、演出制御用マイクロコンピュータに通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142)。
また、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS143)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に突確/小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS145)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS146)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS147)。
図25は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。開放回数カウンタは、特別図柄停止処理において、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応する値にセットされる前に、大当りの種別に応じて設定されている。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。例えば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突然確変大当り場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS407)。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS430)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS431)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S431とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば5秒である。突然確変大当りや小当りのときは15R大当りより短い期間としてもよい。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS442)。具体的には、通常大当りである場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りである場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りである場合には突確/小当り開始終了コマンドを送信する。なお、いずれの種類の大当りであるのかは、大当り種別を示すデータで判定される。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS444)。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS450)。大入賞口制御タイマの値が0でない場合には(ステップS451)、処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になった場合には、大当り種別を示すデータが確変大当りまたは突然確変大当りを示すデータであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS452,S453)。また、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS454)。そして、ステップS458に移行する。
大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく突然確変大当りを示すデータでもないときには、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットし(ステップS455)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS456)。また、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS457)。そして、ステップS458に移行する。
ステップS458では、大当りフラグをリセットする。また、RAM55における大当り種別を示すデータをクリア(0にする)する(ステップS459)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS460)。
なお、大当り種別を示すデータが突然確変大当りである場合には、CPU56は、その旨を示すフラグをセットしておく。そして、CPU56は、確変フラグがセットされているが突然確変大当りであったことを示すフラグがセットされていない場合に、普通図柄の当り確率を向上させたり可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増やしたりする。
また、CPU56は、確変フラグがセットされて突然確変大当りであったことを示すフラグがセットされている場合には、普通図柄の当り確率を向上させない。また、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増やしたりすることもない。つまり、通常状態と同様の制御を行う。換言すれば、確変大当りであった場合には高ベース状態に移行するが、突然確変大当りであった場合には、高ベース状態に移行しない。なお、確変大当りであった場合に移行した高ベース状態は、次に大当り(具体的には、通常大当りまたは突確大当り)が発生するまで継続する。
ただし、遊技状態が確変状態であるときに突然確変大当りが発生したときには、普通図柄の当り確率を向上させたり可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増やしたりしてもよい。すなわち、高ベース状態を維持するようにしてもよい。
また、CPU56は、ステップS452の処理において、大当り種別を示すデータが突然確変大当りを示すデータであることを確認したときには、確変状態指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合には、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、確変状態指定コマンド、時短状態指定コマンドおよび通常状態指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9の背景色等を変化させるように構成されているときに、突確大当りが発生しても背景色を変化させないので、遊技状態が確変状態に変化したか否か遊技者は認識できない。その結果、遊技者は、小当りの発生と突確大当りの発生とを区別することが困難になる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が突然確変大当り時に確変状態指定コマンドを送信する場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100が、突然確変大当りが発生したときには(変動パターン等で判定できる。)、確変状態指定コマンドを無視するようにしてもよい。
次に、演出表示装置9において実行される演出について説明する。図29は、演出表示装置9において実行される特定演出を説明するための説明図である。図29には、保留記憶数が3から4に増加したときに実行される入賞時判定処理(図19参照)において、保留記憶=4にもとづいて開始される飾り図柄の可変表示においてスーパーリーチβの変動パターン種別に属する変動パターンが実行されると判定されたことが示されている。その場合には、実際に保留記憶=4にもとづく可変表示が開始される前に実行される3回の可変表示において、特定演出(図29に示す例ではゲーム演出)が実行されることが示されている。
なお、可変表示においてリーチ演出が実行される場合には、リーチ演出の期間において、リーチ演出に代えて、特定演出が実行される。また、特定演出は、常に、保留記憶=4にもとづく可変表示が開始される前に実行される3回の可変表示において実行されるわけではなく、例えば、保留記憶=1または2にもとづく可変表示が実行されているときに終了する場合がある。例えば、図30(F),(H)に示す「成功」や「失敗」の報知がなされた場合には、ミニゲームは終了し、以後の可変表示時(予告対象の可変表示が開始されるまでに実行される可変表示時)にミニゲームは実行されない。
なお、ミニゲームが終了した場合に、以後の可変表示時にもミニゲームを実行するようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、以後の可変表示時に実行されるミニゲームでは、以前の可変表示時に実行されたときに行われた予告演出の内容とは異なる内容の予告演出を実行する。
また、図29には、各可変表示時に、ミニゲームが最初から実行される例が示されている。しかし、複数回の可変表示に亘って1つのミニゲームが実行されるようにしてもよい。
図30は、特定演出の具体例を示す説明図である。図30に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9における左中右の図柄表示領域9L,9C,9Rにおいいて飾り図柄の可変表示を実行し(図30(A))、表示結果を導出表示し(図30(B)、次の飾り図柄の可変表示が開始された後に特定演出(ミニゲーム)が開始されることを報知するための画面を演出表示装置9に表示する(図30(C))。
ミニゲームが開始されることを報知するための画面には、操作ボタン150を押下すべきことを示す画像9aを含む。また、ミニゲームの内容を報知する文字を含む。なお、ミニゲームが開始されることを報知するための画面が表示されるときには、図柄表示領域9L,9C,9Rは縮小されて表示される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ミニゲームの内容を表示する画面を演出表示装置9に表示し(図30(D))、遊技者が操作ボタン150を押下すると、画面の表示を変化させる。具体的には、ハンマーの画像9bの押下によって蛙の画像9cが空中に飛び出すような画面を表示する(図30(E))。なお、ミニゲームの実行中には、複数の睡蓮の葉が回転表示されている。
遊技者が操作ボタン150を押下したタイミングが、空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれかに乗ることになるようなタイミングである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「成功」を示す画像を演出表示装置9に表示し(図30(F))、保留記憶表示部18cにおける特定演出による予告の対象になる保留記憶に該当する部分に、その保留記憶にもとづく可変表示において所定の変動パターンが用いられることを示す文字画像を表示する(図30(G))。
後述するように、この実施の形態では、はずれの場合にスーパーリーチβの変動パターン種別に属する変動パターンによる可変表示が実行されるときには、遊技者が操作ボタン150を押下したタイミングが、空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれかに乗ることになるようなタイミングである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「成功」を示す画像を演出表示装置9に表示するが、特定演出による予告の対象になる保留記憶に該当する部分(その保留記憶にもとづいてはずれのスーパーリーチβの変動パターン種別に属する変動パターンによる可変表示が実行される。)に、その保留記憶にもとづく可変表示において、図30(G)に例示された文字画像(「激熱」)よりも期待感が低いことを示す文字画像(例えば、「出るかも」)を保留記憶表示部18cに表示する。
遊技者が操作ボタン150を押下したタイミングが、空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれにも乗らないことになるようなタイミングである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「失敗」を示す画像を演出表示装置9に表示し(図30(H))、ミニゲームを終了させる(図30(I))。
後述するように、睡蓮の葉の回転速度として複数の速度(高速、中速、低速)がある。演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽選によって。いずれかの回転速度を選択し、選択した回転速度で睡蓮の葉を回転させるような表示制御を行う。
睡蓮の葉が中速回転している場合には、低速回転している場合に比べて、遊技者がゲームの結果を成功に導くようなタイミングで操作ボタン150を押下することは難しい。また、睡蓮の葉が高速回転している場合には、中速回転および低速回転している場合に比べて、遊技者がゲームの結果を成功(空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれかに乗ることになるようなタイミングで操作ボタン150を押下したことに相当)に導くようなタイミングで操作ボタン150を押下することは難しい。
そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、成功の難易度が高い睡蓮の葉を高速回転させるように表示制御している場合にゲームの結果が成功になったときには図30(G)に例示された文字画像(「激熱」)よりも期待感がさらに高いことを示す文字画像を表示する制御を実行したり、睡蓮の葉を低速回転させるように表示制御している場合にゲームの結果が成功になったときには図30(G)に例示された文字画像(「激熱」)よりも期待感がやや低いことを示す文字画像を表示する制御を実行したりしてもよい。難易度に応じて予告演出の内容が異なるので、遊技者は、より積極的にミニゲームに参加することが期待される。操作ボタンの押下にもとづいて予告演出を開始させるかさせないかを決定するように構成されている場合には、操作ボタンの押下は予告演出を開始させる契機にすぎず、遊技者の操作ボタンに対する操作内容や操作の種類に応じて演出内容が変化することもないので、遊技者が積極的には操作ボタンの操作を行わない可能性もある。しかし、この実施の形態では、遊技者が積極的に操作ボタンの操作を行う可能性を高めることができる。なお、この実施の形態によって遊技者が積極的に操作ボタンの操作を行う可能性を高めることができることは、難易度に応じて予告演出の内容を異ならせない場合でも同様である。
また、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告対象が大当りになる可変表示である場合に睡蓮の葉を高速回転させる特定演出を高い割合で選択する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。そして、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図16参照)であるのか解析する。
図32〜図34は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが突確/小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、突確/小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが突確/小当り終了指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、突確/小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示部18cにおける点灯個数を、保留記憶数指定コマンドにおけるEXTデータ(2バイト目)で示される数にする(ステップS652)。また、RAMに記憶されている保留記憶数を保留記憶数指定コマンドにおけるEXTデータ(2バイト目)で示される値にする(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示部18cにおける点灯個数を1減らす(ステップS655)。また、RAMに記憶されている保留記憶数を−1する(ステップS656)。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果コマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定スーパーリーチα指定コマンド、入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンド、または入賞時判定突然確変大当り指定コマンド)であれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、その入賞時判定結果コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果コマンド格納領域に格納する(ステップS658)。また、入賞時判定結果コマンド受信フラグをセットする(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドである場合には(ステップS661)、確変状態フラグをセットする(ステップS662)。また、時短状態フラグがセットされていたら時短状態フラグをリセットする(ステップS663)。受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドである場合には(ステップS664)、時短状態フラグをセットする(ステップS665)。また、確変状態フラグがセットされていたら確変状態フラグをリセットする(ステップS666)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドである場合には(ステップS667)、時短フラグをリセットする(ステップS668)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
図35は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図35に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、特定演出実行決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。
特定演出実行決定用乱数SR2は、特定演出を実行するか否かと、実行する場合の特定演出の種類を決定するために用いられる乱数である。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、所定の非リーチの組み合わせになる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図36(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cが記憶されている。図36(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄(最終停止表示される飾り図柄)のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図36(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)であって、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図36(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図37(A)に示すような左右出目判定テーブル161が記憶され、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR14のいずれに該当するかの判定が行われる。図36(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR14のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図37(B)は、突確チャンス目を示す説明図である。突確チャンス目は、突確(突然確変大当り)にすることに決定されている場合に実行される飾り図柄の変動における最終停止図柄である。「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに表示(停止表示または仮停止表示(最終停止ではなく、例えば左中右図柄が揺れ変動している状態))される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに表示される飾り図柄である。なお、この実施の形態では、小当りにする場合にも、最終停止図柄として、図37(B)に示すチャンス目を使用する。
なお、図36(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左最終停止図柄FZ1−1、右最終停止図柄FZ1−2、中最終停止図柄FZ1−3の組み合わせが、突確チャンス目の組み合わせになる部分には、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割り当てられていない。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、リーチはずれの組み合わせとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図38(A)および図38(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A,162Bが記憶されている。
図38(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる飾り図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図38(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、大当り組み合わせや突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図39(A),(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163A,163Bが記憶されている。図39(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aは、大当り図柄となる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aは、通常大当りにするときに用いられるテーブル(図39(A)における左欄)と、確変大当りにするときに用いられるテーブル(図39(A)における右欄)とを含む。最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当りにするときに用いられるテーブルには、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」(通常大当り図柄)に対応するデータ(判定値)を含む。最終停止図柄決定テーブル163Aにおける確変大当りにするときに用いられるテーブルには、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「1」、「3」、「5」、「7」(確変大当り図柄)に対応するデータ(判定値)を含む。
また、図39(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bは、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rでの左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3となる確定飾り図柄の組み合わせを、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Bは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、突確チャンス目TC1〜TC4に対応するデータ(判定値)を含む。
図40は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、特定演出判定処理(ステップS810)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図41は、ステップS810の特定演出判定処理を示すフローチャートである。特定演出判定処理において、演出制御用CPU101は、特定演出の実行中であることを示す特定演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS671)。特定演出実行中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、特定演出実行中フラグがセットされていない場合には、保留記憶数が3以上であるか否か確認する(ステップS672)。保留記憶数が3未満であれば、処理を終了する。なお、保留記憶数が3未満であるときに、入賞時判定結果コマンドを受信したことを示す入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされている場合には、入賞時判定結果コマンド受信フラグをリセットしておく。
保留記憶数が3以上である場合には、入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS674)。入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされていない場合には処理を終了する。
この実施の形態では、特定演出は、保留記憶数が所定値以上(この例では、3以上)であることを条件に実行されることになる。
演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされている場合には、入賞時判定結果コマンド受信フラグをリセットし(ステップS675)、入賞時判定結果コマンド格納領域に、入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンド、または入賞時判定突然確変大当り指定コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS676)。入賞時判定結果コマンド格納領域に、入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンド、または入賞時判定突然確変大当り指定コマンドが格納されている場合には、第1特定演出決定テーブルを選択する(ステップS677)。また、成功演出実行可能フラグをセットする(ステップS678)。そして、ステップS681に移行する。また、入賞時判定結果コマンド格納領域に、入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンド、および入賞時判定突然確変大当り指定コマンドが格納されていない場合(この実施の形態では、入賞時判定スーパーリーチα指定コマンドが格納されていることになる。)には、第1特定演出決定テーブルを選択する(ステップS679)。そして、ステップS681に移行する。
入賞時判定結果コマンド格納領域に入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンドが格納されていない場合には、処理を終了する。
ステップS681では、演出制御用CPU101は、特定演出実行決定用乱数SR2を抽出し、特定演出実行決定用乱数SR2と選択したテーブル(第1特定演出決定テーブルまたは第2特定演出決定テーブル)とにもとづいて、特定演出を実行するか否かを決定するとともに、特定演出を実行する場合には特定演出の種類を決定する。特定演出を実行することに決定した場合には(ステップS682)、特定演出実行フラグをセットし(ステップS683)、特定演出の種類をRAMの保存領域に記憶する(ステップS684)。特定演出を実行することに決定した場合に、予告演出の種類も決定するようにしてもよい。
なお、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態や時短状態であるである場合には、ステップS671以降の処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、遊技状態が特別状態(確変状態および時短状態)でないことを条件に、ステップS671以降の処理を実行するようにしてもよい。特別状態(確変状態および時短状態)では、変動時間がより短い変動パターン(図12(B)、図15(A)および図7に示す例では、非リーチ12,13,15,16)が選択されやすい。すなわち、可変表示の変動時間が短くなりやすい。その結果、特定演出の実行時間が短くなる可能性が高い。そこで、遊技状態が確変状態や時短状態であるである場合には、ステップS671以降の処理を実行しないように、すなわち特定演出を実行しないようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101が特別状態では特定演出を実行しないように制御するのではなく、特別状態では、遊技制御用マイクロコンピュータが入賞時判定結果コマンドを送信しないように制御してもよい。
図42は、第1特定演出決定テーブルおよび第2特定演出決定テーブルを示す説明図である。第1特定演出決定テーブルおよび第2特定演出決定テーブルには、特定演出実行決定用乱数SR2と比較される判定値が、特定演出の実行の有無に対応させて設定されている。特定演出実行の有(特定演出を実行する)については、特定演出の種類(睡蓮低速回転、睡蓮中速回転、睡蓮高速回転)が設定されている。
なお、この実施の形態では、大当りになるときに使用される第1特定演出決定テーブルを用いるときに睡蓮低速回転に比べて睡蓮高速回転の特定演出が選択されやすいが、第1特定演出決定テーブルを用いるときに睡蓮低速回転の特定演出が選択されやすくし、第2特定演出決定テーブルを用いるときに睡蓮高速回転の特定演出が選択されやすくなるように、第1特定演出決定テーブルおよび第2特定演出決定テーブルを構成してもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS681の処理で、特定演出実行決定用乱数SR2がいずれかの特定演出の種類(睡蓮低速回転、睡蓮中速回転、睡蓮高速回転)に対応する判定値と一致するときには特定演出を実行することに決定し、ステップS684の処理で、特定演出の種類を記憶する。
図42に示すように、第1特定演出決定テーブルに設定されている特定演出実行の有に対応する判定値の数は、第2特定演出決定テーブルに設定されている特定演出実行の有に対応する判定値の数よりも多い。また、第1特定演出決定テーブルにおける睡蓮高速回転および睡蓮中速回転に対応する判定値の数は、第2特定演出決定テーブルにおける睡蓮高速回転および睡蓮中速回転に対応する判定値の数よりも多い。
図43は、図40に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図44および図45は、図40に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。そして、演出制御用CPU101は、はずれにすることに決定されているか否か確認する(ステップS821)。はずれにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれにすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ステップS826)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、例えば、変動パターンコマンド格納領域に格納されていたデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチにならない飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS827)。ステップS827の処理では、図36(A)に示された最終停止図柄決定テーブル160Aを使用テーブルとして選択する。次いで、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することによって左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄を決定する。次に、図36(B)に示された最終停止図柄決定テーブル160Bを使用テーブルとして選択する。続いて、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−2の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することによって右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄を決定する。また、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせにもとづいて、図37に示された左右出目判定テーブル161を参照することによって、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれになるか判定する。次いで、図36(C)に示された最終停止図柄決定テーブル160Cを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値と左右出目タイプDC1−1とにもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することによって中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄を決定する。そして、ステップS829に移行する。
ステップS826の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチの組み合わせを構成する飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS828)。ステップS828の処理では、図38(A)に示された最終停止図柄決定テーブル162Aを使用テーブルとして選択する。
また、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することによって左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2になる同一の飾り図柄を決定する。次に、図38(B)に示された最終停止図柄決定テーブル162Bを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することによって左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄との図柄差を決定する。演出制御用CPU101は、決定した図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する。
以上のように、ステップS827の処理では、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄を決定する。次いで、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9Cにおける中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する。そして、ステップS829に移行する。
はずれにすることに決定されていない場合には(ステップS821)、演出制御用CPU101は、突確大当りまたは小当りに決定されているか否か判定する(ステップS822)。突確大当りまたは小当りに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド(図16参照)が格納されているか否かによって判定される。突確大当りまたは小当りに決定されている場合には、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS823)。ステップS823の処理では、図39(B)に示された最終停止図柄決定テーブル163Bを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル163Bを参照することによって突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3の組み合わせを飾り図柄の停止図柄として決定する。そして、ステップS829に移行する。
突確大当りおよび小当りに決定されていない場合には(ステップS822)、演出制御用CPU101は、最終停止図柄としての大当り図柄を決定する(ステップS825)。具体的には、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1を抽出し、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する。その際に、確変大当りとしない(通常大当りとする)ことに決定されている場合には、図39(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当り時のテーブルに設定されている判定値と第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。また、確変大当りとすることに決定されている場合には、図39(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける確変大当り時のテーブルに設定されている判定値と第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。そして、ステップS829に移行する。
ステップS829では、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグがセットされているか否か確認する。特定演出実行フラグがセットされているときには、変動パターンコマンドとしてリーチ変動パターンに対応したコマンドを受信している場合には、すなわち、開始する飾り図柄の可変表示においてリーチ演出が実行される場合には、演出開始待ちタイマにリーチ演出開始時までの時間に相当する値を設定し、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信している場合、すなわち、開始する飾り図柄の可変表示においてリーチ演出が実行されない場合には、演出開始待ちタイマに「1」を設定する(ステップS830)。そして、ステップS832に移行する。
なお、ステップS830の処理で、リーチ演出が実行されない場合に演出開始待ちタイマに「1」を設定するのは、後述するステップS840D、S849の処理によって直ちに特定演出が開始されるようにするためである。
ステップS832では、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の飾り図柄以外の演出態様を構成する多数の短期間の演出(それらを連続させることによって演出態様が実現される。)を表すデータが記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更(飾り図柄の変動を除く。)に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体の点滅を制御する。
図46に示すプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。また、プロセステーブルは、特定演出の種類にも応じて用意されている。
すなわち、図42に示す睡蓮低速回転、睡蓮中速回転および睡蓮高速回転の背景のそれぞれに応じたプロセステーブルがROMに格納されている。そして、演出制御用CPU101が、飾り図柄変動中処理において、睡蓮低速回転、睡蓮中速回転または睡蓮高速回転に応じたプロセステーブルに設定されているデータに従って表示制御を実行することによって、睡蓮低速回転、睡蓮中速回転または睡蓮高速回転の特定演出が実現される。
なお、特定演出において、遊技者による操作ボタン150への操作に応じた画像の動き(ハンマーや蛙の画像の動き)の表示制御は、演出制御用CPU101によって直接(プロセステーブルに設定されているデータによらず)実行される。
図47は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図47に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の背景等の演出が実現される。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
図45に示すステップS832において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。
演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS834,S835)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび背景等に応じた音番号データ(1回の変動期間中の音演出を指定するデータ)を音声出力基板70に出力する(ステップS836)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS837)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS838)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS839)。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図48および図49は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出開始待ちタイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ)、演出開始待ちタイマの値を−1し(ステップS840D)、ボタン操作有効期間タイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ)、ボタン操作有効期間タイマの値を−1する(ステップS840E)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS845)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS846)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS847)。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグがセットされているか否か確認する(ステップS848)。特定演出実行フラグがセットされていない場合には、ステップS866に移行する。特定演出実行フラグがセットされている場合には、演出開始待ちタイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS849)。演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、演出制御用CPU101は、ミニゲーム開始画面(特定演出開始画面:(図30(C)参照)を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS850)
そして、演出制御用CPU101は、ミニゲームの種類(睡蓮低速回転、睡蓮中速回転または睡蓮高速回転)に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS851)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS852)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS853)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9においてミニゲームの内容に応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、演出制御用CPU101は、ミニゲームの種類に応じた音番号データ(ミニゲーム中の音演出を指定するデータ)を音声出力基板70に出力する(ステップS854)。
また、演出制御用CPU101は、ボタン操作有効期間タイマをスタートさせ(ステップS855)、ボタン操作有効フラグをセットする(ステップS856)。ボタン操作有効期間タイマは、例えば、飾り図柄の変動時間が所定時間経過したときにタイムアウトするようなタイマである。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタン操作有効フラグがセットされているか否か確認する(ステップS857)。ボタン操作有効フラグがセットされていない場合には、ステップS866に移行する。ボタン操作有効フラグがセットされている場合には、入力ポート107(図4参照)を介して操作ボタン150が押下されたか否か確認する(ステップS861)。操作ボタン150が押下されたことを確認した場合には、成功/失敗判定処理を実行し(ステップS862)、ステップS864に移行する。
操作ボタン150が押下されない場合には、ボタン操作有効期間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS863)。ボタン操作有効期間タイマがタイムアウトしている場合には、プロセステーブルを元に戻し(ステップS851で選択される前に使用されていたプロセステーブルに戻す)、元のプロセステーブルに従って演出装置を制御する状態に戻す(ステップS864)。そして、ボタン操作有効フラグをリセットし(ステップS865)、ステップS866に移行する。
ステップS866では、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS868)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS867)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS868)。
図50は、成功/失敗判定処理を示すフローチャートである。成功/失敗判定処理において、演出制御用CPU101は、特定演出(ミニゲーム)の開始時からの経過時間を取得する(ステップS871)。なお、特定演出の開始時からの経過時間を取得するために、例えば、演出制御用CPU101は、特定演出の開始時にタイマをスタートさせる。そして、そのタイマが計時した時間によって特定演出の開始時からの経過時間を取得する。
経過時間が所定の成功判定期間内である場合には、演出制御用CPU101は、成功演出実行可能フラグがセットされているか否か確認する(ステップS873)。成功演出実行可能フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に成功演出の表示を行うように制御する(ステップS874)。なお、成功演出実行可能フラグは、入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定確変大当り指定コマンド、または入賞時判定突然確変大当り指定コマンドを受信した場合にセットされている(図41参照)。
成功演出の表示は、図30(F)に例示されたような表示であるが、演出制御用CPU101は、図30(G)に例示されたように、演出表示装置9に表示されている保留記憶表示部18cにおける特定演出による予告の対象になる保留記憶に該当する部分に、その保留記憶にもとづく可変表示において大当りが発生する可能性があることを示す文字画像も表示する。
ステップS874の処理で、文字画像、または文字画像に相当する画像(予告画像)を表示する際に、実行された特定演出の種類に応じた予告画像を表示するようにしてもよい。例えば、睡蓮高速回転の特定演出が実行された場合には遊技者に高い期待感を与える予告画像(例えば、「激熱」)を表示し、睡蓮中速回転の特定演出が実行された場合には遊技者に中程度の期待感を与える予告画像(例えば、「熱い」)を表示し、睡蓮低速回転の特定演出が実行された場合には遊技者に低い期待感を与える予告画像(例えば、「チャンス」)を表示する。
また、成功演出実行可能フラグがセットされていない場合には(この実施の形態では、予告の対象になる保留記憶にもとづく可変表示において、はずれになるスーパーリーチαの変動種別に属する変動パターンが用いられる場合に相当)、演出制御用CPU101は、成功演出の表示を行うが、図30(G)に例示された文字画像(「激熱」)よりも期待感が低いことを示す文字画像(例えば、「出るかも」)を保留記憶表示部18cに表示する(ステップS876)。この場合にも、実行された特定演出の種類に応じた予告画像を表示するようにしてもよい。例えば、睡蓮高速回転の特定演出が実行された場合には遊技者に高い期待感を与える予告画像(例えば、「チャンス」よりも低い期待感ではあるが比較的高い期待感を与えられるもの)を表示し、睡蓮中速回転の特定演出が実行された場合には遊技者に中程度の期待感を与える予告画像を表示し、睡蓮低速回転の特定演出が実行された場合には遊技者に低い期待感を与える予告画像を表示する。
経過時間が所定の成功判定期間内でない場合には、演出制御用CPU101は、図30(H)に例示されたような失敗演出の表示を行うように制御する(ステップS878)。
その後、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグをリセットする(ステップS877)。
なお、この実施の形態では、複数回の可変表示に亘って特定演出が実行される場合に、各々の可変表示の開始時に、特定演出が最初から実行されるが、複数回の可変表示に亘って1回の特定演出(一連のミニゲーム)が実行されるように構成する場合には、ステップS853の処理でプロセスデータ1の内容に応じて演出装置の制御を開始するのではなく、ミニゲームに応じたプロセステーブルにおける前回の可変表示の終了時に設定したプロセスデータの次のプロセスデータにもとづいて演出装置の制御を開始すればよい。
また、複数回の可変表示に亘って1回の特定演出が実行されるように構成する場合に、リーチにならない変動パターンで連続して可変表示(変動)が実行される場合に、複数回の可変表示に亘って1回の特定演出が実行されるようにしてもよい。例えば、リーチにならない変動パターンで可変表示が実行されるときに、特定演出に求められる最低限の期間よりも可変表示時間が短い場合に、複数回の可変表示に亘って特定演出を実行する。
また、リーチになる変動パターンによる可変表示に続いて実行されるリーチにならない変動パターンによる可変表示が実行される場合に、複数回の可変表示に亘って1回の特定演出が実行されるようにしてもよい。例えば、リーチになる変動パターンで可変表示が実行されるときに、特定演出に求められる最低限の期間よりも可変表示時間が短い場合に、リーチにならない変動パターンによる可変表示が実行されるときに特定演出を実行する。
また、大当りになるときには、大当り確定を示す報知を行うようにしてもよい。そのように構成する場合に、大当りになるときに常に大当り確定を示す報知を行うのではなく、確変大当りになる場合に、通常大当りになる場合に比べて、高い割合で大当り確定を示す報知を行うようにしてもよい。また、確変大当りになる場合と、通常大当りになる場合と、突然確変大当りになる場合とで、予告報知の内容を異ならせてもよい。例えば、確変大当りになる場合には、最も信頼度が高い演出(一例として、難易度が低い特定演出)を高い割合で実行する。
なお、突然確変大当りになる場合には、特定演出を実行しないようにして、突然確変大当りになったにか否か分かりづらくしてもよい。すなわち、小当りの発生と突然確変大当りの発生とを判別しづらくしてもよい。
また、この実施の形態では、大当りにならない場合に、スーパーリーチαおよびスーパーリーチβの変動種別に属する変動パターンが用いられるときに特定演出が実行されるが、ノーマルリーチ、またはリーチにならない場合に特定演出を実行するようにしてもよい。
図51は、成功判定期間の一例を示す説明図である。図51に示すように、成功判定期間は、睡蓮回転速度が低速セル場合、中速である場合、高速である場合にそれぞれに応じて定められている。成功判定期間は、空中に飛び出した蛙が(図30(E)参照)回転表示されている睡蓮の葉の位置に到達するときに、いずれかの睡蓮の葉に乗ることになる操作ボタン150の押下タイミングの範囲(睡蓮の葉の回転開始時すなわち特定演出開始時から計測した場合の時間範囲)を示す。
図52は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当りもしくは突確大当り時のチャンス目または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS882)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
チャンス目または大当り図柄を演出表示装置9に導出表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS883、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS884)。
チャンス目または大当り図柄を演出表示装置9に導出表示した場合には、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出等に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS885)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは突確/小当り指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS886)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS887)。また、ファンファーレ演出等に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS888)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS889)。なお、演出制御用CPU101は、大当り表示処理では、ステップS885の処理で選択したプロセステーブルに設定されているデータに従って表示制御等を行う。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、飾り図柄の変動パターンを決定する際に、まず、変動パターン種別を決定し、決定された変動パターン種別に属する複数の変動パターンから、実際に使用する変動パターンを選択する。そして、始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて将来実行される飾り図柄の変動(可変表示)において特定の演出(例えば、スーパーリーチβの変動種別に属する変動パターンによる演出)が実行されるか否か判定し、判定結果にもとづいて、その始動入賞にもとづいて実行される飾り図柄の可変表示の前に実行される1回または複数回の可変表示中に、その始動入賞にもとづいて実行される飾り図柄の可変表示において実行される演出(スーパーリーチβの変動種別に属する変動パターンによる演出)に対する特定演出(例えば、ミニゲーム)を実行する。従って、飾り図柄の変動が開始される前に特定演出が実行され、遊技者の期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、特定演出(例えば、ミニゲーム)において、遊技者が操作ボタン150に対して特定演出に対応する操作(例えば、特定演出の結果の所定の結果に導くための操作:具体的には、ミニゲームを成功に導くための操作)を行ったと判定したことを条件に、入賞時判定にもとづく予告演出を実行する。
なお、この実施の形態では、特定演出に対応する操作は、所定の時間範囲(例えば、成功判定期間)における操作手段としての操作ボタン150の押下であったが、操作ボタン150には、押圧操作部151だけでなく、遊技者による回転操作が可能な回転操作部152も設けられているので、特定演出に対応する操作として、押下だけではなく、回転(例えば、回転操作に応じて蛙の移動量を決めたり、所定の範囲内の回転を条件としてミニゲームを成功に導く。)を用いたり、回転と押下とを組み合わせるようにしてもよい。また、操作ボタン150押下回数が所定回になったらゲームが進行するようにしてもよい(例えば、蛙が飛び出すような表示演出を行う。)。
さらに、操作手段は、遊技者が、遊技者から見て前後左右というようなあらかじめ定められた複数の方向(4方向)のうちから選択した方向へ押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチ(ジョグボタン)よりなる円形の押圧操作部を含むような十字キーのようなものであってもよい。その場合には、遊技者は、押圧操作部に対する前後左右4方向のうち1つの方向を選択的に押圧することによって、特定演出に対応する操作を行なうことが可能である。また、操作手段は、十字キーとボタンの組み合わせ、複数の押しボタンを備えたものであってもよい。
また、回転を用いる場合に、所定回数回転されたらゲームが進行するようにしたり、操作ボタン150の押下回数が所定回になり、かつ、所定回数回転されたらゲームが進行するようにしたりしてもよい。
また、遊技者がゲームにおいて成功したかのように感ずる状況(例えば、空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれかに乗る。)が所定回生じたら、最終的にゲーム結果を「成功」にするようにしてもよい。すなわち、所定回の操作が行われた場合に、成功演出を実行するようにしてもよい。具体的な方法として、ボタンを押す、まわす、レバーを倒す、十字キーを押すなどがある。
また、この実施の形態では、操作ボタン150の押下タイミングが所定のタイミング(空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれかに乗ることになるようなタイミング)であった場合に成功演出が実行されることになるが、成功演出が実行されることになる所定のタイミングを、あらかじめ決められたタイミング(または、所定のタイミングにおける操作回数が初回になったこと)にしてもよい。具体的な方法として、ボタンを押す、まわす、レバーを倒す、十字キーを押すなどがある。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、保留記憶の数に関わらず、変動パターン種別判定用乱数と比較される共通の判定値を用いて、変動パターン種別を判定する。よって、始動入賞が生じたときに、特定のリーチ演出が実行されると判定された場合(例えば、スーパーリーチβのリーチ演出が実行される複数の変動パターンが属する変動パターン種別から変動パターンを選択することになると判定された場合)には、実際に可変表示が開始されるときにリーチ演出の種類を決定する際に保留記憶数が幾つであっても、必ず、特定のリーチ演出を実行することに決定される。なお、始動入賞が生じたときに用いられる変動パターン種別判定用乱数の値と、可変表示が開始されるときに用いられる変動パターン種別判定用乱数の値とは同じである。
従って、始動入賞が生じたときの判定にもとづいて特定のリーチ演出(この実施の形態では、大当りの信頼度が高いスーパーリーチβの変動種別に属する変動パターンにおけるリーチ演出)が実行されるので特定演出を実行することに決定したにもかかわらず特定のリーチ演出が出現しないという事態が発生することは防止される。
なお、図12および図13に例示されたように、共通の判定値は、必ず、保留記憶数=4であるときに使用されるテーブルに含まれている。すなわち、リーチ判定テーブルには、保留記憶数に応じて、リーチ判定値が設定されているが、リーチ判定値は、保留記憶数=4に対応する部分において、最も少ない数のリーチ判定値が設定されている。また、保留記憶数=4に対応する部分において設定されているリーチ判定値は、他の保留記憶数に対応する部分において設定されているリーチ判定値に包含されている。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、保留記憶数=4に対応する部分および変動種別判定用乱数を用いて、特定のリーチになるか否か判定していることになる。なお、各々の保留記憶数に対応するテーブルにおいて、リーチ判定値の数が異なっていてもよいが、その場合には、入賞時判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数=4に対応するテーブルを使用する。ただし、保留記憶数=4以外のテーブルに設定されている判定値は、保留記憶数=4に対応するテーブルに設定されている判定値を包含していることを条件とする。
また、上記の実施の形態では、図29に例示されたように、予告の対象である可変表示が開始される前に実行される可変表示がリーチ演出を伴う可変表示である場合には、リーチ演出を実行することに定められている期間において特定演出を実行するようにしたが、リーチ演出を伴う可変表示において、最初から特定演出を開始するようにしてもよい。
図29に例示されたように、特定演出は複数回の可変表示に亘って実行可能であるように構成されているので(ただし、図29に示す例では、各可変表示の開始時にミニゲームが最初から開始される。)、遊技者が操作を行うことが可能な期間を長く確保することができる。さらに、また、保留記憶数が3以上であることを条件に特定演出が実行されるので、このことからも、遊技者が操作を行うことが可能な期間を長く確保することができる。
また、上記の実施の形態では、保留記憶数が3以上であれば、保留記憶数に関わらず、特定演出の種類を抽選で決定するようにしたが(図42参照)、保留記憶数に応じて特定演出の種類を選択するようにしてもよい。例えば、保留記憶数が少ない場合には睡蓮高速回転の特定演出を実行し、保留記憶数が多い場合には睡蓮低速回転の特定演出を実行するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、入賞時判定の結果が所定の結果(具体的には、大当りまたははずれのスーパーリーチβ)である場合に特定演出を開始するようにしたが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の条件が成立すると(例えば、保留記憶数が4になると)特定演出を開始し3回の可変表示が終了するまでに遊技制御用マイクロコンピュータ560から例えば大当り指定の入賞時判定コマンドまたは入賞時判定スーパーリーチβ指定コマンドを受信したことを条件に、予告演出としての成功演出または失敗演出(図30(F),(H)参照)を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技者が操作ボタン150を操作したタイミングが、空中に飛び出した蛙が回転表示されている睡蓮の葉のいずれにも乗らないことになるようなタイミングである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「失敗」を示す画像を演出表示装置9に表示したが(図30(H)参照)、すなわち失敗演出を実行したが、予告対象の保留記憶にもとづく可変表示が大当りになる変動パターンによる場合には、失敗演出を実行するのではなく、「成功」を示す画像とは異なるが、「失敗」を想起させないような画像を表示するようにしてもよい。すなわち、予告対象の保留記憶にもとづく可変表示が大当りになる変動パターンによる可変表示が実行される可能性が残ることを想起させるような画像を表示するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技者による操作ボタン150の操作に応じた所定の画像が移動表示されるような特定演出(ミニゲーム)が行われたが、特定演出はそのような演出に限られず、演出表示装置9に表示される複数の画像(飾り図柄とは異なる)を操作ボタン150の操作にもとづいて揃えることを目的とした演出であったり、演出表示装置9にルーレットの盤面やダーツの的を表示し、操作手段に対する押下の操作や回転の操作に応じて得点が得られるような演出であってもよい。得点が得られるような演出を実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告対象が大当りに期待度が高いものであるほど、得点が高くなるように制御する。また、演出表示装置9にクイズを表示し、操作手段に対する押下の操作や回転の操作に応じて回答を遊技者に選択させるような演出であってもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告対象が大当りに期待度が高いものであるほど、正解が選択されやすいように制御する(例えば、選択肢のうち、正解を多くする)。
また、上記の実施の形態では、変動パターン種別判定用乱数と変動パターン判定用乱数とを用いて変動パターンを決定したが、はずれにすることに決定された場合に、リーチ判定用乱数(ランダム7とする。)と変動パターン判定用乱数とを用いて変動パターンを決定するようにしてもよい。
図53は、リーチ判定用乱数を用いる場合の遊技制御手段が使用する乱数を示す説明図である。
リーチ判定用乱数を用いる場合に、リーチに対する保留記憶の数に共通の数値範囲の判定値(例えば、保留記憶数0〜2に対してリーチすることに対応して202〜241が割り当てられ、保留記憶数3に対してリーチすることに対応して222〜241が割り当てられ、保留記憶数4に対してリーチすることに対応して232〜241が割り当てられている場合の232〜241)が設定されたリーチ判定テーブルを設け、はずれにすることに決定されたときに(例えば、図19におけるステップS222の判定で「N」の場合)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、識別情報の可変表示パターンを決定するためのリーチ判定用乱数を抽出し、リーチ判定用乱数がリーチ判定テーブルに設定されている所定の判定値としての共通の数値範囲の判定値に合致するか否かを判定し、共通の数値範囲の判定値に合致すると判定されたことを条件に、特定の可変表示パターン(例えば、スーパーリーチβ)に対して保留記憶の数に共通の数値範囲の判定値(例えば、スーパーリーチβに対応する238〜241)が設定され、該特定の可変表示パターン以外の可変表示パターン(例えば、スーパーリーチαやノーマルリーチ)に対して保留記憶の数に関わりなく数値範囲が異なる判定値が設定された複数の判定値テーブル(例えば、図12に示す変動パターン種別判定テーブルにおける保留記憶数に応じた各テーブル)を使用して変動パターン種別を決定する(例えば、図19に示すステップS231以降の処理を実行する。)。すなわち、数値データ抽出手段は、数値データとして、識別情報の可変表示パターンを決定するための可変表示決定用乱数(例えば、変動種別決定用乱数)を抽出し、始動判定手段は、可変表示決定用乱数が判定値テーブルに設定されている所定の判定値としての共通の数値範囲の判定値に合致するか否かを判定する始動時可変表示パターン判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS235の処理を実行する部分)を含み、予告演出実行手段は、始動時可変表示パターン判定手段により可変表示決定用乱数が共通の数値範囲の判定値に合致すると判定されたことを条件に、所定の予告演出を実行する。
(1)また、上記の実施の形態では、以下のような形態も開示されている。すなわち、保留記憶手段の記憶数のそれぞれに対応して、可変表示パターン種別決定用乱数と比較される値であって複数の可変表示パターン種別の各々に割り当てられた複数の判定値が設定された可変表示パターン種別決定テーブル(例えば、図12に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブル)を備え、可変表示パターン種別決定手段は、保留記憶手段の記憶数に対応した可変表示パターン種別決定テーブルを用いて可変表示パターン種別を決定し、始動判定手段は、複数設けられた可変表示パターン種別決定テーブルのうち、特定の可変表示パターン種別(例えば、スーパーリーチβ)に最も少ない個数の判定値が割り当てられている可変表示パターン種別決定テーブル(例えば、図12(A)における保留記憶数=4のテーブル)を用いて可変表示パターン種別を判定するように構成されている遊技機。そのような構成によれば、保留記憶手段の記憶数に応じて予告を実行することができる上に、可変表示パターン種別にもとづく予告を実行したにも関わらず、その可変表示パターン種別に属する可変表示パターンで演出が実行されないということが防止され、遊技者に不審感を抱かせないようにすることができる。
(2)また、遊技機は、以下のように構成されていてもよい。すなわち、可変表示パターン種別決定用乱数と比較される値であって各々の可変表示パターン種別に割り当てられた複数の判定値が設定された可変表示パターン種別決定テーブルを備え(例えば、図12に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブル)、可変表示パターン種別決定テーブルは、保留記憶手段の記憶数に対応して複数設けられ(図12(A)における保留記憶数に応じた3つのテーブル)、保留記憶手段の記憶数の上限数に対応する可変表示パターン種別決定テーブル(例えば、図12(A)における保留記憶数=4のテーブル)において、特定遊技状態に制御することに決定されたときに決定される割合が高い特定の可変表示パターン種別(例えば、スーパーリーチβ)には、他の可変表示パターン種別決定テーブルにおける特定の可変表示パターン種別に割り当てられ(例えば、図12(A)における保留記憶数=4のテーブルにおいてスーパーリーチβに割り当てられた判定値の数を最も少なくする。)、始動判定手段は、保留記憶手段の記憶数の上限数に対応する可変表示パターン種別決定テーブル(例えば、保留記憶数=4のテーブル)を用いて可変表示パターン種別を判定するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、可変表示パターン種別にもとづく予告を実行したにも関わらず、その可変表示パターン種別に属する可変表示パターンで演出が実行されないということが防止され、遊技者に不審感を抱かせないようにすることができる。
(3)また、上記の実施の形態では、以下のような形態も開示されている。すなわち、保留記憶手段の記憶数が所定の1または複数の数であるときに、当該記憶数が他の数であるときに比べて、識別情報の可変表示開始時から可変表示終了時までの可変表示時間を短縮する制御を行う遊技機であって、可変表示パターン決定手段は、識別情報の変動を開始するときに、保留記憶手段の記憶数に関して、その時点における保留記憶手段の記憶数のみにもとづいて可変表示パターンを決定する(例えば、ステップS96の処理で、その時点の保留記憶数に対応するテーブルを用いて変動パターン種別が決定されたことにもとづいて、ステップS101の処理で変動パターンを決定する。)ように構成された遊技機。そのような構成によれば、その時点における保留記憶手段の記憶数のみにもとづいて可変表示パターンを決定するように構成されているので、可変表示の作動率を設計値からかけ離れないようにすることができる。
(4)また、上記の実施の形態では、以下のような形態も開示されている。すなわち、所定の条件が成立すると遊技状態を可変表示時間が短縮される特別遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)に制御する遊技機であって、予告実行手段は、遊技状態が特別遊技状態でないときに(図41に示す特定演出判定処理において、特別状態でない場合にステップS671以降の処理を実行する変形例)、複数回の識別情報の可変表示に亘って特定予告を実行するように構成された遊技機。そのような構成によれば、可変表示時間(変動時間)が短くて予告が完了しないうちに可変表示が終了してしまって演出が不自然になることを防止することができる。
(5)また、上記の実施の形態では、以下のような形態も開示されている。すなわち、所定の条件が成立すると遊技状態を可変表示時間が短縮される特別遊技状態に制御する遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段が送信するコマンドにもとづいて演出装置の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、始動判定手段は遊技制御手段に含まれ、予告実行手段は演出制御手段に含まれ、遊技制御手段は、遊技状態が特別遊技状態であるか否かに関わらず、始動判定手段が判定を行ったときに判定結果を特定可能な判定結果特定コマンド(例えば、入賞時判定結果コマンド)を送信し、演出制御手段は、遊技状態が特別遊技状態であるときには、判定結果特定コマンドが送信されても特定演出を実行しない(図41に示す特定演出判定処理において、特別状態でない場合にステップS671以降の処理を実行する変形例)ように構成された遊技機。そのような構成によれば、遊技制御手段の予告に関する処理負担を増大させないようにすることができる。
(6)また、上記の実施の形態では、以下のような形態も開示されている。すなわち、所定の条件が成立すると遊技状態を可変表示時間が短縮される特別遊技状態に制御する遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段が送信するコマンドにもとづいて演出装置の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、始動判定手段は遊技制御手段に含まれ、予告実行手段は演出制御手段に含まれ、遊技制御手段は、遊技状態が特別遊技状態でないときにのみ、始動判定手段が判定を行ったときの判定結果を特定可能な判定結果特定コマンドを送信する(例えば、特別状態でないときにのみ、入賞時判定結果コマンドを送信する変形例)ように構成された遊技機。そのような構成によれば、不要なコマンドの送信機会を低減することができ、コマンドにもとづいて実行される予告をより確実に実行することができる。
なお、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。