以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)との両立を実現している。
[ぱちんこ遊技機の基本構成]
始めに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には演出ボタンユニット100が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。
遊技盤20は、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板を基板として構成される。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、大入賞口64、などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口61は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ611を備えている。第1始動口61への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口62は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ621を備えている。第2始動口62への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口62は、普通電動役物622と、この普通電動役物622を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド623とを備える。普通電動役物622は、第2始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口62は第1始動口61のほぼ真下に配置されており、第2始動口62の普通電動役物622が開放されなければ第1始動口61の存在により遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物622が開放されると、第2始動口62への入球容易性が高まり、第2始動口に遊技球を入球させることができるようになる。
作動ゲート63は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ631を備えている。なお、作動ゲート63への遊技球の通過は、第2始動口62の普通電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる、横長方形状をなし遊技領域PAの下方に位置した入賞口である。大入賞口64は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ641を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される特別電動役物642と、この特別電動役物642を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド643をとを備えている。特別電動役物642は、大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
ここで、本実施形態では、第1特別図柄表示装置と第2特別図柄表示装置とを別個独立して設けているが、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に実行されることはない。なお、第1特別図柄および第2特別図柄を単一の特別図柄表示装置により表示させるように構成してもよい。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口へ入球した遊技球の個数であり、図柄変動の実行許可が一旦保留された数を示している。第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口へ入球した遊技球の個数であり、図柄変動の実行許可が一旦保留された数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
なお、普通図柄表示装置75の左側には、特別遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数:特別電動役物642が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器(符号を省略)が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部701と、第2特図保留ランプ74と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部702と、が設けられている。なお、本実施形態では液晶パネルで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されてもよい。
センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。また、センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動演出役物(符号を省略)などが設けられている。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述するメイン制御基板100及びサブ制御基板200が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板(メイン制御基板ユニット)100や、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を行うサブ制御基板(サブ制御基板ユニット)200などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板(払出制御基板ユニット)300や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(電源基板ユニット)400などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
[ぱちんこ遊技機の基本動作]
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、大入賞口64のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。遊技球が第1始動口61に入球すると、第1特別図柄表示装置71において第1特別図柄が変動表示されるとともに、これと同期して演出表示装置70の装飾図柄表示部700において装飾図柄が変動表示される。遊技球が第2始動口62に入球すると、第2特別図柄表示装置72において第2特別図柄が変動表示されるとともに、これと同期して演出表示装置70の装飾図柄表示部700において装飾図柄が変動表示される。第1特別図柄、第2特別図柄、装飾図柄の変動表示は、先だって抽選によって決定された変動時間の経過後に停止(確定表示)される。
変動表示停止時の第1特別図柄、第2特別図柄が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口64の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技と、ラウンド遊技が12回(12ラウンド)に設定された12R特別遊技と、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、が設けられている。以降では、2R特別遊技への移行を示す大当りを「2R大当り」、12R特別遊技への移行を示す大当りを「12R大当り」、16R特別遊技への移行を示す大当りを「16R大当り」ともいう。
大入賞口64は、その開放が所定時間(30秒もしくは0.2秒)だけ続いた後、又は10球以上の遊技球が入球した後で一旦閉鎖される。この開放から閉鎖までの一過程をラウンド遊技と称するが、1回のラウンド遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す態様であってもよい。ここで、「30秒」という開放時間はその入球を十分に狙うことができ、十分な出玉を獲得できる時間として設定されている。一方、「0.2秒」という開放時間は、事実上その入球を狙うことが困難であり、出玉の獲得が困難な時間として設定されている。
また、本実施形態では、2R特別遊技、12R特別遊技および16R特別遊技のいずれに移行されたとしても、その終了後に特別図柄の確率変動機能(以下「確変」ともいう)が作動する場合がある。確率変動機能が作動した場合には、通常の確率状態よりも特別図柄の大当り確率が高い抽選が行われるため、比較的早期に新たな特別遊技が発生するようになる。
一方、本実施形態では、特別遊技が終了した後は、確率変動機能を伴うか否かに関わらず、一律に特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する。特別図柄の時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される傾向になる。なお、本例における、時短状態の継続期間は、その特別遊技の終了から特別図柄の所定変動回数(例えば50回)の期間に設定される。一方、確率変動機能に付随した変動時間短縮機能であれば、その特別遊技の終了から次の大当りが発生するまでの期間に設定される。このように変動時間短縮機能の作動中では、特別図柄の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる。
これに対し、当否抽選が「小当り」と呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技(2R特別遊技)と類似の態様にて実行される。ただし、小当り遊技として実行されるラウンド遊技は1回だけであり、複数回のラウンド遊技が実行される特別遊技とは相違する。また、小当り遊技は、大当りにより発生する特別遊技ではないため、特別図柄の確変状態、時短状態に関する遊技状態の変更の契機とはならない。つまり、小当り遊技の前後で遊技状態はそのまま維持される。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、いわゆる電チューサポート機能が作動し、入球容易状態(電チューサポート状態)に移行する。入球容易状態は、普通図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通電動役物の開放時間延長機能、が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態である。
普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率を通常状態よりも高まる状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも長くなる状態となる。
このように入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。ここで、入球容易状態(電チューサポート状態)の作動契機は、特別図柄の変動時間短縮機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄の時間短縮機能の終了契機と同期している。なお、電チューサポート状態については時短状態と称されることもあるが、厳密にいえば、電チューサポート状態はあくまで普通図柄抽選がらみの状態であり、時短状態は特別図柄抽選がらみの状態、あるいは、特別図柄抽選及び普通図柄抽選がらみの状態である。
なお、本実施形態では、上述したように、普通図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通電動役物622の開放時間延長機能、という3つの機能が揃って、電チューサポート機能と称するが、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能により電チューサポート機能が実現されるものでもよい。また、3つの機能のうち少なくとも何れかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
メイン制御基板100は、CPU101A、ROM101BおよびRAM101Cを内蔵した遊技制御用マイコン101を搭載しており、CPU101AがROM101Bに記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。
メイン制御基板100には、遊技制御用マイコン101Aの他に、CPU101Aの動作基準をなすクロック信号を発生するクロック発生回路102、各種スイッチからの検出信号を取り込むためのスイッチ回路103、図柄表示装置71,72,75や保留ランプ73,74,76等を点灯表示させるためのLED駆動回路104、各電動役物ソレノイド623,643を駆動するためのソレノイド回路105、などが搭載されている。
クロック発生回路102は、例えば水晶発振器や水晶振動子を有して構成され、所定周波数(例えば32MHz)の原発振信号となるクロック信号を生成して、遊技制御用マイコン101に出力する。
スイッチ回路103は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などに電気的に接続されており、各種スイッチからの検出信号を入力して遊技制御用マイコン101に伝送する。なお、このスイッチ回路103には、図示省略するが、後述する扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セットスイッチ、磁気センサ、電波センサ、なども電気接続されている。
LED駆動回路104は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76、に電気的に接続されており、遊技制御用マイコン101からの制御信号に基づき各種表示装置を駆動する。
ソレノイド回路105は、普通電動役物ソレノイド623、特別電動役物ソレノイド643、に電気的に接続されており、遊技制御用マイコン101からの制御信号に基づき、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド543を駆動する。
遊技制御用マイコン101は、例えば1チップマイコンから構成されており、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101A、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM101B、一時記憶領域となるワークエリアとしてのRAM101C、クロック発生回路102からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路101D、CPU101Aが誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路(ウォッチドッグタイマ回路)101E、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路(カウンタタイマサーキット回路)101F、CPU101Aによるタイマ割込み処理とは独立して動作して特別図柄遊技に係る乱数を生成する乱数生成回路101G、などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
CPU101Aは、各スイッチからの検出情報に基づき、ROM101Bに格納された制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM101Cは、電源基板400において生成されるバックアップ電源(VBB)によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM101Cのバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
クロック回路101Dは、クロック発生回路102から入力されるクロック信号を所定の分周比で分周し、これを内部システムクロック(MHz)としてCPU101Aや内部の各回路に供給する。また、このシステムクロックは、クロック回路101Dの出力端子から遊技制御用マイコン101外部の周辺制御回路へも出力される。
CTC回路101Fは、プログラマブル・タイマ・カウンタ(PTC)を有してリアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。このCTC回路101Fは、内部システムクロックを更に分周してCPUに対して所定の周期(4ms)でタイマ割込みをかけるためのクロック信号を生成する。
このような構成の遊技制御用マイコン101は、RAM101Cの所定番地に割り当たられたワークエリアに、CPU101Aのプログラム処理によって各種の乱数(ソフトウェア乱数)を生成するための乱数カウンタとして、特別図柄当りソフト乱数カウンタ、特別図柄当りソフト初期値乱数カウンタ、特別図柄当り図柄乱数カウンタ、特別図柄当り図柄初期値乱数カウンタ、特別図柄変動パターン乱数、普通図柄当り乱数カウンタ、普通図柄当り初期値乱数カウンタ、普通図柄変動パターン乱数、を備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄変動パターン乱数、普通図柄当り乱数、普通図柄当り初期値乱数、普通図柄変動パターン乱数、などが含まれる。
(特別図柄当りソフト乱数)
特別図柄当りソフト乱数は、特別図柄の当否抽選に使用する乱数であり、乱数生成回路で生成した内蔵乱数の取得時に、当該内蔵乱数に加算されるものである(その結果として特別図柄当り乱数が得られる)。特別図柄当りソフト乱数は、「0〜65520」までの全65521通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「65520」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数が初期値から1周した場合には、そのときの特別図柄当りソフト初期値乱数の値を初期値とする。乱数の更新時期としては、タイマ割込みが発生する毎に1回更新する。乱数の取得時期としては、遊技球の入球が第1始動口スイッチ611又は第2始動口スイッチ621により検出されたときである。
(特別図柄当りソフト初期値乱数)
特別図柄当りソフト初期値乱数は、特別図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための乱数である。特別図柄当り初期値乱数は、「0〜65520」までの全65521通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「65520」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、タイマ割込み処理を実行していない間も割込み周期の残余時間を利用して更新する(後述するS24の処理を参照)。
(特別図柄当り図柄乱数)
普通図柄当り乱数は、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する乱数である。特別図柄当り図柄乱数は、「0〜999」までの全1000通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「999」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数が初期値から1周した場合には、そのときの特別図柄当り図柄初期値乱数の値を初期値とする。乱数の更新時期としては、タイマ割込みが発生する毎に1回更新する。乱数の取得時期としては、遊技球の入球が第1始動口スイッチ611又は第2始動口スイッチ621により検出されたときである。
(特別図柄当りソフト初期値乱数)
特別図柄当り図柄初期値乱数は、特別図柄当り図柄乱数の初期値および終了値を決定するための乱数である。特別図柄当り図柄初期値乱数は、「0〜999」までの全1000通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「999」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、タイマ割込み処理を実行していない間も割込み周期の残余時間を利用して更新する(後述するS24の処理を参照)。
(特別図柄当り図柄乱数)
特別図柄変動パターン乱数は、特別図柄の変動パターンの選択に使用する乱数である。特別図柄変動パターン乱数は、「0〜49999」までの全50000通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に前回の乱数値から「3511」を減算する。なお、この減算した結果が「0」未満の場合は、減算した結果に「50000」を加算する。乱数の更新時期としては、タイマ割込みが発生する毎に1回更新する。乱数の取得時期としては、遊技球の入球が第1始動口スイッチ611又は第2始動口スイッチ621により検出されたときである。
(普通図柄当り乱数)
普通図柄当り乱数は、普通図柄の当否抽選に使用する乱数である。普通図柄当り乱数は、「0〜282」までの全283通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「282」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数が初期値から1周した場合には、そのときの普通図柄当り初期値乱数(詳細後述)の値を初期値とする。乱数の更新時期としては、タイマ割込みが発生する毎に1回更新する。乱数の取得時期としては、作動ゲートスイッチ631によって遊技球の通過を検出したときである。
(普通図柄当り初期値乱数)
普通図柄当り初期値乱数は、普通図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための乱数である。普通図柄当り初期値乱数は、「0〜282」までの全283通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「282」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、タイマ割込み処理を実行していない間も割込み周期の残余時間を利用して更新する(後述するS24の処理を参照)。
(普通図柄変動パターン乱数)
普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄の変動パターンの選択に使用する乱数である。普通図柄変動パターン乱数は、「0〜232」までの全233通りの数値を取り得る。乱数の更新方法としては、割込み周期毎に「1」を加算し、この加算した結果が最大値「232」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。乱数の更新時期としては、タイマ割込みが発生する毎に1回更新する。乱数の取得時期としては、作動ゲートスイッチ631によって遊技球の通過を検出したときである。
また、遊技制御用マイコン101には、CPU101Aのプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として、特別図柄当り乱数の一部をなす2バイトの内蔵乱数を生成するための乱数生成回路101Gが内蔵されている。このように乱数生成回路101Gをマイクロコンピュータに内蔵した構成とすることにより、外付けした場合と比較して、乱数の不正な読み取りや改ざん等を困難としている。この乱数生成回路101Gは、クロック回路101Dからの内部システムクロック(16MHz)をカウンタクロックとして使用しており、「0〜65535」の範囲の乱数を一定の規則に従って生成する。また、乱数生成回路には、内蔵乱数の値を取り込むための乱数レジスタが設けられている。
(特別図柄当り乱数)
特別図柄当り乱数は、特別図柄の当否抽選に使用するための乱数である。特別図柄当り乱数は、乱数生成回路101Gで生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに上記の特別図柄当りソフト乱数を加算したものである。特別図柄当り乱数(内蔵乱数)は、「0〜65535」までの全65536通りの数値を取り得る。内蔵乱数の更新方法としては、所定周波数(16MHz)のクロック信号(1クロック)に基づき1回更新するものである(1クロック1乱数発生方式)。本実施形態では、クロック回路101Dにおいて、クロック発生回路102からの外部クロック信号を所定の分周比で分周してカウントクロックに用いている。内蔵乱数の初期値は、遊技制御用マイコン101のID番号(マイクロコンピュータごとに付与された固有の識別情報)を基にして所定の演算によって算出された数値であり、システムリセットごとに変更される。内蔵乱数は、「0〜65535」まで一巡する周期中で数値が重複することがない(内部抽選の結果に偏りは発生しない)。内蔵乱数の変更方法としては、乱数列が一巡するごとに更新される。内蔵乱数の更新周期としては、クロック信号の周期となり、前述のように周波数が16MHzの場合には0.063μsである。これに対して、タイマ割込み処理の実行周期は4msであるので、内蔵乱数の更新周期は、割込み周期よりも十分短いものとなっている。
特別図柄当り乱数(内蔵乱数)の取得時期としては、遊技球の入球が第1始動口スイッチ611又は第2始動口スイッチ621により検出されたときである。つまり、第1始動口スイッチ611又は第2始動口スイッチ621によって遊技球の入球が検出されたときに、乱数生成回路101Gから内蔵乱数を取得して、これに乱数カウンタの特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄当り乱数を得るようになっている。
サブ制御基板200は、CPU201A、ROM201BおよびRAM201Cを搭載した演出制御用マイコン201を主体として構成されており、CPU201AがROM201Bに記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御が実行されるようになっている。
サブ制御基板200には、演出制御用マイコン201の他に、画像ROM(図示せず)に記憶された画像データに基づき演出表示装置70の表示制御を行うための画像制御回路202、音声ROM(図示せず)に記憶された音声データに基づきスピーカ等の音声制御を行うための音声制御回路203、所定の発光パターンに従って演出ランプの発光制御を行うための電飾制御回路204、などが搭載されている。ここで、画像制御回路202にはVDP等が含まれ、音声制御回路203には音源IC等が含まれる。サブ制御基板200は、メイン制御基板100から一方向通信可能に接続されている。そのため、サブ制御基板200からメイン制御基板100へデータを送信することはできず、また、メイン制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
払出制御基板300は、CPU301A、ROM301BおよびRAM301Cを搭載した払出制御用マイコン301を主体として構成されている。払出制御基板300は、メイン制御基板100と双方向通信可能に接続されており、メイン制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板400は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源(VBB)を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板400には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板400の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板400は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)をメイン制御基板100および払出制御基板300に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
また、電源基板400には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、メイン制御基板100のRAM101Cの一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ401が接続されている。なお、RAMクリアスイッチ401は、電源基板400ではなく、例えばメイン制御基板100に接続される構成であってもよい。
[ぱちんこ遊技機の主要な機能構成]
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、メイン制御基板100/サブ制御基板200)の各種機能について説明する。
《メイン制御基板》
メイン制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段150、デモ演出設定手段160、図柄表示制御手段165、電動役物制御手段170、遊技状態制御手段175、メイン情報記憶手段180、コマンド送信手段190、を含む。なお、メイン制御基板100における上述の各手段は、メイン制御基板100上に配されたCPU101A、ROM101B、RAM101C、電子回路等のハードウェア及びROM101B等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、からの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
抽選乱数発生手段120は、ソフトウェア乱数として、上述の特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄変動パターン乱数、普通図柄当り乱数、普通図柄当り初期値乱数、普通図柄変動パターン乱数を生成するとともに、ハードウェア乱数として、上述の内蔵乱数を生成する。また、抽選乱数発生手段120は、内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数を加算して、特別図柄当り乱数を生成する。なお、各乱数の大きさ、更新方法、取得時期等については既述しているため、ここではその説明を省略する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数を格納するための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成する。この1コマンドには、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれている。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。上記の普通図柄保留格納領域には、作動ゲート63への通過順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、が設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにおいて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球について先読み予告演出の事前判定を実行する。ここで、先読み予告演出とは、特別図柄の変動表示が保留中となっている未消化の作動保留球に対して当否抽選等の事前判定を行い、その判定結果を遊技者に対して予告的に報知する演出である。事前判定タイミングとは、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄に係る抽選乱数値を記憶する場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の抽選乱数値を記憶する場合、(3)大当たり中又は小当たり中に第2特別図柄の抽選乱数値を記憶する場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、最新の作動保留球に対応する乱数値(特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値)を特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定、図柄抽選の事前判定、変動パターン抽選の事前判定、を順次実行する。
事前判定手段135は、当否予告判定テーブル、図柄予告判定テーブル、変動パターン予告判定テーブルを有している。各テーブルには、全乱数値が所定の乱数値範囲ごとに区分けされており、各乱数値範囲に対して番号(予告番号)が付与されている。予告番号は、サブ制御基板側での先読み予告演出処理において、先読み対象の保留球に対する当否結果、図柄群の種類、変動態様を特定するための情報となる。事前判定手段135は、当否に関する事前判定、図柄群に関する事前判定、変動パターンに関する事前判定として、先読み対象の保留球の各乱数値がいずれの乱数値範囲に属するか、すなわち、いずれの予告番号に該当するかを判定する。事前判定手段は、当否に関する事前判定結果の情報を含む演出制御コマンド(「当否事前判定コマンド」)、図柄群に関する事前判定結果の情報を含む演出制御コマンド(「図柄群事前判定コマンド」)、変動パターンに関する事前判定結果の情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン事前判定コマンド」)、を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、特別図柄保留格納領域における最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、特別図柄の変動開始条件が成立するとは、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断する。このとき、本実施形態において、上記の条件(3)で、第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在することを条件としているのは、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球が共に0である場合でも、始動口入賞があった場合には作動保留球を一旦生起してから、当該作動保留球を消化したうえで特別図柄の変動開始に係る処理に移行するようになっているからである。なお、この構成に限定されず、例えば、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球が共に0の場合には、始動口入賞があった場合でも作動保留球を生起せずに、この始動口入賞に伴い取得した特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を、特別図柄保留格納領域を介さずに、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に直接格納して、特別図柄の変動開始に係る処理に移行するように構成してもよい。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(a)は通常状態(低確率状態)で参照されるテーブル、(b)は確変状態(高確率状態)で参照されるテーブルである。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果と、が対応付けられており、対応付けられた範囲設定に応じて大当りおよび小当りの当否確率が定まる。図5からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が前記0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りに該当する確率は等しい。
本実施形態では、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1特別図柄の当否抽選においては確変状態の有無に関わらず、65208〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。一方、第2特別図柄の当否抽選においては確変状態の有無に関わらず、65455〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。つまり、本例では、第1特別図柄の当否抽選よりも第2特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなる。なお、第2特別図柄の当否抽選のほうが低い確率で小当りとなるように構成したり、第2特別図柄の当否抽選では小当りが発生しないように構成してもよい。また、本実施形態では、大当り抽選と小当り抽選とを同一テーブルで構成したが、この構成に限定されず、大当り抽選と小当り抽選とを別テーブルで決定するよう構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄および図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りの場合に、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄および図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブルおよび第2特別図柄当り図柄テーブルを有している。
図6は第1特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。ここでは、説明の便宜のため、第1特別図柄当り図柄テーブルを単一のテーブルとして表現しているが、実際には複数個(本実施形態では4個)のテーブルで構成されている。より具体的には、特別図柄当り図柄乱数値は、上述の通り、「0」〜「999」までの範囲値を取り得るため、上位(1バイト)および下位(1バイト)の2バイト構成となっているが、プログラム容量の削減を図るため、上位バイトの値「0」〜「3」に基づき、第1特別図柄当り図柄テーブルを決定し、下位バイトの値「0」〜「255」に基づき停止図柄を決定するようになっている(後述する第2特別図柄当り図柄テーブルについても同様である)。例えば、上位バイトの値が「0」の場合には第1特別図柄当り図柄テーブル1が選択され、上位バイトの値が「1」の場合には第1特別図柄当り図柄テーブル2が選択され、上位バイトの値が「2」の場合には第1特別図柄当り図柄テーブル3が選択され、上位バイトの値が「3」の場合には第1特別図柄当り図柄テーブル4が選択される。ここで選択された第1特別図柄当り図柄テーブルを参照して、下位バイトの値「0」〜「255」に基づき、停止図柄「2」〜「13」のうちのいずれかを決定する。
第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(確変移行の有無、時短移行の有無、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「2」〜「13」が、大当りの種別に応じて、5種類の図柄群A〜Eに分類されている。
具体的には、図柄「2」,「3」には、図柄群A(12R特定時短有図柄1)が、図柄「4」,「5」,「6」,「7」には、図柄群B(12R特定時短有図柄2)が、図柄「8」,「9」には、図柄群C(2R特定時短有図柄1)が、図柄「10」,「11」には、図柄群D(2R特定時短有図柄2)が、図柄「12」,「13」には、図柄群E(12R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。ここで、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄であり、「通常図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄の図柄群についても同様である)。
図柄群A,Bは、特別遊技終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当りまで時短機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は12ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。なお、図柄群Aには乱数値として360個が割り当てられているため、「12R特定時短有図柄1」の選択確率は36%である。一方、図柄群Bには乱数値として150個が割り当てられているため、「12R特定時短有図柄2」の選択確率は15%である。
図柄群C,Dは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当りまで時短機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。なお、図柄群Cには乱数値として80個が割り当てられているため、「2R特定時短有図柄1」の選択確率は8%である。一方、図柄群Dには乱数値として160個が割り当てられているため、「2R特定時短有図柄2」の選択確率は16%である。
図柄群Eは、特別遊技終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行させる、いわゆる「通常当り」を示す通常図柄であり、特別遊技終了後の50回のみに限定して時短機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は12ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。なお、図柄群Eには乱数値として250個が割り当てられているため、「12R通常時短有図柄」の選択確率は25%である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「14」が一義的に割り当てられる。この図柄「14」には、図柄群K(特電作動図柄)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確変機能、時短機能)の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「1」が一義的に割り当てられる。
続いて、図7は第2特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第2特別図柄当り図柄テーブルについても、前述の第1特別図柄当り図柄テーブルと同様に、特別図柄当り図柄乱数値における、上位バイトの値「0」〜「3」に基づき、第2特別図柄当り図柄テーブルを決定し、下位バイトの値「0」〜「255」に基づき停止図柄を決定するようになっている。例えば、上位バイトの値が「0」の場合には第2特別図柄当り図柄テーブル1が選択され、上位バイトの値が「1」の場合には第2特別図柄当り図柄テーブル2が選択され、上位バイトの値が「2」の場合には第2特別図柄当り図柄テーブル3が選択され、上位バイトの値が「3」の場合には第2特別図柄当り図柄テーブル4が選択される。ここで選択された第2特別図柄当り図柄テーブルを参照して、下位バイトの値「0」〜「255」に基づき、停止図柄「15」〜「26」のうちのいずれかを決定する。
第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(確変移行の有無、時短移行の有無、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「15」〜「26」が、大当りの種別に応じて、5種類の図柄群F〜Jに分類されている。具体的には、図柄「15」,「16」には、図柄群F(16R特定時短有図柄1)が、図柄「17」,「18」,「19」,「20」には、図柄群G(16R特定時短有図柄2)が、図柄「21」,「22」には、図柄群H(2R特定時短有図柄)が、図柄「23」,「24」には、図柄群I(2R通常時短有図柄1)が、図柄「25」,「26」には、図柄群J(2R通常時短有図柄2)が、それぞれ対応付けられている。
図柄群F,Gは、特別遊技終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当りまで時短機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。なお、図柄群Fには乱数値として20個が割り当てられているため、「16R特定時短有図柄1」の選択確率は2%である。一方、図柄群Gには乱数値として726個が割り当てられているため、「16R特定時短有図柄2」の選択確率は72.6%である。
図柄群Hは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当りまで時短機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。なお、図柄群Hには乱数値として4個が割り当てられているため、「2R特定時短有図柄」の選択確率は0.4%である。
図柄群I,Jは、特別遊技終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行させる、いわゆる「通常当り」を示す通常図柄であり、特別遊技終了後の50回のみに限定して時短機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。なお、図柄群Iには乱数値として246個が割り当てられているため、「2R通常時短有図柄1」の選択確率は24.6%である。一方、図柄群Jには乱数値として4個が割り当てられているため、「2R通常時短有図柄2」の選択確率は0.4%である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「27」が一義的に割り当てられる。この図柄「27」には、図柄群L(特電作動図柄)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確変機能、時短機能)の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「1」が一義的に割り当てられる。
ここで、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、51%の確率で12R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、72%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口61に入賞するよりも第2始動口62に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、当否抽選の結果が大当り又は小当りの場合、後述する変動パターン選択状態と図柄群の種類とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。他方、当否抽選の結果がはずれの場合、変動パターン選択状態と保留球数とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。また、特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の遊技状態と図柄群の種類とに基づき、再抽選演出を実行するか否か、すなわち、選択された変動パターンに対して付加変動を付与するか否かを判定する(詳細後述)。
図8は、変動パターンテーブルを選択する際に参照される変動パターンテーブル選択用テーブルの一例を示す模式図である。このテーブルには、変動パターン選択状態、当否抽選の結果、図柄群、保留球数、変動パターンテーブル、が対応付けられている。なお、本例では、変動パターン選択状態Y2(詳細後述)が設定されている場合を例示している。
例えば、当否抽選の結果が大当りとなり、大当り種別として、図柄群A(12R特定時短有図柄1)、図柄群C(2R特定時短有図柄1)、図柄群D(2R特定時短有図柄2)、図柄群F(16R特定時短有図柄)、図柄H(2R特定時短有図柄)、図柄群I(2R通常時短有図柄1)、図柄群J(2R通常時短有図柄2)、が設定されている場合には、変動パターンテーブルA1Nが選択される。
また、大当り種別として、図柄群B(12R特定時短有図柄2)、図柄群G(16R特定時短有図柄2)、が設定されている場合には、変動パターンテーブルA2Nが選択される。
また、大当り種別として、図柄群E(12R通常時短有図柄)が設定されている場合には、変動パターンテーブルA3Nが選択される。
なお、当否判定の結果が小当りとなり、図柄群K(特図1_特電作動図柄)が設定されている場合には、変動パターンA1Nが選択され、図柄群L(特図2_特電作動図柄)が設定されている場合には、変動パターンA4Nが選択される。
一方、当否判定の結果がはずれとなった場合には、作動保留球数(0〜4)に応じて、変動パターンテーブルA5N,A6N,A7N,A8Nのいずれか選択される。すなわち、保留球数が0のときはテーブルA5N、保留球数が1のときはテーブルA6N、保留球数が2のときはテーブルA7N、保留球数が3のときはテーブルA8N、保留球数が4のときはテーブルA8N、がそれぞれ選択される。このとき、変動パターンテーブルA5N〜A8Nで選択され得る変動パターンは、変動パターンテーブルA5N、A6N、A7N、A8N、A9Nの順に、その平均的な変動時間が短くなる。つまり、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合が高くなり、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合が高くなる。なお、これに限定されず、当否抽選の結果がはずれである場合に、作動保留球数に依存せずに、変動パターン選択状態のみに従って、変動パターンテーブルを決定するように構成してもよい。
続いて、図9は特別図柄変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつと共に、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に時別図柄及び装飾図柄の変動が停止される。各テーブルには、特別図柄変動パターン乱数値と変動パターンとが対応付けられている。
図9に示すように、当否抽選の結果が大当り又は小当りに該当する場合に参照される変動パターンテーブルA1N〜A4Nにおいて、変動パターン7Nでは78秒という変動時間(リーチ変動時間)が、変動パターン8Nでは167秒という変動時間(リーチ変動時間)が、変動パターン9Nでは132秒という変動時間(リーチ変動時間)が、変動パターン10Nでは4秒という変動時間(非リーチ変動時間)が、変動パターン11Nでは23秒という変動時間(リーチ変動時間)が、それぞれ規定されている。
他方、当否抽選の結果がはずれに該当する場合に参照される変動パターンテーブルA5N〜A8Nにおいて、変動パターン1Nでは4秒という変動時間(非リーチ変動時間)が、変動パターン2Nでは6秒という変動時間(非リーチ変動時間)が、変動パターン3Nでは12秒という変動時間(非リーチ変動時間)が、変動パターン4Nでは22秒という変動時間(リーチ変動時間)が、変動パターン5Nでは67秒という変動時間(リーチ変動時間)が、変動パターン6Nでは67秒という変動時間(リーチ変動時間)が、それぞれ規定されている。
なお、本実施形態では、図柄判定の抽選結果と異なる装飾図柄を仮停止表示させた後、再度、図柄を変動させて最終的に該抽選結果通りの装飾図柄を確定表示させる、いわゆる「再抽選演出」が実行される場合がある。この再抽選演出では、例えば、仮停止表示、再変動、確定表示の過程を経て、非確変図柄「222」が確変図柄「777」に変更したように見せかける演出(確変昇格演出)などが該当する。ここで、「確定表示」とは当該図柄を確定的に停止表示させることを意味し、「仮停止表示」とは当該図柄を仮の状態で停止表示させることを意味する。
特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の遊技状態および図柄群の種類に基づき再抽選演出を実行するか否か(付加変動を付与するか否か)を判定する。本実施形態では、特定の遊技状態(例えば通常状態)において所定の図柄群(例えば図柄群B,E)が選択された場合に、再抽選演出が実行される。前述したように、図柄群Bは12R特定時短有図柄2であり、図柄群Eは12R通常時短有図柄であり、特別遊技終了後に確変機能を作動させるか否かという点で異なる図柄である。再抽選演出が付与される場合には、前記選択された変動パターン(変動時間)に、付加変動(付加変動時間)が連続的且つ一体的に付加される。ここで、図柄群Bは確変当り図柄であるため、再抽選演出において確変昇格が成功する変動演出態様となる。他方、図柄群Fは非確変当り図柄(通常図柄)であるため、再抽選演出において確変昇格が失敗する変動演出態様となる。ここで、図柄群Aが選択された場合には、付加変動は付与されず、装飾図柄の変動表示後(仮停止表示および再変動を含まない)に、停止図柄として確変図柄「777」が確定表示される変動演出態様となる。なお、付加変動を付与するか否かの情報は、後述する変動付加図柄情報に含まれており、サブ制御基板200側では変動付加図柄情報コマンドに基づいて再抽選演出の実行可否を判断する。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、サブ制御基板200との通信線の検査および図柄変動を指示するため、演出制御コマンド(「変動開始コマンド」)として、「通信検査1コマンド」、「通信検査2コマンド」、変動付加図柄情報を含む「変動付加図柄情報指定コマンド」、変動パターンの情報を含む「変動パターン指定コマンド」、キャラクタ演出番号の情報を含む「キャラクタ演出番号指定コマンド」、を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。通信検査1コマンドおよび通信検査2コマンドは、サブ制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するためのコマンドである。
普通図柄抽選手段150は、普通図柄当否判定手段151と、普通図柄停止図柄判定手段152と、普通図柄変動パターン判定手段153と、を有する。普通図柄抽選手段150は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域(第1記憶領域)に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段151は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、当りデータ「55H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段151は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持する。
普通図柄当否判定手段151は、通常状態(低確率状態)においては例えば160/283の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては例えば282/283の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段152は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段153は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間(例えば「4秒」〜「10秒」)を選択する。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
デモ演出設定手段160は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された図柄群の種類に応じて、特別遊技中に演出表示装置70等に表示される大当り開始デモ演出および大当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、デモ演出設定手段160は、特別遊技のデモ設定処理として、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」)を生成する。
また、デモ演出時間設定手段160は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモ演出および小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、デモ演出設定手段160は、小当り遊技のデモ設定処理として、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成する。
図柄表示制御手段165は、特別図柄表示制御手段166、普通図柄表示制御手段167、を含む。
特別図柄表示制御手段166は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段166は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段166は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄遊技ステイタス(詳細後述)および第2特別図柄遊技ステイタス(詳細後述)に基づき監視される。特別図柄表示制御手段166は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、サブ制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」)を生成する。
普通図柄表示制御手段167は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段167は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタス(詳細後述)に基づき監視される。
電動役物制御手段170は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(2R,12R,16R)だけ連続して実行するものである。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄群)又は12R大当り(図柄群)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当りである場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約0.05秒間開放させる。
また、電動役物制御手段170は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段170は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド643に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物642を開放させる。ここで、電動役物制御手段170は、通常状態では普通電動役物623を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物623を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段175は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技後の遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態など)を決定するとともに、特別遊技後の遊技状態を切り替える。この遊技状態として、時短状態及び入球容易状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば50回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態及び入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りまで確変状態が継続される。このように時短状態及び入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄の変動時間が概ね短い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、普通電動役物の開放時間延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段による当否抽選結果が大当りとなる確率が高い状態(いわゆる高確率状態)のまま維持される。なお、遊技状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時である。
また、遊技状態制御手段175は、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。ここで、変動パターン選択状態とは、後述する変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。遊技状態制御手段は、特別図柄の当否抽選の結果が大当り又は小当りに該当する場合に、現在の遊技状態(確変機能の作動状態および時短機能の作動状態)と図柄群の種類(大当り種別)とに基づき、後述する変動パターン選択状態判定テーブルを参照して、特別遊技終了後又は小当り遊技終了後の変動パターン選択状態およびその実行回数を決定する。変動パターン選択状態には、例えば、通常パターン選択状態X1,X2、時短パターン選択状態Y1,Y2,限定パターン選択状態Z1,Z2などの6種類が存在する。
図10は、変動パターン選択状態テーブルの一例を模式的に示す図である。この変動パターン選択状態テーブルでは、図10に示すように、図柄群の種類が同じでも、遊技状態に応じて、決定される変動パターン選択状態が異なるようになっている。なお、括弧内は変動パターン選択状態の実行回数を表している。例えば、図10に表記される「(50)」とは、当該変動パターン選択状態を50回実行した後、次の変動パターン選択状態に切り替えることを意味する。
通常パターン選択状態X1,X2は、主として遊技状態が通常状態(非時短状態)のときに参照される通常変動パターンテーブルが選択される状態である。時短テーブル選択状態Y1,Y2は、主として遊技状態が時短状態のときに参照される時短変動パターンテーブルが選択される状態である。限定パターン選択状態Z1,Z2は、主として一定期間(所定の変動回数)のみ参照が許容される限定変動パターンテーブルが選択される状態である。この限定変動パターンテーブルは、他の変動パターンテーブルとは演出内容の傾向が異なる変動パターンを含んでいる。なお、変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技又は小当り遊技の終了時である。
メイン情報記憶手段180は、取得した乱数値情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
より具体的には、メイン情報記憶手段180は、メイン制御基板100の作業領域として、特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域、特別図柄判定フラグ、普通図柄判定フラグ、第1特別図柄遊技ステイタス、第2特別図柄遊技ステイタス、普通図柄遊技ステイタス、確率変動判定フラグ、確率変動回数カウンタ、時短回数カウンタ、入球容易状態回数カウンタ、電源断情報フラグ、電源断確認フラグ、コマンド格納領域、などを有している。
特別図柄当否判定領域は、特別図柄の当否判定に使用する特別図柄当り乱数を格納するためのエリアである。特別図柄図柄判定領域は、特別図柄の図柄判定に使用する特別図柄当り図柄乱数を格納するためのエリアである。特別図柄変動パターン判定領域は、特別図柄の変動パターン判定に使用する特別図柄変動パターン乱数を格納するためのエリアである。
特別図柄判定フラグは、特別図柄の当否判定の結果(大当りデータ、小当りデータ、はずれデータ)を格納するためのエリアであり、大当りの場合は「55H」、小当りの場合は「33H」、はずれの場合は「00H」が格納される。普通図柄判定フラグは、普通図柄の当否判定の結果(当りデータ、はずれデータ)を格納するためのエリアであり、大当りの場合は「55H」、はずれの場合は「00H」が格納される。
第1特別図柄遊技ステイタスは、第1特別図柄表示装置71の動作状態を監視するためのステイタス情報であり、第1特別図柄の変動待機中の状態では「00H」、第1特別図柄の変動開始の状態では「01H」、第1特別図柄の変動中の状態では「02H」、第1特別図柄の停止図柄表示中の状態では「04H」が格納される。同様に、第2特別図柄遊技ステイタスは、第2特別図柄表示装置72の動作状態を監視するためのステイタス情報であり、第2特別図柄の変動待機中の状態では「00H」、第2特別図柄の変動開始の状態では「01H」、第2特別図柄の変動中の状態では「02H」、第2特別図柄の停止図柄表示中の状態では「04H」が格納される。一方、普通図柄遊技ステイタスは、普通図柄表示装置75の動作状態を監視するためのステイタス情報であり、普通図柄の変動待機中には「00H」、普通図柄の変動中の状態には「01H」、普通図柄の停止図柄表示中の場合には「02H」が格納される。
確率変動判定フラグは、特別遊技後に特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かの判定結果を格納するための領域であり、確率変動機能の作動開始要求ありの場合は「00H」、確率変動機能の作動要求ありの場合は「01H」が格納される。
確率変動回数カウンタは、特別図柄の確率変動機能の作動内容を示す領域であり、確率変動機能が未作動時の場合は「00H」、確率変動機能が作動時の場合は「7FH」が格納される。時短回数カウンタは、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数情報を格納する領域である。入球容易状態回数カウンタは、電チューサポート機能(普通図柄の確変機能、時短機能、開放延長機能)が作動する回数情報を格納する領域である。
電源断情報フラグは、遊技機の電源投入時および電源遮断時に使用される情報を格納するための領域であり、電源投入時又は電源遮断時の状態に応じて、電源断異常時データとして「00H」、電源断正常時データとして「55H」、電源投入正常時データとして「AAH」が格納される。電源断確認フラグは、電源断の発生の情報を格納するための領域であり、電源断が未発生のときはクリアデータとして「00H」、電源断が発生した場合は電源断確認データとして「55H」が格納される。
コマンド格納領域は、各種の演出制御コマンドを格納するエリアである。コマンド格納領域はリングバッファから構成されており、例えば、計64個の演出制御コマンド(MODEデータ64個、EVENTデータ64個)を格納可能である。
コマンド送信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンド(演出制御信号)をパラレル伝送方式にてサブ制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んで構成されている。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
《サブ制御基板》
サブ制御基板200は、図4に示すように、保留情報表示制御手段210、演出パターン記憶手段220、演出内容決定手段230、演出表示制御手段240、サブ情報記憶手段250、コマンド受信手段260、通信エラー判定手段270、を含む。なお、サブ制御基板における上述の各手段は、サブ制御基板200上に配されたCPU201A、ROM201B、RAM201C、電子回路等のハードウェア及びROM201Bに格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表したものである。
保留情報表示制御手段210は、メイン制御基板100からの演出制御コマンド情報(事前判定コマンド、図柄記憶数コマンド)に基づいて、演出表示装置70の保留表示部701,702に、第1特別図柄の保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。また、保留情報表示制御手段210は、メイン制御基板100側での事前判定の結果(予告番号)に基づき、先読み予告演出を実行する。この先読み予告演出では、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示された保留画像の表示態様を変化させる処理を行う(例えば、先読み予告対象の保留画像を、事前判定結果に基づく大当りへの期待度に応じて、通常の白色から、青色、赤色、虹色といった特殊な保留色に変化させる)。
演出パターン記憶手段220は、装飾図柄の変動において演出表示装置70に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示と連動表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出内容決定手段230は、メイン制御基板100側から受け取る特別図柄情報(停止図柄情報や変動パターン情報)に基づき、演出表示制御手段240によって演出表示装置70へ表示させる演出内容を決定する。演出内容決定手段230は、装飾図柄の停止図柄の組み合わせとその配置及び変動演出パターンを、特別図柄抽選処理制御手段140による当否抽選の結果や、特別図柄の停止図柄(図柄群、変動付加図柄情報、キャラクタ演出番号)、変動パターンに応じて決定する。演出パターン記憶手段220は、特別図柄変動パターン判定制御手段143によって決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動演出パターンを演出パターン記憶手段220から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段240へ送る。また、演出内容決定手段230は、決定した停止図柄(装飾図柄)の組合せを示す情報を演出表示制御手段240に送信する。演出内容決定手段230は、装飾図柄の停止図柄及び変動演出パターンを決定する際に参照するための抽選テーブルを有する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程が定義されている。変動演出パターンには、通常のはずれ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てはずれ図柄又は大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。例えば、ノーマルリーチとは、比較的変動時間が短く、大当たりとなる期待の低いリーチ演出であり、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列が変動する態様(変動時間が相対的に短い態様)を指し、スーパーリーチとは、ノーマルリーチに比べ変動時間が長く、大当たりとなる期待がノーマルリーチより高いリーチ演出であり、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列がコマ送り変動する態様(変動時間が相対的に長い態様)を指す。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過後に図柄変動が停止される。演出内容決定手段230は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、例えば当否抽選手段1135による当否抽選結果が15R特別遊技への移行を示す場合には特定の組み合わせ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組み合わせが選択される。当否抽選結果が2R特別遊技への移行を示す場合や小当りの場合もまた特定の組み合わせ、例えば「357」のような所定の組み合わせが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組み合わせは必ずしも3つの図柄が揃った組み合わせでなくてもよい。当否抽選結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組み合わせであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組み合わせに該当しない組み合わせが選択される。当否抽選結果が15R大当りでない場合であって、リーチ付きのはずれを示す変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組み合わせを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。
演出内容決定手段230は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置70に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出内容決定手段2212は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選の結果が当りの場合は、はずれの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示させること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段240は、演出内容決定手段230において選択された変動演出パターンに従って演出表示装置70へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段240は、メイン制御基板100から、装飾図柄の変動開始コマンドを受信したときに新たな図柄変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに装飾図柄の停止図柄を確定表示させる。
演出表示制御手段240は、演出内容決定手段230によって予告演出を表示させる旨が決定された場合、選択された予告演出パターンに従った予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置70へ表示させる。なお、演出表示制御手段240は、演出ランプ10の点灯及び消灯や、スピーカ11からの音声出力、可動演出役物による演出動作などの演出処理をさらに制御する。
また、演出内容決定手段230は、メイン制御基板100からの大当り演出のデモ時間情報に基づき、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示させる開始デモ及び終了デモを含む特別遊技演出(大当り遊技演出)の内容を決定する。また、演出内容決定手段230は、メイン制御基板100からの大当り演出のデモ時間情報に基づき、小当り遊技の実行に先立って、その小当り遊技中に表示させる開始デモ及び終了デモを含む小当り遊技演出の内容を決定する。
また、演出表示制御手段230は、メイン制御基板100から当り開始デモ演出コマンド又は当り終了デモ演出コマンドを受信した場合、決定された特別遊技演出又は小当り遊技演出の内容に従って、演出表示装置70における当り開始デモ演出および当り終了演出デモの演出処理を制御する。
サブ情報記憶手段250は、メイン制御基板100から送信された演出制御コマンドや、演出制御に関する情報を記憶するように構成されており、各情報を記憶する所定の各記憶領域を備えている。
コマンド受信手段260は、メイン制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、上述の保留情報表示制御手段210、演出パターン記憶手段220、演出内容決定手段230、演出表示制御手段240、サブ情報記憶手段250、通信エラー判定手段270、に対して必要な情報を伝達するように構成されている。
通信エラー判定手段270は、メイン制御基板100のコマンド送信手段190からサブ制御基板200のコマンド受信手段260に送信される演出制御コマンドの通信エラーの有無を判定するように構成されている。通信エラー判定手段270は、通信エラー有りと判定された場合に、通信エラーが有ったことを演出表示装置70および演出ランプ10、スピーカ11等を用いて報知するように構成されている。
[メイン制御基板側の処理]
次に、図11〜図26のフローチャートを参照しながら、メイン制御基板100における動作処理の手順について説明する。メイン制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図11〜図12はメイン制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりCPU101Aのセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM101Cのアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、CPU101Aの内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチ401がオンされているか否かを判定する(S5)。具体的には、RAMクリアスイッチ401の入力を5回確認して、入力信号が全てオン状態である場合(S5:YES)、RAMクリアスイッチ401がオンされていると判定し、後述するS9でRAMの全領域がゼロクリアされる。ここで、RAMクリアスイッチ401の入力の読み込みは当該ステップのみで行われ、以降の処理では行われない(後述するS53の入力処理では行われない)。
他方、RAMクリアスイッチ401がオンされていないと判定された場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM101Cの所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM101Cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM101Cの全領域をゼロクリアする(S9)。
次に、RAM101Cに電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプ10の初期化などを行うため、サブ制御基板200への演出制御コマンドを要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM101Cにおける、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。
次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプ10の初期化などを行うため、サブ制御基板200への演出制御コマンドを要求する(S15)。
次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。
続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。
続いて、タイマ割込みを起動させるため、CTC回路101Fの初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。
続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25の処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM101Cの所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM101Cのチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM101Cのアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《タイマ割込み処理》
次に、メイン制御基板100のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、CTC回路101Fからの一定時間(4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、CPU101A内のレジスタの内容をRAM101Cのスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101AのWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、CPU101Aがプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、メイン制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ401以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。なお、扉開放スイッチはガラス枠が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆるゴト行為を発見するための検出手段である。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機の遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本実施形態では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、賞球回数を記憶するとともに、払出制御コマンドの送信要求、などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板へ送信するとともに、払出制御基板からの受信データを監視して払出制御基板300との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61および第2始動口62への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、デモ演出のコマンド要求、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。なお、本実施形態では、特別図柄の変動パターンの選択、変動時間の設定、特別図柄の変動開始設定などの処理は、上述の特別図柄制御処理(S65)における特別図柄変動開始処理(S420)で実行される。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含むコマンド要求を行う。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンドの要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。なお、この入球通過時間異常には、スイッチ故障、遊技球の球詰まり、糸つりゴト、などが該当する。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報をメイン制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(S72)。このハンドル状態信号検査処理では、発射ハンドル12のタッチセンサからの検出情報に基づき、発射ハンドル12のタッチ状態を監視して、この監視の結果に基づき、演出制御コマンド(ハンドル状態演出のコマンド)を生成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、普通図柄表示装置75、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普図保留ランプ76、メイン制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S74)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板300との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板300に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板300との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板300に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(S75)。この試験信号出力処理では、適正な遊技機であるか否かを判定する性能確認試験において、遊技機の動作状態を示す各種の試験信号を作成して、外部の試験装置に出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S76)
このソレノイド出力処理では、普通電動役物622および特別電動役物642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S77)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納されたコマンドの中から、ポインタで指定されたコマンドを読み出して、このコマンドをサブ制御基板200に送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S78)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。外部情報には、例えば、特別図柄が変動停止した情報(外部情報1)、始動口に遊技球が入賞した情報(外部情報2)、大当り又は小当りが発生した情報(外部情報3)、特別遊技が発生した情報(外部情報4)、などが含まれる。また、RAMの初期化を行ったとき、磁気センサ異常、断線短絡電源異常、異常センサ検知(入球通過時間異常等)、などの場合には、外部端子板を介して、セキュリティ信号をホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、CPU101Aを割込み許可状態に設定する(S79)。これにより、タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、メイン制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。ここでは、説明の理解を容易にするため、遊技の流れに沿って、始動口監視制御処理(S64)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、の順に説明する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図14は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口61への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口61への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。具体的には、特別図柄当り乱数値として、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路から取得した内蔵乱数に、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから取得した特別図柄当否ソフト乱数を加算し、これを保留n記憶領域内の当り乱数バッファに格納する。また、特別図柄当り図柄乱数値および特別図柄変動パターン乱数値として、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから取得した各乱数値を保留n記憶領域内の当り図柄乱数バッファおよび変動パターン乱数バッファに格納する。
そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。他方、第1始動口61への入賞を検出しなかった場合(S201:NO)、又は第1特別図柄の作動保留球数が4以上である場合(S202:NO)には、S203およびS204をスキップする。
続いて、第2始動口62への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口62への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。
第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。具体的には、特別図柄当り乱数値として、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路から取得した内蔵乱数に、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから取得した特別図柄当否ソフト乱数を加算し、これを保留n記憶領域内の当り乱数バッファに格納する。また、特別図柄当り図柄乱数値および特別図柄変動パターン乱数値として、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから取得した各乱数値を保留n記憶領域内の当り図柄乱数バッファおよび変動パターン乱数バッファに格納する。
そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。他方、第2始動口62への入賞を検出しなかった場合(S205:NO)、又は第2特別図柄の作動保留球数が4以上である場合(S206:NO)には、S207およびS208をスキップする。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、遊技機の状態を確認し、先読み予告演出の事前判定タイミングであるか否かを判定する(S210)。
事前判定タイミングである場合(S210:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否抽選の事前判定を行う(S211)。そして、この判定結果の情報(予告番号)を含む事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S212)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄抽選の事前判定を行う(S213)。そして、この判定結果の情報(予告番号)を含む事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S214)。なお、この予告番号は、図柄群の種類(大当り種別)に対応した情報となっている。
さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン抽選の事前判定を行う(S215)。そして、この判定結果の情報(予告番号)を含む事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S216)。
そして、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図15は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動監視監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する(S310)。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図16は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。
続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
(特別図柄当否判定処理)
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。ここで、図17は、特別図柄当否判定処理(S320)の詳細を示すフローチャートである。
特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する(S321)。このとき、遊技状態が確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態(非確変状態)である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す(S322)。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する(S323)。
続いて、この当否判定結果に対応した値をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する(S324)。具体的には、特別図柄判定フラグに、当否判定結果が大当りの場合には大当りデータとして「55H」、小当りの場合には小当りデータとして「33H」、はずれの場合にははずれデータとして「00H」を格納する。
(図柄判定処理)
続いて、図16に戻って、図柄判定処理を実行する(S330)。ここで、図18は、図柄判定処理(S330)の詳細を示すフローチャートである。
図柄判定処理(S330)では、まず、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する(S331)。具体的には、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合は、第1特別図柄当り図柄テーブルを参照し、メイン情報記憶手段180の特別図柄図柄判定領域から読み出した特別図柄当り図柄乱数値に基づき、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄「1」〜「13」のいずれかを決定する。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合は、第2特別図柄当り図柄テーブルを参照し、メイン情報記憶手段180の特別図柄図柄判定領域から読み出した特別図柄当り図柄乱数値に基づき、第2特別図柄の停止図柄として大当り図柄「14」〜「26」のいずれかを決定する。
また、第1特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合は、第1特別図柄の停止図柄として小当り図柄「27」を、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合は第2特別図柄の停止図柄として小当り図柄「28」を決定する。なお、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれに該当するときは、停止図柄としてはずれ図柄「1」を決定する。そして、今回決定した停止図柄の番号をメイン情報記憶手段180の停止図柄格納領域に格納する(S332)。
続いて、特別図柄の大当り種別又は小当り種別として、図柄群の種類を決定する(S333)。具体的には、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りであった場合には、第1特別図柄当り図柄テーブルを参照し、メイン情報記憶手段180の特別図柄図柄判定領域から読み出した特別図柄当り図柄乱数値に基づき、図柄群A〜Eのいずれかを決定する。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りであった場合には、第2特別図柄当り図柄テーブルを参照し、メイン情報記憶手段180の特別図柄図柄判定領域から読み出した特別図柄当り図柄乱数値に基づき、図柄群F〜Jのいずれかを決定する。
また、第1特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合は図柄群Kを、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合は図柄群Lを決定する。そして、今回決定した図柄群の種類をメイン情報記憶手段180の図柄群格納領域に格納する(S334)。
続いて、特別図柄のキャラクタ演出番号を決定する(S335)。具体的には、S333で決定された図柄群の種類(図柄群A〜Lの12パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計48パターンのキャラクタ演出番号「1」〜「48」のいずれかを決定する。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。そして、今回決定したキャラクタ演出番号「0」〜「48」を、変動付加図柄情報として、メイン情報記憶手段180の変動付加図柄情報格納領域に格納する(S336)。
続いて、図16に戻って、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、確率変動機能を作動させるか否かを決定する(S343)。すなわち、大当り種別としての図柄群の種類が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、入球容易状態の作動回数を決定する(S345)。
続いて、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、12ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別・小当り種別)と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技終了後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。
続いて、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別・小当り種別)に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。
次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図19は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物642が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図20は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図21は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。具体的には、特別図柄の当否判定の結果が大当り又は小当りである場合、変動パターン選択状態と図柄群の種類とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。他方、当否抽選の結果がはずれである場合には、変動パターン選択状態と作動保留球数とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、サブ制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、メイン制御基板100とサブ制御基板200との通信線の検査および演出表示を開始させるため、通信検査コマンド1、通信検査コマンド2、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンドを順に作成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
なお、本実施形態では、タイマ割込み処理が発生する毎に1コマンドずつ、通信検査コマンド1、通信検査コマンド2、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド、の順に、サブ制御基板200側へ送信される。そのため、この特別図柄変動開始処理(S420)を実行したタイマ割込み処理内においては、後続の演出制御コマンド送信処理(S77)で、サブ制御基板200に対して、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンドが送信されることはない。つまり、当該割込み処理内で演出制御コマンド送信処理(S77)が実行される段階では、少なくとも上記5つの演出制御コマンドがメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納されているため、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンドよりも先にコマンド格納領域に格納された通信検査1コマンドおよび通信検査コマンド2が上記3つの演出制御コマンドよりも先行して送信されることとなるからである。さらに、遊技の展開によっては、通信検査1コマンドよりも先行して、他の演出制御コマンドがコマンド格納領域に格納されている可能性もある。そのため、これら変動開始コマンド(上記5つのコマンド)の受信を契機として装飾図柄の変動を開始する構成上、特別図柄の変動開始のタイミングと装飾図柄の変動開始のタイミングとに時間的なずれが生じる可能性がある(装飾図柄の変動開始が遅れる可能性がある)。他方、サブ制御基板200側では、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマを有しており、装飾図柄の変動開始時に当該タイマ(上記変動時間がセットされたタイマ)をスタートさせ、当該タイマがタイムアウトしたときに装飾図柄の変動表示を停止させるとともに、メイン制御基板100からの変動停止コマンドを受信した場合に装飾図柄(停止図柄)を確定表示させる仕組みとなっているのであるが、遊技の展開によっては、装飾図柄の変動停止予定時間よりも前にメイン制御基板100から変動停止コマンドが送信される場合が起こり得る。すなわち、コマンド格納領域(リングバッファ)の構造上、特別図柄の変動開始時でのコマンドの格納状態が重い(コマンドの格納数が多い)場合には、前述のように、変動開始コマンドの送信タイミングが遅れるため、特別図柄の変動開始よりも時間的に後にずれて装飾図柄の変動表示が開始される可能性がある一方、特別図柄の変動停止時でのコマンドの格納状態が軽い(コマンドの格納数が少ない)場合には、変動停止コマンドの送信タイミングの遅れが小さいため、装飾図柄の変動停止予定時間よりも前(上記タイムアウト前)に変動停止コマンドが送信されて、装飾図柄の本来の変動時間に満たないまま停止表示(確定表示)される可能性がある。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図22は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。
続いて、サブ制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
続いて、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。
そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図23は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。
ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。なお、特別図柄の確定表示時間が終了した場合には、LED出力処理(S73)においてクリアデータを第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力して、当該特別図柄表示装置71,72の表示を初期化する(全消灯状態に戻す)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。
当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の当り開始デモ設定処理として、当り開始デモ表示時間を設定するとともに、当り開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンドを生成する(S447)。
続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、特別図柄判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。ここで、変動時間短縮機能が作動中である場合(S451:YES)には、特別図柄時短回数カウンタを参照して、特別図柄が予め設定された規定回数だけ変動したか否かを判定する(S452)。
特別図柄が規定回数だけ変動した場合(S452:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能を作動停止する(S453)。他方、特別図柄が規定回数だけ変動してない場合、又は、確率変動機能が作動しているため次の大当りが発生するまで変動時間短縮機能が作動する場合(S452:NO)には、S453をスキップして、S454に移行する。
続いて、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S454)。電チューサポート機能が作動中である場合(S454:YES)には、電サポ回数カウンタを参照して、特別図柄が予め設定された規定回数だけ変動したか否かを判定する(S455)。特別図柄が規定回数だけ変動した場合(S455:YES)には、電チューサポート機能を作動停止する(S456)。他方、特別図柄が規定回数だけ変動してない場合、又は、確率変動機能が作動しているため次の大当りが発生するまで電チューサポート機能が作動する場合(S455:NO)には、S456をスキップして、S457に移行する。
次いで、変動パターン選択状態を更新する(S457)。具体的には、変動パターン選択状態回数カウンタを参照して、変動パターン選択状態が予め設定された規定回数だけ実行された場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S458)。小当りデータが格納されている場合(S458:YES)には、小当り遊技の当り開始デモ設定処理として、当り開始デモ表示時間を設定するとともに、当り開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンドを生成する(S459)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S460)。そして、特別図柄判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S461)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S458:NO)、すなわち、、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S460およびS461をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図24は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物642が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物642の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物642の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642の作動開始時間である場合(S503:YES)には、特別電動役物642の作動を開始して(S504)、特別電動役物642の作動中の処理として、S505〜S509の処理を実行する。
特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S505)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S506)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S505:YES)又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合(S506:YES)には、特別電動役物642の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物642の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S508)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S508:NO)には、特別電動役物642の連続作動回数を1インクリメントする(S509)。
他方、特別電動役物642の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S508:YES)には、S510に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、当り終了デモ表示時間を設定するとともに、当り終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンドを生成する(S510)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S511)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S512)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S513)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S513:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「7FH」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S514)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S513:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S514をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S515)。変動時間短縮機能作動データである場合(S515:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S516)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S515:NO)には、S516をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S517)。電チューサポート機能作動データである場合(S517:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S518〜S520)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S518)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S519)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(S520)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S518〜S520をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S521)。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S522)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物642が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物642の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物642が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物642の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の当り終了デモ設定処理として、当り終了デモ表示時間を設定するとともに、当り終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンドを生成する(S536)。
続いて、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S538)。
[サブ制御基板側の処理]
次に、サブ制御基板200における動作処理の手順について説明する。
まず、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出表示装置70の保留画像の表示内容を決定する。具体的には、メイン制御基板100から図柄記憶数コマンドを受信した場合、当該コマンドに含まれる情報(第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数)に基づき、演出表示装置70に表示される保留画像の個数を更新する。また、メイン制御基板100から事前判定コマンドを受信した場合、先読み予告演出処理として、先読み予告対象の保留画像の表示内容を制御する。
続いて、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送信される演出制御コマンドに基づいて、装飾図柄および変動演出パターン等を決定するとともに、装飾図柄の変動表示を制御する。具体的には、メイン制御基板100から変動開始コマンドを受信した場合、受信した特別図柄の変動付加図柄情報、変動パターン、キャラクタ演出番号、等に応じて、装飾図柄の停止態様、装飾図柄の変動演出パターン、予告演出パターンを決定し、その後、装飾図柄の変動表示を開始する。
一方、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から変動停止コマンドを受信したときは、装飾図柄の変動表示を停止させて、決定された停止態様にて装飾図柄を確定表示させる。
続いて、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送信される演出制御コマンドに基づいて、特別遊技の当り開始デモ演出および当り終了デモ演出を実行する。具体的には、メイン制御基板100から大当り開始デモ演出コマンドを受信した場合、特別遊技の開始から大入賞口64の最初の開放までの間に表示される当り開始デモ演出を実行する。また、メイン制御基板100から大当り終了デモ演出コマンドを受信した場合、大入賞口64の最後の閉鎖から特別遊技の終了までの間に表示される特別遊技の当り終了デモ演出を実行する。
一方、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送信される演出制御コマンドの内容に基づいて、小当り遊技の当り開始デモ演出および当り終了デモ演出を実行する。具体的には、メイン制御基板100から小当り開始デモ演出コマンドを受信した場合、小当り遊技の開始から大入賞口64の開放までの間に表示される当り開始デモ演出を実行する。また、メイン制御基板100から小当り終了デモ演出コマンドを受信した場合、大入賞口64の閉鎖から小当り遊技の終了までの間に表示される小当り遊技の当り終了デモ演出を実行する。
[ぱちんこ遊技機の作用]
次に、本実施形態の理解を容易なものとするために、ぱちんこ遊技機PMの作用を説明する。以下で説明するのは、ぱちんこ遊技機PMにおけるメイン制御基板100側の通常時の処理である。
なお、以下においては、説明の便宜上、一定周期(4ms)毎に繰り返し発生するタイマ割込み処理において、或る時点で発生するタイマ割込み処理を「1割込み目の処理」と称し、これより4ms後の次回のタイマ割込み処理を「2割込み目の処理」と称する。また、本例では、説明の理解を容易にするため、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを特定せずに、一方の特別図柄側の処理のみに注目して説明する。
(通常時の処理)
図27は通常時の処理を説明するための作用図であり、図13のタイマ割込み処理のフローチャートの一部を抜粋したものに説明を付加したものである。ここで、図中の(a)は1割込み目の処理を示し、(b)は2割込み目の処理を示す。なお、本例では、1割込み目の処理が開始される時点で、特別図柄の変動開始条件が成立しているものとする。すなわち、大当り中又は小当り中ではなく、また、特別図柄が変動待機中であり(特別図柄遊技ステイタス=「00H」)、特別図柄の作動保留球が存在する状況にある(作動保留球数=N)。
このような状況下で、1割込み目の処理が発生すると、前述のS51〜S63の処理を経て、始動口監視制御処理(S64)に移行する。始動口監視制御処理(S64)では、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球がなければ、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄制御処理(S65)では、特別図柄の変動待機中、すなわち、特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」であるため、そのまま処理を抜ける。続いて、特別電動役物制御処理(S66)および大入賞口有効期間設定処理(S67)を経て、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)に移行する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、特別図柄の始動判断として、特別図柄の変動開始条件(大当り又は小当り中でないこと、特別図柄の変動待機中であること、作動保留球が存在すること)が成立していることが判定され、これにより当該特別図柄の作動保留球数が1消化される(作動保留球数=N−1)。そして、特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)等が実行された後、特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。ここで、本実施形態では、前述したように、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球が共に0である場合でも、始動口入賞があった場合には作動保留球を一旦生起してから、当該作動保留球を消化したうえで特別図柄の変動開始に係る処理に移行する構成となっている。そのため、第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在することを特別図柄の変動開始条件のうちの一つとして規定している。
そして、後続の異常判定処理(S69)以降の処理を実行したうえで、1割込み目の処理を終了し、再び主制御側メイン処理に戻る。すなわち、この1割込み目の処理で、特別図柄の変動開始条件が成立していることが判定された場合でも、特別図柄の変動開始の設定までは行われず、次の2割込み目の処理に委ねられる。そして、次回の割込み処理(2割込み目の処理)が発生するまで、主制御側メイン処理におけるS21〜S25のループ処理が実行される。
続いて、2割込み目の処理が発生すると、再度、S51〜S63の処理を経て、始動口監視制御処理(S64)に移行する。始動口監視性制御処理(S64)では、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球がなければ、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄制御処理(S65)では、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるため、特別図柄変動開始処理(S420)を呼び出して実行する。
特別図柄変動開始処理(S420)では、特別図柄の変動パターンの選択(S423)、変動時間の設定(S424)、変動開始の設定(S425,S426)等を実行した後、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。このように、本実施形態では、特別図柄遊技ステイタスを、1割込み目の処理で「00H」から「01H」に遷移し、2割込み目の処理で「01H」から「02H」に遷移する構成となっている。すなわち、1割込み目の処理から2割込み目の処理においては、1割込み毎に、特別図柄遊技ステイタスを「1」変化させている。
続いて、特別電動役物制御処理(S66)および大入賞口有効期間設定処理(S67)を経て、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)に移行する。特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、すでに1割込み目の処理で特別図柄の始動判断がなされており、変動開始条件が成立しないため、このまま処理を抜ける。
次いで、後続の異常判定処理(S69)以降の処理が実行されたうえで、2割込み目の処理を終了して、再び主制御側メイン処理に戻る。そして、以降、一定周期毎にタイマ割込み処理が発生して、当該タイマ割込み処理内で、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などが順次実行されていく。
以上、本実施形態では、一定周期毎に実行されるタイマ割込み処理において、特別図柄表示装置の動作状態を示す特別図柄遊技ステイタスの情報に基づき、特別図柄の変動開始条件が成立していると判定した場合には、同一の割込み処理内で、特別図柄を変動開始する処理を実行せず、次回の割込み処理内で当該変動開始処理を実行する。すなわち、先行のタイマ割込み処理内では、特別図柄の変動開始条件が成立していることを判定したうえで、特別図柄当否判定、図柄判定等を実行する一方、後行のタイマ割込み処理では、変動パターンの選択、変動時間の設定等を実行したうえで、特別図柄の変動を開始させるよう構成している。そのため、特別図柄に係る変動開始の準備を、前後2回のタイマ割込み処理を通じて、余裕をもって行うことができるため、メイン制御基板100にかかる制御負担を軽減して、円滑な遊技進行を実現することが可能である。
次に、ぱちんこ遊技機PMの作用として、上記通常時の処理が実行されているとき、1割込み目と2割込み目との間に、エラーが発生した場合の処理(図28)、始動入賞が発生した場合の処理(図29)、電源断が発生した場合の処理(図30)、を順に説明する。
(エラーが発生した場合の処理)
まず、1割込み目と2割込み目との間に、所定のエラーが発生した場合の処理の手順を説明する。図28は当該エラーが発生した場合の処理を説明するための作用図であり、図13のタイマ割込み処理のフローチャートの一部を抜粋したものに説明を付加したものである。ここで、図中の(a)は1割込み目の処理を示し、(b)は2割込み目の処理を示す。なお、本例では、所定のエラーが発生したことを除き、上記の通常時の処理と同じ条件下、すなわち、特別図柄の変動開始条件を充足した状態にあるものとする。
このような状況下で、1割込み目の処理が発生すると、前述のS51〜S63の処理を経て、始動口監視制御処理(S64)に移行する。始動口監視制御処理(S64)では、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球がなければ、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄制御処理(S65)では、特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」であるため、そのまま処理を抜ける。
また、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、特別図柄の始動判断として、特別図柄の変動開始条件が成立していることが判定され、これにより当該特別図柄の作動保留球数が1消化される(作動保留球数=N−1)。そして、特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)等が実行された後、特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
そして、後続の異常判定処理(S69)以降の処理を実行したうえで、1割込み目の処理を終了し、再び主制御側メイン処理に戻る。すなわち、この1割込み目の処理で、特別図柄の変動開始条件が成立していることが判定された場合でも、特別図柄の変動開始の設定までは行われず、次の2割込み目の処理に委ねられる。そして、次回の割込み処理(2割込み目の処理)が発生するまで、主制御側メイン処理におけるS21〜S25のループ処理が実行される。
続いて、所定のエラーが発生した状況下で、2割込み目の処理が発生すると、前述のS51およびS52の処理を経て、当該エラーが、扉・枠開放、磁気センサ異常、電波センサ異常、である場合には、入力処理(S53)で、当該エラーに係るスイッチの検出状態が保存される。
続いて、始動口監視制御処理(S64)では、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球がなければ、そのまま処理を抜ける。次いで、特別図柄制御処理(S65)では、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるため、特別図柄変動開始処理(S420)を呼び出して実行する。
特別図柄変動開始処理(S420)では、特別図柄の変動パターンの選択(S423)、変動時間の設定(S424)、変動開始の設定(S425,S426)等を実行した後、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
続いて、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、すでに1割込み目の処理で特別図柄の始動判断がなされており、変動開始条件が成立しないため、このまま処理を抜ける。
そして、後続の異常判定処理(S69)において、所定のエラーの発生が検出された場合は、本来(通常時の処理)であれば、その後、特別図柄の変動が開始されるところ、エラー中の処理として、当該エラー状態が解除されるまでは特別図柄の変動開始が禁止される。すなわち、上記の特別図柄変動開始処理(S420)で、特別図柄の変動開始が決定された場合でも、その後の処理で、エラー状態が解消されるまでの間、当該変動が禁止されることになる。
ここで、本実施形態において、メイン制御基板100側で検出されるエラーには、賞球払い出しにおけるエラーと、その他のエラーとがある。賞球払い出しにおけるエラーとしては、通信線異常が規定されている。通信線異常の状態とは、払出制御基板300との通信で異常を検出した場合、又はメイン制御基板100の電源が投入された場合である。通信線異常は、払出基板300との通信が正常に行えたときに解除される。なお、この賞球払い出しにおけるエラー中には、遊技球の発射および新たな賞球の払い出しが禁止されるとともに、特別図柄の変動が禁止される。
一方、その他のエラーとしては、扉・枠開放、磁気センサ異常、電波センサ異常、断線短絡電源異常などがある。
扉・枠開放は、外枠1に対してガラス枠5、前枠2もしくは裏セット盤30が開いている場合、ガラス枠5の開放を検出する扉開放スイッチ、前枠2の開放を検出する枠開放スイッチ、裏セット盤30の開放を検出する裏セット開放スイッチに断線や故障が生じた場合にエラーとなる。この扉・枠開放は、遊技機に異常がないかを確認し、ガラス枠5、前枠2および裏セット盤30を閉鎖した場合に解除される。
磁気センサ異常および電波センサ異常は、磁気センサが磁気を検出した場合、電波センサが電波を検出した場合、および磁気センサや電波センサの断線、短絡、故障が生じた場合に発生する。磁気センサ異常および電波センサ異常は、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。
断線短絡電源異常は、電波センサおよび遊技盤面に設けられた各種スイッチの断線、短絡、故障が生じた場合に発生する。断線短絡電源異常は、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。
このとき、扉・枠開放、磁気センサ異常および電波センサ異常の場合には、そのエラー中の処理として、特別図柄の変動が禁止される。また、断線短絡電源異常の場合には、そのエラー中の処理として、遊技球の発射が禁止されるともに、特別図柄の変動が禁止される。
(始動入賞が発生した場合の処理)
次に、1割込み目の処理と2割込み目の処理との間に、特別図柄の始動入賞があった場合の処理の手順を説明する。図29は当該始動入賞が発生した場合の処理を説明するための作用図であり、図13のタイマ割込み処理のフローチャートの一部を抜粋したものに説明を付加したものである。ここで、図中の(a)は1割込み目の処理を示し、(b)は2割込み目の処理を示す。なお、本例では、始動入賞が発生したことを除き、上記の通常時の処理と同じ条件下、すなわち、特別図柄の変動開始条件を充足した状態にあるものとする。
このような状況下で、1割込み目の処理が発生すると、前述のS51〜S63の処理を経て、始動口監視制御処理(S64)に移行する。まず、始動口監視制御処理(S64)では、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球がなければ、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄制御処理(S65)では、特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」であるため、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、特別図柄の始動判断として、特別図柄の変動開始条件が成立していることが判定され、これにより当該特別図柄の作動保留球数が1消化(作動保留球数=N−1)される。そして、特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)等が実行された後、特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
そして、後続の異常判定処理(S69)以降の処理を実行したうえで、1割込み目の処理を終了し、再び主制御側メイン処理に戻る。すなわち、1割込み目の処理では、特別図柄の始動設定が行われた場合でも、この始動設定に伴う特別図柄の変動開始までは行われず、次の2割込み目の処理に委ねられる。そして、次回の割込み処理(2割込み目の処理)が発生するまで、主制御側メイン処理におけるS21〜S25のループ処理が実行される。
続いて、2割込み目の処理が発生する時点で、第1始動口61又は第2始動口62への入球があったとする。そして、2割込み目の処理が発生すると、前述のS51およびS52の処理を経て、入力処理(S53)で、始動入賞に係る第1始動口スイッチ611又は第2始動口スイッチ621の検出状態が保存される。そして、始動口監視性制御処理(S64)では、対応する作動保留球数が上限数の4未満であることを条件に、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を取得・格納するとともに、当該作動保留球数を1加算する(作動保留球数=N)。続いて、特別図柄制御処理(S65)では、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるため、特別図柄変動開始処理(S420)を呼び出して実行する。
特別図柄変動開始処理(S420)では、変動パターンの選択(S423)、変動時間の設定(S424)、変動開始の設定(S425,S426)等を実行した後、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
ここで、注目すべきことは、先行の1割込み目の処理で始動判断に基づき作動保留球数が1消化された場合(作動保留球数=N−1)でも、前述の始動入賞(始動口への入球)により、後行の2割込み目の処理で作動保留球数が1加算されて元に戻るため(作動保留球数=N)、1割込み目の処理が発生する時点で作動保留球数が4個存在していれば、変動パターンの選択時に保留球数が4個となる場合があり得る。そのため、本実施形態では、前述したように、当否抽選の結果がはずれに該当するときの変動パターンテーブルの選択基準の一つとして、保留球数を「0」〜「4」までの範囲で設定している
続いて、特別電動役物制御処理(S66)および大入賞口有効期間設定処理(S67)を経て、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、すでに1割込み目の処理で特別図柄の始動判断がなされており、変動開始条件が成立しないため、このまま処理を抜ける。
次いで、後続の異常判定処理(S69)以降の処理が実行されたうえで、2割込み目の処理を終了して、再び主制御側メイン処理に戻る。そして、以降、一定周期毎にタイマ割込み処理が発生して、当該タイマ割込み処理内で、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などが順次実行されていく。
(電源断が発生した場合の処理)
次に、1割込み目と2割込み目との間に電源断が発生し、2割込み目の処理の途中で、電源断を検出した場合の処理の手順を説明する。図30は当該電源断が発生した場合の処理を説明するための作用図であり、図13のタイマ割込み処理のフローチャートの一部を抜粋したものに説明を付加したものである。ここで、図中の(a)は1割込み目の処理を示し、(b)は2割込み目の処理を示す。なお、本例では、電源断が発生したことを除き、上記の通常時の処理と同じ条件下、すなわち、特別図柄の変動開始条件を充足した状態にあるものとする。
このような状況下で、1割込み目の処理が発生すると、前述のS51〜S63の処理を経て、始動口監視制御処理(S64)に移行する。まず、始動口監視制御処理(S64)では、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球がなければ、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄制御処理(S65)では、特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」であるため、そのまま処理を抜ける。続いて、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、特別図柄の始動判断として、特別図柄の変動開始条件が成立していることが判定され、これにより当該特別図柄の作動保留球数が1消化される(作動保留球数=N−1)。そして、特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)等が実行された後、特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
そして、後続の異常判定処理(S69)以降の処理を実行したうえで、1割込み目の処理を終了し、再び主制御側メイン処理に戻る。すなわち、1割込み目の処理では、特別図柄の始動設定が行われた場合でも、この始動設定に伴う特別図柄の変動開始までは行われず、次の2割込み目の処理に委ねられる。そして、次回の割込み処理(2割込み目の処理)が発生するまで、主制御側メイン処理におけるS21〜S25のループ処理が実行される。
続いて、2割込み目の処理が発生すると、再度、S51以降の処理が実行されることになるが、その途中でメイン制御基板100側において電源断を検出したものとする。このとき、メイン制御基板100のCPU101Aが電源基板400からの電源断信号を検出すると、NMI割込み処理(ノンマスカブル割込み処理)が即発生し、遊技機の電源断発生の情報を記憶するため、電源断確認フラグに電源断確認データ「55H」を格納して当該フラグをオンにする。そして、2割込み目の処理(NMI割込みが発生する前の処理)に戻って、残りの処理として、始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)等を順に実行していく。そして、2割込み目の処理を終了すると、再び主制御側メイン処理におけるループ処理に戻る。このループ処理に戻ると、先ほどのNMI割込み処理で設定された電源断確認フラグの内容が確認され(図13のS23)、以降、電源断時処理(図13のS26〜S32)が実行されて、最終的にはCPU101Aのリセット待ちとなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)において、特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当する場合、決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づいて、特別図柄の確率変動機能を付与するか否かの判定(S343)と、デモ演出時間の設定(S348)などを行っているが、この構成に限定されるものではない。例えば、いわゆる球確スペックを採用する場合には、当否判定の結果が大当りとなった場合に、前もって大当り終了デモ演出の表示時間として、確変当りの場合の時間値と通常当りの場合の時間値を決定しておき、大当り終了デモ演出の開始時に、特別遊技中に所定の契機が発生したか否か、すなわち、遊技球が大入賞口64内のVゾーンに入球したか否かに基づき、確変当りか通常当りかを判定し、この判定結果に応じて大当り終了デモ演出の表示時間を決定するように構成してもよい。
上述の実施形態では、特別図柄の作動保留球の消化順序として、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数とを併存させて、第1始動口61および第2始動口62への入球順序に従って第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球を消化するように構成してもよい。このように作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、当然ながら、特別図柄の変動開始条件は優先消化の場合と異なる。すなわち、入球順の場合には、特別図柄の変動開始条件として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球数が存在すること、(4)今回消化される作動保留球の消化順序が入球順と整合していること、の全ての条件を満足したときに、変動開始可能と判断する。また、作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、作動保留球を更新するとき、すなわち、作動保留球を獲得又は消化するときに、当該作動保留球の更新だけではなく、第1特別図柄および第2特別図柄の合計作動保留球数の更新、入球順序の更新を行う必要がある点で、優先消化を採用した場合と異なる。
上述の実施形態では、一定周期毎に発生するタイマ割込み処理内の各処理で生成された演出制御コマンドは、メイン情報記憶手段180におけるリングバッファ型のコマンド格納領域に一時的に格納され、後続の演出制御コマンド送信処理(S77)にて1割込み毎に1コマンドずつサブ制御基板200へ送信する構成(1割込み1コマンド送信)となっているが、この構成に限定されるものではない。すなわち、各処理で演出制御コマンドを生成し、直接その処理内で演出制御コマンドをサブ制御基板200へ送信するようにしてもよい。このような構成によれば、演出制御コマンドの送信時期が遅延するおそれが回避される。
また、上述の実施形態では、選択された特別図柄の変動パターンに応じてその変動時間が設定される構成となっているが、この変動時間を基本変動時間と規定して、当否抽選の結果が当りである場合には、その大当り種別に応じて付加変動時間を付加するように構成してもよい。すなわち、選択された変動パターンに応じて基本変動時間を設定するとともに、図柄群の種類(大当り種別)に応じて変動付加時間を付与するか否かを決定し、付加変動時間を付与する場合には、基本変動時間に付加変動時間を連続的且つ一体的に付加して、これを変動時間として規定する。このような構成によれば、基本変動パターン(基本変動時間)と付加変動パターン(付加変動時間)との組合せにより、基本変動パターンの数を増やさずに、多彩な変動パターンを準備することが可能になる。そのため、メイン制御基板100にあまり処理負担をかけずに、多様な演出を実行することができる。
上述の実施形態では、当否抽選の結果がはずれに該当する場合、変動パターン選択状態、特別図柄変動パターン乱数値、および作動保留球数に応じて、変動パターンを決定するよう構成しているが、前述したように、本実施形態では、先行する1割込み目の処理で作動保留球を1減算(保留消化)しているので、後行の2割込み目の処理との間に始動入球が発生して作動保留球を獲得した場合には、特別図柄の変動パターンの選択時に、作動保留球数が「4」となり得る場合があるため、ここで参照される変動パターンテーブル選択用テーブルには、作動保留数「0」〜「4」が規定されている。一方、この構成を変形して、先行の1割込み目の処理では作動保留球数の減算を行わずに、当否判定および図柄判定などのみを行い、後行の2割込み目の処理で作動保留球の減算(保留消化)する構成としてもよい。このような構成によれば、1割込み目の処理が終了する時点で4個の作動保留球を保有していた場合に、1割込み目の処理と2割込み目の処理との間に始動入賞が発生しても、作動保留球数が上限値に達しているため、当該始動入賞は作動保留球の獲得の契機とならず、後行の2割込み目の処理にて作動保留球が1減算(保留消化)されて、変動パターンの選択時に作動保留球数は3個の状態となる。そのため、変動パターンテーブル選択用テーブルには、作動保留数「0」〜「3」を規定すれば足りることになる。
また、上述の実施形態では、説明を省略したが、ぱちんこ遊技機PMでは、サブ制御基板200側で、大当り終了時や装飾図柄の変動終了時に所定のデクリメントタイマをセットして、装飾図柄の変動待機中の時間を監視し、当該タイマが「0」となったところで、演出表示装置70上で客待ちの待機デモ演出を表示するように構成している。すなわち、待機デモ演出をサブ制御基板200側の管理で実行している構成となっている。一方、この構成を変形して、メイン制御基板100側で特別図柄の変動待機時間を監視して、当該変動待機時間が所定の閾値を超えたときに、待機デモ演出の開始を指示する演出制御コマンドを生成して、これをサブ制御基板200に送信する構成、すなわち、待機デモ演出をメイン制御基板100側の管理で実行する構成としてもよい。
上述の実施形態では、第1特別図柄側の処理と第2特別図柄側の処理として、例えば、特別図柄変動開始監視制御処理(図15〜図18)や、特別図柄制御処理(図19〜図23)を参照しても分かるように、変動対象となる特別図柄側のテーブル(特別図柄変動開始監視テーブル又は特別図柄制御テーブル)をセットして、各処理で使用される各種テーブルやRAM記憶領域のアドレスを第1特別図柄と第2特別図柄とでオフセットすることで、共通のプログラムを使用している。一方、この構成の変形例として、第1特別図柄側の処理と第2特別図柄側の処理とを互いに異なる独立した処理(別のプログラム)として構成してもよい。ここで、前者を採用する場合にはプログラム容量を削減できるという点で効果があり、後者はオフセット等の処理が不要なため処理速度を高めることができるという点で効果がある。
上述の実施形態では、特別図柄の変動開始条件が成立して、作動保留球が消化されたときに、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を順に取得する構成となっているが、この構成に限定されるものではない。ここで、特別図柄変動パターン乱数値は、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、とは異なり、条件装置の作動および特別電動役物の作動に係る乱数でないため、特別図柄の変動パターンの選択時に当該乱数値を取得するようにしてもよい。この構成によれば、保留消化時から変動パターン選択時までの間、当該乱数値をメイン情報記憶手段180の各判定領域に格納しておく必要がなくなるので、プログラム容量の削減を図ることができる。
上述の実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の双方に作動保留球が存在する場合でも、作動保留球数が消化されるのはいずれか一方の特別図柄であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に当否抽選や図柄変動等が行われることのない、いわゆる直列の機種になっている。一方、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して当否抽選や図柄変動等が行われる、いわゆる並列の機種を採用してもよい。この並列の機種によれば、特別図柄の変動開始条件に、相手側の特別図柄の動作状態(つまり変動待機中であること)を条件にいれる必要がなくなるため、メイン制御基板100にかかる処理負担が軽減される。なお、この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することもあるため、上述の特別図柄制御処理(S65)等は第1特別図柄と第2特別図柄とで処理を分ける必要がある。また、この並列の機種において、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄側の当否抽選の際に、他方の特別図柄側の当否抽選の結果が大当り又は小当りに該当している場合には、一方の特別図柄の当否抽選は実行されず留保される。
上述の実施形態では、特別遊技のラウンド数として16Rおよび12R(ラウンド遊技の最大開放時間30秒)と2R(ラウンド遊技の最大開放時間0.05秒)とに振り分ける構成を例示して説明したが、いわゆるラウンド振り分けの態様はこれに限定されるものではない。例えば、特別遊技のラウンド数を同一としながらも大入賞口64の作動パターンを異ならしめて、大入賞口64のトータルの開放時間が異なるような複数種の特別遊技を設けてもよい。具体的には、ラウンド遊技の最大開放時間が常に長時間(30秒)である16R特別遊技と、ラウンド遊技の最大開放時間が最初の幾つかのラウンドは長時間(30秒)で残りのラウンドは短時間(0.05秒)である16R特別遊技と、を設けてもよい。
上述の実施形態では、第1始動口61と第2始動口62とを遊技領域PAの略中央に上下に並べて配置した構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技領域における相対的に左側に第1始動口を配置し、相対的に右側に第2始動口を配置することにより、二つの始動口への入球を打ち分け可能な構成としてもよい。
上述の実施形態では、1割込み目の処理で特別図柄の変動開始条件が成立したことを判定した場合に、2割込み目の処理で特別図柄の変動を開始させる処理を実行しているが、この構成に限定されるものではなく、3割込み目以降の処理で特別図柄の変動を開始させる処理を実行するようにしてもよい。