<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機10の正面図である。
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン(操作部)25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置(変動表示装置)41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。つまり、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの結果が特別な結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段として機能する。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図4及び図5に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図6に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図4に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図5のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図5のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(第4出力ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、先ずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する期間の時間値(出力タイマ初期値)をセキュリティ信号制御タイマ領域に設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図6に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図6のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(開閉枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ12bや振動センサスイッチ12cからの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図7に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
なお、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細については後述する。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。なお、特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図8に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図9に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(ステップA205)、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブ(ステップA221)する。
ここでセーブされた一組の大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3が、1個の始動記憶となる。従って、遊技制御装置100は、始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に、所定の乱数を抽出し、該乱数を変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段として機能することになる。
この後、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA223)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA224;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA225)、コマンド設定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA224;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図10に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA232にて、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)は、始動記憶として記憶される大当り乱数から、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を判定する大当り判定処理(ステップA233)を行う。従って、遊技制御装置100は、前記始動入賞記憶手段により始動記憶に対応して記憶される乱数を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行よりも前に判定する事前結果判定手段として機能することになる。
そして、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
続けて、ステップA238では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図11に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図12に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA303)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA304)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA305)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA306)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA307)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA308)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA309)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA310)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA311)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図13に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
以下に、図12に示した特図1変動開始処理における、後半変動パターン設定処理(ステップA330)、変動パターン設定処理(ステップA331)、変動開始情報設定処理(ステップA332)の各々について説明する。
なお、図13に示した特図2変動開始処理における、後半変動パターン設定処理(ステップA350)、変動パターン設定処理(ステップA351)、変動開始情報設定処理(ステップA352)の各々は、特図1変動開始処理における、後半変動パターン設定処理(ステップA330)、変動パターン設定処理(ステップA331)、変動開始情報設定処理(ステップA332)の各々と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
〔後半変動パターン設定処理〕
まず、上述の特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA309)の詳細について説明する。
図14に示すように、後半変動パターン設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA341)を行う。
次に、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターンがはずれ図柄パターンであるか否かをチェックして(ステップA342)、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである(ステップA343;Yes)と判定すると、設定対象の変動選択グループ情報1から保留数ポインタをロードした後(ステップA344)、当該保留数ポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出し、変動グループ選択テーブルとして準備する処理(ステップA345)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、2バイト(複数バイト)で構成された変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA346)、ステップA455にてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA347)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA348)を行う。
また、ステップA343にて、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでない(ステップA343;No)と判定されると、処理をステップA346に移行して、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA346)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA347)を行う。
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA348)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップA349)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップA350)を行う。
そして、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップA351)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップA352)、後半変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA310)の詳細について説明する。
図15に示すように、変動パターン設定処理では、まず、対象の前半変動グループ情報領域から前半変動グループ情報をロードし(ステップA361)、前半変動グループ情報に対応する前半変動グループテーブルのアドレスを算出する(ステップA362)。
次に、対象の領域から後半変動番号をロードし(ステップA363)、算出後のテーブルを用い、後半変動番号に対応するアドレスを算出する(ステップA364)。そして、後半変動番号がリーチなし変動の番号かチェックし(ステップA365)、リーチなし変動の番号であると判定された場合(ステップA366;Yes)は、対象の前半変動情報1領域から前半変動情報1をロードし(ステップA367)、ステップA369へ移行する。また、リーチなし変動の番号でないと判定された場合(ステップA366;No)は、対象の前半変動情報2領域から前半変動情報2をロードし(ステップA368)、ステップA369へ移行する。
ステップA369では、算出後のテーブルを用い、前半変動情報に対応するアドレスを算出し(ステップA369)、算出後のアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備する(ステップA370)。続けて、対象の領域から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA371)。そして、振り分け処理(ステップA372)を行い、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得し、準備して(ステップA373)、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA311)の詳細について説明する。
図16に示すように、変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA381)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA382)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA383)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA384)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA385)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップ386)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA387)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA388)、前半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA389)、コマンド設定処理を行う(ステップA390)。そして、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA391)、コマンド設定処理を行う(ステップA392)。
その後、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA393)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA394)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA395)。そして、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA396)、コマンド設定処理を行う(ステップA397)。その後、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA398)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA399)、変動開始情報設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図17に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA501)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA502)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA503)、大当りである(ステップA504;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA510)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA511)、ステップA512に処理を移行する。
一方、ステップA504にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA504;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA505)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA506)を行う。
続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA507)、大当りである(ステップA508;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA509)、ステップA512に処理を移行する。
そして、上述したステップA509における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA511における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA512)を行う。
次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得した後、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA513)。続けて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得した後、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA514)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA515)、コマンド設定処理(ステップA516)を行う。
続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA517)、コマンド設定処理(ステップA518)を行う。
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA519)、コマンド設定処理(ステップA520)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブした後(ステップA521)、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA522)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA523)。
その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA524)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA525)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA526)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。
一方、ステップA508にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA508;No)と判定すると、図18に示すように、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置37の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する処理(ステップA527)を行う。
ここで、遊技状態が時短状態でない(ステップA527;No)と判定すると、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA528)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA527にて、遊技状態が時短状態である(ステップA527;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後(ステップA529)、当該更新後の時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA530)を行う。
ここで、時間短縮変動回数が0でない(ステップA530;No)と判定すると、処理をステップA528に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA530にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA530;Yes)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数(例えば、100回)の実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA531)、コマンド設定処理(ステップA532)を行う。
次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA533)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
<演出制御装置>
次に演出制御装置300の構成および、演出制御装置300において実行される制御処理について説明する。
まず、図19を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えばムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aへの操作入力や上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路(操作入力検出手段)336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。従って、演出制御装置300は、変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段として機能することになる。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理を行う。
また、演出制御装置300は、演出ボタン25への操作入力を表示装置41の表示内容に反映させる処理を行う。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図20に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成するボタン操作入力処理(ステップB19)を行う。このボタン操作入力処理(ステップB19)の詳細については後述する。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図21には、1stメイン処理(図20参照)における1stシーン制御処理(ステップB22)のフローチャートを示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否かや変動パターン情報など)に基づき演出(演出パターンや演出時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。なお、変動中処理(ステップB71)の詳細については後述する。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態又は特定遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態又は特定遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。この保留数コマンド受信処理(ステップB77)の詳細については後述する。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。なお、先読みコマンド受信処理(ステップB78)の詳細については後述する。
その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。なお、確率情報コマンド受信処理(ステップB79)では、確率情報コマンドとして、時短状態の開始、終了に関する情報や、特殊遊技状態の開始、終了に関する情報、大当りや小当り終了時の遊技状態に関する情報などを受信する。
〔保留数コマンド受信処理〕
図22には、1stシーン制御処理(図21参照)における保留数コマンド受信処理(ステップB77)のフローチャートを示した。この保留数コマンド受信処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを確認し(ステップB131)、飾り特図保留数コマンドを受信したかを判定する(ステップB132)。そして、飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB132;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB132;Yes)は、オーバーフローコマンドであるかを判定する(ステップB133)。
そして、オーバーフローコマンドである場合(ステップB133;Yes)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、オーバーフローコマンドでない場合(ステップB133;No)は、飾り保留数コマンドの対象が特図1であるか否かを判定(ステップB134)する。ここで、対象が特図1である場合、すなわち第1始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合(ステップB134;Yes)は、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得(ステップB135)し、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB136)。そして、差分を算出して特図1保留数記憶領域の値を更新(ステップB137)し、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定(ステップB138)して、保留変化情報の有無を判定(ステップB143)する。
この保留変化情報は、対象の始動記憶に対応する保留表示(始動記憶表示)の表示態様が、特図変動表示ゲーム開始毎に変化(連続変化)することを示す情報である。ここで、保留変化情報がない場合(ステップB143;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。一方、保留変化情報がある場合(ステップB143;Yes)は、保留表示の表示変化のパターンや変化タイミング等を示す保留表示変更情報を設定(ステップB144)して、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、飾り保留数コマンドの対象が特図2である場合(ステップB134;No)、すなわち第2始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得し(ステップB139)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB140)。次に、差分を算出して特図2保留数記憶領域の値を更新し(ステップB141)、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定して(ステップB142)、ステップB143に進む。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図23に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB201)を行い、RAMを0クリアして(ステップB202)、RAMの初期値を設定する(ステップB203)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB204)を行い、各種割込みを許可する(ステップB205)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB206)を行い、画面描画を許可する(ステップB207)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB208)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB209)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB209)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB209;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB210)、通常ゲーム処理(ステップB211)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB208)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図24には、2ndメイン処理(図23参照)における通常ゲーム処理(ステップB211)のフローチャートを示した。通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB221)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB221)では、1stCPU311から送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、次の2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB222)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB222)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB223)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB224)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示、すなわち、保留数の増減や遊技状態などに応じて表示装置41に表示される飾り特図保留数の表示を変化させる設定を行う保留表示処理(ステップB225)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB226)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB227)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
〔保留表示処理〕
図25には、通常ゲーム処理(図24参照)における保留表示処理(ステップB225)のフローチャートを示した。この保留表示処理では、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB231)。そして、保留数表示データがない場合(ステップB232;No)は、保留表示処理を終了する。また、保留数表示データがある場合(ステップB232;Yes)は、特定始動記憶(詳細後述)に対応する特定保留表示(例えば、図26(a)のm4で示すボタン型の保留表示)を表示する場合に設定される特定保留表示情報があるかをチェックする(ステップB233)。
特定保留表示情報がない場合(ステップB234;No)は、通常保留表示設定処理を行い(ステップB236)、保留表示処理を終了する。通常保留表示設定処理(ステップB236)では、始動記憶数の増減に伴う通常保留表示(例えば図26(a)のm1〜m3で示す白丸)を表示するための設定を行う。また、特定保留表示情報がある場合(ステップB234;Yes)は、特定保留表示設定処理を行い(ステップB235)、保留表示処理を終了する。特定保留表示設定処理(ステップB235)では、特定保留表示を初めから表示する、或いは、通常保留表示を特定保留表示に変更する設定を行う。
〔演出例〕
この後も、主制御用マイコン311によって実行される制御についての説明を続けるが、その前に、図26を参照して特定ボタン操作演出の概要について説明する。特定ボタン操作演出は、演出ボタン25の操作態様(操作タイミング、操作回数等)を、操作時に実行されている特図変動表示ゲームの後に実行される特図変動表示ゲームに関る演出(保留表示や変動中の演出)に反映させる演出である。
特図変動表示ゲームの実行中、表示装置41の表示領域41a中央部には、特別図柄が変動表示され、表示領域41a下部には、始動記憶に対応する保留表示が表示される。始動記憶が複数存在する場合は、左から順に先に発生したものとなるよう保留表示が横一列に並べて表示されるようになっている。
図26(a)に示すように、始動記憶が複数(2つ以上、ここでは3つ)存在し、対応する保留表示m1〜m3が表示されている状態で、信頼度が所定以上のリーチが発生すると先読み判定された新たな始動記憶(以下、特定始動記憶)が発生した場合には、対応する保留表示(以下、特定保留表示)m4が、演出ボタン25をかたどり、演出ボタン25の操作が可能な状態であることを示す表示態様(例えば、文字(PUSH等)や動作(上下動)を伴った態様、以下、ボタン操作可能態様と称する)で表示されて、特定ボタン操作演出の開始となる。
この特定保留表示m4が表示されると、同時に操作有効期間メーターTが表示領域41a(例えば保留表示m1〜m4の下方)に表示される。この操作有効期間メーターTは、表示開始直後から表示値(黒く塗りつぶされた部分)を最大値の状態から最小値(0)になるまで一定の速度で減少させていくことにより、演出ボタン25の操作を演出に反映させることが可能(操作が有効)な期間(以下、操作有効期間と称する)が開始されてからの経過時間(当該期間が終了するまでの残存時間)を可視化して表示するものである。表示値が最小値になると演出ボタン25の操作がなされても、無効な操作として演出に反映されなくなる。
操作有効期間は、特定始動記憶の発生から当該特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始までの期間内で設定可能で、本実施形態では、この設定可能期間全てを操作有効期間としている。すなわち、既存始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが全て終了するときに操作有効期間メーターTの表示値が最小値(0)になる。特定始動記憶の発生時における既存始動記憶の数は一定ではないので、始動記憶の数が多ければ表示値の減少スピードが下がって操作有効期間は長くなり、始動記憶の数が少なければ減少スピードが上がって操作有効期間は短くなる。なお、メーターの減少スピードを変化させず、操作有効期間メーターTの長さ(表示値の最大値)を変えることで操作有効期間の長さを変化させるようにしてもよい。
操作有効期間メーターTが表示されている間、すなわち、操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を1回だけ操作する(押す)と、図26(b)に示すように、特定保留表示m4の表示態様が、第1先読み予告態様(ここでは星)に変化し、特定始動記憶に基づいて実行される特図変動表示ゲームで大当りになる可能性(信頼度)が報知される。本実施形態の表示装置41に表示される保留表示の先読み予告態様には、図27に示すように複数の種類がある。具体的には、信頼度の低いほうから順に、第1先読み予告態様(星)、第2先読み予告態様(月)、第3先読み予告態様(惑星)、第4先読み予告態様(太陽)の4種類がある。
特定保留表示m4の表示態様がボタン操作可能態様から先読み予告態様に変化すると、操作有効期間メーターTの表示値の減少はその時点で停止する。
実行中であった特図変動表示ゲームが終了すると、図26(c)に示すように、最先の既存始動記憶が消化されて保留表示m1が表示領域41aから消え、後に続く保留表示m2〜m4が左方へ移動する。また、操作有効期間メーターTも表示領域41aから消える。そして、既存始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。すると、第1先読み予告態様で表示されている保留表示m4の表示態様が第2先読み予告態様(月)に変化して、特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの信頼度が上昇する。
この後、既存始動記憶に基づく新たな特図変動表示ゲームが開始される毎に、特定保留表示m4の表示態様は、図26(d)、(e)に示すように、第3先読み予告態様(惑星)、次いで第4先読み予告態様(太陽)と順次変化していく。そして、図26(e)に示すように、既存始動記憶が全て消化され、特定保留表示m4のみが表示されるようになった時点で、特定保留表示m4が示す信頼度が最終的に確定する。なお、本実施形態では、先読み予告態様の特定保留表示を、常に図27に示した「通常」状態(保留表示を静止させた状態)で表示するようにしたが、既存始動記憶がまだ残っており特定保留表示の表示態様が変化する可能性が残っている場合(図26(b)〜(d)に示す状態)は「未確定」状態(保留表示が回転する状態)で表示し、既存始動記憶が無く特定保留表示の表示態様がこれ以上変化しないことが確定した場合は「確定」状態(静止する保留表示を枠で囲んだ状態)で表示することにより、この先、信頼度が変化する可能性が有るか否かを明確にするようにしてもよい。
なお、特定ボタン操作演出は、ボタン操作のタイミングが早いか遅いかによって、その内容が変化するようになっている。図28には、演出ボタン25の操作タイミングを図26に示した場合よりも遅らせたときの特定ボタン操作演出の流れについて示した。
図28(a)に示すように、特定保留表示m4が表示されても、演出ボタン25を一度も押さずにいると、特定保留表示m4の表示態様がボタン操作可能態様のまま、特図変動表示ゲームが進行していく。
図28(b)に示すように、既存始動記憶が一つ消化されたところで演出ボタン25を1回だけ操作すると、図28(c)に示すように、特定保留表示m4の表示態様が、第1先読み予告態様(星)に変化する。そして、新たな特図変動表示ゲームが開始される毎に、特定保留表示m4の表示態様が、図27(d)、(e)に示すように、第2先読み予告態様(月)、次いで第3先読み予告態様(惑星)と順次変化していく。この例では、残りの既存始動記憶が2つの時点で演出ボタン25の操作を行ったので、信頼度の上昇も2段階までとなり、特定保留表示m4の表示態様が最も高い信頼度を示す第4先読み予告態様(太陽)よりも一段階低い第3先読み予告態様(惑星)となったところで確定する。
また、本実施形態の遊技機10は、操作有効期間を設定する際、タイミング判定期間を、操作有効期間の開始から、操作有効期間の長さを超えない範囲で設定するようになっている。ここでは、その範囲を、特定始動記憶の発生(操作有効期間のスタート)時に記憶されている既存始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが2回実行し終えるまでの間としている。演出ボタン25の操作がこのタイミング判定期間内になされれば操作タイミングが早いと判定され、タイミング判定期間経過後になされれば遅いと判定される。図29には、演出ボタン25の操作がタイミング判定期間経過後となったときの特定ボタン操作演出の流れについて示した(図26,28に示した演出例は、タイミング判定期間内に演出ボタン25の操作が行われた場合を示したもの)。
図29(c)に示すように、特定保留表示m4が表示されてからタイミング判定期間が経過したところで演出ボタン25を1回操作すると、図29(d)に示すように、特定保留表示m4の表示態様が第1先読み予告態様(星)に変化する。その後も、図29(e)に示すように、既存始動記憶に基づく新たな特図変動表示ゲームが実行されるが、保留表示m4の表示態様は、第1先読み予告態様のままこれ以上変化せず、最終的な信頼度が確定する。
なお、本実施形態では、操作有効期間開始から既存始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが2回実行されるまでをタイミング判定期間として設定したが、1回または3回実行されるまでとしてもよいし、既存特定始動記憶の発生から所定時間(秒)をタイミング判定期間とし、特図変動表示ゲームの途中で終了するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ある程度信頼度が高い場合のみを特定始動記憶とし、保留先読み予告を発生可能としているので、保留の表示態様が信頼度の高いものに変化した後、高い確率で信頼度の高いリーチが発生することになり、保留表示と演出内容に相関関係ができる。なお、特定始動記憶となるための信頼度を低めに設定しておき、信頼度があまり高くない特定始動記憶が発生した場合に、既存始動記憶が残っていても保留表示の表示態様の変化がこれ以上なされないようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技者が演出ボタン25の操作を不必要に繰り返した(演出ボタン25を連打した)場合に、不適切なボタン操作として遊技者にペナルティを与えるようになっている。図30,31には、特定ボタン操作演出中に不適切なボタン操作を行った場合の特定ボタン操作演出の流れについて示した。
操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を1回だけ操作すると、図30(b)に示すように、特定保留表示m4の表示態様が、第1先読み予告態様(星)に変化するとともに操作有効期間メーターTの表示値の減少が止まる。このため、遊技者には演出ボタン25の操作有効期間がこの時点で終了したように見えるが、本実施形態の遊技機10は、操作有効期間中に演出ボタン25の操作が行われた後も設定した期間を経過するまで操作有効期間の設定を継続するようになっている。また、この遊技機10は、操作有効期間の開始前に演出ボタン25のボタン操作を許容する上限回数(ここでは5回)を設定し、操作有効期間中に検出された演出ボタン25の操作をカウントするようになっている。
このため、保留表示が第1先読み予告態様に変化し、遊技者が更なる演出の変化を期待して演出ボタン25を複数回繰り返し操作すると、その操作回数が所定の上限回数(5回)になるまでは何も変化しないが、上限回数を超える(6回目が押される)と、不適切なボタン操作とみなされ、図30(c)に示すように、第1先読み予告態様で表示されていた特定保留表示に異変が起きる(例えば爆発する)。そして、特定保留表示m4自体は消えずに残るものの、その表示態様は、先読み結果を予告報知しない通常表示態様(白丸)に変化してしまう。この後、次の既存始動記憶に基づく新たな特図変動表示ゲームが開始されても通常表示態様に戻った特定保留表示m4の表示態様が変化することはない。
また、図31(a)に示すように、特定始動記憶が発生し、図31(b)、(c)に示すように、新たな特図変動表示ゲームが2回繰り返されて、特定保留表示m4の表示態様が第2先読み予告態様(月)となったところで演出ボタン25を複数回繰り返し操作すると、図30に示した場合と同様に、特定保留表示m4に異変が起こる(爆発する)。この場合も、保留表示m4自体は消えずに残るものの、その表示態様は、信頼度が1段階低い第1先読み予告態様(星)に変化する。なお、図示は省略したが、この第1先読み予告態様の状態で演出ボタン25を更に複数回繰り返し操作すると、特定保留表示m4の表示態様は第1先読み予告態様から通常表示態様に変化する。信頼度を下げる際は、そのときの特定保留表示が何段階目の先読み予告態様で表示されているかに応じて、一気に2段階以上変化させるようにしてもいいし、はじめから通常表示態様に変化させるようにしてもよい。
以上、図26〜31に示したように、特定ボタン操作演出では、演出ボタン25の操作タイミングによって、特定保留表示の表示態様が信頼度の高い先読み予告態様への変化の仕方が変化し、演出ボタン25を連打することによって、特定保留表示が示す信頼度が低下、或いは信頼度を報知しなくなる。つまり、操作有効期間に検出した演出ボタン25の操作態様に基づいて、特定始動記憶に関わる表示演出の内容を決定している。
なお、図示は省略したが、保留表示が表示されている間に演出ボタン25の操作をしない場合は、保留表示の表示態様は変化せず、そのまま消化される。また、前の始動記憶の消化タイミングで演出ボタン25を操作した場合、当該保留表示が移動した後に変化する。このため、表示態様の変化が移動させながら行う場合よりも分かりやすい。
次に、上記の特定ボタン操作演出を行うための具体的制御について説明する。ここでは、上記演出の流れに沿って、特定ボタン操作演出の開始前に1stシーン制御処理(図21参照)において行われる先読みコマンド受信処理(ステップB78)、特定ボタン操作演出の実行中に1stメイン処理(図20参照)において行われるボタン操作入力処理(ステップB19)、特定ボタン操作演出の実行中および終了時に1stシーン制御処理において行われる変動中処理(ステップB71)の順で説明していく。
〔先読みコマンド受信処理〕
図32には、1stシーン制御処理(図21参照)における先読みコマンド受信処理(ステップB78)のフローチャートを示した。この先読みコマンド受信処理は、始動記憶が発生してから対応する保留表示が表示されるまでの間、すなわち、特定ボタン操作演出の開始前に行われる処理である。
先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンドを受信したか否かを判定(ステップB151)し、受信していない場合(ステップB151;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、先読みコマンドを受信した場合(ステップB151;Yes)は、当該先読みコマンドに含まれる先読み情報を演出制御装置300の対応する保留記憶領域にセーブ(ステップB152)し、対象の始動記憶が特定始動記憶であるか否かを判定(ステップB153)する。
本実施形態では、対象の始動記憶が特定始動記憶であるか否かを、対象の始動記憶が発生した時点で既に2つ以上既存始動記憶が存在し、かつ、対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの後半変動パターンが所定以上の信頼度を示すものであるか否かで判定している。ここで、特定始動記憶ではない場合(ステップB153;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、特定始動記憶である場合(ステップB153;Yes)は、先読み情報に基づいて対応する保留表示をボタン操作可能態様で表示するための特定保留表示情報を設定(ステップB154)する。
そして、操作有効期間が終了するまでにどの段階の先読み予告態様まで到達可能かを示す保留表示変化可能パターンを、既存始動記憶数および先読み結果に応じて決定(ステップB155)し、先読み保留表示変化可能フラグをセット(ステップB156)する。この先読み保留表示変化可能フラグは、操作有効期間内に演出ボタン25の操作がなされれば、対応する保留表示の表示態様を変化させることが可能である、すなわち、対応する保留表示がボタン操作可能態様となっていることを示すフラグである。そして、既存始動記憶の数や変動時間に基づいて演出ボタン25の操作有効期間を設定(ステップB157)し、先読みコマンド受信処理を終了する。
この処理により、発生した始動記憶が特定ボタン操作演出を実行するための条件を満たしているか否か(特定始動記憶であるか否か)が判定され、条件が満たされていれば、当該始動記憶に対応する保留表示の表示態様が先読み予告態様に変化可能なボタン操作可能態様に設定される。
〔ボタン操作入力処理〕
図33には、1stメイン処理(図20参照)におけるボタン操作入力処理(ステップB19)のフローチャートを示した。このボタン操作入力処理は、特定ボタン操作演出の実行中に行われる処理である。
ボタン操作入力処理では、まず、演出ボタン25の操作が操作有効期間内になされたかをチェック(ステップB31)し、操作有効期間内になされていない場合(ステップB32;No)は、ボタン操作入力処理を終了する。一方、操作有効期間内になされた場合(ステップB32;Yes)は、演出ボタン25からの操作入力があったかをチェック(ステップB33)する。ここで、操作入力がなかった場合(ステップB34;No)は、ボタン操作入力処理を終了する。一方、操作入力があった場合(ステップB34;Yes)は、対象の始動記憶に先読み保留表示変化可能フラグが立てられているか否か、すなわち、対象の始動記憶に対応する保留表示の表示態様がボタン操作可能態様であるか否かを判定(ステップB35)する。従って、演出制御装置300は、操作入力検出手段により、操作部の操作が操作有効期間内で設定される所定期間中に検出されたか否かを判定する操作時点判定手段として機能することになる。
ステップB35で、先読み保留表示変化可能フラグが立てられている場合(ステップB35;Yes)は、対応する保留表示の表示態様を第1先読み予告態様に変化させるための先読み保留表示変化処理(ステップB36)を行って、ボタン操作入力処理を終了する。なお、先読み保留表示変化処理の詳細については後述する。一方、先読み保留変化可能フラグが立てられていない場合(ステップB35;No)は、先読み保留表示変化フラグの有無を判定(ステップB37)する。この先読み保留表示変化フラグは、対象の始動記憶に対応する保留表示の表示態様が先読み予告態様となっていることを示すフラグである。ステップB37で、先読み保留表示変化フラグが立てられていない場合(ステップB37;No)は、特定ボタン操作演出に関係しない始動記憶ということで、対応する状態に基づく通常ボタン操作演出設定処理(ステップB38)を行って、ボタン操作入力処理を終了する。この通常ボタン操作演出設定処理は、特定ボタン操作演出でない通常の(演出ボタン25の操作態様が実行中の演出に反映される)ボタン操作演出を行うための設定を行う。
ステップB37で、先読み保留表示変化フラグが立てられている場合(ステップB37;Yes)は、連打判定カウンタを−1更新(ステップB39)する。この連打判定カウンタは、操作有効期間において演出ボタン25が操作される毎に、操作を許容する回数をカウントダウンしていくものである。この操作を許容する回数の初期値は保留表示変化処理(ステップB36)で設定される。そして、この連打判定カウンタのカウンタ値が0になったか否かを判定(ステップB40)し、0になっていない場合(ステップB40;No)は、ボタン操作入力処理を終了する。一方、連打判定カウンタのカウンタ値が0になった場合(ステップB40;Yes)は、ペナルティ処理(ステップB41)を行って、ボタン操作入力処理を終了する。従って、演出制御装置300は、操作入力検出手段が検出した操作有効期間における操作部の操作が所定回数を超えたか否かを判定する操作回数判定手段として機能することになる。
ステップB41のペナルティ処理では、対象の始動記憶に対応する保留表示の表示態様が第2先読み予告態様(月)以上の信頼度を報知するものであれば、その表示態様を一段階低い先読み予告態様に変更し、第1先読み予告態様(星)であれば、その表示態様を通常保留表示態様(ここでは白丸)に変更するとともに、先読み保留表示変化フラグをクリアする。
この処理により、ボタン操作可能態様の特定保留表示が表示されることで開始される操作有効期間に演出ボタン25の操作があった場合は、特定保留表示の表示態様を、ボタン操作可能態様から、先読み予告態様に変化する。また、特定保留表示が先読み予告態様となっているときに演出ボタンの不適切な操作を行ってしまうと、ペナルティとして先読み予告の信頼度が下がる、或いは、先読み予告が終了する。つまり、この処理は、特定保留表示の表示態様を、操作時点判定手段および操作回数判定手段の判定結果に応じて変更するものである。
〔先読み保留表示変化処理〕
図34には、ボタン操作入力処理(図33参照)における先読み保留表示変化処理(ステップB36)を示した。この先読み保留表示変化処理では、まず、対象の始動記憶に対応する保留表示の表示態様を第1先読み予告態様(星)に変更(ステップB51)し、先読み保留表示変化可能フラグをクリア(ステップB52)する。そして、先読み保留表示変化フラグをセット(ステップB53)し、連打判定カウンタに初期値(5)をセット(ステップB54)する。
そして、演出ボタン25の操作入力がタイミング判定期間内になされたか否かを判定(ステップB55)し、タイミング判定期間内になされていない場合(ステップB55;No)は、先読み保留表示変化処理を終了する。一方、タイミング判定期間内になされた場合(ステップB55;Yes)は、保留表示の表示態様を連続変化させるか否か、すなわち、第2先読み予告態様以降の信頼度の高いものに更に変化させるか否かをチェック(ステップB56)する。ここで、連続変化させない場合(ステップB57;No)は、先読み保留表示変化処理を終了する。一方、連続変化させる場合(ステップB57;Yes)は、対応する保留記憶領域に保留表意変化可能パターンに応じた保留変化情報をセット(ステップB58)して、先読み保留表示変化処理を終了する。
〔変動中処理〕
図35には、1stシーン制御処理(図21参照)における変動中処理(ステップB71)のフローチャートを示した。この変動中処理は、特定ボタン操作演出の実行中および終了時に行われる処理である。
変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリア(ステップB92)する。そして、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行い、各種期間を演出制御装置300で管理する変動回数管理処理(ステップB94)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB95)を行う。この変動パターン情報設定処理の詳細については後述する。そして、乱数シード初期化処理(ステップB96)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB97)。
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、モード状態についても遊技制御装置100から送信された情報に基づきシーンシーケンステーブルに設定される。ただし、演出制御装置300が単独で演出状態を決定して設定する場合もある。その後、飾り特図変動表示ゲームの変動時間(演出時間)を設定する変動時間設定処理(ステップB98)を行い、演出リクエストフラグをクリア(ステップB99)して、変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップB100)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB100;No)は、変動中処理を終了する。一方、更新タイマの値が0である場合(ステップB100;Yes)は、次シーンデータの設定処理(ステップB101)を行う。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
その後、最終シーンであるか否かを判定(ステップB102)し、最終シーンでない場合(ステップB102;No)は、変動中処理を終了する。また、最終シーンである場合(ステップB102;Yes)は、各種フラグクリア設定処理(ステップB103)を行う。このフラグクリア設定処理では、対象の始動記憶が特定始動記憶であるか否かを見て、特定始動記憶である場合に、各種フラグ(先読み保留表示変化可能フラグ、先読み保留表示変化フラグ等)が残っていたらクリアする。そして、連打判定カウンタをクリア(ステップB104)し、飾り特図変動表示ゲームの終了を設定(ステップB105)して、変動中処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
図36には、変動中処理(図35参照)における変動パターン情報設定処理(ステップB95)のフローチャートを示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、停止図柄情報を取得(ステップB111)し、保留情報をセーブ(ステップB112)する。そして、遊技情報を取得(ステップB113)して、停止図柄を決定(ステップB114)する。そして、保留記憶領域に記憶されている演出情報を取得(ステップB115)し、遊技情報と演出情報を元にコマンドに対応する変動パターンを決定(ステップB116)して、変動パターン情報設定処理を終了する。
以上のように、本実施形態の遊技機10において、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を契機に、所定の乱数を抽出し、該乱数を変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段100により始動記憶に対応して記憶される乱数を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行よりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、操作部(演出ボタン25)への操作入力を検出する操作入力検出手段(スイッチ入力回路336)を備え、既に前記始動入賞記憶手段100に記憶されている既存始動記憶が存在する状態で、事前結果判定手段100により所定条件の成立と判定された特定始動記憶が発生した場合に、操作部25の操作入力が有効となる操作有効期間を、特定始動記憶の発生から特定始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始までの期間内で設定し、操作有効期間に検出した操作部25の操作態様に基づいて、特定始動記憶に関わる表示演出の内容を決定するようにしている。
従って、既存始動記憶が存在する状態で特定始動記憶が発生した場合に、既存始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行中に設定される操作有効期間において操作部25がどのように操作されたかに応じて、既存始動記憶より後に記憶されている特定始動記憶に関わる表示演出が異なってくる。つまり、操作部25を操作しても、操作時に実行中の既存始動記憶に基づく変動表示ゲームでは何も起こらないが、特定始動記憶に基づく変動表示ゲームに関る演出が実行されたときに操作部25への操作が反映されていることが初めてわかる。このため、操作部25を用いた演出を従来にないものとすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段300は、始動入賞記憶手段100に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示(保留表示)を変動表示装置(表示装置41)に表示させるとともに、当該始動記憶表示の表示態様を制御する始動記憶表示制御手段300と、操作入力検出手段336により、操作部25の操作が操作有効期間内で設定される所定期間(タイミング判定期間)中に検出されたか否かを判定する操作時点判定手段(演出制御装置300)と、操作入力検出手段336が検出した操作有効期間における操作部25の操作が所定回数を超えたか否かを判定する操作回数判定手段(演出制御装置300)と、を備え、始動記憶表示制御手段300は、操作有効期間に操作部25の操作があった場合は、特定始動記憶表示の表示態様を、操作時点判定手段300および操作回数判定手段300の判定結果に応じて変更するようにしている。
従って、特定始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に特定始動記憶表示が表示され、その表示態様が操作部25の操作タイミングや操作回数に応じて変化するので、遊技者は、既存始動記憶に基づく変動表示ゲーム実行中に行った操作部25の操作が、特定始動記憶に関わる表示演出に影響を与えていることを前もって視認することができる。
また、操作可能態様から変化する特定始動記憶表示の表示態様は、操作部25の操作タイミングおよび操作回数に応じて異なってくるので、遊技者は操作有効期間中様々な操作パターンで演出に介入することができ、遊技の興趣を高めることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の遊技機について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、本実施形態で変更した点のみ説明する。
〔演出例1〕
まず、図37,38を参照して本実施形態における特定ボタン操作演出の第1実施形態との相違点について説明する。第1実施形態では、特定始動記憶の発生と同時に操作有効期間メーターTおよびボタン操作可能態様の特定保留表示を表示し、操作有効期間の開始としていたが、本実施形態では、特定始動記憶が発生すると、直ちに操作有効期間の開始とはならず、まず、図37(a)に示すように、操作有効期間メーターTとは異なるレベルメーターLが表示領域41aの端部(ここでは左側部)に表示され、特定演出準備演出(特定ボタン操作演出に含まれる演出、詳細後述)が開始される。また、この段階で演出ボタン25の操作がなされても有効とはならないので、対応する特定保留表示m4が、ボタン操作可能態様とは異なる先読み予告態様(ここでは黒丸)で表示される。
レベルメーターLは、その表示値(レベル表示)の高低によって特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの信頼度を示すものである。レベルメーターLの初期状態は、図38(a)に示すように、表示値が中央値(ここでは6)になっており、図38(b)に示すように、表示値が中央値よりも高いほど、特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム実行中に行われる演出(以下、特定演出と称する)の信頼度が高まり、表示値が中央値よりも低いほど特定演出の信頼度が下がるようになっている。なお、レベルメーターLの表示値が最大値(ここでは12:特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合のみ到達可能)まで達すると特定演出において特典(特定画像の表示、特定音の発生、特定リーチの発生、潜伏確変報知等)が与えられ、表示値が最小値(ここでは0)まで達すると特定演出においてペナルティ(例えば、ボタン操作の演出が所定ゲーム数の間一切出なくなる、先読み予告を行わない等といった予告に関するもの、或いは、画面表示を暗くするといった遊技自体に関するもの)が与えられるようになっている。なお、本実施形態のレベルメーターLは表示装置41に表示するものとしたが、レベル表示専用の装置を開閉枠12や遊技盤30に設けるようにしてもよい。
特定始動記憶発生時に実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームが開始されると、図37(b)に示すように、操作有効期間メーターTとともに演出ボタン25の操作が可能である旨(ここでは演出ボタン25をかたどった画像B)が表示される。すなわち、本実施形態における操作有効期間およびタイミング判定期間は、その開始タイミングが第1実施形態と異なり、特定始動記憶発生後最初に消化される既存始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始からということになる。本実施形態の操作有効期間メーターTは、表示値の減少方向が反対(左から右へ減少)になっているが、第1実施形態と同様にしてもよい。
図37(b)において、操作有効期間メーターTの上下に表示されている三角形の印は、操作タイミングの判定ライン(タイミング判定期間の終点)を示している。本実施形態では、この操作タイミングの判定ラインを、図38(c)に示すように、先読み時(特定保留表示が表示される場合)と通常時(特定保留表示が表示されない、すなわち、特定ボタン操作演出以外の演出ボタン25の操作を必要とする演出を行う場合)とで異ならせており、先読み時の判定ラインの方が長くなっている。
タイミング判定期間中に遊技者が演出ボタン25を1回だけ操作すると、図37(c)に示すように、特別図柄の変動とともに変動演出(第1変動演出、特定ボタン操作演出に含まれる演出)が開始される。すると、表示領域41aに特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対する期待感を高める表示(ここでは、特別図柄の下方にキャラクタCおよびキャラクタCの台詞Sの表示)がなされる。つまり、本実施形態の特定ボタン操作演出では、レベルメーターLの表示値と変動演出の内容とによって信頼度の報知を行っている。
第1実施形態では、保留表示の表示態様が信頼度を報知する先読み予告態様に変化すると、その後新たな特図変動表示ゲームが開始される毎に当該保留表示の表示態様が自動的に変化を繰り返し信頼度が上昇するようになっていたが、本実施形態では、新たな特図変動表示ゲームが実行される毎に演出ボタン25の操作に基づいて変化するようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームの開始時に演出ボタン25の操作を行うことで、図37(d)、に示すように、レベルメーターLの表示値が増加するとともに、第2変動演出が開始される(キャラクタCの台詞Sが第1変動演出よりも期待感を高めるものに変化する)。この第2変動演出実行中に再び演出ボタン25を操作し、図37(e)に示すように、レベルメーターLの表示値が上限値(特定始動記憶の先読み判定結果が大当りの場合のみ到達可能、詳細後述)に達すると、特定演出において、図37(f)に示すように、特典(ここでは、特定画像の表示)が与えられ、大当りとなる。
図37(a)〜(e)に示したように、レベルメーターLは、特定始動記憶が発生してから特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されるまでの間、複数回の特図変動表示ゲームに跨って表示され、その間、表示値が連続的に増減するようになっている。つまり、特定演出準備演出は、特定始動記憶が発生してから特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されるまでの間、変動演出と並行して行われる演出である。
なお、本演出例では、1回の演出ボタン25の操作でレベルメーターLの表示値を2目盛り増加させたが、この増加量は一定ではなく、諸条件に応じて変化するようになっている。表示値の増加量の決定方法については後述する。
また、本演出例では図示を省略したが、特定ボタン操作演出中に演出ボタン25が連打されると、レベルメーターLの表示値が減少する。表示値が減少することは、特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの信頼度が低下することになるため、この表示値の減少はペナルティ(第1実施形態のペナルティに相当)ということになる。また、表示値が0になった場合にペナルティが課されるため、本実施形態は、第1実施形態に比べ演出ボタン25の連打に対する規制が厳しくなっているということになる。
〔演出例2〕
図39は、1回の特図変動表示ゲームの間に複数回の演出ボタン25の操作を行った場合の特定ボタン操作演出の流れについて示す図である。
図39(a)に示すように、操作有効期間中に演出ボタン25が操作されると、図39(b)に示すように、レベルメーターLの表示値が増加するとともに第1変動演出が開始される(キャラクタCが登場しその台詞Sが表示される)。ここで、特別図柄の変動が終わる前に再び演出ボタン25が操作されると、図39(c)に示すように、レベルメーターLの表示値が更に増加するとともに第2変動演出が開始される(キャラクタCの台詞Sが遊技者の期待感をより高める内容に変化する)。そして、特別図柄の変動が終わる前にもう一度演出ボタン25が操作されると、図39(d)に示すように、レベルメーターLの表示値が更に増加する(ここでは、最大値まで達する)とともに第3変動演出が開始される(キャラクタCの台詞Sが大当りを示唆する内容に変化する)。
〔演出例3〕
図40は、レベルメーターLの増加パターンを図39と異ならせた場合の特定ボタン操作演出の流れについて示す図である。
図39では、1回の特図変動表示ゲーム実行中にレベルメーターLの表示値を複数回増加させる特定演出準備演出について説明したが、本演出例に示すように、1回の特図変動表示ゲーム実行中にレベルメーターLの表示値を1回だけ増加させるようにしてもよい。
すなわち、図40(b)〜(d)に示すように、特別図柄の変動とともに第1変動演出が開始されたところで、演出ボタン25を複数回(ここでは2回)操作すると、第2、第3変動演出が開始されるが、レベルメーターLの表示値の増加は、特別図柄の変動開始から停止までの間で1回きりとしてもよい。増加させるタイミングは、第1〜第3変動演出開始の契機となる何れの演出ボタン25の操作でもよい。
以上のような演出を行うため、本実施形態の遊技機10は、演出制御装置300が実行する制御処理のうち、先読みコマンド受信処理(ステップB78)、ボタン操作入力処理(ステップB19)、変動中処理(ステップB71)、変動パターン情報設定処理(ステップB95)を以下に示すように変更している。
〔先読みコマンド受信処理〕
まず、先読みコマンド受信処理(ステップB78)の変更点について説明する。図41に示すように、本実施形態の先読みコマンド受信処理は、第1実施形態の同処理(図32参照)におけるステップB154〜B157の処理が除かれ、代わりにステップB158〜B160の処理が加えられている。
具体的には、ステップB153で、特定始動記憶が発生したと判定した場合(ステップB153;Yes)は、当該特定始動記憶の記憶領域に当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて特定演出を行うことを示す特定演出対象情報を設定(ステップB158)する。そして、当該特定始動記憶の前に記憶されている全ての既存始動記憶の記憶領域に特定演出情報を設定(ステップB159)し、当該既存始動記憶の記憶領域に当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて特定演出準備演出を行うことを示す特定演出準備フラグをセット(ステップB160)して、先読みコマンド受信処理を終了する。
この変更により、既存始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてそれぞれ特定演出準備演出(レベルメーターLの増減)が行われ、特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて特定演出(レベルメーターLの表示値に基づく演出)が行われるようになる。
〔ボタン操作入力処理〕
次に、ボタン操作入力処理(ステップB19)の変更点について説明する。図42に示すように、本実施形態のボタン操作入力処理は、第1実施形態の同処理(図33参照)におけるステップB35〜B37、B39〜B41の処理が除かれ、代わりにステップB42〜45の処理が加えられている。
具体的には、ステップB34で演出ボタン25の操作入力があったと判定した場合(ステップB34;Yes)は、特定演出準備フラグの有無を判定(ステップB42)する。ここで、特定演出準備フラグがある場合(ステップB42;Yes)は、特定演出準備処理(ステップB43)を行い、変動演出処理(ステップB44)を行って、ボタン操作入力処理を終了する。一方、ステップB42で特定演出準備フラグがないと判定した場合(ステップB42;No)は、特定演出対象情報の有無を判定(ステップB45)する。ここで、特定演出対象情報がある場合(ステップB45;Yes)は、ステップB44に進む。一方、特定演出対象情報がない場合(ステップB45;No)は、ステップB38の処理に進む。
〔特定演出準備処理〕
図43には、ボタン操作入力処理(図42参照)に追加された特定演出準備処理(ステップB43)のフローチャートを示した。この特定演出準備処理は、演出ボタン25の操作態様に基づいてレベルメーターLの表示値を増減させる特定演出準備演出を実行するための処理である。
特定演出準備処理では、まず、連打判定規制フラグの有無を判定(ステップB161)し、当該フラグがある場合(ステップB161;Yes)は、ステップB165に進む。一方、連打判定規制フラグがない場合(ステップB161;No)は、連打判定フラグの有無を判定(ステップB162)する。ここで、連打判定フラグは、演出ボタン25が連打されたことを示すもので、操作有効期間中に1回でも演出ボタン25の操作がなされると、特定演出準備演出が終了するまで立てられる。一方、連打判定規制フラグは、操作有効期間中最初の演出ボタン25の操作がなされてから演出ボタン25が上限回数操作されるまでの間立てられ、連打判定フラグを無効にする。つまり、連打判定規制フラグが立てられていれば、連打判定フラグが立てられていても演出ボタン25が連打されたとみなされない。
ここで、連打判定フラグがある場合(ステップB162;Yes)は、レベルメーターに減少量をセット(ステップB163)して、特定演出準備処理を終了する。一方、連打判定フラグがない場合(ステップB162;No)は、連打判定フラグをセット(ステップB164)して、ステップB165に進む。
ステップB165では、演出ボタン25が操作可能である旨を示す表示をクリアする。そして、特定演出情報を取得(ステップB166)し、レベルメーター情報(最大値と現状の表示値との差)を取得(ステップB167)する。そして、保留数情報を取得(ステップB168)して、レベルメーターLの最大増加量を決定(ステップB169)する。
ここで、図44,45を用いて、ステップB169におけるレベルメーターLの最大増加量の決定方法について説明する。図40に示したように、1回の変動表示ゲームが実行される間に1回レベルメーターLの表示値を増減させる場合、ステップB169の処理では、まず、レベルメーターLの最大値までの残り目盛り数、既存始動記憶数(何れも図44参照)に基づいて、演出制御装置300に複数記憶されている増加パターンの中から何れかを選択する。例えば、図44に示したように、最大値までの残り目盛り数が6、既存始動記憶数が3であった場合は、図45(a)〜(g)に示す増加パターンの中から選択する。ここで、図45(b)のパターン2が選択された場合、最先の既存始動記憶(保留1)に基づく特図変動表示ゲームの実行中に行われる特定演出準備演出で増加可能な表示値の上限(最大増加量)は3ということになる。また、増加パターンの中には、図45(f)に示すように、既存始動記憶を全て消化する前に表示値を最大値に到達させることが可能なパターンや、図45(g)に示すように、特定演出準備演出の途中全く表示値が増加せず、最後に一気に最大値に到達させることが可能なパターンもある。
なお、図45で示した増加パターンは特定始動記憶の先読み結果が大当りの場合に用いられるもので、演出ボタン25を適切に(早いタイミングで連打しないように)操作すれば必ずレベルメーターLが最大値になるものとなっているが、先読み結果が大当りではない場合には、適切な操作を行っても表示値が途中までしか増加しない増加パターンを用いる。こうすることで、レベルメーターLが最大値に達した場合のみ、特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるように見せることができる。
また、図39に示したように、1回の特図変動表示ゲームでレベルメーターLの表示値を複数回増加させる特定演出準備演出を行う場合は、ステップB169において、レベルメーターLの最大値までの残り目盛り数をチェックし、その残り目盛り数を超えない範囲で増加量を決定する。
ここで図43に戻る。ステップB169でレベルメーターLの最大増加量を決定したら、演出ボタン25の操作がタイミング判定期間内になされたか否かを判定(ステップB170)し、タイミング判定期間内になされた場合(ステップB170;Yes)は、レベルメーターに最大増加量をセット(ステップB171)する。一方、タイミング判定期間内になされていない、すなわちタイミング判定期間経過後になされた場合(ステップB170;No)は、レベルメーターLに通常増加量をセット(ステップB172)して、特定演出準備処理を終了する。
この処理により、演出ボタン25の操作が、タイミング判定期間内になされ、かつ、上限回数を超えていない場合には、レベルメーターLが最大増加量で増加(第1表示演出を実行)し、タイミング判定期間経過後の操作有効期間内になされ、かつ、上限回数を超えていない場合には、レベルメーターLが通常増加量で増加(第2表示演出を実行)し、上限回数を超えた場合は、演出ボタン25の操作が、タイミング判定期間内になされたか否かにかかわらずレベルメーターLの表示値が減少(第3表示演出を実行)する。従って、演出制御装置300は、既存始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行中に、操作時点判定手段および前記操作回数判定手段の判定結果に応じてレベル表示を増減させる特定演出準備演出を実行する特定演出準備演出実行手段として機能することになる。
〔変動演出処理〕
図46には、ボタン操作入力処理(図42参照)に追加された変動演出処理(ステップB44)のフローチャートを示した。この変動演出処理は、演出ボタン25の操作態様に基づいて変動演出(キャラクタCおよび台詞Sを表示する演出)を実行するための処理である。
変動演出処理では、まず、実行中の特定演出準備演出における演出ボタン25の操作が1回目であるか否かを判定(ステップB181)し、1回目である場合(ステップB181;Yes)は、当該変動情報を取得(ステップB182)する。そして、当該変動の結果に基づいて第1変動演出を表示(ステップB183)する。
ここで、図47には、演出ボタン25の操作が2回許容された(第3変動演出まで行われる)場合の変動演出のパターンの一例を示した。変動演出パターンには、特図変動表示ゲームの結果に対応して、リーチなしはずれの場合に用いるはずれパターン群、リーチありはずれの場合に用いるリーチパターン群、大当りの場合に用いる大当りパターン群等があり、各パターン群の中に複数のパターン(ここでは3パターンずつ)がそれぞれ含まれている。第1変動演出が開始される前に実行中の特図変動表示ゲームの結果に対応するパターン群から任意のパターンを選択し、変動演出が繰り返される毎に、選択したパターンに基づいて演出内容(キャラクタCの台詞S)を変更する。
ここで図46に戻る。第1変動演出を表示(ステップB183)したら、タイミング判定期間内であるか否かを判定(ステップB184)する。ここで、タイミング判定期間内ではない場合(ステップB184;No)は、変動演出処理を終了する。一方、タイミング判定期間内である場合(ステップB184;Yes)は、連打判定規制フラグをセット(ステップB185)する。そして、変動演出カウンタに初期値(2)をセット(ステップB186)し、ボタン操作可能表示(ステップB187)を行って、変動演出処理を終了する。
ステップB181で、操作は1回目ではない、すなわち、2回目以降であると判定した場合(ステップB181;No)は、連打判定規制フラグの有無を判定(ステップB188)する。ここで、連打判定規制フラグがない場合(ステップB188;No)は、変動演出処理を終了する。一方、連打判定規制フラグがある場合(ステップB188;Yes)は、変動演出カウンタを−1更新(ステップB189)し、演出ボタン25の操作回数に応じた変動演出を表示(ステップB190)し、変動演出カウンタの値が0になったか否かを判定(ステップB191)する。ここで、変動演出カウンタの値が0ではない場合(ステップB191;No)は、変動演出処理を終了する。一方、変動演出カウンタの値が0である場合(ステップB191;Yes)は、連打判定規制フラグをクリア(ステップB192)して、変動演出処理を終了する。
〔変動中処理〕
まず、変動中処理(ステップB71)の変更点について説明する。図48に示すように、本実施形態の変動中処理は、第1実施形態の同処理(図35参照)におけるステップB104が除かれ、ステップB102とB103の間にステップB106の処理が追加され、ステップB103で行われる処理内容が変更されている。
具体的には、ステップB102で、最終シーンであると判定した場合(ステップB102;Yes)は、変動演出情報をクリア(ステップB106)して、各種フラグクリア設定処理(ステップB103)を行う。この各種フラグクリア設定処理では、本実施形態でのみ使用する特定演出準備フラグ、連打判定フラグ、連打判定規制フラグ等もクリアされる。そして、ステップB105の処理を行って、変動中処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
次に、変動パターン情報設定処理(ステップB95)の変更点について説明する。図49に示すように、本実施形態の変動パターン情報設定処理は、第1実施形態の同処理(図36参照)におけるステップB116の処理が除かれ、代わりにステップB117〜B126の処理が加えられている。
具体的には、ステップB115の処理の後、保留記憶領域に記憶されている演出情報が特定演出対象情報であるか否かを判定(ステップB117)する。ここで、特定演出対象情報である場合(ステップB117;Yes)は、レベルメーター情報を取得(ステップB118)し、レベルメーターLの表示値が最大値に達しているか否かを判定(ステップB119)する。
ここで、表示値が最大値である場合(ステップB119;Yes)は、プレミアム変動パターンを決定(ステップB120)して、変動パターン情報設定処理を終了する。一方、レベルメーターLの表示値が最大値ではない場合(ステップB119;No)は、レベルメーターLの表示値が0であるか否かを判定(ステップB121)する。ここで、表示値が0である場合(ステップB121;Yes)は、ペナルティ変動パターンを決定(ステップB122)して、変動パターン情報設定処理を終了する。一方、レベルメーターLの表示値が0ではない場合(ステップB121;No)は、レベルメーターを参照しその表示値に応じた変動パターンを決定(ステップB123)して、変動パターン情報設定処理を終了する。
ステップB117で、保留記憶領域に記憶されているのが特定演出対象情報ではないと判定した場合(ステップB117;No)は、特定演出準備フラグの有無を判定(ステップB124)する。ここで、特定演出準備フラグがあると判定した場合(ステップB124;Yes)は、当該変動演出情報を設定(ステップB125)して、変動パターン情報設定処理を終了する。一方、特定演出準備フラグがないと判定した場合(ステップB124;No)は、遊技状態と演出情報をもとにコマンドに対応する変動パターンを決定(ステップB126)して、変動パターン情報設定処理を終了する。
この変更により、特定始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが、レベルメーターLの表示値に応じた変動パターンで実行されるようになる。従って、演出制御装置300は、特定始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行中に、レベルメーターの表示値に応じた内容の特定演出を実行する特定演出実行手段として機能することになる。
以上のように、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段300は、既存始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行中に、操作時点判定手段(演出制御装置300)および操作回数判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じてレベル表示(レベルメーターLの表示値)を増減させる特定演出準備演出を実行する特定演出準備演出実行手段(演出制御装置300)と、特定始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行中に、レベル表示に応じた内容の特定演出を実行する特定演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えるようにしている。
従って、特定始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に、操作部(演出ボタン25)の操作タイミングや操作回数に応じてレベル表示が変化し、そのレベル表示に応じて特定始動記憶に基づく変動表示ゲームの演出が変化するので、遊技者は、既存始動記憶に基づく変動表示ゲーム実行中に行った操作部25の操作が、特定始動記憶に関わる表示演出に影響を与えていることを前もって視認することができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段300は、所定期間(タイミング判定期間)を、操作有効期間の開始から、操作有効期間の長さを超えない範囲で設定し、操作部25の操作が、操作時点判定手段300によって所定期間内になされたと判定され、かつ、操作回数判定手段300によって所定回数を超えていないと判定された場合には、遊技者に有利な第1表示演出を実行(レベルメーターLの表示値を大きく増加)し、操作部25の操作が、操作時点判定手段300によって所定期間経過後の操作有効期間内になされたと判定され、かつ、操作回数判定手段300によって所定回数を超えていないと判定された場合には、第1表示演出よりも遊技者に不利な第2表示演出を実行(レベルメーターLの表示値を小さく増加)し、操作部25の操作が、操作回数判定手段300によって所定回数を超えたと判定された場合は、操作時点判定手段300の判定結果にかかわらず第2表示演出よりも遊技者に不利な第3表示演出を実行(レベルメーターLの表示値を減少)するようにしている。
従って、操作部25の操作が所定期間中に行われれば、所定期間経過後に行われた場合よりも遊技者に有利な演出が実行されるので、遊技者は早く操作部25を操作しようと積極的に遊技に参加するようになる。
また、操作部25の操作が所定回数を超えると、実行される演出が遊技者に不利なものとなってしまうので、遊技者は操作部25の操作を必要以上に多く行わなくなり、操作部25の想定以上の劣化を防ぐことができる。
また、早いうちに操作部25の操作が特定始動記憶に関する演出に反映され、操作有効期間が残ってしまっても、特定始動記憶に基づく変動表示ゲームは操作有効期間の後に行われるため、遊技者は期待感を損なうことがない。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段300は、操作部25の操作有効期間が開始されてからの経過時間または操作有効期間が終了するまでの残存時間を可視化して(操作有効期間メーターTを)表示するようにしている。
従って、操作有効期間の開始からどの程度経ったのか、または操作有効期間の終了までどの程度残っているのかを遊技者に明確に報知することができる。
また、本実施形態の遊技機10において、特定演出準備演出実行手段300は、レベル表示を、第1表示演出において増加させ、第3表示演出において減少させ、特定演出実行手段300は、レベル表示が最大となった場合に特定演出において特典を与え、最小となった場合に特定演出において罰(ペナルティ)を与えることを特徴としている。
従って、操作部25の適切な操作を続けた結果、レベル表示が最大となれば特典が与えられ、操作部25の不適切な操作を繰り返した結果、レベル表示が最小となれば罰が与えられるため、遊技者が操作部25を適切に操作するようになり、操作部25の想定以上の劣化を防ぐことができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。