以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口1)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下部には始動入賞口92が設けられ、またこの流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、始動入賞口92に入賞せずに下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
始動入賞口92は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口(始動入賞領域)であり、この始動入賞口92(始動口2)に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ92a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32における始動入賞口36の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(下大入賞口、大入賞口1)95が配設されている。特別変動入賞装置95は、開閉部材95cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材95cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材95cが遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置95は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド95b(図3参照)により駆動される開閉部材95cによって開閉される大入賞口(下大入賞口、大入賞口1)を備え、特図1変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(上大入賞口、大入賞口2)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(上大入賞口、大入賞口2)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
なお、大入賞口スイッチ38aは、本実施形態のように大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個設けられる(図3参照)。この第1の実施形態の場合、第1特別変動入賞装置(下大入賞口、大入賞口1)をなす特別変動入賞装置95は、大入賞口スイッチ38aが1個だけ配設されている。一方、第2特別変動入賞装置(上大入賞口、大入賞口2)をなす特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されている。また特別変動入賞装置95は、たとえば特別変動入賞装置38に比べて大入賞口が小さい入賞装置(いわゆるミニアタッカー)である。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や特別変動入賞装置95、一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口1スイッチ37a、始動入賞口92内の始動口2スイッチ92a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38や特別変動入賞装置95の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(N個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(X個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a,37a、始動口2スイッチ92a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、および大入賞口スイッチ38aの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、この振動センサスイッチの検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a,37aと始動口2スイッチ92aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置95(第入賞口1)の開閉部材95cを開閉させる大入賞口1ソレノイド95b、特別変動入賞装置38(大入賞口2)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口2ソレノイド38bおよび普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート136から出力される。また、第5出力ポート137からは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口1ソレノイド95b、大入賞口2ソレノイド38b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137や第4出力ポート136から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aと普通変動入賞装置37に備えられた始動口1スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、始動入賞口92に備えられた始動口2スイッチ92aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、始動入賞口92)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口2ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口2内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口2に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口2の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口2を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口1ソレノイド95bにより特別変動入賞装置95の開閉部材95cを開放させ、大入賞口1内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。また、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口2ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口2内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。なお、これら小当り遊技状態で行われる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回行うといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
また、第1の実施形態の遊技機10の場合、遊技制御装置100は、所定の大当りにより発生した時短状態終了後(電サポ終了後)に、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなる確率をたとえば規定期間だけ高める特図2特別モード(第2特図変動表示ゲームが特定結果となる確率を高める特定結果高確率状態)を発生可能となっている。この特図2特別モードは一種の高確率状態である。
次に、この第1の実施形態の遊技機10のゲーム性(標準的な攻略法)の概略について説明する。この遊技機10のゲーム性は、通常遊技状態(上述した特図2特別モード、特別遊技状態、時短状態のうちの何れでもない状態)では左打ちを行って特図1変動表示ゲームで大当りを狙い、特別遊技状態(大当り状態)や時短状態(電サポ中)では右打ちを行い、特図2特別モードでは右打ちで特図2変動表示ゲームの小当りを狙い、特別遊技状態や時短状態や特図2特別モードが終了して通常遊技状態になると左打ちに戻す、というものである。なお、上述の特図2特別モードが設けられていることにより、遊技者は、時短状態終了後も通常遊技状態よりも高い期待感を維持して遊技できる可能性が生じ、遊技の興趣が向上する。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6および図7に示すメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)であり、図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。メイン処理は、CPU111Aが実行する処理である。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6および図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。第1の実施形態の場合、RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS7)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(たとえば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には、初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS7)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS9)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS11)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、この第1の実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する(ステップS16)。
そして、停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS17)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理をおこない(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS19)。
ここで、ステップS18及び後述するステップS43でおこなうチェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態からRAM初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定し(ステップS20)、RAM初期化スイッチ112がオフである場合(ステップS20;N)は、ステップS25(図7)へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理をおこなう。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS16;NまたはステップS17;N)と判定された場合や、チェックサムが正常でない(ステップS19;N)と判定された場合は、ステップS21へ移行してステップS21乃至S24でデータ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、RWM(たとえばRAM111C)内のデータが異常であると判定されたことにもとづいて、RWMに記憶されたデータ(アクセス禁止領域を含むすべての領域のデータ)を初期化する第1初期化手段をなす。
そして、ステップS21へ移行した場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS21)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含むすべてのRAM領域をゼロクリアして(ステップS22)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS23)。次に、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブし(ステップS24)、ステップS29へ移行する。ここでの初期化すべき領域とは、遊技制御用ワーク領域と状態表示用ワーク領域のうちのステップS22において書き込まれた値(ゼロ)ではない値を初期値とする領域であり、本実施形態では客待ちデモの設定および演出モードの設定に係る領域である。
一方、RAM初期化スイッチ112がオンである(ステップS20;Y)と判定された場合は、ステップS27(図7)へ移行してステップS27、S28で初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)をおこなう。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことにもとづきRWM(たとえばRAM111C)に記憶されたデータ(アクセス禁止領域を含まない領域のデータ)を初期化する第2初期化手段をなす。
そして、ステップS27(図7)へ移行した場合には、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちの遊技制御用ワーク領域のデータをゼロクリアして(ステップS27)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブし(ステップS28)、ステップS29へ移行する。ここでの初期化すべき領域とは、本実施形態では客待ちデモの設定および演出モードの設定に係る領域である。
このように、第1の実施形態の遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
次に、ステップS25(図7)へ移行した場合には、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし(ステップS25)、特図ステータス(後述する特図ステータス領域にセットされているデータが示す状態)に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS26)、ステップS31へ進む。
ここで、ステップS25で初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域およびエラー不正監視に係る領域である。なおステップS25では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
また第1の実施形態の場合、ステップS26では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
一方、ステップS24またはS28からステップS29へ移行した場合には、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS29)、ステップS31へ進む。第1の実施形態の場合、ステップS29では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音でRAM初期化の報知をおこなわせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC(Counter/Timer Circuit))を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号にもとづいてCPU111Aに対して所定周期(たとえば、4m秒)のタイマ割込み信号および乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定等がCPU111Aによっておこなわれる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定もおこなわれる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(ビット転置前の配置)を、あらかじめ定められた順で入れ替えて異なるビット配置(ビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンにしたがい乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、あらかじめ用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(第1の実施形態の場合、大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図の大当り停止図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図の小当り停止図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動ゲームの当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)の初期値となる乱数のことである。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では存在せず、当り図柄初期値乱数も機種により存在しない場合がある。
また、第1の実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、特に限定されるわけではないが、第1の実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数は、CPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新されるいわゆる「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))をもとにして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更するいわゆる「初期値変更方式」を採用している。なお、上記各乱数は、「+1」または「−1」によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェアおよびソフトウェアで更新される乱数である。
ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定をおこなう(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻される。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理をおこなう方法もあり、そのような方法を採用した場合には、両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理をおこなう場合には、割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、第1の実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)には、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS37)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合、一旦、割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS44)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について説明する。図8は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS34からS39)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS121)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS122)。ステップS122では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS123)をおこなう。それから、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口1ソレノイド95b、大入賞口2ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理(ステップS124)をおこなう。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS125)、乱数更新処理1(ステップS126)、乱数更新処理2(ステップS127)をおこなう。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
その後、始動口1スイッチ36a,37a、始動口2スイッチ92a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)をおこなう。また、始動口1スイッチ36a,37aおよび始動口2スイッチ92aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS129)、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS130a)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS130b)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS130c)をおこなう。
なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36または普通変動入賞装置37、あるいは第2始動入賞口をなす始動入賞口92に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS131)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS132)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS133)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS134)、状態表示のための状態表示編集出力処理(ステップS135)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS125)の詳細について説明する。図9は、第1の実施形態の払出コマンド送信処理のフローチャートを示す図である。また図10は、第1の実施形態の入賞数カウンタ領域の構造例を示す図である。
まず、入賞数カウンタ領域の一例について説明すると、入賞数カウンタ領域1は、たとえば図10に示すように、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは65535入賞まで記憶可能になっている。次に、入賞数カウンタ領域2は、たとえば図10に示すように、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは255入賞まで記憶可能になっている。これら入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックでは、入賞数カウンタ領域のアドレスを後述するステップS202等で更新することにより、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
次に、図9において、左列はメイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、右列は払出コマンドを送信する処理である。
払出コマンド送信処理では、まず、図10で説明したように賞球数別(たとえば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域2のカウンタのうち、チェック対象とされたカウンタに「0」でないカウント数があるか否かを判定する(ステップS201)。そして、カウント数がない場合(ステップS201;N)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS202)、入賞数カウンタ領域2のすべてのカウンタのカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS201で、カウント数がある(ステップS201;Y)と判定された場合、対象の入賞数カウンタ領域2のカウンタのカウント数を減算(「−1」更新)し(ステップS204)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数(たとえば、上述した3個、10個、14個のうちの何れか)を取得する(ステップS205)。次に、賞球残数領域の値と払出数を加算し(ステップS206)、加算結果を賞球残数領域にセーブし(ステップS207)、加算結果から10を減算し(ステップS208)、その減算結果が「0」以上かを判定する(ステップS209)。ステップS209で、減算結果が「0」以上(ステップS209;Y)と判定された場合、メイン賞球信号出力回数を「+1」更新し(ステップS210)、減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS211)。
なお、後述する外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理では、上記ステップS210で更新されるメイン賞球信号出力回数にもとづいてメイン賞球信号を出力する処理が行われる。ここで、賞球信号(メイン賞球信号)としては、主基板(遊技制御装置100)からは10個払出予定ごとに1パルスが出力され、払出基板(払出制御装置200)からは10個払出ごとに1パルスが出力される。
次に、ステップS203の判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS203;Y)と判定、または、ステップS209の判定で、減算結果が「0」以上でない(ステップS209;N)と判定された場合、払出コマンド送信タイマの値が「0」でなければ払出コマンド送信タイマの値を「−1」更新する(ステップS212)。この払出コマンド送信処理が最初のタイマ割込み処理であれば、この払出コマンド送信処理の最後のステップS221で設定される初期値が設定されていないので、払出コマンド送信タイマの値は「0」であるから、減算はおこなわれないことになる。
次に、払出コマンド送信タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS213)、払出コマンド送信タイマの値が「0」である(ステップS213;Y)と判定された場合、払出ビジー信号がビジー中か否かを判定する(ステップS214)。なお、払出ビジー信号がビジー中か否かは、ポートの状態の参照ではなく、払出ビジー信号フラグの参照により判定している。ここで、払出ビジー信号がオン(ビジー中)となる条件としては、「払出動作中」、「球貸し動作中」、「シュート球切れエラー中」、「オーバーフローエラー中」、「枠電波不正発生中」、「払出球検出スイッチの異常中(払い出された球を監視するスイッチ)」、「払出不足エラー中」、「払出過剰エラー中」、「払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)」等である。
次に、払出ビジー信号がビジー中でない(ステップS214;N)場合、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントありか否かを判定し(ステップS215)、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがなければ(ステップS215;N)、チェックする入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS216)、全領域のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS217)。全領域のチェックが終了していない(ステップS217;N)場合、ステップS215に戻される。
ステップS215において、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがある(ステップS215;Y)場合、対象の入賞数カウンタを「−1」更新し(ステップS218)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得し(ステップS219)、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS220)。そして、払出コマンド送信タイマ領域に初期値(たとえば、200ms)をセーブする(ステップS221)。
ステップS213において、払出コマンド送信タイマの値が「0」でない(ステップS213;N)と判定された場合、ステップS214において、払出ビジー信号がビジー中である(ステップS214;Y)と判定された場合、ステップS217において、全領域のチェックが終了している(ステップS217;Y)と判定された場合、または、ステップS221の処理が終了した場合に、この払出コマンド送信処理を終了する。
なお、上記ステップS213、S214の判定結果によってはステップS215以降を実行しないで処理を終了する構成であることから分かるように、払出コマンドは、タイマ割込みごとに送信するのではなく、所定時間経過してから送っている。また、払出コマンドの送信は、払出制御基板側が賞球を払い出せる状態であることも条件である。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理(図8参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)について説明する。図11は、第1の実施形態の入賞口スイッチ/状態監視処理のフローチャートを示す図である。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大入賞口(特別変動入賞装置38)内の2個の大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)に対応する入賞口監視テーブル1(たとえば、カウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS271)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に入賞する不正(不正な入賞)がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS272)を実行する。
その後、下大入賞口(特別変動入賞装置95)内の1個の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS273)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS274)を実行する。そして、普電内の入賞口スイッチ(始動口1スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS275a)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS275b)を実行する。
次に、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ、つまり常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ92a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS276)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS277)をおこない、さらに特図2異常変動監視処理(ステップS278)をおこなう。
次に、遊技機10のエラー状態を監視すべき複数のスイッチおよび信号のうちいずれのスイッチまたは信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタの値を「0」から「3」の範囲で更新する(ステップS279)。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常1エラー、払出制御装置200からのシュート球切れエラー、オーバーフロースイッチからのオーバーフローエラーおよび払出異常エラーのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS280)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS281)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、ガラス枠開放、本体枠開放、枠電波不正およびタッチスイッチのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS282)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS283)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS284)、状態スキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS284;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に遊技機状態の監視対象がない場合である。また、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS284;Y)、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常2エラーにもとづく遊技機状態の監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS285)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS286)をおこない、払出ビジー信号チェック処理(ステップS287)をおこない、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理は、毎回おこなわれるのではなく、4回に1回実行されるようにしてあり、残りの3回がパスされるので、16ms周期の監視となっている。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS129)の詳細について図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)をおこなって、始動口1への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、始動口1への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA103にて、始動口1への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、遊技状態が右打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態、大当り中など)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、右打ちすべき所定状態でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA104にて、右打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)をおこなう。すなわち、第1の実施形態の遊技機10の場合、普電サポート状態を除いて始動口1へは左打ちでないとほとんど入賞せず、右打ちすべき所定状態で始動口1に入賞があった場合、右打ちすべき所定状態であるのに左打ちされたと推定できるので、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によっておこなうよう構成されている。
次いで、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)をおこなう。
次に、始動口2(始動入賞口92)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)をおこなって、始動口2への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、始動口2への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、始動口2への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、遊技状態が普電サポート状態(時短状態)となっているか否かを判定し(ステップA112)、普電サポート状態でない(ステップA112;N)と判定すると、大当り中であるか否かを判定する(ステップA113)。また、ステップA113にて、大当り中でない(ステップA113;N)と判定すると、特図変動表示ゲームが普電サポート最終変動中であるか否かを判定する(ステップA114)。
ステップA114にて、普電サポート最終変動中でない(ステップA114;N)と判定すると、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA115)、演出コマンド設定処理(ステップA116)をおこなう。すなわち、普電サポート状態、大当り中、普電サポート最終変動中のいずれでもなければ、左打ちすべきなので、左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信する処理をおこなう。
そして、ステップA112にて普電サポート状態である(ステップA112;Y)と判定した場合、ステップA113にて大当り中である(ステップA113;Y)と判定した場合、ステップA114にて普電サポート最終変動中である(ステップA114;Y)と判定した場合、ステップA116の処理が終了した場合には、ステップA117に移行する。
ステップA117に移行すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA117)、特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)をおこなって、始動口スイッチ監視処理を終了する。
なお、上記ステップA111にて始動口2への入賞があると判定した場合には、たとえばステップA112を実行する前に、普電不正(普通変動入賞装置37が閉状態であるにもかかわらず普通変動入賞装置37への入賞が検出される不正)があったか判定するステップを設け、この普電不正発生中であると判定した場合は、ステップA112以降を実行しないで始動口スイッチ監視処理を終了する構成とし、普電不正があった場合には第2始動記憶(特図2の始動記憶)をそれ以上発生させないようにしてもよい。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態のハード乱数取得処理のフローチャートを示す図である。
ハード乱数取得処理では、まず、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)および始動口2(始動入賞口92)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a,37aおよび始動口2スイッチ92aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否かを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、始動口1および始動口2のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)の詳細について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の特図始動口1スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口1スイッチ処理は、監視対象である始動口1スイッチ36a,37aの入力(監視対象である特図1の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口1スイッチ処理では、まず、監視対象の始動口1スイッチ36a,37aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA134をパスしてステップA135の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号1出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口1スイッチ36a,37aに対応する更新対象の特図1保留数(特図1の始動記憶数)が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図1保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口1スイッチ処理を終了する。更新対象の特図1保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図1情報設定フラグをセットして(ステップA136)、更新対象の特図1保留数を「+1」更新する(ステップA137)。
続けて、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、特図1の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、特図1の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA142)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA143)、特図保留情報判定処理(ステップA144)をおこなう。その後、監視対象の特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを準備し(ステップA145)、演出コマンド設定処理(ステップA146)をおこなって、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶する。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)の詳細について図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態の特図始動口2スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口2スイッチ処理は、監視対象である始動口2スイッチ92aの入力(監視対象である特図2の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口2スイッチ処理では、まず、始動口2スイッチ92aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号2出力回数をロードし(ステップA151)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA152)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA153)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA153;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブして(ステップA154)、ステップA155の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA153;Y)は、ステップA154をパスしてステップA155の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号2出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口2スイッチ92aに対応する更新対象の特図2保留(始動記憶)数が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA155)。更新対象の特図2保留数が上限値未満でない場合(ステップA155;N)は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。更新対象の特図2保留数が上限値未満である場合(ステップA155;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図2情報設定フラグをセットして(ステップA156)、更新対象の特図2保留数を「+1」更新する(ステップA157)。
続けて、特図2保留数に対応する乱数格納領域(特図2用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA158)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA159)。次に、特図2の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA160)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA161)。
次いで、特図2の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA162)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA163)、特図保留情報判定処理(ステップA164)をおこなう。その後、監視対象の特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを準備し(ステップA165)、演出コマンド設定処理(ステップA166)をおこなって、特図始動口2スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口92の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口2(始動入賞口92)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口1スイッチ処理及び特図始動口2スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップA144、ステップA164)の詳細について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の特図保留情報判定処理のフローチャートを示す図である。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定をおこなう先読み処理である。
特図保留情報判定処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(高確率中)であるか否かを判定する(ステップA172)。ステップA172にて、高確率中であると判定した場合(ステップA172;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA172にて、高確率中でないと判定した場合(ステップA172;N)には、大当り中であるか否かを判定する(ステップA173)。ステップA173にて、大当り中であると判定した場合(ステップA173;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA173にて、大当り中でないと判定した場合(ステップA173;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA174)をおこなう。
その後、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA175)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA175;Y)は、対象の始動口スイッチ(いいかえると、特図種別;特図1か特図2かの種別)に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA176)、ステップA140またはA160にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA177)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA175;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA179)をおこなう。その後、小当り判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップA180)。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA180;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA183)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA180;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、ステップA142またはA162にて準備した小当り図柄乱数に対応する小当りの停止図柄情報を設定し(ステップA182)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
そして、ステップA184に移行すると、ステップA177、ステップA182、あるいはステップA183のいずれかで取得又は設定された停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA184)、演出コマンド設定処理(ステップA185)をおこなう。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA186)をおこない、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA187)をおこなう。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターン(リーチアクション開始までの変動パターン)を示す前半変動番号および後半変動パターン(リーチアクション開始以降の変動パターン)を示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA188)、演出コマンド設定処理(ステップA189)をおこない、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA186における特図情報設定処理、ステップA187における変動パターン設定処理は、特図普段処理(後述する特図1普段処理または特図2普段処理)で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。すなわち、特図保留情報判定処理がステップA144で実行される場合には、特図種別は特図1であるため、ステップA186およびA187の処理は後述する特図1情報設定処理および特図1変動パターン設定処理とそれぞれ同じであり、特図保留情報判定処理がステップA164で実行される場合には、特図種別は特図2であるため、ステップA186およびA187の処理は後述する特図2情報設定処理および特図2変動パターン設定処理とそれぞれ同じである。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(RAM111C)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームの実行前に判定する(たとえば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームがおこなわれる前であればいつでもよい。
〔特図1ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップS130a)の詳細について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の特図1ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図1ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1(特図1変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り中又は小当り中(特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA1)。特図2の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA1;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38及び特別変動入賞装置95内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
一方、特図2の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA1;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)が終了した場合には、ステップA3に移行し、特図1ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA3)。なお、特図1ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA4)。特図1ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図1ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA7)。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1普段処理(ステップA8)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1変動中処理(ステップA9)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1表示中処理(ステップA10)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA12)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA13)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1大当り終了処理(ステップA14)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA15)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA16)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図1小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA17)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1小当り終了処理(ステップA18)をおこなう。
その後、特図1図柄表示部53の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1図柄表示部53に係る図柄変動制御処理(ステップA20)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、たとえば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、たとえば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよい。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔特図2ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップS130b)の詳細について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の特図2ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図2ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2(特図2変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中又は小当り中(特図1変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA31)。特図1の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA31;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38及び特別変動入賞装置95内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
次に、特図1の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA31;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)が終了した場合には、ステップA33に移行し、特図2ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA33)。なお、特図2ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA34)。特図2ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA34;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA35)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA35;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を「−1」更新し(ステップA36)、RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの値を記憶する領域である特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(たとえば、60000m秒)をセーブし(ステップA37)、ステップA59に移行する。
一方、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA35;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA38)、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA39)。そして、特図2ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA47)。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2普段処理(ステップA48)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2変動中処理(ステップA49)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2表示中処理(ステップA50)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA51)をおこなう。
ステップA47にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA52)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA53)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2大当り終了処理(ステップA54)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA55)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA56)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図2小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA57)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2小当り終了処理(ステップA58)をおこなう。
その後、特図2図柄表示部54の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA59)、特図2図柄表示部54に係る図柄変動制御処理(ステップA60)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA34にて、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA34;N)、すなわちタイムアップしていない場合や、ステップA37の処理を終了した場合は、ステップA59の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
〔特図1普段処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップA8)の詳細について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の特図1普段処理のフローチャートを示す図である。
特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能か否か(すなわち特図1変動表示ゲームを開始可能か否か)を判定する(ステップA251)。この判定では、遊技状態が、特図2の当り(大当りまたは小当り)の変動終了(特図2表示中処理の開始)から当り動作(大当り遊技状態または小当り遊技状態)の終了までの期間の状態である場合、つまり特図2が当たっているときには、特図1は変動開始可能でないと判定し、前記期間でない場合には特図1は変動開始可能と判定する。
そして、特図1が変動開始可能と判定した場合(ステップA251;Y)には、左打ち指示報知済みか否か(すなわち左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、その後右打ち指示報知コマンドを送信していない状態か否か)を判定する(ステップA252)。なお、ステップA252では、左打ち指示報知フラグがセットされていると、左打ち指示報知済みであると判定し、左打ち指示報知フラグがセットされていないと、左打ち指示報知済みでないと判定する構成でもよい。
左打ち指示報知済みでない場合(ステップA252;N)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA253)、演出コマンド設定処理(ステップA254)をおこない、左打ち指示報知フラグをセットする(ステップA255)。
左打ち指示報知済みである場合(ステップA252;Y)と、ステップA255を終了した場合には、ステップA256に移行し、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA256)。そして、特図1保留数が「0」でない(ステップA256;N)と判定すると、現在の特図変動表示ゲームの確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップA257)、演出コマンド設定処理(ステップA258)をおこない、特図1変動開始処理(ステップA259)をおこない、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA260)、演出コマンド設定処理(ステップA261)をおこない、RWMにおける特図ステータス領域に特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報をセット(情報加算)し(ステップA262)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA263)。
なお、特図ステータス領域は、特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報と、特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報を、それぞれ独立に記憶する領域であり、この特図ステータス領域にセットされている情報が示す状態が特図ステータスである。ステップA262を実行した場合、特図ステータスは、「特図1変動中」と「特図1変動中+特図2変動中」のうちのいずれかの状態になる。
また、特図1変動開始処理(ステップA259)では、特図1変動中処理に係る処理番号である「1」を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする処理(後述するステップA318、A319)、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする処理(後述するステップA322)、特図1ゲーム処理タイマの値として変動時間が設定される処理(後述するステップA307、A497)などが行われる。
そして、高確率中でない場合(ステップA263;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA264)、高確率最終変動中でない場合(ステップA264;N)には、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップA265)。なお、高確率最終変動中であるか否かの判定は、後述する高確率最終変動フラグによりおこなう。すなわち、高確率最終変動フラグがセットされていれば高確率最終変動中であると判定する。
そして、ステップA265が終了した場合と、高確率中であると判定された場合(ステップA263;Y)と、高確率最終変動中であると判定された場合(ステップA264;Y)は、特図1変動中処理移行設定処理(ステップA266)をおこない、特図1普段処理を終了する。
一方、特図1が変動開始可能でないと判定した場合(ステップA251;N)と、ステップA256にて、特図1保留数が「0」である場合(ステップA256;Y)は、処理番号として「0」を設定し(ステップA267)、RWMにおいて特図1ゲーム処理番号を記憶する領域である特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA268)、特図1普段処理を終了する。
このように本実施形態では、ステップA251の判定結果が肯定的になる状態であり、特図1保留数が「0」でない場合には、特図1変動開始処理(ステップA259)等が実行され、特図2が変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であったとしても、特図1変動表示ゲームが開始される。つまり、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段(遊技制御装置100)に第1始動記憶がある場合には、当該第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームと同時に実行可能な制御手段をなす。
〔特図2普段処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップA48)の詳細について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の特図2普段処理のフローチャートを示す図である。
特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能か否か(すなわち特図2変動表示ゲームを開始可能か否か)を判定する(ステップA271)。この判定では、遊技状態が、特図1の当り(大当りまたは小当り)の変動終了(特図1表示中処理の開始)から当り動作(大当り遊技状態または小当り遊技状態)の終了までの期間の状態である場合、つまり特図1が当たっているときには、特図2は変動開始可能でないと判定し、前記期間でない場合には特図2は変動開始可能と判定する。
そして、特図2が変動開始可能と判定した場合(ステップA271;Y)には、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA272)。そして、特図2保留数が「0」でない(ステップA272;N)と判定すると、現在の特図変動表示ゲームの確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップA273)、演出コマンド設定処理(ステップA274)をおこない、特図2変動開始処理(ステップA275)をおこない、RWMにおける特図ステータス領域に特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報をセット(情報加算)し(ステップA276)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA277)。
ここで、特図ステータス領域にセットされた情報が示す状態(すなわち特図ステータス)は、ステップA276を実行した場合、「特図2変動中」と「特図1変動中+特図2変動中」のうちのいずれかの状態になる。
また、特図2変動開始処理(ステップA275)では、特図2変動中処理に係る処理番号である「1」を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする処理(後述するステップA348、A349)、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする処理(後述するステップA352)、特図2ゲーム処理タイマの値として変動時間が設定される処理(後述するステップA337、A497)などが行われる。
なお、たとえばステップA275を実行した後、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し、次いで演出コマンド設定処理を実行し、その後ステップA276に移行する構成(すなわち、特図2についても、普段処理において飾り特図保留数コマンドを演出制御装置300に送信する構成)としてもよい。
そして、高確率中でない場合(ステップA277;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA278)、高確率最終変動中でない場合(ステップA278;N)には、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップA279)。
そして、ステップA279が終了した場合と、高確率中であると判定された場合(ステップA277;Y)と、高確率最終変動中であると判定された場合(ステップA278;Y)は、特図2変動中処理移行設定処理(ステップA280)をおこない、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が「0」である場合(ステップA272;Y)は、特図1保留数が「0」であるか否かを判定し(ステップA281)、特図1保留数が「0」である(ステップA281;Y)と判定すると、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA282)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップA282;N)は、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(ステップA283)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA283;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA284)。続けて、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップA285)、演出コマンド設定処理(ステップA286)をおこなう。なお、演出コマンド設定処理を行うと準備されたコマンド(ここでは、客待ちデモコマンド)が演出制御装置300に送信される。
そして、ステップA286が終了した場合と、特図2が変動開始可能でないと判定した場合(ステップA271;N)と、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA281;N)と、特図1が変動中である場合(ステップA282;Y)と、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA283;Y)には、処理番号として「0」を設定し(ステップA287)、RWMにおいて特図2ゲーム処理番号を記憶する領域である特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA288)、特図2普段処理を終了する。
このように本実施形態では、ステップA271の判定結果が肯定的になる状態であり、特図2保留数が「0」でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA275)等が実行され、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であったとしても、特図2変動表示ゲームが開始される。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームと同時に実行可能な制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップA259)の詳細について図21、図22を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図(その1)である。図22は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始時におこなう処理である。特図1変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1情報設定フラグをセットし(ステップA301)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA302)をおこなう。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)をおこなった後、特図1の変動パターンを設定するためのパラメータである特図1情報を設定する特図1情報設定処理(ステップA304)をおこない、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA305)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップA306)をおこない、特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA307)をおこない、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA308)。
そして、高確率中でない場合(ステップA308;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA309)、高確率最終変動中でない場合(ステップA309;N)には、特図2が変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA310)。特図2が変動中である場合(ステップA310;Y)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA311)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA311;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上であるか判定し(ステップA312)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上でない場合(ステップA312;N)、特図2の残り変動時間を算出する(ステップA313)。
なお、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数は、特図2ゲーム処理タイマが2バイト範囲内で足りる時間値(たとえば60000m秒など)の状態のときには、後述するステップA337の変動開始情報設定処理において「0」に設定されている(たとえば、後述のステップA500を参照)。
また、特図2の変動時間(特図2変動表示ゲームの実行時間)は、特図2ゲーム処理タイマの値(特図2ゲーム処理タイマ領域の値)から計算できる。具体的には、ステップA313では、前述のステップA37でセーブする長変動用タイマ値(たとえば60000m秒)に特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を乗じた結果に、その時点の特図2ゲーム処理タイマ領域の値を加算することで、特図2の残り変動時間を算出できる。
また、長変動用タイマ値がたとえば60000m秒(=60秒)である場合、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数の値が4以上であるということは、特図2の残り変動時間は、240秒(=4×60秒)以上であり、特図1の最長変動時間より長いことになり、その場合、後述するステップA315、ステップA316を実行する必要がないので、それを判定するためにステップA312が設けられている。したがって、ステップA312における「4」という数値は、特図1の最長変動時間より特図2の残り変動時間が長いか否かを、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数により事前判定するための数値の一例にすぎない。
次に、ステップA313が終了した場合と、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA311;Y)には、ステップA314へ移行し、これから開始しようとする特図1の変動時間(たとえばステップA306で設定された変動時間)が、現在変動中の特図2の残り変動時間(ステップA313の算出結果、または、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がゼロの場合は特図2ゲーム処理タイマの値で決まる時間)よりも短いか否か判定する(ステップA314)。
そして、特図1の変動時間が特図2の残り変動時間よりも短くない場合(ステップA314;N)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップA315)、演出コマンド設定処理(ステップA316)をおこなう。
次に、高確率中である場合(ステップA308;Y)、高確率最終変動中である場合(ステップA309;Y)、特図2が変動中でない場合(ステップA310;N)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上である場合(ステップA312;Y)、特図1の変動時間が特図2の残り変動時間よりも短い場合(ステップA314;Y)、および、ステップA316が終了した場合は、ステップA317(図22)へ移行する。
ステップA317へ移行すると、高確率変動回数更新処理(ステップA317)をおこない、処理番号として「1」を設定し(ステップA318)、RWMにおいて特図1ゲーム処理番号を記憶する領域である特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「1」をセーブし(ステップA319)、RWMにおいて客待ちデモ中フラグをセットする領域である客待ちデモフラグ領域をクリアする(ステップA320)。その後、特図1変動開始に関する信号(特別図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA321)、RWMの特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA322)、RWMの特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1図柄表示部53の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブし(ステップA323)、RWMの特図1変動中図柄番号領域に初期値(たとえばブランク図柄に対応する「0」)をセーブし(ステップA324)、特図1変動開始処理を終了する。なお、ステップA324で特図1変動中図柄番号領域に「0」をセーブするのは、ブランク図柄から特図1の変動表示をスタートするためである。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップA275)の詳細について図23、図24を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図(その1)である。図24は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始時におこなう処理である。特図2変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2情報設定フラグをセットし(ステップA331)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA332)をおこなう。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA333)をおこなった後、特図2の変動パターンを設定するためのパラメータである特図2情報を設定する特図2情報設定処理(ステップA334)をおこない、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップA336)をおこない、特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)をおこない、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA338)。
そして、高確率中でない場合(ステップA338;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA339)、高確率最終変動中でない場合(ステップA339;N)には、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA340)。特図1が変動中である場合(ステップA340;Y)は、特図1の残り変動時間を算出する(ステップA343)。なお、特図1の残り変動時間は、特図1ゲーム処理タイマの値(特図1ゲーム処理タイマ領域の値)から計算できる。
次に、ステップA343が終了した場合には、ステップA344へ移行し、これから開始しようとする特図2の変動時間(たとえばステップA336で設定された変動時間)が、現在変動中の特図1の残り変動時間(ステップA343の算出結果)よりも短いか否か判定する(ステップA344)。
そして、特図2の変動時間が特図1の残り変動時間よりも短くない場合(ステップA344;N)は、特図2の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップA345)、演出コマンド設定処理(ステップA346)をおこなう。
次に、高確率中である場合(ステップA338;Y)、高確率最終変動中である場合(ステップA339;Y)、特図1が変動中でない場合(ステップA340;N)、特図2の変動時間が特図1の残り変動時間よりも短い場合(ステップA344;Y)、および、ステップA346が終了した場合は、ステップA347(図24)へ移行する。
ステップA347へ移行すると、高確率変動回数更新処理(ステップA347)をおこない、処理番号として「1」を設定し(ステップA348)、RWMにおいて特図2ゲーム処理番号を記憶する領域である特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「1」をセーブし(ステップA349)、RWMにおいて客待ちデモ中フラグをセットする領域である客待ちデモフラグ領域をクリアする(ステップA350)。その後、特図2変動開始に関する信号(特別図柄2変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA351)、RWMの特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、RWMの特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2図柄表示部54の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブし(ステップA353)、RWMの特図2変動中図柄番号領域に初期値(たとえばブランク図柄に対応する「0」)をセーブし(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。なお、ステップA354で特図2変動中図柄番号領域に「0」をセーブするのは、ブランク図柄から特図2の変動表示をスタートするためである。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA307、A337)の詳細について図25、図26を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図(その1)である。図26は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図(その2)である。
変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする。すなわち、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA491)、特図1の情報設定中である場合(ステップA491;Y)には、特図1の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域(保留球1用)の情報(保留球1用)をクリアする(ステップA491a)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップA491;N)には、特図2の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする(ステップA491b)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域(すなわち、特図1の情報設定中には特図1ゲーム処理タイマ領域、特図2の情報設定中には特図2ゲーム処理タイマ領域)にセーブする(ステップA497)。
次に、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA498)、特図1の情報設定中でない場合(ステップA498;N)、特図2の長変動開始か否か判定し(ステップA499)、特図2の長変動開始でない場合(ステップA499;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域(RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を記憶する領域)に「0」をセーブする(ステップA500)。
一方、特図2の長変動開始である場合(ステップA499;Y)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に「9」をセーブする(ステップA501)。そして、特図1の情報設定中である場合(ステップA498;Y)、ステップA500、A501の処理が終了した場合には、ステップA502へ移行する。
なお、2バイトの特図ゲーム処理タイマでは足らない時間の変動をさせるため、特図2の長変動には繰り返し回数(特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数)が設定される。また、ステップA496の加算結果としてたとえば60000msがステップA497で特図2ゲーム処理タイマ領域に設定され、ステップA501で繰り返し回数として「9」がセーブされた場合、タイマ割込み処理(前述のステップA33)で特図2ゲーム処理タイマの値が減算されてゆき、タイムアップした時に特図ゲーム処理タイマの繰り返し回数が前記ステップA36で1減算され、さらに前記ステップA37で特図2ゲーム処理タイマ領域に60000msがセットされる。このためこの場合、結果として特図2の全変動時間は、この実施形態では60000ms×10で10分の変動時間になる。実際には、4msのタイマ割込みなので、2バイトでは約262秒まで設定できるが、理解しやすさのため60秒の掛け算で表せる場合を例に挙げて説明している。
次に、ステップA502へ移行すると、前半変動番号に対応する変動コマンドのデータ(MODE)を準備し(ステップA502)、後半変動番号に対応する変動コマンドのデータ(ACTION)を準備して(ステップA503)、演出コマンド設定処理をおこなう(ステップA504)。
なお、詳細説明は省略するが、演出コマンド設定処理では、演出用シリアル送信バッファが満杯でない限り、準備されたコマンドデータ(MODEとACTION)が演出用シリアル送信バッファに書き込まれる。これにより、遊技制御装置100におけるCPU111Aのシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、準備されたコマンドデータよりなる演出コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。他のステップでコールされて演出コマンド設定処理が実行される場合も同様である。また、本フローチャートの場合、コマンドは演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成で送信しているが、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
次に、ステップA504を終了すると、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA505)、特図1の情報設定中である場合(ステップA505;Y)には、特図1保留数を「−1」更新して(ステップA506)、特図1の乱数格納領域のアドレスを設定して当該アドレスの乱数格納領域をシフトし(ステップA507)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA508)、変動開始情報設定処理を終了する。
一方、特図1の情報設定中でない場合(ステップA505;N)には、特図2保留数を「−1」更新して(ステップA506a)、特図2の乱数格納領域のアドレスを設定して当該アドレスの乱数格納領域をシフトし(ステップA507a)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA508a)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RAM111C)に記憶された各種の乱数値の判定をおこなう判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報にもとづいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、前述した演出コマンド設定処理によって演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信にもとづき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定し、飾り特図変動表示ゲームを実行する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド(変動パターンコマンドなどと称する場合もある)などが挙げられ、たとえば本実施形態のフローチャートで示されるような所定の順番で各演出コマンドが演出制御装置300に送信される。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップA317、A347)の詳細について図27を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の高確率変動回数更新処理のフローチャートを示す図である。
高確率変動回数更新処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中であるか否かを判定し(ステップA551)、特図高確率中でない場合(ステップA551;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、特図1と特図2の特図変動表示ゲームの種別のうちの一方が大当り遊技状態である場合は、他方の変動表示ゲームの当り確率は必ず低確率に制御するが、一方が小当りの場合は他方が高確率中である可能性がある。
高確率中である場合(ステップA551;Y)には、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を「−1」更新し(ステップA552)、高確率変動回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA553)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA553;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。高確率変動回数が「0」である場合(ステップA553;Y)には、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA555)。なお、高確率終了に関する信号は、大当り2信号をオフにする信号である。
そして、高確率&時短(高確率&時短なし、または高確率&時短あり)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA556)。なお、高確率&時短の終了に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオフにする信号を含む。また、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号および普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。
そして、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA557)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA559)、変動開始する図柄(特図1または特図2)に対応する高確率最終変動フラグをセットし(ステップA560)、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、高確率最終変動フラグは、高確率最終変動である特図変動表示ゲームの種別(特図1か特図2か)を判定できる情報を含む。また、高確率最終変動では変動開始時点で内部確率が低確率となってしまうので、今は低確率中であっても高確率中に開始した変動であることを示すための情報が、この高確率最終変動フラグである。このように本実施形態の場合、高確率最終変動では、対象の特図の確率状態(遊技制御装置100における設定状態)を変動開始時点で低確率に戻す構成である。これにより、高確率状態での最終回となる特図変動中に遊技球が始動口に入賞したときに、この始動入賞に対する当り判定が高確率で判定されてしまうという不具合が防止できる。
〔特図1変動中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップA9)の詳細について図28、図29を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の特図1変動中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図29は、第1の実施形態の特図1変動中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を「+1」更新し(ステップA571)、飾り特図1コマンド領域からコマンド(特図1についての停止図柄の情報を含む飾り特図1コマンド)をロードし、準備し(ステップA572)、演出コマンド設定処理(ステップA573)をおこなう。
次に、飾り特図1停止コマンド(特図1についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA574)、演出コマンド設定処理(ステップA575)をおこない、高確率最終変動フラグの状態により高確率の最終変動か否かを判定する(ステップA576)。そして、高確率最終変動でない場合(ステップA576;N)は、特図1停止図柄設定処理で停止図柄パターン領域にセーブされている停止図柄パターンに対応する表示時間を今回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA577)、高確率最終変動である場合(ステップA576;Y)には、高確率最終変動時の表示時間を今回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA578)、ステップA579へ移行する。ここで、ステップA577、A578で設定された停止表示時間は、たとえばステップA579の直前に設けられた図示省略したステップにおいて特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブされる。
なお、特図1の表示時間の一例を挙げると、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として136msを設定する。また、高確率最終変動の表示時間は7000msを設定する。
次に、ステップA579(図29)へ移行すると、大当りフラグ1設定処理で判定されて設定された情報にもとづいて今回の(現在実行中の)特図1変動表示ゲームがはずれか否か判定し(ステップA579)、はずれの場合(ステップA579;Y)はステップA594へ移行し、はずれでない場合(ステップA579;N)は、現在特図2も変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA580)。
なお、特図2が変動中か否かの判定は、特図2ゲーム処理番号領域の情報、特図ステータス領域の情報、あるいは特図2変動制御フラグ領域の情報のうちのいずれかによっておこなうことができる。すなわち、特図2ゲーム処理番号領域に「1」がセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図ステータス領域に特図2変動中がセットされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグがセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、これら条件の組み合わせで判定する構成でもよい。
そして、特図2も変動中である場合(ステップA580;Y)は、特図2表示中処理を実行中であるか否か判定し(ステップA581)、特図2表示中処理を実行中でない場合(ステップA581;N)には、図柄確定回数出力回数を「+1」更新する(ステップA582)。
次に、ステップA582を終了した場合と、特図2表示中処理を実行中である場合(ステップA581;Y)は、今回の特図1の表示時間(ステップA577等で設定された時間)にたとえば4msを加算した結果を特図2の表示時間として設定し(ステップA583)、当該特図2の表示時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA584)。このステップA583、A584の処理により、特図2がすでに停止表示を開始していた場合には、特図2の表示時間が再設定されることになる。この再設定により、特図2の表示時間は基本的に延長されるが、場合によっては短縮される場合もある。
その後、飾り特図2コマンド領域からコマンド(特図2についての停止図柄の情報を含む飾り特図2コマンド)をロードし、準備し(ステップA585)、演出コマンド設定処理(ステップA586)をおこなう。次に、飾り特図2停止コマンド(特図2についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA587)、演出コマンド設定処理(ステップA588)をおこない、特図2表示中処理移行設定処理2(ステップA589)をおこなう。
なお、以上説明したステップA579乃至A589の処理によれば、これから飾り図柄を停止表示する今回の特図1変動表示ゲームが当り(大当りまたは小当り)である場合には、同時に変動中の特図2の変動表示を強制的に終了させることになる。
次に、ステップA589を終了した場合と、特図2が変動中でない場合(ステップA580;N)は、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップA590)、今回の特図1変動表示ゲームが小当りか否か判定する(ステップA591)。
そして、大当りであって小当りでない場合(ステップA591;N)は、特図1変動終了後の大当り遊技を制御するために、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報(特図1ラウンド数上限値を決める特図1ラウンド数上限値情報)をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA592)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA593)。
次に、今回の特図1変動表示ゲームがはずれの場合(ステップA579;Y)と、今回の特図1変動表示ゲームが小当りである場合(ステップA591;Y)と、ステップA593を終了した場合は、ステップA594へ移行する。ステップA594へ移行すると、特図1停止図柄退避領域から情報(停止図柄番号)をロードし、特図1停止図柄領域にセーブし(ステップA594)、特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA595)をおこなって、特図1変動中処理を終了する。なお、特図1停止図柄退避領域には、特図1停止図柄設定処理において所定の停止図柄番号がセーブされている。
このように、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また遊技制御装置100が、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームが特別結果(当り)となる場合には、同時に実行中の第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを終了させる手段をなす。
〔特図2変動中処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップA49)の詳細について図30、図31を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の特図2変動中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図31は、第1の実施形態の特図2変動中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を「+1」更新し(ステップA601)、飾り特図2コマンド領域からコマンド(特図2についての停止図柄の情報を含む飾り特図2コマンド)をロードし、準備し(ステップA602)、演出コマンド設定処理(ステップA603)をおこなう。
次に、飾り特図2停止コマンド(特図2についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA604)、演出コマンド設定処理(ステップA605)をおこない、高確率最終変動フラグの状態により高確率の最終変動か否かを判定する(ステップA606)。そして、高確率最終変動でない場合(ステップA606;N)は、特図2停止図柄設定処理で停止図柄パターン領域にセーブされている停止図柄パターンに対応する表示時間を今回の特図2変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA607)、高確率最終変動である場合(ステップA606;Y)には、高確率最終変動時の表示時間を今回の特図2変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA608)、ステップA609へ移行する。ここで、ステップA607、A608で設定された停止表示時間は、たとえばステップA609の直前に設けられた図示省略したステップにおいて特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされる。
なお、特図2の表示時間の一例を挙げると、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合にも表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合にも表示時間として600msを設定する。また、高確率最終変動の表示時間は7000msを設定する。なお、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン、および小当り図柄パターンで同じ表示時間を設定するが、それぞれ異なる表示時間を設定する態様であってもよい。
次に、ステップA609(図31)へ移行すると、大当りフラグ2設定処理で判定されて設定された情報にもとづいて今回の(現在実行中の)特図2変動表示ゲームがはずれか否か判定し(ステップA609)、はずれの場合(ステップA609;Y)はステップA624へ移行し、はずれでない場合(ステップA609;N)は、現在特図1も変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA610)。
なお、特図1が変動中か否かの判定は、特図1ゲーム処理番号領域の情報、特図ステータス領域の情報、あるいは特図1変動制御フラグ領域の情報のうちのいずれかによっておこなうことができる。すなわち、特図1ゲーム処理番号領域に「1」がセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図ステータス領域に特図1変動中がセットされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグがセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、これら条件の組み合わせで判定する構成でもよい。
そして、特図1も変動中である場合(ステップA610;Y)は、特図1表示中処理を実行中であるか否か判定し(ステップA611)、特図1表示中処理を実行中でない場合(ステップA611;N)には、図柄確定回数出力回数を「+1」更新する(ステップA612)。
次に、ステップA612を終了した場合と、特図1表示中処理を実行中である場合(ステップA611;Y)は、今回の特図2の表示時間(ステップA607等で設定された時間)にたとえば4msを加算した結果を特図1の表示時間として設定し(ステップA613)、当該特図1の表示時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA614)。このステップA613、A614の処理により、特図1がすでに停止表示を開始していた場合には、特図1の表示時間が再設定されることになる。この再設定により、特図1の表示時間は基本的に延長されるが、場合によっては短縮される場合もある。
その後、飾り特図1コマンド領域からコマンド(特図1についての停止図柄の情報を含む飾り特図1コマンド)をロードし、準備し(ステップA615)、演出コマンド設定処理(ステップA616)をおこなう。次に、飾り特図1停止コマンド(特図1についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA617)、演出コマンド設定処理(ステップA618)をおこない、特図1表示中処理移行設定処理2(ステップA619)をおこなう。
なお、以上説明したステップA609乃至A619の処理によれば、これから飾り図柄を停止表示する今回の特図2変動表示ゲームが当り(大当りまたは小当り)である場合には、同時に変動中の特図1の変動表示を強制的に終了させることになる。
次に、ステップA619を終了した場合と、特図1が変動中でない場合(ステップA610;N)は、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップA620)、今回の特図2変動表示ゲームが小当りか否か判定する(ステップA621)。
そして、大当りであって小当りでない場合(ステップA621;N)は、特図2変動終了後の大当り遊技を制御するために、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報(特図2ラウンド数上限値を決める特図2ラウンド数上限値情報)をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA622)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA623)。
次に、今回の特図2変動表示ゲームがはずれの場合(ステップA609;Y)と、今回の特図2変動表示ゲームが小当りである場合(ステップA621;Y)と、ステップA623を終了した場合は、ステップA624へ移行する。ステップA624へ移行すると、特図2停止図柄退避領域から情報(停止図柄番号)をロードし、特図2停止図柄領域にセーブし(ステップA624)、特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA625)をおこなって、特図2変動中処理を終了する。なお、特図2停止図柄退避領域には、特図2停止図柄設定処理において所定の停止図柄番号がセーブされている。
このように、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また遊技制御装置100が、第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームが特別結果(当り)となる場合には、同時に実行中の第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームを終了させる手段をなす。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図1変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA595)の詳細について図32を用いて説明する。図32は、第1の実施形態の特図1表示中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA631)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA632)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA633)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA634)、特図1表示中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図2変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA625)の詳細について図33を用いて説明する。図33は、第1の実施形態の特図2表示中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA641)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA642)。
次に、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA643)。なお、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA644)、特図2表示中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図2変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理2(ステップA619)の詳細について図34を用いて説明する。図34は、第1の実施形態の特図1表示中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。なお、この特図1表示中処理移行設定処理2は、変動を開始した特図2変動表示ゲームが当りである場合に、同時に変動していた特図1変動表示ゲームを強制的にはずれで終了させるための処理である。すなわち、他方の図柄が当たったことで、強制的に停止させられるときの情報設定のための処理である。
特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA651)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA652)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA653)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA654)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域(RWMにおける停止図柄パターンを記憶する領域)にセーブする(ステップA655)。なお、この停止図柄パターン領域には、実行中の特図1変動表示ゲームについて、通常すでに、特図1停止図柄設定処理において所定の停止図柄パターン(抽出された乱数によっては当りの停止図柄パターンである場合もある)がセーブされているが、ここでは、セーブされている停止図柄パターンが当りであった場合でも、強制的にはずれ停止図柄パターンに書きかえる。本ルーチンの以降のステップA656〜661でも、同様に、一旦正規のステップで設定されたデータがある場合でも、はずれでの強制終了のために、クリアしたり、設定し直したりしている。
次に、特図1ラウンド数上限値情報領域(RWMにおける特図1ラウンド数上限値情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA656)、特図1大入賞口開放情報領域(RWMにおける特図1大入賞口開放情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA657)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップA658)。大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA659)。ここで、小当りフラグ1領域や大当りフラグ1領域は、特図1についての小当りフラグ領域や大当りフラグ領域であって、特図1変動表示ゲームが小当りか否かの情報あるいは大当りか否かの情報をそれぞれ記憶するRWMの領域であり、正規には大当りフラグ1設定処理において情報が設定されており、その情報がここで設定し直しされる。
次に、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップA660)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブし(ステップA661)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図1変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理2(ステップA589)の詳細について図35を用いて説明する。図35は、第1の実施形態の特図2表示中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。なお、この特図2表示中処理移行設定処理2は、変動を開始した特図1変動表示ゲームが当りである場合に、同時に変動していた特図2変動表示ゲームを強制的にはずれで終了させるための処理である。すなわち、他方の図柄が当たったことで、強制的に停止させられるときの情報設定のための処理である。
特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA671)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA672)。
次に、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA673)。なお、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA674)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域(RWMにおける停止図柄パターンを記憶する領域)にセーブする(ステップA675)。なお、この停止図柄パターン領域には、実行中の特図2変動表示ゲームについて、通常すでに、特図2停止図柄設定処理において所定の停止図柄パターン(抽出された乱数によっては当りの停止図柄パターンである場合もある)がセーブされているが、ここでは、セーブされている停止図柄パターンが当りであった場合でも、強制的にはずれ停止図柄パターンに書きかえる。本ルーチンの以降のステップA676〜681でも、同様に、一旦正規のステップで設定されたデータがある場合でも、はずれでの強制終了のために、クリアしたり、設定し直したりしている。
次に、特図2ラウンド数上限値情報領域(RWMにおける特図2ラウンド数上限値情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA676)、特図2大入賞口開放情報領域(RWMにおける特図2大入賞口開放情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA677)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップA678)。大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA679)。ここで、小当りフラグ2領域や大当りフラグ2領域は、特図2についての小当りフラグ領域や大当りフラグ領域であって、特図2変動表示ゲームが小当りか否かの情報あるいは大当りか否かの情報をそれぞれ記憶するRWMの領域であり、正規には大当りフラグ2設定処理において情報が設定されており、その情報がここで設定し直しされる。
次に、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップA680)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブし(ステップA681)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図1表示中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップA10)の詳細について図36、37、38を用いて説明する。図36は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図37は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。図38は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その3)である。
特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ1領域の情報をクリアする(ステップA702)。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域の情報をクリアする(ステップA704)。そして、ロードされた大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA706)、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップA707)、演出コマンド設定処理(ステップA708)をおこない、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。なお、特図1大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄1当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA709)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、たとえば「16」または「4」、その他、たとえば「8」や「2」があってもよい)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの当り図柄コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)をおこなう。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA716)。第1の実施形態の場合、ステップA716において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオン、低確率中の2R突確大当りであればオフとなる。また、大当り3信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオフ、低確率中の2R突確大当りであればオンとなる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA717)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA718)、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるか否か判定する(ステップA719)。
上大入賞口開放の大当りであれば(ステップA719;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA720)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA721)、ステップA724へ移行する。
一方、上大入賞口開放の大当りでない場合(ステップA719;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA722)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA723)、ステップA724へ移行する。
ステップA724へ移行すると、処理番号として3を設定し(ステップA724)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号すなわち「3」をセーブし(ステップA725)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA726)をおこない、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA705;N)は、ロードした小当りフラグ1が小当りであるか否かを判定し(ステップA727)、小当りフラグ1が小当りであると判定した場合(ステップA727;Y)、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA728)。
そして、ステップA728にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA731)、右打ち指示報知フラグをクリアする(ステップA732)。なお、ステップA732は、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定し、高確率最終変動と判定されて高確率状態が終了した状態であるので右打ち指示報知フラグをクリアする構成を例示している。しかし、本実施形態が高確率状態において右打ち指示報知をしない態様である場合には、ステップA732は削除した構成(あるいは、高確率状態で左打ち指示報知をしてステップA732では左打ち指示報知フラグをクリアする構成)とする態様もあり得る。
次に、ステップA732を終了した場合と、高確率最終変動中でない場合(ステップA728;N)には、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードし、準備し(ステップA733)、演出コマンド設定処理(ステップA734)をおこなう。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応する小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA735)、演出コマンド設定処理(ステップA736)をおこない、遊技状態が左打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態でも大当り中でも特別モード中でもない状態)であるか否かを判定する(ステップA737)。
ステップA737にて、左打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA737;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA739)、ステップA742に移行する。
一方、左打ちすべき所定状態であると判定しなかった場合(ステップA737;N)には、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA740)。なお、右打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオンにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA741)、ステップA742に移行する。
ステップA742に移行すると、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるか否か判定する(ステップA742)。上大入賞口開放の小当りであれば(ステップA742;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA743)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA744)、ステップA747へ移行する。
一方、上大入賞口開放の小当りでない場合(ステップA742;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA745)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA746)、ステップA747へ移行する。
ステップA747へ移行すると、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA747)をおこない、特図1表示中処理を終了する。なお、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号として「7」をセーブする処理、特図1ゲーム処理タイマ領域に小当りファンファーレ時間(たとえば4m秒)をセーブする処理などをおこなう。
一方、ステップA727にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップA727;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA748)。
そして、ステップA748にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA748;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA749)、演出コマンド設定処理(ステップA750)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA751)、右打ち指示報知フラグをクリアし(ステップA752)、特図2変動表示ゲームが当り中(大当り中または小当り中)であるか否か判定する(ステップA753)。なお、ステップA752は、前述のステップA732と同様に、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定した一例にすぎない。
次に、特図2変動表示ゲームが当り中でないと判定した場合(ステップA753;N)には、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA754)、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA755)。なお、本実施形態は、特図2変動表示ゲームが当り中(大当り中または小当り中)である場合は、その際に開放される上大入賞口(特別変動入賞装置38)をねらって右打ちをすべき状態となるため、特図2が当り中である場合(ステップA753;Y)には、ステップA754、A755をパスしてステップA756へ移行する。また、ステップA755が終了した場合も、ステップA756へ移行する。
そして、ステップA756へ移行すると、RWMにおける特図ステータス領域の特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報をクリア(情報減算)し(ステップA756)、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理に係る処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA757)、特図1表示中処理を終了する。なお、ステップA756を実行した場合、特図ステータスは、特図2のみ変動中の状態か、特図1も特図2も変動中でない状態のうちのいずれかの状態になる。
〔特図2表示中処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップA50)の詳細について図39、40、41を用いて説明する。図39は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図40は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。図41は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その3)である。
特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA761)、RWMの小当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA762)。
次いで、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA763)、RWMの大当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA764)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定して(ステップA765)、大当りである(ステップA765;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA766)、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップA767)、演出コマンド設定処理(ステップA768)をおこない、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA769)。なお、特図2大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄2当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA769)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、たとえば「16」または「4」、その他、たとえば「8」や「2」があってもよい)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA770)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA771)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの当り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA772)、演出コマンド設定処理(ステップA773)をおこなう。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA774)、演出コマンド設定処理(ステップA775)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA776)。第1の実施形態の場合、ステップA776において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオン、低確率中の2R突確大当りであればオフとなる。また、大当り3信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオフ、低確率中の2R突確大当りであればオンとなる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA777)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA778)、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるか否か判定する(ステップA779)。
上大入賞口開放の大当りであれば(ステップA779;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA780)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA781)、ステップA784へ移行する。
一方、上大入賞口開放の大当りでない場合(ステップA779;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA782)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA783)、ステップA784へ移行する。
ステップA784へ移行すると、処理番号として3を設定し(ステップA784)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号すなわち「3」をセーブし(ステップA785)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA786)をおこない、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップA765にて、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA765;N)は、ロードした小当りフラグ2が小当りであるか否かを判定し(ステップA787)、小当りフラグ2が小当りであると判定した場合(ステップA787;Y)、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA788)。
そして、ステップA788にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA788;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA789)、演出コマンド設定処理(ステップA790)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA791)、右打ち指示報知フラグをクリアする(ステップA792)。なお、ステップA792は、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定し、高確率最終変動と判定されて高確率状態が終了した状態であるので右打ち指示報知フラグをクリアする構成を例示している。しかし、本実施形態が高確率状態において右打ち指示報知をしない態様である場合には、ステップA792は削除した構成(あるいは、高確率状態で左打ち指示報知をしてステップA792では左打ち指示報知フラグをクリアする構成)とする態様もあり得る。
次に、ステップA792を終了した場合と、高確率最終変動中でない場合(ステップA788;N)には、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードし、準備し(ステップA793)、演出コマンド設定処理(ステップA794)をおこなう。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応する小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA795)、演出コマンド設定処理(ステップA796)をおこない、遊技状態が左打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態でも大当り中でも特別モード中でもない状態)であるか否かを判定する(ステップA797)。
ステップA797にて、左打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA797;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA798)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA799)、ステップA802に移行する。
一方、左打ちすべき所定状態であると判定しなかった場合(ステップA797;N)には、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA800)。なお、右打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオンにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA801)、ステップA802に移行する。
ステップA802に移行すると、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるか否か判定する(ステップA802)。上大入賞口開放の小当りであれば(ステップA802;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA803)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA804)、ステップA807へ移行する。
一方、上大入賞口開放の小当りでない場合(ステップA802;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA805)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA806)、ステップA807へ移行する。
ステップA807へ移行すると、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA807)をおこない、特図2表示中処理を終了する。なお、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号として「7」をセーブする処理、特図2ゲーム処理タイマ領域に小当りファンファーレ時間(たとえば4m秒)をセーブする処理などをおこなう。
一方、ステップA787にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップA787;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA808)。
そして、ステップA808にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA808;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA809)、演出コマンド設定処理(ステップA810)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA811)、右打ち指示報知フラグをクリアし(ステップA812)、特図1変動表示ゲームが大当り中か否か判定する(ステップA813)。なお、ステップA812は、前述のステップA792と同様に、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定した一例にすぎない。
次に、特図1変動表示ゲームが大当り中でないと判定した場合(ステップA813;N)には、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA814)、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA815)。なお、本実施形態は、特図1変動表示ゲームが大当り中である場合は、その際に開放される上大入賞口(特別変動入賞装置38)をねらって右打ちをすべき状態となるため、特図1が大当り中である場合(ステップA813;Y)には、ステップA814、A815をパスしてステップA816へ移行する。また本実施形態は、特図1変動表示ゲームが小当り中である場合は、その際に開放される下大入賞口(特別変動入賞装置95)をねらって左打ちをすべき状態となるため、特図1が大当り中でない場合(ステップA813;N)(特図1が小当り中である場合も含む)には、ステップA814、A815を実行後にステップA816へ移行する。ただし、このような右打ち左打ちに関する処理内容は、遊技機の盤面構成やゲーム性によって変わるものであり、一例にすぎない。またここで、ステップA815が終了した場合も、ステップA816へ移行する。
そして、ステップA816へ移行すると、RWMにおける特図ステータス領域の特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報をクリア(情報減算)し(ステップA816)、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理に係る処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA817)、特図2表示中処理を終了する。なお、ステップA816を実行した場合、特図ステータスは、特図1のみ変動中の状態か、特図1も特図2も変動中でない状態のうちのいずれかの状態になる。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS134)の詳細について図42と図43を用いて説明する。図42は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その1)である。図43は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その2)である。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS125)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)、磁石不正監視処理(ステップS132)および盤電波不正監視処理(ステップS133)での監視結果にもとづいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等をおこなう。
外部情報編集処理では、まず、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理をおこなう。エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理では、ガラス枠開放エラーの発生中(ステップC71;Y)、本体枠開放エラーの発生中(ステップC72;Y)である場合に、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC73)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC74)。すなわち、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーの発生が、外部情報および試験信号として出力される。
一方、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーのいずれのエラーも発生していない場合(ステップC71からC72;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC75)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップC76)。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれた時から所定時間(たとえば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC77)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC78)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップC78;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブ(ステップC79)する。一方、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」の場合(ステップC78;Y)、すなわちタイムアップしている場合は、ステップC79の処理がパスされる。すなわち、前述したメイン処理においてRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれてセキュリティ信号制御タイマに初期値(たとえば256ms)がセーブされたときから、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップするまでの間、セキュリティ信号のオンデータが外部情報として出力される。
次に、磁石不正発生中(ステップC80;Y)、盤電波不正発生中(ステップC81;Y)、枠電波不正発生中(ステップC82;Y)、大入賞口不正発生中(ステップC83;Y)、または特図2異常変動発生中(ステップC84;Y)である場合にセキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。なお、普電不正発生中の場合も、同様に、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)構成としてもよい。
一方、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、普電不正、大入賞口不正、または特図2異常変動のいずれも発生していない場合(ステップC80からC84;N)は、スイッチ異常1またはスイッチ異常2のスイッチ異常発生中であるか否か判定し(ステップC87)、いずれのスイッチ異常も発生中でない場合(ステップC87;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC88)。
そして、いずれかのスイッチ異常が発生中である場合(ステップC87;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。ここで、特図2異常変動やスイッチ異常などは、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理で監視される異常である。
次に、ステップC86またはC88を終了した後、外部情報編集処理では、始動口1(特図1の始動入賞口である始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の入賞信号(始動口1信号)を編集する始動口1信号編集処理(ステップC89)をおこない、始動口2(特図2の始動入賞口である始動入賞口92)の入賞信号(始動口2信号)を編集する始動口2信号編集処理(ステップC90)をおこなう。続いて、払出予定の賞球数に関するメイン賞球信号を編集するメイン賞球信号編集処理(ステップC91)をおこない、図柄確定回数出力回数(図柄確定回数信号出力回数)にもとづいて図柄確定回数信号を編集する図柄確定回数信号編集処理(ステップC92)をおこない、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図44を用いて説明する。図44は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理については、後で図45を用いて説明する。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
制御部は、ステップD30を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD30の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD30は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、受信コマンドチェック処理について図45を用いて説明する。図45は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンドチェック処理のフローチャートを示す図である。受信コマンドチェック処理は、メイン処理のステップD22で制御部によって実行される処理である。
なお、受信コマンド(演出コマンド)は、MODEのデータ(1バイト)とACTIONのデータ(1バイト)とを含む構成となっており、遊技制御装置(主基板)100から演出制御装置300に演出コマンドが順次送信される。以下では、コマンドを構成するこのようなデータを、コマンドのデータあるいはコマンドデータという。
また、主基板からのコマンド受信の処理は、図示省略した「コマンド受信割込み処理」によっておこなわれる。即ち、本例のシリアル通信では、ハード的に(CPU自身の機能により)自動で送受信がおこなわれ、コマンドを受信完了すると割込み(コマンド受信割込み)が発生して知らせてくれるので、あとはシリアル受信バッファから取り出すだけでよいが、上記「コマンド受信割込み処理」では、コマンド受信割込みがあるごとに、シリアル受信バッファからコマンドをロードし、ロードしたコマンドデータに異常がないかチェックした上で、当該コマンドデータ(MODEとACTIONのデータ)をコマンドバッファに格納し、格納した分だけコマンド受信カウンタの値を「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、制御処理の説明において、単に「格納する」というときは、後の制御処理に使用するために所定の記憶領域に読出し可能に記憶保存することを意味する(以下同様)。また、コマンドバッファは、たとえばリングバッファである。このコマンドバッファは、たとえばCPU311のRAM311a(あるいはRAM322)内の記憶領域によって構成される。コマンドバッファの容量は、システム制御周期(前述の処理周期;たとえば1/30秒)で主基板から送信される可能性のあるコマンド数以上になっていればよい。
[ステップD41]制御部は、コマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする。なお、コマンド受信カウンタは、RWM(RAM322またはRAM311a)に設定される。コマンド受信カウンタは、ステップD43において原則として「0」クリアされるので、1フレーム(1/30秒間)の間(前述の処理周期の1周期分の時間)に受信したコマンド数を記憶する。
[ステップD42]制御部は、コマンド受信数が「0(ゼロ)」でないか否かを判定し、コマンド受信数が「0」でなければステップD43に進み、コマンド受信数が「0」であれば受信コマンドチェック処理を終了する。なお本願では、上記ステップD41のように、制御処理においてデータを「ロードする」とは、RAM(本例の演出制御装置300ではRAM322またはRAM311a)からデータを取り出すことを意味する。
[ステップD43]制御部は、コマンド受信カウンタ領域の内容(即ち、コマンド受信カウンタの値)をコマンド受信数分減算する。
なお、A:コマンド受信カウンタの値、B:コマンド受信数とすると、ステップD41の実行直後で「A=B」である。そして、ステップD43の実行直後では「A=A−B=0」となるのが通常の動きだが、本例の態様では、演出制御装置300は遊技制御装置(主基板)100からのコマンド受信割込みを割込み禁止にせず最優先にしているので、ステップD41の処理からステップD43の処理までの間にAの値が増えている可能性がある。よって、ステップD43の処理を「A←0」(即ち、コマンド受信カウンタの値をゼロとする処理)としてしまうとコマンドのカウントがずれてしまうので、ステップD43では「A−B」という減算処理をおこなっている。但し、本実施例のように主基板からのコマンドの送受信にシリアル通信を使用した場合は、割込み禁止にしてステップD41の処理からステップD153までの処理の間にAの値が増えることがないようして、ステップD43の処理内容を「A←0」としてもよい。
[ステップD44]制御部は、受信コマンドバッファ(コマンドバッファに相当、以下単にコマンドバッファという場合もある)の内容(即ち、コマンドバッファの読出用ポインタに対応するアドレスに記憶されているコマンドデータ)をコマンド領域(場合により、コマンド格納領域という)にコピーする。コマンド領域は、たとえばRAM322またはRAM311a内の記憶領域にあって、いわゆるFIFO形式(先入れ先出し形式)のバッファである。
[ステップD45]制御部は、コマンドバッファのデータを読み出したので、コマンドバッファの読出用ポインタであるコマンド読出インデックスの値を、たとえば「0」乃至「31」の範囲で「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、ここでの「0」乃至「31」の範囲は、コマンドバッファの容量(たとえば、「32」)に対応している。
[ステップD46]制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD44およびステップD45を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了した場合にステップD47に進み、コピー完了していない場合にステップD44に進む。
[ステップD47]制御部は、コマンド領域の内容(コマンド領域の未だ読み出されていないデータのうちで一番先に格納されたデータ、即ち、次に読み出すべきデータ)をロード(即ち、読み出し)する。
[ステップD48]制御部は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理は、ロードしたコマンド(以下、今回のコマンドという)のデータを解析する処理である。受信コマンド解析処理については、図46を用いて後で説明する。
[ステップD49]制御部は、コマンド領域のアドレス(次に読み出すべきデータのアドレス)を更新する。
[ステップD50]制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD47乃至ステップD49を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了していない場合にステップD47に進み、解析完了した場合に受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、受信コマンド解析処理について図46を用いて説明する。図46は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンド解析処理のフローチャートを示す図である。受信コマンド解析処理は、受信コマンドチェック処理のステップD48で制御部によって実行される処理である。
[ステップD51]制御部は、受信コマンドチェック処理のステップD47においてロードした今回のコマンドのデータのうちの上位バイトをMODEに、下位バイトをACTにそれぞれ分離して記憶する。なお、特図の変動パターンを指令する変動系のコマンドの場合、MODEとして記憶される上位バイトのデータは前半変動パターンを指令し、ACTとして記憶される下位バイトのデータは後半変動パターンを指令するものである。
[ステップD52]制御部は、ステップD51で分離されたMODEの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が正常範囲にある場合にステップD53に進み、MODEの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。なお、MODEの値は定義されずに使用されていない値もあり、このような使用されていない値である場合には、ステップD52の判定で正常範囲でないと判定される。
[ステップD53]制御部は、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正常範囲にある場合にステップD54に進み、ACTの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
また、上記ステップD53における、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲か否かの判定は、たとえば次のようにおこなう。即ち、MODEごとに有効なACTの値は異なり、このACTの有効値の上限〜下限は所定のACTIONチェックテーブル(図示省略)に定義されており、ステップD53ではこの上限〜下限の範囲内に分離されたACTの値が収まっているかをチェックし、収まっていれば正常範囲と判定する(この時点では後述する歯抜けチェックが出来ていない)。
[ステップD54]制御部は、分離されたMODEの値に対する分離されたACTの値が正しい組み合わせであるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正しい組み合わせである場合にステップD55に進み、正しい組み合わせでない場合に受信コマンド解析処理を終了する。ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、たとえば一致チェックテーブルを使っておこなうことができる。一致チェックテーブルは、MODEの値に対して有効なすべてのACTの値(ACTIONの値)が先頭アドレスから順に登録されたものであり、MODEの値ごとに設けられている。そして、MODEの値に対応するこの一致チェックテーブルの中に、分離されたACTの値が有れば正しい組み合わせであると判定でき、一致チェックテーブルの中に分離されたACTの値が無ければ正しい組み合わせでないと判定できる。
なお、ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、MODEに対して正常なACTの組み合わせになっているか否かの歯抜けチェックを含めて実行している。1つのMODEに対し、有効なACTは複数あるがそれらの値が連続しているとは限らない(即ち、不連続に存在していない値、歯抜けになっている値がある)ので、コマンドが有効値であるかを比較確認している。そして、一致チェックテーブル中には有効値のみ定義されているので、それらの何れかと一致するかを1つ1つ比較確認している。
[ステップD55]制御部は、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が変動系コマンド範囲内にある場合に変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD56)、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にない場合にステップD57に進む。
ここで、MODEのデータとは、ステップD51で分離されて記憶されたMODEのデータである(後述のステップD57等でも同様)。また、変動系コマンド(変動コマンドあるいは変動パターンコマンドという場合もある)は、特図の変動パターンを指令するコマンドであり、この変動コマンドのデータがとり得る範囲が変動系コマンド範囲である。
[ステップD57]制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にある場合に大当り系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD58)、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にない場合にステップD59に進む。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示等)を指令するコマンドであり、この大当り系コマンドのデータがとり得る範囲が大当り系コマンド範囲である。
[ステップD59]制御部は、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が図柄系コマンド範囲内にある場合に図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD60)、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD61に進む。図柄系コマンド(図柄コマンド、あるいは飾り特図コマンドという場合もある)は、特図の図柄に関する情報(たとえば、特図の停止図柄を何にするか等)を指令するコマンドであり、この図柄コマンドのデータがとり得る範囲が図柄系コマンド範囲である。
[ステップD61]制御部は、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が単発系コマンド範囲内にある場合に単発系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD62)、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にない場合にステップD63に進む。なお、図柄コマンドと変動系コマンドのように組み合わせで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドを単発系コマンドという。単発系コマンド(単発コマンドという場合もある)には、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンド等がある。この単発コマンドのデータがとり得る範囲が単発系コマンド範囲である。
[ステップD63]制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にある場合に先読み図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD64)、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD65に進む。
[ステップD65]制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にある場合に先読み変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD66)、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み図柄系コマンドおよび先読み変動系コマンドは、先読み演出のためのコマンドである。また、ステップD56、D58、D60、D62、D64、D66のいずれかの処理が終了すると、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、始動入賞記憶の保留表示等を通常と異なる態様でおこなう等の演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、および先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動入賞記憶の保留に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、遊技機10は、位置を可動切替可能(移動可能)なサブ表示装置(可動役物)を備え、サブ表示装置を用いた表示演出をおこなう。
まず、第2の実施形態の遊技機10のサブ表示装置について図47、図48を用いて説明する。図47は、第2の実施形態の遊技機の遊技盤の一例を示す正面図である。図48は、第2の実施形態のサブ表示装置の一例を示す図である。
図47(1)、(2)に示すように遊技盤500は、表示装置41と、盤演出装置44(可動役物)と、サブ表示装置501(可動役物)とを備える。
サブ表示装置501は、位置を図47(1)に示す位置(第1位置)または図47(2)に示す位置(第2位置)に可動切替可能である。なお、第2位置は、第1位置よりも表示装置41の中央寄りの位置である。すなわち、第2位置におけるサブ表示装置501の視認性は、第1位置におけるサブ表示装置501の視認性よりも高い。また、サブ表示装置501は、表示装置41(メイン表示装置)の前面側(遊技者側)に設けられる。
サブ表示装置501は、表示部501a、表示部501b、表示部501c、表示部501d、表示部501eの5つの7セグメント型LEDと、可動機構501fとを含んで構成される。
可動機構501fは、サブ表示装置501の位置の移動(可動切替)を担当する。可動機構501fは、図示しないモータ等を備え、モータ等の駆動によって、サブ表示装置501の位置の可動切替をおこなう。
なお、可動機構501fは、サブ表示装置501の位置を第1位置および第2位置に限らず、他の位置(たとえば、第1位置と第2位置との間の位置)に可動切替させることもできる。たとえば、可動機構501fは、サブ表示装置501を上下方向にずらした位置に可動切替させることに限らず、左右方向にずらした位置に可動切替させることもできる。
また、可動機構501fは、サブ表示装置501の位置の可動切替だけに限らず、傾きの可動切替をすることもできる。たとえば、可動機構501fは、サブ表示装置501を右側が上方(左側が下方)に傾いた向きに傾けることができるし、サブ表示装置501を上部が前方側(下部が後方側)に傾いた向きに傾けることもできる。なお、遊技機10は、後述する小図柄群、特図1保留数表示および特図2保留数表示の視認性を害さないような位置にサブ表示装置501を可動切替させることが好ましい。
なお、表示部501aから表示部501eと、演出制御装置300とは電気的に接続し、表示部501aから表示部501eは、演出制御装置300によって制御される。演出制御装置300は、表示部501aから表示部501eの制御信号をサブ表示装置501に出力する。
また、可動機構501fのモータ等と、演出制御装置300とは電気的に接続し、可動機構501fは、演出制御装置300によって制御される。演出制御装置300は、可動機構501fの制御信号をサブ表示装置501に出力する。
次に第2の実施形態の表示装置41における表示画面の構成について説明する。図49は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図49(1)に示す表示画面502は、変動表示ゲームが図柄変動中であって、サブ表示装置501が第1位置である場合の表示装置41の表示内容である。
表示画面502は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示505と、特図2保留数表示506と、保留表示507と、保留消化表示508を表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群503と、第2飾り図柄として小図柄群504とがある。大図柄群503は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群503は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群503は、左図柄503Lと中図柄503Cと右図柄503Rとを含む。表示画面502の左図柄503Lと中図柄503Cと右図柄503Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
一般に、大図柄群503は、左図柄503L、右図柄503R、中図柄503Cの順に変動を開始し、左図柄503L、右図柄503R、中図柄503Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群503は、多くの場合において、左図柄503Lと右図柄503Rとでリーチ態様を形成し、中図柄503Cの停止を待って大当り態様を形成可能にする。
大図柄群503を構成する図柄(左図柄503Lと中図柄503Cと右図柄503R)は、主として意匠性の高い装飾図柄による。
小図柄群504は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群504は、大図柄群503による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部(サブ表示装置501が第1位置および第2位置のいずれである場合であっても重ならない部分)に小さく表示される。小図柄群504は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面502の小図柄群504における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
一般に、大図柄群503は、小図柄群504と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群504は、大図柄群503と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
これらによって遊技機10は、大図柄群503について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群504について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
特図1保留数表示505は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。たとえば、特図1ゲームの保留記憶は、始動入賞口36への入賞を契機にして生じる。特図2保留数表示506は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。たとえば、特図2ゲームの保留記憶は、普通変動入賞装置37への入賞を契機にして生じる。特図1保留数表示505および特図2保留数表示506は、サブ表示装置501が第2位置である場合であっても重ならない部分に表示される。
保留表示507は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示507が表示する保留記憶数は、遊技状態に応じて、特図1保留数表示505が表示する保留記憶数、または特図2保留数表示506が表示する保留記憶数のいずれか、または双方の合計数に相当する。
なお、保留表示507が表示する保留記憶数は、「0」から「4」までの値とし、これを超える保留記憶数を表示対象外とする。遊技機10は、保留表示507が一部の保留記憶を表示対象外としても、特図1保留数表示505と特図2保留数表示506とによって正確な保留記憶数の表示を担保できる。
保留消化表示508は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。すなわち、遊技機10は、保留表示507と保留消化表示508とを用いて保留予告演出をおこなうことができる。保留予告演出は、保留表示507と保留消化表示508とを用いておこなう先読み演出の一態様である。
表示画面502は、特図1保留数表示505が示す特図1ゲームの保留記憶数が「1」であり、特図2保留数表示506が示す特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることから、保留表示507が示す保留記憶数も「1」である。また、表示画面502は、保留消化表示508により特図変動表示ゲームが図柄変動中であることを示す。
また、遊技機10は、大図柄群503と小図柄群504について変動表示中の変動態様を異なるものとすることができる。たとえば、遊技機10は、大図柄群503について縦スクロールとするとき、大図柄群503と小図柄群504との区別を容易にすることができる。また、遊技機10は、大図柄群503と小図柄群504とで非同期に図柄を更新する場合があっても、遊技者に与える違和感を軽減できる。
図49(2)に示す表示画面509は、変動表示ゲームが図柄変動中であって、サブ表示装置501が第2位置である場合の表示装置41の表示内容である。
サブ表示装置501が第2位置である場合、表示画面502における保留表示507と保留消化表示508とに対応する位置にサブ表示装置501が配置される。そのため、表示画面509は、表示画面502の表示要素のうち、保留表示507と保留消化表示508が除かれている。なお、この場合であっても、特図1保留数表示505と特図2保留数表示506とはサブ表示装置501が第2位置である場合であっても重ならない部分に表示されるため、遊技機10は、特図1保留数表示505と特図2保留数表示506とによって正確な保留記憶数の表示を担保できる。
このように、表示装置41が、サブ表示装置501と重なる部分の表示要素を除去した表示画面を表示することで、遊技機10は、重なった部分の表示要素の一部が見えなくなる(一部が見切れる)ことによって生じる違和感を低減できる。さらに、表示装置41がサブ表示装置501と重なる部分の表示要素を除去した表示画面を表示することで、遊技機10は、サブ表示装置501の視認性を向上できる。
次に遊技機10がサブ表示装置501を用いて実行する変動表示ゲームの演出について図50〜図52を用いて説明する。図50は、第2の実施形態の遊技機における演出態様の一例を示す図(その1)である。図51は、第2の実施形態の遊技機における演出態様の一例を示す図(その2)である。図52は、第2の実施形態の遊技機における演出態様の一例を示す図(その3)である。
図50(1)に示す演出態様511は、変動表示開始時の状態(変動表示ゲームが開始された状態)を示す。演出態様511では、サブ表示装置501は第1位置であり、盤演出装置44は停止しており、表示装置41はサブ表示装置501が第1位置である場合の構成の表示画面502を表示している。
図50(2)に示す演出態様512は、演出態様511の後の態様であって、サブ表示装置501を用いた演出(第2位置に位置する継続時間に対応して「0」から数字をカウントアップ表示するカウント演出)を開始した後の態様を示す。なお、カウント演出は、第2位置に位置する継続時間に対応した表示をサブ表示装置501が表示する演出の一例である。
演出態様512では、サブ表示装置501は、カウント演出を開始するのに伴い第1位置から第2位置に可動切替されている。そして、表示装置41は、サブ表示装置501が第1位置から第2位置に可動切替されたことに伴って、サブ表示装置501が第2位置である場合の構成の表示画面509を表示している。
図50(3)に示す演出態様513は、演出態様512の後の態様であって、サブ表示装置501がカウント演出において第2位置に位置する継続時間に対応した「0」から数字をカウントアップ表示し始めた状態を示す。
演出態様513では、サブ表示装置501は、数字をカウントアップ表示中であり、現在カウント数が「0」(開始直後)であることを示す。
サブ表示装置501は、カウントアップ表示中においては、真ん中の3つの7セグメント型LED(表示部)によってカウントアップ表示中の数字(カウント数)を表示するとともに、両サイドの2つの7セグメント型LEDによってカウントアップ表示中であることを明示する。
すなわち、サブ表示装置501の両サイドの2つの7セグメント型LEDは、カウントアップ表示の実行状態の報知を担当し、サブ表示装置501の真ん中の3つの7セグメント型LEDは、カウントアップ表示中の数字の報知を担当する。
たとえば、サブ表示装置501は、両サイドの2つの7セグメント型LEDのいずれか1ヵ所を所定順序で点灯箇所を変えながら点灯させることで、カウントアップ表示が継続中であることを明示する。たとえば、カウント演出においては、サブ表示装置501は、最大「100」まで数字をカウントアップする。
また、カウント演出におけるカウントアップ終了時のカウント数、すなわち、カウントアップの結果(カウント結果)には変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度(信頼度)が設定されており、遊技機10は、期待度に応じたカウント結果になるようにカウントアップする。すなわち、遊技機10は、サブ表示装置501のカウント結果によって変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度を明示する。
このように、期待度に応じたカウント結果になるようにカウントアップするため、遊技機10は、サブ表示装置501のカウント演出の演出内容(カウント結果)に対する遊技者の関心を高め、遊技者にサブ表示装置501で実行される演出をより注視させることができる。これによって遊技機10は、サブ表示装置501が実行する演出によって遊技者の興趣向上を図ることができる。
なお、期待度は、たとえば、カウント結果が大きな値になればなるほど高くなるように設定される。このように期待度を設定することで、第2位置に位置する時間(継続時間)が長くなるほど、期待度も上昇することとなり、遊技機10は、サブ表示装置501(可動役物)が第2位置に待機する時間(継続時間)に価値(意味)を持たせることができる。すなわち、遊技機10は、可動役物を変位させた後においても興趣を維持、向上できる。また、期待度は、大当りの導出可能性に対応するものに限らず、リーチやスーパーリーチ等、変動表示演出の発展段階に対応するものであってもよい。
なお、遊技機10は、カウント演出におけるカウント数の増加速度は固定速度であることに限らず可変速度としてもよい。たとえば、遊技機10は、表示画面の表示と同期(たとえば、大図柄群の回転速度と同期)してカウント数の増加速度を変化させてもよいし、カウント開始直後である場合に増加速度を高速(カウント数の更新頻度を高頻度)とし、カウント終了間近である場合にはカウントの増加速度を低速(カウント数の更新頻度を低頻度)とすることもできる。これによって、遊技機10は、カウント結果にかかわらずカウント演出の時間を調整することができ、たとえば、カウント結果が大きい場合とカウント結果が小さい場合とでカウント演出の時間が同一となるようにすることもできる。
また、カウント演出におけるカウントの増加値は固定であることに限らず可変値としてもよい。たとえば、遊技機10は、カウント開始直後である場合には「5」ずつカウントアップし、カウント終了間近である場合には「1」ずつカウントアップすることもできる。これによって、遊技機10は、カウント結果にかかわらずカウント演出の時間を調整することができ、たとえば、カウント結果が大きい場合とカウント結果が小さい場合とでカウント演出の時間が同一となるようにすることもできる。
なお、遊技機10は、所定のカウント数を契機(たとえば、カウント数「20」、「40」、「60」、「80」)に表示画面にメッセージ(たとえば、カウント数と期待度との関係を明示するメッセージ)を表示するようにしてもよい。このようにカウント数が期待度に関係していることをメッセージとして表示することで、遊技機10は、演出の内容(カウント数の増加が期待度に関係していること)を理解容易にできる。
図51(1)に示す演出態様514は、演出態様513の後の態様であって、サブ表示装置501がカウント演出において数字をカウントアップ表示中の状態を示す。
演出態様514では、サブ表示装置501は、両サイドの2つの7セグメント型LEDのいずれか1ヵ所を点灯状態にすることによってカウントアップ継続中であることを明示している。また、サブ表示装置501は、真ん中の3つの7セグメント型LEDによって現在のカウント数が「20」であることを示す。
図51(2)に示す演出態様515は、演出態様514の後の態様であって、サブ表示装置501がカウント演出において数字のカウントアップ表示を終了した後の状態を示す。
演出態様515では、サブ表示装置501は、両サイドの2つの7セグメント型LEDを消灯させることによってカウントアップ表示が終了したことを明示している。また、サブ表示装置501は、真ん中の3つの7セグメント型LEDによってカウント結果が「30」であることを示している。
図52(1)に示す演出態様516は、演出態様515の後の態様であって、サブ表示装置501を用いたカウント演出を終了した後の態様を示す。
演出態様516では、サブ表示装置501は、カウント演出が終了したのに伴い第2位置から第1位置に可動切替されている。そして、表示装置41は、サブ表示装置501が第2位置から第1位置に可動切替されたことに伴って、サブ表示装置501が第1位置である場合の構成の表示画面502を表示している。
図52(2)に示す演出態様517は、演出態様516の後の態様であって、表示装置41が、カウント結果に対応した演出を実行している状態の態様を示す。
演出態様517では、表示装置41は、表示画面518を表示している。表示画面518は、表示画面502が表示する表示要素に加え、さらに、カウント結果に対応した演出を表示する演出表示519を含む。
演出表示519は、カウント結果に応じた表示態様の演出(導火線演出)を表示する。演出表示519は、一端が盤演出装置44と対応する位置の導火線の他端側に表示された炎が盤演出装置44に近づいていく表示態様の演出を表示する。演出表示519は、カウント結果に応じた表示態様の炎を表示する。換言すれば、演出表示519は、炎の表示態様によって変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度を明示する。
ここで炎の表示態様とカウント結果と期待度との関係について図53を用いて詳細に説明する。図53は、第2の実施形態の炎の表示態様と、カウント結果と、期待度との関係の一例を示す図である。
導火線演出における炎の表示態様は、P1からP11までの11パターンがある。パターンP1は、小さいサイズ(第1サイズ)の白色の炎である。パターンP2は、小さいサイズの青色の炎である。パターンP3は、小さいサイズの緑色の炎である。パターンP4は、中くらいのサイズ(第1サイズよりも大きい第2サイズ)の緑色の炎である。パターンP5は、中くらいのサイズの黄色の炎である。パターンP6は、中くらいのサイズの橙色の炎である。パターンP7は、大きいサイズ(第2サイズよりも大きい第3サイズ)の橙色の炎である。パターンP8は、大きいサイズの赤色の炎である。パターンP9は、大きいサイズの桜色の炎である。パターンP10は、大きいサイズの炎と中くらいのサイズの炎とが重畳した形状(第3サイズと第2サイズとを組み合わせた形状)の桜色の炎である。パターンP11は、大きいサイズの炎と中くらいのサイズの炎とが重畳した形状の虹色の炎である。
パターンP1の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果「0」から「9」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「0」から「9」である場合にパターンP1の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP2の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「10」から「19」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「10」から「19」である場合にパターンP2の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP3の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「20」から「29」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「20」から「29」である場合にパターンP3の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP4の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「30」から「39」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「30」から「39」である場合にパターンP4の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP5の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「40」から「49」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「40」から「49」である場合にパターンP5の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP6の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「50」から「59」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「50」から「59」である場合にパターンP6の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP7の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「60」から「69」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「60」から「69」である場合にパターンP7の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP8の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「70」から「79」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「70」から「79」である場合にパターンP8の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP9の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「80」から「89」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「80」から「89」である場合にパターンP9の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP10の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「90」から「99」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「90」から「99」である場合にパターンP10の炎を伴う導火線演出をおこなう。
パターンP11の炎の表示態様は、カウント演出のカウント結果が「100」と対応する。すなわち、遊技機10は、カウント演出のカウント結果が「100」である場合にパターンP11の炎を伴う導火線演出をおこなう。
遊技機10は、パターンP1に最も低い期待度を設定し、パターンP11に最も高い期待度(たとえば、大当り確定)を設定し、パターンP1からパターンP11まで段階的に高くなるよう期待度を設定する。なお、遊技機10は、たとえば0%〜100%までの具体的な期待度をパターンP1からパターンP11に設定するものであってもよいし、たとえば「低」、「中」、「高」のように、大まかな期待度の大きさを設定するものであってもよい。
なお、遊技機10は、各パターンに対応するカウント結果それぞれについてより具体的に期待度を設定してもよい。たとえば、遊技機10は、カウント数が大きくなるほど段階的に高くなるよう期待度を設定(カウント結果「30」よりもカウント結果「39」のほうが期待度を高く設定)する。以上が炎の表示態様と、カウント結果と、期待度との関係である。図52(2)に戻って説明を続ける。
たとえば、演出表示519は、演出を終了(変動表示ゲームを終了)する場合には、導火線の一部が燃え残る演出(炎が盤演出装置44に対応する位置まで到達しない演出)を表示し、演出を継続(発展)する場合には、導火線がすべて燃え切る演出(炎が盤演出装置44に対応する位置まで到達する演出)を表示する。このような演出によれば、遊技者は、導火線の長さによって演出終了タイミングを把握できる。すなわち、導火線は、演出終了タイミングの明示を担当する。
たとえば、遊技機10は、導火線の一部が燃え残る演出を表示した場合には、演出を終了し(大図柄群をはずれの態様で仮停止し)、変動表示ゲームを終了する。一方で、遊技機10は、導火線がすべて燃え切る演出を表示した場合には、演出を継続(発展)し、(図52(3)の演出態様に移行する。遊技機10は、たとえば、変動表示ゲームの結果態様がはずれである場合には、演出を終了し、変動表示ゲームの結果態様が大当りである場合には演出を継続する(図52(3)の演出態様に移行する)。
なお、炎の態様をカウント結果と対応する態様とするとして説明したがこれにかぎらない。たとえば、遊技機10は、導火線の長さをカウント結果と対応する態様とすることもできる。この場合には、たとえば、遊技機10は、カウント結果が小さいほど導火線が長くなる態様としてもよいし、カウント結果が大きいほど導火線が長くなる態様としてもよい。また、遊技機10は、導火線の表示態様(たとえば、形状、色彩、模様等)をカウント結果と対応する態様とすることもできる。
また遊技機10は、導火線の短縮速度を固定速度とすることもできるし、可変速度とすることもできる。これによって、遊技機10は、導火線の長さをカウント結果と対応する態様とした場合であっても、導火線の短縮速度によって演出の時間を任意に調整できる。たとえば、遊技機10は、導火線が長い場合と導火線が短い場合とで導火線演出の時間が同一となるようにすることもできる。なお、遊技機10は、導火線の短縮速度をカウント結果と対応する態様とし、導火線の長さによって演出の時間を任意に調整するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、導火線演出の終了タイミングとあうようにサブ表示装置501が表示するカウント結果(図では「30」)を「0」になるまでカウントダウンさせて導火線演出の終了タイミングを明示してもよい。なお、この場合には、遊技機10は、サブ表示装置501によるカウントダウンがより視認しやすいようにサブ表示装置501の位置を第2位置に可動切替してもよい。
図52(3)に示す演出態様520は、演出態様517の後の態様であって、盤演出装置44を用いて変動表示結果が大当りであることを報知する演出(大当り報知演出)をおこなっている状態の態様を示す。
演出態様520では、表示装置41は、導火線演出が終了したことに伴い表示画面502を表示している。また、演出態様520では、盤演出装置44は、下方(表示装置41の中央)に向かって動作し、変動表示結果が大当りであることの報知をおこなっている。
演出態様520では、サブ表示装置501は、大当り図柄を明示する演出をおこなっている。サブ表示装置501は、両サイドの2つの7セグメント型LEDのいずれか1ヵ所を点灯状態にすることによって変動中であることを明示し、真ん中の3つの7セグメント型LEDに大当り態様を構成した組み合わせ(「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」)を順番に表示する。そして、サブ表示装置501は、所定のタイミングで両サイドの2つの7セグメント型LEDを消灯状態とし、真ん中の3つの7セグメント型LEDに大当り態様を構成した組み合わせのいずれかを表示することで、当該表示された組み合わせが大当り図柄であることを明示する。
すなわち、サブ表示装置501の両サイドの2つの7セグメント型LEDは、大当り報知演出において大当り図柄が変動継続中であることの報知を担当し、サブ表示装置501の真ん中の3つの7セグメント型LEDは、大当り図柄の組み合わせの報知を担当する。
次に、カウント演出、導火線演出、および大当り報知演出の実行タイミングについて図54を用いて説明する。図54は、第2の実施形態におけるカウント演出、導火線演出、および大当り報知演出の実行タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
遊技機10は、タイミングt1にN回目の変動表示ゲームを開始する(図50(1))。遊技機10は、N回目の変動表示ゲームを開始してから所定時間経過後のタイミングt2にカウント演出を開始し、サブ表示装置501を第1位置から第2位置へと可動切替させる(図50(2))。
遊技機10は、サブ表示装置501を第2位置へと可動切替させた後、所定時間経過後のタイミングt3からサブ表示装置501を用いてカウントアップ表示を開始する(図50(3)、図51(1))。遊技機10は、所定時間実行するとタイミングt4にカウントアップを終了する(図51(2))。
遊技機10は、カウントアップ終了後から所定時間の間、カウント結果を表示した後、タイミングt5にサブ表示装置501を第2位置から第1位置へと可動切替させ、カウント演出を終了する(図52(1))。遊技機10は、カウント演出を終了してから所定時間経過後のタイミングt6に導火線演出を開始する(図52(2))。
遊技機10は、導火線演出を所定時間実行するとタイミングt7に導火線演出を終了し、大当り報知演出を開始する(図52(3))。
次に、カウント演出実行時の演出態様決定処理について説明する。図55は、第2の実施形態のカウント演出実行時の演出態様決定処理のフローチャートを示す図である。演出態様決定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。演出態様決定処理は、メイン処理のステップD23(図44参照)内で制御部によって実行される処理である。
[ステップD71]制御部は、受信コマンドにもとづいて対象の変動表示ゲームの変動結果を取得する。
[ステップD72]制御部は、受信コマンドにもとづいてカウント演出の態様(カウント結果)を決定する。たとえば、制御部は、受信コマンドにもとづいて抽選テーブルを用いてカウント結果を決定する。
[ステップD73]制御部は、変動結果(受信コマンド)およびカウント結果にもとづいて導火線演出の態様を決定する。制御部は、変動結果(受信コマンド)にもとづいて演出の成否(演出を継続するか否か)を決定し、カウント結果にもとづいて炎の表示態様を決定する。
[ステップD74]制御部は、導火線演出が成功して演出が継続するか否かを判定する。制御部は、演出が継続しない(変動結果が大当りでない)と判定した場合には演出態様決定処理を終了し、演出が継続する(変動結果が大当りである)と判定した場合にはステップD75に進む。
[ステップD75]制御部は、受信コマンドにもとづいて大当り報知演出の態様を決定する。たとえば、制御部は、受信コマンドにもとづいて大当り報知演出においてサブ表示装置501が明示する大当り図柄を決定する。
なお、上記実施形態においては、遊技機10は、変動表示ゲーム内において当該変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度を、サブ表示装置501を用いて報知したがこれに限らない。
たとえば、遊技機10は、変動表示ゲームを跨がって変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度を報知することもできる。たとえば、遊技機10は、消化待機中の始動記憶(保留表示に表示されているアイコンに対応する始動記憶)の変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度を、消化待機中から消化開始後まで継続してサブ表示装置501を用いておこなってもよい。この場合には、遊技機10は、たとえば、保留表示に表示されているアイコンを点灯させることで、当該アイコンに対応する始動記憶の変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度を報知していることを明示する。
なお、上記実施形態ではサブ表示装置501が第2位置に位置する時間(にある状態の継続時間)に対応する演出をするとして説明したがこれにかぎらない。第1位置と異なる位置であればよく、たとえば、遊技機10は、第1位置からの移動限界(可動限界)を第2位置とした場合に、第1位置と第2位置との間であって第1位置を含まない第3位置にある状態の継続時間に対応する演出をするようにすることもできる。なお、ここでいう第3位置は、第2位置を含む位置である。
上述した第2の実施形態の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、第1表示手段(表示装置41)と、第2表示手段(サブ表示装置501)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)とを備える。第1表示手段は、変動表示ゲームを表示可能である。第2表示手段は、第1位置(図47(1))と第2位置(図47(2))との間を移動可能であって、所定の演出表示を表示可能である。制御手段は、第1位置と第2位置との間であって第1位置を含まない第3位置に第2表示手段がある状態の継続時間に対応して演出表示の表示態様を異ならせ(カウントアップ表示)て変動表示ゲームの結果態様に関する情報(期待度)を第2表示手段に表示させる。
(2)(1)の変動表示ゲームの結果態様に関する情報は、特別変動表示ゲームが特別結果態様(大当り)を導出する期待度である。
(3)(1)の制御手段は、変動表示ゲームの結果態様に関する情報を報知する表示要素の表示態様を継続時間に応じて異ならせる。
(4)(1)の制御手段は、第2表示手段による変動表示ゲームの結果態様に関する情報の表示が終了した後に、第2表示手段が報知した変動表示ゲームの結果態様に関する情報に対応した表示態様(炎の表示態様)の表示演出(導火線演出)を第1表示手段におこなわせる。
(5)(1)の第2表示手段は、第1表示手段の前面側に配置されており、制御手段は、第2表示手段の位置に応じて第1表示手段の表示態様(表示画面502、表示画面509)を変更させる。
(6)(5)の制御手段は、第1表示手段の表示態様を、第2表示手段の背面側に位置する部分に表示要素が配置されないように変更させる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を変更可能であり、サブ表示装置501の姿勢状態に対応して図柄の変動表示をおこなうことができる。まず、サブ表示装置501の姿勢状態について図56を用いて説明する。図56は、第3の実施形態のサブ表示装置の姿勢状態の一例を示す図である。
遊技機10は、サブ表示装置501について4つの姿勢状態に変更可能である。図56(1)は、サブ表示装置501の標準となる姿勢状態(標準姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、横一列に配置された5桁の7セグメント表示器を含む。サブ表示装置501の標準姿勢状態は、表示装置41(メイン表示装置)の前面で5桁の7セグメント表示器が水平方向となる姿勢状態である。サブ表示装置501は、表示装置41の前面で5桁の7セグメント表示器が遊技者にとって容易に視認可能になる位置まで突出する。たとえば、サブ表示装置501は、表示装置41の表示領域の下端から距離d1だけ表示領域内に突出する。
これにより、遊技機10は、標準姿勢状態におけるサブ表示装置501の良好な視認性を確保することができる。また、遊技機10は、表示装置41に対してサブ表示装置501の視認性を優位にすることができる。
図56(2)は、サブ表示装置501が表示装置41の前面から少なくとも一部が退避した姿勢状態(退避姿勢状態)を示す。サブ表示装置501の退避姿勢状態は、表示装置41の前面で5桁の7セグメント表示器が水平方向となる姿勢状態である。ただし、サブ表示装置501は、5桁の7セグメント表示器が遊技者にとって容易に視認可能とならない位置まで表示装置41の前面から退避する。たとえば、サブ表示装置501は、センターケース(遊技演出構成体)40に一部が収容され、表示装置41の表示領域の下端から距離d2(ただしd2<d1)だけ表示領域内に突出する。
これにより、遊技機10は、退避姿勢状態における表示装置41の良好な視認性を確保することができる。また、遊技機10は、表示装置41に対してサブ表示装置501の視認性を劣位にすることができる。
図56(3)は、サブ表示装置501が左傾斜した姿勢状態(左傾斜姿勢状態)を示す。サブ表示装置501の左傾斜姿勢状態は、表示装置41の前面で5桁の7セグメント表示器が左下がりに傾斜した姿勢状態である。サブ表示装置501は、表示装置41の前面で5桁の7セグメント表示器が左傾斜しながらに遊技者にとって容易に視認可能になる位置まで突出する。たとえば、サブ表示装置501は、表示装置41の表示領域の下端から角度αの左傾斜で表示領域内に突出する。
これにより、遊技機10は、左傾斜姿勢状態におけるサブ表示装置501の良好な視認性を確保することができる。また、遊技機10は、表示装置41に対してサブ表示装置501の視認性を優位にすることができる。
図56(4)は、サブ表示装置501が右傾斜した姿勢状態(右傾斜姿勢状態)を示す。サブ表示装置501の右傾斜姿勢状態は、表示装置41の前面で5桁の7セグメント表示器が右下がりに傾斜した姿勢状態である。サブ表示装置501は、表示装置41の前面で5桁の7セグメント表示器が右傾斜しながらに遊技者にとって容易に視認可能になる位置まで突出する。たとえば、サブ表示装置501は、表示装置41の表示領域の下端から角度αの右傾斜で表示領域内に突出する。
これにより、遊技機10は、右傾斜姿勢状態におけるサブ表示装置501の良好な視認性を確保することができる。また、遊技機10は、表示装置41に対してサブ表示装置501の視認性を優位にすることができる。
まず、表示装置41における表示画面の構成について図57を用いて説明する。図57は、第3の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その1)である。
図57(1)に変動表示ゲームにおいて図柄停止中の表示装置41とサブ表示装置501の表示内容を示す。遊技機10は、変動表示ゲームにおける表示内容を表示装置41とサブ表示装置501とで分担することができるが、図57(1)に示す表示装置41は、変動表示ゲームにおける表示を表示装置41だけで分担する。表示装置41は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、遊技案内610とを変動表示ゲームの図柄停止中の表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群601と、第2飾り図柄として小図柄群602とがある。大図柄群601は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群601は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとを含む。左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に変動を開始し、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群601は、多くの場合において、左図柄601Lと右図柄601Rとでリーチ態様を形成し、中図柄601Cの停止を待って当り態様を形成可能にする。
小図柄群602は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群602は、大図柄群601による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群602は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面600の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、小図柄群602と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群602は、大図柄群601と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示装置41は、特図1保留数表示603に特図1ゲームの保留記憶数「0」を表示し、特図2保留数表示604に特図2ゲームの保留記憶数「0」を表示する。
遊技案内610は、遊技者に遊技状態を案内する表示である。たとえば、遊技案内61は、遊技状態が右打ちに対応した遊技状態(より具体的には普電サポート状態等)であることをメッセージ「右打ち」により遊技者に案内する。
なお、表示装置41は、保留表示と、保留消化表示を表示内容に含むものであってもよい。保留表示は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数と特図2保留数表示604が表示する保留記憶数の和に相当する。保留消化表示は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
また、遊技機10は、大図柄群601と小図柄群602とをそれぞれ3桁の図柄で構成したが、1つ以上の図柄を含むものであれば何桁であってもよい。また、遊技機10は、大図柄群601と小図柄群602とで図柄の桁数を揃えているが、大図柄群601と小図柄群602とで図柄の桁数を異ならせるものであってもよい。
また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄の透明度を変更(たとえば透明度0%から50%に変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の透明度を固定(たとえば透明度0%に固定)することができる。これにより、遊技機10は、大図柄群601について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群602について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄の色相を変更(たとえば赤から青に変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の色相を固定(たとえば赤に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄の彩度を変更(たとえば彩度100%から0%に変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の彩度を固定(たとえば彩度100%に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄の明度を変更(たとえば明度100%から10%に変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の明度を固定(たとえば明度100%に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄の大きさを変更(たとえば、標準サイズから拡大(縮小)サイズに変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の大きさを固定することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄の表示位置を変更(たとえば画面中央から画面左上に変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の表示位置を固定(たとえば画面右下に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群601について図柄のデザインを変更(たとえば矩形から円形に変更、あるいは数字からキャラクタに変更)することがあっても、小図柄群602について図柄のデザインを固定(たとえば数字に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中において大図柄群601について図柄の変動表示態様を変更(たとえば縦スクロールから横スクロールに変更)することがあっても、小図柄群602について図柄の変動表示態様を固定(たとえば軸回転変動に固定)することができる。
これらによっても遊技機10は、大図柄群601について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群602について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
また、遊技機10は、大図柄群601と小図柄群602について変動表示中の変動態様を異なるものとすることができる。たとえば、遊技機10は、大図柄群601について縦スクロールとするとき、大図柄群601と小図柄群602との区別を容易にすることができる。また、遊技機10は、大図柄群601と小図柄群602とで非同期に図柄を更新する場合があっても、遊技者に与える違和感を軽減できる。
サブ表示装置501は、5つの7セグメント型LEDからなる5桁の表示器である。各7セグメント型LEDは、1つの表示部として機能することから、サブ表示装置501は5つの表示部501a,501b,501c,501d,501eを含む。サブ表示装置501は、表示部501a,501b,501c,501d,501eによって変動表示ゲームに関連した表示内容、あるいは変動表示ゲームから独立した表示内容を表示することができる。たとえば、サブ表示装置501は、獲得遊技球数や累積変動回数、大当り継続回数等を表示できるほか、賑やかし表示、エラー報知等を表示できる。たとえば、図57(1)に示すサブ表示装置501は、表示部501a,501b,501c,501d,501eが同期して1セグメントずつ順次点灯する賑やかし表示をおこなう。
図57(2)に変動表示ゲームにおいて図柄変動中の表示装置41とサブ表示装置501の表示内容を示す。図57(2)に示す表示装置41は、変動表示ゲームにおける表示を表示装置41だけで分担する。
表示装置41は、特図1保留数表示603に特図1ゲームの保留記憶数「0」を表示し、特図2保留数表示604に特図2ゲームの保留記憶数「4」を表示する。また、表示装置41が表示する左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。また、表示装置41が表示する小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
遊技機10は、図柄停止から図柄変動を開始した場合に多くの遊技者がリーチ態様の形成に関心を抱くことから、リーチ態様の形成過程においてリーチ態様を形成する左図柄601Lと右図柄601Rを中図柄601Cよりも大きく表示する。
サブ表示装置501は、図柄停止中と同様の表示をおこなう。なお、サブ表示装置501は、図柄変動中と図柄停止中とで異なる表示をおこなうようにしてもよい。たとえば、サブ表示装置501は、図柄停止中に変動表示ゲームから独立した表示内容として賑やかし表示をおこない、変動表示ゲームに関連した表示内容として獲得遊技球数や累積変動回数の表示をおこなう。
次に、サブ表示装置501が変動表示ゲームにおける表示内容の一部を分担する表示例を図58を用いて説明する。図58は、第3の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その2)である。
変動表示ゲームにおいて図柄変動中の表示装置41と、標準姿勢状態のサブ表示装置501の表示内容とを図58(1)に示す。表示装置41は、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、遊技案内610と、演出表示611とを変動表示ゲームの図柄変動中の表示内容に含む。サブ表示装置501は、変動表示ゲームの図柄変動中の表示内容に大図柄群601sを含む。
すなわち、遊技機10は、表示装置41で表示していた大図柄群601(図57(1)、(2)参照)に代えて、サブ表示装置501で大図柄群601sを表示することができる。サブ表示装置501が表示する大図柄群601sは、大図柄群601と同様に小図柄群602に対応する。
サブ表示装置501は、標準姿勢状態において表示部501b,501c,501dの中央に並ぶ3つを用いて図柄を表示し、表示部501a,501eの端部に位置する2つを用いて装飾表示する。表示部501b,501c,501dは、それぞれ左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rを表示し、図柄切替による図柄変動を表示する。図柄切替による図柄変動については、図59を用いて後で説明する。
表示装置41は、大図柄群601に代えて演出表示611を表示する。演出表示611は、キャラクタ612や背景613等を含む。これにより、表示装置41は、大図柄群601の表示をサブ表示装置501に委ねることで、大きな表示領域を用いて表示演出をおこなうことができる。また、表示装置41は、大図柄群601の表示をサブ表示装置501に委ねることで、大図柄群601と表示演出との干渉を排除できる。
変動表示ゲームにおいて図柄変動中の表示装置41と、左傾斜姿勢状態のサブ表示装置501の表示内容とを図58(2)に示す。サブ表示装置501は、左傾斜姿勢状態において表示部501a,501b,501c,501d,501eの5つを用いて図柄を表示する。表示部501a,501b,501c,501d,501eは、横スクロールによる図柄変動を表示する。横スクロールによる図柄変動については、図60を用いて後で説明する。
表示装置41は、サブ表示装置501の姿勢に応じて表示内容を変更する。表示装置41は、演出表示611についてサブ表示装置501の姿勢に対応して表示内容を変更する。たとえば、キャラクタ612は、サブ表示装置501の傾きに対応して左側にスライド表示される。また、背景613は、サブ表示装置501の傾きに対応して傾斜し、サブ表示装置501の姿勢と演出表示611との対応関係を明示する。
なお、表示装置41は、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、遊技案内610について、サブ表示装置501の姿勢から独立した表示内容とする。これにより、表示装置41は、サブ表示装置501の姿勢に応じた演出があっても、遊技者による遊技状態の容易な把握を担保する。
なお、サブ表示装置501が左傾斜姿勢状態のときの表示装置41の表示内容について説明したが、サブ表示装置501が右傾斜姿勢状態のときの表示装置41の表示内容についても同様とすることができる。たとえば、表示装置41は、サブ表示装置501が右傾斜姿勢状態のとき、サブ表示装置501の傾きに対応してキャラクタ612を右側にスライド表示する。
次に、サブ表示装置501における図柄切替による図柄変動について図59を用いて説明する。図59は、第3の実施形態のサブ表示装置における図柄切替による図柄変動の一例を示す図である。
図59(1)に示すサブ表示装置501は、図柄切替による図柄変動中で大図柄群601sを表示中である。図59(1)に示すサブ表示装置501は、表示部501b,501c,501dの中央に並ぶ3つを用いて図柄を切替表示し、表示部501a,501eの端部に位置する2つを用いて装飾表示(たとえばGセグメント点灯、その他消灯)する。図59(1)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを、表示部501cが中図柄601Cを、表示部501dが右図柄601Rをそれぞれ高速切替中であることを交差ハッチングで示す。すなわち、図59(1)に示すサブ表示装置501は、左図柄601Lと右図柄601Rと中図柄601Cとの図柄切替による変動中であることを示す。
図59(2)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「1」で停止表示(仮停止を含む)中であることを黒色塗り潰しの数字で示す。また、図59(2)に示すサブ表示装置501は、表示部501cが中図柄601Cを、表示部501dが右図柄601Rをそれぞれ図柄切替中であることを交差ハッチングで示す。
図59(3)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「1」で停止表示中であることと、表示部501cが中図柄601Cを「1」で停止表示中であることとを黒色塗り潰しの数字で示す。また、図59(3)に示すサブ表示装置501は、表示部501dが右図柄601Rを図柄切替中であることを交差ハッチングで示す。すなわち、図59(3)に示すサブ表示装置501は、リーチ変動中の様子を示す。
図59(4)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「1」で停止表示中であることと、表示部501cが中図柄601Cを「1」で停止表示中であることと、表示部501dが右図柄601Rを「7」で停止表示中であることとを黒色塗り潰しの数字で示す。すなわち、図59(4)に示すサブ表示装置501は、リーチ変動後のはずれ停止態様を示す。
図59(5)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「1」で停止表示中であることと、表示部501cが中図柄601Cを「1」で停止表示中であることと、表示部501dが右図柄601Rを「1」で停止表示中であることとを黒色塗り潰しの数字で示す。すなわち、図59(5)に示すサブ表示装置501は、リーチ変動後の当り停止態様を示す。
このように、遊技機10は、サブ表示装置501を用いて図柄切替による図柄変動をおこなうことができる。なお、サブ表示装置501は、点灯態様(たとえば、図柄の色彩、輝度、点滅周期等)により停止状態と仮停止状態とを区別可能にして図柄を表示することができる。
次に、サブ表示装置501における横スクロールによる図柄変動について図60を用いて説明する。図60は、第3の実施形態のサブ表示装置における横スクロールによる図柄変動の一例を示す図である。
サブ表示装置501は、横スクロールによる図柄変動をおこなうとき、横方向に図柄が並ぶ図柄配列615を設定する。図柄配列615は、3つの図柄とその両側に位置する2つの装飾表示(たとえばGセグメント点灯、その他消灯)を繰返し配列する。たとえば、図柄配列615は、装飾表示を含む部分図柄配列「−,1,1,2,−」、「−,1,1,1,−」、「−,1,1,2,−」、「−,1,1,2,−」、「−,1,1,1,−」を左から順に並べる。
遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を変更しながら横スクロールをおこなう。まず、サブ表示装置501は、標準姿勢状態において図60(1)に示す部分図柄配列「−,1,1,2,−」を大図柄群601sとして表示する。
次に、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を標準姿勢状態から右傾斜姿勢状態に変更する。遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態が右傾斜姿勢状態であるときに、図柄配列615上で大図柄群601sを左移動する。すなわち、サブ表示装置501は、大図柄群601sが右方向に横スクロールする図柄変動を表示する。
サブ表示装置501は、部分図柄配列「−,1,1,2,−」(図60(1)参照)から1単位(1桁)だけ右方向に横スクロールすると、大図柄群601sに部分図柄配列「−,−,1,1,2」(図60(2)参照)を表示する。
同様にして、サブ表示装置501は、部分図柄配列「−,−,1,1,2」(図60(2)参照)から4単位(4桁)だけ右方向に横スクロールすると、大図柄群601sに部分図柄配列「−,1,1,1,−」(図60(3)参照)を表示する。
そして、サブ表示装置501は、図柄配列615の終端に至って、大図柄群601sに部分図柄配列「−,1,1,2,−」(図60(4)参照)を表示すると、サブ表示装置501の姿勢状態を右傾斜姿勢状態から標準姿勢状態に変更する。このとき、遊技機10は、大図柄群601sに表示中の部分図柄配列を停止図柄とすることができる。また、遊技機10は、大図柄群601sに表示中の部分図柄配列を仮停止図柄とし、再変動することができる。
たとえば、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を標準姿勢状態から左傾斜姿勢状態に変更する。遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態が左傾斜姿勢状態であるときに、図柄配列615で大図柄群601sを右移動する。すなわち、サブ表示装置501は、大図柄群601sが左方向に横スクロールする図柄変動を表示する。
サブ表示装置501は、部分図柄配列「−,1,1,2,−」(図60(4)参照)から1単位(1桁)だけ左方向に横スクロールすると、大図柄群601sに部分図柄配列「1,1,2,−,−」(図60(5)参照)を表示する。
このように、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を変更することができるとともに、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた図柄変動をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、遊技者に対して斬新な表示演出をおこなうことができ、一層の興趣向上を図ることができる。また、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態(動作状態)における遊技者の興趣を向上することができる。
なお、図柄配列615は、部分図柄配列に含まれる3つの図柄を「1,1,1」と「1,1,2,−」だけとしたが、これに限らない図柄組み合わせであってもよい。また、図柄配列615は、同じ部分図柄配列を重複して有するとしたが、重複のない部分図柄配列を有するものであってもよい。
次に、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた表示演出を決定する表示演出決定処理について図61を用いて説明する。図61は、第3の実施形態の演出制御装置における表示演出決定処理のフローチャートを示す図である。
表示演出決定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。表示演出決定処理は、メイン処理のステップD23(図44参照)で制御部によって実行される処理である。
[ステップD81]制御部は、サブ表示装置501における変動表示演出の有無を判定する。制御部は、サブ表示装置501における変動表示演出がない場合に、すなわち変動表示ゲームにおける表示を表示装置41だけで分担する場合に、ステップD82に進む。制御部は、サブ表示装置501における変動表示演出がある場合に、すなわち変動表示ゲームにおける表示を表示装置41とサブ表示装置501とで分担する場合に、ステップD83に進む。
[ステップD82]制御部は、変動表示ゲームにおける表示を表示装置(メイン表示装置)41だけで分担することから、表示装置41による変動表示演出をセットして表示演出決定処理を終了する。
[ステップD83]制御部は、サブ表示装置501における姿勢変更があるか否かを判定する。制御部は、サブ表示装置501における姿勢変更がある場合にステップD84に進み、姿勢変更がない場合にステップD88に進む。
[ステップD84]制御部は、サブ表示装置501における姿勢変更が左傾斜姿勢状態であるか否かを判定する。制御部は、サブ表示装置501における姿勢変更が左傾斜姿勢状態である場合にステップD85に進み、左傾斜姿勢状態でない場合にステップD86に進む。
[ステップD85]制御部は、表示装置(メイン表示装置)41とサブ表示装置501による左傾斜変動表示演出をセットする。表示装置41における左傾斜変動表示演出は、サブ表示装置501の左傾斜姿勢状態に応じた演出表示611を表示内容に含む。また、サブ表示装置501における左傾斜変動表示演出は、表示部501a,501b,501c,501d,501eを用いた横スクロールによる図柄変動を含む。
[ステップD86]制御部は、サブ表示装置501における姿勢変更が右傾斜姿勢状態であるか否かを判定する。制御部は、サブ表示装置501における姿勢変更が右傾斜姿勢状態である場合にステップD87に進み、右傾斜姿勢状態でない場合にステップD88に進む。
[ステップD87]制御部は、表示装置(メイン表示装置)41とサブ表示装置501による右傾斜変動表示演出をセットする。表示装置41における右傾斜変動表示演出は、サブ表示装置501の右傾斜姿勢状態に応じた演出表示611を表示内容に含む。また、サブ表示装置501における右傾斜変動表示演出は、表示部501a,501b,501c,501d,501eを用いた横スクロールによる図柄変動を含む。
[ステップD88]制御部は、変動表示演出のうちサブ表示装置501が分担していない変動表示演出(一部変動表示演出)をセットする。
[ステップD89]制御部は、サブ表示装置501が分担する変動表示演出のうち姿勢変更を伴うことがない変動表示演出(一部変動表示演出)をセットし、表示演出決定処理を終了する。
これにより、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた表示演出を、表示装置41とサブ表示装置501とでおこなうことができる。
次に、プッシュボタン25から受け付けた遊技者操作にもとづくサブ表示装置501の姿勢変更について図62と図63を用いて説明する。まず、遊技機10が備えるプッシュボタン(オプション設定部)25について図62を用いて説明する。図62は、第3の実施形態のプッシュボタンにおけるプッシュボタンLEDおよびタッチセンサの配置例を示す図である。
プッシュボタン25は、プッシュボタンLEDと、タッチセンサと、プッシュボタンSWを含む。プッシュボタンLEDは、9系統のフルカラーLEDである。タッチセンサは、遊技者のタッチ操作を8か所で検出できる。プッシュボタンSWは、プッシュボタン25の押下操作を検出できる。
なお、演出制御装置300とプッシュボタン25とは電気的に接続する。演出制御装置300は、プッシュボタンLEDの制御信号をプッシュボタン25に出力し、タッチセンサの検出信号およびプッシュボタンSWの検出信号をプッシュボタン25から入力する。
ここで、図4を用いて説明した選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bについてあらためて説明する。選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとは、タッチセンサの検出信号とプッシュボタンSWの検出信号との組み合わせにより検出される信号である。たとえば、選択操作に対応する左右位置のタッチ操作をタッチセンサが検出し、かつプッシュボタン25の押下操作をプッシュボタンSWが検出した状態が、選択ボタンスイッチ25aのON状態に相当する。また、決定操作に対応する中央位置のタッチ操作をタッチセンサが検出し、かつプッシュボタン25の押下操作をプッシュボタンSWが検出した状態が、決定ボタンスイッチ25bのON状態に相当する。
プッシュボタン25は、遊技者が俯瞰した際に上面となる面の概形を略円形とする円柱形状である。プッシュボタン25は、その上面に指先程度の大きさの9つの小円部250〜258を有し、上面の中央部に小円部250を配置し、小円部250を囲む円周上に8つの小円部251〜258を配置する。
小円部250は、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW4)とをその円周内に配置する。小円部251は、小円部250の左方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW1)とをその円周内に配置する。小円部252は、小円部250の左斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW2)とをその円周内に配置する。小円部253は、小円部250の上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW3)とをその円周内に配置する。小円部254は、小円部250の右斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW5)とをその円周内に配置する。小円部255は、小円部250の右方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW6)とをその円周内に配置する。小円部256は、小円部250の右斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW7)とをその円周内に配置する。小円部257は、小円部250の下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW8)とをその円周内に配置する。小円部258は、小円部250の左斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDをその円周内に配置する。小円部258は、タッチセンサを配置しないことから、タッチセンサを配置する小円部250〜257と区別容易にするために星型多角形の意匠を有する。また、小円部258は、タッチセンサを配置しないことから、遊技者が8つのタッチセンサを操作する際のホームポジションとなり得る。この小円部258は、プッシュボタン25が遊技機10の中央部にあって操作部24が右側にあるときに、遊技者側からみると小円部251〜258のうちで手前左側に位置し、遊技者が小円部258をホームポジションと扱うことを容易にしている。
なお、プッシュボタン25は、小円部258にタッチセンサを配置しないとしたが、小円部250〜257と同様にタッチセンサを配置してもよい。また、プッシュボタン25は、タッチセンサに代えて、遊技者のタッチ操作の位置座標を検出可能なタッチパネルを備えるものであってもよい。その場合、演出制御装置300は、小円部250〜258に対応する座標と、タッチパネルで検出した位置座標とから、小円部250〜258のタッチ操作を検出できる。
次に、プッシュボタン操作とサブ表示装置の姿勢変更状態との関係を図63を用いて説明する。図63は、第3の実施形態のプッシュボタン操作とサブ表示装置の姿勢変更状態との関係の一例を示す図である。
演出制御装置300の制御部(CPU311)は、プッシュボタン25のタッチセンサの検出信号から所定のタッチ操作を検出することができる。制御部は、表示装置41の前面に位置するサブ表示装置501の姿勢状態を、検出したタッチ操作に対応して変更することができる。
たとえば、制御部は、プッシュボタン25のタッチセンサの検出信号から(1A)に示すような反時計回りのタッチ操作を検出することができ、プッシュボタン25の反時計回りのタッチ操作を検出してサブ表示装置501の姿勢状態を(1B)に示すように標準姿勢状態から左傾斜姿勢状態に変更することができる。
また、制御部は、プッシュボタン25のタッチセンサの検出信号から(2A)に示すような時計回りのタッチ操作を検出することができ、プッシュボタン25の時計回りのタッチ操作を検出してサブ表示装置501の姿勢状態を(2B)に示すように標準姿勢状態から右傾斜姿勢状態に変更することができる。
また、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた図柄変動表示をおこなうことができるから、遊技者操作が図柄変動表示に介入する演出をおこなうことができる。このような遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態(動作状態)における遊技者の興趣を向上することができる。
なお、遊技機10は、サブ表示装置501を5つの7セグメント型LEDからなる5桁の表示器としたが、ドットマトリクス型の表示器や、LCD表示器を用いるものであってもよい。また、遊技機10は、遊技者操作をプッシュボタン25のタッチセンサの検出信号から受け付けるとしたが、タッチ操作に限らず、ボタンSWの押下操作、レバー操作やスティック操作、ジェスチャーや音声による入力操作等であってもよい。
なお、図示省略するが、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢を1以上のアクチュエータ(モータやソレノイド等)の動作により変更制御することができる。
[第3の実施形態の変形例1]
第3の実施形態の変形例1の遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を前後方向に変更可能であり、サブ表示装置501の姿勢状態に対応して図柄の変動表示をおこなうことができる。第3の実施形態の変形例1のサブ表示装置501の姿勢状態について図64を用いて説明する。図64は、第3の実施形態の変形例1のサブ表示装置の姿勢変更状態と変動表示の一例を示す図である。図64(1A)、(2A)、(3A)に示す図は、表示装置41およびサブ表示装置501を側方視したイメージ図である。図64(1B)、(2B)、(3B)に示す図は、サブ表示装置501における変動表示態様を示す図である。遊技機10は、サブ表示装置501について、たとえば3つの姿勢状態に変更可能である。
(1A)に示す図は、サブ表示装置501の標準となる姿勢状態(標準姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、表示装置41(メイン表示装置)の前面にある。サブ表示装置501の標準姿勢状態は、表示装置41の表示面とサブ表示装置501の表示面とが概ね平行関係にある姿勢状態であり、サブ表示装置501の表示面が正面を向く姿勢状態である。このとき、遊技機10は、サブ表示装置501において図柄切替による図柄変動表示をおこなう((1B))。
(2A)に示す図は、サブ表示装置501が後傾した姿勢状態(後傾姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、表示装置41の前面にある。サブ表示装置501の後傾姿勢状態は、サブ表示装置501の表示面上端側が表示面下端側と比較して表示装置41の表示面に近接する姿勢状態であり、サブ表示装置501の表示面が斜め上を向く姿勢状態である。このとき、遊技機10は、サブ表示装置501において下向きの縦スクロールによる図柄変動表示をおこなう((2B))。
(3A)に示す図は、サブ表示装置501が前傾した姿勢状態(前傾姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、表示装置41の前面にある。サブ表示装置501の前傾姿勢状態は、サブ表示装置501の表示面下端側が表示面上端側と比較して表示装置41の表示面に近接する姿勢状態であり、サブ表示装置501の表示面が斜め下を向く姿勢状態である。このとき、遊技機10は、サブ表示装置501において上向きの縦スクロールによる図柄変動表示をおこなう((3B))。
このように、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた図柄変動表示をおこなうことができる。また、遊技機10は、サブ表示装置501について遊技者操作に応じて姿勢状態を変更可能にしてもよく、図柄変動表示に遊技者が介入する演出をおこなうものであってもよい。このような遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態(動作状態)における遊技者の興趣を向上することができる。
[第3の実施形態の変形例2]
第3の実施形態の変形例2の遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を左右方向に変更可能であり、サブ表示装置501の姿勢状態に対応して図柄の変動表示をおこなうことができる。第3の実施形態の変形例2のサブ表示装置501の姿勢状態について図65を用いて説明する。図65は、第3の実施形態の変形例2のサブ表示装置の姿勢変更状態と変動表示の一例を示す図である。図65(1A)、(2A)、(3A)に示す図は、表示装置41およびサブ表示装置501を上方視したイメージ図である。図65(1B)、(2B)、(3B)に示す図は、サブ表示装置501における変動表示態様を示す図である。遊技機10は、サブ表示装置501について、たとえば3つの姿勢状態に変更可能である。
(1A)に示す図は、サブ表示装置501の標準となる姿勢状態(標準姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、表示装置41(メイン表示装置)の前面にある。サブ表示装置501の標準姿勢状態は、表示装置41の表示面とサブ表示装置501の表示面とが概ね平行関係にある姿勢状態であり、サブ表示装置501の表示面が正面を向く姿勢状態である。このとき、遊技機10は、サブ表示装置501において図柄切替による図柄変動表示をおこなう((1B))。
(2A)に示す図は、サブ表示装置501が右向きに後傾した姿勢状態(右傾姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、表示装置41の前面にある。サブ表示装置501の右傾姿勢状態は、サブ表示装置501の表示面右端側が表示面左端側と比較して表示装置41の表示面に近接する姿勢状態であり、サブ表示装置501の表示面が斜め右を向く姿勢状態である。このとき、遊技機10は、サブ表示装置501において右向きの横スクロールによる図柄変動表示をおこなう((2B))。
(3A)に示す図は、サブ表示装置501が左向きに後傾した姿勢状態(左傾姿勢状態)を示す。サブ表示装置501は、表示装置41の前面にある。サブ表示装置501の左傾姿勢状態は、サブ表示装置501の表示面左端側が表示面右端側と比較して表示装置41の表示面に近接する姿勢状態であり、サブ表示装置501の表示面が斜め左を向く姿勢状態である。このとき、遊技機10は、サブ表示装置501において左向きの横スクロールによる図柄変動表示をおこなう((3B))。
このように、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた図柄変動表示をおこなうことができる。また、遊技機10は、サブ表示装置501について遊技者操作に応じて姿勢状態を変更可能にしてもよく、図柄変動表示に遊技者が介入する演出をおこなうものであってもよい。このような遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態(動作状態)における遊技者の興趣を向上することができる。
[第3の実施形態の変形例3]
第3の実施形態の遊技機10の図柄配列615は、3つの図柄とその両側に位置する2つの装飾表示を繰返し配列したが、第3の実施形態の変形例3の遊技機10は、装飾表示を含まずに図柄だけを繰返し配列する。第3の実施形態の変形例3のサブ表示装置501における横スクロールによる図柄変動について図66を用いて説明する。図66は、第3の実施形態の変形例3のサブ表示装置における変動表示の一例を示す図である。
サブ表示装置501は、横スクロールによる図柄変動をおこなうとき、横方向に図柄が並ぶ図柄配列616を設定する。図柄配列616は、当り図柄の組み合わせ(たとえば、「1,1,1」、「2,2,2」等)を繰返し配列する。
遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を変更しながら横スクロールをおこなう。まず、サブ表示装置501は、標準姿勢状態において図66(1)に示す部分図柄配列「4,4,5」を大図柄群601sとして表示する。
次に、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を標準姿勢状態から右傾斜姿勢状態に変更する。遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態が右傾斜姿勢状態であるときに、図柄配列616上で大図柄群617を左移動する。すなわち、サブ表示装置501は、大図柄群617が右方向に横スクロールする図柄変動を表示する。
サブ表示装置501は、部分図柄配列「4,4,5」(図66(1)参照)から1単位(1桁)だけ右方向に横スクロールすると、大図柄群617に部分図柄配列「4,4,4」(図66(2)参照)を表示する。
同様にして、サブ表示装置501は、部分図柄配列「4,4,4」(図66(2)参照)から1単位(1桁)だけ右方向に横スクロールすると、大図柄群617に部分図柄配列「3,4,4」(図66(3)参照)を表示する。
そして、サブ表示装置501は、図柄配列616の終端に至って、大図柄群617に部分図柄配列「7,1,1」(図66(4)参照)を表示すると、サブ表示装置501の姿勢状態を右傾斜姿勢状態から標準姿勢状態に変更する。このとき、遊技機10は、大図柄群617に表示中の部分図柄配列を停止図柄とすることができる。また、遊技機10は、大図柄群617に表示中の部分図柄配列を仮停止図柄とし、再変動することができる。
たとえば、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を標準姿勢状態から左傾斜姿勢状態に変更する。遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態が左傾斜姿勢状態であるときに、図柄配列616で大図柄群617を右移動する。すなわち、サブ表示装置501は、大図柄群617が左方向に横スクロールする図柄変動を表示する。
サブ表示装置501は、部分図柄配列「7,1,1」(図66(4)参照)から1単位(1桁)だけ左方向に横スクロールすると、大図柄群617に部分図柄配列「1,1,1」(図66(5)参照)を表示する。
このように、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態を変更することができるとともに、サブ表示装置501の姿勢状態に応じた図柄変動をおこなうことができる。また、遊技機10は、当り図柄の組み合わせを繰返し配列したことで、図柄配列616上で大図柄群617が移動するだけで当りとなる図柄組み合わせや「はずれ」となる図柄組み合わせを表示することができる。
これにより、遊技機10は、遊技者に対して斬新な表示演出をおこなうことができ、一層の興趣向上を図ることができる。また、遊技機10は、サブ表示装置501の姿勢状態(動作状態)における遊技者の興趣を向上することができる。
なお、遊技機10は、表示装置41を基準にしてサブ表示装置501の姿勢状態を変更できるとしたが、遊技盤30を基準にしてサブ表示装置501の姿勢状態を変更できるという側面を有する。
[第3の実施形態の変形例4]
第3の実施形態の変形例4の遊技機10は、5つの7セグメント型LEDからなる5桁の表示器(サブ表示装置501)を用いてダブルリーチを演出することができる。サブ表示装置501を用いて演出するダブルリーチについて図67と図68とを用いて説明する。図67は、第3の実施形態の変形例4のサブ表示装置における変動表示の一例を示す図(その1)である。図68は、第3の実施形態の変形例4のサブ表示装置における変動表示の一例を示す図(その2)である。
図67(1)に示すサブ表示装置501は、図柄切替による図柄変動中で大図柄群618を表示中である。図67(1)に示すサブ表示装置501は、表示部501b,501c,501dの中央に並ぶ3つを用いて図柄を切替表示し、表示部501a,501eの端部に位置する2つを用いて装飾表示(たとえばGセグメント点灯、その他消灯)する。図67(1)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを、表示部501cが中図柄601Cを、表示部501dが右図柄601Rをそれぞれ高速切替中であることを交差ハッチングで示す。すなわち、図67(1)に示すサブ表示装置501は、左図柄601Lと右図柄601Rと中図柄601Cとの図柄切替による変動中であることを示す。
図67(2)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「4」で停止表示(仮停止を含む)中であることを黒色塗り潰しの数字で示す。また、図67(2)に示すサブ表示装置501は、表示部501cが中図柄601Cを、表示部501dが右図柄601Rをそれぞれ図柄切替中であることを交差ハッチングで示す。
図67(3)に示すサブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「4」で停止表示中であることと、表示部501dが右図柄601Rを「5」で停止表示中であることとを黒色塗り潰しの数字で示す。また、図67(3)に示すサブ表示装置501は、表示部501cが中図柄601Cを図柄切替中であることを交差ハッチングで示す。すなわち、図67(3)に示すサブ表示装置501は、リーチとならない変動中の様子を示す。
そして、図67(3)に示すサブ表示装置501は、リーチを導出しない場合に、中図柄601Cを停止表示して「はずれ停止態様」となる。たとえば、サブ表示装置501は、図68(6)に示すような「はずれ停止態様」を示す。サブ表示装置501は、表示部501bが左図柄601Lを「4」で停止表示中であることと、表示部501cが中図柄601Cを「6」で停止表示中であることと、表示部501dが右図柄601Rを「5」で停止表示中であることとを黒色塗り潰しの数字で示す。
一方で、図67(3)に示すサブ表示装置501は、リーチを導出する場合に、中図柄601Cを停止表示する前に、表示部501a,501eの装飾表示を図柄表示に切り替える。このとき、サブ表示装置501は、表示部501bが表示している図柄を表示部501aにも表示する。また、サブ表示装置501は、表示部501dが表示している図柄を表示部501eにも表示する。
これにより、サブ表示装置501は、図67(4)に示すような表示態様を示す。図67(4)に示すサブ表示装置501は、ダブルリーチを演出する表示態様である。サブ表示装置501は、表示部501a,501bがそれぞれ「4」で停止表示中であることと、表示部501d,501eがそれぞれ「5」で停止表示中であることとを黒色塗り潰しの数字で示し、表示部501cが図柄切替中であることを交差ハッチングで示す。
サブ表示装置501は、大図柄群618に代えて2つの大図柄群619,620を設定する。これにより、サブ表示装置501は、大図柄群619によるリーチと、大図柄群620によるリーチとからなるダブルリーチを演出する。
大図柄群619は、表示部501a,501b,501cの左端から並ぶ3つの図柄を、左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rとして含む。大図柄群620は、表示部501c,501d,501eの右端から並ぶ3つの図柄を、左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rとして含む。すなわち、表示部501aは、大図柄群619における左図柄601Lを表示し、表示部501bは、大図柄群619における中図柄601Cを表示し、表示部501cは、大図柄群619における右図柄601Rと大図柄群620における左図柄601Lとを表示し、表示部501dは、大図柄群620における中図柄601Cを表示し、表示部501eは、大図柄群620における右図柄601Rを表示する。
これにより、サブ表示装置501は、大図柄群619において右図柄601Rの停止を待つリーチを表示し、大図柄群620において左図柄601Lの停止を待つリーチを表示する。
そして、サブ表示装置501は、大図柄群619において当り停止態様を導出する場合に、図68(1)に示すように表示部501cに「4」を停止表示する。これにより、サブ表示装置501は、大図柄群619で当り停止態様を表示し、大図柄群620で「はずれ停止態様」を表示する。そして、サブ表示装置501は、大図柄群619の停止態様と大図柄群620の停止態様とのうちから当り停止態様を導出した大図柄群619にもとづいて、図68(2)に示すように大図柄群618における停止態様を表示する。
また、サブ表示装置501は、大図柄群620において当り停止態様を導出する場合に、図68(3)に示すように表示部501cに「5」を停止表示する。これにより、サブ表示装置501は、大図柄群620で当り停止態様を表示し、大図柄群619で「はずれ停止態様」を表示する。そして、サブ表示装置501は、大図柄群619の停止態様と大図柄群620の停止態様とのうちから当り停止態様を導出した大図柄群620にもとづいて、図68(4)に示すように大図柄群618における停止態様を表示する。
また、サブ表示装置501は、大図柄群620において「はずれ停止態様」を導出する場合に、図68(5)に示すように表示部501cにたとえば「6」を停止表示する。これにより、サブ表示装置501は、大図柄群619,620で「はずれ停止態様」を表示する。そして、サブ表示装置501は、大図柄群619の停止態様と大図柄群620の停止態様とにもとづいて、図68(6)に示すように大図柄群618における停止態様を表示する。
このように、遊技機10は、サブ表示装置501を用いてダブルリーチを演出することができる。
上述した第3の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示装置(サブ表示装置501)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示装置は、姿勢を変更可能である。制御手段は、表示装置を第1の姿勢(たとえば左傾斜姿勢状態)に変更したときに表示装置に第1の表示演出(たとえば左方向に横スクロール)を表示させ、表示装置を第2の姿勢(たとえば右傾斜姿勢状態)に変更したときに表示装置に第2の表示演出(たとえば右方向に横スクロール)を表示させる。
(2)(1)の遊技機10は、表示装置(サブ表示装置501)の背面側で表示装置と重なる位置に背面側表示装置(表示装置41)を備える。さらに、(1)の制御手段は、表示装置を第1の姿勢に変更したときに背面側表示装置に第3の表示演出(たとえば、サブ表示装置501の傾きに対応して傾斜した背景613、左側にスライド表示するキャラクタ612)を表示させ、表示装置を第2の姿勢に変更したときに背面側表示装置に第4の表示演出(たとえば、サブ表示装置501の傾きに対応して傾斜した背景613、右側にスライド表示するキャラクタ612)を表示させる。
(3)遊技機10は、表示手段(サブ表示装置501)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示手段は、それぞれ図柄を表示可能な5つの表示器(7セグメント型LED)を列状配置して変動表示ゲームを表示可能である。制御手段は、5つの表示器のうち3つの表示器により形成される第1の有効ライン(大図柄群618)上で変動表示ゲームを表示可能な第1の状態(図67(3)参照)と、5つの表示器のうち一側端から3つの表示器により形成される第2の有効ライン(大図柄群619)上と、5つの表示器のうち他側端から3つの表示器により形成される第3の有効ライン(大図柄群620)上とで変動表示ゲームを表示可能な第2の状態(図67(4)参照)と、を切替制御可能である。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の遊技機10は、特図1と特図2とを同時に変動表示可能な遊技性を有する。第4の実施形態の遊技機10の遊技性について図69を用いて説明する。図69は、第4の実施形態の遊技状態遷移図と確率変動状態の一例を示す図である。
遊技機10の遊技状態に関する状態遷移図を図69(1)に示す。遊技機10は、通常状態St1と、大当り状態St2と、特定状態1St3と、特定状態2St4とを主要な遊技状態とする。
通常状態St1は、主となる遊技状態であり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとがともに低確率状態であり、普電サポートがない遊技状態である。通常状態St1は、遊技者に左打ち遊技を案内する遊技状態である。遊技機10は、左打ち遊技においては遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側を遊技球が流下することとなる。したがって、遊技機10は、通常状態St1において主として始動入賞口36(始動口1)に遊技球を入賞させて大当りの発生を待つ遊技性を有する。すなわち、遊技機10は、通常状態St1において特図1変動表示ゲームによって導出される大当りの発生を待つ遊技性を有する。遊技機10は、通常状態St1から大当り状態St2への遷移条件Tr12を大当りの発生とする。
大当り状態St2は、特図1変動表示ゲームによって導出される大当り状態と、特図2変動表示ゲームによって導出される大当り状態とを含む遊技状態である。遊技機10は、大当り状態において、特図1変動表示ゲームによって導出される大当りと、特図2変動表示ゲームによって導出される大当りとで特別変動入賞装置(上大入賞口、大入賞口2)38を開状態に変換する。
遊技機10は、大当りの終了を大当り状態St2から他の遊技状態への遷移条件とし、そのうち大当り終了後の遊技状態が低確率かつ普電サポートなしを大当り状態St2から通常状態St1への遷移条件Tr21とし、大当り終了後の遊技状態が高確率かつ普電サポートありを大当り状態St2から特定状態1St3への遷移条件Tr23とし、大当り終了後の遊技状態が高確率かつ普電サポートなしを大当り状態St2から特定状態2St4への遷移条件Tr24とする。
特定状態1St3は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとがともに高確率状態であり、普電サポートがある遊技状態である。特定状態1St3は、遊技者に右打ち遊技を案内する遊技状態である。遊技機10は、右打ち遊技においては遊技領域32におけるセンターケース40の右側を遊技球が流下することとなる。したがって、遊技機10は、特定状態1St3において主として普通変動入賞装置37(始動口1)に遊技球を入賞させて大当りの発生を待つ遊技性を有する。すなわち、遊技機10は、特定状態1St3において特図1変動表示ゲームによって導出される大当りの発生を待つ遊技性を有する。遊技機10は、特定状態1St3から大当り状態St2への遷移条件Tr32を大当りの発生とする。また、遊技機10は、特定状態1St3から特定状態2St4への遷移条件Tr34を普電サポートの終了とする。たとえば、遊技機10は、特定状態1St3において特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが所定回数(たとえば50回)だけ変動表示したときに普電サポートを終了する。
特定状態2St4は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとがともに高確率状態であり、普電サポートがない遊技状態である。特定状態2St4は、遊技者に右打ち遊技を案内する遊技状態である。遊技機10は、右打ち遊技においては遊技領域32におけるセンターケース40の右側を遊技球が流下することとなる。したがって、遊技機10は、特定状態2St4において主として始動入賞口92(始動口2)に遊技球を入賞させて大当りの発生を待つ遊技性を有する。すなわち、遊技機10は、特定状態2St4において特図2変動表示ゲームによって導出される大当りの発生を待つ遊技性を有する。遊技機10は、特定状態2St4から大当り状態St2への遷移条件Tr42を大当りの発生とする。
ここで、図69(2)に示す特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの確率変動状態について説明する。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは、大当りのほかに小当りを導出し得る。遊技機10は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームにおける大当りの発生により、特別変動入賞装置38を開状態に変換する。一方で、遊技機10は、特図1変動表示ゲームの小当りの発生により特別変動入賞装置95を開状態に変換し、特図2変動表示ゲームの小当りの発生により特別変動入賞装置38を開状態に変換する。特図2変動表示ゲームの小当りは、特図1変動表示ゲームの小当りよりも獲得可能な賞球数が多いことから相対的に価値が高い小当りである。
特図1変動表示ゲームは、低確率状態において大当り確率、小当り確率ともに低確率が設定され、高確率状態において大当り確率に高確率が設定され、小当り確率に低確率が設定される。たとえば、特図1変動表示ゲームは、大当り確率を低確率状態において1/250とし、高確率状態において1/50とする。また、特図1変動表示ゲームは、小当り確率を1/10000(低確率状態)とする。
特図2変動表示ゲームは、低確率状態において大当り確率、小当り確率ともに低確率が設定され、高確率状態において大当り確率、小当り確率ともに高確率が設定される。たとえば、特図2変動表示ゲームは、大当り確率を低確率状態において1/250とし、高確率状態において1/50とする。また、特図2変動表示ゲームは、小当り確率を低確率状態において1/10000とし、高確率状態において9999/10000とする。
これにより遊技機10は、大当り状態St2で大当りにより獲得賞球数を増大させる遊技性に加え、特定状態2St4で小当りにより獲得賞球数を増大させる遊技性を有する。
ここで、特定状態2St4における表示装置41における表示画面の構成について図70から図72を用いて説明する。図70は、第4の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その1)である。図71は、第4の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その2)である。図72は、第4の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その3)である。
特定状態2St4における表示装置41とサブ表示装置501の表示内容を図70(1)に示す。図70(1)に示す表示装置41の表示内容は、変動表示ゲームにおいて図柄変動中の様子を示す。表示装置41は、小図柄625と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、遊技案内610とを変動表示ゲームの図柄停止中の表示内容に含む。小図柄625は、飾り図柄の1つであって、表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄625は、1桁の図柄変動として表示される。
また、表示装置41は、演出領域622を設定し、演出表示623を表示する。たとえば、演出表示623は、2つのキャラクタ(主人公キャラ(左)と敵キャラ(右))の勝負を演出する。
また、遊技機10は、特定状態2St4における表示装置41の前面にサブ表示装置501を出現させ、特定状態2St4中に獲得した累積獲得賞球数をサブ表示装置501に表示する。累積獲得賞球数は、通常状態St1でリセットされる。たとえば、サブ表示装置501は、累積獲得賞球数が「410」であることを示す。なお、累積獲得賞球数は、大当り状態St2と、特定状態1St3と、特定状態2St4とにおいて獲得した累積獲得賞球数であってもよい。
図70(2)に示す表示装置41の表示内容は、変動表示ゲームにおいて図柄停止時の様子を示す。表示装置41は、小図柄625の小当り図柄として「○」を表示する。また、表示装置41は、演出領域622を設定し、演出表示624を表示する。たとえば、演出表示624は、2つのキャラクタ(主人公キャラ(左)と敵キャラ(右))のうち主人公キャラ(左)の勝利を演出する。これにより、遊技機10は、小図柄625と演出領域622とで小当り発生を案内する。
図71(1)に示す表示装置41の表示内容は、変動表示ゲームにおける小当り中の様子を示す。表示装置41は、小図柄625の小当り図柄として「○」を表示する。また、表示装置41は、演出領域622に大図柄626を表示する。大図柄626は、飾り図柄の1つであって、演出領域622の中央部に大きく表示される。大図柄626は、図柄変動を省略して表示される。表示装置41は、大図柄626の小当り図柄として、たとえば白色の「7」(以下、「白7」)を表示する。したがって、大図柄626は、変動表示ゲームの結果が小当りであったことを報知する図柄である。
図71(2)に示す表示装置41の表示内容もまた、変動表示ゲームにおける小当り中の様子を示す。表示装置41は、小図柄625の小当り図柄として「○」を表示する。また、表示装置41は、演出領域622に大図柄627を表示する。大図柄627は、飾り図柄の1つであって、演出領域622の中央部に大きく表示される。大図柄627は、図柄変動を省略して表示される。表示装置41は、大図柄627の小当り図柄として、たとえば金色(ハッチングで示す)の「7」(以下、「金7」)を表示する。したがって、大図柄627もまた、変動表示ゲームの結果が小当りであったことを報知する図柄である。
しかしながら、遊技機10は、変動表示ゲームの結果が小当りであっただけでは大図柄627を表示することをしない。遊技機10は、変動表示ゲームの結果が小当りであり、かつ特定状態2St4が所定回数だけ継続するときに所定確率で大図柄627を表示する。
たとえば、遊技機10は、保留中の始動記憶のうちに大当りを導出する始動記憶がない場合に、大図柄626(すなわち「白7」)に代えて大図柄627(すなわち「金7」)を表示し得る。これにより、遊技機10は、遊技者に対して保留中の始動記憶のうちに大当りを導出する始動記憶がないことを案内することができる。たとえば、図71(2)に示す表示装置41は、特図2保留数表示604に「4」を表示することから、4つの始動記憶のいずれにも大当りが含まれないことを案内することができる。
なお、遊技機10は、特定状態2St4中においては、「金7」を表示することで特定状態2St4が少なくとも保留中の始動記憶が消化されるまで継続することを案内することができる。遊技機10は、特定状態2St4において小当りにより獲得賞球数を増大させる遊技性であることから、「金7」を表示することで遊技者が感得する興趣を向上することができる。
また、図71(2)に示す表示装置41は、演出領域622に状態案内表示628を表示する。状態案内表示628は、帯状のメッセージ表示であり、演出領域622の両側に縦方向に配列され、メッセージ「絶対無敵」を表示し、特定状態2St4が継続することを案内する。遊技機10は、「金7」と状態案内表示628とを同時に表示することで、遊技者が感得する興趣を一層向上することができる。
なお、遊技機10は、大図柄626(すなわち「白7」)や大図柄627(すなわち「金7」)を表示する間も累積獲得賞球数を更新する。たとえば、サブ表示装置501は、累積獲得賞球数が「420」であることを示す。
「金7」を表示した後の次回変動の表示装置41の表示内容を図72(1)に示す。図72(1)に示す表示装置41は、変動表示ゲームにおいて図柄変動中の様子を示す。表示装置41は、「金7」を表示した後に、特定状態2St4が所定回数だけ継続するとした間、演出領域622に状態案内表示628を継続して表示する。これにより、遊技機10は、「金7」の表示がない時でも、状態案内表示628の表示によって特定状態2St4の継続を案内することができる。なお、遊技機10は、「金7」を表示した後の図柄変動中も累積獲得賞球数を更新する。たとえば、サブ表示装置501は、累積獲得賞球数が「440」であることを示す。
図72(2)に示す表示装置41の表示内容は、変動表示ゲームにおいて図柄停止時の様子を示す。表示装置41は、小図柄625の小当り図柄として「○」を表示する。表示装置41は、小図柄625の図柄変動中だけでなく小図柄625の図柄停止時においても、特定状態2St4が所定回数だけ継続するとした間、演出領域622に状態案内表示628を継続して表示する。これにより、遊技機10は、「金7」の表示がない時でも、状態案内表示628の表示によって特定状態2St4の継続を案内することができる。なお、遊技機10は、「金7」を表示した後の図柄停止中も累積獲得賞球数を更新する。たとえば、サブ表示装置501は、累積獲得賞球数が「450」であることを示す。
この後、遊技機10は、図70(1)あるいは図70(2)に示したように、大図柄626(すなわち「白7」)や大図柄627(すなわち「金7」)を表示する。なお、遊技機10が小当りを導出する場合を説明したが、大当りや「はずれ」を導出する場合には対応する変動表示をおこない、対応する結果を導出することとなる。
なお、大図柄626,627は、飾り図柄として表示されるとしたが、小当り中の演出表示として表示されるものであってもよい。
なお、大図柄627は、保留中の始動記憶のうちに大当りを導出する始動記憶がない場合に表示されるとしたが、保留中の始動記憶のうちに特定の結果態様を導出する始動記憶がない場合に表示されるものであってもよい。たとえば、大図柄627は、保留中の始動記憶のうちに確率変動を伴わない大当りを導出する始動記憶がない場合に表示されるようにしてもよい。
次に、小当り時に選択される大図柄の表示態様について図73を用いて説明する。図73は、第4の実施形態の小当り時の条件別大図柄表示態様の一例を示す図である。
遊技機10は、特図2保留数表示604が「1」以上のとき、この「1」以上の始動記憶に加えて消化中の始動記憶のすべてで大当りを導出することがない場合に、小当り時に選択される大図柄の表示態様を「金7」と「白7」のいずれかとする。たとえば、遊技機10は、10%の確率で「金7」を選択し、90%の確率で「白7」を選択する。
なお、遊技機10は、「金7」を選択した場合に、始動記憶数の範囲内で次回以降の変動表示における小当りに対して「金7」の選択を予約できる。これにより、遊技機10は、「金7」の連続的な選択を実現することができる。たとえば、遊技機10は、特図2保留数表示604が「4」のとき消化中の始動記憶を含めて5回連続で「金7」を選択し得る。
また、遊技機10は、特図2保留数表示604が「1」以上のとき、この「1」以上の始動記憶で大当りを導出することがある場合に、小当り時に選択される大図柄の表示態様を「白7」とする。遊技機10は、特図2保留数表示604が「0」のとき、消化中の始動記憶で大当りを導出するか否かに関わらず、小当り時に選択される大図柄の表示態様を「白7」とする。
これにより、遊技機10は、大図柄の表示態様を「金7」とすることにより特定状態2St4の継続を案内することができる。また、遊技機10は、大図柄の表示態様を「白7」としても特定状態2St4の継続可能性を案内することができる。
なお、遊技機10は、大図柄の表示態様を「金7」と「白7」のいずれかとするときに、10%の確率で「金7」を選択し、90%の確率で「白7」を選択するとしたが、始動記憶数に応じて選択確率を違えるようにしてもよい。
たとえば、遊技機10は、特図2保留数表示604が「4」のときに10%の確率で「金7」を選択し、90%の確率で「白7」を選択し、特図2保留数表示604が「1」のときに30%の確率で「金7」を選択し、70%の確率で「白7」を選択するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、全体としての「金7」の出現率を抑えながら、遊技者が焦燥する始動記憶数が少ない状態で「金7」の出現率を高めることができる。また、遊技機10は、特図2保留数表示604が「4」のときに10%の確率で「金7」を選択し、90%の確率で「白7」を選択し、特図2保留数表示604が「1」のときに1%の確率で「金7」を選択し、99%の確率で「白7」を選択するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、全体としての「金7」の出現率を抑えながら、始動記憶数が多い状態に特典を与えて稼働率向上を図ることができる。
次に、特定状態2St4において小当り時に表示される大図柄の表示態様(小当り図柄)を決定する小当り図柄決定処理について図74を用いて説明する。図74は、第4の実施形態の演出制御装置における小当り図柄決定処理のフローチャートを示す図である。
小当り図柄決定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。小当り図柄決定処理は、メイン処理のステップD23(図44参照)で制御部によって特定状態2St4にあるときに実行される処理である。
[ステップD91]制御部は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのいずれもが導出する結果態様が「はずれ」であるか否かを判定する。制御部は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのいずれもが導出する結果態様が「はずれ」である場合にステップD101に進み、「はずれ」でない場合にステップD92に進む。
[ステップD92]制御部は、報知図柄予約回数が「1」以上か否かを判定する。制御部は、報知図柄予約回数が「1」以上である場合にステップD98に進み、「1」未満(すなわち「0」)である場合にステップD93に進む。なお、報知図柄予約回数は、始動記憶数の範囲内で次回以降の変動表示における小当りに対して「金7」(報知図柄)の選択を予約した始動記憶数(予約回数)である。
[ステップD93]制御部は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶に関する情報(始動記憶数情報)を取得する。始動記憶数情報は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶数と、それぞれの始動記憶から導出される結果態様とを含む。
[ステップD94]制御部は、始動記憶数情報のうちに特定の結果態様(特定結果)があるか否かを判定する。制御部は、始動記憶数情報のうちに特定結果がある場合にステップD100に進み、特定結果がない場合にステップD95に進む。なお、特定結果は、単に大当りとしてもよいし、確率変動を伴わない大当りとするなど、任意に設定できる。
[ステップD95]制御部は、報知抽選をおこなう。
[ステップD96]制御部は、報知抽選の結果が当選か落選かを判定する。制御部は、報知抽選の結果が当選の場合にステップD97に進み、結果が落選の場合にステップD100に進む。
[ステップD97]制御部は、報知図柄予約回数をセットする。なお、制御部は、始動記憶数を報知図柄予約回数としてもよいし、始動記憶数を上限として決定する数を報知図柄予約回数としてもよい。
[ステップD98]制御部は、報知図柄をセット、すなわち「金7」をセットする。
[ステップD99]制御部は、報知図柄予約回数を「1」デクリメントして小当り図柄決定処理を終了する。
[ステップD100]制御部は、非報知図柄をセット、すなわち「白7」をセットして小当り図柄決定処理を終了する。
[ステップD101]制御部は、変動表示の結果として小当りを導出しないので、小当り図柄の表示をキャンセルする。
[ステップD102]制御部は、報知図柄予約回数を「1」デクリメントして小当り図柄決定処理を終了する。
このようにして、遊技機10は、特定状態2St4において小当り時に表示される大図柄の表示態様を、始動記憶から導出される結果態様に応じて決定することができる。また、遊技機10は、「金7」を選択した場合に、始動記憶数の範囲内で次回以降の変動表示における小当りに対して「金7」の選択を予約できる。
これにより、遊技機10は、遊技者に対して保留中の始動記憶のうちに特定の結果態様(たとえば大当り)を導出する始動記憶がないことを案内することができる。このような遊技機10は、保留予告演出に対する遊技者の関心を高めることができるという側面を有する。
次に、小当りが連続するときに小当り図柄の選択例について図75を用いて説明する。図75は、第4の実施形態の保留記憶と小当り図柄の一例を示す図である。
保留中始動記憶630は、保留中の始動記憶について始動記憶の数を丸表示の数で表わし、特定結果を導出する始動記憶をハッチング表示で表わし、特定結果を導出しない始動記憶を白抜き表示で表わす。消化中始動記憶631は、消化中の始動記憶について始動記憶の有無を丸表示の有無で表わし、特定結果を導出する始動記憶をハッチング表示で表わし、特定結果を導出しない始動記憶を白抜き表示で表わす。太線の丸印は、報知図柄として予約されていることを示し、細線の丸印は、報知図柄として予約されていないことを示す。
図75(1)に示す小当り図柄の選択例は、保留中始動記憶630の3つ目に特定結果を導出する始動記憶があることから、遊技機10は、消化中始動記憶631が導出する結果として大図柄626(すなわち「白7」)を表示する。
図75(2)に示す小当り図柄の選択例は、保留中始動記憶630と消化中始動記憶631のいずれにも特定結果を導出する始動記憶がない。遊技機10は、小当り図柄決定処理のステップD95の報知抽選で落選した場合に、消化中始動記憶631が導出する結果として大図柄626を表示する。
図75(3)に示す小当り図柄の選択例は、保留中始動記憶630と消化中始動記憶631のいずれにも特定結果を導出する始動記憶がない。遊技機10は、小当り図柄決定処理のステップD95の報知抽選で当選した場合に、消化中始動記憶631が導出する結果として大図柄627(すなわち「金7」)を表示する。このとき、遊技機10は、消化中始動記憶631の記憶数の範囲内(たとえば3つ)で報知図柄の予約をおこなう。
図75(4)に示す小当り図柄の選択例は、図75(3)に示した小当り図柄の選択例の次回変動である。図75(4)に示す小当り図柄の選択例は、報知図柄が予約されていることから消化中始動記憶631が導出する結果として大図柄627を表示する。
図75(5)に示す小当り図柄の選択例は、図75(4)に示した小当り図柄の選択例の次回変動である。図75(5)に示す小当り図柄の選択例は、報知図柄が予約されていることから消化中始動記憶631が導出する結果として大図柄627を表示する。
図75(6)に示す小当り図柄の選択例は、図75(5)に示した小当り図柄の選択例の次回変動である。図75(6)に示す小当り図柄の選択例は、報知図柄が予約されていることから消化中始動記憶631が導出する結果として大図柄627を表示する。なお、図75(5)の選択例および図75(6)の選択例では、保留中始動記憶630に新たな始動記憶が発生しているが、新たな始動記憶は、報知図柄として予約されていない。また、新たな始動記憶は、特定結果を導出する始動記憶ではないが、特定結果を導出する始動記憶である場合に、図75(5)の選択例および図75(6)の選択例において大図柄627を大図柄626に差し替えるようにしてもよい。
上述した第4の実施形態の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を複数記憶可能な遊技機であって、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御手段は、変動表示ゲームの結果態様に対応して所定の識別情報を表示手段(表示装置41)に表示させるとき、実行権利として記憶中の始動記憶のうちに変動表示ゲームの結果として特定の結果態様(大当り)を導出するものがないときに第1の識別情報(たとえば、「金7」)を表示手段に表示させ、実行権利として記憶中の始動記憶のうちに変動表示ゲームの結果として特定の結果態様を導出するものがあるときに第1の識別情報と異なる第2の識別情報(たとえば、「白7」を含むその他図柄)を表示手段に表示させる。
(2)(1)の制御手段は、実行権利として記憶中の始動記憶のうちに変動表示ゲームの結果として特定の結果態様を導出するものがあっても変動表示ゲームの結果態様が特定の結果態様を導出するものでない場合に所定の識別情報を表示手段に表示させるとき、第1の識別情報(たとえば、「金7」)と異なる第3の識別情報(たとえば、「白7」)を表示手段に表示させる。
(3)(1)の制御手段は、第1の識別情報(たとえば、「金7」)を表示手段に表示させたときに第1の表示演出(状態案内表示628あり)を表示手段に表示させ、第2の識別情報(たとえば、「白7」を含むその他図柄)を表示手段に表示させたときに第2の表示演出(状態案内表示628なし)を表示手段に表示させる。
(4)(3)の制御手段は、第1の識別情報(たとえば、「金7」)を表示手段に表示させたときに、少なくとも実行権利として記憶中の始動記憶に対応する結果態様を導出するまでの間、第1の表示演出(状態案内表示628あり)を表示手段に継続して表示させる。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態の遊技機10について説明する。第5の実施形態の遊技機10は、第1の実施形態の遊技機10が備えた遊技盤30に代わる遊技盤を備える点で相違する。なお、第5の実施形態の説明において第1の実施形態と同様の構成については符号を同じにして説明を省略する。
まず、第5の実施形態の遊技機10が備える遊技盤について図76を用いて説明する。図76は、第5の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤3000の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤3000の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケースおよびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。また、センターケース40の上部には、表示態様を変更可能な演出ランプ540と、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置550,551が備えられている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ92a(図3参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の右下側であって、普図始動ゲート34よりも下側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態、第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、一般入賞口(図示省略)が配置され、センターケース40の右側には、一つの一般入賞口351が配置されている。一般入賞口351に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、入賞口スイッチ35aにより検出された遊技球は、直下に配置された振分ゲート353により遊技球を回収する回収流路(図示省略)と、遊技球を演出用に再利用する演出流路354とに振り分けられる。振分ゲートは、演出制御装置300が制御するアクチュエータ(たとえば、ソレノイドやモータ等)により振分状態を切替可能にする。なお、演出制御装置300は、遊技制御装置100が入賞口スイッチ35aにより遊技球を検出したことにもとづいて送信するコマンドを受信することと、振分ゲート353の切替状態とにもとづいて遊技球の演出流路354の流下を検出することができる。
演出流路354は、一般入賞口351の下方からセンターケース40の下方にある演出始動記憶表示355へと続く流路であり、たとえば、管状の透明部材により形成されて一般入賞口351に入賞した遊技球を視認可能にする。なお、演出流路354は、遊技球の回収流路の一形態であり、演出流路354を流下する遊技球と、遊技領域32を流下する遊技球とを隔絶する。
演出始動記憶表示355は、演出流路354を流下する遊技球によって実行権利を得る演出ゲームの始動記憶(演出始動記憶)を表示する表示装置である。サブ表示装置530は、演出始動記憶表示355が表示する演出始動記憶にもとづいて演出ゲームを表示する。
なお、演出制御装置300は、遊技制御装置100が入賞口スイッチ35aにより遊技球を検出したことにもとづいて送信するコマンドの受信を演出始動記憶の発生契機とすることができる。また、演出制御装置300は、演出始動記憶の発生契機を、所定条件下(たとえば、あらかじめ定める遊技状態であるときや、演出始動記憶の数が所定の上限数以下であるとき)におけるコマンドの受信時に限ってもよい。
次に、サブ表示装置530について図77を用いて説明する。図77は、第5の実施形態のサブ表示装置の一例を示す図である。
サブ表示装置530は、3つのマトリクス表示部530L,530C,530Rを含む。マトリクス表示部530L,530C,530Rは、56個の花弁形状のドット表示部531を8行7列に配置し、各ドット表示部531を階調制御(たとえば256階調)で表示可能である。なお、マトリクス表示部530L,530C,530Rは、演出制御装置300の制御対象である。
サブ表示装置530は、演出ゲームにおいて3桁の図柄変動を表示可能であって、マトリクス表示部530Lが左図柄の変動表示を担当し、マトリクス表示部530Cが中図柄の変動表示を担当し、マトリクス表示部530Rが右図柄の変動表示を担当する。
なお、サブ表示装置530は、3つのマトリクス表示部530L,530C,530Rを、1つの8行21列のマトリクス表示装置として用いることができる。また、サブ表示装置530は、図柄変動に限らず、その他の表示をおこなうことができ、たとえば階調制御を用いて写実的なキャラクタ表示等をおこなうことができる。
次に、演出始動記憶表示355と演出始動記憶表示355の表示態様について図78を用いて説明する。図78は、第5の実施形態の演出始動記憶表示とその表示態様の一例を示す図である。
図78(1)に演出始動記憶表示355の概観を示す。演出始動記憶表示355は、花弁上の5つの表示部355a,355b,355c,355d,355eを有する。5つの表示部355a,355b,355c,355d,355eは、たとえばフルカラーLEDであって、点灯、消灯、点滅を切り替えることができるほか、任意の色彩で点灯できる。表示部355a,355b,355c,355d,355eは、1つの変動中始動記憶表示と、4つの保留中始動記憶表示とを分担する。なお、表示部355a,355b,355c,355d,355eは、1つの変動中始動記憶表示と、4つの保留中始動記憶表示との分担を随時変更可能とする。なお、表示部355a,355b,355c,355d,355eは、演出制御装置300の制御対象である。
図78(2)に演出始動記憶表示355の表示態様の一例を示す。演出始動記憶表示355は、変動状態「停止」かつ始動記憶数「0」のときに、表示部355a,355b,355c,355d,355eのすべてを消灯する。
表示例1に示す演出始動記憶表示355は、変動状態「停止」かつ始動記憶数「1」のときに、初期状態として表示部355aを点灯する。このとき、表示部355aは1つ目の保留中始動記憶表示を担当する。
表示例2は、表示例1に続く表示例である。表示例2に示す演出始動記憶表示355は、変動状態「停止」かつ始動記憶数「1」のときに、初期状態として表示部355aを点灯する。このとき、表示部355aは1つ目の保留中始動記憶表示を担当する。
表示例3は、表示例2に続く表示例である。表示例3に示す演出始動記憶表示355は、変動状態「変動」かつ始動記憶数「0」のときに、表示部355aを点滅する。このとき、表示部355aは、変動中始動記憶表示を担当する。
表示例4は、表示例3に続く表示例である。表示例4に示す演出始動記憶表示355は、変動状態「変動」かつ始動記憶数「1」のときに、表示部355aを点滅し、表示部355bを点灯する。このとき、表示部355aは変動中始動記憶表示を担当し、表示部355bは1つ目の保留中始動記憶表示を担当する。
表示例5は、表示例4に続く表示例である。表示例5に示す演出始動記憶表示355は、変動状態「停止」かつ始動記憶数「1」のときに、表示部355aを消灯し、表示部355bを点灯する。このとき、表示部355bは1つ目の保留中始動記憶表示を担当する。
表示例6は、表示例5に続く表示例である。表示例6に示す演出始動記憶表示355は、変動状態「変動」かつ始動記憶数「0」のときに、表示部355bを点滅する。このとき、表示部355bは、変動中始動記憶表示を担当する。すなわち、演出始動記憶表示355は、変動状態「変動」かつ始動記憶数「0」という状態であっても、表示例3と表示例6のように、前の状態次第で異なる表示態様を取り得る。
表示例nは、表示例6の後に4つの始動記憶が発生した表示例である。表示例nに示す演出始動記憶表示355は、変動状態「変動」かつ始動記憶数「4」のときに、表示部355bを点滅し、表示部355a,355c,355d,355eのすべてを点灯する。このとき、表示部355bは変動中始動記憶表示を担当し、表示部355cは1つ目の保留中始動記憶表示を担当し、表示部355dは2つ目の保留中始動記憶表示を担当し、表示部355eは3つ目の保留中始動記憶表示を担当し、表示部355aは4つ目の保留中始動記憶表示を担当する。
これにより、演出始動記憶表示355は、シフト表示を不要にして1つの変動中始動記憶表示と4つの保留中始動記憶表示とを実現する。このような演出始動記憶表示355は、シフト前の表示部とシフト後の表示部との対応関係の把握を遊技者に求めることを要しないので、遊技者にとって理解容易な始動記憶表示を実現できる。
なお、表示部355a,355b,355c,355d,355eは、表示色を変更可能にしてもよく、表示色によって期待感等を演出することができる。また、演出始動記憶表示355は、表示部355a,355b,355c,355d,355eにおける1つの変動中始動記憶表示と4つの保留中始動記憶表示の担当をあらかじめ固定するものであってもよい。
また、演出始動記憶表示355は、特図ゲームにおける保留待機表示(たとえば、図49(1)に示す保留表示507)や保留消化表示(たとえば、図49(1)に示す保留消化表示508)を兼ねるものであってもよく、保留待機表示や保留消化表示の対象を遊技状態や演出モード等に応じて特図ゲームと演出ゲームとで切り替え可能にしてもよい。たとえば、遊技機10は、演出始動記憶表示355における保留待機表示や保留消化表示の対象を左打ち遊技状態において特図ゲームとし、右打ち遊技状態において演出ゲームとすることができる。また、遊技機10は、演出始動記憶表示355における保留待機表示や保留消化表示の対象を普電サポート遊技状態において演出ゲームとし、非普電サポート遊技状態において特図ゲームとすることができる。
次に、演出ランプ540の構造と演出ランプ540の表示態様について図79を用いて説明する。図79は、第5の実施形態の演出ランプの構造と表示態様の一例を示す図である。
図79(1)に演出ランプ540の構造について示す。演出ランプ540は、投影レンズ541と表示内容選択盤542と光源543とを含む。光源543は、たとえばフルカラーLEDであって、点灯、消灯、点滅を切り替えることができるほか、任意の色彩で点灯できる。表示内容選択盤542は、円盤状であってアクチュエータによって円周方向に回転可能である。表示内容選択盤542は、光源543の照射光を透過可能な小円状の表示板544〜549を円周方向に並べて備える(図79(2))。なお、演出ランプ540は、演出制御装置300の制御対象である。
表示板544〜549は、所定のイメージを有する。たとえば、表示板544は固定イメージとしてメッセージ「激熱」を透過面に有する。また、表示板546は固定イメージとしてキャラクタ「トラ」を透過面に有する。また、表示板545,547,549はそれぞれアニメーションイメージの所要のコマを透過面に有する。また、表示板548は無地の透過面を有する。なお、表示板548は、通常時から表示される標準透過面であって、必ずしも無地であることを要せず所定の絵柄を透過面に有するものであってもよい。たとえば、表示板548は、遊技テーマに沿った背景表示(月や山河等)を透過面に有するものであってもよい。
光源543は、表示板544〜549のうちの1つを照射可能であって、表示内容選択盤542は、回転によって照射される表示板を切替可能にしている。投影レンズ541は、表示板544〜549のうちの1つの透過光を投影面に拡大して投影する。これにより、演出ランプ540は、光源543の発光態様と表示板544〜549の組み合わせとにより、所定の表示を投影レンズ541に投影することができる。
たとえば、図79(3)に示すように、演出ランプ540は、固定イメージ表示として表示板544に対応するメッセージ「激熱」を表示したり、表示板546に対応するキャラクタ「トラ」を表示したりすることができる。また、演出ランプ540は、アニメーション表示として、表示板545,547,549を切替表示することで、花弁が舞うようなアニメーションを表示することができる。このとき、演出ランプ540は、表示内容選択盤542を等速回転させて、光源543の発光タイミングを制御することでアニメーション表示を実現できる。なお、演出ランプ540は、発光タイミングの切替で表示板545,547,549の表示順序を切り替えて花弁が舞う態様を変更することもできる。たとえば、演出ランプ540は、表示板545,547,549のうちの2つを用いて切替表示することができるし、表示板545,547,549の順、あるいは表示板549,547,545の順に切替表示することもできる。
なお、演出ランプ540におけるアニメーション表示は、その他の表示部でおこなう表示と連携するものであってもよい。たとえば、演出ランプ540におけるアニメーション表示は、表示装置41や演出始動記憶表示355における保留待機表示や保留消化表示でおこなうアニメーション表示と同様の表示態様としてもよい。このとき、遊技機10は、演出ランプ540におけるアニメーション表示と表示装置41や演出始動記憶表示355におけるアニメーション表示とを同期させることで一体感のある表示演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、演出ランプ540におけるアニメーション表示を表示装置41や演出始動記憶表示355におけるアニメーション表示が引き継ぐことで連続性のある表示演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、演出ランプ540におけるアニメーション表示を表示装置41や演出始動記憶表示355におけるアニメーション表示と非同期とすることで多様な演出機会を有する表示演出をおこなうことができる。
また、演出ランプ540は、表示板548において光源543の発光色を切り替えることで、白色、青色、赤色、緑色、黄色、桜色、虹色等の色彩変更表示をおこなうことができる。
次に、盤演出装置550,551の動作態様について図80を用いて説明する。図80は、第5の実施形態の盤演出装置の動作態様の一例を示す図である。
図80(1)に、盤演出装置550,551の非作動状態を示す。盤演出装置550は、演出ランプ540の左側下方に位置し、盤演出装置551は、演出ランプ540の右側下方に位置する。盤演出装置550は、円盤状の構造体に文字「花」を有し、盤演出装置551は、円盤状の構造体に文字「雪」を有する。これにより、盤演出装置550,551の非作動状態は、文字「花、雪」を表示する。
図80(2)に、盤演出装置550の非作動状態と、盤演出装置551の作動状態を示す。盤演出装置551の作動状態は、背面側に隠れていた可動部材551aが演出ランプ540の直下に移動した状態である。可動部材551aは、円盤状の構造体に文字「吹」を有する。これにより、盤演出装置550の非作動状態と、盤演出装置551の作動状態は、文字「花、吹、雪」、左読みで「花吹雪」を表示する。
図80(3)に、盤演出装置551の非作動状態と、盤演出装置550の作動状態を示す。盤演出装置550の作動状態は、背面側に隠れていた可動部材550aが演出ランプ540の直下に移動した状態である。可動部材550aは、円盤状の構造体に文字「月」を有する。これにより、盤演出装置551の非作動状態と、盤演出装置550の作動状態は、文字「花、月、雪」、右読みで「雪月花」を表示する。
これにより、盤演出装置550,551は、動作態様や動作態様に応じて表示される文字によって遊技者に期待感を演出することができる。なお、盤演出装置550,551は、可動部材550a,551aの動作状態を演出制御装置300が制御対象とするアクチュエータによって切り替えることができる。
なお、盤演出装置550,551は、盤演出装置551の背面側に可動部材551aを配置したが、盤演出装置551の前面側に可動部材551aを配置してもよい。この場合、盤演出装置550が文字「花」を表示し、可動部材551aが文字「吹」を表示し、盤演出装置551が文字「雪」を表示することで、盤演出装置550,551の非作動状態において文字「花、吹」を表示し、盤演出装置550,551の作動状態において文字「花、吹、雪」を表示する。同様に、盤演出装置550,551は、盤演出装置550の背面側に可動部材550aを配置したが、盤演出装置550の前面側に可動部材550aを配置してもよい。この場合、盤演出装置550が文字「花」を表示し、可動部材550aが文字「月」を表示し、盤演出装置551が文字「雪」を表示することで、盤演出装置550,551の非作動状態において文字「月、雪」を表示し、盤演出装置550,551の作動状態において文字「花、月、雪」を表示する。
次に、サブ表示装置530がおこなう演出ゲームについて説明する。図81は、第5の実施形態のサブ表示装置がおこなう演出ゲームのパターンの一例を示す図である。サブ表示装置530は、表示装置41(メイン表示装置)で同時に実行される特図変動表示ゲームに対応するパターン(態様)の演出ゲームをおこなう。サブ表示装置530は、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出する場合に、当該特図変動表示ゲームに対応するパターンの演出ゲームをおこなう。
サブ表示装置530が実行する演出ゲームでは、表示装置41で同時に実行される特図変動表示ゲームの結果態様(図柄の組み合わせ)と対応する結果態様(図柄の組み合わせ)を導出して表示する。
サブ表示装置530が実行する演出ゲームのパターンとしては、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、パターン5の5つのパターンがある。
パターン1は、特図変動表示ゲームの残り時間が29秒以上であって、変動表示の結果態様が当りの場合に実行される演出ゲームのパターンである。パターン1は、5秒間のリーチ導出表示と、22秒間のリーチ演出表示と、2秒間の3図柄仮停止表示と、特図変動表示ゲームが終了するまでのn秒間の揺動表示とを含んで構成される。したがって、パターン1における演出時間は、29秒+n秒である。
リーチ導出表示では、サブ表示装置530は、左図柄、中図柄、右図柄を高速変動させている状態から2つの図柄を順番に(たとえば、左図柄、中図柄の順番)仮停止させて、特図変動表示ゲームで導出されるリーチと対応するリーチの組み合わせを導出する表示をおこなう。
リーチ演出表示では、サブ表示装置530は、賑やかし演出(当りを導出するか否かを煽り、興趣向上を図る演出)をおこなった後に変動中の残りの1図柄(3図柄目)を仮停止させて、特図変動表示ゲームの結果態様(図柄の組み合わせ)と対応する図柄の組み合わせを導出する表示をおこなう。
3図柄仮停止表示では、サブ表示装置530は、仮停止させた状態の3図柄(特図変動表示ゲームの結果態様(図柄の組み合わせ)と対応する図柄の組み合わせ)の表示をおこなう。揺動表示では、サブ表示装置530は、サブ表示装置530を揺動させながら、当りの組み合わせで仮停止させた3図柄の表示をおこなう。
パターン2は、特図変動表示ゲームの残り時間が29秒以上であって、変動表示の結果態様がはずれの場合に実行される演出ゲームのパターンである。パターン2は、5秒間のリーチ導出表示と、22秒間のリーチ演出表示と、2秒間の3図柄仮停止表示とを含んで構成される。したがって、パターン2における演出時間は、29秒である。
パターン3は、特図変動表示ゲームの残り時間が29秒未満9秒以上である場合に実行される演出ゲームのパターンである。パターン3は、7秒間の3図柄仮停止導出表示と、2秒間の3図柄仮停止表示とを含んで構成される。したがって、パターン3における演出時間は、9秒である。
3図柄仮停止導出表示では、サブ表示装置530は、左図柄、中図柄、右図柄を高速変動させている状態から3つの図柄を順番に(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の順番)仮停止させて、特図変動表示ゲームの結果態様(図柄の組み合わせ)と対応する図柄の組み合わせを導出する表示をおこなう。
パターン4は、特図変動表示ゲームの残り時間が9秒未満3秒以上である場合に実行される演出ゲームのパターンである。パターン4は、特図変動表示ゲームの残り時間から3図柄仮停止表示時間をおこなうための2秒を除いたn秒間(たとえば、特図変動表示ゲームの残り時間が6秒である場合には4秒間)の3図柄仮停止導出表示と、2秒間の3図柄仮停止表示とを含んで構成される。
パターン5は、特図変動表示ゲームの残り時間が3秒未満2秒以上(3図柄仮停止表示をおこなうのに必要な時間以上)である場合に実行される演出ゲームのパターンである。パターン5は、2秒間の3図柄仮停止表示を含んで構成される。
次に、リーチ導出表示、リーチ演出表示、揺動表示、3図柄仮停止導出表示の具体例について図82〜86を用いて説明する。図82は、第5の実施形態のサブ表示装置におけるリーチ導出表示の一例を示す図である。図83は、第5の実施形態のサブ表示装置におけるリーチ演出表示の一例を示す図(その1)である。図84は、第5の実施形態のサブ表示装置におけるリーチ演出表示の一例を示す図(その2)である。図85は、第5の実施形態のサブ表示装置における揺動表示の一例を示す図である。図86は、第5の実施形態のサブ表示装置における3図柄仮停止導出表示の一例を示す図である。
なお、以下では、表示装置41が表示する特図変動表示ゲームで、リーチ目(当りを導出する図柄)が「宝」であるリーチを導出した後に、左図柄、中図柄、右図柄それぞれが「宝」で仮停止して当りを導出するリーチ演出を実行する場合に対応する具体例を説明する。
まず、リーチ導出表示の具体例について図82を用いて説明する。
リーチ導出表示では、サブ表示装置530は、3図柄が高速変動(高速縦スクロール変動)している状態(図82(a1))から、左図柄を特図変動表示ゲームの結果態様における左図柄と対応する図柄(「宝」)で仮停止状態にし(図82(a2))、その後、中図柄を特図変動表示ゲームの結果態様における中図柄と対応する図柄(「宝」)で仮停止状態にし(図82(a3))、特図変動表示ゲームで導出されるリーチと対応するリーチの組み合わせ(当りを導出する図柄が「宝」であるリーチ)を導出する。
次に、リーチ演出表示の具体例について図83、図84を用いて説明する。
リーチ演出表示では、サブ表示装置530は、右図柄の変動速度を図82(a3)よりも低速変動(低速縦スクロール変動)に切り替える(図83(b1))。サブ表示装置530は、右図柄を低速変動させている際に、当りを導出する図柄である「宝」の一つ前の図柄(ここでは「月」)を表示した状態(図83(b2))になると、変動態様を低速変動(低速縦スクロール変動)から異なる変動態様(漸次変化態様)に切り替える。具体的には漸次変化態様では、サブ表示装置530は、「月」の文字が徐々に消失(漸次消失)するように文字部分を担当しているドット表示部531を徐々に消灯させ(図83(b3)、図83(b4)、図83(b5))、「宝」の文字が徐々に出現(漸次出現)するように文字部分を担当しているドット表示部531を徐々に点灯させる(図83(b6)、図83(b7)、図83(b8))。また、サブ表示装置530は、「宝」の文字が徐々に消失するように文字部分を担当しているドット表示部531を徐々に消灯させ(図84(b9)、図84(b10)、図84(b11))、「宝」の一つ後の図柄(ここでは「桜」)の文字が徐々に出現するように文字部分を担当しているドット表示部531を徐々に点灯させる(図84(b12)、図84(b13)、図84(b14))。サブ表示装置530は、「宝」の一つ後ろの図柄を表示した状態(図84(b14))になると、再度、変動態様を低速変動に切り替える(図83(b1))。
サブ表示装置530は、このような変動を繰り返しながら、最終的には、右図柄を特図変動表示ゲームの結果態様における右図柄と対応する図柄(「宝」)で仮停止状態にする。
このように当りを導出する図柄(「宝」)への変動と、当りを導出する図柄(「宝」)から次の図柄(「桜」)への変動における変動態様を、他の図柄から図柄への変動における変動態様と異ならせることで、遊技機10は、当りを導出する図柄が仮停止する期待感を遊技者に抱かせることができる。これにより遊技機10は、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、サブ表示装置530が表示する3図柄のうちに、盤演出装置550,551(可動部材550a,551aを含む)の装飾(たとえば、「花」、「雪」、「月」、「吹」等)に対応する図柄(盤装飾図柄)が含まれる場合に、盤演出装置550,551を動作させるようにしてもよい。あるいは、遊技機10は、サブ表示装置530が表示する3図柄のうちに盤装飾図柄が含まれる場合に、盤演出装置550,551を動作可能とし、プッシュボタン25操作の検出等の動作条件の成立を待って動作させるようにしてもよい。なお、サブ表示装置530が表示する3図柄のうちに盤装飾図柄が含まれる場合とは、3図柄のうちのいずれか1図柄だけとしてもよいし、特定の1図柄(たとえば最終停止図柄)としてもよいし、3図柄のうちのいずれか2図柄としてもよいし、特定の2図柄(たとえばリーチ構成図柄)としてもよいし、3図柄すべてとしてもよい。たとえば、遊技機10は、サブ表示装置530が左図柄と中図柄に「月(盤装飾図柄)」を表示してリーチ系となった場合に盤演出装置550,551を動作させる。また、遊技機10は、サブ表示装置530が左図柄と中図柄に「宝(非盤装飾図柄)」を表示してリーチ系となった後、右図柄に「月(盤装飾図柄)」を表示してはずれ(仮停止を含む)を表示した場合に盤演出装置550,551を動作可能とし、プッシュボタン25操作を検出して盤演出装置550,551を動作させるとともにサブ表示装置530を再変動させる。なお、遊技機10は、サブ表示装置530が表示する盤装飾図柄の種別、組み合わせ等にしたがい盤演出装置550,551の動作態様を違えるようにしてもよい。
なお、遊技機10は、サブ表示装置530が表示する3図柄のうちに盤装飾図柄が含まれる場合であっても十分な演出時間を確保できない場合には盤演出装置550,551を動作させないようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、サブ表示装置530の変動時間を短縮する場合、あるいは短縮可能な状態において盤演出装置550,551を動作させないようにしてもよい。これにより、遊技機10は、盤演出装置550,551の動作時間(復帰動作時間を含む)を考慮せずに、サブ表示装置530における演出ゲームの速やかな進行を図ることができる。
次に、揺動表示の具体例について図85を用いて説明する。
揺動表示では、サブ表示装置530は、装置を揺動させながら、左図柄、中図柄、右図柄が「宝」の図柄で仮停止している状態を継続して表示し、特図変動表示ゲームが終了するタイミングに近づくにつれ徐々に揺れ幅を小さくする(図85(c1)、図85(c2)、図85(c3))。
このように、サブ表示装置530を揺動させることにより、特図変動表示ゲームにおける演出が実行中(変動中)であることを明示できる。また、サブ表示装置530は、特図変動表示ゲームが終了するタイミングに近づくにつれ徐々に揺れ幅を小さくすることで、特図変動表示ゲームが終了するタイミングを明示できる。
次に、3図柄仮停止導出表示について図86を用いて説明する。
3図柄仮停止導出表示では、サブ表示装置530は、3図柄が高速変動(高速縦スクロール変動)している状態(図86(d1))から、左図柄を特図変動表示ゲームの結果態様における左図柄と対応する図柄(「宝」)で仮停止状態にし(図86(d2))、その後、中図柄を特図変動表示ゲームの結果態様における中図柄と対応する図柄(「宝」)で仮停止状態にし(図86(d3))、右図柄を特図変動表示ゲームの結果態様における右図柄と対応する図柄(「宝」)で仮停止状態にして(図86(d4))、特図変動表示ゲームの結果態様(図柄の組み合わせ)と対応する図柄の組み合わせを導出する。これにより、サブ表示装置530は、結果態様(当りまたははずれ)に加え、確率変動を伴う当りであるか否かについても報知できる。
次に、サブ表示装置530における演出ゲームの実行権利である演出始動記憶をカウントアップする処理について図87を用いて説明する。
図87は、第5の実施形態の演出制御装置における演出始動記憶カウント増加処理のフローチャートを示す図である。演出始動記憶カウント増加処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。表示演出決定処理は、遊技制御装置100から入賞口スイッチ35aにより遊技球を検出したことにもとづいて送信されるコマンドを受信した場合に実行される処理であり、受信コマンド解析処理のステップD63(図46参照)内で制御部によって実行される処理である。
[ステップD111]制御部は、遊技状態を特定する。
[ステップD112]制御部は、遊技状態にもとづいて振分ゲート353を操作するか否かを判定する。たとえば、制御部は、右打ち状態である場合に振分ゲート353を操作すると判定する。なお、制御部は、振分ゲート353の操作をするか否かを、特定の遊技状態(右打ち状態)であるか否かにもとづいて判定することは一例であってこれに限らない。たとえば、制御部は、特定の遊技状態になった後の回転数にもとづいて振分ゲート353を操作するか否かを判定してもよい。
制御部は、振分ゲート353を操作しないと判定した場合には、演出始動記憶カウント増加処理を終了し、振分ゲート353を操作すると判定した場合にはステップD113に進む。
[ステップD113]制御部は、振分ゲート353を演出流路354に遊技球が流入するようにルートを切替える。
[ステップD114]制御部は、ウェイト時間を設定する。
[ステップD115]制御部は、演出始動記憶のカウントを+1する。
[ステップD116]制御部は、遊技制御装置100から入賞口スイッチ35aにより遊技球を検出したことにもとづいて送信されるコマンドを受信したか否かを判定する。
制御部は、遊技制御装置100から入賞口スイッチ35aにより遊技球を検出したことにもとづいて送信されるコマンドを受信と判定した場合にはステップD115に進み、遊技制御装置100から入賞口スイッチ35aにより遊技球を検出したことにもとづいて送信されるコマンドを受信していないと判定した場合にはステップD117に進む。
[ステップD117]制御部は、設定したウェイト時間がタイムアウトしたか否かを判定する。制御部は、ウェイト時間がタイムアウトしていないと判定した場合にはステップD116に進み、ウェイト時間がタイムアウトしたと判定した場合にはステップD118に進む。
[ステップD118]制御部は、振分ゲート353を演出流路354に遊技球が流入しないようにルートを切替え、演出始動記憶カウント増加処理を終了する。
次にサブ表示装置530における演出ゲームの実行契機を判定する処理について図88を用いて説明する。図88は、第5の実施形態の演出制御装置における演出ゲーム実行契機判定処理のフローチャートを示す図である。
演出ゲーム実行契機判定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。演出ゲーム実行契機判定処理は、演出始動記憶が増加した場合、利用者がプッシュボタン25を操作した場合および特図変動表示ゲームの開始タイミングにおいて実行される処理であり、メイン処理のステップD23(図44参照)内で制御部によって実行される処理である。
[ステップD121]制御部は、演出始動記憶が増加したことを契機に演出ゲーム実行契機判定処理が開始されたか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの開始またはプッシュボタン25の操作を受付けたことによって演出ゲーム実行契機判定処理が開始されたと判定した場合にはステップD122に進み、演出始動記憶が増加したことを契機に演出ゲーム実行契機判定処理が開始されたと判定した場合にはステップD123に進む。
[ステップD122]制御部は、演出始動記憶が有るか否かを判定する。制御部は、演出始動記憶が「0」である場合にはステップD129に進み、演出始動記憶が「0」以外である場合、すなわち、演出始動記憶が有る場合にはステップD125に進む。
[ステップD123]制御部は、特図変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームが実行中でないと判定した場合にはステップD129に進み、特図変動表示ゲームが実行中であると判定した場合にはステップD124に進む。
[ステップD124]制御部は、実行中の特図変動表示ゲームで演出ゲームを実行済みであるか否かを判定する。制御部は、実行中の特図変動表示ゲームで演出ゲームを実行済みであると判定した場合にはステップD129に進み、実行中の特図変動表示ゲームで演出ゲームを実行済みでないと判定した場合にはステップD125に進む。
[ステップD125]制御部は、特図変動表示ゲームの演出内容を特定する。
[ステップD126]制御部は、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出するか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出しないと判定した場合にはステップD129に進み、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出すると判定した場合にはステップD127に進む。
[ステップD127]制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が2秒以上あるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が2秒以上ないと判定した場合にはステップD129に進み、特図変動表示ゲームの残り時間が2秒以上あると判定した場合にはステップD128に進む。
[ステップD128]制御部は、演出ゲームの実行契機であると判定し、演出ゲーム実行契機判定処理を終了する。
[ステップD129]制御部は、演出ゲームの実行契機でないと判定し、演出ゲーム実行契機判定処理を終了する。
これによれば、遊技機10は、特図変動表示ゲームの開始タイミングと同期したタイミングに加え、特図変動表示ゲームの開始タイミングと非同期なタイミングで演出ゲームを開始(を演出ゲームの実行契機)とすることができる。
次にサブ表示装置が実行する演出ゲームのパターンを設定する処理について図89を用いて説明する。図89は、第5の実施形態の演出制御装置における演出ゲームパターン設定処理のフローチャートを示す図である。
演出ゲームパターン設定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。演出ゲームパターン設定処理は、演出ゲームの実行契機であると判定した場合において実行される処理であり、メイン処理のステップD23(図44参照)内で制御部によって実行される処理である。
[ステップD131]制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間を特定する。
[ステップD132]制御部は、特図変動表示ゲームの結果態様を特定する。
[ステップD133]制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が29秒以上であるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が29秒以上であると判定した場合にはステップD134に進み、特図変動表示ゲームの残り時間が29秒以上でないと判定した場合にはステップD137に進む。
[ステップD134]制御部は、特図変動表示ゲームの結果態様が当りであるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの結果態様が当りであると判定した場合にはステップD135に進み、特図変動表示ゲームの結果態様が当りでないと判定した場合にはステップD136に進む。
[ステップD135]制御部は、演出ゲームのパターンとしてパターン1をセットして、演出ゲームパターン設定処理を終了する。
[ステップD136]制御部は、演出ゲームのパターンとしてパターン2をセットして、演出ゲームパターン設定処理を終了する。
[ステップD137]制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が9秒以上であるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が9秒以上であると判定した場合にはステップD138に進み、特図変動表示ゲームの残り時間が9秒以上でないと判定した場合にはステップD139に進む。
[ステップD138]制御部は、演出ゲームのパターンとしてパターン3をセットして、演出ゲームパターン設定処理を終了する。
[ステップD139]制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が3秒以上であるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が3秒以上であると判定した場合にはステップD140に進み、特図変動表示ゲームの残り時間が3秒以上でないと判定した場合にはステップD141に進む。
[ステップD140]制御部は、演出ゲームのパターンとしてパターン4をセットして、演出ゲームパターン設定処理を終了する。
[ステップD141]制御部は、演出ゲームのパターンとしてパターン5をセットして、演出ゲームパターン設定処理を終了する。
このように演出ゲームのパターンを設定することにより、遊技機10は、演出ゲームを対応する特図変動表示ゲームの演出時間内に収めることができる。
ところで、サブ表示装置530が実行する演出ゲームでは、遊技者からの指示にもとづいて演出のスキップが可能である。このような遊技者からの指示にもとづく演出のスキップについて図90を用いて説明する。図90は、第5の実施形態の演出制御装置における演出ゲームスキップ処理のフローチャートを示す図である。
演出ゲームスキップ処理は、遊技者の操作(プッシュボタン25の押下)によりサブ表示装置530で実行中の演出ゲームの演出のスキップをおこなう処理である。
演出ゲームスキップ処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。演出ゲームスキップ処理は、遊技者の操作(プッシュボタンの押下)を検出した場合において実行される処理であり、メイン処理のステップD19(図44参照)内で制御部によって実行される処理である。
[ステップD151]制御部は、演出ゲームがスキップ可能なタイミングであるか否かを判定する。制御部は、演出ゲームが3図柄仮停止表示中または揺動表示中である場合、すなわち、特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様をすでに導出している場合には演出ゲームがスキップ不可能なタイミングであると判定する。一方、制御部は、リーチ導出表示中、リーチ演出表示中、または3図柄仮停止導出表示中(3図柄が特図変動表示ゲームの結果態様と対応する図柄の組み合わせで仮停止する前の状態)である場合には演出ゲームがスキップ可能なタイミングであると判定する。
制御部は、演出ゲームがスキップ可能なタイミングであると判定した場合にはステップD152に進み、演出ゲームがスキップ不可能なタイミングであると判定した場合には演出ゲームスキップ処理を終了する。
[ステップD152]制御部は、実行中の演出ゲームをスキップして、2秒間の3図柄仮停止表示を実行する。
[ステップD153]制御部は、3図柄仮停止表示を実行すると演出ゲームを終了し、演出ゲームスキップ処理を終了する。
このような演出スキップによれば、遊技機10は、演出ゲームを実行している場合に、遊技者が希望するタイミングで特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様のサブ表示装置530への導出を可能とすることができる。これにより遊技機10は、遊技者が特図変動表示ゲームの結果態様を任意のタイミング(たとえば、早期)に把握することを可能にできる。
なお、演出スキップは、演出ゲーム内の演出の一部をスキップするものであってもよい。たとえば、遊技機10は、リーチ導出表示中に演出スキップの指示を受付けた場合には、リーチ演出までスキップするようにしてもよい。
次に、演出ゲームをパターン1でおこなう場合、パターン2でおこなう場合、パターン3でおこなう場合、パターン4でおこなう場合、パターン5でおこなう場合の処理の流れについて説明する。図91は、第5の実施形態の演出制御装置が演出ゲームをパターン1でおこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。図92は、第5の実施形態の演出制御装置が演出ゲームをパターン2でおこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。図93は、第5の実施形態の演出制御装置が演出ゲームをパターン3でおこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。図94は、第5の実施形態の演出制御装置が演出ゲームをパターン4でおこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。図95は、第5の実施形態の演出制御装置が演出ゲームをパターン5でおこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。なお、以下のタイミングチャートでは、演出ゲームが特図変動表示ゲームと非同期なタイミングで開始する場合、すなわち、演出始動記憶の増加、または利用者によるプッシュボタン25の操作を受付けたことによって実行契機であると判定した場合の例を用いて説明する。
まず演出ゲームをパターン1でおこなう場合の処理の流れについて図91を用いて説明する。図91(1)は、遊技者が演出スキップをおこなわない場合の処理の流れを示す。図91(2)、(3)は、遊技者が演出スキップをおこなった場合の処理の流れを示す。
図91(1)では、遊技機10は、タイミングt11からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt12にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン1)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン1)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt12からリーチ導出表示をタイミングt14までの5秒間おこない、タイミングt14からリーチ演出表示をタイミングt18までの22秒間おこない、タイミングt18から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン1)は、タイミングt18に3図柄仮停止表示によって特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様を導出したことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt18から3図柄仮停止表示をタイミングt19までの2秒間おこない、タイミングt19からN回目の特図変動表示ゲームが終了するタイミングt20までのn秒間揺動表示をおこない、演出ゲーム(パターン1)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームも終了する。
図91(2)では、遊技機10は、タイミングt11からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt12にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン1)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン1)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、リーチ導出表示中であるタイミングt13に遊技者によるスキップ操作(プッシュボタン25の押下)を受付けると、リーチ導出表示を終了し、3図柄仮停止表示を開始する。遊技機10は、タイミングt13から2秒後のタイミングt15まで3図柄仮停止表示をおこなうと演出ゲーム(パターン1)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt20に終了する。
図91(3)では、遊技機10は、タイミングt11からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt12にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン1)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン1)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt12からリーチ導出表示をタイミングt14までの5秒間おこない、タイミングt14からリーチ演出表示を開始する。遊技機10は、リーチ演出表示中であるタイミングt16に遊技者によるスキップ操作(プッシュボタン25の押下)を受付けると、リーチ演出表示を終了し、3図柄仮停止表示を開始する。遊技機10は、タイミングt16から2秒後のタイミングt17まで3図柄仮停止表示をおこなうと演出ゲーム(パターン1)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt20に終了する。以上が、演出ゲーム(パターン1)において演出スキップがおこなわれた場合と、演出スキップがおこなわれない場合の処理の流れである。
次に演出ゲームをパターン2でおこなう場合の処理の流れについて図92を用いて説明する。図92(1)は、遊技者が演出スキップをおこなわない場合の処理の流れを示す。図92(2)、(3)は、遊技者が演出スキップをおこなった場合の処理の流れを示す。
図92(1)では、遊技機10は、タイミングt21からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt22にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン2)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン2)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt22からリーチ導出表示をタイミングt24までの5秒間おこない、タイミングt24からリーチ演出表示をタイミングt28までの22秒間おこない、タイミングt28から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン2)は、タイミングt28に3図柄仮停止表示によって特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様を導出したことに伴い、遊技者のプッシュボタン25の操作による演出ゲームの演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt28から3図柄仮停止表示をタイミングt29までの2秒間おこない、演出ゲーム(パターン2)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt30に終了する。
図92(2)では、遊技機10は、タイミングt21からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt22にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン2)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン2)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、リーチ導出表示中であるタイミングt23に遊技者によるスキップ操作(プッシュボタン25の押下)を受付けると、リーチ導出表示を終了し、3図柄仮停止表示を開始する。遊技機10は、タイミングt23から2秒後のタイミングt25まで3図柄仮停止表示をおこなうと演出ゲーム(パターン2)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt30に終了する。
図92(3)では、遊技機10は、タイミングt21からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt22にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン2)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン2)は、タイミングt21にリーチ導出表示をおこないはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt22からリーチ導出表示をタイミングt24までの5秒間おこない、タイミングt24からリーチ演出表示を開始する。遊技機10は、リーチ演出表示中であるタイミングt26に遊技者によるスキップ操作(プッシュボタン25の押下)を受付けると、リーチ演出表示を終了し、3図柄仮停止表示を開始する。遊技機10は、タイミングt26から2秒後のタイミングt27まで3図柄仮停止表示をおこなうと演出ゲーム(パターン2)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt30に終了する。以上が、演出ゲーム(パターン2)において演出スキップがおこなわれた場合と、演出スキップがおこなわれない場合の処理の流れである。
次に演出ゲームをパターン3でおこなう場合の処理の流れについて図93を用いて説明する。図93(1)は、遊技者が演出スキップをおこなわない場合の処理の流れを示す。図93(2)は、遊技者が演出スキップをおこなった場合の処理の流れを示す。
図93(1)では、遊技機10は、タイミングt31からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt32にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン3)を開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン3)は、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt32から3図柄仮停止導出表示をタイミングt35までの7秒間おこない、タイミングt35から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン3)は、タイミングt35に3図柄仮停止表示によって特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様を導出したことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt35から3図柄仮停止表示をタイミングt36までの2秒間おこない、演出ゲーム(パターン3)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt36に終了する。
図93(2)では、遊技機10は、タイミングt31からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt32にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン3)を開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン3)は、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、3図柄仮停止導出表示中であるタイミングt33に遊技者によるスキップ操作(プッシュボタン25の押下)を受付けると、3図柄仮停止導出表示を終了し、3図柄仮停止表示を開始する。遊技機10は、タイミングt33から2秒後のタイミングt34まで3図柄仮停止表示をおこなうと演出ゲーム(パターン3)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt36に終了する。以上が、演出ゲーム(パターン3)において演出スキップがおこなわれた場合と、演出スキップがおこなわれない場合の処理の流れである。
次に演出ゲームをパターン4でおこなう場合の処理の流れについて図94を用いて説明する。図94(1)は、遊技者が演出スキップをおこなわない場合の処理の流れを示す。図94(2)は、遊技者が演出スキップをおこなった場合の処理の流れを示す。
図94(1)では、遊技機10は、タイミングt41からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt42にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン4)を開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン4)は、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt42から3図柄仮停止導出表示をタイミングt45までのn秒間(特図変動表示ゲームが終了するまでの残り時間−2秒)おこない、タイミングt45から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン4)は、タイミングt45に3図柄仮停止表示によって特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様を導出したことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt45から3図柄仮停止表示をタイミングt46までの2秒間おこない、演出ゲーム(パターン4)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt46に終了する。
図94(2)では、遊技機10は、タイミングt41からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt42にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン4)を開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン4)は、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、3図柄仮停止導出表示中であるタイミングt43に遊技者によるスキップ操作(プッシュボタン25の押下)を受付けると、3図柄仮停止導出表示を終了し、3図柄仮停止表示を開始する。遊技機10は、タイミングt43から2秒後のタイミングt44まで3図柄仮停止表示をおこなうと演出ゲーム(パターン4)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt46に終了する。以上が、演出ゲーム(パターン4)において演出スキップがおこなわれた場合と、演出スキップがおこなわれない場合の処理の流れである。
次に演出ゲームをパターン5でおこなう場合の処理の流れについて図95を用いて説明する。
遊技機10は、タイミングt51からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt52にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン5)を開始して3図柄仮停止表示をおこないはじめる。遊技機10は、タイミングt52から3図柄仮停止表示をタイミングt53までの2秒間おこない、演出ゲーム(パターン5)を終了し、N回目の特図変動表示ゲームをタイミングt54に終了する。以上が、演出ゲーム(パターン5)の処理の流れである。
このように、遊技機10は、導出する結果態様が、同時にメイン表示装置(表示装置41)で実行される特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様であって、メイン表示装置で行われる特図変動表示ゲームと非同期に制御可能な演出ゲームをサブ表示装置530で実行する。
これによれば、遊技機10は、メイン表示装置における特図変動表示ゲームで遊技性能(遊技規則)を担保しつつ、サブ表示装置530において自由なタイミングでの結果態様の導出を可能にできる。これにより、遊技機10は、遊技の幅を広げることができる。
なお、上記実施形態においては、特図変動表示ゲームの実行中にのみ演出ゲームを実行する場合を例として用いて説明したがこれにかぎらない。たとえば、遊技機10は、特図変動表示ゲームが停止状態である場合においても変動始動記憶が増加(発生)した場合には3図柄を高速変動状態にして、条件を満たす特図変動表示ゲームが開始するまで(実行契機であると判定するまで)高速変動状態で待機させてもよい。
[第5の実施形態の変形例1]
第5の実施形態では、演出ゲームのパターン1において3図柄仮停止表示(当りの組み合わせ表示)した後、揺動表示をおこなうとして説明した。第5の実施形態の変形例1では、特図変動表示ゲームが当りを導出した後にメイン表示装置がおこなう特別遊技状態における演出(当り演出)の演出態様の設定を揺動表示に替えておこなう。
まず、揺動表示に替えて行う表示について図96を用いて説明する。図96は、第5の実施形態の変形例1のサブ表示装置における曲選択表示の一例を示す図である。
曲選択表示は、特別遊技状態における演出(当り演出)の演出態様を設定するための表示の一例である。遊技機10は、特別遊技状態における演出(当り演出)の演出態様の設定として、曲選択表示に替えてまたは加えて、たとえば、キャラ選択表示、モード選択表示などをおこなうこともできる。
曲選択表示では、サブ表示装置530は、図96(e1)、(e2)、(e3)に示すように選択可能な曲を表示(「曲A?」、「曲B?」、「曲C?」)し、いずれの曲を特別遊技状態における演出で使用するか遊技者に選択させる。そして、サブ表示装置530は、プッシュボタン25の操作によって遊技者による曲選択を受付けると、図96(e4)に示すように受付けた曲を表示(「曲A!!」)して曲選択表示を終了する。
次に、図91において揺動表示を曲選択表示に替えた場合の処理の流れについて図97を用いて説明する。
図97は、第5の実施形態の変形例1の演出制御装置が演出ゲームをパターン1でおこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。なおここでは、図91との対比として同じタイミングを用いて説明する。
遊技機10は、タイミングt11からN回目の特図変動表示ゲームを開始し、タイミングt12にサブ表示装置530で演出ゲーム(パターン1)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン1)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt12からリーチ導出表示をタイミングt14までの5秒間おこない、タイミングt14からリーチ演出表示をタイミングt18までの22秒間おこない、タイミングt18から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲーム(パターン1)は、タイミングt18に3図柄仮停止表示によって特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様を導出したことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt18から3図柄仮停止表示をタイミングt19までの2秒間おこない、タイミングt19からN回目の特図変動表示ゲームが終了するタイミングt20までのn秒間曲選択表示をおこない、演出ゲーム(パターン1)を終了する。
このように、サブ表示装置530を用いてメイン表示装置側で特別遊技状態における演出を実行する前(結果態様を導出する前)に、特別遊技状態における演出の演出態様を設定可能にすることで、特別遊技状態開始時に演出態様の設定をさせる必要がなくなり、特別遊技状態における演出の演出時間を長くとることができる(特別遊技状態における演出の演出時間が演出態様を設定する時間によって削減されることがない)。これにより、遊技機10は、特別遊技状態における演出の演出時間をより長く確保でき、演出の自由度を高め、興趣向上を図ることができる。
なお、揺動表示に替えておこなうとして説明したがこれにかぎらない。たとえば、遊技機10は、特図変動表示ゲームが当りを導出する場合であって、3図柄仮停止表示後に特図変動表示ゲームが終了するまでの時間がある場合には、当該終了するまでの時間において実行(たとえば、図91(2)のt15において実行)してもよい。
また、遊技機10は、メイン表示装置側で特別遊技状態における演出を実行する前(当りが導出される前)に、サブ表示装置530において特別遊技状態の演出の一部(たとえば、導入部分など)を実行してもよい。
なお、曲選択時における選択肢となる曲の切替は、遊技者による操作によっておこなうようにしてもよいし、時間を契機に選択肢となる曲の切替がおこなわれる(たとえば、2秒毎に曲の切替がおこなわれる)ようにしてもよい。なお、時間を契機に選択肢となる曲を切替える場合には、曲選択表示の表示時間にもとづいて切替わるタイミングを調整するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、曲選択表示時間が4秒であり、選択肢となる曲が4曲である場合には、1秒以内に曲が切替わるようにして、すべての選択肢から選択できるようにする。
[第5の実施形態の変形例2]
第5の実施形態の変形例2では、演出ゲームの実行契機であるか否かの判定において特図変動表示ゲームの演出内容に加えて、遊技機10の遊技状態を考慮して判定する。図98は、第5の実施形態の変形例2の演出制御装置における演出ゲーム実行契機判定処理のフローチャートを示す図である。
[ステップD161]制御部は、演出始動記憶が増加したことを契機に演出ゲーム実行契機判定処理が開始されたか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの開始またはプッシュボタン25の操作を受付けたことによって演出ゲーム実行契機判定処理が開始されたと判定した場合にはステップD162に進み、演出始動記憶が増加したことを契機に演出ゲーム実行契機判定処理が開始されたと判定した場合にはステップD163に進む。
[ステップD162]制御部は、演出始動記憶が有るか否かを判定する。制御部は、演出始動記憶が「0」である場合にはステップD170に進み、演出始動記憶が「0」以外である場合、すなわち、演出始動記憶が有る場合にはステップD165に進む。
[ステップD163]制御部は、特図変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームが実行中でないと判定した場合にはステップD170に進み、特図変動表示ゲームが実行中であると判定した場合にはステップD164に進む。
[ステップD164]制御部は、実行中の特図変動表示ゲームで演出ゲームを実行済みであるか否かを判定する。制御部は、実行中の特図変動表示ゲームで演出ゲームを実行済みであると判定した場合にはステップD170に進み、実行中の特図変動表示ゲームで演出ゲームを実行済みでないと判定した場合にはステップD165に進む。
[ステップD165]制御部は、特図変動表示ゲームの演出内容を特定する。
[ステップD166]制御部は、遊技機10の遊技状態が演出ゲームの実行契機となり得る遊技状態であるか否かを判定する。たとえば、制御部は、遊技機10の遊技状態が右打ちすべき所定状態である場合に、実行契機となり得る遊技状態であると判定する。
制御部は、遊技機10の遊技状態が演出ゲームの実行契機となり得る遊技状態であると判定した場合にはステップD167に進み、遊技機10の遊技状態が演出ゲームの実行契機となり得ない遊技状態であると判定した場合にはステップD170に進む。
[ステップD167]制御部は、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出するか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出しないと判定した場合にはステップD170に進み、特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出すると判定した場合にはステップD168に進む。
[ステップD168]制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が2秒以上あるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームの残り時間が2秒以上ないと判定した場合にはステップD170に進み、特図変動表示ゲームの残り時間が2秒以上あると判定した場合にはステップD169に進む。
[ステップD169]制御部は、演出ゲームの実行契機であると判定し、演出ゲーム実行契機判定処理を終了する。
[ステップD170]制御部は、演出ゲームの実行契機でないと判定し、演出ゲーム実行契機判定処理を終了する。
このように遊技機10は、遊技状態を実行契機であるか否かの判定に用いることで、たとえば、演出ゲームの実行の是非によっても遊技者が遊技状態を把握することを可能にできる。
[第5の実施形態の変形例3]
第5の実施形態では1回の特図変動表示ゲーム内において1回の演出ゲームをおこなった。第5の実施形態では1回の特図変動表示ゲーム内において複数回の演出ゲームを実行可能である。
たとえば、遊技機10は、1回の特図変動表示ゲーム内において実行する演出ゲームの回数およびその演出時間を演出ゲームの実行契機判定時に決定する。たとえば、遊技機10は、実行契機判定処理において実行契機であると判定した場合に、特図変動表示ゲーム内において実行する演出ゲームの回数、および各演出ゲームに割り当てる演出時間を特図変動表示ゲームの残り時間と保留中の演出始動記憶の数とにもとづいて決定する。
1回の特図変動表示ゲーム内において複数回の演出ゲームを実行する場合の処理の流れについて図99を用いて説明する。図99は、第5の実施形態の変形例3の演出制御装置が演出ゲームを1回の特図変動表示ゲーム内で複数回おこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。図99に示したタイミングチャートは、特図変動表示ゲームが当りを導出する場合において3回の演出ゲームをおこなう場合の処理の流れを示す。
遊技機10は、タイミングt61からN回目の特図変動表示ゲームを開始するとともに1回目の演出ゲーム(パターン3)を開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている1回目の演出ゲーム(パターン3)は、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt61から3図柄仮停止導出表示をタイミングt62までの7秒間おこない、タイミングt62から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている1回目の演出ゲーム(パターン3)は、タイミングt62に3図柄仮停止表示を開始したことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt62から3図柄仮停止表示をタイミングt63までの2秒間おこない、1回目の演出ゲーム(パターン3)を終了し、2回目の演出ゲーム(パターン3)を開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている2回目の演出ゲーム(パターン3)は、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt63から3図柄仮停止導出表示をタイミングt64までの7秒間おこない、タイミングt64から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている2回目の演出ゲーム(パターン3)は、タイミングt64に3図柄仮停止表示を開始したことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt64から3図柄仮停止表示をタイミングt65までの2秒間おこない、2回目の演出ゲーム(パターン3)を終了し、3回目の演出ゲーム(パターン1)を開始してリーチ導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている3回目の演出ゲーム(パターン1)は、リーチ導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt65からリーチ導出表示をタイミングt66までの5秒間おこない、タイミングt66からリーチ演出表示をタイミングt67までの22秒間おこない、タイミングt67から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている3回目の演出ゲーム(パターン1)は、タイミングt67に3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt67から3図柄仮停止表示をタイミングt68までの2秒間おこない、タイミングt68からN回目の特図変動表示ゲームが終了するタイミングt69までのn秒間揺動表示をおこない、3回目の演出ゲーム(パターン1)を終了する。
なお、遊技機10は、複数回のうちの最後の演出ゲームにおいて導出する結果態様(3図柄仮停止表示における図柄の組み合わせ)を特図変動表示ゲームの結果態様と対応する結果態様とし、それ以外の演出ゲームにおいて導出する結果態様を特図変動表示ゲームの結果態様と対応しないはずれの結果態様とする。
これによれば、遊技機10は、1回目、2回目の演出ゲームで特図変動表示ゲームの結果態様がはずれであるように遊技者に把握させたのち、3回目の演出ゲームで特図変動表示ゲームの結果態様が実際には当りであることを把握させることができる。これにより遊技機10は、1回の演出ゲームで特図変動表示ゲームの結果態様が当りであることを把握させる場合よりも、興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、各演出ゲーム中における演出スキップを、各演出ゲームの演出をスキップするものとして機能(たとえば、1回目の演出ゲーム中に演出スキップした場合には1回目の演出ゲームの3図柄仮停止表示までスキップ)させてもよいし、3回の演出ゲーム全体のスキップとして機能(たとえば、1回目の演出ゲーム中に演出スキップした場合には3回目の演出ゲームの3図柄仮停止表示までスキップ)させてもよい。
なお、1回の特図変動表示ゲーム内において3回の演出ゲームを実行するとして説明したがこれに替えて、遊技機10は、1回の演出ゲームにおいて3回の演出ゲームが実行されているように知得させる演出(いわゆる疑似連)をおこなうことにより図99に示した処理を実現してもよい。
[第5の実施形態の変形例4]
第5の実施形態では図88に示すように演出始動記憶が増加時(D121:YES)に特図変動表示ゲームが実行されている場合(D123:YES)、当該特図変動表示ゲームで演出ゲームが実行済みでない場合(D124:NO)であっても、当該特図変動表示ゲームが演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームではない場合(D126:NOまたはD127:NO)には、実行契機ではないと判定した。
一方、第5の実施形態の変形例4では、実行中の特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出しない場合(D126:NO)や、実行中の特図変動表示ゲームの残り時間が短時間である場合(D127:NO)であっても、保留記憶内にリーチ演出を導出し、2秒以上の演出をおこなう特図変動表示ゲーム(演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲーム)を実行する保留記憶がある場合であって、当該特図変動表示ゲーム開始前に当りが発生しない場合には、実行契機であると判定し、当該保留記憶の特図変動表示ゲームに対応する演出ゲームを対応する特図変動表示ゲームの演出が開始する前から実行する。
たとえば、遊技機10は、対応する特図変動表示ゲームが開始するまでの間は左図柄、中図柄、右図柄を高速回転(高速変動表示)し続け、対応する特図変動表示ゲームが開始すると第5の実施形態で説明した演出ゲーム(パターン1〜パターン5)を開始する。
第5の実施形態の変形例4の処理の流れについて図100を用いて説明する。
図100は、第5の実施形態の変形例4の演出制御装置が演出ゲームを複数の特図変動表示ゲームに跨っておこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。
なお、図100に示すタイミングチャートでは、N回目の特図変動表示ゲームは、演出ゲームの実行の対象とならない特図変動表示ゲーム(たとえば、リーチ演出を導出しない特図変動表示ゲーム、残り時間が2秒未満である特図変動表示ゲーム、または演出ゲームを実行済みである特図変動表示ゲーム)であるものとする。また、N+1回目の変動表示ゲームは、演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームであるものとする。
遊技機10は、N回目の特図変動表示ゲームのタイミングt71に、始動記憶が発生すると、保留記憶内から演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームを検出し、N+1回目の特図変動表示ゲームが、演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームであることを特定する。たとえば、遊技機10は、演出制御装置300が保留記憶の発生時(保留記憶の発生の契機となる入賞時)に遊技制御装置100から受信した受信コマンドにもとづいて保留記憶内から演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームを検出する。
そして、遊技機10は、タイミングt71からN+1回目の特図変動表示ゲームに対応する演出ゲームを開始して高速変動表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲームは、対応する特図変動表示ゲーム(N+1回目)が開始されていないため、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt72にN回目の特図変動表示ゲームを終了し、N+1回目の特図変動表示ゲームを開始し、高速変動表示を終了し、リーチ導出表示を開始する。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲームは、N+1回目の特図変動表示ゲームが開始されたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt72から5秒後のタイミングt73までリーチ導出表示をおこない、タイミングt73からリーチ演出表示をタイミングt74までの22秒間おこない、タイミングt74から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲームは、タイミングt74に3図柄仮停止表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt74から3図柄仮停止表示をタイミングt75までの2秒間おこない、タイミングt75からN+1回目の特図変動表示ゲームが終了するタイミングt76までのn秒間揺動表示をおこない、演出ゲームを終了する。
これによれば、遊技機10は、演出ゲームの実行の対象とならない特図変動表示ゲームの間も演出ゲームを実行することができる。これにより、遊技機10は、遊技者の興趣向上を図ることができる。
また、遊技機10は、保留記憶内に演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームが存在する場合に特図変動表示ゲームを跨がって、当該演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲームに対応する演出ゲームをおこなうため、遊技者にリーチ演出を導出する保留記憶が存在することを明示できる。これにより、遊技機10は、リーチ演出を遊技者が見逃すことを抑止できる。
[第5の実施形態の変形例5]
第5の実施形態の変形例4では、実行中の特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出しない場合(D126:NO)や、実行中の特図変動表示ゲームの残り時間が短時間である場合(D127:NO)であっても、保留記憶内にリーチ演出を導出し、2秒以上の演出をおこなう特図変動表示ゲーム(演出ゲームの実行の対象となる特図変動表示ゲーム)を実行する保留記憶がある場合であって、当該特図変動表示ゲーム開始前に当りが発生しない場合には、実行契機であると判定し、当該保留記憶の特図変動表示ゲームに対応する演出ゲームを対応する特図変動表示ゲームの演出が開始する前から実行するとした。
第5の実施形態の変形例5では、実行中の特図変動表示ゲームがリーチ演出を導出しない場合(D126:NO)や、実行中の特図変動表示ゲームの残り時間が短時間である場合(D127:NO)であっても(実行中の特図変動表示ゲームが演出ゲームの実行の対象とならない特図変動表示ゲームであっても)、保留記憶が存在する場合には演出ゲームを実行する。
たとえば、遊技機10は、現在実行中の次に実行される特図変動表示ゲームの演出内容にかかわらず、3図柄仮停止導出表示と、3図柄仮停止表示(2秒)からなる演出ゲームを実行する。この場合、遊技機10は、たとえば、次に実行される特図変動表示ゲーム内で3図柄仮停止表示(2秒)ができるように3図柄仮停止導出表示の実行時間を設定する。
第5の実施形態の変形例5の処理の流れについて図101を用いて説明する。
図101は、第5の実施形態の変形例5の演出制御装置が演出ゲームを複数の特図変動表示ゲームに跨っておこなう場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。
なお、図101に示すタイミングチャートでは、N回目の特図変動表示ゲームは、演出ゲームの実行の対象とならない特図変動表示ゲーム(たとえば、リーチ演出を導出しない特図変動表示ゲーム、残り時間が2秒未満である特図変動表示ゲーム、または演出ゲームを実行済みである特図変動表示ゲーム)であるものとする。
遊技機10は、N回目の特図変動表示ゲームのタイミングt81に、始動記憶が発生すると、保留記憶があること(保留記憶が0でないこと)を特定する。
そして、遊技機10は、タイミングt81からN+1回目の特図変動表示ゲームに対応する演出ゲームを開始して3図柄仮停止導出表示をおこないはじめる。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲームは、3図柄仮停止導出表示がおこなわれはじめたことに伴い、対応する特図変動表示ゲーム(N+1回目)が開始されていないため、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt82にN回目の特図変動表示ゲームを終了し、N+1回目の特図変動表示ゲームを開始する。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲームは、N+1回目の特図変動表示ゲームが開始されたことに伴い、演出スキップが可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt82からタイミングt83まで3図柄仮停止導出表示をおこない、タイミングt83から3図柄仮停止表示をおこなう。サブ表示装置530でおこなわれている演出ゲームは、タイミングt83に3図柄仮停止表示がおこなわれはじめたことに伴い、演出スキップが不可能な状態となる。
遊技機10は、タイミングt83から3図柄仮停止表示をタイミングt84までの2秒間おこない、演出ゲームを終了する。
これによれば、遊技機10は、演出ゲームの実行機会を確保することができる。すなわち、遊技機10は、始動記憶が飽和するのを(最大数を超えることを)抑止できる。
なお、遊技機10は、役物と演出ゲームとを連動させてもよい。たとえば、演出ゲームにおいて図柄が「月」で仮停止した場合に、役物の月を中央に動作させるようにし、他の図柄で仮停止した場合には停止又は初期位置に戻すようにしてもよい。
また、遊技機10は、役物と演出ゲームとを連動させる場合であっても、演出ゲームがスキップ可能である場合にはスキップによって動作が間に合わないおそれがあるため役物を動作させないようにしてもよい。
また、遊技機10は、役物と演出ゲームとを連動させる場合であっても、上記に替えて演出ゲームがスキップ不可能である場合にはゲームの境界を明確にするために役物を動作させないようにしてもよい。
また、遊技機10は、役物と演出ゲームを連動させる場合であっても、演出ゲーム実行中であっても、対応する特図変動表示ゲームの残り時間が短い場合には、演出ゲームも終了間近であるため役物を動作させないようにしてもよい。
また、遊技機10は、役物と演出ゲームを連動させる場合であっても、特図変動表示ゲームで特定演出(たとえば、役物で演出が隠れてしまうおそれがある演出)をおこなわれる場合には役物を動作させないようにしてもよい。これにより、遊技機10は、特図変動表示ゲームでおこなわれる演出の視認性が低下するのを抑止できる。
上述した第5の実施形態(変形例1から変形例4を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、主制御手段(遊技制御装置100)と、従制御手段(演出制御装置300)とを備える。主制御手段は、第1条件の成立(始動入賞口36への入賞、普通変動入賞装置37)の検出を実行権利とする第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の進行を統括的に制御する。従制御手段は、主制御手段から指示を受けて第1の変動表示ゲームを第1表示手段(表示装置41)に表示させ、第1条件と異なる第2条件の成立(遊技球の演出流路354の流下)の検出を実行権利とする第2の変動表示ゲーム(演出ゲーム)の進行(開始タイミング、終了タイミング)を第1の変動表示ゲームと非同期にして制御し、第2の変動表示ゲームを第2表示手段(サブ表示装置530)に表示させ、同時に変動表示中の第1の変動表示ゲームが導出する結果態様にもとづいて第2の変動表示ゲームの結果態様を導出する。
(2)(1)の遊技機10は、操作を受け付け可能な操作手段(プッシュボタン25)をさらに備え、操作手段の操作を受け付けた場合に、第1の変動表示ゲームの結果態様にもとづいた第2の変動表示ゲームの結果態様を第1の変動表示ゲームの結果態様が導出されるよりも前に導出可能である。
(3)(1)の遊技機10は、操作手段(プッシュボタン25)をさらに備え、第2の変動表示ゲームは、演出を短縮可能(演出スキップ可能)であり、従制御装置は、操作手段の操作を検出した場合に第2の変動表示ゲームの演出を短縮する。
(4)(3)の第2の変動表示ゲームの結果態様は、第1の変動表示ゲームの結果態様と同じ態様である。
(5)(4)の従制御手段は、第1の変動表示ゲームで結果態様を導出するよりも前のタイミングで、第2の変動表示ゲームで結果態様を導出する。
(6)(5)の従制御手段は、操作手段が操作されたタイミングで第2の変動表示ゲームの結果態様を導出する。
(7)(6)の従制御手段は、第2の変動表示ゲームの演出態様を、同時に実行する第1の変動表示ゲームの残り時間にもとづいて決定する。
(8)(7)の従制御手段は、第2の変動表示ゲームの演出態様を、同時に実行する第1の変動表示ゲームの結果態様にもとづいて決定する。
(9)(8)の従制御手段は、第1の変動表示ゲームが特別遊技状態に移行の契機となる結果態様(当り)を導出する場合には、第1の変動表示ゲームが結果態様を導出する前に、第2の表示手段を用いて特別遊技状態における演出態様を設定させる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態の遊技機10について説明する。第6の実施形態の遊技機10は、第5の実施形態の遊技機10と同様に遊技盤3000(図76参照)を備える。第6の実施形態の遊技機10は、表示装置41に加え、サブ表示装置530と、プッシュボタン25(図62参照)と、演出ランプ540と、盤演出装置550,551とを用いて保留予告演出をおこなう。
まず、表示装置41における表示画面の構成について図102を用いて説明する。図102は、第6の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図である。
第6の実施形態の遊技機10は、サブ表示装置530の位置を変更可能にしていてセンターケース40の下端に退避する位置(退避位置)と、表示装置41の前面に進出する位置(進出位置)とを切り替え可能にしている。
まず、変動表示ゲームにおける図柄変動中であって、サブ表示装置530が退避位置にあるときのセンターケース40と表示装置41の表示画面を図102(1)に示す。演出ランプ540および盤演出装置550,551は、図柄変動に対応する態様で点灯する。たとえば、演出ランプ540および盤演出装置550,551は、白色で点滅する。盤演出装置550,551は、非作動状態にある。
図102(1)に示す表示装置41は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群601と、第2飾り図柄として小図柄群602とがある。大図柄群601は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群601は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとを含む。表示画面600の左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
大図柄群601は、左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rの順に変動を開始し、左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群601は、多くの場合において、左図柄601Lと中図柄601Cとでリーチ態様を形成し、右図柄601Rの停止を待って当り態様を形成可能にする。
小図柄群602は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群602は、大図柄群601による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群602は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面600の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、小図柄群602と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群602は、大図柄群601と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示605は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示605が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数と特図2保留数表示604が表示する保留記憶数の和に相当する。保留消化表示606は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
特図1保留数表示603が示す特図1ゲームの保留記憶数は「2」であり、特図2保留数表示604が示す特図2ゲームの保留記憶数は「0」であることから、保留表示605が示す保留記憶数は「2」である。また、保留消化表示606は特図変動表示ゲームが図柄変動中であることを示す。
次に、変動表示ゲームにおける図柄変動中であって、サブ表示装置530が進出位置にあるときのセンターケース40と表示装置41の表示画面を図102(2)に示す。演出ランプ540および盤演出装置550,551は、図柄変動に対応する態様で点灯する。盤演出装置550,551は、非作動状態にある。
図102(2)に示す表示装置41は、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留消化表示606を表示内容に含む。
サブ表示装置530は、進出位置にあって表示装置41の表示領域の一部を隠蔽する。たとえば、サブ表示装置530は、保留表示605を隠蔽する位置にある。なお、このとき、表示装置41は、サブ表示装置530によって隠蔽される表示領域に保留表示605を表示してもよいし、表示しなくともよい。表示装置41は、サブ表示装置530によって隠蔽される表示領域に保留表示605を表示しないことにより演出制御装置300の処理負担を軽減できる。
サブ表示装置530は、演出ゲームを表示可能である。表示装置41は、遊技者の関心を演出ゲームに向けるため大図柄群601の表示に代えて演出領域560を設定して所要の演出表示を表示する。演出ゲームは、保留予告演出に関連しておこなう変動表示ゲームである。演出ゲームは、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを含む)や普図変動表示と異なる演出用の変動表示ゲームである。なお、保留予告演出は、先読み演出の一態様であって、遊技機10は、保留表示605と保留消化表示606とを用いて保留予告演出をおこなう。
先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、始動入賞記憶の保留表示等を通常と異なる態様でおこなう等の演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、および先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動入賞記憶の保留に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
ここで、サブ表示装置530が表示する演出ゲームについて図103を用いて説明する。図103は、第6の実施形態のサブ表示装置における演出ゲームの表示例を示す図である。
図103(1)に示すように、サブ表示装置530は、3つのマトリクス表示部530L,530C,530Rごとに図柄またはイメージを変動表示することができる。たとえば、サブ表示装置530は、マトリクス表示部530Lにプッシュボタン25の左部分イメージを停止表示し、マトリクス表示部530C,530Rを変動表示する(図103(2))。続いて、サブ表示装置530は、マトリクス表示部530Cにプッシュボタン25の中部分イメージを停止表示し、マトリクス表示部530Rを変動表示する(図103(3))。続いて、サブ表示装置530は、マトリクス表示部530Rにプッシュボタン25の右部分イメージを停止表示し、マトリクス表示部530L,530C,530Rにプッシュボタン25の全体イメージを表示する(図103(4))。
このように、遊技機10は、サブ表示装置530においてプッシュボタン25の全体イメージを導出する演出ゲームをおこなうことができる。演出ゲームは、プッシュボタン25の全体イメージを導出することを演出の成功とし、プッシュボタン25の全体イメージを導出しないことを演出の失敗とする。
なお、遊技機10は、サブ表示装置530においてプッシュボタン25の全体イメージを導出しないはずれ変動をおこなってもよいし、サブ表示装置530においてプッシュボタン25の全体イメージを導出する前にリーチ変動をおこなってもよい。また、演出ゲームの実行契機は、所定のイベントトリガの成立とし、たとえば先読み系コマンドの受信契機としてもよいし、所定の入賞口への入賞契機としてもよい。
遊技機10は、サブ表示装置530における演出ゲームの成功を受けて、表示装置41とサブ表示装置530と演出ランプ540とを用いて遊技者に対してプッシュボタン25の操作を案内する。ここで、プッシュボタン25の操作案内について図104と図105を用いて説明する。図104は、第6の実施形態の表示装置とサブ表示装置と演出ランプとを用いたプッシュボタンの操作案内の一例を示す図(その1)である。図105は、第6の実施形態の表示装置とサブ表示装置と演出ランプとを用いたプッシュボタンの操作案内の一例を示す図(その2)である。
まず、遊技機10は、プッシュボタン25の全体イメージを導出した状態をサブ表示装置530に表示したまま、演出ランプ540を所定の態様で点灯させて演出ゲームの成功を報知する(図104(1))。
次に、遊技機10は、サブ表示装置530に表示したプッシュボタン25の全体イメージを上方向にスクロール表示する。このとき、遊技機10は、プッシュボタン25の全体イメージのうち、サブ表示装置530の表示範囲から欠けた範囲を表示装置41の演出領域560に表示する(図104(2))。すなわち、遊技機10は、表示装置41とサブ表示装置530とでプッシュボタン25の全体イメージを表示しながら、サブ表示装置530の表示範囲から表示装置41の演出領域560までプッシュボタン25の全体イメージを上方向にスクロール表示する。これにより、遊技機10は、サブ表示装置530でおこなった演出ゲームの結果に関する表示と、表示装置41でおこなうプッシュボタン25の操作案内に関する表示との関連性を、遊技者に容易に感得させることができる。
なお、遊技機10は、サブ表示装置530にプッシュボタン25の全体イメージ(演出ゲームの結果態様)を表示する場合において、演出ランプ540でプッシュボタン25の操作結果に対する予告報知をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、プッシュボタン25の押下操作を検出して保留表示態様(保留待機表示または保留消化表示)を変更するとき、演出ランプ540の表示態様を変更後の保留表示態様に対応する表示態様とする。より具体的には、遊技機10は、プッシュボタン25の押下操作を検出して特定の保留待機表示の表示態様を白色表示から赤色表示に変更するとき、プッシュボタン25の押下操作の検出前から演出ランプ540を赤色の表示態様として保留表示態様の変化をあらかじめ示唆する。なお、遊技機10は、保留表示態様の変化の示唆において演出ランプ540の表示態様を必ずしも変更後の保留表示態様に一致する表示態様としなくてもよく、変更後の保留表示態様に一致する表示態様よりも程度(期待度や信頼度等)の低い表示態様とするものであってもよい。
遊技機10は、表示装置41の演出領域560でプッシュボタン25の全体イメージを表示すると、サブ表示装置530にプッシュボタン25の操作案内に関するメッセージを表示する。たとえば、サブ表示装置530は、プッシュボタン25の操作受付タイミングの前にメッセージ「READY」を横スクロール表示して遊技者にプッシュボタン25の操作準備を促す(図105(1))。
そして、遊技機10は、表示装置41の演出領域560でプッシュボタン25の全体イメージの表示態様を変更(たとえば、明度を大きくする)してプッシュボタン25の操作受付タイミングであることを遊技者に案内する。さらに、遊技機10は、サブ表示装置530にプッシュボタン25の操作案内に関するメッセージを表示する。たとえば、サブ表示装置530は、プッシュボタン25の操作受付タイミングで、メッセージ「押せ!」を表示して遊技者にプッシュボタン25の操作を促す(図105(2))。
このように、遊技機10は、表示装置41とサブ表示装置530とが協働してプッシュボタン25の操作案内をおこなうことで、遊技者に対してより確かに操作案内を報知できるとともに興趣向上を図ることができる。なお、遊技機10は、サブ表示装置530によってメッセージ等を表示するとしたが、サブ表示装置530に加えて、あるいはサブ表示装置530に代えて表示装置41によってメッセージ等を表示するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、サブ表示装置530に表示するメッセージ「READY」やメッセージ「押せ!」をプッシュボタン25の全体イメージと同様に、サブ表示装置530の表示範囲から表示装置41の演出領域560まで上方向にスクロール表示するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、演出領域560までスクロールして表示される画像を、サブ表示装置530が表示していたドット表示のような表示態様としてもよいし、ドット表示のような低解像度の表示態様に代えて高解像度の表示態様に切り替えて表示してもよい。
遊技機10は、プッシュボタン25の操作を受け付けて、保留表示605または保留消化表示606の表示態様の変更を伴う保留予告演出をおこなう。保留表示605または保留消化表示606の表示態様の変更を伴う保留予告演出について図106から図108を用いて説明する。図106は、第6の実施形態の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図(その1)である。図107は、第6の実施形態の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図(その2)である。図108は、第6の実施形態の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図(その3)である。
遊技機10は、プッシュボタン25の操作(たとえば押下操作)を受け付けて、先読み演出として報知する信頼度に応じて演出ランプ540の表示態様を変更する(図106(1))。たとえば、遊技機10は、保留表示605または保留消化表示606の変更後の表示態様に対応する表示態様で演出ランプ540を点灯する。より具体的には、遊技機10は、保留表示605または保留消化表示606を赤色に変更するとき、演出ランプ540を赤色で点灯する。
また、遊技機10は、演出ランプ540の表示態様の変更とともに、盤演出装置550,551の動作態様を変更する(図106(1))。たとえば、遊技機10は、盤演出装置551の背面側に隠れていた可動部材551aを演出ランプ540の直下に移動する。このような盤演出装置550,551の動作態様の変更は、表示装置41の上部に遊技者の注意を向けることができ、同時におこなう演出ランプ540の表示態様の変更にも遊技者の注意を向けることができる。これにより、遊技機10は、演出ランプ540および盤演出装置550,551が保留予告演出に関連した演出を担うことを遊技者に容易に感得させることができる。また、遊技機10は、遊技者の注意を表示装置41に向けることができる。
また、遊技機10は、サブ表示装置530の位置を進出位置から退避位置に変更する(図106(1)、(2))。これにより、表示装置41は、保留表示605を明示する。このようにして、遊技機10は、サブ表示装置530の退避と保留表示605の明示との連動から演出ゲームと保留予告演出との対応関係を遊技者に感得させることができる。なお、表示装置41は、サブ表示装置530の位置が退避位置にあってからも所定時間の間、保留表示605または保留消化表示606の表示態様の変更をおこなわないタイムラグを設ける(図106(2))。すなわち、遊技機10は、演出ランプ540が表示態様を変更し、盤演出装置550,551が動作態様を変更し、サブ表示装置530が位置を変更した状態にあって、保留表示605または保留消化表示606の表示態様を維持する。
なお、遊技機10は、プッシュボタン25の操作を受け付けて、サブ表示装置530の位置を進出位置から退避位置に変更するとしたが、進出位置で待機してプッシュボタン25の操作に応じた画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、進出位置で待機するサブ表示装置530と、表示装置41とを用いて多彩な表示演出をおこなうことができる。
次に、遊技機10は、盤演出装置550,551の動作態様を初期状態に変更する(図107(1))。たとえば、遊技機10は、演出ランプ540の直下に移動していた可動部材551aを盤演出装置551の背面側に隠れる位置(初期状態)まで移動する。
さらに、遊技機10は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に向かう対応表示562を表示装置41の演出領域560に表示する(図107(1))。対応表示562は、演出ランプ540と保留表示605または保留消化表示606との対応関係を報知する表示であって、たとえば演出ランプ540の発光態様と同色の稲妻様のエフェクトであり、大図柄群601のうち中図柄601Cに重畳する。より具体的には、遊技機10は、演出ランプ540が赤色に変更されているとき、対応表示562を赤色のエフェクトとする。なお、対応表示562は、演出ランプ540の表示態様に関係なく、先読み演出として報知する信頼度に応じて形状、大きさ、色彩、表示時間等を変更可能にしてもよい。なお、対応表示562は、大図柄群601のうち中図柄601Cに重畳するとしたが中図柄以外の図柄(たとえば左図柄601Lや右図柄601R)に重畳するとしてもよく、いずれの図柄に重畳するかによって保留表示605または保留消化表示606の表示態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、対応表示562は、いずれの図柄に重畳するかによって保留表示605または保留消化表示606のうちいずれの表示態様を切り替えるかを示唆してもよいし、いずれの図柄に重畳するかによって保留表示605または保留消化表示606の変化後の表示態様の色や形状、大きさ等を異ならせるようにしてもよい。
さらに、遊技機10は、保留表示605または保留消化表示606の表示態様を、先読み演出として報知する信頼度に応じて変更する(図107(1))。たとえば、遊技機10は、保留表示605または保留消化表示606を白色から赤色に変更する。
たとえば、保留表示605または保留消化表示606が表示態様を変更しただけでは遊技者は変更タイミングや変更内容の把握が容易でない。しかしながら、遊技機10は、各種演出装置(表示装置41、サブ表示装置530、プッシュボタン25、演出ランプ540、盤演出装置550,551等)により注意喚起を図ることで、遊技者の関心を保留表示605または保留消化表示606に導くことができる。
なお、遊技機10は、保留予告演出の実行中、表示装置41の表示領域内に保留予告用の演出領域560を設定したときに演出領域560の表示内容を大図柄群601の表示内容に優先する。このとき、遊技機10は、大図柄群601を非表示にしてもよいし、大図柄群601の透明度を落とすなどして表示してもよい。
次に、遊技機10は、演出ランプ540の表示態様を通常の表示態様(たとえば、白色点灯)に復帰する(図107(2))。また、遊技機10は、表示装置41の表示領域内に保留予告用の演出領域560の設定を解除する(図107(2))。
このようにして、遊技機10は、演出ランプ540と、盤演出装置550,551と、対応表示562と、保留表示605または保留消化表示606とが連携して、演出態様(表示態様や動作態様)を変更するので、報知対象や報知内容を遊技者に容易に知らしめることができる。
なお、演出ランプ540は、表示板548(図79参照)を通して光源543(図79参照)の発光色を投影レンズ541(図79参照)に投影することで発光色を切り替えることができる。また、演出ランプ540は、表示板546(図79参照)を通して光源543からの出射光を投影レンズ541に投影することでトラのようなキャラクタを表示することができる(図108(1))。このとき、遊技機10は、演出ランプ540の表示態様に対応させて対応表示562や保留表示605または保留消化表示606を縞模様で表示することができる。
また、演出ランプ540は、表示板544(図79参照)を通して光源543からの出射光を投影レンズ541に投影することで「激熱」のようなメッセージを表示することができる(図108(2))。このとき、遊技機10は、演出ランプ540の表示態様に対応させて対応表示562や保留表示605または保留消化表示606を炎のような表示態様で表示することができる。なお、図示を省略するが、演出ランプ540は、複数の表示板545,547,549を切り替えながら光源543からの出射光を投影レンズ541に投影することで花弁が舞うようなアニメーションを表示することができる。このとき、遊技機10は、演出ランプ540の表示態様に対応させて対応表示562や保留表示605または保留消化表示606を花弁柄のような表示態様で表示してもよい。
次に、保留表示605または保留消化表示606における表示態様と期待度の関係について図109を用いて説明する。図109は、第6の実施形態の保留予告演出における表示態様と期待度の関係の一例を示す図である。なお、保留表示605の表示態様について説明するが、保留消化表示606の表示態様についても同様とすることができる。
保留表示605の表示態様は、パターンP10からパターンP19まである。パターンP10とパターンP11は、デフォルト(標準)表示態様であり、たとえば円形かつ白色の表示態様である。パターンP10は、保留予告演出が予定されていない保留記憶に関する表示態様(非潜伏)である。パターンP11は、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様(潜伏A)である。
パターンP12は、非デフォルト(非標準)表示態様であり、たとえば円形かつ白色の点滅表示態様である。パターンP12は、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様(潜伏B)である。
パターンP11とパターンP12は、いずれも保留予告演出が予定されている保留記憶に関するが、パターンP11は保留予告演出が予定されていることを明らかにせず、パターンP12は保留予告演出が予定されていることを明らかにする点で相違する。
パターンP13は、非デフォルト表示態様であり、たとえば円形かつ青色の表示態様である。パターンP14は、非デフォルト表示態様であり、たとえば円形かつ緑色の表示態様である。パターンP15は、非デフォルト表示態様であり、たとえば円形かつ赤色の表示態様である。パターンP16は、非デフォルト表示態様であり、たとえば円形かつ花弁(桜)模様の表示態様である。パターンP17は、非デフォルト表示態様であり、たとえば円形かつ虹色の表示態様である。
パターンP13からパターンP17には、それぞれ変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度(たとえば、当り期待度)が設定される。なお、期待度は、当りの導出可能性に対応するものに限らず、リーチやスーパーリーチ等、変動表示演出の発展段階に対応するものであってもよい。なお、一般入賞口予告表示演出は、他の段階の保留予告演出と独立に期待度を報知するものであってもよいし、他の段階の保留予告演出との組み合わせで期待度を報知するものであってもよい。
パターンP18は、非デフォルト表示態様であり、たとえば円形かつトラ柄の表示態様である。パターンP18は、一時的な表示態様であり、保留シフト時などの遅れたタイミングでパターンP15からパターンP17のいずれかに変化する。すなわち、パターンP18は、パターンP15からパターンP17のいずれかに発展する期待感を示す表示態様である。
パターンP19は、非デフォルト表示態様であり、たとえば炎のような表示態様である。パターンP19は、一時的な表示態様であり、保留シフト時などの遅れたタイミングでパターンP16またはパターンP17のいずれかに変化する。すなわち、パターンP19は、パターンP16またはパターンP17のいずれかに発展する期待感を示す表示態様である。
遊技機10は、パターンP13に最も低い期待度を設定し、パターンP17に最も高い期待度を設定し、パターンP13からパターンP17まで段階的に高くなる期待度を設定する。なお、遊技機10は、たとえば0%〜100%までの具体的な期待度をパターンP13からパターンP17に設定するものであってもよいし、たとえば「低」、「中」、「高」のように、大まかな期待度の大きさを設定するものであってもよい。
なお、パターンP18およびパターン19は、非一時的な表示態様であってもよい。その場合、遊技機10は、パターンP13からパターンP17と同様にパターンP18およびパターン19に所定の期待度を設定することができる。
このようにして、遊技機10は、サブ表示装置530における演出ゲームの開始起点から保留表示605または保留消化表示606の表示態様の変化に至る一連のものとして保留予告演出をおこなうことができる。このような遊技機10は、遊技進行の中で遊技者の注意を役物動作(たとえば、サブ表示装置530の位置切替や盤演出装置550,551の動作態様)に惹きつけながらも保留予告演出に対する遊技者の関心を高めることができる。さらには、遊技機10は、役物動作を介在させることで保留予告演出を遊技者にとって一層理解容易なものとすることができる。
次に、保留予告演出の変形例について図110を用いて説明する。図110は、第6の実施形態の変形例の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図である。
図107(1)に示した盤演出装置550,551は、対応表示562が演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に向かうのを待たずに可動部材551aを盤演出装置551の背面側に隠れる位置まで移動したが、対応表示562が演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に向かうのを待って可動部材551aを盤演出装置551の背面側に隠れる位置まで移動するようにしてもよい(図110(1))。
このとき、対応表示562は、可動部材551aの位置にかかわらず同一の表示態様とすることができる。これにより、遊技機10は、演出制御装置300の処理負担を軽減するとともに、可動部材551aが作動しない不測の事態においても違和感のない対応表示をおこなうことができる。
また、盤演出装置550,551は、可動部材551aを含めて発光部(たとえばフルカラーLED)を備えるようにしてもよく、可動部材551aが備える発光部を演出ランプ540に対応した発光態様(たとえば同期表示)とする(図110(1))。これにより、遊技機10は、可動部材551aによって演出ランプ540に対する遊技者の関心を高めることができる。また、遊技機10は、盤演出装置550,551が備えるその他の発光部の発光態様を可動部材551aが備える発光部と異なる発光態様としてもよい。これにより、遊技機10は、センターケース40から可動部材551aと演出ランプ540とを際立たせて演出ランプ540に対する遊技者の関心を一層高めることができる。
図106(1)、(2)に示した盤演出装置550,551は、盤演出装置551の背面から可動部材551aを演出ランプ540の直下に移動していたが、盤演出装置550の背面から可動部材550aを演出ランプ540の直下に移動するようにしてもよい(図110(2))。また、遊技機10は、盤演出装置550,551が可動部材550a,551aのいずれを移動させるかを保留予告演出によって報知する信頼度に関係して選択するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、可動部材551aが移動したときと可動部材550aが移動したときとで異なる信頼度を報知することにより、可動部材550a,551aの移動について遊技者に新たな興趣を与えることができる。
また、遊技機10は、可動部材550a,551aのいずれを移動させるかによって、プッシュボタン25の操作内容を違えるようにしてもよい。たとえば、可動部材551aの移動は、プッシュボタン25の1回の押下操作に対応し、可動部材550aの移動は、プッシュボタン25の複数回の押下操作(連打操作)に対応する。このとき、可動部材550aは、プッシュボタン25の押下操作の回数に関連して移動するようにしてもよい(図110(2))。たとえば、可動部材550aは、プッシュボタン25の押下操作ごとに少しずつ移動し、押下操作回数が10回に達したところで演出ランプ540の直下に移動する。
また、遊技機10は、表示装置41の演出領域560に操作案内表示561を表示してプッシュボタン25の連打操作を案内することができる。たとえば、遊技機10は、操作案内表示561としてプッシュボタン25の連打操作イメージを表示することができる。また、遊技機10は、操作案内表示561に加えて、あるいは操作案内表示561に代えてサブ表示装置530にメッセージ「連打!」等を表示するようにしてもよい。
次に、保留予告演出の実行タイミングについて図111を用いて説明する。図111は、第6の実施形態の保留予告演出のタイミングチャートの一例を示す図である。まず、タイミングt0における始動入賞は、保留予告演出の起点となり得る。演出制御装置300は、タイミングt0において遊技制御装置100から先読み系コマンドを受信することで保留予告演出の起点となり得る始動入賞を検出する。
また、タイミングt0における始動入賞は、始動入賞前の保留記憶数が「m(たとえば、0から7までの整数のいずれか)」であるとき、「1」インクリメントして保留記憶数を「m+1」に更新する。
また、演出制御装置300は、保留予告演出の実行を待機する保留予告演出待機状態を設定できる。これにより、演出制御装置300は、サブ表示装置530における演出ゲームの開始タイミングや実行時間を調整することができる。たとえば、演出制御装置300は、保留シフトタイミングを超えるタイミングt1以降で保留予告演出待機状態を解除可能とし、タイミングt2で保留予告演出実行契機を検出することで演出ゲームを開始する。なお、保留シフトタイミングは、変動表示回数が「n(たとえば、1以上の整数のいずれか)」であるとき、「1」インクリメントして変動表示回数を「n+1」に更新するタイミングである。また、保留予告演出実行契機は、保留予告演出待機状態を解除可能とするタイミング以降のタイマトリガやイベントトリガとすることができる。より具体的には、演出制御装置300は、保留シフトタイミングから3000ms経過したタイミングをタイマトリガとして保留予告演出待機状態を解除し、演出ゲームを開始してもよい。あるいは、演出制御装置300は、保留シフトタイミング以降の遊技球の演出流路354の流下検出(図76参照)をイベントトリガとして保留予告演出待機状態を解除し、演出ゲームを開始してもよい。また、演出制御装置300は、必ずしも保留シフトタイミングを超えて保留予告演出待機状態を解除可能とすることを要しない。また、演出制御装置300は、保留予告演出待機状態を設定することなく先読み系コマンドの受信を演出ゲームの開始タイミングとしてもよい。
演出制御装置300は、タイミングt2で演出ゲームを開始すると所定時間だけ演出ゲームを継続して、タイミングt3で演出ゲームの結果を導出(表示)する。演出制御装置300は、演出ゲームの結果としてサブ表示装置530においてプッシュボタン25の全体イメージを導出した場合に、タイミングt3からプッシュボタン25の操作案内表示を所定時間だけおこなう。なお、演出制御装置300は、タイミングt4でプッシュボタン25の操作を検出すると所定時間の経過を待つことなく対応案内(たとえば対応表示562)を表示する。演出制御装置300は、タイミングt5で対応案内に対応して保留表示605または保留消化表示606の表示態様(保留態様)を変化させる。
このようにして、遊技機10は、始動入賞から保留態様変化までの間で複数の演出装置が連携するので、高い興趣を維持しながら報知対象や報知内容を遊技者に容易に知らしめることができる。また、遊技機10は、可動する演出装置(たとえば、サブ表示装置530や盤演出装置550,551等)が動作しても、保留予告演出と連携するため遊技者の注意が保留予告演出から離れることを抑止できる。また、遊技機10は、演出個所(たとえば、サブ表示装置530や盤演出装置550,551、演出ランプ540、保留表示605や保留消化表示606の表示位置等)が分散して配置されていても、各演出個所が連携するため遊技者の注意が保留予告演出から離れることを抑止できる。
なお、遊技機10は、保留予告演出待機状態において保留予告演出以外の演出(たとえば、第5の実施形態の演出ゲーム)を実行可能としてもよい。また、遊技機10は、保留予告演出待機状態において、保留予告演出以外の演出(たとえば、第5の実施形態の演出ゲーム)を含む演出の実行を待機するようにしてもよい。この場合において、遊技機10は、保留予告演出待機状態の継続時間を報知するようにしてもよく、たとえばサブ表示装置530あるいはその他の表示装置によって保留予告演出待機状態の継続時間や保留予告演出待機状態中の特図ゲームの変動表示回数等を表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、保留予告演出待機状態において、スピーカ19a,19bが出力するBGMや効果音(音声を含む)によって保留予告演出待機状態の継続時間や保留予告演出待機状態中の特図ゲームの変動表示回数等を報知するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、保留予告演出待機状態の解除に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、遊技機10は、保留予告演出待機状態の解除に対する遊技者の注目を維持し、保留予告演出待機状態の解除後の遊技者の保留予告演出の見逃しを抑止することができる。
なお、遊技機10は、演出制御装置300にバックアップメモリ(たとえば、EEPROM等)を備えるようにしてもよく、電源遮断状態において保留予告演出待機状態に関する情報をバックアップメモリに記憶保持して電源復旧後に保留予告演出待機状態に復帰可能にしてもよい。たとえば、保留予告演出待機状態に関する情報は、保留予告演出待機状態の有無や、演出個所(たとえば、サブ表示装置530や盤演出装置550,551、演出ランプ540、保留表示605や保留消化表示606の表示位置等)ごとの現表示態様や最終表示態様を含む。このとき、遊技機10は、演出個所を電源復旧後にデフォルト態様とし、遊技制御装置100から所定のコマンド(たとえば、変動開始コマンドや、保留数コマンド、先読み系コマンド等)を受信したことを契機にしてバックアップメモリから保留予告演出待機状態に関する情報を読み出して保留予告演出待機状態に復帰する。なお、遊技機10は、電源復旧後に保留予告演出待機状態に復帰する場合、保留予告演出実行契機を待って保留予告演出をおこなうようにしてもよいし、保留予告演出実行契機の成立の有無にかかわらず成立したものとみなして保留予告演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、電源復旧後に保留予告演出待機状態に復帰する場合、保留予告演出の中間過程を経ずに最終態様を表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、演出制御装置300にバックアップメモリを備えない場合に、電源復旧後に保留予告演出待機状態に関する一切の保留予告演出を実行しないようにしてもよい。
次に、第6の実施形態の変形例として演出ランプ540と盤演出装置550,551とでおこなう詳細な期待度報知について図112を用いて説明する。図112は、第6の実施形態の変形例の期待度報知の一例を示す図である。
第6の実施形態の遊技機10は、プッシュボタン25の操作(たとえば押下操作)を受け付けて、先読み演出として報知する信頼度に応じて演出ランプ540の表示態様を変更した(図106(1))。第6の実施形態の変形例の遊技機10は、演出ランプ540に加え、盤演出装置550,551が有する発光部、さらに可動部材550a,551aが有する発光部の5つの発光態様により期待度報知をおこなう。
演出ランプ540は、大凡の期待度を報知し、盤演出装置550,551(可動部材550a,551aを含む)が詳細な期待度を報知する。たとえば、演出ランプ540は、図109に示したような表示態様で大凡の期待度を報知する。より具体的には、演出ランプ540は、発光態様が赤色の時、緑色よりも期待度が高く、花弁(桜)柄よりも期待度が低い。しかしながら、遊技機10が報知する期待度は、演出ランプ540の発光態様が赤色であるなかでも期待度が緑色に近いときや花弁(桜)柄に近いときがある。
このような演出ランプ540の発光態様だけでは表せない期待度報知を、盤演出装置550,551が補助する。なお、盤演出装置550,551、可動部材550a,551aをそれぞれ各構造体が有する文字により、「花」、「雪」、「月」、「吹」と称して説明する。
「花」、「雪」、「月」、「吹」は、それぞれの表示態様が「消灯」であるときに詳細な期待度が「1」であることを報知する。これは、演出ランプ540の発光態様が赤色のうちでも期待度が最低であることを示す。また、「花」の表示態様が「点灯」で、「雪」と「月」と「吹」の表示態様が「消灯」であるときに詳細な期待度が「2」であることを報知する。これは、演出ランプ540の発光態様が赤色のうちでも期待度が低いものであることを示す。また、「花」と「雪」の表示態様が「点灯」で、「月」と「吹」の表示態様が「消灯」であるときに詳細な期待度が「3」であることを報知する。これは、演出ランプ540の発光態様が赤色のうちでも期待度が中程度のものであることを示す。また、「花」と「雪」と「吹」の表示態様が「点灯」で、「月」の表示態様が「消灯」であるときに詳細な期待度が「4」であることを報知する。これは、演出ランプ540の発光態様が赤色のうちでも期待度が高いものであることを示す。また、「花」と「雪」と「月」の表示態様が「点灯」で、「吹」の表示態様が「消灯」であるときに詳細な期待度が「5」であることを報知する。これは、演出ランプ540の発光態様が赤色のうちでも期待度が最高であることを示す。
このようにして、遊技機10は、1つの演出ランプ540だけでは表せない期待度を、盤演出装置550,551(可動部材550a,551aを含む)の補助により表わすことができる。また、遊技機10は、始動入賞から保留態様変化までの間で連携する演出ランプ540と盤演出装置550,551(可動部材550a,551aを含む)とを用いることで、相互の関連性を遊技者に知らしめ、興趣性を向上しながら遊技者にとって理解容易にして詳細な期待度報知をおこなうことができる。
なお、盤演出装置550,551(可動部材550a,551aを含む)の補助は、盤演出装置550,551(可動部材550a,551aを含む)のそれぞれが備える表示部の表示態様による補助と、可動部材550a,551aの動作態様による補助とを含む。
次に、保留変化態様決定処理について図113を用いて説明する。図113は、第6の実施形態の演出制御装置における保留変化態様決定処理のフローチャートを示す図である。保留変化態様決定処理は、一連の保留予告演出を設定する処理である。保留変化態様決定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって始動入賞発生ごとにおこなわれる処理である。保留変化態様決定処理は、メイン処理のステップD23(図44参照)で制御部によって実行される処理である。
[ステップD171]制御部は、保留表示605または保留消化表示606について保留変化可能な状態にあるか否かを判定する。たとえば、制御部は、所定数の保留記憶があるときや、先読み予告コマンドを受信したとき、所定時間の演出時間が確保できるとき等、さらにはこれらを組み合わせた条件の成立時に保留変化可能な状態であると判定できる。制御部は、保留表示605または保留消化表示606について保留変化可能な状態にあるときにステップD172に進み、保留変化可能な状態にないときに保留変化態様決定処理を終了する。
[ステップD172]制御部は、演出ゲーム設定処理を実行する。演出ゲーム設定処理は、サブ表示装置530にておこなう演出ゲームを設定する処理である。演出ゲーム設定処理については、後で図114を用いて説明する。
[ステップD173]制御部は、操作案内設定処理を実行する。操作案内設定処理は、プッシュボタン25の操作案内を設定する処理である。操作案内設定処理については、後で図115を用いて説明する。
[ステップD174]制御部は、対応案内設定処理を実行する。対応案内設定処理は、演出ランプ540と、盤演出装置550,551と、対応表示562と、保留表示605または保留消化表示606の演出態様を設定する処理である。対応案内設定処理については、後で図116を用いて説明する。制御部は、対応案内設定処理を実行後に保留変化態様決定処理を終了する。
次に、演出ゲーム設定処理について図114を用いて説明する。図114は、第6の実施形態の演出制御装置における演出ゲーム設定処理のフローチャートを示す図である。演出ゲーム設定処理は、保留変化態様決定処理のステップD172で演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。
[ステップD181]制御部は、対象となる保留記憶の最終保留態様を決定する。最終保留態様は、保留表示605または保留消化表示606における最終的な表示態様をいい、たとえば図109で示したパターンP10からパターンP17(パターンP18、パターンP19を含んでもよい)のいずれかとする。制御部は、先読み予告コマンド等にもとづいて最終保留態様を決定することができる。
[ステップD182]制御部は、保留予告演出待機状態を設定する。
[ステップD183]制御部は、保留予告演出実行契機の成立を判定し、保留予告演出実行契機が成立する場合にステップD185に進み、保留予告演出実行契機が成立しない場合にステップD184に進む。
[ステップD184]制御部は、保留予告演出待機状態が終了したか否かを判定し、保留予告演出待機状態が終了していない場合にステップD183に進み、保留予告演出実行契機の成立を待つ。一方、制御部は、保留予告演出待機状態が終了している場合に演出ゲーム設定処理を終了する。なお、制御部は、あらかじめ定めるタイマトリガあるいはイベントトリガによって保留予告演出待機状態を終了する。
[ステップD185]制御部は、保留予告演出実行契機の成立によって演出ゲームを設定する。演出ゲームの設定には、演出時間、演出態様、結果態様を含む。制御部は、演出ゲームを設定後に保留予告演出待機状態を終了する。
次に、操作案内設定処理について図115を用いて説明する。図115は、第6の実施形態の演出制御装置における操作案内設定処理のフローチャートを示す図である。操作案内設定処理は、保留変化態様決定処理のステップD173で演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。
[ステップD191]制御部は、演出ゲームにおいて特定の結果態様(たとえば、プッシュボタン25の全体イメージ)を導出したか否かを判定する。制御部は、演出ゲームにおいて特定の結果態様を導出した場合にステップD192に進み、特定の結果態様を導出しない場合に操作案内設定処理を終了する。
[ステップD192]制御部は、操作案内態様を決定する。たとえば、操作案内態様には、プッシュボタン25の一回の押下操作を案内する単打案内と、プッシュボタン25の複数回の押下操作を案内する連打案内とがある。制御部は、演出ゲーム設定処理のステップD181で決定した最終保留態様に応じて操作案内態様を決定することができる。
[ステップD193]制御部は、ステップD192で決定した操作案内態様にしたがい操作受付時間を設定する。たとえば、制御部は、単打案内をおこなうときに3秒の操作受付時間を設定し、連打案内をおこなうときに5秒の操作受付時間を設定する。
[ステップD194]制御部は、操作案内表示を設定する。たとえば、制御部は、単打案内や連打案内に対応して表示装置41の表示内容やサブ表示装置530の表示内容を設定する。制御部は、操作案内表示を設定後に操作案内設定処理を終了する。
次に、対応案内設定処理について図116を用いて説明する。図116は、第6の実施形態の演出制御装置における対応案内設定処理のフローチャートを示す図である。対応案内設定処理は、保留変化態様決定処理のステップD174で演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。
[ステップD201]制御部は、操作受付時間内にプッシュボタン25の押下操作を検出したか否かを判定する。制御部は、操作受付時間内にプッシュボタン25の押下操作を検出した場合にステップD202に進み、プッシュボタン25の押下操作を検出しない場合に対応案内設定処理を終了する。
なお、制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出しないことで保留予告演出のすべてをおこなわないようにしてもよいし、対応する保留待機表示が保留消化表示に切り替わるタイミング、あるいはそれ以降のタイミング(たとえば、リーチ発生や、リーチ中の演出発展時等)で最終保留態様に切り替えるようにしてもよい。
[ステップD202]制御部は、演出ゲーム設定処理のステップD181で決定した最終保留態様を取得する。
[ステップD203]制御部は、最終保留態様に応じて対応案内態様を決定する。ここでいう対応案内態様は、演出ランプ540の表示態様、盤演出装置550,551の動作態様、対応表示562の表示態様を含む。
[ステップD204]制御部は、決定した対応案内態様を対応案内として設定する。
[ステップD205]制御部は、最終保留態様にしたがい対応する保留表示605または保留消化表示606の表示態様(保留表示態様)を設定する。制御部は、保留表示態様を設定後に対応案内設定処理を終了する。
これにより、遊技機10は、一連の保留予告演出を設定することができる。
次に、第6の実施形態の変形例1の表示装置41における表示画面の構成について図117を用いて説明する。図117は、第6の実施形態の変形例1の表示装置における表示画面の一例を示す図である。なお、図102を用いて説明した第6の実施形態の表示装置41と同様の構成については符号を同じにして説明を省略する。
第6の実施形態の変形例1の遊技機10もまた、サブ表示装置530の位置を変更可能にしていてセンターケース40の下端に退避する位置(退避位置)と、表示装置41の前面に進出する位置(進出位置)とを切り替え可能にしている。
まず、変動表示ゲームにおける図柄変動中であって、サブ表示装置530が退避位置にあるときのセンターケース40と表示装置41の表示画面を図117(1)に示す。表示装置41は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留表示605aと、保留消化表示606を表示内容に含む。
保留表示605aは、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示605aが表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数と特図2保留数表示604が表示する保留記憶数の和に相当する。保留表示605aは、サブ表示装置530の移動範囲にない表示領域に表示され、たとえば表示領域左側に保留記憶ごとに縦一列にして表示される。なお、表示装置41は、大図柄群601を挟んで左側に保留表示605aを配置し、右側に特図1保留数表示603と特図2保留数表示604とを配置することから、遊技者の視線が表示領域内で大きく移動する場合があっても良好に保留記憶数を確認可能にしている。
次に、変動表示ゲームにおける図柄変動中であって、サブ表示装置530が進出位置にあるときのセンターケース40と表示装置41の表示画面を図117(2)に示す。表示装置41は、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留表示605aと、保留消化表示606を表示内容に含む。
サブ表示装置530は、進出位置にあって表示装置41の表示領域の一部を隠蔽するが、保留表示605aは、サブ表示装置530の移動範囲にないことから良好に視認可能である。
次に、第6の実施形態の変形例2の保留予告演出の実行タイミングについて図118を用いて説明する。図118は、第6の実施形態の変形例2の保留予告演出のタイミングチャートの一例を示す図である。第6の実施形態では保留予告演出において演出ゲームから保留態様変化までを1つの変動表示のうちでおこなっていたが、第6の実施形態の変形例2は、保留予告演出において演出ゲームから保留態様変化までを2以上の変動表示に跨っておこなう。
まず、タイミングt10における始動入賞は、保留予告演出の起点となり得る。演出制御装置300は、タイミングt10において遊技制御装置100から先読み系コマンドを受信することで保留予告演出の起点となり得る始動入賞を検出する。
また、演出制御装置300は、保留予告演出の実行を待機する保留予告演出待機状態を設定できる。これにより、演出制御装置300は、サブ表示装置530における演出ゲームの開始タイミングや実行時間を調整することができる。たとえば、演出制御装置300は、保留シフトタイミングを超えるタイミングt11以降で保留予告演出待機状態を解除可能とし、タイミングt12で保留予告演出実行契機を検出することで演出ゲームを開始する。
演出制御装置300は、タイミングt12で演出ゲームを開始すると所定時間だけ演出ゲームを継続して、タイミングt13で演出ゲームの結果を導出(表示)する。なお、演出ゲームの継続期間(演出ゲーム開始から演出ゲームの結果導出まで)は、並行して実行されている1回の変動表示の範囲内の期間であってもよいし、2回以上の変動表示に跨る期間であってもよい。
演出制御装置300は、演出ゲームの結果としてサブ表示装置530においてプッシュボタン25の全体イメージを導出した場合に、タイミングt13から演出ランプ540の表示態様を変更するとともにプッシュボタン25の操作案内表示をおこなう。演出ランプ540の表示態様の変更は、保留態様変化に対する先予告として機能する。
演出制御装置300は、演出ランプ540の表示態様の変更と、プッシュボタン25の操作案内表示とを所定時間だけ継続する。なお、ここでいう所定時間は、並行して実行されている1回の変動表示の範囲内の期間であってもよいし、2回以上の変動表示に跨る期間であってもよい。
演出制御装置300は、タイミングt14でプッシュボタン25の操作を検出すると所定時間の経過を待つことなく対応案内(たとえば対応表示562)を表示する。演出制御装置300は、タイミングt15で対応案内に対応して保留表示605または保留消化表示606の表示態様(保留態様)を変化させる。
すなわち、遊技機10は、変動表示回数「n+1」のときに演出ゲームを開始して、変動表示回数「n+k(ただし、k≧2)」のタイミングで対応案内を表示することができる。たとえば、遊技機10は、複数回の変動表示ゲームに跨って演出ランプ540に先予告としての表示態様(たとえば、赤色)を表示し、演出ランプ540の表示態様に対応する表示態様を対応表示によって保留表示605aや保留消化表示606に引き継ぐ。これにより、遊技機10は、プッシュボタン25の操作を受け付けるまでの間に遊技者に対してより具体的な期待感を感得させることができる。また、遊技機10は、多様な演出をおこなうのに十分な保留演出時間を確保することができる。なお、先予告としての表示態様を変化させる演出部は、演出ランプ540に限らず盤演出装置550,551等、その他の演出箇所であってもよい。また、先予告としての表示態様を変化させる演出部の表示態様を引き継ぐ保留表示605aや保留消化表示606は、必ずしも同じ表示態様であることを要せず、発展や降格を含む表示態様であってもよい。
なお、遊技機10は、十分に確保した演出時間において保留予告演出以外の演出(たとえば、第5の実施形態の演出ゲーム)を実行可能としてもよい。この場合において、遊技機10は、十分に確保した演出時間の継続時間を報知するようにしてもよく、たとえばサブ表示装置530あるいはその他の表示装置によって十分に確保した演出時間の継続時間や演出時間中の特図ゲームの変動表示回数等を表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、十分に確保した演出時間において、スピーカ19a,19bが出力するBGMや効果音(音声を含む)によって十分に確保した演出時間の継続時間や演出時間中の特図ゲームの変動表示回数等を報知するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、保留予告演出待機状態の解除に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、遊技機10は、十分に確保した演出時間中の遊技者の注目を維持し、遊技者の保留予告演出の見逃しを抑止することができる。
なお、遊技機10は、演出ゲームの結果導出を遅延させることがあってもよい。たとえば、遊技機10は、特図変動表示ゲームの進行により演出ゲームの結果導出を制限する場合に演出ゲームの変動状態を維持する。演出ゲームの変動状態の維持は、変動時間に対する所定時間の延長や、所定条件成立(たとえば、制限解除)までの延長等がある。たとえば、遊技機10は、所定の演出が発生した場合や特図ゲームが当りを導出した場合、所定のエラーを検出した場合等に演出ゲームの変動状態を維持する。また、遊技機10は、演出ゲームの結果導出の遅延中にプッシュボタン25の操作を受け付けないようにしてもよいし、プッシュボタン25の操作を検出した場合であっても暫定的な表示態様(たとえば、デフォルト表示態様や、あらかじめ設定する表示態様、前回のはずれ態様等)を一時表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、演出ゲームの進行を強制停止させることがあってもよい。たとえば、遊技機10は、特図変動表示ゲームの進行により演出ゲームの進行を制限する場合に演出ゲームの変動を強制停止する。演出ゲームの変動の強制停止は、変動時間の一部短縮や全部短縮等がある。たとえば、遊技機10は、所定の演出が発生した場合や特図ゲームが当りを導出した場合、所定のエラーを検出した場合等に演出ゲームの変動を強制停止する。また、遊技機10は、演出ゲームの変動を強制停止した場合に予定していた表示態様を表示するようにしてもよいし、暫定的な表示態様(たとえば、デフォルト表示態様や、あらかじめ設定する表示態様、前回のはずれ態様等)を表示するようにしてもよい。なお、遊技機10は、演出ゲームの変動を強制停止する場合に、演出ゲームをおこなうこととなった保留予告演出を含めて強制終了(キャンセル)するようにしてもよい。
また、遊技機10は、先予告としての表示態様を変化させる演出部を2以上としてもよく、たとえば演出ランプ540と盤演出装置550,551とで保留予告演出の先予告をおこなうようにしてもよい。ここで、演出ランプ540と盤演出装置550,551とでおこなう保留予告演出の先予告について図119を用いて説明する。図119は、第6の実施形態の変形例2の保留予告演出の先予告における演出態様の一例を示す図である。
遊技機10は、保留予告演出の先予告において先に演出ランプ540の表示態様を切り替え、追って盤演出装置550,551の発光部の発光態様を切り替える。このとき、遊技機10は、十分に確保した演出時間において盤演出装置550,551の発光部の発光態様の切り替えを複数段階でおこなうことができる。
図119(1)に示す切替例は、変化トリガtr1で演出ランプ540の表示態様を赤色に切り替え、消灯中の盤演出装置550,551が変化トリガtr1以降で同期しながら発光態様を切り替える様子を示す。なお、ここでは盤演出装置550を「花」、盤演出装置551を「雪」と称して説明する。また、変化トリガは、保留シフトや所定時間経過、プッシュボタン25の操作検出等、所定のイベントトリガやタイマトリガとすることができる。「花」と「雪」は、変化トリガtr2で同期して青色に切り替え、変化トリガtr3で同期して緑色に切り替え、変化トリガtr4で同期して赤色に切り替える。
図119(2)に示す切替例は、変化トリガtr1で演出ランプ540の表示態様を赤色に切り替え、消灯中の「花」と「雪」が変化トリガtr1以降で非同期に発光態様を切り替える様子を示す。なお、「花」は、変化トリガtr2で青色に切り替え、変化トリガtr3で緑色に切り替え、変化トリガtr4で赤色に切り替える。一方、「雪」は、変化トリガtr3で青色に切り替え、変化トリガtr4で緑色に切り替え、変化トリガtr5で赤色に切り替える。
このように、「花」と「雪」(盤演出装置550,551)は、同期しながら、あるいは非同期に発光態様を切り替えることで段階的に演出ランプ540の表示態様となる。なお、「花」と「雪」の発光態様は、図109に示したような表示態様に対応し順次に期待度が大きくなるように変化する。なお、遊技機10は、変化トリガの数次第では「花」と「雪」の発光態様が演出ランプ540の表示態様に対応する発光態様に至らない場合があってもよいし、演出ランプ540の表示態様に対応する発光態様を超える場合があってもよい。遊技機10は、「花」と「雪」の発光態様が演出ランプ540の表示態様を補完してより詳細な信頼度を報知してもよい。たとえば、演出ランプ540の発光態様が赤色であるとき、「花」と「雪」の発光態様がそれぞれ赤色であれば演出ランプ540による先予告の信頼度が向上し、「花」と「雪」の発光態様がそれぞれ赤色に至らなければ(たとえば青色)演出ランプ540による先予告の信頼度が低下し、「花」と「雪」の発光態様がそれぞれ赤色を超えれば(たとえば花弁(桜)柄)演出ランプ540による先予告の信頼度が低下する。また、「花」と「雪」の最終発光態様は、異なるものであってもよく、その場合「花」と「雪」の最終発光態様とが同じ場合と比較して、遊技機10は、「花」と「雪」の発光態様が演出ランプ540の表示態様を補完してさらに詳細な信頼度を報知することができる。
次に、第6の実施形態の変形例3の保留予告演出について図120を用いて説明する。図120は、第6の実施形態の変形例3の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図である。第6の実施形態では保留予告演出において対応表示562は、大図柄群601に重畳して表示されていたが、第6の実施形態の変形例3では、保留予告演出において対応表示は、大図柄群601との重畳を回避して表示される。
遊技機10は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に向かう対応表示563を表示装置41の演出領域560に表示する(図120(1))。対応表示563は、演出ランプ540と保留表示605または保留消化表示606との対応関係を報知する表示であって、たとえば演出ランプ540の発光態様と同色の稲妻様のエフェクトである。より具体的には、遊技機10は、演出ランプ540が赤色に変更されているとき、対応表示563を赤色のエフェクトとする。なお、対応表示563は、演出ランプ540の表示態様に関係なく、先読み演出として報知する信頼度に応じて形状、大きさ、色彩、表示時間等を変更可能にしてもよい。なお、対応表示563は、大図柄群601に重畳しないように大図柄群601の左方を回り込み保留表示605または保留消化表示606に向かう。また、対応表示563は、大図柄群601の右方を回り込むものや、大図柄と重畳しないようにして左図柄601Lと中図柄601C、中図柄601Cと右図柄601Rとの間を通るものであってもよい。また、対応表示563は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に必ずしも1本道で向かうことを要せず、図120(2)に示すように演出ランプ540から道を複数に分岐してそのうちの1つまたは2以上が保留表示605または保留消化表示606に向かうものであってもよい。また、対応表示563は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606にいずれの経路を通って至るかによって保留表示605または保留消化表示606のうちいずれの表示態様を切り替えるかを示唆してもよいし、変化後の表示態様の色や形状、大きさ等を異ならせるようにしてもよい。
これにより、遊技機10は、対応表示563を表示中の大図柄群601の視認性を確保することができる。また、遊技機10は、対応表示563に対する遊技者の関心を高めることができる。
次に、第6の実施形態の変形例4の保留予告演出の実行タイミングについて図121と図122を用いて説明する。図121は、第6の実施形態の変形例4の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図(その1)である。図122は、第6の実施形態の変形例4の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図(その2)である。第6の実施形態では保留予告演出において対応表示562は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に直接に向かったが、第6の実施形態の変形例4では、保留予告演出において対応表示は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に中継点を経て向かう。
遊技機10は、演出ランプ540の表示態様を切り替える(たとえば、白色から緑色)とともに、表示装置41の演出領域560にキャラクタ564を表示する(図121(1))。遊技機10は、演出ランプ540からキャラクタ564に向かう対応表示565を表示装置41の演出領域560に表示する(図121(2))。遊技機10は、キャラクタ564と対応表示566とを一体にして表示する(図122(1))。なお、図118の説明において、遊技機10は複数回の変動表示ゲームに跨って演出ランプ540に先予告としての表示態様を表示するとしたが、第6の実施形態の変形例4の遊技機10は、キャラクタ564と一体にして表示する対応表示566に先予告としての表示態様(たとえば、緑色)を表示することができる。これにより、遊技機10は、保留予告演出の進行を待機する間、保留予告演出に対する遊技者の関心を維持することができる。なお、対応表示565は、それ自体をキャラクタ564と区別可能にすることを要しない。たとえば、キャラクタ564の表示態様を変更することにより、キャラクタ564が対応表示565としての機能を有するものであってもよい。たとえば、対応表示565は、キャラクタ564の背面にあるエフェクトであってもよいし、キャラクタ564の外観変更(色彩変更や形態変更等)であってもよい。遊技機10は、キャラクタ564から保留表示605または保留消化表示606に向かう対応表示567を表示装置41の演出領域560に表示し、保留表示605または保留消化表示606の表示態様を切り替える(図122(2))。
このようにして、遊技機10は、演出ランプ540から対応表示565、キャラクタ564と対応表示566、対応表示567と複数のステップを経て保留表示605または保留消化表示606の表示態様の切替をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、保留予告演出の進行が長期に渡っても保留予告演出に対する遊技者の関心を維持することができる。
なお、対応表示565,566,567は、演出ランプ540と、キャラクタ564と、保留表示605または保留消化表示606との対応関係を報知する表示である。また、キャラクタ564は、演出ランプ540と、保留表示605または保留消化表示606とを中継する中継表示としての機能を有するとともに、複数回の変動表示ゲームに跨って先予告をおこなう場合の先予告保留としての機能を有する。
また、遊技機10は、対応表示565,566,567により演出ランプ540と保留表示605または保留消化表示606との対応関係を明らかにしたが、これと別に対応表示562(図110(1)参照)や対応表示563(図120(1),(2)参照)による対応関係の明示をおこなうようにしてもよい。たとえば、対応表示565,566,567による演出ランプ540と保留表示605または保留消化表示606との対応関係の明示を第1の対応関係の明示とし、対応表示562または対応表示563による演出ランプ540と保留表示605または保留消化表示606との対応関係の明示を第2の対応関係の明示とし、遊技機10は、第1の対応関係の明示に遅れて第2の対応関係の明示をおこなうようにしてもよい。その場合、遊技機10は、第1の対応関係の明示による保留表示605または保留消化表示606の表示態様を、第2の対応関係の明示による保留表示605または保留消化表示606の表示態様より期待感の低い表示態様とすることで、2段階の対応関係の明示に対する高い期待感を演出することができる。
次に、第6の実施形態の変形例5の保留予告演出について図123を用いて説明する。図123は、第6の実施形態の変形例5の保留表示または保留消化表示の表示態様の変更を伴う保留予告演出の一例を示す図である。第6の実施形態では保留予告演出において対応表示562は、演出ランプ540から保留表示605または保留消化表示606に直線的に向かっていたが、第6の実施形態の変形例5では、保留予告演出において対応表示は、演出ランプ540から保留表示605aまたは保留消化表示606に折れ線的に向かう。
図123(1)に示す対応表示568は、演出ランプ540から中図柄601Cに向かい、中図柄601C上で一時停止した後に保留表示605aまたは保留消化表示606に向かう。また、遊技機10は、保留表示605aまたは保留消化表示606のうちの1つに限らず対応表示568を分岐して2以上の表示態様を変更することができ、対応表示568を分岐する。たとえば、遊技機10は、対応表示568を中図柄601C上で2つに分岐し、保留表示605aの1つ目と2つ目とに向かう。この後、遊技機10は、保留表示605aの1つ目と2つ目の表示態様を切り替える。このように、遊技機10は、対応表示568を折れ線的に表示することで演出ランプ540を起点とする対応表示568の終点を予測困難にすることができる。また、遊技機10は、対応表示568を中間点(屈曲点)で分岐可能とすることで保留表示605aまたは保留消化表示606のうちの2以上が同時に表示態様を変更する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、遊技機10は、対応表示568の中間点を1つに限らず2以上設定してもよい。また、遊技機10は、対応表示568の中間点を中図柄601C上に限らず、左図柄601Lや右図柄601R上に設定してもよい。このとき、遊技機10は、左図柄601L、中図柄601C、および右図柄601Rのいずれに中間点を設定するかによって期待度を異ならせるようにしてもよい。また、遊技機10は、対応表示の中間点が設定された図柄の表示態様を変更するようにしてもよい。たとえば、図123(2)に示す対応表示569は、中間点を右図柄601R上に設定し、右図柄601Rは拡大表示態様に変更される。なお、対応表示の中間点が設定された図柄の表示態様の変更は、図柄の拡大や縮小に限らず、色彩の変更、図柄種別の変更(数字図柄からキャラクタ図柄や、数字とキャラクタからなる図柄のキャラクタ変更等)等であってもよい。
次に、第6の実施形態の変形例6の保留予告演出について図124を用いて説明する。図124は、第6の実施形態の変形例6の演出ランプと対応表示と保留表示の関係の一例を示す図である。第6の実施形態の対応表示562は、演出ランプ540の表示態様と保留表示605(保留表示605a、保留消化表示606を含む)の表示態様とに対応する表示対応を原則としていたが、第6の実施形態の変形例6の対応表示は、演出ランプ540の表示態様と保留表示605の表示態様との対応関係を1対1に限らない。
図124(1)に示す演出ランプ540と対応表示の関係は、演出ランプ540の表示態様が白色のとき対応表示の表示態様が白色であることから1対1の対応関係である。一方、表示態様が白色の対応表示は、表示態様が白色、青色、緑色、または赤色の保留表示605と対応可能であることから、対応表示と保留表示605との関係は1対多の対応関係である。なお、表示態様が白色の対応表示は、白色に設定されている期待度以上の期待度が設定されている表示態様との対応関係を有する。すなわち、遊技機10は、演出ランプ540と対応表示が白色であっても、保留表示605が白色、青色、緑色、または赤色になる可能性に対する期待感を遊技者に感得させることができる。
図124(2)に示す演出ランプ540と対応表示の関係は、演出ランプ540の表示態様がトラ柄のとき対応表示の表示態様がトラ柄であることから1対1の対応関係である。一方、表示態様がトラ柄の対応表示は、表示態様が白色、青色、緑色、またはトラ柄の保留表示605と対応可能であることから、対応表示と保留表示605との関係は1対多の対応関係である。なお、表示態様がトラ柄の対応表示は、トラ柄に設定されている期待度以下の期待度が設定されている表示態様との対応関係を有する。すわわち、遊技機10は、演出ランプ540と対応表示がトラ柄であっても保留表示605がトラ柄となることが保証されないが、遊技者がトラ柄に接する機会を拡大することができる。
なお、演出ランプと対応表示の関係は、必ずしも1対1に限らない。図124(3)に示すように、演出ランプと対応表示の関係を1対多の対応関係とし、対応表示と保留表示605との関係との関係を1対1としてもよい。なお、図124(1)に示す演出ランプ540と対応表示の関係は、演出ランプ540の表示態様が白色のとき対応表示をより期待度の高いものとしているが、たとえば演出ランプ540の表示態様がトラ柄のとき対応表示をより期待度の低いものとしてもよい。このように、遊技機10は、演出ランプ540の表示態様によって対応関係を違えるようにしてもよい。同様に、遊技機10は、対応表示の表示態様によって対応関係を違えるようにしてもよい。
次に、第6の実施形態の変形例7の保留予告演出について図125を用いて説明する。図125は、第6の実施形態の変形例7の演出ランプと対応表示と保留表示の関係の一例を示す図である。第6の実施形態の対応表示562は、演出ランプ540の表示態様と保留表示605(保留表示605a、保留消化表示606を含む)の表示態様とに対応する表示対応を原則としていたが、第6の実施形態の変形例7の対応表示は、演出ランプ540の表示態様と対応表示との対応関係が対応表示と保留表示605の表示態様との対応関係に関係する。すなわち、第6の実施形態の変形例7の対応表示は、対応表示の表示態様だけで保留表示605の表示態様がいずれになるかが定まらず、演出ランプ540の表示態様と対応表示の表示態様との組み合わせで保留表示605の表示態様が定まり得る。言い換えると、第6の実施形態の変形例7の対応表示は、対応表示の表示態様だけで保留表示605の表示態様がいずれになるかを遊技者が予測できず、演出ランプ540の表示態様と対応表示の表示態様との組み合わせで保留表示605の表示態様を遊技者が予測し得る。なお、演出ランプ540の表示態様と対応表示の表示態様と保留表示605の表示態様とは、その都度決定されるものであってもよいし、あらかじめ組み合わせとして決定されるものであってもよい。
まず、図125(1)に示す関係例について説明する。演出制御装置300は、演出ランプ540の表示態様が赤色の時に対応表示の表示態様を赤色としたとき、保留表示605の表示態様を確率p11で桜(花弁)柄とし確率p12で赤色とし、確率p13で白色とする。また、演出制御装置300は、演出ランプ540の表示態様が赤色の時に対応表示の表示態様を白色としたとき、保留表示605の表示態様を確率p21で桜(花弁)柄とし確率p22で赤色とし、確率p23で白色とする。このとき、遊技機10は、p11<p21とすることで、演出ランプ540で示した期待度が対応表示によって降格されても保留表示605で一層高い期待度を得る期待感を演出することができる。なお、遊技機10は、p11=0とすることで、遊技者が監督可能な期待感をより明確にしてもよい。また、遊技機10は、p12≠p13(たとえば、p12>p13)、p22≠p23(たとえば、p22<p23)とすることで、演出ランプ540の表示態様と対応表示の表示態様との組み合わせで保留表示605の表示態様を遊技者に予測させる興趣を演出することができる。
次に、図125(2)に示す関係例について説明する。ここでは説明を簡単にするために一部の表示態様を省略するが図109を用いて説明したように、演出制御装置300は、保留表示605(保留表示605a、保留消化表示606を含む)の表示態様に赤色>緑色>青色>白色となるように期待度を設定する。なお、演出制御装置300は、演出ランプ540の表示態様が赤色、保留表示605の表示態様が赤色であっても、対応表示の表示態様によって期待度を差別化することができる。たとえば、演出制御装置300は、対応表示の表示態様を赤色とする経路r1と、緑色とする経路r2と、青色とする経路r3と、白色とする経路r4とがあるとき、r4>r3>r2>r1となるように経路ごとの期待度を設定する。
なお、図125(3)に示す関係例のように、経路の起点となる演出ランプ540の表示態様が異なる場合にも同様とすることができる。たとえば、演出制御装置300は、演出ランプ540の表示態様および対応表示の表示態様を赤色とする経路r11と、緑色とする経路r12と、青色とする経路r13と、白色とする経路r14とがあるとき、r14>r13>r12>r11となるように経路ごとの期待度を設定する。
なお、図102等に示した保留表示605や保留消化表示606、図117に示した保留表示605aや保留消化表示606は、表示装置41に表示することに加えて、あるいは表示装置41に表示することに代えて、表示装置41と異なる表示装置に表示されるものであってもよい。たとえば、遊技機10は、保留表示605,605aや保留消化表示606を専用表示する専用表示装置を備えるようにしてもよい。より具体的には、遊技機10は、専用表示装置として保留表示605,605aや保留消化表示606ごとにフルカラーLEDを備え、図109に示した表示態様に対応する発光色でフルカラーLEDを発光させる。なお、遊技機10は、図109に示した表示態様に対応する発光態様の区別を、フルカラーLEDの点灯色、点滅周期、明度、あるいはこれらの組み合わせにより実現することができる。たとえば、遊技機10は、「白」、「青」、「緑」、「赤」、「桜」等の表示態様については対応する発光色によりフルカラーLEDを点灯し、「虹」の表示態様については7色の順次切り替え点灯とし、「トラ」の表示態様については、黄色の点滅とし、「激熱」の表示態様については赤色での明度の順次切り替えにより実現できる。また、遊技機10は、フルカラーLEDに代えて単色LEDを備えてもよく、図109に示した表示態様に対応する発光態様で単色LEDを発光させる。なお、遊技機10は、図109に示した表示態様に対応する発光態様の区別を、単色LEDの点滅周期、明度、あるいはこれらの組み合わせにより実現することができる。たとえば、遊技機10は、期待度が低いほど点滅周期を遅くし、期待度が高いほど点滅周期を早くすることで表示態様に対応する期待度を表すことができる。また、遊技機10は、表示装置41に加えてサブ液晶表示装置として第2の液晶表示装置を備えてもよく、表示装置41と同様の表示態様で保留表示605,605aや保留消化表示606を第2の液晶表示装置に表示するようにしてもよい。
なお、演出ランプ540と盤演出装置550,551は、同一のユニットとして構成されていてもよいし、別体にして構成されていてもよい。また、演出ランプ540と盤演出装置550,551は、両機能を有する1つの演出装置であってもよい。
なお、遊技機10は、遊技制御装置100が所要のエラーの監視をおこなうことに加えて、演出制御装置300が盤演出装置550,551の動作エラーを監視する。盤演出装置550,551の動作エラーは、初期状態において盤演出装置550,551が初期位置に復帰していない状態や、作動状態において盤演出装置550,551の位置移動が確認できない状態等を異常として報知するエラーである。盤演出装置550,551の動作エラーは、表示装置41等により表示による報知をおこなってもよいし、スピーカ19a,19b等により音(音声を含む)による報知をおこなってもよいし、盤演出装置550,551が有する発光部により発光態様による報知をおこなってもよい。盤演出装置550,551の動作エラーは、エラー原因の除去により報知終了としてもよいし、エラー原因の除去にかかわらず所定条件の成立をもって報知終了としてもよい。たとえば、演出制御装置300は、プッシュボタン25の押下操作の検出や、エラー発生から所定時間の経過や、電源遮断後の再投入によって報知終了としてもよいし、これらの組み合わせ(たとえば、電源再投入後にエラー報知をおこない30秒経過後にエラー報知終了等)によって報知終了としてもよい。また、演出制御装置300は、節電中(客待ち中)に盤演出装置550,551の動作エラーを検出した場合に節電を解除してエラー報知をおこなうようにしてもよいし、直ちに遊技の結果に影響を及ぼすものでないことから節電の解除条件の成立(たとえば、遊技開始)を待ってエラー報知をおこなうようにしてもよい。また、演出制御装置300は、電源投入時に盤演出装置550,551の動作エラーを検出した場合に、初期化処理を終了後(たとえば、通常処理状態)になってからエラー報知をおこなうようにしてもよい。このとき、演出制御装置300は、所定の遊技状態であるか否かで報知態様を違えるようにしてもよい。たとえば、演出制御装置300は、遊技状態が特図ゲームの変動中である場合に動作エラーを音声とランプ・LEDにより報知し、遊技状態が特図ゲームの変動中でない場合に動作エラーを音声とランプ・LEDに加えて表示により報知するようにしてもよい。また、演出制御装置300は、電源投入後に遊技制御装置100からのコマンド受信を待たずに盤演出装置550,551の動作エラーを報知してもよいし、遊技制御装置100からの所定のコマンド受信を待って盤演出装置550,551の動作エラーを報知してもよい。ここでいう所定のコマンドは、たとえば、遊技制御装置100の立ち上がりを確認できる初期化系コマンド(電源投入コマンドや停電復旧コマンド、機種指定コマンド等)でもよいし、遊技者の遊技開始を確認できる遊技進行系のコマンド(たとえば、保留数コマンドや図柄変動コマンド、図柄停止コマンド等)でもよい。
上述した第6の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する第1ゲームの結果に関連して始動記憶に応じた保留表示(たとえば、保留表示605や保留消化表示606)の表示態様(たとえば、図109)を変更して保留予告演出を実行可能であって、第1表示部(たとえば、表示装置41における大図柄群601や小図柄群602の表示領域)と、第2表示部(たとえば、表示装置41における保留表示605や保留消化表示606の表示領域)と、第3表示部(たとえば、サブ表示装置530における演出ゲームの表示領域)と、第4表示部(たとえば、演出ランプ540)と、可動部(たとえば、盤演出装置550,551)と、操作部(たとえば、プッシュボタン25)と、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。第1表示部は、第1ゲームを表示可能である。第2表示部は、保留表示を表示可能である。第3表示部は、第1ゲームと並行して実行される第2ゲーム(演出ゲーム)を表示可能である。第4表示部は、所定表示を表示可能である。可動部は、所定の動作態様で動作可能である。操作部は、操作を受け付け可能である。制御部は、第3表示部が第2ゲームにおける特定の結果態様(たとえば、図103(4))を表示した場合に操作部の操作を案内する案内表示(たとえば、操作案内表示561)を第1表示部に表示させ、操作部において操作を受け付けた場合に可動部を第1状態(たとえば、図80(1))から第2状態(たとえば、図80(2))に変更するとともに所定表示を第4表示部に表示させ(図106)、第4表示部における所定表示の表示態様と第2表示部における保留表示の表示態様との対応関係を報知する対応関係報知表示(たとえば、対応表示562)を第1表示部に表示させ、第2表示部における保留表示の表示態様を変更(図107(1))する保留予告演出を実行可能である。
(2)(1)の制御部は、保留予告演出において、第4表示部における所定表示の表示態様および可動部の動作態様のうち少なくともいずれか一方と、保留表示の表示態様との組み合わせにより、第1ゲームの結果に関する期待度を報知する(図112)。
(3)遊技機10は、ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して始動記憶に応じた保留表示(たとえば、保留表示605や保留消化表示606)の表示態様(たとえば、図109)を変更して保留予告演出を実行可能であって、第1表示部(たとえば、表示装置41における大図柄群601や小図柄群602の表示領域)と、第2表示部(たとえば、演出ランプ540)と、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。第1表示部は、ゲーム及び保留表示を表示可能である。第2表示部は、所定表示を表示可能である。制御部は、所定表示を複数のゲームに跨って第2表示部に待機させ、第2表示部に待機された所定表示と第1表示部における保留表示の表示態様との対応関係を報知する対応関係報知表示を、保留表示の表示態様を変更するタイミングで第1表示部に表示する(図118、図121、図122他参照)。
(4)遊技機10は、所定条件が成立することにもとづいてゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応して複数の識別情報を変動表示するゲームを実行し、該ゲームの結果に関連して始動記憶に応じた保留表示(たとえば、保留表示605や保留消化表示606)の表示態様(たとえば、図109)を変更して保留予告演出を実行可能であって、第1表示部(たとえば、表示装置41における大図柄群601や小図柄群602の表示領域)と、第2表示部(たとえば、表示装置41における保留表示605や保留消化表示606の表示領域)と、第3表示部(たとえば、演出ランプ540)と、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。第1表示部は、ゲームを表示可能である。第2表示部は、保留表示を表示可能である。第3表示部と、所定表示を表示可能である。制御部は、第3表示部における所定表示の表示態様と第2表示部における保留表示の表示態様との対応関係を報知する対応関係報知表示を、保留表示の表示態様を変更するタイミングにおいて変動表示中の識別情報に跨るように第1表示部に表示する(図118、図120他参照)。
(5)遊技機10は、ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して始動記憶に応じた保留表示(たとえば、保留表示605や保留消化表示606)の表示態様(たとえば、図109)を変更して保留予告演出を実行可能であって、第1表示部(たとえば、表示装置41における大図柄群601や小図柄群602の表示領域、表示装置41における保留表示605や保留消化表示606の表示領域)と、第2表示部(たとえば、演出ランプ540)と、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。第1表示部は、ゲーム及び保留表示を表示可能である。第2表示部は、所定表示を表示可能である。制御部は、第2表示部における所定表示の表示態様と第1表示部における保留表示の表示態様との対応関係を報知する対応関係報知表示を第1表示部に表示し、該対応関係報知表示が第1表示部に表示可能な特定表示(たとえば、キャラクタ564)を介して保留表示の表示態様に作用する保留予告演出を実行可能である(図118、図121、図122他参照)。
(6)遊技機10は、ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して始動記憶に応じた保留表示(たとえば、保留表示605や保留消化表示606)の表示態様(たとえば、図109)を変更して保留予告演出を実行可能であって、第1表示部(たとえば、表示装置41における大図柄群601や小図柄群602の表示領域)と、第2表示部(表示装置41における保留表示605や保留消化表示606の表示領域)と、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。第1表示部は、ゲームを表示可能である。第2表示部は、保留表示を表示可能である。制御部は、第1表示部における保留表示に作用する保留予告演出を実行可能な複数種類の作用表示(たとえば、対応表示563)を第1表示部に表示可能であり、該複数種類の作用表示のうちの一の作用表示を表示し、保留表示の表示態様を一の作用表示に対応した表示態様に変更する(図120他参照)。
[第7の実施形態]
次に第7の実施形態について説明する。図126は、第7の実施形態における表示装置が表示する表示画面、および遊技盤の正面図の一例を示す図である。
まず、第7の実施形態における表示装置41が表示する表示画面の画面構成の一例について説明する。図126(1)に示す表示画面650は、表示画面の画面構成の一例を示す。
表示画面650は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留表示605と、保留消化表示606とを表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群601と、第2飾り図柄として小図柄群602とがある。大図柄群601は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群601は、表示装置41(表示画面)の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとを含む。左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に変動を開始し、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群601は、多くの場合において、左図柄601Lと右図柄601Rとでリーチ態様を形成し、中図柄601Cの停止を待って当り態様を形成可能にする。
小図柄群602は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群602は、大図柄群601による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41(表示画面)の周縁部に小さく表示される。小図柄群602は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面650の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態(特図変動表示ゲームが実行中)であることを示す。
一般に、大図柄群601は、小図柄群602と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群602は、大図柄群601と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示605は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示605が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数と特図2保留数表示604が表示する保留記憶数の和に相当する。保留消化表示606は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
特図1保留数表示603が示す特図1ゲームの保留記憶数は「3」であり、特図2保留数表示604が示す特図2ゲームの保留記憶数は「0」であることから、保留表示605が示す保留記憶数は「3」である。また、保留消化表示606は特図変動表示ゲームが図柄変動中であることを示す。
次に、第7の実施形態における遊技機10の遊技盤の構成の一例について説明する。図126(2)は、遊技機の遊技盤の正面図の一例を示す。
遊技盤660は、ほぼ中央にセンターケース40が配置されている。センターケース40の内部には、表示装置41と、保留用LED661と、特図1用LED662と、特図2用LED663とが配置されている。
保留用LED661は、保留消化中(特図変動表示ゲーム中)においては点滅し、保留消化の結果当りが導出され、当り演出が開始すると当り演出が終了するまでの間、点灯し続ける。特図1用LED662は、特図1変動表示ゲームがおこなわれている間、点滅する。特図2用LED663は、特図2変動表示ゲームがおこなわれている間、点滅する。
次に、保留表示605または保留消化表示606における表示態様と期待度の関係について図127を用いて説明する。図127は、第7の実施形態における保留表示における表示態様と期待度の関係の一例を示す図である。なお、保留表示605の表示態様について説明するが、保留消化表示606の表示態様についても同様とすることができる。
保留表示605の表示態様は、パターンP1、パターンP2、パターンP3、パターンP4、パターンP5、パターンP6、パターンP7、パターンP8、パターンP10、パターンP20の10種類がある。
パターンP1とパターンP2は、デフォルト(標準)表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ白色の表示態様である。パターンP1は、保留予告演出が予定されていない保留記憶に関する表示態様(非潜伏)である。パターンP2は、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様(潜伏A)である。
パターンP3は、非デフォルト(非標準)表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ白色の点滅表示態様である。パターンP3は、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様(潜伏B)である。
パターンP4は、非デフォルト表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ青色の表示態様である。パターンP5は、非デフォルト表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ緑色の表示態様である。パターンP6は、非デフォルト表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ赤色の表示態様である。
パターンP7は、非デフォルト表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ桜色の表示態様である。パターンP8は、非デフォルト表示態様であり、たとえばリング(指輪形)かつ虹色の表示態様である。
パターンP4からパターンP8には、それぞれ変動表示ゲームの結果態様に対応する期待度(たとえば、当り期待度)が設定される。なお、期待度は、当りの導出可能性に対応するものに限らず、リーチやスーパーリーチ等、変動表示演出の発展段階に対応するものであってもよい。なお、一般入賞口予告表示演出は、他の段階の保留予告演出と独立に期待度を報知するものであってもよいし、他の段階の保留予告演出との組み合わせで期待度を報知するものであってもよい。
遊技機10は、パターンP4に最も低い期待度を設定し、パターンP8に最も高い期待度(信頼度)を設定し、パターンP4からパターンP8まで段階的に高くなる期待度を設定する。なお、遊技機10は、たとえば0%〜100%までの具体的な期待度をパターンP4からパターンP8に設定するものであってもよいし、たとえば「低」、「中」、「高」のように、大まかな期待度の大きさを設定するものであってもよい。
パターンP10は、非デフォルト表示態様であり、たとえばPB(プッシュボタン)型の表示態様(遊技者に操作を誘導する表示態様)である。パターンP10は、一時的な表示態様であり、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様(潜伏C)である。パターンP10は、保留予告演出の開始タイミングに遊技者が介入可能な潜伏(介入潜伏)である。
パターンP10は、保留予告演出により、パターンP6からパターンP8のいずれかに変化する。すなわち、パターンP10は、パターンP6からパターンP8のいずれかに発展する期待感を示す表示態様である。
パターンP10は、保留予告演出の開始タイミングが所定の条件を満たしている場合には最終表示態様に一度で変化し、保留予告演出の開始タイミングが所定の条件を満たしていない場合には中間表示態様を経て最終表示態様に変化する。中間表示態様は、たとえば、最終表示態様よりも期待度が低く設定された表示態様である(たとえば、最終表示態様がパターンP6である場合には中間表示態様はパターンP4またはパターンP5となる)。
パターンP10は、保留予告演出の開始タイミングによって変化態様を異ならせるため、開始タイミングに幅を持たせられるようにある一定の時間を確保する必要がある。したがって、パターンP10は、たとえば、保留記憶数が2以上である場合(保留消化を開始するまで一定の時間以上の余裕がある場合)に発生する。なお、パターンP10は、遊技者による操作介入を明示する態様であってPB型に限らない。たとえば、レバー型であってもよい。
パターンP20は、非デフォルト表示態様であり、たとえば宝箱型の表示態様である。パターンP20は、一時的な表示態様であり、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様(潜伏D)である。パターンP20は、保留予告演出の開始タイミングに遊技者が介入不可能な潜伏(非介入潜伏)である。
パターンP20は、保留予告演出により、パターンP5からパターンP8のいずれかに変化する。すなわち、パターンP20は、パターンP5からパターンP8のいずれかに発展する期待感を示す表示態様である。
パターンP20は、たとえば、保留予告演出の開始タイミングによって各パターンへ変化可能な態様が変化する。また、パターンP20は、保留予告演出の開始タイミングによって各パターンへ変化する確率が変化する。パターンP20は、保留予告演出の開始タイミングが遅れれば遅れるほど(パターンP20発生から保留予告が開始するまで時間がかかるほど)期待度が高く設定されたパターンに変化しやすくなるように設定された表示態様である。
パターンP20は、保留予告演出の開始タイミングによって各パターンへ変化する確率が変化する態様であることから、保留予告演出の開始タイミングに幅を持たせられるようにある一定の時間を確保する必要がある。したがって、パターンP20は、たとえば、保留記憶数が2以上である場合(特図変動表示ゲームを開始するまで一定の時間以上の余裕がある場合)に発生する。
次に、パターンP10の表示態様(介入潜伏態様)の保留表示605の状態遷移について図128を用いて説明する。図128は、第7の実施形態における介入潜伏態様の保留表示の状態遷移の一例を示す図である。
介入潜伏態様(ST1)の保留表示605は、条件Tr1を満たすと中間表示態様(ST2)に状態遷移し(表示態様が変化し)、中間表示態様(ST2)において条件Tr2を満たすと、最終表示態様(ST3)に状態遷移(表示態様が変化)する。
一方で、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605は、条件Tr3を満たすと一気に最終表示態様(ST3)に状態遷移(表示態様が変化)する。
ここで状態遷移の条件Tr1、Tr2、Tr3の一例について図129、図130を用いて説明する。図129は、第7の実施形態における介入潜伏態様の保留表示の状態遷移の条件の一例を示す図(その1)である。図130は、第7の実施形態における介入潜伏態様の保留表示の状態遷移の条件の一例を示す図(その2)である。
図129(1)は、状態遷移の条件の一例を示す。図129(1)に示す状態遷移の条件では、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から遊技者が介入操作(PB押下)をおこなうまでの時間に応じて最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かが変化する。
図129(1)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T1が経過する前にPBの押下を検出したという条件(Tr1)で、中間表示態様(ST2)に状態遷移することを示す。また、図129(1)は、中間表示態様(ST2)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2(T2>T1)が経過したという条件(Tr2)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図129(1)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T1が経過した後にPBの押下を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図129(1)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2が経過したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
図129(2)は、状態遷移の条件の一例を示す。図129(2)に示す状態遷移の条件では、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から遊技者が介入操作(PB押下)をおこなうまでに消化した保留記憶数(実行した特図変動表示ゲームの回数)に応じて最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かが変化する。
図129(2)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から保留記憶を2つ消化(特図変動表示ゲームを2回実行終了)する前にPBの押下を検出したという条件(Tr1)で、中間表示態様(ST2)に状態遷移することを示す。
また、図129(2)は、中間表示態様(ST2)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2(T2>T1)が経過したという条件(Tr2)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図129(2)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から保留記憶を2つ消化(特図変動表示ゲームを2回実行終了)した後にPBの押下を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図129(2)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2が経過したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
図130(1)は、状態遷移の条件の一例を示す。図130(1)に示す状態遷移の条件では、遊技者が介入操作(PB押下)をおこなう際における保留記憶数の、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時における保留記憶数からの増加数に応じて最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かが変化する。
図130(1)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において保留記憶数が、8(最大数)未満であり、かつ、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時における保留記憶数+2以上でない状態で、PBの押下を検出したという条件(Tr1)で、中間表示態様(ST2)に状態遷移することを示す。
また、図130(1)は、中間表示態様(ST2)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2(T2>T1)が経過したという条件(Tr2)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図130(1)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において保留記憶数が、8(最大数)であるか、または、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時における保留記憶数+2以上である状態でPBの押下を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図130(1)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2が経過したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
図130(2)は、状態遷移の条件の一例を示す。図130(2)に示す状態遷移の条件では、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から遊技者が介入操作(PB押下)をおこなうまでに追加された保留記憶の数に応じて最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かが変化する。
図130(2)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から保留記憶が2つ追加される前にPBの押下を検出したという条件(Tr1)で、中間表示態様(ST2)に状態遷移することを示す。
また、図130(2)は、中間表示態様(ST2)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2(T2>T1)が経過したという条件(Tr2)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図130(2)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から保留記憶が2つ追加された後にPBの押下を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図130(2)は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2が経過したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
以下では、特に代表して図129(1)の条件で状態遷移させた場合を例として用いて説明する。
次に介入潜伏態様の保留表示605の状態遷移のタイミングについて図131を用いて説明する。図131は、第7の実施形態における介入潜伏態様の保留表示の状態遷移を示すタイミングチャートである。
図131に示すタイミングチャートは、図129(1)の条件で状態遷移させた場合の介入潜伏態様の保留表示605の状態遷移のタイミングの一例を示す。図131(1)は、遊技者が介入しない場合の保留表示605の状態遷移を示す。
遊技機10は、タイミングt61に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、タイミングt61から時間T2(T2>T1)経過後のタイミングt64までの間、介入潜伏態様(ST1)を表示し続け、タイミングt64に条件(Tr3)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。
図131(2)は、遊技者による介入操作が介入潜伏態様の保留表示605を表示し始めてから時間T1が経過する前に行われた場合の保留表示605の状態遷移を示す。
遊技機10は、タイミングt61に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、タイミングt61から時間T1経過前のタイミングt62に遊技者による介入を受け付け、遊技者による介入によって条件(Tr1)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から中間表示態様(ST2)に保留表示605を状態遷移させる。遊技機10は、タイミングt61から時間T2(T2>T1)経過するタイミングt64までの間、中間表示態様(ST2)で保留表示605を表示し続け、タイミングt64に条件(Tr2)を満たしたことに伴い、中間表示態様(ST2)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。
図131(3)は、遊技者による介入操作が介入潜伏態様の保留表示605を表示し始めてから時間T1が経過した後に行われた場合の保留表示605の状態遷移を示す。
遊技機10は、タイミングt61に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、タイミングt61から時間T1経過後のタイミングt63に遊技者による介入を受け付け、遊技者による介入によって条件(Tr3)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。
このように、遊技機10は、介入操作のタイミングによって状態遷移を異ならせることで、遊技者に付与する演出内容への介入権限を高め、介入操作の動機を高めることができる。このように、遊技者による介入操作のタイミングによって、遊技者が所望する演出内容を表示可能とすることで、遊技機10は、遊技者の興趣を向上できる。
次に介入潜伏態様の保留表示605を表示した状態の表示画面について図132を用いて説明する。図132は、第7の実施形態における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
図132(1)に示す表示画面665は、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始めてから時間T1経過前における表示画面の一例を示す。
表示画面665は、介入潜伏態様の保留表示605と、当該保留表示605と対応する位置に配置された介入示唆表示666とを表示内容に含む。
介入示唆表示666は、介入潜伏態様の保留表示605に関して遊技者の介入を待ち受けている状態であることを明示する。
表示画面665においては、時間T1経過前であり、最終表示態様(ST3)まで一度に状態遷移しない状態であるため、介入示唆表示666は、たとえば、「タイミングを見計らってPUSH!!」というメッセージを表示することにより、介入が可能であるものの現在介入するのが好ましくない状態であることを明示する。
図132(2)に示す表示画面667は、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始めてから時間T1経過後における表示画面の一例を示す。
表示画面667は、介入潜伏態様の保留表示605と、当該保留表示605と対応する位置に配置された介入示唆表示666とを表示内容に含む。
表示画面667においては、時間T1経過後であり、最終表示態様(ST3)まで一度に状態遷移する状態であるため、介入示唆表示666は、たとえば、「今がチャンスだPUSH!!」というメッセージを表示することにより、介入が可能であり、かつ、現在介入するのが好ましい状態であることを明示する。
このような介入示唆表示666を表示することで、遊技機10は、遊技者が介入タイミングを見逃して、介入しそこなうのを防止できる。また、遊技機10は、介入示唆表示666の表示内容を変えて表示することで、介入操作をおこなった場合に異なる結果になることを遊技者が把握可能に明示できる。
ところで、遊技機10では、特図変動表示ゲームにおいても介入操作(PB押下)を受け付ける演出をおこなうことがある。このような演出と、介入潜伏態様の保留表示605が同じタイミングで発生すると、遊技者にとって遊技内容が不明確になる(遊技者はどちらに介入しているかわからなくなる)おそれがある。そこで、遊技機10は、特図変動表示ゲームにおける介入操作を伴う演出と、介入潜伏態様の保留表示605とが同じタイミングで発生しないように制御する。
特図変動表示ゲームにおける介入操作を伴う演出と、介入潜伏態様の保留表示605とが同じタイミングで発生しないように制御する処理について図133、図134を用いて説明する。
図133は、第7の実施形態における介入潜伏態様保留表示禁止フラグ設定処理のフローチャートを示す図である。図134は、第7の実施形態におけるPB演出禁止フラグ設定処理のフローチャートを示す図である。
まず、図133について説明する。介入潜伏態様保留表示禁止フラグ設定処理は、介入潜伏態様の保留表示605が表示されないように禁止フラグを設定する処理である。
介入潜伏態様保留表示禁止フラグ設定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって特図変動表示ゲームを開始するごと、および保留表示605に変化が生じた場合(新しく表示する場合や表示態様が変化した場合)におこなわれる処理である。介入潜伏態様保留表示禁止フラグ設定処理は、たとえば、メイン処理(図44)のステップD23で制御部によって実行される処理である。
[ステップD221]制御部は、特図変動表示ゲームにおいてPB演出を伴う演出を実行中であるか否かを判定する。制御部は、特図変動表示ゲームにおいてPB演出を伴う演出を実行中であると判定した場合にはステップD223に進み、特図変動表示ゲームにおいてPB演出を伴わない演出を実行中と判定した場合にはステップD222に進む。
[ステップD222]制御部は、介入潜伏態様の保留表示605を表示中であるか否かを判定する。制御部は、介入潜伏態様の保留表示605を表示中であると判定した場合にはステップD223に進み、介入潜伏態様の保留表示605を表示中でないと判定した場合にはステップD224に進む。
[ステップD223]制御部は、介入潜伏態様禁止フラグをセットし、介入潜伏態様の保留表示605が表示不可能な状態とする。
[ステップD224]制御部は、介入潜伏態様禁止フラグを解除し、介入潜伏態様の保留表示605が表示可能な状態とする。
このような処理によれば、PB演出を伴う特図変動表示ゲームが実行されている間には、禁止フラグがセットされ、介入潜伏態様の保留表示605が表示不可能な状態となるため、遊技機10は、特図変動表示ゲームにおける介入操作を伴う演出実行中に、介入潜伏態様の保留表示605が発生しないようにできる。
また、すでに介入潜伏態様の保留表示605が表示されている間には、禁止フラグがセットされ、介入潜伏態様の保留表示605が表示不可能な状態となるため、遊技機10は、介入潜伏態様の保留表示605を複数同時に発生しないようにできる。
次に、図134について説明する。PB演出禁止フラグ設定処理は、特図変動表示ゲームにおいて介入操作を伴う演出がおこなわれないように禁止フラグを設定する処理である。
PB演出禁止フラグ設定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって保留表示605に変化が生じた場合(新しく表示する場合や表示態様が変化した場合)におこなわれる処理である。PB演出禁止フラグ設定処理は、たとえば、メイン処理(図44)のステップD23で制御部によって実行される処理である。
[ステップD231]制御部は、介入潜伏態様の保留表示605を表示中であるか否かを判定する。制御部は、介入潜伏態様の保留表示605を表示中であると判定した場合にはステップD232に進み、介入潜伏態様の保留表示605を表示中でないと判定した場合にはステップD233に進む。
[ステップD232]制御部は、PB演出禁止フラグをセットし、PB演出を伴う演出を開始不可能な状態とする。
[ステップD233]制御部は、PB演出禁止フラグを解除し、PB演出を伴う演出を開始可能な状態とする。
このような処理によれば、介入潜伏態様の保留表示605が表示中である間には、PB演出禁止フラグがセットされ、PB演出を伴う演出を開始不可能な状態となるため、遊技機10は、介入潜伏態様の保留表示605を表示中に、特図変動表示ゲームにおける介入操作を伴う演出が発生しないようにできる。
次に、非介入潜伏態様(パターンP20)の保留表示605における保留予告演出の開始タイミングと状態遷移後の表示態様(変化態様)との関係について図135を用いて説明する。図135は、第7の実施形態における非介入潜伏態様の状態遷移タイミングと状態遷移後の表示態様との関係を示す図である。
非介入潜伏態様は、保留記憶数が2以上の場合に発生するため、図135に示すように発生位置(発生時に表示画面内に表示される位置)としては、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目の6か所のいずれかの位置で発生する。
図135は、3番目の位置で非介入潜伏態様の保留表示605が発生した場合、3番目からシフトする際、2番目からシフトする際、1番目からシフトする際のいずれかのタイミングで状態遷移することを示す。
また、図135は、3番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、3番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5、パターンP6のいずれかに遷移(変化)し、2番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、1番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP7に遷移することを示す。
また、図135は、4番目の位置で非介入潜伏態様の保留表示605が発生した場合、4番目からシフトする際、3番目からシフトする際、2番目からシフトする際、1番目からシフトする際のいずれかのタイミングで状態遷移することを示す。
また、図135は、4番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、4番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4またはパターンP5に遷移し、3番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP5、パターンP6のいずれかに遷移し、2番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、1番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP7に遷移することを示す。
また、図135は、5番目の位置で非介入潜伏態様の保留表示605が発生した場合、5番目からシフトする際、4番目からシフトする際、3番目からシフトする際、2番目からシフトする際、1番目からシフトする際のいずれかのタイミングで状態遷移することを示す。
また、図135は、5番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、5番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4に遷移し、4番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5のいずれかに遷移し、3番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP5、パターンP6のいずれかに遷移し、2番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、1番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP7に遷移することを示す。
また、図135は、6番目の位置で非介入潜伏態様の保留表示605が発生した場合、6番目からシフトする際、5番目からシフトする際、4番目からシフトする際、3番目からシフトする際、2番目からシフトする際、1番目からシフトする際のいずれかのタイミングで状態遷移することを示す。
また、図135は、6番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、6番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4に遷移し、5番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5のいずれかに遷移し、4番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5、パターンP6のいずれかに遷移し、3番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP5、パターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、2番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、1番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP7に遷移することを示す。
また、図135は、7番目の位置で非介入潜伏態様の保留表示605が発生した場合、7番目からシフトする際、6番目からシフトする際、5番目からシフトする際、4番目からシフトする際、3番目からシフトする際、2番目からシフトする際、1番目からシフトする際のいずれかのタイミングで状態遷移することを示す。
また、図135は、7番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、7番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4に遷移し、6番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5のいずれかに遷移し、5番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5、パターンP6のいずれかに遷移し、4番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5、パターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、3番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP5、パターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、2番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、1番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP7に遷移することを示す。
また、図135は、8番目の位置で非介入潜伏態様の保留表示605が発生した場合、8番目からシフトする際、7番目からシフトする際、6番目からシフトする際、5番目からシフトする際、4番目からシフトする際、3番目からシフトする際、2番目からシフトする際、1番目からシフトする際のいずれかのタイミングで状態遷移することを示す。
また、図135は、8番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、8番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4に遷移し、7番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5のいずれかに遷移し、6番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5、パターンP6のいずれかに遷移し、5番目および4番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP4、パターンP5、パターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、3番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP5、パターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、2番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP6、パターンP7のいずれかに遷移し、1番目からシフトする際に状態遷移する場合にはパターンP7に遷移することを示す。
以上が、非介入潜伏態様の保留表示605の状態遷移タイミングと遷移可能な態様の一例である。このような状態遷移によれば、遷移するタイミングによって遷移可能な態様が変化するため、遊技機10は、非介入潜伏態様の状態遷移のタイミング(表示時間)にも価値(意味)をもたせることができる。これにより、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605の表示後から状態遷移を始めるまでの間においても(非介入潜伏態様の保留表示605を表示し続けるだけで)遊技者の興趣の維持、向上を図ることができる。
なお、遊技機10は、上記遷移可能な態様それぞれに設定する確率を、状態遷移タイミングが後になればなるほど、期待度(信頼度)の高い態様が選択されやすくなるように設定することもできる。たとえば、遊技機10は、8番目の位置で発生した非介入潜伏態様の保留表示605が、5番目からシフトする際に状態遷移する場合よりも4番目からシフトする際に状態遷移する場合のほうがより期待度の高い態様(パターンP7)が選択されやすくなるように確率を設定する。このように状態遷移タイミングが遅れれば遅れるほど期待度が高い表示態様に遷移しやすくすることで、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605の表示後から状態遷移を始めるまでの間においても遊技者の興趣の維持、向上を図ることができる。
なお、遊技機10は、宝箱の外観をシフトするごとに変化(たとえば、木箱、銅箱、銀箱、金箱のように変化)させることで、より期待度が高い表示態様に遷移しやすくなることを明示してもよい。
また、上記状態遷移タイミングと遷移可能な態様の組み合わせは一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、図135に示す組み合わせに加えてさらに3つの異なる組み合わせパターンを保持(全部で4つの組み合わせパターンを保持)し、適用する組み合わせに応じて非介入潜伏態様の保留表示605の態様を木箱、銅箱、銀箱、金箱のいずれかから選択するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605の状態遷移タイミングを保留表示605の位置のシフトタイミングとして説明したがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605を、任意のタイミングで状態遷移開始し始めるようにすることもできる。
また、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605に対応する特図変動表示ゲーム開始後に状態遷移するようにしてもよい。たとえば、この場合には、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605を特図変動表示ゲームの開始前に表示した時間を考慮せず、特図変動表示ゲームを開始してから状態遷移を開始するまでの時間(非介入潜伏態様の保留消化表示606を表示する時間)のみに応じて遷移可能な態様や、遷移可能な態様それぞれに設定する確率が変動するようにしてもよい。
次に、非介入潜伏態様の保留表示605の遷移態様について図136を用いて説明する。図136は、第7の実施形態における非介入潜伏態様の保留表示の遷移態様の一例を示す図である。
図136に示すように遊技機10においては、非介入潜伏態様の保留表示605は、状態遷移開始前においては宝箱の蓋が完全に閉じた表示態様で表示される(図136(1))、状態遷移が開始すると、徐々に宝箱の蓋が開いた態様に変化される(図136(2))。その後、完全に宝箱の蓋が開ききると、非介入潜伏態様の保留表示605に替えて遷移後の表示態様の保留表示605がエフェクトを伴って出現する(図136(3))。
なお、上記実施形態では中間表示態様(ST2)が1つだけの例を用いて説明したがこれに限らない。たとえば、中間表示態様(ST2)を2以上設けることもできる。
なお、中間表示態様(ST2)から最終表示態様(ST3)への状態遷移について時間経過を条件とした例を説明したがこれに限らない。たとえば、PB押下を条件として状態遷移するようにすることもできる。この場合には、たとえば、中間表示態様(ST2)としてもPB型の表示態様(P10)の保留表示を用いることもできる。
また、押下タイミングによって中間表示態様(ST2)を経て最終表示態様(ST3)に状態遷移するか否かが変化する例を用いて説明したがこれにかぎらない。押下タイミングによって最終表示態様(ST3)へと変化する変化態様が異なればよく、たとえば、第1タイミングで押下した場合には第1中間表示態様を経て最終表示態様に状態遷移し、第2タイミングで押下した場合には第2中間表示態様を経て最終表示態様に状態遷移するようにいずれの場合にも中間表示態様を経るようにすることもできる。
[第7の実施形態の変形例1]
次に第7の実施形態の変形例1について図137を用いて説明する。図137は、第7の実施形態の変形例1における介入操作の有効無効の切替タイミングを示すタイミングチャートである。図137に示すタイミングチャートは、図131(1)に対応するタイミングチャートである。
遊技機10は、タイミングt61に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、タイミングt61から所定時間経過後のタイミングt61aから遊技者による介入操作を有効状態にする。遊技機10は、タイミングt61から時間T2経過後のタイミングt64までの間、介入潜伏態様(ST1)を表示し続け、タイミングt64に条件(Tr3)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605が状態遷移したことに伴い介入操作を無効状態にする。
このように介入潜伏態様の保留表示605を表示するタイミングと、介入操作を有効状態とするタイミングとをずらすことで、遊技機10は、遊技者による意図しないPB押下を介入操作として検出してしまうことを抑止(誤介入を抑止)できる。これにより、遊技機10は、所望する状態遷移が発生しないことによる興趣の低下を抑止できる。
次に、介入操作が有効状態の介入潜伏態様の保留表示605と、介入操作が無効状態の介入潜伏態様の保留表示605の一例について図138を用いて説明する。図138は、第7の実施形態の変形例1における介入操作が有効状態および無効状態の介入潜伏態様の保留表示の一例を示す図である。
図138(1)に示す介入潜伏態様の保留表示605は、介入操作が有効状態(タイミングt61aからタイミングt64)における表示態様であり、所定の表示エフェクトが周囲に表示され有効状態であることを明示している。
図138(2)に示す介入潜伏態様の保留表示605は、介入操作が無効状態(タイミングt61からタイミングt61a)における表示態様であり、有効状態において表示される所定の表示エフェクトが消えており、無効状態であることを明示している。
なお、上記有効状態と無効状態の表示態様は一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、有効状態においてはPBの一部を点灯状態(点滅状態を含む)とし、無効状態においてはPBの全部を消灯状態とすることで介入操作が可能か否かを明示することもできる。
このように、遊技機10は、有効状態と無効状態を明示することで、介入操作を可能なタイミングであるか否かを把握容易にできる。これにより、遊技機10は、タイミングt61からタイミングt61aにおいて押下して状態遷移がおこなわれない場合に、PBが故障していると遊技者が誤認してしまうおそれを抑止できる。
[第7の実施形態の変形例2]
第7の実施形態の変形例2について図139を用いて説明する。図139は、第7の実施形態の変形例2における介入操作判定処理のフローチャートを示す図である。
介入操作判定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって介入操作が有効状態である保留表示605を表示中にPBの押下を検出した場合におこなわれる処理である。介入操作判定処理は、たとえば、メイン処理(図44)のステップD23で制御部によって実行される処理である。
[ステップD241]制御部は、PB押下態様(介入操作の態様)が長押しであるか否かを判定する。たとえば、制御部は、閾値以上の時間の押下であることを検出した場合には長押しであると判定する。
制御部は、PB押下態様が長押しであると判定した場合にはステップD243に進み、PB押下態様が長押しでないと判定した場合にはステップD242に進む。
[ステップD242]制御部は、PB押下態様(介入操作の態様)が連打であるか否かを判定する。たとえば、制御部は、所定時間内に閾値以上の押下を検出した場合には連打であると判定する。
制御部は、PB押下態様が連打であると判定した場合にはステップD243に進み、PB押下態様が連打でないと判定した場合にはステップD244に進む。
[ステップD243]制御部は、PB押下を介入操作でないと判定する。
[ステップD244]制御部は、PB押下を介入操作であると判定する。
このようにPB押下態様によっては、介入操作でないと判定することで遊技機10は、遊技者による意図しないPB押下を介入操作として検出してしまうことを抑止できる。
これにより、遊技機10は、所望する状態遷移が発生しないことによる興趣の低下を抑止できる。
[第7の実施形態の変形例3]
第7の実施形態の変形例3について図140を用いて説明する。図140は、第7の実施形態の変形例3における介入操作判定処理のフローチャートを示す図である。
介入操作判定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって介入操作が有効状態である保留表示605を表示中にPBの押下を検出した場合におこなわれる処理である。介入操作判定処理は、たとえば、メイン処理(図44)のステップD23で制御部によって実行される処理である。
[ステップD251]制御部は、PB押下態様(介入操作の態様)が長押しであるか否かを判定する。
制御部は、PB押下態様が長押しであると判定した場合にはステップD252に進み、PB押下態様が長押しでないと判定した場合にはステップD253に進む。
[ステップD252]制御部は、所定時間以上の長押しであるか否かを判定する。制御部は、所定時間以上の長押しであると判定した場合にはステップD256に進み、所定時間以上の長押しでないと判定した場合にはステップD255に進む。
[ステップD253]制御部は、PB押下態様(介入操作の態様)が連打であるか否かを判定する。たとえば、制御部は、所定時間内に閾値以上の押下を検出した場合には連打であると判定する。
制御部は、PB押下態様が連打であると判定した場合にはステップD254に進み、PB押下態様が連打でないと判定した場合にはステップD256に進む。
[ステップD254]制御部は、所定回数以上の連打であるか否かを判定する。制御部は、所定回数以上の連打であると判定した場合にはステップD256に進み、所定回数以上の連打でないと判定した場合にはステップD255に進む。
[ステップD255]制御部は、PB押下を介入操作でないと判定する。
[ステップD256]制御部は、PB押下を介入操作であると判定する。
このようにPB押下態様によっては、介入操作でないと判定することで遊技機10は、遊技者による意図しないPB押下を介入操作として検出してしまうことを抑止できる。これにより、遊技機10は、所望する状態遷移が発生しないことによる興趣の低下を抑止できる。
また、遊技機10は、所定時間以上の長押しや、所定回数以上の連打を介入操作であると判定することにより、PBが正常に稼働していないと遊技者が考えて過度に押下してしまうことを防止できる。これにより、遊技機10は、PBの破損や故障を防止できる。
[第7の実施形態の変形例4]
次に第7の実施形態の変形例4について図141を用いて説明する。図141は、第7の実施形態の変形例4における介入潜伏態様の保留表示の状態遷移の条件の一例を示す図である。
図141に示す状態遷移の条件は、図129(1)に示した条件の変形例である。図141に示す状態遷移の条件では、介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から遊技者が介入(PB押下)をおこなうまでの時間に応じて最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かが変化する。さらに、図141に示す状態遷移の条件では、介入態様(PB押下態様)によって、最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かが変化する。
図141は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T1が経過する前にPBの単発押下(遊技者操作)を検出したという条件(Tr1)で、中間表示態様(ST2)に状態遷移することを示す。また、図141は、中間表示態様(ST2)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2が経過したという条件(Tr2)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図141は、介入潜伏態様(ST1)の状態においてPBの長押押下(遊技者操作)を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図141は、介入潜伏態様(ST1)の状態においてPBの連打押下(遊技者操作)を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図141は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T1を経過した後にPBの押下(遊技者操作)を検出したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
また、図141は、介入潜伏態様(ST1)の状態において介入潜伏態様の保留表示605の表示開始時から時間T2が経過したという条件(Tr3)で、最終表示態様(ST3)に状態遷移することを示す。
このように、遊技機10は、介入態様によっても最終表示態様(ST3)に状態遷移する際に中間表示態様(ST2)を経由するか否かを変化させることで、遊技者が任意のタイミングで遊技者に付与する演出内容への介入権限を高めることができる。これにより、遊技機10は、介入操作の動機を高めることができる。このように、遊技者による介入操作の態様によって、遊技者が所望する演出内容を表示可能とすることで、遊技機10は、遊技者の興趣を向上できる。
[第7の実施形態の変形例5]
第7の実施形態の変形例5では、特図変動表示ゲームにおけるPB演出を伴う演出と、介入潜伏態様の保留表示605とが同時に発生することを許容する。
第7の実施形態の変形例5について図142を用いて説明する。図142は、第7の実施形態の変形例5における介入操作の有効無効の切替タイミングを示すタイミングチャートである。
まず図142(1)に示すタイミングチャートについて説明する。
図142(1)に示すタイミングチャートでは、遊技機10は、N回目の特図変動表示ゲームが実行中であって、PB演出がおこなわれていないタイミングt71に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始めたことに伴い、遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にする。遊技機10は、N+1回目の特図変動表示ゲームが開始されt73にN+1回目の特図変動表示ゲームにおいてPB演出が開始されると、遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を無効状態にする。
遊技機10は、タイミングt74にN+1回目の特図変動表示ゲームにおいてPB演出が終了すると遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にする。
遊技機10は、タイミングt71から時間T2経過後のタイミングt75までの間、介入潜伏態様(ST1)を表示し続け、タイミングt75に条件(Tr3)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605が状態遷移したことに伴い介入操作を無効にする。
次に図142(2)に示すタイミングチャートでは、遊技機10は、N回目の特図変動表示ゲームが実行中であって、PB演出がおこなわれていないタイミングt71に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始めたことに伴い、遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にする。遊技機10は、タイミングt72にPB演出を伴うN+1回目の特図変動表示ゲームが開始されると、遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を無効状態にする。
遊技機10は、タイミングt74においてN+1回目の特図変動表示ゲームにおけるPB演出が終了すると遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にする。
遊技機10は、タイミングt71から時間T2経過後のタイミングt75までの間、介入潜伏態様(ST1)を表示し続け、タイミングt75に条件(Tr3)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605が状態遷移したことに伴い介入操作を無効にする。
このように、遊技機10は、特図変動表示ゲームにおけるPB演出実行中(タイミングt73からタイミングt74)において遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を無効状態とすることで、特図変動表示ゲームへの介入を優先することができる。これにより、遊技機10は、特図変動表示ゲームでおこなわれる演出に対する関心を高め、遊技者が意図しない介入潜伏態様の保留表示605への介入操作が実行されることを抑止できる。
また、図142(2)に示すようにPB演出を伴うN+1回目の特図変動表示ゲームの開始時から遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を無効状態とすることで、遊技機10は、特図変動表示ゲームにおいてPB演出がおこなわれることを事前に明示できる。これにより、遊技機10は、介入潜伏態様の保留表示605への介入操作をおこなおうとした結果、誤って特図変動表示ゲームの介入操作をしてしまうおそれを防止できる。
また、図142(1)に示すようにPB演出を実行する直前まで介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態とすることで、遊技機10は、介入潜伏態様の保留表示605への介入時間を確保できる。
上記有効無効の切替タイミングは一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、PB演出を伴うN+1回目の特図変動表示ゲームの開始時から無効状態とするのに替えて、PB演出を伴う所定秒前から無効状態とするようにしてもよい。
さらには、遊技機10は、N+1回目の特図変動表示ゲームにおけるPB演出が終了した後、所定秒経過後に介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にしてもよい。このように、所定秒経過後に介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にすることで、遊技機10は、誤って介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を遊技者がおこなってしまうことを抑止できる。
[第7の実施形態の変形例6]
第7の実施形態の変形例6では、介入潜伏態様の保留表示605の表示中に、特図変動表示ゲームにおけるPB演出を伴う演出を発生させることを許容するとともに、特図変動表示ゲームにおけるPB演出と介入潜伏態様の保留表示605への介入を一度の介入操作で実行可能とする。
第7の実施形態の変形例6について図143を用いて説明する。図143は、第7の実施形態の変形例6における介入操作の有効無効の切替タイミングを示すタイミングチャートである。
図143に示すタイミングチャートでは、遊技機10は、PB演出がおこなわれていないタイミングt81に介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始める。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し始めたことに伴い、遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態にする。遊技機10は、t82に特図変動表示ゲームにおいてPB演出を開始する。このとき、遊技機10は、遊技者による介入潜伏態様の保留表示605への介入操作を有効状態のままにする。
遊技機10は、タイミングt83に特図変動表示ゲームにおいてPB演出を終了する。その後、遊技機10は、タイミングt81から時間T2経過後のタイミングt84までの間、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605を表示し続け、タイミングt84に条件(Tr3)を満たしたことに伴い、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605を状態遷移させる。遊技機10は、介入潜伏態様(ST1)から最終表示態様(ST3)に保留表示605が状態遷移したことに伴い介入操作を無効にする。
次に介入潜伏態様の保留表示605を表示中に、特図変動表示ゲームにおけるPB演出を伴う演出を発生させた場合の表示画面について図144を用いて説明する。図144は、第7の実施形態の変形例6における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
図144(1)に示す表示画面668は、特図変動表示ゲームにおいてPB演出を開始するタイミング(タイミングt82)における表示画面の一例を示す。表示画面668は、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605だけを表示している状態であって時間T1経過後における表示画面(図132(2))において、PB演出を開始した場合の表示画面である。
表示画面668では、介入潜伏態様の保留表示605と、当該保留表示605と対応する位置に配置された介入示唆表示666と、特図演出表示669とを表示内容に含む。
特図演出表示669は、特図変動表示ゲームにおいて実行される演出を表示する。表示画面668においては、特図演出表示669は、PBの画像を介入潜伏態様の保留表示605の位置から中央に向かって拡大表示している。これにより、遊技機10は、特図変動表示ゲームにおいて遊技者による介入操作が可能な演出が開始されることを明示する。
図144(2)に示す表示画面670は、表示画面668の後の表示画面であって、特図変動表示ゲームにおいてPB演出を開始し、遊技者による操作介入を待ち受けている状態の表示画面の一例を示す。
表示画面670においては、特図演出表示669は、PBの画像と、PBを押下しようとしている手の画像と、「ボタンを押して演出を成功に導け!!」という操作介入を待ち受けている(示唆する)ことを明示するメッセ―ジとを表示する。
表示画面670においては、特図演出表示669は、介入示唆表示666よりも優先的(前面側)に表示されるとともに、介入示唆表示666のメッセージを把握可能(介入潜伏態様の保留表示605が操作介入を待ち受けていることが把握可能)なように介入示唆表示666と重畳する。具体的には、表示画面670においては、特図演出表示669は、介入示唆表示666のメッセージの一部である「PUSH!!」部分とは重畳しないように配置されることで、介入潜伏態様の保留表示605が操作介入を待ち受けていることを把握可能にしている。
次に特図変動表示ゲームにおけるPB演出と、介入潜伏態様の保留表示605とが同時に発生している場合におけるPB押下態様と介入操作の関係について図145を用いて説明する。図145は、第7の実施形態の変形例6におけるPB押下態様と介入操作の関係の一例を示す図である。
図145は、特図変動表示ゲームにおけるPB演出と、介入潜伏態様(ST1)の保留表示605とが同時に発生している場合におけるPB押下態様と、PB押下態様が介入操作として検出されるか否かの対応関係を示している。
図145は、特図変動表示ゲームにおけるPB演出では遊技機10が、PBの単発押下と、長押押下とについては介入操作であると検出し、連打押下については介入操作ではないと検出することを示す。
一方で、介入潜伏態様の保留表示605では遊技機10が、PBの単発押下と、連打押下については介入操作であると検出し、長押押下については介入操作ではないと検出することを示す。
これによれば遊技機10は、遊技者が特図変動表示ゲームにおけるPB演出および介入潜伏態様の保留表示605の両方に対して同時に介入操作をすること、PB押下態様に応じて特図変動表示ゲームに対してのみについて介入操作をすること、介入潜伏態様の保留表示605に対してのみについて介入操作をすることを可能にできる。
[第7の実施形態の変形例7]
第7の実施形態の変形例7では、遊技機10は、非介入潜伏態様の保留表示605を、当該保留表示605に対応する特図変動表示ゲームの開始前および実行中において状態遷移させずに、当該特図変動表示ゲームが当りを導出する場合におこなわれる特図変動表示ゲーム終了後の当り演出中の演出に用いる。
第7の実施形態の変形例7における特図変動表示ゲーム終了後におこなわれる当り演出について図146、147を用いて説明する。図146は、第7の実施形態の変形例7における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その1)である。図147は、第7の実施形態の変形例7における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その2)である。
図146(1)に示す表示画面671は、非介入潜伏態様の保留表示605が状態遷移することなく、当該保留表示605に対応する特図変動表示ゲーム(保留消化表示606が非介入潜伏態様の状態で特図変動表示ゲーム)が実行されている画面の一例を示す。
図146(2)に示す表示画面672は、表示画面671の後の表示画面であって、非介入潜伏態様の保留消化表示606が状態遷移することなく、非介入潜伏態様のままの状態で特図変動表示ゲームが終了し、特図変動表示ゲームの結果態様として当り(「777」)を導出した画面の一例を示す。
図147(1)に示す表示画面673は、表示画面672の後の表示画面であって、当り演出実行中の画面の一例を示す。表示画面673は、当り演出表示674を表示内容に含む。当り演出表示674は、当り演出において実行される演出を表示する。
表示画面673においては、当り演出表示674は、現在のラウンドに関する表示(「1R/4R」)と、賞球数に関する表示(「100pt」)と、非介入潜伏態様の保留消化表示606と同一態様の宝箱の表示と、当り演出における興趣向上を目的として表示される演出(「虎」のようなキャラクタがスペースシャトルに乗って飛んでいるアニメーション演出)と、を表示する。
図147(2)に示す表示画面675は、表示画面673の後の表示画面であって、表示画面673において当り演出表示674が表示していた非介入潜伏態様の保留消化表示606と同一態様の宝箱が状態遷移している画面を示す。
表示画面675においては、当り演出表示674は、現在のラウンドに関する表示として「4R/4R」を表示し、現在4Rであることを示す。また、表示画面675においては、当り演出表示674は、非介入潜伏態様の保留消化表示606と同一態様の宝箱の蓋が開き、宝箱の中から8Rの増加という利用者に付与される価値(「+8R」)が出てきたことを示す。
図147(3)に示す表示画面676は、表示画面675の後の表示画面であって、表示画面675において宝箱から出てきた価値が利用者に付与された後の画面を示す。
表示画面676においては、当り演出表示674は、現在のラウンドに関する表示として「4R/12R」を表示し、表示画面675において表示していた4Rから8R増加して12Rまで当り演出が継続するようになったことを示す。
上述した第7の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して始動記憶に応じた保留表示605の表示態様を変更(ST1からST3へと変更)して保留予告演出を実行可能である。遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、操作手段(PB25)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)とを含む。操作手段は、操作を受付可能である。表示手段は、保留表示を表示可能である。
制御手段は、保留表示を第1表示態様(ST1)で表示中に第1タイミング(条件Tr1を満たすタイミング)で操作(介入操作、たとえばPB押下)を受け付けた場合に保留表示を第1変化態様(たとえば、ST1から中間表示態様(ST2)を経て第2表示態様(ST3)へと変化する態様)によって第2表示態様(ST3)へと変化させ、保留表示を第1表示態様で表示中に第2タイミング(条件Tr3を満たすタイミング)で操作を受け付けた場合に保留表示を第2変化態様(たとえば、ST1から一気にST3へと変化する態様)によって第2表示態様(ST3)へと変化させる。
(2)(1)の第1表示態様は、遊技者に操作を誘導する表示態様である。
(3)(1)の制御手段は、第1タイミングに押下を検出した場合には中間表示態様を経て第2表示態様へと変化させ、第1タイミングよりも遅い第2タイミングに押下を検出した場合には中間表示態様を経ずに第2表示態様へと変化させる。
(4)(1)の制御手段は、第1表示態様を表示開始してから所定時間の間におこなわれた操作では、第2表示態様への変化を開始しない。
(5)(1)の表示手段は、操作手段を介して遊技者による操作を受け付ける演出を含む特図変動表示ゲームを表示可能であり、制御手段は、演出を含む特図変動表示ゲームがおこなわれている間には、第1表示態様の保留表示が生じないように制御する。
(6)(1)の表示手段は、操作手段を介して遊技者による操作を受け付ける演出を含む特図変動表示ゲームを表示可能であり、制御手段は、第1表示態様の保留表示が生じている間には、特図変動表示ゲームが生じないように制御する。
(7)(2)の表示手段は、操作手段を介して遊技者による操作を受け付ける演出を含む特図変動表示ゲームを表示可能であり、制御手段は、演出を含む特図変動表示ゲームがおこなわれている間に第1表示態様の保留表示が表示されているとき操作手段が操作を受付けたことを検出した場合、保留表示の第2表示態様への変化を開始しない。
[第8の実施形態]
次に、第8の実施形態の遊技機10について説明する。第8の実施形態の遊技機10は、変動表示ゲームを実行可能であって第4の実施形態の遊技機10と同様に小当りを成起可能な遊技性を有する。まず、遊技機10の遊技性について図148を用いて説明する。図148は、第8の実施形態の遊技状態遷移図と特別小当り演出の実行条件の一例を示す図である。
遊技機10の遊技状態に関する状態遷移図を図148(1)に示す。遊技機10は、非大当り状態Staと、大当り状態Stbとを含む。なお、非大当り状態Staは、確率変動状態(低確率状態や高確率状態)や普電サポート状態(普電サポートあり状態、普電サポートなし状態)、あるいはこれらの組み合わせからなる遊技状態を含む。
遊技機10は、非大当り状態Staにおいて特図ゲーム(特図1ゲームおよび特図2ゲーム)における変動表示結果として小当り、はずれ、および大当りを導出し得る。遊技機10は、非大当り状態Staにおける大当りの導出を契機にして大当り状態に遷移し、大当り状態Stbにおける大当りの終了を契機にして非大当り状態に遷移する。
なお、遊技機10は、非大当り状態Staにおける変動表示結果を一括表示装置50に表示することができるほか、表示装置41に表示することができる。遊技機10は、変動表示結果を一括表示装置50に表示するとき特図1ゲームにおける変動表示結果を特図1図柄表示部53に表示し、特図2ゲームにおける変動表示結果を特図2図柄表示部54に表示する。また、遊技機10は、変動表示結果を表示装置41に表示するとき特図1ゲームと特図2ゲームとで共通の飾り図柄(大図柄群601、小図柄群602)表示部に表示する。
このようにして、遊技機10は、図148(2)に示すように、一括表示装置50に特別図柄(特図)として「はずれ図柄(はずれ態様)」を表示するときに表示装置41に飾り図柄(大図柄群601、小図柄群602)として「はずれ図柄(はずれ態様)」を表示する。また、遊技機10は、一括表示装置50に特別図柄として「大当り図柄(大当り態様)」を表示するときに表示装置41に飾り図柄として「大当り図柄(大当り態様)」を表示する。また、遊技機10は、一括表示装置50に特別図柄として「小当り図柄(小当り態様)」を表示するときに表示装置41に飾り図柄として「小当り図柄1(小当り態様1)」または「小当り図柄2(小当り態様2)」を表示する。
なお、遊技機10は、特別図柄「小当り図柄」に対応して飾り図柄「小当り図柄1」または「小当り図柄2」を表示し、小当りの表示態様に多様性を持たせる。これにより、遊技機10は、小当りに対する単調な遊技進行を抑制することができる。また、遊技機10は、飾り図柄「小当り図柄1」を表示したときに特別小当り演出をなしとし、飾り図柄「小当り図柄2」を表示したときに特別小当り演出をありとすることで小当りに対する遊技進行に多様性を与えることができる。なお、特別小当り演出については後で説明する。
次に、表示装置41における表示画面の構成について図149を用いて説明する。図149は、第8の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その1)である。変動表示ゲームにおいて図柄変動中の表示装置41の表示内容を図149(1)に示す。表示装置41は、2組の飾り図柄(大図柄群601、小図柄群602)と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留表示605と、保留消化表示606と、メーター表示680とを含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群601と、第2飾り図柄として小図柄群602とがある。大図柄群601は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群601は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとを含む。左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に変動を開始し、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群601は、多くの場合において、左図柄601Lと右図柄601Rとでリーチ態様を形成し、中図柄601Cの停止を待って当り態様を形成可能にする。
小図柄群602は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群602は、大図柄群601による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群602は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面600の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示605は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示605が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数と特図2保留数表示604が表示する保留記憶数の和に相当する。保留消化表示606は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの変動状態を示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
図149(1)に示す表示装置41は、特図1保留数表示603が示す特図1ゲームの保留記憶数が「1」であり、特図2保留数表示604が示す特図2ゲームの保留記憶数が「1」であることから、保留表示605が示す保留記憶数が「2」であり、保留消化表示606により特図変動表示ゲームが図柄変動中であることを示す。
メーター表示680は、特別小当り演出用の表示である。遊技機10は、小当りにおいて大図柄群601を特定の表示態様で表示したときにメーター表示680のメーターレベルを上げてメーターフルとなった場合にメーターフル演出をおこなう。メーターフル演出は、大当りの期待感を演出する特別の演出である。図149(1)に示すメーター表示680は、メーターレベル「0」の状態(たとえば初期状態)を示す。
変動表示ゲームにおいてはずれ図柄を表示して図柄停止中の表示装置41の表示内容を図149(2)に示す。保留消化表示606は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。大図柄群601は、左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rがはずれ図柄(はずれ態様)「1,2,3」で停止中を示す。また、小図柄群602は、大図柄群601と同様にはずれ図柄「1,2,3」で停止中を示す。
次に、特図変動表示ゲームの図柄停止状態のうち飾り図柄が小当り図柄を表示している図柄停止状態について図150を用いて説明する。図150は、第8の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その2)である。
変動表示ゲームにおいて小当り図柄を表示して図柄停止中の表示装置41の表示内容を図150(1),(2)に示す。図150(1)に示す大図柄群601は、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cが小当り図柄1(小当り態様1)「三角、三角、三角」で停止中を示す。図150(2)に示す大図柄群601は、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cが小当り図柄2(小当り態様2)「星、星、星」で停止中を示す。小当り図柄1と小当り図柄2のいずれも、同じ特別図柄「小当り図柄」に対応する飾り図柄である。このとき、図150(1),(2)に示す小図柄群602は、特別図柄「小当り図柄」に対応する小当り図柄「3,3,7」で停止中を示す。なお、小図柄群602は、大図柄群601に対応して図150(1),(2)で異なる小当り図柄を表示してもよい。たとえば、小図柄群602は、大図柄群601の小当り図柄1に対応して小当り図柄「3,3,7」を表示し、大図柄群601の小当り図柄2に対応して小当り図柄1に対応する小当り図柄「3,3,7」と異なる小当り図柄「3,3,1」を表示することができる。
このようにして、遊技機10は、一括表示装置50が表示する特図によって特定される1つの小当りに対して2つの飾り図柄(小当り図柄1、小当り図柄2)を対応させることができる。
また、遊技機10は、表示装置41が小当り図柄1を表示したとき特別小当り演出を実行せず、表示装置41が小当り図柄2を表示したとき特別小当り演出を実行する。図150(2)に示す特別小当り演出は、大図柄群601における小当り図柄2「星、星、星」の強調表示と、大図柄群601とメーター表示680との対応関係をエフェクトにより明示する特別小当り効果表示681と、メーター表示680のメーターレベルアップを含む。たとえば、遊技機10は、小当り図柄2「星、星、星」の背景にエフェクトを入れて大図柄群601を強調表示し、大図柄群601からメーター表示680に向かう特別小当り効果表示681により大図柄群601とメーター表示680との対応関係を明示し、メーター表示680のメーターレベルを1UPする。
これにより、遊技機10は、遊技制御上で同一の小当りでありながら異なる表示態様与えることができる。さらに、遊技機10は、特別小当り演出の実行の有無によって小当りに対する遊技進行に多様性を与えることができる。また、遊技機10は、単調になりかねない遊技のうちから当りの期待感を遊技者に感得させ得る。
なお、遊技機10は、変動表示ごとにメーター表示680の表示態様をリセットすることなく、前回の変動表示までの表示態様を保持して複数回の変動表示に渡る演出をおこなうことができる。すなわち、遊技機10は、変動表示ゲームの結果として小当り図柄2が複数回表示されることによってメーター表示680のメーターレベルをフルにする演出をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、小当り図柄2を表示したときにメーター表示680のメーターレベルを1UPするとしたが、これに限らずメーターレベルを2以上UPするようにしてもよい。
次に、演出態様の違いによりメーターレベルのUP数を違える特別小当り演出について図151を用いて説明する。図151は、第8の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その3)である。
図151(1)に示す特別小当り効果表示682は、中程度の期待度(あるいは中度の出現頻度)に対応するエフェクト、たとえば青色のエフェクト(斜線ハッチングで示す)を表示し、メーター表示680のメーターレベルを2UPする。また、図151(2)に示す特別小当り効果表示683は、高程度の期待度(あるいは低度の出現頻度)に対応するエフェクト、たとえば赤色のエフェクト(交差ハッチングで示す)を表示し、メーター表示680のメーターレベルを3UPする。
このように、遊技機10は、特別小当り効果表示682,683が演出する期待度に応じてメーター表示680のメーターレベルのUP量を違えることができる。これにより、遊技機10は、単調になりかねない遊技のうちから当りの期待感を遊技者に感得させ得る。
なお、特別小当り演出(特別小当り効果表示)のエフェクトの一例としてエフェクトの色彩を挙げたが、遊技機10は、エフェクトの色彩に代えて、あるいはエフェクトの色彩に加えて、エフェクトの形状、大きさ、種別、あるいはこれらの組み合わせを特別小当り演出のエフェクトとしてもよい。また、遊技機10は、大図柄群601の背面と前面とに特別小当り演出のエフェクトを表示するようにしたが、大図柄群601の背面あるいは前面のみに特別小当り演出のエフェクトを表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、たとえば、大図柄601Lの背面に特別小当り演出のエフェクトを表示し、大図柄601C,601Rの前面に特別小当り演出のエフェクトを表示する等、大図柄群601を構成する大図柄601L,601C,601Rごとに特別小当り演出のエフェクトの表示順序を設定するようにしてもよい。
また、メーター表示680は、メーターレベル更新前のレベル表示の表示態様と、メーターレベル加算分の表示態様とを違えるようにしてもよい。たとえば、図151(1)に示すメーター表示680は、メーターレベル更新前のレベル表示を緑色(塗りつぶしで示す)とし、メーターレベル加算分の表示態様を青色(斜線ハッチングで示す)とする。また、図151(2)に示すメーター表示680は、メーターレベル更新前のレベル表示を緑色(塗りつぶしで示す)とし、メーターレベル加算分の表示態様を赤色(交差ハッチングで示す)とする。これにより、遊技機10は、更新前のメーターレベルと、加算分のメーターレベルと、更新前のメーターレベルと加算分のメーターレベルの和からなる更新後のメーターレベルとを遊技者に明示できる。
次に、メーター表示680のメーターレベルがフルになったときのメーターフル演出について図152から図154を用いて説明する。図152は、第8の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その4)である。図153は、第8の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その5)である。図154は、第8の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その6)である。
まず、図152(1)に示す特別小当り効果表示685は、メーター表示680のメーターレベルをフルにする。遊技機10は、メーター表示680のメーターレベルがフルになるとメーターフル表示684を表示する。メーターフル表示684は、回転灯のような表示(以下、告知ランプ)であり、メーター表示680のメーターレベルがフルでない場合に消灯態様となり、メーター表示680のメーターレベルがフルである場合に点灯(点滅を含む)態様となる。これにより、遊技機10は、メーター表示680のメーターレベルフルを遊技者に明示できる。なお、メーター表示680は、メーターレベルがフルになるまでのメーターレベル加算過程を表示態様により明示することができる。たとえば、図152(1)に示すメーター表示680は、1UP、2UP、1UP、2UP、1UP、1UP、2UP、1UP、1UP、1UP、1UP、2UPという加算過程によりメーターレベルがフル(16UP)になったことを明示する。
次に、遊技機10は、メーター表示680のメーターレベルがフルになった後、メーターフル演出をおこなう。遊技機10は、メーターフル演出において、保留記憶の先読み結果にしたがって保留表示605の表示態様を変更する。たとえば、遊技機10は、保留表示605の2番目の保留記憶の表示態様を白色から赤色に切り替える。このとき、遊技機10は、メーターフル表示684と保留表示605との対応関係をメーターフル効果表示686によって明示する。メーターフル効果表示686は、メーターフル表示684と保留表示605とを接続するエフェクト表示である。このとき、メーター表示680は、メーターレベル加算過程を明示する表示態様からメーターフルを演出する表示態様に切り替えられる。なお、遊技機10は、メーターフル演出の対象を保留表示605としたが、保留消化表示606をメーターフル演出の対象とすることもできる。なお、保留表示605や保留消化表示606の表示態様は、図109に示した表示態様によって所定の信頼度を報知することができる。
このように、メーターフル演出は、大当りに対する期待感を演出する。すなわち、遊技機10は、特定の小当り図柄(たとえば、小当り図柄2)を所定回数表示させることによってメーター表示680のメーターレベルをフルにし、その特典としてメーターフル演出を実行する。したがって、メーターフル演出は、比較的高い信頼度報知(たとえば、90%等)をおこなう遊技者にとって価値の高い演出であることが望ましい。そのため、遊技機10は、保留記憶の先読み結果にしたがってメーターフル演出をおこなう。また、遊技機10は、保留記憶の先読み結果にしたがってメーター表示680のメーターレベルをフルにする。また、遊技機10は、保留記憶の先読み結果にしたがって小当り時に表示する小当り図柄を特定の小当り図柄(たとえば、小当り図柄2)とすることができる。
次に、メーターフル演出の別態様を図153(1)に示す。遊技機10は、メーターフル演出において、メーターフル効果表示687としてキャラクタを表示して待機する。遊技機10は、待機表示中の大図柄群601の変動表示にメーターフル効果表示687が作用する演出をおこなう。たとえば、遊技機10は、大当り図柄を表示することとなる図柄変動の開始を待ち、大当り図柄を表示することとなる図柄変動中にキャラクタを図柄変動演出と連動させる。より具体的には、遊技機10は、左右大図柄601L,601Rが「3」を表示するリーチ状態で、キャラクタと中大図柄601Cとを接続するエフェクトを表示する。遊技機10は、この図柄変動の結果として中大図柄601Cに「3」を表示して大当り図柄を表示することで、遊技者に対してキャラクタを用いた演出の信頼度を感得させ、メーターフル演出に対する遊技者の期待感を醸成することができる。
このように、遊技機10は、メーターフル効果表示687を所定期間(無期限でもよい)だけ待機表示することで保留記憶の先読み結果にしたがわないメーターフル演出をおこなうこともできる。
なお、遊技機10は、メーターフル効果表示687が待機表示中の大図柄群601の変動表示に作用する演出をおこなうとしたが、保留表示605や保留消化表示606に作用する演出をおこなうようにしてもよい。その場合、遊技機10は、保留記憶の先読み結果にしたがってメーターフル演出をおこなうことができる。
さらにメーターフル演出の別態様を図153(2)に示す。遊技機10は、メーターフル演出において、メーターフル効果表示688としてプッシュボタン25の操作案内を表示する。遊技機10は、プッシュボタン25の押下操作を検出したときに図柄変動中の大図柄群601が大当りを表示することとなるのであれば押下操作演出を図柄変動と連動させる。また、遊技機10は、プッシュボタン25の押下操作を検出したときに図柄変動中の大図柄群601が大当りを表示することとならないのであれば、保留記憶の先読み結果にしたがって押下操作演出を保留表示605や保留消化表示606の表示態様切替と連動させる。
さらにメーターフル演出の別態様を図154(1),(2)に示す。遊技機10は、メーターフル演出において、メーターフル効果表示689として保留表示605や保留消化表示606の表示態様を告知ランプに切り替えて表示する(図154(1))。たとえば、遊技機10は、特図1保留数表示603が「4」、特図2保留数表示604が「4」であるとき、8つの告知ランプを消灯態様にして表示する。また、遊技機10は、図柄変動中であれば保留消化表示606の告知ランプを消灯態様にして表示する。遊技機10は、保留記憶の先読み結果、あるいは図柄変動の結果として大当り図柄を表示することがない場合に、表示した告知ランプを消灯態様のままにして待機する。
なお、遊技機10は、保留シフトがあった場合、保留表示605や保留消化表示606において表示中の告知ランプをシフト表示する。また、遊技機10は、新たに保留記憶が追加された場合、保留表示605に追加する新たな始動記憶を告知ランプとしてもよい。
遊技機10は、保留記憶の先読み結果、あるいは図柄変動の結果として大当り図柄を表示する場合に、該当する告知ランプを点灯態様に切り替える。遊技機10は、保留記憶の先読み結果として保留表示605の5番目の告知ランプを消灯態様から点灯態様に切り替える(図154(2))。なお、遊技機10は、図柄変動の結果として大当り図柄を表示する場合には、保留消化表示606の告知ランプを消灯態様から点灯態様に切り替える。
このような遊技機10は、告知ランプの表示態様だけでメーターフル演出をおこなうことができることから、図柄変動との連携を不要として演出制御装置300にかかる制御処理負担を軽減することができる。たとえば、演出制御装置300は、図柄変動と独立して告知ランプの表示態様の切替をおこなうことができる。なお、遊技機10は、告知ランプの表示態様の切替と、図柄変動とを連携してメーターフル演出をおこなうものであってもよい。
次に、小当り図柄表示処理について図155を用いて説明する。図155は、第8の実施形態の演出制御装置における小当り図柄表示処理のフローチャートを示す図である。小当り図柄表示処理は、特図ゲームの結果として小当りを導出する場合に、表示する小当り図柄として小当り図柄1または小当り図柄2(特定の小当り図柄)を設定する処理である。小当り図柄表示処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって特図ゲームの結果として小当りを導出するごとにおこなわれる処理である。小当り図柄表示処理は、メイン処理のステップD23(図44参照)で制御部によって実行される処理である。
[ステップD261]制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがあるか否かを判定する。たとえば、制御部は、遊技制御装置100から受信した先読み予告コマンドにもとづいて保留記憶の先読み結果に大当りがあるか否かを判定できる。制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがないときにステップD262に進み、保留記憶の先読み結果に大当りがあるときにステップD270に進む。
[ステップD262]制御部は、メーター表示680のメーターレベルが所定の閾値以下であるか否かを判定する。制御部は、メーター表示680のメーターレベルが所定の閾値以下である場合にステップD263に進み、メーター表示680のメーターレベルが所定の閾値以下でない場合にステップD264に進む。
[ステップD263]制御部は、小当り図柄2抽選確率を高確率に設定する。なお、小当り図柄2抽選確率は、表示する小当り図柄として小当り図柄2を選択する確率である。
[ステップD264]制御部は、小当り図柄2抽選確率を低確率に設定する。
[ステップD265]制御部は、表示する小当り図柄として小当り図柄2を選択するか否かを決定する小当り図柄2抽選を実行する。
[ステップD266]制御部は、小当り図柄2抽選の結果が当選であればステップD267に進み、落選であればステップD269に進む。
[ステップD267]制御部は、表示する小当り図柄として小当り図柄2を設定する。
[ステップD268]制御部は、メーターレベル演出を設定し、小当り図柄表示処理を終了する。なお、メーターレベル演出の設定は、メーターレベル演出におけるメーターレベルの加算量やエフェクトの種別の設定を含む。
これにより、制御部は、小当り図柄2の設定と、メーターレベル演出の設定とを保留記憶の先読み結果に応じて適宜におこなうことができる。たとえば、制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがある場合に、メーター表示680のメーターレベルがフルに到達可能な演出態様を選択することができる。
[ステップD269]制御部は、表示する小当り図柄として小当り図柄1を設定し、小当り図柄表示処理を終了する。
[ステップD270]制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがあるとき、先読み結果における大当りの前に小当りがあるか否かを判定する。制御部は、先読み結果における大当りの前に小当りがある場合にステップD262に進み、抽選により表示する小当り図柄を決定する。一方で、制御部は、先読み結果における大当りの前に小当りがない場合にステップD267に進み、抽選することなく表示する小当り図柄を小当り図柄2に決定する。
このようにして、制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがなく、かつメーターレベルが所定の閾値以下である場合に、すなわちメーターレベルが加算されてもメーターフル演出の実行に至らない場合に、小当り図柄2抽選確率を高確率に設定する。一方で、制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがなく、かつメーターレベルが所定の閾値以下でない場合に、すなわちメーターレベルが加算されるとメーターフル演出を実行することとなり得る場合に、小当り図柄2抽選確率を低確率に設定する。
これにより、制御部は、メーター表示680のメーターレベルを適当に増加させながらも信頼度の低いメーターフル演出の実行を抑制することができる。
なお、制御部は、保留記憶の先読み結果に大当りがなくても低確率ながら小当り図柄2を選択し得るので、メーターフル演出中の保留記憶の先読み結果に大当りが検出されるのを待って期待度の高い演出をおこなうことができる。一方で、制御部は、メーターフル演出中の保留記憶の先読み結果に大当りが検出されない場合、期待度の低い演出をおこない、メーターフル演出を終了することができる。
次に、メーターフル演出処理について図156を用いて説明する。図156は、第8の実施形態のメーターフル演出処理のフローチャートを示す図である。メーターフル演出処理は、メーターレベル演出の結果としてメーター表示680のメーターレベルがフルになった場合に表示する演出内容を設定する処理である。メーターフル演出処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。メーターフル演出処理は、メイン処理のステップD23(図44参照)で制御部によって実行される処理である。
[ステップD271]制御部は、結果報知前演出を設定済みか否かを判定する。なお、メーターフル演出は、結果報知前演出と結果報知演出とを含む。結果報知前演出は、結果報知演出を実行するまでの待機中の演出であり、たとえばメーターフル表示684(図152(1))や、メーターフル効果表示687(図153(1))、メーターフル効果表示688(図153(2))、メーターフル効果表示689(図154(1),(2))等がある。制御部は、結果報知前演出を設定済みでなければステップD272に進み、結果報知前演出を設定済みであればステップD275に進む。
[ステップD272]制御部は、結果報知前演出を設定する。
[ステップD273]制御部は、結果報知演出の設定トリガとなるタイマトリガをセットする。たとえば、制御部は、タイマトリガとして60秒のタイムアップ時間を設定する。
[ステップD274]制御部は、結果報知演出の設定トリガとなるイベントトリガをセットし、メーターフル演出処理を終了する。たとえば、制御部は、イベントトリガとして保留記憶の先読み結果からの大当り検出を設定する。
[ステップD275]制御部は、結果報知前演出を設定済み、すなわち結果報知演出を実行するまでの待機中であることから、結果報知演出設定のトリガ(タイマトリガまたはイベントトリガ)の成立を判定する。制御部は、結果報知演出設定のトリガが成立している場合にステップD276に進み、結果報知演出設定のトリガが成立していない場合にメーターフル演出処理を終了し、結果報知演出設定のトリガの成立を待つ。
[ステップD276]制御部は、結果報知演出を設定する。なお、制御部は、タイマトリガまたはイベントトリガのいずれが成立したかにより結果報知演出の演出態様を違えるようにしてもよい。たとえば、制御部は、タイマトリガが成立した場合、保留記憶の先読み結果に大当りがないとして期待度の低い演出態様を結果報知演出として設定する。また、制御部は、イベントトリガが成立した場合、保留記憶の先読み結果に大当りがあるとして期待度の高い演出態様を結果報知演出として設定する。
次に、メーター表示680の変形例について図157を用いて説明する。図157は、第8の実施形態の変形例のメーターフル表示の一例を示す図である。
メーター表示6801(図157(1))は、16等分のメーター表示であり、あらかじめメーターレベルごとに色彩が設定されている。たとえば、メーター表示6801は、メーターレベル1から4を青色(斜線ハッチングで示す)とし、メーターレベル5から8を緑色(交差ハッチングで示す)とし、メーターレベル9から12を黄色(淡色塗り潰しで示す)とし、メーターレベル13から16を赤色(濃色塗り潰しで示す)とする。これにより、メーター表示6801は、メーターレベルの把握を容易なものとする。
メーター表示6802(図157(2))は、12等分のメーター表示であり、あらかじめメーターレベルごとに色彩が設定されている。たとえば、メーター表示6802は、メーターレベル1から3を青色(斜線ハッチングで示す)とし、メーターレベル4から6を緑色(交差ハッチングで示す)とし、メーターレベル7から9を黄色(淡色塗り潰しで示す)とし、メーターレベル10から12を赤色(濃色塗り潰しで示す)とする。これにより、メーター表示6802は、メーターレベルの把握を容易なものとする。なお、メーター表示6802は、メーター表示6801と比較してメーターレベルが粗いことから遊技者に対してメーターレベルがフルになりやすい印象を与えることができる。また、メーター表示6801は、メーター表示6802と比較してメーターレベルが細かいことから遊技者に対してメーターレベルがフルになりにくい印象を与えることができる。
メーター表示6803(図157(3))は、不等分割された12レベルのメーター表示である。メーター表示6803は、レベルごとの大きさが異なることから遊技者に対してメーターレベルがフルになりやすい印象にアクセントを与えることができる。
メーター表示6804(図157(4))は、スライドウインドウタイプの表示であり、小当り発生ごとの小当り図柄の区別(たとえば、小当り図柄1を白色(無彩色で示す)、小当り図柄2を緑色(交差ハッチングで示す))で記録して、表示内容をシフト(たとえば右シフト)する。また、メーター表示6804は、スライドウインドウ中の小当り図柄2の数を数字で表示する。たとえば、メーター表示6804は、過去8回の小当りのうちに2回目、5回目、7回目の合計3回で小当り図柄2を表示したことを示す。これによれば、遊技機10は、過去8回の小当りを対象としてメーターフル演出の実行の是非を判定すればよいので、大当り間隔が大きくなったためにメーターレベルがフルになり信頼度の低いメーターフル演出を実行することを抑制できる。
なお、遊技機10は、メーター表示6801〜6804をそれぞれ遊技進行中に切り替えるようにしてもよい。これにより、遊技機10は、メーターレベルのフルになりやすさを調整するようにしてもよい。
次に、第8の実施形態の変形例の1つについて図158を用いて説明する。図158は、第8の実施形態の変形例の小当り種別と、小当り種別ごとの特別小当り演出用パラメータの一例を示す図である。第8の実施形態の遊技機10は、1つの小当りを2つの小当り図柄で表すこととしたが、第8の実施形態の変形例の遊技機10は、複数の小当りのそれぞれを異なる小当り図柄で表す。
遊技機10は、図158(1)に示すように、3つの小当り(小当り種別)を有する。小当り1は、期間T10(たとえば、1.6秒)の1回だけ入賞口(たとえば、特別変動入賞装置(大入賞口)38(図76参照))を開放する。また、小当り2は、期間T21(たとえば、0.8秒)の入賞口の閉塞を挟んで、期間T20(たとえば、0.8秒)の入賞口の開放を2回おこなう。また、また、小当り3は、期間T31(たとえば、0.5秒)の入賞口の閉塞を挟んで、期間T30(たとえば、0.5秒)の入賞口の開放を3回おこなう。
図158(2)に示すように、遊技機10は、これら3つの小当りのそれぞれに選択肢となる小当り図柄を2つずつ設定する。小当り1は、小当り図柄1と小当り図柄2が設定され、小当り2は、小当り図柄1と小当り図柄3が設定され、小当り3は、小当り図柄1と小当り図柄4が設定される。これら小当り図柄のうち、小当り図柄1は、特定の小当り図柄でなく、小当り図柄2,3,4は、特定の小当り図柄である。
特定の小当り図柄でない小当り図柄1は、メーターレベル加算数を「0」とする。メーターレベル加算数は、演出用パラメータの1つであり、該当する小当り図柄が表示されたときのメーターレベル加算数を示す。小当り図柄2は、メーターレベル加算数を「1」とし、小当り図柄3は、メーターレベル加算数を「2」とし、小当り図柄4は、メーターレベル加算数を「3」とする。
このように、遊技機10は、小当りの種別ごとにメーターレベル加算数を違えるようにしてもよい。なお、メーターレベル加算数は、標準的な数値であって、状況に応じて加減されるものであってもよい。
これにより、遊技機10は、小当り種別(特別変動入賞装置(大入賞口)38の開放態様)に応じてメーターレベル加算数を違えることができ、単調になりかねない遊技に抑揚を演出することができる。また、遊技機10は、単調になりかねない遊技のうちから当りの期待感を遊技者に感得させ得る。
さらに、第8の実施形態の変形例の1つについて図159を用いて説明する。図159は、第8の実施形態の変形例の小当り図柄と、小当り図柄ごとの特別小当り演出用パラメータの一例を示す図である。第8の実施形態の遊技機10は、1つの小当りを2つの小当り図柄で表すこととしたが、第8の実施形態の変形例の遊技機10は、1の小当りを3つの小当り図柄で表す。
遊技機10は、図159(1)に示すように、3つの小当り図柄を有する。たとえば、小当り図柄1は、図柄群「三角、三角、三角」であり、小当り図柄2は、図柄群「星、星、星」であり、小当り図柄3は、図柄群「星群、星群、星群」である。
図159(2)に示すように、遊技機10は、これら3つの小当り図柄にメーターレベル加算数を設定する。3つの小当り図柄のうち小当り図柄1は、特定の小当り図柄でなく、小当り図柄2,3は、特定の小当り図柄である。
特定の小当り図柄でない小当り図柄1は、メーターレベル加算数を「0」とする。小当り図柄2は、メーターレベル加算数を「1」とし、小当り図柄3は、メーターレベル加算数を「MAX」とする。すなわち、遊技機10は、小当り図柄2を表示するとメーターレベルを「1」加算し、小当り図柄3を表示するとメーターレベルをフルまで加算する。
このように、遊技機10は、1つの小当りに3つ以上の小当り図柄を設定してもよく、そのうちの2つ以上を特定の小当り図柄としてメーターレベル加算数を違えるようにしてもよい。また、遊技機10は、特定の小当り図柄のうち少なくとも1つにメーターレベル加算数「MAX」を設定することで、時機を逸することなくメーターレベルをフルにすることができる。
これにより、遊技機10は、小当り図柄に応じてメーターレベル加算数を違えることができ、単調になりかねない遊技に抑揚を演出することができる。また、遊技機10は、単調になりかねない遊技のうちから当りの期待感を遊技者に感得させ得る。
なお、遊技機10は、メーター表示680を介して特別小当り演出をおこなうとしたが、小当り図柄が所定の態様となった場合にメーター表示680を介さずに特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、メーター表示680を介さずに特別小当り効果表示681,682,683,685や、メーターフル効果表示686,687,688,689を表示して、保留表示605や保留消化表示606に直接に作用するような特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。
なお、遊技機10は、メーターフル効果表示687としてキャラクタを表示し、待機表示中の大図柄群601の変動表示に作用する演出をおこなうとしたが、その他の表示や、その他の演出に作用するものであってもよい。たとえば、遊技機10は、キャラクタを保留表示605や保留消化表示606に直接に作用するようにしてもよいし、ステップアップ予告やスーパーリーチ(スペシャルリーチ)のタイトル予告、疑似連予告等の各種予告報知態様をランクアップ(期待度の高い態様に変化)させるようにしてもよい。
なお、遊技機10は、メーター表示680を表示装置41に表示するとしたが、レベル変化を報知可能であればこれに限らない。たとえば、遊技機10は、ガラス枠15が備える枠装飾装置18(図1参照)や、プッシュボタン25が備えるプッシュボタンLED(図62参照)、遊技盤3000に設けられる演出ランプ540(図76参照)等の発光部の発光態様を変化させてメーター表示680に代わる特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。より具体的には、遊技機10は、枠装飾装置18のうち遊技機10の側面にある星の意匠を有する発光部の点灯数や発光色等の点灯態様によってメーター表示680に代わる特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、プッシュボタン25が備えるプッシュボタンLEDの点灯数や発光色等の点灯態様によってメーター表示680に代わる特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、演出ランプ540の表示内容(固定イメージ表示の変更やアニメーション表示(図79(3)参照))や発光色(白から青、青から赤等への色彩変更(図79(3)参照))等の表示態様によってメーター表示680に代わる特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。
また、遊技機10は、スピーカ19a,19bが出力する音の音量(大小)や音調(高低)、音声(Lv1、Lv2、…)等の音出力態様によってメーター表示680に代わる特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、盤演出装置550,551(図80参照)等の動作態様(動作量の大小、動作位置)によってメーター表示680に代わる特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。
なお、遊技機10は、当り確率を変更可能な設定変更装置を有するようにしてもよい。たとえば、設定変更装置は、1または2以上(たとえば、6段階や3段階)の設定レベルのうちから1つを設定可能であり、大当り確率と小当り確率とを設定レベルごとに違えることができる。遊技機10は、設定されている設定レベルに応じた選択確率で、小当り時に特定の小当り図柄を表示するようにしてもよい。具体的には、遊技機10は、設定レベル1と設定レベル2とで特定の小当り図柄の出現率を違えることで、特定の小当り図柄の表示に設定示唆演出としての機能を付与することができる。これにより、遊技機10は、遊技者に対して設定値を推測する遊技を提供することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
なお、遊技機10は、特定の小当り図柄を表示するときに特別小当り演出をおこなうとしたが、非特定の小当り図柄やはずれ図柄を表示するときであっても所定確率で特別小当り演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、はずれ図柄を表示するときであってもメーターフル演出を実行してもよい。たとえば、遊技機10は、保留記憶の先読み結果にしたがいメーターフル演出を実行するが、はずれ時には特定の小当り図柄を表示することができないので、はずれ図柄を表示してメーターフル演出を実行する。このとき、遊技機10は、通常のはずれ図柄と異なる特定のはずれ図柄(たとえば、メーターフルを意味する特殊図柄等)を表示してもよい。また、遊技機10は、はずれ時にメーター表示680をメーターフルに至らせることなくメーターフル演出を実行するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、非特定の小当り図柄を表示したときに実行される演出表示を、はずれ図柄を表示するときにも実行可能としてもよい。このとき、遊技機10は、特定の小当り図柄を表示したときに実行される演出表示を、はずれ図柄を表示するときに実行不可としてもよい。
なお、遊技機10は、図154において、メーター表示680における告知ランプと同態様の告知ランプを、メーター表示680における告知ランプと併せて保留表示605や保留消化表示606に表示したが、メーター表示680における告知ランプに代えて保留表示605や保留消化表示606に表示するようにしてもよい。具体的には、メーター表示680における告知ランプを分離して保留表示605や保留消化表示606に移動表示させてもよいし、あるいはメーター表示680における告知ランプを保留表示605や保留消化表示606にエフェクト等で作用させて保留表示605や保留消化表示606の表示態様を告知ランプと同態様にした後でメーター表示680における告知ランプを非表示としてもよい。
また、遊技機10は、メーター表示680における告知ランプと同態様の告知ランプを保留表示605や保留消化表示606に表示させる演出(告知ランプ演出)を、メーター表示680をメーターフルに至らせることなくおこなうようにしてもよい。その場合、遊技機10は、メーター表示680の表示態様に応じて告知ランプの表示態様を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、メーター表示680がメーターフルのとき告知ランプを赤色点灯とし、メーターフルでないとき告知ランプを青色点灯や緑色点灯とすることができる。また、遊技機10は、メーター表示680がメーターフルのとき保留表示605や保留消化表示606の全部を告知ランプと同態様とし、メーターフルでないとき保留表示605や保留消化表示606のうちの一部を告知ランプと同態様とすることができる。また、遊技機10は、メーター表示680がメーターフルのとき保留表示605や保留消化表示606の告知ランプを大きく表示し、メーターフルでないとき保留表示605や保留消化表示606の告知ランプを小さく表示することができる。これにより、遊技機10は、メーター表示680がメーターフルに至らない場合であっても保留記憶の先読み結果にしたがいメーターフル演出を実行することができる。
なお、遊技機10は、小当り図柄の種別に応じて模様が異なることでメーターレベル加算数を違えたが(図159参照)、小当り図柄の種別に代えて、あるいは小当り図柄の種別に加えて色彩や大きさを違えてメーターレベル加算数を違えるようにしてもよい。これにより、遊技機10は、メーターレベル加算数をより詳細に設定することができ、メーターレベルの加算演出をより柔軟におこなうことができる。
なお、遊技機10は、複数の演出モード(ステージ)を有するときに、演出モードごとに小当り図柄(特定の小当り図柄と非特定の小当り図柄のうち少なくとも一方)を違えるようにしてもよいし、共通のものとしてもよい。遊技機10は、複数の演出モードで小当り図柄(少なくとも特定の小当り図柄)を共通とする場合に、演出モードによってメーターレベル加算数を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、第1の演出モードで小当り図柄1(非特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「0」とし、小当り図柄2(特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「1」とし、第2の演出モードで小当り図柄2(非特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「0」とし、小当り図柄1(特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「1」とする。あるいは、遊技機10は、第1の演出モードで小当り図柄1(非特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「0」とし、小当り図柄2(特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「1」とし、小当り図柄3(特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「MAX」とし、第2の演出モードで小当り図柄3(非特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「0」とし、小当り図柄2(特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「1」とし、小当り図柄1(特定の小当り図柄)をメーターレベル加算数「MAX」とする。
なお、遊技機10は、特殊図柄としての小当り図柄を用意してもよい。たとえば、遊技機10は、所定の遊技状態(たとえば、小当りRUSH)の終了を特殊図柄により案内するようにしてもよい。具体的には、遊技機10は、小当りRUSHの終了時に小当り図柄1として図柄群「三角、三角、三角」を表示(小当り図柄2として図柄群「星、星、星」を表示でもよい)した後に、図柄群「終、終、終」や図柄群「お、わ、り」を表示することで小当りRUSHの終了を案内する。なお、遊技機10は、特殊図柄によって遊技状態の終了を案内することに限らず、新たな遊技状態の開始を案内してもよいし、現在の遊技状態を案内してもよいし、その他所要の情報を通して遊技案内をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、右打ちから左打ちに切り替わるとき、小当り図柄1として図柄群「三角、三角、三角」を表示(小当り図柄2として図柄群「星、星、星」を表示でもよい)した後に、図柄群「左、打、ち」を表示することで左打ちを案内する。
なお、遊技機10は、遊技状態の遷移(たとえば、高確率状態(特定遊技状態)から低確率状態(通常遊技状態)への復帰時に、メーター表示680のメーターレベルをリセットしてもよいし、持ち越してもよい。遊技機10は、通常遊技状態において所要のイベント発生時にメーターレベルを更新して特定の遊技演出をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、通常遊技状態において図柄停止タイミングやスーパーリーチ(スペシャルリーチ)の出現タイミング、はずれ停止タイミング等でメーターレベルを更新することができる。
なお、遊技機10は、図158(2)において1の小当り種別(開放態様種別)に2の小当り図柄を対応させるとしたが、1の小当り種別に1の小当り図柄を対応させるようにしてもよい。
なお、遊技機10は、はずれ図柄を表示した場合に、メーター表示680のメーターレベルをデクリメント、あるいはリセットするようにしてもよい。また、遊技機10は、はずれ図柄を表示した場合に、小当り図柄を表示した場合と同様にメーター表示680のメーターレベルをインクリメントするようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、はずれ図柄の出現率が小当り図柄の出現率よりも小さい場合に、はずれ図柄の表示にもとづいてメーター表示680のメーターレベルをインクリメントすることができる。また、遊技機10は、はずれ図柄の出現率に応じてインクリメント量やデクリメント量を加減するものであってもよい。
また、遊技機10は、小当り図柄を表示する場合と比較してはずれ図柄を表示する場合、メーター表示680のメーターレベルの更新に対する期待感を抑制してもよい。たとえば、遊技機10は、はずれ図柄の出現率が小当り図柄の出現率よりも大きい場合に、はずれ図柄の表示にもとづくメーター表示680のメーターレベルの更新に対する期待感を抑制することができる。この場合、遊技機10は、はずれ図柄の停止態様(図柄の表示態様や動作態様等を含む)に応じてメーター表示680のメーターレベルの更新に対する期待感を異ならせてもよい。たとえば、遊技機10は、図柄群「4、5、6」等の順目、図柄群「3、3、7」等のリーチはずれ目のようなあらかじめ設定するチャンス目と、図柄群「4、8、1」等のばらけ目とでインクリメント量やデクリメント量を加減するものであってもよい。より具体的には、遊技機10は、ばらけ目よりもチャンス目に対してメーター表示680のメーターレベルの更新に対する期待感を抑制する。あるいは、遊技機10は、チャンス目よりもばらけ目に対してメーター表示680のメーターレベルの更新に対する期待感を抑制する。
上述した第8の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の結果として当り態様(たとえば、大当り図柄)と非当り態様(たとえば、大当り図柄以外)のうち当り態様である場合に特別遊技状態(たとえば、大当り)を生起可能であって、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御部は、非当り態様に含まれる第一態様(たとえば、小当り図柄2(特定の小当り図柄))と第二態様(たとえば、小当り図柄1(非特定の小当り図柄))とで特別遊技状態と異なる特定遊技状態を生起するものとし、非当り態様に含まれる第三態様(たとえば、はずれ図柄)で特定遊技状態を生起しないものとし、第一態様と第二態様のうち第一態様である場合に第一演出(たとえば、特別小当り演出)を実行し、第一演出が所定の実行結果を導出した場合に当り態様に関連する第二演出(たとえば、メーターフル演出)を実行する。
(2)(1)の制御部は、ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果(保留記憶の先読み結果)に関連して第一演出の実行結果を導出する。
(3)遊技機10は、ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム:大図柄群601、小図柄群602)の結果として当り態様(たとえば、大当り図柄)と非当り態様(たとえば、大当り図柄以外)のうち当り態様で識別情報を表示部(たとえば、表示装置41における大図柄群601や小図柄群602の表示領域)に表示することに関連して特別遊技状態(たとえば、大当り)を生起可能であって、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御部は、非当り態様に含まれる第一態様(たとえば、小当り図柄2(特定の小当り図柄))と第二態様(たとえば、小当り図柄1(非特定の小当り図柄))とで遊技者に有利な遊技状態を生起とし、第三態様(たとえば、はずれ図柄)で遊技者に有利な遊技状態を非生起とし、第一態様と第二態様のうち第一態様を表示部に表示した場合に第一演出(たとえば、特別小当り演出)を実行し、第一演出が所定の実行結果を導出した場合に当り態様の表示に関連する第二演出(たとえば、メーターフル演出)を実行する。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。