実施の形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を、例えば上から下に移動するように可変表示する。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄(演出図柄)の可変表示を行う。この実施の形態では、飾り図柄は、「1」〜「8」の数字である。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときと、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技盤6における左下方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示部18cという。)が設けられている。なお、特別図柄保留記憶表示器18が設けられているので、保留記憶表示部18cは、設けられていなくてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
特別図柄表示器8において、特別図柄の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。ラウンドの回数は例えば15回である。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが、停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、または、リーチ演出が実行されずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後、リーチ演出が実行された後に、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
また、この実施の形態では、確変状態に制御される場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせ(確変図柄)と、確変状態に制御されない場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせ(非確変図柄)とを別にする。しかし、確変状態に制御されないときにも確変状態に制御されるときにも同様に大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせ(大当り図柄)を使用し、遊技機に設けられている演出装置(演出表示装置9、各種LED、スピーカ27等)を用いて確変大当りの発生を報知してもよい。
ただし、後述する確変潜伏状態では、確変大当りの発生を積極的に報知する演出を行わず、確変状態であるか否かを、遊技者が認識しづらいようにする。また、確変潜伏状態は、遊技状態は確変状態であるが、飾り図柄の停止図柄の組み合わせとして、非確変図柄が使用される。すなわち、確変潜伏状態では、遊技状態は確変状態であるが通常状態における遊技演出と共通の遊技演出が行われる。また、演出表示装置9に表示される背景画像(飾り図柄やキャラクタ画像を除く部分の画像)を確変潜伏状態(大当り判定等の制御上は確変状態)と通常状態(非確変状態)とで同じにしたり、リーチ演出を確変潜伏状態と通常状態とで同じにしたりすることによって、通常状態における遊技演出と確変潜伏状態における遊技演出とが共通であるようにしてもよい。
なお、大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせを、確変状態に制御されない場合にも確変状態に制御される場合にも同様に使用するようにしてもよい。すなわち、確変状態に制御される場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせと、確変状態に制御されない場合の大当りの飾り図柄の停止図柄の組み合わせとを共通にし、確変状態になるか否かを、飾り図柄の可変表示結果から認識することはできないようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、例えば、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。ただし、確変潜伏状態では、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率は高くならない。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6における右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および飾り図柄の可変表示は、始動入賞口への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン150が設けられている。操作ボタン150には、遊技者が押圧操作することが可能な押圧操作部が設けられている。なお、操作ボタン150には、押圧操作部だけでなく、遊技者による回転操作が可能な回転操作部も設けられている。遊技者は、回転操作部を回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25や枠側に設けられている枠LED28等の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出制御プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン150に対する押圧操作に応じた操作信号(押下信号)を操作ボタン150から入力する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22の処理で駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS32において、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)になった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)になった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)になったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS33において、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1および非リーチPB1−2、非リーチPC1−1および非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。なお、リーチ演出α1〜リーチ演出α2やリーチ演出β1,β2では、変動期間中に、例えば、他の変動パターンでは現れないキャラクタ画像が演出表示装置9に表示される。
図7は、可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−8、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−4、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−4、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−4、スーパーPD1−1およびスーパーPD1−2の変動パターンが用意されている。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2−1)ランダム2−1(MR2−1):大当りの種類(確変大当たり、通常大当り、確変潜伏)を決定する(大当り種別判定用)
(2−2)ランダム2−2(MR2−2): リーチとするか否か決定する(リーチ判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2−1)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2−2、ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用乱数(ランダム2−1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「確変潜伏」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「確変潜伏」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、「確変潜伏」とは、遊技状態は確変状態であるが、確変状態であることを遊技者に積極的に報知しない状態を意味する。以下、確変潜伏を、内部的に確変状態になっていると表現することがある。
図10(A)〜(D)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dは、図11(E)に示すようなテーブル選択規則に従って選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるか、および大当り種別の判定結果に応じて選択される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dには、大当り種別の判定結果が「通常」、「確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−4、スーパーCB3−1、スーパーCB3−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、「確変潜伏」とすることに決定された場合には、CPU56は、大当り種別の判定結果が「通常」である場合に使用する大当り用変動パターン種別判定テーブルと同じ大当り用変動パターン種別判定テーブルを使用する。
一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態(時短状態を含む。)である場合に、大当り種別が「通常」である場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変」である場合に用いられる図10(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられていない。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられず、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。
このように、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれかである場合に、遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bや(通常状態のときに選択)と、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132D(確変状態のときに選択)とを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、通常状態のときに選択されるテーブルと、時短状態のときに選択されるテーブルとを別にしてもよい。テーブルとを別にした場合には、時短状態のときに選択されるテーブルには、変動時間が短い変動パターンがより高い割合で選択されるように、変動時間が短い変動パターンに対して多くの判定値が割り当てられる。
また、大当り種別が「通常」に決定された場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図10(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132CではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられていない。このように、大当り種別が「通常」、「確変」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132C(「通常」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132B,132D(「確変」のときに選択)を比較すると、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられることがある。よって、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能になり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図12(A)〜(C)は、大当り後の遊技状態を示す説明図である。図12(A)に示すように、通常大当りとすることに決定された場合には、大当り遊技の終了後に、100回の特別図柄および飾り図柄の変動が実行される間、時短状態に制御される。大当り確率は低確率である。図12(B)に示すように、確変大当りとすることに決定された場合には、大当り確率が、次に大当りが発生するまで高確率にされる。また、次に大当りが発生するまで、変動時間、普通図柄および可変入賞球装置15に関する制御が、時短状態の場合と同様に制御される。
図12(C)に示すように、確変潜伏とすることに決定された場合には、大当り遊技の終了後に、100回の特別図柄および飾り図柄の変動が実行される間、時短状態に制御される(具体的には、変動時間、普通図柄および可変入賞球装置15に関する制御が、通常大当り後の時短状態の場合と同様に制御される。)が、大当り確率は、次に大当りが発生するまで高確率にされる。なお、次に大当りが発生するまで、変動時間、普通図柄および可変入賞球装置15に関する制御を、確変潜伏ではない確変状態の場合(図12(A)参照)と同様に制御するようにしてもよい。
ただし、確変大当りに決定された場合とは異なり、飾り図柄の停止図柄の組み合わせは、通常大当りに決定された場合と同じ(非確変大当り図柄)である。また、確変大当りとすることの決定された場合には、その旨が演出装置等を用いて報知されるが、確変潜伏とすることに決定された場合には、演出装置等を用いた確変大当りの報知は実行されない。よって、遊技者は、内部的に確変状態になっている確変潜伏状態では、確変状態に移行したのか否かを把握できなかったり、把握しづらくなる。
なお、この実施の形態では、小当り遊技(図柄の変動終了後に大入賞口が例えば2回短時間開放するが、その後遊技状態は変更されない。)や、いわゆる突然確変大当り(図柄の変動終了後に大入賞口が例えば2回短時間開放し、その後に遊技状態が確変状態に制御される。)を用いないが、小当り遊技や突然確変大当り遊技を行うようにしてもよい。そして、突然確変大当り後に確変潜伏に移行するようにし、突然確変大当り遊技において大入賞口を例えば2回短時間開放するようにしてもよい。そのように構成する場合には、遊技者が、小当りが生じたのか、確変潜伏になったのかを把握しづらくなり、やはり、確変状態に移行したのか否か把握しづらくなる。
また、この実施の形態では、大当りになったときには大入賞口が15回開放するが、15回開放する大当りとは別に、例えば2回大入賞口が開放する非確変大当り(2ラウンド通常大当り)を用いてもよい。そして、突然確変大当り遊技終了後に確変潜伏に移行可能にし、確変潜伏に移行するときには、大当り遊技において大入賞口を例えば2回短時間開放するようにしてもよい。そのように構成する場合には、遊技者が、確変状態に移行させない2ラウンド大当りが生じたのか、確変潜伏になったのかを把握しづらくなり、やはり、確変状態に移行したのか否か把握しづらくなる。なお、突然確変大当りも、遊技者にとって有利な特定遊技状態に該当する。
図13(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ判定テーブル134A〜134Cを示す説明図である。リーチ判定テーブル134A〜134Cは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを、リーチ判定用乱数(ランダム2−2)にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、図13(D)に示すようなテーブル選択規則に従って選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるかに応じて選択される。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、リーチ判定用乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果のいずれかに対応する判定値を含む。図13(D)を参照すると、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて、「非リーチ」に割り当てられている判定値数が多いので、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
例えば、図13(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。また、保留記憶数が「1」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割り当てられている。さらに、保留記憶数が「2」である場合に対応して非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割り当てられている。保留記憶数が「3」である場合や「4」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5に割り当てられている。このような設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
なお、確変潜伏状態では、CPU56は、通常状態の場合と同様のリーチ判定テーブルを使用する。
図14(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態にする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
例えば、図14(A)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは、リーチHA2−1にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「128」の範囲の値(判定値)がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられ、それ以外の値がスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り当てられている。また、リーチHA2−2にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「170」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられている。さらに、リーチHA2−3にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「182」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられている。リーチHA2−1には、図13(A)に示すリーチ判定テーブル134Aによって、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用乱数(ランダム2−2)の値と比較される判定値が割り当てられている。リーチHA2−2には、保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、判定値が割り当てられている。リーチHA2−3には、保留記憶数が「3」や「4」である場合に対応して、判定値が割り当てられている。これらの設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図15(A)〜(C)は、ROM54に記憶されている非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cを示す説明図である。非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にしない旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態にしない旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図16および図17は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図18および図19は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン138A、138Bを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、リーチ状態にするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。
はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。はずれ変動パターン判定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
この実施の形態では、図10および図13〜図15に示された変動パターン種別判定テーブルと、図16〜図19に示された変動パターン判定テーブルとが設けられ、CPU56は、まず、変動パターン種別判定テーブルと変動パターン種別判定用乱数とを用いて変動パターン種別を決定し、次に、変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。よって、変動パターンの振分率(出現率)を、既存の振分率(例えば、既存の機種の振分率)から一部変更したいような場合に、変動パターン種別の振分率を変更したり(変動パターンの振分率を変えない。)、関連する変動パターン種別における変動パターンの振分率を変えるだけでよく(この場合、変動パターン種別の振分率を変えない。)、既存の機種からの設計変更等は容易である。なお、変動パターン種別の概念を含まない場合には、変動パターンの振分率を一部変更したいような場合でも、全ての変動パターンについての振分率を変更することになる。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図20に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。「(H)」は16進数であることを示す。なお、変動パターンXX(XXは整数)は、図6および図7に示された変動パターンのいずれかに対応する。また、変動パターンコマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。また、変動パターンによて変動時間を特定可能であり、変動パターンコマンドは、飾り図柄の変動時間を特定可能なコマンドに相当する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りにするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて飾り図柄および飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレコマンド)である。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC2XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドC400(H)は、確変潜伏状態において無効始動入賞が発生したこと、すなわち確変潜伏状態において保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞が発生したことを示す演出制御コマンド(無効始動入賞指定コマンド)である。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。コマンドE402(H)は、確変潜伏状態であることを指定するための確変潜伏指定コマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図20に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンド、表示結果特定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間(変動時間)が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図21は、特別図柄および飾り図柄の可変表示(変動)の実行条件を成立させることになる条件である始動入賞(第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の入賞)と特別図柄および飾り図柄の変動等との関係の一例を示す説明図である。なお、保留記憶数が4未満である場合に発生した始動入賞は、特別図柄および飾り図柄の可変表示の実行を可能にする可変表示の実行条件を成立させるが、保留記憶数が4である場合に発生した始動入賞は、可変表示の実行条件を成立させず、無効始動入賞になる。
図21(A)には、確変潜伏状態にある場合に、大当り遊技が実行されていないときに無効始動入賞が発生した場合の例が示されている。無効始動入賞が発生したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して無効始動入賞指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、無効始動入賞指定コマンドを受信すると、遊技状態が確変状態である可能性を報知するための演出すなわち遊技状態が確変状態である旨を示唆する演出(示唆演出)を実行することが可能になったことを示す確変示唆演出可能表示を演出表示装置9において行う。
図21(B)には、確変潜伏状態にある場合に、大当り遊技中に、無効始動入賞が発生した場合の例が示されている。図21(B)に示す例でも、無効始動入賞が発生したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して無効始動入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変示唆演出可能表示を行う。
なお、確変示唆演出可能表示がなされた後、実際に示唆演出が実行されるのは、特別図柄および飾り図柄の変動が開始された時点以降である。また、図21には、図柄の変動中または大当り遊技中に無効始動入賞が生じた場合の例が示されているが、図柄の変動中でもなく大当り遊技中でもないときに無効始動入賞が生ずることもある。
図22は、示唆演出の一例を示す説明図である。なお、図22では、演出表示装置9の表示画面が矩形で示されているが、実際には略円形である(図1参照)。また、図22に示す演出等が行われているときに、確変潜伏状態であるとする。
図22には、保留記憶数が4であるときに飾り図柄の変動が開始されて保留記憶数が3に減ったことが示されている(図22(A),(B)参照)。また、変動が終了する前に、2個の遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図22(C),(D)参照)。すなわち、2回の始動入賞が生じたことが示されている。最初の始動入賞が生じたときに保留記憶数は4に達するので、2回目の始動入賞は無効始動入賞である。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して無効始動入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変示唆演出可能表示を行う。ただし、図22では、確変示唆演出可能表示については記載省略されている。なお、図22(D)には、無効始動入賞が生じたことを報知するために、保留記憶表示部18cにおける4つ目の保留記憶に対応する表示の態様が、他の保留記憶に対応する表示の態様から変更されていることが示されている。
飾り図柄の変動が終了したときには保留記憶数は4である(図22(D)参照)。そして、次の飾り図柄の変動が開始されて保留記憶数が3に減ったことが示されている(図22(E)参照)。
また、図22(E)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9に表示される背景(飾り図柄やキャラクタ画像以外の地の画像)の態様を変更することによって示唆演出を実行する例が示されている。具体的には、雲が存在する空の背景画像から、海中の背景画像に変更されている。
さらに、変動中に、2個の遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図22(F)参照)。最初の始動入賞が生じたときに保留記憶数は4に達するので、2回目の始動入賞は無効始動入賞である。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して無効始動入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変示唆演出可能表示を行う。
変動が終了したときには保留記憶数は4になっている(図22(G)参照)。そして、次ぐの飾り図柄の変動が開始されて保留記憶数が3に減ったことが示されている(図22(H)参照)。また、図22(H)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9に表示される背景の態様を変更することによって示唆演出を実行する例が示されている。具体的には、海中の背景画像から、昼間の山の背景画像に変更されている。
さらに、変動中に、2個の遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図22(I)参照)。最初の始動入賞が生じたときに保留記憶数は4に達するので、2回目の始動入賞は無効始動入賞である。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して無効始動入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変示唆演出可能表示を行う。
変動が終了したときには保留記憶数は4になっている(図22(J)参照)。そして、次の飾り図柄の変動が開始されて保留記憶数が3に減ったことが示されている(図22(K)参照)。また、図22(K)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9に表示される背景の態様を変更することによって示唆演出を実行する例が示されている。具体的には、昼間の山の背景画像から、夜の空の背景画像に変更されている。
図23は、示唆演出の他の例を示す説明図である。なお、図23では、演出表示装置9の表示画面が矩形で示されているが、実際には略円形である。また、図23に示す演出等が行われているときに、確変潜伏状態であるとする。
図23には、保留記憶数が4であるときに飾り図柄の変動が開始されて保留記憶数が3に減ったことが示されている(図23(A),(B)参照)。また、変動が終了する前に、2個の遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図23(C)参照)。すなわち、2回の始動入賞が生じたことが示されている。最初の始動入賞が生じたときに保留記憶数は4に達するので、2回目の始動入賞は無効始動入賞である。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して無効始動入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変示唆演出可能表示を行う。ただし、図23では、確変示唆演出可能表示については記載省略されている。
図23には、示唆演出として操作ボタン演出が行われる例が示されている。操作ボタン演出とは、操作ボタン150が操作(例えば、押下)されたことに応じて開始される演出である。図23には、飾り図柄の変動開始時に、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9に、操作ボタン演出の一部を構成する箱の画像9fを表示するとともに、操作ボタン150の操作を促す画像9eを表示する制御を行った例が示されている(図23(D)参照)。なお、図23には、無効始動入賞が生じたことを報知するために、保留記憶表示部18cにおける4つ目の保留記憶に対応する表示の態様が、他の保留記憶に対応する表示の態様から変更されていることが示されている(図23(D)参照)。
また、飾り変動が開始されるときには保留記憶数は4である(図23(D)参照)。そして、飾り図柄の変動が開始されて保留記憶数が3に減ったことが示されている(図23(E)参照)。
遊技者が、操作ボタン150を押下すると、演出制御用マイクロコンピュータ100が、操作ボタン演出の一部を構成するキャラクタ画像Bの画像9bを表示する制御を行った例が示されている(図23(E)参照)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン演出を行う場合に、キャラクタ画像の種類を選択する処理を行う。この実施の形態では、キャラクタ画像として、図24(A)〜(D)に示すキャラクタ画像A、キャラクタ画像B、キャラクタ画像Cおよびキャラクタ画像Dの4種類がある。
図25は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否か決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図26は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)であるか否かを確認する(ステップS211)。保留記憶数カウンタの値が上限値であれば、ステップS216に移行する。
保留記憶数カウンタの値が上限値になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2,5,6:図8参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS214)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS215)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
ステップS216では、CPU56は、遊技状態が確変状態であるが確変潜伏状態になっているか、または低確率状態(通常状態(時短状態を含む)すなわち非確変状態)になっているか否か確認する。なお、確変潜伏状態であるか否かは、確変潜伏フラグがセットされているか否かによって判定される。また、確変潜伏状態でない場合に、低確率状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かによって判定される。
遊技状態が確変状態であるが確変潜伏状態になっているか、または低確率状態になっている場合には、CPU56は、無効始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS217)。
なお、低確率状態であるときにも無効始動入賞指定コマンドを送信するのは、この実施の形態では、確変潜伏状態である場合に比べると実行頻度は低いが、低確率状態においても、示唆演出を実行するためである。示唆演出は確変状態である可能性を報知する演出であるから、低確率状態であるときにも実行される。ただし、低確率状態であるときに示唆演出が実行されても、実際には、確変状態である可能性は0である。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域に格納されているランダムRの値が大当り判定値(図9(A)参照)のいずれかと一致するか否か確認する。一致した場合には、ステップS71に移行する(ステップS54)。なお、ステップS54の処理が大当り判定の処理である。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態(内部的に確変状態である確変潜伏状態も含む。)であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグや確変潜伏フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りとすることに決定されている場合に、大当り遊技を開始するときにリセットされる。また、確変潜伏フラグは、確変潜伏状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。
確変潜伏状態でも、実際には、遊技状態は確変状態である。すなわち、大当りに決定される確率が向上している状態である。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図9(B)に示す大当り種別判定テーブル131を選択する(ステップS72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用乱数(ランダム2−1)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「確変潜伏」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。なお、例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「確変潜伏」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。なお、上述したように、「確変潜伏」に決定された場合にも、大当り遊技終了後に、遊技状態が確変状態に制御される。ただし、確変状態であることの積極的な報知はなされない。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされて場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図11(E)に示すテーブル選択規則に従って、遊技状態にもとづいて大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS101に移行する。なお、CPU56は、遊技状態を、確変フラグ、確変潜伏フラグおよび時短フラグの状態によって判定できる。
大当りフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかにもとづいて、図13(D)に示すテーブル選択規則に従って、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために使用するテーブルとして、リーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択する(ステップS95)。また、ランダム2−2を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム2−2を抽出する(ステップS96)。そして、CPU56は、選択したリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかにおける保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム2−2の値と一致する値に対応したリーチ状態の有無を示すデータによって、リーチするか否かと、リーチしない場合の演出の種別またはリーチする場合のリーチの種別を決定する(ステップS97)。なお、ステップS97の処理で用いられる保留記憶数として、ステップS53の処理で−1される前の値を用いてもよい。
リーチすることに決定した場合には、ステップS97の処理で決定されたリーチの種別(リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1またはリーチHC2−1)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択する(ステップS99)。リーチしないことに決定した場合には、ステップS97の処理で決定された演出の種別(非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1または非リーチHC1−2)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択する(ステップS100)。そして、ステップS101に移行する。
ステップS101では、CPU56は、ランダム3を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム3の値を抽出する。そして、抽出したランダム3の値にもとづいて、ステップS92、S99またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A,137B、はずれ変動パターン判定テーブル138A,138Bのうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム4の値を抽出する(ステップS104)。そして、抽出したランダム4の値にもとづいて、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。
次いで、決定した変動パターンに対応した演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図29は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS114に移行する。大当りフラグがセットされている場合には、決定されている大当り種別が「確変」である場合には、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。「確変」でない場合には、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。なお、CPU56は、大当りの種別を、大当り種別バッファに設定されているデータによって判定できる。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1減らし(ステップS115)、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS116)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における表示結果特定コマンド格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS117)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りがセットされていない場合には、ステップS138に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグ、時短フラグおよび確変潜伏フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
ステップS138では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS139)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短フラグをリセットする(ステップS140,S141)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS142)。
図32は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。例えば、最大時間は29秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS407)。
図33および図34は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば5秒である。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS442)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを、例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS444)。
図35は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS451)。大入賞口制御タイマの値が0でない場合には(ステップS452)、処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になった場合には、大当り種別を示すデータが確変大当り(確変潜伏に決定された場合を含まない。)を示すデータであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS453,S454)。また、高確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS455)。そして、ステップS462に移行する。
大当り種別を示すデータが確変大当りでないときには、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットし(ステップS456)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS457)。そして、大当り種別を示すデータが確変潜伏でない場合には(ステップS458)、低確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS461)。そして、ステップS462に移行する。
大当り種別を示すデータが確変潜伏である場合には、確変潜伏フラグをセットし(ステップS459)、確変潜伏状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行い(ステップS460)、ステップS462に移行する。
ステップS462では、大当りフラグをリセットする。また、RAM55における大当り種別を示すデータをクリア(0にする)する(ステップS463)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS464)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図36は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。そして、ステップS702に移行する。
図37および図38は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示部18cにおける点灯個数を、保留記憶数指定コマンドにおけるEXTデータ(2バイト目)で示される数にする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示部18cにおける点灯個数を1減らす(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが無効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、無効始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。また、演出表示装置9に、示唆演出が実行可能になったことを示す確変演出可能報知の画像を表示する制御を行う(ステップS629)。確変演出可能報知の画像は、一例として、「始動入賞するとモードが変わる」の文字画像であるが、始動入賞が促されていることを遊技者が認識可能であれば、他の内容の画像でもよい。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグおよび確変潜伏状態フラグをリセットする(ステップS652)。また、受信した演出制御コマンドが高確率状態指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが確変潜伏指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、確変潜伏状態フラグをセットする(ステップS656)。
なお、演出制御用CPU101は、高確率状態指定コマンドを受信したときに、遊技機に設けられている演出装置等を用いて「確変状態」であることを報知し、低確率状態指定コマンドを受信したときに、「確変状態」であることの報知を止める。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3、確変可能性演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。
確変可能性演出決定用乱数SR2は、遊技状態が確変状態である期待度を報知する示唆演出を実行するか否かを決定するとともに、示唆演出を実行する場合の演出の種類を決定するために用いられる乱数である。
各乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図36に示す乱数更新処理(ステップS702)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図39に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図39に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、所定の非リーチの組み合わせになる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図40(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cが記憶されている。図40(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図40(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)であって、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図40(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図41に示すような左右出目判定テーブル161が記憶され、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR14のいずれに該当するかの判定が行われる。図40(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR14のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図42(A)および図42(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A、162Bが記憶されている。図42(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる飾り図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図42(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチはずれ組み合わせとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
リーチはずれ組み合わせを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる飾り図柄の図柄番号との差分値である図柄差によって、特定される。すなわち、飾り図柄の可変表示において、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示する場合に、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。決定された図柄差に応じて、「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定飾り図柄が決定される。最終停止図柄決定テーブル162Bは、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2の変動パターンのいずれかである場合や、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかである場合、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−1〜PB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンのいずれかである場合、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8の変動パターンのいずれかである場合に応じて、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、大当り組み合わせやを決定するためのテーブルとして、例えば、図43に示す最終停止図柄決定テーブル163Aが記憶されている。図43に示す最終停止図柄決定テーブル163Aは、大当り図柄となる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aは、通常大当りにするときに用いられるテーブル(図43における左欄)と、確変大当りにするときに用いられるテーブル(図43における右欄)とを含む。最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当りにするときに用いられるテーブルには、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」(通常大当り図柄)に対応するデータ(判定値)を含む。最終停止図柄決定テーブル163Aにおける確変大当りにするときに用いられるテーブルには、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「1」、「3」、「5」、「7」(確変大当り図柄)に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図44に示すように、示唆演出を実行するか否かを決定するとともに、示唆演出を実行する場合の演出の種類(報知態様)を決定するための確変可能性報知態様決定テーブル172が記憶されている。演出制御用CPU101は、確変可能性報知態様決定テーブル172において確変可能性演出決定用乱数SR2に一致する判定値に対応した報知態様を、示唆演出として実行する報知態様に決定する。なお、演出制御用CPU101は、示唆演出を実行しないことに決定することもある。また、この実施の形態では、確変可能性報知態様決定テーブル172を用いて、示唆演出を実行するか否かを決定し、示唆演出を実行する場合の演出の種類を決定するが、示唆演出を実行するか否かを決定するためのテーブルと、演出の種類を決定するためのテーブルとを別にしてもよい。
確変可能性報知態様決定テーブル172には、図44(A)に示す確変潜伏状態において用いられるテーブルと、図44(B)に示す低確率状態において用いられるテーブルとがある。なお、図44(A)に示すテーブルにおいて、「示唆演出せず」に判定値は割り当てられていないが、「示唆演出せず」に判定値を割り当ててもよい。
「背景演出」は、図22に例示されたように、演出表示装置9の表示画面における背景を変更することによって確変状態である可能性を報知する演出である。また、「キャラクタA演出」、「キャラクタB演出」、「キャラクタC演出」および「キャラクタD演出」は、図23および図24に例示されたように、操作ボタン150の操作を演出の一部として確変状態である可能性を報知する演出である。
図44に示すように、低確率状態において用いられるテーブルには、示唆演出を実行しないことに対応した判定値が設定されているが、確変潜伏状態において用いられるテーブルには、示唆演出を実行しないことに対応した判定値は設定されていない。
また、低確率状態において用いられるテーブルには、キャラクタ画像A(図24(A)参照)を用いる演出(キャラクタA演出)に対応した判定値は設定されていない。従って、キャラクタA演出は確変潜伏状態においてのみ実行可能である。
また、図44(A)に示す判定値数と図44(B)に示す判定値数との違いから理解されるように、キャラクタ画像B(図24(B)参照)を用いる演出(キャラクタB演出)は、キャラクタ画像C(図24(C)参照)を用いる演出(キャラクタC演出)およびキャラクタ画像D(図24(D)参照)を用いる演出(キャラクタD演出)に比べて、確変潜伏状態において実行されやすい。また、キャラクタC演出は、キャラクタD演出に比べて、確変潜伏状態において実行されやすい。
よって、キャラクタ画像を用いる示唆演出では、キャラクタA演出が確変状態に対する信頼度が高く、次いで、キャラクタB演出の確変状態に対する信頼度が高く、その次にキャラクタC演出の確変状態に対する信頼度が高い。なお、演出の確変状態に対する信頼度が高いとは、演出が実行されると確変状態である可能性が高いということである。
図45は、図36に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):大当り遊技におけるラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図46は、図45に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図47および図48は、図45に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS814)。そして、演出制御用CPU101は、はずれとすることに決定されているか否か確認する(ステップS815)。はずれとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ステップS817)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、例えば、変動パターンコマンド格納領域に格納されていたデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチにならない飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS819)。ステップS819の処理では、図40(A)に示された最終停止図柄決定テーブル160Aを使用テーブルとして選択する。次いで、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することによって左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄を決定する。次に、図40(B)に示された最終停止図柄決定テーブル160Bを使用テーブルとして選択する。続いて、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−2の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することによって右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄を決定する。また、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせにもとづいて、図41に示された左右出目判定テーブル161を参照することによって、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれになるか判定する。次いで、図40(C)に示された最終停止図柄決定テーブル160Cを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値と左右出目タイプDC1−1とにもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することによって中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄を決定する。そして、ステップS821に移行する。
ステップS817の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチの組み合わせを構成する飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS818)。ステップS818の処理では、図42(A)に示された最終停止図柄決定テーブル162Aを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することによって左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の飾り図柄を決定する。次に、図42(B)に示された最終停止図柄決定テーブル162Bを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することによって左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄との図柄差を決定する。演出制御用CPU101は、決定した図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する。
以上のように、ステップS818の処理では、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄を決定する。次いで、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9Cにおける中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する。そして、ステップS821に移行する。
はずれとすることに決定されていない場合には(ステップS815)、演出制御用CPU101は、最終停止図柄としての大当り図柄を決定する(ステップS816)。具体的には、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1を抽出し、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1にもとづいて左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する。その際に、確変大当りとしない(通常大当りとする)ことに決定されている場合には、図43に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当り時のテーブルに設定されている判定値と停止図柄決定用乱数SR6とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。また、確変大当りとすることに決定されている場合には、図43に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける確変大当り時のテーブルに設定されている判定値と停止図柄決定用乱数SR6とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。そして、ステップS821に移行する。
なお、ステップS816の処理では、演出制御用CPU101は、確変潜伏状態フラグがセットされている場合には、通常大当りとする場合と同様に、図43に示す最終停止図柄決定テーブル163Aにおける通常大当り時のテーブルに設定されている判定値と停止図柄決定用乱数SR6とを比較し、一致した判定値に対応する左中右停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3とすることに決定する。
ステップS821では、演出制御用CPU101は、無効始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。無効始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、ステップS832に移行する。
無効始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、確変可能性演出決定用乱数SR2を抽出する(ステップS822)。そして、抽出した確変可能性演出決定用乱数SR2と確変可能性報知態様決定テーブル172とを用いて、報知(示唆演出)を実行するか否かと、実行する場合の報知態様を決定する(ステップS823)。なお、ステップS821の処理で無効始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、無効始動入賞指定コマンド受信フラグをリセットしておく。
ステップS823の処理で背景演出(図22参照)を実行することに決定した場合には(ステップS824)、演出制御用CPU101は、RAMに記憶されているデータが示す背景の態様から1段進んだ背景に切り替える制御を行う(ステップS825)。そして、RAMに記憶されている背景を示すデータを、切替後の背景を示すデータに変更する(ステップS826)。そして、ステップS832に移行する。
なお、「1段進んだ背景」とは、図22(D)に示す背景に対する図22(E)に示す背景や、図22(G)に示す背景に対する図22(H)に示す背景や、図22(J)に示す背景に対する図22(K)に示す背景である。また、遊技機に対して電力供給が開始されたときに実行する初期化処理(ステップS701)において、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に、図22(A)に示す背景(図22(B),(D)に示す背景と同じ)を表示する制御を行うとともに、図22(A)に示す背景を示すデータをRAMに記憶する。また、図22(K)に示す背景から1段進んだ背景は、例えば、図22(A)に示す背景である。
ステップS823の処理で操作ボタン演出(図23,図24参照)を実行することに決定した場合には(ステップS827)、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が操作された後に演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像の種類(図44および図24参照)を示すデータを記憶する(ステップS828)。また、ボタン演出開始待ちタイマに、操作ボタン演出開始(具体的には、操作ボタン150の操作を促す画像9eを表示するタイミング)までの時間に相当する値をセットする(ステップS829)。そして、操作ボタン演出を実行することを示すボタン演出決定フラグをセットし(ステップS830)、ステップS832に移行する。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動開始時から、ボタン演出開始待ちタイマがタイムアウトするまでの所定期間が経過したらボタン演出の実行を可能にするが、飾り図柄の変動開始時に、図23(D)に例示されたボタン操作可能画面を演出表示装置9に表示してボタン演出の実行を可能にしてもよい。そのように制御する場合には、例えば、後述するボタン演出開始前処理が最初に実行されたときにボタン演出開始待ちタイマが直ちにタイムアウトするように、図47に示すステップS829の処理でボタン演出開始待ちタイマに「1」をセットする。または、ステップS829の処理に代えて、後述するボタン演出開始前処理におけるステップS682〜S685の処理を実行し、飾り図柄変動中処理ではボタン演出開始前処理を実行しないようにする。
図49は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体の点滅を制御する。
図49に示すプロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。また、プロセステーブルは、予告演出のパターンにも応じて用意されている。
図50は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図50に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の演出が実現される。なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図51に示す図柄変動制御パターンテーブル180が記憶されている。図51に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、リーチ演出における演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。具体的には、図柄変動制御パターンには、図49に示すプロセステーブルが設定されている。
図48に示すステップS832において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブル180に格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうちのいずれかを使用パターンとして選択し、選択した図柄変動制御パターンに対応するプロセステーブルを選択する。
演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS834,S835)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(飾り図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS836)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS837)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS838)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS839)。
なお、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図52は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU101は、操作ボタン演出を実行することが決定されていることを示すボタン演出決定フラグがセットされている場合には(ステップS841)、ボタン演出開始前処理を実行する(ステップS842)。また、操作ボタン演出の実行中の期間であることを示す有効期間フラグがセットされている場合には(ステップS843)、ボタン演出処理を実行する(ステップS844)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS845)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS846)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS847)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS848)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS849)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS850)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS851)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS854)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS853)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。なお、飾り図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、飾り図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、図49に例示されたプロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は飾り図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく飾り図柄の演出制御は終了する。
図53は、ステップS842のボタン演出開始前処理を示すフローチャートである。ボタン演出開始前処理において、演出制御用CPU101は、ボタン演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS681)。そして、ボタン演出開始待ちタイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS682)、図23(D)に例示されたボタン操作可能画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS683)。また、有効期間タイマに、操作ボタン150の操作を有効にする期間(具体的には、操作ボタン150からの操作信号の入力の有無を確認する期間)に相当する値をセットする(ステップS684)。そして、有効期間フラグをセットする(ステップS685)。
図54は、ステップS844のボタン演出処理を示すフローチャートである。ボタン演出処理において、演出制御用CPU101は、操作ボタン150に対する操作があったか否か確認する(ステップS691)。すなわち、操作ボタン150から操作信号が出力されたか否か確認する。操作ボタン150に対する操作があった場合には、RAMに記憶されている種類のキャラクタ画像(キャラクタ画像A、キャラクタ画像B、キャラクタ画像Cまたはキャラクタ画像D:図24参照)を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS692)。そして、ステップS693に移行する。
操作ボタン150に対する操作がない場合には、有効期間タイマの値を−1する(ステップS693)。そして、有効期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS694)、キャラクタ画像を演出表示装置9に表示しているときには(ステップS692参照)、演出表示装置9に表示されているキャラクタ画像を消去する制御を行う(ステップS695)。
図55は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS866に移行する。この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS867の処理で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862〜S863の飾り図柄の停止図柄を表示する処理等を実行することなく、ステップS866に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS862)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS863)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS863の処理で大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS864)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
ステップS863の処理で大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS866)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS867)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS868)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、ステップS868の処理では、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS869)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS870)。また、ファンファーレ演出に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS871)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS872)。
以上に説明したように、この実施の形態では、内部的に確変状態である場合に、保留記憶数が上限数(この実施の形態では4)に達しているときに、始動入賞(無効始動入賞)が生じたことを条件に示唆演出を実行するので、保留記憶数が上限数に達していても、遊技者が遊技球を遊技領域7に向けて発射する操作を行うことが期待される。すなわち、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が上限数に達しているときに示唆演出が実行可能になるようにしたが、保留記憶数が、上限数に達していないが所定数以上(例えば、3以上、すなわち3または4)になっているときに示唆演出が実行可能になるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、示唆演出の一つとして、演出表示装置9の表示画面における背景を変更する演出を実行したが、遊技機に設けられている発光体(ランプやLED)の表示態様を変更したり、スピーカ27からの音出力態様を変更するようにしてもよい。すなわち、演出表示装置9に限らず遊技機に設けられている演出装置による演出態様を変更することによって、示唆演出を実行すればよい。
また、この実施の形態では、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)が、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から無効始動入賞指定コマンドを受信した場合に、示唆演出を実行するか否か決定するとともに、示唆演出を実行することに決定した場合には示唆演出の種類を決定して示唆演出を実行するので(図47におけるステップS821〜S830参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560の示唆演出に関する制御の負担を増やさないようにすることができる。すなわち、示唆演出を実行するようにしても、遊技制御プログラムのプログラム量を増大させない。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、無効始動入賞指定コマンドを受信したときに、「始動入賞するとモードが変わる」の文字画像を演出表示装置9に表示するなど、示唆演出が実行可能になったことを示す確変演出可能報知を行うので、このことからも、遊技者の操作を促して、遊技機の稼働率向上を図ることができる。
なお、この実施の形態では、低確率状態においても示唆演出が実行されるようにしたが(図44参照)、示唆演出は、確変潜伏状態においてのみ実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、キャラクタ画像によって示唆演出を行うときに、複数種類のキャラクタ画像のいずれかを表示することによって(図23および図24参照)、確変状態に対する期待度を報知するようにしたが、1種類のキャラクタ画像を用いるようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、低確率状態であるときに比べて、確変潜伏状態では高い頻度でキャラクタ画像が表示されるように制御する。
また、1種類のキャラクタ画像を用いる場合に、キャラクタ画像の表示態様(例えば、キャラクタ画像の表情や画面内における動き方)の違いによって、確変状態に対する期待度を報知するようにしてもよい。例えば、確変潜伏状態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、低確率状態であるときに比べて、高い割合で特定の態様でキャラクタ画像を表示する制御を行う。なお、多種類のキャラクタ画像を用いる場合にも、キャラクタ画像の表示態様の違いによって、確変状態に対する期待度を報知するようにしてもよい。
また、示唆演出に用いるキャラクタ画像として、飾り図柄中のキャラクタ画像を使用してもよい。すなわち、少なくとの一部にキャラクタ画像が含まれる飾り図柄を使用する遊技機において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄中のキャラクタ画像の表示態様の違いによって確変状態に対する期待度を報知したり、確変潜伏状態では飾り図柄中に高い割合で特定のキャラクタ画像を表示する制御を行うようにしてもよい。
複数種類のキャラクタ画像を用いる場合には、一時に複数のキャラクタ画像を演出表示装置9に表示することによって示唆演出を実行するようにしてもよい。その場合には、例えば、低確率状態であるときに比べて、確変潜伏状態では、より多くのキャラクタ画像が一時に表示される割合を高くする。
また、この実施の形態では、キャラクタ画像によって示唆演出を行うときに、1回の飾り図柄の変動期間中の所定期間においてキャラクタ画像演出表示装置9に表示するようにしたが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、無効始動入賞指定コマンドを受信した場合に、複数回の変動に亘って、キャラクタ画像を表示するようにしてもよい。その場合には、低確率状態であるときに比べて、確変潜伏状態では、より多くの回数の変動に亘ってキャラクタ画像が表示されるように制御する。一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、無効始動入賞指定コマンドを受信した場合に、確変潜伏状態では、高い割合で連続する3回の変動に亘ってキャラクタ画像が表示されるように制御する。また、低確率状態では、連続する3回の変動に亘るキャラクタ画像を表示する制御を実行せず、また、例えば、低い割合で、1回または2回の変動に亘ってキャラクタ画像が表示されるように制御する。
実施の形態2.
第1の実施の形態(実施の形態1)では、保留記憶数が所定値になると示唆演出が実行可能になるようにしたが、示唆演出を実行可能にする契機は、保留記憶数に関連する時期に限られない。第2の実施の形態(実施の形態2)では、所定の演出が実行されることを、示唆演出を実行可能にする契機にする。以下、所定の演出としてリーチ演出を例にする。
図56は、第2の実施の形態における示唆演出の一例を示す説明図である。なお、図56では、演出表示装置9の表示画面が矩形で示されているが、実際には略円形である(図1参照)。また、図56に示す演出等が行われているときに、確変潜伏状態であるとする。
図56には、飾り図柄の変動開始後、同一図柄である左右の飾り図柄が停止表示されてリーチになったことが示されている(図56(A),(B)参照)。なお、リーチになった後、リーチ演出が実行される。また、図56には、リーチ演出中に遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図56(C)参照)。
そして、左中右の最終停止図柄(確定図柄)が停止表示され(図56(D)参照)、停止図柄の組み合わせがはずれ図柄であって大当り遊技は開始されず、かつ、保留記憶数が0でないので、新たな飾り図柄の変動が開始されたことが示されている(図56(E)参照)。また、図56(E)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9に表示される背景の態様を変更することによって示唆演出を実行する例が示されている。具体的には、雲が存在する空の背景画像から、海中の背景画像に変更されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ演出中に始動入賞が生じたので、示唆演出を実行する。また、図56(D)には、保留記憶表示部18cにおける2つ目の保留記憶(リーチ演出中に生じた始動記憶に対応)に対応する表示の態様が、他の保留記憶に対応する表示の態様から変更されていることが示されている。
さらに、リーチになった後(図56(F)参照)、リーチ演出が実行される。また、図56には、リーチ演出中に遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図56(G)参照)。よって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再び示唆演出を実行する。すなわち、左中右の最終停止図柄(確定図柄)が停止表示され(図56(H)参照)、新たな飾り図柄の変動が開始されたときに(図56(I)参照)、演出表示装置9に表示される背景の態様を変更することによって示唆演出を実行する例が示されている。具体的には、海中の背景画像から、昼間の山の背景画像に変更されている。
さらに、リーチになった後(図56(J)参照)、リーチ演出が実行される。また、図56には、リーチ演出中に遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図56(K)参照)。よって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再び示唆演出を実行する。すなわち、左中右の最終停止図柄(確定図柄)が停止表示され(図56(L)参照)、新たな飾り図柄の変動が開始されたときに(図56(M)参照)、演出表示装置9に表示される背景の態様を変更することによって示唆演出を実行する例が示されている。具体的には、昼間の山の背景画像から、夜の空の背景画像に変更されている。
図57は、示唆演出の他の例を示す説明図である。なお、図57では、演出表示装置9の表示画面が矩形で示されているが、実際には略円形である。また、図57に示す演出等が行われているときに、確変潜伏状態であるとする。
図57には、飾り図柄の変動開始後、同一図柄である左右の飾り図柄が停止表示されてリーチになったことが示されている(図57(A),(B)参照)。なお、リーチになった後、リーチ演出が実行される。また、図57には、リーチ演出中に遊技球が第1始動口13に入賞したことが例示されている(図57(C)参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ演出中に始動入賞が生じたので、示唆演出を実行する。図57には、示唆演出として操作ボタン演出が行われる例が示されている。図57には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9に、操作ボタン演出の一部を構成する箱の画像9fを表示するとともに、操作ボタン150の操作を促す画像9eを表示する制御を行った例が示されている(図57(D)参照)。
遊技者が、操作ボタン150を押下すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン演出の一部を構成するキャラクタ画像Aの画像9aを表示する制御を行った例が示されている(図57(E)参照)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン演出を行う場合に、キャラクタ画像の種類を選択する処理を行う。第2の実施の形態でも、キャラクタ画像として、図24(A)〜(D)に示すキャラクタ画像A、キャラクタ画像B、キャラクタ画像Cおよびキャラクタ画像Dの4種類のキャラクタ画像が使用される。
また、図57には、リーチ演出中に操作ボタン演出が実行され例が示されているが(図57(B)〜(E)参照)、操作ボタン演出を、次に実行される飾り図柄の変動中に実行するようにしてもよい。
図58は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。第1の実施の形態では、無効始動入賞指定コマンド(C400(H))が使用されたが(図20参照)、第2の実施の形態では、リーチ演出中に始動入賞が発生したことを示す演出制御コマンドであるリーチ中始動入賞指定コマンド(C401(H))が使用される。その他については、第1の実施の形態の場合と同様である。
図59は、第2の実施の形態における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS211〜S215の処理は第1の実施の形態の場合と同様であるが、第2の実施の形態では、有効始動入賞が生じたときに、CPU56は、遊技状態が確変状態であるが確変潜伏状態になっているか、または低確率状態になっている場合には(ステップS216)、リーチ演出中であることを示すリーチ中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS218)。リーチ中フラグがセットされている場合には、リーチ中始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS219)。なお、図26に示されたステップS217の処理は、第2の実施の形態では実行されない。
図60は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する変動パターン設定処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、CPU56は、変動パターン設定処理において、変動パターンを決定した後、大当りとすることに決定されているか、またははずれにすることに決定されているが変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンであるのか否か確認する(ステップS110A)。大当りとすることに決定されているか、またははずれにすることに決定されているがステップS106の処理で決定された変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンである場合には、リーチ開始時間タイマに、リーチになるまでの時間に相当する値をセットする(ステップS110B)。変動パターン設定処理におけるその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、リーチになるまでの時間は、特別図柄および飾り図柄の変動が開始されてから、演出表示装置9の左右の図柄表示エリア9L,9Rにリーチ図柄が停止表示されるまでの時間であるが、その時間は、リーチ演出を伴う変動パターンのそれぞれに応じて定められている。
図61は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、CPU56は、特別図柄変動中処理において、変動時間がタイムスとしていない場合には、リーチ開始時間タイマが動作中であれば、すなわち値が0でなければ(ステップS124)、リーチ開始時間タイマの値を−1する(ステップS125)。そして、リーチ開始時間タイマがタイムアウトした(値が0になる)場合には(ステップS126)、リーチ中フラグをセットする(ステップS127)。なお、リーチ中フラグは、図59に示された始動口スイッチ通過処理で参照される。
図62は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、CPU56は、特別図柄停止処理において、リーチ中フラグがセットされている場合にはリーチ中フラグをリセットする(ステップS132A)。特別図柄停止処理におけるその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
また、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理は、図59〜図62を参照して説明した処理以外は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図63は、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理(ステップS705)の一部を示すフローチャートである。第1の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、図37に示すように、受信した演出制御コマンドが無効始動入賞指定コマンドであるか否か確認し(ステップS627)、無効始動入賞指定コマンドであれば無効始動入賞指定コマンド受信フラグをセットしたが(ステップS628)、第2の実施の形態では、受信した演出制御コマンドがリーチ中始動入賞指定コマンドであるか否か確認し(ステップS627A)、リーチ中始動入賞指定コマンドであればリーチ中始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS627B)。
演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同様である。ただし、第2の実施の形態では、図47に示された飾り図柄変動開始処理におけるステップS821の処理で、無効始動入賞指定受信フラグがセットされているか否か確認するのではなく、リーチ中始動入賞指定受信フラグがセットされているか否か確認する。
第2の実施の形態では、内部的に確変状態である場合に、リーチ演出が実行されているときに、始動入賞が生じたことを条件に示唆演出を実行するので、第2の実施の形態の遊技機以外の遊技機で遊技を行う場合には飾り図柄の最終停止図柄が大当り図柄になることを期待してリーチ演出中では遊技球を遊技領域7に発射する操作を停止する遊技者も、示唆演出が実行される状態にするために遊技球を遊技領域7に発射する操作を停止しなくなることが期待される。すなわち、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)が、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)からリーチ中始動入賞指定コマンドを受信した場合に、示唆演出を実行するか否か決定するとともに、示唆演出を実行することに決定した場合には示唆演出の種類を決定して示唆演出を実行するので(図47におけるステップS821〜S830参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560の示唆演出の関する制御の負担を増やさないようにすることができる。すなわち、プログラム量を増大させない。
なお、この実施の形態では、遊技制御手段がリーチ演出中であるか否か判定したが、演出制御手段が、リーチ演出中であるか否か判定してもよい。そのように構成する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、リーチ演出中であるか否かの判定を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560からリーチ中始動入賞指定コマンドは送信されない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から始動入賞が生じたときに送信される保留記憶数指定コマンドを受信したときに、リーチ演出中であれば、図63に示されたステップS628A,S628Bと同様の処理を実行する。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、飾り図柄変動開始処理においてリーチ中始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認するので、示唆演出は、リーチ演出中に始動入賞が発生した飾り図柄の変動の次の変動中に実行されることになる。しかし、リーチ演出中に始動入賞が発生した飾り図柄の変動中に示唆演出を実行するようにしてもよい。
リーチ演出中に始動入賞が発生した飾り図柄の変動中に示唆演出を実行するように構成する場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中処理においてリーチ中始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。そして、リーチ中始動入賞指定コマンド受信フラグがセットされていることを確認した場合には、その時点で、ステップS822〜S830の処理(図47参照)を実行する。
以下、第1の実施の形態および第2の実施の形態の変形例を説明する。図64は、変形例における遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図64に示す例では、図20に示された無効始動入賞指定コマンドや図58に示されたリーチ中始動入賞指定コマンドは使用されず、示唆演出(確変可能性演出)を実行することを指示するための演出制御コマンド(確変可能性演出実行指定コマンド:C402(H))が使用される。
つまり、変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、示唆演出を実行するか否か決定し、示唆演出を実行することに決定した場合に、確変可能性演出実行指定コマンドを送信する。
図65は、変形例における遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が使用する各乱数を示す説明図である。図65に示すように、変形例では、図8に示された各乱数を使用するとともに、確変可能性演出実行決定用乱数(ランダム7)も使用される。確変可能性演出実行決定用乱数は、示唆演出を実行するか否か決定するために使用される。
図66は、確変可能性演出実行決定テーブルを示す説明図である。確変可能性演出実行決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるROM54に格納されている。CPU56は、所定の時期に、確変可能性演出実行決定用乱数を抽出し、確変可能性演出実行決定テーブルにおいて確変可能性演出実行決定用乱数の値に一致する判定値に対応する判定結果にもとづいて、示唆演出を実行するか否か決定する。
図66に示すように、確変可能性演出実行決定テーブルは、確変潜伏状態において使用されるテーブル(図66(A))と、低確率状態において使用されるテーブル(図66(B))とがある。確変潜伏状態において使用されるテーブルにおいて示唆演出を実行することに対応する判定値の数は、低確率状態において使用されるテーブルにおいて示唆演出を実行することに対応する判定値の数よりも多い。
図67は、第1の実施の形態の変形例に相当する変形例1における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS211〜S215の処理は第1の実施の形態の場合と同様であるが、変形例1では、保留記憶数が上限値であるときに始動入賞(無効始動入賞)が生じた場合に、遊技状態が確変状態であるが確変潜伏状態になっているか、または低確率状態になっているときには(ステップS216)、CPU56は、確変可能性演出実行決定用乱数を抽出する(ステップS216A)そして、確変可能性演出実行決定テーブルにおいて確変可能性演出実行決定用乱数の値に一致する判定値に対応する判定結果にもとづいて、示唆演出を実行するか否か決定する(ステップS216B)。
CPU56は、示唆演出を実行することに決定した場合には(ステップS216C)、確変可能性演出実行指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216D)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるその他の処理は、第1の実施の形態における処理と同じである。
変形例1では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理(図37および図38参照)において、ステップS627の処理に代えて、確変可能性演出実行指定コマンドを受信したか否か判定する処理を実行する。また、変形例1では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が示唆演出を実行することに決定した場合に確変可能性演出実行指定コマンドを送信するので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、示唆演出を実行するか否かの判定を行わない。例えば、図44(B)に示された低確率状態において使用される確変可能性報知態様決定テーブルに代えて、「示唆演出せず」に対応する判定値が割り当てられていないテーブルを使用する。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるその他の処理は、第1の実施の形態における処理と同じである。
図68は、第2の実施の形態の変形例に相当する変形例2における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS211〜S218の処理は第2の実施の形態の場合と同様であるが(図59参照)、変形例2では、リーチ中フラグがセットされているときに、CPU56は、確変可能性演出実行決定用乱数を抽出する(ステップS218A)そして、確変可能性演出実行決定テーブルにおいて確変可能性演出実行決定用乱数の値に一致する判定値に対応する判定結果にもとづいて、示唆演出を実行するか否か決定する(ステップS218B)。
CPU56は、示唆演出を実行することに決定した場合には(ステップS218C)、確変可能性演出実行指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218D)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるその他の処理は、第2の実施の形態における処理と同じである。
変形例2では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理(図63参照)において、ステップS627Aの処理に代えて、確変可能性演出実行指定コマンドを受信したか否か判定する処理を実行する。また、変形例2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が示唆演出を実行することに決定した場合に確変可能性演出実行指定コマンドを送信するので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、示唆演出を実行するか否かを判定を行わない。例えば、図44(B)に示された低確率状態において使用される確変可能性報知態様決定テーブルに代えて、「示唆演出せず」に対応する判定値が割り当てられていないテーブルを使用する。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるその他の処理は、第2の実施の形態における処理と同じである。
変形例1,2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、示唆演出を実行する場合にのみ、示唆演出に関連する演出制御コマンド(確変可能性演出実行指定コマンド)を送信するので、示唆演出が実行可能である場合(実際には実行されないこともある。)に演出制御コマンド(無効始動入賞指定コマンドまたはリーチ中始動入賞指定コマンド)を送信する第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合に比べて、演出制御コマンドの送信機会が低減する。
なお、上記の各実施の形態では、無効始動入賞が生じたことやリーチ演出中に始動入賞が生じたことを条件に、示唆演出を実行するか否か判定するようにしたが、すなわち示唆演出が実行可能になるようにしたが、示唆演出が実行可能になる条件として他の条件を用いてもよい。一例として、前回の示唆演出を実行した時点(または示唆演出を実行するか否か判定時点)から、所定回(例えば、5回)の始動入賞が発生すると、示唆演出を実行するか否か判定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図2に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。