以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機及びカードユニットの正面図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する演出ボタン31の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネルには、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、特別な遊技状態が発生していない遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り、小当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、カードユニット100からプリペイドカードを排出させるために操作される返却ボタン27が設けられている。
続いて、遊技機1の左側に備えられたカードユニット100について説明する。
カードユニット100は、遊技機1での遊技に使う遊技球の貸し出し及び遊技を終了する際のカード返却を行う。カードユニット100には、紙幣挿入口101と、残高表示部102と、外部入力部103と、カード挿入口104と、が備えられている。
プリペイドカードを持っていない遊技者は紙幣挿入口101に紙幣を挿入し、プリペイドカードを持っている遊技者はカード挿入口104にカードを挿入する。すると残高表示部102に使用可能金額が表示される。そして、遊技機1に設けられた球貸ボタン26が1回押されるごとに、所定の遊技球が上皿21に払い出され、所定の金額を差し引いた残高金額が残高表示部102に表示される。また、遊技を終了する場合は、遊技機1に設けられた返却ボタン27が押されるので、そのときの残高金額の価値を有するプリペイドカードがカード挿入口104から排出される。ここで、外部入力部103では、カード挿入口104にプリペイドカードを挿入したときなど、遊技者本人のプリペイドカードであることを判別するために(他人にプリペイドカードを無断使用されないために)、暗証番号を入力したり設定したりする。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。また、遊技領域10aには、打球発射装置から発射された遊技球が必ず通過する位置に発射球検出センサ60が設けられている。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置(変動表示装置)48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
そして、遊技領域10aには普図始動ゲート34の下部に遊技球の通過を検出する第2告知カウントスイッチ62が設けられている。
また、遊技領域10aのセンターケース46の左側には、遊技球の通り道となるワープ通路45が設けられている。ワープ通路45は、センターケース46の左側に入口が設けられ、センターケース46の内側に出口が設けられ、センターケース46の略中央下部に遊技球が流下するように設けられている。ワープ通路45の内部には、通過した遊技球を検出する第1告知カウントスイッチ61が設けられている。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、を備える。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
また、一括表示装置50には、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器)、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘やワープ通路45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S801)や特図普段処理(S809)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニット100からの球貸要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
カードユニット100は、遊技機1の前面に設けられた球貸ボタン26に内蔵されているスイッチ26aを検出して、払出制御装置580に球貸要求信号を送信する。そして、払出制御装置580による貸球の払い出し制御が実行される情報信号を受けると、残高表示部102のカード残高を更新して表示する。また、カードユニット100は、遊技機1の前面に設けられた返却ボタン27に内蔵されているスイッチ27aを検出して、払出制御装置580に返却要求信号を送信する。そして、挿入されているカードに残高を記録して、カード挿入口104からカードを出す。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号及び球の払い出しが終わったことを示す払出完了信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図6のS631〜S635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のS601〜S607)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S601)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S602)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S603)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S604)。高確率状態でないと判定された場合には(S604の結果が「N」)、S607以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S604の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S605)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器)をオン(点灯)に設定してセグメント領域にセーブする(S606)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S607)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S631)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S632)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S633)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S634)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S635)、S608以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S608)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S609)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S610)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S611)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S612)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S613)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S614の結果が「N」)、S612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S612からS614までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S612)の前に割り込みを許可(S611)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S612)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S614の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS613の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S615)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S615の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S615の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S616〜S622)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S616)、全出力ポートをオフに設定する(S617)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S618)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S619)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S620)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S621)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S622)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S809〜S819)を実行するときに初期値がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S809;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S820以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。また、特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大当りのときの大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(S808の結果が「7」)、小当りファンファーレ中処理を実行する(S816)。小当りファンファーレ中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「8」の場合には(S808の結果が「8」)、小当り中処理を実行する(S813)。小当り中処理は、小当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば小当り終了画面のコマンドを設定したり、小当り残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、小当り中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に、大当りに比べて短い時間ではあるが、大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「9」の場合には(S808の結果が「9」)、小当り残存球処理を実行する(S818)。小当り残存球処理は、小当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
小当り残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ中処理、又は小当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の開放時間が経過した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を10に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「10」の場合には(S808の結果が「10」)、小当り終了処理を実行する(S819)。小当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S820)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S821)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S822)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S823)。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置42を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置42が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置42が開放される。
なお、大当りには、変動表示ゲームの結果が大当りの一種である突当りが含まれる。しかし、突当りが発生した場合は、他の大当りが発生した場合よりも特別変動入賞装置42の開閉扉42aの開放時間が短く、その作動が小当りと似ている。すなわち、突当りは、条件装置の作動を伴う特別結果ではあるが、遊技者に付与される遊技価値(特別遊技状態における特別変動入賞装置42の動作態様)は小当りと同様である。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における始動口スイッチ監視処理(S801)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S906)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1004)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1005、S1006)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1006の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1007)。
遊技制御装置500は、S1007の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1006の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1008、S1009)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1009の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1010)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1011)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1012)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1013)。
続いて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1014)。そして、対象の始動口スイッチの大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(S1015)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S1016)、さらに、RWMにセーブされた対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1017)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1019)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1020)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1021)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
続いて、遊技制御装置500は、特図保留情報判定処理を実行する(S1022)。そして、対象の始動口スイッチの入力による変動表示がもう一方の始動口スイッチの入力による変動表示よりも先に実行されるように、変動順序フラグとして対象の始動口入賞フラグをロードする(S1023)。そして、特図保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出し(S1024)、変動順序フラグをRWNの変動順序フラグセーブ領域にセーブして(S1025)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(S1022)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かをチェックする(S1101、S1102)。先読み演出を実行してよい条件とは、例えば、遊技状態が特別遊技状態(大当り又は小当り中)ではないことである。そして、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合、すなわち、大当り又は小当り中である場合は(S1102の結果が「N」)、以降の先読み処理を行わずに特図保留情報判定処理を終了する。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合は(S1102の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1103)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
そして、大当り判定処理の判定結果が大当りである場合には(S1104の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定し(S1105)、当該大当り図柄乱数をチェックして、対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S1106)。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1104の結果が「N」)、遊技制御装置500は、保留中の始動記憶が小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S1107)。小当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する。本実施形態では、大当り乱数値を用いて小当り判定処理を行っているが、大当り乱数値とは別に小当り乱数値を設けてもよい。
そして、小当り判定処理の判定結果が小当りである場合には(S1108の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定する(S1109)。
一方、小当り判定処理の判定結果が小当りでない場合には(S1108の結果が「N」)、遊技制御装置500は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1110)。
このように保留中の始動記憶が大当り、小当り、又は、はずれのいずれの結果となるかに応じて演出内容が変わるので、遊技制御装置500は、結果に対応するテーブルを設定する(S1106、S1109、S1110)。
続いて、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWNの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1111)。そして、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWNの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1112)。
次に、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1113)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1114)。
その後、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1115)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1116)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1117)。
後半変動パターン設定処理(S1116)及び変動パターン設定処理(S1117)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置500は、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備し(S1118)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(S1119)、コマンド設定処理を実行する(S1120)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1121)、コマンド設定処理を実行する(S1122)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1118及びS1119の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、S1121の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出を行う。なお、常に先読み演出を行う必要はない。先読み演出は、S1121の処理において所定確率で実行するよう設定される。また、先読み演出には、ガセ演出が含まれる。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図普段処理(S809)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)及び特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1201、S1202)。
遊技制御装置500は、特図1保留数(第1始動記憶数)及び特図2保留数(第2始動記憶数)が0である場合には(S1202の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1203、S1204)。
なお、本実施形態で遊技制御装置500は、特図1保留数及び特図2保留数が0であるか否かを同時に判定しているが、特図2保留数が0であるか否かを先に判定することによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしてもよい。
客待ちデモが開始されていない、すなわち、開始済みでない場合には(S1204の結果が「N」)、遊技制御装置500は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1205)。続いて、客待ちデモコマンドを準備して(S1206)、コマンド設定処理を実行する(S1207)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1204の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドを演出制御装置550に送信済みであるため、S1208の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1208)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、特図1保留数及び特図2保留数が0でない場合(S1202の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37もしくは第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置500は、どちらの始動入賞口への入賞による特図変動表示ゲームを実行するかをチェックするため、変動順序フラグセーブ領域から変動順序フラグをロードして(S1209)、変動順序フラグが第1始動入賞口37への入賞による特図1変動表示ゲームの開始を示すフラグか否かをチェックする(S1210、S1211)。
そして、変動順序フラグが特図1変動表示ゲームの開始を示す場合には(S1211の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、特図1変動開始処理1を実行する(S1212)。そして、特図変動中処理に移行するための第1特図テーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1213)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、変動順序フラグが特図1変動表示ゲームの開始を示さない場合(S1211の結果が「N」)、すなわち、特図2変動表示ゲームの開始を示す場合には、遊技制御装置500は、特図2変動開始処理1を実行する(S1214)。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するための第2特図用テーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1215)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図表示中処理(S811)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理において、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合の後半部の手順を示すフローチャートである。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理において、特図変動表示ゲームの結果が大当りではない場合の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが小当りになる場合にRWNの小当りフラグ2領域に設定される小当りフラグ2をロードし(S1301)、小当りフラグ2領域をクリアする(S1302)。そして、同様に、特図1変動表示ゲームが小当りになる場合にRWNの小当りフラグ1領域に設定される小当りフラグ1をロードし(S1303)、小当りフラグ1領域をクリアする(S1304)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S1305)、大当りフラグ2領域をクリアする(S1306)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S1307)、大当りであるか否かを判定する(S1308)。そして、大当りと判定された場合には(S1308の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1309)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1310)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1308の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S1311)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1312)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S1313)、大当りであるか否かを判定する(S1314)。そして、大当りと判定された場合には(S1314の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1315)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1315)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1310)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S1316)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S1317)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S1318)。
このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S1319)、コマンド設定処理を実行する(S1320)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S1321)、コマンド設定処理を実行する(S1322)。出力されるファンファーレは、当りの種類(大当りと小当り)や大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S1323)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S1324)。
次に、遊技制御装置500は、大当り及び小当りに係る大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブするとともに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S1325)。
さらに、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S1401)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1402)。
そして、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をチェックして、当該大入賞開放情報が特図1変動表示ゲームの結果が大当りとなることによる開放(大入賞口1の開放)か否かを判定する(S1403、S1404)。
大入賞口開放情報が大入賞口1の開放である場合は(S1404の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、大入賞口1不正入賞数領域にセーブしている大入賞口1への不正入賞数をリセットし(S1405)、大入賞口1不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S1406)。
一方、大入賞口開放情報が大入賞口2の開放(特図2変動表示ゲームの結果が大当りとなることによる開放)である場合は(S1404の結果が「N」)、遊技制御装置500は、大入賞口2不正入賞数領域にセーブしている大入賞口2への不正入賞数をリセットし(S1407)、大入賞口2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S1408)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S1409)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、大当り終了処理(図16)で変動パターン振り分け情報領域にセーブされた変動パターン振り分け情報をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1314の結果が「N」)、遊技制御装置500は、小当りフラグ1をチェックして小当りか否かを判定する(S1501、S1502)。
そして、小当りフラグ1が小当りでない場合には(S1502の結果が「N」)、遊技制御装置500は、小当りフラグ2をチェックして小当りか否かを判定する(S1503、S1504)。
小当りフラグ2も小当りでない場合には(S1504の結果が「N」)、遊技制御装置500は、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了するため、遊技状態が時短状態の場合には時間短縮変動回数を1減算して更新する時間短縮変動回数更新処理を実行する(S1505)。そして、特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1506)、特図表示中処理を終了する。
一方、小当りフラグ1又は小当りフラグ2が小当りである場合には(S1502の結果が「Y」又はS1504の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームが1回分終了するため、遊技状態が時短状態の場合には時間短縮変動回数を1減算して更新する時間短縮変動回数更新処理を実行する(S1507)。そして、ファンファーレコマンドを準備して(S1508)、コマンド設定処理を実行する(S1509)。また、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S1510)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S1511)。
さらに、遊技制御装置500は、小当り大入賞口開放情報をチェックして、当該小当り大入賞開放情報が特図1変動表示ゲームの結果が大当りとなることによる開放(特図1小当り開放情報)か否かを判定する(S1512、S1513)。
そして、小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報である場合には(S1513の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を実行し(S1514)、特図表示中処理を終了する。
一方、小当り大入賞口開放情報が特図2小当り開放情報である場合には(S1513の結果が「N」)、遊技制御装置500は、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を実行し(S1515)、特図表示中処理を終了する。小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図ゲーム処理において小当りファンファーレ中処理に対応する処理番号「7」を設定し、前述した各種状態を示す情報を設定したりする。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における大当り終了処理(S815)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをロードし(S1601)、当該確率変動判定フラグに基づく大当り終了設定処理を実行する(S1602、S1603〜S1606)。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「0」、すなわち、普図の当りは高確率で特図の当りは低確率のままである「時短状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S1603)。大当り終了設定処理1の詳細については、図17にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「1」、すなわち、普図及び特図の当りがともに高確率である「高確率状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理2を実行する(S1604)。大当り終了設定処理2の詳細については、図18にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「2」、すなわち、普図の当りが低確率で特図の当りが高確率である「潜伏確変状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理3を実行する(S1605)。大当り終了設定処理3の詳細については、図19にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「3」、すなわち、普図及び特図の当りがともに低確率である「低確率状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理4を実行する(S1606)。大当り終了設定処理4の詳細については、図20にて説明する。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S1607)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1608)。
そして、遊技制御装置500は、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理2を実行し(S1609)、大当り終了処理を終了する。
このように、大当り終了後の遊技状態は、時短状態、高確率状態、潜伏確変状態及び低確率状態の4つの遊技状態のいずれかに振り分けられる。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理(図16)における大当り終了設定処理1(S1603)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S1701)。また、時短状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1702)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S1703)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S1704)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S1705)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(S1706)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数の初期値をセーブし(S1707)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理(図16)における大当り終了設定処理2(S1604)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S1801)。また、高確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1802)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S1803)。
そして、遊技制御装置500は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S1804)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S1805)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S1806)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S1807)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理(図16)における大当り終了設定処理3(S1605)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S1901)。また、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1902)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏確変状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブする(S1903)。
そして、遊技制御装置500は、潜伏確変状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(S1904)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブし(S1905)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブする(S1906)。最後に、次回大当りまで潜伏確変状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S1907)、大当り終了設定処理3を終了する。
〔大当り終了設定処理4〕
次に、前述した大当り終了処理(図16)における大当り終了設定処理3(S1606)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理4の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を低確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、低確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2001)。また、低確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2002)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(S2003)。
そして、遊技制御装置500は、低確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(S2004)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短なしフラグをセーブし(S2005)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(S2006)。最後に、次回大当りまで低確率状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2007)、大当り終了設定処理4を終了する。
〔小当り終了処理〕
続いて、前述した特図ゲーム処理(図8)における小当り終了処理(S819)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。小当り終了処理では、小当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。小当り終了処理は、特図普段処理移行設定処理と同様の手順で実行される。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として0(特図普段処理)を設定し(S2101)、RWNの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S2102)。そして、小当り終了に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2103)。また、小当り終了に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2104)。
さらに、遊技制御装置500は、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(S2105)、ラウンドLEDポインタ領域のラウンド数上限値情報をリセットする(S2106)。その後、小当り終了処理を終了する。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2201)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2202)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2203)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2204)、乱数初期化処理を実行する(S2205)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2206)。そして割込みを許可する(S2207)。割込みの発生タイミングでは後述するコマンド受信割込み処理(図24)が実行される。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2203)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S2209)。また、確率状態を遊技者に告知する(認識可能に報知する)潜伏告知率を変更する潜伏告知率変更処理を実行する(S2210)。さらに、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2211)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2212)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2211)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(S2213)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2214)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2215)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2216)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2217)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2218)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2219)、S2208の処理に戻る。以降、S2208からS2219までの処理を繰り返す。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S2301)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S2302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S2303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2304)。次に、所定の周期でVDP558に描画開始を指示するVブランク割込み処理などの各種割込みを許可する(S2305)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2306)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S2311)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S2307)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2308)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2309)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S2309の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2310)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S2311)、S2308の処理に戻る。以降、S2308からS2311までの処理を繰り返す。
〔コマンド受信割込み処理(1stCPU)〕
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるコマンド受信割込み処理の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態のコマンド受信割込み処理の手順を示すフローチャートである。コマンド受信割込み処理は、遊技制御装置500からコマンドを受信するごとに実行される処理である。コマンド受信割込み処理は、前述した1stCPUメイン処理において割込みが許可された(S2207)後に実行可能である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から受信したコマンドポートの値を取り込む(S2401)。そしてCPUの状態がMODEコマンド(コマンドのMODE部)の受信を待っている状態であるか否かをチェックする(S2402)。
MODEコマンド待ち状態である場合は(S2402の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるかをチェックする(S2403)。そしてSSTBがオンである場合は(S2403の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(S2404)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(S2404の結果が「Y」)、S2405〜S2408の処理に移行する。SSTBがオンではない場合(S2403の結果が「N」)、又は、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(S2404の結果が「N」)は、S2417及びS2418の処理に移行する。
コマンドが、MODEコマンド待ち状態、かつ、SSTBがオンのときに受信され、該コマンドがMODEコマンドである場合は(S2402,S2403,S2404の結果が全て「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2405)。そして算出後のアドレスに受信したコマンドをMODEコマンドとしてセーブする(S2406)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマに初期値を設定してスタートさせる(S2407)。タイムアウト監視タイマは、MODEコマンドを受信してからの経過時間を計測し、設定時間以内にACTIONコマンドを受信しない場合にタイムアウトを発生させる。遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、連続して送信される。したがって、MODEコマンドを受信してから設定された時間を経過してもACTIONコマンドを受信できなかった場合には、ACTIONコマンドを取りこぼした可能性が高いと判断することができる。そしてCPUの状態をACTIONコマンド(コマンドのACTION部)待ち状態に設定する(S2408)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
次に、コマンドが、MODEコマンド待ち状態のときに受信され、このときSSTBがONではない、又は、該コマンドがMODEコマンドでない場合は(S2402の結果が「Y」、かつ、S2403の結果が「N」又はS2404の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマを停止する(S2417)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2418)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
一方、MODEコマンド待ち状態でない場合は(S2402の結果が「N」)、ACTIONコマンド待ち状態であり、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトしているか否かをチェックする(S2409)。すなわち、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信するまでの時間が、タイムアウト監視タイマで設定した時間を超えていないかをチェックする。
タイムアウトしていない場合は(S2409の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるかをチェックする(S2410)。そしてSSTBがオンである場合は(S2410の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(S2411)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(S2411の結果が「Y」)、S2405〜S2408の処理に移行する。CPUの状態がACTIONコマンド待ち状態であってもMODEコマンドを受信した場合は、ACTIONコマンドの受信を待たずに、新しく受信した該MODEコマンドを優先に処理する。受信したコマンドがMODEコマンドでない場合は(S2411の結果が「N」)、S2412〜S2414、S2417及びS2418の処理に移行する。
また、タイムアウトしている場合(S2409の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(S2410の結果が「N」)は、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2415〜S2418の処理に移行する。
コマンドがMODEコマンドでない場合は(S2411の結果が「N])、ACTIONコマンドを受信したことになるので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2412)。そして算出後のアドレスに受信したコマンドをACTIONコマンドとしてセーブする(S2413)。
これでMODEコマンド及びACTIONコマンドが1セット揃うので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信済みコマンド数を1加算して更新する(S2414)。その後、タイムアウト監視タイマを停止する(S2417)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2418)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
次に、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信する前にタイムアウト監視タイマによってタイムアウトが発生した場合(S2409の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(S2410の結果が「N」)は、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2415)。そして、算出後のアドレスに基づいて、コマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する(S2416)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマを停止する(S2417)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2418)。そして本処理を終了して、メイン処理に戻る。
〔潜伏告知率変更処理(1stCPU)〕
次に、1stCPUメイン処理(図22)における潜伏告知率変更処理(S2210)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の潜伏告知率変更処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、告知カウントスイッチ有効期間であるか否かを判定する(S2501)。ここで、告知カウントスイッチ有効期間とは、ラウンド中でない状態、すなわち、通常遊技中であることを示す。また、前述したように変動表示ゲームの結果が大当りの一種である突当り、又は、小当りとなって停止したときから次回の変動表示ゲーム開始までの間、及び、後述する潜伏時告知フラグがオンになっている間は、告知カウントスイッチ無効期間である。本実施形態において、告知カウントスイッチには第1告知カウントスイッチ61及び第2告知カウントスイッチ62が設けられ、通常遊技中に遊技球がスイッチ設置箇所を通過するとスイッチへの入力が検出される。
そして、告知カウントスイッチ有効期間でない場合には(S2501の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、後述する潜伏告知率リセット処理(S2513)を実行して潜伏告知率変更処理を終了する。
一方、告知カウントスイッチ有効期間である場合には(S2501の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1告知カウントスイッチ1に入力があったか否かを判定する(S2502)。
そして、第1告知カウントスイッチ61に入力があった場合には(S2502の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルが最大レベル100に達したか否かを判定する(S2503)。
潜伏告知レベルが100に達していない場合には(S2503の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルを1加算し(S2504)、さらに、表示装置48に表示される潜伏告知メーターが示すレベルも上げるため、演出レベルを1加算する(S2505)。その後、S2510以降の処理を実行する。
また、潜伏告知レベルが100に達している場合には(S2503の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、レベルの加算更新は行わずにS2510以降の処理を実行する。
一方、第1告知カウントスイッチ61に入力がない場合には(S2502の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2告知カウントスイッチ62に入力があるか否かを判定する(S2506)。
そして、第2告知カウントスイッチ62に入力があった場合には(S2506の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルがレベル0に達したか否かを判定する(S2507)。
潜伏告知レベルが0に達していない場合には(S2507の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルを1減算し(S2508)、さらに、表示装置48に表示される潜伏告知メーターが示すレベルも下げるため、演出レベルを1減算する(S2509)。その後、S2510以降の処理を実行する。
また、第2告知カウントスイッチに入力がない場合(S2506の結果が「N」)、又は、潜伏告知レベルが0に達している場合(S2507の結果が「Y」)には、主制御用マイコン(1stCPU)551は、レベルの減算更新は行わずにS2510以降の処理を実行する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者が確率状態を判別できない状態、すなわち、確率状態非告知中(どきどきモード中)であるか否かを判定する(S2510)。
そして、確率状態非告知中である場合には(S2510の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルが100であるか否かを判定する(S2511)。潜伏告知レベルが100である場合には(S2511の結果が「Y」)、潜伏時告知フラグをオンにする(S2512)。その後、潜伏告知率リセット処理を実行して(S2513)、潜伏告知率変更処理を終了する。
潜伏時告知フラグは、確率状態非告知中に潜伏告知レベルが最大値(100)に到達した場合にオンに設定され、現在の確率状態を遊技者に告知する演出が行われる。また、潜伏時告知フラグは、後述する潜伏告知率リセット処理(図26)でリセット条件が成立した場合や後述する潜伏中告知演出処理(図29)で告知演出が終了した場合に、オフに戻される。
また、確率状態非告知中でない場合(S2510の結果が「N」)、又は、潜伏告知レベルが100でない場合(S2511の結果が「N」)には、主制御用マイコン(1stCPU)551は、確率状態を告知する設定を行わずに潜伏告知率リセット処理を実行して(S2513)、潜伏告知率変更処理を終了する。
〔潜伏告知率リセット処理(1stCPU)〕
続いて、潜伏告知率変更処理(図25)における潜伏告知率リセット処理(S2513)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の潜伏告知率リセット処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルをクリアする条件が成立しているか否かを判定する(S2601)。ここで、クリア条件は、変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになる場合、確率状態非告知中に潜伏告知レベルが最大値となった後、告知を実行する場合、所定時間(例えば10分間)告知カウントスイッチの入力検出がない場合、客待ちデモ中や保留された始動記憶がなく変動表示ゲームが実行されていないときに店員や遊技者が演出ボタン31などをボタン操作する場合、告知演出を行う変動表示ゲームが所定時間内に開始されない場合等に、成立する。
そして、クリア条件が成立しない場合には(S2601の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルをリセットせずに潜伏告知率リセット処理を終了する。
一方、クリア条件が成立する場合には(S2601の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルをクリアする(0にする)とともに(S2602)、潜伏告知メーターの演出もレベル0に設定する(S2603)。その後、潜伏時告知フラグをオフにして(S2604)、潜伏告知率リセット処理を終了する。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理(図23)における通常ゲーム処理(S2311)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S2701)。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、変動表示ゲームの結果が、突当り又は小当りになるときに、通常遊技中に貯めておいた潜伏告知レベルに応じた演出を行う潜伏告知演出処理を実行する(S2702)。さらに、突当り又は小当り終了後の潜伏演出(どきどきモード)中に、潜伏告知レベルが最大値に達したら確率状態を告知する潜伏中告知演出処理を実行する(S2703)。また、始動記憶の先読み演出を行う先読み演出処理を実行する(S2704)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S2705)。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S2706)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S2707)。
また、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S2708)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理のシーン制御処理(S2213)におけるシーンの描画を準備するシーン制御/表示処理を実行する(S2709)。ここでシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。そして、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S2710)。そして本処理を終了して、メイン処理のS2308に戻る。
〔潜伏告知演出処理(2ndCPU)〕
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行される潜伏告知演出処理の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の潜伏告知演出処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、突当り又は小当りに当選する変動表示ゲームの識別図柄が停止したか否かを判定する(S2801)。そして、停止していない場合には(S2801の結果が「N」)、そのまま潜伏告知演出処理を終了する。
一方、停止した場合には(S2801の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、潜伏告知レベルをチェックして(S2802)、潜伏告知レベルが最大値(第1の実施の形態では100)であるか否かを判定する(S2803)。
そして、潜伏告知レベルが最大値である場合には(S2803の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、100%の確率で確率状態を告知する潜伏告知演出テーブルを設定して(S2804)、潜伏告知演出処理を終了する。第1の実施の形態では、潜伏告知レベルが最大値であれば、突当り又は小当りとなる変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいて特図の当りの確率状態を必ず告知する。
また、潜伏告知レベルが最大値でない場合には(S2803の結果が「N」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、確率状態を告知しない潜伏非告知演出テーブルを設定して(S2805)、潜伏告知演出処理を終了する。
〔潜伏中告知演出処理(2ndCPU)〕
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行される潜伏中告知演出処理の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の潜伏中告知演出処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、確率状態非告知中(どきどきモード中)であるか否かを判定する(S2901)。そして、確率状態非告知中である場合には(S2901の結果が「Y」)、潜伏時告知フラグがオンであるか否かを判定する(S2902)。潜伏時告知フラグは前述した潜伏告知率変更処理(図22)のS2512でオンに設定される。
次に、潜伏時告知フラグがオンである場合には(S2902の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、保留記憶(保留された始動記憶)があるか否かを判定する(S2903)。そして、保留記憶がある場合には(S2903の結果が「Y」)、次回変動する保留記憶において潜伏告知演出テーブルを設定する(S2904)。
一方、確率状態非告知中でない場合(S2901の結果が「N」)、潜伏時告知フラグがオンになっていない場合(S2902の結果が「N」)、又は、保留記憶がない場合(S2903の結果が「N」)には、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、S2905の処理に移行する。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、S2904もしくはS2804で設定した潜伏告知演出テーブルが実行終了されたか否かを判定する(S2905)。そして、潜伏告知演出テーブルが実行終了された場合には(S2905の結果が「Y」)、潜伏時告知フラグをオフにして(S2906)、潜伏中告知演出処理を終了する。
一方、潜伏告知演出テーブルが実行終了されていない場合には(S2905の結果が「N」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、潜伏中告知演出処理を終了する。
〔先読み演出処理(2ndCPU)〕
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行される先読み演出処理の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の先読み演出処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)から先読み演出コマンドを受信したか否かを判定する(S3001)。先読み演出コマンドは、主制御用マイコン(1stCPU)から送信され、前述した特図保留情報判定処理(図11)の変動パターン設定処理(S1117)で設定される。
そして、先読み演出コマンドを受信している場合には(S3001の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、後述する図33に示すような先読み演出実行処理を実行する(S3002)。そして、先読み保留(先読み対象の始動記憶)の変動が停止したか否かを判定する(S3003)。先読み演出は、先読み保留が入賞したときに実行されている変動表示ゲームの次の変動表示ゲームから開始され、先読み保留に対応する変動表示ゲームが終了するまで継続する。
先読み保留の変動が停止した場合には(S3003の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、先読み演出終了処理を実行して(S3004)、先読み演出処理を終了する。
一方、先読み保留の変動が停止していない場合には(S3003の結果が「N」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、そのまま先読み演出処理を終了する。また、先読み演出コマンドを受信していない場合には(S3001の結果が「N」)、何も処理せずに先読み演出処理を終了する。
〔画面遷移例〕
図31は、本発明の第1の実施の形態において表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
図31(A)は、通常遊技中で変動表示ゲームの結果がはずれとなったときの画面である。具体的に、画面中央には、はずれを示す識別図柄が表示される。また、画面下には、第1始動入賞口37への入賞による第1始動記憶の保留数及び第2始動入賞口38への入賞による第2始動記憶の保留数が表示される。ここでは、第1始動記憶の保留数は3つで、対応する保留玉が3つ点灯表示される。なお、第2始動記憶の保留数は0である。また、画面上には、潜伏告知レベルを示す潜伏告知メーターが表示される。潜伏告知レベルは、遊技球が第1告知カウントスイッチ61を通過した場合に上がり、第2告知カウントスイッチ62を通過した場合に下がる。そして、潜伏告知メーターのレベルが最大になって画面右上に表示された「100%告知」に到達すると、「100%告知」の表示が薄色から濃い色に変わって、突当り又は小当りに当選したときに確率状態が告知される。ここでは、まだメーターのレベルが最大になっていないので、「100%告知」の表示は薄字である。なお、告知カウントスイッチは、通常遊技中は有効である。
図31(B)は、通常遊技が続いて、第1告知カウントスイッチ61を通過する遊技球が増え、潜伏告知レベルが上がっている状態で変動表示ゲームが行われているときの画面である。このとき第1始動記憶の保留数は上限の4つである。また、潜伏告知レベルは最大値に達していない。
続いて、図31(C1)〜(E1)を参照して、突当り又は小当りになったときに潜伏告知レベルが最大値に達していない場合の画面遷移を説明する。また、図31(C2)〜(E2)を参照して、突当り又は小当りになったときに潜伏告知レベルが最大値に達している場合の画面遷移を説明する。図31(C2)〜(E2)は、前述した潜伏告知演出処理(図28)に対応する演出表示である。
図31(C1)は、潜伏告知レベルが最大値にならない状態で、変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りになったときの画面である。具体的に、画面中央には、突当り又は小当りを示す識別図柄が表示される。このとき潜伏告知レベルはまだ最大値に到達していないので、確率状態は告知されない。
次の変動表示ゲームが開始になると、始めに図31(D1)に示す画面が表示される。具体的には、画面中央に、突当り又は小当り後の特図の当りの確率状態が高確率状態なのか低確率状態なのかがわからないどきどきモードに突入したことが表示される。なお、突当り又は小当りになると、それまで貯めた潜伏告知レベルは0にリセットされるので、画面上に表示された潜伏告知メーターのレベルは0にリセットされる。さらに、識別図柄の変動開始とともに対応する始動記憶は消化されるので、画面下に表示される第1始動記憶の保留数が1つ減る。続いて、図31(E1)の画面が表示される。具体的には、画面中央に、識別図柄が変動する画面が表示される。そして、画面左上にモードが表示され、「どきどきモード」が表示される。
図31(C2)は、潜伏告知レベルが最大値になった状態で、変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りになったときの画面である。具体的に、画面中央には、突当り又は小当りを示す識別図柄が表示される。このとき潜伏告知レベルは最大値に達しているので、画面上に表示される潜伏告知メーターのレベルは画面右上の「100%告知」に到達し、「100%告知」の表示が濃くなる。この場合には、確率状態が告知される。
ここで、突当りには突然確変(突確)と、突然通常(突通)とがある。変動表示ゲームの結果が突確である場合には、その後の特図の当りは高確率状態である。そして、変動表示ゲームの結果が突通である場合には、その後の特図の当りは低確率状態(通常確率状態)である。また、変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、その後の特図の当りは、小当りになる前の確率状態が継続される。
まず、図31(D2−1)と図31(E2−1)を参照して、突確の場合、又は、特図の当りが高確率状態で小当りとなった場合の画面遷移を説明する。この場合は、突確又は小当り後の特図の当りが高確率状態であるので、潜伏確変状態(やったねモード)であることが画面中央に表示され、画面上の潜伏告知レベルが0にリセットされる(図31(D2−1))。そして、変動表示ゲームが行われている間は、画面左上にモード表示され、「やったねモード」が表示される(図31(E2−1))。
次に、図31(D2−2)と図31(E2−2)を参照して、突通の場合、又は、特図の当りが低確率状態で小当りとなった場合の画面遷移を説明する。この場合は、突通又は小当り後の特図の当りが低確率状態(通常状態)であるので、通常状態(がんばろうモード)であることが画面中央に表示され、画面上の潜伏告知レベルが0にリセットされる(図31(D2−2))。そして、変動表示ゲームが行われている間は、画面左上にモード表示され、「がんばろうモード」が表示される(図31(E2−2))。
〔潜伏中画面遷移例〕
図32は、本発明の第1の実施の形態において突当り又は小当り後に潜伏告知レベルが最大値に到達する場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。図32は、前述した潜伏中告知演出処理(図29)に対応する演出表示である。
図32(A)は、前述した図31(D1)のように、突当り又は小当りとなったときに潜伏告知レベルが最大値に到達していなかったため確率状態が告知されない確率状態非告知中(どきどきモード)に突入したときの画面である。潜伏告知レベルは、突当り又は小当りになるとリセットされるので、レベル0からのスタートである。
図32(B)は、確率状態非告知中の変動表示ゲームの結果がはずれとなったときの画面である。このとき、画面左上のモード表示は、「どきどきモード」である。そして、確率状態非告知中に第1告知カウントスイッチ61への入力が検出されて潜伏告知レベルが上がる。
図32(C)は、確率状態非告知中に潜伏告知レベルが最大値に到達したときの画面である。このとき、画面中央では、識別図柄が変動中である。また、画面下に表示される第1始動記憶の保留数は3つ貯まっている。
図32(D)は、潜伏告知レベルが最大値に到達したときに変動していた識別図柄が、はずれを示して停止したときの画面である。このため、第1始動記憶の保留数に変化はない。また、画面左上のモード表示は、「どきどきモード」のままである。
図32(E1)及び図32(E2)は、現在の特図の当りの確率状態を告知する画面である。図32(E1)は、確率状態が高確率状態であるときの告知演出画面であり、図32(E2)は、確率状態が低確率状態(通常状態)であるときの告知演出画面である。これらの告知演出は、潜伏告知レベルが最大値に到達したときに実行されていた変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいて実行される。そして、識別図柄の変動開始とともに対応する始動記憶は消化されるので、第1始動記憶の保留数が1つ減る。また、画面上の潜伏告知レベルは0にリセットされる。そして、図32(E1)では、特図の当りが高確率状態であることを告知するために、画面中央には「潜伏しているよ!」と表示され、さらに画面左上には「やったねモード」が表示される。図32(E2)では、低確率状態であることを告知するために、画面中央には「残念。通常。」と表示され、さらに画面左上には「がんばろうモード」が表示される。
〔先読み演出画面遷移例〕
図33は、本発明の第1の実施の形態において先読み演出を実行する場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。図33は、前述した先読み演出処理(図30)に対応する演出表示である。
図33(A)は、通常遊技中で変動表示ゲームの結果がはずれとなったときの画面である。具体的に、画面中央には、はずれを示す識別図柄が表示される。画面下には、第1始動記憶の保留数が3つ貯まっていることが対応する保留玉の点灯により示される。また、画面上には、潜伏告知レベルが最大値のほぼ半分は達した状態の潜伏告知メーターが表示される。ここで、保留されている左から3番目の始動記憶は、今回の変動表示ゲーム中に発生したもので、先読み演出の実行が設定されている。そして、対応する保留玉は、他の保留玉と色を変えたり点灯を点滅させたりして先読み表示される。
図33(B)は、次の変動表示ゲーム中の画面である。この変動表示ゲーム中にも、第1告知カウントスイッチ61を通過する遊技球が増え、潜伏告知レベルが徐々に上がる。そして、この変動表示ゲームから先読み演出が開始される。具体的には、画面左向きを指差した人の手が表示される。人の手が指差す方向には、第1告知カウントスイッチ61が設けられているワープ通路45があり、遊技球がワープ通路45を通過するように狙わせる演出が表示される。このとき第1始動記憶の保留数は1つ消化され、先読み演出が設定された始動記憶は左から2番目の保留となる。
図33(C)は、図33(B)の画面で実行されていた変動表示ゲームの結果がはずれとなったときの画面である。このとき画面には、人の手だけではなく、具体的に「ワープを狙え!」と遊技球を狙う場所が表示される。このように先読み演出が実行されることで遊技者はワープ通路45を狙うようになり、1回の変動表示ゲームあたりの潜伏告知レベルのアップ度合が増す。
図33(D)及び図33(E)は、さらに次の変動表示ゲームの画面である。図33(D)は、変動表示ゲーム中の画面であり、図33(E)は、変動表示ゲームの結果がはずれとなったときの画面である。このとき、変動表示ゲームの開始とともに、さらに先読み演出として、ワープ通路45方向に向く矢印が表示される。そして、この間にも、遊技者はワープ通路45を狙って遊技球を打つので、潜伏告知レベルが着実に上がる。このとき第1始動記憶の保留数は1つ消化され、先読み演出が設定された始動記憶は1番目の保留となる。
図33(F)は、先読み演出が設定された始動記憶に対応する変動表示ゲーム中の画面である。先読み演出は、この変動表示ゲームにおいて識別図柄が停止されるまで継続される。そして、この変動表示ゲーム中に、潜伏告知レベルが最大値に到達する。
図33(G)は、先読み演出が設定された始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果が突確、又は、特図の当りが高確率状態で小当りとなったときの画面である。当りとなる変動表示ゲームが終了し、このときの潜伏告知レベルは最大値に達しているので、潜伏告知演出テーブルが設定される。
図33(H)は、当りとなる変動表示ゲーム終了直後の画面であり、前述した図31(D2−1)と同じである。直後の画面では、確率状態が高確率状態であることを示す「やったねモード突入!!」が画面中央に表示される。また、潜伏告知レベルが0にリセットされる。その後の画面は、前述した図31(E2−1)と同じである。
なお、潜伏告知メーターは、前述のように表示装置48の画面上に表示してもよいし、別途表示器を設けてLED等で表示してもよい。潜伏告知メーターで現在の告知率を表示するので、遊技者は告知率を視認し易い。また、潜伏告知メーターは、突当り又は小当りだけでなく、大当りなどの告知に用いてもよい。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、告知カウントスイッチを通過した遊技球数に応じた潜伏告知レベルが最大値になると、突当り又は小当りに当選した場合に確率状態を告知するので、突当り又は小当りに当選するまでの遊技への投資を特典(確率状態の告知)に変えることができる。当りのない遊技が続いても無駄にならないので、遊技者に興趣の高い遊技を提供することができる。
また、遊技者が告知カウントスイッチに通過させた遊技球数によって告知演出が実行されるので、遊技者が遊技に参加している実感が得られやすく、遊技の興趣が高まる。
また、告知カウントスイッチを通過した遊技球数が多いほど、長時間当りのない遊技が続いて所持金が減っていると推測できる。このような状態に陥っている遊技者には、突当り又は小当りに当選した場合に確率状態を有利に告知するので、遊技者は遊技を継続するか否かの判断がし易い。これにより、特図の当りが低確率状態である場合に、告知演出は、救済措置として遊技者にこれ以上所持金を減らさないよう遊技を止める機会となる。また、特図の当りが高確率状態である場合に、告知演出は、遊技者の遊技意欲を向上させる。
また、遊技状態が潜伏確変状態又は通常状態のどちらかわからない状況(どきどきモード中)で、潜伏告知レベルが最大値となったときも、現在の確率状態を告知する。これにより、長時間遊技を継続している遊技者には、特図の当りの確率状態が不明なまま遊技を継続させない。よって、遊技者にとって興趣の高い遊技を提供することができる。
また、告知カウントスイッチには、第1告知カウントスイッチ61と第2告知カウントスイッチ62とが設けられる。そして、遊技球が第1告知カウントスイッチ61を通過したときは潜伏告知レベルが上がり、遊技球が第2告知カウントスイッチ62を通過したときは潜伏告知レベルが下がる。これにより潜伏告知レベルは上がる一方ではなく増減するので、遊技の幅が広がり興趣が高まる。
潜伏告知レベルは、告知カウントスイッチ周りの釘を調整することで、遊技店がコントロール可能である。すなわち、遊技店が告知率をコントロールできるので、遊技管理がしやすい。また、第1告知カウントスイッチ61と第2告知カウントスイッチ62とは、それぞれ単独で周辺の釘調整が可能な位置に配置されているので、遊技店はより詳細に告知率をコントロールすることが可能である。
さらに、保留記憶に大当り又は小当りがある場合には、先読み予告を実行する。そして、潜伏告知レベルアップ、すなわち、第1告知カウントスイッチを狙って遊技球を通過させるような演出を先読み演出として実行するので、遊技者は、当該保留記憶に対応する変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りだった場合に確率状態を告知してもらうため、意識的に潜伏告知レベルを上げておくことができる。このように遊技者が確率状態を知ることができるように遊技者に有利な情報を提供するので、遊技者の遊技意欲を向上させる。また、先読み演出中の打ち止めの防止にもなるため、遊技機の稼動も向上する。
また、確率状態の告知を判断する潜伏告知レベルは、突当り又は小当りに当選する変動表示ゲームが変動停止したときの潜伏告知レベルである。そして、当選する変動表示ゲームの次の変動表示ゲームで告知演出が実行される。また、告知カウントスイッチは当選する変動表示ゲームが変動中も有効な状態となっている。このように潜伏告知レベルは変動停止直前まで変わるので、例えば前述の先読み予告がされていても、確率状態が告知されるか否かは次の変動表示ゲームまでわからない。よって、興趣が高い遊技を提供することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、潜伏告知演出処理(図28)において、変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りとなるまでに潜伏告知レベルが最大値(100)に到達していれば100%の告知率で確率状態を告知していたが、第2の実施の形態では、潜伏告知レベルが最大値に到達していない場合であっても、潜伏告知レベルに応じた告知率で確率状態を告知する。また、第2の実施の形態では、突当り又は小当りとなったときに貯まっている保留記憶を考慮しており、突当り又は小当りとなる保留記憶がある場合には、このときの潜伏告知レベルを保留して、当該保留記憶に対応する突当り又は小当りを契機として保留していた潜伏告知レベルに応じた演出を実行する。
以下、第2の実施の形態について、図34から図36を参照して説明する。
〔潜伏告知演出処理2〕
図34は、本発明の第2の実施の形態の潜伏告知演出処理2の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図28と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、突当り又は小当りに当選する変動表示ゲームの識別図柄が停止したときに(S2801の結果が「Y」)、潜伏告知レベルチェック結果の保留があるか否かを判定する(S3401)。
そして、潜伏告知レベルチェック結果の保留がない場合には(S3401の結果が「N」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、現在の潜伏告知レベルをチェックする(S2802)。また、潜伏告知レベルチェック結果の保留がある場合には(S3401の結果が「Y」)、保留された潜伏告知レベルを用いて後述するS3402以降の処理を実行する。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、現在の保留記憶に突当り又は小当りに当選する保留記憶が含まれているか否かを判定する(S3402)。
保留記憶に突当り又は小当りに当選する保留記憶が含まれない場合には、(S3402の結果が「N」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、チェック結果の潜伏告知レベルに対応する潜伏演出テーブルを設定して(S3403)、潜伏告知演出処理2を終了する。第2の実施の形態では、潜伏告知レベルに応じた告知率が設定された潜伏演出テーブルに基づいて告知/非告知演出が実行される。潜伏演出テーブルについての詳細は、図35を参照して後述する。
一方、保留記憶に突当り又は小当りに当選する保留記憶が含まれる場合には、(S3402の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、このときの潜伏告知レベルチェック結果を保留する(S3404)。潜伏告知レベルチェック結果が保留されていると、突当り又は小当りに当選する保留記憶に対応する変動表示ゲームが実行され、変動が停止したときに(S2801の結果が「Y」)、S3401の結果が「Y」となる。
そして、保留した潜伏告知レベルが最大値(100)である場合には(S3405の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、潜伏告知演出テーブルを設定して(S3406)、潜伏告知演出処理2を終了する。ここでは、潜伏告知レベルが100であれば、第1の実施の形態と同様に、今回S2801の結果を「Y」と判定した変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいて100%の確率で告知演出が実行される。さらに、このときの潜伏告知レベル100が保留され、突当り又は小当りに当選する保留記憶に対応する変動表示ゲームが実行されたときにS2801→S3401→S3402と処理が進み、S3402の分岐に関係なく当該変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいても再び100%の確率で告知演出が実行される。すなわち、変動表示ゲームが突当り又は小当りに当選したときに突当り又は小当りに当選する保留記憶があって、潜伏告知レベルが100である場合は、当該保留記憶に対応する変動表示ゲームの次の変動表示ゲームだけでなく、当該変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいても、100%の確率で告知演出が実行される。
また、保留した潜伏告知レベルが最大値(100)でない場合には(S3405の結果が「N」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、潜伏非告知演出テーブルを設定して(S3407)、潜伏告知演出処理2を終了する。ここでは、変動表示ゲームが突当り又は小当りに当選したときに突当り又は小当りに当選する保留記憶がある場合は、当該変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいて告知演出ではなく非告知演出が実行され、当該保留記憶に対応する変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおいて、当該保留記憶の前に突当り又は小当りに当選したときの潜伏告知レベルに基づく告知/非告知演出が実行される。
なお、S3402の処理において、突当り又は小当りに当選する保留記憶が複数含まれる場合には、消化順が遅い保留記憶を演出の対象としてもよい。
〔潜伏演出テーブル〕
次に、図35を参照して、前述した潜伏告知演出処理2で用いられる潜伏演出テーブルについて説明する。図35は、本発明の第2の実施の形態の潜伏演出テーブルの一例である。
潜伏演出テーブルは、潜伏告知レベル0〜100に応じて設定される。潜伏告知レベルが0の場合は、確率状態を告知する確率は0%であり、非告知の確率が100%となる。このとき確率状態が告知されることは100%ないので、潜伏告知レベルが0のときに設定される潜伏演出テーブルを「潜伏非告知演出テーブル」とする。逆に、潜伏告知レベルが100の場合は、確率状態を告知する確率は100%であり、非告知とする確率が0%となる。このとき確率状態は必ず告知されるので、潜伏告知レベルが100のときに設定される潜伏演出テーブルを「潜伏告知演出テーブル」とする。
また、潜伏告知レベルが1〜99の場合は、潜伏告知レベルに応じて告知率及び非告知率が設定された潜伏演出テーブル1〜99が選択される。潜伏告知レベルが1〜99のとき、確率状態を告知する確率は潜伏告知レベルに正比例してそれぞれ1〜99%となり、非告知の確率は(100−確率状態告知率)%となる。潜伏告知レベルが大きくなるほど、告知確率も高くなる。
第2の実施の形態では、突当り又は小当りに当選すると、潜伏告知レベルに応じて告知率及び非告知率が設定された潜伏演出テーブルが選択され、選択された潜伏演出テーブルにおける告知率に基づいて確率状態を告知するか否かが決定される。
〔画面遷移例〕
図36は、本発明の第2の実施の形態において表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
図36(A)は、通常遊技中に第1告知カウントスイッチ61を通過する遊技球がまだ少ない状態で、潜伏告知レベルが10のときの画面である。潜伏告知レベルが10の場合、告知率は10%であるため、画面右上には「10%告知」と表示される。
図36(B)は、通常遊技が続いて第1告知カウントスイッチ61を通過する遊技球が増えて潜伏告知レベルが54まで増えたときの画面である。潜伏告知レベルが54の場合、告知率は54%であるため、画面右上には「54%告知」と表示される。
図36(C)は、変動表示ゲームが突当り又は小当りに当選したときの画面である。このとき潜伏告知レベルは60なので、次の変動表示ゲームにおいて60%の確率で確率状態が告知される。したがって、後述する図36(D1)の画面表示は40%の確率で選択され、図36(D2−1)又は図36(D2−2)の画面表示は60%の確率で選択される。
図36(D1)は、確率状態が告知されない場合の画面である。画面中央には、確率状態がわからないどきどきモードに突入したことが表示される。そして、潜伏告知レベルは0にリセットされるので、画面上に表示される潜伏告知メーターのレベルも0となる。また、画面右上に表示される確率は、潜伏告知レベルに連動するので0%となる。
図36(D2−1)及び図36(D2−2)は、確率状態が告知される場合の画面である。図36(D2−1)は、突確に当選、又は、特図の当りが高確率状態で小当りに当選して潜伏確変状態であることを告知する画面である。画面中央には、やったねモードに突入したことが表示される。そして、潜伏告知レベル及び告知率は0にリセットされる。図36(D2−2)は、突通に当選、又は、特図の当りが低確率状態で小当りに当選して低確率状態であることを告知する画面である。画面中央には、がんばろうモードであることが表示される。そして、潜伏告知レベル及び告知率は0にリセットされる。
(第2の実施の形態の効果)
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りとなった場合に、潜伏告知レベルが最大値に到達していなくても、潜伏告知レベルに応じた確率で確率状態を告知する。このため、突当り又は小当りに当選するたびに、前回の大当り又は小当りから続いた遊技の恩恵(確率状態の告知)を受ける可能性が生じるので、遊技の興趣が向上する。
また、潜伏告知レベルに応じて確率状態の告知率及び非告知率が設定された演出テーブルが選択される。遊技者が第1又は第2告知カウントスイッチに通過させてきた遊技球の数によって告知/非告知の選択率が異なるので、遊技者に、より遊技に関与している感を与えることができる。よって、遊技の興趣が向上する。
また、変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りとなったときに、突当り又は小当りとなる保留記憶がある場合には、現在の潜伏告知レベルを保留する。潜伏告知レベルは突当り又は小当りになるとリセットされてしまうので、間もないうちにまた突当り又は小当りとなる場合は、潜伏告知レベルが低く、告知率が低い設定の潜伏演出テーブルが選択されてしまう。しかし、後の変動表示ゲームの結果の方がその後の遊技を継続するか否かの判断に大きな影響を与えるので、遊技者は後の突当り又は小当りを契機とした確率状態を知りたい。そこで、保留記憶に対応する変動表示ゲームが突当り又は小当りとなったときに保留していた潜伏告知レベルを用いて潜伏演出テーブルを選択することで、遊技者にとって重要な情報(後の突当り又は小当りを契機とした確率状態)が優先して遊技者に告知される。このように、遊技者にとって価値の高い演出を提供することができる。
ここで、潜伏告知レベルは保留された後リセットされるので、画面上の潜伏告知メーターの表示もリセットされる。このため、後の変動表示ゲームの結果が突当り又は小当りとなったときに画面に表示されている告知率は低い。しかし、実際の告知率は保留された潜伏告知レベルに応じて設定されるので画面表示の告知率よりも高い。画面表示の告知率が低いにも関わらず確率状態が告知されることで、遊技者は嬉しさを感じるとともに運に恵まれていると感じるので、遊技意欲が向上する。
(第3の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、潜伏告知率変更処理(図25)において、有効期間であれば告知カウンタスイッチへの入力による潜伏告知レベルの増減値は一定であったが、第3の実施の形態では、第1告知カウントスイッチ61への入力による潜伏告知レベルの増加値を2パターン設け、特図の当りが高確率状態である場合に潜伏告知レベルが上昇し易いようにする。また、第1の実施の形態では、最大告知率は100%で一定であったが、第3の実施の形態では、遊技領域10aに発射される遊技球数に応じて最大告知率が変動する。第3の実施の形態では、遊技領域10aに発射された遊技球を検出することが可能な発射球検出センサ60の設置が必須である。
以下、第3の実施の形態について、図37から図40を参照して説明する。
〔潜伏告知率変更処理2〕
図37は、本発明の第3の実施の形態の潜伏告知率変更処理2の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図25と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、最大告知率変更処理を実行する(S3701)。最大告知率変更処理の詳細は、図38及び図39を参照して後述する。
そして、告知カウントスイッチ有効期間であって(S2501の結果が「Y」)、第1告知カウントスイッチ61への入力があった場合に(S2502の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルが最大値に到達したか否かを判定する(S3702)。ここで、最大値とは、第1の実施の形態では100であったが、第3の実施の形態ではS3701で設定される最大告知率の値である。
潜伏告知レベルが最大値に到達していない場合には(S3702の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特図の当りが高確率状態であるか否かを判定する(S3703)。
特図の当りが高確率状態である場合には(S3703の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1告知カウントスイッチ61への入力1回につき、80%の確率で潜伏告知レベル及び潜伏告知メーターの演出レベルを2加算し(S3704、S3705)、20%の確率で潜伏告知レベル及び潜伏告知メーターの演出レベルを1加算する(S3706、S3707)。
特図の当りが高確率状態でない場合には(S3703の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1告知カウントスイッチ61への入力1回につき、20%の確率で潜伏告知レベル及び潜伏告知メーターの演出レベルを2加算し(S3708、S3709)、80%の確率で潜伏告知レベル及び潜伏告知メーターの演出レベルを1加算する(S3710、S3711)。
〔最大告知率変更処理〕
図38は、本発明の第3の実施の形態の最大告知率変更処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、発射球検出センサ60によって遊技領域10aに発射された遊技球(発射球)が検出されたか否かを判定する(S3801)。そして、遊技球の通過が検出された場合には(S3801の結果が「Y」)、検出1回につき発射球数のカウントを1加算する(S3802)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、カウントした発射球数が所定球数を計数したか否かを判定する(S3803)。そして、所定球数を計数した場合には(S3803の結果が「Y」)、投資レベルを1加算する(S3804)。
ここで、投資レベルの変更に連動して最大告知率も変更になるので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、表示装置48に表示している最大告知率の演出表示を変更する(S3805)。発射球数、投資レベル及び最大告知率の関係については、図39を参照して後述する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、潜伏告知レベルをクリアする条件が成立するか否かを判定する(S3806)。クリア条件が成立する場合には(S3806の結果が「Y」)、投資レベルを初期値1に設定するとともに(S3807)、最大告知率も変更となるので演出表示を変更して(S3808)、最大告知率変更処理を終了する。
なお、遊技球の通過が検出されない場合(S3801の結果が「N」)、又は、カウントした発射球数が所定球数まで計数していない場合(S3803の結果が「N」)には、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3806の処理へと移行する。また、潜伏告知レベルのクリア条件が成立しない場合には(S3806の結果が「N」)、最大告知率変更処理を終了する。
〔最大告知率設定テーブル〕
図39は、本発明の第3の実施の形態の最大告知率設定テーブルの一例である。
ここでは、発射球数に応じて投資レベルが設定される。発射球数が250球未満のとき、投資レベルは最小レベル1で、最大告知率は50%である。そして、発射球数が250球カウントされる毎に投資レベルが1つずつ上がり、最大告知率が5%ずつ上がる。発射球数が2500球を超えると投資レベルが最大レベル11となり、最大告知率が100%となる。最大告知率が設定されている場合は、第1告知カウントスイッチを遊技球が何球通過したとしても、告知率は設定されている最大告知率の割合までしか増加しないことになる。
〔画面遷移〕
図40は、本発明の第3の実施の形態において表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
図40(A)は、遊技が開始されて間もないので発射球数が250球に満たず、投資レベルが初期レベル1のときの画面である。このときの最大告知率は50%である。画面右上には、潜伏告知メーターが最大値に達した場合に選択される最大告知率が「50%告知」と薄字で表示されている。このとき潜伏告知メーターのレベルは全体のおよそ5分の2まで増加しているので、この段階ではおよそ20%の告知レベルであることを遊技者は推測可能である。
図40(B)は、その後発射球数が増えて投資レベル2となったときの画面である。このときの最大告知率は55%である。このとき潜伏告知メーターのレベルは半分を超えた位置まで増加しているので、この段階ではおよそ30%の告知レベルであることを遊技者は推測可能である。このように第3の実施の形態では、発射球数に応じて最大告知率が変化する。
図40(C)は、投資レベル3で変動表示ゲームが突当り又は小当りに当選したときの画面である。画面上に設けられた潜伏告知メーターのレベル、すなわち、潜伏告知レベルが最大値に到達している。このため告知率は最大告知率となり、投資レベル3のときの最大告知率「60%告知」が濃く表示される。そして、60%の確率で確率状態が告知される。したがって後述する図40(D1)の画面表示は40%の確率で選択され、図40(D2−1)又は図40(D2−2)の画面表示は60%の確率で選択される。
図40(D1)は、確率状態が告知されない場合の画面である。画面中央には、確率状態がわからないどきどきモードに突入したことが表示される。そして、潜伏告知レベルは0にリセットされるので、画面上に表示される潜伏告知メーターのレベルも0になる。また、突当り又は小当りに当選したことでこれまでの投資レベルも最小レベル1にリセットされるので、画面右上に表示される最大告知率は50%で、「50%告知」の表示は薄字に変わる。
図40(D2−1)及び図40(D2−2)は、確率状態が告知される場合の画面である。図40(D2−1)は、突確に当選して潜伏確変状態であることを告知する画面である。画面中央には、やったねモードに突入したことが表示される。そして、潜伏告知レベル(潜伏告知メーター)は0に、最大告知率は50%にリセットされ、「50%告知」の表示は薄字に変わる。図40(D2−2)は、突通又は小当りに当選して低確率状態であることを告知する画面である。画面中央には、がんばろうモードであることが表示される。そして、潜伏告知レベル(潜伏告知メーター)は0に、最大告知率は50%にリセットされ、「50%告知」の表示は薄字に変わる。
また、突当り又は小当りに当選したときには4つあった保留記憶が(図40(C))、確率状態の告知/非告知演出実行時までに2つ消化されている。したがって、確率状態の告知/非告知演出は、突当り又は小当りに当選した変動表示ゲームの次の変動表示ゲームではなく、さらに次の変動表示ゲームで実行されている。第1及び第2の実施の形態では、突当り又は小当りに当選した変動表示ゲームの次の変動表示ゲームで確率状態の告知/非告知演出が実行されている。確率状態の告知/非告知演出は、突当り又は小当りを契機として、その後の変動表示ゲームにおいて実行され、その演出態様は前述した態様に限らない。
図40では、突当り又は小当りに当選したときに潜伏告知レベルが最大値に到達した場合について説明したが、第2の実施の形態のように潜伏告知レベルが最大値に到達していなくても告知/非告知演出を実行する場合について説明する。
この場合は、図40(C)において、潜伏告知メーターのレベルが最大値に到達していなくても、突当り又は小当りに当選したときの潜伏告知レベル及び最大告知率に基づく確率で確率状態が告知される。このとき、遊技者は、前述したように画面上に表示される最大告知率と潜伏告知メーターのレベル位置とにより、現在の告知率を推測可能である。
第3の実施の形態では、突当り又は小当りに当選すると、前回の当りからの発射球数に応じて設定される投資レベルに対応する最大告知率及び潜伏告知レベルに基づいて、確率状態を告知するか否かが決定される。
(第3の実施の形態の効果)
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、特図の当りが高確率状態である場合に潜伏告知レベルが上がりやすい。これにより、第1告知カウントスイッチ61への入力に対する潜伏告知メーターの増加速度が通常よりも速くなった場合に、特図の当りが高確率状態であると遊技者は推測するので、遊技者の遊技意欲が向上する。また、確率状態が告知されない場合でも、画面上に表示された潜伏告知メーターの増加速度により確率状態を推測することできるので、遊技の興趣が増す。
また、潜伏告知レベルは大当り又は小当りに当選したら0にリセットされるが、変動表示ゲームの結果が確変大当りや突確であった場合には次回の当りが通常よりも早く訪れることが予想されるため、遊技者は次回の当りでの告知率を上げるためにも早く潜伏告知レベルを上げたい。このような場合に潜伏告知レベルが上がりやすいので、遊技者に潜伏告知レベルがリセットされてしまうことへのストレスを感じさせずに、遊技を継続してもらうことができる。さらに、遊技者は、潜伏告知レベルを上げるために発射球数を増やして第1告知カウントスイッチ61を狙うので、遊技効率が向上する。
さらに、最大告知率は、発射球数に応じて変更される。発射球数が多いほど遊技者が遊技に費やした金額が大きいと推測できるので、遊技者の投資金額を演出に反映させることができる。そして、遊技者の投資金額が大きいほど確率告知の実行率が高くなるので、遊技者は投資金額に応じた特典を受けることができる。
(第3の実施の形態の変形例)
本発明の第3の実施の形態では、最大告知率変更処理(図38)において、遊技者が遊技領域10aに発射した遊技球数に応じて投資レベルが設定される。変形例として、球貸要求信号に基づく払出回数に応じて投資レベルが設定される態様について説明する。
以下、第3の実施の形態の変形例における最大告知率変更処理2について図41及び図42を参照して説明する。
〔最大告知率変更処理2〕
図41は、本発明の第3の実施の形態の変形例の最大告知率変更処理2の手順を示すフローチャートである。なお、第3の実施の形態と共通の処理については、図38と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、払出制御装置580から球貸要求信号に対応する払出完了コマンドを受信したか否かを判定する(S4101)。そして、払出完了コマンドを受信した場合には(S4101の結果が「Y」)、払出回数を1加算する(S4102)。このように払出完了コマンド受信回数に応じた払出回数が所定回数に達したか否かを判定する(S4103)。そして、所定回数の払出が完了した場合には(S4103の結果が「Y」)、投資レベルを1加算する(S3804)。以降の処理は図38と同じである。
〔最大告知率設定テーブル〕
図42は、本発明の第3の実施の形態の変形例の最大告知率設定テーブルの一例である。
ここでは、払出回数に応じて投資レベルが設定される。払い出しが1回のとき、投資レベルは最小レベル1で、最大告知率は50%である。そして、払出回数が2回になると、投資レベルがレベル2となり、最大告知率が55%となる。それ以降は、払い出しが2回完了する毎に投資レベルが1つずつ上がり、最大告知率が5%ずつ上がる。払出回数が20回を超えると投資レベルが最大レベル11となり、最大告知率が100%となる。
(第3の実施の形態の変形例の効果)
以上のように、本発明の第3の実施の形態の変形例によれば、最大告知率は、払出回数に応じて変更されるので、持ち球による遊技との区別が可能となり、第3の実施の形態からさらに遊技者の投資金額を正確に演出に反映させることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。