以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図5(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、図5(b)のように、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する(図5(b)参照)。
普図保留表示器56は、図5(c)に示すように、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。なお、本実施形態の遊技機では、大当りの他に小当りも発生可能である。小当りの場合は、大当り(2R大当り)の場合と同様の処理が行われて特別遊技状態となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図7のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図7のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りまたは小当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)や小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)や小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。なお、特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。なお、大当り終了処理(ステップA15)の詳細については後述する。
その後、分岐処理にて準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図10に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口36(第1始動口)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、第1始動口による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA118)。
その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA117;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなす。
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図12に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合にも(ステップA234;Yes)、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA236)を行った後、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA237;No)と判定すると、処理をステップA245に移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA237;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA238)。
次に、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA239)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA240;No)と判定すると、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA241)。そして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA242)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA243)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA244)を行う。また、ステップA240にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA240;Yes)は、処理をステップA242に移行して、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいてそれ以降の処理を行う。
次に、大当り情報テーブルから始動口入賞演出情報を取得する処理(ステップA245)を行って、当該始動口入賞演出情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA246)。続けて、大当り情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA247)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA249)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA250)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA251)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA252)を行う。なお、ステップA250における特図情報設定処理、ステップA251における後半変動パターン設定処理、ステップA252における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンドを準備し(ステップA253)、コマンド設定処理(ステップA254)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA253にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA255にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図13に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。次に、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA310)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA312)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA314)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図14に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグをロードして準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA327)。続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA332)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される特図保留数に係る飾り特図1保留数コマンドを準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図15に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、第2特図停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA343)。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA344)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
次に、特図2変動フラグをロードして準備し(ステップA346)、特図2変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA347)。続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA348)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA352)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される特図保留数に係る飾り特図2保留数コマンドを準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図16に示すように、特図変動中処理では、先ず、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されて大当りとなる場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA521)を行う。
次に、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をチェックして(ステップA522)、停止図柄パターンが大当り図柄である(ステップA523;Yes)と判定すると、ステップA521にて設定した大当りとなる場合の特図停止時間ポインタが設定された状態でステップA528に移行する。一方、ステップA523にて、停止図柄パターンが大当り図柄でない、即ち、はずれ図柄である(ステップA523;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA524)を行う。
続けて、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックして(ステップA525)、後半変動番号がリーチなしの番号でない、即ち、リーチありの番号である(ステップA526;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生する場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA527)を行う。また、ステップA526にて、後半変動番号がリーチなしの番号であると判定された場合(ステップA526;Yes)には、ステップA527の処理を行わずにステップA528に移行する。したがって、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生しない場合の特図停止時間ポインタが設定されることとなる。次に、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
そして、ステップA521、A524、A527の何れかにて設定された特図停止時間ポインタに対応する停止時間、即ち、ステップA521にて設定された大当り時の特図停止時間ポインタ、ステップA527にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、或いは、ステップA524にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する処理(ステップA529)を行った後、取得された停止時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA530)。
そして、特図表示中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA531)、具体的には、当該テーブルに、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。
その後、停止コマンドを準備する処理(ステップA532)、コマンド設定処理(ステップA533)を行い、特図変動中処理を終了する。この停止コマンドにには、特図変動表示ゲームの結果や停止図柄の情報が含まれており、後に演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では停止コマンドの受信に基づき、飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止する処理を行う。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図17に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA543)、大当りである(ステップA544;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA551)、ステップA552に処理を移行する。一方、ステップA544にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA544;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA549)、ステップA552に処理を移行する。
そして、上述したステップA549における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA551における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA552)を行う。次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得した後(ステップA553)、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA554)。続けて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得した後(ステップA555)、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA556)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA557)、コマンド設定処理(ステップA558)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄情報領域からロードし(ステップA559)、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA560)、コマンド設定処理(ステップA561)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA562)、コマンド設定処理(ステップA563)を行う。
次に、大入賞口開放情報判定フラグをロードして(ステップA564)、当該大入賞口開放情報判定フラグに対応する外部情報データをRWMにセーブする(ステップA565)。続けて、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する外部情報データをRWMにセーブした後(ステップA566)、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定して(ステップA567)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA568)。その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA570)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA571)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、図18に示すように、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置37の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する処理(ステップA572)を行う。ここで、遊技状態が時短状態でない(ステップA572;No)と判定すると、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA573)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA572にて、遊技状態が時短状態である(ステップA572;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後(ステップA574)、当該更新後の時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA575)を行う。ここで、時間短縮変動回数が0でない(ステップA575;No)と判定すると、処理をステップA573に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA575にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA575;Yes)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数(例えば、100回)の実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA576)、コマンド設定処理(ステップA577)を行う。次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA578)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図19に示すように、大当り終了処理では、先ず、大当り終了設定テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA641)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された確率変動判定フラグをロードした後(ステップA642)、当該確率変動判定フラグに対応する大当り終了設定テーブルを取得する処理(ステップA643)を行って、取得した大当り終了設定テーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA644)。
ここで、大当り終了設定テーブルは、特別遊技状態の終了後に発生する遊技状態の種類、例えば、確変状態や時短状態に応じて設定されるようになっている。確変状態用の大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を点灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報等を規定するものである。
また、時短状態用の大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、時間短縮変動回数(例えば、100回)を指示する情報等を規定するものである。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、特別遊技状態の発生確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率変動制御手段をなす。
次に、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA645)、コマンド設定処理(ステップA646)を行う。続けて、予め実行された先読み処理にて設定された変動パターンに係る変動振り分け判定フラグをロードした後(ステップA647)、ロードした値をRWMの変動パターンテーブル領域にセーブする(ステップA648)。
その後、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA649)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
さらに、当り図柄に対応する停止図柄コマンドを準備する処理(ステップA650)、コマンド設定処理(ステップA651)を行い、大当り終了処理を終了する。この停止図柄コマンドにには、今回の特別遊技状態を発生する契機となった特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報が含まれており、後に演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では停止コマンドの受信に基づき、演出モードの設定を行う。
演出制御装置300では、遊技に関する処理として、主に図20に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、4msecごと)に行われる図21に示す割込み処理とを行う。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図20に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、電源投入時の初期化処理(ステップB10)を行い、タイマを起動する処理(ステップB11)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップB12)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップB12)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。
その後、遊技制御装置100で始動記憶の発生時に行った先読み処理の結果に基づく演出の設定を行う先読み演出処理(ステップB13)を行い、特図変動表示ゲームに対応して実行される飾り特図変動表示ゲームの制御に関するゲーム管理処理(ステップB14)を行う。そして、表示装置41の表示に関する処理である表示制御処理(ステップB15)、音声の出力に関する処理である音制御処理(ステップB16)、装飾装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45など)の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB17)を行う。さらに、エラーの発生の監視を行うエラー監視処理(ステップB18)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB19)を行い、メインコマンド解析処理(ステップB12)に戻る。
また、図21に示すように割込み処理では、まず、タイマ更新処理(ステップB20)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB21)、演出制御装置300から出力される信号を処理する出力処理(ステップB22)を行う。その後、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB23)を行い、割込み処理を終了する。
図22には、図20に示したメイン処理で行われるゲーム管理処理(ステップB14)を示した。このゲーム管理処理では、制御処理番号を取得し、取得した制御処理番号に基づき実行する処理を選択する。
制御処理番号が0である場合(ステップB30;Y)は、変動開始処理(ステップB31)を行う。この変動開始処理では、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信される情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、制御処理番号が1である場合(ステップB32;Y)は、図柄停止中処理(ステップB35)を行うために必要な情報として飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う変動中処理(ステップB33)を行う。また、制御処理番号が2である場合(ステップB34;Y)は、図柄停止中処理(ステップB35)を行う。図柄停止中処理(ステップB35)においては、特図変動表示ゲームの結果が大当りまたは小当りである場合には、ファンファーレ/インターバル処理(ステップB37)を行うために必要な情報の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、変動開始処理(ステップB31)へ移行するため情報の設定などを行う。
また、制御処理番号が3である場合(ステップB36;Y)は、特別遊技状態における演出において大入賞口の開放回数の更新などの処理を行うファンファーレ/インターバル処理(ステップB37)を行う。また、制御処理番号が4である場合(ステップB38;Y)は、大入賞口開放中処理(ステップB39)を行う。この大入賞口開放中処理(ステップB39)では、特別遊技状態が最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル処理(ステップB37)を行うために必要な情報の設定を行う。また、特別遊技状態が最終ラウンドであれば特別遊技状態の終了画面の表示や大入賞口残存球処理(ステップB41)を行うために必要な情報の設定を行う。
また、制御処理番号が5である場合(ステップB40;Y)は、大入賞口残存球処理(ステップB41)を行う。この大入賞口残存球処理(ステップB41)では、特別遊技状態が最終ラウンドである場合に、大入賞口を閉鎖した後に大入賞口内に残存する全ての遊技球がカウントスイッチ38aで検出されるまでの時間の設定を行う。また、制御処理番号が6である場合(ステップB42;Y)は、大当り終了処理(ステップB43)を行う。この大当り終了処理(ステップB43)では、特別遊技状態を終了する処理を行うとともに、変動開始処理(ステップB31)を行うために必要な情報の設定を行う。
図23には、図22に示すゲーム管理処理での大当り終了処理(ステップB43)を示した。この大当り終了処理では、まず、停止図柄コマンドを受信したか否かの判定(ステップB50)を行う。
参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB51)を行い、確率情報コマンド及び停止図柄コマンドに対応する確率情報と演出モード情報をセットする処理(ステップB52)を行う。これらの処理により、参照テーブルとして図24に示すような情報設定テーブルがセットされ、このテーブルに特図変動表示ゲームの停止図柄を参照することで、確率情報と演出モード情報が決定されてセットされる。例えば、停止図柄が2R通常図柄であった場合は、確率情報として低確率がセットされ、演出モード情報として曖昧報知演出モードがセットされる。また、停止図柄が小当り図柄であった場合は、確率情報として特別遊技状態の開始前の確率情報がセットされ、演出モード情報が曖昧報知演出モードとされる。
なお、演出モードには、通常演出モード、時短報知演出モード、確変報知演出モード、曖昧報知演出モードの4つのモードがある。このうち、通常演出モード及び時短報知演出モードでは確率状態が通常確率状態であることが報知され、確変報知演出モードでは確率状態が高確率状態であることが報知される。これに対して曖昧報知演出モードでは確率状態が明確に報知されない。このようなモードの選択は、遊技制御装置100からの情報に基づき演出制御装置300で行われる。すなわち、演出制御装置300が、確率状態を遊技者に報知する報知手段をなす。
その後、セットされた演出モード情報が曖昧報知演出モードであるか否かの判定(ステップB53)を行い、曖昧報知演出モードでない場合(ステップB53;N)は、特定リーチ決定用乱数を抽出する処理(ステップB54)を行う。さらに、抽出した特定リーチ決定用乱数に基づき選択された特定リーチ情報をセットする処理(ステップB55)を行い、ゲーム処理番号を0にセットする処理を行って、大当り終了処理を終了する。すなわち、この場合は遊技機が自動的に特定リーチを選択する。
一方、セットされた演出モード情報が曖昧報知演出モードである場合(ステップB53;Y)は、特定リーチ設定処理(ステップB57)を行って、大当り終了処理を終了する。この特定リーチ設定処理では、図25に示すように、まず、状態報知可能フラグをセットする処理(ステップB60)を行う。状態報知可能フラグとは、確率状態を明確に報知しない曖昧報知演出モード中にセットされるものである。そして、背景情報としてリーチ選択画面を設定する処理(ステップB61)を行う。この処理により、例えば、図31(a)に示すような画像が表示されることとなる。その後、選択タイマをセットする処理(ステップB62)を行い、操作検出があるか否かの判定(ステップB63)を行う。
選択タイマとは、特定リーチを選択する選択可能時間を計時するためのもので、選択タイマをセットする処理(ステップB62)では、例えば所定の初期値がセットされる。そして、割り込み処理毎に値が1ずつ減算され、値が0になった際に選択可能時間が経過したと判定されるようになっている。
また、操作検出があるか否かの判定(ステップB63)では、遊技者が演出ボタン25を操作(押下)することに基づく入力があるかを判定する。この操作検出があるか否かの判定(ステップB63)において、操作検出がある場合(ステップB63;Y)は、特定リーチ情報をセットする処理(ステップB67)を行い、特定リーチ設定処理を終了する。特定リーチ情報をセットする処理では、遊技者が演出ボタン25の操作により選択したリーチの種類を特定リーチとして設定する。
一方、操作検出があるか否かの判定(ステップB63)において、操作検出がない場合(ステップB63;N)は、タイムアップか否かの判定(ステップB64)を行う。タイムアップか否かの判定(ステップB64)では、選択タイマの値を参照して選択可能時間が経過したか(例えば、選択タイマの値が0か)を判定する。このタイムアップか否かの判定(ステップB64)において、タイムアップしていない場合(ステップB64;N)は、操作検出があるか否かの判定(ステップB63)に戻る。また、タイムアップしている場合(ステップB64;Y)は、選択タイマをクリアする処理(ステップB65)を行い、特定リーチ決定用乱数を抽出する処理(ステップB66)を行う。そして、特定リーチ情報をセットする処理(ステップB67)を行い、特定リーチ設定処理を終了する。すなわち、遊技者が選択を行わなかった場合は、遊技機が自動的に特定リーチを選択する。以上のことから、演出制御装置300が、該複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択する選択手段をなす。
なお、遊技者が選択を行わなかった場合に、特定リーチの設定を行わないようにしても良い。すなわち、タイムアップした場合(ステップB64;Y)に、状態報知可能フラグをクリアする処理を行い、特定リーチ設定処理を終了するようにしても良い。このようにすることで、曖昧報知演出モード中に確率状態が報知されることがなくなるので、確率状態を知りたくない遊技者の意思に沿うことが可能となる。また、リーチ選択画面において、リーチの選択の他に確率状態の報知を行うか否かも選択できるようにしても良い。この場合、確率状態の報知を行わない選択を行った場合は、状態報知可能フラグをクリアする処理を行う。
また、特定リーチとして選択したリーチの種類や、遊技者の選択態様(例えば、選択するまでの時間や複数回の選択操作の履歴)などを記憶しておくようしても良い。そして、この記憶に基づき、所定条件や、確率状態の報知態様、特別遊技状態の演出態様を変化させるようにしても良い。また、選択手段は演出ボタン25に限られるものではなく、遊技機に設けた赤外線センサにより遊技者が手等をかざすことを検出するものなど、遊技者による操作を検出するものであれば良い。
以上のことから、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、選択手段(演出制御装置300)は、操作手段からの入力に基づき特定のリーチ変動態様を選択するようにしたこととなる。
図26には、図22に示すゲーム管理処理での変動開始処理(ステップB31)を示した。この変動開始処理では、まず、変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB70)を行う。変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置100から送信されるコマンドであって、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンドや、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドである。この変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB70)において、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップB70;N)は、変動開始処理を終了する。また、変動開始コマンドを受信している場合(ステップB70;Y)は、図柄指定情報(飾り特図コマンド)に対応する停止図柄を設定する処理(ステップB71)を行う。
図柄指定情報に対応する停止図柄を設定する処理(ステップB71)では、受信した変動開始コマンドの図柄指定情報に基づき、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定する。そして、設定した図柄が大当り図柄であるか否かの判定(ステップB72)を行う。この大当り図柄であるか否かの判定(ステップB72)において、大当り図柄である場合(ステップB72;Y)は、大当りフラグをセットする処理(ステップB73)を行い、変動パターン設定処理(ステップB74)を行う。また、大当り図柄であるか否かの判定(ステップB72)において、大当り図柄でない場合(ステップB72;N)は、変動パターン設定処理(ステップB74)を行う。
変動パターン設定処理(ステップB74)では、受信した変動開始コマンドに基づき、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する。その後、特定リーチ制御処理(ステップB75)を行う。特定リーチ制御処理(ステップB75)の詳細については後述するが、特定のリーチの発生を監視し、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合に所定の報知を行う処理を行う。
次に、飾り特図変動表示ゲームを開始するための変動開始フラグをセットする処理(ステップB76)を行い、対応する始動記憶領域をシフトする処理(ステップB77)を行う。その後、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB78)を行い、変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動態様設定手段をなす。
図27には、図26に示す変動開始処理での特定リーチ制御処理(ステップB75)を示した。この特定リーチ制御処理では、まず、特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB80)を行う。特定大当り演出実行フラグは、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合にセットされるフラグである。この特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB80)において、特定大当り演出実行フラグがある場合(ステップB80;Y)は、特定リーチ制御処理を終了する。すなわちこの場合は、すでに特定リーチの発生履歴が所定条件を満たしており、これ以上特定リーチの発生履歴を監視する必要がない場合である。また、特定大当り演出実行フラグがない場合(ステップB80;N)は、特定リーチ情報があるが否かの判定(ステップB81)を行う。
特定リーチ情報とは、特別遊技状態の終了時に決定される特定リーチに関する情報であって、例えば、特定リーチとして選択されたリーチの種類の情報が含まれる。この特定リーチ情報があるが否かの判定(ステップB81)において、特定リーチ情報がない場合(ステップB81;N)は、特定リーチ制御処理を終了する。また、特定リーチ情報がある場合(ステップB81;Y)は、設定された変動パターンを取得する処理(ステップB82)を行い、特定リーチ発生パターンであるか否かの判定(ステップB83)を行う。
設定された変動パターンを取得する処理(ステップB82)では、変動パターン設定処理(ステップB74)で設定された変動パターンを取得する処理を行う。この処理で取得した変動パターンが特定リーチ発生パターンでない場合(ステップB83;N)は、特定リーチ制御処理を終了する。また、取得した変動パターンが特定リーチ発生パターンである場合(ステップB83;Y)は、特定リーチカウンタを1インクリメントする処理(ステップB84)を行う。すなわち、演出制御装置300が、変動態様設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)によって設定された変動態様の履歴に関する情報を記憶可能な記憶手段をなす。
その後、特定リーチの履歴情報を遊技者に報知するための表示を更新するためのフラグである特定リーチカウンタ更新フラグをセットする処理(ステップB85)を行い、特定リーチカウンタが上限(例えば3)であるか否かの判定(ステップB86)を行う。そして、特定リーチカウンタが上限でない場合(ステップB86;N)は、特定リーチ制御処理を終了する。また、特定リーチカウンタが上限である場合(ステップB86;Y)は、確率状態を明確に報知していない状態において、当該確率状態を明確に報知可能な状態となった場合に設定される状態報知可能フラグがあるか否かの判定(ステップB87)を行う。
この状態報知可能フラグがある場合(ステップB87;Y)は、状態報知フラグをセットする処理(ステップB88)を行い、状態報知可能フラグをクリアする処理(ステップB89)を行う。状態報知フラグをセットすることにより、確率状態を報知する演出が実行されることとなる。その後、特定大当り演出実行フラグをセットする処理(ステップB90)を行い、特定リーチ制御処理を終了する。一方、状態報知可能フラグがない場合(ステップB87;N)、すなわち、すでに確率状態が報知されている場合は、特定大当り演出実行フラグをセットする処理(ステップB90)を行い、特定リーチ制御処理を終了する。
図28には、図22に示すゲーム管理処理での変動中処理(ステップB33)を示した。この変動中処理では、まず、変動終了であるか否かの判定(ステップB100)を行う。この処理では複数の識別情報を変動表示する変動時間が終了したかを判定する。この変動終了であるか否かの判定(ステップB100)において変動終了である場合(ステップB100;Y)は、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB109)を行い、変動中処理を終了する。また、変動終了でない場合(ステップB100;N)は、リーチが発生したか否かの判定(ステップB101)を行う。
リーチが発生したか否かの判定(ステップB101)において、リーチが発生していない場合(ステップB101;N)は、変動中処理を終了する。また、リーチが発生した場合(ステップB101;Y)は、特定リーチカウンタ更新フラグがあるか否かの判定(ステップB102)を行う。
上述したように、特定リーチカウンタ更新フラグは特定リーチの履歴情報を遊技者に報知するための表示を更新するためのフラグであり、このフラグがある場合は、発生したリーチが特定リーチである場合である。この特定リーチカウンタ更新フラグがあるか否かの判定(ステップB102)において、特定リーチカウンタ更新フラグがない場合(ステップB102;N)は、変動中処理を終了する。また、特定リーチカウンタ更新フラグがある場合(ステップB102;Y)は、リーチカウンタ表示を更新する処理(ステップB103)を行う。例えば、図31(e)に示すように、リーチカウンタ表示600は特定リーチの発生回数を表示するものである。その後、特定リーチカウンタ更新フラグをクリアする処理(ステップB104)を行って、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB105)を行う。
状態報知フラグは、確率状態を明確に報知しない曖昧報知演出モード中に特定リーチの発生履歴が所定条件を満たし、確率状態を報知する演出が実行可能である場合にセットされるフラグである。この状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB105)において、状態報知フラグがない場合(ステップB105;N)は、変動中処理を終了する。また、状態報知フラグがある場合(ステップB105;Y)は、現在の確率情報を取得する処理(ステップB106)を行い、現在の確率情報を報知する処理(ステップB107)を行う。そして、状態報知フラグをクリアする処理(ステップB108)を行って、変動中処理を終了する。
このように、特別遊技状態の終了後から所定期間においては確率状態を遊技者に明確に報知しないようにする一方、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たす場合に確率状態を遊技者に明確に報知するようにしたことで、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、リーチ変動態様に関連した特別遊技状態における演出態様の設定による興趣の向上に加え、リーチ変動態様と確率状態の報知とに関連を持たせることによる興趣の向上を図ることができ、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
以上のことから、特別遊技状態の終了後、特別遊技状態の発生確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率変動制御手段(遊技制御装置100)と、確率状態を遊技者に報知する報知手段(演出制御装置300)と、を備え、報知手段は、特別遊技状態の終了後から所定期間においては、確率状態を遊技者に明確に報知しないようにする一方、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が、所定条件を満たす場合に、確率状態を遊技者に明確に報知するようにしたこととなる。
図29には、図22に示すゲーム管理処理での図柄停止中処理(ステップB35)を示した。この図柄停止中処理では、まず、停止コマンドを受信したか否かの判定(ステップB110)を行う。停止コマンドとは、特図変動表示ゲームの停止時に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。この停止コマンドを受信したか否かの判定(ステップB110)において、停止コマンドを受信していない場合(ステップB110;N)は、図柄停止中処理を終了する。また、停止コマンドを受信した場合(ステップB110;Y)は、停止コマンドに関する情報を取得する処理(ステップB111)を行い、大当りであるか否かの判定(ステップB112)を行う。なお、停止コマンドに関する情報には、特図変動表示ゲームの結果や停止図柄の情報が含まれている。
大当りであるか否かの判定(ステップB112)において、大当りでない場合(ステップB112;N)は、飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止するための図柄停止処理(ステップB118)を行い、表示状態更新処理(ステップB119)を行う。その後、ゲーム処理番号を0にセットする処理(ステップB120)を行い、図柄停止中処理を終了する。
ここで、表示状態更新処理(ステップB118)について、図30を参照して説明する。表示状態更新処理では、まず、特定リーチ情報を取得する処理(ステップB130)を行い、特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB131)を行う。
特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB131)において、特定大当り演出実行フラグがない場合(ステップB131;N)は、表示状態更新処理を終了する。また、特定大当り演出実行フラグがある場合(ステップB131;Y)は、特定リーチカウンタをクリアする処理(ステップB132)を行い、特定大当り演出実行フラグをクリアする処理を行う。なお、特定リーチカウンタをクリアする処理(ステップB132)では、カウンタの値を全てクリアするようにしても良いし、一部をクリアするようにしても良い。
その後、特定リーチ決定用乱数を抽出する処理(ステップB134)を行い、抽出した特定リーチ決定用乱数に基づき選択された新たな特定リーチ情報をセットする処理(ステップB135)を行って、表示状態更新処理を終了する。
以上のような処理により、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合に、発生履歴の一部又は全部がクリアされるとともに、新たな特定リーチが設定される。これにより、所定条件を満たした後の興趣の低下を防止でき、引き続き大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。例えば、図33に示す例では、特定リーチカウンタの値の一部をクリアして、カウンタ値を3から1に変更している。また、新たに選択された特定リーチはそれまでに選択されていたものと同じ種類のリーチが選択されている。
以上のことから、記憶手段(演出制御装置300)は、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、当該記憶している特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報の一部又は全部を消去するようにしたこととなる。
また、選択手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、再度、複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択するようにしたこととなる。
一方、図29における大当りであるか否かの判定(ステップB112)において、大当りである場合(ステップB112;Y)は、特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB113)を行う。この特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB113)において、特定大当り演出実行フラグがない場合(ステップB113;N)は、通常大当り演出を設定する処理(ステップB117)を行い、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB116)を行って、図柄停止中処理を終了する。この場合は、特別遊技状態における演出態様が通常演出態様とされる。
また、特定大当り演出実行フラグがある場合(ステップB113;Y)は、特定リーチ情報を取得する処理(ステップB114)を行い、対応する特定大当り演出を設定する処理を行う。その後、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB116)を行い、図柄停止中処理を終了する。この場合は、特別遊技状態における演出態様が特殊演出態様とされる。すなわち、演出制御装置300が、遊技における演出態様を制御する演出制御手段をなす。
以上のような処理により、図31から図33に示すような演出が実行される。特別遊技状態の終了後に曖昧報知演出状態とならない場合は、図31に示すような演出が行われる。特別遊技状態の終了時には、リーチ選択画面として図31(a)から(c)に示すような画像が表示され特定リーチの選択結果が報知される。この例では、リーチの種類としてリーチA、リーチB、リーチCの三種類があり、それぞれに対応するキャラクタが設定されている。そして、図31(b)に示すように、特定リーチとしてリーチCが選択され、図31(c)に示すように、当該リーチCが三回実行されることで所定条件を満たすことがリーチカウンタ表示600により示されるようになっている。
その後、図31(e)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて一回目のリーチCが発生すると、一回目のリーチCの発生であることを報知する表示(「1C子ゲット!」)が表示されるとともに、リーチカウンタ表示600が更新される。さらに、図31(f)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて三回目のリーチCが発生して所定条件を満たすと、所定条件を満たしたことを報知する表示(「3C子達成!」)が表示されるとともに、リーチカウンタ表示600が更新される。
そして、図31(g)に示すように、この所定条件を満たすこととなった特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様であった場合は、図31(h)に示すように、特別遊技状態の演出態様が通常演出態様から特殊演出態様に変更される。この例での特殊演出態様は、リーチCに対応するキャラクタによる演出となっている。
特別遊技状態の終了後に曖昧報知演出状態となる場合は、図32に示すような演出が行われる。特別遊技状態の終了時には、リーチ選択画面として図32(a)に示すような画像が表示される。このリーチ選択画面では、リーチの種類に対応するキャラクタを示す選択表示(ここではキャラクタを指す矢印)が表示され、この選択表示が順次移動するようになっている。遊技者は、所望のリーチの種類に対応するキャラクタに選択表示が移動した際に演出ボタン25を操作することで、特定リーチとするリーチの種類を選択可能となっている。
この例では、図32(b)に示すようにリーチCに対応するキャラクタに選択表示が移動した際に遊技者が演出ボタン25を操作しており、図32(c)に示すように、リーチCが選択されたことが報知されている。また、当該リーチCが三回実行されることで所定条件を満たすことがリーチカウンタ表示600により示されている。
その後、図32(f)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて一回目のリーチCが発生すると、一回目のリーチCの発生であることを報知する表示(「1C子ゲット!」)が表示されるとともに、リーチカウンタ表示600が更新される。さらに、図32(g)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて三回目のリーチCが発生して所定条件を満たすと、所定条件を満たしたことを報知する表示(「3C子達成!」)が表示されるとともに、リーチカウンタ表示600が更新される。
そして、図32(h)に示すように、確率状態が報知されていない曖昧報知演出モードである場合に所定条件を満たしたことに基づき、確率状態が報知されるようになっている。この例では確率状態が高確率状態であることを報知する表示(「確率変動」)が表示されており、この後に曖昧報知演出モードから確変報知演出モードに移行する。なお、確率状態を明確に報知せずに確率状態を示唆する表示として曖昧報知演出モードを継続するようにしても良い。
また、図31に示したように、特別遊技状態の終了後に曖昧報知演出状態とならない場合であって、所定条件を満たした特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、図33に示すような演出が行われる。
図31の場合と同様に、図33(a)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて一回目のリーチCが発生すると、一回目のリーチCの発生であることを報知する表示(「1C子ゲット!」)が表示されるとともに、リーチカウンタ表示600が更新される。さらに、図33(b)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて三回目のリーチCが発生して所定条件を満たすと、所定条件を満たしたことを報知する表示(「3C子達成!」)が表示されるとともに、リーチカウンタ表示600が更新される。
そして、図33(c)に示すように、この所定条件を満たすこととなった特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様でなかった場合は、特定リーチカウンタの値の一部又は全部がクリアされる。この例では、特定リーチカウンタの値が3から1に変更され、これに伴いリーチカウンタ表示600も更新されている。また、新たに選択された特定リーチはそれまでに選択されていたものと同じ種類のリーチCが選択されており、図33(d)に示すようにその旨が報知される。
このような演出を行うことで、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、大当りまでのゲームにおいて出現したリーチ変動態様により、特別遊技状態での演出が設定されるので、大当りが発生するまでのゲームの演出と特別遊技状態での演出とに関連を持たせることができる。これにより、リーチ変動態様が発生することによる大当りへの期待や、リーチ変動態様の種類による信頼度(大当りとなる可能性の高さ)に対する期待のような大当りに対する期待とは別に、リーチ変動態様の種類に対する期待感を持たせることができる。よって、リーチ変動態様となる変動表示ゲームの結果がはずれとなったり、同じリーチ変動態様が実行されたりしても遊技者が退屈することなく、リーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、従来、大当り中の演出に関して、出現頻度の非常に低いプレミア的な位置づけの演出は、大当りをかなりの回数継続させなければ見ることのできないものであり、その演出自体が非常に興味深いものとなっていても、大抵の遊技者は見ることはできず、プレミア的な位置づけの演出を見ることに対してあまり期待を抱くことはできておらず、結果的に意味のないものになることが大いにあった。しかし、特定のリーチ変動態様の発生履歴により特殊演出態様(例えば、プレミア的な位置づけの演出)が発生するようにしたことで、リーチ変動態様の発生状況によりプレミア的な位置づけの演出を見ることが可能となり、プレミア的な位置づけの演出に対する興味を向上させることができる。さらに、長時間大当りが発生しないような状況の方がプレミア的な演出を見ることができる可能性が高まるので、大当りがなかなか発生しないことに対する遊技者の不満を軽減することができる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41、特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、該変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動態様設定手段(遊技制御装置100、演出制御手段300)と、変動態様設定手段によって設定された変動態様の履歴に関する情報を記憶可能な記憶手段(演出制御装置300)と、遊技における演出態様を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動態様設定手段は、特別遊技状態を発生させる可能性の高いリーチ変動態様を設定可能に構成され、記憶手段は、変動態様設定手段によって設定されたリーチ変動態様の履歴に関する情報を記憶可能であり、演出制御手段は、特別遊技状態が発生する場合に、記憶手段に記憶されたリーチ変動態様の履歴に関する情報に基づいて、当該特別遊技状態における演出態様を設定するようにしたこととなる。
また、リーチ変動態様には種類の異なる複数のリーチ変動態様が含まれ、該複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択する選択手段(演出制御装置300)を備え、特別遊技状態の演出態様には、通常演出態様と、所定条件の成立に基づいて実行される特殊演出態様と、が含まれ、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たす場合に、特別遊技状態の演出態様を特殊演出態様に設定するようにしたこととなる。
なお、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合に、確率状態の報知と特殊演出の実行を両方実行可能としても良いし、一方のみを実行可能としても良い。また、一方のみを実行可能とした場合に遊技者が実行するものを選択できるようにしても良い。また、大当りの終了時に特定リーチを遊技者による選択又は遊技機での選択により決定しているが、特別結果態様の種類により決定するようにしても良い。さらに、必ず特定リーチを設定するのではなく、所定の確率で特定リーチを設定するようにしても良い。また、特定リーチ以外のリーチが実行された場合にも履歴を記憶し、特定リーチ以外のリーチが所定回数実行された場合に特定の演出を行うようにしても良い。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定リーチを所定のグループに属するリーチとし、当該グループに属する全てのリーチを実行した場合に所定条件が成立したものとするようになっている。
本変形例の遊技機では、変動パターンを決定するためのテーブルとして図34に示すテーブルを用いている。図34(a)は結果がはずれの場合に用いられるテーブルであり、図34(b)は結果が当りの場合に用いられるテーブルである。
これらのテーブルに示すように、リーチには複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチグループとして、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。また、各リーチグループには、変動時間が10秒、30秒、45秒のリーチが含まれている。
特定リーチの選択においてはリーチグループの選択を行い、選択されたリーチグループに含まれる全てのリーチが特定リーチとされる。そして、特定リーチとされた全てのリーチを実行した場合に所定条件が成立したものとする。例えば、リーチグループとしてノーマルリーチが選択された場合は、ノーマルリーチAからCの全てが実行された場合に所定条件が成立したものとする。
演出制御装置300では、図27に示す特定リーチ制御処理に代えて図35に示す特定リーチ制御処理を行う。この特定リーチ制御処理では、図27に示す特定リーチ制御処理での特定リーチカウンタを1インクリメントする処理(ステップB84)に代えて、特定リーチの発生履歴を更新する処理(ステップB140)を行う。また、特定リーチカウンタの値が上限であるか否かの判定(ステップB86)に代えて所定条件が成立したか否かの判定(ステップB141)を行う。所定条件が成立したか否かの判定(ステップB141)では、選択されたリーチグループに含まれる全てのリーチを実行したかが判定される。
このように、グループに含まれる複数種類のリーチを特定リーチとし、全てを実行したことで所定条件が成立するようにしたことで、グループに含まれる各リーチに対して興味を持つようになり、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、複数のリーチ変動態様の各々は複数のグループの何れかに属し、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶されたリーチ変動態様の履歴に関する情報に、一のグループに属するすべての種類のリーチ変動態様が変動態様設定手段(遊技制御装置100)によって設定されたことが記憶されたことに基づき、特別遊技状態の演出態様を特殊演出態様に設定するようにしたこととなる。
なお、グループの分類は上述の分類に限られるものではない。例えば、変動時間が同じもの(例えばノーマルリーチA、SP1リーチA、SP2リーチA、SP3リーチA)をグループとしても良い。この場合、変動時間が長いグループ(ノーマルリーチC、SP1リーチC、SP2リーチC、SP3リーチC)が選択されると、これらのリーチの出現確率が低いため所定条件を達成する可能性が低くなる。そこで、このように変動時間が長いグループが選択された場合に所定条件を満たした場合は、特殊演出態様に代えて特定の演出態様(プレミア演出)を行うようにしても良い。
また、遊技者の選択や自動的な選択により選択された複数のリーチをグループとしてもよい。また、選択されたグループに含まれるリーチの全てを実行しなくても、当該グループに含まれるリーチが所定回数実行されたことで所定条件が成立するようにしても良い。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶の事前判定の結果、大当りを発生する始動記憶がある場合に、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たしやすくするようにしている。
本変形例の遊技機では、図20に示すメイン処理での先読み演出処理(ステップB13)において、図36に示す処理を行う。この先読み演出処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを受信したか否かの判定(ステップB150)を行う。飾り特図保留数コマンドは、始動記憶が発生した場合に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。この飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB150;N)は、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB153)を行う。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB150;Y)は、対応する始動記憶数を更新する処理(ステップB151)を行う。その後、始動記憶表示の更新をセットする処理(ステップB152)を行って、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB153)を行う。
先読みコマンドは、始動記憶が発生した場合に遊技制御装置100において当該始動記憶についての先読み処理の結果を含むもので、変動パターンに関する先読み情報である始動口入賞演出コマンドや、停止図柄に関する先読み情報である始動口入賞演出図柄コマンドのことである。この先読みコマンドを受信していない場合(ステップB153;N)は、先読み演出処理を終了する。また、先読みコマンドを受信した場合(ステップB153;Y)は、対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB154)を行い受信した先読みコマンドの情報を始動記憶と対応付けて記憶して、先読み情報を取得する処理(ステップB155)を行う。
そして、取得した先読み情報に基づき、発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かの判定(ステップB156)を行い、大当りでない場合(ステップB156;N)は、先読み演出処理を終了する。また、大当りである場合(ステップB156;Y)は、特定リーチ情報があるか否かの判定(ステップB157)を行う。
特定リーチ情報があるか否かの判定(ステップB157)において、特定リーチ情報がない場合(ステップB157;N)は、先読み演出処理を終了する。また、特定リーチ情報がある場合(ステップB157;Y)は、特定リーチ発生状況(特定リーチの発生履歴)を取得する処理(ステップB158)を行って、所定条件が未成立であるか否かの判定(ステップB159)を行う。
そして、所定条件が未成立でない場合(ステップB159;N)は、先読み演出処理を終了する。また、所定条件が未成立である場合(ステップB159;Y)は、特定リーチ情報に対応する変動パターン演出テーブルに切り替える処理(ステップB160)を行い、先読み演出処理を終了する。
特定リーチ情報に対応する変動パターン演出テーブルに切り替える処理(ステップB160)では、図34に示す通常演出選択テーブルから、図37から図40に示す特定演出選択テーブルに切り替える処理を行う。特定演出選択テーブルをなす図37から図40に示すテーブルは、特定リーチの選択において選択可能なグループごとに設定されており、このうちから特定リーチに対応するテーブルが選択される。
図37に示すテーブルは、結果がはずれの場合であって、特定リーチとなるリーチを含むリーチグループとしてノーマルリーチが選択されている場合に用いられるテーブルである。このテーブルでは、図34に示すテーブルに比べて、ノーマルリーチの発生確率が高められており、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たしやすくなるようにされている。さらに、図37に示すテーブルでは変動時間が長くなるほど発生確率が高くなっている。これは、図34に示すテーブルでは変動時間が長くなるほど発生確率が低くなっているため、変動時間が長いリーチが発生していないことにより所定条件を満たしていないことが多いため、このリーチの発生確率を高めることによっても所定条件を満たしやすくしている。
また、図38に示すテーブルは、結果がはずれの場合であって、特定リーチとなるリーチを含むリーチグループとしてSP1リーチが選択されている場合に用いられるテーブルである。また、図39に示すテーブルは、結果がはずれの場合であって、特定リーチとなるリーチを含むリーチグループとしてSP2リーチが選択されている場合に用いられるテーブルである。また、図40に示すテーブルは、結果がはずれの場合であって、特定リーチとなるリーチを含むリーチグループとしてSP3リーチが選択されている場合に用いられるテーブルである。これらのテーブルでも特定リーチとなるリーチを含むリーチグループの選択確率が高められ、さらにその中でも変動時間が長くなるほど発生確率が高められており、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たしやすくなるようにされている。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを抽選するための乱数値を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動態様設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、変動表示ゲームにおける変動態様の選択割合が設定されたテーブルを参照することで変動態様を選択するものであり、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満足していない状態で、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームについて用いるテーブルを、複数種類のリーチ変動態様を所定の割合で選択可能な通常演出選択テーブルから、選択手段(演出制御装置300)により選択されている特定のリーチ変動態様の選択割合を通常演出選択テーブルよりも高めた特定演出選択テーブルに切り替えるようにしたことなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶の事前判定の結果、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たすことが判明した場合に、それまでの特図変動表示ゲームで特定の演出を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、図29に示す図柄停止中処理における表示状態更新処理(ステップB119)は行わず、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合は、特別結果態様が導出されるまでその状態が維持される。
また、図26に示す変動開始処理に代えて図41に示す変動開始処理を行う。この変動開始処理では、まず、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB170)を行う。この先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB170)において、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB170;N)は、変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB70)を行う。また、先読みコマンドを受信している場合(ステップB170;Y)は、対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB171)を行い、変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB70)を行う。対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB171)では、受信した先読みコマンドの情報を始動記憶と対応付けて記憶する。
変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB70)以降は、図26に示す処理と同様であるが、変動パターン設定処理(ステップB74)については、図42に示す処理を行う。
変動パターン設定処理では、まず、変動パターンコマンドに基づき変動パターンを選択する処理(ステップB180)を行う。変動パターンコマンドに基づき変動パターンを選択する処理(ステップB180)では、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドなどに基づき、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する。
その後、大当りがあるか否かの判定(ステップB181)を行い、先読み情報に基づき大当りを発生する始動記憶があるかを判定する。そして、大当りがない場合(ステップB181:N)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB185)を行い、変動パターン設定処理を終了する。この場合は、変動パターンコマンドに基づき変動パターンを選択する処理(ステップB180)で選択された変動パターンに関する情報が変動パターン情報として設定され、当該変動パターンで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
また、大当りがある場合(ステップB181:Y)は、設定された変動パターンを取得する処理(ステップB182)を行い、特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB183)を行う。そして、特定大当り演出実行フラグがない場合(ステップB183;N)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB185)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、特定大当り演出実行フラグがある場合(ステップB183;Y)は、特定演出変動パターンに切り替える処理(ステップB184)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB185)を行って、変動パターン設定処理を終了する。特定演出変動パターンとは、特殊演出態様に関連した演出を行う変動パターンであって、例えば、特定リーチのキャラクタが登場する演出を行う。
このような処理を行うことで、所定条件を満たすことにより、特別遊技状態での演出に対する期待感を持たせるだけでなく、特別結果となるまでの興趣も向上できる。また、特別結果となるよりも前から特殊演出態様に関連した演出を行うことで、大当りの発生を事前に予告することも可能となり、大当りの発生に対する期待感を高めることができる。
なお、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たしている場合であって、大当りを発生する始動記憶がある場合に必ず特定演出変動パターンに切り替えるようにしているが、所定の確率で切り替えるようにしても良い。また、大当りを発生する始動記憶がない場合にも所定の確率で切り替えるようにしても良い。また、大当りを発生する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンのみを切り替えるようにしても良い、この場合は、先読み情報は必要ない。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを抽選するための乱数値を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満足している状態で、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームの演出態様を、特殊演出態様に関連した演出態様とするようにしたこととなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別結果態様となる特図変動表示ゲームで特定リーチを発生する場合に、特別遊技状態の演出態様を通常演出態様や特殊演出態様とは異なる特別演出態様とするようにしている。
本変形例の遊技機では、図29に示す図柄停止中処理における表示状態更新処理(ステップB119)は行わず、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合は、特別結果態様が導出されるまでその状態が維持される。
また、図27に示す特定リーチ制御処理に代えて図43に示す特定リーチ制御処理を行う。この特定リーチ制御処理では、まず、特定大当り演出実行フラグ1があるか否かの判定(ステップB190)を行う。特定大当り演出実行フラグ1とは、後述するように、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームにおいて特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合に設定されるものである。この特定大当り演出実行フラグ1があるか否かの判定(ステップB190)において、特定大当り演出実行フラグ1がない場合(ステップB190;N)は、特定リーチ情報があるか否かの判定(ステップB81)を行う。
この特定リーチ情報があるか否かの判定(ステップB81)から特定リーチカウンタが上限(例えば3)であるか否かの判定(ステップB86)までは上述の実施形態と同様である。そして、特定リーチカウンタが上限(例えば3)であるか否かの判定(ステップB86)において、特定リーチカウンタが上限である場合(ステップB86;Y)は、大当りであるか否かの判定(ステップB191)を行う。この大当りであるか否かの判定(ステップB191)において、大当りである場合(ステップB191;Y)は、特定大当り演出実行フラグ2をセットする処理(ステップB192)を行い、特定リーチ制御処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップB191;N)は、特定大当り演出実行フラグ1をセットする処理(ステップB193)を行い、特定リーチ制御処理を終了する。
一方、特定大当り演出実行フラグ1があるか否かの判定(ステップB190)において、特定大当り演出実行フラグ1がある場合(ステップB190;Y)は、設定された変動パターンを取得する処理(ステップB194)を行い、特定リーチ発生パターンであるか否かの判定(ステップB195)を行う。そして、特定リーチ発生パターンでない場合(ステップB195;N)は、特定リーチ制御処理を終了する。また、特定リーチ発生パターンである場合(ステップB195;Y)は、大当りであるか否かの判定(ステップB191)を行う。
すなわち、特定リーチの発生履歴が所定条件を満たした場合は、特定大当り演出実行フラグ1または2がセットされる。このとき、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば特定大当り演出フラグ2がセットされる。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれであれば特定大当り演出フラグ1がセットされた状態が維持され、特定リーチを発生して大当りが発生する場合に特定大当り演出フラグ2がセットされる。
そして、特定大当り演出フラグ1及び2がセットされていない場合は、特別遊技状態の演出態様が通常演出態様とされ、特定大当り演出フラグ1がセットされている場合は、特別遊技状態の演出態様が特殊演出態様とされる。また、特定大当り演出フラグ2がセットされている場合は、特別遊技状態の演出態様が通常演出態様や特殊演出態様とは異なる特別演出態様とされる。特別演出態様は特殊演出態様よりも設定される可能性が低いものであり、特定リーチが発生し、かつ、大当りが発生した場合に遊技者に付与される特典をなすものである。
また、本変形例の遊技機では、図29に示す図柄停止中処理における特定大当り演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB113)において、特定大当り演出実行フラグ1または2の何れかがセットされていればフラグがあるものと判定(ステップB113;Y)する。そして、特定大当り演出実行フラグ1である場合は、対応する特定大当り演出を設定する処理(ステップB115)で特殊演出態様を設定し、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB116)を行って、図柄停止中処理を終了する。また、特定大当り演出実行フラグ2である場合は、対応する特定大当り演出を設定する処理(ステップB115)で特別演出態様を設定し、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB116)を行って、図柄停止中処理を終了する。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、当該特別結果に基づき実行される特別遊技状態の演出態様を、通常演出態様及び特殊演出態様とは異なる特別演出態様とするようにしたこととなる。
なお、特定大当り演出実行フラグ1がある状態における特定リーチ発生パターンであるか否かの判定(ステップB195)において、特定リーチをリーチグループで指定している場合に、当該リーチグループのうち出現頻度の低いリーチである場合にのみ特定リーチであると判定(ステップB195;Y)しても良い。また、確率状態を明確に報知しない曖昧報知演出モードである場合には、特定大当り演出実行フラグがセットされた際に確率状態を報知するようにしても良い。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知しない曖昧報知演出モードとなる場合には、所定条件を満たすこととなる特定リーチの発生回数により確率状態を示唆するようにしている。
本変形例の遊技機では、図25に示す特定リーチ設定処理に代えて図44に示す特定リーチ設定処理を行う。この特定リーチ設定処理では、まず、状態報知可能フラグをセットする処理(ステップB200)を行い、背景情報としてリーチ選択画面を設定する処理(ステップB201)を行う。さらに、特定リーチ決定用乱数を抽出する処理(ステップB202)を行い、特定リーチ回数決定用乱数を抽出する処理(ステップB203)を行う。
その後、確変(高確率状態)であるか否かの判定(ステップB204)を行い、確変である場合(ステップB204;Y)は、高確率時用データを取得する処理(ステップB205)を行い、特定リーチ回数を決定する処理(ステップB207)を行う。また、確変でない場合(ステップB205;N)は、通常確率時用データを取得する処理(ステップB206)を行い、特定リーチ回数を決定する処理(ステップB207)を行う。
特定リーチ回数を決定する処理(ステップB207)では、特定リーチ回数決定用乱数と、高確率時用データもしくは通常確率時用データに基づき、所定条件を満たすこととなる特定リーチの発生回数である特定リーチ回数を決定する。特定リーチ回数決定用乱数は0から99のうちから一の値が選択されるものである。また、高確率時用データ及び通常確率時用データは図45に示すようなデータであり、このデータに特定リーチ回数決定用乱数の値を参照することで、特定リーチ回数が決定される。
特定リーチ回数は、通常確率時データが設定されている場合よりも高確率時データが設定されている場合の方が、少ない特定リーチ回数が選択されやすくなっている。例えば、特定リーチ回数決定乱数の値が6である場合、通常確率時データが設定されている場合は特定リーチ回数として2回が選択され、高確率時データが設定されている場合は特定リーチ回数として1回が選択される。特定リーチ回数はリーチカウンタ表示600として表示されるようになっており、この特定リーチ回数が少なければ高確率状態である可能性が高いことが示唆されることとなる。また、特定リーチ回数が少なければ所定条件を満たす可能性が高まり、確率状態の報知が早まることとなる。
特定リーチ回数を決定する処理(ステップB207)を行った後、特定リーチ情報をセットする処理(ステップB208)を行い、特定リーチ設定処理を終了する。特定リーチ情報をセットする処理(ステップB208)では、特定リーチ決定用乱数の値により特定リーチの種類を決定し、その情報を記憶する処理を行う。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、報知手段(演出制御装置300)が、特別遊技状態の終了後から所定期間において確率状態を遊技者に明確に報知しない場合に、特別遊技状態の演出態様を特殊演出態様に設定する所定条件を確率状態に基づき決定するようにしたこととなる。
なお、本変形例の構成と第2変形例の構成とを組み合わせても良い。このようにすれば特定リーチ回数が多くても所定条件が成立する可能性が高まる。また、第2変形例では、先読み結果により結果が大当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がある場合にテーブルを変更しているが、高確率状態である場合にテーブルを変更するようにしても良い。このようにすれば、例えば、高確率状態である場合に特定リーチ回数を多くして、当初は高確率状態であることに対して期待を持たせないようにし、後に所定条件が成立することで高確率状態であることが報知されるようにすることができる。これにより、遊技に意外性を持たせることができ、興趣を向上することができる。また、特定リーチ回数が多い場合であっても高確率状態であることに対する期待感を持たせることができる。
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、遊技における演出の種類を遊技者が選択可能とし、その選択態様により特別遊技状態の演出態様を決定するようにしている。
特許文献1の遊技機では、単に連続した同様のリーチの出現を防止して長時間遊技でも退屈にさせないようにするものであるが、長時間遊技を行う遊技者にとって、同じハズレリーチ演出が連続的に出現しないからと言って、それ自体が遊技結果の演出に影響を及ぼすことはなく、遊技継続意欲につながるものではなかった。そこで、遊技における演出の種類を遊技者が選択可能とし、その選択態様により特別遊技状態の演出態様を決定することで、長時間遊技を行ってなかなか大当りが発生しなくても、大当り演出に対する期待感を持たせるようにしている。
遊技における演出の種類を遊技者に選択させるために、特図変動表示ゲームの実行中において、図46(a)に示すような表示がなされる。この表示では、演出に対応付けられたキャラクタを複数表示するとともにキャラクタを示す選択表示(ここではキャラクタを指す矢印)が表示され、この選択表示が順次移動するようになっている。遊技者は、所望の演出の種類に対応するキャラクタ側に選択表示が移動した際に演出ボタン25を操作することで、演出の種類を選択可能となっている。演出とは、背景画像や予告表示、リーチ演出などであり、これらの演出において選択したキャラクタが登場する演出がなされるようになっている。
そして、図46(a)から(c)に示すように複数回の選択操作の結果が所定条件(ここでは同一キャラクタを継続的に選択すること)を満たすと、図46(d)に示すように特別遊技状態の演出態様が選択した演出に関連した演出態様となる。ここでは、キャラクタCを選択し続けた結果、特別遊技状態においてキャラクタCが登場する演出態様が選択されている。
本実施形態の遊技機では、図26に示す変動開始処理に代えて図47に示す変動開始処理を行う。この変動開始処理では、図26に示す変動開始処理における特定リーチ制御処理に代えて特定演出設定処理(ステップB210)を行う。
図48に示すように、この特定演出設定処理では、まず、演出決定用乱数を取得する処理(ステップB220)を行い、特定演出を実行するか否かの判定(ステップB221)を行う。特定演出とは、図46(a)に示すような演出の種類を選択するための演出であり、取得した演出決定用乱数の値が特定値であった場合に特定演出を実行する。この特定演出を実行しない場合(ステップB221;N)は、特定演出設定処理を終了する。また、特定演出を実行する場合(ステップB221;Y)は、特定演出実行フラグをセットする処理(ステップB222)を行い、特定演出実行タイマをセットする処理(ステップB223)を行って、特定演出設定処理を終了する。
そして、図22に示すゲーム管理処理における変動中処理(ステップB33)において、図28に示す処理に代えて図49に示す処理を行う。この変動中処理では、まず、変動終了であるか否かの判定(ステップB230)を行う。この処理では複数の識別情報を変動表示する変動時間が終了したかを判定する。この変動終了であるか否かの判定(ステップB230)において変動終了である場合(ステップB230;Y)は、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB236)を行い、変動中処理を終了する。また、変動終了でない場合(ステップB230;N)は、特定演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB231)を行う。
特定演出実行フラグがあるか否かの判定(ステップB231)において、特定演出実行フラグがない場合(ステップB231;N)は、変動中処理を終了する。また、特定演出実行フラグがある場合(ステップB231;Y)は、選択操作があるか否かの判定(ステップB232)を行う。
選択操作があるか否かの判定(ステップB232)では、遊技者が演出ボタン25を操作(押下)することに基づく入力があるかを判定する。この選択操作があるか否かの判定(ステップB232)において、選択操作がある場合(ステップB232;Y)は、選択情報を記憶する処理(ステップB235)を行い、特定演出実行フラグをクリアする処理(ステップB234)を行って、変動中処理を終了する。選択情報を記憶する処理(ステップB235)では、選択した演出(キャラクタ)の種類を記憶する処理を行う。すなわち、演出制御装置300が、選択された演出態様の履歴に関する情報を記憶可能な記憶手段をなす。なお、特図変動表示ゲームの演出として、ここで記憶された演出の種類の演出が設定される。
一方、選択操作がない場合(ステップB232;N)は、タイマが0であるか否かの判定(ステップB233)を行う。タイマが0であるか否かの判定(ステップB233)では、特定演出実行タイマの値が0となったか、すなわち、所定の選択可能時間が経過したかが判定される。特定演出実行タイマは、演出を選択する選択可能時間を計時するためのもので、特定演出実行タイマをセットする処理(ステップB223)では、例えば所定の初期値がセットされる。そして、割り込み処理毎に値が1ずつ減算され、値が0になった際に選択可能時間が経過したと判定される。
タイマが0であるか否かの判定(ステップB233)において、タイマが0でない場合(ステップB233;N)は、選択操作があるか否かの判定(ステップB232)に戻る。また、タイマが0である場合(ステップB233;Y)は、特定演出実行フラグをクリアする処理(ステップB234)を行い、変動中処理を終了する。また、タイマが0である場合(ステップB233;Y)は、特定演出実行フラグをクリアする処理(ステップB234)を行って、変動中処理を終了する。なお、遊技者が演出の種類を選択しなかった場合は、例えば抽選により演出を選択する。
また、図29に示す図柄停止中処理に代えて図50に示す図柄停止中処理を行う。この図柄停止中処理では、まず、停止コマンドを受信したか否かの判定(ステップB240)を行う。停止コマンドとは、特図変動表示ゲームの停止時に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。この停止コマンドを受信したか否かの判定(ステップB240)において、停止コマンドを受信していない場合(ステップB240;N)は、図柄停止中処理を終了する。また、停止コマンドを受信した場合(ステップB240;Y)は、停止コマンドに関する情報を取得する処理(ステップB241)を行い、大当りであるか否かの判定(ステップB242)を行う。なお、停止コマンドに関する情報には、特図変動表示ゲームの結果や停止図柄の情報が含まれている。
大当りであるか否かの判定(ステップB242)において、大当りでない場合(ステップB242;N)は、飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止するための図柄停止処理(ステップB249)を行い、各種表示状態を更新する処理(ステップB250)を行う。その後、ゲーム処理番号を0にセットする処理(ステップB251)を行い、図柄停止中処理を終了する。また、大当りであるか否かの判定(ステップB242)において、大当りである場合(ステップB242;Y)は、選択情報を取得する処理(ステップB243)を行い、所定条件が成立しているか否かの判定(ステップB244)を行う。
所定条件が成立しているか否かの判定(ステップB244)では、演出の種類の選択履歴である選択情報が所定条件を満たすかを判定する。所定条件とは、例えば、同一の演出(キャラクタ)の種類を継続的(所定回数に亘って)に選択していることである。この所定条件が成立している場合(ステップB244;Y)は、対応する特定大当り演出を設定する処理(ステップB245)を行い、選択情報をクリアする処理(ステップB247)を行う。この場合は、特別遊技状態における演出態様が特殊演出態様とされる。また、所定条件が成立していない場合(ステップB244;N)は、通常大当り演出を設定する処理(ステップB246)を行い、選択情報をクリアする処理(ステップB247)を行う。この場合は、特別遊技状態における演出態様が通常演出態様とされる。選択情報をクリアする処理(ステップB247)を行った後、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB248)を行い、図柄停止中処理を終了する。
以上のような処理により、遊技における演出の種類を遊技者が選択可能となり、その選択態様により特別遊技状態の演出態様が決定されるので、長時間遊技を行ってなかなか大当りが発生しなくても、大当り演出に対する期待感を持たせることができる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41、特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、該変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技における演出態様を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、を備え、演出制御手段は、操作手段からの入力に基づき演出態様を選択するとともに、選択された演出態様の履歴に関する情報を記憶可能な記憶手段(演出制御装置300)を備え、特別遊技状態が発生する場合に、記憶手段に記憶された演出態様の履歴に関する情報に基づいて、当該特別遊技状態における演出態様を設定するようにしたこととなる。
また、特別遊技状態の演出態様には、通常演出態様と、所定条件の成立に基づいて実行される特殊演出態様と、が含まれ、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された演出態様の履歴に関する情報に、同一の演出態様が所定回数連続して選択されたことが記憶されている場合に、所定条件が成立したものとして特殊演出態様を設定するようにしたこととなる。
なお、選択情報を記憶する処理(ステップB235)において、選択したキャラクタの種類の他、キャラクタを選択するまでの時間を併せて記憶するようにし、所定条件が成立したか否かの判定(ステップB243)において、選択したキャラクタの種類の他、キャラクタを選択するまでの時間も考慮した条件を満たした場合(例えば、所定時間以下の場合)に所定条件が成立したと判定するようにしても良い。
また、選択情報をクリアする処理(ステップB247)を行わないようにして、前回の特別結果態様の導出から今回の特別結果態様の導出までの期間だけでなく、前回の特別結果態様の導出より前の期間における選択情報も考慮して特殊演出態様を実行するか否かを決定するようにしても良い。また、直近の所定回数(例えば10回)の選択機会における選択情報により特殊演出態様を実行するか否かを決定するようにしても良い。特に、同一のキャラクタが選択され続けいている場合は、同一の遊技者が遊技している可能性が高く、これを考慮して特殊演出態様を設定するようにすれば、遊技者の意図に沿った遊技とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件を同一の演出(キャラクタ)の種類を継続的(所定回数に亘って)に選択していることとした場合、演出の種類を選択するための特定演出において、キャラクタの表示位置を特定演出の実行毎にランダムとしても良い。このようにすれば、遊技者が意思を持って特定のキャラクタを選択しているのか、最初に選択表示が指したキャラクタを単に選択しているのかを判別することが可能となり、意思を持って特定のキャラクタを選択している場合にだけ特殊演出態様を設定することができる。
次に、第2実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技における演出(キャラクタ)の選択時間を考慮して特別遊技状態の演出態様を決定するようにしている。
本変形例の遊技機では、図50に示す図柄停止処理に代えて図51に示す図柄停止中処理を行う。この図柄停止処理では、図50に示す図柄停止処理と比べて、大当りである場合(ステップB242;Y)の処理が異なる。大当りである場合(ステップB242;Y)は、大当り演出決定処理(ステップB260)を行い、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB248)を行って、図柄停止中処理を終了する。
図52に示すように、大当り演出決定処理では、まず、選択情報を取得する処理(ステップB270)を行い、同一キャラクタ(同一演出)を選択しているか否かの判定(ステップB271)を行う。同一キャラクタを選択しているか否かの判定(ステップB271)では、選択情報に記憶されている選択機会の全てで同一のキャラクタが選択されているかを判定する。そして、同一キャラクタを選択していない場合(ステップB271;N)は、通常大当り演出を設定する処理(ステップB275)を行い、大当り演出決定処理を終了する。この場合は、特別遊技状態における演出態様が通常演出態様とされる。
また、同一キャラクタを選択している場合(ステップB271;Y)は、選択時間は所定時間未満であるか否かの判定(ステップB272)を行う。選択時間とは、選択情報として記憶されている各選択機会における選択開始から選択が行われるまでの時間の累計値である。また、所定時間とは選択情報として記憶されている選択機会の回数に所定の時間を掛けた時間である。
選択時間は所定時間未満でない場合(ステップB272;N)は、特定大当り演出2を設定する処理(ステップB274)を行い、大当り演出決定処理を終了する。この場合は、特別遊技状態における演出態様が特殊演出態様とされる。また、選択時間は所定時間未満であるか否かの判定(ステップB272)において、選択時間は所定時間未満である場合(ステップB272;Y)は、特定大当り演出1を設定する処理(ステップB273)を行い、大当り演出決定処理を終了する。この場合は、特別遊技状態における演出態様が通常演出態様及び特殊演出態様とは異なる特別演出態様とされる。
選択時間が所定時間未満である場合(ステップB272;Y)は、遊技者が特に明確な意思を持って当該キャラクタを選択している可能性が高く、このような場合に特別演出態様を設定することで遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された演出態様の履歴に関する情報に、同一の演出態様が所定回数連続して選択されたことが記憶され、かつ、選択に要した時間の累計値が所定時間未満である場合に、通常演出態様及び特殊演出態様とは異なる特別演出態様を設定するようにしたこととなる。
なお、選択情報をクリアする処理は行わないので、選択情報には、前回の特別結果態様の導出から今回の特別結果態様の導出までの期間だけでなく、前回の特別結果態様の導出より前の期間での選択機会における選択結果も含まれている。また、選択情報として記憶する範囲を、所定回数前の特別結果態様の導出以降に限っても良い、直近の所定回数の選択機会に限っても良い。
また、同一キャラクタを選択しているか否かの判定(ステップB271)では、選択情報に記憶されている選択機会において、所定回数以上特定のキャラクタが選択されている場合に同一キャラクタを選択していると判定しても良い。また、選択情報に記憶されている選択機会のうち、直近の所定回数の選択機会の全てで同一のキャラクタが選択されている場合に同一キャラクタを選択していると判定しても良い。
なお、第2実施形態における所定条件は、上述のものに限られるものではない。例えば、選択態様が「A→A→A→C」と最後のみ異なるキャラクタを選択していれば、直近の選択において間違ってCを操作したと判定して、Aを連続的に選択した場合と同様の特殊演出態様や特別演出態様に決定するようにしても良い。また、選択態様が「A→C→A→A」と明らかに間に異なるキャラクタを選択していれば、特にCに思い入れはないと判定して、Aを連続的に選択した場合と同様の特殊演出態様や特別演出態様に決定するようにしても良い。
また、特殊演出態様を複数段階設定しておき、一の大当りが終了してもそれまでの選択情報をクリアせず、その後の遊技でも同一のキャラクタを選択し続ければ、実行される特殊演出態様の段階が上位の段階に移行するようにしても良い。すなわち、同一キャラクタを選択し続けることで、より出現する可能性の低い特殊演出態様が選択されることとなり、長時間遊技を続けた遊技者に対して特典を付与することができる。また、遊技者の選択と遊技機での自動的な選択の結果の双方が所定条件を満たしていた場合は、遊技者の選択を優先して特殊演出態様を設定するようにしても良い。
第1実施形態と第2実施形態の構成を組み合わせることも可能である。すなわち、特定リーチの選択と演出の選択の双方を可能としても良い。この場合に、両方で同じ種類(キャラクタ)のものを選択している場合には、特別の演出や特別演出態様を選択するようにしても良い。また、特定リーチを系統の選択、演出の選択を登場人物の選択とし、選択した系統における選択した登場人物の演出を実行可能にしても良い。例えば、選択可能な特定リーチの系統を、単に登場人物のキャラクタが登場する演出の系統、実写映像による演出の系統、ストーリーに従った演出の系統とし、選択可能な登場人物を、A子、B子、C子とする。そして、特定リーチの選択で実写映像による演出の系統、登場人物の選択でC子を連続的に選択しているという状況であればC子の実写系の特殊演出態様を実行する。
また、キャラクタを特定の順番で選択したことを所定条件とし、遊技者の技量により特殊演出態様が設定されるようにしても良い。また、選択表示が順次移動し、所望のキャラクタを指す位置に移動した際に演出ボタン25を操作することで演出を選択するようにしているが、演出ボタンとして、選択表示を移動させる操作手段(例えばボタン)と、選択を確定するボタンとを備え、遊技者の意思で選択表示を移動して選択するようにしても良い。このようにすれば、選択に要する時間に基づき、遊技者が明確な意思を持って当該キャラクタを選択しているかを判定することが容易となる。また、選択肢に「ランダム」を追加し、特に希望のキャラクタがいない場合にそれを選択するようにさせ、無駄に特殊演出態様を出現させないようにしても良い。
以上のような遊技機10は、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41、特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、該変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機であって、変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動態様設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、変動態様設定手段によって設定された変動態様の履歴に関する情報を記憶可能な記憶手段(演出制御装置300)と、遊技における演出態様を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動態様設定手段は、特別遊技状態を発生させる可能性の高いリーチ変動態様を設定可能に構成され、記憶手段は、変動態様設定手段によって設定されたリーチ変動態様の履歴に関する情報を記憶可能であり、演出制御手段は、特別遊技状態が発生する場合に、記憶手段に記憶されたリーチ変動態様の履歴に関する情報に基づいて、当該特別遊技状態における演出態様を設定するようにしている。
したがって、変動態様設定手段はリーチ変動態様を設定可能に構成され、記憶手段はリーチ変動態様の履歴に関する情報を記憶可能であり、演出制御手段は特別遊技状態が発生する場合に、記憶手段に記憶されたリーチ変動態様の履歴に関する情報に基づいて、当該特別遊技状態における演出態様を設定するので、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、大当りまでのゲームにおいて出現したリーチ変動態様により、特別遊技状態での演出が設定されるので、大当りが発生するまでのゲームの演出と特別遊技状態での演出とに関連を持たせることができる。これにより、リーチ変動態様が発生することによる大当りへの期待や、リーチ変動態様の種類による信頼度(大当りとなる可能性の高さ)に対する期待のような大当りに対する期待とは別に、リーチ変動態様の種類に対する期待感を持たせることができる。よって、リーチ変動態様となる変動表示ゲームの結果がはずれとなったり、同じリーチ変動態様が実行されたりしても遊技者が退屈することなく、リーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、リーチ変動態様には種類の異なる複数のリーチ変動態様が含まれ、該複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択する選択手段(演出制御装置300)を備え、特別遊技状態の演出態様には、通常演出態様と、所定条件の成立に基づいて実行される特殊演出態様と、が含まれ、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たす場合に、特別遊技状態の演出態様を特殊演出態様に設定するようにしている。
したがって、複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択する選択手段を備え、演出制御手段は記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たす場合に、特別遊技状態の演出態様を特殊演出態様に設定するので、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、大当りまでのゲームにおいて特定のリーチ変動態様が発生することに対して期待感を持つようになり、リーチ変動態様となる変動表示ゲームの結果がはずれとなったり、同じリーチ変動態様が実行されたりしても遊技者が退屈することなく、リーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、従来、大当り中の演出に関して、出現頻度の非常に低いプレミア的な位置づけの演出は、大当りをかなりの回数継続させなければ見ることのできないものであり、その演出自体が非常に興味深いものとなっていても、大抵の遊技者は見ることはできず、プレミア的な位置づけの演出を見ることに対してあまり期待を抱くことはできておらず、結果的に意味のないものになることが大いにあった。しかし、特定のリーチ変動態様の発生履歴により特殊演出態様(例えば、プレミア的な位置づけの演出)が発生するようにしたことで、リーチ変動態様の発生状況によりプレミア的な位置づけの演出を見ることが可能となり、プレミア的な位置づけの演出に対する興味を向上させることができる。さらに、長時間大当りが発生しないような状況の方がプレミア的な演出を見ることができる可能性が高まるので、大当りがなかなか発生しないことに対する遊技者の不満を軽減することができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、選択手段(演出制御装置300)は、操作手段からの入力に基づき特定のリーチ変動態様を選択するようにしている。
したがって、遊技者が操作可能な操作手段を備え、選択手段は操作手段からの入力に基づき特定のリーチ変動態様を選択するので、遊技者の意思を反映することができ、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態の終了後、特別遊技状態の発生確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率変動制御手段(遊技制御装置100)と、確率状態を遊技者に報知する報知手段(演出制御装置300)と、を備え、報知手段は、特別遊技状態の終了後から所定期間においては、確率状態を遊技者に明確に報知しないようにする一方、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が、所定条件を満たす場合に、確率状態を遊技者に明確に報知するようにしている。
したがって、報知手段は特別遊技状態の終了後から所定期間においては確率状態を遊技者に明確に報知しないようにする一方、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が、所定条件を満たす場合に確率状態を遊技者に明確に報知するので、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、リーチ変動態様に関連した特別遊技状態における演出態様の設定による興趣の向上に加え、リーチ変動態様と確率状態の報知とに関連を持たせることによる興趣の向上を図ることができ、大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
また、記憶手段(演出制御装置300)は、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、当該記憶している特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報の一部又は全部を消去するようにしている。
したがって、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、当該記憶している特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報の一部又は全部を消去するので、所定条件を満たした後の興趣の低下を防止でき、引き続き大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、選択手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、再度、複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択するようにしている。
したがって、選択手段は、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が、所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、再度、複数のリーチ変動態様のうちから特定のリーチ変動態様を選択するので、所定条件を満たした後の興趣の低下を防止でき、引き続き大当りまでのゲームにおけるリーチ変動態様に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを抽選するための乱数値を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満足している状態で、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームの演出態様を、特殊演出態様に関連した演出態様とするようにしている。
したがって、演出制御手段は、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満足している状態で、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームの演出態様を、特殊演出態様に関連した演出態様とするので、所定条件を満たすことにより、特別遊技状態での演出に対する期待感を持たせるだけでなく、特別結果となるまでの興趣も向上できる。また、特別結果となるよりも前から特殊演出態様に関連した演出を行うことで、大当りの発生を事前に予告することも可能となり、大当りの発生に対する期待感を高めることができる。
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かを抽選するための乱数値を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動態様設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、変動表示ゲームにおける変動態様の選択割合が設定されたテーブルを参照することで変動態様を選択するものであり、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満足していない状態で、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームについて用いるテーブルを、複数種類のリーチ変動態様を所定の割合で選択可能な通常演出選択テーブルから、選択手段(演出制御装置300)により選択されている特定のリーチ変動態様の選択割合を通常演出選択テーブルよりも高めた特定演出選択テーブルに切り替えるようにしている。
したがって、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満足していない状態で、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームについて用いるテーブルを、複数種類のリーチ変動態様を所定の割合で選択可能な通常演出選択テーブルから、選択手段により選択されている特定のリーチ変動態様の選択割合を通常演出選択テーブルよりも高めた特定演出選択テーブルに切り替えるので、特定のリーチの発生頻度が高まり、所定条件を満たすようになる可能性が高まるので、特別遊技状態での演出に対する期待感を持たせることができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、記憶手段(演出制御装置300)に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、当該特別結果に基づき実行される特別遊技状態の演出態様を、通常演出態様及び特殊演出態様とは異なる特別演出態様とするようにしている。
したがって、演出制御手段は、記憶手段に記憶された特定のリーチ変動態様の履歴に関する情報が所定条件を満たすこととなる変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、当該特別結果に基づき実行される特別遊技状態の演出態様を、通常演出態様及び特殊演出態様とは異なる特別演出態様とするので、所定条件の成立と大当りの発生が一致したことに対して特典を与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。