以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
〔第1実施形態〕
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示器58(エラー表示器)は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド数表示器59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド数表示器59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56(普図保留表示器)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54,55(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利(実行権利)の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b,37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
すなわち、演出制御装置300が、遊技機10における演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする転落当選後の演出について説明する。
遊技機10は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを開始する時点等において、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がない場合には、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動停止時に、演出態様を高確率演出から低確率演出に切り替えて転落抽選に当選したことを報知するように構成されている。
一方、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを開始する時点等において、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止しても、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止するまで高確率演出を擬似的に行うとともに、転落抽選に当選したことを報知するように構成されている。
図29には、本実施形態の遊技機10における遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図を示した。
通常遊技状態ST1では、特図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)であり、普図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)で、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。また、通常遊技状態ST1の実行中には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして通常時演出テーブルが設定されており、当該通常時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて通常演出が行われる。
当該通常遊技状態ST1で特別結果態様が導出されて大当りが発生すると、特別変動入賞装置38を開放する大当りラウンドを所定ラウンド回数繰り返すサイクル遊技を行う特別遊技状態ST2へと移行する。
特別遊技状態ST2では、特図変動表示ゲームの確率状態は内部的には高確率状態であり、普図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)で、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。
当該特別遊技状態ST2が終了すると、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であり、普図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態で、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポートあり)である第1特殊遊技状態ST3へと移行する。また、演出パターンを決定するための演出テーブルとして高確時演出テーブルが設定され、高確率演出として、当該高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて高確時演出が行われる。すなわち、第1特殊遊技状態ST3は、普電サポート付きの確変中状態であるといえる。
そして、当該第1特殊遊技状態ST3では転落抽選が行われ、特別遊技状態ST2終了後に消化した特図変動表示ゲームのゲーム数、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が予め定められた規定回数(本実施形態では100回)に達するか、大当りに当選するか、或いは、転落抽選に当選するまで当該第1特殊遊技状態ST3が継続する。
第1特殊遊技状態ST3の実行中に大当りや転落抽選に当選しないまま、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達すると、第2特殊遊技状態ST4へと移行する。
第2特殊遊技状態ST4では、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態であり、普図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)で、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。また、第2特殊遊技状態ST4の実行中には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして通常時演出テーブルが設定される。すなわち、第2特殊遊技状態ST4は、潜伏状態であるといえる。
そして、当該第2特殊遊技状態ST4では転落抽選が行われ、転落抽選に当選する前に大当りに当選すると、特別遊技状態ST2へと移行する。また、大当りに当選する前に転落抽選に当選すると、通常遊技状態ST1へと移行する。この場合、第2特殊遊技状態ST4でも通常遊技状態ST1でも演出テーブルとして通常時演出テーブルが設定され、演出態様が通常演出のまま切り替わらないため、転落抽選に当選したことを遊技者が認識不可能となっている。
また、第1特殊遊技状態ST3の実行中に大当りに当選すると、特別遊技状態ST2へと移行する。
また、第1特殊遊技状態ST3の実行中に転落抽選に当選すると、第1特別通常遊技状態ST5又は第2特別通常遊技状態ST6へと移行する。
具体的には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを開始する時点等において、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がない場合には、転落当選を報知する演出を行い第1特別通常遊技状態ST5へと移行する。
一方、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを開始する時点等において、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、転落当選を報知する演出を行わずに第2特別通常遊技状態ST6へと移行する。
第1特別通常遊技状態ST5では、特図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)であり、普図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態で、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)である。また、第1特別通常遊技状態ST5の実行中には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして低確時演出テーブルが設定される。すなわち、第1特別通常遊技状態ST5は、時短中状態であるといえる。ここで、第1特殊遊技状態ST3から第1特別通常遊技状態ST5への移行に際して、演出テーブルとして転落演出実行テーブルが設定され、低確率演出として、まず当該転落演出実行テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて転落演出が行われる。その後、第1特別通常遊技状態ST5となり、演出テーブルとして低確時演出テーブルが設定され、低確率演出として、転落演出の後に当該低確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて低確時演出が行われるように構成されている。したがって、演出態様が高確率演出から低確率演出に切り替わるとともに、低確率演出に切り替わった際にまず転落演出が行われて、転落抽選に当選したことが報知されるため、転落抽選に当選したことを遊技者が認識可能となっている。
そして、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数(すなわち、第1特殊遊技状態ST3の実行中に消化した特図変動表示ゲームのゲーム数と当該第1特別通常遊技状態ST5の実行中に消化した特図変動表示ゲームのゲーム数との合計)が規定回数(本実施形態では100回)に達すると、通常遊技状態ST1へと移行する。
第2特別通常遊技状態ST6では、特図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)であり、普図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態で、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)である。また、第2特別通常遊技状態ST6の実行中には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして高確時演出テーブルが設定される。この場合、第1特殊遊技状態ST3でも第2特別通常遊技状態ST6でも演出テーブルとして高確時演出テーブルが設定され、演出態様が高確率演出のまま切り替わらないため、転落抽選に当選したことを遊技者が認識不可能となっている。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを開始する時点等において、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合に、第1特殊遊技状態ST3から第2特別通常遊技状態ST6へと移行するが、当該第2特別通常遊技状態ST6は、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止するまで、すなわち、転落変動時に保留されている大当り保留まで継続する。そして、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了し、特別結果態様が導出されて大当りが発生すると、特別遊技状態ST2へと移行する。
したがって、第2特別通常遊技状態ST6の実行中は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達しても、当該大当りとなると判定された始動記憶が未消化である場合には、当該大当りとなると判定された始動記憶を消化するまで、具体的には、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止するまで、高確率演出が継続する。すなわち、高確率演出は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数を超えても(本実施形態では最大で104回目まで)継続する場合がある。
なお、本実施形態では、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数を超えても高確率演出が継続する場合、当該実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した時点で、普図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと移行して、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)から通常動作状態(普電サポートなし)へと移行するように構成されている。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。
まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図5及び図6参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4msec)で行われるタイマ割込み処理(図7参照)とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態に設定するOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONか否かを判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図6のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図6のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20で、高確率でないと判定した場合(ステップS20;No)には、ステップS21,S22をスキップして、ステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行って、ステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、まずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば4msec)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電監視信号がONであるか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36で、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理(図7)におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。
図8に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS410)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS420)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理(図8)における演出制御コマンド送信処理(ステップS410)の詳細について説明する。
図9に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS411)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS412)。
ステップS412で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS412;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS412で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS412;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS413)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS414)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS415)。
さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS416)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS417)。
そして、しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS418)へ移行する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理(図7)における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。なお、大当り終了処理(ステップA15)の詳細については後述する。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理(図10)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図11に示すように、始動口スイッチ監視処理においては、まず、始動口1(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA133)。
ステップA113で、普通電動役物が作動中であると判定した場合(ステップA113;Yes)には、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA113で、普通電動役物が作動中でないと判定した場合(ステップA113;No)には、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA115)。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定した場合(ステップA115;No)には、始動口2(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、当該始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定した場合(ステップA115;Yes)には、ステップA116,A117をスキップして、当該始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理(図11)における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112,A117)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるかをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA202)。
ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA202;No)には、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA202;Yes)には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするかをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA206)。
ステップA206で、出力回数がオーバーフローしないと判定した場合(ステップA206;No)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。
一方、ステップA206で、出力回数がオーバーフローすると判定した場合(ステップA206;Yes)には、ステップA207をスキップして、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209で、特図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップA209;Yes)には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA214)を行う。
そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA215)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA216)、コマンド設定処理(ステップA217)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA218)を行い、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、RWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、対応する変動パターン乱数1〜3を抽出してRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221,A222,A223)。さらに、転落抽選乱数を抽出してRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA224)。
すなわち、RWM(本実施形態ではRAM111C)が、始動入賞口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶する始動記憶手段をなす。
続けて、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA226)にて使用するために準備する(ステップA225)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、ステップA209で、特図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップA209;No)には、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるかをチェックして(ステップA210)、始動口1スイッチ36aの入力であるか否かを判定する(ステップA211)。
ステップA211で、始動口1スイッチ36aの入力であると判定した場合(ステップA211;Yes)には、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行って、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA211で、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定した場合(ステップA211;No)には、ステップA212,A213をスキップして、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図12)における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図13に示すように、特図保留情報判定処理においては、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるかをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力であるか否かを判定する(ステップA232)。
ステップA232で、始動口2スイッチ37aの入力でないと判定した場合(ステップA232;No)には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する(ステップA233)。
ステップA233で、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定した場合(ステップA233;No)には、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(ステップA234)。
ステップA234で、大当り中でないと判定した場合(ステップA234;No)には、転落抽選に当選するか否かを判定する転落判定処理(ステップA235)を行う。なお、転落判定処理(ステップA235)の詳細については後述する。
次いで、転落判定処理で転落抽選に当選すると判定された場合に設定される転落情報があるか否かを判定し(ステップA236)、転落情報がないと判定した場合(ステップA236;No)には、取得(抽出)した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA237)を行い、当該判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA238)。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RWM)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果(大当り)となるか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前判定手段をなす。
ここで、事前判定手段をなす遊技制御装置100は、始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果を判定する判定値を、確率状態(通常確率状態又は高確率状態)に対応して複数有している。そして、例えば、始動入賞口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞時には、当該入賞時における確率状態に対応した判定値を用いて、始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果を判定するように構成されている。
具体的には、例えば、通常遊技状態ST1や第1特別通常遊技状態ST5、第2特別通常遊技状態ST6の実行中に遊技球が入賞した場合には、通常確率状態(低確率状態)に対応した大当り判定値を用いて、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
また、例えば、第1特殊遊技状態ST3や第2特殊遊技状態ST4の実行中に遊技球が入賞した場合には、高確率状態に対応した大当り判定値を用いて、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
一方、ステップA233で普通変動入賞装置37がサポート中であると判定した場合(ステップA233;Yes)、ステップA234で大当り中であると判定した場合(ステップA234;Yes)、或いは、ステップA236で転落情報があると判定した場合(ステップA236;Yes)には、当該特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。さらに、転落抽選に当選することとなる場合にも、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。ここで、当該始動記憶が転落抽選に当選したと判定された際に転落情報が設定されるが、この転落情報は当該始動記憶の次に記憶される始動記憶に対応した結果関連情報の判定が行われる前までに、クリアされるようになっている。
また、ステップA232で、始動口2スイッチ37aの入力であると判定した場合(ステップA232;Yes)には、ステップA233,A234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。ただし、転落情報がある場合は当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わない。
ステップA238で、大当り判定処理の判定結果が大当りであると判定した場合(ステップA238;Yes)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるかをチェックして(ステップA239)、始動口1スイッチ36aの入力であるか否かを判定する(ステップS240)。
ステップA240で、始動口1スイッチ36aの入力であると判定した場合(ステップA240;Yes)には、大当り図柄乱数チェックテーブル1を設定して(ステップA241)、ステップA243の処理に移行する。
一方、ステップA240で、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定した場合(ステップA240;No)、すなわち、始動口2スイッチ37aの入力である場合には、大当り図柄乱数チェックテーブル2を設定して(ステップA242)、ステップA243の処理に移行する。
次いで、ステップA241又はステップA242で設定した大当り図柄乱数チェックテーブルに基づいて大当り図柄乱数をチェックし、当該大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA243)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA244)、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA245)を行って、ステップA247の処理に移行する。
また、ステップA238で、大当り判定処理の判定結果が大当りでないと判定した場合(ステップA238;No)、すなわち、判定結果がはずれである場合には、はずれ情報テーブルを設定して(ステップA246)、ステップA247の処理に移行する。
次いで、ステップA245またはステップA246で設定した情報テーブルから図柄情報を取得して(ステップA247)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA248)。
次いで、ステップA245またはステップA246で設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得して(ステップA249)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA250)。
次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備する処理(ステップA251)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する処理(ステップA252)を行う。
次いで、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA253)、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA254)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA255)を行う。なお、ステップA253における特図情報設定処理、ステップA254における後半変動パターン設定処理、ステップA255における変動パターン設定処理の各々は、後述の特図1変動開始処理1(図17)、特図2変動開始処理2(図18)における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
次いで、ステップA255の変動パターン設定処理で取得した前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備する処理(ステップA256)、ステップA254の後半変動パターン設定処理で取得した後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備する処理(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行う。
次いで、RWMの入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備する処理(ステップA259)、コマンド設定処理(ステップA260)を行い、当該特図保留情報判定処理を終了する。
このように、ステップA256およびステップA257にて変動コマンド(始動口入賞演出コマンド)が準備され、ステップA259にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定するタイミングは、当該始動記憶が発生した始動入賞時(始動入賞口への遊技球の入賞時)だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。また、始動入賞時ではないタイミングで乱数値を事前に判定する場合、入賞時における確率状態ではなく、当該判定時における確率状態に対応した判定値(大当り判定値)を用いて、大当りであるか否かを判定してもよい。
〔転落判定処理〕
次に、前述の特図保留情報判定処理(図13)における転落判定処理(ステップA235)の詳細について説明する。
図14に示すように、転落判定処理においては、まず、高確率時(高確率状態)であるか否かを判定する(ステップA271)。
ステップA271で、高確率時でないと判定した場合(ステップA271;No)には、当該転落判定処理を終了する。
一方、ステップA271で、高確率時であると判定した場合(ステップA271;Yes)には、下限判定値を設定する処理(ステップA272)、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かをチェックする処理(ステップA273)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップA274)。
ここで、転落抽選に当選するとは転落抽選乱数が転落判定値と一致することである。転落判定値は連続する複数の値であり、転落抽選乱数が、転落判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、転落判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、転落抽選に当選すると判定される。
ステップS274で、転落抽選乱数の値が下限判定値未満であると判定した場合(ステップA274;Yes)、すなわち、当選でない場合には、当該転落判定処理を終了する。
一方、ステップA274で、転落抽選乱数の値が下限判定値未満でないと判定した場合(ステップA274;No)には、上限判定値を設定する処理(ステップA275)、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かをチェックする処理(ステップA276)を行い、転落抽選乱数の値が上限判定値以下であるか否かを判定する(ステップA277)。
ステップA277で、転落抽選乱数の値が上限判定値以下でないと判定した場合(ステップA277;No)、すなわち、当選でない場合には、当該転落判定処理を終了する。
一方、ステップA277で、転落抽選乱数の値が上限判定値以下であると判定した場合(ステップA276;Yes)、すなわち、当選である場合には、転落情報を作業用の設定情報領域にセーブして(ステップA277)、転落情報コマンドを準備する処理(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行い、当該転落判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RWM)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する転落抽選の結果を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前転落抽選手段をなす。
〔特図普段処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理(図10)における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図普段処理においては、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA301)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(ステップA302)。
ステップA302で、特図2保留数が0であると判定した場合(ステップA302;Yes)には、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA303)、特図1保留数が0であるか否かを判定する(ステップA304)。
ステップA304で、特図1保留数が0であると判定した場合(ステップA304;Yes)には、既に客待ちデモが開始しているかをチェックして(ステップA305)、客待ちデモが開始済みか否かを判定する(ステップA306)。
ステップA306で、客待ちデモが開始済みでないと判定した場合(ステップA306;No)には、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブして(ステップA307)、客待ちデモコマンドを準備する処理(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA306で、客待ちデモが開始済みであると判定した場合(ステップA306;Yes)には、既にステップA307,A308,A309の処理が実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
次いで、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、当該特図普段処理を終了する。
また、ステップA302で、特図2保留数が0でないと判定した場合(ステップA302;No)には、特図2変動開始処理1(ステップA311)を行う。なお、特図2変動開始処理1(ステップA311)の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、当該特図普段処理を終了する。
また、ステップA304で、特図1保留数が0でないと判定した場合(ステップA304;No)には、特図1変動開始処理1(ステップA313)を行う。なお、特図1変動開始処理1(ステップA313)の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(ステップA314)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、当該特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302とにおける特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304とにおける特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RWM)に記憶された始動記憶に基づいて変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行制御するゲーム実行制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、前述の特図普段処理(図15)における特図1変動開始処理1(ステップA313)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理1は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図16に示すように、特図1変動開始処理1においては、まず、転落抽選に当選したか否かを判定する転落抽選処理(ステップA321)を行う。なお、転落抽選処理(ステップA321)の詳細については後述する。
次いで、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果を特別結果(大当り)とするか否かの判定行う判定手段をなす。
次いで、特図1停止図柄(第1特図停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、特図1停止図柄番号(第1特図停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA324)。
次いで、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をロードした後(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
次いで、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA327)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。
次いで、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。
次いで、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。
次いで、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、当該特図1変動開始処理を終了する。
ここで、変動開始情報設定処理(ステップA333)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理1〕
次に、前述の特図普段処理(図15)における特図2変動開始処理1(ステップA311)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理1は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図17に示すように、特図2変動開始処理1においては、まず、転落抽選に当選したか否かを判定する転落抽選処理(ステップA341)を行う。なお、転落抽選処理(ステップA341)の詳細については後述する。
次いで、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果を特別結果(大当り)とするか否かの判定行う判定手段をなす。
次いで、特図2停止図柄(第2特図停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、特図2停止図柄番号(第2特図停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA344)。
次いで、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をロードした後(ステップA345)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA346)。
次いで、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA347)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA348)。
次いで、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA349)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA350)を行う。
次いで、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA351)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA352)を行う。
次いで、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA353)を行って、当該特図2変動開始処理を終了する。
ここで、変動開始情報設定処理(ステップA353)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔転落抽選処理〕
次に、前述の特図1変動開始処理1(図16)における転落抽選処理(ステップA321)、特図2変動開始処理1(図17)における転落抽選処理(ステップA341)の詳細について説明する。
図18に示すように、転落抽選処理においては、まず、RWMの乱数セーブ領域から転落抽選乱数をロードして準備する(ステップA361)。
次いで、高確率時(高確率状態)であるか否かを判定する(ステップA362)。
ステップA362で、高確率時でないと判定した場合(ステップA362;No)には、ステップA361でロードした転落抽選乱数がセーブされていた乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って、当該転落抽選処理を終了する。
一方、ステップA362で、高確率時であると判定した場合(ステップA362;Yes)には、下限判定値を設定する処理(ステップA363)、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かをチェックする処理(ステップA364)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップA365)。
ステップA365で、転落抽選乱数の値が下限判定値未満であると判定した場合(ステップA365;Yes)、すなわち、当選でない場合には、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って、当該転落抽選処理を終了する。
一方、ステップA365で、転落抽選乱数の値が下限判定値未満でないと判定した場合(ステップA365;No)には、上限判定値を設定する処理(ステップA366)、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かをチェックする処理(ステップA367)を行い、転落抽選乱数の値が上限判定値以下であるか否かを判定する(ステップA368)。
ステップA368で、転落抽選乱数の値が上限判定値以下でないと判定した場合(ステップA368;No)、すなわち、当選でない場合には、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って、当該転落抽選処理を終了する。
一方、ステップA368で、転落抽選乱数の値が上限判定値以下であると判定した場合(ステップA368;Yes)、すなわち、当選である場合には、転落時情報設定処理(ステップA369)を行い、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って、当該転落抽選処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態である場合に、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行毎に所定の確率で通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段をなす。
〔転落時情報設定処理〕
次に、前述の転落抽選処理(図18)における転落時情報設定処理(ステップA369)の詳細について説明する。
図19に示すように、転落時情報設定処理においては、まず、遊技状態表示番号領域に低確率状態時(通常確率状態時)の番号をセーブする処理(ステップA381)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする処理(ステップA382)を行い、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする処理(ステップA383)、コマンド設定処理(ステップA384)を行う。この処理により、確率状態を通常確率状態(低確率状態)とする情報が設定される。
次いで、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する(ステップA385)。
ステップA385で、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定した場合(ステップA385;No)、すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態ではなく通常動作状態である場合には、当該転落時情報設定処理を終了する。したがって、例えば、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した後に、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが実行される場合には、演出テーブルは設定済みの通常時演出テーブルのまま変更されないため、演出態様が通常演出のまま切り替わらず、また、転落演出等も行われないため、転落抽選に当選したことを遊技者が認識不可能となっている。
一方、ステップA385で、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定した場合(ステップA385;Yes)には、保留されている始動記憶の情報を低確率状態時(通常確率状態時)の判定値にて再チェックする(ステップA386)。具体的には、始動記憶に対応して記憶された大当り乱数値が、通常確率状態(低確率状態)に対応した大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かをチェックする。そして、開始する特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)に対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶があるか否かを判定する(ステップA387)。
すなわち、事前判定手段をなす遊技制御装置100は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行時に、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて、当該転落抽選に当選した変動表示ゲームに対応する始動記憶(当該転落抽選に当選した変動表示ゲームの実行権利)の次以降に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果を再度判定するように構成されている。
ステップA387で、大当りとなると判定された始動記憶があると判定した場合(ステップA387;Yes)、すなわち、開始する特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)に対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、高確演出継続コマンドを設定する処理(ステップA388)、コマンド設定処理(ステップA389)を行い、当該転落時情報設定処理を終了する。
そして、当該高確演出継続コマンドは、次回のタイマ割込み処理(図7)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。これにより、遊技機10の遊技状態は、第1特殊遊技状態ST3から第2特別通常遊技状態ST6へと移行して、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落するが、次の特図変動表示ゲーム以降も高確率演出は継続される。
一方、ステップA387で、大当りとなると判定された始動記憶がないと判定した場合(ステップA387;No)、すなわち、開始する特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)に対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がない場合には、低確演出移行コマンドを設定する処理(ステップA390)、コマンド設定処理(ステップA391)を行い、当該転落時情報設定処理を終了する。
そして、当該低確演出移行コマンドは、次回のタイマ割込み処理(図7)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。これにより、遊技機10の遊技状態は、第1特殊遊技状態ST3から第1特別通常遊技状態ST5へと移行し、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落するとともに、演出態様が高確率演出から低確率演出に切り替わる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図10)における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図20に示すように、大当り終了処理においては、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップA401)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップA402)、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする処理(ステップA403)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブする処理(ステップA404)を行う。
次いで、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短フラグをセーブする処理(ステップA405)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする処理(ステップA406)、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(本実施形態では100)をセーブする処理(ステップA407)、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理(ステップA408)を行って、当該大当り終了処理を終了する。
ここで、特図普段処理移行設定処理(ステップA408)では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
以上の処理により、特別遊技状態ST2の終了後、第1特殊遊技状態ST3となり、停止表示される大当り図柄にかかわらず、確率状態が高確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態ST2の終了後、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果(大当り)となる確率の状態である確率状態として、通常確率状態(低確率状態)よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段をなす。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、当該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311は、図21に示す1stメイン処理を行う。
この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。
このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。
次いで、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。
このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中に大当りとなると判定された始動記憶が発生した場合に、当該実行中の特図変動表示ゲームにおける演出を、転落報知演出から転落非報知演出に変更する演出変更処理(ステップB20)を行う。
次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、表示装置41や装飾装置、演出装置などのテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB22)を行う。このテストモード処理(ステップB22)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のサウンド制御処理(ステップB26)、装飾制御処理(ステップB27)、モータ/SOL制御処理(ステップB28))において制御を行う。なお、テストモードは遊技機10の電源を遮断することで終了するようになっている。
次いで、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB23)を行う。なお、シーン制御処理(ステップB23)の詳細については後述する。
次いで、遊技機10でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB24)を行う。ここで、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(後述のサウンド制御処理(ステップB26)、装飾制御処理(ステップB27)、モータ/SOL制御処理(ステップB28))において制御を行う。
次いで、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB25)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB26)を行う。
次いで、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB27)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB28)を行う。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB29)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、図22に示す2ndメイン処理を行う。
この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。
このプログラム開始時の処理では、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。
次いで、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。
次いで、各種制御装置の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。
このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
次に、前述の2ndメイン処理(図22)における通常ゲーム処理(ステップB41)の詳細について説明する。
図23に示すように、通常ゲーム処理においては、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御/表示処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップB52)、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB53)、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB54)、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB55)を行う。
次いで、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB56)を行う。当該シーン制御/表示処理(ステップB56)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
次いで、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、当該通常ゲーム処理を終了する。
〔シーン制御処理〕
次に、前述の1stメイン処理(図21)におけるシーン制御処理(ステップB23)の詳細について説明する。
図24に示すように、シーン制御処理においては、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップB61)。
ステップB61で、テストモード中であると判定した場合(ステップB61;Yes)には、当該シーン制御処理を終了する。
一方、ステップB61で、テストモード中でないと判定した場合(ステップB61;No)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。ここで、シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。
ステップB62で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップB62;Yes)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップB64)。ここで、有効なコマンドであるか否かの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否かを判定する。
ステップB64で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップB64;Yes)には、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、シーンを変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、ステップB62で、シーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB62;No)、或いは、ステップB64で、有効なコマンドでなかったと判定した場合(ステップB64;No)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。
電源投入コマンドを受信した場合は、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。
また、停電復旧コマンドを受信した場合は、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。
また、客待ちデモコマンドを受信した場合は、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。
ここで、当該変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。当該飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。
ここで、当該図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は、特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。
また、大入開放n回目コマンドを受信した場合は、ラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。
また、インターバルコマンドを受信した場合は、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。
また、エンディングコマンドを受信した場合は、特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。ここで、当該エンディング処理には、時短フラグや時短変動回数をセットする処理が含まれる。
そして、コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。
この処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
次いで、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、転落情報コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB79)を行う。
次いで、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(転落情報コマンド、確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行って、当該シーン制御処理を終了する。
〔転落演出処理〕
次に、前述のシーン制御処理(図24)における変動中処理(ステップB71)に含まれる処理である転落演出処理の詳細について説明する。
図25に示すように、転落演出処理においては、まず、後述のステップB97で設定される低確演出移行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップB91)。
ステップB91で、低確演出移行フラグがオンでないと判定した場合(ステップB91;No)には、前述の転落時情報設定処理(図19)のステップA388で設定される高確演出継続コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB92)。
ステップB92で、高確演出継続コマンドを受信したと判定した場合(ステップB92;Yes)には、高確時演出テーブルを設定する(ステップB93)。これにより、遊技機10の遊技状態は、第1特殊遊技状態ST3から第2特別通常遊技状態ST6へと移行して、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落するが、当該高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて行われる高確時演出(高確率演出)が次の特図変動表示ゲーム以降も継続される。
次いで、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されるか否か、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した後に消化されるか否かを判定する(ステップB94)。ここで、時短変動回数は、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのものである。なお、ここでは便宜上、時短変動回数が「0以下」になるとしているが、後述の変動回数管理処理(図27)のステップB124,B129の処理において、時短変動回数=0だと、−1更新した値(時短変動回数)が時短変動カウンタにセットされないので、実際には時短変動回数は「0以下」になることはない。
ステップB94で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されると判定した場合(ステップB94;Yes)、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した後に消化される場合には、当該大当りとなると判定された始動記憶を消化するまで高確率演出が継続するので、通常時演出延期フラグを設定する処理(ステップB95)を行って、ステップB102の処理に移行する。そして、この通常時演出延期フラグは、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了するとクリアされる。
なお、前述したように、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数を超えても高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われる場合、普通変動入賞装置37の時短動作状態は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した時点で終了する。
一方、ステップB94で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されないと判定した場合(ステップB94;No)、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達する前に消化される場合には、ステップB95をスキップして、ステップB102の処理に移行する。
また、ステップB92で、高確演出継続コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB92;No)には、前述の転落時情報設定処理(図19)のステップA390で設定される低確演出移行コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB96)。
ステップB96で、低確演出移行コマンドを受信したと判定した場合(ステップB96;Yes)には、低確演出移行フラグをオンに設定する処理(ステップB97)、転落演出実行テーブルを設定する処理(ステップB98)を行う。これにより、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落する。そして、低確率演出として、まず当該転落演出実行テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて転落演出が行われて、転落抽選に当選したことが報知される。
次いで、連続大当りの履歴データをリセットする処理(ステップB99)を行って、ステップB102の処理に移行する。
ここで、当該連続大当りの履歴データ(大当りの継続回数)は、前述のシーン制御処理(図24)におけるファンファーレ処理(ステップB73)にて更新され、特別遊技状態ST2中(ラウンド中)や時短動作状態中に表示装置41に表示される「現在○連勝中!」などの表示等に用いられる。
すなわち、演出制御装置300は、高確率状態である場合に発生した特別遊技状態ST2の発生回数を継続回数として計数し、遊技者に報知する継続回数報知手段をなす。
なお、高確演出継続コマンドを受信したと判定した場合(ステップB92;Yes)には、連続大当りの履歴データをリセットする処理(ステップB99)は行われないため、転落抽選に当選しても、高確率状態に対応した演出(高確率演出)が継続されている際には、連続大当りの履歴データはリセットされず、そのまま更新されることとなる。
すなわち、継続回数報知手段をなす演出制御装置300は、特別遊技状態ST2の終了後、転落抽選の結果に伴い確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行すると、継続回数をリセットし、その後、再び特別遊技状態ST2が発生すると、継続回数を更新する一方、転落抽選の結果に伴い確率状態が高確率状態から通常確率状態へ移行しても、高確演出継続手段(演出制御装置300)により高確率状態に対応した演出(高確率演出)が行われている場合には、継続回数をリセットせずに更新するように構成されている。
一方、ステップB96で、低確演出移行コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB96;No)には、ステップB97,B98,B99の処理をスキップして、ステップB102の処理に移行する。
また、ステップB91で、低確演出移行フラグがオンであると判定した場合(ステップB91;Yes)には、低確時演出テーブルを設定する処理(ステップB100)、低確演出移行フラグをクリアする処理(ステップB101)を行って、ステップB102の処理に移行する。これにより、遊技機10の遊技状態は、第1特殊遊技状態ST3から第1特別通常遊技状態ST5へと移行し、低確率演出として、転落演出の後に低確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて低確時演出が行われる。
すなわち、演出制御手段をなす演出制御装置300は、複数の演出パターン(通常時演出テーブルに基づき決定される演出パターン、高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターン、転落演出実行テーブルに基づき決定される演出パターン、低確時演出テーブルに基づき決定される演出パターン)の中から確率状態に対応した演出パターンを選択して、当該確率状態に対応した演出を実行可能である。
また、演出制御装置300は、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶がある場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されて、確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行しても、高確率状態に対応した演出を擬似的に行う高確演出継続手段をなす。
なお、本実施形態において、設定されるテーブル(通常時演出テーブル、高確時演出テーブル、転落演出実行テーブル、低確時演出テーブル)は、他のテーブルが新たに設定されるまでは、更新されずに使われ続けることとなっている。
次いで、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアする処理(ステップB102)、可動体リクエストセット処理(ステップB103)、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB104)、乱数シード初期化処理(ステップB105)を行う。
次いで、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB106)。
ここで、シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次いで、普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数や特図変動表示ゲームの実行回数などを管理する変動回数管理処理(ステップB107)、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を更新タイマに設定する変動時間設定処理(ステップB108)を行って、当該転落演出処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
次に、前述の転落演出処理(図25)における変動パターン情報設定処理(ステップB104)の詳細について説明する。
図26に示すように、変動パターン情報設定処理においては、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB111)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB112)。
次いで、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB113)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB114)。ここで、演出情報とは、先読み情報に基づく連続的な演出を実行する際に、当該連続的な演出を実行する始動記憶について設定される情報である。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB115)、遊技状態と演出情報とに基づきコマンドに対応する変動パターンを決定して(ステップB116)、当該変動パターン情報設定処理を終了する。この処理により、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが決定される。
〔変動回数管理処理〕
次に、前述の転落演出処理(図25)における変動回数管理処理(ステップB107)の詳細について説明する。
図27に示すように、変動回数管理処理においては、まず、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合に設定される時短フラグがあるかをチェックして(ステップB121)、時短フラグがあるか否かを判定する(ステップB122)。
ステップB122で、時短フラグがないと判定した場合(ステップB122;No)、すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態である場合には、当該変動回数管理処理を終了する。
一方、ステップB122で、時短フラグがあると判定した場合(ステップB122;Yes)、すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合には、時短変動回数を−1更新して(ステップB123)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップB124)。
ステップB124で、時短変動回数が0でないと判定した場合(ステップB124;No)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達していない場合には、−1更新した値(時短変動回数)を時短変動回数カウンタにセットして(ステップB129)、当該変動回数管理処理を終了する。
一方、ステップB124で、時短変動回数が0であると判定した場合(ステップB124;Yes)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達している場合には、前述の転落演出処理(図25)のステップB95で設定される通常時演出延期フラグがあるか否かを判定する(ステップB125)。
ステップB125で、通常時演出延期フラグがないと判定した場合(ステップB125;No)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した時点で、大当りとなると判定された始動記憶が保留されていない場合には、通常時演出テーブルを設定して(ステップB126)、ステップB127の処理に移行する。これにより、通常時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて通常演出が行われる。
したがって、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達している際、通常時演出延期フラグがないと判定された場合には、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であっても、転落抽選に当選していても、同一の通常時演出テーブルが設定される。
一方、ステップB125で、通常時演出延期フラグがあると判定した場合(ステップB125;Yes)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した時点で、大当りとなると判定された始動記憶が保留されている場合には、ステップB126をスキップして、ステップB127の処理に移行する。これにより、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達しても、大当りとなると判定された始動記憶が未消化である場合には、通常時演出テーブルは設定されずに、高確時演出テーブルが設定されたままとなるため、高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われることとなる。
次いで、特図変動回数カウンタをセット(0をセット)する処理(ステップB127)、時短フラグをクリアする処理(ステップB128)を行って、当該変動回数管理処理を終了する。ここで、特図変動回数カウンタは、特別遊技状態ST2の終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した後に実行される特図変動表示ゲームの実行回数を計数するカウンタである。
したがって、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達すると、転落抽選に当選したか否かにかかわらず、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)は終了する。
〔演出変更処理〕
次に、前述の1stメイン処理(図21)における演出変更処理(ステップB20)の詳細について説明する。
演出変更処理では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中に大当りとなると判定された始動記憶が発生した場合に、当該実行中に特図変動表示ゲームにおける演出を、転落報知演出から転落非報知演出に変更する。
図28に示すように、演出変更処理においては、まず、転落変動中であるか、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが変動中であるか否かの判定を行う(ステップB141)。
ステップB141で、転落変動中でないと判定した場合(ステップB141;No)、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが変動中でない場合には、当該演出変更処理を終了する。
一方、ステップB141で、転落変動中であると判定した場合(ステップB141;Yes)、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが変動中である場合には、大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)が発生した際に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される大当りコマンドを、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始後に受信したか否かを判定する(ステップB142)。ここで、大当りコマンドは、前述の特図保留情報判定処理(図13)のステップA238で大当り判定処理の判定結果が大当りであると判定された際に、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
なお、ステップB142では、転落変動中に行われる特図保留情報判定処理(図13)において送信された大当りコマンドが受信されたか否かを判定することになる。転落変動中における特図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)であるため、当該大当りコマンドは、通常確率状態に対応した判定値を用いて大当りとなると判定された際に送信されたものであるといえる。
ステップB142で、大当りコマンドを受信していないと判定した場合(ステップB142;No)には、当該演出変更処理を終了する。
一方、ステップB142で、大当りコマンドを受信したと判定した場合(ステップB142;Yes)には、前述の転落演出処理(図25)のステップB98で設定される転落演出実行テーブルが設定中であるか否かを判定する(ステップB143)。この処理により、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中に、複数の大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)が発生したか否かを判別することができる。すなわち、2つ目以降の大当り保留が発生したことに伴い当該ステップB143の処理を行う場合、既に、1つ目の大当り保留が発生した際に行った後述のステップB145で高確時演出テーブルが設定されているため、設定されているテーブルを判別することによって、当該ステップB143の処理を、1つ目の大当り保留が発生したことに伴い行っているのか、2つ目以降の大当り保留が発生したことに伴い行っているのかを判別することができる。
ステップB143で、転落演出実行テーブルの設定中でないと判定した場合(ステップB143;No)、すなわち、当該ステップB143が、2つ目以降の大当り保留が発生したことに伴い行われている場合には、当該演出変更処理を終了する。これにより、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中に、複数の大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)が発生した場合、2つ目以降の大当り保留では演出の変更は行われず、転落演出が行われて、転落抽選に当選したことが報知されることとなる。
一方、ステップB143で、転落演出実行テーブルの設定中であると判定した場合(ステップB143;Yes)、すなわち、当該ステップB143が、1つ目の大当り保留が発生したことに伴い行われている場合には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中であるか否かの判定を行う(ステップB144)。
ステップB144で、前半変動表示ゲームの実行中でないと判定した場合(ステップB144;No)、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの実行中である場合には、当該演出変更処理を終了する。これにより、既に後半変動が行われている場合には、そのまま転落演出が行われて、転落抽選に当選したことが報知されることとなる。
一方、ステップB144で、前半変動表示ゲームの実行中であると判定した場合(ステップB144;Yes)には、高確時演出テーブルを設定して(ステップB145)、当該高確時演出テーブルに基づき決定される後半変動パターンを設定する(ステップB146)。これにより、設定される変動パターンが、転落を報知する変動パターンから転落を非報知とする変動パターンに変更される。
すなわち、演出制御手段をなす演出制御装置300は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行中に、始動記憶手段(RWM)に新たな始動記憶が記憶された場合、当該新たな始動記憶が、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶であれば、当該実行中の変動表示ゲームにおいて行う演出を、当該当選に対応した演出(転落演出)から高確率状態に対応した演出(高確率演出)に切り替える演出変更手段をなす。
次いで、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されるか否か、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した後に、当該大当りとなると判定された始動記憶が消化されるかを判定する(ステップB147)。
ステップB147で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されると判定した場合(ステップB147;Yes)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した後に、当該大当りとなると判定された始動記憶が消化される場合には、通常時演出延期フラグを設定する処理(ステップB148)を行って、当該演出変更処理を終了する。そして、この通常時演出延期フラグは、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了するとクリアされる。これにより、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了するまで、通常演出が延期されて、高確率演出が継続される。
すなわち、高確演出継続手段をなす演出制御装置300は、演出変更手段(演出制御装置300)による演出の切り替え後、高確率状態に対応した演出を擬似的に行うように構成されている。
一方、ステップB147で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されないと判定した場合(ステップB147;No)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達する前に、大当りとなると判定された始動記憶が消化される場合には、ステップB148をスキップして、当該演出変更処理を終了する。
次に、図30および図31に、本実施形態において前述したような各種処理を実行する場合のタイムチャートの一例を示す。
図30には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、並びに、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生しなかった場合のタイムチャートの一例を示す。
まず、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が開始すると(t1)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)に転落する。
次いで、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止すると(t2)、演出態様が高確率演出から低確率演出に切り替わり、まず転落演出が行われて、転落抽選に当選したことが報知される。
次いで、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達すると(t3)、演出態様が低確率演出から通常演出に切り替わる。また、普図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)に切り替わって、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポートあり)から通常動作状態(普電サポートなし)に切り替わる。
図31には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、或いは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生した場合のタイムチャートの一例を示す。なお、当該大当り保留は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達する前に消化されることとする。
まず、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が開始すると(t11)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)に転落する。しかしながら、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに大当り保留が発生して遊技制御装置100から高確演出継続コマンドが送信され、或いは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に大当り保留が発生して遊技制御装置100から大当りコマンドが送信されて、それに応じて高確時演出テーブルが設定されるため、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止しても演出態様は高確率演出のまま切り替わらず、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止するまで高確率演出が継続的に行われる。
次いで、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止すると(ステップt12)、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態(低確率状態)から高確率状態に切り替わるとともに、高確率演出が終了する。また、普図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)に切り替わって、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポートあり)から通常動作状態(普電サポートなし)に切り替わる。その後、特別結果態様が導出されて大当りが発生し、特別遊技状態ST2へと移行する。
次に、図33および図34に、本実施形態において前述したような各種処理を実行する場合における表示装置41での表示例を示す。
図33には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、並びに、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生しなかった場合における表示装置41での表示例を示す。
まず、図33(a)に示すように、第1特殊遊技状態ST3の実行中には、高確率演出として、高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて高確時演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が背景画像として表示される。本実施形態では、前述したように、第1始動記憶(◇)よりも第2始動記憶(○)の方が優先して消化される。
優先して消化される第2始動記憶のうち、最初に消化される第2始動記憶は、転落抽選に当選したと判定された始動記憶であるため(図33(a)参照)、図33(b)に示すように、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始される。そして、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落する。
ここで、当該特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に大当りとなると判定された始動記憶があるか否かが、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて再チェックされるが、この場合、大当りとなると判定された始動記憶がなかったものとする。
次いで、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動中に、転落するか否かの演出が行われる。具体的には、図33(c)に示すように、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)において白い雲が出現し、図33(d)に示すように、当該白い雲のサイズが徐々に大きくなっていく演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)の略全体が当該白い雲で覆われたら転落の危機となる。
ここで、当該特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に、新たに記憶された始動記憶の中に大当りとなると判定された始動記憶があるか否かが、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて再チェックされるが、この場合、大当りとなると判定された始動記憶がなかったものとする。
したがって、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止すると、低確率演出が開始される。
まず、図33(e)に示すように、低確率演出用の演出表示(太陽や白い雲を模した演出表示)が背景画像として表示され、低確率演出として、転落演出実行テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて転落演出が行われて、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落したことが報知される。
次に、転落演出が終了して第1特殊遊技状態ST3へと移行すると、図33(f)に示すように、低確率演出として、低確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて低確時演出が行われる。そして、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達するまで、当該第1特別通常遊技状態ST5を継続する。
なお、転落するか否かの演出(図33(c)、(d)参照)は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム以外の特図変動表示ゲームでも、所定のタイミング(例えば、所定の抽選に当選したタイミング)で実行可能である。この場合、当該演出はガセの演出であるため、当該特図変動表示ゲームの変動が停止すると、図33(g)に示すように、特図変動表示ゲームの確率状態として高確率状態が継続することが報知され、図33(h)に示すように、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が継続して表示される。
図34には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに発生した場合における表示装置41での表示例を示す。なお、当該大当り保留は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達する前に消化されることとする。
まず、図34(a)に示すように、第1特殊遊技状態ST3の実行中には、高確率演出として、高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて高確時演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が背景画像として表示される。
優先して消化される第2始動記憶のうち、最初に消化される第2始動記憶は、転落抽選に当選したと判定された始動記憶であるため(図34(a)参照)、図34(b)に示すように、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始される。そして、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落する。
ここで、当該特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に大当りとなると判定された始動記憶があるか否かが、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて再チェックされるが、この場合、大当りとなると判定された始動記憶があったものとする。
したがって、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が発生しているため、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動中であっても、転落するか否かの演出等は行われず、図34(c)に示すように、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が継続して表示される。
なお、図34の表示例では、転落するか否かの演出(図33(c)、(d)参照)は行わないようにしたが、これに限ることはなく、ガセの演出のように、転落するか否かの演出を行ってもよい。
さらに、図34(d)に示すように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止しても、転落演出等の低確率演出は行われず、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が継続して表示される。この場合、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止すると、第2特別通常遊技状態ST6へと移行する。すなわち、高確率演出は継続的に行われるが、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落している。
そして、図34(e)、(f)、(g)に示すように、大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が終了するまで、第2特別通常遊技状態ST6が継続して実行され、高確率演出が継続する。
以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、始動入賞口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示する変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果(大当り)となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態ST2を発生する遊技機であり、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100(RWM))と、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率の状態である確率状態として、通常確率状態(低確率状態)よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果となるか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、遊技機10における演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。そして、演出制御手段は、少なくとも、複数の演出パターンの中から確率状態に対応した演出パターンを選択して、当該確率状態に対応した演出を実行可能であり、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶がある場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲームが実行されて、確率状態が高確率状態から通常確率状態へ移行しても、高確率状態に対応した演出を擬似的に行う高確演出継続手段(演出制御装置300)を有している。
すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが実行されて、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行しても、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われ、転落報知が行われないので、転落抽選の当選に伴う興趣の低下を抑制することができる。
したがって、転落抽選に当選しても、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていれば、高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われるので、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができることとなって、遊技機の稼働率が低下してしまうことを軽減することができる。
また、転落抽選に当選しても、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていれば、高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われるので、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が席を離れてしまうことを抑制することができることとなって、特別遊技状態ST2を見逃してしまい、遊技者が利益を取り損ねてしまうことを軽減することができる。
また、以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、事前判定手段(遊技制御装置100)は、始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果を判定する判定値を、確率状態に対応して複数有し、始動入賞口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞時に、当該入賞時における確率状態に対応した判定値を用いて、始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果を判定し、転落抽選に当選した変動表示ゲームの実行時に、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて、当該転落抽選に当選した変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果を再度判定するように構成されている。
したがって、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行時に、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を再度事前判定するので、次以降の特図変動表示ゲームの結果を正確に事前判定することができる。
すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが実行されると、確率状態が高確率状態から通常確率状態へ移行するが、当該通常確率状態で実行される次以降の特図変動表示ゲームの結果を、通常確率状態に対応した判定値を用いて再度事前判定するので、正確に事前判定することができる。
ここで、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの次以降の特図変動表示ゲームは、通常確率状態時に実行されるため、当該次以降の特図変動表示ゲームの実際の結果は、通常確率状態に対応した判定値を用いて判定される。しかしながら、当該次以降の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶を発生させた入賞時における確率状態が高確率状態である場合、当該次以降の特図変動表示ゲームの結果は、当該入賞時には高確率状態に対応した判定値を用いて事前判定されるため、実際の結果と、当該入賞時における事前判定での結果とが異なる場合がある。そのため、入賞時における事前判定での結果のみで、高確率演出を継続するか否か判断すると、実際の結果がはずれなのに、高確率演出を擬似的に継続してしまったり、実際の結果が大当りなのに、高確率演出を継続せずに転落演出を行ってしまったりして、遊技者の興趣を低下させてしまうことがある。これに対し、本実施形態では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行時に、通常確率状態に対応した判定値を用いて、当該次以降の特図変動表示ゲームの結果を再チェックするので、高確率演出を擬似的に継続して(継続的に)行うか否かを的確に判断することができることとなって、興趣の低下をより一層抑制することができる。
また、以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行中に、始動記憶手段(遊技制御装置100(RWM))に新たな始動記憶が記憶された場合、当該新たな始動記憶が、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶であれば、当該実行中の変動表示ゲームにおいて行う演出を、当該当選に対応した演出(転落演出)から高確率状態に対応した演出に切り替える演出変更手段(演出制御装置300)を有し、高確率演出継続手段(演出制御装置300)は、演出変更手段による演出の切り替え後、高確率状態に対応した演出を擬似的に行うように構成されている。
したがって、転落抽選に当選し、転落抽選に当選したことを報知する特図変動表示ゲームの実行中に、大当りとなると判定された始動記憶が発生すると、当該実行中の特図変動表示ゲームにおいて行う演出が、高確率状態に対応した演出(高確率演出)に切り替わり、当該高確率演出が擬似的に行われ、転落報知が行われないので、転落抽選の当選に伴う興趣の低下をより一層抑制することができる。
なお、本実施形態では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に、大当りとなると判定された始動記憶が発生すると、演出を高確率演出に切り替えるように構成したが、これに限ることはなく、例えば、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの実行中に、大当りとなると判定された始動記憶が発生した場合にも、演出を高確率演出に切り替えるようにしてもよい。
また、以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、高確率状態である場合に発生した特別遊技状態ST2の発生回数を継続回数として計数し、遊技者に報知する継続回数報知手段(演出制御装置300)を有し、継続回数報知手段は、特別遊技状態ST2の終了後、転落抽選の結果に伴い確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行すると、継続回数をリセットし、その後、再び特別遊技状態ST2が発生すると、継続回数を更新する一方、転落抽選の結果に伴い確率状態が高確率状態から通常確率状態へ移行しても、高確演出継続手段(演出制御装置300)により高確率状態に対応した演出が行われている場合には、継続回数をリセットせずに更新するように構成されている。
したがって、転落抽選に当選して確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行しても、高確率状態に対応した演出(高確率演出)が擬似的に継続して(継続的に)行われている場合には、特別遊技状態ST2の継続回数がリセットされずに更新されるので、大当りの連続が長く続いている(連チャンが長く続いている)ように演出することが可能となり、大当りが継続して発生しているように見せかけることができる。
なお、第1実施形態では、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達すると、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)を終了するように構成したが、これに限ることはなく、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)を終了するタイミングは任意である。
具体的には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、或いは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生したか否かにかかわらず、例えば、図32に示す(1)のように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が開始すると(t21)、特図変動表示ゲームの確率状態を低確率状態に転落させるとともに、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)を終了するように構成しても良いし、例えば、図32に示す(2)のように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が終了すると(t22)、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)を終了するように構成しても良い。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、並びに、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生しなかった場合には、例えば、図32に示す(1)や(2)のタイミングで、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)を終了し、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、或いは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生した場合には、例えば、図32に示す(3)のように、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止し、特別結果態様が導出されて大当りが発生すると(t23)、普通変動入賞装置37の時短動作状態(普電サポートあり)を終了するように構成しても良い。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに、或いは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの実行中に発生した、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達しても未消化である場合には、当該大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームの変動が終了するまで、或いは、当該大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止し、特別結果態様が導出されて大当りが発生するまで、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)を継続するように構成しても良い。すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に超えても、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)を継続するように構成しても良い。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、基本的には、前述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施形態の遊技機10は、第1実施形態の遊技機10と同様、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行時に転落抽選に当選したことを報知しないが、第1実施形態の遊技機10とは異なり、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行時に、転落抽選に当選したことを報知するように構成されている。
〔転落演出処理〕
本実施形態では、演出制御装置300は、図25の転落演出処理に代えて、図35に示す転落演出処理を行う。
具体的には、図35に示すように、本実施形態の転落演出処理においては、まず、後述のステップB155で設定される高確演出継続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップB150)。
ステップB150で、高確演出継続フラグがオンであると判定した場合(ステップB150;Yes)には、大当りに当選した特図変動表示ゲーム(すなわち、大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が変動中であるか否かを判定する(ステップB151)。
ステップB151で、大当りに当選した特図変動表示ゲームが変動中でないと判定した場合(ステップB151;No)には、高確時演出テーブルを設定し(ステップB152)、ステップB102の処理に移行する。これにより、転落抽選に当選して通常確率状態(低確率状態)に転落した後も、大当りに当選した特図変動表示ゲームの変動が開始するまでは、高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づく高確時演出(高確率演出)が擬似的に継続して(継続的に)行われるため、高確率状態が継続しているように見せかけることができる。
一方、ステップB151で、大当りに当選した特図変動表示ゲームが変動中であると判定した場合(ステップB151;Yes)には、転落復活演出テーブルを設定して(ステップB153)、高確演出継続フラグをクリアし(ステップB154)、ステップB102の処理に移行する。これにより、当該転落復活演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて、当該大当りに当選した特図変動表示ゲームの変動中に、一旦低確率状態に転落する演出(転落演出)が行われて転落抽選に当選したことが報知され、その後、復活して大当りに当選したような演出が行われる。
すなわち、高確演出継続手段をなす演出制御装置300は、高確率状態に対応した演出(高確率演出)を実行中であって、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶がある場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されて、確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行しても、当該特別結果となると判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるまでは、高確率状態に対応した演出を擬似的に行うように構成されている。
また、演出制御装置300は、当該特別結果となると判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームの(特図変動表示ゲーム)実行時に、転落抽選に当選したことを報知する転落報知手段をなす。
また、ステップB150で、高確演出継続フラグがオンでないと判定した場合(ステップB150;No)には、後述のステップB97で設定される低確演出移行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップB91)。
ステップB91で、低確演出移行フラグがオンでないと判定した場合(ステップB91;No)には、前述の転落時情報設定処理(図19)のステップB388で設定される高確演出継続コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB92)。
ステップB92で、高確演出継続コマンドを受信したと判定した場合(ステップB92;Yes)には、高確演出継続フラグをオンに設定し(ステップB155)、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されるか否か、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した後に消化されるか否かを判定する(ステップB94)。
ステップB94で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されると判定した場合(ステップB94;Yes)、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した後に消化される場合には、当該大当りとなると判定された始動記憶を消化するまで高確率演出が継続するので、通常時演出延期フラグを設定する処理(ステップB95)を行って、ステップB102の処理に移行する。そして、この通常時演出延期フラグは、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了するとクリアされる。
一方、ステップB94で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されないと判定した場合(ステップB94;No)、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達する前に消化される場合には、ステップB95をスキップして、ステップB102の処理に移行する。
また、ステップB92で、高確演出継続コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB92;No)には、前述の転落時情報設定処理(図19)のステップA390で設定される低確演出移行コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB96)。
ステップB96で、低確演出移行コマンドを受信したと判定した場合(ステップB96;Yes)には、低確演出移行フラグをオンに設定する処理(ステップB97)、転落演出実行テーブルを設定する処理(ステップB98)、連続大当りの履歴データをリセットする処理(ステップB99)を行って、ステップB102の処理に移行する。
一方、ステップB96で、低確演出移行コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB96;No)には、ステップB97,B98,B99の処理をスキップして、ステップB102の処理に移行する。
また、ステップB91で、低確演出移行フラグがオンであると判定した場合(ステップB91;Yes)には、低確時演出テーブルを設定する処理(ステップB100)、低確演出移行フラグをクリアする処理(ステップB101)を行って、ステップB102の処理に移行する。
次いで、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアする処理(ステップB102)、可動体リクエストセット処理(ステップB103)、変動パターン情報設定処理(ステップB104)、乱数シード初期化処理(ステップB105)を行う。
次いで、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する処理(ステップB106)、変動回数管理処理(ステップB107)、変動時間設定処理(ステップB108)を行って、当該転落演出処理を終了する。
次に、図36および図37に、本実施形態において前述したような各種処理を実行する場合における表示装置41での表示例として、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに発生した場合における表示装置41での表示例を示す。なお、当該大当り保留は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達する前に消化されることとする。
まず、図36(a)に示すように、第1特殊遊技状態ST3の実行中には、高確率演出として高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて高確時演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が背景画像として表示される。
優先して消化される第2始動記憶のうち、最初に消化される第2始動記憶は、転落抽選に当選したと判定された始動記憶であるため(図36(a)参照)、図36(b)に示すように、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始される。そして、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落する。
ここで、当該特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に大当りとなると判定された始動記憶があるか否かが、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて再チェックされるが、この場合、大当りとなると判定された始動記憶があったものとする。
したがって、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が発生しているため、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動中であっても、転落するか否かの演出等は行われず、図36(c)に示すように、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が継続して表示される。
さらに、図36(d)に示すように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止しても、転落演出等の低確率演出は行われず、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が継続して表示される。この場合、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止すると、第2特別通常遊技状態ST6へと移行する。すなわち、高確率演出は継続して行われるが、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落している。
そして、図36(e)、(f)に示すように、大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が開始するまで、第2特別通常遊技状態ST6が継続して実行され、高確率演出が継続する。
次いで、図36(g)に示すように、大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が開始すると、転落復活演出テーブルが設定される。
そして、まず、転落するか否かの演出が行われる。具体的には、図37(a)に示すように、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)において白い雲が出現し、図37(b)に示すように、当該白い雲のサイズが徐々に大きくなっていく演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)の略全体が当該白い雲で覆われたら転落の危機となる。
そして、転落するか否かの演出の後、一旦低確率状態に転落する演出(転落演出)が行われる。具体的には、図37(c)に示すように、低確率演出用の演出表示(太陽や白い雲を模した演出表示)が背景画像として表示される。その際、各飾り特別図柄は揺れ変動して仮停止状態となっている。
そして、転落演出の後、復活して大当りに当選したような演出が行われる。具体的には、図37(d)に示すように、各飾り特別図柄が再変動し、図37(e)に示すように、特別結果態様が導出されて大当りが発生する。
以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、高確演出継続手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶がある場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されて、確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行しても、当該特別結果となると判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるまでは、高確率状態に対応した演出を擬似的に行うように構成されている。さらに、演出制御手段(演出制御装置300)は、当該特別結果となると判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時に、転落抽選に当選したことを報知する転落報知手段(演出制御装置300)を有している。
すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが実行されて、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行しても、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでは、高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われ、転落報知が行われないので、転落抽選の当選に伴う興趣の低下を抑制することができる。
したがって、転落抽選に当選しても、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていれば、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでは高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われるので、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができることとなって、遊技機の稼働率が低下してしまうことを軽減することができる。
また、転落抽選に当選しても、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていれば、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでは高確率演出が擬似的に継続して(継続的に)行われるので、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が席を離れてしまうことを抑制することができることとなって、特別遊技状態ST2を見逃してしまい、遊技者が利益を取り損ねてしまうことを軽減することができる。
また、転落抽選に当選すると、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていても、転落抽選の当選に伴う興趣の低下を抑制しつつ、転落報知が行われるので、遊技者の興趣を継続させた状態で、現在の確率状態を遊技者に認識させることができる。
また、以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、大当りに当選した特図変動表示ゲームの変動中に、一旦低確率状態に転落する演出(転落演出)が行われて転落抽選に当選したことが報知され、その後、復活して大当りに当選したような演出が行われるので、転落と大当りとを1変動内の出来事のように遊技者に見せることができる。
したがって、転落抽選に当選したことが報知されて、遊技者の興趣が減衰している最中に、復活して大当りに当選したような演出を行うことができる。また、このような演出を行うことによって、遊技者の感情の起伏が大きくなり、より一層興趣を高めることができる。また、このような演出を行うことによって、遊技者は通常確率状態(低確率状態)で大当りを引き戻したことを認識できるため、遊技者に満足感を与えることができる。
また、通常の転落演出時、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がない場合に行う転落演出時においても、復活して大当りに当選するかも知れないというドキドキ感を与えることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の遊技機10について説明する。
なお、基本的には、前述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施形態の遊技機10は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合であっても、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行時に転落抽選に当選したことを報知するが、その後は、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまで、期待度を高める予告演出を行うように構成されている。
〔転落時情報設定処理〕
本実施形態では、遊技制御装置100は、図19の転落時情報設定処理に代えて、図38に示す転落時情報設定処理を行う。
具体的には、図38に示すように、本実施形態の転落時情報設定処理においては、まず、遊技状態表示番号領域に低確率状態時(通常確率状態時)の番号をセーブする処理(ステップA381)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする処理(ステップA382)を行い、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする処理(ステップA383)、コマンド設定処理(ステップA384)を行う。
次いで、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する(ステップA385)。
ステップA385で、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定した場合(ステップA385;No)、すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態ではなく通常動作状態である場合には、当該転落時情報設定処理を終了する。
一方、ステップA385で、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定した場合(ステップA385;Yes)には、保留されている始動記憶の情報を低確率状態時(通常確率状態時)の判定値にて再チェックし(ステップA386)、開始する特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)に対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶があるか否かを判定する(ステップA387)。
ステップA387で、大当りとなると判定された始動記憶がないと判定した場合(ステップA387;No)、すなわち、開始する特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)に対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がない場合には、低確演出移行コマンドを設定する処理(ステップA390)、コマンド設定処理(ステップA391)を行い、当該転落時情報設定処理を終了する。
一方、ステップA387で、大当りとなると判定された始動記憶があると判定した場合(ステップS387;Yes)、すなわち、開始する特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)に対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、特別低確演出コマンドを設定する処理(ステップA410)、コマンド設定処理(ステップA389)を行い、当該転落時情報設定処理を終了する。
そして、当該特別低確演出コマンドは、次回のタイマ割込み処理(図7)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。これにより、遊技機10の遊技状態は、第1特殊遊技状態ST3から第3特別通常遊技状態へと移行して、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落し、特別低確率演出(すなわち、転落抽選に当選したことを報知するための転落演出を行った後、特別遊技状態ST2が発生する可能性を報知するための予告演出を行う演出)が行われる。
ここで、第3特別通常遊技状態では、特図変動表示ゲームの確率状態は通常確率状態(低確率状態)であり、普図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態で、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)であり、演出パターンを決定するための演出テーブルとして特別低確演出テーブルが設定される。
〔転落演出処理〕
本実施形態では、演出制御装置300は、図25の転落演出処理に代えて、図39に示す転落演出処理を行う。
具体的には、図39に示すように、本実施形態の転落演出処理においては、まず、後述のステップB97で設定される低確演出移行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップB91)。
ステップB91で、低確演出移行フラグがオンでないと判定した場合(ステップB91;No)には、前述の転落時情報設定処理(図38)のステップB410で設定される特別低確演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB160)。
ステップB160で、特別低確演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB160;Yes)には、特別低確演出テーブルを設定する(ステップB161)。これにより、遊技機10の遊技状態は、第1特殊遊技状態ST3から第3特別通常遊技状態へと移行して、特図変動表示ゲームの確率状態は高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落する。そして、特別低確率演出として、当該特別低確演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて、まず転落演出が行われて転落抽選に当選したことが報知され、その後、特別遊技状態が発生する可能性を報知するための連続予告演出が行われる。
次いで、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されるか否か、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した後に消化されるか否かを判定する(ステップB94)。
ステップB94で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されると判定した場合(ステップB94;Yes)、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した後に消化される場合には、当該大当りとなると判定された始動記憶を消化するまで高確率演出が継続するので、通常時演出延期フラグを設定する処理(ステップB95)を行って、ステップB99の処理に移行する。そして、この通常時演出延期フラグは、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了するとクリアされる。
一方、ステップB94で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されないと判定した場合(ステップB94;No)、すなわち、大当りとなると判定された始動記憶が特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達する前に消化される場合には、ステップB95をスキップして、ステップB99の処理に移行する。
ここで、本実施形態では、第1実施形態の場合とは異なり、高確率演出が継続されないため、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されないと判定した場合(ステップB94;No)にも、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されると判定し(ステップB94;Yes)、通常時演出延期フラグが設定された場合(ステップB95)にも、連続大当りの履歴データをリセットする処理(ステップB99)が行われる。
また、ステップB160で、特別低確演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB160;No)には、前述の転落時情報設定処理(図38)のステップA390で設定される低確演出移行コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB96)。
ステップB96で、低確演出移行コマンドを受信したと判定した場合(ステップB96;Yes)には、低確演出移行フラグをオンに設定する処理(ステップB97)、転落演出実行テーブルを設定する処理(ステップB98)、連続大当りの履歴データをリセットする処理(ステップB99)を行って、ステップB102の処理に移行する。
一方、ステップB96で、低確演出移行コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB96;No)には、ステップB97,B98,B99の処理をスキップして、ステップB102の処理に移行する。
また、ステップB91で、低確演出移行フラグがオンであると判定した場合(ステップB91;Yes)には、低確時演出テーブルを設定する処理(ステップB100)、低確演出移行フラグをクリアする処理(ステップB101)を行って、ステップB102の処理に移行する。
すなわち、演出制御手段をなす演出制御装置300は、複数の演出パターン(特別低確演出テーブルに基づき決定される演出パターン、通常時演出テーブルに基づき決定される演出パターン、高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターン、転落演出実行テーブルに基づき決定される演出パターン、低確時演出テーブルに基づき決定される演出パターン)の中から確率状態に対応した演出パターンを選択して、当該確率状態に対応した演出を実行可能である。
また、演出制御装置300は、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶がある場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されて、確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行する際に、転落抽選に当選したことを報知する転落報知手段と、転落報知手段による報知の後、当該特別結果となると判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるまで、特別遊技状態ST2が発生する可能性を報知するための所定の予告演出を行う予告演出手段と、をなす。
次いで、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアする処理(ステップB102)、可動体リクエストセット処理(ステップB103)、変動パターン情報設定処理(ステップB104)、乱数シード初期化処理(ステップB105)を行う。
次いで、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する処理(ステップB106)、変動回数管理処理(ステップB107)、変動時間設定処理(ステップB108)を行って、当該転落演出処理を終了する。
〔演出変更処理〕
本実施形態では、演出制御装置300は、図28の演出変更処理に代えて、図40に示す演出変更処理を行う。
具体的には、図40に示すように、本実施形態の演出変更処理においては、まず、転落変動中であるか、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが変動中であるか否かの判定を行う(ステップB141)。
ステップB141で、転落変動中でないと判定した場合(ステップB141;No)、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが変動中でない場合には、当該演出変更処理を終了する。
一方、ステップB141で、転落変動中であると判定した場合(ステップB141;Yes)、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが変動中である場合には、大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)が発生した際に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される大当りコマンドを、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始後に受信したか否かを判定する(ステップB142)。
ステップB142で、大当りコマンドを受信していないと判定した場合(ステップB142;No)には、当該演出変更処理を終了する。
一方、ステップB142で、大当りコマンドを受信したと判定した場合(ステップB142;Yes)には、前述の転落演出処理(図39)のステップB100で設定される低確時演出テーブルが設定中であるか否かを判定する(ステップB170)。
ステップB170で、低確時演出テーブルの設定中でないと判定した場合(ステップB170;No)、すなわち、当該ステップB170が、2つ目以降の大当り保留が発生したことに伴い行われている場合には、当該演出変更処理を終了する。これにより、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中に、複数の大当り保留(大当りとなると判定された始動記憶)が発生した場合、2つ目以降の大当り保留では当該演出変更処理をそのまま抜けるようになっている。
一方、ステップB170で、低確時演出テーブルの設定中であると判定した場合(ステップB170;Yes)、すなわち、当該ステップB170が、1つ目の大当り保留が発生したことに伴い行われている場合には、特別低確演出テーブルを設定する(ステップB171)。これにより、変動中の特図変動表示ゲーム(転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム)の変動終了とともに、当該特別低確演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて特別低確率演出が開始される。
次いで、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されるか否か、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達した後に、当該大当りとなると判定された始動記憶が消化されるかを判定する(ステップB147)。
ステップB147で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されると判定した場合(ステップB147;Yes)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達した後に、当該大当りとなると判定された始動記憶が消化される場合には、通常時演出延期フラグを設定する処理(ステップB148)を行って、当該演出変更処理を終了する。
一方、ステップB147で、時短変動回数が0以下となる時点で大当り保留が消化されないと判定した場合(ステップB147;No)、すなわち、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数に達する前に、大当りとなると判定された始動記憶が消化される場合には、ステップB148をスキップして、当該演出変更処理を終了する。
次に、図41および図42に、本実施形態において前述したような各種処理を実行する場合における表示装置41での表示例として、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行後に消化される大当り保留が、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時までに発生した場合における表示装置41での表示例を示す。なお、当該大当り保留は、特別遊技状態ST2終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)に達する前に消化されることとする。
まず、図41(a)に示すように、第1特殊遊技状態ST3の実行中には、高確率演出として、高確時演出テーブルに基づき決定される演出パターンに基づいて高確時演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)が背景画像として表示される。
優先して消化される第2始動記憶のうち、最初に消化される第2始動記憶は、転落抽選に当選したと判定された始動記憶であるため(図41(a)参照)、図41(b)に示すように、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム、すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始される。そして、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落する。
ここで、当該特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次以降に記憶された始動記憶の中に大当りとなると判定された始動記憶があるか否かが、通常確率状態(低確率状態)に対応した判定値を用いて再チェックされるが、この場合、大当りとなると判定された始動記憶があったものとする。
次いで、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動中に、転落するか否かの演出が行われる。具体的には、図41(c)に示すように、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)において白い雲が出現し、図41(d)に示すように、当該白い雲のサイズが徐々に大きくなっていく演出が行われ、高確率演出用の演出表示(星を模した演出表示)の略全体が当該白い雲で覆われたら転落の危機となる。
次いで、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動が停止すると、第3特別通常遊技状態に移行して、特別低確率演出が開始される。
まず、転落演出が行われる。具体的には、図41(e)に示すように、低確率演出用の演出表示(太陽や白い雲を模した演出表示)が背景画面として表示されて、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へと転落したことが報知される。
次に、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動の停止中に、連続予告演出モードへの移行を示唆する演出が行われる。具体的には、図41(f)に示すように、低確率演出用の演出表示(太陽や白い雲を模した演出表示)において白い雲が出現して、当該白い雲のサイズが徐々に大きくなって、低確率演出用の演出表示(太陽や白い雲を模した演出表示)の略全体が当該白い雲で覆われていく演出が行われる。
次に、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームに対応する始動記憶の次に記憶された特図変動表示ゲームの変動が開始すると、連続予告演出が行われる。具体的には、図41(g)、(h)、図42(a)〜(d)に示すように、連続予告演出用の演出表示(月や灰色の雲を模した演出表示)が表示され、初めは当該月が当該灰色の雲の後に隠れているが、当該月や当該灰色の雲が徐々に移動して当該月が徐々に現われ、当該月の全体が現われたら、特別結果態様が導出されて大当りが発生するといった、期待度を高めていく連続予告演出が、大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が終了するまで継続して行われる。
以上説明した第3実施形態の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、少なくとも、複数の演出パターンの中から確率状態に対応した演出パターンを選択して、当該確率状態に対応した演出を実行可能であり、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果(大当り)となると判定された始動記憶がある場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行されて、確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行する際に、転落抽選に当選したことを報知する転落報知手段(演出制御装置300)と、転落報知手段による報知の後、当該特別結果となると判定された始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるまで、特別遊技状態ST2が発生する可能性を報知するための所定の予告演出を行う予告演出手段(演出制御装置300)と、を有している。
すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが実行されて、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態から通常確率状態(低確率状態)へ移行する際、大当りとなると判定された始動記憶がある場合には、転落報知が行われ、当該転落報知の後、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでは、予告演出が行われるので、転落抽選の当選に伴う興趣の低下を抑制することができる。
したがって、転落抽選に当選しても、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていれば、転落報知が行われた後、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでは予告演出が行われるので、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができることとなって、遊技機の稼働率が低下してしまうことを軽減することができる。
また、転落抽選に当選しても、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていれば、転落報知が行われた後、当該大当りとなると判定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでは予告演出が行われるので、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が席を離れてしまうことを抑制することができることとなって、特別遊技状態ST2を見逃してしまい、遊技者が利益を取り損ねてしまうことを軽減することができる。
また、転落抽選に当選すると、大当りとなると判定された始動記憶が記憶(保留)されていても、転落抽選の当選に伴う興趣の低下を抑制しつつ、転落報知が行われるので、遊技者の興趣を継続させた状態で、現在の確率状態を遊技者に認識させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態の遊技機10について説明する。
なお、基本的には、前述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施形態の遊技機10は、転落抽選に当選したことを契機に高確率状態から通常確率状態へ移行(転落)するのではなく、高確率状態の継続回数が予め一定に決まっているST機であり、高確率状態の継続回数が上限に達した後に、通常確率状態での判定値を用いて大当りとなると判定された始動記憶が消化される場合、当該上限に達した後でも、当該大当りとなると判定された始動記憶が消化されるまでは高確率演出を擬似的に継続して(継続的に)行うように構成されている。
以上説明した第4実施形態の遊技機10によれば、例えば、停止表示した大当り図柄にかかわらず、高確率状態の継続回数が予め一定に決まっている場合、或いは、高確率状態の残り回数を報知している場合には、高確率状態の継続回数の上限に達した後でも高確率演出を継続すると、当該演出が、始動記憶内に大当りがあるという確定演出となるため、遊技者の興趣を継続させることができ、遊技者が遊技を止めてしまったり、遊技者が席を離れてしまったりすることを抑制することができる。
また、高確率状態の残り回数を「あと○回」等と表示して報知している場合には、高確率状態の継続回数の上限に達した後でも高確率演出を継続すると、残り回数の表示が増え、大当りまでカウントダウンしているような演出を行うことができるため、遊技者の興趣を継続させることができる。
なお、本発明の遊技機10は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機及びスロットマシンに適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態及び変形例の構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。