以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図1〜図11に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形状の前枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、前枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えたガラス保持枠14と、上球皿15とが、それぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。ガラス保持枠14の前面側には枠ランプ16aが設けられ、遊技盤13の遊技領域13aには盤面ランプ16bが設けられている。枠ランプ16a及び盤面ランプ16bは、各種遊技の演出状態(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾による演出を行うようになっている。また、上球皿15の両側方には、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音、言語音声など)を出力するスピーカ17が設けられている。前枠12の前面側において上球皿15の下方には、下球皿19、操作ハンドル20及び灰皿23などが装着されている。
図1に示されるように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央部には、矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材21が装着されている。大型装飾部材21の奥側には、可視表示部H(表示画面)を備えた液晶式図柄表示装置18(図柄表示手段)が配設されている。なお、可視表示部Hは矩形状開口部から露出しており、視認可能とされている。この液晶式図柄表示装置18では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、液晶式図柄表示装置18では、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。
液晶式図柄表示装置18の下方には、普通電動役物22aが一体的に構成された始動入賞口22が配設されている。普通電動役物22aは、一対の羽根部材からなり、図示しないソレノイドの励磁作用により開閉するようになっている。また、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口24が配置されている。始動入賞口22にて遊技球が検知された場合には、液晶式図柄表示装置18による図柄組み合わせゲームが行われるとともに、賞球の払い出しが行われるようになっている。
図1に示されるように、前記上球皿15には、『操作手段』としての短縮スイッチSW1が設けられている。短縮スイッチSW1は、液晶式図柄表示装置18による前記遊技演出の時間を短縮させるために遊技中に操作されるようになっている。短縮スイッチSW1は、遊技者によって操作されると、オン状態となり、操作信号(図3参照)を後記する主制御基板31のメインCPU31aに出力するようになっている。また、短縮スイッチSW1は、遊技者によって操作されていないときにオフ状態となり、操作信号を出力しなくなる。本実施形態の短縮スイッチSW1としては、遊技者の手が接触したときに操作信号を出力するタッチセンサが用いられている。なお、短縮スイッチSW1は、灰皿23や操作ハンドル20などの他の場所に設けられていてもよい。
図2に示されるように、このパチンコ機10は、主制御基板31、音声・ランプ制御基板32、表示制御基板33及び統括制御基板37を備えている。主制御基板31に対しては統括制御基板37が接続され、その統括制御基板37に対しては音声・ランプ制御基板32及び表示制御基板33がそれぞれ接続されている。統括制御基板37には、主制御基板31から出力された制御信号が入力され、音声・ランプ制御基板32及び表示制御基板33には、統括制御基板37から出力された制御信号が入力されるようになっている。
主制御基板31は、『メイン制御手段』の一部を構成するメインCPU31aを備えており、メインCPU31aにはROM31b及びRAM31cが接続されている。メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。また、ROM31bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラム(メイン処理プログラム、タイマ割込処理プログラム、電源断処理プログラムなど)や、複数種類の変動パターン(演出パターン)が記憶されている。変動パターンは、前記液晶式図柄表示装置18に表示される各列の図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームを開始)してから全列の図柄が停止(図柄組み合わせゲームが終了)するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。
変動パターンには、該変動パターンごとに遊技演出の時間及び内容が対応付けられており、少なくとも遊技演出の時間が特定可能とされている。図柄組み合わせゲーム用の変動パターンは、ハズレ演出用、ハズレリーチ演出用、大当り演出用に分類されており、当該分類ごとに複数種類の変動パターンが振り分けられている。ハズレ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく、ハズレの組み合わせで停止するように展開される演出である。ハズレリーチ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、ハズレの組み合わせで停止するように展開される演出である。大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、大当りの組み合わせで停止するように展開される演出である。リーチ演出は、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアリーチなど)が形成されてから、大当りの組み合わせまたはハズレの組み合わせで停止または一旦停止するまでの間に行われる演出である。なお、ノーマルリーチ演出とは、左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で中図柄を変動させた後に、確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。このノーマルリーチ演出は、出現率は高いが、大当りとなる信頼度は低い。また、スーパーリーチ演出とは、左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で、中図柄を変動させて仮停止した後、特別な演出を行うとともに中図柄を再変動させ、確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。このスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも出現率は低いが、大当りとなる信頼度は高い。なお、「特別な演出」とは、例えば、キャラクタが出現する演出、背景が切り替わる演出、音声が高まる演出、ランプの点滅が激しくなる演出をいう。さらに、プレミアリーチ演出とは、左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で、中図柄を変動させて仮停止した後、特別な演出を行うとともに中図柄を再変動させて再び仮停止し、より特別な演出を行うとともに中図柄をもう一度変動させた後、確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。このプレミアリーチ演出は、スーパーリーチ演出よりも出現率は低いが、大当りとなる信頼度は高い。なお、「より特別な演出」とは、例えば、登場する頻度が低いキャラクタが出現する演出、背景が切り替わる演出、音声がよりいっそう高まる演出、ランプの点滅がよりいっそう激しくなる点滅などをいう。
図2に示されるROM31bには、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンP1〜P10が振り分けられた変動パターン振分テーブルT1(図4参照)が記憶されている。本実施形態の変動パターン振分テーブルT1には、ハズレ演出用の変動パターンP1、ハズレリーチ演出用の変動パターンP2〜P5及び大当り演出用の変動パターンP6〜P10が振り分けられている。なお、変動パターンP2,P3,P6,P7はノーマルリーチの場合のパターンを示し、変動パターンP4,P5,P8,P9はスーパーリーチの場合のパターンを示し、変動パターンP10はプレミアリーチの場合のパターンを示している。各変動パターンP1〜P10には、前記変動パターン振分乱数の値(例えば、0〜49までの50通りの整数)が振り分けられている。なお、変動パターンP1は、ハズレ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP2は、ノーマルリーチの場合において、中図柄が、大当り図柄の5つ手前の図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP3は、ノーマルリーチの場合において、中図柄が、大当り図柄の1つ手前の図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP4は、スーパーリーチ発展後、中図柄が、大当り図柄の5つ手前の図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP5は、スーパーリーチ発展後、中図柄が、大当り図柄の1つ手前の図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP6は、ノーマルリーチの場合において、中図柄が、大当り図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP7は、ノーマルリーチの場合において、大当り図柄が一旦リーチラインを通過した後、戻ってきて中図柄として停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP8は、スーパーリーチ発展後、中図柄が、大当り図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP9は、スーパーリーチ発展後、大当り図柄が一旦リーチラインを通過した後、戻ってきて中図柄として停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP10は、プレミアリーチ発展後、中図柄が、大当り図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。
次に、前記メインCPU31aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、停止図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
図2に示されるメインCPU31aは、遊技球の入賞検知時に、所定の周期毎に更新される前記大当り判定用乱数の値及び前記大当り図柄用乱数の値を前記RAM31cから読み出し、その値をRAM31cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM31cの所定の格納領域に格納されている大当り判定用乱数の値と前記ROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り抽選)を行う。即ち、メインCPU31aは、遊技者にとって有利な遊技状態とするのか不利な遊技状態とするのかを決定する『遊技状態決定手段』、換言すると、大当りか否かを決定する『大当り決定手段』としての機能を有している。
大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、図2に示されるメインCPU31aは、大当りを決定する。本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当りの決定がなされると、メインCPU31aは、前記液晶式図柄表示装置18に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように決定する。具体的には、大当り図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)を決定する。この決定された停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、液晶式図柄表示装置18に左図柄、中図柄、右図柄として最終的に導出される。本実施形態では、大当り図柄用乱数の採りうる数値を0〜7までの8通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている(例えば、図柄「1」には大当り図柄用乱数の値「0」が対応付けられている)。そして、メインCPU31aは、決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右に対応したデータを、次回の図柄組み合わせゲームに係る処理を行うまでの間、RAM31cに記憶する。また、メインCPU31aは、RAM31cから前記変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記大当り演出用の変動パターンP6〜P10の中から1つの変動パターンを決定する。
また、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、図2に示されるメインCPU31aは、RAM31cから読み出した前記リーチ判定用乱数の値とROM31bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、ハズレリーチを決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、前記ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左及び停止図柄右(両停止図柄は同一種類)を決定する。そして、前記ハズレリーチ演出用の変動パターンP2〜P5のうち1つの変動パターンに基づいて、停止図柄中を決定する。例えば、変動パターンP2に基づいて、停止図柄中を、停止図柄左と同一種類となる大当り図柄よりも5つ手前の図柄に決定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値と同様に、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数及び前記ハズレ右図柄用乱数の各乱数の採りうる数値を0〜7までの8通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。また、メインCPU31aは、RAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレリーチ演出用の変動パターンP2〜P5の中から1つの変動パターンを決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、図2に示されるメインCPU31aは、ハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左を決定し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて停止図柄右を決定する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄左と停止図柄右とが一致しないように停止図柄右を決定する。また、メインCPU31aは、RAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレ演出用の変動パターンP1を決定する。
そして、停止図柄及び変動パターンを決定したメインCPU31aは、前記統括制御基板37の統括CPU37aに対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する第1の変動パターン指定コマンドを生成して出力する(図3参照)。次に、メインCPU31aは、停止図柄左を指定する第1の左図柄指定コマンド、停止図柄右を指定する第1の右図柄指定コマンド及び停止図柄中を指定する第1の中図柄指定コマンドを出力する。
また、図2に示されるメインCPU31aは、変動パターンP1〜P10ごとにあらかじめ定められた図柄変動時間を確認し、メインCPU31a内の変動タイマをその図柄変動時間にセット(一時的に記憶)する。そして、メインCPU31aは、前記液晶式図柄表示装置18にて図柄の変動表示が開始されると、変動タイマに記憶された図柄変動時間の減算を開始させる。このとき、図柄変動時間は、所定の割込み周期(4ms)ごとに減算されるようになっている。さらに、メインCPU31aは、図柄の変動表示の残り図柄変動時間を計測するようになっている。即ち、メインCPU31aは、『残り図柄変動時間計測手段』としての機能を有している。そして、メインCPU31aは、図柄変動時間の減算終了により変動タイマに記憶されている残り図柄変動時間が0msになったか否かを判定するようになっている。即ち、メインCPU31aは、『残り図柄変動時間判定手段』としての機能を有している。残り図柄変動時間が0msになっていると判定した場合、メインCPU31aは、変動タイマの減算を終了するとともに、各列の図柄の停止を指示する第1の確定コマンド(図3参照)を出力する。
一方、残り図柄変動時間が0msになっていないと判定した場合、図2に示されるメインCPU31aは、前記短縮スイッチSW1が操作されたか否か、即ち、前記短縮スイッチSW1からの操作信号がオフ状態からオン状態に切り替わったか否かを判定する。また、メインCPU31aは、短縮スイッチSW1が操作されたと判定した場合に、変動タイマに記憶されている図柄変動時間をあらかじめ設定された時間よりも短い時間(1秒)に書き換えるようになっている。それとともに、メインCPU31aは、第1の変動時間短縮コマンド(図3参照)を生成して前記統括制御基板37の前記統括CPU37aに対して出力する。
なお、短縮スイッチSW1が操作された場合、図2に示されるメインCPU31aは、残り図柄変動時間が1秒よりも長いか否かを判定するようになっている。即ち、メインCPU31aは、前記液晶式図柄表示装置18が図柄の変動表示を終了する直前に短縮スイッチSW1が操作されたか否かを判定するようになっている。残り図柄変動時間が1秒よりも短い場合、メインCPU31aは、第1の変動時間短縮コマンドを出力しないとともに、図柄変動時間の書き換えも行わないようになっている。即ち、メインCPU31aは、短縮スイッチSW1の操作を無効化するようになっている。
図2に示されるように、前記統括制御基板37は、『メイン制御手段』の一部を構成する統括CPU37aを備えており、統括CPU37aにはROM37b及びRAM37cが接続されている。また、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された前記第1の変動パターン指定コマンドを、第2の変動パターン指定コマンド(図3参照)として出力するようになっている。なお、第2の変動パターン指定コマンドは、第1の変動パターン指定コマンドとデータ構成が同じコマンドである。また、第2の変動パターン指定コマンドは、前記音声・ランプ制御基板32のサブCPU32a及び前記表示制御基板33のサブCPU33aに出力されるようになっている。これにより、音声・ランプ制御基板32及び表示制御基板33が実行する遊技演出の具体的な内容が、統括制御基板37によって統括的に制御される。
さらに、図2に示される統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された前記第1の左図柄指定コマンドを、第2の左図柄指定コマンドとして出力するようになっている。なお、第2の左図柄指定コマンドは、第1の左図柄指定コマンドとデータ構成が同じコマンドである。同様に、統括CPU37aは、メインCPU31aから入力された前記第1の右図柄指定コマンドを第2の右図柄指定コマンドとして出力し、メインCPU31aから入力された第1の中図柄指定コマンドを第2の中図柄指定コマンドとして出力するようになっている。なお、第2の右図柄指定コマンドは、第1の右図柄指定コマンドとデータ構成が同じコマンドであり、第2の中図柄指定コマンドは、第1の中図柄指定コマンドとデータ構成が同じコマンドである。また、これらの図柄指定コマンドは、表示制御基板33のサブCPU33aに出力されるようになっている。
また、前記残り図柄変動時間が0msとなり、全図柄の停止を指示する前記第1の確定コマンドがメインCPU31aから入力されると、図2に示される統括CPU37aは、その第1の確定コマンドを第2の確定コマンド(図3参照)として表示制御基板33のサブCPU33aに出力するようになっている。なお、第2の確定コマンドは、第1の確定コマンドとデータ構成が同じコマンドである。
統括CPU37aは、メインCPU31aから前記第1の変動時間短縮コマンドが入力されたか否かを判定するようになっている。即ち、統括CPU37aは、『短縮コマンド入力判定手段』としての機能を有している。換言すると、統括CPU37aは、メインCPU31aにて第1の変動時間短縮コマンドが生成されたか否かを判定するようになっている。統括CPU37aは、第1の変動時間短縮コマンドが入力されたと判定した場合に、統括CPU37a内の遅延タイマを、遅延時間t1(200ms)(図3参照)に設定するようになっている。なお、遅延時間t1は、前記表示制御基板33でのデータ生成期間及び前記音声・ランプ制御基板32でのデータ生成期間のうち、長い方のデータ生成期間の長さ以上に設定されている。なお、表示制御基板33でのデータ生成期間は、サブCPU33aに前記第2の変動パターン指定コマンドが入力されたときに始まり、200ms経過後に終了する。また、音声・ランプ制御基板32でのデータ生成期間は、サブCPU32aに第2の変動パターン指定コマンドが入力されたときに始まり、30ms経過後に終了する。
そして、図2に示される統括CPU37aは、同統括CPU37aによって遅延時間t1に設定された遅延タイマの減算(カウント)を開始させるようになっている。このとき、遅延時間t1は、所定の割込み周期(4ms)ごとに減算されるようになっている。さらに、統括CPU37aは、遅延時間t1の減算終了により遅延タイマに設定されている残り遅延時間が0msになったか否かを判定するようになっている。残り遅延時間が0msになったと判定した場合、統括CPU37aは、第2の変動時間短縮コマンド(図3参照)を、前記音声・ランプ制御基板32の前記サブCPU32a及び表示制御基板33のサブCPU33aに対して出力するようになっている。なお、第2の変動時間短縮コマンドは、前記第1の変動時間短縮コマンドとデータ構成が同じコマンドである。
図2に示されるように、表示制御基板33は、『演出制御手段』及び『サブ制御手段』の一部を構成するサブCPU33aを備えており、このサブCPU33aにはROM33b及びRAM33cが接続されている。RAM33cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。ROM33bには、各種の画像情報(図柄の画像情報、背景画像、文字画像、登場キャラクタの画像、リーチ演出など)が記憶されている。
また、ROM33bには、通常の遊技演出(通常演出)が行われる際に用いられる表示演出用の通常演出データ(演出データ)が複数種類記憶されている。各通常演出データは、前記変動パターンP1〜P10ごとに対応付けて記憶されている。通常演出データとは、サブCPU33aが、前記液晶式図柄表示装置18の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作など)を制御するための情報、即ち、変動パターンP1〜P10に基づく時間及び内容での演出実行を指示するための情報である。
さらに、図2に示されるROM33bには、通常演出よりも短時間の演出となる短縮演出が行われる際に用いられる表示演出用の短縮演出データ(短縮演出データ)が複数種類記憶されている。即ち、ROM33bは、『短縮演出データ記憶手段』としての機能を有している。なお、表示演出用の短縮演出データは、表示演出用の通常演出データとは全く異なる構成を有するデータである。各短縮演出データは、通常演出データごとに対応付けられている。即ち、各短縮演出データは、それぞれ変動パターンP1〜P10ごとに対応付けられている。短縮演出データとは、サブCPU33aが、既に設定されている変動パターンに基づく時間よりも短い時間での演出実行を指示するための情報である。
図5に示されるように、実行される短縮演出は、各変動パターンP1〜P10ごとに対応付けられている。具体的には、例えば、変動パターンP1,P2,P4,P5,P7に基づいて短縮演出Aが0.8秒間実行され、変動パターンP3,P6,P8に基づいて短縮演出Bが0.8秒間実行され、変動パターンP9,P10に基づいて短縮演出Cが0.8秒間実行される。即ち、短縮演出A〜Cは、書き換えられた変動タイマの図柄変動時間(1秒)の間に実行される。また、短縮演出データには、実行すべき短縮演出A〜Cの内容が異なるものが含まれている。なお、短縮演出データには、実行すべき短縮演出A〜Cの時間の長さが異なるものが含まれていてもよい。
また、短縮演出Aは、全ての演出(前記ハズレ演出、前記ハズレリーチ演出及び前記大当り演出)の場合に実行されうるようになっている。短縮演出Bは、ハズレリーチ演出及び大当り演出の場合に実行されうるようになっている。換言すると、短縮演出Bは、前記ハズレ演出の場合には実行されないようになっている。また、短縮演出Cは、大当り演出の場合のみに実行されうるようになっている。換言すると、短縮演出Cは、ハズレ演出及びハズレリーチ演出の場合には実行されないようになっている。よって、図6に示されるように、大当りとなる信頼度は短縮演出A〜Cごとに異なっている。具体的には、短縮演出Aの信頼度が最も低く、短縮演出Cの信頼度が最も高くなっている。なお、短縮演出Aにおいては、「スキップ」という文字が表示されるとともに、赤色のロボットが出現する演出が行われるようになっている。そして、短縮演出Bにおいては、「スキップ」という文字が表示されるとともに、銀色のロボットが出現する演出が行われ、短縮演出Cにおいては、「スキップ」という文字が表示されるとともに、金色のロボットが出現する演出が行われるようになっている。なお、赤色のロボットよりも登場回数が少ないキャラクタである銀色や金色のロボットは、遊技者にとって有利な遊技状態を暗示的に示す遊技情報である。
図2に示されるサブCPU33aには、前記統括CPU37aから前記第2の変動パターン指定コマンドが入力されるようになっている。また、サブCPU33aには、統括CPU37aから前記第2の左図柄指定コマンド、前記第2の右図柄指定コマンド及び前記第2の中図柄指定コマンドが入力されるようになっている。
そして、第2の変動パターン指定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、前記ROM33bに記憶された複数種類の前記通常演出データのうちいずれか1つを設定(選択)するようになっている。そして、サブCPU33aは、設定した通常演出データを前記RAM33cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、サブCPU33aは、第2の左図柄指定コマンド、第2の右図柄指定コマンド及び第2の中図柄指定コマンドに基づいて、前記図柄組み合わせゲームにおいて停止させる図柄を指定するようになっている。例えば、「1」の図柄を指定する第2の左図柄指定コマンドが入力された場合、「1」が左図柄として表示されるようになっている。
以上の結果、1つの前記液晶式図柄表示装置18で種類の異なる演出の図柄組み合わせを楽しむことができるため、図柄の変動表示に新鮮味が生じ、遊技者の興味を引き付けることが可能となる。
その後、図2に示される前記統括CPU37aから前記第2の確定コマンドが入力されると、サブCPU33aは、変動開始時に入力された第2の左図柄指定コマンド、第2の右図柄指定コマンド及び第2の中図柄指定コマンドに基づいて、液晶式図柄表示装置18に全図柄の停止を指示するようになっている。これにより、指定された図柄が停止して、液晶式図柄表示装置18に表示される。このとき、全図柄が停止して大当りの表示結果となると、前記大入賞口24(図1参照)の開放によって多数の遊技球(賞球)を獲得するチャンスが付与される。
また、統括CPU37aから前記第2の変動時間短縮コマンドが入力されると、サブCPU33aは、前記ROM33bに記憶された複数種類の前記短縮演出データのうちいずれか1つを選択する(読み出す)ようになっている。即ち、サブCPU33aは、『短縮演出データ選択手段』及び『演出パターン読み出し手段』としての機能を有している。そして、サブCPU33aは、前記RAM33cの記憶領域に記憶されている前記通常演出データを、選択した短縮演出データに変更するようになっている。本実施形態では、サブCPU33aは、RAM33cの記憶領域に記憶されている通常演出データを消去し、設定した短縮演出データを記憶させるようになっている。即ち、サブCPU33aは、『演出データ変更手段』としての機能を有している。これにより、液晶式図柄表示装置18による演出が通常演出から短縮演出に切り替えられる。詳述すると、第2の変動時間短縮コマンドが入力された場合、サブCPU33aは、短縮演出データを表示信号に変換し、液晶式図柄表示装置18に出力するようになっている。その結果、液晶式図柄表示装置18は、表示信号に基づき短縮演出を実行する。即ち、サブCPU33aは、『短縮演出実行手段』としての機能を有している。
図2に示されるように、前記音声・ランプ制御基板32は、『演出制御手段』及び『サブ制御手段』の一部を構成するサブCPU32aを備えており、このサブCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。ROM32bには、各種の制御プログラムなどが記憶されている。
また、サブCPU32aは、通常演出が行われる際に用いられる音声演出用の通常演出データ(演出データ)及び発光演出用の通常演出データ(演出データ)をそれぞれ設定するようになっている。音声演出用の通常演出データ及び発光演出用の通常演出データは、それぞれ前記変動パターンP1〜P10ごとに対応付けられている。音声演出用の通常演出データとは、サブCPU32aが、前記スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報、即ち、変動パターンP1〜P10に基づく時間及び内容での演出実行を指示するための情報である。また、発光演出用の通常演出データとは、サブCPU32aが、前記枠ランプ16a及び前記盤面ランプ16bの発光出力態様を制御するための情報、即ち、変動パターンP1〜P10に基づく時間及び内容での演出実行を指示するための情報である。
なお、音声演出用及び発光演出用の通常演出データは、表示演出用の前記通常演出データと同様のデータが用いられている。それに伴い、音声演出用及び発光演出用の短縮演出データも、表示演出用の前記短縮演出データと同様のデータが用いられている。さらに、音声演出用及び発光演出用の短縮演出も、前記短縮演出A〜Cに対応した演出となっている。即ち、音声演出用及び発光演出用の短縮演出データには、実行すべき短縮演出A〜Cの内容が異なるものが含まれている。なお、音声演出用の短縮演出データは、音声演出用の通常演出データとは全く異なる構成を有するデータであり、発光演出用の短縮演出データは、発光演出用の通常演出データとは全く異なる構成を有するデータである。なお、短縮演出Aでは、スピーカ17から「スキップ」という音声が出力され、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bの一部が点灯するようになっている。短縮演出Bでは、スピーカ17から「熱い」という音声が出力され、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bの全てが点灯するようになっている。短縮演出Cでは、スピーカ17から「当り」という音声が出力され、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bの全てが激しく点滅するようになっている。
図2に示されるサブCPU32aには、前記統括CPU37aから前記第2の変動パターン指定コマンドが入力されるようになっている。また、サブCPU32aには、統括CPU37aから前記第2の左図柄指定コマンド、前記第2の右図柄指定コマンド及び前記第2の中図柄指定コマンドが入力されるようになっている。
そして、第2の変動パターン指定コマンドが入力されると、サブCPU32aは、複数種類の前記音声演出用の通常演出データのうちいずれか1つを設定(選択)して、設定した通常演出データを前記RAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、サブCPU32aは、複数種類の前記発光演出用の通常演出データのうちいずれか1つを設定(選択)して、設定した通常演出データをRAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、サブCPU32aは、第2の変動パターン指定コマンドに対応する音声演出用の通常演出データに基づいて音声制御を行うとともに、第2の変動パターン指定コマンドに対応する発光演出用の通常演出データに基づいて発光制御を行うようになっている。より詳しくは、サブCPU32aは、RAM32cに記憶されている音声演出用の通常演出データを音声信号に変換し、前記スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17は、音声信号に基づき所定の報知動作(音声の出力)を行うことができるようになる。また、サブCPU32aは、RAM32cに記憶されている発光演出用の通常演出データを発光制御信号に変換し、前記枠ランプ16a及び前記盤面ランプ16bに出力するようになっている。その結果、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bは、発光制御信号に基づき所定の報知動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。
その後、図2に示される前記統括CPU37aから前記第2の確定コマンドが入力されると、サブCPU32aは、スピーカ17の音声出力の停止を指示するとともに、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bの消灯を指示するようになっている。
また、統括CPU37aから前記第2の変動時間短縮コマンドが入力されると、サブCPU32aは、複数種類の音声演出用の短縮演出データのうちいずれか1つを選択する(読み出す)ようになっている。即ち、サブCPU32aは、『短縮演出データ選択手段』及び『演出パターン読み出し手段』としての機能を有している。そして、サブCPU32aは、前記RAM32cの記憶領域に記憶されている前記音声演出用の通常演出データを、選択した音声演出用の短縮演出データに変更するようになっている。本実施形態では、サブCPU32aは、RAM32cの記憶領域に記憶されている音声演出用の通常演出データを消去し、選択した音声演出用の短縮演出データを記憶させるようになっている。即ち、サブCPU32aは、『演出データ変更手段』としての機能を有している。これにより、スピーカ17による演出が通常演出から短縮演出に切り替えられる。詳述すると、第2の変動時間短縮コマンドが入力された場合、サブCPU32aは、音声演出用の短縮演出データを音声信号に変換し、スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17は、音声信号に基づき短縮演出を実行する。即ち、サブCPU32aは、『短縮演出実行手段』としての機能を有している。なお、本実施形態の短縮演出においてスピーカ17から出力される音声の種類及び音声出力時間は、通常演出においてスピーカ17から出力される音声の種類及び音声出力時間とは異なっている。
また、サブCPU32aは、複数種類の前記発光演出用の短縮演出データのうちいずれか1つを選択する(読み出す)ようになっている。そして、サブCPU32aは、RAM32cの記憶領域に記憶されている発光演出用の通常演出データを、選択した発光演出用の短縮演出データに変更するようになっている。本実施形態では、サブCPU32aは、RAM32cの記憶領域に記憶されている発光演出用の通常演出データを消去し、選択した発光演出用の通常演出データを記憶させるようになっている。これにより、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bによる演出が通常演出から短縮演出に切り替えられる。詳述すると、第2の変動時間短縮コマンドが入力された場合、サブCPU33aは、通常演出データを発光制御信号に変換し、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bに出力するようになっている。その結果、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bは、発光制御信号に基づき短縮演出を実行する。なお、本実施形態の短縮演出における枠ランプ16a及び盤面ランプ16bの点灯態様及び点灯時間は、通常演出における各ランプ16a,16bの点灯態様及び点灯時間とは異なっている。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(特別図柄開始処理)について説明する。特別図柄開始処理は、前回の図柄の変動表示が終了した後や、大当り演出が終了した後などにおいて、新たに図柄の変動表示を開始させるために実行される処理である。なお、この処理を行うためのプログラムは、メインCPU31aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
特別図柄開始処理は、始動入賞口22により遊技球の入賞検知がなされたことを契機として開始される。この場合、メインCPU31aは、始動保留球を1減算し、入賞時にRAM31cに記憶された大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などを読み出す。続いてメインCPU31aは、これら乱数の値に基づく判定を行い、変動パターンP1〜P10のうちいずれか1つを決定する。そして、メインCPU31aは、指定した変動パターンを示す第1の変動パターン指定コマンドをセットして、統括制御基板37の統括CPU37aに出力する。また、メインCPU31aは、変動パターンP1〜P10ごとにあらかじめ定められた図柄変動時間を確認し、メインCPU31a内の変動タイマをその図柄変動時間にセットする。さらに、メインCPU31aは、大当り図柄用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右を決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左を指定する第1の左図柄指定コマンド、停止図柄右を指定する第1の右図柄指定コマンド及び停止図柄中を指定する第1の中図柄指定コマンドを出力する。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(特別図柄変動処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、メインCPU31aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
まず、図7に示されるステップS110において、メインCPU31aは、前記特別図柄開始処理にて変動タイマにセットされた図柄変動時間の読み込みを行う。ステップS120において、メインCPU31aは、図柄変動時間のカウント(変動タイマの減算)を行い、ステップS130の処理へ移行する。
ステップS130において、メインCPU31aは、変動タイマが0msであるか否か、即ち、図柄の変動表示が終了しているか否かを判定する。変動タイマが0msでない場合(ステップS130:Y)、メインCPU31aは、図柄の変動表示が実行中であると判定して、ステップS140の処理へ移行する。そして、ステップS140において、メインCPU31aは、短縮フラグがオフであるか(RAM31cに記憶されていないか)否かを判定する。即ち、メインCPU31aは、現在の図柄の変動表示中に1回でも短縮スイッチSW1が操作されたか否かを判定する。短縮フラグがオフであると判定した場合(ステップS140:Y)、メインCPU31aは、ステップS150の処理へ移行する。
ステップS150において、メインCPU31aは、短縮スイッチSW1から入力される操作信号がオフ状態からオン状態に切り替わったか否かを判定する。即ち、メインCPU31aは、操作信号の立ち上がりを判定する。操作信号がオフ状態からオン状態に切り替わっていないと判定した場合(ステップS150:N)、メインCPU31aは、ここでの処理を終了する。即ち、操作信号がオン状態に切り替わっていない場合、メインCPU31aは、変動タイマの書換などの処理(ステップS160〜ステップS190の処理)を行わない。一方、入力される操作信号がオフ状態からオン状態に切り替わったと判定した場合(ステップS150:Y)、メインCPU31aは、ステップS160の処理へ移行する。
ステップS160において、メインCPU31aは、変動タイマの残り図柄変動時間が1秒よりも長いか否か、即ち、短縮スイッチSW1から入力された操作信号のオン状態に切り替わるタイミングが図柄の変動表示が終了する直前か否かを判定する。残り図柄変動時間が1秒よりも短い場合(ステップS160:N)、メインCPU31aは、第1の変動時間短縮コマンドのセット及び変動タイマの書換の処理(ステップS170,S180の処理)を行わずに、ステップS190の処理へ移行する。これにより、図柄の変動表示が終了する直前における短縮スイッチSW1の操作が無効化される。
一方、残り図柄変動時間が1秒よりも長い場合(ステップS160:Y)、メインCPU31aは、ステップS170の処理へ移行する。ステップS170において、メインCPU31aは、第1の変動時間短縮コマンドをセットし、その後統括制御基板37の統括CPU37aに対して出力される。また、ステップS180において、メインCPU31aは、変動タイマに記憶されている図柄変動時間をあらかじめ設定された時間よりも短い時間(1秒)に書き換える。なお、書き換えられた図柄変動時間は、短縮演出A〜Cを最後まで実行させることが可能な長さに設定されている。その後、メインCPU31aは、ステップS190の処理へ移行する。ステップS190において、メインCPU31aは、短縮フラグをオン(RAM31cに記憶)して、ここでの処理を終了する。
その後、次の割込みでも特別図柄変動処理が引き続き実行されるため、変動タイマの図柄変動時間は4msずつ減算されていく。この場合、ステップS190において短縮フラグがオンされているため、メインCPU31aは、ステップS140での判定を「NO」とする。即ち、メインCPU31aは、現在の図柄の変動表示中に、短縮スイッチSW1が既に少なくとも1回は操作されていると判断して、ここでの処理を終了する。つまり、短縮フラグは、1回の図柄の変動表示に対して、複数回の短縮スイッチSW1の操作があった場合、2回目以降の短縮スイッチSW1の操作を無効化するためのフラグである。
また、ステップS180において書き換えられた変動タイマが0msとなると、メインCPU31aは、ステップS130での判定を「NO」とする。このため、メインCPU31aは、図柄の変動表示が終了したと判定して、ステップS200の処理へ移行する。ステップS200において、メインCPU31aは、各列の図柄の停止を指示するための第1の確定コマンドをセットして、ステップS210の処理へ移行する。そして、ステップS210では図柄の変動表示が終了しているため、メインCPU31aは、必要がなくなった短縮フラグをクリアして、ここでの処理を終了する。
次に、統括制御基板37の統括CPU37aによって行われる処理(タイマ割込処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括CPU37aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図8に示されるステップS320の処理(コマンドチェック)において、前記メインCPU31aから前記第1の変動時間短縮コマンド、前記第1の確定コマンド、前記第1の変動パターン指定コマンド、前記第1の左図柄指定コマンド、前記第1の右図柄指定コマンド及び前記第1の中図柄指定コマンドなどのコマンドが入力されると、統括CPU37aは、図9に示すサブルーチンを実行する。なお、これらのコマンドは、互いに異なる割込み周期で統括CPU37aに入力される。
図9のサブルーチンは、ステップS410〜S490の処理からなる。ステップS410において、統括CPU37aは、第1の変動時間短縮コマンドが入力されたか否かを判定する。第1の変動時間短縮コマンドが入力された場合(ステップS410:Y)、統括CPU37aは、ステップS420の処理へ移行する。一方、第1の変動時間短縮コマンドが入力されていない場合(ステップS410:N)、統括CPU37aは、ステップS420,S430の処理を行わずに、ステップS440の処理へ移行する。
ステップS420において、統括CPU37aは、短縮フラグをオン(RAM37cに記憶)して、ステップS430の処理へ移行する。なお、短縮フラグは、第1の変動時間短縮コマンドが入力されてから後記する第2の変動時間短縮コマンドをセットするまでの間、即ち、遅延タイマの減算が終了するまでの間、オンされる。ステップS430において、統括CPU37aは、遅延タイマを遅延時間t1(200ms)に設定して、ステップS440の処理へ移行する。
ステップS440において、統括CPU37aは、前記メインCPU31aから前記第1の確定コマンドが入力されたか否かを判定する。第1の確定コマンドが入力された場合(ステップS440:Y)、統括CPU37aは、ステップS450において第2の確定コマンドをセットして、ステップS460の処理へ移行する。なお、第2の確定コマンドは、図柄を停止表示させるとともに、スピーカ17から出力される音声を停止させ、枠ランプ16a及び盤面ランプ16bを消灯させるためのコマンドである。一方、第1の確定コマンドが入力されていない場合(ステップS440:N)、統括CPU37aは、ステップS450の処理を行わずにステップS460の処理へ移行する。
ステップS460において、統括CPU37aは、前記メインCPU31aから前記第1の変動パターン指定コマンドが入力されたか否かを判定する。第1の変動パターン指定コマンドが入力された場合(ステップS460:Y)、統括CPU37aは、ステップS470において第2の変動パターン指定コマンドをセットして、ステップS480の処理へ移行する。なお、第2の変動パターン指定コマンドは、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力される。一方、第1の変動パターン指定コマンドが入力されていない場合(ステップS460:N)、統括CPU37aは、ステップS470の処理を行わずにステップS480の処理へ移行する。
ステップS480において、統括CPU37aは、前記メインCPU31aから第1の左図柄指定コマンド、第1の右図柄指定コマンド及び第1の中図柄指定コマンドが入力されたか否かを判定する。これらの図柄指定コマンドが入力された場合(ステップS480:Y)、統括CPU37aは、ステップS490において第2の左図柄指定コマンド、第2の右図柄指定コマンド及び第2の中図柄指定コマンドをセットして、本サブルーチンを終了する。なお、第2の左図柄指定コマンド、第2の右図柄指定コマンド及び第2の中図柄指定コマンドは、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力されるコマンドである。一方、第1の左図柄指定コマンド、第1の右図柄指定コマンド及び第1の中図柄指定コマンドが入力されていない場合(ステップS480:N)、統括CPU37aは、ステップS490の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS410〜ステップS430の処理、ステップS440〜ステップS450の処理、ステップS460〜ステップS470の処理、ステップS480〜ステップS490の処理の順番を変更してもよい。例えば、ステップS460〜ステップS470の処理を行った後、ステップS440〜ステップS450の処理を行うようにしてもよい。
図9に示されるサブルーチンが終了すると、統括CPU37aは、図8に示されるステップS330の処理(短縮スイッチ処理)へ移行し、図10に示すサブルーチンを実行する。
図10のサブルーチンは、ステップS510〜S550の処理からなる。ステップS510において、統括CPU37aは、短縮フラグがオンされているか否かを判定する。短縮フラグがオンされている場合(ステップS510:Y)、統括CPU37aは、ステップS520の処理へ移行する。そして、ステップS520において、統括CPU37aは、遅延タイマの遅延時間t1の減算を行い、ステップS530の処理へ移行する。
ステップS530において、統括CPU37aは、遅延タイマの遅延時間t1が0msになったか否かを判定する。遅延時間t1が0msでない場合(ステップS530:N)、統括CPU37aは、データ生成期間が終了していないと判定して、ここでの処理を終了する。なお、遅延時間t1の減算は、次回以降の短縮スイッチ処理においても引き続き実行され、遅延時間t1は4msずつ減算されていく。そして、遅延時間t1が0msになると(ステップS530:Y)、統括CPU37aは、データ生成期間が終了したと判定して、ステップS540の処理へ移行する。
なお、遅延時間t1が減算されている間(データ生成期間中)においては、統括CPU37aは、図柄変動の演出に関する処理(具体的には、第2の変動時間短縮コマンドを、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力する処理)を特に行ってはいない。よって、サブCPU32a,33aは、第2の変動時間短縮コマンドに対応した処理と、表示演出用、音声演出用及び発光演出用の通常演出データを生成する処理とを同時進行させなくても済む。それゆえ、サブCPU32a,33aにかかる負担が軽減される。
ステップS540において、統括CPU37aは、第2の変動時間短縮コマンドをセットして、ステップS550の処理へ移行する。なお、第2の変動時間短縮コマンドは、短縮演出を実行させるための信号であり、表示制御基板33のサブCPU33a及び音声・ランプ制御基板32のサブCPU32aに出力される。そして、ステップS550では遅延時間t1の減算が終了しているため、統括CPU37aは、必要がなくなった短縮フラグをクリアして、本サブルーチンを終了する。この場合、統括CPU37aは、次回の割込みによる短縮スイッチ処理でのステップS510での判定を「NO」とする。このため、統括CPU37aは、遅延時間t1の減算を行わずに、本サブルーチンを終了する。
次に、表示制御基板33のサブCPU33aによって行われる処理(タイマ割込処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、サブCPU33aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図11に示されるステップS610において、前記統括CPU37aから前記第2の変動時間短縮コマンド、前記第2の確定コマンド、前記第2の変動パターン指定コマンド、前記第2の左図柄指定コマンド、前記第2の右図柄指定コマンド及び前記第2の中図柄指定コマンドなどのコマンドが入力されたか否かを判定する。これらのコマンドが入力されない場合(ステップS610:N)、サブCPU33aは、ここでの処理を終了する。一方、これらのコマンドが入力された場合(ステップS610:Y)、サブCPU33aは、ステップS620の処理へ移行する。なお、これらのコマンドは、互いに異なる割込み周期でサブCPU33aに入力される。ステップS620において、サブCPU33aは、入力されたコマンドが何であるのかを判定する。
入力されたコマンドが、前記第2の変動パターン指定コマンド、第2の左図柄指定コマンド、第2の右図柄指定コマンド及び第2の中図柄指定コマンドである場合、サブCPU33aは、ステップS630の処理へ移行する。ステップS630において、サブCPU33aは、それらコマンドに指定された変動パターン、左図柄、右図柄及び中図柄のデータを、RAM33cの記憶領域に記憶させ、ステップS640の処理へ移行する。そして、ステップS640において、サブCPU33aは、変動パターンに基づいて表示演出用の通常演出データをセット(RAM33cの記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。これにより、通常演出データの生成が開始される。
入力されたコマンドが第2の変動時間短縮コマンドである場合、サブCPU33aは、ステップS650において、ステップS630にて記憶された変動パターンを読み出し、その変動パターンに対応付けられた演出を短縮演出として決定し、ステップS660の処理へ移行する。ステップS660において、サブCPU33aは、RAM33cの記憶領域に記憶されている表示演出用の通常演出データを表示演出用の短縮演出データに変更し、ここでの処理を終了する。
入力されたコマンドが、前記第2の確定コマンドである場合、サブCPU33aは、ステップS670の処理へ移行する。ステップS670において、サブCPU33aは、ステップS630にて記憶した左図柄、右図柄及び中図柄を確定停止図柄として決定する。これにより、液晶式図柄表示装置18に全図柄の停止が指示され、ここでの処理を終了する。
よって、図柄の変動表示が開始されてから所定時間(例えば100ms)経過後に短縮スイッチSW1が操作された場合、データ生成期間の終了後に短縮演出A〜Cのいずれか1つが実行される。
例えば、ハズレ演出やハズレリーチ演出が行われている場合に短縮スイッチSW1が操作されると、短縮演出AまたはBが実行される。短縮演出Aが実行される場合、液晶式図柄表示装置18に、「スキップ」という文字が表示されるとともに、赤色のロボットが出現する。この場合、図柄変動時間が短くなるため、遊技者が図柄の変動表示を不快に感じなくなる。しかも、図柄変動時間が短くても短縮演出Aが実行されているため、遊技者は、引き続き液晶式図柄表示装置18にて実行される演出に関心を持つこととなる。よって、図柄変動時間を短くした場合でも、興趣の向上を図ることができる。
一方、短縮演出Bが実行される場合、液晶式図柄表示装置18に、「スキップ」という文字が表示されるとともに、銀色のロボットが出現する。この場合、遊技者は、赤色のロボットよりも目を惹く銀色のロボットを見ることができるので、液晶式図柄表示装置18にて実行される演出にさらなる関心を持つことになる。しかも、赤色のロボットが出現する短縮演出Aよりも銀色のロボットが出現する短縮演出Bのほうが大当りになる信頼度が高いため、遊技者に、もしかしたら大当りになるのではないかという期待を持たせることができる。よって、さらなる興趣の向上を図ることができる。
さらに、大当り演出が行われている場合に短縮スイッチSW1が操作されると、多くの場合には短縮演出Bが実行されるが、短縮演出Cが実行されることもある。短縮演出Cが実行される場合、液晶式図柄表示装置18に、「スキップ」という文字が表示されるとともに、金色のロボットが出現する。この場合、遊技者は、赤色や銀色のロボットよりもさらに目を惹く金色のロボットを見ることができるので、液晶式図柄表示装置18にて実行される演出にさらなる関心を持つことになる。しかも、金色のロボットが出現する短縮演出Cは、銀色のロボットが出現する短縮演出Bよりも大当りになる信頼度が高く、いわば信頼度100%の大当り予告を行うことになるため、遊技者は、短縮演出Cが実行されると同時に大当りであることを知ることができる。よって、さらなる興趣の向上を図ることができる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10では、短縮スイッチSW1が操作されると、表示演出用の短縮演出データに基づいて、短縮演出A〜Cのいずれか1つが液晶式図柄表示装置18にて実行されるため、図柄の変動表示の時間を短縮することができる。しかも、表示演出用の通常演出データの一部を省略することで短縮演出A〜Cが行われるのではなく、サブCPU32a,33aによって表示演出用の通常演出データを表示演出用の短縮演出データに変更することで短縮演出A〜Cが行われるため、短縮演出A〜Cの場合にも遊技演出が確実に実行される。よって、従来技術のように表示演出用の通常演出データの一部を省略することで短縮演出を行う場合、味気なさ、物足りなさが弊害となっていたが、本実施形態ではそれらの問題を解消することができる。さらに、短縮演出Aは、ハズレ演出及びハズレリーチ演出の場合のみに実行され、短縮演出Bは、ハズレ演出、ハズレリーチ演出及び大当り演出の全ての場合に実行され、短縮演出Cは、大当り演出の場合のみに実行される。そのため、短い時間にて行われる短縮演出A〜Cを見た場合であっても、遊技者は遊技状態の把握が可能となる。よって、短縮演出A〜Cの場合においても興趣の向上を図ることができる。
(2)本実施形態のメインCPU31aは、既存のメインCPU31aに、残り図柄変動時間計測手段及び残り図柄変動時間判定手段の機能を追加しただけのものであるため、主制御基板31に新たな電気部品(ICなど)を追加するなどのハード面での変更を加えなくても済む。よって、主制御基板31のコスト上昇を抑制することができる。
(3)本実施形態の統括CPU37aは、既存の統括CPU37aに、短縮演出データ選択手段、演出データ変更手段、短縮演出実行手段、短縮コマンド入力判定手段及び演出パターン読み出し手段の機能を追加しただけのものであるため、統括制御基板37に新たな電気部品(ICなど)を追加するなどのハード面での変更を加えなくても済む。よって、統括制御基板37のコスト上昇を抑制することができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、各短縮演出データは、それぞれ変動パターンP1〜P10ごとに対応付けられていた。即ち、短縮演出の種類は、変動パターンP1〜P10に基づいて決定されるようになっていた。しかし、短縮演出の種類は、例えば、確変開始、確変終了などを示す図柄情報に基づいて決定されるようになっていてもよい。また、短縮演出の種類は、乱数を用いて決定されるようになっていてもよい。詳述すると、例えばサブCPU33aは、第2の変動時間短縮コマンドの入力を契機として、短縮演出判定用乱数の値をRAM33cから読み出し、該値に基づき、短縮演出データの中から1つの短縮演出データを決定する。これにより、短縮演出の種類が決定される。
・上記実施形態において、液晶式図柄表示装置18が図柄の変動表示を開始する前に短縮スイッチSW1が操作された場合に、メインCPU31aが、第1の変動時間短縮コマンドを出力しないようにしてもよい。即ち、メインCPU31aは、短縮スイッチSW1の操作を無効化するようにしてもよい。
このようにすれば、図柄の変動表示が開始される前のタイミングで短縮スイッチSW1が操作された場合に、短縮スイッチSW1の操作が無効化される。そのため、図柄の変動表示の開始直後(例えば、データ生成期間中)に、第2の変動時間短縮コマンドが、音声・ランプ制御基板32のサブCPU32a及び表示制御基板33のサブCPU33aへ出力されるのを防止できる。よって、第2の変動時間短縮コマンドが変動表示に影響を及ぼすのを防止することができる。
・上記実施形態では、短縮演出A〜Cの時間はそれぞれ同じ(0.8秒)であった。しかし、短縮演出A〜Cの時間が異なっていてもよい。例えば、短縮演出Aの時間を0.8秒とし、短縮演出Bの時間を1.8秒とし、短縮演出Cの時間を2.8秒としてもよい。この場合、短縮スイッチSW1が操作された際にメインCPU31aにて変動パターンの確認が必要となる。そして、メインCPU31aは、変動パターンに対応した短縮演出を決定して、変動タイマに記憶されている図柄変動時間を、短縮演出Aであれば1秒、短縮演出Bであれば2秒、短縮演出Cであれば3秒に書き換える。なお、短縮演出Aの場合に書き換えられる図柄変動時間(1秒)は、短縮演出Aの時間(0.8秒)に遅延時間t1(200ms=0.2秒)を加えた長さに設定されている。また、短縮演出Bの場合に書き換えられる図柄変動時間(2秒)は、短縮演出Bの時間(1.8秒)に遅延時間t1(0.2秒)を加えた長さに設定され、短縮演出Cの場合に書き換えられる図柄変動時間(3秒)は、短縮演出Cの時間(2.8秒)に遅延時間t1(0.2秒)を加えた長さに設定されている。この場合、短縮スイッチSW1の操作を無効化するか否かの判定は、図柄変動時間が3秒よりも短いか否かに基づいて決定される。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記図柄表示手段が図柄の変動表示を開始する前に前記操作手段が操作された場合、前記メイン制御手段は、前記操作手段の操作を無効化すること。よって、この構成によれば、演出データ変更手段によって変更された短縮演出データが、図柄の変動表示に影響を及ぼすのを防止することができる。
(2)請求項1において、前記演出制御手段は、前記図柄表示手段にて行われる1回の図柄の変動表示に対して、複数回の前記操作手段の操作があった場合、2回目以降の前記操作手段の操作を無効化すること。
(3)遊技者にとって有利な遊技状態とするのか不利な遊技状態とするのかを決定する遊技状態決定手段と、前記遊技状態決定手段による決定結果に応じて、遊技演出の時間及び内容が対応付けられた演出パターンとして、1種類のハズレ演出用の演出パターン、複数種類のハズレリーチ演出用の演出パターン、及び、複数種類の大当り演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを選択し、選択した演出パターンに対応付けられた遊技演出の時間を変動タイマに記憶するとともに、選択した演出パターンに基づく時間及び内容での演出実行を指示する演出データを出力する演出制御手段と、入力された前記演出データに基づいて、複数種類の図柄を複数列で変動または停止表示する図柄表示手段と、遊技演出の時間を短縮させるために遊技中に操作される操作手段とを備える遊技機であって、既に選択されている演出パターンに基づく時間よりも短い時間での演出実行を指示するとともに、実行すべき演出の時間の長さが異なるものが含まれている複数種類の短縮演出データを、演出パターンごとに対応付けて記憶する短縮演出データ記憶手段と、前記遊技状態決定手段が決定した遊技状態に応じて前記短縮演出データを選択する短縮演出データ選択手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記操作手段が操作されたときの演出パターンを確認し、その確認された演出パターンに基づく時間及び内容での演出実行を指示する前記演出データを、前記短縮演出データ選択手段が選択した前記短縮演出データに変更する演出データ変更手段と、前記演出データ変更手段によって変更された前記短縮演出データに基づいて、短縮演出を前記図柄表示手段に実行させる短縮演出実行手段とを備え、前記演出制御手段は、前記図柄表示手段による図柄の変動表示の残り図柄変動時間を計測する残り図柄変動時間計測手段と、計測された前記残り図柄変動時間が前記短縮演出データに基づいて実行される前記短縮演出の演出時間の長さ以上であるか否かを判定する残り図柄変動時間判定手段とを備え、前記操作手段が操作された場合において、計測された前記残り図柄変動時間が前記短縮演出の演出時間の長さ以上であるとき、前記演出制御手段は、前記変動タイマに記憶されている遊技演出の時間を前記短縮演出の演出時間に書き換えるとともに、前記演出データ変更手段は、前記演出データを前記短縮演出データに変更することを特徴とする遊技機。
(4)請求項1において、前記短縮演出データ記憶手段に記憶されている前記複数種類の短縮演出データには、実行すべき演出の内容が異なるものが含まれていること。
(5)請求項4において、前記サブ制御手段は、前記メイン制御手段からの前記短縮コマンドが入力されたか否かを判定する短縮コマンド入力判定手段と、前記短縮コマンドが入力されたと判定した場合に、既に選択されている演出パターンを読み出す演出パターン読み出し手段と、読み出された演出パターンに基づく時間及び内容での演出実行を指示する演出データを、前記短縮演出データ記憶手段に記憶されている前記短縮演出データに変更する前記演出データ変更手段と、前記演出データ変更手段によって変更された前記短縮演出データに基づいて、前記短縮演出を前記図柄表示手段に実行させる前記短縮演出実行手段とを備えること。
(6)遊技演出の時間及び内容が対応付けられた演出パターンを選択し、その選択した演出パターンに基づく時間及び内容での演出実行を指示する演出データを出力する演出制御手段と、入力された前記演出データに基づいて、複数種類の図柄を複数列で変動または停止表示する図柄表示手段と、遊技演出の時間を短縮させるために遊技中に操作される操作手段とを備える遊技機であって、既に選択されている演出パターンに基づく時間よりも短い時間での演出実行を指示する短縮演出データを記憶する短縮演出データ記憶手段と、遊技者にとって有利または不利な遊技状態を示す遊技情報を前記短縮演出データに付与する遊技情報付与手段と、前記操作手段が操作された場合に、選択した演出パターンに基づく時間及び内容での演出実行を指示する前記演出データを、前記短縮演出データ記憶手段に記憶されている前記短縮演出データに変更する演出データ変更手段と、前記演出データ変更手段によって変更された前記短縮演出データに基づいて、前記遊技情報を含む短縮演出を前記図柄表示手段に実行させる短縮演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機。
(7)技術的思想(6)において、前記短縮演出データ記憶手段は、大当りとなる信頼度の高さを示す前記遊技情報が付与され、前記信頼度の高さがそれぞれ異なる複数種類の前記短縮演出データを、選択した演出パターンごとに対応付けて記憶しており、前記演出データ変更手段は、前記操作手段が操作された場合に、選択した演出パターンに基づく時間及び内容での演出実行を指示する前記演出データを、前記短縮演出データ記憶手段に記憶されている前記複数種類の短縮演出データのいずれか1つに変更すること。