JP2007022306A - エアバッグ及びエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベントホールが開となるエアバッグ内圧の所定値を目標値に設定し易いエアバッグと、このエアバッグを備えたエアバッグ装置とを提供する。
【解決手段】ベントホール13と重なる開口21を有したシートをリヤパネル16の外側に配置して該ベントホール13の周縁部に結合し、このシート20の該開口21を挟んだ一半側と他半側とを、エアバッグ内圧が所定値以上になったときに結合を解除するよう構成されたテアシーム23で結合することにより、ベントホール13を閉としている。エアバッグ10が膨張する場合、エアバッグ内圧が所定値に達するまでは、シート20によってベントホール13が閉とされており、該ベントホール13からエアバッグ外にガスが流出しないため、エアバッグ10の展開が促進(迅速化)される。エアバッグ内圧が所定値以上になると、テアシーム23が破断してベントホール13が開となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアバッグ内部からエアバッグ外へガスを流出させることにより衝撃を吸収するベントホールを備えたエアバッグに係り、特にこのベントホールの開閉制御手段を有するエアバッグに関する。また、本発明は、このエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
エアバッグにベントホールを設け、膨張したエアバッグに車両乗員等が突っ込んできたときに、該ベントホールを介してエアバッグ内部からガスを流出させることにより該車両乗員等に加えられる衝撃を吸収することは周知である。
特開2000−16228号公報には、エアバッグ内部のガス圧が所定圧に達するまではベントホールが蓋部材によって覆われており、所定圧を超えるとこのガス圧により該蓋部材が押し開かれてベントホールが開放するよう構成されたエアバッグが記載されている。
なお、同号公報では、車両の運転席用エアバッグが例示されている。同号のエアバッグは、それぞれ円形の2枚のシート材(パネル)の周縁部同士を縫い合わせてなるものであり、その全体が1個の室となっている。このエアバッグの車両乗員側と反対側のシート材にベントホールが設けられており、このベントホールを覆うように蓋部材が設けられている。
同号公報のエアバッグにあっては、該エアバッグが膨張する場合、エアバッグ内部のガス圧が所定圧となるまではベントホールが蓋部材によって覆われており、該ベントホールからのガスの流出が規制されているので、エアバッグ内部が速やかに高圧となり、エアバッグが迅速に展開する。
そして、エアバッグ内部のガス圧が所定圧を超えると、該蓋部材が押し開かれてベントホールが開放するので、この膨張したエアバッグに車両乗員が突っ込んできた場合には、該ベントホールを介してエアバッグ内部からガスが流出することにより、該車両乗員に加えられる衝撃が吸収される。
特開2000−16228号公報
本発明は、ベントホールが開となるエアバッグ内圧の所定値を目標値に設定し易いエアバッグと、このエアバッグを備えたエアバッグ装置とを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のエアバッグは、ベントホールと、エアバッグ内圧が所定値に達するまではベントホールを閉とし、エアバッグ内圧が所定値以上になるとベントホールを開とするベントホール開閉制御手段を有するエアバッグにおいて、該ベントホール開閉制御手段は、該エアバッグの外側に配置され、該ベントホールの周縁部に結合しているシートと、該シートに設けられた、該ベントホールに重なる開口と、該エアバッグ内圧が所定値に達するまでは該シートの該開口を挟んだ一半側と他半側とを結合することにより該ベントホールを閉としており、エアバッグ内圧が所定値以上となったときに結合を解除してベントホールを開とする結合部とを有することを特徴とする。
請求項2のエアバッグは、請求項1において、前記結合部はシーム又は接着剤よりなることを特徴とする。
請求項3のエアバッグは、請求項2において、前記結合部は線状に設けられており、この線状の結合部の一部は前記ベントホールに向って凸となるV字状部を有することを特徴とする。
請求項4のエアバッグは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記シートの一半側に前記結合部から離反する方向に延出した延出部が設けられており、該延出部が引張られることにより前記一半側と他半側との結合解除が促進可能となっていることを特徴とする。
本発明(請求項5)のエアバッグ装置は、エアバッグと、該エアバッグを保持したリテーナと、該エアバッグにガスを供給するインフレータとを備えたエアバッグ装置において、該エアバッグは請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエアバッグであることを特徴とする。
請求項6のエアバッグ装置は、請求項5において、前記エアバッグは請求項4に記載のエアバッグであり、該エアバッグにはインフレータを差し込むためのインフレータ設置口が設けられ、前記延出部は、該インフレータ設置口の縁部付近において前記リテーナ、インフレータ又はエアバッグに連結されていることを特徴とする。
本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置においては、ベントホールに重なる開口を有したシートをエアバッグの外側に配置して該ベントホールの周縁部に結合し、このシートの該開口を挟んだ一半側と他半側とを結合部で結合することにより、ベントホールを閉としている。この結合部は、エアバッグ内圧が所定値以上になったときにシートの該一半側と他半側との結合を解除するよう構成されている。
このエアバッグが膨張する場合、エアバッグ内圧が所定値に達するまでは該シートによってベントホールが閉とされており、該ベントホールからエアバッグ外にガスが流出しないため、エアバッグが速やかに高内圧となり、エアバッグの展開が促進(迅速化)される。そして、エアバッグ内圧が所定値以上になると、結合部によるシートの一半側と他半側との結合が解除されてベントホールが開となるため、該ベントホールからエアバッグ外にガスが流出して十分に衝撃が吸収される。
本発明にあっては、ベントホールが全閉となっているので、ベントホール及び開口を介して該結合部にエアバッグ内圧がロスなく作用する。これにより、エアバッグ内圧が所定値以上となったときに確実に該結合部による結合が解除される。
請求項2のように、この結合部としては、シームや接着剤等が簡便であり、好適である。
請求項3のように、このシームや接着剤により結合部を線状に設け、且つその一部をベントホールに向って凸となるV字状部とすることにより、このV字状部に応力が集中して確実にこのV字状部から結合部による結合の解除が開始するようになる。
請求項4によれば、エアバッグの膨張が進行すると、シートの一半側が延出部を介して結合部から離反する方向へ引張られるため、シートの該一半側と他半側との結合解除が確実に開始するようになる。
この場合、請求項6の通り、該延出部をエアバッグのインフレータ設置口の縁部付近においてリテーナやインフレータ或いは該エアバッグ自体に連結するのが好ましい。いずれの場合においても、エアバッグの膨張が進行すると、シートの一半側が延出部を介してインフレータ設置口側に引張られるため、シートの該一半側と他半側との結合解除が確実に開始するようになる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図(a),(b)はそれぞれ実施の形態に係るエアバッグのベントホール閉状態及びベントホール開状態を示す斜視図、第2図(a)はこのエアバッグのリヤパネルとベントホール開閉制御用シートとの分解図(平面図)、第2図(b)はこのシートの取付後のリヤパネルの平面図、第3図(a),(b)はそれぞれこのシートの一半側と他半側との結合前及び結合後を示す斜視図、第4図(a)はこのエアバッグを備えたエアバッグ装置のエアバッグ膨張時であってベントホール閉状態時を示す断面図、第4図(b)はこのエアバッグ装置のベントホール開状態時を示す該ベントホール付近の断面図である。
この実施の形態では、エアバッグ10は車両の運転席用エアバッグである。
このエアバッグ10は、乗員対向面を構成するフロントパネル11と、該乗員対向面と反対側の面を構成するリヤパネル12と、該エアバッグ10の内外を連通するベントホール13,13’と、該ベントホール13の開閉制御手段を構成するシート20等を備えている。
該フロントパネル11及びリヤパネル12はそれぞれ円形の織布よりなる。このフロントパネル11及びリヤパネル12を重ね合わせ、その周縁部同士を縫い合わせることにより、袋状のエアバッグ10の本体部分が構成されている。第4図(a)の符号14はこの縫合のシームを示している。
該リヤパネル12の中央には、後述のインフレータ30が挿入されるインフレータ設置口15が設けられている。また、このインフレータ設置口15の周囲には、後述の押えリング45のスタッドボルト46が挿通されるボルト挿通孔16が設けられている。
この実施の形態では、該リヤパネル12のインフレータ設置口15よりも上半側(ここでいう上下方向は第2図における上下方向であり、エアバッグ10を車両に設置したときの上下方向に合致する。)に、左右に位置を異ならせて前記ベントホール13,13’が設けられている。この実施の形態では、このうち一方(第2図における左側)のベントホール13に前記シート20が設けられている。
シート20は、この実施の形態では略長方形状となっている。このシート20の中央付近に、該ベントホール13と略同一の大きさ及び形状の開口21が設けられている。シート20は、この開口21とベントホール13とが重なり合うようにリヤパネル12の外面側に配置され、この開口21の周縁部が該ベントホール13の周縁部に結合されている。符号22は、該開口21とベントホール13の周縁部とを縫合したシームを示している。このシーム22は、ベントホール13及び開口21の周囲を周回する環状に延設されている。このシーム22は、エアバッグ10の内圧が所定値以上となっても破断しない高強度シームである。
なお、該シート20は、この実施の形態では、第2図(b)の通り、その長辺方向をリヤパネル12の径方向として配置されている。
このシート20は、第3図(a)から(b)の如く、その長辺方向の中間付近を通る(ベントホール13(開口21)を横切る)該長辺方向と略直交方向の折り返し線Lに沿って二つ折りされるようにして、該長辺方向のベントホール13を挟んだ一半側と他半側とが重ね合わされ、その重なり合った周縁部同士が結合部としてのテアシーム23により縫合されている。第3図(a)の二点鎖線Lは、このテアシーム23による縫合予定線を示している。これにより、ベントホール13がこのシート20によって閉じられた状態となっている。
図示の通り、テアシーム23は、この二つ折りされたシート(以下、二つ折りシートと称する。)20の一辺をなす折り返し部(折り返し線L)の一端側から、他の三辺に沿ってこの二つ折りシート20の周縁部を周回するようにして、該折り返し部(折り返し線L)の他端側まで延設されている。これにより、この二つ折りシート20が袋状とされ、その内部に室Sが形成されている。この室Sは開口21及びベントホール13を介してエアバッグ10の内部に連通している。
テアシーム23は、この室Sの内圧即ちエアバッグ10の内圧が所定値以上になると破断してシート20の前記一半側と他半側との結合を解除するよう構成されている。
図示の通り、この実施の形態では、該テアシーム23のうちこの二つ折りシート20の折り返し部(折り返し線L)と対向する辺に沿う部分がジグザグ状に延設され、これにより、開口21に向って凸となる複数のV字状の部分が形成されている。
なお、この実施の形態では、第3図(a)に示すように、シート20の両長辺の両端側に、それぞれ耳状の突片20aが設けられている。各突片20aには、二つ折りシート20の重なり合った周縁部同士の縫合を容易に且つ精度よく行うための治具(図示略)の挿通孔20bが設けられている。
即ち、シート20を折り返し線Lに沿って二つ折りすると、シート20の各長辺の両端側の突片20a,20a同士が重なり合う。そこで、重なり合った突片20a,20aの挿通孔20b,20bにそれぞれ治具を挿通する。これにより、二つ折りされたシート20の一半側と他半側とのずれが防止され、これらの周縁部同士を容易に且つ精度よくテアシーム23で縫合することができる。
エアバッグ装置1は、このエアバッグ10と、このエアバッグ10を膨張させるインフレータ30と、該エアバッグ10及びインフレータ30が取り付けられるリテーナ40と、エアバッグ10を該リテーナ40に固定する押えリング45と、該リテーナ40に取り付けられたエアバッグ10の折り畳み体を覆うモジュールカバー(図示略)等を備えている。
該インフレータ30は、この実施の形態では略円柱形状のものであり、その筒軸方向の先端側の側周面にガス噴出口31が設けられている。このインフレータ30の筒軸方向の途中部分の側周面からは、このインフレータ30をリテーナ40に固定するためのフランジ32が突設されている。このフランジ32には、押えリング45のスタッドボルト46が挿通されるボルト挿通孔(符号略)が設けられている。
リテーナ40は、方形板状のものであり、その板面の中央付近にインフレータ設置口(符号略)が設けられている。また、このインフレータ設置口の周囲には、押えリング45のスタッドボルト46が挿通されるボルト挿通孔(符号略)が設けられている。このリテーナ40の周縁部には、モジュールカバー取付用の脚状片41が設けられている。
エアバッグ10をリテーナ40に取り付けるに当っては、リヤパネル12のインフレータ設置口15の周縁部をリテーナ40のインフレータ設置口の周縁部に重ね合わせ、その上から押えリング45で押さえ付ける。また、これと反対側からリテーナ40のインフレータ設置口にインフレータ30の先端側を差し込み、フランジ32を該リテーナ40の裏面に重ね合わせる。このインフレータ30の先端側(ガス噴出口31)は、リヤパネル12のインフレータ設置口15を介してエアバッグ10内に配置される。
この際、該押えリング45の下面から突設されたスタッドボルト46をリヤパネル12のボルト挿通孔16並びにリテーナ45及びフランジ32の各ボルト挿通孔に挿通し、その先端側にナット47を締め込んでエアバッグ10(リヤパネル12)及びインフレータ30(フランジ32)をリテーナ40に固定する。そして、このエアバッグ10の折り畳み体を覆うようにモジュールカバーを該リテーナ40に装着することにより、エアバッグ装置1が構成される。
なお、該モジュールカバーは、エアバッグ10が膨張するときに開裂するよう構成されている。
このエアバッグ装置1は、自動車のステアリングホイール(図示略)に設置される。
車両衝突時等には、インフレータ30が作動してエアバッグ10内にガスが噴出する。エアバッグ10は、このガスにより膨張してモジュールカバーを押し開き、車両室内に展開して運転席乗員を保護する。
このエアバッグ10にあっては、その内圧が所定値に達するまではベントホール13がシート20によって閉とされており、該ベントホール13からエアバッグ外にガスが流出しないため、エアバッグ10が速やかに高内圧となり、エアバッグ10の展開が促進(迅速化)される。
そして、エアバッグ10の内圧(ベントホール13及び開口21を介してエアバッグ10内に連通したシート20の内側の室Sの内圧)が所定値以上になると、第4図(a)から(b)のように、テアシーム23が破断してシート20の一半側と他半側とが分離し、ベントホール13が開放する。
このエアバッグ10に車両乗員が突っ込んできた場合、ベントホール13からエアバッグ10の外部にガスが流出し、該車両乗員に加えられる衝撃が吸収される。
なお、この実施の形態では、他方のベントホール13’は常時開状態となっているため、エアバッグ10の内圧が所定値に達する前にこのエアバッグ10に乗員が突っ込んできた場合には、該ベントホール13’からガスが流出して衝撃が吸収される。
このエアバッグ10にあっては、ベントホール13及び開口21を介してエアバッグ10内のガス圧がロスなくテアシーム23に作用するため、エアバッグ10の内圧が所定値以上になると確実にテアシーム23が破断してベントホール13が開となる。
この実施の形態では、二つ折りシート20の周囲を周回するテアシーム23の一部がV字状となっているため、このV字状の部分に応力が集中して確実にテアシーム23の破断が開始する。
第5図は別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール付近の断面図であり、(a)図はベントホール閉状態時を示し、(b)図はベントホール開状態を示している。
第5図(a)において、Dは、ベントホール13及びシート20の開口21の周囲を周回するようにしてこれらの周縁部同士を結合したシーム22のうち、ベントホール13を挟んでリヤパネル16の中央側となる部分からリヤパネル16の外周側となる部分までの距離、即ち、シート20のうちベントホール13の周縁部との結合に供された部分の長さを示している。
また、D,Dは、それぞれ、シート20のベントホール13を挟んだ一半側及び他半側のうち、該シーム22からテアシーム23による各々の先端側同士の結合部までの長さを示している。
この実施の形態では、このDがDとDとの和よりも大きくなるように構成されている。
この実施の形態のその他の構成は前述の第1〜4図の実施の形態と同様となっており、同一の符号は同一の部分を示している。
この実施の形態にあっては、エアバッグが膨張した場合、まず、第5図(a)のように、リヤパネル16のベントホール周辺部がエアバッグ外周側へ伸び切る前に、テアシーム23によって結合されたシート20の一半側と他半側との連続体がシーム22のエアバッグ中央側とエアバッグ外周側との間でピンと張った状態となる。そのため、エアバッグの膨張の進行に伴い、このシート20の一半側と他半側とには、矢印f,fのように両者を引き離す方向に張力が加えられる。この結果、テアシーム23によるシート20の一半側と他半側との結合の解除が促進される。
その後、エアバッグの内圧が所定値以上になると、第5図(b)のようにテアシーム23が破断してシート20の一半側と他半側とが分離し、ベントホール13が開となる。
第6図(a),(b)はさらに別の実施の形態に係るエアバッグのシート取付前後のリヤパネルの平面図、第7図(a),(b)はこのシートの一半側と他半側との結合前後の斜視図、第8図(a),(b)はこのエアバッグを備えたエアバッグ装置のベントホール閉状態及びベントホール開状態を示す断面図である。
この実施の形態では、シート20Aに、ベントホール13を挟んでリヤパネル16の中央側に配置された一半側の先端から該中央側に延出する延出部24が設けられている。この延出部24は、第6図(b)に示すように、シート20Aの一半側と他半側とを非結合として該シート20Aをリヤパネル16の外面に沿って平たく展延させたときに、その先端側がリヤパネル16の中央のインフレータ設置口15の周縁部に重なるよう構成されている。この延出部24の先端側には、該インフレータ設置口15の周囲のボルト挿通孔16と重なるボルト挿通孔25が設けられている。
このシート20Aも、第7図(a)から(b)の如く、ベントホール13(開口21)を横切る折り返し線Lに沿って二つ折りされるようにして、該ベントホール13を挟んだ一半側と他半側とが重ね合わされ、該他半側の周縁部に沿ってこれらの重なり合った部分同士がテアシーム23によって縫合されることにより、ベントホール13を閉鎖している。該他半側の先端側の縁部は、延出部24の基端付近に縫着される。なお、この実施の形態でも、テアシーム23のうち該他半側の先端側の縁部に沿う部分はジグザグ状に延設され、これにより、ベントホール13に向って凸となる複数のV字状の部分が形成されている。
かかる構成のエアバッグ10をリテーナ40に取り付けるに当っては、ボルト挿通孔15,25同士が重なり合うようにして、延出部24先端側とリヤパネル12のインフレータ設置口15の周縁部とをリテーナ40のインフレータ設置口周縁部に重ね合わせ、その上から押えリング45で押え付ける。この際、該押えリング45のスタッドボルト46を該ボルト挿通孔15,25並びにリテーナ40のボルト挿通孔に挿通する。
そして、インフレータ30の先端側をこのリテーナ40のインフレータ設置口に挿通すると共に、フランジ32のボルト挿通孔に該スタッドボルト46を挿通しつつ該フランジ32をリテーナ40の裏面に重ね合わせ、該スタッドボルト46にナット47を締め込むことにより、エアバッグ10(リヤパネル12)と延出部24の先端側、並びにインフレータ30(フランジ32)がリテーナ40に固定される。
この実施の形態のエアバッグ10及びこのエアバッグ10を備えたエアバッグ装置のその他の構成は、前述の第1〜4図の実施の形態と同様であり、同一の符号は同一の部分を示している。
この実施の形態にあっては、エアバッグ10が膨張した場合、第8図(a)の矢印のように、このエアバッグ10の膨張の進行に伴い、延出部24を介してシート20Aの一半側の先端部がエアバッグ10の中央側に引張られ、他半側はエアバッグ10の外周側に引張られる。そのため、このシート20Aと一半側と他半側とには、両者を引き離す方向に張力が加えられ、テアシーム23による該一半側と他半側との結合の解除が促進される。
その後、エアバッグ10の内圧が所定値以上になると、第8図(b)のようにテアシーム23が破断してシート20Aの一半側と他半側とが分離し、ベントホール13が開となる。
上記の各実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、ベントホールの形状や個数、配置は上記の実施の形態に限定されない。このベントホールの開閉制御手段を構成するシートの構成も上記の実施の形態に限定されない。ベントホールを複数設けた場合、すべてのベントホールにシートを設けてもよく、一部のベントホールにのみシートを設けてもよい。複数のベントホールを共通のシートで閉鎖するようにしてもよい。
本発明は、自動車の運転席用以外の各種のエアバッグ及びエアバッグ装置にも適用可能である。
実施の形態に係るエアバッグのベントホール閉状態及びベントホール開状態を示す斜視図である。 図1のエアバッグのリヤパネルとベントホール開閉制御用シートとを示す平面図である。 図2のシートの一半側と他半側との結合前及び結合後を示す斜視図である。 図1のエアバッグを備えたエアバッグ装置のエアバッグ膨張時のベントホール付近の断面図である。 別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール付近の断面図である。 さらに別の実施の形態に係るエアバッグのシート取付前後のリヤパネルの平面図である。 図6のシートの一半側と他半側との結合前後の斜視図である。 図6のエアバッグを備えたエアバッグ装置のベントホール閉状態及びベントホール開状態を示す断面図である。
符号の説明
1 エアバッグ装置
10 エアバッグ
11 フロントパネル
12 リヤパネル
13,13’ ベントホール
20,20A シート
21 開口
23 テアシーム
24 延出部
30 インフレータ
32 フランジ
40 リテーナ
45 押えリング

Claims (6)

  1. ベントホールと、エアバッグ内圧が所定値に達するまではベントホールを閉とし、エアバッグ内圧が所定値以上になるとベントホールを開とするベントホール開閉制御手段を有するエアバッグにおいて、
    該ベントホール開閉制御手段は、該エアバッグの外側に配置され、該ベントホールの周縁部に結合しているシートと、
    該シートに設けられた、該ベントホールに重なる開口と、
    該エアバッグ内圧が所定値に達するまでは該シートの該開口を挟んだ一半側と他半側とを結合することにより該ベントホールを閉としており、エアバッグ内圧が所定値以上となったときに結合を解除してベントホールを開とする結合部と
    を有することを特徴とするエアバッグ。
  2. 請求項1において、前記結合部はシーム又は接着剤よりなることを特徴とするエアバッグ。
  3. 請求項2において、前記結合部は線状に設けられており、この線状の結合部の一部は前記ベントホールに向って凸となるV字状部を有することを特徴とするエアバッグ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記シートの一半側に前記結合部から離反する方向に延出した延出部が設けられており、
    該延出部が引張られることにより前記一半側と他半側との結合解除が促進可能となっていることを特徴とするエアバッグ。
  5. エアバッグと、該エアバッグを保持したリテーナと、該エアバッグにガスを供給するインフレータとを備えたエアバッグ装置において、
    該エアバッグは請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエアバッグであることを特徴とするエアバッグ装置。
  6. 請求項5において、前記エアバッグは請求項4に記載のエアバッグであり、
    該エアバッグにはインフレータを差し込むためのインフレータ設置口が設けられ、
    前記延出部は、該インフレータ設置口の縁部付近において前記リテーナ、インフレータ又はエアバッグに連結されていることを特徴とするエアバッグ装置。
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