以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明に係る基板熱処理装置を組み込んだ基板処理装置の一例についてその全体構成を説明する。
図1は、本発明に係る基板熱処理装置を組み込んだ基板処理装置の平面図である。また、図2は基板処理装置の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は基板載置部の周辺構成を示す図である。なお、図1から図4にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
本実施形態の基板処理装置は、半導体ウェハ等の基板に反射防止膜やフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板に現像処理を行う装置(いわゆるコータ&デベロッパ)である。なお、本発明に係る基板処理装置の処理対象となる基板は半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用のガラス基板等であっても良い。
本実施形態の基板処理装置は、インデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5の5つの処理ブロックを並設して構成されている。インターフェイスブロック5には本基板処理装置とは別体の外部装置である露光ユニット(ステッパ)EXPが接続配置されている。また、本実施形態の基板処理装置および露光ユニットEXPはホストコンピュータ100とLAN回線(図示省略)を経由して接続されている。
インデクサブロック1は、装置外から受け取った未処理基板をバークブロック2やレジスト塗布ブロック3に払い出すとともに、現像処理ブロック4から受け取った処理済み基板を装置外に搬出するための処理ブロックである。インデクサブロック1は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納する基板移載機構12とを備えている。基板移載機構12は、載置台11に沿って(Y軸方向に沿って)水平移動可能な可動台12aを備えており、この可動台12aに基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム12bが搭載されている。保持アーム12bは、可動台12a上を昇降(Z軸方向)移動、水平面内の旋回移動、および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。これにより、基板移載機構12は、保持アーム12bを各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
インデクサブロック1に隣接してバークブロック2が設けられている。インデクサブロック1とバークブロック2との間には、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13にインデクサブロック1とバークブロック2との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック1からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック1の基板移載機構12はキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wを後述するバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック2からインデクサブロック1へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック2の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板Wを基板移載機構12が受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS10の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁13の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、基板移載機構12やバークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
次に、バークブロック2について説明する。バークブロック2は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック2は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部BRCと、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー21,21と、下地塗布処理部BRCおよび熱処理タワー21,21に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
バークブロック2においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部BRCが装置正面側に、2つの熱処理タワー21,21が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー21,21の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー21,21から下地塗布処理部BRCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
下地塗布処理部BRCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を特に区別しない場合はこれらを総称して下地塗布処理部BRCとする。各塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック22、このスピンチャック22上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル23、スピンチャック22を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック22上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー21には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個のホットプレートHP1〜HP6と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP1〜CP3とが設けられている。この熱処理タワー21には、下から順にクールプレートCP1〜CP3、ホットプレートHP1〜HP6が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー21には、レジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気で基板Wを熱処理する3個の密着強化処理部AHL1〜AHL3が下から順に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている。
このように塗布処理ユニットBRC1〜BRC3や熱処理ユニット(バークブロック2ではホットプレートHP1〜HP6、クールプレートCP1〜CP3、密着強化処理部AHL1〜AHL3)を多段に積層配置することにより、基板処理装置の占有スペースを小さくしてフットプリントを削減することができる。また、2つの熱処理タワー21,21を並設することによって、熱処理ユニットのメンテナンスが容易になるとともに、熱処理ユニットに必要なダクト配管や給電設備をあまり高い位置にまで引き延ばす必要がなくなるという利点がある。
図5は、搬送ロボットTR1を説明するための図である。図5(a)は搬送ロボットTR1の平面図であり、(b)は搬送ロボットTR1の正面図である。搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する2個の保持アーム6a,6bを上下に近接させて備えている。保持アーム6a,6bは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピン7で基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。
搬送ロボットTR1の基台8は装置基台(装置フレーム)に対して固定設置されている。この基台8上に、ガイド軸9cが立設されるとともに、螺軸9aが回転可能に立設支持されている。また、基台8には螺軸9aを回転駆動するモータ9bが固定設置されている。そして、螺軸9aには昇降台10aが螺合されるとともに、昇降台10aはガイド軸9cに対して摺動自在とされている。このような構成により、モータ9bが螺軸9aを回転駆動することにより、昇降台10aがガイド軸9cに案内されて鉛直方向(Z方向)に昇降移動するようになっている。
また、昇降台10a上にアーム基台10bが鉛直方向に沿った軸心周りに旋回可能に搭載されている。昇降台10aには、アーム基台10bを旋回駆動するモータ10cが内蔵されている。そして、このアーム基台10b上に上述した2個の保持アーム6a,6bが上下に配設されている。各保持アーム6a,6bは、アーム基台10bに装備されたスライド駆動機構(図示省略)によって、それぞれ独立して水平方向(アーム基台10bの旋回半径方向)に進退移動可能に構成されている。
このような構成によって、図5(a)に示すように、搬送ロボットTR1は2個の保持アーム6a,6bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー21に設けられた熱処理ユニット、下地塗布処理部BRCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、レジスト塗布ブロック3について説明する。バークブロック2と現像処理ブロック4との間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック3が設けられている。このレジスト塗布ブロック3とバークブロック2との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック2とレジスト塗布ブロック3との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック2からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック3からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS3,PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁25を貫通して上下に設けられている。
レジスト塗布ブロック3は、バークブロック2にて反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック3は、下地塗布された反射防止膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布処理部SCと、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー31,31と、レジスト塗布処理部SCおよび熱処理タワー31,31に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
レジスト塗布ブロック3においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部SCが装置正面側に、2つの熱処理タワー31,31が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー31,31の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー31,31からレジスト塗布処理部SCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
レジスト塗布処理部SCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を特に区別しない場合はこれらを総称してレジスト塗布処理部SCとする。各塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック32、このスピンチャック32上に保持された基板W上にレジスト液を吐出する塗布ノズル33、スピンチャック32を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック32上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー31には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個の加熱部PHP1〜PHP6が下から順に積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー31には、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP4〜CP9が下から順に積層配置されている。
各加熱部PHP1〜PHP6は、基板Wを載置して加熱処理を行う通常のホットプレートの他に、そのホットプレートと隔てられた上方位置に基板Wを載置しておく基板仮置部と、該ホットプレートと基板仮置部との間で基板Wを搬送するローカル搬送機構34(図1参照)とを備えた熱処理ユニットである。ローカル搬送機構34は、昇降移動および進退移動が可能に構成されるとともに、冷却水を循環させることによって搬送過程の基板Wを冷却する機構を備えている。
ローカル搬送機構34は、上記ホットプレートおよび基板仮置部を挟んで搬送ロボットTR2とは反対側、すなわち装置背面側に設置されている。そして、基板仮置部は搬送ロボットTR2側およびローカル搬送機構34側の双方に対して開口している一方、ホットプレートはローカル搬送機構34側にのみ開口し、搬送ロボットTR2側には閉塞している。従って、基板仮置部に対しては搬送ロボットTR2およびローカル搬送機構34の双方がアクセスできるが、ホットプレートに対してはローカル搬送機構34のみがアクセス可能である。
このような構成を備える各加熱部PHP1〜PHP6に基板Wを搬入するときには、まず搬送ロボットTR2が基板仮置部に基板Wを載置する。そして、ローカル搬送機構34が基板仮置部から基板Wを受け取ってホットプレートまで搬送し、該基板Wに加熱処理が施される。ホットプレートでの加熱処理が終了した基板Wは、ローカル搬送機構34によって取り出されて基板仮置部まで搬送される。このときに、ローカル搬送機構34が備える冷却機能によって基板Wが冷却される。その後、基板仮置部まで搬送された熱処理後の基板Wが搬送ロボットTR2によって取り出される。
このように、加熱部PHP1〜PHP6においては、搬送ロボットTR2が常温の基板仮置部に対して基板Wの受け渡しを行うだけで、ホットプレートに対して直接に基板Wの受け渡しを行わないため、搬送ロボットTR2の温度上昇を抑制することができる。また、ホットプレートはローカル搬送機構34側にのみ開口しているため、ホットプレートから漏出した熱雰囲気によって搬送ロボットTR2やレジスト塗布処理部SCが悪影響を受けることが防止される。なお、クールプレートCP4〜CP9に対しては搬送ロボットTR2が直接基板Wの受け渡しを行う。
搬送ロボットTR2の構成は、搬送ロボットTR1と全く同じである。よって、搬送ロボットTR2は2個の保持アームをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー31,31に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部SCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、現像処理ブロック4について説明する。レジスト塗布ブロック3とインターフェイスブロック5との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック4が設けられている。レジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック3から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック4からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS5,PASS6の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁35を貫通して上下に設けられている。
現像処理ブロック4は、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック4は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部SDと、現像処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー41,42と、現像処理部SDおよび熱処理タワー41,42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。なお、搬送ロボットTR3は、上述した搬送ロボットTR1,TR2と全く同じ構成を有する。
現像処理部SDは、図2に示すように、同様の構成を備えた5つの現像処理ユニットSD1,SD2,SD3,SD4,SD5を下から順に積層配置して構成されている。なお、5つの現像処理ユニットSD1〜SD5を特に区別しない場合はこれらを総称して現像処理部SDとする。各現像処理ユニットSD1〜SD5は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック43、このスピンチャック43上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル44、スピンチャック43を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック43上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー41には、基板Wを所定の温度にまで加熱する5個のホットプレートHP7〜HP11と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP10〜CP13とが設けられている。この熱処理タワー41には、下から順にクールプレートCP10〜CP13、ホットプレートHP7〜HP11が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー42には、6個の加熱部PHP7〜PHP12とクールプレートCP14とが積層配置されている。各加熱部PHP7〜PHP12は、上述した加熱部PHP1〜PHP6と同様に、基板仮置部およびローカル搬送機構を備えた熱処理ユニットである。但し、各加熱部PHP7〜PHP12の基板仮置部およびクールプレートCP14はインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の側には開口しているが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3の側には閉塞している。つまり、加熱部PHP7〜PHP12およびクールプレートCP14に対してはインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4はアクセス可能であるが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3はアクセス不可である。なお、熱処理タワー41に組み込まれた熱処理ユニットに対しては現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3がアクセスする。
また、熱処理タワー42の最上段には、現像処理ブロック4と、これに隣接するインターフェイスブロック5との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック4からインターフェイスブロック5へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wをインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック5から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
次に、インターフェイスブロック5について説明する。インターフェイスブロック5は、現像処理ブロック4に隣接して設けられ、レジスト塗布処理が行われてレジスト膜が形成された基板Wをレジスト塗布ブロック3から受け取って本基板処理装置とは別体の外部装置である露光ユニットEXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光ユニットEXPから受け取って現像処理ブロック4に渡すブロックである。本実施形態のインターフェイスブロック5には、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構55の他に、レジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2と、現像処理ブロック4内に配設された加熱部PHP7〜PHP12、クールプレートCP14およびエッジ露光ユニットEEW1,EEW2に対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備えている。
エッジ露光ユニットEEW1,EEW2(2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2を特に区別しない場合はこれらを総称してエッジ露光部EEWとする)は、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56や、このスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2は、インターフェイスブロック5の中央部に上下に積層配置されている。このエッジ露光部EEWと現像処理ブロック4の熱処理タワー42とに隣接して配置されている搬送ロボットTR4は上述した搬送ロボットTR1〜TR3と同様の構成を備えている。
また、図2に示すように、2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2の下側には基板戻し用のリターンバッファRBFが設けられ、さらにその下側には2つの基板載置部PASS9,PASS10が上下に積層して設けられている。リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック4が基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック4の加熱部PHP7〜PHP12で露光後の加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。このリターンバッファRBFは、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。また、上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構55に基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS10は搬送機構55から搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行う。
搬送機構55は、図2に示すように、Y方向に水平移動可能な可動台55aを備え、この可動台55a上に基板Wを保持する保持アーム55bを搭載している。保持アーム55bは、可動台55aに対して昇降移動、旋回動作および旋回半径方向への進退移動が可能に構成されている。このような構成によって、搬送機構55は、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うとともに、基板載置部PASS9,PASS10に対する基板Wの受け渡しと、基板送り用のセンドバッファSBFに対する基板Wの収納および取り出しを行う。センドバッファSBFは、露光ユニットEXPが基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するもので、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。
以上のインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5には常に清浄空気がダウンフローとして供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれ、外部環境からのパーティクルや汚染物質の進入などを防いでいる。
また、上述したインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5は、本実施形態の基板処理装置を機構的に分割した単位である。各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置が構成されている。
一方、本実施形態では、基板搬送に係る搬送制御単位を機械的に分割したブロックとは別に構成している。本明細書では、このような基板搬送に係る搬送制御単位を「セル」と称する。1つのセルは、基板搬送を担当する搬送ロボットと、その搬送ロボットによって基板が搬送されうる搬送対象部とを含んで構成されている。そして、上述した各基板載置部が、セル内に基板Wを受け入れるための入口基板載置部またはセルから基板Wを払い出すための出口基板載置部として機能する。すなわち、セル間の基板Wの受け渡しも基板載置部を介して行われる。なお、セルを構成する搬送ロボットとしては、インデクサブロック1の基板移載機構12やインターフェイスブロック5の搬送機構55も含まれる。
本実施形態の基板処理装置には、インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセルの6つのセルが含まれている。インデクサセルは、載置台11と基板移載機構12とを含み、機械的に分割した単位であるインデクサブロック1と結果的に同じ構成となっている。また、バークセルは、下地塗布処理部BRCと2つの熱処理タワー21,21と搬送ロボットTR1とを含む。このバークセルも、機械的に分割した単位であるバークブロック2と結果として同じ構成になっている。さらに、レジスト塗布セルは、レジスト塗布処理部SCと2つの熱処理タワー31,31と搬送ロボットTR2とを含む。このレジスト塗布セルも、機械的に分割した単位であるレジスト塗布ブロック3と結果として同じ構成になっている。
一方、現像処理セルは、現像処理部SDと熱処理タワー41と搬送ロボットTR3とを含む。上述したように、搬送ロボットTR3は熱処理タワー42の加熱部PHP7〜PHP12およびクールプレートCP14に対してアクセスすることができず、現像処理セルに熱処理タワー42は含まれない。この点において、現像処理セルは機械的に分割した単位である現像処理ブロック4と異なる。
また、露光後ベークセルは、現像処理ブロック4に位置する熱処理タワー42と、インターフェイスブロック5に位置するエッジ露光部EEWと搬送ロボットTR4とを含む。すなわち、露光後ベークセルは、機械的に分割した単位である現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とにまたがるものである。このように露光後加熱処理を行う加熱部PHP7〜PHP12と搬送ロボットTR4とを含んで1つのセルを構成しているので、露光後の基板Wを速やかに加熱部PHP7〜PHP12に搬入して熱処理を行うことができる。このような構成は、パターンの露光を行った後なるべく速やかに加熱処理を行う必要のある化学増幅型レジストを使用した場合に好適である。
なお、熱処理タワー42に含まれる基板載置部PASS7,PASS8は現像処理セルの搬送ロボットTR3と露光後ベークセルの搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
インターフェイスセルは、外部装置である露光ユニットEXPに対して基板Wの受け渡しを行う搬送機構55を含んで構成されている。このインターフェイスセルは、搬送ロボットTR4やエッジ露光部EEWを含まない点で、機械的に分割した単位であるインターフェイスブロック5とは異なる構成となっている。なお、エッジ露光部EEWの下方に設けられた基板載置部PASS9,PASS10は露光後ベークセルの搬送ロボットTR4とインターフェイスセルの搬送機構55との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
次に、本実施形態の基板処理装置の制御機構について説明する。図6は、制御機構の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の基板処理装置は、メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラの3階層からなる制御階層を備えている。メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラのハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各コントローラは、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。
第1階層のメインコントローラMCは、基板処理装置全体に1つ設けられており、装置全体の管理、メインパネルMPの管理およびセルコントローラCCの管理を主に担当する。メインパネルMPは、メインコントローラMCのディスプレイとして機能するものである。また、メインコントローラMCに対してはキーボードKBから種々のコマンドを入力することができる。なお、メインパネルMPをタッチパネルにて構成し、メインパネルMPからメインコントローラMCに入力作業を行うようにしても良い。
第2階層のセルコントローラCCは、6つのセル(インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセル)のそれぞれに対して個別に設けられている。各セルコントローラCCは、対応するセル内の基板搬送管理およびユニット管理を主に担当する。具体的には、各セルのセルコントローラCCは、所定の基板載置部に基板Wを置いたという情報を、隣のセルのセルコントローラCCに送り、その基板Wを受け取ったセルのセルコントローラCCは、当該基板載置部から基板Wを受け取ったという情報を元のセルのセルコントローラCCに返すという情報の送受信を行う。このような情報の送受信はメインコントローラMCを介して行われる。そして、各セルコントローラCCはセル内に基板Wが搬入された旨の情報を搬送ロボットコントローラTCに与え、該搬送ロボットコントローラTCが搬送ロボットを制御してセル内で基板Wを所定の手順に従って循環搬送させる。なお、搬送ロボットコントローラTCは、セルコントローラCC上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される制御部である。
また、第3階層のユニットコントローラとしては、例えばスピンコントローラやベークコントローラが設けられている。スピンコントローラは、セルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置されたスピンユニット(塗布処理ユニットおよび現像処理ユニット)を直接制御するものである。具体的には、スピンコントローラは、例えばスピンユニットのスピンモータを制御して基板Wの回転数を調整する。また、ベークコントローラは、セルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置された熱処理ユニット(ホットプレート、クールプレート、加熱部等)を直接制御するものである。具体的には、ベークコントローラは、例えば熱処理プレートに内蔵されたヒータを制御してプレート温度等を調整する。
また、基板処理装置に設けられた3階層からなる制御階層のさらに上位の制御機構として、基板処理装置とLAN回線を介して接続されたホストコンピュータ100が位置している(図1参照)。ホストコンピュータ100は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えており、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。ホストコンピュータ100には、本実施形態の基板処理装置が通常複数台接続されている。ホストコンピュータ100は、接続されたそれぞれの基板処理装置に処理手順および処理条件を記述したレシピを渡す。ホストコンピュータ100から渡されたレシピは各基板処理装置のメインコントローラMCの記憶部(例えばメモリ)に記憶される。
なお、露光ユニットEXPには、上記の基板処理装置の制御機構から独立した別個の制御部が設けられている。すなわち、露光ユニットEXPは、基板処理装置のメインコントローラMCの制御下で動作しているものではなく、単体で独自の動作制御を行っているものである。もっとも、このような露光ユニットEXPもホストコンピュータ100から受け取ったレシピに従って動作制御を行っており、露光ユニットEXPにおける露光処理と同期した処理を基板処理装置が行うこととなる。
次に、本実施形態の基板処理装置の動作について説明する。ここでは、基板処理装置における一般的な基板Wの循環搬送の概略手順について簡単に説明する。以下に説明する処理手順は、ホストコンピュータ100から受け取ったレシピの記述内容に従ったものである。
まず、装置外部から未処理の基板WがキャリアCに収納された状態でAGV等によってインデクサブロック1に搬入される。続いて、インデクサブロック1から未処理の基板Wの払い出しが行われる。具体的には、インデクサセル(インデクサブロック1)の基板移載機構12が所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークセルの搬送ロボットTR1が保持アーム6a,6bのうちの一方を使用してその基板Wを受け取る。そして、搬送ロボットTR1は受け取った未処理の基板Wを塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットBRC1〜BRC3では、基板Wに反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。
塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送される。ホットプレートにて基板Wが加熱されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が形成される。その後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。なお、このときにクールプレートWCPによって基板Wを冷却するようにしても良い。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
また、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送するようにしても良い。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気雰囲気で基板Wを熱処理してレジスト膜と基板Wとの密着性を向上させる。密着強化処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。密着強化処理が行われた基板Wには反射防止膜を形成しないため、冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって直接基板載置部PASS3に載置される。
また、反射防止膜用の塗布液を塗布する前に脱水処理を行うようにしても良い。この場合はまず、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送する。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気を供給することなく基板Wに単に脱水のための加熱処理(デハイドベーク)を行う。脱水のための加熱処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送され、反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。その後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送され、加熱処理によって基板W上に下地の反射防止膜が形成される。さらにその後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却された後、基板載置部PASS3に載置される。
基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って塗布処理ユニットSC1〜SC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットSC1〜SC3では、基板Wにレジストが回転塗布される。なお、レジスト塗布処理には精密な基板温調が要求されるため、基板Wを塗布処理ユニットSC1〜SC3に搬送する直前にクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送するようにしても良い。
レジスト塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6のいずれかに搬送される。加熱部PHP1〜PHP6にて基板Wが加熱処理されることにより、レジスト中の溶媒成分が除去されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6から取り出された基板WはクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
レジスト塗布処理が行われてレジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS7に載置する。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wは露光後ベークセルの搬送ロボットTR4によって受け取られ、エッジ露光ユニットEEW1,EEW2のいずれかに搬入される。エッジ露光ユニットEEW1,EEW2においては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS9に載置される。そして、基板載置部PASS9に載置された基板Wはインターフェイスセルの搬送機構55によって受け取られ、露光ユニットEXPに搬入され、パターン露光処理に供される。本実施形態では化学増幅型レジストを使用しているため、基板W上に形成されたレジスト膜のうち露光された部分では光化学反応によって酸が生成する。なお、エッジ露光処理が終了した基板Wを露光ユニットEXPに搬入する前に、搬送ロボットTR4によってクールプレート14に搬入して冷却処理を行うようにしても良い。
パターン露光処理が終了した露光済みの基板Wは露光ユニットEXPから再びインターフェイスセルに戻され、搬送機構55によって基板載置部PASS10に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS10に載置されると、露光後ベークセルの搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って加熱部PHP7〜PHP12のいずれかに搬送する。加熱部PHP7〜PHP12では、露光時の光化学反応によって生じた生成物を酸触媒としてレジストの樹脂の架橋・重合等の反応を進行させ、現像液に対する溶解度を露光部分のみ局所的に変化させるための加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱処理が終了した基板Wは、冷却機構を備えたローカル搬送機構(加熱部PHP7〜PHP12内の搬送機構:図1参照)によって搬送されることにより冷却され、上記化学反応が停止する。続いて基板Wは、搬送ロボットTR4によって加熱部PHP7〜PHP12から取り出され、基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に基板Wが載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってクールプレートCP10〜CP13のいずれかに搬送する。クールプレートCP10〜CP13においては、露光後加熱処理が終了した基板Wがさらに冷却され、所定温度に正確に温調される。その後、搬送ロボットTR3は、クールプレートCP10〜CP13から基板Wを取り出して現像処理ユニットSD1〜SD5のいずれかに搬送する。現像処理ユニットSD1〜SD5では、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によってホットプレートHP7〜HP11のいずれかに搬送され、さらにその後クールプレートCP10〜CP13のいずれかに搬送される。
その後、基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークセルの搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置されることにより、インデクサブロック1に格納される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板Wはインデクサセルの基板移載機構12によって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
上述のように、本実施形態の基板処理装置には多数の熱処理ユニットが備えられており、精密なフォトリソグラフィー処理を実行するためには各熱処理ユニット、特に加熱処理を行う熱処理ユニットにおける基板温度の測定が不可欠となる。以下、本発明に係る基板温度測定方法について説明する。
図7は、本発明に係る基板温度測定方法を実行する基板熱処理装置の全体構成図である。また、図8は、基板熱処理装置の要部平面図である。ここでは、本発明に係る基板熱処理装置の一例としてホットプレートHP1について説明する。なお、本発明に係る基板熱処理装置はホットプレートHP1に限定されるものではなく、他の熱処理ユニットであっても良い。
ホットプレートHP1は、チャンバー61の内側に熱処理プレート70とチャンバー上蓋80とを収容して構成されている。チャンバー61は、例えばステンレススチール等の金属材料を用いて構成される筐体である。チャンバー61の側壁面には、搬送ロボットTR1の保持アーム6a,6bが出入りするための開口62が形成されている。開口62は、図示を省略する開閉機構によって昇降するシャッター63により開閉可能とされる。シャッター63は耐熱性を有する樹脂材料(例えばポリイミド)にて形成されている。ホットプレートHP1にて熱処理を行うときには、シャッター63が開口62を閉塞し(図7の状態)、チャンバー61の内部を密閉空間とする。また、搬送ロボットTR1がホットプレートHP1に対して基板Wの搬出入を行うときには、シャッター63が開口62を開放し、保持アーム6a,6bの進退移動を可能ならしめる。
熱処理プレート70は略円板形状を有し、ベークコントローラ(図6)によって制御されるヒータを内蔵する。熱処理プレート70の上面にはセラミックス製のプロキシミティボール71が例えば3個埋設されている。処理対象となる基板Wはプロキシミティボール71を介して所定のギャップ(例えば、0.1mm)を隔てて熱処理プレート70に載置される。また、熱処理プレート70の下方にはエアシリンダ73が設けられており、このエアシリンダ73によって複数本(例えば3本)の支持ピン72が一斉に昇降される。支持ピン72の先端部分は、熱処理プレート70に上下方向に穿設された貫通孔に挿通されており、エアシリンダ73が支持ピン72を上昇させたときにはその先端部が熱処理プレート70から上方に突出し、エアシリンダ73が支持ピン72を下降させたときにはその先端部が熱処理プレート70の上面よりも低い位置にまで戻る。これにより、支持ピン72が上昇して基板Wを熱処理プレート70から持ち上げることと、支持ピン72が下降して基板Wを熱処理プレート70上に渡すこととが可能となる。
チャンバー61内には、熱処理プレート70の上方を覆うようにチャンバー上蓋80が設けられている。図7中矢印AR7にて示すように、チャンバー上蓋80は図示を省略する昇降機構によって、熱処理プレート70から上方に離間した待機位置(図7の位置)と熱処理プレート70に近接する処理位置(図11の位置)との間で昇降可能とされている。ホットプレートHP1にて熱処理を行うときには、チャンバー上蓋80が処理位置まで下降する。また、搬送ロボットTR1がホットプレートHP1に対して基板Wの搬出入を行うときには、チャンバー上蓋80が待機位置まで上昇する。
チャンバー上蓋80には、中継アンテナ81が取り付けられている。中継アンテナ81は、平板状の第1アンテナ部81aとコイル状の第2アンテナ部81bとを連結して構成されている。第2アンテナ部81bは、チャンバー上蓋80の内側上面の周縁部に沿って略円環状に設置されている。一方、第1アンテナ部81aは、チャンバー上蓋80の外側にシャッター63と対向するように設置されている。
ホットプレートHP1にて基板温度測定を行うときには、温度測定専用の測温用基板MWを熱処理プレート70上に載置する。測温用基板MWは、通常処理される基板Wと同じ材質(例えばシリコン)を使用して同形状(例えばφ300mmの円板形状)に形成されている。図8に示すように、測温用基板MWの上面には、水晶振動子90にコイル91を接続して形成される検温素子Sが9箇所に取り付けられている。本実施形態では、測温用基板MWの上面の中心部に1個、同一円周上に沿って45°間隔で8個の検温素子Sが設置されている。
図9は、検温素子Sの斜視図である。水晶振動子90はハーメチックシールされた状態で、伝熱セメントを介して測温用基板MWに取り付けられている。この水晶振動子90に、コイル軸心が鉛直方向(基板面に対して垂直な方向)を向く状態でコイル91が接続されている。なお、上述したコイル状の第2アンテナ部81bのコイル軸心とコイル91のコイル軸心とが同方向を向くように、すなわち、第2アンテナ部81bのコイル軸心も鉛直方向を向くように中継アンテナ81はチャンバー上蓋80に取り付けられている。また、チャンバー上蓋80が処理位置まで下降したときであっても、検温素子Sと第2アンテナ部81bとが非接触な状態となるように中継アンテナ81はチャンバー上蓋80に取り付けられている。
また、ホットプレートHP1にて基板温度測定を行うときには、搬送ロボットTR1の保持アーム6aの先端に送受信アンテナ83を取り付ける。すなわち、送受信アンテナ83はチャンバー61の外部に設置されることとなる。送受信アンテナ83は切替器84を介して発信器85と周波数弁別器86とに接続されている。周波数弁別器86は受信器87に接続されている。発信器85は、9個の水晶振動子90のそれぞれの固有振動数に相当する周波数(f1,f2,f3,・・・,f9)の送信波の発信とその停止とを順次に行う。受信器87は、周波数弁別器86によって弁別された9個の水晶振動子90のそれぞれに対応する周波数を中心とする所定帯域の電磁波を受信する。
さらに、受信器87には周波数カウンタ88が接続され、その周波数カウンタ88には温度算定部89が接続されている。周波数カウンタ88は、受信器87が受信した電磁波の周波数を計数する。温度算定部89は、周波数カウンタ88によって計数された周波数に基づいて測温用基板MWの温度を算定する。
測温用基板MWの温度測定についてさらに詳述すると、水晶は、その結晶から切り出す角度により固有振動数が異なるとともに多種多様の温度特性を有し、それらのうちのいわゆるYsカットのものが温度に対する送受信周波数の変化率が大きい。図10にそのような水晶における送受信周波数の変化率と温度との相関を示す。同図において、”f”は水晶に与える送信波の周波数であり、”Δf”は該水晶から受信した電磁波の周波数から前記送信波の周波数を減じた差分である。すなわち、水晶振動子90にその固有振動数に相当する周波数の送信波を送信し、送信停止後に水晶振動子90から受信した電磁波の周波数を測定すれば、図10の相関に基づいて測温用基板MWの温度を算定することができるのである。なお、測温用基板MWに取り付けられている9個の水晶振動子90は切り出し角度によって固有振動数が互いに異なっている。
次に、上述した構成を備えるホットプレートHP1にて基板温度測定を行う動作について説明する。まず、温度測定の対象である熱処理ユニットに9個の検温素子Sを取り付けた測温用基板MWを搬入する。ここでは、搬送ロボットTR1を使用して測温用基板MWをホットプレートHP1に搬入する。測温用基板MWの搬入および加熱処理は通常の基板Wに対するのと同様に行われる。すなわち、搬送ロボットTR1によってチャンバー61内に搬入された測温用基板MWは上昇した支持ピン72によって受け取られ、その支持ピン72が下降することによって測温用基板MWが熱処理プレート70上に載置される。その後、シャッター63が開口62を閉塞するとともに、チャンバー上蓋80が処理位置まで下降し、測温用基板MWが熱処理プレート70によって昇温される。
一方、搬送ロボットTR1の保持アーム6aの先端には送受信アンテナ83が取り付けられる。そして、送受信アンテナ83がホットプレートHP1のシャッター63に対向するように、搬送ロボットTR1が昇降および旋回動作を行うとともに、送受信アンテナ83がシャッター63に近接する位置にまで保持アーム6aが前進する。なお、送受信アンテナ83は搬送ロボットTR1の保持アーム6bの先端に取り付けられても良い。
このような状態にて測温用基板MWの温度計測が実行される。図11は、基板温度測定時の基板熱処理装置を示す図である。まず、切替器84が発信器85側に切り替えられ、送受信アンテナ83と発信器85とが接続される。次に、測温用基板MWに取り付けられた9個の水晶振動子90のうちの1つの水晶振動子90の固有振動数に相当する周波数f1の送信波を発信器85から発信する。発信した送信波の周波数(ここではf1)については発信器85から周波数弁別器86および温度算定部89に電気信号として伝達される。
図11に示すように、この送信波は送受信アンテナ83から中継アンテナ81を経由して測温用基板MW上面に取り付けられた検温素子Sに送信される。その結果、9個の検温素子Sが有する水晶振動子90のうち周波数f1に対応する固有振動数を有する水晶振動子90が周波数f1にて共振する。続いて、発信器85の発信を停止して送信波の送信を停止するとともに、切替器84を周波数弁別器86側に切り替える。
送信波が送信停止されることによって、上記共振した水晶振動子90は測温用基板MWの温度(正確にはその水晶振動子90が取り付けられた位置における温度)に応じた周波数で減衰振動する。この減衰振動に起因した電気信号がコイル91を介して電磁波として放出される。周波数f1にて共振した水晶振動子90を有する検温素子Sのコイル91から放出された電磁波は中継アンテナ81を経由して送受信アンテナ83によって受信される。その受信された電磁波からは、発信した送信波に対応する周波数を中心とした所定帯域の電磁波が周波数弁別器86によって弁別される。弁別された電磁波は受信器87によって電気信号に変換される。周波数カウンタ88は、この電気信号の周波数を計数し、その計数値を温度算定部89に伝達する。温度算定部89は、周波数カウンタ88にて計数された電気信号の周波数(つまり受信した電磁波の周波数)および発信器85から伝達された送信波の周波数に基づいて、図10の相関関係から上記水晶振動子90(周波数f1にて共振した水晶振動子90)が取り付けられた位置における測温用基板MWの温度を算定する。なお、シャッター63が電磁波を透過する非金属性材料である樹脂材料にて形成されているため、送受信アンテナ83と中継アンテナ81との間の送受信がシャッター63によって阻害されるおそれはない。なお、シャッター63の材質としては樹脂材料に限定されるものではなく、電磁波を透過する金属以外の材料、例えばセラミックス等で形成するようにしても同様の効果を得ることができる。
次に、切替器84が再び発信器85側に切り替えられ、送受信アンテナ83と発信器85とが接続される。そして、測温用基板MWに取り付けられた9個の水晶振動子90のうちの上記とは異なる他の1つの水晶振動子90の固有振動数に相当する周波数f2の送信波を発信器85から発信する。この送信波も送受信アンテナ83から中継アンテナ81を経由して測温用基板MW上面に取り付けられた検温素子Sに送信される。その結果、周波数f2に対応する固有振動数を有する水晶振動子90が周波数f2にて共振する。続いて、発信器85の発信を停止して送信波の送信を停止するとともに、切替器84を周波数弁別器86側に再度切り替える。
送信波の送信停止後に、周波数f2にて共振した水晶振動子90を有する検温素子Sのコイル91から放出された電磁波が中継アンテナ81を経由して送受信アンテナ83によって受信される。このときには既に測定が終了している周波数f1にて共振した水晶振動子90に接続されたコイル91から放出された電磁波も送受信アンテナ83によって受信されることとなるが、周波数弁別器86によって発信器85が発信した送信波に対応する周波数を中心とした所定帯域の電磁波が弁別されるため、周波数f2にて共振した水晶振動子90に接続されたコイル91から放出された電磁波のみが受信器87によって電気信号に変換される。周波数カウンタ88は、この電気信号の周波数を計数し、その計数値を温度算定部89に伝達する。温度算定部89は、周波数カウンタ88にて計数された電気信号の周波数および発信器85から伝達された送信波の周波数に基づいて、図10の相関関係から上記水晶振動子90(周波数f2にて共振した水晶振動子90)が取り付けられた位置における測温用基板MWの温度を算定する。
以降、同様の手順が繰り返されて、9個の検温素子Sのそれぞれが取り付けられた位置における測温用基板MWの温度が順次に測定される。その結果、測温用基板MW全体における温度分布も知ることができる。そして、他の熱処理ユニット、例えばホットプレートHP2において測温を行うときには、測温用基板MWをホットプレートHP2に搬入して上記と同様の動作手順を実行する。
このように、本実施形態においては、測温用基板MWに取り付けられた9個の水晶振動子90のそれぞれの固有振動数に相当する周波数(f1,f2,f3,・・・,f9)の送信波を送受信アンテナ83から中継アンテナ81を経由して順次に検温素子Sに向けて送信することによって当該周波数に対応する固有振動数を有する水晶振動子90を共振させ、その送信波の送信を停止した後に共振した水晶振動子90を有する検温素子Sから放出された電磁波を中継アンテナ81を経由して送受信アンテナ83にて受信し、その受信した電磁波の周波数および送信波の周波数に基づいて測温用基板MWの9箇所(検温素子Sが取り付けられた箇所)における温度測定を行っている。
このようにすれば、測温用基板MWに信号伝達用のケーブルを接続することなく、その温度を非接触にて測定しているため、チャンバー61内部の密閉度を高く維持することができ、温度測定の精度を高いものとすることができる。また、測温用基板MW上にはバッテリ等を搭載する必要はなく、水晶振動子90にコイル91を接続して形成される検温素子Sを取り付けるだけで良い。水晶振動子90は耐熱性が高いため、測温用基板MWを比較的高温(約200℃)にまで昇温したとしても、精度良く温度測定を行うことができる。また、水晶振動子90を使用すれば二色温度計のように基板表面の影響を受けることも防止される。
さらに、各熱処理ユニットには中継アンテナ81が設けられているだけであって、その中継アンテナ81には配線接続はなされていない。従って、各熱処理ユニットにおける配線数は従来と変わりなく、本実施形態の基板処理装置の如く熱処理ユニットを多段に積層配置した場合であっても、配線の取り回しが困難になることは防止される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においてはチャンバー上蓋80に中継アンテナ81を取り付け、その中継アンテナ81を介して送受信アンテナ83と検温素子Sとの間の送受信を行うようにしていたが、これに代えて図12〜図14に示すような形態としても良い。図12は、基板熱処理装置の他の例を示す全体構成図である。また、図13は、図12における測温用基板MW2の平面図である。さらに、図14は、測温用基板MW2のアンテナ基板を矢印AR13の向きから見た正面図である。なお、図12〜図14において、上記実施形態と同じ部材については同一の符号を付している。
図12〜図14に示す例においては、チャンバー上蓋80に中継アンテナ81を設けていない。その代わりに、測温用基板MW2に取り付けた9個の水晶振動子90のそれぞれとアンテナ基板95に固設したアンテナ96とをアンテナ線97を介して接続している。測温用基板MW2は、測温用基板MWと同じく、通常処理される基板Wと同じ材質を使用して同形状に形成されている。9個の水晶振動子90も上記実施形態と同様に、測温用基板MW2の上面の中心部に1個、同一円周上に沿って45°間隔で8個が設置されている。
各水晶振動子90にコイル91は設けられていないが、アンテナ線97が接続されている。9本のアンテナ線97は、測温用基板MW2に固設されたフレキシブル基板94に取り付けられている。フレキシブル基板94の端部にはアンテナ基板95が固設されている。アンテナ基板95には9個のアンテナ96が列設されており、それぞれのアンテナ96とアンテナ線97とが接続される。これによって、アンテナ基板95に取り付けられた9個のアンテナ96と9個の水晶振動子90とがアンテナ線97を介して1対1に接続されることとなる。
この測温用基板MW2を使用して測温を行うときには、アンテナ基板95がシャッター63に対向するように、つまり搬送ロボットTR1の保持アーム6aに対向するように測温用基板MW2を熱処理プレート70上に載置する。基板温度測定を行う動作については、中継アンテナ81を経由せずに送受信アンテナ83とアンテナ96との間で直接送受信を行う点以外は上記実施形態と同じである。このようにしても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、測定用基板MWに9個の検温素子Sを取り付けていたが、検温素子Sの設置数および設置位置については任意のものとすることができる。
また、上記実施形態においては、水晶振動子90にコイル91を接続して検温素子Sを形成したが、コイル91に代えて種々の構成のアンテナを水晶振動子90に接続するようにしてもよい。
また、上述した基板温度測定方法は、ホットプレートHP1だけでなくクールプレートをも含む他の熱処理ユニットにも適用できることは勿論である。さらに、上述した基板温度測定方法は、熱処理ユニットにおける基板温度測定に限らず、本実施形態のスピンユニットや露光ユニットの他、洗浄装置、成膜装置、検査装置等の種々の基板処理装置における基板温度測定に適用できる。