JP2007019135A - 基板の洗浄方法およびこの洗浄方法を用いた振動体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリースが付着した基板からのグリースの除去を効率的に行うことができる基板の洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】1枚の基板から複数の電気部品を得ることができる基板1であって、上面1aと、この上面1aと対向して位置する裏面1bと、前記上面1aおよび前記裏面1b間に位置する1または複数の側面1cを備えた基板の洗浄方法において、グリースが付着した基板1を洗浄液10に浸漬して揺動させる工程と、洗浄液10中で前記基板1の超音波洗浄を行う工程とを備えたものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、1枚の基板から複数の電気部品を得ることができる基板の洗浄方法に関するものである。
基板を洗浄する方法としては超音波洗浄があり、この超音波洗浄は広く知られている技術である。
このような基板の洗浄方法に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−31540号公報
しかしながら、このような従来の基板の洗浄方法は、塵や埃を除去する時のような短時間での処理を想定しており、基板に付着したグリースを除去するには不十分であった。そのため、超音波洗浄の時間を長くする必要が生じ、生産効率が低下してしまうという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、グリースが付着した基板からのグリースの除去を効率的に行うことができる基板の洗浄方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、1枚の基板から複数の電気部品を得ることができる基板であって、上面と、この上面と対向して位置する裏面と、前記上面および前記裏面間に位置する1または複数の側面を備えた基板の洗浄方法において、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程と、洗浄液中で前記基板の超音波洗浄を行う工程とを備えたもので、この基板の洗浄方法によれば、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させた後、洗浄液中で基板の超音波洗浄を行うようにしているため、基板からのグリースの除去を効率よく行うことができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程において、前記基板をこの基板の上面の法線に直角な方向に揺動させたもので、この基板の洗浄方法によれば、基板をこの基板の上面の法線に直角な方向に揺動させているため、基板には洗浄液の水圧がかかりにくくなり、これにより、基板の強度が弱い場合であっても、基板を変形させたり、あるいは破損させることなく基板からグリースを除去することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程において、前記基板をこの基板の上面の法線方向が水平方向になるようにして揺動させたもので、この基板の洗浄方法によれば、基板をこの基板の上面の法線方向が水平方向になるようにして揺動させているため、基板に付着したグリースの除去は、グリースの比重が洗浄液の比重より小さいときはグリースの浮力により、またグリースの比重が洗浄液の比重より大きいときはグリースが沈む力により行わせることができ、これにより、基板の上面、裏面を問わずグリースが基板から剥離しやすくなるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程において、前記基板の揺動を鉛直方向にしたもので、この基板の洗浄方法によれば、基板の揺動を鉛直方向にしているため、基板の揺動により基板に付着したグリースにかかる力が、グリースの浮力または沈む力により基板からのグリースの剥離を促進するという作用効果を有するものである。
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、グリースが付着した基板を揺動させる工程の前に、前記グリースを介在させることにより支持体と基板とを固定する工程と、前記基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程と、前記基板を前記支持体から分離させる工程とを付加したもので、この基板の洗浄方法によれば、グリースを介在させることにより支持体と基板とを固定しているため、基板と支持体とをテープによって固定する場合などに比べて基板と支持体との熱伝達率を向上させることができ、これにより、ドライエッチング時に基板に生じる熱を効率よく支持体へ放熱することができ、さらには基板からの剥離も容易になるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、基板をSiで構成された基体とこの基体上に積層された電極薄膜層および圧電薄膜層とで構成し、前記基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程を、前記基板上に形成された前記電極薄膜層および前記圧電薄膜層並びに前記基板を所定の形状に形成する工程としたもので、この基板の洗浄方法によれば、基板上に形成された電極薄膜層および圧電薄膜層並びに前記基板を所定の形状に形成しているため、電極薄膜層、圧電薄膜層、およびSiで構成された基板をドライエッチングした際のこれらの残骸が基板に付着していても、グリースを除去する洗浄工程において、これらの残骸を同時に除去することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、電極薄膜層を貴金属で構成し、かつ圧電薄膜層をチタン酸ジルコン酸鉛で構成したもので、この基板の洗浄方法によれば、ドライエッチングした際のこれらの残骸が基板に付着していても、グリースを除去する洗浄工程において、これらの残骸を同時に除去することができるとともに、基板から圧電技術を利用した振動体を得ることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項8に記載の発明は、特に、基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程において、基板に複数の音叉形状の振動体を形成するようにしたもので、この基板の洗浄方法によれば、ドライエッチングにより基板に複数の音叉形状の振動体を形成するようにしているため、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない音叉形状の振動体を得ることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項9に記載の発明は、特に、グリースを熱伝導性フィラーを添加したもので構成したもので、この基板の洗浄方法によれば、基板の加工時に、このグリースによって基板を固定することが可能となり、かつ加工時に基板に生じる熱を効率よく放熱することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項10に記載の発明は、基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程において、基板に複数の音叉形状の振動体を形成した後、基板上に形成された複数の音叉形状の振動体を個片の振動体に分割する工程を付加したもので、この振動体の製造方法によれば、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない圧電振動体を得ることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項11に記載の発明は、特に、グリースを熱伝導性フィラーを添加したもので構成したもので、この振動体の製造方法によれば、基板の加工時に、このグリースによって基板を固定することが可能となり、かつ加工時における基板に生じる熱を効率よく放熱することができ、これにより、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない圧電振動体を得ることができるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の基板の洗浄方法は、1枚の基板から複数の電気部品を得ることができる基板であって、上面と、この上面と対向して位置する裏面と、前記上面および前記裏面間に位置する1または複数の側面を備えた基板の洗浄方法において、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程と、洗浄液中で前記基板の超音波洗浄を行う工程とを備えているため、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させた後、洗浄液中で基板の超音波洗浄を行うことができ、これにより、基板からのグリースの除去を効率よく行うことができるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態における基板の洗浄方法のドライエッチング時の基板周辺部の正面図、図2は同基板の洗浄方法におけるドライエッチング後の基板周辺部の断面図、図3は同基板の洗浄方法におけるドライエッチング後の基板の平面図、図4は同基板の洗浄方法における振動素子の平面図、図5(a)は同基板の洗浄方法における洗浄時の基板を正面方向から見た図、図5(b)は同基板の洗浄方法における洗浄時の基板を側面方向から見た図である。なお、各図面は、理解を容易にするための模式図であり、縦方向と横方向における縮尺は同一ではなく、また、説明に関係のない部分は省略して記載している。
図1〜図5(a)(b)において、1はSiからなる基板で、この基板1は直径を100mm、厚みを200μmとしているものである。1aは基板1の上面、1bは基板1の上面1aと対向する裏面、1cは基板1の上面1aと裏面1b間に位置する側面である。各図面において、基板1の上面の構成物は省略して記載しているが、基板1から作り出すデバイスに応じて、電極や保護膜、あるいはPZT膜などの誘電体や圧電体が形成されている。2は基板1を支持するための支持体で、この支持体2はSiで構成され、直径100mm、厚みが500μmの外形を有するものである。3は基板1と支持体2との間に介在されている固定用のグリースで、この固定用のグリース3は熱伝導性フィラーである窒化アルミニウムをグリースに添加したものからなり、基板1を支持体2に固定するためのものである。なお、この場合、グリースに添加される添加物は、窒化アルミニウムに限定されるものではなく、それ以外の熱伝導性フィラーである窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を用いても良いものである。4は基板1をドライエッチングすることにより基板1に形成されたエッチング孔である。5は振動子の基体、6a,6bは振動素子の振動部である。7は個片の振動素子に分割するための分割部を示した分割線である。なお、この分割線7は仮想線であり、実際には目視できない。8は前記基体5と振動部6a,6bからなる振動素子である。実際の振動素子は、電極や、その種類によってはPZT膜、あるいは保護膜が形成されているが、これらは省略して図示している。9は容器で、この容器9には洗浄液10が入れられている。この洗浄液としては、イソプロピルアルコールやジメチルスルホキシドとN−メチル−2−ピロリドンを用いればよい。
次に、本発明の一実施の形態における基板の洗浄方法について、洗浄工程の前後を含めて説明する。
まず、最初に基板1の支持体2への固定を行う。具体的には、以下の順序で行う。
まず、支持体2の上面に固定用のグリース3を薄く塗布する。そしてこの固定用のグリース3が塗布された支持体2を減圧装置の中に入れ、減圧装置内の空気圧を大気圧より低い圧力に下げる。これと同時に、または、これと前後して支持体2を加熱し、固定用のグリース3を流動体状、または半流動体状にする。これは、固定用のグリース3の中、および支持体2と固定用のグリース3との間に空気が混入するのを防ぐためである。減圧装置内の空気圧は、大気圧よりも低ければ基板1が支持体2に固定されるようになり、理想としては真空状態がよいが、10Pa以下の気圧が実用上は好ましい。また、固定用のグリース3は常温ではペースト状であるため、支持体2への塗布方法を工夫することにより空気の混入を防止することができると考えられるが、空気の混入を防ぐためには加熱した方が好ましく、その温度は60℃〜90℃が好ましい。この場合、固定用のグリース3の温度が60℃未満では、固定用のグリース3の粘度が高くなって、薄く均一に塗布することが困難となるものであり、一方、90℃を超えた場合は、固定用のグリース3の成分の一部が蒸発して、減圧装置内の真空度が悪化するものであり、したがって、固定用のグリース3の加熱温度は60℃〜90℃の範囲が好ましい。
次に、減圧装置内で基板1を支持体2における固定用のグリース3が塗布された部分に載せる。減圧装置内の気圧、および支持体2の温度が設定値になっていることを確認して、基板1を支持体2に押し当てて貼り合わせる。このとき、固定用のグリース3は、基板1と支持体2とに挟まれた状態になる。基板1の支持体2への貼り合わせができたら、減圧装置内の気圧を大気圧に戻し、支持体2への加熱も終了させて常温へ戻す。これらの一連の工程を行うことにより、固定用のグリース3が接着剤的役割を果たして基板1を支持体2へ接着させることができる。
次に、基板1のドライエッチングを行う。この場合、まず、基板1が接着された支持体2を減圧装置から取出し、エッチング装置へ入れる。そして、エッチング装置内でドライエッチングを行う。勿論、このエッチングにおいては、基板1を所定の形状に加工するために、マスクを用いたり、あらかじめ基板1にレジストを形成しておく等の手段が必要である。
エッチングにより基板1に貫通孔を形成した場合、図2に示すように、ドライエッチングによるプラズマやイオン等は基板1に孔を開けて基板1を通過し、そして、支持体2にぶつかり、支持体2の一部を削ることになるがエッチング装置を削ることはない。
また、エッチングの際には、通常温度が上昇してしまうが、この上昇温度によっては、基板1上に形成したレジストが焼けたり、あるいは基板1に何らかの障害が生じたり、基板1やエッチング用のマスクの温度膨張により加工精度が低くなるといったことが懸念される。これを防止するためにエッチング装置内全体、または基板1、支持体2等を冷却することが行われるが、本発明の一実施の形態においては、基板1と支持体2との接着を接着テープではなく、固定用のグリース3で行っているため、熱伝達性に優れたものが得られ、これにより、基板1からの熱を効率よく支持体2へ放熱することができるものである。
エッチングが終了した後は、基板1が接着された支持体2をエッチング装置から取り出す。この後、必要に応じて基板1の表面に保護膜の形成を行うための工程や、電極となる部分のめっき等が行われる。
次に、基板1の支持体2からの分離方法について説明する。まず、固定用のグリース3を加熱して軟化させる。そして、基板1を支持体2との接着面に平行な方向にずらすようにして基板1を支持体2から分離させる。前記固定用のグリース3の加熱は、基板1を支持体2から分離させるための抵抗を少なくするためのものであるから、固定用のグリース3を流動体、または半流動体にしてもよいが、そこまでの温度まで加熱しなくても良いものである。この場合、固定用のグリース3の加熱温度は60℃〜90℃の範囲が好ましいものである。すなわち、60℃未満では、固定用のグリース3の粘度が高くなって、基板1を支持体2から分離するのに抵抗が大きくなるものであり、一方、90℃以上では、基板1が過剰に加熱されて品質に悪影響をもたらすからである。
このようにして、基板1はドライエッチングにより所定の形状に加工されるが、基板1に固定用のグリース3が付着しているので、これを除去する必要がある。
固定用のグリース3を除去する場合は、まず、洗浄液10に基板1を浸漬し、基板1を洗浄液10中で揺動させ、その後、洗浄液10で超音波洗浄を行う。この揺動の方向は、図5(a)、(b)の矢印に示すように、基板1の上面1aの法線(上面1aの面と直角な方向の仮想線)と直角な方向にすると、固定用のグリース3がより効率よく除去されるので好ましい。また、このようにすることにより、上面1aおよび裏面1bにかかる水圧を低減させることができるため、基板1の剛性が低い場合であっても基板1を変形させたり、破損させるのを防止することができるもので、厚みの薄い基板1の洗浄方法として好適である。
そしてまた、基板1を洗浄液10中で揺動させる際に、基板1の上面1aの法線方向を水平方向にした場合は、洗浄液10と固定用のグリース3との比重の関係により、固定用のグリース3が浮こうとする場合、あるいは沈もうとする場合であっても、基板1の上面1a、裏面1bの違いによる固定用のグリース3の除去のムラを低減させることができる。
さらに、基板1を洗浄液10中で揺動させる際に、基板1の揺動を鉛直方向にした場合は、この鉛直方向の揺動により、洗浄液10中で固定用のグリース3が浮こうとする力または沈もうとする力による基板1からの固定用のグリース3の剥離を促進させることが期待できるものである。
そして、基板1を揺動させた後に、洗浄液中で基板1の超音波洗浄を行って基板1から固定用のグリース3を除去する。基板1に形成された構造体が振動体であって、その振動体の大きさが小さい場合には、この振動体の共振周波数が超音波洗浄の周波数帯域と重なる場合が生じる。振動体の共振周波数と超音波洗浄の周波数とが一致すると、振動体は共振し、振動体の破損、すなわち基板1の破損につながるため、超音波洗浄の周波数は、振動体の共振周波数と一致しない周波数にすべきである。勿論、超音波洗浄の周波数が、振動体の共振周波数の整数倍であるときにも振動体が共振してしまうため、この周波数は避けるべきであるが、整数倍の数値が大きくなると共振のエネルギーが減少するため数値が十分大きければ気にする必要はなくなる。この超音波洗浄により基板1から固定用のグリース3を除去することができる。
最後に、分割線7に沿ってダイシングすることにより、図4に示す振動素子8を得ることができる。
以上のように本発明の一実施の形態においては、基板1に付着した固定用のグリース3を除去するために、まず、洗浄液10中で基板1を揺動させた後に超音波洗浄を行うようにしているため、基板1に付着した固定用のグリース3の洗浄を効率よく行うことができる。なぜ、このようにすると、基板1の洗浄を効率よく行うことができるのかは技術的に解明された訳ではないが、洗浄液10中での基板1の揺動により固定用のグリース3の大きなかたまりが基板1から離れ、そして超音波洗浄により固定用のグリース3の小さなかたまりが基板1から除去されるため、固定用のグリース3のすべてを超音波洗浄で除去する場合に比べ効率よく洗浄を行うことができるのではないかと考えられる。
また、固定用のグリース3が付着した基板1を洗浄液10に浸漬して揺動させる工程において、基板1をこの基板1の上面の法線に直角な方向に揺動させると、基板1に洗浄液10の水圧がかかりにくくなり、基板1の強度が弱い場合であっても、基板1を変形させたり、あるいは破損させることなく基板1から固定用のグリース3を除去することができる。
そしてまた、固定用のグリース3が付着した基板1を洗浄液10に浸漬して揺動させる工程において、基板1をこの基板1の上面の法線方向が水平方向になるようにして揺動させると、基板1に付着した固定用のグリース3の除去は、固定用のグリース3の比重が洗浄液10の比重より小さいときは固定用のグリース3の浮力により、また固定用のグリース3の比重が洗浄液10の比重より大きいときは固定用のグリース3が沈む力により行わせることができるので、基板1の上面、裏面を問わず固定用のグリース3が基板1から剥離しやすくなる。
さらに、固定用のグリース3が付着した基板1を洗浄液10に浸漬して揺動させる工程において、基板1の揺動を鉛直方向にすると、基板1の揺動により基板1に付着した固定用のグリース3にかかる力が、固定用のグリース3の浮力または沈む力による基板1からの固定用のグリース3の剥離を促進する。
さらにまた、基板1を支持体2上に固定用のグリース3を介して固定しているため、基板1と支持体2間の熱伝達がよくなり、これにより、エッチング時の放熱や、基板1を支持体2上に固定する際の加熱を効率よく行わせることができるものである。そしてまた、基板1を支持体2上に固定しているため、エッチング装置をエッチングしてしまうのも防止することができ、これにより、基板1の取扱いが容易となるものである。
特に、固定用のグリース3として熱伝導性フィラー、例えば窒化アルミニウムを添加した場合には、基板1と支持体2間の熱伝導が非常に良好であるため好ましい。また、窒化アルミニウムを添加した固定用のグリース3を超音波洗浄のみで除去しようとすると、添加物である窒化アルミニウムが振動して、基板1または基板1に形成された導電パターン(図示せず)を傷つけるおそれがあるが、超音波洗浄に先んじて洗浄液10中で基板1を揺動させると、基板1等を傷つけるのを防止することができる。
また、基板1をSiで構成された基体5とこの基体5上に積層された電極薄膜層および圧電薄膜層とで構成した場合は、基板1上に形成された電極薄膜層、圧電薄膜層、およびSiで構成された基板1をドライエッチングした際のこれらの残骸が基板に付着していても、固定用のグリース3を除去する洗浄工程において、これらの残骸を同時に除去することができる。
そしてまた、電極薄膜層を貴金属で構成し、かつ圧電薄膜層をチタン酸ジルコン酸鉛で構成した場合は、ドライエッチングした際のこれらの残骸が基板1に付着していても、固定用のグリース3を除去する洗浄工程において、これらの残骸を同時に除去することができるとともに、基板1から圧電技術を利用した振動体を得ることができる。
さらに、基板1をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程において、基板1に複数の音叉形状の振動体6a,6bを形成することにより、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない音叉形状の振動体6a,6bを得ることができる。
さらにまた、基板1に複数の音叉形状の振動体6a,6bを形成した後、基板1上に形成された複数の音叉形状の振動体6a,6bを個片の振動体に分割する工程を付加すると、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない圧電振動体を得ることができる。
また、固定用のグリース3を熱伝導性フィラーを添加したもので構成すると、基板の加工時に、固定用のグリース3によって基板を固定することが可能となり、かつ加工時における基板に生じる熱を効率よく放熱することができる。これにより、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない圧電振動体を得ることができる。
本発明にかかる基板の洗浄方法は、基板に付着したグリースを効率よく除去することができるため、ドライエッチング処理終了後の基板の洗浄方法に適用することにより、寸法精度が良く、かつ残骸や付着物の少ない電子部品を得ることができ、有用となるものである。
本発明の一実施の形態における基板の洗浄方法の基板のドライエッチング時の基板周辺部の正面図 同基板のドライエッチング後の基板周辺部の断面図 同基板のドライエッチング後の基板の平面図 同基板の洗浄方法における振動素子の平面図 (a)同基板の洗浄方法における洗浄時の基板を正面方向から見た図、(b)同基板の洗浄方法における洗浄時の基板を側面方向から見た図
符号の説明
1 基板
1a 上面
1b 裏面
1c 側面
2 支持体
3 固定用のグリース
9 容器
10 洗浄液

Claims (11)

  1. 1枚の基板から複数の電気部品を得ることができる基板であって、上面と、この上面と対向して位置する裏面と、前記上面および前記裏面間に位置する1または複数の側面を備えた基板の洗浄方法において、グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程と、洗浄液中で前記基板の超音波洗浄を行う工程とを備えた基板の洗浄方法。
  2. グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程において、前記基板をこの基板の上面の法線に直角な方向に揺動させた請求項1記載の基板の洗浄方法。
  3. グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程において、前記基板をこの基板の上面の法線方向が水平方向になるようにして揺動させた請求項1記載の基板の洗浄方法。
  4. グリースが付着した基板を洗浄液に浸漬して揺動させる工程において、前記基板の揺動を鉛直方向にした請求項1記載の基板の洗浄方法。
  5. グリースが付着した基板を揺動させる工程の前に、前記グリースを介在させることにより支持体と基板とを固定する工程と、前記基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程と、前記基板を前記支持体から分離させる工程とを付加した請求項1〜4のいずれかに記載の基板の洗浄方法。
  6. 基板をSiで構成された基体とこの基体上に積層された電極薄膜層および圧電薄膜層とで構成し、前記基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程を、前記基板上に形成された前記電極薄膜層および前記圧電薄膜層並びに前記基板を所定の形状に形成する工程とした請求項5記載の基板の洗浄方法。
  7. 電極薄膜層を貴金属で構成し、かつ圧電薄膜層をチタン酸ジルコン酸鉛で構成した請求項6記載の基板の洗浄方法。
  8. 基板をドライエッチングにより所定の形状に加工する工程において、基板に複数の音叉形状の振動体を形成するようにした請求項6記載の基板の洗浄方法。
  9. グリースを熱伝導性フィラーを添加したもので構成した請求項1〜8記載の基板の洗浄方法。
  10. 請求項8記載の基板の洗浄方法の後に、基板上に形成された複数の音叉形状の振動体を個片の振動体に分割する工程を付加した振動体の製造方法。
  11. グリースを熱伝導性フィラーを添加したもので構成した請求項10記載の振動体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013051356A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Hitachi Kokusai Denki Engineering:Kk 超音波洗浄方法及びその装置

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