JP2007017153A - 排出ガスセンサの温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排出ガスセンサの素子温度を全温度領域で精度良く推定できるようにする。 【解決手段】 素子インピーダンス検出手段18で検出した素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段19と、センサ素子26とその周辺との間の熱エネルギーの授受をモデル化した素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20と、これら2つの素子温度推定手段19,20の中から素子温度の領域に応じて実際に使用する1つの素子温度推定手段を選択する選択手段21を設ける。この選択手段21は、低温側の温度領域で、素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段19を選択し、高温側の温度領域で、素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20を選択することで、2つの素子温度推定手段19,20の中から、素子温度の推定精度が高い方を選択して素子温度を推定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、センサ素子を加熱するヒータ付きの排出ガスセンサのセンサ素子の温度を制御する排出ガスセンサの温度制御装置に関する発明である。
近年の車両は、排出ガスを触媒で効率良く浄化するために、排気管に排出ガスセンサ(空燃比センサ、酸素センサ等)を設置して、この排出ガスセンサの出力に基づいて空燃比をフィードバック制御するようにしている。この排出ガスセンサは、センサ素子の温度が活性温度以下の状態では空燃比を精度良く検出できないため、センサ素子を加熱するヒータを内蔵して、このヒータによりセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)を活性温度領域に制御するようにしている。この素子温度の制御を行うためには、素子温度を検出する必要がある。
従来の素子温度の検出方法は、例えば特許文献1(特許第3570274号公報)に記載されているように、排出ガスセンサのセンサ素子のインピーダンス(以下「素子インピーダンス」という)が素子温度に応じて変化する特性に着目して、排出ガスセンサの素子インピーダンスを検出して、この素子インピーダンスを素子温度に換算するようにしたものがある。
また、最近では、特許文献2(特開2003−315305号公報)に記載されているように、センサ素子と排出ガスとの間の熱伝達による素子温度の変化を模擬した素子温度推定モデルを用いて素子温度を推定するようにしたものもある。
特許第3570274号公報(第3頁〜第5頁等) 特開2003−315305号公報(第1頁等)
ところで、素子インピーダンスの温度特性は、図7に示すように、素子温度が高くなるに従って素子インピーダンスが低下するが、素子インピーダンスの低下率は、素子温度が高くなるに従って小さくなる。このため、高温側の温度領域では、素子温度の単位変化量当りの素子インピーダンスの変化量が小さくなり、換言すれば、素子インピーダンスの単位変化量当りの素子温度の変化量が大きくなるため、素子インピーダンスを素子温度に換算する特許文献1の方法では、高温側の温度領域において、素子インピーダンスの検出誤差が小さくても、素子温度の検出誤差が大きくなってしまい、素子温度の検出精度が低下するという欠点がある。
一方、センサ素子と排出ガスとの間の熱伝達による素子温度の変化をモデル化した素子温度推定モデルを用いて素子温度を推定する方法では、内燃機関の冷間始動時など、低温時の過渡領域において、センサ素子周辺の熱エネルギーの変動が大きいため、モデル精度が悪くなって素子温度の推定精度が悪化するという欠点がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、全温度領域で素子温度を精度良く検出(推定)できて、この素子温度に基づくヒータ通電制御の制御性を向上できる排出ガスセンサの温度制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、排出ガスセンサのセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)を異なる手法で推定する複数の素子温度推定手段と、前記素子温度の領域に応じて前記複数の素子温度推定手段の中から実際に使用する1つの素子温度推定手段を選択する選択手段と、前記選択手段で選択した前記素子温度推定手段の推定素子温度に基づいて前記素子温度が目標温度になるように前記ヒータの通電量を制御するヒータ通電制御手段とを備えた構成としたものである。この構成では、素子温度を異なる手法で推定する複数の素子温度推定手段を備えているため、複数の素子温度推定手段の中から、素子温度の領域に応じて好適な素子温度推定手段を選択して素子温度を推定するという制御が可能となり、全温度領域で素子温度を精度良く推定できて、この素子温度に基づくヒータ通電制御の制御性を向上できる。
この場合、請求項2のように、素子温度推定手段の選択を切り換える切換温度付近の領域では、切換前の素子温度推定手段の推定素子温度と切換後の素子温度推定手段の推定素子温度とに基づいて切換前後の推定素子温度を連続させるように最終的な推定素子温度を決定するようにすると良い。このようにすれば、素子温度推定手段の切換の前後の推定素子温度が不連続になる(ステップ状に急変する)ことを防止できて、切換温度付近の領域でも安定したヒータ通電制御を行うことができる利点がある。
本発明で使用する複数の素子温度推定手段としては、例えば、請求項3のように、センサ素子のインピーダンスを検出して該インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段と、センサ素子とその周辺との間の熱エネルギーの授受を推定して素子温度を推定する第2の素子温度推定手段を用いるようにすると良い。第2の素子温度推定手段は、センサ素子とその周辺との間の熱エネルギーの授受(受熱と放熱の両方)を推定して素子温度を推定するため、センサ素子と排出ガスとの間の熱伝達のみを考慮して素子温度を推定する特許文献2の素子温度推定方法と比較して、素子温度を精度良く推定することができる。
前述したように、素子インピーダンスから素子温度を推定する方法では、図7に示すように、高温側の温度領域で素子温度の推定精度が低下する傾向がある。また、熱エネルギーの授受から素子温度を推定する方法では、センサ素子の周辺の熱エネルギーが安定しない低温側の温度領域で熱エネルギーの授受の推定精度が低下して素子温度の推定精度が低下する傾向がある。
この点を考慮して、請求項4のように、低温側の温度領域で、素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段を選択し、高温側の温度領域で、熱エネルギーの授受から素子温度を推定する第2の素子温度推定手段を選択するようにすると良い。このようにすれば、2つの素子温度推定手段の中から、素子温度の推定精度が高い方の素子温度推定手段を選択して素子温度を推定するという制御が可能となり、全温度領域で素子温度を精度良く推定することができる。
本発明は、いずれかの素子温度推定手段で推定した素子温度に基づいて素子温度推定手段の選択を切り換えるようにしても良いが、請求項5のように、内燃機関の運転状態に基づいて素子温度の領域を判断して素子温度推定手段の選択を切り換えるようにしても良い。或は、請求項6のように、始動後経過時間、冷却水温、前記ヒータの通電時間の少なくとも1つに基づいて素子温度の領域を判断して素子温度推定手段の選択を切り換えるようにしても良い。上記いずれの場合でも、素子温度推定手段の選択の切換温度を適正に判断することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図12に基づいて説明する。まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の排気管12には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を低減させる三元触媒等の触媒13が設けられ、この触媒13の上流側には、排出ガスの酸素濃度等のガス成分濃度、空燃比、リッチ/リーンのいずれかを検出する酸素センサ、空燃比センサ(A/Fセンサ)等の排出ガスセンサ14が設けられている。この排出ガスセンサ14のセンサ素子26(図3参照)は、例えばジルコニア固体電解質27の両端に電極28を密着させて出力を取り出す構成となっているが、センサ素子26の活性温度が高いため(約600〜700℃以上)、排出ガスの熱のみでは、エンジン始動後にセンサ素子26を早期に活性化することは困難である。そこで、排出ガスセンサ14は、センサ素子26を加熱するヒータ29(図2参照)を内蔵し、このヒータ29の発熱によりセンサ素子26を早期に活性化させるようにしている。
一方、エンジン11を制御する制御装置15は、エンジン運転中に排出ガスセンサ14の出力を読み込んで排出ガスの空燃比を目標空燃比に収束させるように燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御手段16として機能すると共に、排出ガスセンサ14の温度制御装置17としても機能する。以下、この排出ガスセンサ14の温度制御装置17の構成を図2に基づいて説明する。
排出ガスセンサ14の温度制御装置17は、センサ素子26のインピーダンス(以下「素子インピーダンス」という)を検出する素子インピーダンス検出手段18と、この素子インピーダンス検出手段18で検出した素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段19と、センサ素子26とその周辺との間の熱エネルギーの授受をモデル化した素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20と、これら2つの素子温度推定手段19,20の中から素子温度の領域に応じて実際に使用する1つの素子温度推定手段を選択する選択手段21と、この選択手段21で選択した素子温度推定手段により素子温度の推定演算を行って推定素子温度を決定する素子温度決定手段22と、この素子温度決定手段22で決定した推定素子温度に基づいて素子温度が目標温度になるようにヒータ29の電流値(通電率DUTY)を制御するヒータ通電制御手段23とを備えた構成となっている。
図3及び図4に示すように、排出ガスセンサ14のセンサ素子26は、例えばジルコニア固体電解質27に電極28を密着させて出力を取り出す構成であるため、このセンサ素子26に直流電流(直流電圧)を印加して素子インピーダンスを検出する手法では、電極28とジルコニア固体電解質27との界面の抵抗(電極界面抵抗)R1,R4も含まれてしまい、正確な素子インピーダンス(粒子抵抗R2+粒界抵抗R3)を検出することができない。そこで、素子インピーダンス検出手段18は、各抵抗成分と並列に存在するコンデンサ成分(図4参照)に着目して、所定周波数の交流電流(交流電圧)をセンサ素子26に印加することで、電極界面抵抗分(R1,R4)の影響を除外したジルコニア固体電解質27のみの正味の素子インピーダンス(粒子抵抗R2+粒界抵抗R3)を次式により検出する(図5参照)。
素子インピーダンス=ΔV/ΔI
ここで、ΔVは電圧変化幅、ΔIは電流変化幅である。
第1の素子温度推定手段19は、図6の素子インピーダンス→素子温度変換マップを用いて、素子インピーダンス検出手段18で検出した素子インピーダンスから素子温度を算出する。
一方、第2の素子温度推定手段20は、センサ素子26とその周辺との間の熱エネルギーの授受(受熱と放熱の両方)をモデル化した素子温度推定モデルを備えている。この素子温度推定モデルは、センサ素子26の熱エネルギーの授受として、(1)排出ガスからの受熱と、(2)外気への放熱と、(3)ヒータの加熱による受熱を考慮する。
排出ガスからの受熱=A・Rem ・(Te−Tu) ……(1)
A:排出ガス伝熱係数
Te:排出ガス温度
Tu:素子温度
Re:レイノルズ数
m:指数
外気への放熱=B(Tu−Ta) ……(2)
B:外気伝熱係数
Tu:素子温度
Ta:外気温
ヒータの加熱=I2 ・R ……(3)
I:ヒータ電流
R:ヒータ抵抗値
これらの熱エネルギーの授受を考慮して、素子温度推定モデルは次式で定義されている。
cM・dTu/dt=[排出ガスからの受熱]−[外気への放熱]+[ヒータの加熱] =A・Rem ・(Te−Tu)−B(Tu−Ta)+I2 ・R
ここで、cMはセンサ素子26の熱容量、dTu/dtは素子温度Tuの時間微分値である。
尚、センサ素子26の放熱として、外気への放熱の他に、排気管12等の周辺部材への放熱も考慮するようにしても良い。
ところで、素子インピーダンスの温度特性は、図7に示すように、素子温度が高くなるに従って素子インピーダンスが低下するが、素子インピーダンスの低下率は、素子温度が高くなるに従って小さくなる。このため、高温側の温度領域では、素子温度の単位変化量当りの素子インピーダンスの変化量が小さくなり、換言すれば、素子インピーダンスの単位変化量当りの素子温度の変化量が大きくなるため、素子インピーダンスを素子温度に換算する第1の素子温度推定手段19では、高温側の温度領域において、素子インピーダンスの検出誤差が小さくても、素子温度の検出誤差が大きくなってしまい、素子温度の検出精度が低下するという欠点がある(図12参照)。
一方、センサ素子26とその周辺との間の熱エネルギーの授受をモデル化した素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20においては、エンジン11の冷間始動時など、低温時の過渡領域において、センサ素子26周辺の熱エネルギーの変動が大きいため、モデル精度が悪くなって素子温度の推定精度が低下するという欠点がある(図12参照)。
このような特性を考慮して、選択手段21は、低温側の温度領域で、素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段19を選択し、高温側の温度領域で、素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20を選択することで、2つの素子温度推定手段19,20の中から、素子温度の推定精度が高い方の素子温度推定手段を選択して素子温度を推定するようにしている。
この場合、図8に示すように、素子インピーダンスによる推定素子温度Teiと素子温度推定モデルによる推定素子温度Temとの間には、ある程度のずれが生じることは避けられないため、2つの素子温度推定手段19,20を所定の切換温度で一気に切り換えると、その切換の前後の推定素子温度Tei,Temが不連続になる(ステップ状に急変する)。このような事態は、切換温度付近で推定素子温度Tei,Temに基づくヒータ通電制御性を悪化させる原因となる。
この対策として、2つの素子温度推定手段19,20の選択を切り換える切換温度付近の徐変切換温度領域(Tsl〜Tsh)では、切換前の素子温度推定手段の推定素子温度と切換後の素子温度推定手段の推定素子温度とに基づいて切換前後の推定素子温度Tei,Temを連続させるように、図9又は図10に示す重み係数a,bを用いて、素子インピーダンスによる推定素子温度Teiと素子温度推定モデルによる推定素子温度Temとの重み付き平均値Tfを算出して、これを最終的な推定素子温度とする。
Tf=a・Tei+b・Tem
a+b=1 (0≦a≦1,0≦b≦1)
図9に示す重み係数a,bの設定方法では、素子インピーダンスによる推定素子温度Teiに掛け合わせる重み係数aは、徐変切換温度領域の下限温度Tslでa=1、上限温度Tshでa=0となるように、推定素子温度に応じて直線的に減少するように設定される。一方、素子温度推定モデルによる推定素子温度Temに掛け合わせる重み係数bは、徐変切換温度領域の下限温度Tslでa=0、上限温度Tshでa=1となるように、推定素子温度に応じてリニアに増加するように設定される。
図10に示す重み係数a,bの設定方法では、シグモイド関数(Sigmoid)を用いることで、徐変切換温度領域の下限温度Tslでa=1、上限温度Tshでa=0となるように、推定素子温度に応じて重み係数aをS字状に減少させるように設定し、他方の重み係数bは、b=1−aの計算により算出する。
図9、図10のいずれかの重み係数a,bを用いて、2つの推定素子温度Tei,Temの重み付き平均値Tfを算出すれば、図8に示すように、2つの素子温度推定手段19,20の切換前後の推定素子温度Tei,Temを重み付き平均値Tfによって連続的につなげることができ、素子温度推定手段19,20の切換の前後の推定素子温度Tei,Temが不連続になる(ステップ状に急変する)ことを防止できて、切換温度付近の領域でも安定したヒータ通電制御を行うことができる。
以上説明した素子温度の推定処理は、図11の素子温度推定プログラムによってエンジン運転中に所定周期(例えば8ms周期)で実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、メモリに記憶されている推定素子温度Tf(前回の演算値)を現在の素子温度の代用情報として読み込む。但し、本プログラムの初回の起動時には、まだメモリに推定素子温度Tf(前回の演算値)が記憶されていないため、素子インピーダンスから算出した推定素子温度Teiを推定素子温度Tfとして読み込み、2回目以降の起動時に、前回の起動時に算出されてメモリに記憶された推定素子温度Tfを読み込む。
この後、ステップ102に進み、この推定素子温度Tfを徐変切換温度領域の上下限温度Tsl,Tshと比較して、該推定素子温度Tfが徐変切換温度領域の下限温度Tslよりも低いと判定されれば、素子インピーダンスから素子温度を推定する低温側の温度領域と判断して、ステップ103に進み、素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiを読み込み、次のステップ104で、この素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiを最終的に今回の推定素子温度Tfに決定し、これをメモリに記憶する。
一方、上記ステップ102で、推定素子温度Tfが徐変切換温度領域の上限温度Tshよりも高いと判定されれば、素子温度推定モデルにより素子温度を推定する高温側の温度領域と判断して、ステップ105に進み、素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temを読み込み、次のステップ106で、この素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temを最終的に今回の推定素子温度Tfに決定し、これをメモリに記憶する。
また、上記ステップ102で、推定素子温度Tfが徐変切換温度領域内である(Tsl≦Tf≦Tsh)と判定されれば、ステップ107に進み、素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiと、素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temとを読み込み、次のステップ107で、図9又は図10に示す重み係数a,bを用いて、2つの推定素子温度Tei,Temの重み付き平均値を算出して、これを最終的に今回の推定素子温度Tfに決定し、これをメモリに記憶する。
以上説明した本実施例1によれば、低温側の温度領域では、素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段19を選択して素子温度を推定し、高温側の温度領域では、センサ素子26とその周辺との間の熱エネルギーの授受をモデル化した素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20を選択して素子温度を推定するようにしたので、2つの素子温度推定手段19,20の中から、素子温度の領域に応じて素子温度の推定精度が高い方の素子温度推定手段を選択して素子温度を推定するという制御が可能となり、全温度領域で素子温度を精度良く推定できて、この素子温度に基づくヒータ通電制御の制御性を向上できる。
しかも、本実施例1では、2つの素子温度推定手段19,20の選択を切り換える切換温度付近の徐変切換温度領域(Tsl〜Tsh)で、切換前の素子温度推定手段の推定素子温度と切換後の素子温度推定手段の推定素子温度とに基づいて切換前後の推定素子温度Tei,Temを連続させるように、図9又は図10に示す重み係数a,bを用いて、素子インピーダンスによる推定素子温度Teiと素子温度推定モデルによる推定素子温度Temとの重み付き平均値を算出して、これを最終的な推定素子温度Tfとするようにしたので、2つの素子温度推定手段19,20の切換前後の推定素子温度Tei,Temを重み付き平均値Tfによって連続的につなげることができ、素子温度推定手段19,20の切換の前後の推定素子温度Tei,Temが不連続になる(ステップ状に急変する)ことを防止できて、切換温度付近の領域でも安定したヒータ通電制御を行うことができる。
尚、図11の素子温度推定プログラムのステップ101、102では、メモリに記憶されている前回の推定素子温度Tfを現在の素子温度の代用情報として用いて、これを徐変切換温度領域(Tsl〜Tsh)と比較して3つの温度領域に区分するようにしたが、例えば、素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiと素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temのいずれか一方又は両方の平均値を現在の素子温度の代用情報として用いて、これを徐変切換温度領域(Tsl〜Tsh)と比較して3つの温度領域に区分するようにしても良い。
図13に示す本発明の実施例2では、素子温度の推定方法を切り換える3つの温度領域(低温側、高温側、徐変切換温度領域)を上記実施例1と異なる方法で区分するようにしている。本実施例2では、図12に示すように、エンジン始動後経過時間に応じて素子温度が上昇することに着目して、エンジン始動後経過時間を素子温度の代用情報として用いて、3つの温度領域を区分するようにしている。その他の事項は、上記実施例1と同じである。
図13の素子温度推定プログラムが起動されると、まずステップ101aで、エンジン始動後経過時間Pfを読み込み、次のステップ102aで、このエンジン始動後経過時間Pfを徐変切換時間帯の上下限値Psl,Pshと比較する。この徐変切換時間帯の上下限値Psl,Pshは、上記実施例1の徐変切換温度領域の上下限温度Tsl,Tshに対応する値に設定されている。
このステップ102aで、エンジン始動後経過時間Pfが徐変切換時間帯の下限値Pslに達していないと判定されれば、素子インピーダンスから素子温度を推定する低温側の温度領域と判断して、ステップ103に進み、素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiを読み込み、次のステップ104で、この素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiを最終的に今回の推定素子温度Tfに決定し、これをメモリに記憶する。
一方、上記ステップ102aで、エンジン始動後経過時間Pfが徐変切換時間帯の上限値Pshを越えていると判定されれば、素子温度推定モデルにより素子温度を推定する高温側の温度領域と判断して、ステップ105に進み、素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temを読み込み、次のステップ106で、この素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temを最終的に今回の推定素子温度Tfに決定し、これをメモリに記憶する。
また、上記ステップ102で、エンジン始動後経過時間Pfが徐変切換時間帯内である(Psl≦Pf≦Psh)と判定されれば、ステップ107に進み、素子インピーダンスから換算した推定素子温度Teiと素子温度推定モデルにより算出した推定素子温度Temとを読み込み、次のステップ107で、図9又は図10に示す重み係数a,bを用いて、2つの推定素子温度Tei,Temの重み付き平均値を算出して、これを最終的に今回の推定素子温度Tfに決定し、これをメモリに記憶する。
以上説明した本実施例2でも、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
尚、エンジン始動時の冷却水温(エンジン温度)や外気温(吸気温)によって素子温度の上昇カーブが変化することを考慮して、エンジン始動後経過時間Pf又は徐変切換時間帯の上下限値Psl,Pshをエンジン始動時の冷却水温(エンジン温度)や外気温(吸気温)によって補正するようにしても良い。
また、エンジン始動後経過時間Pfに代えて、エンジン始動後のヒータ通電時間を素子温度の代用情報として用いるようにしても良い。
或は、冷却水温等のエンジン運転状態に基づいて素子温度の領域を判断して素子温度推定手段の選択を切り換えるようにしても良い。
また、上記実施例1,2では、素子温度推定手段として、素子インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段19と、熱エネルギーの授受をモデル化した素子温度推定モデルにより素子温度を推定する第2の素子温度推定手段20とを用いたが、この他、例えば、センサ素子26のアドミタンスから素子温度を推定する素子温度推定手段を用いても良く、要は、素子温度を異なる手法で推定する複数の素子温度推定手段を用いて、その中から素子温度の領域に応じて実際に使用する1つの素子温度推定手段を選択するようにすれば良い。
本発明の実施例1のシステム全体の概略構成を示すブロック図である。 排出ガスセンサの温度制御装置の構成を示すブロック図である。 センサ素子の構造を説明する図である。 センサ素子の等価回路を示す回路図である。 素子インピーダンスの検出方法を説明する図である。 素子インピーダンス→素子温度変換マップを説明する図である。 素子インピーダンスの検出特性を説明する図である。 素子インピーダンスによる推定素子温度Teiと素子温度推定モデルによる推定素子温度Temとを切り換える際の徐変切換処理(重み付き平均処理)を説明する図である。 徐変切換処理(重み付き平均処理)に用いる重み係数a,bの設定方法(その1)を説明する図である。 徐変切換処理(重み付き平均処理)に用いる重み係数a,bの設定方法(その2)を説明する図である。 実施例1の素子温度推定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 素子インピーダンスによる推定素子温度と素子温度推定モデルによる推定素子温度と実際の素子温度との関係を説明するタイムチャートである。 実施例2の素子温度推定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…排気管、13…触媒、14…排出ガスセンサ、15…制御装置、16…空燃比制御手段、17…排出ガスセンサの温度制御装置、18…素子インピーダンス検出手段、19…第1の素子温度推定手段、20…第2の素子温度推定手段、21…選択手段、22…素子温度決定手段、26…センサ素子、27…ジルコニア固体電解質、28…電極、29…ヒータ

Claims (6)

  1. 内燃機関の排出ガスの酸素濃度等のガス成分濃度、空燃比、リッチ/リーンのいずれかを検出するセンサ素子と、このセンサ素子を加熱するヒータとを有する排出ガスセンサの温度制御装置において、
    前記排出ガスセンサのセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)を異なる手法で推定する複数の素子温度推定手段と、
    前記素子温度の領域に応じて前記複数の素子温度推定手段の中から実際に使用する1つの素子温度推定手段を選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択した前記素子温度推定手段の推定素子温度に基づいて前記素子温度が目標温度になるように前記ヒータの通電量を制御するヒータ通電制御手段と
    を備えていることを特徴とする排出ガスセンサの温度制御装置。
  2. 前記ヒータ通電制御手段は、前記素子温度推定手段の選択を切り換える切換温度付近の領域では、切換前の素子温度推定手段の推定素子温度と切換後の素子温度推定手段の推定素子温度とに基づいて切換前後の推定素子温度を連続させるように最終的な推定素子温度を決定することを特徴とする請求項1に記載の排出ガスセンサの温度制御装置。
  3. 前記複数の素子温度推定手段は、前記センサ素子のインピーダンスを検出して該インピーダンスから素子温度を推定する第1の素子温度推定手段と、前記センサ素子とその周辺との間の熱エネルギーの授受を推定して素子温度を推定する第2の素子温度推定手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排出ガスセンサの温度制御装置。
  4. 前記選択手段は、低温側の温度領域で前記第1の素子温度推定手段を選択し、高温側の温度領域で前記第2の素子温度推定手段を選択することを特徴とする請求項3に記載の排出ガスセンサの温度制御装置。
  5. 前記選択手段は、内燃機関の運転状態に基づいて前記素子温度の領域を判断して前記素子温度推定手段の選択を切り換えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排出ガスセンサの温度制御装置。
  6. 前記選択手段は、始動後経過時間、冷却水温、前記ヒータの通電時間の少なくとも1つに基づいて前記素子温度の領域を判断して前記素子温度推定手段の選択を切り換えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の排出ガスセンサの温度制御装置。
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