JP2007012439A - 導電性成形材料、燃料電池セパレータ、燃料電池および燃料電池セパレータの製造方法 - Google Patents

導電性成形材料、燃料電池セパレータ、燃料電池および燃料電池セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形材料の粒径分布および粘度を最適化し、予備成形品の厚み精度を向上させることにより、厚み精度、成形性、導電性に優れた燃料電池セパレータを成形することができる成形材料、およびこれを成形してなる燃料電池セパレータを提供する。
【解決手段】 導電性材料と液状熱硬化性樹脂の増粘物とを主成分とする造粒物を含有し、該造粒物の粒径が0.5〜3mmであり、かつ該増粘物の粘度が25℃において5万以上である導電性成形材料およびそれを成形して得られる燃料電池セパレータ。

Description

本発明は、各種の電気・電子部材、工業部材、燃料電池用セパレータ等の電池部材等として有用な導電性成形材料、その製造方法及び該導電性成形材料を成形して得られる燃料電池用セパレータに関するものである。
導電性材料と樹脂を含む導電性樹脂組成物の成形品は、従来の金属加工品等に代わる材料として近年期待されている。特に電気分野で、成形性、耐腐食性に優れ、しかも安価な材料として注目されている。電気分野の材料としては、例えば燃料電池用等のセパレータ材、各種電池用部材に使用される高い導電性を有する樹脂組成物が挙げられる。
燃料電池は、構成の一部として使用する電解質、燃料及び酸化剤などの種類により種々の型があり、中でも、電解質として固体高分子電解質膜、燃料として水素ガス、酸化剤として空気を用いる固体高分子型燃料電池や、燃料電池内部で直接メタノールから水素を取り出し燃料とするメタノール直接型燃料電池がある。そしてこれらの燃料電池は、発電時の作動温度が200℃以下の比較的低温で効率的発電が可能である。
これらの燃料電池に用いられるセパレータには、燃料と酸化剤ガスを分離した状態で安定的に電極に供給するためのガス不透過性、発電効率を高めるための導電性、更には燃料電池の作動環境下での耐久性などの性能が必要とされる。また、近年、電気自動車を始めとした用途では燃料電池の小型化が要求され、それに伴いセパレータの薄肉化も必要である。更に、経済的な面から、高い生産性で低コストの製造方法が求められている。
このような性能が要求される燃料電池用セパレータとして、例えば、炭素質粉末に結合材を加え、加熱混合後成形し、焼成黒鉛化して得られた黒鉛材を切削加工してセパレータ形状とする方法がある。しかしながら、この方法は、焼成黒鉛化工程で揮発物が発生するために多孔質となり、セパレータのガス不透過性に問題があった。
そのため、該焼成黒鉛材の問題点を解決する方法として、黒鉛材の細孔に熱硬化性樹脂を含浸し、硬化させたセパレータ基材を得る方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、黒鉛化工程、成形工程、樹脂を含浸硬化する工程、更にセパレータ形状への機械加工の工程等を要するため、工程が複雑で量産性、経済性に問題がある。
そこで、特定の黒鉛と液状のフェノール性樹脂とを配合した粒度0.1〜5mmの成形材料を成形硬化することにより、成形性、機械的強度、ガス不透過性を保持し、かつ導電性に優れたセパレータを作製する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は0.5mm以下の粒径の小さな粒子が含まれている結果、凝着を起こしやすかった。一方、3mm以上の粒径の大きな粒子に含まれている結果、厚み精度や充填性が低かった。そのため、該成形材料から製造された成形品には反りや膨れ等の欠陥が発生するといった不具合が生じることがあり、常に安定した品質の成形品が得られず成形性及び生産性に問題があった。
これに対し、特定の黒鉛と熱硬化性樹脂とを配合した最大粒径0.5mm以下の成形材料を成形硬化することにより、樹脂量が少ない領域でも優れた型内流動性を保持しつつ、成形性、機械的強度、ガス不透過性を保持し、かつ導電性に優れたセパレータを作製する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、逆にこの方法は得られた造粒物の平均粒径が小さいために粒子同士の凝着が発生しやすく、特に型内流動性をより向上させるため液状のフェノール樹脂を用いた場合にはこの凝着の発生がより顕著であった。その結果、得られた成形品に反りや膨れ等の欠陥が発生するといった不具合が生じることがあり、常に安定した品質の成形品が得られず成形性及び生産性に問題があった。
一方で、特定の黒鉛と液状のフェノール性樹脂と増粘剤を配合した成形材料を成形硬化することにより、成形性、機械的強度、ガス不透過性を保持し、かつ導電性に優れたセパレータを作製する方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この方法で樹脂組成物を粒状化した場合にも、小さなものから大きなものまで種々の粒子径の粒状物が混在する結果、粒子径の小さいものは粒子同士が凝着し、逆に粒子径の大きいものは成形時にウェルドラインが発現したり、計量精度や寸法精度低下の誘因となり、常に安定した品質の成形品が得られず成形性及び生産性に改良の余地があった。
特開平8−222241号公報 特開2000−331690号公報 特開2003−272648号公報 特開2004−346315号公報
本発明が解決しようとする課題は、これらの問題に鑑み、得られる成形品の機械的強度、導電性、ガス不透過性を保持しつつ、凝着を抑えつつ複雑な形状を有する成形金型への型内流動性に優れ、常に安定した品質の成形品を得ることができる成形性及び生産性に優れた導電性成形材料およびその製造方法を提供することにある。また、機械的強度、導電性、ガス不透過性に優れた燃料電池セパレータ及び該燃料電池セパレータを用いてなる燃料電池、並びにその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、液状の熱硬化性樹脂と導電材料とを含む造粒物が導電性及び型内流動性を保持しつつ粒子同士の凝着を抑制又は回避するためには、液状熱硬化性樹脂の増粘物を特定の粘度にするとともに、造粒物の粒径を特定の大きさに定めることが重要であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 導電性材料と液状熱硬化性樹脂の増粘物とを主成分とする造粒物を含有し、該造粒物が粒径0.5〜3mmの範囲にあり、かつ該増粘物の粘度が25℃において5000Pa・s以上である燃料電池セパレータ用成形材料、
(2) 前記燃料電池セパレータ用成形材料を成形して得られる燃料電池セパレータ、
(3) 前記燃料電池セパレータを用いてなる燃料電池、
(4) 導電性材料と液状熱硬化性樹脂と増粘剤を混合した後、該樹脂を造粒し、加熱下で該樹脂を増粘させて、さらに分級する前記燃料電池セパレータ用成形材料の製造方法、および、
(5) 導電性材料と液状熱硬化性樹脂と増粘剤を混合した後、該樹脂を造粒し、加熱下で該樹脂を増粘させて、さらに分級し前記燃料電池セパレータ用成形材料としたのち、該成形材料を成形、硬化する燃料電池セパレータの製造方法を提供する。
本発明の導電性成形材料は、粒子同士の凝着を抑えつつ成形時の流れ性、すなわち複雑な形状を有する成形金型への型内流動性に優れ、成形時における充填不良やボイド、ウェルドライン、反り、割れ等の発生を抑制して、常に安定した品質の成形品を得ることができ、成形性及び生産性に優れる。さらに、本発明の導電性成形材料は、成形金型の転写性、寸法精度に優れた成形品を提供可能である。
また、本発明の導電性成形材料を硬化させて得られる成形品は、成形品外観、耐吸水性、耐熱水性、機械的強度、さらには特に耐水性などの耐久性に優れたものである。それ故、本発明の導電性成形材料を硬化させて得られる成形品は、住設機器部材の他に過酷な環境下で使用される電子電気部材、車両用部材、燃料電池用セパレータとして極めて有用である。本発明の導電性成形材料を用いれば、前記の優れた特性を有する燃料電池用セパレータ等の工業部材が簡易な工程で経済的、安定的に生産することができる。
更に、本発明の燃料電池セパレータを用いることにより、高性能、高耐久性を有する燃料電池を安価に提供することが可能となる。
1.導電性成形材料およびその製造方法
(1.1)導電性材料
(1.1.1)導電性材料
本発明に使用する導電性材料としては、例えば炭素材料、金属、金属化合物などの粉粒体等を挙げることができ、これらの導電性材料の1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。これら材料のうち耐久性とコストの観点から炭素材料が好ましい。
(1.1.2)導電性材料の形状、粒径
前記導電性材料の大きさは、1〜1000μmの範囲のものであれは使用できるが、導電性と加熱加圧して賦形する際の金型への流動性、及び機械的性質の点から、体積分布における平均粒子径で50〜500μmが好ましい。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、該導電性材料に非導電性材料あるいは半導電性材料を混合して使用してもよい。かかる非導電性材料、半導電性材料としては、後述する非導電性材料、半導電性材料として掲載したものが挙げられる。
(1.1.3)導電性材料の具体例
前記炭素材料としては、例えば人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。粒子状、粉末状物を単独で、もしくは併用して用いることができる。これらの粒子、粉末の形状に特に制限はなく粒子状、箔状、鱗片状、板状、針状、球状、無定形等の何れであってもよい。また、黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も使用できる。導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有するセパレータが得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛が好ましい。
また、前記の金属、金属化合物としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、金、ステンレス、パラジウム、チタンなど、更には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等のホウ化物などが挙げられる。これらの金属、金属化合物を単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの粒子、粉末の形状に特に制限はなく、粒子状、箔状、鱗片状、板状、針状、球状、無定形等の何れであってもよい。更に、これらの金属、金属化合物が非導電性あるいは半導電性材料の粉粒体表面に被覆されたものも使用可能である。
非導電性材料としては、例えば炭酸カルシウム、シライカ、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ハイドロタルサイト、ウオラストナイト等の無機フィラが挙げられ、更に、半導電性材料としては、例えば酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
(1.2)液状熱硬化性樹脂
(1.2.1)液状熱硬化性樹脂
本発明に使用する液状熱硬化性樹脂は、未硬化の状態で25℃において液状のものであれば従来公知のものでよく、好ましくは未硬化の状態で25℃において、5000Pa・s以下、好ましくは1〜5000Pa・sの粘度を有するような樹脂が挙げられる。5000Pa・s以下であるとコンパウンドの流動性が良好になる。5000Pa・s以上であると、混合時に撹拌翼などによる剪断力で導電性材料が剪断され、結果的に成形品の導電性が低下してしまう。
(1.2.2)液状熱硬化性樹脂の具体例
このような液状熱硬化性樹脂としては液状のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられ、なかでもビニルエステル樹脂が好ましい。
例えば、液状不飽和ポリエステル樹脂としては、従来公知のものでよく、多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られる不飽和ポリエステルを、これと重合するスチレンのようなエチレン性不飽和単量体に溶解した従来公知の液状樹脂が挙げられる。
液状ビニルエステル樹脂としては、従来公知のものでよく、例えばエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸のような不飽和一塩基酸とを反応させて得られるエポキシアクリレートを、これと重合するスチレンのような架橋用のエチレン性不飽和単量体に溶解した液状樹脂が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、難燃型、ターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
液状フェノール樹脂としては、レゾール型、ノボラック型樹脂等の水溶性、水分散性、有機溶剤溶性タイプ等が挙げられる。
これらの液状熱硬化性樹脂は硬化剤及び必要に応じて硬化促進剤を配合して使用する。たとえば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂を用いた場合における硬化触媒の例としては、有機過酸化物からなる硬化剤もしくはこのような硬化剤に必要に応じて硬化促進剤を配合したもので、約40〜130℃の低温で分解する硬化剤が使用される。ここで、有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が使用される。また、硬化促進剤としては、主にナフテン酸コバルトやジメチルアニリンが使用される。このような、硬化剤は、上記液状熱硬化性樹脂100質量部に対して、一般に0.5〜5質量部の範囲で配合されるのが好ましい。
また、エポキシ樹脂を用いた場合における硬化触媒の例としては、一般的に公知の硬化剤であれば特に限定されないが、鎖状または環状の脂肪族アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、ポリアミノアミドなどのポリアミノアミド系硬化剤、脂肪族、脂環式または芳香族などの酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミドなどの塩基性活性水素化合物、イミダゾール類、ルイス酸およびブレンステッド酸塩などが挙げられる。
更に、フェノール樹脂を用いた場合における硬化触媒の例としては、上記同様一般的に公知の硬化剤であれば特に限定されないが、ノボラック系ではヘキサメチレンテトラミン等のアミン系触媒が、レゾール系ではp-トルエンスルホン酸等の有機酸やリン酸等の無機酸が挙げられる。
(1.3)増粘剤
(1.3.1)増粘剤
本発明に使用する増粘剤としては、熱硬化性樹脂に対して増粘効果を奏する従来公知の有機化合物又は無機化合物を使用することができ、かかる化合物を用途に応じて適宜選択して使用することができる。
(1.3.2)増粘剤の具体例
本発明において使用できる前記の有機化合物としては、例えばポリイソシアネート化合物、ポリカルボジイミド化合物、金属アルコキシ化合物などが挙げられる。前記の無機化合物としては、例えば微粉状シリカ、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが挙げられる。
本発明に使用する増粘剤の有機化合物の例としては、例えばポリイソシアネート化合物、ポリカルボジイミド化合物、金属アルコキシ化合物などが挙げられる。中でも、室温から50℃前後の温和な条件でも前記熱硬化性樹脂中の水酸基と反応し増粘する場合には、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
前記のポリイソシアネート化合物としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。また各種イソシアネート化合物をイソシアヌレート化せしめて得られるイソシアヌレート化合物も挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を併せて用いられる。
その他、本発明に使用する増粘剤の有機化合物の例としては、アクリル樹脂系微粒子が容易に加熱増粘するため好ましい。かかるアクリル樹脂系微粒子の市販品としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂系の商品名「F303」(日本ゼオン製)などが挙げられる。
さらに本発明に使用する増粘剤の無機化合物の例としては、例えば微粉状シリカ、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが挙げられる。酸化マグネシウムを用いて増粘させる場合には、前記熱硬化性樹脂組成物中に酸基を有する化合物を含んでいることが好ましい。例えば、スチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体などが耐水性の点で望ましい。
(1.4)その他の添加剤
本発明の導電性成形材料は、さらに必要に応じて低収縮化剤、重合禁止剤、内部離型剤、相溶化剤、その他添加剤、着色剤等を上述の液状熱硬化性樹脂、導電性材料及び増粘剤に混合して造粒、増粘することができる。その他の添加剤としては、シラン系及びチタネート系カップリング剤、難燃剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、親水性付与剤、抗菌剤、撥水剤、脱泡剤、空気遮断剤等も使用することができる。
(1.5)導電性成形材料(原料〜造粒物〜増粘物)の製造方法
本発明に用いる導電性成形材料の製造方法としては、まず、導電性材料と液状熱硬化性樹脂と増粘剤を一括仕込み或いは分割仕込みをして混合装置にて混練する。
この際、導電性材料と液状熱硬化性樹脂との割合(質量比)は、通常、導電性材料/液状熱硬化性樹脂=60/40〜99/1、好ましくは60/40〜95/5、更に好ましくは70/30〜90/10である。導電性材料の割合が少なすぎると導電性が低下してしまい、一方で、導電性材料の割合が多すぎると、型内流動性が不十分となり成形性が低下する。
一方、前記増粘剤の使用量は、使用する液状熱硬化性樹脂と増粘剤として用いる化合物の組合せによって異なるため一概には言えないが、増粘物の粘度が上述の範囲になるように液状熱硬化性樹脂と増粘剤の割合を適宜調整すればよい。例えば、ビニルエステル樹脂とポリイソシアネート化合物を用いた場合には、ビニルエステル樹脂中の水酸基に対して、OH/NCO比を1/0.8〜1/1.2の間で、前記増粒物が上述の粘度範囲になるように適宜調整すれば良い。
混練方法は、ニーダー、攪拌機、ミキサー等の混合装置により行うことができる。かかる混練は、常圧下で行っても減圧下で行ってもよい。また混練する際の温度は、室温〜60℃が好ましい。
次に、混練後、成形性および混合物の取り扱い性を向上させるために混練物を粒子状に造粒し、該造粒物を室温〜80℃の加温雰囲気下で保管し、熟成増粘を促進させる。
この際、液状熱硬化性樹脂と増粘剤からなる増粘物の粘度は、25℃において5000Pa・s以上である。ただし、型内流動性の面から増粘物の上限は半固体状までであり、その場合、粘度計では測定不可能な領域(測定限界16万Pa・s)のため、固体表面硬度がJIS K7215に準拠した方法でタイプAデュロメータでの値が90以下であることが好ましい。5000Pa・s以上であれば、粒子同士の凝着が発生しづらくなる。一方、成形品のウエルドライン発生の面から表面硬度がJIS K7215に準拠した方法でタイプAデュロメータで90以下であれば、成形品表面に明確なウエルドラインが発生する恐れがない。この工程に要する時間のおおよその目安は、樹脂の組成及び増粘剤の種類、量、温度条件にもよるが、1〜100時間程度である。なお、本発明において該増粘物の粘度もしくは固体表面硬度は、導電性材料を除いた状態で、液状熱硬化性樹脂と増粘剤からなる増粘物を調製した後、25℃における粘度もしくは固体表面硬度を測定した際の値で定義するものとする。
さらに、上述の方法で得られた増粘物を分級する。この際、粒子の大きさは、0.5mm〜3mmの範囲である。0.5mm以上であれば、粒子同士の凝着が発生しづらくなる。一方、3mm以下であれば、ウェルドラインの抑制や、計量精度および寸法精度が向上する。
2.成形品、特に燃料電池用セパレータおよびその製造方法
(2.1)成形品およびその成形方法
本発明の導電性成形材料は、金型等を用いて、圧縮成形、射出成形等の従来公知の成形法により成形を行うことにより成形品を得ることができる。この際の成形温度は、100〜200℃程度であることが好ましい。また重合開始剤を用いる場合は、重合開始剤の最適温度帯に合わせるのが好ましい。生産性を考慮すると、通常、140〜190℃の範囲が好ましい。
また成形圧力としては、使用する金型、成形品の形状、用途に応じて最適な圧力に調整する。この場合の圧力は、一般的には、5〜50MPa、好ましくは10〜40MPa程度である。必要により、成形後さらに硬化を促進させたり、矯正したりする目的で、加熱雰囲気下で後硬化をさせることができる。
前記成形品の耐熱性は、例えば、JIS K6911に準拠した方法で荷重たわみ温度を測定することにより評価することができる。前記成形品が有する荷重たわみ温度は、荷重1.80N/mmの測定条件により求められた値で、150℃以上であることが望ましく、200℃以上であることが特に好ましい。特に燃料電池用セパレータとして用いる場合には、耐熱性が十分高い方が、装着後に熱変形したりする可能性が低いため好ましい。
本発明の導電性成形材料は、公知の樹脂の通常の成形法により、切削等の加工をすることなく、ガス流路としての溝を精度よく成形できるので、各種の電気・電子部材、工業部材、特に燃料電池用セパレータの成形材料として好ましく用いることができる。
(2.2)セパレータおよびその成形方法
本発明の燃料電池用のセパレータは、所望のセパレータ形状の金型等を用いて圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の成形法により成形を行うことにより簡便に得ることができる。この際の成形温度は適宜選択できるが、生産性を考慮すると、通常、140〜190℃の範囲が好ましい。本発明の燃料電池用セパレータは、発電時の作動温度が200℃以下である燃料電池に用いるのが好ましい。
3.燃料電池
本発明の燃料電池用セパレータは、ヒドラジン型、直接メタノール型、アルカリ型、固体高分子型、リン酸塩型等種々の形式の燃料電池のセパレータとして使用することができる。これらの中でも固体高分子型燃料電池に好適である。
(実施例1)
100μmの針状人造黒鉛粒子80部にあらかじめ液状4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート「コスモネートLL」(三井武田ケミカル株式会社)を樹脂中の水酸(OH)基/イソシアネート(NCO)基比が1/0.9になるように添加されたビスフェノール型ビニルエステル樹脂20部を、バンバリー型ニーダーを用いて常温で10分間混合した後、押出型造粒機にて造粒し、45℃24時間加温増粘することにより粒状の導電性成形材料を作製した。これを分級により表1に示す0.5〜3mmに100%の粒度分布を有する導電性成形材料を得た。
(比較例1、2、3)
実施例1と同様にして粒状の導電性成形材料を作製した。これを分級により表1に示す3水準の粒度分布を有する導電性成形材料を得た。
(比較例4、5)
液状4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表1の割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして粒状の導電性成形材料を作製した。これを分級により表1に示す3水準の粒度分布を有する導電性成形材料を得た。
(試験例1)
上述の実施例1及び比較例1〜5で得られた粒状の導電性成形材料を予め140℃に加熱された金型に充填させ、成形圧力26MPa、硬化時間4分で圧縮成形することにより140mm×190mm×3mmの成形品を得た。成形品の特性について表1に示した。
ただし、各測定は下記の通り行った。
増粘物粘度:黒鉛粒子を添加しないこと以外は実施例1と同等の条件で得た液状4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが添加されたビニルエステル樹脂を250ccの広口サンプル瓶に加え、加温増粘後、トキメック製B型粘度計を用いて25℃で測定した。
増粘物表面硬度:黒鉛粒子を添加しないこと以外は実施例1と同等の条件で得た液状4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが添加されたビニルエステル樹脂をステンレスシャーレに高さ10mmとなるよう加え、加温増粘後、タイプAデュロメータを用いて25℃で測定した。
比重 :JIS K6911に準じて測定した。
厚み精度:中央部1点と四隅の厚みをマイクロメーターで測定し、その(最大値−最小値)を厚み精度とした。
外観 :ボイド、フクレ等がなく、均一に見えるものを○、それ以外を×とした。
Figure 2007012439
実施例1はすべての評価項目において良好であった。比較例1は粗粉が多く、成形中にガスが抜けきらず外観にボイドがみられるだけでなく、微粉も多く、粒状の導電性成形材料の金型内の充填性が悪く、厚み精度も悪化した。比較例2は粗粉が多いため、成形中にガスが抜けきらず、外観にボイドがみられ、比重も低かった。比較例3は微粉が多いため、粒状の導電性成形材料の金型内の充填性が悪く、厚み精度が悪化した。比較例4は樹脂粘度が高く、その表面硬度が94であったため、粒界面が浮き出て外観が悪化した。比較例5は樹脂粘度が低いため、粒状の導電性成形材料の金型内の充填性が悪く、厚み精度が悪化した。

Claims (13)

  1. 導電性材料と液状熱硬化性樹脂の増粘物とを主成分とする造粒物を含有し、該造粒物が粒径0.5〜3mmの範囲にあり、かつ該増粘物の粘度が25℃において5000Pa・s以上であることを特徴とする導電性成形材料。
  2. 導電性材料と液状熱硬化性樹脂の増粘物との含有質量比が99:1〜60:40である請求項1記載の導電性成形材料。
  3. 液状熱硬化性樹脂の増粘物が、液状熱硬化性樹脂を増粘剤で増粘させたものである請求項1記載の導電性成形材料。
  4. 液状熱硬化性樹脂が25℃において5000Pa・s以下の粘度である請求項3記載の導電性成形材料。
  5. 液状熱硬化性樹脂がビニルエステル樹脂である請求項3記載の導電性成形材料。
  6. 導電性材料が粒状である請求項1記載の導電性成形材料。
  7. 導電性材料の粒径が1〜1000μmである請求項1記載の導電性成形材料。
  8. 導電性材料が黒鉛粉である請求項1記載の導電性成形材料。
  9. 導電性成形材料が燃料電池セパレータ用である請求項1記載の導電性成形材料。
  10. 請求項1記載の導電性成形材料を成形して得られる燃料電池セパレータ。
  11. 請求項10記載の燃料電池セパレータを用いてなる燃料電池。
  12. 導電性材料と液状熱硬化性樹脂と増粘剤を混合した後、該樹脂を造粒し、加熱下で該樹脂を増粘させて、さらに分級することを特徴とする請求項1記載の導電性成形材料の製造方法。
  13. 導電性材料と液状熱硬化性樹脂と増粘剤を混合した後、該樹脂を造粒し、加熱下で該樹脂を増粘させて、さらに分級し請求項1記載の導電性成形材料としたのち、該成形材料を成形、硬化することを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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