JP2008016307A - 燃料電池セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレータの厚さムラや反りが小さいため、燃料電池の組み立て時におけるセパレータの割れが発生しにくく、かつ、接触抵抗の低い燃料電池セパレータを提供すること。
【解決手段】黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなり、バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなる燃料電池セパレータ。イミダゾール化合物としては、例えば、2−ウンデシルイミダゾール,2−ヘプタデシルイミダゾールなどの2−アルキルイミダゾールが挙げられる。
【選択図】なし
【解決手段】黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなり、バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなる燃料電池セパレータ。イミダゾール化合物としては、例えば、2−ウンデシルイミダゾール,2−ヘプタデシルイミダゾールなどの2−アルキルイミダゾールが挙げられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、燃料電池セパレータに関する。
燃料電池は、水素等の燃料と大気中の酸素とを電池に供給し、これらを電気化学的に反応させて水を作り出すことで直接発電させるものであり、高エネルギー変換可能で、環境適応性に優れていることから、小規模地域発電、家庭用発電、キャンプ場等での簡易電源、自動車、小型船舶等の移動用電源、人工衛星、宇宙開発用電源等の各種用途向けに開発が進められている。
このような燃料電池、特に固体高分子型燃料電池は、板状体の両側面に複数個の水素、酸素などの通路を形成するための凸部を備えた2枚のセパレータと、これらセパレータ間に固体高分子電解質膜と、ガス拡散電極(カーボンペーパー)とを介在させてなる単電池(単位セル)を数十個以上並設して(これをスタックという)なる電池本体(モジュール)から構成されている。
燃料電池セパレータは、各単位セルに導電性を持たせる役割、並びに単位セルに供給される燃料および空気(酸素)の通路を確保するとともに、それらの分離境界壁としての役割を果たすものである。このため、セパレータには、高電気導電性、高ガス不浸透性、(電気)化学的安定性、耐熱性、低コスト性などの諸特性が要求される。特に、家庭用燃料電池用途では長期の化学的安定性が要求される。
これらの諸特性を実現するための手法として、カーボン粉末のバインダーレジンとして(1)エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびリン系の硬化触媒を用いる手法(特許文献1:特開2003−327668号公報)や、(2)エポキシ樹脂およびゴム変性フェノール樹脂を用いる手法(特許文献2:特開2005−71887号公報)などが知られている。
しかしながら、上記(1)の方法では、エポキシ樹脂の硬化にリン系の硬化触媒を使用しているため、セパレータの耐熱性が乏しく、セパレータへフッ素樹脂系のシール材を成形する際に、セパレータが膨張したり、反ったりする様な不具合が生じてしまう。
また、上記(2)の方法では、ゴム変性フェノール樹脂を使用しているため、(1)と同様の理由でセパレータが膨張したり、反ったりする不具合が生じてしまう。
これらの不具合はセパレータの接触抵抗の上昇や燃料電池の組み立て時におけるセパレータの割れの原因になる。
また、上記(2)の方法では、ゴム変性フェノール樹脂を使用しているため、(1)と同様の理由でセパレータが膨張したり、反ったりする不具合が生じてしまう。
これらの不具合はセパレータの接触抵抗の上昇や燃料電池の組み立て時におけるセパレータの割れの原因になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、セパレータの厚さムラや反りが小さいため、燃料電池の組み立て時におけるセパレータの割れが発生しにくく、かつ、接触抵抗の低い燃料電池セパレータを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、黒鉛材料、内部離型剤、並びにオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびイミダゾール化合物からなるバインダー成分樹脂を含む組成物を成形して得られた燃料電池セパレータが、厚さムラおよび反りが小さく、接触抵抗が低いなど、従来のものに比べ格段に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなる燃料電池セパレータであって、前記バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなることを特徴とする燃料電池セパレータ、
2. 厚さムラが10〜30μmであり、かつ、反りが10〜100μmである1の燃料電池セパレータ、
3. シール成形後の反りが、10〜100μmである2の燃料電池セパレータ、
4. 前記燃料電池セパレータ組成物が、前記黒鉛材料100質量部に対し、前記バインダー成分樹脂を15〜30質量部、内部離型剤を0.05〜1.0質量部含む1〜3のいずれかの燃料電池セパレータ、
5. 前記バインダー成分樹脂が、前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノール樹脂合計100質量部に対し、前記イミダゾール化合物を0.98〜1.02質量部含む1〜4のいずれかの燃料電池セパレータ、
6. 前記バインダー成分樹脂が、前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に対し、前記フェノール樹脂を0.98〜1.02水酸基当量含む1〜5のいずれかの燃料電池セパレータ、
7. 前記イミダゾール化合物が、2−アルキルイミダゾールである1〜6のいずれかの燃料電池セパレータ、
8. 前記2−アルキルイミダゾールが、2−炭素数6〜17アルキルイミダゾールである7の燃料電池セパレータ、
9. 前記2−アルキルイミダゾール化合物が、2−ウンデシルイミダゾールおよび2−ヘプタデシルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種である8の燃料電池セパレータ、
10. 前記黒鉛材料が、針状コークスより焼成された人造黒鉛であり、平均粒径(d=50)が20〜200μmである1〜9のいずれかの燃料電池セパレータ、
11. 前記黒鉛材料が、平均粒径(d=50)20〜200μmの鱗片状天然黒鉛である1〜9のいずれかの燃料電池セパレータ、
12. 前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量が、190〜230である1〜11のいずれかの燃料電池セパレータ、
13. 前記フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、およびアラルキル変性フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種である1〜12のいずれかの燃料電池セパレータ、
14. 前記内部離型剤が、ステアリン酸亜鉛、金属石鹸類、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、および長鎖脂肪酸系のワックスから選ばれる少なくとも1種である1〜13のいずれかの燃料電池セパレータ
を提供する。
1. 黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなる燃料電池セパレータであって、前記バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなることを特徴とする燃料電池セパレータ、
2. 厚さムラが10〜30μmであり、かつ、反りが10〜100μmである1の燃料電池セパレータ、
3. シール成形後の反りが、10〜100μmである2の燃料電池セパレータ、
4. 前記燃料電池セパレータ組成物が、前記黒鉛材料100質量部に対し、前記バインダー成分樹脂を15〜30質量部、内部離型剤を0.05〜1.0質量部含む1〜3のいずれかの燃料電池セパレータ、
5. 前記バインダー成分樹脂が、前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノール樹脂合計100質量部に対し、前記イミダゾール化合物を0.98〜1.02質量部含む1〜4のいずれかの燃料電池セパレータ、
6. 前記バインダー成分樹脂が、前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に対し、前記フェノール樹脂を0.98〜1.02水酸基当量含む1〜5のいずれかの燃料電池セパレータ、
7. 前記イミダゾール化合物が、2−アルキルイミダゾールである1〜6のいずれかの燃料電池セパレータ、
8. 前記2−アルキルイミダゾールが、2−炭素数6〜17アルキルイミダゾールである7の燃料電池セパレータ、
9. 前記2−アルキルイミダゾール化合物が、2−ウンデシルイミダゾールおよび2−ヘプタデシルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種である8の燃料電池セパレータ、
10. 前記黒鉛材料が、針状コークスより焼成された人造黒鉛であり、平均粒径(d=50)が20〜200μmである1〜9のいずれかの燃料電池セパレータ、
11. 前記黒鉛材料が、平均粒径(d=50)20〜200μmの鱗片状天然黒鉛である1〜9のいずれかの燃料電池セパレータ、
12. 前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量が、190〜230である1〜11のいずれかの燃料電池セパレータ、
13. 前記フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、およびアラルキル変性フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種である1〜12のいずれかの燃料電池セパレータ、
14. 前記内部離型剤が、ステアリン酸亜鉛、金属石鹸類、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、および長鎖脂肪酸系のワックスから選ばれる少なくとも1種である1〜13のいずれかの燃料電池セパレータ
を提供する。
本発明の燃料電池セパレータは、黒鉛材料、内部離型剤、並びにオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物を含むバインダー成分樹脂を含む組成物を成形してなるものであるため、厚さムラおよび反りが小さいから、組み立て時に割れが発生しにくく、接触抵抗も低い。
さらに、バインダー成分樹脂の硬化促進剤としてイミダゾール化合物を使用しているので、セパレータの耐熱性が高く、セパレータにフッ素樹脂系のシール材などを成形する際にも、セパレータに反りや膨張が発生しにくい。
さらに、バインダー成分樹脂の硬化促進剤としてイミダゾール化合物を使用しているので、セパレータの耐熱性が高く、セパレータにフッ素樹脂系のシール材などを成形する際にも、セパレータに反りや膨張が発生しにくい。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る燃料電池セパレータは、黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなり、バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池セパレータは、黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなり、バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなることを特徴とする。
ここで、黒鉛材料としては、例えば、天然黒鉛、針状コークスを焼成した人造黒鉛、塊状コークスを焼成した人造黒鉛、電極を粉砕したもの、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークス、活性炭、ガラス状カーボン、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、針状コークスを焼成した人造黒鉛、鱗片状天然黒鉛が好適である。
これらの中でも、針状コークスを焼成した人造黒鉛、鱗片状天然黒鉛が好適である。
黒鉛材料の平均粒径は、粒度分布d50にて20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましく、40〜100μmが最適である。平均粒径が20μm未満であると、バインダー成分樹脂が黒鉛材料の表面を覆い易くなり、黒鉛材料の粒子同士の接触面積が小さくなる。このためセパレータ自体の導電性が悪化する可能性がある。一方、平均粒径が200μmを超えると、黒鉛材料粒子の空隙が大きくなり過ぎるため要求される機械的強度が得られない可能性がある。
燃料電池セパレータの厚さムラおよび反りの防止効果をより一層高めることを考慮すると、黒鉛材料としては、粒径1μm以下が1%以下、かつ、粒径300μm以上が1%以下のものが好ましく、粒径1μm以下が1%以下、かつ、250μm以上が1%以下であるものがより好ましい。
なお、平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製)による測定値である。
燃料電池セパレータの厚さムラおよび反りの防止効果をより一層高めることを考慮すると、黒鉛材料としては、粒径1μm以下が1%以下、かつ、粒径300μm以上が1%以下のものが好ましく、粒径1μm以下が1%以下、かつ、250μm以上が1%以下であるものがより好ましい。
なお、平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製)による測定値である。
本発明において、バインダー成分樹脂は、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびイミダゾール化合物から構成される。
この場合、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノール樹脂との混合物100質量部に対して、イミダゾール化合物を0.98〜1.02質量部配合することが好ましい。イミダゾール化合物の配合量が0.98質量部未満であると、バインダー成分の硬化反応が遅くなったり、硬化反応が不十分になったりする虞があり、1.02質量部を超えると、バインダー成分の硬化反応が過敏になるためポットライフが短くなる虞がある。
さらに、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に対してフェノール樹脂を0.98〜1.02水酸基当量配合することが好ましい。フェノール樹脂が0.98水酸基当量未満になると、未反応のエポキシ樹脂が残存し、発電中に未反応成分が溶出する虞があり、1.02水酸基当量を超えると、未反応のフェノール樹脂が残存し、発電中に未反応成分が溶出する虞がある。
この場合、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノール樹脂との混合物100質量部に対して、イミダゾール化合物を0.98〜1.02質量部配合することが好ましい。イミダゾール化合物の配合量が0.98質量部未満であると、バインダー成分の硬化反応が遅くなったり、硬化反応が不十分になったりする虞があり、1.02質量部を超えると、バインダー成分の硬化反応が過敏になるためポットライフが短くなる虞がある。
さらに、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に対してフェノール樹脂を0.98〜1.02水酸基当量配合することが好ましい。フェノール樹脂が0.98水酸基当量未満になると、未反応のエポキシ樹脂が残存し、発電中に未反応成分が溶出する虞があり、1.02水酸基当量を超えると、未反応のフェノール樹脂が残存し、発電中に未反応成分が溶出する虞がある。
オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、190〜230が好ましく、200〜220がより好ましく、200〜210が最適である。エポキシ当量が190未満であると、樹脂の分子量が低すぎるため、セパレータの耐熱性が乏しくなり、230を超えると分子量が高すぎるため、成形時における材料の流動性が乏しくなり、セパレータの成形が困難になる可能性がある。
フェノール樹脂は、上記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、その具体例としては、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、アラルキル変性フェノール樹脂等が挙げられる。なお、これらのフェノール樹脂は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
フェノール樹脂は、上記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、その具体例としては、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、アラルキル変性フェノール樹脂等が挙げられる。なお、これらのフェノール樹脂は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
イミダゾール化合物は、上記エポキシ樹脂の硬化促進剤として作用するものである。このイミダゾール化合物としては、特に限定はないが、得られるセパレータの耐熱性向上などを考慮すると、2−アルキルイミダゾールが好ましく、2−炭素数6〜17アルキルイミダゾールがより好ましく、2−炭素数10〜17アルキルイミダゾールがより一層好ましい。具体例としては、2−ヘキシルイミダゾール、2−ヘプチルイミダゾール、2−オクチルイミダゾール、2−ノニルイミダゾール、2−デシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等が挙げられるが、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールが好適である。なお、イミダゾール化合物は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
内部離型剤としては、特に限定されるものではなく、従来、セパレータの成形に用いられている各種内部離型剤を用いることができる。具体例としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、長鎖脂肪酸系のワックス等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
燃料電池セパレータ用組成物を構成する黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、黒鉛材料100質量部に対してバインダー成分樹脂15〜30質量部程度、内部離型剤0.05〜1.0質量部程度とすることが好ましい。特に、黒鉛材料100質量部に対し、バインダー成分樹脂18〜27質量部、内部離型剤0.1〜0.8質量部とすることが好ましく、バインダー成分樹脂20〜25質量部、内部離型剤0.3〜0.7質量部とすることがより好ましい。
この場合、バインダー成分樹脂が、15質量部未満であると、成形材料の流動性が不足して成形不良が起きる場合があり、30質量部を超えると、燃料電池セパレータとしての導電性が不足する場合がある。
また、内部離型剤が0.1質量部未満であると、離型性が悪くなり脱型不良が起きる場合があり、1.0質量部を超えると、内部離型剤がバインダー成分樹脂を可塑化させ、強度不足になる場合がある。
この場合、バインダー成分樹脂が、15質量部未満であると、成形材料の流動性が不足して成形不良が起きる場合があり、30質量部を超えると、燃料電池セパレータとしての導電性が不足する場合がある。
また、内部離型剤が0.1質量部未満であると、離型性が悪くなり脱型不良が起きる場合があり、1.0質量部を超えると、内部離型剤がバインダー成分樹脂を可塑化させ、強度不足になる場合がある。
本発明の燃料電池セパレータは、上記燃料電池セパレータ用組成物を調製し、この組成物を成形して得ることができる。この場合、組成物の調製方法および成形体の成形方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができる。
組成物の調製は、例えば、上述のバインダー成分樹脂、黒鉛材料および内部離型剤のそれぞれを任意の順序で所定割合混合して調製すればよい。この際、混合機としては、例えば、プラネタリミキサ、リボンブレンダ、レディゲミキサ、ヘンシェルミキサ、ロッキングミキサ、ナウターミキサ等を用いることができる。
セパレータの成形方法としては、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形、シート成形等を採用することができる。
組成物の調製は、例えば、上述のバインダー成分樹脂、黒鉛材料および内部離型剤のそれぞれを任意の順序で所定割合混合して調製すればよい。この際、混合機としては、例えば、プラネタリミキサ、リボンブレンダ、レディゲミキサ、ヘンシェルミキサ、ロッキングミキサ、ナウターミキサ等を用いることができる。
セパレータの成形方法としては、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形、シート成形等を採用することができる。
以上のような組成物を成形して得られる本発明の燃料電池セパレータは、厚さムラ10〜30μm、かつ、反りが10〜100μmを満たすので、セパレータ同士の間および/またはセパレータと電極との間の接触抵抗が低い。また、セパレータの厚さムラや反りによる、燃料電池の組み立て時におけるセパレータの割れが発生しにくい。
このような特性を有する燃料電池セパレータは、特に、固体高分子型燃料電池のセパレータとして好適に用いることができる。
一般的に固体高分子型燃料電池は、固体高分子膜を挟む一対の電極と、これらの電極を挟んでガス供給排出用流路を形成する一対のセパレータとから構成される単位セルが多数並設されてなるものであるが、これら複数個のセパレータの一部または全部として本発明の燃料電池セパレータを用いることができる。
このような特性を有する燃料電池セパレータは、特に、固体高分子型燃料電池のセパレータとして好適に用いることができる。
一般的に固体高分子型燃料電池は、固体高分子膜を挟む一対の電極と、これらの電極を挟んでガス供給排出用流路を形成する一対のセパレータとから構成される単位セルが多数並設されてなるものであるが、これら複数個のセパレータの一部または全部として本発明の燃料電池セパレータを用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製)により測定した値である。
[実施例1]
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)16質量部とノボラック型フェノール樹脂8質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.24質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部をヘンシェルミキサ内に投入し、1000rpmで3分間混合して燃料電池セパレータ用組成物を調製した。
得られた組成物を200mm×200mmの燃料電池セパレータ作製用の金型に投入し、金型温度185℃、成形圧力20MPa、成形時間30秒間の条件により圧縮成形し、燃料電池セパレータを得た。
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)16質量部とノボラック型フェノール樹脂8質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.24質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部をヘンシェルミキサ内に投入し、1000rpmで3分間混合して燃料電池セパレータ用組成物を調製した。
得られた組成物を200mm×200mmの燃料電池セパレータ作製用の金型に投入し、金型温度185℃、成形圧力20MPa、成形時間30秒間の条件により圧縮成形し、燃料電池セパレータを得た。
[実施例2]
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて30μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)15質量部とクレゾールノボラック型フェノール樹脂9質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.24質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて30μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)15質量部とクレゾールノボラック型フェノール樹脂9質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.24質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[実施例3]
鱗片状天然黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて50μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)16質量部とノボラック型フェノール樹脂8質量部と2−ウンデシルイミダゾール0.2質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
鱗片状天然黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて50μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)16質量部とノボラック型フェノール樹脂8質量部と2−ウンデシルイミダゾール0.2質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[実施例4]
鱗片状天然黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて30μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)15質量部とクレゾールノボラック型フェノール樹脂9質量部と2−ウンデシルイミダゾール0.24質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
鱗片状天然黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて30μm)100質量部、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)15質量部とクレゾールノボラック型フェノール樹脂9質量部と2−ウンデシルイミダゾール0.24質量部とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[比較例1]
バインダー成分樹脂中の2−ヘプタデシルイミダゾールに代えて、トリフェニルフォスフィンを用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池セパレータを得た。
バインダー成分樹脂中の2−ヘプタデシルイミダゾールに代えて、トリフェニルフォスフィンを用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池セパレータを得た。
[比較例2]
バインダー成分樹脂中の2−ヘプタデシルイミダゾールに代えて、トリフェニルフォスフィンを用いた以外は実施例2と同様にして燃料電池セパレータを得た。
バインダー成分樹脂中の2−ヘプタデシルイミダゾールに代えて、トリフェニルフォスフィンを用いた以外は実施例2と同様にして燃料電池セパレータを得た。
上記各実施例および比較例で得られた燃料電池セパレータサンプルについて、固有抵抗、接触抵抗、厚さムラ、反り、およびシール成形後の反りを測定・評価した。これらの結果を表1に示す。
[実施例5]
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)9.9質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)4.95質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.15質量部(バインダー成分のトータル:15質量部)とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.4質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)9.9質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)4.95質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.15質量部(バインダー成分のトータル:15質量部)とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.4質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[実施例6]
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)19.8質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)9.9質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.3質量部(バインダー成分のトータル30質量部)からなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)19.8質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)9.9質量部と2−ヘプタデシルイミダゾール0.3質量部(バインダー成分のトータル30質量部)からなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[比較例3]
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)6.6質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)3.3質量部とトリフェニルフォスフィン0.1質量部(バインダー成分のトータル10質量部)からなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.2質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)6.6質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)3.3質量部とトリフェニルフォスフィン0.1質量部(バインダー成分のトータル10質量部)からなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.2質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[比較例4]
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)26.4質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)13.2質量部とトリフェニルフォスフィン0.4質量部(バインダー成分のトータル40質量部)とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.8質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
針状コークスを焼成して得られた人造黒鉛粉末(平均粒径:粒度分布d50にて60μm)100質量部に対し、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210)26.4質量部とノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105)13.2質量部とトリフェニルフォスフィン0.4質量部(バインダー成分のトータル40質量部)とからなるバインダー成分樹脂、および内部離型剤であるカルナバワックス0.8質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
実施例5,6、および比較例3,4で得られた燃料電池セパレータサンプルについて、表1と同様に固有抵抗、接触抵抗、厚さムラ、反り、およびシール成形後の反りを測定・評価した。これらの結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を30μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
実施例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を30μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[実施例8]
実施例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を100μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
実施例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を100μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[比較例5]
比較例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を10μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
比較例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を10μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
[比較例6]
比較例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を200μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
比較例1記載の人造黒鉛粉末の平均粒径を200μm(d50)に変えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池セパレータを得た。
実施例7,8および比較例5、6で得られた燃料電池セパレータサンプルについて、表1と同様に固有抵抗、接触抵抗、厚さムラ、反り、およびシール成形後の反りを測定・評価した。これらの結果を表3に示す。
なお、表1〜3における各評価項目は以下の方法により、測定・評価した。
[1]固有抵抗
JIS H0602(シリコン単結晶およびシリコンウエーハの4探針による抵抗率測定方法)に基づいて測定した。
[2]接触抵抗
(1)カーボンペーパー+セパレータサンプル
上記で得られた各セパレータサンプルを2枚重ね合わせ、その上下にカーボンペーパー(TGP−H060、東レ(株)製)を配置し、さらにその上下に銅電極を配置し、上下方向に1MPaの面圧をかけ、4端子法により電圧を測定した。
(2)カーボンペーパー
カーボンペーパーの上下に銅電極を配置し、上下方向に1MPaの面圧をかけ、4端子法により電圧を測定した。
(3)接触抵抗算出方法
上記(1),(2)で求めた各電圧値よりセパレータサンプルとカーボンペーパーとの電圧降下を求め、下記式により接触抵抗を算出した。
接触抵抗=(電圧降下×接触面積)/電流
[3]厚さムラ
マイクロメータによりセパレータの厚さを測定し、下記式により厚さムラを測定した。
厚さムラ=最大厚さ−最小厚さ
[4]反り
ハイトゲージにより圧縮成形後のセパレータの反りを測定した。
[5]シール成形後の反り
フッ素系樹脂を射出成形によりシール成形した後、170℃にて1時間加熱処理した。その後常温まで冷却させた状態でのセパレータの反りをハイトゲージにて測定した。
[1]固有抵抗
JIS H0602(シリコン単結晶およびシリコンウエーハの4探針による抵抗率測定方法)に基づいて測定した。
[2]接触抵抗
(1)カーボンペーパー+セパレータサンプル
上記で得られた各セパレータサンプルを2枚重ね合わせ、その上下にカーボンペーパー(TGP−H060、東レ(株)製)を配置し、さらにその上下に銅電極を配置し、上下方向に1MPaの面圧をかけ、4端子法により電圧を測定した。
(2)カーボンペーパー
カーボンペーパーの上下に銅電極を配置し、上下方向に1MPaの面圧をかけ、4端子法により電圧を測定した。
(3)接触抵抗算出方法
上記(1),(2)で求めた各電圧値よりセパレータサンプルとカーボンペーパーとの電圧降下を求め、下記式により接触抵抗を算出した。
接触抵抗=(電圧降下×接触面積)/電流
[3]厚さムラ
マイクロメータによりセパレータの厚さを測定し、下記式により厚さムラを測定した。
厚さムラ=最大厚さ−最小厚さ
[4]反り
ハイトゲージにより圧縮成形後のセパレータの反りを測定した。
[5]シール成形後の反り
フッ素系樹脂を射出成形によりシール成形した後、170℃にて1時間加熱処理した。その後常温まで冷却させた状態でのセパレータの反りをハイトゲージにて測定した。
表1に示されるように、実施例1〜4および比較例1,2で得られたセパレータの固有抵抗は同程度であったが、各実施例で得られたセパレータの接触抵抗は比較例の約1/2の値であった。各実施例のセパレータの接触抵抗が低い理由は、厚さ精度および反りが比較例より優れており、セパレータとカーボンペーパーとの接触面積が広いからである。すなわち、実施例記載のセパレータはシール材の成形後においても、反りや膨張が起きることも無く、低接触抵抗を保つことができる。
表1〜3記載の実施例で示される組成物の燃料電池セパレータは固有抵抗が低く、かつ、厚さムラや反りが小さいので接触抵抗が低く、固体高分子型燃料電池のセパレータとして好適に用いることができる。
表1〜3記載の実施例で示される組成物の燃料電池セパレータは固有抵抗が低く、かつ、厚さムラや反りが小さいので接触抵抗が低く、固体高分子型燃料電池のセパレータとして好適に用いることができる。
Claims (14)
- 黒鉛材料、バインダー成分樹脂および内部離型剤を含む燃料電池セパレータ組成物を成形してなる燃料電池セパレータであって、
前記バインダー成分樹脂が、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物からなることを特徴とする燃料電池セパレータ。 - 厚さムラが10〜30μmであり、かつ、反りが10〜100μmである請求項1記載の燃料電池セパレータ。
- シール成形後の反りが、10〜100μmである請求項2記載の燃料電池セパレータ。
- 前記燃料電池セパレータ組成物が、前記黒鉛材料100質量部に対し、前記バインダー成分樹脂を15〜30質量部、内部離型剤を0.05〜1.0質量部含む請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記バインダー成分樹脂が、前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノール樹脂合計100質量部に対し、前記イミダゾール化合物を0.98〜1.02質量部含む請求項1〜4のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記バインダー成分樹脂が、前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に対し、前記フェノール樹脂を0.98〜1.02水酸基当量含む請求項1〜5のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記イミダゾール化合物が、2−アルキルイミダゾールである請求項1〜6のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記2−アルキルイミダゾールが、2−炭素数6〜17アルキルイミダゾールである請求項7記載の燃料電池セパレータ。
- 前記2−アルキルイミダゾール化合物が、2−ウンデシルイミダゾールおよび2−ヘプタデシルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の燃料電池セパレータ。
- 前記黒鉛材料が、針状コークスより焼成された人造黒鉛であり、平均粒径(d=50)が20〜200μmである請求項1〜9のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記黒鉛材料が、平均粒径(d=50)20〜200μmの鱗片状天然黒鉛である請求項1〜9のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量が、190〜230である請求項1〜11のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、およびアラルキル変性フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜12のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
- 前記内部離型剤が、ステアリン酸亜鉛、金属石鹸類、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、および長鎖脂肪酸系のワックスから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜13のいずれか1項記載の燃料電池セパレータ。
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