JP2007008040A - カード用熱転写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写媒体を変更することなく、転写媒体のニアエンドの検出が可能なカード用熱転写装置を提供する。
【解決手段】 中間転写型熱転写印刷装置1は、インクリボンを巻取って搬送する巻取りローラ53と、インクリボン上の頭出しマークを検出する頭出しセンサ57と、インクリボンが搬送されるとき、頭出しセンサ57が頭出しマークを検出してから次の頭出しマークを検出するまでの経過時間を計測し、この経過時間が規定時間以下である場合にインクリボンの残量が僅少であると判断する判断部67と、を備えている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、リボン状の転写媒体が装着され用いられるカード用熱転写装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1がある。この文献に記載された装置は、インクが塗布されたインクリボンを巻取りながら搬送し、このインクリボン上のインクを記録紙に転写するものである。この種の装置においては、インクリボンの交換時期が近づいた場合にその旨を予めユーザに知らせるため、インクリボンの残量が僅少である旨(ニアエンド)を検出する必要がある。そこで、上記インクリボンの終端付近の位置にはニアエンドマークが設けられており、上記の装置には上記ニアエンドマークを検出するための光センサが設けられている。そして、この装置において、インクリボンが終端付近まで巻取られた際には、インクリボン上のニアエンドマークが光センサによって検出されることで、インクリボンの終端が近い旨、すなわちニアエンドが検出される。
特開平7−17116号公報
しかしながら、上記の装置においては、ニアエンド検出のために、頭出しマークが設けられたインクリボン上に、更にニアエンドマークを設けることが必要であり、このような構成がインクリボンのコストダウンを困難にしているという問題点があった。
そこで、本発明は、転写媒体を変更することなく、転写媒体のニアエンドの検出が可能なカード用熱転写装置を提供することを目的とする。
本発明に係るカード用熱転写装置は、長手方向に頭出しマークが配列された所定長さのリボン状の転写媒体が装着されて用いられるカード用熱転写装置において、転写媒体を長手方向に巻取って搬送する巻取りローラと、巻取りローラによって巻取られ搬送される転写媒体の頭出しマークを検出する検出センサと、転写媒体が巻取りローラによって巻取られ搬送されるとき、検出センサが頭出しマークを検出してから次の頭出しマークを検出するまでの経過時間を計測し、この経過時間が規定時間以下である場合に転写媒体の残量が僅少であると判断する判断手段と、を備えたことを特徴とする。
このカード用熱転写装置では、巻取りローラによってリボン状の転写媒体を巻取って搬送するので、使用済みの転写媒体の量に応じて巻取り径が変化し、それによって転写媒体の搬送速度が変化することになる。この転写媒体が巻取られ搬送されると、まず、転写媒体上の頭出しマークが検出センサによって検出され、更に転写媒体が搬送されて、次の頭出しマークが検出される。このとき、巻取りローラの回転速度が一定であれば、転写媒体の搬送速度は、巻取りローラにおける巻取り径が大きくなるほど速くなるので、先の頭出しマークが検出されてから後の頭出しマークが検出されるまでの経過時間は、巻取り径が大きくなるほど短くなる。よって、この装置においては、上記経過時間が規定時間以下となった場合には、使用済みの転写媒体の量が規定以上であることを意味し、すなわち転写媒体の残量が規定以下であることを意味する。従って、判断手段は、上記経過時間が規定時間以下となった場合に転写媒体の残量が僅少であると判断することにより、転写媒体のニアエンドを検出することができる。このように、上記カード用熱転写装置では、転写媒体の頭出しに用いられている既存の頭出しマークを用いることで、転写媒体を変更することなく、転写媒体のニアエンド検出を行うことができる。
また、本発明のカード用熱転写装置は、カードの処理を行った枚数をカウントする処理枚数カウント手段と、処理枚数カウント手段でカウントされた処理枚数が規定枚数以上である場合に転写媒体の残量が僅少である旨の警告を行う警告手段と、処理枚数カウント手段でカウントされた処理枚数をリセットするリセット手段と、を更に備え、判断手段は、電源投入直後又はドアの閉鎖の直後において、転写媒体の残量が僅少であるか否かの判断を行い、リセット手段は、判断手段によって転写媒体の残量が僅少ではないと判断され、且つ、処理枚数が規定枚数以上である場合に、処理枚数をリセットすることが好適である。
このカード用熱転写装置の電源が投入された直後又はドアが閉鎖された直後は、転写媒体が巻取られ搬送され、判断手段によって残量が僅少か否かが判断される。そして、判断手段によって転写媒体の残量が僅少ではないと判断された場合には、処理枚数カウント手段でカウントされている処理枚数が規定枚数以上であったとしても、リセット手段により、処理枚数がリセットされる。従って、例えば、電源の投入前又はドアの閉鎖前に、転写媒体が途中まで使用された状態で新品に交換された場合にも、処理枚数のカウントがリセットされることになり、転写媒体の実際の残量と処理枚数のカウントとが整合することになる。そして、その後は、この処理枚数が更にカウントされ、処理枚数が規定枚数以上の場合には転写媒体の残量が僅少であるとして警告が行われるので、上記のように転写媒体が途中交換された後も、転写媒体の実際の残量に合わせて、残量僅少の警告を正しく行うことができる。
また、この装置では、電源が投入された直後又はドアが閉鎖された直後に、転写媒体が巻取られ搬送されて転写媒体が頭出しマークの間の長さ分だけ空送りされることになる。よって、電源投入前又はドアが開いている時に転写媒体にゴミが付着したとしても、ゴミがついた部分は下流に送られ、その上流側の新しい部分がカードの熱転写に使用されることになる。このため、カードの熱転写品質を向上することができる。
本発明のカード用熱転写装置によれば、転写媒体を変更することなく、転写媒体のニアエンドの検出を行うことが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るカード用熱転写装置の好適な一実施形態としての中間転写型熱転写印刷装置について詳細に説明する。
図1及び図2に示す中間転写型熱転写印刷装置1は、カードプリンタとも呼ばれ、印刷画像を厚さ約20μm程度の透明なフィルムFに一旦転写した後、このフィルムFから記録媒体(例えばプラスチック製のキャッシュカード、クレジットカード、プリペードカード、ICカードなど)Sに再転写する装置である。このような熱転写印刷装置1は、カードSを発行する際に利用され、高品位な画像をカードSの表面に印刷することができる。従って、セキュリティを高める目的で顔写真の入ったカードSの発行をも可能にする。
この中間転写型熱転写印刷装置1は、筐体前面に開閉可能に設けられたドア71と、ユーザの操作を受け付けたり装置1の動作状態を表示したりするパネル部73とを有する。更に、中間転写型熱転写印刷装置1は、印刷予定のプラスチック製カードSを積層状態でセッティングするためのストック部2を有する。カードSは、送出し爪3の進退運動によってストック部2の一番下から一枚ずつ繰り出され、ストック部2から繰り出されたカードSは、反転部4内に一旦装填される。反転部4が水平状態から90度回転した後、送りローラ6によってカードSが上昇すると、カードSは磁気読み/書き部7内に送り込まれる。そして、この磁気読み/書き部7で、カードSの磁気ストライプ内に所定の情報を書き込んだり、磁気ストライプ内の所定の情報を読み取る。
これに対して、送りローラ6によってカードSが下降すると、カードSは、非接触IC読み/書き部8内に送り込まれる。そして、この非接触IC読み/書き部8で、カードSのIC内に所定の情報を書き込んだり、IC内の所定の情報を読み取る。その後、反転部4から送り出されたカードSは、着脱自在なクリーニングローラ10を通過した後、ガイド溝12で両側を支持されながら、搬送ローラ11によりカードSは画像印刷される直前まで移動する。
なお、磁気検出や非接触IC検出が必要ない場合には、反転部4は水平に維持される。また、磁気読み/書き部7又は非接触IC読み/書き部8で不適切と判断されたカードSは、反転部4の回転後、送りローラ6によってイジェクトボックス9内に排出される。
次に、カードSへの画像転写を可能にするために、この熱転写印刷装置1は、フィルムFに画像を熱転写する記録部(一次転写部)Aと、フィルムFに転写された画像とカードSとを対向させて、カードSに画像を熱転写する再転写部(二次転写部)Bと、画像転写後のカードSの反りを矯正する反り矯正部Cとを備えている。
さらに、この熱転写印刷装置1は、抜き差しにより交換可能なフィルムカートリッジ13とリボンカートリッジ14とを有している。リボンカートリッジ14では、所定の長さのカラーインクリボン(転写媒体)Rが上下一対のボビン17,18に巻かれている。このボビン17,18がリボン巻取りローラ51,53によって回転されることで、カラーインクリボンRが長手方向に巻取られながら、記録部Aにおいて上下に搬送される。図3に示すように、このリボンカートリッジ14内のカラーインクリボンRには、溶融性又は昇華性の溶融性又は昇華性のイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色のインクを1フレームとして、250フレーム分のインクが周期的に塗布されている。そして、インクリボンRには、これらの4色のインク塗布部50a,50b,50c,50dを、記録部Aの位置に順次頭出しするための黒色矩形の頭出しマークMが設けられており、この頭出しマークMは、インク塗布部と同じピッチで長手方向に等間隔で配列されている。そして、記録部Aよりも下流側のリボンR搬送路上には、上述の頭出しマークMを検出するためのフォトインタラプタ型の頭出しセンサ57が設けられている。
また、フィルムカートリッジ13では、フィルムFが上下一対のボビン15,16に巻かれている。フィルムカートリッジ13内のフィルムFは、図4に示すように、シート基材40上に剥離層41を介して透明受像層42が設けられた構造をなしている。詳細は後述するが、フィルムFのこのような構造によって、記録部(一次転写部)Aで所望の画像を透明受像層42に転写することができ、剥離層41によって、この透明受像層42を再転写部(二次転写部)Bでシート基材40から容易に剥離することができる。
上述した記録部Aにおいては、まず、巻取りローラ53を回転させてカラーインクリボンRを搬送し、頭出しセンサ57がカラーインクリボンR上の頭出しマークMを検出した時に、巻取りローラ53の回転を停止してカラーインクリボンRの搬送を停止する。こうして、カラーインクリボンRの第1色目のシアン塗布部が記録部Aに頭出しされる。そして、水平方向に進退可能なフィルム引出しローラ19a,19bと、プラテンローラ(通称「プラテン」)20との協働により、プラテンローラ20の略半周面にフィルムFが押し当てられるように巻き付けられ、サーマルヘッド21によって、プラテンローラ20上のフィルムFにカラーインクリボンRが押し当てられる。そして、フィルムFとカラーインクリボンRとを同期させながら下方に送ることで、加熱状態のサーマルヘッド21によって、カラーインクリボンRの第1色目(シアン)がフィルムFの透明受像層42上に熱転写される。
次に、ラック・ピニオン駆動機構22によってサーマルヘッド21を後退させて、フィルムFとカラーインクリボンRとを離間させた状態で、プラテンローラ20を逆転させながらフィルムFを上昇させて元の位置に復帰させる。更に、巻取りローラ53を回転させてカラーインクリボンRを搬送し、頭出しセンサ57がカラーインクリボンR上の頭出しマークMを検出した時に、巻取りローラ53の回転を停止してカラーインクリボンRの搬送を停止する。こうして、カラーインクリボンRの第2色目のマゼンタインク50mの塗布部が記録部Aに頭出しされる。その後、前述の転写動作を繰り返しながら、透明受像層42上にマゼンタ、イエロー、ブラックの順に色を重層させて、所望のカラー画像をフィルムFの透明受像層42上に作り出す。
その後、フィルム引出しローラ19a,19bをプラテンローラ20から離間させた状態で、供給側ボビン15及び巻取り側ボビン16の回転によってフィルムF上の記録画像をヒートローラ23の手前まで移動させる。このとき、カードSの先端は、フィルムF上の記録画像の先端と位置合わせされ、カードSとフィルムFとは、重ね合わされた状態で再転写部Bに送り込まれる。
図5に示すように、この再転写部Bにおいて、位置合わせされたカードSとフィルムFとは、重ね合わされた状態でヒートローラ23と押圧ローラ24とで挟み込まれ、160〜200°Cに加熱されたヒートローラ23と押圧ローラ24との協働により、カードSとフィルムFとを加圧搬送させながら、フィルムF上の記録画像をカードSの表面に徐々に転写させる。その後、フィルムFのシート基材40は、剥離層41を境にして、カードSの表面に貼着した透明受像層42と分離し、カードSから剥離しながらボビン16に巻き取られていく。このようにして、画像が形成された透明受像層42がカードS表面に残されることで、カードSの表面に画像が印刷されることになる。また、ヒートローラ23によって加熱されたカードSには反りが発生するので、カードSは、反り矯正部Cに送り込まれて加圧処理された後、真っ直ぐな状態で装置1外に排出される。
このような装置1においては、1枚のカードSの印刷処理ごとに1フレーム分のインクリボンRが消費され、リボンカートリッジ14内の250フレーム分のインクリボンRがすべて消費された場合には、リボンカートリッジ14を新しいものに交換しなければならない。このため、装置1は、印刷処理中にインクリボンRの終端を検出したときには、ブザー69a(図6参照)を鳴らしながらパネル部73のLED69bを点灯させることでリボン切れである旨をユーザに知らせるようになっている。なお、このとき、ユーザは、装置1のドア71を開いて、リボンカートリッジ14を抜き差しして交換することができる。
更に、この装置1は、上記リボン切れの通知に先立って、インクリボンRがすべて消費される前に、リボンRの残量が僅少である旨(ニアエンド)を、ブザー音やLED点灯によって、予めユーザに警告するようになっている。このことにより、ユーザは、リボン切れの前に、予め新品のリボンを準備することができる。なお、警告を発するべきインクリボンRの残量を何フレーム分とするかは、予め設定されるが、ここでは、インクリボンRの残量が50フレーム分になった時に上記の警告を発するものとして説明する。
以上のような印刷処理における装置1の動作を達成するため、装置1は、図6に示すように、CPU、RAM等を有する中央処理部61を備えている。中央処理部61は、メモリ部63に格納されたプログラムコード及びデータを読み出すことによって、装置1全体の動作制御を行う。そして、中央処理部61は、読み出したプログラムコードの実行によって、次に説明するニアエンド警告部(警告手段)65、カウント部(処理枚数カウント手段)66、リセット部(リセット手段)68、及び判断部(判断手段)67を、機能的な構成要素として備える。
このカウント部66は、カードSの印刷処理枚数をカウントする機能を有し、リセット部68は、カウント部66でカウントされた処理枚数カウントをリセットする機能を有している。そして、ニアエンド警告部65は、カウント部66による処理枚数カウントが200枚に達した時には、インクリボンRの残量が50フレーム分になったものとみなして、ブザー69a及びLED69bに信号を送信し、ブザー音やLED点灯によって、インクリボンRがニアエンドである旨をユーザに警告する機能を有している。
また、判断部67は、上記した処理枚数カウントによる方法とは別の方法で、インクリボンRの残量が僅少であるか否かを判断する機能を有している。具体的には、まず、この判断部67は、モータ52を駆動し巻取りローラ53を回転させてインクリボンRを搬送する。そして、インクリボンRを搬送しながら、頭出しセンサ57が頭出しマークMを検出してから次の頭出しマークを検出するまでの経過時間を計測する。判断部67は、この経過時間が規定時間以下である場合には、インクリボンRの残量が僅少であると判断し、規定時間よりも長い場合には、インクリボンRの残量が僅少ではないと判断する。なお、このような判断が可能であるのは以下の理由による。この装置1では、巻取りローラ53の回転速度が一定であれば、インクリボンRの搬送速度は、巻取りローラ53に巻き付いた使用済みのリボンの巻取り径が大きくなるほど速くなるので、先の頭出しマークが検出されてから後の頭出しマークが検出されるまでの経過時間は、巻取り径が大きくなるほど短くなる。
よって、上記経過時間が規定時間以下となった場合には、使用済みのインクリボンRの量が規定以上であることを意味し、残量が規定以下であることを意味する。従って、上記の経過時間が規定時間以下となった場合には、インクリボンRの残量が僅少であると判断することができる。なお、上記の規定時間として最適な値は、装置1個体ごとにバラツキがあるので、規定時間は装置1ごとに予め測定し設定される。
このような判断部67によるニアエンドの判断においては、インクリボンRの記録部Aへの頭出しに用いられている既存の頭出しマークMを用いているので、インクリボンR上にニアエンドマークを設けるといったコストアップを伴う変更が必要なく、既存のインクリボンRを用いることができる。
以上の構成に基づいて、装置1によって行われる具体的な処理について、図7を参照し説明する。まず、装置1の電源が投入されるか、電源が投入された状態において開かれていた装置1のドア71が閉じられると(S102)、巻取りローラ53を回転させ、インクリボンRの搬送を開始する(S104)。この搬送中に、インクリボンR上の1つ目の頭出しマークMが、頭出しセンサ57を通過し検出される(S106)。更にリボンRが搬送されて、2つ目の頭出しマークMが頭出しセンサ57に検出されたときに(S108)、インクリボンRの搬送を停止する(S110)。そして、判断部67は、頭出しセンサ57が1つ目の頭出しマークMが検出してから2つ目の頭出しマークMを検出するまでに経過した経過時間を取得する(S112)。
次に、判断部67は、上記経過時間と規定時間とを大小比較し(S114)、経過時間が規定時間以上である場合には、インクリボンRの残量が僅少ではないと判断し、この場合、カウント部66の処理枚数カウントと規定枚数との大小比較が行われる(S116)。そして、処理枚数カウントが200枚(規定枚数)以上である場合(すなわち、インクリボンRの残量が僅少である旨を示している場合)には、リボンカートリッジ14が交換されたばかりであるにも関わらず処理枚数カウントがリセットされていない状態であるとみなし、リセット部68がカウンタ部66の処理枚数カウントをゼロにリセットする(S118)。また、ブザー69aの音及びLED69bの点灯によるニアエンド警告の表示がされている場合には、これを止める(S118)。このことで、リボンRの実際の残量と処理枚数カウントとの整合が図られることになる。
なお、上記のような処理枚数カウントが実際のリボンRの残量と整合していない状態は、装置1の電源がOFF状態において、インクリボンRを使い切る前に、ユーザが自発的にリボンカートリッジ14を途中交換した場合等に起こりうる。
一方、S114において、経過時間が規定時間未満の場合には、リボンRの残量が僅少であると判断し、カードSの印刷(S120以降)へ処理を進める。また、S116において、処理枚数カウントが200枚未満である場合(すなわち、リボンRの残量が僅少ではない旨を示している場合)には、リボンRの実際の残量と処理枚数カウントとが整合しているものとみなし、そのままカードSの印刷(S120以降)へ処理を進める。
続いて、装置1は、カード印刷開始のためのユーザ操作待ちの状態となる(S120)。この状態から所定のユーザの操作がされると、装置1は、上述したカードS印刷処理を行う(S122)。ここで、リボンRの終端が検出された場合には(S124)、処理枚数カウントをゼロにリセットし、ブザー69a及びLED69bがニアエンド警告を表示している場合にはその表示を止める(S126)。そして、ブザー69a及びLED69bによって、リボン切れをユーザに知らせる。そして、ユーザによりドア71が開かれ、リボンカートリッジ14が交換されてドア71が閉ざされると(S128)、再び、S104からの処理を行う。インクリボンRの終端が検出されない場合には、カウント部66において処理枚数カウントがインクリメントされる(S132)。ここで、処理枚数カウントが200枚以上である場合には(S134)、ブザー69aの音及びLED69bの点灯によってニアエンド警告が表示され(S136)、再びユーザ操作待ちの状態(S120)となる。この状態において装置1の電源が切られると、処理を終了する。
以上のような装置1の処理によれば、インクリボンRの終端を検出する前に、ユーザがリボンカートリッジ14を自発的に途中交換してしまった場合にも、次の電源投入直後又はドア71の閉鎖直後において、処理枚数カウントがリセットされる(S118)。従って、この場合、インクリボンRの実際の残量と処理枚数カウントとの整合が図られることになるので、上記した処理枚数カウントに基づくニアエンド警告(S136)を正しく行うことが出来る。また、インクリボンRの実際の残量と処理枚数カウントとの整合を図る際に、インクリボンRの残量が僅少であるか否かの判断を行うが(S114)、この判断は、リボンR上の既存の頭出しマークを用いて行われるので、既存のインクリボンRを変更せずに用いることができる。
また、この装置1では、電源が投入された直後又はドア71が閉鎖された直後に、インクリボンRが搬送され、頭出しマークMの間の長さ分だけ空送りされることになる。よって、電源投入前又はドア71が開いている時にインクリボンRにゴミが付着したとしても、ゴミがついた部分は下流に送られ、その上流側の新しい部分がカードSの印刷に使用されることになる。このため、カードの印刷品質を向上することができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、判断部67によるインクリボンRのニアエンドの判断を、処理枚数カウントのリセットの規準として用いているが、判断部67による判断を単独でニアエンド警告の規準として用いてもよい。また、本発明は、中間転写型熱転写印刷装置に限らず、例えば、カードにオーバコートフィルムを熱転写するオーバコート装置におけるフィルムのニアエンドの判断にも適用することができる。
本発明に係るカード用熱転写装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。 図1のカード用熱転写装置を示す断面図である。 カラーインクリボンを示す平面図である。 フィルムを示す断面図である。 カードからフィルムを剥離している途中の状態を示す断面図である。 カラーインクリボンのニアエンド警告をするための構成を示すブロック図である。 装置におけるカード印刷処理を示すフロー図である。
符号の説明
1…中間転写型熱転写印刷装置(カード熱転写装置)、53…巻取りローラ、57…頭出しセンサ、65…ニアエンド警告部(警告手段)、66…カウント部(処理枚数カウント手段)、67…判断部(判断手段)、68…リセット部(リセット手段)、71…ドア、M…頭出しマーク、R…カラーインクリボン(転写媒体)。

Claims (2)

  1. 長手方向に頭出しマークが配列された所定長さのリボン状の転写媒体が装着されて用いられるカード用熱転写装置において、
    前記転写媒体を前記長手方向に巻取って搬送する巻取りローラと、
    前記巻取りローラによって巻取られ搬送される前記転写媒体の前記頭出しマークを検出する検出センサと、
    前記転写媒体が前記巻取りローラによって巻取られ搬送されるとき、前記検出センサが前記頭出しマークを検出してから次の前記頭出しマークを検出するまでの経過時間を計測し、この経過時間が規定時間以下である場合に前記転写媒体の残量が僅少であると判断する判断手段と、を備えたことを特徴とするカード用熱転写装置。
  2. 前記カードの処理を行った枚数をカウントする処理枚数カウント手段と、
    前記処理枚数カウント手段でカウントされた処理枚数が規定枚数以上である場合に前記転写媒体の残量が僅少である旨の警告を行う警告手段と、
    前記処理枚数カウント手段でカウントされた処理枚数をリセットするリセット手段と、を更に備え、
    前記判断手段は、電源投入直後又はドアの閉鎖の直後において、前記転写媒体の残量が僅少であるか否かの判断を行い、
    前記リセット手段は、前記判断手段によって前記転写媒体の残量が僅少ではないと判断され、且つ、前記処理枚数が規定枚数以上である場合に、前記処理枚数をリセットすることを特徴とする請求項1に記載のカード用熱転写装置。
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