JP2007007954A - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長450nm以下の短波長のレーザー光、とりわけ汎用性の高い波長405nm近辺の半導体レーザー光を照射して情報の高密度記録及び再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体および情報記録方法の提供。
【解決手段】基板上に波長450nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で示されるフタロシアニン誘導体及び350nm〜450nmに吸収極大を有する化合物(II)を含有する光情報記録媒体である。
Figure 2007007954

【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体および情報記録方法に関するものである。特に本発明は、波長450nm以下の短波長レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体および情報記録方法に関するものである。
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが上市されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映により、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。例えば、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の記録再生を行う記録再生方法が開示されている(例えば、特許文献1〜15参照)。具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ベンジリデン色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
また、特定のフタロシアニンを記録用色素として用いることで良好な記録が可能であることが提案されている(例えば、特許文献16参照)。
これら青色レーザー光記録ディスク用の色素の先行技術として以下の特許文献に記載のものが挙げられる(例えば、特許文献17〜31参照)。
特開平4−74690号公報 特開平7−304256号公報 特開平7−304257号公報 特開平8−127174号公報 特開平11−53758号公報 特開平11−334204号公報 特開平11−334205号公報 特開平11−334206号公報 特開平11−334207号公報 特開2000−43423号公報 特開2000−108513号公報 特開2000−113504号公報 特開2000−149320号公報 特開2000−158818号公報 特開2000−228028号公報 特開2002−301870号公報 特開2001−287460号公報 特開2001−287465号公報 特開2001−253171号公報 特開2001−39034号公報 特開2000−318313号公報 特開2000−318312号公報 特開2000−280621号公報 特開2000−280620号公報 特開2000−263939号公報 特開2000−222772号公報 特開2000−222771号公報 特開2000−218940号公報 特開2001−287465号公報 米国特許 2002/76648A1 特開2003−94828号公報
これら提案された記録用色素の中でとりわけフタロシアニン色素は、高い光・湿熱安定性を有することから、実用的に好ましい。しかしながら、本発明者の検討によれば、一般にフタロシアニンのUV領域における吸収(soret帯吸収と称せられる)の強度は、波長450nm以下の短波長レーザーの発振波長において不充分であり、記録感度の点で不十分であった。
以上から、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものである。本発明の第1の課題は、波長450nm以下の短波長のレーザー光、とりわけ汎用性の高い波長405nm近辺の半導体レーザー光を照射して情報の高密度記録及び再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体および情報記録法を提供することにある。
本発明の第2の課題は、高温及び高湿度に対して安定な記録層を設計することによって、記録情報の長期保存に耐え得る光情報記録媒体および情報記録法を提供することにある。
また、本発明の第3の課題は、再生レーザー光に対して安定な光情報記録媒体および情報記録法を提供することにもある。
上記の課題を達成するために、本発明の光情報記録媒体は、基板上に波長450nm以下の短波長のレーザー光の照射により情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が特定構造のフタロシアニン誘導体および350nm〜450nmに吸収極大を有する化合物を含有することを特徴とする。また、本発明の情報記録方法は、上記本発明の光情報記録媒体を用いて、特定波長のレーザー光を照射することを特徴とする。
本発明の光情報記録媒体は、以下の態様であることが好ましい。
(1)基板上に波長450nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で示されるフタロシアニン誘導体及び340nm〜440nmに吸収極大を有する化合物(II)を含有する光情報記録媒体。
Figure 2007007954
上記一般式(I)においてRは置換基を表し、nは1〜16の整数を表す。nが2以上の場合、Rは同じでも異なっても良い。Mは配位子を有してもよい金属原子、金属酸化物、または水素原子2個を表す。
(2)340nm〜440nmに吸収極大を有する化合物(II)の340nm〜440nmにおけるモル吸光係数が1万以上であることを特徴とする(1)記載の光情報記録媒体。
(3)340nm〜440nmに吸収極大を有する化合物(II)の記録層への添加量が、記録層に含まれるフタロシアニン誘導体の20質量%以下であることを特徴とする(1)または(2)の光情報記録媒体。
(4)一般式(I)で示されるフタロシアニン誘導体に置換されるRがフタロシアニン環のα位に置換することを特長とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(5) 一般式(I)において、前記Rが炭素原子数1乃至21のアルキルスルホニル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルホニル基、炭素原子数1乃至21のアルキルスルフィニル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルフィニル基、炭素原子数1乃至21のアルキルスルファモイル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルファモイル基からなる群から選ばれる少なくともいずれかである(1)〜(4)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(6)一般式(I)においてMに含まれる金属が銅、パラジウム、マグネシウム、バナジウム、亜鉛又は珪素、である(1)〜(5)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(7)記録層とは別に金属からなる光反射層が設けられている(1)〜(6)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(8)記録層とは別に保護層が設けられている(1)〜(7)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(9)基板が、その表面にトラックピッチ0.2〜0.5μmのプレグルーブを有する透明な円盤状基板であり、記録層が該プレグルーブが形成された側の表面に設けられている(1)〜(8)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
また、本発明は、(1)〜(9)のいずれかに記載の光情報記録媒体に波長450nm以下のレーザー光を照射して情報を記録する情報記録方法である。
本発明によれば、波長450nm以下の短波長のレーザー光、とりわけ汎用性の高い波長405nm近辺の半導体レーザー光を照射して情報の高密度記録及び再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体および情報記録法を提供することができる。また、高温及び高湿度に対して安定な記録層を設計することによって、記録情報の長期保存に耐え得る光情報記録媒体および情報記録法を提供することができる。さらに、再生レーザー光に対して安定な光情報記録媒体および情報記録法を提供することができる。
以下、本発明の光情報記録媒体及び情報記録方法の実施の形態について詳細に説明する。
[1]光情報記録媒体:
本発明の光情報記録媒体は、基板上に波長450nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で示されるフタロシアニン誘導体及び340nm〜440nmに吸収極大を有する化合物(II)を含有する光情報記録媒体である。
Figure 2007007954
上記一般式(I)において、Rは置換基を表す。
一般式(I)のRの例として以下のものが挙げられる。
すなわち、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、炭素原子数1乃至20のアルキル基、炭素原子数6乃至14のアリール基、炭素原子数7乃至15のアラルキル基、炭素原子数1乃至10のヘテロ環基、炭素原子数1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数6乃至14のアリールオキシ基、炭素原子数2乃至21のアシル基、炭素原子数2乃至21スルホニル基、炭素原子数2乃至21のスルフィニル基、炭素原子数1乃至25のカルバモイル基、炭素原子数0乃至32のスルファモイル基、炭素原子数1乃至20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7乃至15のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2乃至21のアシルアミノ基、炭素原子数1乃至20のスルホニルアミノ基、炭素原子数0乃至36のアミノ基等が挙げられる。
一般式(I)において、前記Rとしては、炭素原子数1乃至21のアルキルスルホニル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルホニル基、炭素原子数1乃至21のアルキルスルフィニル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルフィニル基、炭素原子数1乃至21のアルキルスルファモイル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルファモイル基からなる群から選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。
フタロシアニン誘導体に置換されるRの置換位置は、下記一般式(I’)に示すように、フタロシアニン環のα位であることが好ましい。フタロシアニン環のα位とは、一般にフタロシアニン環を形成する部分構造であるベンゾピロール環においてピロール環に近い側の置換位置を指し、具体的には下記一般式(I’)においてRα1〜Rα8が置換している位置である。なお、下記一般式(I’)においてRα1〜Rα8、Rβ1〜Rβ8の互いに隣接するものは環を形成しても良いが、Rα1〜Rα8、Rβ1〜Rβ8はすべて環を形成していないものであることが好ましい。フタロシアニン誘導体に置換されるR1,R2の置換位置がフタロシアニン環のα位であることにより、本発明のフタロシアニン誘導体が記録層を形成する際に好適なアモルファス性を付与することが可能となる
「一般式(I’)」
Figure 2007007954
一般式(I)においてnは1〜16の整数を表す。nが2以上の場合、Rは同じでも異なっても良い。nとして好ましくは4〜8であり、最も好ましくは4である。
一般式(I)においてMは配位子を有してもよい金属原子、金属酸化物、または水素原子2個を表す。Mに含まれる金属が銅、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、ガリウム、亜鉛又は珪素であることが好ましい。450nm以下のレーザーによる光情報記録用色素として適当な吸収波形を示すという観点から、銅、パラジウム、マグネシウム、バナジウム、亜鉛又は珪素がより好ましい。
本発明のフタロシアニン誘導体は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
本発明のフタロシアニン誘導体は300〜400nmに極大を有する吸収を有することが好ましい。さらに好ましくは300〜360nmに極大吸収を有するものであり、最も好ましくは320nm〜350nmに極大吸収を有するものである。300〜400nmに極大を有する吸収を有することにより、本発明で用いられる450nm以下のレーザー波長領域で大きな屈折率を示すことが可能となる。
以下に、本発明で用いられる一般式(I)で表されるフタロシアニン誘導体の好ましい具体例((I−1)〜(I−18))を、下記一般式(I’’)とそれを具体的に特定する下記表1、並びに、化学式(I−16)〜(I−18)に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらは置換位置異性体の混合物であっても、単一の異性体であっても良い。
「一般式(I’’)」
Figure 2007007954
Figure 2007007954
Figure 2007007954
フタロシアニン誘導体は、一般に例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法により合成することができる。
次に、本発明で用いられる350nm〜450nmに吸収極大を有する化合物(II)について説明する。
化合物(II)は、フタロシアニンのレーザー発振波長における吸収強度を補うために添加する。これにより、優れた記録特性と、高温及び高湿度に対する安定性も得られる。これは、前者の効果についてはレーザ光の吸収効率が増加することで記録感度が良化することに因っており、後者の効果については当該化合物の添加によって湿熱経時の際のフタロシアニンの結晶化が妨げられることによるものと考えられる。
化合物(II)は、340nm〜440nmに吸収極大を有する化合物であればどのようなものでもかまわないが、充分な吸収強度を得るために340nm〜440nmにおけるモル吸光係数が1万以上であるものが好ましく、2万以上であることがより好ましい。なお、この場合のモル吸光係数は、テトラフルオロプロパノールの希薄溶液において測定した値(単位:mol-1Lcm-1)を用いる。また吸収極大は380〜420nmであることが好ましく、さらに390〜410nmであることが最も好ましい。
フタロシアニン誘導体の良好な記録性能を維持するために、化合物(II)の記録層への添加量は、記録用色素であるフタロシアニン誘導体の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが最も好ましい。
化合物(II)の具体的な例としては、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、シアニン色素、オキソノール色素、ベンジリデン色素、クマリン化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、トリアジン誘導体、ピリジニウム化合物、キノン誘導体、スチルベン化合物などが挙げられるが、記録性能の点からオキソノール色素、ピリジニウム化合物またはキノン誘導体が好ましく、最も好ましくはオキソノール色素またはジピリジニウム化合物である。
化合物(II)として好ましいオキソノール色素について説明する。本発明においてオキソノール色素とは、アニオン性発色団を有するポリメチン色素と定義する。記録特性に優れる点で、下記一般式(III)で表されるオキソノール色素が特に好適に用いられる。
Figure 2007007954
一般式(III)中、A、B、C及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよく、R’はメチン炭素上の置換基を表し、mは0乃至3の整数を表し、nは0乃至2m+1の整数を表し、nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよく、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。
A、B、C及びDで表される電子吸引性基の好ましい具体例としては、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1乃至10のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル)、炭素原子数2乃至12のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、デシルオキシカルボニル)、炭素原子数7乃至11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、炭素原子数1乃至10のカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルホニル基(例、メタンスルホニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシスルホニル基(例、メトキシスルホニル)、炭素原子数1乃至10のスルファモイル基(例、エチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフェニル基(例、メタンスルフェニル、エタンスルフェニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフェニル基(例、ベンゼンスルフェニル)、ハロゲン原子、炭素原子数2乃至10のアルキニル基(例、エチニル)、炭素原子数2乃至10のジアシルアミノ基(例、ジアセチルアミノ)、ホスホリル基、カルボキシル基、5員もしくは640員のヘテロ環基(例えば、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、3−ピリジル、5−(1H)−テトラゾリル、4−ピリミジル)を挙げることができる。
一般式(III)はアニオンの局在位置の表記の違いによる複数の互変異性体を含むものであるが、特にA、B、C、Dのいずれかが−CO−E(Eは置換基)である場合、酸素原子上に負電荷を局在させて表記することが一般的である。例えばDが−CO−Eである場合、表記としては下記一般式(IV)が一般的であり、このような表記のものも一般式(III)に含まれる。
Figure 2007007954
一般式(IV)におけるA、B、C、R’、m、n、Yt+、tの定義は一般式(III)と同一である。
化合物(II)として好ましいジピリジニウム化合物は、下記一般式(V)で表されるようなものである。
Figure 2007007954
式中R’’1およびR’’2はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R’’3は置換基を表し、sは0乃至8の整数を表し、sが2以上の整数のとき、複数個のR’’3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。
以下に、本発明で用いられる化合物(II)の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007007954
Figure 2007007954
本発明の光情報記録媒体の様態としては、下記の様態(1)および様態(2)が挙げられる。
すなわち、様態(1)は、厚さ0.7〜2mmの基板上に、色素を含有する追記型記録層と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体である。また、様態(2)は、厚さ0.1〜1.0mmの基板上に、色素を含有する追記型記録層と、厚さ0.1〜1.0mmの保護基板と、をこの順に有する光情報記録媒体である。
様態(1)においては前記基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチが50〜500nm、溝幅が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましく、様態(2)においては前記基板に形成されるのプリグルーブのトラックピッチが200〜600nm、溝幅が50〜300nm、溝深さが30〜200nmであり、ウォブル振幅が10〜50nmであることが好ましい。
様態(1)の光情報記録媒体は、少なくとも、基板と、追記型記録層と、カバー層を有する様態であり、まずこれらに必須の部材について順に説明する。
〔様態(1)の基板〕
好ましい様態(1)の基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されていることが必須である。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
この場合、プリグルーブのトラックピッチは、50〜500nmの範囲であることが必須であり、上限値が420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることが更に好ましい。
トラックピッチが50nm未満では、プリグルーブを正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、500nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
プリグルーブの溝幅(半値幅)は、25〜250nmの範囲であることが必須であり、上限値が200nm以下であることが好ましく、170nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝幅が25nm未満では、成型時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、250nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
プリグルーブの溝深さは、5〜150nmの範囲であることが必須であり、上限値が100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、28nm以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝深さが5nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、150nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
また、プリグルーブの溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることが更に好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°未満では、十分なトラッキングエラー信号振幅が得られないことがあり、80°を超えると、成型が困難となる。
本発明において用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔様態(1)の追記型記録層〕
好ましい様態(1)の追記型記録層は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、追記型記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行われることになる。
なお、当該色素としては、少なくとも、既述の一般式で表されるフタロシアニン誘導体と化合物(II)とを使用する。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された追記型記録層の厚さは、グルーブ(前記基板において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることが更に好ましく、90nm以上であることが特に好ましい。
また、追記型記録層の厚さは、ランド上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、110nm以上であることが更に好ましい。
更に、グルーブ上の追記型記録層の厚さ/ランド上の追記型記録層の厚さの比は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることが更に好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。追記型記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、追記型記録層には、該追記型記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
〔様態(1)のカバー層〕
好ましい様態(1)のカバー層は、上述した追記型記録層又は後述するバリア層上に、接着剤や粘着材を介して貼り合わされる。
本発明において用いられるカバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光の波長やNAにより、適宜、規定されるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と、接着剤又は粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(ハードコート層)が設けられていてもよい。
カバー層を貼り合せるために用いられる接着剤は、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層表面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、バリア層からなる被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、カバー層を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる接着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、カバー層を貼り合せるために用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、バリア層からなる被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。また、カバー層に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。このような粘着剤からなる粘着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
〔様態(1)におけるその他の層〕
好ましい様態(1)の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。かかる他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型記録層形成面側に対する裏面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、基板と追記型記録層との間に設けられる光反射層(後述)、追記型記録層とカバー層との間に設けられるバリア層(後述)、該光反射層と追記型記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、かかるレーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂などを用いて形成される。なお、これら必須及び任意の層は、いずれも単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
〔様態(1)における光反射層〕
好ましい様態(1)の光情報記録媒体において、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、基板と追記型記録層との間に、光反射層を形成することが好ましい。光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
〔様態(1)におけるバリア層(中間層)の形成工程〕
好ましい様態(1)の光情報記録媒体においては、追記型記録層とカバー層との間にバリア層を形成することが好ましい。
該バリア層は、追記型記録層の保存性を高める、追記型記録層とカバー層との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23、NbO2、Ta25が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23、NbO2、Ta25がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、RFスパッタリングを用いることが更に好ましい。
本発明におけるバリア層の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることが更に好ましい。
次に好ましい様態(2)の光情報記録媒体について説明する。
ここで、様態(2)の光情報記録媒体は、貼り合わせ型の層構成を有する光情報記録媒体であり、その代表的な層構成としては、下記(1)〜(5)の通りである。
(1)第1の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、接着層を順次形成し、接着層上に保護基板を設ける構成である。
(2)第2の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、保護層、接着層を順次形成し、接着層上に保護基板を設ける構成である。
(3)第3の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、保護層、接着層、保護層を順次形成し、該保護層上に保護基板を設ける構成である。
(4)第4の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、保護層、接着層、保護層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板を設ける構成である。
(5)第5の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、接着層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板を設ける構成である。
なお、上記(1)〜(5)の層構成は単なる例示であり、当該層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよいし、一部を省略してもかまわない。また、追記型記録層は、保護基板側にも形成されていてもよく、その場合、両面からの記録、再生が可能な光情報記録媒体となる。更に、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
本発明の光情報記録媒体として、基板上に、追記型記録層、光反射層、接着層、保護基板をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその説明をする。
〔様態(2)の基板〕
好ましい様態(2)における基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されていることが必須である。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブのトラックピッチは、200〜600nmの範囲であることが必須であり、上限値が500nm以下であることが好ましく、450nm以下であることがより好ましく、430nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、300nm以上であることが好ましく、330nm以上であることがより好ましく、370nm以上であることが更に好ましい。
トラックピッチが200nm未満では、プリグルーブを正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、600nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
プリグルーブの溝幅(半値幅)は、50〜300nmの範囲であることが必須であり、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、180nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、140nm以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝幅が50nm未満では、成型時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、300nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
プリグルーブの溝深さは、30〜200nmの範囲であることが必須であり、上限値が170nm以下であることが好ましく、140nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝深さが30nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、200nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
好ましい様態(2)において用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができ、具体例及び好ましい例は様態(1)の基板と同様である。
また、基板の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
なお、後述する追記型記録層が設けられる側の基板表面には、追記型記録層の保存性を高める、追記型記録層と基板との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する等の目的で、バリア層を形成することが好ましく、該バリア層の材料、塗布法及び層厚の具体例及び好ましい例は様態(1)のバリア層と同様である。
〔様態(2)の追記型記録層〕
好ましい様態(2)の追記型記録層に関する詳細な説明は、様態(1)の追記型記録層に関するものと同様である。
〔様態(2)の光反射層〕
好ましい様態(2)において、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、追記型記録層上に光反射層を形成することがある。様態(2)の光反射層に関する詳細は様態(1)の光反射層と同様である。
〔様態(2)の接着層〕
好ましい様態(2)における接着層は、上記光反射層と、保護基板との密着性を向上させるために形成される任意の層である。
接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インク社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましい。
〔様態(2)の保護基板〕
好ましい様態(2)における保護基板(ダミー基板)は、上述した基板と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。保護基板の厚さとしては、厚さ0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
〔様態(2)の保護層〕
好ましい様態(2)の光情報記録媒体は、その層構成によっては、光反射層や追記型記録層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられることある。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層上に貼り合わせることにより形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、保護層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
〔様態(2)のその他の層〕
好ましい様態(2)の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。かかる他の任意の層の詳細な説明は様態(1)のその他の層と同様である。
[2]光情報記録方法:
本発明の光情報記録方法は、好ましい様態(1)または(2)の光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(0.5〜10m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。本発明においては、記録光として390〜450nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜10]
<光情報記録媒体の製造>
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブを有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザーカッティング(351nm)を用いて行なわれた。
(光反射層の形成)
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚100nmの真空成膜層としてのAPC光反射層を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(追記型記録層の形成)
表2に示す化合物の組み合わせ(S−1)〜(S−10)のそれぞれを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液をそれぞれ調製した。そして、光反射層上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数300〜4000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。その後、23℃、50%RHで1時間保存して、追記型記録層(グルーブ上の厚さ120nm、ランド上の厚さ170nm)を形成した。
追記型記録層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層の形成)
その後、追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、RFスパッタリングによりZnO−Ga23(ZnO:Ga23=7:3(質量比))からなる、厚さ5nmのバリア層を形成した。
(カバー層の貼り合わせ)
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着剤が塗設してあるポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着剤層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、該バリア層と粘着剤層とが当接するようにカバー層を載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。
これにより、実施例1〜10の光情報記録媒体が作製された。
[比較例1]〜[比較例4]
実施例1において、化合物の組み合わせ(S−1)を表2に示す比較用組み合わせ(H−1)〜(H−4)に変更したこと以外は同様にして、比較用の光ディスクを製造した。なお、表中の比較化合物(A)、(B)は下記の通りである。
Figure 2007007954
Figure 2007007954
[実施例11〜20]
<光情報記録媒体の製造>
(基板の作製)
厚さ0.6mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:400nm、溝幅:170nm、溝深さ:100nm、溝傾斜角度:65°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザーカッティング(351nm)を用いて行なわれた。さらにこの基板のプレグルーブ側の表面にAr雰囲気中で、RFスパッタリングによりZnO−Ga23(ZnO:Ga23=7:3(質量比))からなる、厚さ15nmのバリア層を形成した。
(追記型記録層の形成)
表2に示す化合物の組み合わせ(S−1)〜(S−10)2gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、基板上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数300〜4000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。その後、23℃、50%RHで1時間保存して、追記型記録層(グルーブ上の厚さ170nm、ランド上の厚さ120nm)を形成した。
追記型記録層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(光反射層の形成)
追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚100nmの真空成膜層としてのAPC光反射層(Ag:98.1質量%、Pd:0.9質量%、Cu:1.0質量%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(保護基板の貼り合わせ)
光反射層上に、スピンコートにより、紫外線硬化樹脂(SD661、大日本インキ製)を塗布し、ポリカーボネート製の保護基板(プリグルーブを形成していない以外は上記基板と同様のもの)を貼り合わせ、紫外線を照射して、硬化させた。作製した光情報記録媒体における紫外線硬化樹脂からなる接着層の厚さは、25μmであった。
これにより、実施例11〜20の光情報記録媒体が作製された。
[比較例5]〜[比較例8]
実施例11において、化合物の組み合わせ(S−1)を表2に示す比較用組み合わせ(H−1)〜(H−4)に変更したこと以外は同様にして、比較用の光ディスクを製造した。
[光情報記録媒体としての評価1]
作製した光情報記録媒体に14T−EFM信号を発振波長405nmの青紫色半導体レーザー光を用いて記録したのち、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度及びこの時のレーザー出力を測定した。更に、これら光ディスクを温度70℃−湿度80%の強制条件下に25日間放置した後、変調度を測定することによって、記録信号の劣化を評価した。記録及び記録特性評価はパルステック社製DDU1000を用いて行った。評価結果を表3および4に示す。
なお、表3および4中、変調度Bは強制条件に置く前の変調度、変調度Aは強制条件に置いた後の変調度を示している。
Figure 2007007954
Figure 2007007954
表3および4の結果から、本発明の特徴とするフタロシアニン誘導体及び350nm〜450nmに吸収極大を有する化合物(II)を含有する記録層を有する光ディスク(実施例1〜20)は、化合物(II)を含まない場合や、比較化合物AおよびBに化合物(II)を添加した光ディスク(比較例1〜8)に比べて、青紫色半導体レーザー光に対して低いパワーで高い変調度を与え、かつ強制条件下に置いた場合でも変調度変化が少ないことがわかる。従って、本発明に従うフタロシアニン誘導体および化合物(II)を用いることで、短波長レーザー光に対する高い記録特性と高い保存安定性を具えた光ディスクが得られることがわかる。

Claims (10)

  1. 基板上に波長450nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で示されるフタロシアニン誘導体及び、340nm〜440nmに吸収極大を有する化合物(II)を含有する光情報記録媒体。
    Figure 2007007954
    一般式(I)においてRは置換基を表し、nは1〜16の整数を表す。nが2以上の場合、Rは同じでも異なっても良い。Mは配位子を有してもよい金属原子、金属酸化物、または水素原子2個を表す。
  2. 350nm〜450nmに吸収極大を有する前記化合物(II)の340nm〜440nmにおけるモル吸光係数が1万以上であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 340nm〜440nmに吸収極大を有する前記化合物(II)の記録層への添加量が、前記記録層に含まれる前記フタロシアニン誘導体の20質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体。
  4. 前記一般式(I)において、前記Rがフタロシアニン環のα位に置換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光情報記録媒体。
  5. 一般式(I)において、前記Rが炭素原子数1乃至21のアルキルスルホニル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルホニル基、炭素原子数1乃至21のアルキルスルフィニル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルフィニル基、炭素原子数1乃至21のアルキルスルファモイル基、炭素原子数4乃至24のアリールスルファモイル基からなる群から選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光情報記録媒体。
  6. 前記一般式(I)において、前記Mに含まれる金属が銅、パラジウム、マグネシウム、バナジウム、亜鉛又は珪素である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  7. 前記記録層とは別に金属からなる光反射層が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  8. 前記記録層とは別に保護層が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  9. 前記基板が、その表面にトラックピッチ0.2〜0.5μmのプレグルーブを有する透明な円盤状基板であり、前記記録層が該プレグルーブが形成された側の面に設けられている請求項1〜8のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の光情報記録媒体に波長450nm以下のレーザー光を照射して情報を記録する情報記録方法。
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