JPH0550756A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JPH0550756A
JPH0550756A JP3208003A JP20800391A JPH0550756A JP H0550756 A JPH0550756 A JP H0550756A JP 3208003 A JP3208003 A JP 3208003A JP 20800391 A JP20800391 A JP 20800391A JP H0550756 A JPH0550756 A JP H0550756A
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秀一 柳沢
Atsushi Yoshizawa
淳志 吉澤
Tatsuro Sakai
達郎 酒井
Satoru Tanaka
覚 田中
Makoto Okano
誠 岡野
Takashi Chuma
隆 中馬
Yasushi Araki
泰志 荒木
Hiroshi Tsuji
大志 辻
Fumio Matsui
文雄 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジッターを小さくし、繰り返し読出し性能や
記録膜の耐光性を向上させ、記録感度をコントロールで
きる書込み可能な情報記録媒体を提供する。 【構成】 光吸収層は、記録光または再生光の波長域に
光吸収帯を備える第一のシアニン系色素と、この第一の
シアニン系色素よりも短波長側に光吸収帯を備え、かつ
記録光または再生光の波長域で光吸収の小さい第二のシ
アニン系色素と、シアニン系色素の光劣化を防止するた
めの第一のクエンチャと、アゾ化合物の第二のクエンチ
ャとを含有し、第一のシアニン系色素に対する第二のシ
アニン系色素の重量比をα、第二のクエンチャに対する
第一のクエンチャの重量比をβ、第一のシアニン系色素
と第二のシアニン系色素との加算重量に対する第一のク
エンチャと第二のクエンチャとの加算重量の比をγとし
た場合、α=1〜3、β=0.5〜1、γ=0.25〜
0.5、α・γ<1.1の条件を満足するように含有さ
せて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、書込み可能な情報記録
媒体、特に光透過性の基板の上に光吸収層と光反射層を
有する情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆる書込み可能な情報記録媒
体の記録膜には例えば、シアニン系、フタロシアニン系
などの有機色素が用いられていることは一般に良く知ら
れている。
【0003】そして、このような情報記録媒体の書込み
方法としては、記録膜の微小面積にレーザビームを集光
させ、それを熱エネルギーに変換し、記録膜の性状を変
えて(ピット形成)行っている。この記録膜の性状変化
を円滑に行うために、媒体の構成は基板上に記録膜を設
層したものを2枚用意し、記録膜を対向して配置したい
わゆるエアーサンドイッチ構造とされることが一般的で
ある。
【0004】このようなタイプの情報記録媒体に用いら
れる書込み用のレーザビームは、透明基板側から照射さ
れ、記録膜の中に光読取り可能なピットを形成する。記
録されたデータを再生するための読取り用のレーザビー
ムは、書込み用のそれとは弱い出力であり、ピットが形
成された部分と、そうでない部分のコントラストは電気
信号として読み取られる。
【0005】一方、上記媒体とは異なり予めすでにデー
タが記録されているいわゆるROM(read only memor
y)タイプの媒体も存在し、音声記録と情報処理の分野
で広く実用化されている。しかし、このものには上記の
ごとく書込み可能な記録膜が存在しない。すなわち、再
生されるべくデータに相当するプリピットはすでにプラ
スチック基板の上にプレス成形によって形成され、この
上にAu、Ag、Cu、Al等の金属からなる反射層が
形成され、さらにこの上に保護層が形成されている。こ
のROMタイプの典型的な媒体は、いわゆるCDと呼ば
れるコンパクトディスクである。このCDの記録と読み
取りの信号の仕様は規格化されており、この規格に準じ
て、CDの再生装置がコンパクトディスクプレーヤー
(CDプレーヤー)として広く使われている。
【0006】ところで、前記書込み可能な情報記録媒体
は、レーザビームを用いる点においてはCDと同様であ
り、また、媒体の形態もディスク形状をなしている点に
おいてはCDと同様である。それゆえ、CD仕様の規格
に適合し、CDプレーヤーにそのまま使える書込み可能
な媒体の開発が強く要望されてきており、この要望に応
えるべく実サンプルが提示され始めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる実サン
プルは、その初期特性が規格をクリアするものの、い
わゆるジッターが大きい繰り返し読出しに弱い記録
膜の耐光性がない記録感度をコントロールできない等
の問題があったこのような実情に鑑み本発明は創案され
たものであって、その目的は、いわゆるジッターを小さ
くし、繰り返し読出し性能や記録膜の耐光性を向上さ
せ、記録感度をコントロールできる書込み可能な情報記
録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、片側平面にプリグルーブが形成された光透過
性基板の上に光吸収層を有し、該光吸収層の上に光反射
層を有する情報記録媒体において、前記光吸収層は、記
録光または再生光の波長域に光吸収帯を備える第一のシ
アニン系色素と、この第一のシアニン系色素よりも短波
長側に光吸収帯を備え、かつ記録光または再生光の波長
域で光吸収の小さい第二のシアニン系色素と、シアニン
系色素の光劣化を防止するための第一のクエンチャと、
アゾ化合物の第二のクエンチャとを含有し、第一のシア
ニン系色素に対する第二のシアニン系色素の重量比を
α、第二のクエンチャに対する第一のクエンチャの重量
比をβ、第一のシアニン系色素と第二のシアニン系色素
との加算重量に対する第一のクエンチャと第二のクエン
チャとの加算重量の比をγとした場合、α=1〜3、β
=0.5〜1、γ=0.25〜0.5、α・γ<1.1
の条件を満足するように含有させて構成した。
【0009】本発明の情報記録媒体の一部を切り欠いた
概略斜視図が図1に示される。本発明の情報記録媒体1
は、光透過性基板11の上に光吸収層12が設層され、
この光吸収層12の上に光反射層13が設層され、この
光反射層13の上に保護層14が設層される。
【0010】基板11の上に形成される光吸収層12
は、記録光または再生光の波長域に光吸収帯を備える第
一のシアニン系色素と、この第一のシアニン系色素より
も短波長側に光吸収帯を備え、かつ記録光または再生光
の波長域で光吸収の小さい第二のシアニン系色素と、シ
アニン系色素の光劣化を防止するための第一のクエンチ
ャと、アゾ化合物の第二のクエンチャとを含有する。
【0011】本発明において、記録光または再生光の波
長域は、例えば、770〜830nmの波長域を対象と
しているので、前記第一のシアニン系色素は、下記一般
式[I]で表されるシアニン系色素が用いられる。
【0012】
【化5】 上記一般式[I]において、R1 およびR2 はそれぞれ
炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは3〜5のアルキ
ル基を表わす。この炭素数が8を越えると、高温高湿試
験で劣化が促進される。また、蝋化が起こり、取り扱い
が不便になるという不都合が生じる。
【0013】X- はカウンターイオンを表わし、具体的
にはClO4 - 、I- 、Br- 等が挙げられる。一方、
前記第二のシアニン系色素は、下記一般式[II]で表さ
れるシアニン系色素が用いられる。
【0014】
【化6】 上記一般式[II]において、R3 およびR4 はそれぞれ
炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは3〜5のアルキ
ル基を表わす。この炭素数が8を越えると、上記一般式
[I]の場合と同様な不都合が生じる。X- はカウンタ
ーイオンを表わし、上記のものと同義である。
【0015】さらに、光吸収層12の中には、上記シア
ニン系色素の光劣化を防止するための第一のクエンチャ
が含有される。第一のクエンチャとしては、金属錯体が
有効であり、例えば、下記一般式[III ]で示されるN
i錯体が好適である。
【0016】
【化7】 式中、R5 ,R6 ,R7 およびR8 は、それぞれ、水素
又はこれに代わる置換基を表わす。
【0017】置換基としては、CH3 O−,CH3 OC
2 CH2 O−,CH3 COO−,(n−C3 7 2
N−,(C2 5 2 N−,Cl−等が挙げられる。
【0018】このような第1のクエンチャの具体例とし
ては、例えば、下記の構造式[Q−1]〜[Q−4]の
ものが挙げられる。
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】 これらのクエンチャ中でも、上記構造式[Q−1]で示
されるものが、前記シアニン系色素の光劣化を防止する
点で特に好ましい。
【0023】本発明の光吸収層12には上記第1のクエ
ンチャに加えて、さらに第二のクエンチャが含有され
る。第二のクエンチャは、一般式R−N=N−R′で示
されるアゾ化合物である。ここに、R,R′は、置換も
しくは非置換のアルキル基、アリール基を表わす。この
ような第二のクエンチャは、記録、すなわちピット形成
により上記シアニン系色素の構造が破壊され、該分解残
渣の部分を構成する化合物の光経時劣化を防止するため
に含有される。なかでも特に好適な第二のクエンチャ
は、下記一般式[IV]で表わされる。
【0024】
【化12】 この式中、R9 ,R10は、窒素1原子を含む置換基を表
わす。中でも、光吸収ピークの波長が400〜500n
mのアゾ化合物が特に好ましく、具体的には、下記構造
式[A−1]〜[A−3]で示されるものが挙げられ
る。光吸収ピークの波長が上記の範囲を外れたもの、特
に500nmを超えると記録波長に吸収を有しはじめ記
録、再生の全体的な特性が変化してしまうという不都合
が生じ得る。また、400nm未満になると単なる紫外
線吸収剤であって、色素の短波長の吸収と合致し、入れ
る意味がない。
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】 本発明のおいては、上記第一のシアニン系色素と、第二
のシアニン系色素と、第一のクエンチャと、アゾ化合物
の第二のクエンチャとの含有割合が下記の条件を満たす
ように含有される。すなわち、第一のシアニン系色素に
対する第二のシアニン系色素の重量比をα、第二のクエ
ンチャに対する第一のクエンチャの重量比をβ、第一の
シアニン系色素と第二のシアニン系色素との加算重量に
対する第一のクエンチャと第二のクエンチャとの加算重
量の比をγとした場合、 α=1〜3 β=0.5〜1 γ=0.25〜0.5 α・γ<1.1 の条件を満足するように含有される。
【0028】これらの条件を満足しない場合には、再生
光のレーザ波長域で反射率が低下する。また、記録にお
いて記録感度が低下し、記録パワーが増大する。また、
再生光による光劣化および再生光以外の波長域での光劣
化が促進されるという不都合が生じる。
【0029】このようなシアニン系色素およびクエンチ
ャを含有する光吸収層12は、例えば、スピンコート法
等の常用手段により塗設され、塗設に際し、前記第一の
シアニン系色素と前記第二のシアニン系色素との混合液
の濃度が低くなりすぎると、吸収感度が少なくなるため
半導体レーザーで信号を記録出来なくなるという不都合
が生じ、逆に濃度が高すぎると、色素が溶媒に溶けづら
くなるという不都合が生じる。
【0030】塗設される光吸収層12の厚さは、30〜
900nm、好ましくは、100〜300nmである。
この値が30nm未満となると吸収が少なくなるため半
導体レーザー波長域の感度が低下して、信号が記録出来
なくなるという不都合が生じ、この値が900nmを越
えると色素が厚くなりすぎ、吸収が増加する結果、反射
率が低下するという不都合が生じる。
【0031】なお、塗布に用いる溶媒としては、公知の
種々のものが用いられ、例えば、ジアセトンアルコー
ル、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、イソホロ
ン、メタノール、テトラフルオロプロパノール等が挙げ
られる。
【0032】このような光吸収層12が塗設される光透
過性基板11の片側平面には、図3に示されるようにト
ラッキング用のプリグルーブ70が、同心円状にまたは
スパイラル状に形成されている。
【0033】プリグルーブ70は、グルーブ深さhがλ
/6.5n〜λ/2.5n、より好ましくはλ/4.7
n〜λ/3.6nとなるように形成するのがよい。ここ
に、λは記録光または再生光の波長(nm)、nは基板
の屈折率を表わす。グルーブ深さhの値がλ/6.5n
未満となると、クロストークが大きくなり、CDプレー
ヤで安定的に再生するため必要ないわゆる3ビームトラ
ッキングエラー(TE 3b)が小さくなるという不都合が
生じ、またグルーブ深さhの値がλ/2.5nを越える
と、溝に塗設される色素量が増加し、吸収が増えること
により、必要とされる反射率が低下するという不都合が
生じる。
【0034】なお、通常、用いられる記録光または再生
光の波長は、770〜830nmである。さらに前記プ
リグルーブ70は、グルーブ幅Wが0.35〜0.47
μm、より好ましくは0.37〜0.45μmとなるよ
うに形成される。グルーブ幅Wの値が0.35μm未満
となると、プッシュプルトラッキグエラー(TEPP)が
低下し、また、記録感度の減少、記録振幅の減少という
不都合が生じる。また、グルーブ幅Wの値が0.47μ
mを越えると、TEPPの値が低下し、クロストークが増
加するという不都合が生じる。なお、プリグループ70
の断面は図3に示されるように、通常、略台形形状をな
しているため、本発明におけるグルーブ幅Wは、グルー
ブ深さhの半分の位置、すなわちh/2の位置における
幅(μm)で定義される。
【0035】このようなプリグルーブ70を有する基板
11は、生産性向上の観点から、いわゆる一体的に形成
された射出成形樹脂基板を用いることが好ましく、この
ものは、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリ
メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等の透明材料から
形成される。特に、平均分子量32000〜40000
のポリカーボネート樹脂(PC)を用いることが好まし
い。また、一体的に形成された射出成形樹脂基板に限ら
ず、いわゆる2P(photo-polymer )法で形成した基板
であってもよい。このような基板11の厚さは1.0〜
1.5mm程度とされる。
【0036】この基板11の上に塗設される光吸収層1
2の上には、光反射層13が設けられる。光反射層13
はAu、Ag、Cu、Al等の金属から構成され、この
ものは真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ等で成膜される。このような光反射層13の厚さは、
0.02〜2.0μm程度とされる。
【0037】光反射層13の上には、通常、光吸収層1
2と光反射層13を保護するために保護層14が設層さ
れる。保護層14は、一般に、紫外線硬化性樹脂をスピ
ンコートして塗設した後、紫外線を照射し、塗膜を硬化
させて形成する。その他、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が保護層14の材
質として用いられる。このような保護層14の厚さは、
通常、0.1〜100μm程度である。
【0038】なお、前記基板11と光吸収層12との間
には、基板11を溶媒から保護するための中間層を設け
ても良い。また、光吸収層12と光反射層13の間に
は、光吸収の効率を上げるための中間層を設けてもよ
い。
【0039】
【実施例】以下、具体的実施例を示して本発明をさらに
詳細に説明する。光吸収層に含有される第一のシアニン
系色素および第二のシアニン系色素としては、以下に示
される[D−1]および[D−2]を、第一のクエンチ
ャとして上記[Q−1]を、第二のクエンチャとして上
記[A−1]をそれぞれ用いた。
【0040】第一のシアニン系色素[D−1] 上記一般式[I]において、R1 およびR2 をそれぞれ
n−C4 9 、X- をClO4 -とした。
【0041】第二のシアニン系色素[D−2] 上記一般式[II]において、R3 およびR4 をそれぞれ
n−C3 7 、X- をI- とした。
【0042】これらの色素およびクエンチャをそれぞれ
エチルセロソルブの溶媒に溶解させ、このものを直径1
20mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート基板上に25
0nmの厚さに塗設した。なお、基板は予め、スパイラ
ルグルーブが射出成形によって形成されているものを用
いた。光吸収層の上にさらにAuからなる光反射層を真
空蒸着法で0.1μm厚さに設層した。さらに、この光
吸収層の上にフォトポリマーの保護膜を設層し、情報記
録媒体サンプルを作製した。サンプル作製に当っては、
前記第一のシアニン系色素と、前記第二のシアニン系色
素と、第一のクエンチャと、第二のクエンチャとの配合
を、種々変えて、種々の情報記録媒体サンプルを作製し
た。
【0043】これらの各サンプルについて、実際に記録
可能となる記録光のパワーを測定した。結果を下記表1
に示す。なお、表1においては配合割合を、α、β、
γ、およびα・γ値に換算している。
【0044】
【表1】 表1の記録パワーの結果より、本発明サンプルは安定し
た記録ができるとともに、第一のシアニン系色素と、前
記第二のシアニン系色素との含有比率を調整することに
より記録感度をコントロールすることができる。
【0045】次に、繰り返し読出し性能のテストを下記
の要領で行った。すなわち、本発明サンプルとして、上
記表1のサンプルNo.3のものを用いた。比較サンプ
ル1として、本発明サンプル(表1中のサンプルNo.
3)の第一のクエンチャを下記構造式[Q*]で示され
るクエンチャに変えた。比較サンプル2として、本発明
サンプル(サンプルNo.3)の第一のクエンチャを用
いなかった。比較サンプル3として、他社サンプルを用
いた。
【0046】
【化16】 これらのサンプルについて、繰り返し読出し時間に対す
る、Itop 値およびI 3 値並びにジッタの経時変化を測
定した。結果を図4、図5および図6に示す。これらの
結果より、本発明のものは、極めて繰り返し読出し性能
に優れることがわかる。
【0047】次に、耐光性のテストを下記の要領で行っ
た。すなわち、本発明サンプルとして、上記表1のサン
プルNo.3のものを用いた。比較サンプルとして、本
発明サンプル(サンプルNo.3)の第二のクエンチャ
を除外し、第一のシアニン系色素[D−1]と、第二の
シアニン系色素[D−2]の重量比αを3とし、第一の
クエンチャ[Q−1]を、上記[D−1]と[D−2]
の加算重量の1/6 とした。
【0048】これらのサンプルについて、下記の要領で
光暴露試験を行った。光暴露試験 太陽光に極めて近いスペクトルを有するFL管と、紫外
光を出すUV管を近接して配置し、その直下15cmに
ディスクサンプルをおいて試験した。光量はおよそ20
000lx(ルクス)である。評価はBlock Error Rate
により行った。試験結果を図7に示す。図7は、経時時
間とエラーレートとの関係を示すグラフであり、白丸が
本発明サンプルを黒丸が比較サンプルを示す。このグラ
フより本発明は経時的にエラーレートの増大がなく極め
て耐光性に優れることがわかる。
【0049】次に、プリグルーブのグルーブ幅Wの影響
を調べるために、下記表2に示されるような種々のグル
ーブ幅を有する一枚の基板(直径120mm、厚さ1.2
mmのポリカーボネート基板)を作製した。バンドNo.
が大きくなるにつれて基板の外側の位置のグルーブとな
る。
【0050】
【表2】 なお、グルーブ幅Wは、上述したようにグルーブ深さh
の半分の位置、すなわちh/2の位置における幅(μ
m)で定義される。グルーブ幅Wおよびグルーブ深さh
は、それぞれ、座標測定走査電子顕微鏡(EMM−30
00:エリオニクス(株)社製)で測定した。
【0051】この基板の上にシアニン系色素およびクエ
ンチャが含有される光吸収層を塗設した。すなわち、上
記表1のサンプルNo.3で示される配合となるように
色素およびクエンチャをそれぞれエチルセロソルブの溶
媒に溶解させ、このものを基板の上に250nmの厚さ
に塗設した。この光吸収層の上にさらにAuからなる光
反射層を真空蒸着法で0.1μm厚さに設層した。さら
に、この光反射層の上にフォトポリマーの保護膜を設層
し、情報記録媒体サンプルを作製した。
【0052】上記条件で作製した各種媒体サンプルに次
の条件でEFM信号を記録再生した。EFM信号記録条件 波長:778nm 線速:1.4m/s ライトパワー:6.0mW リードパワー:0.5mW 上記条件で記録した媒体について、ランド部電位I
グルーブ部電位Ig、記録信号のうち11T(196KHz) 振幅
の最も明るい部分の電位Itop 、記録信号のうち11T (1
96KHz)振幅の電位I11T 、記録信号のうち3T(720KHz)振
幅の電位I3T、プッシュプルトラッキングエラー電位T
pp、および3ビームトラッキングエラー電位TE3b
測定した。
【0053】測定結果を図8〜図11に示した。図8
は、ランド部電位Iおよびグルーブ部電位Iの電位
変化を示すグラフであり、図9は、記録前および後のプ
ッシュプルトラッキングエラー電位TEppの変化を示す
グラフであり、図10は、3ビームトラッキングエラー
電位TE3bの電位変化を示すグラフ、図11は、
top 、I11T 、I3Tの電位変化を示すグラフである。
【0054】これらのグラフに示される結果より各サン
プルの評価をするに、再生信号をCDフォーマットに準
拠させるためには、 I、Ig の関係では、Il >Ig であることが必要
である。
【0055】プッシュプルトラッキングエラー電位T
ppは、0.04V以上であることが必要である。トラ
ッキングサーボを安定的にかけ、確実に記録を行うため
である。
【0056】3ビームトラッキングエラー電位TE3b
は、市販CDのTE3bと同程度の2.5V以上あること
が必要である。記録信号(ピット)をCDプレーヤで安
定的に再生するためである。
【0057】Itop 、I11T 、およびI3Tの関係にお
いて、Itop は反射率65%以上という規定により上記
の記録再生条件では0.45V以上必要であり、I11T
/I top は60%以上であること、I3T/Itopは30
%以上、70%以下であることが必要である。十分な反
射率をとり、かつ変調度を大きくとるためである。
【0058】図8〜図11の各グラフより、これらの評
価条件を全て満足させるものとしては、バンドNo.8
〜11(グルーブ幅W=0.35〜0.47μm)のも
のであることがわかる。
【0059】つぎに、基板に設けられたプリグルーブの
グルーブ幅Wを0.44μmに固定し、グルーブ深さh
をλ/7.0n〜λ/3.8nオングストローム(Å)
の範囲で変化させ、グルーブ深さhの影響を調べた。サ
ンプル作製にあたり、光吸収層、光反射層および保護膜
は、上記グルーブ溝幅Wの影響を調べるに用いたものと
同様のものを用い、情報記録媒体サンプルを作製した。
【0060】測定結果を図12〜図15に示した。図1
2は、鏡面部電位Iおよびグルーブ部電位Igの電位
変化を示すグラフであり(I>Iであることが必
要)、図13は、プッシュプルトラッキングエラー電位
TEppの変化を示すグラフであり、図14は、Itop
11T 、I3Tの電位変化を示すグラフ、図15は、3ビ
ームトラッキングエラー電位TE3bの電位変化を示すグ
ラフである。
【0061】図12〜図15の各グラフより、グルーブ
幅Wを0.44μmに固定した場合、前記評価条件を全
て満足させるものとしては、λ/4.5n〜λ/3.8
n(ここに、λは記録光または再生光の波長(nm)、
nは基板の屈折率を表わす)の範囲のものであることが
わかる。なお、グルーブ幅Wを0.35〜0.47μm
まで変えて上記同様な実験を行ったところ、グルーブ深
さλ/6.5n〜λ/2.5nの範囲で良好な結果が得
られることが確認された。
【0062】
【発明の効果】本発明における光吸収層は、記録光また
は再生光の波長域に光吸収帯を備える第一のシアニン系
色素と、この第一のシアニン系色素よりも短波長側に光
吸収帯を備え、かつ記録光または再生光の波長域で光吸
収の小さい第二のシアニン系色素と、シアニン系色素の
光劣化を防止するための第一のクエンチャと、アゾ化合
物の第二のクエンチャとを含有し、第一のシアニン系色
素に対する第二のシアニン系色素の重量比をα、第二の
クエンチャに対する第一のクエンチャの重量比をβ、第
一のシアニン系色素と第二のシアニン系色素との加算重
量に対する第一のクエンチャと第二のクエンチャとの加
算重量の比をγとした場合、α=1〜3、β=0.5〜
1、γ=0.25〜0.5、α・γ<1.1の条件を満
足するように含有させて構成したので、ジッターを小さ
くし、繰り返し読出し性能や記録膜の耐光性を向上さ
せ、記録感度をコントロールできる書込み可能な情報記
録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一部を切り欠いた概略斜
視図である。
【図2】図1の切欠部の部分拡大断面図である。
【図3】基板の、特にプリグルーブを拡大した断面図で
ある。
【図4】繰り返し読出し時間に対する、Itop 値の経時
変化を測定したグラフである。
【図5】繰り返し読出し時間に対する、I3 値の経時変
化を測定したグラフである。
【図6】繰り返し読出し時間に対する、ジッタの経時変
化を測定したグラフである。
【図7】光暴露時間とエラーレートとの関係を示すグラ
フである。
【図8】ランド部電位Iおよびグルーブ部電位I
電位変化を示すグラフである。
【図9】記録前および後のプッシュプルトラッキングエ
ラー電位TEppの変化を示すグラフである。
【図10】3ビームトラッキングエラー電位TE3bの電
位変化を示すグラフである。
【図11】Itop 、I11T 、I3Tの電位変化を示すグラ
フである。
【図12】ランド部電位Iおよびグルーブ部電位I
の電位変化を示すグラフである。
【図13】プッシュプルトラッキングエラー電位TEpp
の変化を示すグラフである。
【図14】Itop 、I11T 、I3Tの電位変化を示すグラ
フである。
【図15】3ビームトラッキングエラー電位TE3bの電
位変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…情報記録媒体 11…光透過性基板 12…光吸収層 13…光反射層 14…保護層 70…プリグルーブ
フロントページの続き (72)発明者 田中 覚 埼玉県入間郡鶴ケ島町富士見6丁目1番1 号 パイオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 岡野 誠 埼玉県入間郡鶴ケ島町富士見6丁目1番1 号 パイオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 中馬 隆 埼玉県入間郡鶴ケ島町富士見6丁目1番1 号 パイオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 荒木 泰志 埼玉県入間郡鶴ケ島町富士見6丁目1番1 号 パイオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 辻 大志 埼玉県入間郡鶴ケ島町富士見6丁目1番1 号 パイオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 松井 文雄 埼玉県入間郡鶴ケ島町富士見6丁目1番1 号 パイオニア株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片側平面にプリグルーブが形成された光
    透過性基板の上に光吸収層を有し、該光吸収層の上に光
    反射層を有する情報記録媒体において、 前記光吸収層は、記録光または再生光の波長域に光吸収
    帯を備える第一のシアニン系色素と、この第一のシアニ
    ン系色素よりも短波長側に光吸収帯を備え、かつ記録光
    または再生光の波長域で光吸収の小さい第二のシアニン
    系色素と、シアニン系色素の光劣化を防止するための第
    一のクエンチャと、アゾ化合物の第二のクエンチャとを
    含有し、 第一のシアニン系色素に対する第二のシアニン系色素の
    重量比をα、第二のクエンチャに対する第一のクエンチ
    ャの重量比をβ、第一のシアニン系色素と第二のシアニ
    ン系色素との加算重量に対する第一のクエンチャと第二
    のクエンチャとの加算重量の比をγとした場合、 α=1〜3 β=0.5〜1 γ=0.25〜0.5 α・γ<1.1 の条件を満足するように含有させたことを特徴とする情
    報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第一のシアニン系色素は、下記一般
    式 【化1】 で表されるシアニン系色素(式中、R1 およびR2 はそ
    れぞれ炭素数1〜8のアルキル基、X- はカウンターイ
    オンを表す)であり、 前記第二のシアニン系色素は、下記一般式 【化2】 で表されるシアニン系色素(式中、R3 およびR4 はそ
    れぞれ炭素数1〜8のアルキル基、X- はカウンターイ
    オンを表す)であり、 前記第一のクエンチャは、下記一般式 【化3】 で表わされるNi錯体(式中、R5 、R6 、R7 および
    8 は,それぞれ水素またはこれに代わる置換基を表
    す)であり、 前記第二のクエンチャは、下記一般式 【化4】 で表されるアゾ化合物(式中、R9 およびR10は窒素一
    原子を含む置換基を表す)であることを特徴とする請求
    項1記載の情報録媒体。
  3. 【請求項3】 前記、プリグルーブは、グルーブ深さが
    λ/6.5n〜λ/2.5n(ここに、λは記録光また
    は再生光の波長(nm)、nは基板の屈折率を表す)、
    グルーブ幅が0.35〜0.47μmであることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の情報録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007954A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Fujifilm Holdings Corp 光情報記録媒体および情報記録方法

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