JP2003228882A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2003228882A
JP2003228882A JP2002339858A JP2002339858A JP2003228882A JP 2003228882 A JP2003228882 A JP 2003228882A JP 2002339858 A JP2002339858 A JP 2002339858A JP 2002339858 A JP2002339858 A JP 2002339858A JP 2003228882 A JP2003228882 A JP 2003228882A
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JP2002339858A
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Toshio Ishida
寿男 石田
Takeshi Tsunoda
毅 角田
Shinji Saito
真二 斉藤
Takashi Mikoshiba
尚 御子柴
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高反射率で、キャリア・ノイズ比が大きく、
安定した記録再生特性をもつ光情報記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 基板表面に、記録層、中間層、及びカバ
ー層をこの順に有し、波長が380〜500nmのレー
ザー光を、レンズ開口率NAが0.7以上のレンズを通
して照射し記録再生する光情報記録媒体であって、前記
記録層が有機物の層であり、前記中間層の層厚が1nm
以上9nm以下である光情報記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体に
関し、特にヒートモードによる追記型光情報録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザー光により一回限りの
情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知
られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD
−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状
基板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる
反射層、さらに樹脂製の保護層(カバー層)がこの順に
積層したものである。そしてこのCD−Rへの情報の記
録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波
長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行わ
れ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度
上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの
生成)によりその部分の光学的特性が変化することによ
り情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)も
また記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光をCD
−Rに照射することにより行われ、記録層の光学的特性
が変化した部位(記録部分)と変化していない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより行わ
れている。
【0003】近年、記録密度のより高い光情報記録媒体
が求められている。このような要望に対して、追記型デ
ジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)
と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日
経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発
行)。このDVD−Rは、照射されるレーザ光のトラッ
キングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rの半
分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成
された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有す
る記録層、反射層、および保護層をこの順に積層したデ
ィスク2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、あ
るいはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを記
録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そし
て、このDVD−Rへの情報の記録および再生は、可視
レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の
波長のレーザー光)を照射することにより行われてお
り、CD−Rより高密度の記録が可能である。
【0004】最近、インターネット等のネットワークや
ハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDT
V(High Definition Televis
ion)の放映開始も間近にひかえている。このような
状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができ
る大容量の記録媒体が必要とされている。DVD−Rは
現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たし
ているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であ
り、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要で
ある。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高
密度の記録を行なうことができる、より大容量の記録媒
体の開発が進められている。
【0005】有機色素を含む記録層を有する光情報記録
媒体において、記録層側から反射層側に向けて波長53
0nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の
記録および再生を行う記録再生方法が知られている(例
えば、特許文献1〜15参照。)。これらの方法では、
ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キ
ノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノ
ビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシ
アニン化合物等を含有する記録層を備えた光ディスク
に、青色(波長430nm、488nm)又は青緑色
(波長515nm)のレーザ光を照射することにより情
報の記録および再生を行っている。
【0006】一方、DVDとして相変化型の光ディスク
が知られているが、これは、記録層としてGeSbTe
等の合金層を採用し、記録層にレーザー光で瞬間的に加
熱して、結晶状態からアモルファス状態に相変化させ、
相変化により変わる反射率を利用して記録再生する方式
である。最近、この相変化型のDVDを用いて、青紫レ
ーザーにより記録再生をおこなうDVRシステムが発表
された(「ISOM2000」210〜211頁)。こ
のシステムにより、高密度化という課題に対しては一定
の成果が達成された。
【0007】以上の光情報記録媒体において、記録層が
有機物からなる場合、カバー層を接着剤によって接着す
ると、記録層を構成する有機物が接着剤に溶解するとい
う問題があった。この問題は、記録層とカバー層との間
に中間層を設けることにより解決することができるが、
中間層の層厚が厚いと該中間層により反射率の低下を招
くという問題があった。
【0008】
【特許文献1】特開平4−74690号公報
【特許文献2】特開平7−304256号公報
【特許文献3】特開平7−304257号公報
【特許文献4】特開平8−127174号公報
【特許文献5】特開平11−53758号公報
【特許文献6】特開平11−334204号公報
【特許文献7】特開平11−334205号公報
【特許文献8】特開平11−334206号公報
【特許文献9】特開平11−334207号公報
【特許文献10】特開2000−43423号公報
【特許文献11】特開2000−108513号公報
【特許文献12】特開2000−113504号公報
【特許文献13】特開2000−149320号公報
【特許文献14】特開2000−158818号公報
【特許文献15】特開2000−228028号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の従来
の問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、高反
射率で、キャリア・ノイズ比(C/N)が大きく、安定
した記録再生特性をもつ光情報記録媒体を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段
は以下の通りである。即ち、基板表面に、記録層、中間
層、及びカバー層をこの順に有し、波長が380〜50
0nmのレーザー光を、レンズ開口率NAが0.7以上
のレンズを通して照射し記録再生する光情報記録媒体で
あって、前記記録層が有機物の層であり、かつ前記中間
層の層厚が1nm以上9nm以下であることを特徴とす
る光情報記録媒体である。
【0011】前記中間層は誘電体からなり、また前記有
機物はベンゾトリアゾール誘導体及び/又はフタロシア
ニン色素であることことが好ましい。
【0012】前記有機物がフタロシアニン誘導体であ
り、前記記録層の屈折率(n)が記録に用いられるレー
ザー波長において1.8≦n<1.9であり、かつ前記
誘電体が硫化物及び酸化物の少なくともいずれか一種で
あり、かつ前記中間層の層厚が1nm以上9nm以下で
あることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報記録媒体の
実施の形態について説明する。本発明の光情報記録媒体
は、基板表面に、記録層、中間層、及びカバー層をこの
順に有し、波長が380〜500nmのレーザー光を、
レンズ開口率NAが0.7以上のレンズを通して照射し
記録再生する光情報記録媒体であり、前記記録層が有機
物の層であり、かつ前記中間層の層厚が1nm以上9n
m以下であることを特徴としている。以下、基板と記録
層との間に反射層を有する形態の各層について説明す
る。
【0014】<基板>基板としては、従来の光情報記録
媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意
に選択して使用することができる。具体的には、ガラ
ス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の
アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等
の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリ
オレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等
を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよ
い。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価
格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオ
レフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好まし
い。また、基板の厚さは、0.5〜1.4mmとするこ
とが好ましい。
【0015】基板には、トラッキング用の案内溝または
アドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が
形成されている。より高い記録密度を達成するためにC
D−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチ
のプレグルーブが形成された基板を用いることが好まし
い。プレグルーブのトラックピッチは、300〜600
nmである。また、プレグルーブの深さ(溝深さ)は、
40〜150nmの範囲である。
【0016】なお、後述する反射層が設けられる側の基
板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下
塗層を形成することが好ましい。該下塗層の材料として
は、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・
メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重
合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリル
アミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルス
ルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等
の表面改質剤;を挙げることができる。下塗層は、上記
材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製し
た後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エ
クストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗
布することにより形成することができる。下塗層の層厚
は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好まし
くは0.01〜10μmの範囲である。
【0017】<反射層>反射層には、レーザ光に対する
反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率と
しては、70%以上である。反射率の高い光反射性物質
としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反
射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の
組合せで、または合金として用いてもよい。これらのう
ちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、
Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましく
は、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最
も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金であ
る。
【0018】反射層は、前述した光反射性物質を蒸着、
スパッタリングまたはイオンプレーティングすることに
より基板上に形成することができる。反射層の層厚は、
一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200
nmの範囲とすることが好ましい。以上の反射層は、後
述する記録層の反射率が十分大きい場合には必ずしも必
要ではない。
【0019】<記録層>記録層は、上記反射層上に形成
され、波長が380〜500nmで、レンズ開口率NA
が0.7以上のレーザ光により情報の記録再生が可能な
有機物の層である。また、記録層の屈折率(n)は、記
録に用いられるレーザー波長において、1.8≦n<
1.9が好ましく、より好ましくは、1.8≦n<1.
89であり、さらに好ましくは、1.85<n<1.8
9である。
【0020】前記有機物としては、トリアゾール系化合
物、フタロシアニン化合物、ポリフィリン系化合物、ア
ミノブタジエン系化合物、シアニン系化合物等でこれら
の少なくとも一種であることが好ましく、フタロシアニ
ン化合物としては、アルコキシ置換体、スルホンアミド
置換体、スルフォモイル置換体、スルホン酸置換体のつ
いてものの少なくとも一種であることが好ましい。
【0021】また、特開平4−74690号公報、特開
平8−127174号公報、同11−53758号公
報、同11−334204号公報、同11−33420
5号公報、同11−334206号公報、同11−33
4207号公報、特開2000−43423号公報、同
2000−108513号公報、および同2000−1
58818号公報等に記載されている色素を併用するこ
とができる。さらに、上記色素には限定されず、トリア
ゾール化合物、トリアジン化合物、シアニン誘導体、メ
ロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、フタロシ
アニン誘導体、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、アゾ
化合物、オキソノールベンゾオキサゾール化合物、ベン
ゾトリアゾール誘導体等の有機化合物も好適に用いられ
る。これらの化合物の中では、ベンゾトリアゾール誘導
体、フタロシアニン誘導体が特に好ましい。
【0022】前記フタロシアニン誘導体としては、下記
一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体が好まし
い。
【0023】
【化1】 [一般式(1)中、Rは置換基を表し、nは1から8の
整数を表し、nが2以上の整数のとき、複数個のRは同
一でも異なっていてもよく、Mは2個の水素原子、2価
から4価の金属原子、2価から4価のオキシ金属原子、
又は配位子を有する2価から4価の金属原子を表す。]
【0024】フタロシアニン誘導体の中でも、特に、下
記一般式(2)で表されるフタロシアニン誘導体が好ま
しい。
【0025】
【化2】
【0026】一般式(2)中、Rα1〜Rα8及びRβ1
〜Rβ8は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボキシル基、ス
ルホ基、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアル
キル基、炭素数6から14の置換もしくは無置換のアリ
ール基、炭素数1から10の置換もしくは無置換のヘテ
ロ環基、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアル
コキシ基、炭素数6から14の置換もしくは無置換のア
リールオキシ基、炭素数2から21の置換もしくは無置
換のアシル基、炭素数1から20の置換もしくは無置換
のアルキルスルホニル基、炭素数6から14の置換もし
くは無置換のアリールスルホニル基、炭素数1から10
のヘテリルスルホニル基、炭素数1から25の置換もし
くは無置換のカルバモイル基、炭素数0から32の置換
もしくは無置換のスルファモイル基、炭素数2から20
の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素
数7から15のアリールオキシカルボニル基、炭素数2
から21の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素
数1から20の置換もしくは無置換のスルホニルアミノ
基、Rα1〜Rα8すべてが水素原子であることはなく、
Mは2個の水素原子、2価から4価の金属原子、2価か
ら4価のオキシ金属原子、又は配位子を有する2価から
4価の金属原子を表す。Rα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8
のうち少なくとも8つは水素原子である。
【0027】一般式(2)において、Rα1〜Rα8及び
β1〜Rβ8は好ましくは、それぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1か
ら16の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル)、炭素数
6から14の置換もしくは無置換のアリール基(例え
ば、フェニル、p−メトキシフェニル、p−オクタデシ
ルフェニル)、炭素数1から16の置換もしくは無置換
のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−オ
クチルオキシ)、炭素数6から10の置換もしくは無置
換のアリールオキシ基(フェノキシ、p−エトキシフェ
ノキシ)、炭素数1から20の置換もしくは無置換のア
ルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、n−
プロピルスルホニル、n−オクチルスルホニル)、炭素
数6から14の置換もしくは無置換のアリールスルホニ
ル基(例えば、トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニ
ル)、炭素数0から20の置換もしくは無置換のスルフ
ァモイル基(メチルスルファモイル基、n−ブチルスル
ファモイル)、炭素数1から17のアルコキシカルボニ
ル基(例えば、メトキシカルボニル、n−ブトキシカル
ボニル)、炭素数7から15の置換もしくは無置換のア
リールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボ
ニル、m−クロロフェニルカルボニル)、炭素数2から
21の置換もしくは無置換のアシルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、n−ヘキシルアミ
ノ)、炭素数1から18のスルホニルアミノ基(例え
ば、メタンスルホニルアミノ、n−ブタンスルホニルア
ミノ)である。
【0028】Rα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8は、さらに
好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル
基、スルホ基、炭素数1から16の置換もしくは無置換
のアルキル基、炭素数1から16の置換もしくは無置換
のアルコキシ基、炭素数1から20のアルキルスルホニ
ル基、炭素数6から14の置換もしくは無置換のアリー
ルスルホニル基、炭素数2から20のスルファモイル
基、炭素数1から13のアルコキシカルボニル基、炭素
数2から21の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、
炭素数1から18のスルホニルアミノ基であり、さらに
好ましくは、Rα1〜Rα8が水素原子、ハロゲン原子、
スルホ基、炭素数1から16の置換もしくは無置換のア
ルコキシ基、炭素数1から20の置換もしくは無置換の
アルキルスルホニル基、炭素数6から14の置換もしく
は無置換のアリールスルホニル基、炭素数2から20の
置換もしくは無置換のスルファモイル基、炭素数2から
12のアシルアミノ基、炭素数1から18のスルホニル
アミノ基であり、Rβ1〜R β8が水素原子またはハロゲ
ン原子であり、特に好ましくは、Rα1〜Rα8が水素原
子、スルホ基、炭素数1から20の無置換のアルキルス
ルホニル基、炭素数6から14の無置換のアリールスル
ホニル基、炭素数7から20の無置換のスルファモイル
基であり、Rβ1〜Rβ8が水素原子である。
【0029】前記一般式(2)で表されるフタロシアニ
ン誘導体におけるRα1及びRα2のいずれか一方、R
α3及びRα4のいずれか一方、Rα5及びRα6のいずれ
か一方、Rα7及びRα8のいずれか一方の計4つの置換
基は同時に水素原子ではないことが好ましい。
【0030】一般式(2)において、Rα1〜Rα8及び
β1〜Rβ8はさらに置換基を有していてもよく、該置
換基の例としては、以下に記載のものを挙げることがで
きる。炭素数1〜20の鎖状または環状の置換もしくは
無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネ
チル基)、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリ
ール基(例えば、フェニル基、クロロフェニル基、2,
4−ジ−t−アミルフェニル基、1−ナフチル基)、炭
素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基(例
えば、ビニル基、2−メチルビニル基)、炭素数2〜2
0の置換もしくは無置換のアルキニル基(例えば、エチ
ニル基、2−メチルエチニル基、2−フェニルエチニル
基)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、
シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数2
〜20の置換もしくは無置換のアシル基(例えば、アセ
チル基、ベンゾイル基、サリチロイル基、ピバロイル
基)、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキ
シ基(例えば、メトキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシ
ルオキシ基)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例
えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、p−メトキシ
フェノキシ基)、炭素数1〜20の置換もしくは無置換
のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、ブチルチオ
基、ベンジルチオ基、3−メトキシプロピルチオ基)、
炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリールチオ基
(例えば、フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ
基)、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル
スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンス
ルホニル基)、炭素数6〜20の置換もしくは無置換の
アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル
基、パラトルエンスルホニル基)、炭素数1〜17の置
換もしくは無置換のカルバモイル基(例えば、無置換の
カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバ
モイル基、n−ブチルカルバモイル基、ジメチルカルバ
モイル基)、炭素数1〜16の置換もしくは無置換のア
シルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイル
アミノ基)、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のア
シルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基)、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルコ
キシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基)、5もしくは6員の置換もしくは
無置換のヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チエニル
基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾ
リル基等の芳香族ヘテロ環基;ピロリジン環基、ピペリ
ジン環基、モルホリン環基、ピラン環基、チオピラン環
基、ジオキサン環基、ジチオラン環基等のヘテロ環
基)。
【0031】一般式(2)において、Rα1〜Rα8およ
びRβ1〜Rβ8の置換基として好ましいものは、炭素数
1〜16の鎖状または環状の置換もしくは無置換のアル
キル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜16
のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、
ハロゲン原子、炭素数2〜17のアルコキシカルボニル
基、炭素数1〜10のカルバモイル基、炭素数1〜10
のアシルアミノ基である。その中でも好ましいものは、
炭素数1〜10の鎖状または環状のアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、塩素原子、炭
素数2〜11のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7
のカルバモイル基、炭素数1〜8のアシルアミノ基であ
る。その中で特に好ましいものは、炭素数1〜8の鎖状
分岐または環状の置換もしくは無置換のアルキル基、炭
素数1〜8のアルコキシ基、炭素数3〜9のアルコキシ
カルボニル基、フェニル基および塩素原子であり、置換
基として最も好ましいものは炭素数1〜6の無置換のア
ルコキシ基である。
【0032】Mは2価から4価の金属原子であることが
好ましく、中でも、銅原子、ニッケル原子、又はパラジ
ウム原子が好ましく、さらに銅原子またはニッケル原子
が好ましく、特に銅原子が好ましい。
【0033】一般式(1)又は一般式(2)で表される
化合物は、任意の位置で結合して多量体を形成していて
もよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なってい
てもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポ
リビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合
していてもよい。
【0034】本発明の光情報記録媒体に用いられる一般
式(1)又は一般式(2)で表されるフタロシアニン誘
導体は、特定の誘導体単独で使用してもよく、また構造
の異なったものを複数種混合して用いてもよい。特に記
録層の結晶化を防ぐ目的で、置換基の置換位置が異なる
異性体の混合物を使用することが好ましい。
【0035】以下に、本発明で用いられるフタロシアニ
ン誘導体の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。表1〜4において、例え
ば、Rx/Ry(xおよびyは、α1〜α8、β1〜β8
のいずれかを表わす)という表記はRxまたはRyのいず
れか一方という意味を表しており、従ってこの表記のあ
る化合物は置換位置異性体の混合物である。また無置換
の場合、即ち水素原子が置換している場合は表記を省略
している。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【化3】
【0040】記録層は、上記色素(有機物等)等の記録
物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して記録層塗
布液を調製し、次いでこの記録層塗布液を基板表面に形
成された反射層上に塗布して塗膜を形成したのち乾燥す
ることにより形成される。記録層塗布液中の記録物質の
濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好
ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは
0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質
量%の範囲である。また、記録物質等を溶解処理する方
法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方
法を適用することができる。
【0041】記録層塗布液を調製する際の溶剤として
は、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、セロソルブ
アセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジク
ロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等
の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;
メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,
3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶
剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙
げることができる。
【0042】上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考
慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用す
ることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV
吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて
添加してもよい。
【0043】結合剤を使用する場合に、結合剤の例とし
ては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロ
ジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭
化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系
樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
エチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物等の合成有機高分子;等を挙げることが
できる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、
結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍
量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.
1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調
製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01
〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量
%の範囲にある。
【0044】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げるこ
とができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記
録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、
好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好まし
くは50〜100nmの範囲にある。また、塗布温度と
しては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ま
しくは24〜40℃、さらに好ましくは25〜37℃で
ある。
【0045】ディスクの反りを防止するため、塗布膜へ
の紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、U
V照射器)を用いて行うのが好ましい。パルス間隔はm
sec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。
1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/c
2以下が好ましく、2kW/cm2以下がより好まし
い。また、照射回数は特に制限されないが、20回以下
が好ましく、10回以下がより好ましい
【0046】記録層には、該記録層の耐光性を向上させ
るために、種々の褪色防止剤を含有させることができ
る。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチ
ャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、
既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用す
ることができる。その具体例としては、特開昭58−1
75693号公報、同59−81194号公報、同60
−18387号公報、同60−19586号公報、同6
0−19587号公報、同60−35054号公報、同
60−36190号公報、同60−36191号公報、
同60−44554号公報、同60−44555号公
報、同60−44389号公報、同60−44390号
公報、同60−54892号公報、同60−47069
号公報、同63−209995号公報、特開平4−25
492号公報、特公平1−38680号公報、および同
6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許3503
99号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号
第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0047】前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止
剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通
常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.
5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量
%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲であ
る。
【0048】<中間層>中間層は、上記記録層と後述す
る接着層との間に形成される。記録層上に接着層を形成
すると、接着層の接着剤が記録層の有機物を溶解してし
まうが、中間層を設けることにより、接着剤が記録層に
直接接触せず、記録層が接着剤によって溶解されるのを
防止することができる。そして、本発明においては、該
中間層の層厚を1nm以上9nm以下としている。該中
間層の層厚が1nm未満では、接着剤が記録層まで浸出
し、中間層の役割を果たせず、9nmを超えるとレーザ
ー光の透過率が低下し反射率の低下を招く。上記中間層
の層厚としては、より好ましくは、2nm以上8nm以
下であり、特に好ましくは、3nm以上7nm以下であ
る。
【0049】中間層を構成する材料としては、レーザー
光を透過する材料であれば、特に制限はないが、誘電体
であることが好ましく、より具体的には、Zn、Si、
Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭
化物、及び硫化物の少なくといずれか1種からなる材
料、すなわち、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、S
iO2、TiO2、ZnO、ZnS−SiO2、SnO2
挙げられ、ZnS−SiO2、あるいはSiO2が好まし
い。特に、硫化物及び酸化物の少なくともいずれか一種
が好ましい。
【0050】<接着層>接着層は、上記中間層と、後述
するカバー層との密着性を向上させるために形成される
層である。接着層を構成する材料としては、光硬化性樹
脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するた
め、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光
硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業
(株)製の「SD−640」、「SD−347」等のU
V硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができ
る。また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1
〜1000μmの範囲が好ましく、5〜500μmの範
囲がより好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ま
しい。
【0051】接着層を形成する材料の他の例を挙げる。
該材料は、放射線照射により硬化可能な樹脂であって、
分子中に2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹
脂であり、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、
メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリ
ル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などが
あげられる。好ましくは2官能以上のアクリレート化合
物、メタクリレート化合物である。
【0052】2官能の具体例としては、エチレングリコ
ールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレ
ート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエ
チレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロ
ピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジ
メタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート
などに代表される脂肪族ジオールにアクリル酸、メタク
リル酸を付加させたものを用いることができる。
【0053】また、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど
のポリエーテルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸
を付加したポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメ
タクリレートや公知の二塩基酸、グリコールから得られ
たポリエステルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸
を付加させたポリエステルアクリレート、ポリエステル
メタクリレートも用いることができる。さらに、公知の
ポリオール、ジオールとポリイソシアネートを反応させ
たポリウレタンにアクリル酸、メタクリル酸を付加させ
たポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレ
ートを用いてもよい。
【0054】また、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF
やこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、
メタクリル酸を付加させたものやイソシアヌル酸アルキ
レンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸ア
ルキレンオキサイド変性ジメタアクリレート、トリシク
ロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカ
ンジメタノールジメタクリレートなどの環状構造を有す
るものも用いることができる。
【0055】前記放射線としては、電子線および紫外線
を使用することができる。紫外線を使用する場合には以
下の化合物に光重合開始剤を添加することが必要とな
る。光重合開始剤として芳香族ケトンが使用される。芳
香族ケトンは、特に限定されないが、紫外線照射光源と
して通常使用される水銀灯の輝線スペクトルを生ずる。
254,313,865nmの波長において吸光係数の
比較的大なるものが好ましい。その代表例としては、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエー
テル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケター
ル、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチル
フェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−2ジエトキシアセトフェノン、Mich
ler’sケトンなどがあり、種々の芳香族ケトンが使
用できる。芳香族ケトンの混合比率は、化合物(a)1
00質量部に対し0.5〜20質量部、好ましくは2〜
15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。
紫外線硬化型接着剤としてあらかじめ光開始剤を添加し
たものが市販しており、それを使用してもかまわない。
紫外線光源としては、水銀灯が用いられる。水銀灯は2
0〜200W/cmのランプを用い速度0.3m/分〜
20m/分で使用される。基体と水銀灯との距離は一般
に1〜30cmであることが好ましい。
【0056】電子線加速器としてはスキャニング方式、
ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が
採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得ら
れるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、
加速電圧が100〜1000kV、好ましくは150〜
300kVであり、吸収線量として0.5〜20Mra
d、好ましくは1〜10Mradである。加速電圧が1
0kV以下の場合は、エネルギーの透過量が不足し10
00kVを超えると重合に使われるエネルギー効率が低
下しコスト的に好ましくない。
【0057】<カバー層>カバー層は、光情報記録媒体
内部への水分の侵入を防ぐために形成され、透明な材質
であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネ
ート、三酢酸セルロース等であり、より好ましくは、2
3℃50%RHでの吸湿率が5%以下の材料である。な
お、「透明」とは、記録光および再生光の光に対して、
該光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であ
ることを意味する。
【0058】カバー層は、接着層を構成する光硬化性樹
脂を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗
布液を所定温度で記録層上に塗布して塗布膜を形成し、
該塗布膜上に、例えばプラスチックの押出加工で得られ
た三酢酸セルロースフィルム(TACフィルム)をラミ
ネートし、ラミネートしたTACフィルムの上から光を
照射して塗布膜を硬化させて形成される。前記TACフ
ィルムとしては、紫外線吸収剤を含むものが好ましい。
カバー層の厚さは、0.01〜0.2mmの範囲であ
り、好ましくは0.03〜0.1mmの範囲、より好ま
しくは0.05〜0.095mmの範囲である。
【0059】以上のように、本実施の形態においては、
透明なフィルム状の材質を接着剤(接着層)で接着して
カバー層を形成したが、カバー層は、接着剤(接着層)
のみからなるものであってもよい。
【0060】また、本実施の形態の光情報記録媒体にお
いては、反射層と記録層との間に、記録層の特性に応じ
て誘電体層または光透過層を形成することができる。例
えば、記録層との接着性向上のための光透過層を設けて
もよく、相変化型の記録層を設けた場合には、放熱のた
めの誘電体層を設けてもよい。誘電体層としては、Z
n、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、
酸化物、炭化物、硫化物からなる材料を使用することが
好ましく、ZnS−SiO2のようなものであってもよ
い。光透過層としては、レーザー波長で90%以上の透
過率があるものであれば如何なる材料をも使用すること
ができる。
【0061】上記誘電体層または光透過層は、従来公知
の方法により形成することができる。誘電体層の厚さ
は、1〜100nmとすることが好ましく、光透過層の
厚さは、2〜50nmとすることが好ましい。
【0062】
【実施例】本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0063】(実施例1〜9、比較例1〜2)厚さ1.
1mm、直径120mmのスパイラル状のグルーブ(ト
ラックピッチ:340nm、溝深さ:40nm、溝幅:
150nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂
(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD
5503)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパ
ッタして120nmの膜厚の反射層を形成し、その後、
下記構造式で示される有機物を乳酸メチルと混合し3%
として2時間超音波処理を行って溶解し色素塗布液を調
製した。この色素塗布液をスピンコート法により回転数
を300〜4000rpmまで変化させながら23℃5
0%RHの条件で塗布した。その後、23℃50%RH
で2時間アニールを行い、ZnS−SiO2を各実施例
及び比較例毎に表5に示す厚さとなるようにスパッタ
し、UV硬化接着剤(大日本インキ化学工業(株)製S
D−640)をスピンコート法により100〜300r
pmで塗布し、ポリカーボネートシート(ピュアエース
帝人社製、膜厚80μm)を重ね合わせ、300rpm
から4000rpmまで変化させながら全面に接着剤を
広げた後、UV照射ランプにて紫外線を照射して硬化さ
せ、実施例1〜9及び比較例1〜2のサンプルを作製し
た。なお、比較例1のサンプルにおいては、ZnS−S
iO2をスパッタしていない。
【0064】
【化4】
【0065】(実施例10〜18、比較例3)厚さ1.
1mm、直径120mmのスパイラル状のグルーブ(ト
ラックピッチ:340nm、溝深さ:40nm、溝幅:
150nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂
(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD
5503)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパ
ッタして120nmの膜厚の反射層を形成し、その後、
オラゾールブルーGN(cibaファインケミカル社
製)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールと
混合して3%とし2時間超音波処理を行って溶解し色素
塗布液を調製した。この色素塗布液をスピンコート法に
より回転数を300〜4000rpmまで変化させなが
ら23℃50%RHの条件で塗布した。その後、23℃
50%RHで2時間アニールを行い、SiO2を各実施
例及び比較例毎に表5に示す厚さとなるようにスパッタ
して中間層を形成し、UV硬化接着剤(大日本インキ化
学工業(株)製SD−640)をスピンコート法により
100〜300rpmで塗布し、ポリカーボネートシー
ト(ピュアエース帝人社製、膜厚80μm)を重ね合わ
せ、300rpmから4000rpmまで変化させなが
ら全面に接着剤を広げた後、UV照射ランプにて紫外線
を照射して硬化させ、各実施例10〜18及び比較例3
のサンプルを作製した。
【0066】(実施例19〜27、比較例4)厚さ1.
1mm、直径120mmのスパイラル状のグルーブ(ト
ラックピッチ:340nm、溝深さ:40nm、溝幅:
150nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂
(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD
5503)基板のグルーブを有する面上に、AgPdC
uをスパッタして90nmの膜厚の反射層を形成し、そ
の後、下記構造式で示される有機物を2,2,3,3−
テトラフルオロプロパノールと混合して3%とし2時間
超音波処理を行って溶解し色素塗布液を調製した。この
色素塗布液をスピンコート法により回転数を300〜4
000rpmまで変化させながら23℃50%RHの条
件で塗布した。その後、80℃で1時間アニールを行
い、ZnS−SiO2を各実施例及び比較例毎に表5に
示す厚さとなるようにスパッタし、UV硬化接着剤(大
日本インキ化学工業(株)製SD−640)をスピンコ
ート法により100〜300rpmで塗布し、ポリカー
ボネートシート(ピュアエース帝人社製、膜厚80μ
m)を重ね合わせ、300rpmから4000rpmま
で変化させながら全面に接着剤を広げた後、UV照射ラ
ンプにて紫外線を照射して硬化させ、実施例19〜27
及び比較例4のサンプルを作製した。
【0067】
【化5】
【0068】[評価]前記各実施例及び比較例の光情報
記録媒体を、波長405nm、レンズ開口率NA0.8
5のレーザーを搭載したディスクドライブ装置(DDU
−1000、パルステック工業(株)製)を用いて2T
信号を6mWで記録しその反射率、C/Nを測定した。
結果を表5に示す。
【0069】
【表4】
【0070】表5より、実施例1〜27の光情報記録媒
体はいずれも中間層の層厚が1nm以上9nm以下であ
り、高反射率で、キャリア・ノイズ比が大きいことが分
かる。これに対して比較例1〜4の光情報記録媒体は、
中間層を設けていないか、あるいは中間層の層厚が10
nmであり、低反射率で、キャリア・ノイズ比が小さか
った。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、高反射率で、キャリア
・ノイズ比(C/N)が大きく、安定した記録再生特性
をもつ光情報記録媒体を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 真二 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 御子柴 尚 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA22 EA31 EA37 EA41 FA01 FA14 FA21 FA25 FA27 FB42 FB45 5D029 JA04 JB46 JC06 LB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に、記録層、中間層、及びカバ
    ー層をこの順に有し、波長が380〜500nmのレー
    ザー光を、レンズ開口率NAが0.7以上のレンズを通
    して照射し記録再生する光情報記録媒体であって、 前記記録層が有機物の層であり、かつ前記中間層の層厚
    が1nm以上9nm以下であることを特徴とする光情報
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記有機物がベンゾトリアゾール誘導体
    及び/又はフタロシアニン誘導体からなり、かつ前記中
    間層が誘電体からなることを特徴とする請求項1に記載
    の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記有機物がフタロシアニン誘導体であ
    り、前記記録層の屈折率(n)が記録に用いられるレー
    ザー波長において1.8≦n<1.9であり、前記誘電
    体が硫化物及び酸化物の少なくともいずれか一種であ
    り、かつ前記中間層の層厚が1nm以上9nm以下であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007007954A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Fujifilm Holdings Corp 光情報記録媒体および情報記録方法

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