JP2007005238A - 噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法及びそのリチウム二次電池への利用 - Google Patents

噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法及びそのリチウム二次電池への利用 Download PDF

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Abstract

【課題】噴霧乾燥による粉体の製造において、得られる噴霧乾燥粉体中の水分量を的確に制御し、そのバラツキを抑える。このような噴霧乾燥粉体を用いて、組成比が安定した高品質のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を工業的に大量生産し、品質の安定したリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】噴霧乾燥に用いる乾燥機出口側熱風温度を、50〜100℃の範囲内から選ばれた所定の温度に制御することにより、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御する。この噴霧乾燥粉体にリチウム原料を添加して焼成することにより、組成比が安定した高品質のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造する。

Description

本発明は、噴霧乾燥による粉体の製造において、得られる噴霧乾燥粉体中の水分濃度を的確に制御する噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法に関する。本発明はまた、この水分濃度制御方法を用いて得られたリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用の造粒粒子、この造粒粒子を用いて得られたリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物及びリチウム二次電池に関する。
従来、リチウム二次電池用の電極材料として、リチウム遷移金属複合酸化物が知られている。リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム化合物と遷移金属化合物或いは場合によって更にその他の金属化合物を混合した混合物を焼成して複合化することにより製造されている。
リチウム二次電池にあっては、その用途から、長期に亘って使用され、かつ充放電が繰り返されることから、サイクル特性、保存特性など種々の特性が求められ、また、極めて高いレベルでの高容量化が求められつつある。一方で、昨今の携帯電話、パーソナルコンピュータ等の民生機器や車載用のリチウム二次電池需要の急速な拡大につれて、リチウム二次電池の工業的大量生産が要求されている。
このようなことから、リチウム二次電池の電極材料としてのリチウム遷移金属複合酸化物の工業的生産においても、リチウム二次電池に要求される高い品質のものを常に一定の品質で大量生産することが要求されるようになってきている。
ところで、複数の原料を混合して造粒する方法として、噴霧乾燥法が広く知られている。噴霧乾燥法は、例えば、造粒原料粒子を分散媒に分散させたスラリーを調製し、噴霧ノズルにこのスラリーと気体流とを流入させて、ノズル先端からスラリー成分の液滴を吐出させ、この液滴を適当なガス温度及び送風量の乾燥ガスで迅速に乾燥させる方法である。
噴霧乾燥法によれば、簡易な方法で球状の造粒粒子を得ることができる。従って、例えばリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物用の焼成前駆体を製造する際に、噴霧乾燥法を採用することにより、球状の造粒粒子を製造して電極への充填密度を向上させることができる。しかし、噴霧乾燥法によるリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の焼成前駆体の製造においては、得られる焼成前駆体の水分量を高度に制御することが必要となる。即ち、噴霧乾燥により得られた焼成前駆体中の水分量が制御されておらず、バラツキが多いと、その焼成前駆体自体の品質が安定せず、さらにこれを焼成して得られる焼成品、即ちリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の品質も安定しないという問題がある。
特許文献1には、噴霧乾燥により、リチウム化合物を含むリチウム遷移金属複合酸化物用焼成前混合物を製造する際に、乾燥機入口側温度である乾燥ガス温度を変えることにより、得られる焼成前混合物の水分濃度を1〜5重量%に制御することが記載されている。
また、スラリーの供給量を変えることにより、焼成前混合物の水分濃度を調整するとの記載もある。
しかし、特許文献1では、乾燥機出口側熱風温度に関しては、乾燥機出口部分で噴霧乾燥粉が結露しないような温度以上に保つ制御しかなされておらず、このような制御方法では、得られる焼成前混合物の水分濃度のバラツキが大きくなるおそれがあった。即ち、乾燥機入口側の乾燥ガス温度やスラリーの供給量を変えるだけでは、外気温の変動などで乾燥機出口側熱風温度がバラツキ、その結果、得られる焼成前混合物の水分濃度のバラツキ、特にロット間でのバラツキが大きくなりやすかった。
また、特許文献1では、リチウム化合物を含むスラリーを噴霧乾燥しているが、このようにリチウム化合物を含んだスラリーを噴霧乾燥した場合、リチウム化合物がスラリーの分散媒に対して溶解度が高いものであると、噴霧乾燥により得られた粒子が中空構造の多いものとなり、その結果、電極にする際の充填密度が上がらなくなるというおそれがあった。
これに対して、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物用の焼成前駆体を噴霧乾燥で得る際に、スラリー中にリチウムを含有させないことにより、中実構造の粒子を得ることができ、電極を作製する際の充填密度を上げることができる。しかし、このような場合には、噴霧乾燥により得られた粒子にリチウム化合物を混合することになるが、この場合には、噴霧乾燥により得られた粒子の水分濃度がより一層高度に制御されていないと、品質の安定したリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造することができない。即ち、リチウム化合物を噴霧乾燥後に添加する場合、噴霧乾燥粉体の水分濃度が一定でないと、添加すべきリチウム化合物量を正確に見積もることができず、その結果、リチウム遷移金属複合酸化物とした際のLi元素対Li以外の金属元素のモル比がバラツキ、得られる電池の性能もバラツクこととなる。
特開2002−348119号公報
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、噴霧乾燥による粉体の製造において、得られる噴霧乾燥粉体中の水分量を的確に制御し、そのバラツキを抑える噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法を提供することを目的とする。本発明はまた、組成比が安定した高品質のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を工業的に大量生産すること、及びそれによって得られる品質の安定したリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、噴霧乾燥による粉体の製造において、乾燥機出口側熱風温度を制御することにより、得られる噴霧乾燥粉体中の水分量を的確に制御することができ、ロット毎のバラツキも小さいものとすることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下を要旨とする。
[1] 噴霧乾燥による粉体の製造において、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御する方法であって、噴霧乾燥に用いる乾燥機出口側熱風温度を制御することにより、噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御することを特徴とする噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法。
[2] 噴霧乾燥粉体が、該噴霧乾燥粉体にリチウム原料を添加して焼成することによりリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造するためのものであることを特徴とする[1]に記載の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法。
[3] 乾燥機出口側熱風温度を50〜100℃の範囲内から選ばれた所定の温度に制御することを特徴とする[2]に記載の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法。
[4] 噴霧乾燥粉体により得られた造粒粒子であって、該造粒粒子にリチウム原料を添加して焼成することによりリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造するための造粒粒子において、噴霧乾燥におけるロット数5の場合の複数ロットについて、下記の方法で求めた水分濃度の標準偏差(σn−1)が、0.4以下であることを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子。
(水分濃度の測定・算出方法)
該造粒粒子をロット毎にそれぞれ10g分取して110℃にて2時間乾燥し、2時間乾燥後の該造粒粒子の重量(Qg)を測定する。水分濃度は下記式で算出する。
水分濃度(%)=(10−Q)/10 ×100
[5] [4]に記載のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子を用いて製造されたことを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。
[6] [2]又は[3]に記載の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法により水分濃度を制御して製造された噴霧乾燥粉体を用いて製造されたことを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。
[7] ロット数5の場合の複数ロットについて、下記の方法で求めた、Li元素対Li以外の金属元素のモル比の標準偏差(σn−1)が、0.01以下であることを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。
(Li元素対Li以外の金属元素のモル比の測定・算出方法)
リチウム遷移金属複合酸化物をロット毎にそれぞれ1g分取し、140℃に熱した塩酸溶液(塩酸:水=1:1(容量比))に溶解し、誘導結合高周波プラズマ分光分析装置にて溶液の組成分析を行なって、Li元素に対するLi以外の金属元素の合計のモル比を算出する。
[8] リチウムを吸蔵・放出可能な正極及び負極と、リチウム塩を溶質とする電解質とを備えるリチウム二次電池であって、[5]〜[7]に記載のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
本発明の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法によれば、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度を的確に制御してバラツキを小さくすることができる。従って、この方法により噴霧乾燥粉体の水分濃度を抑制してリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子を製造し、これを用いてリチウム二次電池用遷移金属複合酸化物を製造した場合には、高レベルでの要求性能を満たすリチウム遷移金属複合酸化物を一定の高品質で工業的に大量生産することができる。そしてこのリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物によれば、品質の安定した高特性リチウム二次電池を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
[噴霧乾燥]
噴霧乾燥とは、造粒原料粒子を分散媒に分散させたスラリー、もしくは造粒原料粒子を溶媒に溶解させた溶液(本明細書においては、これを単に「スラリー」と称す場合がある。)を用い、例えば、ノズルの先端に気体流とスラリーとを流入させることによって、ノズルからスラリー成分の液滴(本明細書においては、これを単に「液滴」という場合がある。)を吐出させ、適当なガス温度及び送風量の乾燥ガスを用いて、飛散した該液滴を迅速に乾燥させる手法である。
噴霧乾燥を用いた造粒方法は、原料粒子を乾式にて造粒する方法や、原料溶液からpH制御によって造粒する方法などの他の造粒粒子製造方法に比べて、得られた粒子の球形度が高く、スケールアップが容易であるという利点がある。またpH制御による造粒方法においては酸やアルカリ廃液が発生し、その処理費用が必要であるが、噴霧乾燥であれば、このような問題もない。
噴霧乾燥は、幅広い用途に用いられており、例としては、得られる造粒粒子の高い球形度により粉体としての密度を上げることができることを利用して、医薬品粒子の製造、インスタント食品粒子の製造などに用いられる。
〈噴霧乾燥機〉
本発明における噴霧乾燥には、通常使用されている噴霧乾燥用の装置を用いることができる。例えば、特許第2797080号公報に記載の噴霧乾燥機を用いることができる。
以下に、本発明で採用し得る一般的な噴霧乾燥機の各部の構成について説明する。
・スラリー供給部:
スラリーをノズルに供給する部分であり、スラリーの供給方法としては、ポンプで供給する方法、ヘッドタンクを設けヘッド圧で供給する方法などがあるが、一定流量でノズルにスラリーを供給できる方法であれば、特に方法は問わない。
・熱風供給部:
ノズルによって噴霧された液滴を乾燥させるための熱風を供給する部分である。熱風を発生させる方法としては、電気ヒーターにより加熱する方法、蒸気により加熱する方法、直火により加熱する方法などがある。
・ノズル:
スラリーを噴霧して液滴を吐出させる部材である。ノズルとしては、スラリーを高速で回転するディスクに衝突させて液滴にする回転式ノズル、スラリーを気体流で液滴にする二流体ノズル、スラリーと気体流がそれぞれ独立に2系統存在し、4流体を衝突させる事によって液滴にする四流体ノズルなどがある。気体流として供給する気体としては、空気、窒素等を用いることができるが、通常は空気が用いられる。これらは加圧して使用することが好ましい。
・乾燥部:
ノズルによって噴霧された液滴を熱風で乾燥させる部分であり、通常、円筒形となっている。熱風が上方から下方に流れるタイプと、下方から上方に流れるタイプとが存在する。乾燥部は、熱風のエネルギーを効率良く使用するために、断熱材(保温材)で囲う事が望ましい。
・排気部:
噴霧乾燥された粒子を回収する部分であり、具体的にはバグフィルターやサイクロン缶により熱風(すでに乾燥にエネルギーを使用して冷却され、排気部分ではただのキャリアーガスとなる)と噴霧乾燥粒子とを分離する。
〈噴霧乾燥条件〉
噴霧乾燥時の条件制御項目としては、乾燥機の入口側での乾燥ガス(熱風)温度、スラリー供給量(流量)、スラリー粘度、乾燥機出口側熱風温度などが挙げられる。前述の如く、従来において、出口側熱風温度が測定されることはあったが、それは結露が発生するかどうかの検出に用いられるのみであり、この温度を制御することは行われていない。
本発明においては、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御するために、乾燥機の出口側熱風温度を制御する。出口側熱風温度を制御することにより、乾燥ガス温度やスラリー供給量を制御する場合に比べて、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度のバラツキを小さくすることができる。また、水を噴霧して水分濃度を調整する場合や、熱をかけて水分を除去することにより水分濃度を調整する場合に比べても、そのバラツキを小さくすることができる。
本発明において、乾燥機出口側熱風温度は、通常30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上で、通常150℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下の範囲の所定の温度に制御する。出口側熱風温度がこの下限を下回ると、水分濃度が高くなりやすく、また結露するおそれもある。出口側熱風温度がこの上限を上回ると、噴霧乾燥機でのエネルギー消費が必要以上に大きくなるおそれがある。
なお、乾燥機出口側熱風温度は次のようにして測定することができる。
(測定方法)
測定点:乾燥機の乾燥部の直後(乾燥機を出たところ)
測定センサー:一般的な熱電対
測定条件:連続測定
乾燥機出口側熱風温度の制御はPID制御により入口側熱風温度や熱風流量を調整することにより行うことが好ましく、その管理幅としては、良好な噴霧乾燥粉体が得られる限り、限定はないが、制御すべき所定の温度に対して通常は±2℃以内とする。
乾燥機の入口側熱風温度、即ち、乾燥ガス温度は、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上で、通常500℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下の範囲の所定温度に制御することが好ましい。入口側熱風温度がこの下限を下回ると、乾燥部出口で結露しやすくなることから、そのためにスラリー供給量を上げることができず、生産性が低下する。入口側熱風温度がこの上限を上回ると乾燥部出口側熱風温度が高くなりエネルギーの無駄である。
入口側熱風温度は一般的な熱電対で測定することができる。本発明では、乾燥機の出口側熱風温度制御を主とするが、入口側熱風温度についても補助的にPID制御により一定に制御しても良い。
乾燥機の入口側熱風(乾燥ガス)流量は、通常10m/min以上、好ましくは15m/min以上、より好ましくは20m/min以上で、通常100m/min以下、好ましくは70m/min以下、より好ましくは50m/min以下である。入口側熱風流量がこの上限を上回ると、通常円筒形の乾燥部分の高さ方向の長さを長くする必要がある。また乾燥機出口側熱風温度が高くなりエネルギーの無駄となる。入口側熱風流量がこの下限を下回ると、噴霧された液滴が乾かない内に乾燥部内周に付着してしまうおそれがあるため、通常円筒形の乾燥部の直径を大きくする必要がある。また、乾燥機出口側熱風温度が低くなり、結露のおそれがある。
入口側熱風流量は熱線流速計で測定することができ、送風ファン、排風ファンの回転数制御(通常はインバーター制御が主流)により制御することができる。
スラリー供給量は、通常100cc/min以上、好ましくは200cc/min以上、より好ましくは300cc/min以上で、通常10000cc/min以下、好ましくは5000cc/min以下、より好ましくは3000cc/min以下である。スラリー供給量がこの下限を下回ると、生産性が低下する。スラリー供給量がこの上限を上回ると入口側熱風温度を工業的な温度以上に高くする必要があり、また乾燥部も巨大となり建設コストが上昇する。
スラリー供給量は質量流量計などのスラリーの流量を測定できる流量計で測定することができ、スラリー供給ポンプの流量や、スラリー供給ポンプ出口に設けたバルブの開度等により制御することができる。
また、スラリーの粘度は、通常50mPa・s以上、好ましくは100mPa・s以上、特に好ましくは200mPa・s以上で、通常3000mPa・s以下、好ましくは2000mPa・s以下、特に好ましくは1600mPa・s以下である。スラリーの粘度がこの下限を下回ると噴霧乾燥に大きな負荷がかかったり、噴霧乾燥により生成した造粒粒子が必要以上に小さくなったり破損しやすくなったりする。一方、スラリー粘度がこの上限を上回ると、噴霧乾燥時のスラリー輸送に用いるポンプでの吸引ができなくなるなど取り扱いが困難になる。
スラリーの粘度測定は、公知のBM型粘度計を用いて行うことができる。BM型粘度計は、室温大気中において所定の金属製ローターを回転させる方式を採用する測定方法である。スラリーの粘度は、ローターをスラリー中に浸した状態でローターを回転させ、その回転軸にかかる抵抗力(捻れの力)から算出される。但し、室温大気中とは気温10〜35℃、相対湿度20〜80%RHの通常考えられる実験室レベルの環境を示す。
[リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子]
本発明の水分濃度の制御方法は、リチウム二次電池用リチウム遷移金属酸化物を製造する際の造粒粒子、即ち、この造粒粒子にリチウム原料を添加混合し、混合物を焼成することにより、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造するための造粒粒子を製造する際に好ましく用いられる。以下に、このリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子について詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子は、原料化合物として後述の遷移金属化合物及び必要に応じて用いられる置換金属化合物等を用い、湿式(即ちスラリー中)でこれらの原料化合物を混合後、これを噴霧乾燥することにより製造される。
本発明では、このスラリー中にはリチウム化合物を含有させず、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を構成するリチウム以外の金属化合物を含むスラリーを噴霧乾燥し、得られた造粒粒子とリチウム化合物とを混合する。
なお、以下の説明において、混合・粉砕処理物の平均粒子径、スラリー中の固形物の平均粒子径、噴霧乾燥後の造粒粒子の平均粒子径、及びリチウム遷移金属複合酸化物の平均粒子径は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定される。
この方法の測定原理は下記の通りである。
即ち、スラリー、又は粉体を分散媒に分散させて得られた試料溶液にレーザー光を照射し、粒子に入射されて散乱(回折)した散乱光をディテクタで検出する。検出された散乱光の散乱角θ(入射方向と散乱方向の角度)は、大きい粒子の場合は前方散乱(0<θ<90°)となり、小さい粒子の場合は側方散乱又は後方散乱(90°<θ<180°)となる。測定された角度分布値から、入射光波長及び粒子の屈折率等の情報を用いて粒子径分布を算出する。更に得られた粒子径分布から平均粒子径を算出する。測定の際に用いる分散媒としては、例えば0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を挙げることができる。
〈造粒粒子原料〉
造粒粒子原料として用いられる遷移金属化合物としては、マンガン化合物、ニッケル化合物、コバルト化合物等が挙げられる。
具体的には、マンガン化合物としてはMn、MnO、Mn等のマンガン酸化物、MnCO、Mn(NO、MnSO、酢酸マンガン、ジカルボン酸マンガン、クエン酸マンガン、脂肪酸マンガン等のマンガン塩、オキシ水酸化物、塩化マンガン等のハロゲン化物等が挙げられる。これらマンガン化合物の中でも、Mn、Mnは、最終目的物である複合酸化物のマンガン酸化数に近い価数を有しているため好ましい。更に工業原料として安価に入手できる観点、及び反応性が高いという観点から、特に好ましいのはMnである。Mnとして、MnCOやMnOなどの化合物を熱処理して作製したものを用いても良い。これらのマンガン化合物は1種を単独で用いても良く、複数種を併用しても良い。
ニッケル化合物としては、Ni(OH)、NiO、NiOOH、NiCO・2Ni(OH)・4HO、NiC・2HO、Ni(NO・6HO、NiSO、NiSO・6HO、脂肪酸ニッケル、ニッケルハロゲン化物等が挙げられる。この中でも、焼成処理の際にNOX及びSOX等の有害物質を発生させない点で、窒素原子や硫黄原子を含有しない、Ni(OH)、NiO、NiOOH、NiCO・2Ni(OH)・4HO、NiC・2HOのようなニッケル化合物が好ましい。また、更に工業原料として安価に入手できる観点、及び反応性が高いという観点から、特に好ましいのはNi(OH)、NiO、NiOOHである。これらのニッケル化合物は1種を単独で用いても良く、複数種を併用しても良い。
コバルト化合物としては、Co(OH)、CoO、Co、Co、Co(OCOCH・4HO、CoCl、Co(NO・6HO、Co(SO・7HO等が挙げられる。中でも、焼成工程の際にNOX及びSOX等の有害物質を発生させない点で、Co(OH)、CoO、Co、Coが好ましく、更に好ましくは、工業的に安価に入手できる点及び反応性が高い点でCo(OH)である。これらのコバルト化合物は1種を単独で用いても良く、複数種を併用しても良い。
更に、これらの遷移金属を置換する元素を導入しても良く、この場合、その置換元素源(以下「置換金属化合物」と称す。)としては、置換金属のオキシ水酸化物、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物の他、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩や、酢酸塩、蓚酸塩、ジカルボン酸塩、脂肪酸塩等の有機酸塩等を用いることができる。
〈噴霧乾燥〉
噴霧乾燥を行うことによって、簡易な方法で球状のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子(該造粒粒子にリチウム原料を添加して焼成することによりリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造するための造粒粒子)を得ることができ、このような球状の造粒粒子を用いて製造したリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物であれば、電極形成時の充填密度を向上させることができる。
噴霧乾燥の方法は特に制限されないが、例えば、ノズルの先端に気体流とスラリーとを流入させることによってノズルからスラリー成分の液滴を吐出させ、適当なガス温度や送風量の乾燥ガスを用いて飛散した該液滴を迅速に乾燥させる方法を用いることができる。
以下に、造粒粒子の噴霧乾燥について詳細に説明する。
(スラリー)
まず、湿式にて前述の原料化合物を分散媒中で混合してスラリーを調製する。スラリーの調製に用いられる分散媒としては、各種の有機溶媒、水性溶媒を使用することができるが、好ましいのは水である。
スラリー全体の重量に対する、原料化合物、即ち、前述の遷移金属化合物及び必要に応じて用いられる置換金属化合物の総重量割合は、通常10重量%以上、好ましくは12.5重量%以上で、通常50重量%以下、好ましくは35重量%以下である。この重量割合が上記範囲未満の場合は、スラリー濃度が極端に希薄なため噴霧乾燥により生成した球状粒子が必要以上に小さくなったり破損しやすくなったりする。一方、スラリー濃度が上記範囲を超えると、スラリーの均一性を保ちにくくなる。
スラリー中の固形物の平均粒子径は通常2μm以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下とする。スラリー中の固形物の平均粒子径が大きすぎると、焼成工程における反応性が低下するだけでなく、得られる造粒粒子の球状度が低下し、最終的な粉体充填密度が低くなる傾向にある。この傾向は、平均粒子径で50μm以下の造粒粒子を製造しようとした場合に特に顕著になる。また、必要以上に小粒子化することは、粉砕のコストアップに繋がるので、スラリー中の固形物の平均粒子径は通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上とする。
スラリー中の固形物の平均粒子径を制御する方法としては、原料化合物を予めボールミル、ジェットミル等により乾式粉砕し、これを分散媒に攪拌等によって分散させる方法、原料化合物を分散媒に攪拌等によって分散後、媒体攪拌型粉砕機等を使用して湿式粉砕する方法等を挙げることができるが、原料化合物を分散媒に分散後、媒体攪拌型粉砕機等を使用して湿式粉砕する方法を用いることが好ましい。
また、スラリーの粘度は、通常50mPa・s以上、好ましくは100mPa・s以上、特に好ましくは200mPa・s以上で、通常3000mPa・s以下、好ましくは2000mPa・s以下、特に好ましくは1600mPa・s以下である。スラリーの粘度がこの下限を下回ると噴霧乾燥に大きな負荷がかかったり、噴霧乾燥により生成した造粒粒子が必要以上に小さくなったり破損しやすくなったりする。一方、スラリー粘度がこの上限を上回ると、噴霧乾燥時のスラリー輸送に用いるポンプでの吸引ができなくなるなど取り扱いが困難になる。
スラリーの粘度測定は、公知のBM型粘度計を用いて行うことができる。BM型粘度計は、室温大気中において所定の金属製ローターを回転させる方式を採用する測定方法である。スラリーの粘度は、ローターをスラリー中に浸した状態でローターを回転させ、その回転軸にかかる抵抗力(捻れの力)から算出される。但し、室温大気中とは気温10〜35℃、相対湿度20〜80%RHの通常考えられる実験室レベルの環境を示す。
(噴霧乾燥条件)
気体流として供給する気体としては、空気、窒素等を用いることができるが、通常は空気が用いられる。これらは加圧して使用することが好ましい。気体流は、ガス線速として、通常100m/秒以上、好ましくは200m/秒以上、更に好ましくは300m/秒以上で噴射される。この線速があまり小さすぎると適切な液滴が形成しにくくなる。ただし、あまりに大きな線速は得にくいので、通常噴射速度は1000m/秒以下である。
使用されるノズルの形状は、微少な液滴を吐出することができるものであればよく、従来から公知のもの、例えば、特許第2797080号公報に記載されているような液滴を微細化できるようなノズルを使用することもできる。なお、液滴は環状に噴霧されることが、生産性向上の点で好ましい。
飛散した液滴は、これを乾燥する。前述の通り、飛散した該液滴を迅速に乾燥させるように、適当な温度や送風等の処理が施されるが、乾燥塔上部から下部に向かいダウンフローで乾燥ガスを導入するのが好ましい。このような構造とすることにより、乾燥塔単位容積当たりの処理量を大幅に向上させることができる。また、液滴を略水平方向に噴霧する場合、水平方向に噴霧された液滴をダウンフローガスで抑え込むことにより、乾燥塔の直径を大きく低減させることが可能となり、安価且つ大量に製造することが可能となる。
本発明においては、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御するために、乾燥機の出口側熱風温度を制御する。
本発明において、乾燥機出口側熱風温度は、通常30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上で、通常150℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下の範囲の所定の温度に制御する。出口側熱風温度がこの下限を下回ると、水分濃度が高くなりやすく、また結露するおそれもある。出口側熱風温度がこの上限を上回ると、噴霧乾燥機でのエネルギー消費が必要以上に大きくなるおそれがある。
なお、乾燥機出口側熱風温度は次のようにして測定することができる。
(測定方法)
測定点:乾燥機の乾燥部の直後(乾燥機を出たところ)
測定センサー:一般的な熱電対
測定条件:連続測定
乾燥機出口側熱風温度の制御はPID制御により行うことが好ましく、その管理幅としては、良好な噴霧乾燥粉体が得られる限り、限定はないが、制御すべき所定の温度に対して通常は±2℃以内とする。
乾燥機の入口側熱風温度、即ち、乾燥ガス温度は、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上で、通常500℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下の範囲の所定温度に制御することが好ましい。入口側熱風温度がこの下限を下回ると、乾燥部出口で結露しやすくなることから、そのためにスラリー供給量を上げることができず、生産性が低下する。入口側熱風温度がこの上限を上回ると乾燥部出口側熱風温度が高くなりエネルギーの無駄である。
入口側熱風温度は一般的な熱電対で測定することができる。本発明では、乾燥機の出口側熱風温度制御を主とするが、入口側熱風温度についても補助的にPID制御により一定に制御しても良い。
乾燥機の入口側熱風(乾燥ガス)流量は、通常10m/min以上、好ましくは15m/min以上、より好ましくは20m/min以上で、通常100m/min以下、好ましくは70m/min以下、より好ましくは50m/min以下である。入口側熱風流量がこの上限を上回ると、通常円筒形の乾燥部分の高さ方向の長さを長くする必要がある。また乾燥機出口側熱風温度が高くなりエネルギーの無駄となる。入口側熱風流量がこの下限を下回ると、通常円筒形の乾燥部の直径を大きくする必要がある。また、乾燥機出口側熱風温度が低くなり、結露のおそれがある。
入口側熱風流量は熱線流速計で測定することができ、送風ファン、排風ファンの回転数制御(通常はインバーター制御が主流)により制御することができる。
スラリー供給量は、通常100cc/min以上、好ましくは200cc/min以上、より好ましくは300cc/min以上で、通常10000cc/min以下、好ましくは5000cc/min以下、より好ましくは3000cc/min以下である。スラリー供給量がこの下限を下回ると、生産性が低下する。スラリー供給量がこの上限を上回ると入口側熱風温度を工業的な温度以上に高くする必要があり、また乾燥部も巨大となり建設コストが上昇する。
スラリー供給量は質量流量計などのスラリーの流量を測定できる流量計で測定することができ、スラリー供給ポンプの流量や、スラリー供給ポンプ出口に設けたバルブの開度等により制御することができる。
(水分濃度)
噴霧乾燥により得られる本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子の水分濃度は、通常0.5重量%以上、好ましくは0.6重量%以上、より好ましくは0.7重量%以上で、通常5重量%以下、好ましくは4.8重量%以下、より好ましくは4.5重量%以下である。リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子の水分濃度がこの下限を下回ると、粉体の密度が低くなり、焼成の際に焼成容器に効率良く充填する事ができない。水分濃度がこの上限を上回ると焼成の際のエネルギーロスにつながる。
なお、本発明における造粒粒子の水分濃度の測定・算出方法は以下の通りである。
(水分濃度の測定・算出方法)
該造粒粒子をロット毎にそれぞれ10g分取して110℃にて2時間乾燥し、2時間乾燥後の該造粒粒子の重量(Qg)を測定する。水分濃度は下記式で算出する。
水分濃度(%)=(10−Q)/10 ×100
本発明の水分濃度の制御方法によると、造粒粒子の水分濃度のロット間のバラツキを小さくすることができる。
本発明に係るロット間の造粒粒子の水分濃度のバラツキは、ロット数5の場合の複数ロットについての標準偏差(σn−1)で表すことができる。
なお、ここでいうロットとは、噴霧乾燥において、原料であるスラリーロットが異なることを指す。
本発明においては、この異なるロットとして、例えば、外気温度が5℃以上異なる5ロットについて、或いは、30日以上の時間間隔をおいた5ロットについて、造粒粒子の水分濃度のロット間のバラツキを小さくすることができる。
このバラツキ、即ち、標準偏差(σn−1)は小さければ小さいほどよく、特に下限はないが、上限は通常0.4以下、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.3以下である。ロット間のバラツキがこの上限を上回るということは、噴霧乾燥により得られた造粒粒子の水分濃度が安定しないということである。造粒粒子の水分濃度が安定しないと、一定重量の造粒粒子中の遷移金属元素量が一定とならない。このため、後述するリチウム原料の添加工程において、この造粒粒子を秤量して、その造粒粒子に対して最適量と考えられるリチウム原料を添加しても、リチウムの過不足が生じやすく、安定した品質のリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができなくなる。その結果、それを用いる電池の性能が安定しないおそれがある。
(平均粒子径)
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子の粒子径は、平均粒子径で好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下となるようにする。ただし、あまりに小さな粒子径のものは得にくい傾向にあるので、通常は4μm以上、好ましくは5μm以上である。
造粒粒子の粒子径は、スラリーの噴霧形式、加圧気体流供給速度、スラリー供給速度、乾燥ガス温度等を適宜選定することによって制御することができる。
[リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物]
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物は、上述のようにして水分濃度を制御して製造されたリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子にリチウム原料であるリチウム化合物を添加混合し、混合物を焼成し、その後解砕、分級することにより製造される。
以下にこの本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物について説明する。
〈リチウム原料の混合〉
リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子へのリチウム原料の混合手法には特に制限はないが、一般的に工業用として使用されている粉体混合装置を使用するのが好ましい。混合する系内の雰囲気としては、大気中の炭酸吸収を防ぐために不活性ガス雰囲気とするのが好ましい。
本発明においてリチウム原料として用いられるリチウム化合物としては、LiCO、LiNO、LiOH、LiOH・HO、LiH、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiO、硫酸リチウム、亜硝酸リチウム、酢酸リチウム、ジカルボン酸リチウム、クエン酸リチウム、脂肪酸リチウム、アルキルリチウム、リチウムハロゲン化物等が挙げられる。これらリチウム化合物の中で好ましいのは、LiCO、LiOH、LiOH・HOである。
また、焼成処理の際にNOX及びSOX等の有害物質を発生させない点で、窒素原子や硫黄原子を含有しないリチウム化合物が好ましい。最も好ましいリチウム原料はLiOHである。これらのリチウム化合物は1種を単独で用いても良く、複数種を併用しても良い。
〈焼成〉
リチウム原料と混合された造粒粒子は、被焼成物として次いで焼成に供される。
上述の方法でリチウム原料と混合された造粒粒子(焼成原料)の焼成の条件は、得られるリチウム遷移金属複合酸化物の比表面積及び粉体充填密度を制御する上で重要である。焼成温度については、原料組成に依存するが、傾向として、焼成温度が高すぎると得られるリチウム遷移金属複合酸化物のタップ密度が大きくなりすぎ、逆に低すぎるとタップ密度が小さく、また比表面積が大きくなりすぎる。焼成温度としては、原料として使用されるリチウム化合物、遷移金属化合物等の種類によって異なるが、通常300℃以上、好ましくは700℃以上、更に好ましくは750℃以上、特に好ましくは800℃以上であり、また通常1300℃以下、好ましくは1200℃以下、更に好ましくは1100℃以下である。
焼成時間は温度によっても異なるが、通常前述の温度範囲であれば30分以上、100時間以下、特に50時間以下である。焼成時間が短すぎると結晶性の良いリチウム遷移金属複合酸化物が得られにくくなり、また長すぎるのはあまり実用的ではない。焼成時間が長すぎると、製造上効率的でないので、好ましくは25時間以下、更に好ましくは20時間以下である。
なお、昇温、降温速度は高すぎると焼成容器が破損するおそれがあるため、100℃/分以下、好ましくは50℃/分以下である。ただし、結晶欠陥が少ないリチウム遷移金属複合酸化物を得るためには、焼成反応後は、ゆっくりと冷却することが好ましく、例えば5℃/分以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。
焼成時の雰囲気は、製造するリチウム遷移金属複合酸化物の組成や構造に応じて、空気等の酸素含有ガス雰囲気や、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気とすることができる。なお、空気中で焼成する場合には、二酸化炭素を予め除去した空気を用いるのが好ましい。
また、雰囲気ガスの流速は、通常0.1cm/秒以上、好ましくは0.5cm/秒以上で、通常30cm/秒以下、好ましくは10cm/秒以下である。この下限を下回ると、雰囲気ガスによる焼成容器内の雰囲気の置換が十分でないおそれがあり、上限を上回ると、雰囲気ガス流により異物が巻き込まれて焼成容器内に侵入するために、被焼成物中に異物が混入しやすくなる。
焼成に使用する加熱装置は、上記の温度、雰囲気を達成できるものであれば特に制限はなく、例えば箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルンなどを使用することができる。
〈解砕・分級〉
焼成により得られたリチウム遷移金属複合酸化物は解砕される。リチウム遷移金属複合酸化物を解砕する手段としては、ボールミル、ジェットミル、ピンミル等が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物の解砕の程度としては、粒子径が100μm以下となる程度、より好ましくは50μm以下となる程度である。
次に解砕されたリチウム遷移金属複合酸化物を分級する。分級の手段としては、リチウム遷移金属複合酸化物を粒子径の大きい物と小さい物とに分離できるものであれば特に限定はなく、具体的には分粒によるものが挙げられ、分粒方式としては乾式が好ましく、乾式のものとしては篩や気流分級機が挙げられ、特に気流分級機が好ましい。気流分級機としては重力分級、慣性力分級、遠心力分級があり、好ましくは遠心力分級である。
また、分級の範囲は、上限を粒径100μm以下、好ましくは50μm以下とすれば良い。
〈組成〉
リチウム二次電池の正極材料としてのリチウム遷移金属複合酸化物粉体としては、好ましくはニッケル化合物、コバルト化合物、マンガン化合物等の遷移金属複合酸化物粉体が用いられる。特に、好ましくは層状ニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体である。
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物は、下記一般式(I)で表されることが好ましく、特に下記一般式(II)で表されることが好ましい。
LiMO2−δ (I)
(式(I)中、xは、0.5≦x≦1.3の数であり、Mは、遷移金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、δは、−0.1<δ<0.1の数を表す。)
LiNiMnCo2−δ (II)
(式(II)中、xは、0.7≦x≦1.3の数であり、aは、0.2≦a≦0.8の数を表し、bは、0.2≦b≦0.8の数を表し、cは、0.15≦c≦0.4の数を表し、Qは、Fe、Cr、V、Ti、Cu、Ga、Bi、Sn、Zn、Mg、Ge、Nb、Ta、Be、Ca、Sc、Al、B及びZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、dは、0≦d≦0.4の数を表し、a+b+c+d=1であり、δは、−0.1<δ<0.1の数を表す。)
ニッケル、マンガン、コバルトの原子比は、層状結晶構造が安定に存在し、また電池特性を悪化させない観点で、Ni、Mn、Coの三角図において、Ni/Mn/Co=1/1/1の周辺及びNi/Mn=1/1の線上及びその周辺に存在するものが好ましい。
従って、上記一般式(II)において、aの値とbの値とを概ね同じ値とするのが好ましく、具体的には0.8≦a/b≦1.2、特に0.9≦a/b≦1.1、さらには0.93≦a/b≦1.07、さらには0.95≦a/b≦1.05であることが好ましい。特に好ましくはa,b,cが概ね同じ数とするのが好ましく、0.8≦a/c≦1.2、特に0.9≦a/c≦1.1、さらには0.93≦a/c≦1.07、さらには0.95≦a/c≦1.05が好ましい。
a,b,cは、好ましくは0.2≦a≦0.4、0.2≦b≦0.4、0.2≦c≦0.4である。
この範囲を超えて相対的にコバルトの割合が小さくなると単一相のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物が合成しにくくなり、レートの低下をまねく傾向があり、逆に相対的にコバルトの割合が大きくなると、全体のコストが上がる。
さらに、リチウム遷移金属複合酸化物粉体の結晶構造の安定化や高容量化、安全性向上、高温での電池特性の改良のためにニッケル、マンガン、コバルトサイトの一部を他の金属元素で置換することも可能である。
上記一般式(II)において、Qはこのような置換元素もしくは表面処理元素を示し、Fe、Cr、V、Ti、Cu、Ga、Bi、Sn、Zn、Mg、Ge、Nb、Ta、Be、Ca、Sc、Al、B及びZrから選択される少なくとも1種である。Qは結晶構造の安定化や高容量化、安全性向上、高温での電池特性の改良に寄与する。置換元素としては、各種の元素を使用することができるが、好ましくはアルミニウム、マグネシウム、鉄等の金属元素を挙げることができる。中でも、アルミニウム、マグネシウムがさらに好ましい。アルミニウム、マグネシウムは層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物に容易に固溶して単一相を得ることができるという利点があり、さらにアルミニウム及びマグネシウムは、リチウム二次電池の正極活物質として、高性能な電池特性、特に繰り返し充放電を行った際の放電容量維持率について良好な性能を示すという利点がある。表面処理元素として各種の元素を使用することができるが、好ましくは、ホウ素、ビスマス、ジルコニウム、珪素などを挙げることができる。これらはリチウム遷移金属複合酸化物と容易に固溶せず、一次粒子の成長を促し、二次粒子内の一次粒子間の焼結強度を上げ、高活性な点を抑えることができるので、電池特性において長寿命化を図ることができる。
これらの置換金属元素は複数種使用してもよい。
置換元素、もしくは表面処理元素Qの、ニッケル、マンガン、コバルトの合計に対する原子比dは、通常0.4以下、好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.2以下である。この置換割合が多きすぎると正極活物質として使用した場合の容量の低下や抵抗の上昇をまねく傾向にある。
上記一般式(II)の組成においては、酸素量に多少の不定比性があってもよい。δは−0.1<δ<0.1であるが、更に好ましくは−0.05<δ<0.05、特に好ましくは−0.025<δ<0.025である。δが少なくても多くても結晶構造の安定化を乱し、電池の容量が低下、電池寿命を悪化させる恐れがあるので好ましくない。
なお、リチウムの原子比xは、好ましくは0.9≦x≦1.2である。xが大きすぎると、これを使用したリチウム二次電池の電池容量低下を招く恐れがある。
〈タップ密度〉
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物のタップ密度は、通常1.0g/cm以上、好ましくは1.2g/cm以上である。
リチウム遷移金属複合酸化物粉体の二次粒子が多くの点焼結を有し、葡萄の房状もしくは数珠状の三次粒子構造体を形性していると、タップ密度は低下する。リチウム遷移金属複合酸化物粉体のタップ密度が上記下限を下回ると塗料化時に、必要な分散媒量が増加すると共に、導電材や結着剤の必要量が増加し、正極活物質層への活物質の充填率が制約され、電池容量が制約されるおそれがある。
タップ密度が高いリチウム遷移金属複合酸化物粉体としては、例えば一次粒子同士が密に焼結した二次粒子からなり、かつ、二次粒子の表面が比較的平滑な球状のものが挙げられる。正極活物質層は、通常その大部分がリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなるため、タップ密度の高いリチウム遷移金属複合酸化物粉体を用いることにより、高密度の正極活物質層を形成することができる。タップ密度は大きければ大きいほど好ましく、特に上限はないが、大きすぎると、正極活物質層内における電解液を媒体としたリチウムイオンの拡散が律速となり、負荷特性が低下しやすくなることがあるため、通常2.6g/cm以下、好ましくは2.4g/cm以下である。
本発明におけるタップ密度とは、セイシン企業製タップデンサー(KYT−4000)を使用して測定した値を言う。上記測定機に付属の100ccメスシリンダーにリチウム遷移金属複合酸化物粉体を約70g投入し、ストローク長20mm、タップ回数3000回でタッピング操作を実施し、タッピング終了後、粉体の体積(V)とする。総重量からメスシリンダーの風袋重量を差し引き、粉体の正味の重量(W)を測定し、下式で計算した値を言う。
タップ密度(g/cc)=W(g)/V(cc)
〈メジアン径〉
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物粉体は、一次結晶粒子としても、一次結晶粒子が凝集して形成した二次粒子としても存在し得るが、本発明においては、一次結晶粒子が凝集して二次粒子を形成しているものが好ましい。
本発明におけるリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物粉体は、メジアン径が通常3μm以上、好ましくは3.5μm以上、より好ましくは4μm以上で、通常30μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下である。リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物粉体のメジアン径がこの下限を下回ると、タップ密度が上がりにくく、上限を上回ると、比表面積が小さくなり、電解液との接触が悪くなりやすい。
〈比表面積〉
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物粉体のBET法における比表面積(二次粒子の比表面積)は、組成比や含有する元素によって大きく異なるが、通常0.2m/g以上、好ましくは0.3m/g以上、更に好ましくは0.4m/g以上である。
比表面積がこの下限より小さいことは、一次粒径が大きいことを意味し、即ちレート特性や容量が低下する傾向にあるので好ましくない。また、比表面積が大きすぎても塗料化時に、必要な分散媒量が増加すると共に、導電材や結着剤の必要量が増加し、正極板への活物質の充填率が制約され、電池容量が制約されてしまうため、通常は3.0m/g以下、好ましくは2.5m/g以下、更に好ましくは2.0m/g以下である。
リチウム遷移金属複合酸化物粉体の比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置によって測定される。具体的には、吸着ガスに窒素、キャリアガスにヘリウムを使用し、連続流動法によるBET1点法測定を行う。まず、粉体試料を混合ガスにより450℃以下の温度で加熱脱気し、次いで液体窒素温度まで冷却して混合ガスを吸着させる。これを水により室温まで加温して吸着された窒素ガスを脱着させ、その量を熱伝導度検出器によって検出し、これから試料の比表面積を算出する。
〈Li元素対Li以外の金属元素のモル比〉
本発明の水分濃度の制御方法により水分濃度を制御して製造されたリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子を用いることにより、得られるリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物のLi元素対Li以外の金属元素のモル比(以下、単に「Li/他金属モル比」ということがある)のロット間のバラツキを小さくすることができる。
ロット間のLi/他金属モル比のバラツキは、ロット数5の場合の複数ロットについての標準偏差(σn−1)で表すことができる。
ここでいうロットとは、同一ロットのリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子から得られるものを指す。Li/他金属モル比は、ロット数5の場合の複数ロットについて、下記の測定方法で求めることができる。
(Li/他金属モル比の測定・算出方法)
リチウム遷移金属複合酸化物をロット毎にそれぞれ1g分取し、140℃に熱した塩酸溶液(塩酸:水=1:1(容量比))に溶解し、誘導結合高周波プラズマ分光分析装置にて溶液の組成分析を行なって、Li元素に対するLi以外の金属元素の合計のモル比を算出する。
本発明において、ロット数5のリチウム遷移金属複合酸化物粉体のLi/他金属モル比の標準偏差(σn−1)は、通常0.05以下、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.008以下、最も好ましくは0.006以下である。このバラツキは小さければ小さいほどよく、特に下限はない。
Li/他金属モル比のロット間のバラツキ、即ち標準偏差(σn−1)が上記上限を上回るということは、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の組成がバラツイて安定していないということである。リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の組成が安定しないと、それを用いる電池の性能が安定しないおそれがある。
[リチウム二次電池]
上述した本発明のリチウム遷移金属複合酸化物はリチウム二次電池の正極の活物質として用いることができる。
以下、本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とする本発明のリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、少なくとも正極、負極及びリチウム塩を溶質とする電解質とで構成され、必要に応じてセパレータ、その他の材料が用いられる。
〈正極〉
正極は、通常、正極材料であるリチウム遷移金属複合酸化物(以下「正極活物質」と称す場合がある。)と結着剤と導電材とを含有する活物質層を集電体上に形成してなる。活物質層は、通常、上記構成成分を含有するスラリーを調製し、これを集電体上に塗布・乾燥することで得ることができる。
活物質層中の正極活物質の割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。正極活物質の割合が多すぎると正極の強度が不足する傾向にあり、少なすぎると容量の面で不十分となることがある。
正極に使用される導電材としては、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等を挙げることができる。活物質層中の導電材の割合は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。導電材の割合が多すぎると容量の面で不十分となることがあり、少なすぎると電気導電性が不十分になることがある。
また、正極に使用される結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等のフッ素系高分子のほか、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を挙げることができる。活物質層中の結着剤の割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。結着剤の割合が多すぎると容量の面で不十分となることがあり、少なすぎると強度が不十分になることがある。
また、スラリーを調製する際に使用する溶媒としては、通常は結着剤を溶解あるいは分散しうる有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスでスラリー化する場合もある。
活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
正極に使用する集電体の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属が用いられ、好ましくはアルミニウムである。
なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、電極材料の充填密度を上げるためローラープレス等により圧密されるのが好ましい。
〈負極〉
負極材料としては、炭素材料を使用するのが好ましい。炭素材料としては、天然ないし人造の黒鉛、石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂・結晶セルロース等樹脂の炭化物及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、あるいはこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。負極材料は、通常、結着剤及び必要に応じて導電材とともに集電体上に活物質層として形成される。また、リチウム金属そのものや、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金を負極として用いることもできる。負極に使用できる結着剤や導電材は、正極に使用するものと同様のものを例示することができ、その使用割合も同等である。
負極の活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。負極の活物質層の形成は、前記正極の活物質層の形成方法に準じて行うことができる。
負極の集電体の材質としては、通常銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属が用いられ、好ましくは銅である。
〈電解質〉
非水系電解液としては、各種の電解塩を非水系溶媒に溶解したものを用いることができる。
非水系溶媒としては、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類、アミン類、エステル類、アミド類、燐酸エステル化合物等を使用することができる。これらの代表的なものを列挙すると、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、燐酸トリメチル、燐酸トリエチル等の単独もしくは2種類以上の混合溶媒が挙げられる。
上述の非水系溶媒の中でも、電解質を解離させるために高誘電率溶媒を使用するのが好ましい。高誘電率溶媒とは、概ね25℃における比誘電率が20以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中で、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びそれらの水素原子をハロゲン等の他の元素またはアルキル基等で置換した化合物が電解液中に含まれることが好ましい。このような高誘電率溶媒を使用する場合、高誘電率溶媒の電解液中に占める割合は、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上である。該高誘電率溶媒の含有量が少ないと、所望の電池特性が得られない場合がある。
電解塩としては、従来公知のいずれのものも使用することができ、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、LiCl、LiBr、LiCHSOLi、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiN(SOCF等のリチウム塩が挙げられる。これらの電解塩は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
電解塩のリチウム塩は電解液中に、通常0.5mol/L以上1.5mol/L以下となるように含有させる。電解液中のリチウム塩濃度が0.5mol/L未満でも1.5mol/Lを超えても電気伝導度が低下し、電池特性に悪影響を与えることがある。この濃度の下限としては0.75mol/L以上、上限として1.25mol/L以下が好ましい。
また、CO、NO、CO、SO等のガスやポリサルファイドS 2−、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなど、負極表面にリチウムイオンの効率良い充放電を可能にする良好な皮膜を生成する添加剤を任意の割合で電解液中に存在させても良い。
なお、電解液の代わりに、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。また、上記電解液を、高分子によって非流動化して半固体状電解質を用いることもできる。
〈セパレータ〉
正極と負極との間には、通常セパレータが設けられる。セパレータとしては、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、その材質としては、ナイロン、ポリエステル、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン系高分子を挙げることができる。また、ガラス繊維等の不織布フィルタ、更にはガラス繊維と高分子繊維の複合不織布フィルタ等も用いることができる。セパレータの化学的及び電気化学安定性は重要な因子であり、この点から、材質としてはポリオレフィン系高分子が好ましく、特に、電池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点からポリエチレン製であることが好ましい。
ポリエチレン製セパレータの場合、高温形状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、更に好ましくは100万、最も好ましくは150万である。分子量の上限は、好ましくは500万、更に好ましくは400万、最も好ましくは300万である。分子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱されたときセパレータの孔が閉塞しない場合があるからである。
〈電池形状〉
リチウム二次電池は、上述した正極と、負極と、電解質と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
リチウム二次電池の形状は、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。一般的に採用されている形状の例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子の製造と測定)
Ni(OH)、Mn、CO(OH)をそれぞれ最終的なリチウム遷移金属複合酸化物中の組成で、Ni:Mn:Co=1/3:1/3:1/3(モル比)となるように秤量して、これに純水を加えて固形分濃度(スラリー濃度)20.0重量%、粘度600mPa・sのスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分の平均粒子径が0.3μmになるまで粉砕した。原料を湿式粉砕した後、スプレードライヤーを用いて以下の条件で噴霧乾燥を行った。噴霧乾燥で得られた造粒粒子はサイクロンで捕集した。
スラリー流量:560cc/min
乾燥機入口側熱風温度:135〜145℃
熱風流量:27〜28m/min
この状態で噴霧乾燥機出口側熱風温度は制御せずなりゆきで噴霧乾燥を実施し、出口側熱風温度が安定した時点で乾燥機出口側熱風温度の平均値を確認したところ、平均温度が84℃であった。これ以降、乾燥機入口側熱風温度と熱風流量を調整することにより、出口側熱風温度は84±1℃に制御して運転を実施した。
乾燥機出口側熱風温度の制御開始後、噴霧乾燥を10時間実施した後、運転を停止し1ロットとした。
乾燥機出口側熱風温度の制御開始後バグフィルターにて回収された粉体1ロット全量を回転揺動型混合機にて均一化し、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子を得た。
この均一化された粉を10g分取し、熱風乾燥機にて110℃にて2時間乾燥し、2時間乾燥後のリチウム添加前焼成前駆体の重量(Qg)を測定し、水分濃度を下記で算出した。
水分濃度(%)=(10−Q)/10 ×100
同様の操作を繰り返し、全部で5ロットのリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子を得、それぞれについて水分濃度を分析し、その平均値と標準偏差を求め、結果を表1に示した。
なお、各ロット間には30日以上の間隔があった。
(リチウム遷移金属複合酸化物の製造と測定)
噴霧乾燥により得られた5ロットの造粒粒子(平均粒子径12μm)にロット毎にそれぞれ無水LiOHを媒体攪拌型乾式粉砕機で粉砕したもの(メジアン径約0.8μm)とをモル比がLi:(Ni+Mn+CO)=1.05:1.00となるよう秤量し、窒素雰囲気下、ミキサー型混合機にて60分混合し、混合粉を得た。
この混合粉(平均粒子径11μm)をセラミック製焼成鉢に仕込み、空気を流通させながら昇温速度5℃/minで最高温度945℃まで昇温させ、945℃で15時間保持した後、降温速度5℃/minで室温まで降温させ、リチウム遷移金属複合酸化物とした。
焼成後のリチウム遷移金属複合酸化物は目開き45μmの篩で篩った。
このようにして得られたリチウム遷移金属複合酸化物について、粉末XRD測定を下記測定条件にて実施したところ、層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の単相である事が確認された。
(X線回折の測定条件)
X線源:CuKα線(CuKα=1.5418Å)
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.2mm
ステップ幅:0.05°
また、得られたリチウム遷移金属複合酸化物をロット毎にそれぞれ1g分取し、140℃に熱した塩酸溶液(塩酸:水=1:1(容量比))に溶解し、誘導結合高周波プラズマ分光分析装置(パーキンエルマー社製Optima2100DV)にて溶液の組成分析を行い、Li/他金属モル比を求め、その平均値と標準偏差を表1に示した。
〈実施例2〉
噴霧乾燥の際の条件のうち、スラリー流量を850cc/minに変更した以外は実施例1と同様の操作を実施した。
この状態で1時間噴霧乾燥機出口側熱風温度は制御せずなりゆきで噴霧乾燥を実施し、乾燥機出口側熱風温度の平均値を確認したところ、平均温度が64℃であった。これ以降、出口側熱風温度は64±1℃に制御して運転を実施し、実施例1と同様に造粒粒子の製造及び測定と、リチウム遷移金属複合酸化物の製造と測定を行って、結果を表1に示した。
〈実施例3〉
噴霧乾燥の際の条件のうち、スラリー流量を1062cc/minに変更した以外は実施例1と同様の操作を実施した。
この状態で1時間噴霧乾燥機出口側熱風温度は制御せずなりゆきで噴霧乾燥を実施し、乾燥機出口側熱風温度の平均値を確認したところ、平均温度が53℃であった。これ以降、出口側熱風温度は53±1℃に制御して運転を実施し、実施例1と同様に造粒粒子の製造及び測定と、リチウム遷移金属複合酸化物の製造と測定を行って、結果を表1に示した。
〈比較例1〉
噴霧乾燥の際の条件のうち、スラリー流量を1062cc/minとし、入口側熱風温度を140℃で一定、熱風流量を27.5m/minで一定とした以外は実施例1と同様の操作を実施した。
この状態で10時間噴霧乾燥機出口側熱風温度は制御せずなりゆきで噴霧乾燥を実施したところ、噴霧乾燥機出口側熱風温度は50〜59℃の間で変動したが、温度変動のある状態で運転を実施し、実施例1と同様に造粒粒子の製造及び測定と、リチウム遷移金属複合酸化物の製造と測定を行って、結果を表1に示した。
〈比較例2〉
噴霧乾燥の際の条件のうち、スラリー流量を560cc/minをとし、入口側熱風温度を105℃で一定、熱風流量を27.5m/minで一定とした以外は実施例1と同様の操作を実施した。
この状態で10時間噴霧乾燥機出口側熱風温度は制御せずなりゆきで噴霧乾燥を実施したところ、噴霧乾燥機出口側熱風温度は50〜59℃の間で変動したが、温度変動のある状態で運転を実施し、実施例1と同様に造粒粒子の製造及び測定と、リチウム遷移金属複合酸化物の製造と測定を行って、結果を表1に示した。
Figure 2007005238
表1より、本発明によれば、噴霧乾燥時の乾燥機出口側熱風温度を制御する事によって、噴霧乾燥により得られた造粒粒子のロット間の水分濃度のバラツキを小さく抑える事ができ、その結果、この造粒粒子を用いて、Li/他金属モル比の安定したリチウム遷移金属複合酸化物粉体を製造することができることが分かる。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、自動車用動力源等を挙げることができる。

Claims (8)

  1. 噴霧乾燥による粉体の製造において、得られる噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御する方法であって、噴霧乾燥に用いる乾燥機出口側熱風温度を制御することにより、噴霧乾燥粉体の水分濃度を制御することを特徴とする噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法。
  2. 噴霧乾燥粉体が、該噴霧乾燥粉体にリチウム原料を添加して焼成することによりリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法。
  3. 乾燥機出口側熱風温度を50〜100℃の範囲内から選ばれた所定の温度に制御することを特徴とする請求項2に記載の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法。
  4. 噴霧乾燥粉体により得られた造粒粒子であって、該造粒粒子にリチウム原料を添加して焼成することによりリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を製造するための造粒粒子において、噴霧乾燥におけるロット数5の場合の複数ロットについて、下記の方法で求めた水分濃度の標準偏差(σn−1)が、0.4以下であることを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子。
    (水分濃度の測定・算出方法)
    該造粒粒子をロット毎にそれぞれ10g分取して110℃にて2時間乾燥し、2時間乾燥後の該造粒粒子の重量(Qg)を測定する。水分濃度は下記式で算出する。
    水分濃度(%)=(10−Q)/10 ×100
  5. 請求項4に記載のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物製造用造粒粒子を用いて製造されたことを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。
  6. 請求項2又は3に記載の噴霧乾燥粉体の水分濃度制御方法により水分濃度を制御して製造された噴霧乾燥粉体を用いて製造されたことを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。
  7. ロット数5の場合の複数ロットについて、下記の方法で求めた、Li元素対Li以外の金属元素のモル比の標準偏差(σn−1)が、0.01以下であることを特徴とするリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。
    (Li元素対Li以外の金属元素のモル比の測定・算出方法)
    リチウム遷移金属複合酸化物をロット毎にそれぞれ1g分取し、140℃に熱した塩酸溶液(塩酸:水=1:1(容量比))に溶解し、誘導結合高周波プラズマ分光分析装置にて溶液の組成分析を行なって、Li元素に対するLi以外の金属元素の合計のモル比を算出する。
  8. リチウムを吸蔵・放出可能な正極及び負極と、リチウム塩を溶質とする電解質とを備えるリチウム二次電池であって、請求項5ないし7のいずれか1項に記載のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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