JP2007005084A - ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータとその製造方法およびセパレータのそり・ひねり評価方法 - Google Patents

ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータとその製造方法およびセパレータのそり・ひねり評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 固体高分子型燃料電池用メタルセパレータをステンレス鋼、チタンまたはチタン合金で製造するにあたり、低コスト化と量産性を確保するために、高い加工性を有する素材を用いて高い生産性で複雑形状に成形加工した後に、安価なブラスト工程でメタルセパレータ部材表面に導電性物質を打ち込み埋め込む工法を実現することを目的とする。
【解決手段】 ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金の表面に低イオン溶出性導電性物質が埋め込まれ、セパレータ表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5〜5.0μm、十点平均粗さ(Rz)が3〜20μm、凹凸の平均間隔(Sm)が300μm以下であり、セパレータのそり率、ひねり率の各値が0.1以下であり、対カーボンペーパー接触抵抗値が面圧0.1MPaにおいて15mΩcm2以下であるステンレス鋼、チタン、またはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力を直接的駆動源とする自動車、小規模の発電システムなどに用いられる固体高分子型燃料電池セパレータ部材に関する。さらに詳しくは、当該部材のフラット性を高め、その表面の電気的接触抵抗を低くするための表面処理を施した固体高分子型燃料電池部材用セパレータ部材に関するものである。
近年、電気自動車用燃料電池の開発が、固体高分子材料の開発の成功を契機に急速に進展し始めている。固体高分子型燃料電池とは、従来のアルカリ型燃料電池、燐酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体電解質型燃料電池などとは異なり、水素イオン選択透過型の有機物膜を電解質として用いることを特徴とする燃料電池である。
固体高分子型燃料電池の燃料には、純水素のほかアルコール類の改質によって得た水素ガスなどを用い、空気中の酸素との反応を電気化学的に制御することによって、電力を取り出すシステムである。
固体高分子膜は薄くても十分に機能し、電解質が膜中に固定されていることから、電池内の露点を制御すれば電解質として機能するために、水溶液系電解質や溶融塩系電解質など流動性のある媒体を使う必要がなく、電池自体をコンパクトに単純化して設計できることも特徴である。150℃程度以下の領域で稼動する固体高分子型燃料電池の構成材料としては、温度がさほど高くないこと、およびその環境下で耐食性・耐久性を十分発揮させることが可能であることなどの理由で、炭素系の材料が使用されてきているが、脆性の問題から薄くできずコンパクト化に支障をきたし、さらには割れにくい炭素系セパレータも開発されつつあるが、コスト的に高価なものとなるため、その両者において目標達成が可能なステンレス鋼やチタンあるいはチタン合金製セパレータの研究開発が本命視されている。
固体高分子型燃料電池は、電解質となる固体高分子膜の両面に炭素微粒子と貴金属超微粒子からなる触媒電極部、そこで発生する電力を電流として取り出すと同時に触媒電極部へ反応ガスを供給する機能を持った、フェルト状炭素繊維集合体(通称カーボンペーパー)からなるカレントコレクター、そこからの電流を受けると共に酸素主体および水素主体の2種の反応ガスや冷却媒体を分離するセパレータなどが積層されることにより構成される。
本発明者らは、既に特許文献1、2より、ステンレス鋼をセパレータなどの固体高分子型燃料電池用部材として使用するための具体的形状や成分などを開示している。
しかし、これらにおいては、加工工程の安定化による割れや反りの発生回避や、表面の電気的接触抵抗を低減させる措置において更なる低コスト化が実用化に向けての問題点であった。
ステンレス鋼製あるいはチタンやチタン合金製セパレータにおいては、カレントコレクターとなるカーボンペーパーとの接触抵抗が大きいため、燃料電池としてのエネルギー効率を大幅に低下させることが問題として指摘されている。かかる状況に鑑み、使用される素材間の接触抵抗を検討し、固体高分子型燃料電池のエネルギー変換効率を最大限に発揮させるための固体高分子型燃料電池部材用の低接触抵抗材料も検討されつつある。
このような発明としてはこれまで、特許文献3にSUS304をプレス成形することにより内周部に多数個の凹凸からなる膨出成形部を形成し、膨出先端側端面に0.01〜0.02μmの厚さの金メッキ層を形成させた燃料電池セパレータが開示されている。
また、特許文献4には、他の部分に接触し接触抵抗を生ずる部分に貴金属または貴金属の合金が付着していることを特徴とする固体高分子型燃料電池用低接触抵抗ステンレス鋼、チタン、およびセパレータなどが開示されている。
しかし、これらは、いずれも接触抵抗を低下させるために貴金属を用いる形式をとっており、さらなるコストダウンや希少資源節約の観点から、貴金属を使わないで接触抵抗を下げる方法が望まれている。
そこで、貴金属の使用を控える方策として、ステンレス鋼中のクロムと炭素を焼鈍過程で析出させ、不動態被膜から表面に露出したクロム炭化物析出物を介して通電させることにより接触抵抗を下げる手法が特許文献5に開示されている。しかしながらこの発明は、ステンレス鋼の焼鈍工程に時間がかかりすぎ、生産性を低下させコストアップの懸念が大きいこと、逆に低コスト化のために焼鈍時間を短くすると、析出するクロム炭化物周辺で金属組織学的にクロム欠乏層が生じ耐食性を低下させる懸念が大きいこと、さらにはセパレータ加工には強加工工程が必須であるなか、加工前に金属組織中に多量のクロム炭化物析出が起きていると加工工程において割れ発生の懸念もある。
同じく貴金属の使用を控える方法として、ステンレス鋼を基材とし、その表面に化合物粒子を分散させた塗膜を基材表面に設けたあと、非酸化性雰囲気中で300〜1100℃に加熱分解して塗膜成分を分解・消失させることにより、表面にSiC、B4C、TiO2等の付着物を形成させ、接触抵抗を低減したことを特徴とする低温型燃料電池用セパレータとその製造法が特許文献6および特許文献7に開示されている。この方法は、非酸化性雰囲気中で300〜1100℃に加熱分解して塗膜成分を分解・消失させる工程に時間と手間がかかるため、コストアップが懸念される。
また、炭素系材料と金属を複合させたセパレータとして、セパレータを構成する金属薄板上で、電極が位置する主要部にプレス成形などでガス流路を形成し、その表面部分に炭素系導電塗層を形成させた固体高分子型燃料電池用セパレータが特許文献8に、ステンレス鋼基材にカーボン粉末を分散圧着させて導電性の改善をした低温型燃料電池セパレータが特許文献9に開示され、ステンレス鋼を基材にカーボン系粒子を分散させたNi-Cr系メッキ層が表面に形成されている低温型燃料電池用セパレータが特許文献10に、さらにはステンレス鋼を基材にカーボン系粒子を分散させたTa、TiまたはTi−Ta系メッキ層が表面に形成されている低温型燃料電池用セパレータが特許文献11に開示されている。
この様な、カーボンペーパーとステンレスなどの金属部分との界面に、金属側にカーボンを配置して接触抵抗を低減させる試みは良い着眼であるが、界面に生ずる接触抵抗の発現は金属側の不動態皮膜によるのみならず、表面に分散させるカーボンとメタルとの界面の電子構造において、カーボン側に生ずる擬似的なショットキー障壁が起因して大きな接触抵抗が生ずることを発明者らは見出しており、再現試験の結果で、安定的に低接触抵抗状態が実現できないという問題がある。
このように、ステンレス鋼やチタンおよびチタン合金の不動態皮膜による耐食性発現を利用しつつ、接触抵抗を大幅に低下させ、複雑な加工もでき、かつ低コストで生産できる金属セパレータ製造技術の開発は困難を極めているのが実情である。
一方、金属セパレータとして機能すべく複雑な加工形状を実現しなくてはならないことから、ステンレス鋼やチタンおよびチタン合金には究極の加工性が求められる。したがって、将来の素材生産性向上と複雑形状となるセパレータ加工工程における生産性向上による低コスト化を睨むと、素材製造性や加工時の伸びを阻害する金属組織内の析出物を極力減らすことが望ましい。
従って、接触抵抗低減を目的とした、金属組織内に導電化合物や金属相を析出させたステンレスやチタンおよびチタン合金材料について特許文献5、12〜20に開示されているが、素材製造および加工工程における究極の生産性を実現して低コスト化するという観点からは、合理的に見て問題が残り続けると考えられる。
かかる事情を背景に、現実的な課題として、ステンレス鋼やチタンおよびチタン合金には、まず生産性と加工性を重視した材料設計および生産工程設計がなされるのが基本である。この路線で生き残れる材料は、例えば特許文献21にあるような高加工性・高生産性のステンレス鋼のような材料であろう。
しかしながら、表面の電気的接触抵抗を低減させる措置において更なる低コスト化が実用化に向けての問題点である。
以上のことから、固体高分子型燃料電池メタルセパレータ用の高加工性ステンレス鋼やチタンへの加工後に施す導電性表面処理としては、前述により現状では金メッキが主流と認識される。
この現在主流の方法は、コスト面や資源量の問題が指摘され、貴金属の使用を控えることができる技術発明が数多くなされている。
例えば特許文献22には、ステンレス鋼製セパレータ燃料極側に、TiN、TiC、CrC、TaC、B4C、SiC、WC、TiN、ZrN、CrN、HfCの1種又は2種以上の導電性セラミックス層形成をさせる発明が開示されている。
具体的なこれらの被覆方法として、蒸着または乾式コーティング法が例示されているが、真空装置等を用いてこれらの物質を乾式コーティングする場合には、成膜速度の制約があり、かつ被覆物質の歩留まり低下が余儀なくされるため、高コスト化の懸念がある。
また、M236型、M4C型、もしくはMC型であって、金属元素(M)がクロム、鉄、ニッケル、モリブデン、タングステン、ボロンの1種以上を含んでいる導電性硬質粒子の基材表面への埋め込みにより、基材表面に導電性硬質粒子を分散・露出させてなるチタンあるいはチタン合金製バイポーラープレート(セパレータ)が特許文献23に、M23C6型、M4C型、M2C型、MC型炭化物系金属介在物およびM2B型硼化物系金属介在物のうち1種以上が分散・露出しており、金属元素(M)がクロム、モリブデン、タングステンの一種以上であって、ステンレス鋼表面粗さが中心線平均粗さRaで0.06〜5μmであることを特徴とステンレス鋼およびステンレス鋼製セパレータが特許文献24にそれぞれ開示されている。
後者においては、これらの導電性を有する硬質微粉末をショットして形成させることもできると述べられている。
しかしながら、この方法では成形後のセパレータが変形し、スタックに組上げられないなどの問題があり、その最適な条件を見出さないかぎり、実用化することはできない。
そこで、本発明者らは、燃料電池を形成するセパレータに、このセパレータより高硬度の核粒子に高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性の金属をコーティングした固体プレーティング材を投射して、この固体プレーティング材にコーティングされた金属をセパレータに強制的に付着する方法を発明し、特許文献25に開示した。また、この手法を用いてごく微量の貴金属をステンレスやチタンおよびチタン合金に埋め込むことで、金メッキのような全面の貴金属被覆をしなくても十分な低接触抵抗が得られることを見出し、特許文献26に示す発明を行なった。
この方法においては、貴金属を使うため更なる低コスト化をしなくては実用化に至れない。
そこで、前記の特許文献25の技術を基本にさらなる工夫や試行錯誤を積み重ねた結果、特許文献33〜36に開示されたように、平均粒径2mm以下のコア粒子を核としてその表面に平均粒径0.5mm以下の任意の導電性物質微粉末を軽く焼結し被覆することを特徴とした、任意導電物質をメタル表面に打ち込むための被覆超硬粒子製造法が発明された。
しかし、この方法では成形後のセパレータが変形し、スタックに組上げられないなどの問題があった。
以上の通り、厳しい加工工程が入ることを前提にし、かつきわめて低コスト・量産性が求められる固体高分子型燃料電池用メタルセパレータの製造技術においては、前記のとおり素材自体に高い製造生産性と高い加工性を担保させ、もって複雑形状への加工工程を高い生産性で実現し、成形後に安価で生産性の高い機械的プロセスによって部材表面のみに導電性化合物もしくは導電性金属を打ち込み埋め込む工法がもっとも有望となる。その意味で、特許文献22〜26に開示された方法および材料や部材は今後主流となるものと期待される。
しかしながら、これらにおいても低コストで電気的接触抵抗が低い表面処理を施さなくては、電池性能の向上が望めない。
かかる技術的方向性を基本として考えると、表面に埋め込む導電性物質については、将来大量に使用されることを想定すると資源量において制約があまりないこと、安価であること、そして何よりも腐食環境にさらされるメタルセパレータ表面においてイオンが溶出しにくいことが重要な鍵となる。また、加工後にブラスト(ショット)法を用いて表面に機械的に打ち込むので、処理後にはスタックに組上げる工程に耐えうるフラットな形状に仕上がることも重要な課題である。
打ち込み付着物からのイオンや各種陰イオンの溶出がおきにくいという点においては、特許文献25、26に開示されたとおり貴金属を打ち込み埋め込むのがよいわけであるが、資源量やコスト競争力においては特許文献23、24に開示された金属炭化物もしくは金属硼化物系の物質の方が優位となる。ただし、後者においては、当該部材が固体高分子型燃料電池内の腐食環境に曝されると、少なからず導電性物質にも腐食がおこり、イオン溶出してMEA(固体高分子型電解質膜と電極の複合体)を汚染し、燃料電池の発電能力を低下させる懸念がある。
したがって、イオン溶出が貴金属に迫りうるほど極小な導電性化合物を見出すことと、加工後のセパレータ部材に処理を施した後にはフラットな形状が実現することの2つの課題を同時に解決しなくてはならない。なお、加工後にブラスト法を用いて導電性物質を加工品表面に機械的に打ち込む処理方法において、その母体となるメタルセパレータ加工品が極薄の材料からなることにより、当該処理品のフラット化の実現に関わる取り組みは、これまで発明がなされていない。つまり、定量的な評価指標の確立と、目標指標値達成への技術ノウハウの集積への研究開発が必要不可欠となっている。
特開平2000−260439号公報 特開平2000−256808号公報 特開平10−228914号公報 特開2001−6713号公報 特開2000−309854号公報 特開平11−260383号公報 特開平11−219713号公報 特開2000−021419号公報 特開平11−121018号公報 特開平11−126621号公報 特開平11−126622号公報 特開2004−107704号公報 特開2004−156132号公報 特開2004−273370号公報 特開2004−306128号公報 特開2004−124197号公報 特開2004−269969号公報 特開2003−223904号公報 特開2004−2960号公報 特開2004−232074号公報 特願2004−215544号公報 特開2003−123783号公報 特開2001−357862号公報 特開2003−193206号公報 特開2001−250565号公報 特開2001−6713号公報 特開2002−313354号公報 特開2002−190305号公報 特開2002−75401号公報 特開2004−220908号公報 特開2004−265855号公報 特開2002−25586号公報 特開2001−89870号公報 特開2003−160884号公報 特開2004−76124号公報 特願2003−382435号公報
本発明は、イオン溶出が極小な導電性化合物を見出すこと、および処理後のセパレータ部材形状がフラットとなることの2課題を同時に解決することにより、固体高分子型燃料電池用メタルセパレータを11質量%以上のCrを合金化したステンレス鋼またはチタンおよびチタン合金で製造するにあたり、低コスト化と量産性を確保するために、高い加工性を有する素材を用いて高い生産性で複雑形状に成形加工した後に、安価なブラスト工程でメタルセパレータ部材表面に導電性物質を打ち込み埋め込む工法を実現することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1) ステンレス鋼、チタン、またはチタン合金の表面の一部または全部に低イオン溶出性導電性物質が埋め込まれた固体高分子型燃料電池用セパレータであって、該セパレータ表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5〜5.0μm、十点平均粗さ(Rz)が3〜20μm、凹凸の平均間隔(Sm)が300μm以下であり、前記セパレータ四隅近傍の所定の位置に、原点をO、原点Oから原板の圧延方向にある角近傍にL、原点Oから原板の圧延垂直方向にある角の近傍にC、原点Oから対角線方向にある角近傍に Xを置き、OL間の線分の長さをLL、OC線分の長さをLC、OX間の長さをLXとし、直線OLと加工品の厚さ方向中心面までの最大ひずみ高さをHL1、直線CXとのそれをHL2、直線OCとのそれをHC1、直線LXとのそれをHC2、直線OXとのそれをHXCとし、点Xと3点O、L、Cにて構成される平面との距離をHXTとしたとき、[式1]〜[式5]で定義されるそり率WL1、WL2、WC1、WC2、WXCおよび[式6]〜[式7]で定義されるひねり率TXL、 TXCの各値が0.1以下であり、さらに、対カーボンペーパー接触抵抗値が面圧0.1MPaにおいて15mΩcm2以下であることを特徴とするステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
(2) 前記低イオン溶出性導電性物質が、Au、WCまたはWBの1種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする(1)に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
(3) 前記低イオン溶出性導電性物質が、TaNと、WCまたはWBの1種以上が混合され、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする(1)に記載のステンレス鋼、チタンおよびチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
(4) 前記の不可避的不純物として、Co、Cr、Ni、Fe、Cu、Snの1種以上が、固体高分子型燃料電池用セパレータ表面に含まれていることを特徴とする(2)または(3)に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
(5) ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金の表面の一部または全部に、平均直径200μm未満の超硬コア粒子の周囲に平均直径20μm以下の低イオン溶出性導電性物質が被覆された被覆超硬粒子を、0.4MPa以下の圧力の気流に載せて投射することにより、低イオン溶出性導電性物質を埋め込んで導電処理することを特徴とするステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
(6) 前記投射を行うに際し、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金と被覆超硬粒子噴出口の間に格子状網目冶具を配置して被覆超硬粒子を投射することにより、被覆超硬粒子の衝突エネルギーを分散させることを特徴とする(5)に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
(7) 前記低イオン溶出性導電性物質が、Au、WCまたはWBの1種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする(5)または(6)に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
(8) 前記低イオン溶出性導電性物質が、0.02質量%以上のTaNと、WCまたはWBの1種以上が混合され、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする(5)または(6)に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
(9) 前記被覆超硬粒子において、超硬コア粒子がWCを主成分とし、残部にCo、Cr、Ni、Feの1種以上を合計1質量%以上含み、被覆層にCu、Snの1種以上を合計1質量%以上含むことを特徴とする(5)〜(8)のいずれかに記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
(10) ロール成形法またはプレス成形法の1種以上によりステンレス鋼、チタンまたはチタン合金を成形後に、前記の投射を行うことにより、セパレータの内部応力バランスを制御することを特徴とする(5)〜(9)のいずれかに記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
(11) (1)〜(4)いずれかに記載のセパレータの、そり・ひねりを評価する方法において、前記セパレータの3次元形状をレーザー変位計により測定し、デジタル化された三次元変位データを計算処理によって[式1]〜[式7]の各値に換算することを特徴とするステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータのそり・ひねり評価方法。
アジア諸国の台頭に伴い化石資源の使用量が増大している中、循環型資源でもある水素エネルギーの利用技術は地球環境上も重要な課題となっている。燃料電池自動車や燃料電池モバイルパソコン、さらには燃料電池を用いたコジェネレーションなどが、今後は発展していくと考えられ、その汎用化には、構成部材に飛躍的な低コスト化が必須である。本願発明により、高性能なステンレス鋼、チタンおよびチタン合金製フラット化セパレータを低コストで生産できるようになる。
本発明者は、イオン溶出が極小な導電性化合物を超硬粒子に被覆した粒子を用いて、低い投射圧力でステンレス鋼、チタンまたはチタン合金セパレータ(以降、これらを総称してメタルセパレータと記載することがある。)表面に衝突させることで、その表面にイオン溶出が極小な導電性化合物が埋め込まれ、かつ形状がフラットなセパレータを製造できることを新たに見出した。
以下に詳細に説明する。
メタルセパレータは、多数枚数が積層されて燃料電池を構成するものであるから、そりやひねりがないこと、あるいは極めて小さいことが必須条件である。また、電気的接触抵抗が低い表面性状とすることも重要である。
そこで、腐食環境にさらされるメタルセパレータ表面においてイオンが溶出しにくい 導電性物質を超硬コア粒子表面に被覆したものを、メタルセパレータ表面に投射する方法(以降、ブラスト法と記載することがある。)を用いて表面に埋め込み、かつ、そりやひねりがほとんどない製品に仕上げるために、多くの試行錯誤を行った。
その結果、前記の特許文献23、24にて開示された平均粒径200μm程度の導電性硬質粒子をブラストしただけでは相対的に大径な粒子のほとんどが反射してしまうため、ステンレス鋼やチタンあるいはチタン合金表面に十分な量の導電物質を埋めこめることができず、接触抵抗値においては安定した再現性が得られなかった。
処理後の加工品についてその形状を見ると、大きな径の粒子を埋め込むために0.5MPa程度以上大きな投射圧力を必要とするため、そりやひねりが激しく発生してしまうことも問題となった。
そこで、製品形状をフラットに仕上げるためには、ブラスト法によりメタルセパレータ(通常は、成形加工後のセパレータ)表面に衝突させる粒子の平均粒子径は200μm未満にしないとうまくいかず、100μm程度であれば最適であることを見出した。
具体的には、被覆超硬粒子としては、平均粒径200μm未満の超硬コア粒子表面に平均粒子径20μm以下の低イオン溶出性導電物質粉末を被覆した被覆超硬粒子をもちいるのがフラット化メタルセパレータを製造する上で最適なことを見出した。
また、前記の通り、投射圧力を0.5MPa程度にすると強すぎてそりやひねりの制御は不可能であった。つまり、特許文献23および24にて開示された方法はフラット化を実現するための発明にはなっておらず、本願発明とは異なる思想体系に属している。
そこで種々検討したところ、投射圧力として0.4MPa以下であって、0.1〜0.3MPa程度に制御して投射するのが最適であることがわかった。また、メタルセパレータの形状調整を兼ねた投射処理として、0.005MPa程度以上の投射圧力を組み合わせて実施することも可能である。
また、被覆超硬粒子を投射する噴射口と、メタルセパレータとの距離は、特に規定するものではないが、通常は10〜1000mm程度の範囲で行うことができる。
本発明のサイズの被覆超硬粒子を用いると、比較的低い投射圧力でも粒子のメタル表面への衝突に伴って被覆層をなす導電性物質が適量崩壊・剥離し、さらにその上から被覆超硬粒子による叩き込み効果があるため、導電性微粉末がメタル表面に確実に埋め込まれることがわかった。
従って、投射圧力が低くても、前記の被覆超硬粒子を用いれば、平均粒径20μm以下の導電性物質が被処理品の表面に分散して埋め込まれ、安定的に低接触抵抗状態を実現でき、対カーボンペーパー接触抵抗値が面圧1MPaにおいて15mΩcm2以下とできる。
さらに微妙な変形を調整する場合には、前記ブラスト法による投射を行うに際し、メタルセパレータと被覆超硬粒子噴出口の間に格子状網目冶具を配置して被覆超硬粒子を投射することにより、メタルセパレータ表面に生ずる被覆超硬粒子の衝突エネルギー(圧縮応力)を分散することで衝撃を緩和でき、メタルセパレータをより確実にフラット化できるため、この手法が有効であることも見出した。格子状冶具の網目は、0.1mm〜5.0mm程度が例示できる。
このように比較的小さな投射圧力で効果的に微小導電性物質を機械的にメタル表面に打ち込む技術を新たに見出したことにより、これまで不可能と考えられてきたブラスト法によるフラット化セパレータの製造が安定的に可能となった。
低イオン溶出特性を持つ導電性物質を探す取り組みとして、従来注目されていなかった導電物質そのもののイオン溶出性について検討した。
具体的には、特許文献22に開示された導電性物質であるTiN、TiC、CrC、TaC、B4C、SiC、WC、TiN、ZrN、CrN、HfC、および特許文献23、24に開示された各種金属炭化物および金属硼化物、およびTaNとAuの粉末を10g秤量し、以下の劣化試験に供している。
すなわち、固体高分子型燃料電池内で固体高分子膜から分解して汚染するといわれる硫酸酸性腐食環境をシミュレートするため、pH2の硫酸水溶液300mL中に前記の導電性粉末を分散し、14日間、80℃で、酸素または水素をバブリングしながら放置した後、静置して得た上澄み液中の金属イオン溶出量を分析している。
また、この試験に併行して、直径30mm厚さ4mmの高耐食ステンレス鋼サンプル上に、各種導電物質を前記の被覆超硬粒子ブラスト法により打ち込み、粉末のイオン溶出試験と同じ試験水溶液にて同様の劣化試験を行い、その前後の対カーボン接触抵抗値の変化を測定している。
これらのスクリーニング試験によって得ている結果は、以下のとおりである。
面圧1MPaにて対カーボンペーパー接触抵抗値がはじめから15mΩcm2以下で、劣化試験後にも同様な低接触抵抗値が保持され、かつ導電物質からのメタルイオン溶出量が20ppm以下と見出されたのは、WC、WB、TaNおよびAuである。
そのなかで、イオン溶出量が検出限界の0.05ppm以下となった物質はTaNとAuである。
この様に、従来注目されていなかった導電物質そのもののイオン溶出性について本願では検討し、従来からのAuなど貴金属(特許文献25、26)に加え、WC、WBおよびTaNの3種の導電性物質を見出した。
そこで、後述するTaNを除くと、Au、WC、WBの3種の導電性物質の1種以上を含有する低イオン溶出特性を持つ導電性物質で超硬粒子を被覆したものを用いることが好ましい。尚、メタルセパレータ表面におけるAu、WC、WBの導電性物質の1種以上の含有率が1質量%以上となる様に投射処理されることが好ましく、残部は不可避的不純物を含む。
但し、Auを用いるのは、前述のとおり、価格面および資源量の面から見ると、望ましくないため、WC、WBを主体的に用いることが推奨される。
次に、TaNを含有する低イオン溶出性導電性物質について説明する。
現時点での固体高分子型燃料電池では低pH化が起こりうるのが実情である。そこで、さらにイオン溶出量を下げるための取り組みとして、前記のスクリーニング試験でイオン溶出量が検出限界以下であったTaNを含有させることに着目し、TaN粉末とWC粉末、およびTaN粉末とWB粉末を種々の割合で混合し、再度前記同様のイオン溶出試験を行った。
すると、TaNが0.02質量%以上混入したWCおよびWBにおいて、Wイオンの溶出量に大幅な低下が見られ、TaN比率の高まりにつれ、ますますイオン溶出量が低下していく傾向が図2の通り見出された。
従って、0.02質量%以上のTaNと、WCまたはWBの1種以上が混合された低イオン溶出特性を持つ導電性物質で、超硬粒子に被覆したものを用いることが好ましい。
また、劣化試験後のWイオン溶出量から見ると、図2に示すとおり、WCの方がWBに比べ優位である。価格面ではWCに比べWBは高価である。TaNはそれ自体で優れた低イオン溶出特性と低接触抵抗性能を両立するので混合せずに用いるのが最も高性能となるが、価格的にWCに比べ高価である。よって低コスト化のためには、最も安価なWC比率を増やすのが良い。
尚、WC、WBの導電性物質の1種以上の含有率は、コストとの対比により適宜決定すれば良い。イオン溶出量を抑制するという観点からはWC、WBの含有率は0質量%が理想的であるが、低コスト化を担保するためにはWC、WBの1種以上の含有率は10質量%以上であることが推奨される。
電子顕微鏡観察の結果、スクリーニング試験に供したいずれの炭素化物、窒化物、および硼化物においても酸性水溶液中に入れるとその表面からわずかにイオン溶出するが、WCやWBにおいては粉末表面に非化学量論組成の導電性酸化物が再析出してイオン溶出量を低下させることが解明された。
また、TaNをWCまたはWB粉末に添加するとイオン溶出量がさらに低下するのは、 溶解度がさらに低いTaイオンがWイオンと混ざり、複合導電性酸化物が形成され、その溶解度をさらに低下させたためと考えている。
尚、前記のとおり、当該導電性微粉末にも不純物が含まれうるため、不可避的不純物の混在は許容されるものとした。
但し、不純物元素混入レベルは、電子線エネルギー分光分析法による検出限界以下のレベルであることが望ましい。
次に、超硬コア粒子については、比重が大きいため低速(低圧)投射が可能であり、かつ衝突時の耐久性が良好であるという点で、WCを主成分とするものを用いることが好ましい。また、通常は、焼結バインダーとして、Co、Cr、Ni、Feの1種以上が合計1質量%以上含まれているものを用いているため、超硬コア粒子に、Co、Cr、Ni、Feの1種以上が合計1質量%以上含まれている。また、上限は特に規定されるものではないが、50質量%程度が例示できる。
さらに、WCを主成分とするというのは、WCを50質量%以上含有することを意味している。
また、焼結バインダーとして、CuまたはSnの一種以上を合計1質量%以上のものを用いて、導電物性微粉末が軽焼結されて被覆されているため、超硬コア粒子の被覆層には、低イオン溶出性導電性物質以外に、Cu、Snの1種以上が合計1質量%以上含まれている。これについても、上限は特に規定されるものではないが、20質量%程度が例示できる。
また、固体高分子型メタルセパレータの低コスト・高効率な連続成形加工技術として、例えば特許文献27〜31に開示されたロール加工技術を応用した連続的成形工法が発明され、特許文献32に例示されるバイポーラー型メタルセパレータが、安定的に製造可能であることは実証されている。
そこで、加工段階でセパレータに生じうる圧延方向(以降、L方向と記載することがある。)のそりについては、これまで種々の検討を行ったところ、ロールまたはプレス成形時に、四周平坦部の内L方向に沿った2辺を圧延または強圧下して矯正すると解消する傾向が認められた。特許文献30に記述された送りロールを用いて圧延すると効果的にL方向のそりが解消できる。
また、本発明者は、ブラスト法による導電性表面処理を行うと、幅方向(以降、C方向と記載することがある。)のそりやひねりを制御しやすいことを見出した。
そこで、実際に厚さ0.1〜0.2mm程度極薄メタルから構成されるステンレス鋼、チタンおよびチタン合金を用いてメタルセパレータの成形加工をした後、内部応力のバランス(分散状態)を考慮することなく導電性物質を表面の一部または全部にブラスト法よって機械的に埋め込もうとしたところ、内部応力バランスが崩れて大きな反りやひねりが発生してしまうという問題に直面した。
従って、より良好なフラット化を達成するには、メタルセパレータの成形加工をした後のブラスト法による処理において、セパレータの内部応力のバランス(分散状態)を適切に制御する必要がある。
そこで、本発明者は、加工とブラスト法の組み合わせで、更なる良好なフラット化の実現を達成すべく取り組みを行った。
その結果、ブラスト法による処理を行う前(通常は成形加工後)のメタルセパレータの形状を計測し、そり全体の凹部側の波状加工部の突起部を、その裏面よりも強くあるいは長くブラスト処理を実施することで、セパレータの内部応力のバランス(分散状態)を制御でき、より良好なフラット化を達成できることを見出した。
上記の通り、イオン溶出が極小な導電性化合物を超硬粒子に被覆した粒子を用いて、低い投射圧力でセパレータ表面に衝突させることで、その表面にイオン溶出が極小な導電性化合物が埋め込まれ、かつ形状がフラットなメタルセパレータを得ることができる。
そこで、メタルセパレータのブラスト処理された部分の表面は、凹凸が生じているが、本発明のセパレータは、フラットな形状とするためのブラスト処理を行った際の、メタルセパレータの表面の形状を規定した。
具体的には、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜5.0μm、十点平均粗さ(Rz)が3〜20μm、凹凸の平均間隔(Sm)が300μm以下を満足する表面形状である。
これは、Ra値やRz値が下限値未満の場合、ブラスト処理が充分ではないことを意味しており、セパレータの内部応力の分布を制御できておらず、形状矯正を良好に実施できない。
また、Ra値やRz値が上限値を超える場合、ブラスト処理が過剰であることを意味しており、内部応力として過剰に加わっているため、逆に、新たな反りやひねりが発生する。
さらに、Sm値が300μmを超える場合、局所に内部応力が集中してしまっていることを示し、局所の変形がセパレータ機能として許容できない。
また、本発明のメタルセパレータはフラットな形状のものが得られている。しかし、メタルセパレータのそりおよびひねりの評価指標はまだ一般化された規格がない。そこで図1に独自に定義した各パラメータを用い、[式1]〜[式7]にて定義したそり率(warp ratio)およびひねり率(twist ratio)を創出して評価するものとした。
すなわち、下に凸なそり、上に凸なそり、S字状のそりなど、種々の形態も存在するため、いずれにおいてもそり高さの最大値の絶対値をとることで正の実数値でそりの程度を指標化するものとした。
また、四隅の各点O、C、L、Xの設定方法は、端部からの距離設定に一貫したルールがあればよいものとするが、ここでは目安として四辺から10mm内側に引いた直線の交点とすることを標準とした。
一貫したルールの例としては、例えば長方形または正方形のセパレータの対角線上に前記4点を、四隅から対角線全長の20%以内で一定の長さとなるように設ける、などがある。円形や楕円の場合には、その形状に応じた特徴的な点を設けるルールを定めれば良い。
本発明のセパレータは、下記に示す[式1]〜[式7]にて定義したそり率(warp ratio)およびひねり率を算出して得られた WL1、WL2、WC1、WC2、WXC、TXLおよびTXCの各値を0.1以下と規定した。
ここで、上記の各値を0.1以下と規定したのは、その程度のそりやひねりがあっても、メタルセパレータを用いた燃料電池スタックが形成可能な許容範囲であることによる。
これらの各値がゼロに近づくほど、フラット化が良好な、スタックを組み上げやすいメタルセパレータであると評価できる。また、すべてゼロであれば、理想的な形状となる。
実際に、WL1、WL2、WC1、WC2、WXC、TXLおよびTXCの各値がいずれも0.1以下程度であれば、10段組み程度の比較的小さな燃料電池スタックを問題なく構築することができた。
さらに、セパレータ表面にイオン溶出が極小な導電性化合物が埋め込まれていることから、対カーボンペーパー接触抵抗値が面圧1MPaにおいて15mΩcm2以下となっている。
低イオン溶出性導電性物質としては、Au、WC、またはWBの1種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなるものや、またはTaNと、WCまたはWBの1種以上が混合され、残部が不可避的不純物からなるものが好ましい。
また、超硬コア粒子と低イオン溶出性導電性物質のバインダーとして用いたものが、不可避的不純物として、Co、Cr、Ni、Fe、Cu、Snの1種以上が、固体高分子型燃料電池用セパレータ表面に含まれて残存している。
これらの不可避的不純物は、後工程として酸洗処理を行えば、セパレータ表面から除去したり、あるいは低減したりすることができる。
メタルセパレータの、そり・ひねりを評価する方法としては、ブラスト法による表面処理後のメタルセパレータを金属製定盤上に静置して、3次元形状をレーザー変位計により測定し、デジタル化された三次元変位データをコンピュータ等による計算処理によって、上記に示した[式1]〜[式7]の各値に換算し、この各値によりセパレータのそり・ひねりを許容できる範囲かどうかを判断することが推奨される。
前記の発明手段により、100mm角の領域にガス流路となる凹凸加工を施した四周に平坦部を有するステンレス、チタンまたはチタン合金製メタルセパレータに処理を施した。いずれの素材も板厚は0.1mm程度できわめて薄く、比較的弱い力でも容易に変形を加わる。ステンレスセパレータはロール加工法で成形し、チタンおよびチタン合金製セパレータはプレス成形法により成形した。
表1〜表20(実施例(1)〜実施例(20))には比較品も含め、本願発明でなしたブラスト法による導電処理を施したフラット化セパレータ発明品の例をリストした。ちなみに、本発明品での不純物元素混入レベルは、すべて電子線エネルギー分光分析法による検出限界以下のレベルであった。
これらの表1〜表20に示すとおり、本発明の被覆超硬粒子ブラスト法を用いた固体高分子型燃料電池用ステンレス鋼、チタンおよびチタン合金製セパレータは、各そり率、各ひねり率ともに0.1以下となっていることから、フラット化セパレータが製作できていることがわかる。
また、表面の粗さ規定として、セパレータの各面ごとに複数(9点程度を目安)の任意の点において、すべての点が表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5〜5.0μm、十点平均粗さ(Rz)が3〜20μm、凹凸の平均間隔(Sm)が300μm以下を満足しているものを「良い」、1点でもこの範囲をはずれているものを「悪い」と評価し、表1〜表20には○:良い、×:悪い、として示している。これらの表に示すとおり、本発明のセパレータはすべて、粗さ規定を満足できている。
さらに対炭素接触抵抗値(面圧1MPaにおける対カーボンペーパー接触抵抗値)も15mΩcm2以下を満足できていることがわかる。
これに対し、比較品のNo.1〜2(ステンレス)、No.60〜61(チタン)、No.67〜68(チタン合金)は、各そり率、各ひねり率ともに0.1を大きく超えていることから、フラット化セパレータが製作できていないことがわかる。
また、比較品のNo.3、No.62、No.69は、いずれも金メッキ処理品であり、本発明の様なブラスト法を用いてメタルセパレータの表面に低イオン溶出性導電性物質が埋め込まれたものではない。この比較品のNo.3、No.62、No.69は、金メッキ処理品であるためコストが大きくなり、本発明の様な低コスト化は実現できない。
さらに、比較品のNo.1〜3(ステンレス)、No.60〜62(チタン)、No.67〜69(チタン合金)のいずれも、上記の粗さ規定を満足できていない。
尚、参考までに、表1〜表20には導電性物質の耐イオン溶出性とコストについて、定性的な評価も併せて記載した。◎:非常に良い、○:良い、△普通、×:悪い、をそれぞれ示す。
耐イオン溶出性のおおまかな目安として、前記のスクリーニング試験の結果、メタルイオン溶出量が0.05ppm以下のものを「非常に良い」、20ppm以下のものを「良い」としている。また、コストについては、通常の価格を相対的に考慮して、定性的な評価を行ったものである。
これら一覧から、本発明のフラット化セパレータの構成として低コスト化と耐久性を両立しそうな組み合わせが示唆的に理解できる。
また図3の写真には、従来の平均粒径200μmの超硬粒子であるWCを0.5MPaにて投射した場合に生じた製品の変形状況の典型例(a)と、本願発明の方法により平均粒径100μの超硬粒子であるWCを、表面部は0.06〜0.08MPa、裏面部は、0.04MPaで投射して試作したフラット化セパレータ製品の変形状況の例(b)を対比して示した。
ここでは100mm角の領域にガス流路となる凹凸加工を施した四周に平坦部を有するステンレスの例を示したが、これ以外の形状にも適用が可能であり、材料もステンレス鋼、チタン、チタン合金であればいずれにも適用が可能である。
また、市販のMEAを用いて燃料電池を構成し、長期の発電実証試験を行い、素材には高耐食性ステンレス鋼およびチタンの2種類を用い、導電処理後には30質量%硝酸で不動態化してメタル表面を高耐食化し、発電試験に供した。
発電電圧は0.6Vとし、1000時間経過した時点において、いずれの発明品においても電流値の顕著な低下は発生しなかった。
ブラスト法により導電性表面処理を行った、固体高分子型燃料電池用のステンレス鋼、チタン、およびチタン合金製セパレータのフラット性を評価するための指標の説明図である。 難溶解性導電物質WCおよびWBにTaNを混合することでさらにイオン溶出量が低下することを説明する図である。 ブラスト法を用いた導電表面処理における製品の変形状況を示す図であり、(a)は従来法の場合、(b)は本発明法の場合を示す。

Claims (11)

  1. ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金の表面の一部または全部に低イオン溶出性導電性物質が埋め込まれた固体高分子型燃料電池用セパレータであって、
    該セパレータ表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5〜5.0μm、十点平均粗さ(Rz)が3〜20μm、凹凸の平均間隔(Sm)が300μm以下であり、
    前記セパレータ四隅近傍の所定の位置に、原点をO、原点Oから原板の圧延方向にある角近傍にL、原点Oから原板の圧延垂直方向にある角の近傍にC、原点Oから対角線方向にある角近傍に Xを置き、OL間の線分の長さをLL、OC線分の長さをLC、OX間の長さをLXとし、直線OLと加工品の厚さ方向中心面までの最大ひずみ高さをHL1、直線CXとのそれをHL2、直線OCとのそれをHC1、直線LXとのそれをHC2、直線OXとのそれをHXCとし、点Xと3点O、L、Cにて構成される平面との距離をHXTとしたとき、[式1]〜[式5]で定義されるそり率WL1、WL2、WC1、WC2、WXCおよび[式6]〜[式7]で定義されるひねり率TXL、 TXCの各値が0.1以下であり、さらに、対カーボンペーパー接触抵抗値が面圧0.1MPaにおいて15mΩcm2以下であることを特徴とする、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
  2. 前記低イオン溶出性導電性物質が、Au、WC、またはWBの1種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
  3. 前記低イオン溶出性導電性物質が、TaNと、WCまたはWBの1種以上が混合され、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1に記載のステンレス鋼、チタンおよびチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
  4. 前記の不可避的不純物として、Co、Cr、Ni、Fe、Cu、Snの1種以上が、固体高分子型燃料電池用セパレータ表面に含まれていることを特徴とする請求項2または3に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータ。
  5. ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金の表面の一部または全部に、平均直径200μm未満の超硬コア粒子の周囲に平均直径20μm以下の低イオン溶出性導電性物質が被覆された被覆超硬粒子を、0.4MPa以下の圧力の気流に載せて投射することにより、低イオン溶出性導電性物質を埋め込んで導電処理することを特徴とする、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
  6. 前記投射を行うに際し、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金と被覆超硬粒子噴出口の間に格子状網目冶具を配置して被覆超硬粒子を投射することにより、被覆超硬粒子の衝突エネルギーを分散させることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
  7. 前記低イオン溶出性導電性物質が、Au、WCまたはWBの1種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項5または6に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
  8. 前記低イオン溶出性導電性物質が、0.02質量%以上のTaNと、WCまたはWBの1種以上が混合され、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項5または6に記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
  9. 前記被覆超硬粒子において、超硬コア粒子がWCを主成分とし、残部にCo、Cr、Ni、Feの1種以上を合計1質量%以上含み、被覆層にCu、Snの1種以上を合計1質量%以上含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
  10. ロール成形法またはプレス成形法の1種以上によりステンレス鋼、チタンまたはチタン合金を成形後に、前記の投射を行うことにより、セパレータの内部応力バランスを制御することを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
  11. 請求項1〜4いずれかに記載のセパレータの、そり・ひねりを評価する方法において、前記セパレータの3次元形状をレーザー変位計により測定し、デジタル化された三次元変位データを計算処理によって[式1]〜[式7]の各値に換算することを特徴とする、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金製固体高分子型燃料電池用セパレータのそり・ひねり評価方法。
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