JP5850184B2 - 対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン又はチタン合金、これを用いた燃料電池セパレータ、及び、燃料電池 - Google Patents

対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン又はチタン合金、これを用いた燃料電池セパレータ、及び、燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、電力を駆動源とする自動車、又は、発電システムなどに用いる低接触抵抗性の固体高分子型燃料電池セパレータに用いるチタン又はチタン合金、即ち、対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン又はチタン合金、及び、これを用いた燃料電池セパレータに関するものである。
近年、自動車用燃料電池として、固体高分子型燃料電池の開発が急速に進展し始めている。固体高分子型燃料電池は、水素と酸素を用い、水素イオン選択透過型の有機物膜(無機物との複合化の開発も進められている)を電解質として用いる燃料電池である。燃料の水素としては、純水素の他、アルコール類の改質で得た水素ガスなどが用いられる。
しかし、現状の燃料電池システムは、構成部品、部材単価が高く、民生用へ適用するには、構成部品、部材の大幅な低コスト化が不可欠となる。また、自動車用途への適用では、低コスト化と共に、燃料電池の心臓部となるスタックのコンパクト化も求められている。固体高分子型燃料電池は、Membrane Electrode Assembly (以下、「MEA」と記載することがある。)と呼ばれる固体高分子膜と電極及びガス拡散層が一体となったものの両側をセパレータが押し付ける構造をとり、これを多数積層してスタックを構成する。
セパレータに求められる特性は、電子伝導性、両極の酸素ガスと水素ガスの分離性、MEAとの接触抵抗が低いこと、さらには、燃料電池内の環境で良好な耐久性を有することなどである。ここで、MEAのうち、0ガス拡散層(Gas Diffusion Layer, GDL)は、一般に、炭素繊維を集積したカーボンペーパーでできているので、セパレータには、対カーボン接触導電性が良好であることが求められる。
セパレータ用材料としてのステンレス鋼やチタン材料などは、そのままでは、一般に、対カーボン接触導電性が低いので、これを高めるために多くの提案がなされている。対カーボン接触導電性を高めるうえで、導電性の低い不動態皮膜の存在が障害になる。耐久性を犠牲にすれば解決できる課題とも言えるが、燃料電池内は厳しい腐食環境となるので、セパレータには非常に高い耐久性が要求される。
このため、満足の行くセパレータ用の金属材料の開発は困難を極めているのが実情である。これまでは、カーボンセパレータが主流であったが、メタルセパレータが実用化されると、燃料電池自体をコンパクト化でき、さらには、燃料電池生産工程で割れが発生しないことを保障できるので、量産化と普及には、セパレータのメタル化が強く望まれている。
このような背景において、例えば、特許文献1には、薄肉、軽量化等の観点から、鋼材中に導電性を有する化合物を析出させた特殊なステンレス鋼を用いることで、ステンレス鋼の接触抵抗を有効に低減することのできる技術が開示されている。
耐久性に優れたチタンをセパレータに適用する検討も行われている。チタンの場合も、ステンレス鋼と同様に、チタン最外表面の不動態皮膜の存在により、MEAとの接触抵抗が高い。それ故、例えば、特許文献2には、チタン中にTiB系析出物を分散させ、MEAとの接触抵抗を低減する技術が開示されている。
特許文献3には、質量%で、Ta:0.5〜15%を含有し、必要に応じて、Fe及びO量を制限したチタン合金からなり、最外表面から深さ0.5μmまでの範囲の平均窒素濃度が6原子%以上であり、かつ、その領域に窒化タンタル及び窒化チタンが存在することを特徴とするセパレータ用チタン合金が開示されている。
また、特許文献3には、セパレータ用チタン合金の製造方法において、窒素雰囲気中で、かつ、600〜1000℃の温度範囲で3秒以上加熱することが開示されている。
特許文献4、5、及び、6には、チタン又はステンレス製メタルセパレータの製作工程において、導電物質を、ブラスト法又はロール加工法で表層部に押しこむ技術が開示されている。この技術においては、金属表面の不動態皮膜を貫通する形で導電物質を配置する表面微細構造により、対カーボン導電性と耐久性を両立させる。
特許文献7には、チタン表面に形成される炭化チタン又は窒化チタンを含む不純物を陽極酸化処理で酸化物に転換し、その後、メッキ処理を施す燃料電池セパレータの製造方法が開示されている。チタン表面に形成される炭化チタン又は窒化チタンは、腐食環境に曝されている間に溶解し、接触導電性を阻害する酸化物として再析出して、接触導電性を低下させる。
上記方法は、発電時(使用時)における不純物の酸化を抑制し、耐久性を高めるものである。ただし、導電性と耐久性を確保するためには、高価なメッキ膜が必須となる。
特許文献8には、周期律表の3族元素を合金化したチタン系合金を母材とし、その表面にBN粉末を塗布し、加熱処理を施して酸化皮膜を形成し、耐食導電性皮膜を形成する技術が開示されている。
この技術は、チタン合金の不動態皮膜となる酸化物皮膜結晶格子におけるチタン原子の位置に不純物原子をドープして導電性を高めるものである。
特許文献9及び10には、チタン製燃料電池セパレータを圧延加工する際、炭素含有圧延油を用いて圧延して、表層に炭化チタンを含む変質層を形成し、その上に、膜密度の高い炭素膜を形成して、導電性と耐久性を確保する技術が開示されている。
この技術においては、対カーボンペーパー導電性は高まるが、耐久性は、炭素膜で維持することになるので、緻密な炭素膜を形成する必要がある。単純な炭素とチタンの界面では接触抵抗が高まるので、両者の間に、導電性を高める炭化チタンを配置している。しかし、炭素膜に欠陥があると、変質層(炭化チタンを含む)及び母材の腐食を防止できず、接触導電性を阻害する腐食生成物が生じ得る。
特許文献11、12、13、14、及び、15には、特許文献9に記載の構造と類似するが、炭素層/炭化チタン中間層/チタン母材を主要な構造とするチタン及びチタン製燃料電池セパレータが開示されている。炭素層をあらかじめ形成し、その後に、炭化チタン中間層を形成するという製造手順は、特許文献9に記載の製造手順と異なるが、炭素層により耐久性を高める機構は同様である。
特許文献16には、量産化のため、黒鉛粉を塗布して圧延し、焼鈍する技術が開示されている。この技術は、従来のカーボンセパレータの機能を、割れない母材チタン表面へ炭素層と炭化チタン中間層を付与することにより実現したものである。ただし、炭化チタン中間層には耐久性がないので、炭素層に欠陥があると、炭化チタン中間層及び母材の腐食を防止できず、接触導電性を阻害する腐食生成物が生成し得る表面構造になっている懸念がある。
このような実情の中、導電性物質である炭化チタンや窒化チタンをチタン表面に配置し、チタンのみならず、これら導電物質をも不動態化作用のあるチタン酸化物で覆う技術が特許文献17に開示されている。
この技術により、接触導電性の確保のみならず、耐久性も向上したが、燃料電池寿命をさらに伸ばすためには、導電物質を覆うチタン酸化膜の耐環境劣化性をさらに高める必要がある。
そこで、本出願人は、特許文献18で、チタン酸化皮膜に、硝酸やクロム酸等の酸化剤を含む水溶液中に浸漬する不動態化処理を施して耐久性を高めることを基軸にし、チタン又はチタン合金材の表面の酸化皮膜中に微細導電性物質である炭素や窒素を含むチタン化合物粒子を分散させて、対カーボン接触導電性を高めた燃料電池セパレータ用のチタン又はチタン合金材を提案した。
特許文献19では、微細導電性物質としてタンタル、チタン、バナジウム、ジルコニウムまたはクロムの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物を適用し、且つ水溶液中で不動態化処理後に安定化処理を施すことを提案した。この安定化処理は、アミン系化合物、アミノカルボン酸系化合物、リン脂質、澱粉、カルシウムイオン、ポリエチレングリコールのいずれか1種または2種以上含む天然由来物や人工合成物である、米粉、小麦粉、片栗粉、とうもろこし粉、大豆粉、酸洗腐蝕抑制剤などを含む水溶液を用いる。
固体高分子型燃料電池の内部環境やその模擬評価条件について後述する。
特許文献20,21,22,23,24に、電解質膜にフッ素系固体高分子が用いられる場合はフッ素が溶出することが開示されており、微量のフッ化水素環境が生じることが知られている。一方で、炭化水素高分子を使用する場合には電解質膜からのフッ素溶出はないと考えられる。
また、特許文献24には実験的に排出液のpHが約3であることが開示されており、特許文献10ではpH4で50℃の硫酸水溶液中で電位1Vを印加する定電位腐食試験を、特許文献11,12,13,14では、pH約2で80℃の硫酸水溶液中で電位0.6Vを印加する耐久性評価試験を採用している。
特許文献25には80〜100℃等の運転温度であることが開示されており、評価条件として特許文献21,24では80℃を採用している。以上から、固体高分子型燃料電池を模擬する評価条件は、pH2〜4で電解質膜の固体高分子によってフッ素が溶解している水溶液、温度50〜100℃、セル電圧変化0〜1V(未発電時には電圧0)であることが容易に想定される。
その一方で、チタンの耐環境性の観点からみると、チタンがフッ化水素水溶液(フッ酸)で溶けることは一般的に広く知られている。非特許文献1には、pH3の硫酸水溶液にフッ素を約2ppmまたは約20ppm添加すると、チタンの変色が促進されることが記載されている。この変色現象は、チタンが溶解して酸化物として表面に再析出することで酸化膜が成長した結果、干渉色を生じたものである。上述のように、この再析出した酸化物は接触導電性を阻害する物質であることから、燃料電池でフッ素が溶出した環境はチタンにとってより厳しい条件であり、接触抵抗を増大させないように更に耐久性を高めなけ
ればならない。
特開2000−328200号公報 特開2004−273370号公報 特開2007−131947号公報 特開2007−005084号公報 特開2006−140095号公報 特開2007−234244号公報 特開2010−097840号公報 特開2010−129458号公報 特開2010−248570号公報 特開2010−248572号公報 特開2012−28045号公報 特開2012−28046号公報 特開2012−43775号公報 特開2012−43776号公報 特開2012−28047号公報 特開2011−77018号公報 WO2010038544号公報 WO11/016465号公報 特願2012−170363号 特開2005−209399号公報 特開2005−56776号公報 特開2005−38823号公報 特開2010−108673号公報 特開2009−238560号公報 特開2006−156288号公報
Ti-2003 Science and Technology, G.LutjeringとJAlbrecht, Wiley-VCH Verlag GmbH & Co., Hamburg, 2004年、3117〜3124ページ
本発明は、燃料電池セパレータ用のチタン又はチタン合金において、対カーボン接触導電性(低い接触抵抗)とその耐久性をより高めて、燃料電池寿命をさらに伸ばすことを課題とする。具体的には、酸性環境中における(1)フッ素イオン及び(2)電圧印加に対する耐久性を、より高めることを課題とする。
上述のように、従来は、チタン及びチタン合金とカーボンとの接触抵抗が高いことを克服するために、導電性物質として、炭素層で表面を被覆する技術や、酸化皮膜中に微細なチタンやタンタル等の炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物を分散させる技術が主流である。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意研究した結果、チタン又はチタン合金材そのものの表面形態が、対カーボン接触導電性とその耐久性に大きく影響することを見出した。
そして、本発明者らは、従来技術と異なり、(i)これまで導電性物質として適用していた炭素層や、チタンやタンタル等の炭化物、窒化物、炭窒化物、及び/又は硼化物を活用することなく、(ii)チタン又はチタン合金からならサブミクロン〜数ミクロンオーダーの微細な突起を表面に形成させることで、上記課題を解決できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)
複数の突起が分布して形成された表面形状を有し、
前記突起の先端角θが60°以下であり、
該突起の表面に、厚さ3〜10nmの酸化チタン皮膜が形成されている、燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
(2)
表面の粗さRSmが0.5〜5.0μmである、(1)に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
(3)
表面の粗さRaが0.05〜0.50μmである、(1)又は(2)に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
(4)
斜入射X線回折の結果において金属チタンと結晶の格子面間隔が2.20ű1%、1.56ű1%、1.33ű1%、及び、1.27ű1%のいずれかであるチタン化合物が表面で検出される、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
(5)
面圧10kgf/cmにてカーボンペーパーとの接触抵抗が10mΩ・cm以下である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
(6)
pH3に調整した80℃の硫酸水溶液中に4日間浸漬する劣化促進試験の後におけるカーボンペーパーとの接触抵抗が、面圧10kgf/cmにて20mΩ・cm以下である、(1)〜(5)のいずれか1項 に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
(7)
(1)〜(6)のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材で構成した、燃料電池セパレータ。
(8)
(7)に記載の燃料電池セパレータを備える、固体高分子型燃料電池。
本発明によれば、対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン又はチタン合金材を提供することができる。その結果、燃料電池の寿命を大幅に伸ばすことができる。
本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面直下の断面構造を模式的に示す図である。 燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。(a−1)は、従来の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面(冷間圧延肌)を示す。(a−2)は、従来の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面(一般的なフッ硝酸酸洗肌)を示す。(b)は、本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面(微細突起が密に分布)を示す。 燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面を3次元レーザー粗さ計で計測した3D画像と、その断面プロファイルを示す図である。(a)は、従来の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面を示す。(b)は、本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面を示す。 本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面直下の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。 本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面直下の断面の透過電子顕微鏡像を示す図である。(a)は、表面直下の断面を全体的に示す。(b)は、表面直下の断面を一部拡大して示す。 劣化促進試験後のカーボンペーパーとの接触抵抗において、劣化促進試験に用いた硫酸水溶液中のフッ素濃度の影響を示す図である。なお、劣化促進試験の硫酸水溶液は、pH3で温度は80℃、浸漬時間は4日間で、電位印加していない。横軸にフッ素濃度を、縦軸に劣化促進試験後のカーボンペーパーに対する接触抵抗を示す。(a)は、従来の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の劣化促進試験後の接触抵抗を示す。(b)は、本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材で劣化促進試験後の接触抵抗を示す。 微細な突起の先端角θ(および間隔p)の測定方法を説明する図である。
本発明の対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材(以下「本発明材」ということがある。)は、複数の微細な突起が密に分布して形成された表面形状を有し、該突起の表面に、酸化チタン皮膜が形成されていることを特徴とする。
具体的には、上記微細な突起が密に分布する表面の表面粗さRSmが0.5〜5.0μm、及び/又は、Raが0.05〜0.50μmであることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明材について詳細に説明する。
図1に、本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面直下の断面構造を模式的に示す。チタン材又はチタン合金材1の表面には、多数の微細突起2が密に分布して形成されている。また、該微細な突起2の表面は、突起2の表面形状に沿って形成された酸化チタン皮膜3で覆われている。酸化チタン皮膜3は、所定の水溶液中で不動態化処理と安定化処理がなされた酸化チタン皮膜である。
本発明材においては、燃料電池セパレータの基体となるチタン材又はチタン合金材1(以下「チタン基材」ということがある。)の表面に、サブミクロン〜数ミクロンオーダーの微細な突起2が密に分布している。微細な突起2の先端は鋭い形状を成している。また、微細な突起2の形状に沿って、所定の水溶液中で不働態化処理とその後の安定化処理が施された酸化チタン皮膜3が形成されている。
本発明材は、チタン基材の表面に、先端が鋭い微細な複数の突起2を密に形成(以下「表面形成処理」ということがある。)し、その後、硝酸やクロム酸等の酸化剤が添加された水溶液中で、不働態化処理を施し、さらに、所定の水溶液を用いて安定化処理を施して得ることができる。
ここで、図2に、燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図2(a-1)に、従来の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面(冷間圧延肌)を示す。図2(a-2)に、従来の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面(一般的なフッ硝酸酸洗肌)を示す。図2(b)に、本発明の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材(本発明材)の表面(微細突起が密に分布)を示す。
図2(a-1)及び図2(a-2)に示すように、従来材の表面に微細な突起は存在しないが、図2(b)に示すように、本発明材の表面には微細な突起が密に分布して形成されている。チタン基材の表面に、例えば、深さ1μm程度の孔が0.5μm程度の間隔で分布している。微細な突起は、孔と孔の間に形成される。
図3に、燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材の表面を3次元レーザー粗さ計で計測した3D画像と、その断面プロファイルを示す。図3(a)に、従来材の表面を示し、図3(b)に、本発明材の表面を示す。本発明材の表面には、微細突起が密に分布していることが解る。
図4に、本発明材の表面直下の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。チタン材又はチタン合金材1の表面に微細な突起2が密に分布していることが解る。また、図5に、本発明材の表面直下の断面の透過電子顕微鏡像を示す。図5(a)に、表面直下の断面を全体的に示し、図5(b)に、表面直下の断面を一部拡大して示す。
チタン又はチタン合金の基材1の表面に微細な突起2が密に分布し(図5(a)、参照)、微細な突起2が、酸化チタン皮膜3で覆われていることが解る(図5(b)、参照)。なお、酸化チタン皮膜3には、所定の水溶液中で不動態化処理と安定化処理が施されている。
このように、本発明材は、チタン基材の表面形態に特徴があり、対カーボン接触導電性が顕著に向上する。
本発明材の表面の形態は、JISの輪郭曲線要素の平均長さRSmで規定する。RSmは、粗さ凹凸の山谷平均間隔を示す指標であり、この値が小さいほど凹凸が密に分布していることになる。上記表面の形態を平均的に規定する指標として適している。
表面粗さRSmは0.5〜5.0μmが好ましい。RSmが0.5μm未満は実質的に得ることができなかった。RSmが5.0μmを超えると、初期の接触抵抗が大きくなり10mΩ・cm2を超える。より好ましくは安定的に製造できる、2.0〜4.0μmである。
参考のため、表面粗さの非対称性の尺度である粗さ曲線のスキューネスRskは、平滑面に凸部が分布している場合にはプラスの値をとり、本発明では0.1〜0.9程度である。つまり、凸部の確率密度の方が高いことを示している。
また、図4及び図5の断面像から解るように、微細な突起は、サブミクロンオーダーの高さで基材表面から斜め方向に軒のように出っ張っている場合もあり、レーザー顕微鏡では、軒下に相当する部位はレーザーの影になる可能性もある。
図4及び図5の断面像を用いて、後述する式(2)にて突起の平均間隔pを測定すると、本発明材では0.15〜1.5μmであった。微細な突起が密に形成されている表面性状を規定する指標は、平均的にはRSmが適しているが、断面像を用いて測定する平均間隔pによっても規定することができる。
表面の形態は、RSmに加え、JISの算術平均粗さRaで規定するのが好ましい。Raが0.05μm未満であると、初期の接触抵抗が大きくなり10mΩ・cm2を超える。0.50μmを超えるRaは実質的に得ることができなかった。より好ましくは、安定的に製造できる0.10〜0.25μmである。なお、最大高さRzは0.5〜5.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmであった。
本発明材の表面形態にて、その表面粗さRSmが0.5〜5.0μmで、かつ、表面粗さRaが0.05〜0.50μmであると、対カーボン接触導電性がより安定的に向上するのでより好ましい。
表面粗度のRSmとRaとは、チタン基材の表面を、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−8700(株式会社キーエンス製)を使用し、JISB 0601:2001に基づいて計測した。計測は、対物レンズ倍率100倍を使用し、2000倍で観察した測定面積23.53×17.64μmの面測定によりRaを計測し、線測定によりRSmを計測した。λs輪郭曲線フィルタは0.8μm、λc輪郭曲線フィルタは0.08mmに設定した。なお、上記装置の繰り返し精度σは、面測定、線測定とも0.03μm、表示分解能は高さ、幅ともに0.01μmである。
対カーボン接触導電性は、微細な突起の先端形状にも依存する。本発明者らの試験結果によれば、上述で定義した微細な突起先端の先端角θは60°以下が好ましい。先端角θが60°を超えると、初期の接触抵抗が10mΩ・cm2を超えてしまう。より好ましくは安定的に形成可能な20〜60°である。
ここで、先端角θ(及び間隔p)の測定方法を、図7に基づいて説明する。本発明材の表面を含む断面を、クロスセクション・ポリッシング(CP)又は収束イオンビーム加工(FIB)で加工し、断面観察用の試料を作製する。断面は、チタン基材の表面に対して垂直になるようにする。断面観察用の試料を、走査電子顕微鏡又は透過電子顕微鏡で観察し、図4や図5に示す断面像を撮影する。
この断面像で、凸頂点a1と凹頂点b1を結ぶ直線L1-1と、凸頂点a1と凹頂点b2を結ぶ直線L1-2がなす角度を計測し、これを先端角θ1とする。同様に、凸頂点a2と凹頂点b2を結ぶ直線L2-1と、凸頂点a2と凹頂点b3を結ぶ直線L2-2がなす角度を計測し、これを先端角θ2とする。
以下、同様にして、凸頂点aiと凹頂点biを結ぶ直線Li-1と、凸頂点aiと凹頂点bi+1を結ぶ直線Li-2がなす角度を計測し、これを先端角θiとし、先端角θを下記式(1)により決定する。
上記断面像で、凸頂点a1と凸頂点a2を結ぶ直線X1の長さを間隔p1とする。同様に、凸頂点a2と凸頂点a3を結ぶ直線X2の長さを間隔p2とする。以下、同様にして、凸頂点aiと凸頂点ai+1を結ぶ直線Xiの長さを間隔piとし、間隔pを下記式(2)により決定する。
本発明材が、従来材に比べ、対カーボン接触導電性に著しく優れている理由は、以下のように推測される。
従来材における、種々の粗さに研磨した表面や、一般的なフッ硝酸で酸洗した表面は、いずれも、本発明材のような特徴的な表面形態をなしておらず、その表面に、導電性を確保するチタンの炭化物や窒化物などが形成されていないので、カーボンペーパーとの接触抵抗が約40mΩ・cm2以上であり、初期狙いの10mΩ・cm2以下を大きく超えている。
このことは、チタン又はチタン合金の表面にある自然酸化皮膜(研磨や酸洗後に大気中で自然に形成される酸化チタン皮膜)が、カーボンペーパーとの接触抵抗を高くしていることを意味している。
本発明材においては、従来材の表面形態と異なり、チタン基材の表面に、先端が鋭いサブミクロン〜数ミクロンオーダーの微細な突起が密に分布している。微細な突起の最表面には、当然に、酸化チタン皮膜があるが、この微細突起が、”10mΩ・cm2以下”の低い接触抵抗を担っていると推測される。
即ち、微細突起の先端部は、先端角θが60°以下と鋭いので、接触相手となるカーボンペーパーの繊維と絡み合って、特殊な電磁気環境を形成しキャリヤとなる電子や正孔が酸化チタン皮膜を透過できる状態になっていることや、微細な突起が弾性変形して導電性が低い傾向にある酸化チタン皮膜が局所的に薄くなることや、極端に接触面積が増大したことなどが、接触導電性の顕著な向上の原因であると推測される。
微細な突起を覆う酸化チタン皮膜は、所定の水溶液中で、不動態化処理と安定化処理が施される。この酸化チタン皮膜の厚さは、初期の接触抵抗を低く抑えて、かつ、晒される環境中のフッ素や電圧印加への耐久性を確保する点から、3〜10nmが好ましい。厚さが3nm未満であると、フッ素添加あるいは電圧印加した劣化促進試験後の接触抵抗が20mΩ・cm2を超えてしまい耐久性が不十分である。一方、10nmを超えると、初期の接触抵抗が10mΩ・cm2を超えてしまう。
なお、表面直下・断面を透過電子顕微鏡にて観察して、酸化チタン皮膜の厚みを測定した。図5に、符号3で指し示している明るい(白っぽい)膜状の部位が酸化チタン皮膜である。透過電子顕微鏡観察では、酸化チタン皮膜の内部には、酸化チタンのアモルファスと結晶化したTiOが認められる。
ここで実施する、各々、所定の水溶液中で施される不動態化処理とその後の安定化処理の条件は下記の通りである。不動態化処理に用いる所定の水溶液とは、硝酸やクロム酸等の酸化剤を含む水溶液である。
安定化処理に用いる所定の水溶液とは、アミン系化合物、アミノカルボン酸系化合物、リン脂質、澱粉、カルシウムイオン、ポリエチレングリコールのいずれか1種又は2種以上含む天然由来物や人工合成物である、米粉、小麦粉、片栗粉、とうもろこし粉、大豆粉、酸洗腐蝕抑制剤などを含む水溶液で、暴露環境にある存在する酸成分やハロゲンイオン(塩素、フッ素など)などからのアタックを抑制する効果がある。
また、本発明材は、微細な突起が密に分布するチタン基材の表面において、斜入射X線回折の結果から結晶性物質として、金属チタンと結晶の格子面間隔が2.20ű1%、1.56ű1%、1.33ű1%、及び、1.27ű1%のいずれかの結晶格子であるチタン化合物が検出されることが好ましい。
表面から0.3°でX線を入射する斜入射X線回折の結果から、チタン基材の表面に存在する結晶性物質として、金属チタン以外に、結晶の格子面間隔が2.20ű1%、1.56ű1%、1.33ű1%、1.27ű1%のいずれかであるチタン化合物が検出される。
ここで、斜入射X線回折について説明する。リガク製X線回折装置SmartLabを用いて、入射角0.3°の斜入射X線回折にて回折ピークを測定した。ターゲットは、Co−Kα(波長λ=1.7902Å)を使用し、Kβ除去法は、W/Si多層膜ミラー(入射側)を使用した。X線源負荷電力(管電圧/管電流)は、9.0kW(45kV/200mA)である。使用した解析ソフトは、スペクトリス製エキスパート・ハイスコア・プラスである。
本発明材の表面においても、チタンが主成分であることから回折の基はチタン化合物であることは間違ないが、その組成までは同定することができない。恐らく、チタンを主とし、酸素、水素との化合物から構成されていると考えられる。これらの格子面間隔からなるチタン化合物が、本発明の低い接触抵抗に寄与していることが想定されることから、このような格子面間隔の結晶性物質が検出されることも本発明の特筆すべき特徴である。かかる結晶性物質(チタン化合物)は、安定化処理の水溶液に含まれるハロゲンイオン(塩素、フッ素など)などからのアタックを抑制する「アミン系化合物、アミノカルボン酸系化合物、リン脂質、澱粉、カルシウムイオン、ポリエチレングリコール」との結合力を高める作用がある。
また、本発明材においては、最表面の酸化チタン皮膜中およびその直下には、チタンの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物を存在させないように造り込む。本発明材において、酸化チタン皮膜中にC、N、及び、Bの少なくとも1種を含むチタン化合物が存在しないことが好ましい。
C、N、及び、Bの少なくとも1種が、チタン基材中に不可避的混入元素として存在すると、熱処理過程でチタンの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物が形成される可能性がある。チタンの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物の形成を極力抑制するために、チタン基材中のC,N,Bの合計含有量が0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以下である。
X線光電子分法(XPS)を用いて、表面をアルゴンにて5nm程度スパッタした後の表面を分析した結果、Cが10原子%以下,Nが1原子%以下,Bが1原子%以下であれば、本発明の効果が得られる。ここで、アルゴンスパッタ深さは、SiOをスパッタした際のスパッタレートから換算した値である。表面から5nm程度スパッタした位置においても、Ti2pスペクトルにてチタン酸化物であるTiO2の結合エネルギー約459.2eVの位置にピークが検出されている。よって、表面から5nmスパッタした位置は、酸化チタン皮膜中の分析結果である。なお、データ解析にはUlvac−phi社製解析ソフトであるMutiPak V.8.0を用いた。
従来、冷間圧延の油分を残存させた状態や、窒素ガス雰囲気で加熱することで表面に導電性物質であるチタンの炭化物、窒化物、炭窒化物を分散させると、その接触抵抗は比較的小さい値となることが知られている。しかし、そのままでは、実使用の酸性腐食環境に曝されている間に、これらのチタン化合物が溶解し、接触導電性を阻害する酸化物として再析出し、接触導電性を低下させる。
酸化チタン皮膜に、所定の不動態化処理と安定化処理を施すと、単純な酸性環境への耐久性は高まるものの、フッ素を含む腐食環境や電位が印加される使用環境において、耐久性を維持できない場合がある。
図6に、劣化促進試験に関しpH3硫酸水溶液中のフッ素濃度の影響を示す。カーボンペーパーとの接触抵抗は、従来材は、フッ素が2ppm以上になると、約100mΩ・cm2以上へ増加してしまう。本発明材は、フッ素2〜5ppmでも10〜20mΩ・cm2以下と接触抵抗は低く、フッ素に対する高い耐性を示す。
本発明材においては、pH3に調整した80℃の硫酸水溶液中に4日間浸漬する劣化促進試験の後におけるカーボンペーパーとの接触抵抗が、面圧10kgf/cm2にて20mΩ・cm2以下であることが好ましい。
なお、接触抵抗は、使用するカーボンペーパーに依存して変化するので、劣化促進試験では、東レ株式会社製のTGPH-120Mを用いて測定した接触抵抗を標準とした。
また、pH3の硫酸水溶液中で、電位1.0V(vsSHE)を24時間印加した場合、カーボンペーパーとの接触抵抗は、従来材では、約30mΩ・cm2へ増加してしまう。本発明材では、20mΩ・cm2以下、さらには、10mΩ・cm2以下と低く、電位を印加しても高い耐性を維持できている。
水溶液中での不動態化処理や安定化処理が施された酸化チタン皮膜であっても、その中や、直下に多く存在するチタンの炭化物、窒化物、及び/又は、炭窒化物が、フッ素が含まれる腐食環境や電位が印加される使用環境において、これらのチタン化合物が溶出して、接触導電性を阻害する酸化物として再析出してしまう。
一方、前処理として光輝焼鈍後に施すフッ硝酸による酸洗、さらには、光輝焼鈍後に施すフッ化物イオンを含む水溶液を用いた表面形成処理によって、表面から2μm深さ以上が溶かされ、光輝焼鈍にて表面に生成したチタンの炭化物、窒化物、及び/又は、炭窒化物は除去される。
その上から、所定の水溶液中で不動態化処理と安定化処理を施すと、溶出し易いチタンの炭化物、窒化物、及び/又は、炭窒化物が概ね存在しない表面構造が形成されて、フッ素を含む腐食環境や電位が印加される使用環境における耐久性を著しく高めることができる。
なお、酸化チタン皮膜に、所定の水溶液中で不動態化処理と安定化処理の双方を施さない場合には、初期の接触抵抗は低いものの、劣化促進試験の後には、約100mΩ・cm2以上へと増加してしまう。
したがって、本発明材において、劣化促進試験後の接触抵抗は20mΩ・cm2以下で、好ましくは10mΩ・cm2以下である。より好ましくは8mΩ・cm2以下、さらに好ましくは6mΩ・cm2以下である。
さらに、本発明者らは、接触抵抗が10mΩ・cm2以下であれば、固体高分子型燃料電池セパレータとして、5千時間の耐久発電試験に耐え得ることを実験的に確認した。
次に、本発明材の製造方法について説明する。
チタン基材を不活性ガス雰囲気中で焼鈍し、チタン基材の表面に酸化チタン皮膜を形成する。焼鈍は、チタン化合物が、最表面に生成し難い条件(雰囲気、温度、時間など)を選択して行う。必要に応じて、次に、チタン基材の表面を、フッ酸を含む酸洗液(例えば、3.5質量%のフッ化水素+4.5質量%の硝酸)で洗浄する。
洗浄後、チタン基材の表面に微細突起を形成させる表面形成処理を施して、全面に微細な突起を形成する。表面形成処理液は、フッ化物イオンを含む水溶液であり、例えば、HFが0.5質量%、NaFが0.5質量%、NaClが0.5質量%、HNOが0.5質量%の混合水溶液である。本発明者が確認したところ、一例としてフッ化物イオン濃度が0.05〜1.5質量%で、HF、NaF、NaCl、HNOが各々0.05〜1.5質量%の範囲である水溶液にて、処理温度30〜40℃、処理時間5〜20分で、チタン基材の表面に所望の微細な突起を形成させることができることが判明した。濃度、温度、時間がこれらの範囲よりも低い場合には、本発明の効果を成すのに十分なだけの微細な突起が形成されない場合がある。一方、濃度、温度、時間がこれらの範囲を超えると、溶解が進行し微細な突起部が溶かされ表面が平滑化する場合があり、十分な効果を発揮できない場合がある。
次いで、酸化チタン皮膜で覆われた微細な突起に不動態化処理を施す。不動態化処理は、例えば、チタン基材を、所定温度の硝酸、又は、無水クロム酸を含む混合水溶液で、例えば、硝酸30質量%を含む水溶液中、又は、無水クロム酸25質量%と硫酸50質量%を含む混合水溶液中に所定時間浸漬して行う。この不動態処理により、チタン基材の表面の酸化チタンに安定な不動態皮膜が形成されて、チタン基材の腐食が抑制される。
上記水溶液の温度は、生産性の向上のため50℃以上が好ましい。より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは85℃以上である。温度の上限は120℃が好ましい。浸漬時間は、水溶液の温度にもよるが、一般に0.5〜1分以上である。好ましくは1分以上である。浸漬時間の上限は45分が好ましく、より好ましくは30分程度である。
微細な突起を覆っている酸化チタン皮膜に不動態化処理を施した後、上記酸化チタン皮膜を安定化するため、所定温度の安定化処理液を用い、所定時間、安定化処理を施す。
安定化処理液は、アミン系化合物、アミノカルボン酸系化合物、リン脂質、澱粉、カルシウムイオン、ポリエチレングリコールのいずれか1種又は2種以上含む天然由来物や人工合成物である、米粉、小麦粉、片栗粉、とうもろこし粉、大豆粉、酸洗腐蝕抑制剤などを含む水溶液である。例えば、酸洗腐蝕抑制剤[スギムラ化学工業株式会社製ヒビロン(登録商標第4787376号)AS−25C]を含む水溶液である。45〜100℃の安定化処理液を用いて、1〜10分処理するのが好ましい。
本発明材は、このように、優れた導電性と耐久性を備えており、燃料電池用セパレータ用の基材として極めて有用なものである。
本発明材を基材とする燃料電池セパレータは、当然ながら、本発明材の表面をそのまま活かして使ったものである。一方で、本発明材の表面に、さらに、金などの貴金属系金属、炭素又は炭素含有導電性被膜を形成して製造される場合も、従来技術から想定される。その場合も、本発明材を基材とする燃料電池セパレータにおいては、金などの貴金属系金属や炭素膜又は炭素含有被膜に欠陥があっても、その直下に、不動態化処理と安定化処理がなされた耐久性の高い酸化チタン皮膜が存在するので、チタン基材の腐食が従来以上に抑制される。
本発明材を基材とする燃料電池セパレータは、表面が従来のカーボンセパレータと同水準の接触導電性と耐久性を有し、さらに、割れ難いので、燃料電池の品質と寿命を長期にわたって保障できる。
次に、本発明の実施例について説明する。実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例である。本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得る。
(実施例1)
本発明材の表面形態、及び、接触特性を確認するため、チタン基材、前処理、表面形成処理(微細突起形成処理)、不動態化処理、及び、安定化処理の諸条件を変化させて、試験材を試作し、表面形態(表面粗度、微細突起の先端角)を計測するとともに、劣化促進試験を行って接触導電性を測定した。計測及び測定結果を、諸条件とともに、表1〜表7に示す。
[チタン基材]
チタン基材は以下のとおりである。
M01:チタン(JIS H 4600 1種TP270C)工業用純チタン第1種
M02:チタン(JIS H 4600 2種TP340C)工業用純チタン第2種
M03:チタン(JIS H 4600 3種TP480C)工業用純チタン第3種
M04:チタン(JIS H 4600 4種TP550C)工業用純チタン第4種
M05:チタン合金(JIS H 4600 61種) 2.5〜3.5質量%Al−2〜3質量%V−Ti
M06:チタン合金(JIS H 4600 16種) 4〜6質量%Ta−Ti
M07:チタン合金(JIS H4600 17種) 0.04〜0.08質量%Pd−Ti
M08:チタン合金(JIS H4600 19種) 0.04〜0.08質量%Pd−0.2〜0.8質量%Co−Ti
M09:チタン合金(JIS H4600 21種) 0.04〜0.06質量%Ru−0.4〜0.6質量%Ni−Ti
M10:チタン合金 0.02質量%Pd−0.002質量%Mm−Ti
ここで、Mmは分離精製前の混合希土類元素(ミッシュメタル)であり、使用したMmの組成は、55質量%Ce、31質量%La、10質量%Nd、4質量%Prである。
M11:チタン合金 0.03質量%Pd−0.002質量%Y−Ti
注)JIS規格以外のチタン合金であるM10,M11は、実験室的に溶製し、熱延及び冷延して得た基材である。
[前処理]
基材の前処理は以下のとおりである。
P1:厚さ0.1mmまで冷間圧延し、圧延油を洗浄、除去した後、Ar雰囲気にて800℃で20秒、光輝焼鈍した。
P2:厚さ0.1mmまで冷間圧延し、圧延油を洗浄、除去した後、N2雰囲気にて800℃で20秒、光輝焼鈍した。
P3:厚さ0.1mmまで冷間圧延し、圧延油を洗浄、除去した後、Ar雰囲気にて800℃で20秒、光輝焼鈍、その後、フッ硝酸で表面を洗浄した。
P3のフッ硝酸による表面洗浄は、フッ化水素(HF)が3.5質量%、硝酸(HNO)が4.5質量%の水溶液に、45℃で1分間浸漬した。表面から5μm深さを溶かした。
[表面形成処理]
表面形成処理に使用した水溶液は以下のとおりである。
C1:HFが0.5質量%、NaFが0.5質量%、NaClが0.5質量%、HNOが0.5質量%である水溶液。
[不動態化処理]
不働態化処理に使用した水溶液は以下のとおりである。
A01:硝酸30質量%を含む水溶液
A02:硝酸20質量%を含む水溶液
A03:硝酸10質量%を含む水溶液
A04:硝酸5質量%を含む水溶液
A05:無水クロム酸25質量%と硫酸50質量%を含む混合水溶液
A06:無水クロム酸15質量%と硫酸50質量%を含む混合水溶液
A07:無水クロム酸15質量%と硫酸70質量%を含む混合水溶液
A08:無水クロム酸5質量%と硫酸50質量%を含む混合水溶液
A09:無水クロム酸5質量%と硫酸70質量%を含む混合水溶液。
注)いずれも固形分が生じた場合には、液中に分散した状態のまま使用した。
注)水溶液の温度は、40〜120℃、浸漬処理時間は、0.5〜25分の範囲で変化させた。
[安定化処理]
安定化処理に使用した水溶液は以下のとおりである。
B01:米粉0.25質量%、残部イオン交換水
B02:小麦粉0.25質量%、残部イオン交換水
B03:片栗粉0.25質量%、残部イオン交換水
B04:とうもろこし粉0.25質量%、残部イオン交換水
B05:大豆粉0.25質量%、残部イオン交換水
B06:ポリエチレングリコール0.02質量%、米粉0.05質量%、炭酸カルシウム0.0001質量%、水酸化カルシウム0.0001質量%、酸化カルシウム0.0001質量%、残部蒸留水
B07:酸洗腐蝕抑制剤[スギムラ化学工業株式会社製ヒビロン(登録商標第4787376号) AS−20K] 0.10質量%、残部イオン交換水
B08:酸洗腐蝕抑制剤[スギムラ化学工業株式会社製ヒビロン(登録商標第4787376号)AS−35N]0.05質量%、残部イオン交換水
B09:酸洗腐蝕抑制剤[スギムラ化学工業株式会社製ヒビロン(登録商標第4787376号)AS−25C]0.08質量%、残部水道水
B10:酸洗腐蝕抑制剤[スギムラ化学工業株式会社製ヒビロン(登録商標第4787376号)AS−561]0.10質量%、残部水道水
B11:酸洗腐蝕抑制剤[スギムラ化学工業株式会社製ヒビロン(登録商標第4787376号)AS−561]0.30質量%、残部水道水
B12:酸洗腐蝕抑制剤[キレスト株式会社製キレスビット(登録商標第4305166号)17C−2]0.01質量%、残部井戸水
B13:酸洗腐蝕抑制剤(朝日化学工業株式会社製イビット(登録商標第2686586号) ニューハイパーDS−1)0.04質量%、残部工業用水
注)いずれも固形分が生じた場合には、液中に分散した状態のまま使用した。
注)水溶液の温度は、45〜100℃、浸漬処理時間は、1〜10分の範囲で変化させた。
[劣化促進試験]
条件1:2ppmのFイオンを含んだ80℃のpH3の硫酸溶液中にて4日間浸漬して行う。
条件2:80℃のpH3の硫酸溶液中にて、電位1.0V(vs SHE)を24時間印加して行う。
評価:◎ 10mΩcm2未満、○ 10〜20mΩcm2、× 20mΩcm2以上
上記条件を変えて作製した試験材から、所要の大きさの試験片を採取し、表面形態(表面粗度、微細突起の先端角)を計測するとともに、劣化促進試験を行って接触導電性を測定した。計測及び測定結果を、諸条件とともに、表1〜表7に示す。
チタン基材と前処理の条件を変化えた場合の結果を表1に示す。
表面形成処理(微細突起形成処理)において、処理時間と処理温度を変えた場合の結果を表2に示す。なお、比較例2−1、2−2は表面形成処理を行わなかった。
不動態化処理において、処理時間と処理温度を変えた場合の結果を表3に示す。なお、比較例3−1、3−2、3−3は表面形成処理、不動態化処理および安定化処理を行わなかった。
不動態化処理において、酸水溶液を変えた場合の結果を表4に示す。
安定化処理において、処理液を変えた場合の結果を表5に示す。
安定化処理において、処理温度を変えた場合の結果を表6に示す。
チタン基材を変えた場合の結果を表7に示す。
表1〜7から、発明例の接触導電性は、比較例(従来材)の接触導電性に比べ、格段に優れていることが解る。
前述したように、本発明によれば、対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン又はチタン合金材を提供することができる。その結果、燃料電池の寿命を大幅に伸ばすことができる。よって、本発明は、電池製造産業において利用可能性が高いものである。
1 チタン又はチタン合金
2 微細突起
3 酸化チタン皮膜

Claims (8)

  1. 複数の突起が分布して形成された表面形状を有し、
    前記突起の先端角θが60°以下であり、
    該突起の表面に、厚さ3〜10nmの酸化チタン皮膜が形成されている、燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
  2. 表面の粗さRSmが0.5〜5.0μmである、請求項1に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
  3. 表面の粗さRaが0.05〜0.50μmである、請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
  4. 斜入射X線回折の結果において金属チタンと結晶の格子面間隔が2.20ű1%、1.56ű1%、1.33ű1%、及び、1.27ű1%のいずれかであるチタン化合物が表面で検出される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
  5. 面圧10kgf/cmにてカーボンペーパーとの接触抵抗が10mΩ・cm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
  6. pH3に調整した80℃の硫酸水溶液中に4日間浸漬する劣化促進試験の後におけるカーボンペーパーとの接触抵抗が、面圧10kgf/cmにて20mΩ・cm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ用チタン材又はチタン合金材で構成した、燃料電池セパレータ。
  8. 請求項に記載の燃料電池セパレータを備える、固体高分子型燃料電池。
JP2014559774A 2013-02-01 2014-01-31 対カーボン接触導電性と耐久性に優れた燃料電池セパレータ用チタン又はチタン合金、これを用いた燃料電池セパレータ、及び、燃料電池 Expired - Fee Related JP5850184B2 (ja)

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