JP4395053B2 - 燃料電池用金属製セパレータ及びその加工方法 - Google Patents

燃料電池用金属製セパレータ及びその加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池の集電体カーボンに接するセパレータなど対カーボン低接触抵抗を求められるステンレス鋼やチタンなどからなる不働態金属製セパレータおよびその加工方法に関わるものである。
環境保全に対する意識の高まりから、化石燃料を利用した現行の内燃機関から水素を利用した固体高分子型燃料電池による電気駆動型の自動車や、分散型コジェネシステムへの移行が世界的に検討されている。これらの新技術が広く一般に利用できるようにするためには、低コスト化と高信頼化に関する技術開発を、燃料供給システムも含めて推進する必要がある。
近年、電気自動車用燃料電池の開発が、固体高分子材料の開発成功を契機に急速に進展し始めている。固体高分子型燃料電池は、従来のアルカリ型燃料電池、燐酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体電解質型燃料電池などとは異なり、水素イオン選択透過型の有機物膜を電解質として用いることを特徴とする燃料電池であり、燃料には、純水素のほか、アルコール類の改質によって得た水素ガスなどを用い、空気中の酸素との反応を電気化学的に制御することによって電力を取り出すシステムの電池である。
また、固体高分子型燃料電池においては、固体高分子膜は薄くても十分に機能し、電解質が膜中に固定されていることから、電池内の露点を制御すれば電解質として機能するため、水溶液系電解質や溶融塩系電解質などの流動性のある媒体を使う必要がなく、電池自体をコンパクトに単純化して設計できることも特徴である。
従来、燃料電池用ステンレス鋼としては、特許文献1〜6などに開示されているように、高い耐食性が要求される溶融炭酸塩環境で稼動する燃料電池用ステンレス鋼がある。また、その他、特許文献7〜9などの公報に開示されているように、数百度の高温で稼動する固体電解質型燃料電池材料がある。
一方、冷却用水溶液の沸点以下の領域で稼動する固体高分子型燃料電池の構成材料としては、温度がさほど高くないこと、および、その環境下で耐食性・耐久性が十分発揮させることが可能であることなどにより、炭素系の材料が使用されてきているが、より低コスト化や小型化を目指して、ステンレス鋼やチタンの適用に関する技術開発も進んでいる。
特許文献10には、単位電池の電極との接触抵抗の小さい燃料電池用セパレータを得ることを目的に発明された、ステンレス鋼(SUS304)をプレス成形することにより内周部に多数個の凹凸からなる膨出成形部を形成し、膨出成形部の膨出先端側端面に0.01〜0.02μmの厚さの金メツキ層を形成した燃料電池用セパレータが開示されている。
また特許文献11〜13などには、導電性金属硼化物や導電性金属炭化物を析出物として母相ステンレス鋼の表面に露出させて、電気的接触抵抗を低減する固体高分子型燃料電池用セパレータに用いるステンレス鋼が開示されている。
また特許文献14には、導電性金属硼化物や導電性金属炭化物の硬質微粉末をショットする方法が開示されている。
また特許文献15〜19などには、銀、窒化クロム、白金族の複合酸化物、炭化硼素とニッケルの複合物、導電性セラミックスなどを表面にコーティングした金属製セパレータが開示されている。
しかし、この技術をもとに実際に固体高分子型燃料電池を試作すると、以下の技術的問題があることがわかった。
a)貴金属をコーティングする方法は、例えば燃料電池自動車に用いる場合、一台あたり数百枚のセパレータを使用するため、材料費だけで非常に高価なものになってしまう。また、コーティング層とステンレス鋼基板の間に、ステンレス鋼の不働態酸化皮膜が完全に還元されずに残留し、ステンレス鋼とコーティング層の間に層間抵抗が生じ、電力ロスとなるため、皮膜を除去しながら貴金属を付着させる必要があるため、高価なドライプロセスなど生産性、製造コスト上の課題も多い。
b)導電性金属微粒子を析出物として表面に露出させる方法は、母材にC、Cr、Mo、B等の含有量を上げる必要があることから、材料の延性が著しく低下し、セパレータのような多数の凹凸形状にプレス加工することができない。
c)導電性金属微粒子の粉末をショットする方法は、母材のセパレータに小型軽量化のため板厚0.1mm程度の箔をプレス成形したものを用いることが望ましいが、ショットの衝突圧力によって表面が塑性変形したり、表面が削り取られてしまい所定の形状が得られない。またショット粉は、母材に食い込むことなく表面で反発し跳ね返るものが大半で、ショット粉の歩留まりロスも大きい。
一方、発明者らは、低コストなセパレータ成形加工装置として、既に、特許文献20において、ロール成形装置を開示している。
特開平4−247852号公報 特開平4−358044号公報 特開平7−188870号公報 特開平8−165546号公報 特開平8−225892号公報 特開平8−311620号公報 特開平6−264193号公報 特開平6−293941号公報 特開平9−67672号公報 特開平10−228914号公報 特開2000−328200号公報 特開2000−328205号公報 特開2001−32056号公報 特開2001−32056号公報 特開平8−180883号公報 特開平11−162478号公報 特開2001−236967号公報 特開2001−283880号公報 特開2003−123783号公報 特開2002−190305号公報
本発明は、前述した問題点を解決し、低コストにて対カーボン接触抵抗の低い不働態金属部材を生産できる、不働態金属表面の対カーボン低接触抵抗化を実現する固体高分子型燃料電池用金属製セパレータおよびその成形加工方法を提供することを課題としている。
上述のとおり、固体高分子型燃料電池システムを広く一般に利用できるようにするためには、その部材製造コストを極限まで削減することが大きな課題である一方、要求性能を満足させるためには、高耐食の不働態金属表面の一部に、電気の導通路を確保して接触抵抗を低下させる必要がある。そこで、安価な導電性金属化合物を直接不働態金属表面に付着・密着させるメカニカルな表面連続処理工程を開発すれば、従来法による途中段階での貴金属原料の加工・処理工程を省略できることに着眼し、本発明に至ったもので、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)ステンレス鋼、チタン、またはチタン基合金を母材とし、連続する凸部及び凹部を有する燃料電池用金属製セパレータであって、前記母材の板厚tが、0.05mm≦t≦0.2mmの範囲であり、W、Ti、Zr、V、Cr、Moの何れか1種以上の窒物からなり、平均粒径dが0.1μm≦d≦10μmである微粒子の中心位置が前記母材の表面からd/2μm以内にあり、前記微粒子が前記母材表面から突出して複数埋め込まれていることを特徴とする燃料電池用金属製セパレータ。
(2)周辺に平坦部を有し、中央部はガス流路となる前記凸部及び凹部を有することを特徴とする前記(1)記載の燃料電池用金属製セパレータ。
(3)凸部及び凹部の山から山まで、又は谷から谷までのピッチが1.0〜3.0mmであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の燃料電池用金属製セパレータ。
(4)微粒子が、凸部及び凹部の山及び谷、又は山のみの母材表面から突出して複数埋め込まれていることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか1項に記載の燃料電池用金属製セパレータ。
(5)前記(1)〜(4)の何れか1項に記載の燃料電池用金属製セパレータを成形加工する方法であって、ステンレス鋼板、チタン板又はチタン基合金板を、前記凸部及び凹部に対応する流路溝が形成され、前記微粒子が付着した上下一対のロールにより、前記凸部及び凹部を圧延転写成形すると同時に、前記微粒子を前記母材表面に圧着させることを特徴とする燃料電池用金属製セパレータの加工方法。
(6)前記(1)〜(4)の何れか1項に記載の燃料電池用金属製セパレータを成形加工する方法であって、ステンレス鋼板、チタン板又はチタン基合金板に前記微粒子を吹付けた後又は吹付けながら、前記凸部及び凹部に対応する流路溝が形成された上下一対のロールにより、前記凹凸部を圧延転写成形すると同時に、前記微粒子を前記母材表面に圧着させることを特徴とする燃料電池用金属製セパレータの加工方法。
(7)微粒子をスラリー状にして、ロール表面または被加工板表面に供給することを特徴とする前記(5)又は(6)記載の燃料電池用金属製セパレータの加工方法
本発明は、固体高分子型燃料電池用セパレータとして用いる高耐食ステンレス鋼やチタン等への対カーボン低接触抵抗化を、低コストで実施可能としたところに意義があり、固体高分子型燃料電池を実現する技術として極めて有効なものである。
本発明を以下に詳細に説明する。
図1は、本発明に属する固体高分子型燃料電池用金属製セパレータ1の断面形状の一例である。凹凸形状の凸部11及び凹部12の内側である谷14は燃料ガスや酸素の流路となり、凸部11及び凹部12の外側である山13は集電対となるカーボンペーパーと接し電気の導通路となる。またセパレータは加湿強酸雰囲気に曝されることから、電気伝導性と共に高い耐食性が要求される。このため使用する金属は、表面に安定な不働態皮膜を形成する不働態金属、例えばステンレス鋼、チタンまたはチタン基合金が、コストの観点からも最も適している。特に、ステンレス鋼は、11質量%以上のクロムを含有するステンレス鋼が好ましく、また、チタンは工業用純チタンが実用的に好ましい。
また、セパレータは所定の電力を得るため、単位電池を多数積層(スタック)して使用されるため、小型軽量化の観点から、板厚0.05mmから0.2mmの母材を用いることとする。
一方、不働態皮膜は電気抵抗が高く、そのまま使用すると集電体カーボンと接する部分での接触抵抗が高くなり、発電時の発熱、電池内部の抵抗が増大して致命的な損失となる。
これに対して、図2に、本発明に係るセパレータ断面の拡大模式図を示す。母材1aの表面に形成された不働態皮膜1bを突き破る形で微粒子2が配置されている。
図3には、同じ場所が、集電体カーボン3と接触している状態を示す。不働態皮膜1bを突き破る形で配置された微粒子2が集電体カーボン3と接触し、電気の導通路となる。このような導通路を表面に多数作ることにより、接触抵抗の増大を抑えることが可能となる。
微粒子2には、電気伝導性、耐食性、耐酸化性の観点からは、金、白金などの貴金属、金属炭化物、金属窒化物、金属硼化物などが考えられるが、コストの観点から、金属炭化物、金属窒化物、金属硼化物が望ましい。
また微粒子2の大きさは、電気の導通を図るため、少なくとも、10〜30Åの不働態被膜の厚さ以上、さらに母材の表面粗さ以上である必要があり、また過大であると、母材の微粒子との接触部に応力集中が発生し、セパレータの強度が低下するため、適正な範囲にする必要がある。そのため、平均粒径で0.1μmから10μmの範囲とし、好ましくは、0.5μmから5μmの範囲が望ましい。
また、電気の導通を図るため、微粒子の中心位置は前記母材の表面からd/2μm以内と制限する。
微粒子の平均粒径dは画像処理法(顕微鏡法)により測定し、幾何平均径の個数平均により算定した値と定義し、微粒子の中心位置は相当径中心と定義する。
また、微粒子の中心位置から母材表面までの距離は、断面の光学顕微鏡観察により測定した。また、微粒子の組成はICP発光分光分析などの化学分析により、測定することができる。
本発明にて製造される不働態金属部材の対カーボン接触抵抗値としては、100mΩcm以下とするのが好ましい。コジェネレータなどのように、通電による発熱を水の加温に有効利用したりする場合などは、100mΩcm以下程度の接触抵抗で十分であるが、通常接触抵抗は小さいほど電力ロスが低減され発電効率が高いので、自動車用途などでは、10mΩcm以下の接触抵抗が求められる場合もある。したがって、必要な接触抵抗のレベルに応じて、金属化合物の種類、大きさなどを選択する。
周辺に平坦部を有し、中央部はガス流路となる前記凸部及び凹部を有するセパレータとして、図9に示すようなセパレータに上記の発明を適用することができる。これにより、周囲をシールし、電気導通部の内部抵抗の少ないスタックを構成することができる。
図1において、凸部11及び凹部12の外側である山13から山13まで、又は凸部11及び凹部12の内側である谷14から谷14までのピッチはガスの流路抵抗の増大と結露による閉塞を防止するのため1.0mm以上とすることが好ましく、集電体カーボンの変形によるガス流路の閉塞防止するため、3.0mm以下とすることが好ましい。
微粒子2が、凸部11及び凹部12の山13及び谷14の母材表面から、前記(1)〜(3)の何れかに係る発明に既定した条件で突出して複数埋め込まれていると、ガス流路の流路抵抗増大を回避できるため好ましく、集電体カーボンに接する凸部11及び凹部12の山13のみの母材表面から突出して複数埋め込まれていると、表裏面(山及び谷)からの埋め込みによる母材強度の低下を防止できるため、さらに好ましい。
次に、微粒子2を表面に分散配置する方法について述べる。
導電性を有する金属化合物は、合金設計により母材中に析出させることも可能であるが、このような金属化合物の生成は母材の延性を著しく低下させるため、図1に示したような微細凹凸形状をプレス成形などの塑性加工により形成することが困難となる。従って、導電性微粒子は、セパレータの凹凸形状を成形加工した後、表面に配置することが望ましい。
上記を鑑みて発明したセパレータの加工方法を図4に示す。本装置は、流路溝5を彫り込んだ上下一対のロール4、4により、連続的に金属薄板6を圧延転写成形し、セパレータ1を形成するものである。圧延転写成形する際に、金属薄板6と圧下ロール4、4の間に微粒子を供給することにより、微粒子はセパレータ表面の凹凸部の山および谷に圧着される。この時、圧下ロール4、4にて、金属薄板6の凹凸部を板厚方向につぶす、いわゆるコイニング加工を施すことにより、不働態膜の無い圧延新生面に微粒子を圧着させることができる。
さらに、セパレータの凸部及び凹部の山のみに微粒子を圧着させる場合には、図8に示すように、圧下ロール4、4の凹部41の谷(底部)43のみに、微粒子を供給することにより、電気の導通に必要な、セパレータ表面の凹部12及び凸部11の山13のみに、微粒子を圧着させることができる。
微粒子を供給する方法としては、図5に示すように、スプレーノズル7を用いて、ロール表面に吹き付ける方法、また図6に示すように、金属薄板6の表面に直接吹き付ける方法、また図7に示すように、コーターロール8を用いる方法などがある。この時、微粒子はロール表面や金属薄板6の表面に、所定量均一に付着させるため、スラリー状にして供給することが望ましい。
なお、微粒子を供給する方法は、これに限定されるものではなく、多様な方法を用いることができる。
次に、用いる圧下ロール4の材質であるが、金属窒化物からなる導電性微粒子は、一般に硬度が高く、S45Cなど通常のロール材質では、工具に微粒子が食い込んでしまい、被加工物に表面に十分な深さまで圧着させることができず、またロールの摩耗の原因ともなる。従って、ロールの表面硬度は、少なくとも微粒子の硬度より高くすることが必要であり、高速度工具鋼(SKD材)、さらに硬質セラミックスコーティングなどの表面硬化処理を行ったロールを用いることが望ましい。
実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に示す装置構成や製造条件は、本発明の効果を示すための一例であり、本発明はこれに制約されるものではない。図5に示した模式図に基づき、実装置を試作した。
直径200mm、長さ300mmの一対の圧下ロール表面に、図8に示すような凹凸パターンを機械加工により形成した。断面形状は図8に示すもので、隣同士のロール溝の凹部41及び凸部42のピッチは、2.0mm、凸部は曲率半径0.5mmの半円状であり、底部は幅1.0mmの平滑面である。また凹凸部は幅100mm、長さ(弧長)100mmである。圧下ロールの材質はSKD11を用い、凹凸加工後、表面にTiC+TiNをPVDにより成膜した。凹凸加工部の表面硬度はHv3200、表面粗さは、Ra=0.1μmであった。上下圧下ロールは歯車で同期回転させた。
素材は、板幅250mm、板厚0.1mm、表面粗さRa=0.1μmのオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lのコイルから連続的に板を供給し、上下圧下ロールの隙間(ロールギャップ)を0.05mmとして加工を行った。この時、圧下反力は約400kNであった。
平均粒径0.5μmおよび比較例として平均粒径20μmの各種導電性微粒子を用意し、蒸留水に20質量%混ぜてスラリー状にしたものを、100cc/mずつ、上下圧下ロール表面の溝加工部に吹き付けた。
加圧成形後、被加工部を切り抜き、表面に付着残存したスラリーは布でふき取った。この結果、セパレータの山及び谷に微粒子を所定の深さで埋め込んだ。
続いて、試作したサンプルについて、1MPaの荷重条件下でカーボンペーパーとの接触抵抗を測定した。また、ロールの摩耗を評価するため、連続10枚成形した後、ロール表面に付着したスラリーを布で拭き取った上で、ロール表面の微粒子圧痕、微粒子残存付着を目視にて確認した。その試験結果を表1に示す。
セパレータの凸部11及び凹部12の山13から山13まで、又は谷14から谷14までのピッチも2.0mmであった。
この結果から、通常のステンレスやチタンとカーボンペーパーとの接触抵抗は600mΩcm程度の値であるが、本発明の方法で処理したステンレス鋼は、オーダー的に低い接触抵抗値を実現していることがわかり、固体高分子型燃料電池用のセパレータなどに利用可能な水準に到達していると判断できる。
また、比較例として用いた平均粒径20μmの微粒子の場合には、ロールに顕著な圧痕が観察され、またステンレス鋼の表面へ付着した微粒子は布でふき取ると簡単に脱落してしまい、十分な付着強度が得られなかった。
そこで、さらにロールの圧下を増加させて、ロールギャップ0.04mmで成形したところ、平均粒径20μmの場合には、ステンレス鋼に微粒子を基点として貫通孔が開いてしまい使用に耐えなかった。
そこで、新たに平均粒径10μmのTiN微粒子を準備し、ロールギャップ、スラリーの塗布部を変更して、その他の条件は同一の試験を行った。その結果を表2に示す。
その結果、比較的大きな微粒子を用いた場合、十分な付着力を確保するために圧下量を増大させると、母材が薄いため、微粒子圧入部は応力集中により破断してしまうことが明らかとなった。それに対して、ロール溝部、すなわちセパレータ凸部山のみに圧入すると、破断を防止することができ、また良好に付着することにより接触抵抗も低減することができた。
燃料電池用金属性セパレータの断面形状の一例を示す模式図である。 本発明の処理を行った不働態金属板表面の断面を示す模式図である。 本発明の処理を行った不働態金属板と集電体カーボンとの接触状態を示す模式図である。 本発明の処理を行うためのセパレータ成形加工装置の一例を示す模式図である。 本発明の導電性微粒子の供給方法の一例を示す模式図である。 本発明の導電性微粒子の供給方法の別の例を示す模式図である。 本発明の導電性微粒子の供給方法の別の例を示す模式図である。 本発明の処理を行うための圧下ロール溝加工部の断面形状の一例を示す模式図である。 セパレータの一例を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1…セパレータ
1a…不働態金属
1b…不働態被膜
2…微粒子
3…集電体カーボンペーパー
4…圧下ロール
5…溝加工部
6…金属薄板
7…スプレーノズル
8…コーターロール
11 セパレータ凸部
12 セパレータ凹部
13 山
14 谷
41 ロール溝凹部
42 ロール溝凸部
43 ロール溝の谷

Claims (7)

  1. ステンレス鋼、チタン、またはチタン基合金を母材とし、連続する凸部及び凹部を有する燃料電池用金属製セパレータであって、前記母材の板厚tが、0.05mm≦t≦0.2mmの範囲であり、W、Ti、Zr、V、Cr、Moの何れか1種以上の窒物からなり、平均粒径dが0.1μm≦d≦10μmである微粒子の中心位置が前記母材の表面からd/2μm以内にあり、前記微粒子が前記母材表面から突出して複数埋め込まれていることを特徴とする燃料電池用金属製セパレータ。
  2. 周辺に平坦部を有し、中央部はガス流路となる前記凸部及び凹部を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用金属製セパレータ。
  3. 凸部及び凹部の山から山まで、又は谷から谷までのピッチが1.0〜3.0mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池用金属製セパレータ。
  4. 微粒子が、凸部及び凹部の山及び谷、又は山のみの母材表面から突出して複数埋め込まれていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の燃料電池用金属製セパレータ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料電池用金属製セパレータを成形加工する方法であって、ステンレス鋼板、チタン板又はチタン基合金板を、前記凸部及び凹部に対応する流路溝が形成され、前記微粒子が付着した上下一対のロールにより、前記凸部及び凹部を圧延転写成形すると同時に、前記微粒子を前記母材表面に圧着させることを特徴とする燃料電池用金属製セパレータの加工方法。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料電池用金属製セパレータを成形加工する方法であって、ステンレス鋼板、チタン板又はチタン基合金板に前記微粒子を吹付けた後又は吹付けながら、前記凸部及び凹部に対応する流路溝が形成された上下一対のロールにより、前記凹凸部を圧延転写成形すると同時に、前記微粒子を前記母材表面に圧着させることを特徴とする燃料電池用金属製セパレータの加工方法。
  7. 微粒子をスラリー状にして、ロール表面または被加工板表面に供給することを特徴とする請求項5又は6記載の燃料電池用金属製セパレータの加工方法。
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