本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠27と、この外枠27に取り付けられた内枠28とから構成されており、内枠28には、遊技者にパチンコ遊技を提供する遊技盤26と、遊技者が操作することにより図示しない打球発射装置を作動させる打球操作ハンドル2と、打球発射装置によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられ遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、後述する演出用表示装置6、始動入賞口(電動チューリップ)7、大入賞口8、普通図柄作動ゲート9と、遊技球が入賞することによって賞球が払い出される普通入賞口10と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車11と、遊技球を打球発射装置に供給するための打球供給皿(上受け皿)12と、この打球供給皿12に入りきらない球を貯留することができると共に、図示しない貯留球箱に遊技球を移動できるようになっている余剰球受皿13と、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常を報知する遊技効果ランプ14と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口15と、開閉自在に設けられたガラス扉枠16と、によって構成されている。
遊技領域5の中央付近には、ダミー図柄が回転する様子を示す疑似的な表示を行う演出図柄表示部30及び始動記憶数を疑似的に増加させることができる特別図柄疑似始動記憶表示装置31を有する演出用表示装置6(詳細は後述する)が設けられており、この演出用表示装置6の右方には、特別図柄表示装置21、特別図柄始動記憶表示装置22、普通図柄表示装置23及び普通図柄始動記憶表示装置24を有する遊技用表示装置20(詳細は後述する)が設けられている。
遊技用表示装置20の下方には、演出用表示装置6における特別図柄及びダミー図柄の表示結果が予め定められた態様(特別図柄表示装置21の左右のランプのうち左側のランプが点灯、又は演出図柄表示部30のダミー図柄において、大当り図柄の組み合わせ)となった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口8が設けられている。
演出用表示装置6の下方には、遊技球が通過することによって後述する普通図柄表示装置23で普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート9が設けられている。また、普通図柄作動ゲート9の上方には、対をなす障害釘29が設けられ、その間隔を広く、あるいは狭くすることによって、普通図柄作動ゲート9への通過率を調節することができる。なお、普通入賞口10の上方にも対をなす障害釘29が設けられ、その間隔を広く、あるいは狭くすることによって、普通入賞口10への入賞率を調節することができる。
演出用表示装置6の左斜め下方には、遊技球が入賞することによって演出用表示装置6の演出図柄表示部30でダミー図柄の変動表示を、特別図柄表示装置21で特別図柄の変動表示をそれぞれ開始させる始動入賞口7が設けられている。また、始動入賞口7の上方には、三角形の位置関係をなす3本の障害釘29が設けられ、通常状態において遊技球が入賞し難い状態となっている。しかしながら、遊技球が普通図柄作動ゲート9を通過し、普通図柄表示装置23における普通図柄の表示結果が予め定められた態様(普通図柄の当り図柄)となった場合、始動入賞口7の羽根(普通電動役物)を所定時間開放し、通常状態よりも遊技球が入賞し易い状態となる。
演出用表示装置6は、図2(A)に示すように、演出図柄表示部30と、4個までの始動記憶の表示、及び疑似的に始動記憶を4個まで増加して表示することができる特別図柄疑似始動記憶表示装置31と、によって構成されている。この特別図柄疑似始動記憶表示装置31は、通常、始動記憶を4個まで表示できるようになっているが、演出図柄表示部30で特定の演出表示が行われるときには、始動記憶の表示が最大4個まで増加するようになっている。
上記した遊技用表示装置20は、図2(B)に示すように、特別図柄表示装置21、特別図柄始動記憶表示装置22、普通図柄表示装置23及び普通図柄始動記憶表示装置24から構成されている。
特別図柄始動記憶表示装置22は、演出用表示装置6でダミー図柄がそれぞれ変動表示中に遊技球が始動入賞口7へ入賞した場合(以下、このような遊技球を始動記憶という)、当該変動表示が終了した後に、特別図柄表示装置21で特別図柄があと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための始動記憶の点灯表示を行なうものである。この特別図柄始動記憶表示装置22は、1つで複数種類の色彩を発光することができる発光部材(例えば、LED)により構成されており、本実施形態の場合、始動記憶数が1個、2個、3個、4個のときに、それぞれ赤、黄、緑、青の色彩で発光するようになっている。
特別図柄表示装置21は、始動入賞口7へ遊技球が入賞した場合、又は、未だ変動表示が開始されていない始動記憶がある(特別図柄始動記憶表示装置22がいずれかの色彩で点灯している)場合に、左右の特別図柄を交互に点灯表示(変動表示)させて抽選を行い、左の特別図柄を点灯表示した状態で停止した場合に、大入賞口8を開放するものである。
普通図柄表示装置23は、遊技球が普通図柄作動ゲート9を通過した場合に、左右の普通図柄を交互に点灯表示(変動表示)させて抽選を行い、左の普通図柄を点灯表示した状態で停止した場合に、始動入賞口7としての電動チューリップの羽根を開放するものである。
普通図柄始動記憶表示装置24は、演出用表示装置6が普通図柄を変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート9を通過した場合(以下、このような遊技球を普通図柄始動記憶ともいう)に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための始動記憶の点灯表示を行なうものである。この普通図柄始動記憶表示装置24は、特別図柄始動記憶表示装置22と同様に、1つで複数種類の色彩を発光することができる発光部材(例えば、LED)により構成されており、本実施形態の場合、始動記憶数が1個、2個、3個、4個のときに、それぞれ赤、黄、緑、青の色彩で発光するようになっている。
上記したように、特別図柄始動記憶表示装置22及び普通図柄始動記憶表示装置24の始動記憶は、複数種類の色彩で発光することができる発光部材により構成され、発光する色彩の違いにより始動記憶数が異なる。これにより、始動記憶の数だけ発光部材を点灯させる場合のように発光部材を複数設ける必要がなくなるため、特別図柄始動記憶表示装置22及び普通図柄始動記憶表示装置24の製造コスト削減及び発光部材の占める面積削減を図ることができる。
演出用表示装置6には、前述したように、演出図柄表示部30が設けられている。この演出図柄表示部30の表示結果は特別図柄表示装置21の表示結果に対応するために、特別図柄表示装置21の表示結果が大当り状態を示す結果となる場合には、演出図柄表示部30の結果も大当り状態を示す結果になる。また、特別図柄表示装置21の表示結果が大当り状態以外のはずれ状態を示す場合には、演出図柄表示部30の表示結果もはずれ状態を示す結果になる。
また、演出用表示装置6に設けられた特別図柄疑似始動記憶表示装置31は、通常、特別図柄始動記憶表示装置22と連動して最大4個まで始動記憶を表示するようになっているが、演出図柄表示部30で特定の演出表示が行われるときには、疑似的に始動記憶の個数が最大4個まで増加して表示されるようになっている。そして、この特定の演出表示は、増加した始動記憶に対応させて変動表示を疑似的に複数回行なう態様の演出表示である。この演出表示については、後に詳述する。
このように構成される遊技機1は、まず、遊技者の打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4との間を通って遊技球が遊技盤26上の遊技領域5に打ち出される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤26に植設される障害釘29や風車11等によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口7に入賞したり、普通図柄作動ゲート9を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口15に回収されるようになっている。
遊技球が始動入賞口7に入賞した場合には、所定の賞球(例えば5個)を遊技者に与えると共に、始動入賞口スイッチ(図示しない)によって遊技球を検出し、特別図柄及びダミー図柄が変動表示できる状態であれば、演出図柄表示部30にダミー図柄を変動表示させて抽選を行い、確定表示されたダミー図柄が予め定められたダミー図柄の組み合わせ(大当り図柄の組み合わせ。このとき、特別図柄表示装置21において左側のランプが点灯する。)である場合に、大入賞口8を所定の態様(例えば最大15ラウンド、1ラウンドにつき10個の入賞まで)で開放するようになっている(大当り遊技)。遊技球が大入賞口8に入賞した場合には、所定の賞球(例えば15個)を遊技者に与える。また、特別図柄及びダミー図柄が変動表示できる状態でなければ、特別図柄始動記憶表示装置22を始動記憶の個数に応じて赤、黄、緑、青のいずれかの色彩で点灯表示すると共に、特別図柄疑似始動記憶表示装置31を点灯表示する(最大4個)。
確定表示されたダミー図柄が所定の突入率(例えば確変突入率=1/4)で確率変動に突入するダミー図柄の組み合わせ(奇数図柄の組み合わせ。これを確変図柄の組み合わせということがある。)である場合には、当該大当り遊技が終了した後に、通常状態の大当り確率(例えば1/315)よりも大当り確率が高くなる確率変動状態(確変状態)に制御される。このような確変状態では、通常状態よりも大当り確率が高く設定(例えば5/315)されると共に、変動時間が短縮(時短、例えば0.5s)され、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、確変状態は、次回、確定表示されたダミー図柄が予め定められたダミー図柄の組み合わせ(大当り図柄の組み合わせ)となるまで継続される。また、所定の突入率は、確変状態後も継続される。
遊技球が普通図柄作動ゲート9を通過した場合には、普通図柄作動ゲートスイッチ(図示しない)によって遊技球を検出し、普通図柄が変動表示できる状態であれば、普通図柄表示装置23で左右の普通図柄を交互に点灯表示させて抽選を行い、確定表示された普通図柄が左の普通図柄である場合に、始動入賞口7の羽根を所定時間(例えば開放時間0.5s、開閉回数1回)で開放するようになっている。また、普通図柄が変動表示できる状態でなければ、普通図柄始動記憶表示装置24を始動記憶の個数に応じて赤、黄、緑、青のいずれかの色彩で点灯表示する(最高4個)。
このような特別図柄及びダミー図柄の表示や大当り遊技等の提供を行うために、遊技機1は、図3に示すように配線が接続された遊技制御基板35(主基板や主制御基板といわれることもある。)やサブ制御基板50(副制御基板や表示制御基板、あるいは図柄制御基板といわれることもある。)を備えている。遊技制御基板35は、以下に示す各部に接続され、パチンコ遊技を提供するために、情報の入出力を行う。
遊技制御基板35は、ワンチップマイクロコンピュータを備えており、後述する入力スイッチ62を介して取得した各スイッチからの信号に基づいて、ワンチップコンピュータが後述する各種制御基板や出力ソレノイド63に接続されている機器等を制御するための所定の制御プログラムを実行する。また、ワンチップコンピュータは、制御プログラムを実行するCPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM、及びCPUが処理するデータを一時的に記憶すると共に電源が切られた場合でも記憶内容を保持可能なバックアップ機能を有するRAMを備えている。
また、遊技制御基板35には、中継基板40を介してサブ制御基板50が接続されている。サブ制御基板50は、内部にCPU、このCPUの作業領域及び制御データ(音声制御データやランプ制御データ)等を記憶保持するための記憶エリアを備えた制御用RAM、各コマンド(変動パターン指定コマンド等)に対応した制御データ(ランプ制御データ)等が記憶された制御用ROM、音声制御データが記憶された音声データ用ROM等を備えている。
サブ制御基板50は、中継基板40を介して遊技制御基板35のCPUから一方向のストローブ信号やデータ(ビット)信号(音声制御用コマンド信号やランプ制御用コマンド信号)等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、上記CPUは、音声制御用コマンドやランプ制御用コマンドを認識する。音声制御用コマンドを認識したとき、この音声制御用コマンドに対応するデータエリアから音声制御データが音声データ用ROMから読み出され、上記音声制御データを記憶する制御用RAMに格納される。この格納された音声制御用データは、出力順がくると制御用RAMから音声制御データが読み出され、遊技盤26上に設けられたスピーカー51に音声出力される。
また、ランプ制御用コマンドを認識したとき、このランプ制御用コマンドに対応するデータエリアからランプ制御データが制御用データから読み出され、上記ランプ制御用データを記憶する制御用RAMに格納される。この格納されたランプ制御用データは、表示順がくると制御用RAMからランプ制御データが読み出され、ランプ演出を行うために又は異常を報知するために遊技盤26上に設けられた装飾・異常LED52に表示される。
また、サブ制御基板50には、遊技盤26上に設けられ、遊技の状況に応じてモータ,ソレノイド等を可動する盤面飾り可動物53が接続されている。
なお、サブ制御基板50の制御用RAMは、CPUが処理するデータを一時的に記憶すると共に電源が切られた場合でも記憶内容を保持可能なバックアップ機能を有してもよい。また、スピーカー51の音声出力及び装飾・異常LED52の表示は、音声制御用コマンド信号やランプ制御用コマンド信号に従って、サブ制御基板50とは別に設けた制御基板によって制御されてもよい。
サブ制御基板50には、演出図柄制御基板55が接続されている。演出図柄制御基板55は、内部にCPU、このCPUの作業領域を備えた制御用RAM、各コマンド(変動パターン指定コマンド等)に対応した表示制御データが記憶された制御用ROM、画像データ等を記憶保持するための記憶エリアを備えた図柄データ用RAM、キャラクタや図柄や背景等が記憶された図柄データ用ROM等を備えている。
演出図柄制御基板55は、サブ制御基板50のCPUから一方向のストローブ信号やデータ(ビット)信号(表示制御用コマンド信号)等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、上記CPUは、表示制御用コマンドを認識する。この表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄が上記制御用ROMから読み出され、上記画像データを記憶する制御用RAMに格納される。この格納された画像データは、表示順がくると制御用RAMから画像データが読み出され、演出図柄表示部30及び特別図柄疑似始動記憶表示装置31に表示される。なお、演出図柄表示部30及び特別図柄疑似始動記憶表示装置31の表示は、サブ制御基板50によって制御されてもよいが、近年の演出表示の多様化に伴い、演出表示するための制御プログラム及び画像データ等のデータ量が膨大となる傾向にあり、サブ制御基板50の処理負担を軽減するためにもサブ制御基板50とは別に演出図柄制御基板55を設けたほうがよい。
このように、演出用表示装置6は、遊技制御基板(主基板)35から送信される変動パターンを示すストローブ信号及びビット信号を受信することにより、変動パターンによる演出表示を実行するため、試験機関は、遊技機1の検査の際に演出用表示装置6を直接制御しているプログラム等を解析するだけでよいため、遊技機1の検査を簡素化することができる。
上記のように構成された遊技機1において、遊技制御基板35は、後述する図4以降のフローチャートに示す処理等を実行することにより、当該遊技機1の全体制御を行うと共に、遊技の状況に応じた様々な特別図柄の変動表示を演出図柄表示部30に表示させる。
また、遊技制御基板35には、電源基板60が接続されている。電源基板60は、各種制御基板や遊技機1に設けられた可動物の動作に必要な電源電圧を供給する電源電圧として+5V,+12V,+32Vを作成する。また、遊技機1に対する電力供給が停止したときに、遊技制御基板35や払出制御基板70のバックアップ機能を有するRAMに対して記憶内容を保持可能な電源電圧を供給するバックアップ電源を備えている。
また、電源基板60にて作成された電源電圧は、電源中継基板65を介してサブ制御基板50に供給されている。電源基板60は、従来、機種毎に趣向を凝らすために演出するための付属物(装飾・異常LED52等)の数が異なったり、電気容量や電圧種別が異なることから、機種変更する際に交換を必要としたが、電源中継基板65を設けることで汎用性のある基板とすることができる。従って、機種変更する際には、電源基板60を交換することなく電源中継基板65を交換すればよい。また、データ線用の中継基板40と電源用の電源中継基板65とを一つの基板とする構成としてもよいが、データ線用の中継基板40と電源用の電源中継基板65とを別に設ける構成とすることで、電源によるデータ線にノイズの影響を与えることがない。
また、電源基板60は、遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、各々の制御プログラムの実行を開始する時期であるとしてリセット信号を出力し、各種制御基板のCPUを動作可能にする。また、電源基板60は、遊技機1に対する電力供給を監視することで遊技機1に対する電力供給の停止を検出し、遊技機1に対する電力供給が停止するときに、遊技制御基板35に停電信号を出力し、遊技制御基板35のバックアップ機能を有するRAMにおいて遊技状態をバックアップするための処理を実行する。
また、電源基板60には、操作されることで遊技制御基板35や払出制御基板70にクリア信号が出力されるクリアスイッチ61が設けられている。遊技機1に対する電力供給が開始されたときにクリアスイッチ61が操作されることで、遊技制御基板35や払出制御基板70のバックアップ機能を有するRAMの記憶内容を初期化することができる。
また、遊技制御基板35には、払出制御基板70が接続されている。払出制御基板70は、ワンチップマイクロコンピュータを備えており、遊技制御基板35のCPUからの制御信号に基づいて、ワンチップコンピュータが賞球モータ71等を制御するための所定の払出制御プログラムを実行する。また、ワンチップコンピュータは、払出制御プログラムを実行する払出制御用CPU、払出制御用CPUが実行する払出制御プログラムを格納するROM、及び払出制御用CPUが処理するデータを一時的に記憶すると共に電源が切られた場合でも記憶内容を保持可能なバックアップ機能を有するRAMを備えている。
払出制御基板70は、遊技制御基板35のCPUから一方向のストローブ信号やデータ(ビット)信号(払出制御用コマンド信号)等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、上記CPUは、払出制御用コマンドを認識する。払出制御用コマンドを認識したとき、この払出制御用コマンドに対応するデータエリアから払出制御データがROMから読み出され、上記払出制御データを記憶するRAMに格納される。この格納された払出制御用データは、出力順がくるとRAMから払出制御データが読み出され、賞球モータ71を駆動することにより払出制御用コマンドに対応した賞球数が払い出される。
また、払出制御基板70は、ストローブ信号やデータ(ビット)信号(払出制御用コマンド信号)を入力したときには、遊技制御基板35のCPUに対して一方向のストローブ信号やデータ(ビット)信号(払出確認用コマンド信号)等の制御信号を出力する。遊技制御基板35のCPUは、払出確認用コマンドを認識したときに、払出制御基板70において払出制御用コマンドが正常に認識されたことを確認する。
また、払出制御基板70には、払い出しに関するエラー状態を表示する状態表示器78が設けられている。また、払出制御基板70には、賞球モータ71を駆動制御するときに賞球モータ71の駆動位置を検出するモータ制御スイッチ72と、払出された賞球を検出する賞球スイッチ73と、補給球が不足したときにオンする補給球不足スイッチ74と、余剰球受皿13が満杯になったときにオンする下受け皿満杯スイッチ75と、インターフェースボード76を介して、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸しを可能にするプリペイドカードユニット77と、が接続されている。
また、払出制御基板70には、発射制御基板80が接続されている。発射制御基板80は、内部にCPU、このCPUの作業領域を備えたRAM、払出制御基板70のCPUから入力された発射制御信号(発射用制御コマンド信号)に対応した発射制御データが記憶されたROM、発射制御データ等を記憶保持するための記憶エリアを備えたRAM等を備えている。
また、発射制御基板80には、遊技領域5に向けて遊技球を弾発するための発射ソレノイド81と、発射モータ中継基板板82を介して、打球操作ハンドル2が回動操作されて遊技球が発射されるときにオンするタッチプレート83と、打球操作ハンドル2の所定箇所に設けられ押圧操作することにより打球発射装置の作動をオフさせて遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ84と、打球操作ハンドル2を回動操作することにより遊技球を球送りする球送りソレノイド85と、が接続されている。
また、遊技制御基板35及び払出制御基板70には、試験用中継端子板41が接続されている。試験用中継端子板41には、遊技制御基板35及び払出制御基板70の制御状態を遊技機1外部で確認するための試験信号を出力する試験端子が設けられている。試験機関においては、この試験端子に専用の試験機器を接続することで簡単に試験を行うことができる。
また、遊技制御基板35及び払出制御基板70には、外部情報端子板45が接続されている。外部情報端子板45は、遊技制御基板35及び払出制御基板70からの情報信号に基づいて、賞球の払い出し、球貸し、ガラス扉枠16の開放を検出するガラス枠開放スイッチ46に基づくガラス枠の開閉、大当り1(通常大当り)、大当り2(確変大当り)、図柄確定回数(大当り回数)等の遊技機1の制御状態を遊技機1外部に情報を出力する。
また、遊技制御基板35には、特別図柄表示装置21、特別図柄始動記憶表示装置22、普通図柄表示装置23及び普通図柄始動記憶表示装置24により構成される遊技用表示装置20が接続されている。遊技用表示装置20は、遊技制御基板(主基板)35に備えられて、LED等の発光部材により構成される特別図柄表示装置21、特別図柄始動記憶表示装置22、普通図柄表示装置23及び普通図柄始動記憶表示装置24を直接的に表示制御するドライブ回路及びプログラムにより制御されているため、大当りに関する表示がノイズ等を受けて誤表示されるということがない。
入力スイッチ62には、始動入賞口7に入賞した遊技球を検出する始動入賞口スイッチと、大入賞口8を開放することにより大入賞口8内に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチと、大当り遊技に係わる大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチと、普通図柄作動ゲート9を通過した遊技球を検出する普通図柄作動ゲートスイッチと、普通入賞口10に入賞した遊技球を各々検出する複数の普通入賞口スイッチと、が接続されている。
出力ソレノイド63には、大入賞口8を開口動作するための大入賞口ソレノイドと、始動入賞口7としての電動チューリップを開放動作するための普通電動役物ソレノイドと、大入賞口8内の球流路を切り換えるための球流路切換ソレノイドと、が接続されている。
上記したように、本実施形態においては、遊技制御基板(主基板)35により制御されてその表示結果が特定結果となることで大当り遊技状態となる遊技用表示装置20を備え、演出用表示装置6がサブ制御基板50により制御されて遊技用表示装置20とは別個に設けられている。これにより、従来のように、試験機関が遊技機1の検査の際に演出用の変動パターンを検査することで多大な量のデータをチェックする必要がなく、遊技制御基板(主基板)35により制御されて遊技機1の遊技結果に影響を及ぼす遊技用表示装置20のみを検査すればよいため、遊技機1の検査を簡素化することができる。
また、遊技用表示装置20と演出用表示装置6とが個別の制御信号により制御されているため、遊技用表示装置20を制御する信号と演出用表示装置6を制御する信号とのいずれの信号が、遊技に影響を及ぼす信号かを試験機関が容易に判別することができる。また、大当りとなる図柄が遊技制御基板(主基板)35で直接制御されるためノイズ等の影響が受け難くなり、遊技客と遊技場との間のトラブルを防ぐことができる。
図4は、遊技制御基板35で実行される遊技制御処理ルーチンのフローチャートである。遊技制御処理の詳細な説明は省略するが概略を以下に示す。
この遊技制御処理は、遊技機1に電源が供給されると起動され、まず作業領域は正常かを判断する(S100)。ここでは、電源投入直後は、正常ではないと判断され、次にRAMの初期化設定処理が行われる(S110)。RAMの初期化設定処理後は、後述するS210〜S230の処理を、次に図4の遊技制御処理のS100が起動されるまで繰り返す。
また、電源投入直後でなければ、作業領域は正常であると判断され(S100)、次に図柄、ランプ、音声、情報、払出、ソレノイドのデータの出力を行う出力処理が行われる(S120)。
以後、入力ポートから入力されたデータのチェックを行う入力処理(S130)、入賞球に基づく賞品球データの作成を行う払出処理(S140)、SW断線・短絡エラーの検出及びその解除を行うエラー検出及び、解除処理(S150)を行う。
S150にて、エラー中であることが検出された場合には(S160)、後述するS200の外部情報作成処理に移行する。以後、S210〜S230を次に図4の遊技制御処理のS100が起動されるまで繰り返す。
次いで、エラー中でなければ(S160)、普通図柄の変動、停止及び普通電動役物開放の制御を行う普通図柄/普通電動役物処理(S170)、特別図柄の変動、停止、及び大入賞口8の特別電動役物開放の制御を行う特別図柄/特別電動役物処理(S180)、特別図柄始動記憶表示装置22に関するデータである特別図柄記憶LEDデータ、普通図柄始動記憶表示装置24に関するデータである普通図柄記憶LEDデータ、ランプデータ、音声データの作成を行うランプ・LED・音声データ作成処理(S190)、変動回数情報、大当り情報、高確率状態情報を作成する外部情報作成処理(S200)を実行する。上記S100〜S200の処理は、所定時間毎に実行される。
また、S200の処理に続いて、記憶領域に格納すべき特別図柄データを更新する特別図柄更新処理(S210)、特図変動パターン選択用カウンタの値に基づいて、変動パターン選択用乱数の更新を行う特別図柄制御用各乱数更新処理(S220)、大当り判定用乱数として用いる大当り判定用カウンタの初期値を更新する大当り判定用乱数初期値更新処理(S230)を繰り返し実行する。
図5は、図4のS180の詳細を示す特別図柄/特別電動役物処理ルーチンのフローチャートである。
詳細の説明は省略するが、特別図柄/特別電動役物処理では、まず遊技制御基板35から指定した変動パターンなどの所要時間を設定し、カウントする特別図柄動作タイマ減算処理(S300)、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数の作成、特別図柄データ、変動パターン選択用乱数、大当り判定用乱数の初期値を更新する特別図柄用各乱数作成処理(S310)、4ms毎に特別図柄データを基にはずれ図柄を作成する特別図柄作成処理(S320)、始動記憶数4以上のとき、処理を終了し、始動記憶数4未満のとき、始動記憶を加算し、大当り判定用乱数、大当り判定用乱数の初期値を更新する始動入賞口入賞処理(S330)、後述する特別図柄変動制御処理(S340)、大入賞口入賞数、特別図柄動作タイマなどより特別電動役物を制御する特別電動役物制御処理(S350)が行われる。
図6は、上記S330の詳細を示す始動入賞口入賞処理ルーチンのフローチャートである。
まず、始動入賞口7に遊技球が入賞していない(S331)、又は、保留カウンタIの値が5未満でなければ(S332)、後述するS333〜S335の処理を実行することなく、始動入賞口入賞処理ルーチンを終了する。なお、保留カウンタIとは、始動入賞口7への入賞に基づく始動記憶数を示す。
なお、S332の処理にて、保留カウンタIの値が5未満であるか否かを判定しているが、これは始動入賞口7への入賞に基づいて合算した始動記憶数が既に上限数(この実施の形態では5個。特別図柄が変動中である場合に、この変動中の始動記憶を1個として含む。)であるか否かを判定している。
次いで、始動入賞口7に遊技球が入賞している(S331)、且つ、保留カウンタIの値が5未満であれば(S332)、始動入賞口7に入賞したことに基づいて保留カウンタIを1加算し(S333)、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数の作成、特別図柄データ、変動パターン選択用乱数、大当り判定用乱数を乱数バッファに記憶する乱数取得処理(S334)を実行する。
そして、特別図柄始動記憶表示装置22を点灯する、あるいはその点灯している色彩を変更する処理(S335)を実行する。この場合、最初の始動記憶である場合に特別図柄始動記憶表示装置22が赤で点灯し、始動記憶の個数が1個から2個、2個から3個、3個から4個へ増加した場合にそれぞれ赤から黄、黄から緑、緑から青へ点灯の色彩が変更する。
なお、S335の処理では、特別図柄始動記憶表示装置22を点灯する、あるいはその点灯している色彩を変更するのみであって、上述したS190のランプ・LED・音声データ作成処理にてLEDデータを作成することで、特別図柄始動記憶表示装置22で点灯あるいは点灯の色彩が変更される。ただし、始動記憶がない状態で入賞したときには、変動表示が開始されるとして、特別図柄始動記憶表示装置22は点灯されない。
以上の処理において点灯あるいは点灯の色彩が変更された特別図柄始動記憶表示装置22は、この始動記憶に基づく変動表示が開始されると共に、消灯あるいは点灯の色彩が変更される。
図7は、上記S350の詳細を示す特別図柄変動制御処理ルーチンのフローチャートである。
まず、後述するように大当り判定用乱数バッファの値を取り出し特別図柄の大当りの判定を行う大当り判定処理(S400)、大当り判定処理で大当りと判定された場合に、大当り図柄用カウンタの値が設定されている大当り図柄乱数バッファの値を取り出し、後述するように、ダミー図柄大当り時の停止図柄を決定する処理、又ははずれと判定された場合に、停止図柄を選択し決定する処理を行う特別図柄選択処理(S420)、後述するように変動パターンを決定する変動パターン作成処理(S440)を行う。
図8は、上記S400の詳細を示す大当り判定処理ルーチンのフローチャートである。
まず、そのときの状態が変動表示中であるか否か、すなわち、特別図柄の変動表示を開始できる状態であるか否かを判定する(S401)。変動表示中でなければ、保留カウンタIの値が1以上であるか否かを判定し(S402)、始動入賞口7に入賞したことに基づく始動記憶があるか否かを判定する。変動表示中である、又は、保留カウンタIの値が0であれば(始動入賞口7に入賞したことに基づく始動記憶がなければ)、大当り判定処理を終了する。
次いで、保留カウンタIの値が1以上であれば(S402)、S334の乱数取得処理にて記憶された大当り判定用乱数を乱数バッファから読込み(S403)、遊技状態が確変状態又は通常状態の何れの状態であるかに基づいて(S404)、高確率時の大当り判定用テーブル又は低確率時の大当り判定用テーブルの何れかの大当り判定用テーブルを選択する。
確変状態であれば高確率時の大当り判定用テーブルを選択し、この判定値と乱数バッファから読込みした大当り判定用乱数の値とを比較することによって(S405)、一致する値があれば大当りとすることにし、一致する値がなければはずれとすることを決定する(S407)。なお、高確率時の大当り判定用テーブルにおいて、高確率時の大当り確率が5/315になるように設定されている。
一方、通常状態であれば低確率時の大当り判定用テーブルを選択し、この判定値と乱数バッファから読込みした大当り判定用乱数の値とを比較することによって(S406)、一致する値があれば大当りとすることにし、一致する値がなければはずれとすることを決定する(S407)。なお、低確率時の大当り判定用テーブルにおいて、低確率時の大当り確率が1/315になるように設定されている。
図9は、始動入賞口7への入賞に基づく大当り図柄の決定に用いられる確変大当り図柄テーブルの説明図である。
始動入賞口7への入賞時には、図9に示すように、確変大当り図柄の判定値は「1」、「3」、「5」、「7」であり、確変状態となる割合(確変突入率)が1/4となるように設定されている。このとき、対応するダミー図柄として、「111」、「333」、「555」、「777」のいずれかの奇数図柄の組み合わせが演出図柄表示部30に表示される。
図10は、上記S420の詳細を示す特別図柄選択処理ルーチンのフローチャートである。まず、S408にてこの始動記憶を大当りとすることが決定されているか否かを判定する(S421)。
始動入賞口7への入賞に基づく始動記憶を大当りとすることが決定されていれば、大当り図柄用乱数を乱数バッファから読込み(S422)、この大当り図柄用乱数と確変大当り図柄テーブルの判定値とを比較することによって(S423)、大当り図柄を決定する(S424)。ここで、決定された大当り図柄が奇数図柄であった場合には、確変大当り遊技を提供し、この始動記憶に基づく変動表示の次の変動表示から確変状態に制御される。また、決定された大当り図柄が偶数図柄であった場合には、通常大当り遊技を提供する。
始動入賞口7への入賞に基づく始動記憶を大当りとしないことが決定されていれば、はずれ図柄用乱数を乱数バッファから読込み(S425)、このはずれ図柄用乱数とはずれ図柄テーブル(図示しない)の判定値とを比較することによって(S426)、はずれ図柄を決定する(S427)。
図11は、上記S440の詳細を示す変動パターン作成処理ルーチンのフローチャートである。変動パターンとは、ダミー図柄の変動を開始させ、所定の変動過程を経て、ダミー図柄の変動を終了させるまでのダミー図柄の変動状態を設定したものである。
まず、大当りとすることが決定されているか否かを判定し(S441)、S407にて大当りとすることを判定している場合には、大当り用の変動パターン候補を提供する第1変動パターン群を選択する(S442)。
大当りとしないことを判定している場合には(S441)、リーチをするか否かの判定に用いられるリーチ判定用乱数を乱数バッファから読込み(S445)、リーチをするか否かを判定するリーチ判定処理を実行する(S446)。
リーチをすることを判定した場合には、リーチはずれ用の変動パターン候補を提供する第2変動パターン群を選択する(S448)。一方、リーチをしないことを判定した場合には、はずれ用の変動パターン候補を提供する第3変動パターン群を選択する(S449)。
次いで、変動パターンの選択に用いられる変動パターン選択用乱数を乱数バッファから読込み(S450)、S442,S448,S449にて選択された第1変動パターン群〜第3変動パターン群の何れかから、読込んだ変動パターン選択用乱数に基づき1つの変動パターンに決定する(S451)。
なお、上記した第1変動パターン群〜第3変動パターン群の各々の変動パターン群には、遊技状態が確変状態であるときに選択され、通常状態の変動時間よりも変動時間が短縮された時短制御用の変動パターン群が設定されている。従って、遊技状態が通常状態であることを判定した場合には、第1変動パターン群〜第3変動パターン群の各々の変動パターン群のうち通常状態用の変動パターン候補を提供する変動パターン群を選択し、遊技状態が確変状態であることを判定した場合には、第1変動パターン群〜第3変動パターン群の各々の変動パターン群のうち確変状態用の変動パターン候補を提供する変動パターン群を選択することになる。
また、第1変動パターン群〜第3変動パターン群の各々の変動パターン群には、それぞれ特定の変動パターンが含まれており、その特定の変動パターンが選択された場合には、後述するように、特別図柄疑似始動記憶表示装置31の始動記憶数が疑似的に増加されると共に、増加した始動記憶に対応させて変動表示を疑似的に複数回行なう態様の演出表示が演出用表示装置6で表示制御される。
また、大当り判定、リーチ判定、及び遊技状態に基づいて変動パターン群が選択され、この選択された変動パターン群から変動パターン選択用乱数に基づいて1つの変動パターンに決定される。この決定された変動パターンは、ダミー図柄の変動開始を指定する指定コマンドが含まれる変動パターン指定コマンドとして、S180の特別図柄/特別電動役物処理において演出図柄制御基板55に送信される。そして、演出図柄制御基板55は、送信された変動パターン指定コマンドに基づいて、ダミー図柄の変動を開始させ、所定の変動過程を経て、ダミー図柄の変動を終了させるまでのダミー図柄の変動状態を演出図柄表示部30に表示する。
以上、遊技制御基板35で実行される遊技制御処理ルーチンについて説明したが、次に、上記した特定の変動パターンによる演出表示の一例について、図12を参照して説明する。図12は、演出図柄表示部30において特定の変動パターンによる演出表示を含むダミー図柄の変動表示の態様を表す図である。
まず、始動入賞口7に遊技球が入賞することにより、図12(A)に示すように、演出図柄表示部30でダミー図柄の変動表示が開始される。この変動表示の態様は、3つのダミー図柄が上から下に向って回転する態様である。また、このとき、特別図柄表示装置21の左右の特別図柄が交互に点灯表示される。このように、演出図柄表示部30でダミー図柄の変動表示が行われているとき、始動入賞口7に遊技球が入賞することにより、図12(B)で示すように、特別図柄疑似始動記憶表示装置31のもっとも左側の始動記憶の表示部分が点灯する。このとき、特別図柄始動記憶表示装置22が赤色で点灯する。なお、特別図柄疑似始動記憶表示装置31は、図12(B)で示すように、4個の始動記憶を表示するようになっている。
演出図柄表示部30でダミー図柄の変動表示が行われているとき、更に始動入賞口7に遊技球が入賞することにより、図12(C)で示すように、特別図柄疑似始動記憶表示装置31の左から2番目の始動記憶の表示部分が点灯する。このとき、赤色で点灯していた特別図柄始動記憶表示装置22が黄色の点灯に変わる。なお、この2番目の始動記憶(3番目の始動入賞)に基づいて特定の変動パターンによる演出表示が行われるものとするが、この場合、この始動記憶に基づく演出表示が特定の変動パターンによるものであることは遊技者には認識できない。
そして、最初の始動入賞に基づくダミー図柄の変動表示が開始して所定の時間が経過すると、図12(D)で示すように、変動表示が停止して結果が表示される。このように、最初の始動入賞に基づく変動表示の結果が表示された後、所定の時間が経過すると、図12(E)で示すように、最初の始動記憶(2番目の始動入賞)に基づくダミー図柄の変動表示が開始すると共に、特別図柄疑似始動記憶表示装置31の左から2番目の始動記憶の表示部分が消灯する。このとき、黄色で点灯していた特別図柄始動記憶表示装置22が再び赤色の点灯に変わる。
2番目の始動入賞に基づくダミー図柄の変動表示が開始して所定の時間が経過すると、図12(F)で示すように、変動表示が停止して結果が表示される。このように、2番目の始動入賞に基づく変動表示の結果が表示された後、所定の時間が経過すると、図12(G)で示すように、2番目の始動記憶(3番目の始動入賞)に基づくダミー図柄の変動表示が開始する。このとき、前述したように、3番目の始動入賞に基づく演出表示は特定の変動パターンによるものであるため、以降の演出表示は疑似的に増加した始動記憶に対応した変動表示を疑似的に複数回行なう態様の演出表示となる。まず、変動表示の態様は、前述したような3つのダミー図柄が上から下に向けて回転する態様ではなく、図12(G)で示すように、中心のダミー図柄は上から下に向けて回転すると共に、左右のダミー図柄は内側から外側に向けて回転する態様の演出表示となる。
また、特定の変動パターンによるものであるため、特別図柄疑似始動記憶表示装置31の始動記憶の表示数が4個から8個に増加する。増加した分の4個の始動記憶は、図12(G)で示すように、当初、表示されていた4個の特別図柄疑似始動記憶表示装置31の左側に位置するように表示される。そして、当初、表示されていた4個の特別図柄疑似始動記憶表示装置31のもっとも左側の始動記憶の表示部分が消灯すると共に、増加した分の4個の始動記憶の表示部分が点灯する。なお、このとき、赤色で点灯していた特別図柄始動記憶表示装置22は消灯する。
3番目の始動入賞に基づくダミー図柄の変動表示が開始して所定の時間が経過すると、図12(H)で示すように、変動表示が停止して結果が表示される。この表示された結果を示すダミー図柄は、図12(H)で示すように、それまでとは異なる新たな字体の数字で表示される。このように、3番目の始動入賞に基づく変動表示の結果が表示された後、所定の時間が経過すると、図12(I)で示すように、変動表示が開始すると共に、増加した分の特別図柄疑似始動記憶表示装置31のもっとも左側の始動記憶の表示部分が消灯する。このとき、ダミー図柄の演出表示は、図12(I)で示すように、中心のダミー図柄は下から上に向けて回転すると共に、左右のダミー図柄は外側から内側に向けて回転する態様の演出表示となる。
増加した分の特別図柄疑似始動記憶表示装置31のもっとも左側の始動記憶に基づくダミー図柄の変動表示が開始して所定の時間が経過すると、図12(J)で示すように、変動表示が停止して結果が表示される。この表示された結果を示すダミー図柄は、図12(J)で示すように、それまでとは異なる新たな字体の数字で表示される。
上記のように、通常の変動表示とは異なる態様の変動表示及び、通常の字体とは異なる字体のダミー図柄によって演出表示が繰り返される。そして、増加した分の特別図柄疑似始動記憶表示装置31の始動記憶が左側から順に消灯し、図12(K)で示すように、もっとも右側の始動記憶だけが点灯した状態でダミー図柄が表示されたときにも、そのダミー図柄は、それまでとは異なる新たな字体の数字で表示される。
もっとも右側の始動記憶だけが点灯すると共にダミー図柄が表示された後、所定の時間が経過すると、図12(L)で示すように、変動表示が開始すると共に、増加した分の特別図柄疑似始動記憶表示装置31のもっとも右側の始動記憶の表示部分が消灯する。このとき、ダミー図柄の演出表示は、図12(L)で示すように、中心のダミー図柄は下から上に向けて回転すると共に、左右のダミー図柄は内側から外側に向けて回転する態様の演出表示となる。
図12(L)で示す態様でダミー図柄が変動表示した後、所定の時間が経過すると、図12(M)で示すように、3つのダミー図柄が上から下に向けて回転する通常の態様の演出表示に戻ると共に、特別図柄疑似始動記憶表示装置31の始動記憶の表示数が4個に戻る。即ち、特定の変動パターンから通常の変動パターンに戻ることとなる。そして、特定の変動パターンから通常の変動パターンに戻った後、所定時間が経過すると、図12(N)で示すように、最終的な表示結果が表示される。
上記したように、本実施形態においては、特別図柄疑似始動記憶表示装置31でダミー図柄(特別図柄)の始動記憶が疑似的に増加され、この増加された始動記憶に対応させてダミー図柄の変動表示を疑似的に複数回行なう態様の演出を行うことができるため、遊技者は、始動記憶とダミー図柄の変動表示とが単純に連動した変化のない演出とは異なった、変化に富んだ多彩な演出を楽しむことができる。
なお、上記した実施形態においては、特定の変動パターンとして、ダミー図柄の変動表示の回転方向及びダミー図柄の字体が、通常の変動パターンと異なるものを示したが、このようなものに限らず、例えば、特別図柄疑似始動記憶表示装置31の始動記憶が疑似的に増加されると共に、特定の変動パターンではダミー図柄として数字の代わりにキャラクタが表示されるものや、あるいは、表示されたキャラクタが数字のダミー図柄を移動させたり消滅させる等の演出を行うもの等であってもよい。即ち、特定の変動パターンでは、通常の変動パターンとは異なる態様の演出表示を行なうものであればよい。