以下に、本発明を、いわゆる第1種パチンコ機に適用した第一実施例を説明する。なお、本実施例のパチンコ機においては、以下に述べる特別保留記憶、特別保留記憶数が、本発明の保留記憶、保留記憶数に対応するものである。この特別保留記憶以外にも普通保留記憶が存在するが、単に保留記憶、保留記憶数と記載したものはこの特別保留記憶、特別保留記憶数を指すものである。
図1は本実施例におけるパチンコ機の遊技盤1の正面図である。この遊技盤1の盤面上には、ほぼ円形を呈する誘導レール2によって遊技領域3が区画形成されている。
この遊技領域3の中央には、液晶表示器、発光ダイオードLED等を組み込んだセンターケース4が配設される。そして、センターケース4の右下方に、7セグメント指示器からなる特別図柄表示装置40が配設される。この特別図柄表示装置40上に表示される特別図柄xは「0」〜「9」及び「H」「L」の数字,文字からなり、後述する特別始動領域14を遊技球が通過すると、特別図柄xが変動開始し、その後確定表示する一連の図柄生成行程を実行する。そして、確定表示した特別図柄xが所定の当り態様(ここでは「H」または「L」)である場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り遊技が実行される。
また、特別図柄表示装置40の右上方には、四個の発光ダイオードLEDからなる特別保留記憶数表示装置41が設けられている。この特別保留記憶数表示装置41は、発光ダイオードLEDの点灯数により、後述する主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別保留記憶数Uを表示する。
図2は、この遊技領域3の中央に配設されたセンターケース4の正面図である。ここでセンターケース4内には、本発明の保留記憶数擬似表示装置を構成する演出表示器6が組み付けられている。この演出表示器6は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、前面に演出表示領域7が形成される。そして、この演出表示領域7の中央には擬似図柄α、擬似図柄β、及び擬似図柄γがそれぞれ表示され、演出表示領域7の左下位置には、ニワトリ等のキャラクタからなる保留表示体dが表示される。本実施例にあっては、演出表示領域7に表示される保留表示体dの数により、保留記憶数(特別保留記憶数U)を擬似表示するものである。すなわち、特別保留記憶が追加されると、演出表示領域7に保留表示体dが一つ加算され(加算表示)、図柄生成行程が開始され特別保留記憶が消化されると、保留表示体dが一つ減算される(減算表示)。従って、本実施例にあっては、本発明の保留記憶数擬似表示装置の加減表示とは、かかる保留表示体dの加減表示を指すものである。
一方、擬似図柄α,β,γは、それぞれ「0」〜「9」の数字からなると共に、各擬似図柄α,β,γが数字の順序に配列された上下方向の擬似図柄列を構成している。そして、演出表示領域7では、擬似図柄α,β,γが変動開始した後、停止して確定表示する一連の擬似図柄生成行程を実行する。かかる擬似図柄生成行程は、定常状態では、前記特別図柄表示装置40の図柄生成行程と同期して実行される。すなわち、特別図柄xの変動開始と同期して、擬似図柄α,β,γが変動開始し、特別図柄xの図柄停止と同期して擬似図柄α,β,γの変動を停止させる。そして、特別図柄xが所定の当り図柄で確定表示する場合には、擬似図柄も所定の当り態様(α=β=γ)を確定表示し、特別図柄xが当り図柄で確定表示しない場合には、擬似図柄α,β,γも所定のハズレ態様(α=β=γ以外)で確定表示する。また、この擬似図柄生成行程中には、後述のリーチ演出等が行われ、遊技を盛り上げるようになっている。なお、後述するように第二の表示制御行程の実行中には、擬似図柄生成行程は、特別図柄生成行程と必ずしも同期せず、一回の特別図柄生成行程中に、複数回の擬似図柄生成行程が行われる場合も生じる。
このように、本実施例では演出表示器6が本発明の保留記憶数擬似表示装置を構成し、保留表示体dの表示数により保留記憶数を擬似表示すると共に、その表示領域7で、擬似図柄生成行程を実行することにより、図柄表示装置としての働きも行うものである。また、本実施例にあっては、演出表示領域7で、保留表示体dの加減表示と、擬似図柄生成行程とが、相互に関連した演出表示が行われる。この演出表示器6の演出表示内容は、本発明の要部にかかり、詳しくは後述する。なお、かかる保留記憶数擬似表示装置は、本実施例の形態に限らず、ランプや発光ダイオードLED等により構成しても構わない。
一方、演出表示領域7の上方位置には、三個の発光ダイオードLEDからなる普通図柄表示装置50が配設される。そして、後述する普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過すると、この発光ダイオードLEDが順次点滅した後、種々の点灯態様のいずれかで点灯する。この点灯態様が所定の点灯態様であると当りとなり、後述の普通電動役物15が拡開作動する。
また、演出表示器6の左位置には、四個の発光ダイオードLEDからなる普通保留記憶数表示装置11が配設されている。この普通保留記憶数表示装置11は、後述の普通図柄始動スイッチS2(図3参照)の遊技球検出を、主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域が記憶した場合に、その記憶数を表示するものである。
さらに、図1に示すように、センターケース4の両側方には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)13,13が設けられる。この普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過すると、この普通図柄作動ゲート13に内蔵された普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検知し、かかる検知信号に基づいて、前記普通図柄表示装置50を点滅開始させる。
また、センターケース4の直下位置には、内部を特別始動領域14とする普通電動役物15が配設されている。この普通電動役物15は、開閉翼片を備え、普通図柄表示装置50の点灯態様が、上述の当り態様の場合に、この開閉翼片が所定時間拡開する。このように、普通電動役物15が拡開作動すると、開閉翼片により入賞口を兼ねた入り口の開口度が変化し、遊技球が特別始動領域14を通過し易い(入賞し易い)状態となる。なお、この開閉翼片の拡開作動は、普通電動役物ソレノイド(図3参照)により作動する。また、この普通電動役物15内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が備えられ、特別図柄始動スイッチS1が特別始動領域14の遊技球通過を検知すると、特別図柄x及び擬似図柄α,β,γの始動(変動開始)条件が成立する。
普通電動役物15の直下位置には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23を具備する可変入賞装置25が配設されている。この可変入賞装置25は横長矩形状の開閉片24を具備し、この開閉片24は大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御されることにより大入賞口23を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する。そして、特別図柄xの組合せが当り態様(「H」または「L」)であると、開閉片24が開き、さらに、その開放状態にある開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球が案内される。そして、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドが実行される条件が満たされ、所定の開閉ラウンド数だけ開閉片24の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利益を付与する。この可変入賞装置25の開閉作動は、本発明にかかる大当り遊技を構成するものである。なお、大入賞口23内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
次に、本実施例のパチンコ機の遊技作動を簡単に説明する。なお、上述のように本実施例のパチンコ機は、第1種パチンコ機に本発明を適用したものであり、第1種パチンコ機に準じた遊技が実行される。このため、従来の第1種パチンコ機と遊技作動が共通する部分についての詳細な説明は省略する。
遊技球が発射装置から遊技盤1の遊技領域3に発射され、該遊技球が特別始動領域14を通過した場合、後述の主制御基板60(図3参照)で各種乱数が取得され、図柄生成行程が直ちに開始可能であれば、特別図柄表示装置40の特別図柄x及び演出表示器6上の擬似図柄α,β,γを変動させ、図柄生成行程および擬似図柄生成行程を開始させる。
一方、図柄生成行程の実行中等で、図柄生成行程が開始できない場合には、取得された複数の乱数値が保留記憶として記憶保持され、特別保留記憶数表示装置41が一つ加算表示される。また、これと同時に演出表示領域7上で保留表示体dが一つ加算表示される。
さらには、この特別始動領域14の遊技球通過に基づき、遊技者に所定数の賞球が払出されると共に、スピーカや装飾用ランプが所定態様で作動し、遊技を盛り上げる。なお、保留記憶は所定数(四個)を限度として記憶保持可能となっており、保留記憶の数が上限であった場合には、新たに保留記憶とすることができないため、賞球のみが遊技者に払出される。
上述のように、図柄生成行程が開始可能な状態で遊技球が特別始動領域14を通過するか、特別保留記憶が存在する状態で図柄生成行程が可能な状態に移行した場合に、新たな図柄生成行程が開始され、また、これに同期して演出表示領域7で擬似図柄生成行程が実行される。ここで、図柄生成行程の開始時には、特別保留記憶数表示装置41、及び演出表示領域7の保留表示体dがそれぞれ一つずつ減算表示される。
そして、図柄生成行程が開始すると、特別図柄xおよび擬似図柄α,β,γは所定時間変動し、その後、停止して当り図柄若しくはハズレ図柄をそれぞれ確定表示する。
ここで、擬似図柄生成行程中には、場合によって遊技者の大当りへの期待感を高めるいわゆるリーチ演出が実行される。このリーチ演出では、複数の擬似図柄α,β,γのうち少なくとも二箇所に同図柄が揃った状態で停止し、演出表示領域7の隅で小さく図柄列を表示し、それ以外で多様な演出が実行される。かかるリーチ演出が実行する場合には、通常よりも当り図柄で確定表示する頻度が高くなるように設定されており、遊技者はリーチ演出により大当りの期待感を高めると共に、演出表示領域7での多様な演出態様により、擬似図柄α,β,γが確定表示されるまで興奮を持続させることができる。
このように、本発明の保留記憶数表示装置を構成する演出表示器6では、遊技球が始動領域(特別始動領域)14を通過し、保留記憶(特別保留記憶)が追加されると、特別保留記憶数Uの増加に対応して、演出表示領域7で保留表示体dが加算表示される。一方、図柄生成行程が開始され、特別保留記憶が消去されると、特別保留記憶数Uの減少に応じて、演出表示領域7で保留表示体dが減算表示される。すなわち、かかる保留表示体dの加減表示は、本発明にかかる保留記憶数擬似表示制御手段の第一の表示制御行程によるものである。なお、第二の表示制御行程による保留表示体dの加減表示態様は、本発明の要部にかかるものであり、後で詳述する。
ここで、特別図柄x及び擬似図柄α,β,γがそれぞれ当り図柄で確定表示して当りとなると、図柄生成行程の終了後、以下の大当り遊技が実行される。すなわち、演出表示領域7上で開始ディレーが表示実行され、その後、大入賞口23が所定態様で開放作動し、遊技球の入賞に応じて賞球が払出される。
すなわち、スピーカからファンファーレが発せられると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24を前方に傾動して大入賞口23を開放し、開閉ラウンドを実行する。そして、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、1ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23が開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内に、遊技球が10個入賞しても、大入賞口23は閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大15回繰り返し、遊技者に所定の利得を供与する。そして、一連の可変入賞装置25の開閉作動が終了すると、演出表示領域7で終了ディレーを表示実行し、大当り遊技を終了する。
また、本実施例にあっては、大当り図柄が、特定の図柄「H」であった場合に、当該大当りによる大当り遊技の終了後に、確変遊技状態となるように制御している。ここで、確変遊技状態とは、通常遊技状態に比して大当り確率が高くなり、遊技者にとって有利な遊技状態である。さらに、後述する普通図柄表示装置50にあっては、通常遊技状態に比して、点滅時間が短縮されると共に、普通図柄の当りによって拡開作動する普通電動役物15の拡開時間が延長されるようにしている。
次に普通図柄表示装置50の変動態様について概説する。
遊技球が普通図柄作動ゲート13を通過すると、普通図柄表示装置50の三個の発光ダイオードLEDが点滅開始する。この普通図柄表示装置50の発光ダイオードLEDは、「両側の発光ダイオードLEDが点灯」又は「中央の発光ダイオードLEDのみが点灯」のいずれかの状態で点灯する。一方、この普通図柄表示装置50の点滅中に、又は普通電動役物15の開放動作中に、遊技球が普通図柄作動ゲート13を通過すると、当該遊技球通過は、後述する主制御基板60(図3参照)により記憶され、普通保留記憶数表示装置11の発光ダイオードLEDが点灯し、その普通保留記憶数を遊技者に報知する。
この普通図柄表示装置50の点滅停止後、又は普通電動役物15の開放動作終了後に、普通保留記憶数表示装置11に表示する普通保留記憶に基づいて普通図柄表示装置50は再び変動開始する。そして、所定時間経過すると点滅を停止し、中央の発光ダイオードLEDのみが点灯した状態であれば当りとなり、普通電動役物15の拡開作動を実行する。
図3は、本実施例のパチンコ機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられている。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものであり、始動判定手段や、保留記憶手段、そして本発明の保留記憶数擬似表示制御手段は、主にこの主制御基板60により実現される。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。ここで、この乱数テーブルとしては、大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ乱数テーブル、及び演出パターン乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUが各乱数テーブルから乱数値を取得する。
ここで、各乱数テーブルについて説明する。
大当り乱数テーブルは、0〜299の300コマからなる。ここで、図柄生成行程で確定表示された特別図柄xが、x=「L」であった場合には、これにより実行される大当り遊技後に、通常当り確率を適用する通常遊技状態とする。ここで、通常当り確率では、大当り乱数テーブルから取得した大当り乱数値KがK=7の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は1/300である。そして、Kがこれ以外の場合にはハズレとなる。一方、特別図柄xが、x=「H」であった場合には、これにより実行される大当り遊技後に、高当り確率を適用する確変遊技状態とする。この確変遊技状態では、次回に「大当り」となる確率(以下、大当り確率という)が前記通常遊技状態に比して向上する。すなわち、この確変遊技状態では、大当り乱数テーブルから取得した大当り乱数値KがK=7,11,127,233,273の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は5/300(=1/60)である。そして、Kがこれ以外の場合にはハズレとなる。
また、大当り図柄乱数テーブルは、0〜9の10コマからなり、取得した大当り乱数値Kの内容が「大当り」である場合に、特別図柄xが確定表示する値(「H」または「L」)、及び擬似図柄α,β,γがα=β=γで確定表示される組合せ図柄態様とが決まる。例えば、この大当り図柄乱数テーブルから取得した大当り図柄乱数値LがL=3の場合に、特別図柄は「H」で、擬似図柄は「3,3,3」で確定表示される。
これに対し、ハズレ図柄乱数テーブルは、取得した大当り乱数値Kの内容がハズレである場合に、特別図柄xの停止図柄態様がハズレ態様となる特別図柄xに基づいて擬似図柄α,β,γを決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、ハズレ図柄乱数値Mを取得する。
また、リーチ乱数テーブルからは、リーチ乱数値Nが抽出される。このリーチ乱数値Nは、大当り乱数値Kがハズレであった場合に、擬似図柄生成行程でリーチ演出を実行するか否かを決定するものである。そして、リーチ乱数値Nがリーチ演出を実行する所定値であると、ハズレ図柄乱数テーブルから選択したハズレ図柄乱数値Mに基づいて、後述の図柄制御基板62で擬似図柄α=γ≠βのハズレ態様を決定する。
そして、演出パターン乱数テーブルからは、演出パターン乱数値Gが選択され、所定の演出パターンテーブルから演出パターンを決定する際に参照される。すなわち、大当りである場合には、取得した演出パターン乱数値G、及び大当たり図柄乱数値Lに基づいて、演出パターンテーブルの大当り演出パターンテーブルから演出パターンを決定し、また、ハズレで、且つリーチ演出を実行する場合には、取得した演出パターン乱数値G、及びハズレ図柄乱数値Mに基づいて、演出パターン乱数テーブルのハズレリーチ演出パターンテーブルから演出パターンが決定される。さらに、ハズレで、リーチ演出も行わない場合には、ハズレ図柄乱数値M及び演出パターン乱数値Gに基づいて、演出パターン乱数テーブルのハズレ演出パターンテーブルから演出パターンが決定される(図10参照)。
ここで、上述の大当り演出パターンテーブルやハズレリーチ演出パターンテーブルには、各種のリーチ演出を伴う演出パターンが記憶される。これらのリーチ演出には、比較的大当りの発生する見かけ上の可能性が高い通常リーチ演出や、該通常リーチ演出に比して見掛け上の可能性がより高いロングリーチ演出や、該ロングリーチ演出よりさらに見掛け上の可能性が高いスペシャルリーチ演出等がある。また、各リーチ演出態様は、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止等によって、さらに多様なパターンを構成している。
また、主制御基板60の記憶装置ROMには、保留表示体dの加減表示にかかる保留演出パターン乱数テーブルや増加演出パターン乱数テーブルも記憶される。保留演出パターン乱数テーブルは0,1の2コマからなり、第二の表示制御行程の実行条件が成立した場合に、該乱数テーブルから保留演出パターン乱数値Qが取得される。そして、取得した保留演出パターン乱数値Qに従って、記憶装置ROMに記憶された保留演出表示パターンテーブル(図12参照)から演出内容が選択され、特別保留記憶数Uの増減とは独立して、演出表示領域7で保留表示体dが一つ又は二つ加減表示される。一方、増加演出パターン乱数テーブルは0〜59の60コマからなり、第二の表示制御行程中に、該乱数テーブルから増加演出パターン乱数値Hが取得される。この増加演出パターン乱数値Hは、保留表示体dの数が特別保留記憶数Uより一つ多い場合には、H=0〜29の範囲内となるように選択され、保留表示体dの数が特別保留記憶数Uより二つ多い場合には、H=30〜59の範囲となるように選択される。そして、かかる増加演出パターン乱数値Hに従って、記憶装置ROMに記憶された増加演出用の演出パターンテーブル(図11参照)から、演出パターンが選択され、後述する一つの図柄生成行程中に、演出表示領域7で、見掛け上、複数回の擬似図柄生成行程を実行する増加演出パターンが決定される。
一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動による通過記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。すなわち、記憶装置RAMに特別保留記憶及び普通保留記憶がそれぞれ記憶保持される。
特別保留記憶は、特別始動領域14の遊技球通過により取得された大当り乱数値K等の各種乱数値を一纏めにして保持するものである。記憶装置RAM内には、特別保留記憶四個分の情報を記憶可能であり、時系列順に該乱数値を特別保留記憶として記憶保持し、特別図柄表示装置40で図柄生成行程が終了すると、記憶保持した中で最も先に記憶保持した特別保留記憶に基づいた図柄生成行程を実行開始すると同時に、かかる特別保留記憶を記憶装置から消去する。そして、記憶装置RAMに何個、すなわち図柄生成行程何回分の保留記憶が記憶されているかが、特別保留記憶数Uとして記憶装置RAMに記憶保持される。
また、記憶装置RAM内には、演出表示領域7に表示する保留表示体dの数を主制御基板60で管理するための擬似保留記憶数DUや、第二の表示制御行程の加算表示と減算表示の数を同一にするための演出回数、さらには、第二の表示制御行程の実行処理にかかる各種のフラグを記憶するための記憶領域も設けられる。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチS1が接続されると共に、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、及びカウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに各スイッチS1〜S4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15の開閉翼片を拡開する普通電動役物ソレノイドや、可変入賞装置25の開閉片24を開閉する大入賞口ソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62,63,64,65にそれぞれ出力し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
上記の図柄表示制御基板62には、演出表示器6の演出表示領域7の表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、演出表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、擬似図柄生成行程の表示パターン、保留表示体dの表示パターン等の表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。尚、この図柄表示制御基板62および前記主制御基板60により、本発明の保留記憶数擬似表示制御手段が構成される。
図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の演出表示態様を表示するデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記データに従って演出表示器6の演出表示領域7に所定態様で表出させる。
ここで、主制御基板60から、図柄表示制御基板62へ送られる各種コマンドを説明する。まず、演出表示領域7の保留表示体dを加減するためのコマンドは大きく4つに分けられる。第一の表示制御行程における加算表示を行う第一保留表示体加算コマンド、第一の表示制御行程の減算表示を実行させる第一保留表示体減算コマンド、そして、第二の表示制御行程の加減表示を実行させる第二保留表示体加算コマンド、第二保留表示体減算コマンドである。図柄表示制御基板62は、第一保留表示体加算コマンド、及び第一保留表示体減算コマンドを受信すると、直ちに演出表示領域7の保留表示体dを一つ加算または減算する。一方の第二保留表示体加算コマンドと、第二保留表示体減算コマンドは、保留表示体dを加減する数、そのタイミング、また加減させる際の演出態様等の情報が含まれ、図柄表示制御基板62は該コマンドに従って演出表示領域7の保留表示体dを加減表示させる。
また、主制御基板60から図柄表示制御基板62へは、擬似図柄変動開始コマンドや、擬似図柄停止コマンド、演出パターンデータ等も適宜出力され、演出表示領域7で擬似図柄生成行程を実行させる。すなわち、図柄表示制御基板62は、擬似図柄変動開始コマンドを受信すると、擬似図柄α,β,γを変動開始し、該変動開始コマンドと略同時に入力された演出パターンデータに基づいて擬似図柄生成行程を実行する。そして、擬似図柄停止コマンドを受信すると、その情報に従って、演出表示領域7の擬似図柄α,β,γを停止し、確定表示させる。
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを、出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板64には、特別図柄表示装置40、特別保留記憶数表示装置41、普通図柄表示装置50、普通保留記憶数表示装置11、その他の装飾ランプ等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、発光ダイオードLEDやランプ等の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、発光ダイオードLEDやランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードLEDやランプ等を点灯、点滅させる。また、主制御基板60から光源制御基板64へ送られるコマンドとしては、特別保留記憶数表示装置41を一つ加算表示させるための保留数加算コマンドと、一つ減算表示させるための保留数減少コマンドや、特別図柄表示装置40上の特別図柄xを変動開始させる特別図柄変動開始コマンド、変動中の特別図柄xを停止させ確定表示させる特別図柄変動停止コマンド等がある。
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを、出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
次に、主制御基板60で行われる、本実施例のパチンコ機の制御処理を説明する。
図4に示すように、本実施例の制御処理は、複数のサブルーチンからなるメインルーチンを繰り返し実行するものである。
メインルーチンがスタートすると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、電源投入時であるか否かをまず判定する。ここで、電源投入時である場合は、初期化処理を実行し、初期値乱数更新処理に移行して無限ループ処理を実行する。
一方、電源投入時でない場合は、次に出力処理、入力処理、乱数作成処理、初期値乱数更新処理、遊技枠処理、スイッチ処理、始動口処理、大入賞口処理、特別図柄処理、普通電動役物処理、普通図柄処理、データ作成処理、エラー制御処理を実行し、次に初期値乱数更新処理に移行して無限ループ処理を実行する。なお、このメインルーチンは、上述したタイマーTMによりカウントされる所定単位時間(2ms)ごとに実行される。
このメインルーチンの構成は、従来のパチンコ機で採用されているものであり、上述したサブルーチンの多くは従来同様の制御処理を行うものである。ここでは、本発明にかかる保留表示体dの加減表示の制御処理が実行される始動口処理、及び特別図柄処理の二つのサブルーチンについて詳述する。
まず、始動口処理について、図5を参照して説明する。始動口処理では、特別始動領域14の遊技球通過に関する処理を行う。始動口処理では、その開始時に、所定期間内に遊技球が特別始動領域14を通過しているか、すなわち特別図柄始動スイッチS1がON作動しているかをチェックする。そして遊技球通過がない場合には始動口処理を終了し、遊技球通過を確認した場合には、以下に述べる制御処理を実行する。
まず、記憶装置RAMに累積して記憶保持される特別保留記憶数UがU<4であるか否かを判定する。そして、特別保留記憶数UがU≧4である場合は、記憶装置RAMに新規の特別保留記憶を追加不可能であり、始動口処理を終了する。
一方、特別保留記憶数UがU<4であると、監視期間フラグがONであるか否かの判定を行う。監視期間フラグは、第二の表示制御行程を行うと決定された場合に該フラグがONとなり、図柄生成行程が終了するとOFFとなる。そして、判定結果が監視期間フラグがONでない場合は、この時点で入賞球が発生しても第二の表示制御行程には関係ないので、期間入賞球フラグをOFFとする。また、監視期間フラグがONの場合は、この時点で入賞球が発生した場合は、期間入賞球フラグをONとして、後述の減算表示パターンを実行する。
そして、記憶装置ROMに格納されている大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、及びリーチ乱数テーブルから、大当り乱数値K、大当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値M及びリーチ乱数値Nをそれぞれ取得し、取得した各乱数値を一つの特別保留記憶として、記憶装置RAMの記憶領域に追加格納する。そして、特別保留記憶の追加と共に、特別保留記憶数Uを一つ増加(U=U+1)させ、擬似保留記憶数DUも同様に一つ増加(DU=DU+1)する。そして図柄表示制御基板62へ第一保留表示体加算コマンドを、光源制御基板へ保留数加算コマンドを出力し、演出表示領域7上の保留表示体d、及び特別保留記憶数表示装置41の点灯数を加算する。このように、特別始動領域14を遊技球が通過し、保留記憶数Uが一つ増加すると、これに応じて保留表示体dが一つ加算表示される。すなわち、かかる始動口処理における保留表示体dの加算表示は、第一の表示制御行程によるものである。
次に、図柄生成行程、擬似図柄生成行程、及び図柄生成行程の保留表示体dの表示制御にかかる特別図柄処理について説明する。特別図柄処理では、図6に示すように、まず主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、大当り遊技中であるかを確認し、大当り遊技中であれば、特別図柄処理を終了する。 次に特別図柄xが変動中(図柄生成行程中)であるかを判定し、変動中であれば後述する変動中処理を実行する。一方、特別図柄が変動中でない場合は、記憶装置RAMに保留記憶が存在しているか否かを判定し、存在している場合(特別保留記憶数U>0)は、後述する変動開始処理を実行する。これに対し、特別保留記憶がない場合(特別保留記憶数U=0)は、そのまま特別図柄処理を終了する。
変動中処理では、図7に示すように、図柄生成行程の開始時に記憶装置RAMにセットされた(残りの)変動時間を確認し、変動時間が残っている場合(変動時間≠0)には、変動時間を減算し変動中処理を終了する。一方、変動時間=0であれば、擬似図柄変動停止コマンドを図柄表示制御基板62に、特別図柄変動停止コマンドを光源制御基板64にそれぞれ出力し、変動中の特別図柄x、及び擬似図柄α,β,γを停止させて、所定の確定図柄を特別図柄表示装置40、演出表示器6に表示させる。そして、監視期間中である場合は、監視期間である図柄変動が終了したことで、監視期間フラグをOFFとし、また、監視期間中で無い場合は、監視期間フラグのOFFを継続し、変動中処理を終了する。
変動開始処理では、記憶装置RAMに記憶された保留記憶のうち、最も古い保留記憶に基づいた図柄生成行程を開始する。この変動開始処理は、図8に示すように、まず当該保留記憶として記憶された大当り乱数値Kとリーチ乱数値Nを確認し、該当する図柄生成行程を当り・ハズレのいずれかとするか、及び擬似図柄生成行程でリーチ演出を実行するかどうかを判定する。そして、開始する図柄生成行程が、当りであれば大当りフラグをONに、リーチ演出を実行するものであればリーチフラグをONにする。
続いて、以下の三つの条件の判定を行う。
1.特別保留記憶数Uが、U=2である。
2.当該変動が大当たりでない。
3.期間入賞球フラグがOFFである。
そして、全ての条件が満足された場合には、記憶装置RAM内の増加フラグをONとする。この増加フラグがONとなると、主制御基板60及び図柄表示制御基板62により、第二の表示制御行程が実行される。
次いで、保留記憶として保持される乱数値に基づいて、図柄生成行程の時間、確定図柄、演出パターン等を決定する演出パターン選択処理を実行する。また、かかる演出パターン選択処理では、第二の表示制御行程にかかる保留表示体dの加減表示制御処理も実行される。この演出パターン選択処理は、本発明の要部にかかり詳細な説明は後述する。
その後、特別保留記憶数Uと擬似保留記憶数DUを夫々1減算し、決定した演出パターンに対応する変動時間を、所定記憶領域に保持した後、特別図柄変動開始コマンドを光源制御基板64に、擬似図柄変動開始コマンド及び演出パターンの情報を図柄表示制御基板62へ送信し、特別図柄表示装置40で図柄生成行程を、演出表示器6で擬似図柄生成行程を開始させる。
また、図柄表示制御基板62に第一保留表示体減算コマンドを、光源制御基板64に保留数減算コマンドを出力し、図柄生成行程の開始と同時に、保留表示体dと、特別保留記憶数表示装置41の点灯数を一つずつ減少させる。この保留表示体dの減算表示させる処理は保留記憶数Uの減少に応じたものであり、第一の表示制御行程によるものである。
演出パターン選択処理の制御処理を説明する前に、本実施例における第二の表示制御行程の概要を説明する。
上述したように、第二の表示制御行程は、図柄生成行程の開始時に
1.特別保留記憶数Uが、U=2である。
2.当該変動が大当たりでない。
3.期間入賞球フラグがOFFである。
という三つの条件を満足している場合に実行される。すなわち、これが第二の表示制御行程の実行条件となる。そして、この第二の表示制御行程では、特別保留記憶数Uの増減とは独立した保留表示体dの加減表示が、連続する二回の図柄生成行程の間に実行される。
具体的には、第二の表示制御行程では、変動開始処理で実行条件が成立した当該図柄生成行程中に保留表示体dを1つまたは2つ加算表示させ、保留表示体dの数を特別保留記憶数Uよりも多くさせる。すなわち、本実施例にあっては、第二の表示制御行程により保留記憶数擬似表示装置の加算表示を行う第一のタイミングは、変動開始処理時に第二の表示制御行程が成立した図柄生成行程の期間中となっている。
そして、続く図柄生成行程中に、加算した保留表示体dと同数の減算表示を行い、保留表示体dの数を特別保留記憶数Uと同数とする。ここで、本実施例にあっては、第二の表示制御行程の実行条件が成立した当該図柄生成行程中(監視期間)に、遊技球が特別始動領域14を通過しなかった場合(期間入賞球フラグOFF)と、通過した場合(期間入賞球フラグON)とで、保留記憶数擬似表示装置の減算表示を行う第二のタイミングが異なる。すなわち、前者では、続く図柄生成行程中に演出表示領域7で、見掛け上、複数回の擬似図柄生成行程が実行され、この擬似図柄生成行程を開始するタイミングに合わせて保留表示体dの減算表示が行われる。一方、後者では、続く図柄生成行程中に、表示中の保留表示体dのキャラクタを変化させるといった演出が行われ、この演出タイミングに合わせて保留表示体dの減算が行われる。以下、前者を減算演出パターンAと、後者を減算演出パターンBと呼ぶ。
以下に、第二の表示制御行程の制御処理にかかる前記演出パターン選択処理を、図9A〜Cを参照して詳細に説明する。まず、第二の表示制御行程が実行されない場合(演出回数=0、増加フラグ=OFF)の制御処理について説明する。第二の表示制御行程が実行中でない場合(増加フラグOFF,演出回数=0,期間入賞球フラグOFF)には、図9Bに示されるように、演出パターン乱数テーブルから演出パターン乱数値Gを取得する。そして、次に大当りフラグがONであるか否かを判定する。ここで、大当りフラグがONである場合は、取得した演出パターン乱数値G、及び大当り図柄乱数値Lに基づいて、大当り演出パターンテーブル(図10参照)から演出パターンを決定する。一方、大当りフラグがOFFである場合は、次にリーチフラグがONであるか否かを判定する。ここで、リーチフラグがONであると、取得した演出パターン乱数値G、及びハズレ図柄乱数値Mに基づいて、ハズレリーチ演出パターンテーブル(図10参照)から演出パターンを決定する。これに対し、リーチフラグがOFFであると、取得した演出パターン乱数値G、及びハズレ図柄乱数値Mに基づいて、ハズレ演出パターンテーブル(図10参照)から演出パターンを決定する。そして、それぞれの場合で決定した演出パターンを、当該図柄生成行程中に実行することとなる演出パターンとし、演出パターン選択処理を終了する。
次に、第二の表示制御行程の開始条件が成立して、増加フラグがONとなった場合(保留記憶=2、当該変動の大当たり判定=ハズレ、期間入賞球フラグOFF)の演出パターン選択処理について説明する。かかる場合には、前記通常時と同様に、大当り、リーチ演出あり、リーチ演出なしを判別し、それぞれの場合に応じて演出パターンを決定する。その後、増加フラグがONであることを確認し、保留演出パターン乱数テーブルから保留演出パターン乱数値Qを取得する。この保留演出パターン乱数値QがQ=0である場合には、当該図柄生成行程中に、特別保留記憶数Uの増減とは関係なく保留表示体dを一つ加算表示する保留演出パターン1に決定する。そして、演出回数=1とすると共に、擬似保留記憶数DUを一つ加算する。
一方、この保留演出パターン乱数値QがQ=1である場合には、当該図柄生成行程中に保留表示体dを、保留記憶の増減とは関係なく2つ加算する保留演出パターン2に決定する。そして、演出回数=2とすると共に、擬似保留記憶数DUを二つ加算する。
そして、決定した図柄生成行程にかかる演出パターンを今回図柄生成行程中に実行する演出パターンとすると共に、それぞれの場合で決定した保留演出パターンを実行させる第二保留表示体加算コマンドを図柄表示制御基板62に出力し、当該図柄生成行程中に保留表示体dを一つ又は二つ加算表示させる。さらに、監視期間フラグをONとして、当該図柄生成行程中に特別始動領域14を通過する遊技球を期間入賞球フラグでチェックするようにして、演出パターン選択処理を終了する。
次に、前記減算表示パターンAを実行する場合の演出パターン選択処理について説明する。上述のように、減算表示パターンAは、直前の図柄生成行程中(監視期間)に、保留記憶が追加されなかった場合(増加フラグ=OFF,演出回数>0,期間入賞球フラグOFF)に実行される。かかる場合には、図9Aに示すように、まず演出回数を判定し、保留表示体dの数が特別保留記憶数Uをいくつ上回っているかを確認する。そして、演出回数=1である場合には、増加演出パターン乱数テーブルから0〜29中のいずれかの値を増加演出パターン乱数値Hとして取得する。一方、演出回数=1でない場合(すなわち演出回数=2)には、増加演出パターン乱数テーブルから30〜59中のいずれかの値を増加演出パターン乱数値Hとして取得する。
さらに、リーチフラグがONであるかを確認し、ONである場合には、取得した増加演出パターン乱数値Hに基づいて、増加演出用のハズレリーチ演出パターンテーブル(図11参照)から演出パターンを決定する。一方、リーチフラグがOFFである場合には、取得した増加演出パターン乱数値Hに基づいて、増加演出用のハズレ演出パターンテーブルから演出パターンを決定する。そして、ハズレ図柄乱数値Mに基づいてハズレ図柄を決定し、決定された演出パターンを今回の演出パターンとする。そして、第二保留表示体減算コマンドを出力信号として格納して、当該図柄生成行程中に、演出表示領域7で実行される複数の擬似図柄生成行程の、夫々の開始時に合わせて、保留表示体dが一つずつ減算表示されるように設定する。その後に、演出回数=0とすると共に、擬似保留記憶数DUの値を特別保留記憶数Uと一致させて、演出パターン選択処理を終了する。
次に、前記減算表示パターンBを実行する場合の演出パターン選択処理について説明する。上述のように、減算表示パターンBは、直前の図柄生成行程中(監視期間)に、保留記憶が追加された場合(増加フラグ=OFF,演出回数>0,期間入賞球フラグON)に実行される。かかる場合には、図9Bに示すように、前記通常時と同様に、大当り、リーチ演出あり、リーチ演出なしを判別し、それぞれの場合に応じて演出パターンを決定する。その後、期間入賞球フラグがONであることを確認し、図9Cに示すように、減算表示行程Bを実行するための以下の処理を実行する。
まず演出回数を判定し、保留表示体dの数が特別保留記憶数Uをいくつ上回っているかを確認する。そして、演出回数=1である場合には、図柄生成行程中に保留表示体dを一つ減算表示させる保留数減算表示パターン1を選択する。一方、演出回数≠1(すなわち演出回数=2)である場合には、図柄生成行程中に保留表示体dを二つ減算表示させる保留数減算表示パターン2を選択する。そして、決定した図柄生成行程にかかる演出パターンを今回の演出パターンとすると共に、記憶領域に記憶された保留記憶の中で、最も新しい保留記憶について、記憶されたリーチ乱数値Nの値を、リーチ演出が実行される値に変更する。その後、選択された保留数減算表示パターンを実行させる第二保留表示体減算コマンドを出力信号として格納する。そして、演出回数=0とすると共に、擬似保留記憶数DUの値を特別保留記憶数Uと一致させ、期間入賞球フラグをOFFにして演出パターン選択処理を終了する。
以下に本実施例の演出表示領域7で実行される保留表示体dの加減表示態様を、いくつかの遊技の実行態様例に従って説明する。
図13は、第一実行態様のタイムチャートを示す。この第一実行態様にあっては、特別始動領域14の遊技球通過A,B,C(始動通過A,B,C)が連続して発生する。そして、始動通過Bに基づく図柄生成行程Bの開始時に、特別保留記憶数UがU=2となることにより第二の表示制御行程の実行条件が成立し、図柄生成行程Bおよび図柄生成行程Cに亘って、保留記憶数Uの増減とは独立した保留表示体dの加減表示が演出表示領域7で行われる。
かかる第一実行態様における、演出表示器6の表示態様を図13、図14A,Bを参照して説明する。なお、以下の図面において、特別図柄表示装置40の7セグメント指示器の白色状態は、特別図柄xの変動中を表すものである。順を追って説明すると、まず、図柄生成行程可能な状態で、特別始動領域14の遊技球通過A(始動通過A)が発生し、かかる始動通過Aに基づいて主制御基板60で各種乱数値(K,L,M,N)が取得される(図14イ)。かかる始動通過A以前には、特別保留記憶数Uは0であるため、かかる取得乱数値に基づく図柄生成行程Aおよび擬似図柄生成行程Aが、特別図柄表示装置40、演出表示器6で即時に開始される(図14ロ)。
そして、かかる図柄生成行程Aの最中に始動通過B,Cが連続して発生する。かかる状態では、図柄生成行程Aの最中であるため、始動通過B,Cにより取得された各種乱数値は記憶領域に特別保留記憶として保持され、特別保留記憶数Uが0から2へ増加する。そして、この特別保留記憶数Uの追加により、特別保留記憶数表示装置41、及び保留表示体dは即時に加算表示される(図14ハ)。
そして、所定時間経過後、特別図柄表示装置40、演出表示器6が、ハズレ図柄で確定表示すると(図14ニ)、始動通過Bに基づく図柄生成行程Bの変動開始処理が実行され、特別保留記憶数表示装置41及び演出表示器6は一つずつ減算表示され、図柄生成行程Bが開始する(図14ホ)。ここで、図柄生成行程Bの開始時においては、第二の表示制御行程の実行条件が成立されているため、図柄生成行程B中に特別保留記憶数Uの増減とは独立した保留表示体dの加算表示が行われる。
すなわち、図14ヘ〜チに示すように、演出表示領域7で、既に表示されている保留表示体dのニワトリが、一つタマゴを産み、新たな保留表示体dとなるといった演出が実行される(図14ヘ)。この段階で保留表示体dの数は特別保留記憶数Uより一つ多くなる。また、上述したように取得した保留演出パターン乱数値Qによっては、一度に二つ保留表示体dが加算表示される場合もある。
そして、図柄生成行程Bの終了時には、保留表示体dの数は、特別保留記憶数Uより一つ多くなっているため(図14チ)、引き続き始動通過Cに基づく図柄生成行程C中に、特別保留記憶数Uの増減とは独立して、保留表示体dの減算表示が行われる。ここで本実行態様では、図柄生成行程B中(監視期間)に、特別始動領域14を遊技球が通過していないため、前記減算表示パターンAが実行される。
すなわち、図14リ〜ヲに示すように、かかる図柄生成行程Cでは、演出表示領域7で二回の擬似図柄生成行程C1(図14リ),C2(図14ル)が実行される。そして、各擬似図柄生成行程のC1,C2の開始時に同期して保留表示体dが減算表示される。なお、擬似図柄生成行程C2の開始時には特別保留記憶数Uは減少しておらず、この保留表示体dの減算表示が減算表示パターンAによるものである。かかる実行態様にあっては、擬似図柄α,β,γと、保留表示体dの加減表示とが協調し、一回の図柄生成行程Cの間に、二回の図柄生成行程が実行されたような印象を遊技者に与えることができる。従って、遊技者にパチンコ機がよく図柄生成行程が起こると感じさせることとなり、遊技者の遊技意欲を掻き立てることができる。
次に、第二実行態様について説明する。図15は第二実行態様のタイムチャートを示す。この第二実行態様にあっては、第一実行態様同様に、特別始動領域14の遊技球通過A,B,C(始動通過A,B,C)が連続して発生し、始動通過Bに基づく図柄生成行程Bの開始時に、第二の表示制御行程の実行条件が成立し、図柄生成行程Bおよび図柄生成行程Cに亘って、保留記憶数Uの増減とは独立した保留表示体dの加減表示が演出表示領域7で行われる。
しかし、本実行態様では、図柄生成行程Bの最中に新たに始動通過Dが生じ、図柄生成行程C中に、前記減算表示パターンBが実行される。かかる第二実行態様における、演出表示器6の表示態様を図16A〜Cを参照して説明すると、本実行態様においては、始動通過Dが生じる時点(図柄生成行程Bの途中)までは、前記第一実行態様と同様に遊技が進行する(図16イ〜ヘ)。そして、図柄生成行程Bで、ニワトリがタマゴを産んだ状態で、始動通過Dが発生し、特別保留記憶数Uが増加すると、保留表示体dであるヒヨコの後に、かかる特別保留記憶数Uの増加に応じて、新たに保留表示体d(ニワトリ)が追加され(図16ト)。図柄生成行程Bの終了時には、三つの保留表示体dが演出表示領域7に表示される(図16チ)。
そして、始動通過Dが発生したことにより、図柄生成行程Cの変動開始処理において減算表示パターンBが選択され、図柄生成行程C中に実行される。すなわち、図16リ〜ヲに示すように、保留表示体dを減算表示する際に、演出表示領域7上に魔法使いが現れ、「ヒヨコ」及び「ニワトリ」からなる二つの保留表示体dに魔法をかけ、「怪獣」からなる一つの保留表示体dに減算表示するといった演出を行う。
ここで、上述のように減算表示パターンBの開始時には、保留記憶のリーチ乱数値Nを変更する処理が行われており、「怪獣」により表される保留表示体dの減算表示により実行される図柄生成行程Dでは、必ずリーチ演出が実行される(図16ワ〜タ)。このため、遊技者は、保留表示体dが減少したにも拘らず、保留表示体dが「怪獣」に変化したことにより、期待度の高い図柄生成行程Dが実行することを知得し、失望するどころか、図柄生成行程Dに期待を抱きながら遊技を続けることとなる。
また、図17は第三実行態様のタイムチャートを示す。この第三実行態様にあっては、第一実行態様、第二実行態様同様に、特別始動領域14の遊技球通過A,B,C(始動通過A,B,C)が連続して発生し、始動通過Bに基づく図柄生成行程Bの開始時に、第二の表示制御行程の実行条件が成立し、図柄生成行程Bおよび図柄生成行程Cに亘って、特別保留記憶数Uの増減とは独立した保留表示体dの加減表示が演出表示領域7で行われる。ここで、第三実行態様にあっては、図柄生成行程Cの間に始動通過Dが発生する。かかる場合には、始動通過Dは監視期間中に生じたものではないため、図17に示すように、第一実行態様同様の減算表示パターンAを伴う第二の表示制御行程が、図柄生成行程B,Cに亘って実行され、その後に通常どおりに図柄生成行程Dが実行されることとなる。
次に、第二の表示制御行程の実行条件、及びその加減表示態様の異なる第二実施例を説明する。かかる実施例にあっては、第二の表示制御行程の実行条件に、”特別保留記憶として記憶されるリーチ乱数値Nが、所定値であること”を含むものである。なお、本実施例は、第一実施例のパチンコ機と、遊技盤1の構成、各制御基板の構成は同一であり、第二の表示制御行程の実行態様のみが異なる。このため、特徴的な部分のみ詳細に示し、重複する部分は符号を共通させ説明は省略する。
本実施例の一実行態様を、図18〜20を参照して説明する。本実行態様にあっては、図18に示すように、特別保留記憶数UがU=3の状態で、図柄生成行程A〜Cが実行される。そして、図柄生成行程Aの変動開始処理において、第二の表示制御行程の実行条件が成立し、図柄生成行程A〜Cに亘って第二の表示制御行程が実行される。
順を追って説明すると、まず図柄生成行程Aの変動開始処理において、第二の表示制御行程の実行条件が成立すると、ハズレ図柄乱数値M及び取得した演出パターン乱数値Gに基づいて、リーチハズレ演出パターンBテーブル(図19参照)から演出パターンが決定される。そして、この決定された演出パターンに対応した、第二保留表示体加算コマンドを出力し、図柄生成行程A中に保留表示体dの加算表示を行う。すなわち、図柄生成行程Aにあっては、図20イ〜チに示すように、演出表示器6上で期待度が高いリーチ演出が行われる。そして、その結果がハズレで確定表示されると(図20チ)、演出表示領域7で魔法使いが保留表示体dであるコインを追加するといった演出により保留表示体dが加算表示される。そして、この加算表示により特別保留記憶数Uより増加した保留表示体dは、続く図柄生成行程B(図20ル、ヲ)ではなく、その次の図柄生成行程C中(図20ワ〜タ)に、第一実施例の減算表示パターンAと同様にして、複数の擬似図柄生成行程C1,C2を行い、かかる擬似図柄生成行程C2と同期させて減算表示することにより、再び特別保留記憶数Uと同数となる。すなわち、本実施例にあっては、保留記憶数擬似表示装置を加算表示する第一のタイミングは、第二の表示制御行程の実行条件が成立した図柄生成行程A中の特定演出タイミングであり、減算表示を行う第二のタイミングは、その後に、図柄生成行程と同期せずに開始する擬似図柄生成行程C2の変動開始タイミングとなっている。
このように、かかる構成にあっては、期待度の高い図柄生成行程Aがハズレに終わったことの補償として保留表示体dを加算表示してやることにより、遊技者の失望感を和らげることができる。また、特別保留記憶数Uより増加した保留表示体dを減算表示する際に、複数回の擬似図柄生成行程C1,C2を実行することにより、演出表示領域7で、遊技者に多数の擬似図柄生成行程を見せることとなり、遊技者に図柄生成行程がよく行われているパチンコ機だと印象付けることができる。
次に、第三実施例を説明する。かかる実施例にあっては、第二の表示制御行程の実行条件は第一実施例と同様であるが、第一実施例と異なり、特別保留記憶数Uと独立した保留表示体dの減算表示が先に実行され、保留表示体dの数を特別保留記憶数Uよりも少ない状態とし、この後に、特別保留記憶数Uと独立した保留表示体dの加算表示を実行し、特別保留記憶数Uと保留表示体dの数とを一致させるようにしたものである。なお、本実施例は、第一実施例のパチンコ機と、遊技盤1の構成、各制御基板の構成は同一であり、第二の表示制御行程の実行態様のみが異なる。このため、特徴的な部分のみ詳細に示し、重複する部分は符号を共通させ説明は省略する。
本実施例の一実行態様を、図21,22を参照して説明すると、本実行態様は、図21に示すように、第一実施例で説明した各実行態様と同様に、特別保留記憶数UがU=0の状態で、始動通過A,B,Cが連続して発生する。そして、本実施例にあっては、始動通過Bに基づく図柄生成行程Bの開始時に、第二の表示制御行程の実行条件が成立し、図柄生成行程B中のみで、特別保留記憶数Uの増減とは独立した保留表示体dの減算表示と加算表示とが行われる。
順を追って説明すると、図柄生成行程Aは第一実施例の各実行態様同様に行われる(図22ロ〜ニ)。次いで、始動通過Bに基づいた図柄生成行程Bの変動開始処理において、第二の表示制御行程の実行条件が成立すると、図22ホ〜ヌに示すように、図柄生成行程B中に、演出表示領域7で複数の擬似図柄生成行程B1,B2が実行される。そして、かかる擬似図柄生成行程B2の開始と同期して、まず保留表示体dが減算表示され、保留表示体dは特別保留記憶数Uより少なくなる(図22へ,ト)。その後、擬似図柄生成行程B2中に、演出表示領域7に保留表示体d(アヒル)が飛んで来るという演出を伴いながら、保留表示体dが加算表示され、図柄生成行程Bが確定表示する時点では、保留表示体dは特別保留記憶数Uと同数となる(図22チ〜ヌ)。すなわち、本実施例にあっては、保留記憶数擬似表示装置を減算表示する第二のタイミングは、第二の表示制御行程の実行条件が成立した図柄生成行程B中に図柄生成行程と同期せずに開始される擬似図柄生成行程B2の開始タイミングであり、加算表示を行う第一のタイミングは減算表示が行われた擬似図柄生成行程B2の変動中となっている。
以上のように実施例を説明したが、本発明は、上記実施例の構成に限定したものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、本実施例のパチンコ機では、保留記憶数擬似表示装置は、液晶やCRTからなる演出表示器6として構成されるものであるが、本発明の保留記憶数擬似表示装置は、複数の発光ダイオードLEDやランプで構成されるものでも構わない。また、演出表示器6で実行される擬似図柄生成行程も、保留記憶数擬似表示装置の加減表示と関連付けることにより、遊技を一層盛り上げるための構成であるが、本発明に不可欠なものではない。また、本実施例のパチンコ機には、常に正確な特別保留記憶数Uを表示する特別保留記憶数表示装置41も設けられているが、かかる特別保留記憶数表示装置41も本発明のパチンコ機に必要な構成ではない。
そして、保留記憶数擬似表示制御手段による第二の表示制御行程も、その実行条件、加減表示するタイミング、演出パターンなども、本実施例のパターンに限ったものではなく、多様な条件を設定することが可能である。
また、保留記憶数表示装置を加算表示する特定の第一のタイミングと、減算表示を行う特定の第二のタイミングについても、本実施例以外にパチンコ機の機種特有の演出タイミングに合わせて行うことができる。例えば、複数回の図柄生成行程に亘り、段階的に大当りへの期待度を高めるような演出を行う機種や、単一の図柄生成行程の変動中に、リーチ演出からより期待度の高いスーパーリーチ演出等に変化させて段階的に期待度を高めるような演出を行う機種にあっては、演出段階のステップアップのタイミングに合わせて保留記憶数表示装置を加算表示することが考えられる。また、上述の実施例のように、監視期間を設けたパチンコ機にあっては、第二のタイミングについても、監視期間に生じた遊技球が始動領域を通過したタイミングとすれば、本当の加算表示と、減算表示により打ち消すことができる。また、一回の図柄生成行程中に、図柄表示装置で複数回の変動が一時停止を挟んで繰り返し行う擬似複数図柄変動を実行する機種においては、第二のタイミングを、その擬似複数図柄生成行程における各変動の開始タイミングとすれば、図柄表示装置上の見かけ上の変動を、説得力のあるものとすることができる。
さらには、本発明は、第1種パチンコ機に限定したものではなく、図柄生成行程を実行する第3種パチンコ機に対しても、同様にして適用可能である。