JP2006528723A - 気相重合においてポリマー微粒子を制御する方法 - Google Patents

気相重合においてポリマー微粒子を制御する方法 Download PDF

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Abstract

(1)マグネシウムおよびチタニウム化合物、電子供与体、ならびに溶媒の混合物を含む触媒前駆体の溶液を製造し、
(2)ステップ(1)の前記溶液にフィラーを加えスラリーを形成し、
(3)ステップ(2)の前記スラリーを、100から140℃の温度でスプレー乾燥し、スプレー乾燥前駆体を形成し、
(4)ステップ(3)の前記スプレー乾燥した前駆体を鉱物油にスラリー化し、
(5)(4)の前記スラリーと、1つ以上のルイス酸類を接触させ、前記触媒前駆体を部分的にまたは完全に事前活性化し、ならびに、
(6)ステップ(5)の前記部分的にまたは完全に活性化された前駆体を、オレフィン重合反応が進行中の気相法反応器に移送すること、を含む、気相重合プロセス。

Description

本発明は、気相法オレフィン重合プロセスに関する。
種々のオレフィン重合の促進にチーグラー−ナッタ触媒系を用いることは、周知である。これらの触媒系は、気相およびスラリーの両方だけではなく、溶液重合プロセスでも機能する。これらのプロセスにおいて、気相およびスラリー重合プロセスは粒子形成プロセスとしても知られ、ポリマーが固体粒子として形成されるためそのように称され、固体粒子の大きさおよび形状は触媒粒子の大きさおよび形状の関数である。よって、ポリマー粒子は初期触媒粒子を複製するといわれる。ポリマー粒子の最終サイズは、初期触媒粒子サイズと触媒の生産性の両方の関数である。よって、気相重合プロセスに用いる触媒の製造においては、生産性に加えて、ポリマー粒子径およびモルホロジーの両方を制御するために、触媒前駆物質の製造に大きな注意が払われる。そのようなチーグラー−ナッタ触媒としては、米国特許第4,302,565号、第4,482,687号、第4,508,842号、第4,990,479号、第5,122,494号、第5,290,745号および第6,187,866号に開示されているものが挙げられる。
触媒制御を通じてコントロールすることが望ましい他のポリマー特性は、粒子径分布、特にその分布の下端に関してであり、それは、小さな触媒粒子の量が許容不可能になると、「ポリマー微粒子」とよばれる小さなポリマー粒子の発生の原因となり得るからである。気相流動床重合系ではポリマー微粒子は望ましくなく、それは、微粒子は流動床の頂部に分離する傾向があり、床のレベル制御に問題を生じるからである。これらはまた、選択的に循環ガスに混入し、熱交換器およびコンプレッサーにおけるシステム目詰まり、反応系のボトムヘッドにおける堆積、および、大半のポリマー製品よりも低温の連続重合によるゲル生成を引き起こす。上述の全ては商業運転の不良、重合効率の低減、および、一般的には運転の障害の原因となる。また、微粒子のレベルが高いと、いったん重合系から排出されたポリマーの下流側の取り扱いに問題を生ずる可能性がある。微粒子は、パージ漕における流れ不良や、貯蔵槽のフィルターの目詰まりを発生させ、安全上の問題を引き起こす。上記問題のために、気相重合プロセスの商業運転にとって、ポリマー微粒子の排除または削減が重要となる。
多段直列反応器系においては、個々の反応器で製造されるポリマー類の組成が大きく異なることが多く、連続的で順調な操作のためにはポリマー微粒子の存在は特に有害である。これは、ポリマーの製品特性が、各反応器で製造されるポリマーの相対量に強く影響されるため、正確な床レベル制御が非常に重要なためである。床の重量が正確に分からなければ、最終反応器から排出される製品の特性を制御することは非常に困難である。
直鎖状低密度ポリエチレンおよび他のエチレン/α−オレフィンコポリマー類の製造に関しては、分子量の差が大きく、組み込まれるコモノマーの差が比較的大きい個別の反応器でポリマーを製造することが好適である。最高の物理特性を有する最終ポリマー類を製造するには、反応器の1つにおいて高分子量のポリマーを製造し、コモノマーの大部分を組み込ませることが好適である。第2の反応器において、ポリマーの低分子量部分を製造し、ここでコモノマーが組み込まれてもよいが、通常その量は高分子量部分で組み込まれる量より低い。高分子量成分を最初に製造する場合は、ポリマー微粒子は重大な問題となり、これは得られるポリマーのフローインデックス(I21)が0.1から2.0g/10分の範囲であり、組み込まれるコモノマー量が5重量パーセントより低い場合、特に4.5重量パーセントより低い場合に顕著である。
多段反応器系において異なるポリマー類を製造する順序(すなわち高分子量が1番目であり、低分子量が2番目であるか、またはその逆か)によって、大半のポリマー粒子と比べて、微粒子は著しく異なるポリマー特性を有する傾向になる。これは、微粒子は反応器内で最も新しい粒子である傾向をも有し、ゆえに、直列の第2反応器へと移送される前に代表的な量のポリマーを製造するには、反応器内の滞留時間が不十分であった、という事実の為である。
そしてまた、これは、ポリマーを末端用途向けのペレットにコンパウンドする際に、さらなる問題を生じさせる。特に、微粒子は、バルク(bulk)ポリマーと比較すると、通常は著しく分子量または分枝組成が異なる。バルク材料と微粒子の両方の粒子はおおよそ同一の温度で溶解するが、製品が類似のイソビスカス(isoviscous)温度(すなわち、2つの生成物の溶融粘度が実質的に同一となる温度)を有さない限り、混合は阻害される。これらのポリマー微粒子は、ポリマーの大部分とは分子量およびイソビスカス温度が著しく異なる傾向があり、バルク相との混合が不完全となる。ペレット形成後に冷却すると、これらの不完全に混合された領域のサイズが十分大きい場合は、ブロウンフィルム(blown films)中ではゲルとして現れ、他の押出物品では外観上の欠陥、および、それから製造される物品の早発性破壊の原因となる応力集中部分を生じさせる。
よって、ポリマー微粒子は、一般的に気相法オレフィン重合プロセスにおいては問題であり、特に、複数の反応器中で製造されるポリマーの相対量を正確にコントロールしなければポリマー組成物を正確にコントロールできない、段階的または直列反応系では問題である。
ポリマー微粒子は、リサイクルライン上のサイクロンの使用を通じて重合反応器から除去することが可能であるが、しかし、これは生産性を低減させ、操作コストを上昇させる。さらに、微粒子は平均的に新しい粒子であるから、触媒濃度が高い傾向がある。これらの粒子を重合反応器から除去すると新しい触媒を追加する必要性が増大し、さらにコストを上昇させる。ポリマー微粒子はさらなる重合に対して依然として活性であるため、この微粒子がサイクロンを目詰まりさせないように、特別な配慮が必要となる。オレフィンの存在下でポリマー微粒子が集積する可能性のある領域ではどこでも、凝集粒子およびポリマーの大きな塊の形成の原因となる継続重合が生じる可能性がある。
米国特許第5,969,061号は、大半のポリマー粒子を粘着性にし微粒子を大きな粒子へ付着させることによって、ポリマー微粒子を削減する試みに溶媒を使用することを開示する。しかし、ポリマー粘着性を増加させると、下流側での生成物の分離にさらなる問題を生じ、また、反応系が出力不足によるリサイクル流の損失に対する影響を受けやすくなり、大きな塊を形成するリスクが増大する恐れがある。また大量の溶媒を添加するによって、コストおよび反応系の複雑さが増大し、溶媒を再利用するためのリサイクル用装置が必要となる。重合反応中の微粒子の生成がより少なくなり、それによって他のポリマー微粒子制御システムの必要性が低減することが望ましい。
気相重合系においては、一般的に、各触媒粒子が1つのポリマー粒子を生成することが知られている。触媒粒子の粒子径は一般的に、触媒生産性の立方根に比例して大きくなる。すなわち、ポリマー粒子径は以下式で表される。
ポリマー粒子径=定数×(触媒生産性)1/3
ポリマー微粒子は、触媒の微粒子、または、成長するポリマーの粒子の摩耗のどちらかから生ずると考えられるが、1つの理論に拘束されるものではない。強靱で、機械的強度が高い、高分子量ポリマーを製造する多段反応器構成の第1反応器で製造されるポリマー中に、微粒子が存在する可能性があるとすれば、粒子の摩耗はこのような系におけるポリマー微粒子の主要な原因ではなさそうである。よって、触媒粒子の微粒子が、ポリマー微粒子の主な原因だと考えられる。このような触媒微粒子は、使用前の触媒の溶離から篩い分けに及ぶ、様々な方法で除去可能である。しかしこれは、費用と複雑さの両方を触媒製造プロセスに加えるだけではなく、余分な処理ステップ最中の触媒汚染の可能性を増大させる。
触媒生産性のレベルを高くして反応系を操作することも、ポリマー微粒子を削減することがある。これは通常、単一反応器系では実現可能な取り組みであるが、しかし、操作において触媒生産性のレベルが高すぎると、ポリマー粒子が凝集するため操作性の問題を生じる可能性がある。極端な場合は、重合中に触媒粒子が破損するため、微粒子のレベルがより高くなることもあり得る。触媒が直列の第1反応器のみに加えられる多段反応器系では、微粒子を最少化するため第1反応器における触媒生産性を増大させると、触媒の不活性化のために、第2(または追加の)反応器での操作が工業的に実現可能な条件では不可能となる恐れがある。
触媒の不活性化に起因する活性損失を補完するために、多段反応器系における第1反応器は、第2(および以降の)反応器において重合が完了するために十分な触媒活性を残存させるように、多くの場合は「低生産性」体制で操作される。しかし、低い触媒生産性で第1反応器を操作すると、ポリマー粒子径が小さくなり、触媒から生じたであろう微粒子を制御し削減する必要性が高まる。
既に説明したように、あるポリマー粒子の粒子径は、初期触媒粒子径と触媒生産性、すなわち、重合プロセスの間に初期触媒粒子からどれだけポリマーが成長するか、の両方の関数である。よって、粒子径が小さいポリマーまたはポリマー微粒子は、最初の触媒粒子径が小さいか、または、触媒生産性が低いかのどちらかもしくは両方の結果として生じる可能性があり、どちらの条件も存在する場合はポリマー微粒子の発生が激化する。
多くのオレフィン重合プロセスで用いられる触媒は、チーグラー−ナッタ型である。特に気相重合向けには、触媒は多くの場合に、マグネシウムおよび遷移金属ハリド類を含む前駆体、特に電子供与性溶媒中のチタニウム塩化物類から製造される。多くの場合、この溶液を多孔性触媒支持体上に沈着させるか、または、フィラーを加え続いてスプレー乾燥するかのどちらかによって、粒子にさらなる機械的強度を与える。多くの場合は、どちらの製造方法による固体粒子も、希釈剤中でスラリー化して高粘度混合物を製造し、続いてこれを気相重合で用いる。触媒組成物の例示は、米国特許第6,187,866号および第5,290,745号に記載されている。米国特許第6,511,935号および第6,248,831号に記載されているような沈降/結晶化触媒組成物を用いてもよい。本明細書で用いる適切な触媒前駆体類を製造する他の技術は、以下の米国特許に開示されている。第5,247,032号、第5,247,031号、第5,229,342号、第5,153,158号、第5,151,399号、第5,146,028号、第5,124,298号、第5,106,806号、第5,082,907号、第5,077,357号、第5,066,738号、第5,066,737号、第5,034,361号、第5,028,671号、第4,990,479号、第4,927,797号、第4,829,037号、第4,816,433号、第4,728,705号、第4,548,915号、第4,547,476号、第4,540,679号、第4,535,068号、第4,472,521号、第4,460,701号、第4,442,276号、および、第4,330,649号。
スプレー乾燥プロセスを用いる1つの利点は、スプレー乾燥器のプロセスパラメータを変更することによって、触媒、ひいては最終製品の粒子径およびモルホロジーの制御が可能となることである。このようなパラメータとしては、噴霧器の速度、乾燥されるスラリーの固体含有量、乾燥器の吸入および排出ガス温度、および、スラリーの乾燥器への供給速度が挙げられる。
しかし、スプレー乾燥の特性上、多少の小粒子は常に存在する。特に、多少の「極微少の(micro-fine)」粒子はスプレー乾燥プロセス中に形成される。これらはよく「ドーター(daughter)」粒子とよばれ、スプレー乾燥操作中に液滴が粉砕されることから生じる。これらの粒子は、結局は最終スプレー乾燥触媒組成物中に含まれることになり、本質的には大きなサイズの目的粒子と同一の化学組成のものである。これらの粒子は、触媒の粒径分布の<10ミクロン部分にみられ、操作上の問題の原因となる触媒微粒子を形成する恐れがある。
触媒前駆体は製造されたままでは、ルイス塩基電子供与体の存在のため、オレフィン重合では本質的に不活性である。触媒前駆体の活性化には、活性部位、すなわち金属の近傍からの電子供与体の除去、および、必要に応じてかかる金属の還元を必要とする。活性化剤は、いくつかの方法のうち1つによって、電子供与性化合物を活性部位から抽出する。電子供与体は錯体形成によって、または、アルキル化によって、もしくは金属の原子価状態が還元を必要とする場合は還元およびアルキル化によって、除去可能である。一般的な活性化化合物はルイス酸類である。活性化剤を用いて、最低でも90パーセント、好適には全てのまたは可能な限りおよそ全ての電子供与体を、活性部位、すなわち遷移金属から除去する。
ルイス酸がBCl3、AlCl3または類似の塩素化剤のような非還元性化合物の場合は、還元化合物、一般的にはトリアルキルアルミニウム、アルミニウムジアルキルハリドを加え、触媒前駆体を完全に活性化してもよい。完全にハロゲン化されていない前駆体類はまた、使用前に、ハロゲン供与性ルイス酸または個別のハロゲン化ステップのどちらかを用いることも要する。
触媒の活性化は、一般的に、重合反応器中で共触媒によって生ずる。しかし、重合反応器中において触媒を完全に活性化すると、一般的に活性化剤化合物を実質的過剰にすることが必要となり、また、高級(C3、C4およびそれ以上)オレフィン重合の場合は、選択性制御剤としてルイス塩基を再導入することが必要となる。この技術の利点は、触媒製造および供給が単純なことである。しかし、活性化剤化合物を過剰に用いると操作費用が増すだけではなく、操作上の問題または最終生成物への損害を生じる恐れがある。反応器中のモノマー類、希釈剤、凝縮剤、その他の成分で希釈されるため、結局は大量の活性化剤が必要となる。
部分的事前活性化は重合反応器以前に行うことができるが、この余計なステップにより、活性触媒の不純物その他の不活性化剤への露出が潜在的に増加するため、特に使用前の長時間の貯蔵においては、触媒生産性の低下の原因となる。このような失活および生産性損失は、ひいてはポリマー微粒子の増加の原因となることが予想される。よって、一般的に触媒が部分活性化されたか否かに関わらず、通常、過剰の共触媒によって触媒は重合反応器内で完全活性化を完了するため、これまでは、反応器に添加する前に触媒を部分的に事前活性化することを追求する推進力は無かった。
しかし、気相重合プロセスにおいてポリマー微粒子の発生が最少化されたプロセスを得ることは、いまだに非常な利点がある。このプロセスが、多段反応器を用いる気相プロセスに適用可能であればまた利点がある。このようなプロセスが、サイクロン操作または反応器への溶媒類の添加のような費用が高く扱いにくいプロセス改良よりも、比較的単純な触媒操作に関与する場合は、さらに都合がよい。加えて、完全に活性化された触媒組成物を反応器に供給するプロセスも望ましい。
本発明は、ルイス酸を触媒前駆体が重合反応器へ導入される前に添加して、触媒前駆体を少なくとも部分的に事前活性化することにより、気相粒子形成重合プロセスにおけるポリマー微粒子の量を削減する方法である。
より詳細には、本発明は、
(1)マグネシウムおよびチタニウム化合物、電子供与体、および必要に応じて溶媒の混合物を含む触媒前駆体の溶液を製造し、
(2)ステップ(1)の溶液にフィラーを加えスラリーを形成し、
(3)ステップ(2)のスラリーを、100から140℃の温度でスプレー乾燥してスプレー乾燥前駆体を形成し、
(4)ステップ(3)の前記スプレー乾燥した前駆体を鉱物油中でスラリー化し、
(5)(4)のスラリーと1つ以上のルイス酸類を接触させ、前記触媒前駆体を部分的にまたは完全に事前活性化し、ならびに、
(6)ステップ(5)の前記部分的にまたは完全に活性化された前駆体を、オレフィン重合反応が進行中の気相法反応器に移送することを含む、気相法オレフィン重合プロセスに関する。
あるいは、前記プロセスは、
(1)マグネシウムおよび遷移金属化合物、電子供与体、および必要に応じて溶媒の混合物を含む触媒前駆体の溶液を製造し、
(2)ステップ(1)の前記溶液に多孔性触媒支持体を加えスラリーを形成し、
(3)ステップ(2)の前記スラリーを乾燥させ、固体触媒前駆体を形成し、
(4)ステップ(3)の前記固体触媒前駆体を鉱物油中で再スラリー化し、
(5)(4)の前記スラリーをルイス酸と接触させ、前記触媒前駆体を部分的にまたは完全に活性化し、ならびに、
(6)ステップ(5)の前記部分的にまたは完全に活性化された触媒前駆体を、オレフィン重合反応が進行中の気相法反応器に移送すること、を含んでいてもよい。
米国特許実務のため、本明細書で参照する特許、特許出願または公開の内容、特に合成手法、原材料、および技術分野の一般的知見の開示に関するものは、本明細書に参照することによってその全体を援用(またはその対応する米国出願を参照することによって組み込む)する。
本明細書に「含む」の語およびその派生語が示される場合は、本明細書中に開示されているか否かには関わりなく、任意の追加の成分、ステップ、または方法の存在を排除することを意図するものでない。いかなる疑義をも避けるために、「含む」の語を用いる本明細書中の配合は全て、反する記載のない限り、任意の追加の添加剤、補助剤、またはコンパウンドを含んでいてもよい。反対に「〜から実質的になる」の語が本明細書に示される場合は、列挙の範囲から、実施可能にするため必須ではないものを除き、いかなる他の成分、ステップまたは方法をも除外する。「〜からなる」の語を用いる場合は、特に表され、または列挙されていない成分、ステップまたは方法を、すべて除外する。「または」の語は、特に他の記載のない限り、列挙された構成要素を単独でさすだけではなく、任意の組み合わせをもさす。
本明細書で用いる「ポリマー微粒子」の語は、粒子径が125μmより小さいポリマー粒子を意味する。
本明細書で用いる「触媒前駆体」の語は、遷移金属およびマグネシウム化合物、ならびにルイス塩基電子供与体を含む混合物を意味する。好適には、触媒前駆体はMgd(M)(OR)ef(ED)gで表される。[式中、Rは1から14の炭素原子を有する脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであるか、COR’であり、ここで、R’は1から14の炭素原子を有する脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであり、各OR基は同一でも異なっていてもよく、Mは遷移金属であり、好適にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、または、これらの混合物であり、Xは独立に塩素、臭素またはヨウ素であり、EDは電子供与体であり、dは0.5から56であり、eは0、1または2であり、fは1から116であり、ならびに、gは>2であり、1.5(d)+3以下である。]。これは1つ以上の遷移金属化合物、マグネシウム化合物および電子供与体、場合により溶媒を組み合わせ、およびそれらにより固体粒子生成物を形成することによって製造される。
好適な遷移金属化合物はチタニウム化合物であり、最も好適には式Ti(OR)ehで表される。[式中、R、Xおよびeは上記の定義通りであり、hは1から4の整数であり、そして、e+hは3または4である。]。適切なチタニウム化合物の詳細な例の一部は、TiCl3、TiCl4、Ti(OC252Br2、Ti(OC65)Cl3、Ti(OCOCH3)Cl3、Ti(アセチルアセトナート)2Cl2、TiCl3(アセチルアセトナート)、および、TiBr4である。TiCl3およびTiCl4が好適なチタニウム化合物である。マグネシウム化合物としては、MgCl2、MgBr2、および、MgI2のようなマグネシウムハリド類が挙げられる。無水MgCl2が好適な化合物である。前駆体の形成には、1モルのチタニウム化合物あたり、望ましくは0.5から56、および、好適には1から10モルのマグネシウム化合物を用いる。必要に応じて、バナジウム、ハフニウムおよびジルコニウム化合物をチタニウム成分との混合物として用いてもよい。使用可能な特定のバナジウム化合物は、VCl3、VOCl3、V(アセチルアセトナート)3である。有用な特定のジルコニウム化合物は、ZrCl4、ZrBr4、ZrCl2(アセチルアセトナート)2およびZr(OR14であり、ここで、R1はエチル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、または、n−オクチルである。本発明の有用な特定のハフニウム化合物は、HfCl4およびHf(OR14であり、ここで、R1は前記の定義通りである。
適切な触媒前駆体およびその製造方法は公知であり、例えば、米国特許第5,034,361号、第5,082,907号、第5,151,399号、第5,229,342号、第5,106,806号、第5,146,028号、第5,066,737号、第5,077,357号、第4,442,276号、第4,540,679号、第4,547,476号、第4,460,701号、第4,816,433号、第4,829,037号、第4,927,797号、第4,990,479号、第5,066,738号、第5,028,671号、第5,153,158号、第5,247,031号および第5,247,032号に開示されている。
電子供与体はルイス塩基、好適には0から200℃の範囲内の温度で液体のもので、マグネシウムおよび遷移金属化合物が溶解可能なものである。例としては、脂肪族もしくは芳香族モノ−もしくはジ−カルボン酸類のアルキルエステル類、脂肪族ケトン類、脂肪族アミン類、脂肪族アルコール類、アルキル−、シクロアルキル−、アリール−およびアルキルアリール(alkyaril)−エステル類、前記官能基の混合を含む化合物、ならびに、それらの混合物であり、各電子供与体は2から20の炭素原子を有する。好適なものは、2から20の炭素原子を有する脂肪族または脂環式エーテル類、3から20の炭素原子を有するジアルキル−、ジアリール、およびジアルカリル(dialkaryl)−ケトン類、2から20の炭素原子を有するジアルキルカルボナート類、アルキレンカルボナート類、および、脂肪族もしくは芳香族モノ−もしくはジカルボン酸類のアルキル−、アルコキシアルキル−、および、アリール−エステル類、または、それらのアルコキシ置換誘導体である。適切な電子供与体の特定の例は、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エタノール、1−ブタノール、ギ酸エチル、酢酸メチル、安息香酸エチル、メトキシ安息香酸p−エチル、エトキシ安息香酸p−エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソオクチル、炭酸エチレン、および、プロピオン酸エチルである。最も好適な電子供与体はテトラヒドロフランである。電子供与体の混合物を用いてもよい。2成分系混合物、すなわち電子供与体(1)と電子供与体(2)を用いる混合物では、電子供与体(1)/電子供与体(2)のモル比率は0.01:1から10:1、好適には0.01:1から1:1の範囲である。非常に好適には、電子供与体(2)はテトラヒドロフランであり、過剰量存在する。電子供与体の特に好適な組み合わせは、エタノールとテトラヒドロフラン、1−ブタノールとテトラヒドロフラン、イソプロパノールとテトラヒドロフラン、安息香酸エチルとテトラヒドロフラン、および、フタル酸ジイソブチルとテトラヒドロフランである。
チタニウム化合物と電子供与体との反応生成物を得るために、最初に大過剰量の電子供与体を用いてもよいが、最終的な触媒前駆体はチタニウム化合物1モルあたり1から20モル、好適には1から10モルの電子供与体を含む。過剰な電子供与体を抽出、洗浄、または、揮発分除去によって除去してもよく、好適にはスプレー乾燥プロセス中に乾燥させることによって除去する。
触媒はポリマー成長のテンプレート(template)として作用するため、触媒前駆体を固体に転換することが必須である。粒径分布が比較的狭く、微粒子の量が少なく、そして流動化特性が良好なポリマー粒子を製造するためには、得られる固体が適当な粒子径および形状を有することもまた必須である。ルイス塩基、マグネシウムおよび遷移金属化合物の溶液を多孔質支持体に含浸して乾燥させ、固体触媒を形成してもよいが、溶液をフィラーと合わせ、スプレー乾燥によって固体触媒に転換することが好適である。
触媒前駆体の形成
電子供与体を含有する粒子状、固体生成物を製造する任意の適切な方法に基づき、触媒前駆体を製造してもよい。好適な触媒前駆体は 電子供与性溶媒の溶液中でTiCl4をマグネシウム金属で還元して生成するTiCl3を含む。本発明のこの実施態様で用いる電子供与体は、活性水素を含む置換基、例えば水酸基を含んではならないが、これはこのような官能基はマグネシウムおよび4塩化チタニウムと反応し易いからである。本発明に基づくマグネシウム金属による4塩化チタニウムの還元は、電子供与体を含む溶媒中で行われ、2塩化マグネシウムおよび3塩化チタニウムを発生する結果を生じ、これらは次に電子供与体との錯体類を形成する。この反応は以下の式で説明することができる。
2TiCl4(ED)2+Mg→2TiCl3(ED)3+MgCl2(ED)15
[式中、EDは前記定義の通りであり、好適にはテトラヒドロフランである。]。
マグネシウムは4塩化チタニウムとの反応性が非常に高いため、この金属は粉体よりも粒体形態で用いるほうが好適である。微細な粉体よりも大きな粒体粒子を用いると、金属の反応性が制限され、反応を円滑で、よく制御された方法で行うことが可能となる。この方法での処理は、4塩化チタニウムから2塩化チタニウムへの過還元を制限し、この方法以外ではこの過還元が起こり得る。通常は平均粒径が0.25mmから10mm、好適には1mmから4mmであるマグネシウム粒子を用いる。
4塩化チタニウムの3塩化チタニウムへの還元は、本質的には理論量のマグネシウム金属、すなわち、4塩化チタニウム2モルあたり1モルのマグネシウム金属を用いて還元効果をもたらして行う。4塩化チタニウムを3塩化チタニウムに完全に還元するには、最低でも理論量のマグネシウムが必要である。一方、過剰量のマグネシウムは、かかる過剰分を反応混合物から除去する必要があるため望ましくない。さらに、過剰量のマグネシウムを用いると、4塩化チタニウムの2塩化チタニウムへの過還元を発生させる恐れがある。
1モルの4塩化チタニウムに対し5モルから400モルの電子供与体化合物、好適には1モルの4塩化チタニウムに対し50モルから200モルの電子供与体化合物が都合よく用いられ、ほとんどの残留物は前述のように除去される。
通常は、マグネシウム金属を、電子供与体化合物に溶解した4塩化チタニウム混合物に加える。しかし、4塩化チタニウムを電子供与体化合物中のマグネシウム金属の混合物に加えることや、または、4塩化チタニウムとマグネシウム金属を電子供与体化合物に一緒に加えることも可能である。通常の反応は、電子供与体化合物の沸点より低温で、好適には20から70℃で行う。不活性雰囲気、すなわち、還元中に用いられる条件下で非反応性の雰囲気を維持するべきである。
マグネシウム金属による4塩化チタニウムの還元は、2モルの3塩化チタニウムあたり1モルの2塩化マグネシウムを含む溶液中で生じ、これは好ましくない副生成物を実質的に含まない。目的の触媒前駆体を完全に生成するためには、溶液に追加の2塩化マグネシウムを添加して、Mg/Ti比率を目的のレベルまで上昇させることを要するのみである。溶液を適切な支持体に含浸し、または、適切なフィラーと共にもしくは単体でスプレー乾燥し、目的の前駆体の固体粒子を得る。
TiCl4のマグネシウム金属還元が完了した後に、前記規定のような追加の遷移金属化合物を加えてもよい。追加の電子供与体化合物、特にMg金属またはTiCl4のどちらかに対して反応性の官能性を有する可能性のあるものを加えてもよい。添加した場合には、第2の遷移金属化合物対Tiの比率は0.1:1から10:1、および、好適には1:1から5:1の範囲である。
溶液を適切な支持体に含浸させるか、スプレー乾燥するかによって異なるが、Mg/遷移金属比を上昇させるために2塩化マグネシウムを溶液に加えてもよい。溶液をスプレー乾燥する場合には支持体の細孔中まで完全に乾燥させることを要しないため、かかる方法を後に用いる場合は、通常は、溶液を支持体へ含浸させる場合よりも大量の2塩化マグネシウムを用いる。一般的に、Mg/Ti比率を1:1から56:1の範囲、好適には1.5:1から5:1の範囲に増加させるために十分な2塩化マグネシウムを溶液に加える。スプレー乾燥される溶液の場合は、Mg/Ti比率を好適には1.5:1から15:1の範囲、最も好適には4:1から6:1の範囲に増加させるために十分な2塩化マグネシウムを溶液に加える。
電子供与体溶液中で0から200℃の温度で撹拌することによって、2塩化マグネシウムを溶解させることが可能である。電子供与体化合物の沸点よりも高い温度を用いてもよいが、耐圧力性能を有する機器を用いることを要するため、一般的には好適ではない。2塩化マグネシウムは、3塩化チタニウムが存在する電子供与体化合物よりも、4塩化チタニウムが存在するほうにより容易に溶解する。よって、4塩化チタニウムの電子供与体化合物溶液にマグネシウム金属を加えて、4塩化チタニウムを3塩化チタニウムに還元する場合、マグネシウム金属の添加前に、2塩化マグネシウムと4塩化チタニウムの両方を電子供与体化合物に溶解することが好適である。もちろん、必要に応じて、4塩化チタニウムをマグネシウム金属と電子供与体化合物の混合物に添加する前に、2塩化マグネシウムをかかる混合物に溶解することも可能である。
この方法で製造した3塩化チタニウムと2塩化マグネシウムの溶液をそのままスプレー乾燥することも可能であるが、しかし、それによって形成される粒子は一般的には脆弱で、不十分な機械的強度を示し、微粒子のレベル増加の原因となる。これらの粒子が比較的脆弱なのは、形成される固体の性質が高結晶性であるためと考えられる。この前駆体溶液を多孔性触媒支持体に沈着させるか、または代わりに、溶液にフィラーを加えてそれをスプレー乾燥するかのどちらかによって、粒子にさらなる機械的強度を与えることが好適である。
前駆体溶液を多孔性支持体に沈着させる場合は、選択される支持体は不活性、すなわち重合反応に本質的には影響しないものである。しかし、前駆体を表面積の大きい支持体表面に沈着させる場合は、モノマー分子の重合はより容易となる。支持体は有機化合物(例えばポリマー)でも、金属酸化物のような無機化合物でもよい。適切な無機化合物としては、例えば、2酸化ケイ素、酸化アルミニウム、Ti−、Mg−、Cr−、Ba−、Th−およびZr−酸化物類、ケイ酸塩類、アルミノリン酸類、ならびにアルミナおよびリン酸アルミの混合物(リン酸塩含有アルミナ)が挙げられる。無機支持体はまた、金属水酸化物または金属ヒドロキシハリドでもよい。多種多様な支持体の組み合わせもまた可能である。触媒前駆体の製造に用いる支持体の量は、触媒前駆体の全量の50から90、好適には70から85パーセントの範囲である。支持体はまた、乾燥前の前駆体溶液が支持体の細孔中に実質的に完全に含まれ、乾燥ステップ中に析出することにより、そこに沈着するように、選択されるべきでもある。
あるいは、および、より好適には、スプレー乾燥は、i)前駆体溶液を前記フィラーと混合し、ii)場合によって、得られるスラリーを電子供与体化合物の沸点よりも高温に加熱し、iii)続いて、このスラリーを適切な噴霧装置により噴霧し、固体球状の粒子を形成することで行う。噴霧は、スラリーを不活性乾燥気体、すなわち噴霧中に用いる条件下では非反応性の気体と共に噴霧器を通過させることにより行われる。噴霧ノズルまたは遠心高速ロータリーアトマイザーを用いて、噴霧を行うことが可能である。スラリーの噴霧を行い、そして過剰な電子供与体化合物を除去するため、乾燥ガスの流量はスラリーの流量よりかなり多い必要がある。通常は、電子供与体化合物の沸点より高い、最大200℃の温度に乾燥ガスを加熱し、過剰の電子供与体化合物の除去を促進する。しかし、乾燥ガスの流量が非常に高レベルに維持される場合、または、スプレー乾燥機器中が減圧される場合は、より低い温度を用いることが可能である。
触媒系の他の成分に対して、および、後に続く重合中には不活性な、任意の固体粒子材料を、3塩化チタニウムおよび2塩化マグネシウム溶液のフィラーとして用い、スプレー乾燥に適するスラリーを形成することが可能である。このような材料は有機でも無機でもよい。適切なフィラーとしては、シリカ、2酸化チタニウム、アルミナ、アルミノリン酸塩類、タルク、ポリスチレン、および、炭酸カルシウムが挙げられる。供給スラリーの粘度を高くし、最終製品に対して不活性であり、スプレー乾燥された粒子の強度が良好になるため、フュームド(fumed)疎水性シリカが好適である。このような疎水性フュームド(fumed)シリカの例としては、Cabot Corporationから入手可能なCab−O−Sil(商標)が挙げられる。
フィラーとして使用する粒状物質の平均粒径は10μm以下、好適には1μm以下であるべきである。3塩化チタニウムおよび2塩化マグネシウムの溶液を支持体に含浸する際に用いる粒状物質のように、フィラーとして用いる粒状物質は、実質的に吸着水を含まず、残りの触媒成分と非反応性であるべきである。また、電子供与体化合物に溶解性のフィラー化合物を用いてもよい。例としては、CaCl2、塩化ポリビニル、ポリスチレン、スチレンとエチレンのインターポリマー、および、アクリル性ポリマー類が挙げられる。溶解性および不溶性フィラー類を個別にまたは混合物中で用いてもよい。混合中で用いる場合は、溶解性フィラー:不溶性フィラーの重量比は、好適には0.05:1から1:1である。
不溶性のフィラーを用いる場合は、スプレー乾燥に適するスラリーを製造するために十分なフィラーを3塩化チタニウムと2塩化マグネシウムの溶液に混合するべきであり、すなわち、スラリーはそのようなフィラーを0から15、好適には2.5から10重量パーセントの量で含有するべきである。スプレー乾燥した場合、このようなスラリーは、フィラーが0から50重量パーセント、好適には10から50重量パーセント、最も好適には15から30重量パーセントの量で存在する固体粒子を製造する。スプレー乾燥された粒子の平均粒径は5から200μm、好適には15から50μmであることが望ましい。
スプレー乾燥は、公知の任意の適切な機器を用いて行う。目的とする粒径によっては、供給物スラリーを乾燥用の液滴へと転換するために、回転噴霧が好適な方法である。アスペクト比(H/D)が0.8から3.0の間、好適にはほぼ1.0である、並流乾燥チャンバー(co-current drying chamber)が好適に用いられる。可燃性の電子供与体またはその他の成分を用いる場合は、密閉サイクルスプレー乾燥システムを用いることもまた好適である。
スプレー乾燥された触媒前駆体を、続いて鉱物油スラリー中に投入することが好適である。スラリーの形成に用いる鉱物油は、任意の実質的に空気および湿分を含まない脂肪族または芳香族炭化水素、好適には触媒前駆体組成物、活性化剤および共触媒と非反応性の脂肪族炭化水素であることが可能である。適切な希釈剤としては、供給管中で触媒固体の沈降を最少化するために、比較的粘度が高い脂肪族またはナフテン系油類を含む水素化鉱物油類が挙げられるが、適切な工学設計により、イソペンタン、ヘキサンおよびヘプタンのような低粘度希釈剤類を用いることも可能である。好適な希釈剤は、25℃において剪断速度1秒-1で、ブルックフィールド粘度計によって測定した粘度が50センチポイズ(cP)より高く、特に70cPより高く、5,000cPより低い、脂肪族またはナフテン系炭化水素類である。希釈剤の粘度は、スラリー触媒供給器を用いて、スラリーが反応前活性化装置を通り最終的には重合反応器中へと支障なく送出されるのが可能なほどに、充分に低い。高流量にはプログレッシブキャビティポンプ(progressive cavity pump)類が、および、触媒流が≦10cm3/時のスラリーである場合はデュアルピストンシリンジポンプ類が、適切に用いられる。特に好適な希釈剤は、Witco Corporationから入手可能なKaydol(商標)350およびHydrobrite(商標)380、550および1000で例示される、食品グレードの鉱物油類である。
触媒前駆体の事前活性化
反応器への導入前に、触媒前駆体をルイス酸活性化剤と接触させる。ルイス酸活性化剤は1つの化合物でも、2つ以上の異なる化合物の混合物でもよい。好適なルイス酸は、式M’(R’’n)X(3-n)で表されるものである。[式中、M’はアルミニウムまたはホウ素であり、Xは独立に塩素、臭素またはヨウ素であり、各R’’は独立に、1から14の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、ただし、M’がアルミニウムの場合は、nは1から3であり、M’がホウ素の場合は、nは0から1.5である。]。適切なR’’基の例は、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシルおよびn−ドデシルである。特に好適なルイス酸類としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−イソプロピルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドが挙げられる。
単一のルイス酸活性化剤を用いる場合は、好適にはトリアルキルアルミニウム化合物、特に、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムおよびこれらの混合物である。2つの活性化剤の混合物を用いる場合は、化合物は望ましくは6:1から1:1のモル比(活性化剤化合物1:活性化剤化合物2)で用いる。特に好適な活性化剤化合物は、トリエチルアルミニウムまたはトリ−n−ヘキシルアルミニウム(活性化剤化合物1)とジエチルアルミニウムクロリド(活性化剤化合物2)のシーケンシャル(sequential)混合物、または、ジエチルアルミニウムクロリド(活性化剤化合物1)とトリエチルアルミニウムまたはトリ−n−ヘキシルアルミニウム(活性化剤化合物2)のシーケンシャル混合物である。
全前駆体活性化剤に対する前駆体中の電子供与体のモル比は、部分的事前活性化を所望の場合は、0.1:1から1:1、好適には0.1:1から0.75:1、より好適には0.1:1から0.3:1の範囲内であり得る。
「シーケンシャル」なる語は、第2の活性化剤が、第1の活性化剤との接触が生じた後までは、および、好適には10から60分の遅延後までは、前駆体と接触しないことを意味する。事前活性化はバッチプロセスまたはインラインプロセスで行ってもよく、好適には、前駆体が反応器まで搬送される間の時間に完全または部分的に活性化されるインライン式で行なう。好適な形態においては(インライン活性化システムとよばれることがある)、前駆体スラリーは場合によりスタティックミキサーを通過して均一化され、続いて活性化剤が添加される活性化剤注入ポートを通る。続いて混合物は、活性化剤を完全に混和するためにミキサーを通過する。第2の活性化剤を用いる場合は、部分的または完全に活性化された触媒混合物を反応器に注入するまで、このプロセスを反復してもよい。
このミキサー類は好適にはスタティックミキサー類であり、しかし、いかなる適切な混合手段を用いてもよい。場合により、重合反応器への注入の前にさらなる滞留時間を得るため、容器または長い連絡パイプが提供される場合がある。望ましい実施態様においては、均一に活性化された前駆体組成物を反応器に提供するために、部分的または完全に活性化された触媒前駆体は実質的にプラグ流れ(plug- flow)のストリームとして、任意の容器、ミキサー類、連絡パイプ類または他の機器を通過する。このインライン改質は、部分的または完全に活性化された触媒の保有時間を最短化し、用いる活性化剤の量をリアルタイムで直接コントロールすることを可能にし、触媒生産性のコントロールの改良をもたらすという、さらなる利点を有する。短い滞留時間と、活性化に高濃度の試薬を用いることを組み合わせると、前駆体が活性化剤と接触する時間が短い(一般的には1分から6時間)ことに起因して触媒の失活が最少となるため、触媒およびポリマー特性の改良をもたらす。
スタティックミキサーを用いる場合は、ミキサー中での固体類の蓄積を防止するために、好適には昇りまたは下りのどちらかの流れ方向と垂直に設置する。本発明で用いる適切なスタティックミキサーは、32のミキシングエレメントを、直径が0.5インチ(12.5mm)で全長が25インチ(63cm)のジャケット中に含む。スタティックミキサーエレメントは、活性化剤が前駆体スラリーに注入される、下流側の点に設置するべきである。ミキサーエレメントは、注入点から特定の最小距離内にあることを要さない。全体的なシステム配置および寸法によって異なるが、1から1000cmの距離は許容可能である。
スタティックミキサー類は、ミキシングエレメント上を通過する流体ストリームを繰り返し分割して、場合によって流れの方向を短距離にわたり逆にすることにより機能する。用いる活性化剤、活性化剤スラリーの粘度、スラリーの温度その他のプロセス条件によって異なり、触媒前駆体の活性化には、短いまたは長い反応時間が必要となる場合がある。この目的のためには、適切な容器を用いることによって、または、スラリーのプラグ流れが所望される場合は、さらなる長さの供給パイプまたは本質的にプラグ流れの待機容器のどちらかを用いることによって、活性化プロセスに適切な滞留時間を導入可能である。部分的に活性化された前駆体のため保持時間を増加させる滞留時間領域を、両方の活性化剤で用い、1つだけの活性化剤で用い、または、どちらの活性化剤でも用いないことが可能である。
前述の部分的または完全な活性化を実行する好適な様態を概略として図1に示す。図中では、プロ触媒(procatalyst)を、スラリーを反応器40に送るためにポンプ11を備えるスラリー供給タンク10に導入する。スラリーは、(第1)活性化剤16が添加される活性化剤注入ポート14のすぐ下流の、第1の反応領域12に移動する。場合により、混合物は次に、第2の活性化剤26が第2の反応領域22に添加される第2の活性化剤注入ポート24のすぐ下流の、第2の反応領域22に送られる。
各反応領域は、スタティックミキサー20および28を各々備える。用いる活性化化合物によって異なるが、活性化剤化合物と触媒前駆体の反応には、若干の反応時間が必要なことがある。これは、さらなる長さのスラリー供給パイプまたは本質的にプラグ流れである保持容器のどちらかで構成可能な、滞留時間領域44を用いて便利に行われる。共触媒または追加の活性化剤は、反応器へ充填される前に、共触媒供給タンク46からスラリーへと供給される。必要に応じて、追加の共触媒を反応器に供給してもよい(図示しない)。反応器40は好適には単一、連続気相反応器、または、直列に操作される、連続、2段、気相反応器である。
スラリーの粘度が高いため、熱移動が不十分だと、活性化中の温度の急上昇や失活の原因となり得る。触媒前駆体によって異なるが、劣化は60℃以上の温度で発生開始する可能性がある。したがって、本発明の完全または部分的な活性化は、10から60℃、好適には30から45℃の範囲の温度で行われることが望ましい。比較的一定の温度を維持し、温度の急上昇による局所的な触媒分解を防止するため、適切な混合をすることが望ましい。
均一に事前活性化された触媒前駆体を反応器に供給することを確実にするため、様々な混合装置および連絡配管を通される流れは、できるだけプラグ流れに近くすべきである。この点については、供給管中で高アスペクト比を維持することによって、軸方向の混合および滞留時間容器の使用を最少にするべきである。好適なL/D(長さ対直径比)は5から15の範囲である。これは、層流中の速度勾配のため、流れが低速度となり、逆混合が最少化する結果を生む。
1つ以上のステップにおいて触媒前駆体スラリーに活性化剤を加えた後は、この部分的に活性化された触媒を次に重合反応器に投入し、そこで共触媒による最終的な活性化を生じる。部分的活性化は、理論量より低い量の、または、活性化を不完全にするよう実験的に求めた量の活性化剤を用いて行う。残りの活性化剤(共触媒)を用いる場合は、部分的に活性化された触媒前駆体に、反応器に投入する前の最終ステップとして、または、重合反応器もしくはその同伴成分への添加を通じて添加する。
本発明の好適な実施態様においては、活性化剤の最終的な添加は、触媒スラリーを反応器に注入して30分以内、好適には15分未満に行い、その後に触媒混合物の十分な混合および連続プラグ流れによって、均一な活性化触媒混合物を作る。最終触媒スラリーの組成、すなわち触媒の量+鉱物油希釈剤の量は、25℃において剪断速度1秒-1で、ブルックフィールド粘度計によって測定した最終的なスラリー粘度が最低でも1000cP、好適には最低でも1500cPとなるよう調整する。これは、特に活性化後に、スラリーからの触媒の沈殿または沈降を削減する結果を生じる。活性化または部分的活性化触媒前駆体を反応器、特にオレフィン重合条件下で操作されている連続、気相重合反応器に、前記のインラインプラグ流れにより導入することを用いると、触媒特性および重合活性が均一となる結果が生じる。
共触媒の添加による完全な活性化
完全な活性を達成するためには、活性化剤または共触媒との接触によって前駆体を完全に活性化することが必要である。適切な共触媒は、都合よく用いられる公知の還元剤であり、部分的活性化に用いた前記開示の化合物を含む。例としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛およびアルミニウムの水素化物類、ハロゲン化物類および有機金属誘導体類が挙げられる。一般的には、共触媒はアルミニウムトリアルキル類、アルミニウムアルキルハリド類、アルミニウムアルコキシド類、アルミニウムアルキルアルコキシド類、および、アルミニウムアルコキシハリド類を含む群より選択される。特に、アルミニウムトリアルキル化合物およびアルミニウムジアルキルクロリド化合物を用いる。これらの化合物の例示としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、および、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリドが挙げられる。有用な他の金属化合物の例は、ブチルリチウムおよびジブチルマグネシウムである。
重合
単一反応器構成においては、部分的活性化前駆体および共触媒を含む全部の触媒組成物を反応器に加える。あるいは、共触媒の一部または全部を、反応器自体または反応器系を含むリサイクルアセンブリに加えてもよい。2段反応器構成においては、未反応モノマー類および/または第1反応器内で製造されたコポリマーもしくはホモポリマーを伴う以前に活性化された触媒を含む反応混合物を、第2の反応器に送る。必要に応じて、追加量の部分的もしくは完全に活性化された触媒、および/または、同一もしくは異なる共触媒を、第2反応器中の反応混合物、またはそこに充填される反応混合物に加えてもよい。
望ましくは、各反応器内の重合は、連続流動床法を用いて気相中で行う。一般的な流動床反応器は以下に記載のものでもよい。通常、床は反応器で製造されるものと同一の粒子状樹脂で形成される。よって、重合の最中には、床は生成ポリマー粒子、成長中のポリマー粒子および触媒粒子を含み、これらは粒子が分離され、流体として挙動するのに充分な流量または速度で、重合気体成分および改質気体成分が供給されて流動化されている。流動化気体は、最初の供給ガス、補給ガス、および、循環(リサイクル)ガス、すなわちコモノマー類、ならびに、必要に応じて改質剤および/または不活性搬送ガスによって構成される。
反応系の主要部分は、反応容器、床、ガス分配板、吸入および排出管、コンプレッサ、循環ガス冷却器、ならびに生成物排出システムである。反応容器内において、床の上方には速度減衰領域があり、床内には反応領域がある。それらは両方ともガス分配板より上にある。一般的な流動床反応器は、さらに米国特許第4,482,687号その他に記載されている。
エチレン、他の気体状α−オレフィン類および水素の気体状供給ストリームを用いる場合は、好適には液状のα−オレフィン類および共触媒溶液と共に、反応器のリサイクルラインに供給する。場合により、液状の共触媒を流動床に直接供給することが可能である。部分的に活性化された触媒前駆体は、好適には流動床内に鉱物油スラリーとして注入する。一般的に活性化は共触媒の添加によって反応器内で完了する。流動床内に導入されるコモノマー類のモル比を変更すると、生成物の組成を変えることができる。重合に伴い床の高さが高くなるため、顆粒状または粒子状の生成物を反応器から連続的に排出する。両反応器内の触媒の供給速度および/またはエチレンの分圧を調節することによって、生産速度を制御する。
水素:エチレンのモル比を調節して、ポリマー生成物の平均分子量を制御可能である。エチレン以外のα−オレフィン類を用いる場合は、全量がコポリマーの15重量パーセント以下で存在可能であり、好適には全ポリマー重量を基準にして全量が0.1から10パーセントでコポリマー中に含まれる。このようなα−オレフィンの量を調整して、最終生成物の密度を調節可能である。
気体状および液体状反応物、触媒ならびに樹脂を含む反応混合物の各流動床における滞留時間は、1から12時間の範囲内であることが可能であり、好適には1.5から5時間の範囲内である。2段反応器系の1つまたは両方の反応器は、必要に応じて米国特許第4,543,399号、第4,588,790号および第5,352,749号に記載のような凝縮モードで操作可能である。
2段反応器構成においては、一般的に第1の反応器では、比較的低いメルトインデックスまたはフローインデックス(または高分子量)のコポリマーを製造する。好適にはポリマー混合物、未反応モノマーおよび活性化触媒を、窒素または反応器のリサイクルガスを移送媒体として用いる連絡配管(intercommunicating conduit)によって、第1の反応器から第2の反応器へ送る。かわりに、第1の反応器内で低分子量コポリマーを製造することも可能であり、第2の反応器内で高分子量コポリマーを製造することも可能である。
用いる反応器にかかわらず、高分子量生成物の製造には、α−オレフィン対エチレンのモル比が0.01:1から0.8:1、好適には0.02:1から0.35:1であることが望ましい。水素対エチレンのモル比は、望ましくは0:1から約0.3:1の範囲内であり、好適には約0.01から約0.2:1の範囲内である。好適な操作温度は目的密度によって異なり、低密度向けにはより低い温度を用い、高密度向けにはより高い温度を用いる。適切な操作温度は70から110℃である。
低分子量生成物の製造向けには、α−オレフィン対エチレンのモル比は、一般的に0:1から0.6:1であり、好適には0.001:1から0.42:1である。水素対エチレンのモル比は0:1から3:1の範囲内にあることが可能で、好適には約0.5:1から約2.2:1の範囲内である。操作温度は一般的には70から110℃である。反応器内における生成物の粘着を避けるため、好適には操作温度を目的密度によって変更する。
高分子量反応器内で製造されるコポリマー対低分子量反応器内で製造されるコポリマーの重量比(「スプリット」という)は、望ましくは30:70から80:20の範囲であり、好適には40:60から65:35の範囲である。
共触媒を含む遷移金属ベースの触媒系、エチレン、α−オレフィン、および、場合により水素を第1反応器に連続的に供給し、ポリマー/活性触媒混合物を連続的に第1の反応器から第2の反応器に移送し、エチレン、ならびに、場合によりα−オレフィンおよび水素、および共触媒を、第2の反応器に連続的に供給する。最終生成物を連続的に第2反応器から除去する。好適な様態は、第1の反応器からバッチ量の生産物を除去し、リサイクルガス圧縮システムによって生じる差圧を用いてこれらを第2の反応器に移送することである。米国特許第4,621,952号に記載のものに類似のシステムは、この点で特に好適である。
第1反応器内と第2反応器内の圧力は、同じでも違っていてもよい。反応混合物またはポリマーを第1の反応器から第2の反応器へと移送するために用いる特定の方法によって、第2の反応器の圧力は、第1の反応器の圧力より高くても、いくらか低くてもよい。第2の反応器の圧力が低い場合は、ポリマーと触媒の混合物を反応器1から反応器2へと移送するためにこの差圧を利用可能である。第2の反応器の圧力が高い場合は、循環ガスコンプレッサーによる差圧を、反応混合物の移送の原動力として用いることができる。この圧力、すなわち、反応器の全圧は200から500psig(1.5〜3.6MPa)の範囲内であることが可能であり、好適には250から450psig(1.8〜3.2MPa)の範囲内である。第1反応器内のエチレン分圧は10から150psig(170〜1,100kPa)の範囲内であることが可能であり、好適には20から80psig(240〜650kPa)の範囲内である。第2反応器内のエチレン分圧を、この反応器内で製造しようとする(コ)ポリマーの量に基づいて、上述のスプリットを達成するよう設定する。第1反応器内のエチレン分圧を上昇させると、第2反応器内のエチレン分圧の上昇を生じる。エチレン以外のα−オレフィンおよび窒素のような不活性ガスによって、全圧のバランスをとる。誘導された凝縮剤のような他の不活性炭化水素類、例えばイソペンタンまたはヘキサンもまた、反応器内の温度および圧力下におけるそれらの蒸気圧に基づき、反応器の全圧に寄与する。
望ましくは本発明に基づき、事前活性化ステップ(5)における部分的活性化に用いる前駆体中の活性化剤対電子供与体のモル比は、0.1:1から1:1の範囲内であり、好適には0.1:1から0.75:1の範囲内であり、最も好適には0.1:1から0.3:1の範囲内である。事前活性化ステップ(5)における部分的活性化に用いる前駆体中の活性化剤対遷移金属のモル比は、0.25:1から20:1の範囲内であり、好適には0.5:1から10:1の範囲内であり、より好適には0.5:1から5:1の範囲内である。
最終重合ステップ時までに本発明のプロセスで用いる全ての活性化剤および共触媒対電子供与体の総モル比は、望ましくは2:1から50:1の範囲内であり、好適には3:1から20:1の範囲内であり、より好適には3:1から15:1の範囲内である。本発明のプロセスで用いる活性化剤化合物および共触媒の総量対遷移金属のモル比は、好適には10:1から200:1であり、より好適には20:1から100:1であり、最も好適には20:1から50:1である。
本発明のプロセスは、予想よりも、得られるポリマー中の微粒子の量を低減する結果を生じ、特に、粒子径が125μmより小さい微粒子のレベルを低減する。得られる生成物中の微粒子量は、本発明に基づく部分的または完全な事前活性化を用いない以外は同一の条件下で製造したポリマー中の微粒子量と比較して、最低でも10パーセント、好適には最低でも25パーセント、より好適には最低でも35パーセント低い。
本発明に基づくポリマー微粒子発生の削減という前述の利点は、以下の機構の1つ以上に起因すると考えられるが、いかなる理論または仮説にも拘束されることを望むものではない。
1.事前活性化は、表面/体積比が高いために、既に完全に活性化されているか、反応器への投入により容易に活性化される、より小さい触媒粒子を製造し、これは、活性化剤/電子供与体比または活性化剤/チタニウム化合物比が高くなる結果を生じる。これは、より急速な重合開始、および、反応器内におけるより長時間の成長を導き、ポリマー粒子径がより大きくなる原因となる。
2.事前活性化は、事前活性化段階における活性化剤/前駆体の濃度を高くする結果を生じる。事前活性化された粒子は、完全活性化が均一に進行し、誘導期はいずれも短くなり、および、触媒活性/時間プロフィールを増加させる。これは、粒子毎の熱放出をより大きくし、触媒/ポリマー粒子のより速い凝集とより高い構造的完全性をもたらし、そして、触媒およびポリマー粒子が摩耗力にさらされることを低減する結果を生ずる。
3.事前活性化は、触媒前駆体粒子の表面を改質して、小さな粒子が大きなポリマー粒子によりよく接着する結果を生じ、微粒子レベルの低下をもたらす。
当業者は、特に開示されてない、いずれかの成分が存在しなくても、本明細書に開示されている発明を実施できることを認識するであろう。下記の実施例は、本発明をさらに説明するために提供されるものであり、限定的に解釈するためのものではない。特に反する記載がない限り、部数およびパーセンテージはすべて重量基準で表される。「終夜」なる語は、用いる場合には、約16〜18時間の時間をさし、「室温」なる語は20〜25℃の温度をさし、「C24PP」なる語はエチレン分圧をさす。本実施例中の化合物の名称が、その構造的表現と一致しない場合、構造的表現に従うものとする。
試験方法
残存Ti濃度とは、ポリマーサンプル中のチタニウム値を百万分率(ppm)で表したものであり、ASTM D1928、条件Cに従い製造したプラークのX線蛍光を用いて測定する。残存チタニウムは専らポリマー中の触媒残渣に由来するため、触媒生産性の指標となる。触媒の生産性が高くなればなるほど、ポリマー中の残存チタニウム濃度は低くなる。
「メルトインデックス」なる語は、本明細書中で用いる場合、「I2」なる語と同義に用い、ASTM D−1238に基づき190℃および2.16キログラムで測定し、グラム/10分またはデシグラム/分で表す。
本明細書中で用いる場合、「フローインデックス」「FI」または「I21」なる語は、ASTM D−1238に基づき190℃および21.6キログラムで測定し、グラム/10分またはデシグラム/分で表す。
「メルトフロー比」なる語を本明細書で用いる場合は、フローインデックス対メルトインデックスの比である。
ポリマー密度は、プラークの製造にはASTM D1928、条件Cを、密度の測定にはASTM 方法792Dを用いて測定する。
「D10」、「D50」および「D90」なる語を本明細書中で用いる場合は、ドデカン希釈剤を用い、コールター粒子径分析器手段によって測定したサンプルの粒子径の対数正規分布の特定のパーセンタイル(percentiles)を表し、前記分布の10、50、および90パーセンタイル順位に対応する粒子径を示す。
触媒前駆体の製造
圧力および温度制御装置、ならびに、タービン撹拌機を備える、約7500リットルのガラス被覆容器中で、3塩化チタニウム触媒前駆体を製造する。窒素雰囲気(<5ppm H2O)を常に維持する。テトラヒドロフラン(10,500lbs、4800kg、<400ppm H2O)を容器に加える。テトラヒドロフランは密閉式循環乾燥器から回収し、約0.1パーセントのMgと0.3パーセントのTiを含む。トリエチルアルミニウム(187lbs、85kg)の11パーセントTHF溶液を加え、残存水分を除去する。反応器内容物を40℃に加熱し、13.7lbs(6kg)の顆粒マグネシウム金属(粒子径0.1〜4mm)を加え、その後、214.5lbs(97.3kg)の4塩化チタニウムを半時間をかけて加える。
混合物を連続的に撹拌する。4塩化チタニウムの添加により生じる反応熱によって、混合物の温度は約44℃に上昇する。次に温度を70℃まで昇温し、その温度を約4時間維持し、続いて50℃まで冷却する。このときの終わりに、522ポンド(238kg)の2塩化マグネシウムを加え、加熱を開始し、70℃まで昇温する。混合物をこの温度でさらに5時間維持し、次に35℃に冷却し、そして、100メッシュ(150μm)フィルターを通して濾過し、固体を除去する。
フュームド(fumed)シリカ(Cabot Corporation製、CAB−O−SIL(商標) TS−610)(811lbs、368kg)を1時間かけて前駆体溶液に加える。この間およびその後4時間、混合物をタービン撹拌機手段によって撹拌し、シリカを完全に分散させる。この間は混合物の温度を40℃に維持し、乾燥窒素雰囲気を常に維持する。得られたスラリーを、ロータリーアトマイザーを備える直径8フィートの閉鎖式サイクルスプレー乾燥機を用いてスプレー乾燥する。ロータリーアトマイザーは、D50が20〜30μmオーダーの触媒粒子が得られるよう調節する。スプレー乾燥機の洗浄部分は約+5から−5℃に維持する。
スプレー乾燥機中には窒素ガスを入り口温度140℃から165℃で導入し、約1000〜1800kg/時間の速度で循環させる。温度が35℃、速度が65〜100kg/時、または、排出ガスの温度が100〜125℃の範囲内となるよう充分な速度で、触媒スラリーをスプレー乾燥機に供給する。噴霧圧力は大気圧よりわずかに高く維持する。得られた触媒粒子を鉱物油(Witco Corporationから入手可能なKaydol(商標)350)と、窒素雰囲気下で、タービン撹拌機を備える窒素雰囲気下の400リットルガラス被覆容器中で混合し、約28重量パーセントの触媒前駆体を含むスラリーを形成する。
触媒前駆体部分的事前活性化
前駆体の鉱物油スラリーを、塩化ジエチルアルミニウム(DEAC)の30パーセント鉱物油溶液、トリ−n−ヘキシルアルミニウム(TNA)の50パーセント鉱物油溶液、または、両方の活性化剤のシーケンシャル混合物と室温で接触させ、部分的活性化する。前駆体中に存在するルイス塩基に基づき、理論量より少ない量の触媒前駆体スラリーを、混合容器に室温で加える。撹拌しながら、適当な量の活性化剤を加える。両方の活性化剤を用いる場合は、DEAC溶液を最初に加え、スラリーを1時間撹拌した後にTNA溶液を加え、その後さらに2時間撹拌する。DEACまたはTNA活性化剤のみを用いる場合は、添加の後、使用前に最低でも1時間撹拌する。部分的活性化の後、部分的活性化前駆体を含むスラリーは、使用前は室温にて保存する。
実施例1および2、比較実施例1
80℃で操作される単独気相重合反応器を用いて、高分子量エチレン/1−ヘキセンコポリマー生成物を製造する。反応器は直径14インチ(36cm)の円筒形反応器であり、床の高さは公称5から6フィート(1.5〜1.8m)であり、そして、流動気体速度は2フィート/秒(0.6m/秒)である。コモノマー含有率をコントロールして、同一の密度のポリマーを製造する。トリエチルチタニウム(TEAL)共触媒を、イソペンタン溶液の形でリサイクルガスに加える。120メッシュ(孔径が125μm)のふるいを通過するサンプルの量に基づいて、ポリマー微粒子を測定する。平均粒子径の算出には、相乗平均を用いた。表1に結果を示す。
実施例1および2は、比較実施例の重合に対して、微粒子の発生が削減されたことを示す。残存Tiとして測定される実施例1の触媒生産性もまた、比較実施例1の生産性よりも良好だが、しかし、実施例2の生産性は比較実施例1のそれよりも低い。
実施例3、比較実施例2
実施例1の前駆体部分的活性化方法(TNA活性化剤、0.17Al/THFモル比)を、本質的に類似する2つの反応器が直列に操作される2段式気相重合プロセスと組み合わせて、実質的に反復する。全ての重合の共触媒はTEALである。第1の反応器からのコポリマー生成物を、追加のTEAL共触媒およびエチレンモノマーと共に、第2の反応器に充填する。表2に結果を示す。
実施例3の結果は、第1および第2の反応器の両方で製造されたポリマー生成物中のポリマー微粒子が削減されたことを、再び示す。残存チタニウム値は第1反応器の後は高いが(生産性が低いことを示す)、しかし、両反応器における重合の完了後は低減する。
実施例4、5および比較実施例3、4
他の直列2段式反応器様態の実験を、TNAを前駆体活性化剤として用いて行う。実施例5においては、以下の方法に基づくインライン事前活性化を用いる。32混合エレメントを有し、内径が0.5インチ(12.5mm)であり、全体の長さが25インチ(63cm)の、2フィート(610mm)32エレメントスタティックミキサー(Kenics Corp.から入手可能)を、下方に流れる方向に縦に設置する。反応器への注入前の滞留時間が約15から45分となるように、スタティックミキサーの直前にパイプへの活性化剤注入点を設定し、上方流れ、プラグ流れアキュムレータをミキサーの後に設置する。TNA活性化剤(鉱物油中に50パーセント)をスタティックミキサー前の移送管に注入する。全ての連結および連絡管は、内径が0.5インチ(12.5mm)のステンレス鋼管である。重合の結果を表3にまとめる。
実施例4および5の、最終反応器から排出された生成物中のポリマー微粒子は、比較実施例3および4と各々比較して、13および33パーセント減少する。第2反応器で製造された生成物は、最終生成物および第1反応器の生成物よりも密度がかなり高く、分子量が低く、低密度生成物と比較して、本質的に細分化および微粒子発生の対象となることがより多いという事実と考慮すると、この結果は注目に値する。実施例5における最終ポリマー密度もまた、実施例4で製造した生成物の最終ポリマー密度より高く、微粒子発生の削減は、よりさらに顕著となる。
図1は、本発明の触媒活性化プロセスを図解するフローチャートである。
符号の説明
10 スラリー供給タンク
11 ポンプ
12 第1の反応領域
14 活性化剤注入ポート
16 活性化剤
20,28 スタティックミキサー
22 第2の反応領域
24 第2の活性化剤注入ポート
26 第2の活性化剤
40 反応器
44 滞留時間領域
46 共触媒供給タンク

Claims (11)

  1. (1)マグネシウムおよびチタニウム化合物、電子供与体、ならびに、溶媒の混合物を含む触媒前駆体の溶液を製造し、
    (2)ステップ(1)の前記溶液にフィラーを加えスラリーを形成し、
    (3)ステップ(2)の前記スラリーを、100から140℃の温度でスプレー乾燥し、スプレー乾燥した前駆体を形成し、
    (4)ステップ(3)の前記スプレー乾燥した前駆体を鉱物油中でスラリー化し、
    (5)(4)の前記スラリーと、1つ以上のルイス酸とを接触させることにより、前記触媒前駆体を部分的にまたは完全に事前活性化し、ならびに、
    (6)ステップ(5)の前記部分的にまたは完全に活性化された前駆体を、オレフィン重合反応が進行中の気相反応器に移送することを含む、気相オレフィン重合プロセス。
  2. (1)マグネシウムおよびチタニウム化合物、電子供与体、ならびに、溶媒の混合物を含む触媒前駆体の溶液を製造し、
    (2)ステップ(1)の前記溶液に多孔性触媒支持体を加え、スラリーを形成し、
    (3)ステップ(2)の前記スラリーを乾燥させ、固体触媒前駆体を形成し、
    (4)ステップ(3)の前記固体前駆体を粘稠の不活性液体中でスラリー化し、
    (5)(4)の前記スラリーと1つ以上のルイス酸とを接触させることにより、前記触媒前駆体を部分的にまたは完全に事前活性化し、ならびに、
    (6)ステップ(5)の前記部分的にまたは完全に活性化された前駆体を、オレフィン重合反応が進行中の気相法反応器に移送することを含む、気相オレフィン重合プロセス。
  3. 請求項1または2のプロセスであり、ここで、
    1)ステップ(1)の前記触媒前駆体は式
    Mgd(M)(OR)ef(ED)g
    [式中、
    Rは1から14の炭素原子を有する脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであるか、COR’であり、ここで、R’は1から14の炭素原子を有する脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであり、および、各OR基は同一もしくは異なっており、
    Mは遷移金属であり、
    Xは独立に塩素、臭素またはヨウ素であり、
    EDは電子供与体であり、
    dは0.5から56であり、eは0、1または2であり、fは2から116であり、gは>2であり、および、1.5(d)+3以下である。]
    で表され、ならびに、
    2)ステップ(5)の前記ルイス酸は、
    i)式M’(R’’n)X(3-n)[式中、M’はアルミニウムまたはホウ素であり、各Xは独立に塩素、臭素またはヨウ素であり、各R’’は独立に、1から14の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、ただし、Mがアルミニウムの場合は、nは1から3であり、Mがホウ素の場合は、nは0から1.5である。]で表される1つ以上の化合物であり、ならびに、
    ii)前記前駆体中の全ルイス酸対電子供与体のモル比が、0.10:1から1.0:1となるような量で加えられる、プロセス。
  4. 請求項1または2のプロセスであり、ここで前記ルイス酸は、
    1)式M’(R’’n)X(3-n)の1つ以上のアルキルアルミニウム化合物であり、ここで、M’はアルミニウムであり、R’’はn−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、イソ−オクチル、イソヘキシルおよびn−デシルであり、XはClまたはBrであり、および、nは0から1.5の数であり、ならびに、
    2)前記前駆体中の全ルイス酸対電子供与体のモル比が、0.10:1から0.75:1となるような量で加えられる、プロセス。
  5. 請求項4のプロセスであり、ここで前記ルイス酸は、
    1)トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリイソプレニルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、および、それらの混合体からなる群より選択され、ならびに、
    2)前記前駆体中の全ルイス酸対電子供与体のモル比が、0.10:1から0.30:1となるような量で加えられる、プロセス。
  6. 前記ルイス酸が、トリ−n−ヘキシルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドのシーケンシャル混合物、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドのシーケンシャル混合物、ジエチルアルミニウムクロリドとトリ−n−ヘキシルアルミニウムのシーケンシャル混合物、または、ジエチルアルミニウムクロリドとトリエチルアルミニウムのシーケンシャル混合物である、請求項4のプロセス。
  7. 前記気相重合中で発生するポリマー微粒子の量が、類似のプロセスであるが、ステップ(5)の前記事前活性化を有さないプロセスで製造された場合よりも最低でも10パーセント少ない、請求項1または2のプロセス。
  8. (2)の前記スラリーが、スタティックミキサーを用いて、前記ルイス酸と均質混合されている、請求項1または2のプロセス。
  9. 前記気相反応器が単一反応器構成である、請求項1または2のプロセス。
  10. オレフィン重合反応が進行している前記気相反応器が、多段直列反応器構成における第1反応器である、請求項1または2のプロセス。
  11. 前記多段直列反応器構成が、2段反応器構成である、請求項10のプロセス。
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