JP2006524238A5 - - Google Patents

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JP2006524238A5
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Description

小粒子を調製するための方法
(関連出願への相互参照)
本願は、2002年9月17日に出願の特許出願第10/246,802号の一部継続出願であり、前記出願は、さらに2001年10月19日に出願の特許出願第10/035,821号の一部継続出願であり、前記出願は、さらに2001年9月17日に出願の特許出願第09/953,979号の一部継続出願であり、前記出願は、さらに2001年6月5日に出願の特許出願第09/874,637号の一部継続出願であって、前記出願は、2000年12月22日に出願の仮出願第60/258,160号によって優先権を主張している。上で述べた全特許出願は参照して本明細書に組み込まれ、その一部とする。
(連邦政府がスポンサーである研究または開発)
該当なし
(発明の背景)
(技術分野)
本発明は水性媒質中で有機化合物を沈殿させて、予備懸濁液を形成し、それからエネルギーを付加して粒子の被膜を安定化させるか、または粒子の格子構造を変えることによる、有機化合物小粒子の形成に関する。本発明はさらにエネルギーを付加しながら同時に沈殿させることも想定している。これらの方法は、好ましくは、腸管外、口、肺、鼻、頬、外用、眼、直腸、膣、経皮などの投与経路を通じてin vivoに送達するに好適な、水溶性の小さい、薬学的に活性な化合物の小粒子懸濁液の調製に使用される。
(従来技術)
治療効果または診断効果を目的として構成される、水溶液に対する溶解度が小さいか、または不溶性の有機化合物の数は増加の一途をたどっている。この種の薬物は、上に具体的に挙げた投与経路を通じていかにこれを送達するか、という難問を提供する。水に不溶な化合物は、これをサブミクロン粒子の安定した懸濁液として製剤化すれば非常に有益となろう。粒経を正確に制御することは、これらの製剤を安全かつ有効に使用するために不可欠である。粒子が、毛細血管を閉塞させないで安全にこれを通過するには、その径が7μmより小さくなければならない(Allen et al.,;Davis and Taube,1978;Schroeder et al.,1978;Yokel et al.,1981)。この問題を解決する一つの方法は、不溶な薬物候補の小粒子を調製し、マイクロメートルサイズの粒子かナノメートルサイズの粒子の懸濁液を創出することである。このようにすれば、水を主とする系で製剤化するには従来不安定であった薬物であっても、静脈内投与に適する製剤にすることが可能となる。静脈内投与に適する要件は、粒径が小さいこと(<7μm)、毒性が低いこと(有毒な製剤成分、残留溶媒など)、薬物粒子の投与後のバイオアベイラビリティなどである。
水に不溶な薬物の小粒子の製剤は、口、肺、外用、眼、鼻、頬、直腸、膣、経皮などの投与経路に対しても適する可能性がある。粒子は小さくすれば、薬物の溶解速度が高まり、その結果、そのバイオアベイラービリティが高まるばかりでなく、毒性までが強まる可能性もある。これらの経路で投与する場合、薬物の投与経路、剤形、溶解度、およびバイオアベイラビリティによって、粒径は、5〜100μmの範囲にあることが望ましいかもしれない。たとえば、経口投与の場合、粒径は約7μm未満であることが望ましい。経肺投与する場合、粒径は約10μm未満であることが好ましい。
(発明の要旨)
本発明は、水に混合可能な第一の溶媒に対する溶解度が、水性である第二の溶媒に対する溶解度より大きな有機化合物の小粒子懸濁液を調製するための組成物と方法とを提供する。この方法は、(i)有機化合物を水と混合可能な第一溶媒に溶解して溶液を形成する工程と、(ii)溶液と第二溶媒とを混合して粒子の予備懸濁液を規定する工程と、(iii)予備懸濁液にエネルギーを付加して、平均有効粒子経が約100μm未満の粒子の懸濁液を形成する工程とを含む。好ましい実施態様では、この方法は、さらに一種類以上の表面変性剤を、水と混合可能な第一溶媒か、第二溶媒か、または第一溶媒と第二溶媒の両方に混合する工程を含む。
さらに、本発明は、予備懸濁液を形成する第一工程および第二工程と、エネルギーを付加する工程とを同時に行う方法を提供する。本明細書で説明するすべての方法への適用。
さらに、本発明は、水に混合可能な第一の溶媒に対する溶解度が、水性である第二の溶媒に対する溶解度より大きな薬学的に活性な化合物の小粒子懸濁液を調製するための組成物と方法を提供する。この方法は、(i)薬学的に活性な化合物を水と混合可能な第一溶媒に溶解して第一の溶液を形成する工程と、(ii)第一溶液と第二溶媒とを混合して粒子の予備懸濁液を規定する工程と、(iii)予備懸濁液にエネルギーを付加して、平均有効粒子経が約100μm未満の薬学的に活性な化合物の粒子懸濁液を形成する工程とを含む。水と混合可能な第一溶媒か、または第二溶媒は、任意選択的に一つ以上の表面変性剤を含んでもよい。組成物は、腸管外、口、肺、鼻、眼、外用、頬、直腸、膣、経皮などの投与経路を通じてin vivoに送達することができる。好ましい実施態様では、薬学的に活性な化合物は水に対する溶解度が小さい。別の好ましい実施態様では、この方法は、組成物を滅菌する工程が追加される形で含む。
さらに、本発明は、腸管外投与するための、薬学的に活性な化合物の小粒子の無菌薬物組成物を調製するための組成物と方法を提供する。化合物は、水に混合可能な第一の溶媒に対する溶解度が、水性である第二の溶媒に対する溶解度より大きい。この方法は、(i)薬学的に活性な化合物を水と混合可能な第一溶媒に溶解して第一の溶液を形成する工程と、(ii)第一溶液と第二溶媒とを混合して粒子の予備懸濁液を規定する工程と、(iii)予備懸濁液にエネルギーを付加して、平均有効粒子経が約7μm未満の薬学的に活性な化合物の粒子懸濁液を形成する工程と、(iv)組成物を滅菌する工程とを含む。水と混合可能な第一溶媒か、または第二溶媒は、任意選択的に一種類以上の表面変性剤を含んでもよい。好ましい実施態様では、薬学的に活性な化合物は水に対する溶解度が小さい。
さらに、本発明は、経口投与するための、薬学的に活性な化合物の小粒子の無菌薬物組成物を調製するための組成物と方法を提供する。化合物は、水に混合可能な第一の溶媒に対する溶解度が、水性である第二の溶媒に対する溶解度より大きい。この方法は、(i)薬学的に活性な化合物を水と混合可能な第一溶媒に溶解して第一の溶液を形成する工程と、(ii)第一溶液と第二溶媒とを混合して粒子の予備懸濁液を規定する工程と、(iii)予備懸濁液にエネルギーを付加して、平均有効粒子経が約100μm未満の薬学的に活性な化合物の粒子懸濁液を形成する工程とを含む。水と混合可能な第一溶媒か、または第二溶媒は、任意選択的に一種類以上の表面変性剤を含んでもよい。好ましい実施態様では、薬学的に活性な化合物は水に対する溶解度が小さい。
さらに、本発明は、肺から投与するための、薬学的に活性な化合物の小粒子の薬物組成物を調製する組成物と方法を提供する。化合物は、水に混合可能な第一の溶媒に対する溶解度が、水性である第二の溶媒に対する溶解度より大きい。この方法は、(i)薬学的に活性な化合物を水と混合可能な第一溶媒に溶解して第一の溶液を形成する工程と、(ii)第一溶液と第二溶媒とを混合して粒子の予備懸濁液を規定する工程と、(iii)予備懸濁液にエネルギーを付加して、平均有効粒子経が約10μm未満の薬学的に活性な化合物の粒子懸濁液を形成する工程とを含む。水と混合可能な第一溶媒か、または第二溶媒は、任意選択的に一種類以上の表面変性剤を含んでもよい。好ましい実施態様では、薬学的に活性な化合物は水に対する溶解度が小さい。組成物は、エアロゾル化して噴霧器で投与することができる。あるいは、この方法は、懸濁液から液相を除去して小粒子の乾燥粉末を形成する工程を追加的に含んでもよい。この粉末は乾燥粉末吸入器で投与することができるし、あるいはこの乾燥粉末をハイドロフルオロカーボン系噴射剤に懸濁させて、用量計量式吸入器で投与することもできる。
以上述べてきた本発明の実施態様やその他の詳細を、以下の図面および付随する明細とによって説明する。
(発明の詳細な説明)
本発明は多くの異なった形の実施態様が可能である。ここに開示される本発明の好ましい実施態様は、本発明の基本原理を例示するものと考えるべきであり、本発明が有する広範な態様を、例示する実施態様に限定するものではない。
本発明は、有機化合物の小粒子を形成する組成物と方法とを提供する。本発明の方法に使用される有機化合物は、溶解度が一つの溶媒から別の溶媒へと減少する有機化学種であれば、種のいかんを問わない。もちろん、この有機化合物は、薬学的に活性な化合物であってもよく、その化合物は、治療薬、診断薬、香粧品、栄養補給剤および農薬の中から選択することができる。
治療薬は、既知の各種薬物、たとえば、鎮痛薬、麻酔薬、興奮薬、アドレナリン作動薬、アドレナリン遮断薬、抗アドレナリン薬、アドレノコルチコイド、アドレナリン類似作動薬、抗コリン作動薬、抗コリンエステラーゼ、抗痙攣薬、アルキル化薬、アルカロイド、アロステリック阻害剤、タンパク質同化ステロイド、食欲抑制薬、制酸薬、抗しゃ薬、解毒薬、葉酸代謝拮抗薬、下熱薬、抗リウマチ薬、心理療法薬、神経遮断薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗生物質、抗凝固薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗真菌薬、抗ヒスタミン薬、抗高血圧薬、抗ムスカリン薬、抗マイコバクテリア薬、抗マラリヤ薬、防腐薬、抗腫瘍薬、抗原虫薬、免疫抑制薬、免疫促進薬、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、収斂剤、βアドレナリン作動遮断薬、造影剤、コルチコステロイド薬、咳止め薬、診断薬、診断造影薬、利尿薬、ドパミン作動薬、止血薬、血液学的薬品、ヘモグロビン修飾剤、ホルモン、睡眠薬、免疫薬(immuriological agents)、抗高脂血薬およびその他の脂質調節薬、ムスカリン様作用薬、筋弛緩薬、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニン、プロスタグランジン、放射線医薬品、鎮静薬、性ホルモン、抗アレルギー薬、興奮剤、交感神経作用薬、甲状腺製剤、血管拡張薬、ワクチン、ビタミン、およびキサンチンの中から選択することができるが、これらの薬物に限定されるものではない。抗腫瘍薬または抗癌剤には、パクリタキセルとその誘導体化合物、およびアルカロイド、抗代謝物、酵素阻害剤、アルキル化薬、および抗生物質からなる群から選択されるその他の抗腫瘍薬が含まれるが、これらに限定されるものではない。治療薬としては、生物学的製剤も可能であり、たとえばタンパク質、ポリペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、および核酸を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。タンパク質としては、抗体が可能であり、その抗体は、ポリクローナルでもモノクローナルでも可能である。
診断薬にはX線造影剤や造影剤が含まれる。X線造影剤の例としては、ジアトラゾ酸エチルエステル(EEDA)の名でも知られるWIN−8883(3,5−ジアセタミド−2,4,6−トリヨード安息香酸エチル)、WIN 67722、すなわち(6−エトキシ−6−オキソヘキシル−3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾエート)、2−(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)酪酸エチル(WIN 16318)、ジアトリゾキシ酢酸エチル(WIN 12901)、2−(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)プロピオン酸エチル(WIN 16923)、N−エチル2−(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシアセタミド(WIN 65312)、イソプロピル2−(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)アセタミド(WIN 12855)、2−(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシマロン酸ジエチル(WIN 67721)、2−(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシフェニル酢酸エチル(WIN 67585)、プロパン二酸[[(3,5−ビス(アセタミド)−2,4,5−トリヨードベンゾイル]オキシ]ビス(1−メチル)エステル(WIN 68165)、および安息香酸3,5−ビス(アセチルアミノ)−2,4,6−トリヨード−4−(エチル−3−エトキシ−2−ブテノエート)エステル(WIN 68209)を挙げることができる。好ましい造影剤としては、生理学的条件下で比較的速やかに分解することが期待され、粒子が関係する炎症応答が極力抑えられる造影剤を挙げることができる。分解は、酵素による加水分解、生理的pHにおけるカルボン酸の可溶化などの機序によって行われる可能性がある。それゆえ、ヨードパミド、ジアトリゾ酸、およびメトリゾ酸のような水に難溶なヨウ素化カルボン酸のほか、WIN 67721、WIN 12901、WIN 68165、WIN 68209などのような加水分解を受けやすいヨウ素化種が好ましいかもしれない。
その他の造影剤としては、磁気共鳴画像用粒子調剤、たとえばガドリウムキレートやその他の常磁性造影剤をあげることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。このような化合物の例としてはガドペンテテートジメグルミン(Magnevist)とガドテリドール(Prohance)がある。
これらのクラスの治療薬および診断薬に関する解説や各クラスに属する化学種のリストは、Marindale,The Extra Pharmacopeia,29版、The Pharmaceutical Press, London,1989年から探すことができる。これを参照して本明細書に組み込み、その一部とする。治療薬および診断薬は、市販品を入手することができ、そして/または既存の技術で調製することができる。
香粧物質は、香粧効果を発揮できる活性成分である。このような活性成分の例としては、特に、柔軟剤、湿潤剤、フリーラジカル抑制剤、抗炎症剤、ビタミン、色素除去剤、抗アクネ薬、抗脂漏薬、表皮剥脱促進薬、スリム化薬、皮膚着色剤および日光スクリーン、そして、特にリノレン酸、レチノール、レチン酸、アスコルビン酸アルキルエステル、ポリ不飽和脂肪酸、ニコチン酸エステル、ニコチン酸トコフェロール、米、大豆、またはシア(shea)の非ケン化物、セラミド、グリコール酸などのオキシ酸、セレン誘導体、抗酸化剤、ベータカロチン、ガンマオリザノール、およびグリセリン酸ステアリルなどがある。香粧物質は、市販品を入手することができ、そして/または既存の技術で調製することができる。
本発明を実施する場合、使用が予想される栄養補給剤の例としては、タンパク質、炭水化物、水溶性ビタミン(たとえば、ビタミンC、B複合ビタミンなど)、脂溶性ビタミン(たとえば、A,D,E,Kなど)、およびハーブ抽出物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。栄養補給物は、市販品を入手することができ、そして/または既存の技術で調製することができる。
「農薬」という用語は、除草剤、殺昆虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺外部寄生生物剤、および殺真菌剤を包含するものと理解される。本発明における農薬が属するかもしれない化合物クラスの例としては、尿素、トリアジン、トリアゾール、カーバメート、リン酸エステル、ジニトロアニリン、モルホリン、アシルアラニン、ピレスロイド、ベンジル酸エステル、ジフェニルエステル、および多環式ハロゲン化炭化水素を挙げることができる。これらの各クラスに属する個々の例は、Pesticide Manual、9版、British Crop Protection Councilにリストされている。農薬は、市販品を入手することができ、そして/または既存の技術で調製することができる。
有機化合物または薬学的に活性な化合物は、好ましくは水に難溶性である。ここで言う「水に難溶性である」という表現は、水に対する溶解度が約10mg/mL未満、好ましくは、1mg/mL未満であることを意味する。水に難溶性であるこれらの薬物は、水性媒質中で処方する別の方法が限られているため、水性懸濁液タイプの製剤に最も適している。
本発明は、水溶性の、薬学的に活性な化合物に対しても実施可能であり、その場合は、これらの化合物を固体担体マトリクス(たとえば、ポリラクテート−ポリグリコレート共重合体、アルブミン、デン粉)に混合する(entrap)か、薬物化合物に非浸透性のベシクルで囲んでこれらの化合物をカプセル化する。カプセル化するためのベシクルには、ポリアクリレートのようなポリマー被覆剤が可能である。さらに、これらの水溶性薬物から調製される小粒子は、変性によって化学的な安定性を改善したり、薬物の薬物動態を制御して、粒子からこれらの薬物が放出される速度を制御することができる。水溶性薬物の例としては、簡単な有機化合物、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、および炭水化物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の粒子は、動的光散乱法、たとえば、光相関分光法、レーザー回折法、小角レーザー光散乱法(LALLS)、中角レーザー光散乱法(MALLS)、光しゃへい法(たとえばCoulter法)、レオロジーまたは顕微鏡観察(光学顕微鏡または電子顕微鏡)で測定して、約100μm未満の平均有効粒径を一般的に有する。しかし、本発明の粒子は、広い粒径範囲、たとえば、約20μm〜約10nm、約10μm〜約10nm、約2μm〜約10nm、約1μm〜約10nm、約400nm〜約50nm、約200nm〜約50nmの粒径範囲で作ることができ、またはそれらにおける範囲であればいかなる範囲でも作ることができ、またはそれらにおける範囲の組み合わせで作ることができる。好ましい平均有効粒径は、その化合物の、目的とする投与経路、処方物、溶解度、毒性、およびバイオアベイラビリティに依存する。
腸管外投与好適であるためには、粒子の平均有効粒径は、好ましくは約7μm未満であり、より好ましくは約2μm未満であり、またはそれらにおける範囲あればいかなる範囲でもよく、またはそれらにおける範囲の組み合わせである。腸管外投与には、静脈内、動脈内、鞘内、腹腔内、眼球内、関節内、硬膜内、心室内、心膜内、筋内、皮内、または皮下への注射が含まれる。
経口剤形に適する粒径は2μmを超えることができる。粒子が、経口剤形として十分なバイオアベイラビリティとその他の特性を有していれば、粒径範囲は、約100μmまで可能である。経口剤形には、錠剤、カプセル、キャプレット、軟質および硬質ゲルカプセル、または経口投与によって薬物を送達するためのその他の送達手段が含まれる。
さらに、本発明は、有機化合物の粒子を肺投与に適する形で提供するにも適している。肺用剤形に適する粒径は500nmを超えることができるが、典型的には約10μm未満である。懸濁粒子は、エアロゾル化して、肺への投与用噴霧器で投与することができる。別の投与法として、懸濁液から液相を除去したのち、粒子を乾燥粉末として乾燥粉末吸入器で投与することができる。あるいは、用量計量式吸入器で投与するために、乾燥粉末を非水噴射剤に再懸濁させることができる。好適な噴射剤の一例は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、たとえばHFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)およびHFC−227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)である。HFCは、クロロフルオロカーボン(CFC)と異なり、オゾン層破壊の潜在性がほとんどないか、全くない。
他の送達経路、たとえば鼻、外用、眼、鼻、頬、直腸、膣、経皮などの送達経路に適する剤形も、本発明に従って調製した粒子から調合することができる。
粒子を調製する方法は、4つの一般的なカテゴリーに分けることができる。方法の各カテゴリーは、共通して、(1)有機化合物を、水に混合可能な第一の溶媒に溶解して、第一の溶液を作る工程と、(2)第一の溶液と水の第二の溶媒とを混合して有機化合物を沈殿させ、予備懸濁液を作る工程と、(3)高剪断混合もしくは熱、または両者を組み合わせて、予備懸濁液にエネルギーを付加し、上で定義した所望の粒径を有する有機化合物の安定した形を付与する工程とを含んでいる。混合工程とエネルギーを付加する工程は連続する工程として行うこともできるし、同時に行うこともできる。
方法のカテゴリーは、たとえば、X線回折法、示差走査型熱量測定(DSC)法、あるいはエネルギー付加前かエネルギー付加後に別の適当な方法を行って決定される有機化合物の物理的性質によって区別することができる。第一の方法カテゴリーにおいては、エネルギーを付加する前の予備懸濁液状態の有機化合物は、アモルファスか、半結晶質か、過冷却液体の形をなし、ある平均有効粒径を有している。エネルギー付加後の有機化合物は、結晶質の形をなし、平均有効粒径は、予備懸濁液と本質的に同じか、それより小さい。
第二の方法カテゴリーにおいては、エネルギーを付加する前の有機化合物は結晶質の形をなし、ある平均有効粒径を有している。エネルギー付加後の有機化合物は、結晶質の形をなし、平均有効粒径はエネルギー付加前と本質的に同じ大きさであるが、エネルギー付加後の方が結晶の凝集傾向は小さい。
有機化合物の凝集傾向が弱くなっていることは、レーザー光による動的光散乱の測定と光学顕微鏡によって観察される。
第三の方法カテゴリーにおいては、エネルギーを付加する前の有機化合物は、壊れやすい結晶質の形をなし、ある平均有効粒径を有する。ここで言う「壊れやすい(friable)」という用語は、粒子が壊れやすく(fragile)、比較的容易に小さい粒子になることを意味する。エネルギーを付加した後の有機化合物は結晶質の形をなし、平均有効粒径は、予備懸濁液の結晶より小さい。有機化合物を壊れやすい結晶質の形にするために必要な工程を採用することで、有機化合物が壊れ難い結晶形をとっている場合より、次のエネルギー付加工程を迅速かつ効率良く行うことができる。
第四の方法カテゴリーにいては、第一溶液と第二溶媒とが、同時にエネルギー付加工程にかけられる。従って、エネルギー付加前と付加後の有機化合物の物理的性質は測定されなかった。
エネルギー付加工程はいかなるやり方でも行うことができ、予備懸濁液か、第一の溶液と第二の溶媒は、キャビテーション、剪断力、または衝撃力に曝される。本発明の一つの好ましい実施態様においては、エネルギー付加工程はアニーリング工程である。本発明におけるアニーリングという用語は、ただ一回、またはくり返しのエネルギー付加(直接加熱または機械的応力)とそれに続く熱緩和によって、熱力学的に不安定な物質をより安定な形に変換する過程と定義される。このエネルギーの低下は、固体の形をより秩序の低い構造からより秩序の高い格子構造に変換することで実現されるかもしれない。あるいは、この安定化は、固液界面に界面活性剤分子が再配列することで起こるかもしれない。
次に、これら4つの方法カテゴリーについてそれぞれ個別に説明する。しかし、界面活性剤またはそれらの組み合わせの選択、界面活性剤の使用量、反応温度、溶液の混合速度、沈殿形成速度といった製造工程上の条件は、以下に説明するいずれのカテゴリーにおいても、薬物の如何を問わず、その薬物が処理できるように選択できることを理解しておかなければならない。
第一の方法カテゴリーは、第二、第三、および第四の方法カテゴリー−と同様、さらに2つ、図1および2に略図で示してある方法Aおよび方法Bの下位カテゴリーに細分できる。
本発明による第一の溶媒は、対象とする有機化合物が比較的よく溶け、かつ第二の溶媒と混合可能な一つの溶媒、または溶媒の混合物である。このような溶媒としては、分子中の水素原子が、電気的に陰性な原子、たとえば酸素、窒素、または元素周期表の他のVA、VIA、VIIA族の原子に結合している水と混合可能なプロトン性化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。このような溶媒の例としては、アルコール、アミン(第一、第二)、オキシム、ヒドロキサム酸、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、リン酸、アミド、および尿素を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
第一溶媒の他の例には非プロトン性溶媒も含まれる。これらの非プロトン性溶媒のいくつかは、水と水素結合を形成しうるが、有効なプロトン供与基を有していないため、プロトン受容体としてのみ働くことができる。非プロトン性溶媒の一つのクラスは、たとえば国際純正応用化学連合(IUPAC Compendium of Chemical Terminology,第2版,1997)が、「ほぼ15より大きな、比較的高い比誘電率(permittivity)(または比誘電率、dielectric constant)と、大きな双極子モーメントとを有し、なおかつ、適度に動きやすい水素結合を供与して強固な水素結合を形成することができない、たとえばジメチルスルホキシドのような溶媒」と定義している非プロトン性極性溶媒である。
非プロトン性極性溶媒は、アミド(完全に置換されていて、窒素には結合した水素が存在しない)、尿素(完全に置換されていて、窒素には結合した水素が存在しない)、エーテル、環式エーテル、ニトリル、ケトン、スルホン、スルホキシド、完全置換ホスフェート、ホスホン酸エステル、ホスホラミド、ニトロ化合物などからなる群から選択することができる。ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、2−ピロリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、アセトニトリル、およびヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、ニトロメタンなどが、このクラスに属する溶媒である。
一般的には水と混合しないが、小体積(10%未満)ではあっても、このような小体積で水と混合可能な第一の溶媒として働くに十分な水溶性を有する溶媒を選択することもできる。その例として、芳香族炭化水素、アルケン、アルカン、ならびにハロゲン化芳香族化合物、ハロゲン化アルケン、およびハロゲン化アルカンを挙げることができる。芳香族化合物としては、ベンゼン(置換または置換)、単環または多環アレーンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。置換ベンゼンには、キシレン(オルト、メタ、パラ)とトルエンが含まれるが、これらに限定されるものではない。アルカンの例としては、ヘキサン、ネオペンタン、ヘプタン、イソオクタン、およびシクロヘキサンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化芳香族化合物としては、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、およびクロロトルエンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化アルカンおよびアルケンの例としては、トリクロロエタン、塩化メチレン、二塩化エチレン(EDC)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記溶媒クラスすべての例としては、N−メチル−2−ピロリジノン(N−メチル−2−ピロリドンとも呼ばれる)、2−ピロリジノン(2−ピロリドンとも呼ばれる)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタミド、酢酸、乳酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、3−ペンタノール、n−プロパノール、ベンジルアルコール、グリセロール、ブチレングリコール(ブタンジオール)、エチレングリコール、プロピレングリコール、モノおよびジアシル化モノグリセリド(たとえばグリセリルカプリレート)、ジメチルイソソルビド、アセトン、ジメチルスルホン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、アセトニトリル、ニトロメタン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、芳香族炭化水素、アルケン、アルカン、ハロゲン化芳香族化合物、ハロゲン化アルケン、ハロゲン化アルカン、キシレン、トルエン、ベンゼン、置換ベンゼン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン、トリクロロエタン、塩化メチレン、二塩化エチレン(EDC)、ヘキサン、ネオペンタン、ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン、ポリエチレングリコール(PEG、たとえば、PEG−4、PEG−8、PEG−9、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−120、PEG−75、PEG−150)、ポリエチレングリコールエステル(たとえば、PEG−4ジラウレート、PEG−20ジラウレート、PEG−6イソステアレート、PEG−8パルミトステアレート、PEG−150パルミトステアレート)、ポリエチレングリコールソルビタン(たとえば、PEG−20ソルビタンイソステアレート)、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(たとえば、PEG−3ジメチルエーテル、PEG−4ジメチルエーテル)、ポリピレングリコール(PPG)、ポリプロピレンアルギネート、PPG−10ブタンジオール、PPG−10メチルグルコースエーテル、PPG−20メチルグルコースエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、プロピレングリコールラウレート、およびグリコフロール(テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましい第一の溶媒は、N−メチル−2−ピロリジノンである。別の好ましい第一溶媒は乳酸である。
第二の溶媒は水性溶媒である。この水性溶媒は水自身でも可能である。この溶媒は、緩衝剤、塩類、界面活性剤、水溶性ポリマー、およびこれらの組み合わせを含むこともできる。
方法A
方法A(図1参照)において、最初に、有機化合物(「薬物」)を第一の溶媒に溶かし、第一の溶液を作る。第一溶媒に対する有機化合物の溶解度に応じて、約0.1%(w/v)から約50%(w/v)までの範囲で有機化合物を添加することができる。化合物を第一の溶媒に完全に溶かすためには、場合によって、濃縮物を約30゜Cから約100゜Cまで加熱する必要があるかもしれない。
第二の水性溶媒には、任意選択的に一種類以上の表面変性剤、たとえば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、または界面活性な生物学的変性剤が添加されて供給される。好適なアニオン界面活性剤としては、スルホン酸アルキル、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、ラウリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、硫酸ラウリルナトリウム、硫酸ドデシルナトリウム、アルキルポリオキシエチレンサルフェート、アルギン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、およびそれらの塩、グリセリルエステル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コール酸、およびその他の胆汁酸(たとえば、コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、およびグリコデオキシコール酸)とそれらの塩(たとえばデオキシコール酸ナトリウムなど)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好適なカチオン界面活性剤としては、四級アンモニウム化合物、たとえば塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、キトサン、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、アシルカルニチン塩酸塩、またはハロゲン化アルキルピリジニウムを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。リン脂質はアニオン界面活性剤として使用されるかもしれない。好適なリン脂質としては、たとえば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジアシルグリセロホスホエタノールアミン(たとえば、ジミリストイルグリセロホスホエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルグリセロホスホエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン(DSPE)、およびジオレオリル(dioleolyl)グリセロホスホエタノールアミン(DOPE))、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、リソリン脂質、卵もしくは大豆リン脂質またはその組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。リン脂質は、塩を含んでもよいし、脱塩されていてもよく、水素化されていてもよいし、部分的に水素化されていてもよく、あるいは天然品、半合成品または合成品でもよい。また、リン脂質は、水溶性ポリマーと複合(conjugate)していてもよいし、疎水ポリマーと複合していてもよい。好ましいポリマーはポリエチレングリコール(PEG)であるが、これはモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)としても知られている。PEGの分子量は、たとえば200〜50,000の範囲で変化する可能性がある。よく使用される市販PEGをいくつか挙げれば、PEG 350、PEG 550、PEG 750、PEG 1000、PEG 2000、PEG 3000、およびPEG 5000などである。リン脂質またはPEG−リン脂質複合体は、リガンドと共有結合できる官能基を含んでいてもよい。リガンドとしてはタンパク質、ペプチド、炭水化物、糖タンパク質、抗体、または薬学的に活性な物質を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの官能基は、たとえばアミド結合の形成、ジスルフィドまたはチオエーテル結合の形成、またはビオチン/ストレプタビジンの結合を通じてリガンドと結合してもよい。リガンドと結合する官能基の例としては、ヘキサノイルアミン、ドデカニルアミン、1,12−ドデカンジカルボキシレート、チオエタノール、4−(p−マレイミドフェニル)ブチラミド(MPB)、4−(p−マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキサミド(MCC)、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(PDP)、スクシネート、グルタレート、ドデカノエート、およびビオチンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
好適な非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル(MacrogolおよびBrij)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(Myrj)、ソルビタンエステル(Span)、グリセロールモノステアレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アリールアルキルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレン−ポリプロピレン共重合体(poloxamers)、ポロキサミン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶性セルロース、デン粉およびデン粉誘導体、たとえばヒドロキシエチルデン粉(HES)などの多糖類、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドンを挙げることができる。本発明の好ましい実施形態において、非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの共重合体、および好ましくはプロピレングリコールとエチレングリコールとのブロック共重合体である。このような重合体はPOLOXAMERの商品名で販売されているが、PLURONICと呼ばれることもあり、Spectrum Chemical and Rugerなど数社から販売されている。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの中には短いアルキル基を持つものがある。そのような界面活性剤の一例は、BASF Aktiengesellschaftが製造しているSOLUTOL(登録商標)HS 15、すなわちポリエチレン−660−ヒドロキシステアレートである。
界面活性な生体物質には、アルブミン、カゼイン、ヒルジンなどの該当するタンパク質がある。多糖類の生物学的製剤も含まれ、それにはデン粉、ヘパリンおよびキトサンがあるが、これらに限定されるものではない。
第二溶媒にpH調整剤として、たとえば水酸化ナトリウム、塩酸、トリス緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸塩、乳酸塩、またはメグルミンなどを添加することが望ましいかもしれない。第二溶媒のpHは、約3〜約11の範囲内にすべきである。
経口投与用剤形には、次に挙げる添加物を一種類以上使用することができる:ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、ガムアカシア、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリルモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴル乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、たとえばセトマクロゴル 1000などのマクロゴルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、たとえば市販品のTween、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、硫酸ドデシルナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非結晶性セルロース、ケイ酸マネシウムアルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルピロリドン(PVP)。これらの添加物の大部分は、Handbook of Pharmaceutical Excipients(American Pharmaceutical AssociationとThe Pharmaceutical Society of Great Britainの共同出版、the Pharmaceutical Press,1986)に詳しく記載されている。表面変性剤は市販品が入手でき、そして/または既知の技術で調製することができる。二種以上の表面変性剤を組み合わせて使用することもできる。
本発明の一つの好ましい実施形態において、有機化合物の小粒子を調製する方法は、第一溶液を第二溶媒に加える工程を含む。添加速度はバッチの大きさと有機化合物の沈殿速度論に依存する。典型的には、実験室での小規模法(1リットルの調製)の場合、添加速度は約0.05cc/分〜約10cc/分である。添加中は溶液を絶えず攪拌すべきである。アモルファス粒子か、半結晶質固体か、過冷却の液体が形成され、予備懸濁液を作ることが、光学顕微鏡によって観察されている。さらに、この方法は、予備懸濁液にエネルギーを加えて、アモルファス粒子、過冷却の液体、または半結晶質固体を、より安定な結晶質固体状態に変換する工程を含む。生成粒子の平均有効粒径は、動的光散乱法(たとえば、光相関分光法、レーザー回折法、小角レーザー光散乱法(LALLS)、中角レーザー光散乱法(MALLS)、光しゃへい法(たとえばCoulter法)、レオロジーまたは顕微鏡観察(光学顕微鏡または電子顕微鏡))による測定によれば、前記粒径範囲にあるだろう。カテゴリー4の方法においては、第一溶液と第二溶媒とを混合しながら、同時に、エネルギー付加工程が行われる。
エネルギー付加工程には、超音波照射、均質化(homogenization)、向流式均質化、ミクロ流動化、または衝撃、剪断もしくはキャビテーションの力を付与するその他の方法を通じてエネルギーを加えることが含まれる。この工程を実施する間、場合に応じて、試料は冷却されるか加熱される。本発明の一つの好ましい実施形態において、エネルギー付加工程は、ピストンギャップ式のホモジナイザーで行われる。このようなホモジナイザーは、たとえばAvestin Inc.からEmulsiFlex−C160と呼ばれる製品として販売されている。本発明の別の好ましい実施形態において、エネルギー付加工程は、超音波によって行うこともできる。それには、たとえばSonics and Materials Inc.によって製造されているVibra−Cell Ultrasonic Processor(600W)のような超音波装置が使用される。本発明のさらに別の実施形態において、エネルギー付加工程は、たとえば米国特許第5,720,551号に記載の乳化装置を使って行うこともできる。この特許を参照して本明細書に組み込み、その一部となす。
エネルギー添加速度に応じて、処理試料の温度を約−30゜C〜30゜Cの温度範囲にあるように調整することが望ましいかもしれない。あるいは、処理固体に望ましい相変化を起こすために、エネルギーを付加する間、予備懸濁液を約30゜C〜約100゜Cの温度に加熱する必要があるかもしれない。
方法B
方法Bは、次の点で方法Aと異なる。第一の相違点は、一つの界面活性剤または複数の界面活性剤の組み合わせを第一溶液に加える点である。界面活性剤は、前記のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および界面活性な生物学的変性剤からなる群から選択することができる。
方法Aおよび方法Bならびに米国特許第5,780,062号の比較実施例
米国特許第5,780,062号は、最初に有機化合物を適当な水と混合可能な溶媒に溶解することによって有機化合物の小粒子を調製する方法を開示している。水性溶媒にポリマーと両親媒性物質とを溶解して第二の溶液を調製する。次に、第一溶液を第二溶液に加えて、有機化合物と、ポリマー−両親媒性物質複合体とからなる沈殿を形成させる。米国特許第5,780,062号は、方法Aおよび方法Bにおける本発明のエネルギー付加工程を開示していない。安定性が欠けていることは、典型的には、粒子が急速に凝集し成長することで判定される。ケースによっては、アモルファス粒子が再結晶化して大きな結晶を形成する。予備懸濁液に前記方法でエネルギーを加えると、典型的には、粒子の凝集と成長が低下し、保存中でも生成物の再結晶化が起こらない粒子が得られる。
さらに、方法Aと方法Bは、沈殿形成の前にポリマー−両親媒性物質複合体を形成する工程がない点でも米国特許第5,780,062号と異なる。方法Aの場合、ポリマーが、希釈液(水性)の相に添加されないため、このような複合体を形成する可能性はない。方法Bの場合、両親媒性物質として働きうる界面活性剤か、またはポリマーを有機化合物と一緒に第一溶媒に溶解する。こうすることで、沈殿形成前に、両親媒性物質−ポリマー複合体が形成されるのを排除できる。米国特許第5,780,062号の場合、小粒子を首尾良く沈殿させることができるか否かは、沈殿形成前に、両親媒性物質−ポリマー複合体が形成されることにかかっている。米国特許第5,780,062号は、両親媒性物質−ポリマー複合体が水性である第二溶液中で凝集体を形成することを開示している。米国特許第5,780,062号は、疎水性有機化合物が両親媒性物質−ポリマー複合体と相互作用することで、凝集体の溶解度を引き下げ、沈殿を引き起こすものと説明している。本発明の場合、界面活性剤またはポリマーが第一溶媒に含まれることで(方法B)、このあと第二溶媒に添加したときに、米国特許第5,780,062号に記載の方法によって得られるよりも、均質かつ微細な粒子が形成される。
この点を裏づけるため、二種類の処方物を調製して分析した。各処方物は、二種類の溶液、すなわち濃縮物と水性希釈液とからなる。両者を混合したのち超音波を照射する。各処方物における濃縮物は、有機化合物(イトラコナゾール)と、水と混合可能な溶媒(N−メチル−2−ピロリジノン、またはNMP)と、場合によってポリマー(ポロキサマー188)を含む。水性希釈液は、水と、トリス緩衝液と、場合によってポリマー(ポロキサマー188)と、そして/または界面活性剤(デオキシコール酸ナトリウム)を含む。超音波を照射する前と後で、有機粒子の平均粒径を測定する。
第一の処方物Aは、濃縮物としてイトラコナゾールとNMPを含む。水性希釈液は、水、ポロキサマー188、トリス緩衝液およびデオキシコール酸ナトリウムを含む。それゆえ、水性希釈液は、ポリマー(ポロキサマー188)と、両親媒性物質(デオキシコール酸ナトリウム)とを含んでおり、ポリマー/複合体を形成する可能性がある。それゆえ、米国特許第5,780,062号の開示に従っている。(しかし、再度強調すると、米国特許第5,780,062号はエネルギー付加工程を開示していない)。
第二の処方物Bは、濃縮物としてイトラコナゾール、NMPおよびポロキサマー188を含む。水性希釈液は、水、トリス緩衝液およびデオキシコール酸ナトリウムを含む。この処方物は、本発明に従っている。水性希釈液は、ポリマー(ポロキサマー188)と両親媒性物質(デオキシコール酸ナトリウム)の組み合わせを含んでいないため、混合工程前にポリマー/複合体を形成する可能性はない。
表1は、それぞれ3回調製した懸濁液について、平均粒径をレーザー回折法で測定した結果を示す。最初の粒径を測定し、それから1分間超音波を照射した。そのあとで再度、粒径を測定した。方法Aの場合、超音波照射によって粒径の大幅な低下が見られることから、粒子の凝集があったことがわかる。
Figure 2006524238
本明細書に記載の方法を適用して得られる薬物懸濁液は、処方物に注射液用の水を使用し、溶液の滅菌に適当な手段を講じれば、注射液としてそのまま投与することができる。滅菌はよく知られた既存の技術、たとえば蒸気滅菌、乾熱滅菌、ガンマ線照射などによって行うことができる。200nm未満の粒子が99%を超える粒子に対しては、特に、最初に3.0μmのフィルターで予備濾過し、それから0.45μm粒子フィルターで濾過し、さらに蒸気滅菌もしくは乾熱滅菌、または0.2μmメンブランフィルターを通して滅菌濾過することも含まれよう。さらに別の滅菌法は、薬物と、任意選択的に一種類または複数種類の界面活性剤とを含む第一溶媒から調製される濃縮物の滅菌濾過と、水性希釈液の滅菌濾過である。次に、これらは、好ましくは隔絶された無菌環境で無菌の混合容器に入れられて混合される。それから、懸濁液の混合、均質化、そしてさらなる処理を無菌条件で行う。
さらに、均質化の工程前、工程中、または工程後に、乾熱滅菌するか、ホモジナイザー中でオートクレーブにかける、ことからなる別の滅菌法も考えられよう。この熱処理後の工程は無菌条件で行われよう。
任意選択的に、沈殿工程後に溶媒を除去して無溶媒懸濁液を調製することができる。溶媒の除去は、よく知られた既存の技術、たとえば遠心分離、透析、透析濾過、力の場分画、加圧濾過、逆浸透圧、またはその他の技術によって行うことができる。N−メチル−2−ピロリジノンの完全除去は、典型的には、遠心分離(18,000rpmで30分間)を連続的に3回くり返し、1回行うごとに上澄み液を傾斜法で排出し、廃棄することにより行った。残った固体に、有機溶媒を含まない懸濁媒質を新たに加え、均質化を行って混合物を分散させた。当業者であれば、この再構成工程に、前記以外の高剪断混合技術が使用できることは容易に理解できよう。別の方法として、無溶媒粒子は、さまざまな投与経路、たとえば、口、肺、鼻、外用、筋内などの投与経路を望むなら、それに適するさまざまな剤形に処方することができる。
さらに、界面活性剤など、望ましくない添加物があれば、前段落で述べた分離法によってより望ましい添加物と置換することができる。遠心分離にかけるか、濾過によって、上澄み液と一緒に溶媒と第一添加物を廃棄し、それから、溶媒と第一添加物を含まない懸濁媒質を新たに加えてもよい。あるいは、別の界面活性剤を加えることもできる。たとえば、薬物、N−メチル−2−ピロリジノン(溶媒)、ポロキサマー188(新しい界面活性剤)、デオキシコール酸ナトリウム、グリセロール、および水からなる懸濁液を、遠心分離にかけ、上澄み液を除去したあとで、リン脂質(新たな界面活性剤)、グリセロールおよび水で置換することができる。
I.第一の方法カテゴリー
第一の方法カテゴリーの方法は、一般に、水と混合可能な第一溶媒に有機化合物を溶解する工程と、それにつづく、この溶液と水性溶媒とを混合して、予備懸濁液を形成する工程とを含み、X線回折、DSC、光学顕微鏡、またはその他の分析技術によって決定された有機化合物の形態は、アモルファス、半結晶質または過冷却液体状態であり、上記の有効粒径サイズの範囲内の平均有効粒径サイズを有している。混合工程のあとにはエネルギー付加工程がつづく。
II.第二の方法カテゴリー
第二の方法カテゴリーの方法は、本質的には第一の方法カテゴリーの工程と同じ工程を含むが、次の点で異なっている。X線回折、DSC、または別の適当な分析技術によれば、有機化合物は、結晶質の形で存在し、平均有効粒径を有していることを示している。エネルギー付加工程後の有機化合物は、エネルギー付加工程前と本質的には同じ平均有効粒径を有するが、予備懸濁液の粒子と比べて、凝集して大きな粒子に成長する傾向が小さい。理論的にはともかく、粒子の安定性の違いは、固液界面における界面活性剤分子の再配列に起因しているのではないかと思われる。
III.第三の方法カテゴリー
第三の方法カテゴリーの方法は、予備懸濁液中の有機化合物が平均有効粒径を有する壊れやすい形(たとえば、細長い針状晶や薄片状晶)で存在するように、第一および第二の方法カテゴリーの方法の最初の二工程に修正が加えてある。壊れやすい粒子は、溶媒、界面活性剤または界面活性剤の組み合わせ、個々の溶液の温度、混合速度、および沈殿速度などを適切に選択することによって作ることができる。壊れやすさは、第一溶媒と水性溶媒を混合する工程の過程で格子欠陥(たとえば、へき解面)を導入することによって高めることができるかもしれない。それは、沈殿工程で行われるような急速な結晶化によって、現れるかもしれない。この壊れやすい結晶は、エネルギー付加工程によって、速度論的に安定化された粒子に変換され、予備懸濁液の平均有効粒径より小さい平均有効粒径が得られる。「速度論的に安定化される」とは、速度論的に安定化されていない粒子と比べて、粒子の凝集傾向が小さいことを意味する。このような事例の場合、エネルギー付加工程は、壊れやすい粒子の破砕をもたらす。予備懸濁液の粒子を、壊れやすい状態に置くことにより、壊れやすい形にするための工程を取らないで有機化合物を処理した場合と比べて、有機化合物を、容易かつ迅速に、所望粒径範囲の粒子に作り上げることができる。
IV.第四の方法カテゴリー
第四の方法カテゴリーの方法は、混合工程とエネルギー付加工程とを同時に行う点を除いて、第一の方法カテゴリーの工程を含む。
多形の制御
さらに、本発明は、有機化合物の結晶構造を制御して、最終的に所望の粒径範囲と所望の結晶構造とを有する化合物の懸濁液を調製するための追加的工程を提供する。ここで言う「結晶構造」という用語は、結晶単位胞に含まれる原子の配列を意味する。異なる結晶構造に結晶化しうる化合物は、多形であると言われる。薬物を調剤する場合、多形は、同じ薬物でも、溶解度、治療効果、バイオアベイラビリティ、および懸濁液の安定性に違いを示すため、多形を確認することは重要な工程である。従って、製品の純度やバッチ間の再現性を確保するために、化合物の多形の形態を制御することは重要である。
化合物の多形の形態を制御する工程には、所望の多形が確実に形成されるように、第一溶液、第二溶媒、または予備懸濁液に接種する工程が含まれる。接種には種となる化合物の使用またはエネルギーの付加が含まれる。本発明の好ましい実施形態において、種となる化合物は、望ましい多形をした薬学的に活性な化合物である。あるいは、不活性な不純物か、構造的には所望の多形と無関係であるが、結晶核の鋳型になりうる特徴を持った化合物か、または所望の多形の構造と似た構造の有機化合物も種となる可能性がある。
種となる化合物は、第一溶媒から沈殿させることができる。この方法には、溶解度を超える量の有機化合物を第一溶媒に添加して、過飽和溶液を作る工程を含む。過飽和溶液を処理して有機化合物を所望の多形で沈殿させる。過飽和溶液の処理には、接種混合物を作るための結晶の形成が観察されるまでの間、溶液を熟成する工程が含まれる。過飽和溶液にエネルギーを付加して、有機化合物を溶液から所望の多形で沈殿させることも可能である。エネルギーは、前記エネルギー付加工程を含むさまざまな方法で付加することができる。また、エネルギーは、予備懸濁液を加熱するか、電磁エネルギー、粒子ビームまたは電子ビーム発生源に曝露することによっても付加することができる。電磁エネルギーには、光エネルギー(紫外線、可視光線または赤外線)もしくは、たとえばレーザーによって供給されるコヒーレントな放射線、たとえばメーザー(放射線の誘導放出によるマイクロウェーブの増幅)によって供給されるマイクロウェーブエネルギー、動的電磁エネルギー、またはその他の放射線源が含まれる。さらに、エネルギー付加源として、超音波、静電場、静的磁場、またはそれらの組み合わせを使用することも想定されている。
本発明の好ましい実施形態において、熟成過飽和溶液から種結晶を作る方法は、(i)有機化合物を第一溶媒に加えて過飽和溶液を作る工程と、(ii)過飽和溶液を熟成して検出可能な結晶を形成させ、種混合物を作る工程と、(iii)種混合物と第二溶媒とを混合して、有機化合物を沈殿させ、予備懸濁液を作る工程とを含む。次に、予備懸濁液は上で詳細に述べたように処理することにより、所望の多形と所望の粒径で有機化合物の水性懸濁液を提供することができる。
エネルギーを付加される液体が、有機化合物か種物質を含んでいる場合は、第一溶液、第二溶媒または予備懸濁液にエネルギーを付加することによって、接種を行うこともできる。エネルギーの付加は、前記過飽和溶液の場合と同じ方法で行うことができる。
以上、述べてきたように、本発明は、所望の多形で存在し、指定されていない多形は本質的に含まない問題有機化合物の組成物を提供する。本発明の好ましい実施形態において、有機化合物は薬学的に活性な物質である。そのような一つの例が実施例16に記載して有る。この実施例では、マイクロメートルサイズの沈殿生成中に接種することで、本質的に原料の多形を含まないイトラコナゾールの多形を提供する。本発明の方法は、多くの薬学的に活性な化合物に対して所望の多形を選択的に調製するために使用できることが予想される。
A.方法カテゴリー1の実施例
実施例1:方法カテゴリー1、均質化を含む方法Aによるイトラコナゾール懸濁液の調製
3Lのフラスコに注射液用の水1680mLを加える。液体を60〜65゜Cに加熱し、次に、Pluronic F−68(ポロキサマー188)44gとデオキシコール酸ナトリウム12gをゆっくり加える。加えるたびに攪拌して固体を溶解する。固体を加え終わったら、60〜65゜Cでさらに15分間攪拌して、完全に溶解する。トリス6.06gを注射液用の水800mLに溶かして、50mMトリス(トロメタミン)緩衝液を調製する。この溶液を0.1M塩酸でpH8.0まで滴定する。得られた溶液を注射用水を加えて1リットルに希釈する。ポロキサマー/デオキシコール酸ナトリウム溶液にトリス緩衝液200mLを加える。よく攪拌して溶液を混合する。
150mLのビーカーにイトラコナゾール20gとN−メチル−2−ピロリジノン120mLを加える。混合物を50〜60゜Cに加熱し、攪拌して固体を溶かす。完全に溶解したことを目で確認したら、さらに15分間攪拌して完全に溶解する。イトラコナゾール−NMP溶液を室温まで冷却する。
前に調製したイトラコナゾール溶液120mLをシリンジポンプ(60mLのガラスシリンジ2本)に充填する。この間に、あらかじめ0〜5゜Cに冷却した、ホモジナイザーのホッパー中に(ジャケット付きホッパーを使用し、ジャケットに冷媒を循環させるか、ホッパーを氷で囲む)、界面活性剤溶液全量を注入する。界面活性剤溶液に機械式攪拌装置を挿入し、その羽根が完全に浸るように高さを調節する。攪拌しながら、冷却した界面活性剤溶液にイトラコナゾール溶液全量をシリンジポンプを使ってゆっくり加える(1〜3mL/分)。攪拌速度は少なくとも700rpmが望ましい。生成した懸濁液(懸濁液A)をアリコート量採取し、光学顕微鏡(Hoffman変調コントラスト)とレーザー回折装置(堀場)を使って分析する。光学顕微鏡による分析では、懸濁液Aが、ほぼ球形のアモルファス粒子(1μm以下)からなること、そして、粒子は互いに結合して凝集体を形成しているか、あるいは自由なブラウン運動をしているかを観察する。図3を参照。動的光散乱測定では、典型的には二つの山を持った分布曲線が得られる。このことは、凝集体(粒径が10〜100μm)と粒径中央値が200〜700nmの単一アモルファス粒子の両方が存在することを示している。
直ちに懸濁液を10〜30分間ホモジナイズ(10,000〜30,000psiで)する。均質化が終了したとき、ホッパー中の懸濁液の温度は75を超えない。均質化した懸濁液を500mLの瓶に集め、直ちに冷蔵庫で冷却する(2〜8゜C)。この懸濁液(懸濁液B)を光学顕微鏡で分析する。長さが0.5〜2μm、幅が0.2〜1μmの小さく細長い板状粒子からなることがわかる。図4を参照。動的光散乱測定から、典型的には、粒径中央値が200〜700nmであることがわかる。
懸濁液A(「予備懸濁液」)の安定性(実施例1)
アリコート量の懸濁液Aを顕微鏡で検査している間に、アモルファス固体が結晶化するのが直接観察された。懸濁液Aを2〜8゜Cで12時間保存してから光学顕微鏡で観察した。試料を目でおおまかに調べると、著しい綿毛状の凝集が起きていて、内容物の一部が容器の底に沈殿していることがわかった。顕微鏡観察によると、長さが10μmを超える大きく細長い板状の結晶が存在していることがわかった。
懸濁液Bの安定性
懸濁液Aが不安定であるのに対して、懸濁液Bは、2〜8゜Cでは安定性の予備的な研究を行っている間(1か月)、安定であった。熟成させた試料の顕微鏡観察から、粒子の形や大きさに有意な変化は生じなかったことが明らかになった。このことは光散乱測定によって確認された。
実施例2:方法カテゴリー1、超音波の照射を含む方法Aによるイトラコナゾール懸濁液の調製
500mLのステンレス鋼容器に注射液用の水252mLを加える。液体を60〜65゜Cに加熱し、次に、Pluronic F−68(ポロキサマー 188)6.6gとデオキシコール酸ナトリウム0.9gをゆっくり加える。加えるたびに攪拌して固体を溶解する。固体を加え終わったら、60〜65゜Cでさらに15分間攪拌して、完全に溶解する。トリス6.06gを注射液用の水800mLに溶かして、50mMトリス(トロメタミン)緩衝液を調製する。この溶液を0.1M塩酸でpH8.0まで滴定する。得られた溶液を注射用水を加えて1リットルに希釈する。ポロキサマー/デオキシコール酸ナトリウム溶液にトリス緩衝液30mLを加える。よく攪拌して溶液を混合する。
30mLの容器にイトラコナゾール3gとN−メチル−2−ピロリジノン18mLを加える。混合物を50〜60゜Cに加熱し、攪拌して固体を溶かす。完全に溶解したことを目で確認したら、さらに15分間攪拌して完全に溶解する。イトラコナゾール−NMP溶液を室温まで冷却する。
前の工程で調製したイトラコナゾール溶液18mLをシリンジポンプに充填する。界面活性剤溶液に機械式攪拌器を挿入し、その羽根が完全に浸るように高さを調節する。容器を氷浴に浸して0〜5゜Cに冷却する。攪拌しながら、冷却した界面活性剤溶液にイトラコナゾール溶液全量をシリンジポンプを使ってゆっくり加える(1〜3mL/分)。攪拌速度は少なくとも700rpmが望ましい。超音波発生装置のホーンを生成した懸濁液中に浸し、プローブが、ステンレス鋼容器の底から約1cm上にあるようにする。超音波(10,000〜25,000Hz、少なくとも400W)を5分間隔で15〜20分間照射する。最初に5分間照射したあと、氷浴を取り去り、それから照射をつづける。超音波照射が終わったとき、容器中の懸濁液の温度は75を超えない。
懸濁液を500mLのタイプIガラス瓶に集め、直ちに冷蔵庫で冷却する(2〜8゜C)。超音波照射前後の懸濁液の粒子形状特性は、方法Aの均質化前後に観察されたものと非常に似ていた(実施例1)。
実施例3:方法カテゴリー1、均質化を含む方法Bによるイトラコナゾール懸濁液の調製
トリス6.06gを注射液用の水800mLに溶かして、50mMトリス(トロメタミン)緩衝液を調製する。この溶液を0.1M塩酸でpH8.0まで滴定する。得られた溶液を注射用水を加えて1リットルに希釈する。3Lのフラスコに注射液用の水1680mLを加える。3Lのフラスコに注射液用の水1680mLを加える。トリス緩衝液200mLに水1680mLを加える。よく攪拌して溶液を混合する。
150mLのビーカー中で、N−メチル−2−ピロリジノン120mLにPluronic F−68(ポロキサマー188)44gとデオキシコール酸ナトリウム12gを加える。混合物を50〜60゜Cに加熱し、攪拌して固体を溶解する。完全に溶解したことを目で確認したら、さらに15分間攪拌して完全に溶解する。この溶液にイトラコナゾール20gを加え、完全に溶解するまで攪拌する。イトラコナゾール−界面活性剤−NMP溶液を室温まで冷却する。
前に調製した濃厚なイトラコナゾール溶液120mLをシリンジポンプ(60mLのガラスシリンジ2本)に充填する。この間に、あらかじめ0〜5゜Cに冷却した、ホモジナイザーのホッパー中に(ジャケット付きホッパーを使用し、ジャケットに冷媒を循環させるか、ホッパーを氷で囲む)、上で調製した希釈トリス緩衝液を注入する。緩衝液中に機械式攪拌装置を挿入し、その羽根が完全に浸るように高さを調節する。攪拌しながら、冷却した緩衝液に、イトラコナゾール−界面活性剤濃縮物の全量をシリンジポンプを使ってゆっくり加える(1〜3mL/分)。攪拌速度は少なくとも700rpmが望ましい。生成した冷却懸濁液を直ちに10〜30分間ホモジナイズ(10,000〜30,000psiで)する。均質化が終了したとき、ホッパー中の懸濁液の温度は75を超えない。
均質化した懸濁液を500mLの瓶に集め、直ちに冷蔵庫で冷却する(2〜8゜C)。カテゴリー1、方法Bにおいて、予備均質化した懸濁液は、生成する凝集体の数が少なく、大きさも小さくなる傾向があり、レーザー回折によって測定された粒径が、全体として大きく低下した点を除き、均質化前後の懸濁液の粒子形状特性は、実施例1で観察されたものと非常に似ていた。均質化後に測定した動的光散乱の結果は、典型的には、実施例1で得られた結果と同じであった。
実施例4:方法カテゴリー1、超音波照射を含む方法Bによるイトラコナゾール懸濁液の調製
500mLフラスコに注射液用の水252mLを加える。トリス6.06gを注射液用の水800mLに溶かして、50mMトリス(トロメタミン)緩衝液を調製する。この溶液を0.1M塩酸でpH8.0まで滴定する。得られた溶液に注射用水をさらに加えて1リットルに希釈する。トリス緩衝液30mLを水に加える。よく攪拌して溶液を混合する。
30mLのビーカー中で、N−メチル−2−ピロリジノン18mLにPluronic F−68(ポロキサマー188)6.6gとデオキシコール酸ナトリウム0.9gを加える。混合物を50〜60゜Cに加熱し、攪拌して固体を溶解する。完全に溶解したことを目で確認したら、さらに15分間攪拌して完全に溶解する。この溶液にイトラコナゾール3.0gを加え、完全に溶解するまで攪拌する。イトラコナゾール−界面活性剤−NMP溶液を室温まで冷却する。
前に調製した濃厚なイトラコナゾール18mLをシリンジポンプ(30mLのガラスシリンジ1本)に充填する。緩衝液中に機械式攪拌装置を挿入し、その羽根が完全に浸るように高さを調節する。容器を氷浴に浸して0〜5゜Cに冷却する。攪拌され、冷却された緩衝液にイトラコナゾール−界面活性剤濃縮物全量をシリンジポンプを使ってゆっくり加える(1〜3mL/分)。攪拌速度は少なくとも700rpmが望ましい。生成した冷却懸濁液に直ちに超音波(10,000〜25,000Hz、少なくとも400W)を5分間隔で15〜20分間照射する。最初に5分間超音波照射した後、氷浴を取り去り、その後、さらに超音波照射をつづける。超音波照射が終わったとき、ホッパー中の懸濁液の温度は75を超えない。
生成した懸濁液を500mLの瓶に集め、直ちに冷蔵庫で冷却する(2〜8゜C)。方法カテゴリー1、方法Bにおいて、あらかじめ超音波照射した懸濁液は、生成する凝集体の数が少なく、大きさも小さくなる傾向があり、レーザー回折によって測定された粒径が、全体として大きく低下した点を除き、超音波照射前後の懸濁液の粒子形状特性は、実施例1で観察されたものと非常に似ていた。超音波照射後に測定した動的光散乱の結果は、典型的には、実施例1で得られた結果と同じであった。
B.方法カテゴリー2の実施例
実施例5:0.75%Solutol(登録商標)HR(PEG−660 12−ヒドロキシステアレート)を含むイトラコナゾール懸濁液(1%)の調製 方法カテゴリー2、方法B
Solutol(2.25g)およびイタコナゾール(3.0g)をビーカーに秤り取り、濾過したN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)36mLを加えた。混合物を攪拌しながら、溶液成分が溶解するまで約15分間穏やかに(40゜C以下)加熱した。溶液を室温まで冷却し、0.2μmのフィルターを通して真空濾過した。濾過した薬物濃縮物を60mLのシリンジ2本に充填し、シリンジポンプに装着した。高速度(400rpm)で攪拌する水性緩衝液に、約1ml/分の速度で濃縮物を送り出すようにポンプをセットした。緩衝液は、5mMトリス緩衝液にグリセロールを22g/L溶解したものを使用した。緩衝液の温度は、濃縮物を添加する間、氷浴中で2〜3゜Cに維持した。濃縮物を緩衝液に添加し終わり沈殿形成が終了したら、懸濁液約100mLを1時間遠心分離にかけ、上澄み液を捨てた。NMPを20%含む水溶液に沈殿を再懸濁し、再度1時間遠心分離にかけた。得られた物質を真空乾燥器中、25゜Cで一晩乾燥した。乾燥物をバイアルに移し、クロム放射線によるX線回折分析にかけた(図5を参照)。
マイクロメートルサイズの沈殿形成した懸濁液の100mLアリコート量に20,000Hzの超音波を最大出力の80%(最大出力=600W)で30分間照射した。照射した試料を三等分し、それぞれ45分間均質化した(Avestin C5,2〜5゜C,15,000〜20,000psi)。フラクションを一つにし、約3時間かけて遠心分離し、上澄み液を除去し、沈殿を20%NMPに再懸濁した。再懸濁混合物を再度遠心分離(5゜Cで15,000rpm)にかけた。上澄み液を傾斜法で除き、沈殿を25゜Cで一晩真空乾燥した。沈殿をX線回折分析にかけた(図5参照)。図5を見るとわかるように、均質化前後の処理試料のX線回折図は、本質的には同じであるが、出発原料のパターンと比べては明らかに異なるパターンを示す。均質化の処理をしていない懸濁液は不安的で、室温で保存している間に凝集体を形成する。均質化による安定化は、界面活性剤が粒子表面で再配列することによって生じるものと考えられる。この再配列によって、粒子の凝集しようとする傾向は弱まるにちがいない。
C.方法カテゴリーの実施例
実施例6:方法カテゴリー3、均質化を含む方法Aによるカルバマゼピン懸濁液の調製
カルバマゼピン2.08gをNMP10mLに溶解した。次に、この濃縮物1.mLを0.1mL/分の速度で1.2%レシチンと2.25%グリセリンを含む攪拌溶液20mL中に滴下した。添加する全期間にわたって、レシチン系の温度を2〜5゜Cに維持した。次に、予備分散液を、低温下に(5〜15゜C)、15,000psiで35分間均質化した。圧力を23,000psiまで上げて、さらに20分間ほど均質化を続けた。この方法で調製された粒子は、平均粒径が0.881μmで、2.44μmより小さい粒子が99%を占めた。
実施例7:方法カテゴリー3、均質化を含む方法Bによる0.125%Solutol(登録商標)含有1%カルバマゼピン懸濁液の調製
N−メチル−2−ピロリジノンに20%カルバマゼピンおよび5%グリコデオキシコール酸(Sigma Chemical Co.)を含む薬物濃縮物を調製した。マイクロメートルサイズの沈殿形成工程には薬物濃縮物を受容液(蒸留水)に0.1mL/分の速度で加える工程を含めた。受容液を攪拌し、沈殿形成中は約5゜Cに維持した。沈殿形成が終わったとき、最終成分濃度は、1%カルバマゼピンおよび0.125%Solutol(登録商標)であった。光学顕微鏡により、薬物の結晶をポジコントラスト(positive phase contrast)(400倍)で検査した。その結果、沈殿は、直径が約2μmより小さく、長さが50〜150μmの微細針状晶からなることがわかった。
約20,000psiで約15分間均質化すると(Avestin C−50,ピストンギャップ式ホモジナイザー)、粒径が1μmで、大部分が凝集していない小粒子が得られた。均質化した物質のレーザー回折分析(堀場)によると、粒子の平均粒径は0.4μmで、0.8μmより小さい粒子が99%を占めることがわかった。レーザー回折分析する前の試料の凝集した粒子を小さくするのには適するが、個々の粒子を粉砕するほどのエネルギーは持たない低エネルギー超音波照射は結果に対して影響を及ぼさなかった(超音波照射前と照射後とで数は同じであった)。この結果は、粒子の凝集がないことと一致した。
上の方法で調製した試料を遠心分離にかけ、上澄み液を0.125%Solutol(登録商標)からなる置換液で置換した。遠心分離にかけ、上澄み液を置換した後の懸濁液の成分濃度は、1%カルバマゼピンおよび0.125%Solutol(登録商標)であった。試料をピストンギャプ式ホモジナイザーで再均質化し、5゜Cで保存した。4週間保存した懸濁液の平均粒径は0.751μmで、1.729μmより小さい粒子が99%を占めた。報告された数は超音波照射しなかった試料のレーザー回折分析結果から得たものである。
実施例8:方法カテゴリー3、均質化を含む方法Bによる0.06%グリコデオキシコール酸ナトリウムおよび0.06%ポロキサマー188含有1%カルバマゼピン懸濁液の調製
N−メチル−2−ピロリジノンに20%カルバマゼピンおよび5%グリコデオキシコール酸塩を含む薬物濃縮物を調製した。マイクロメートルサイズの沈殿形成工程には薬物濃縮物を受容液(蒸留水)に0.1mL/分の速度で加える工程を含めた。従って、以下に挙げる実施例は、界面活性剤またはその他の賦形剤を、前記方法AおよびBの水性沈殿生成液に加えることは、任意選択できることを示す。受容液を攪拌し、沈殿形成中は約5゜Cに維持した。沈殿形成後の最終成分濃度は、1%カルバマゼピンおよび0.125%Solutol(登録商標)であった。光学顕微鏡により、薬物の結晶をポジコントラスト(400倍)で検査した。その結果、沈殿は、直径が約2μm、長さが50〜150μmの微細針状晶からなることがわかった。沈殿を沈殿形成前の原料と比較すると、表面変性剤(グリコデオキシコール酸)の存在下で沈殿形成工程を行うと、出発原料と比べてはるかに薄い非常に細長い結晶が生成することがわかる(図6参照)。
約20,000psiで約15分間均質化すると(Avestin C−50,ピストンギャップ式ホモジナイザー)、粒径が1μmより小さく、大部分が凝集していない小粒子が得られた。均質化した物質のレーザー回折分析(堀場)によると、粒子の平均粒径は0.4μmで、0.8μmより小さい粒子が99%を占めることがわかった。レーザー回折分析する前の試料の超音波照射は結果に対して影響を及ぼさなかった(照射前と照射後とで数は同じであった)。この結果は、粒子の凝集がないことと一致した。
上の方法で調製した試料を遠心分離にかけ、上澄み液を0.06%グリコデオキシコール酸(Sigma Chemical Co.)および0.06%ポロキサマー188からなる置換液で置換した。試料をピストンギャプ式ホモジナイザーで再均質化し、5゜Cで保存した。2週間保存後、懸濁液の平均粒径は0.531μmで、1.14μmより小さい粒子が99%を占めた。報告された数は超音波照射しなかった試料のレーザー回折分析結果から得たものである。
沈殿粒子を破砕するために必要な力と出発原料(カルバマゼピン)の粒子を破砕するために必要な力とを比較する数学的解析(実施例8):
カルバマゼピン原料に見られる最も大きな結晶の幅(図6、左の写真)は、マイクロメートルサイズの沈殿物(図6、右の写真)の結晶幅より概略で10倍大きい。結晶の厚さの比(1:10)が、結晶幅の比(1:10)に比例すると仮定すると、次式:
=6PL/(Ewx) 式1
式中、
=結晶を破砕するために必要な長さ方向のひずみ(「降伏値」)
P=ビームにかかる荷重
L=荷重から支点までの距離
E=弾性率
w=結晶の幅
x=結晶の厚さ
が成立するため、より大きな原料の結晶を破砕するために必要な力のモーメントは、マイクロメートルサイズの沈殿物を破砕するために必要な力より約1000倍大きいはずである。
原料と沈殿物とで、LおよびEが同じであると仮定する。
さらに、w/w=x/x=10と仮定すると、
(e=6PL/(Ew )、ここで下付字の0は原料に関係する。
マイクロメートルサイズの沈殿物に対して
=6PL/(Ewx
(eとeが同じなら、
6PL/(Ewx)=6PL/(Ew
Pに関する式に整理すると
P=P(w/w)(x/x=P(0.1)(0.1)=0.001P
それゆえ、マイクロメートルサイズの沈殿固体を破砕するために必要な降伏力Pは、最初の結晶性固体を破砕するために必要な力の1/1000である。沈殿が急速に形成されるため、格子欠陥またはアモルファスな性質が導入されると、弾性率(E)は低下することになり、マイクロメートルサイズの沈殿はさらに破砕されやすくなる。
実施例9:0.05%デオキシコール酸ナトリウムおよび3%N−メチル−2−ピロリジノン含有1.6%(w/v)プレドニゾロン懸濁液の調製方法カテゴリー3、方法B
製造工程全体の概略を図8に示す。プレドニゾロンとデオキシコール酸ナトリウムの濃厚溶液を調製した。プレドニゾロン(32g)およびデオキシコール酸ナトリウム(1g)を十分な量の1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に添加し、最終体積を60mLとした。得たプレドニゾロンの濃度は約533.3mg/mL、そしてデオキシコール酸ナトリウムの濃度は約16.67mg/mLであった。約400rpmの回転速度で攪拌しながら、5゜Cに冷却した水2LにNMP濃縮物60mLを添加速度2.5mL/分で加えた。生成した懸濁液には、幅が2μmより小さい細長い針状結晶が含まれていた(図9)。沈殿懸濁物に含まれる濃度は、プレドニゾロンが1.6%(w/v)、デオキシコール酸ナトリウムが0.05%、NMPが3%であった。
沈殿懸濁液のpHを水酸化ナトリウムと塩酸で7.5〜8.5に調整し、それから10,000psiで10回通して均質化した(Avestin C−50,ピストンギャップ式ホモジナイザー)。遠心分離工程を2回連続して行い、1回ごとに上澄み液を、懸濁液の安定化に必要な所望の濃度の界面活性剤を含む新しい界面活性剤溶液で置換した(表2を参照)。懸濁液を10,000psiでさらに10回通して均質化した。最終懸濁液には、平均粒径が1μm未満で、2μm未満の粒子が99%を占める粒子が含まれていた。図10は均質化後の最終プレドニゾロン懸濁液の顕微鏡写真である。
遠心分離/界面活性剤の置換工程にはさまざまな異なる界面活性剤を濃度を変えて使用した(表2を参照)。表2には、粒径(平均粒径<1μm、99%<2μm)、pH(6〜8)、薬物濃度(損失2%未満)、および再懸濁性(60秒以下で再懸濁)に対して安定な界面活性剤の組み合わせがリストしてある。
注目すべき点は、この方法は、界面活性剤やその他の添加物の非存在下で、活性化合物を水性希釈液に添加することである。この方法は図2に記載するプロセスB法を改変したものである。
表2:図8(実施例9)のマイクロメートルサイズの沈殿形成工程によって調製された安定なプレドニゾロン懸濁液のリスト
Figure 2006524238
*5゜Cと25゜Cで2か月間保存した各試料のイトラコナゾール濃度の違い。
**少なくとも6か月間は安定
粒径(レーザー回折法によって測定)(単位μm)
5℃:0.80(平均)、1.7(99%)
25℃:0.90(平均)、2.51(99%)
40℃:0.99(平均)、2.03(99%)
5゜Cと25゜Cで保存した各試料のイトラコナゾール濃度の違いは<2%である。
実施例10:方法カテゴリー3、均質化を含む方法Aによるプレドニゾロン懸濁液の調製
プレドニゾロン32gをNMP40mLに溶解した。溶解するには40〜50゜Cで穏やかに加熱する必要があった。次に、0.1.2%レシチンと2.2%グリセリンからなる攪拌溶液2Lに、薬物NMP濃縮物を滴下した。他の表面変性剤は添加しなかった。界面活性剤系は、5mMトリス緩衝液でpH=8.0に緩衝化した。沈殿形成中は温度を0〜5゜Cに維持した。次に、沈殿形成後の分散液を、冷却下に(5〜15゜C)、10,000psiで20回通して均質化した。均質化につづいて、懸濁液を遠心分離にかけ、上澄み液を除き、そして上澄み液を新しい界面活性剤溶液で置換する操作を行って、NMPを除去した。この遠心分離後の懸濁液を再度、冷却下に(5〜15゜C)、10,000psiでさらに20回通して均質化した。この方法で調製された粒子は、平均粒径が0.927μm、そして99%の粒子が2.36μm未満であった。
実施例11:方法カテゴリー3、均質化を含む方法Bによるナブメトン懸濁液の調製
界面活性剤(ポロキサマー188 2.2g)をN−メチル−2−ピロリジノン6mLに溶解した。この溶液を45゜Cで15分間攪拌し、それからナブメトン1.0gを加えた。ナブメトンは速やかに溶解した。2.2%グリセロールを含む5mMトリスからなる希釈液を調製し、pH8に調整した。希釈液部分100mLを氷浴中で冷却した。激しく攪拌しながら、薬物濃縮物を希釈液にゆっくり加えた(約0.8mL/分)。この粗懸濁液を15,000psiで30分間、それから20,000psiで30分間均質化した(温度=5゜C)。最終ナノメートルサイズの懸濁液は、有効平均粒径が930nmであることがわかった(レーザー回折法によって分析)。粒子の99%は約2.6μm未満であった。
実施例12:方法カテゴリー3、均質化を含む方法Bと界面活性剤としてSolutol(登録商標)HS15を使用するナブメトン懸濁液の調製
上澄み液をリン脂質媒体で置換
ナブメトン(0.987g)をN−メチル−2−ピロリジノン8mLに溶解した。この溶液に2.2gのSolutol(登録商標)HS15を加えた。この混合物を、界面活性剤が薬物濃縮物に完全に溶けるまで攪拌した。2.2%グリセロールを含む5mMトリス緩衝液からなる希釈液を調製しpH8に調整した。希釈液を氷浴中で冷却し、激しく攪拌しながら、薬物濃縮物を希釈液にゆっくり加えた(約0.5mL/分)。この粗懸濁液を15,000psiで20分間、さらに20,000psiで30分間均質化した。
懸濁液を15,000rpmで15分間遠心分離し、上澄み液を取り除き廃棄した。残留する固体ペレットを、1.2%リン脂質からなる希釈液に再度懸濁させた。この媒体の体積は前の工程で除去した上澄み液の体積と同じであった。得られた懸濁液を約21,000psiで30分間均質化した。最終懸濁液をレーザー回折にかけて分析した結果、含まれる粒子は平均粒径が542nm、累積粒子分布で99%の粒子は、1μm未満であることがわかった。
実施例13:ポロキサマーを含有し、平均粒径が約220nmの1%イトラコナゾール懸濁液の調製
イトラコナゾール10.02gをN−メチル−2−ピロリジノン60mLに溶解してイトラコナゾール濃縮物を調製した。イトラコナゾールを溶解するには70゜Cまで加熱する必要があった。次に、溶液を室温まで冷却した。50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(トリス緩衝液)を調製し、5M塩酸でpH8.0に調整した。22g/Lポロキサマー 407、3.0g/L卵ホスファチド、22g/Lグリセロール、および3.0g/Lコール酸ナトリウム二水和物を合わせて界面活性剤水溶液を調製した。界面活性剤溶液900mLとトリス緩衝液100mLを混合し、水性希釈液1000mLを得た。
アイスジャケットで冷却した、ホモジナイザー(APV Gaulin Model 15MR−8TA)のホッパーに水性希釈液を加えた。溶液を高速度(4700rpm)で攪拌し、温度をモニターした。シリンジポンプを使って、イトラコナゾール濃縮物を約2mL/分の速度でゆっくり添加した。添加は約30分で終了した。アイスジャケットでホッパーの冷却をつづけながら、得られた懸濁液をさらに30分間攪拌し、それからアリコート量を採取し、光学顕微鏡および動的光散乱によって分析した。次に、残りの懸濁液を10,000psiで15分均質化した。均質化を終了した時には温度は74゜Cまで上昇していた。均質化した懸濁液を1LタイプIのガラス瓶に集め、ゴム栓で密封した。懸濁液を含む瓶は冷蔵庫中に5で保存した。
均質化を行う前の懸濁液試料には、自由粒子、粒子凝集塊および多重脂質体からなることが明らかになった。自由粒子はブラウン運動をするため、視覚的にはっきり見ることはできなかったが、多くの凝集体はアモルファスな非晶質体からなっているように見えた。
均質化した試料は、1μm未満の、粒径がきわめてよく揃った自由粒子を含み、脂質ベシクルは見られなかった。動的光散乱測定から、粒径中央値が約220nmの単分散対数型粒径分布が明らかになった。上側の99%累積サイズのカットオフ(cumulative size cutoff)は約500nmであった。図11は、調製したナノメートルサイズの懸濁液の粒径分布と典型的な腸管外投与脂肪エマルション製剤(10%Intralipid(登録商標)、ファルマシア社)の粒径分布を比較したものである。
実施例14:ヒドロキシエチルデンプンを含むナノメートルサイズの1%イトラコナゾール懸濁液の調製
溶液Aの調製:ヒドロキシエチルデンプン(1g、味の素)をN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)3mLに溶解した。この溶液を水浴で70〜80゜Cに1時間加熱した。別の容器にイトラコナゾール(Wyckoff)1gを入れた。NMP3mLを加え、混合物を70〜80゜Cに加熱して溶解した(約30分)。この熱溶液にリン脂質(Lipoid S−100)を加えた。リン脂質が全量溶解するまで、70〜90゜Cで約30分間加熱をつづけた。ヒドロキシエチルデンプン溶液とイトラコナゾール/リン脂質溶液とを混合した。この混合物を80〜95゜Cでさらに30分間加熱して、混合物を溶解した。
溶液Aをトリス緩衝液に添加
50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液94mLを氷浴中で冷却した。トリス緩衝液を高速で攪拌しながら、熱溶液A(上記参照)をゆっくり滴下した(2cc/分未満)。
加え終わったら、氷浴中で冷却しながら、得られた懸濁液に超音波を照射した(Cole−Parmer Ultrasonic Processor− 20,000Hz、80%振幅に設定)。1インチのソリッドプローブを使用した。超音波照射を5分間つづけた。氷浴を取り去り、プローブを取り出して再調整したのち、再び懸濁液中にプローブを浸した。氷浴を使わないで、再度、懸濁液に超音波を5分間照射した。超音波照射プローブを再度取り出して再調整した。プローブを液中に浸したのち、さらに5分間試料に超音波を照射した。この時点で懸濁液の温度は82゜Cまで上昇した。懸濁液を氷浴中で再度急冷し、室温より下がったら懸濁液をタイプIガラス瓶に注ぎ、密封した。顕微鏡観察から個々の粒子は、約1μm以下であることがわかった。
室温で一年間保存したのち懸濁液の粒径を再測定した結果、平均粒径は約300nmであることがわかった。
実施例15: HESによる方法Aの予的実施例
本発明は、NMPに代わってトリス緩衝液に、HESを加える点を除き、方法Aにより、実施例14の工程に従ってヒドロキシエチルデンプンを含むナノメートルサイズの1%イトラコナゾールを調製することを想定している。HESを溶解するには水溶液を加熱する必要がある場合もある。
実施例16:均質化工程で接種を行い、多形混合物をより安定な多形に変換
試料の調製
マイクロメートルサイズの沈殿形成−均質化法により下記の通り、イトラコナゾールのナノメートルサイズの懸濁液を調製した。イトラコナゾール(3g)およびSolutolHR(2.25g)を攪拌しながら穏やかに加熱してN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)36mLに溶解し、濃厚薬物溶液を調製した。溶液を室温まで冷却し、0.2μmナイロンフィルターを通して真空濾過して未溶解薬物と粒状物を除いた。溶液を偏光で観察し、濾過後に結晶物質が存在しないことを確認した。次に、薬物濃縮物溶液を1.0mL/分の速度で、水性緩衝液(5mMトリス緩衝液にグリセロール22g/L溶解)約264mLに加えた。薬物濃縮物を添加する間、水溶液の温度を2〜3゜Cに維持し、約400rpmの速度で攪拌しつづけた。得られた懸濁液約100mLを遠心分離にかけ、固体は、あらかじめ濾過した20%NMP水溶液に再懸濁した。この懸濁液は再度遠心分離にかけ、固体は真空乾燥器に移し、25゜Cで一晩乾燥した。得られた固体試料にはSMP 2 PREのラベルを取り付けた。
試料の特性評価
試料SMP 2 PREおよび原料イトラコナゾールの試料を粉末X線回折分析にかけた。測定は、理学MiniFlex+Cu放射線を含む装置を使用し、0.02゜22間隔、走査速度0.25゜22/分で測定した。得られた粉末回折図を図12に示す。この図は、SMP 2 PREと原料イトラコナゾールとでは大きく異なっていることを示しており、異なる多形または疑似多形が存在することを示唆している。
これらの試料の示差走査型熱量測定(DSC)曲線を図13aおよび13bに示す。両試料は、アルミニウムの試料管に密封し、2゜C/分の速度で180まで加熱した。
原料イトラコナゾールの図(図13a)は、約165゜Cで鋭い吸熱を示している。
それに対して、SMP 2 PREの図(図13a)は、約159゜Cおよび153゜Cに2つの吸熱ピークを示している。この結果と粉末X線回折図とを組み合わせると、SMP 2 PREは多形の混合物からなること、そして主要な形は原料に存在する多形より不安定な多形であることを示唆している。
図14のDSCもこの結論を支持している。すなわち、図14は最初の転移を通ってSMP 2 PREを加熱し、冷却し、それから再加熱すると、安定性の低い多形が融け、再度結晶化してより安定な多形を形成する。
接種
懸濁液を調製するため、固体SMP 2 PRE 0.2gおよび原料イトラコナゾール0.2gに蒸留水を加え、最終体積を20mLにした(接種した試料)。すべての固体が濡れるまで懸濁液を攪拌した。原料イトラコナゾールは加えないで、同様の操作により第二の懸濁液を調製した(無接種試料)。両懸濁液を約18,000psiで30分間均質化した。均質化が終了したときの懸濁液の最終温度は約30゜Cであった。次に、懸濁液を遠心分離にかけ、固体を30゜Cで約16時間乾燥した。
図15は接種した試料と無接種試料のDSC曲線である。アルミニウム試料管に密封した両試料は、2゜/分の速度で180゜Cまで加熱した。無接種試料のDSC曲線は、2本の吸熱ピークを示し、多形の混合物は均質化した後でもなお存在することを示している。接種した試料のDSC曲線は接種と均質化とによって、固体はより安定な多形に変換することを示している。したがって、接種は安定性の低い多形から安定性の高い形に転移する動力学に影響を及ぼすように思われる。
実施例17:安定な多形を優先的に形成するための沈殿形成時の接種
試料の調製
攪拌と穏やかな加熱を行いながら、イトラコナゾール1.67gをNMP10mLに溶解してイトラコナゾール−NMP薬物濃縮物を調製した。0.2μmシリンジフィルターを使って溶液を2回濾過する。次に、約3゜Cで、攪拌速度約500rpmで攪拌しながら、薬物濃縮物1.2mLを水性受容液20mLに加えて、イトラコナゾールのナノメートルサイズの懸濁液を調製した。蒸留水に原料イトラコナゾール約0.02gを加えた混合物を受容液として使用し、接種したナノメートルサイズの懸濁液を調製した。受容液として蒸留水のみを使用して、無接種ナノメートルサイズの懸濁液を調製した。両懸濁液を遠心分離にかけて、上澄み液を傾斜法で除き、固体を真空乾燥器中、30゜Cで約16時間乾燥した。
試料の特性評価
図16は、接種した試料と無接種試料から得られた固体のDSC曲線を比較したものである。試料は、アルミニウムの試料管に密封し、2゜C/分の速度で180゜Cまで加熱した。破線は無接種試料を表し、2本の吸熱ピークが観察され、多形混合物の存在を示唆する。
実線は接種した試料を表し、原料の予想融点近くにただ一つの吸熱ピークが観察され、種物質の誘導によって安定性の高い多形のみが生成したことを示唆している。
実施例18:薬物濃縮物への接種による多形の制御
試料調製
NMPに対するイトラコナゾールの室温(約22゜C)における溶解度は、実験的に0.16g/mLと決定された。加熱し、攪拌しながらイトラコナゾール 2.0gとポロキサマ−188 0.2gをNMP10mLに溶解して、0.20mg/mLの薬物濃縮物を調製した。次に、この溶液を室温まで冷却し、過飽和溶液を得た。0.1%デオキシコール酸塩と2.2%グリセロールを含む水溶液30mLに薬物濃縮物1.5mLを加えて直ちにマイクロメートルサイズの沈殿形成実験を行った。添加工程中、水溶液は、350rpmの攪拌速度で攪拌しながら、〜2゜Cに維持した。生成した予備懸濁液は、〜13,000psi、50゜Cで約10分間均質化した。次に、懸濁液を遠心分離にかけ、上澄み液を傾斜法で除き、固体結晶を真空乾燥器中、30゜Cで135時間乾燥した。
次に、結晶化を促すため、過飽和薬物濃縮物を室温で保存し、熟成を行った。12日後には薬物濃縮物は白濁した。これは結晶の形成が起こったことを示している。最初の実験と同様にして、0.1%デオキシコール酸塩と2.2%グリセロールを含む水溶液30mLに薬物濃縮物1.5mLを加えて、イトラコナゾール懸濁液を調製した。添加工程中、水溶液は、350rpmの攪拌速度で攪拌しながら、〜5゜Cに維持した。生成した予備懸濁液は、〜13,000psi、50゜Cで約10分間均質化した。次に、懸濁液を遠心分離にかけ、上澄み液を傾斜法で除き、固体結晶を真空乾燥器中、30゜Cで135時間乾燥した。
試料の特性評価
X線粉末回折分析法によって乾燥結晶の形態を決定した。得られた回折図を図17に示す。第一の実験(調製したての薬物濃縮物を使用)から得られた結晶は、安定性の高い多形からなることが決定された。それに対して、第二の実験(熟成した薬物濃縮物)から得られた結晶は主に安定性の低い多形からなり、安定性の高い多形も少量ながら存在した。従って、熟成は薬物濃縮物中に安定性の低い多形結晶の形成を促し、その結晶は、マイクロメートルサイズの沈殿形成および均質化の工程では種物質として働き、その結果、安定性の低い多形が優先的に形成するものと考えられる。
以上、特定の実施態様を図解し説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく多くの変形が可能であることは言うまでもない。本発明の保護対象範囲は付随する特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1は、本発明の一つの方法を説明する図である。 図2は、本発明の別の方法を説明する図である。 図3は、均質化する前のアモルファス粒子である。 図4は、均質化によってアニーリングした後の粒子である。 図5は、ポリエチレングリコール−660 12−ヒドロキシステアレートで沈殿させたマイクロメートルサイズのイトラコナゾールの均質化前および均質化後のX線回折図である。 図6は、均質化前のカルバマゼピンの結晶である。 図7は、均質化後のカルバマゼピンのマイクロメートルサイズの粒子(Avestin C−50)である。 図8は、プレドニゾロンのマイクロメートルサイズの沈殿形成工程図である。 図9は、均質化前のプレドニゾロン懸濁液の顕微鏡写真である。 図10は、均質化後のプレドニゾロン懸濁液の顕微鏡写真である。 図11は、ナノメートルサイズの懸濁液(本発明)と市販脂肪乳剤の粒径分布を比較したものである。 図12は、原料イトラコナゾール(上)およびSMP−2−PRE(下)のX線粉末回折図である。原料の回折図は、重なりを避けるため上へずらしてある 図13aは、原料イントラコナゾールのDSC曲線である。図13bは、SMP−2−PREのDSC曲線である。 図14は、SMP−2−PREの安定性の低い多形を160゜Cまで加熱して溶融し、冷却して結晶化させ、引き続き、生成した安定性の高い多形を180゜Cまで再加熱して溶融したときのDSC曲線である。 図15は、均質化後のSMP−2−PRE試料を比較したものである。実線は原料イトラコナゾールを接種した試料。破線は接種しなかった試料。 実線は、重なりを避けるため1W/gだけずらしてある。 図16は、沈殿形成中に接種したときの効果を示す。破線は接種しなかった試料。実線は原料イトラコナゾールを接種した試料。接種しなかった曲線(破線)は、重なりを避けるため1.5W/gだけ上にずらしてある 図17は、薬物濃縮物に接種し、医薬熟成を通して得られる効果を示す。上のX線回折図は、調製したての薬物濃縮物から作成した結晶のX線回折図で、安定な多形に一致する(図12、上)。下の回折図は、熟成(接種)した薬物濃縮物から作成した結晶の回折図で、準安定な多形に一致する(図12、下)。重なりを避けるため、上の回折図は上にずらしてある。
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