JP2006511446A - 抗菌性アミドマクロサイクル - Google Patents

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Abstract

本発明は、抗菌性アミドマクロサイクルおよびその製造方法、ならびに疾患、特に、細菌性感染症を治療および/または予防する薬剤を製造するためのその使用に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、抗菌性アミドマクロサイクルおよびその製造方法、ならびに疾患、特に、細菌性感染症を治療および/または予防する薬剤を製造するためのその使用に関する。
米国特許3,452,136号、R.U.Meyer, Stuttgart University, Germany 1991の論文、V.Leitenberger,Stuttgart University, Germany 1991の論文、Synthesis(1992),(10),1025−30、J.Chem.Soc., Perkin Trans.1(1992),(1),123−30、J.Chem.Soc.,Commun.(1991),(10),744、Synthesis(1991),(5),409−13、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1991),(5),275−7、J.Antibiot.(1985),38(11),1462−8、J.Antibiot.(1985),38(11),1453−61には、天然物であるビフェノマイシンB(biphenomycin B)が、抗菌活性を有していることが、述べられている。ビフェノマイシンBの構造は、R、R、R3’、R、R、RおよびRが水素であり、Rが、3−アミノ−2−ヒドロキシプロパ−1−イル(3-amino-2-hydroxyprop-1-yl)であり、そして、C(O)NRが、カルボキシル(COOH)で置き換えられている下記の式(I)に相当する。ビフェノマイシンBの合成のいくつかの工程が、Synlett(2003),4,522−525に述べられている。
Chirality(1995),7(4),181−92、J.Antibiot.(1991),44(6),674−7、J.Am.Chem.Soc.(1989),111(19),7323−7、J.Am.Chem.Soc.(1989),111(19),7328−33、J.Org.Chem.(1987),52(24),5435−7、Anal.Biochem.(1987),165(1),108−13、J.Org.Chem.(1985),50(8),1341−2、J.Antibiot.(1993),46(3),C−2、J.Antibiot.(1993),46(1),135−40、Synthesis(1992),(12),1248−54、Appl.Environ.Microbiol.(1992),58(12),3879−8、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1992),(13),951−3には、更にマクロサイクルがヒドロキシ基で置換されている、構造的に関連する天然物、ビフェノマイシンAが述べられている。
天然物は、その特性の点からは、抗菌性薬剤の要件を満たしていない。抗菌活性を有する構造的に異なる薬剤は、市場で利用可能であるが、耐性の出現は、常に起こりうる。したがって、優れたより効果のある治療のための新規薬剤が、有益である。
それゆえ、本発明の目的のひとつは、ヒトまたは動物の細菌性疾患を治療するために同じかまたはより改善された抗菌活性を有する新規でかつ代替的な化合物を提供することにある。
驚くべきことに、天然物のカルボキシル基が、アミド基で置き換えられたこれらの天然物の誘導体が、抗菌作用を有していることがわかった。
本発明は、式:
Figure 2006511446
《式中、
は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロアリールスルホニルまたはカルボニルによって結合するアミノ酸残基[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R1−1(ここで、置換基R1−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシおよびカルボキシルからなる群から,互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
は、水素またはアルキル[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R2−1(ここで、置換基R2−1は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1または2個の置換基R1−2(ここで、置換基R1−2は、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成する、
は、水素、アルキルまたはアミノ酸の側鎖基(the side groups of an amino acid)〈上記において、アルキルは、0、1、2または3個の置換基R3−1{ここで、置換基R3−1は、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、グアニジノおよびアミジノ[ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0,1または2個の置換基R3−2(ここで、置換基R3−2は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチルおよびアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]からなる群から、互いに独立して、選択される}によって置換されてもよい、
そして、
アミノ酸の側鎖基の遊離アミノ基(free amino group in the side group of the amino acid)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニルまたはヘテロアリールスルホニルによって置換されてもよい〉であり、
3’は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアミンによって結合するアミノ酸残基(an amine-linked amino acid residue){上記において、Rは、0、1、2または3個の置換基R5−1[ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロシクリルアミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルアミノおよびアルコキシカルボニルアミノ〔ここで、アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−2(ここで置換基R5−2は、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい〕からなる群から、互いに独立して、選択される]によって置換されてもよい}であり、
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1、2または3個の置換基R5−6(ここで、置換基R5−6は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ハロゲン化されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成し、
は、水素、C−C−アルキル、アルキルカルボニルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素またはC−C−アルキルであり、そして、
は、水素またはC−C−アルキルである》
の化合物およびその塩、またはその溶媒和物およびその塩の溶媒和物に関する。
本発明化合物は、式(I)の化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物、式(I)に包含され、かつ下記に言及される式(I’)に属する化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物、および式(I)および/または式(I’)に包含され、かつ実施態様として下記に言及される化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物である。ただし、式(I)および/または式(I’)に包含され、かつ下記に言及される化合物は、特記しない限り、塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではない。
本発明の化合物は、それらの構造によっては、立体異性体の形(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在することができる。したがって、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらのそれぞれの混合物に関する。立体異性的に一様な構成成分は、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、キラル相のクロマトグラフィーまたはキラルアミンまたはキラル酸を用いる再結晶のような公知の方法で単離することができる。
本発明の化合物の構造によっては、本発明はまた、化合物の互変異性体(tautomers)にも関する。
本発明の目的のために好ましいは、本発明化合物の生理学的に許容される塩である。
化合物(I)の生理学的に許容される塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸、トリフルオロ酢酸および安息香酸の塩が含まれる。
式(I)の生理学的に許容される塩には、また、例証かつ好ましいものとして、アルカリ金属塩(たとえば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(たとえば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)およびアンモニア(ammonia)から誘導されるアンモニウム塩または、例証かつ好ましいものとして、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン(dihydroabietylamine)、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびメチルピペリジンのような1から16までの炭素原子を有する有機アミンのような通例の塩基との塩が含まれる。
本発明に関し、溶媒和物は、本発明では、溶媒分子と結合して(coordination)、固体または液体状態の複合体(complex)を形成する化合物のそれらの形態を指す。水和物は、結合が、水との間でおこなわれる溶媒和物の特別の形態である。
本発明では、置換基は、別途指定されない限り、下記のように定義される。
アルキルおよびアルコキシ、モノ−およびジアルキルアミノ、アルキルスルホニルのような置換基のアルキル部分は、直線および分枝したアルキル、たとえば、C−C12−、特に、C−C−およびC−C−アルキルを含む。
−C −アルキルは、メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−、sec−およびtert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルを含み、
−C −アルキルは、メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−、sec−およびtert−ブチルを含み、
アルキルカルボニルは、本発明では、好ましくは、1から6までまたは1から4までの炭素原子を有する直鎖または分枝したアルキル基である。例証かつ好ましいものとして、言及することができるこうしたアルキルカルボニルは、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニルおよびt−ブチルカルボニルである。
アルケニルは、直線または分枝したC−C12−アルケニル、特に、C−C−アルケニルおよびたとえば、ビニル、アリル、プロパ−1−エン−1−イル(prop-1-en-1-yl)、イソプロペニル、ブタ−1−エニル(but-1-enyl)、ブタ−2−エニル(but-2-enyl)、ブタ−1,2−ジエニル(buta-1,2-dienyl)、ブタ−1,3−ジエニル(buta-1,3-dienyl)のようなC−C−アルケニルを含むものである。
アルキニルは、直線または分枝したC−C12−アルキニル、特に、C−C−アルキニルおよびたとえば、エチニル、プロパルギル(2−プロピニル)、1−プロピニル、ブタ−1−イニル(but-1-ynyl)、ブタ−2−イニル(but-2-ynyl)のようなC−C−アルキニルを含むものである。
シクロアルキルは、14個までの炭素原子を有する多環式飽和炭化水素基、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルのような単環式C−C12−、好ましくは、C−C−アルキル、特にC−C−アルキル、および多環式アルキル、すなわち、好ましくは、たとえば、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−1−イル(bicyclo[2.2.1]-
hept-1-yl)、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イル(bicyclo[2.2.1]-
hept-2-yl),ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−7−イル(bicyclo[2.2.1]-
hept-7-yl)、ビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−イル(bicyclo[2.2.2]-
oct-2-yl)、ビシクロ[3.2.1]−オクタ−2−イル(bicyclo[3.2.1]-
oct-2-yl)、ビシクロ[3.2.2]−ノナ−2−イル(bicyclo[3.2.2]-
non-2-yl)およびアダマンチルのような二環式および三環式、所望によりスピロ環のC−C14−アルキルを含むものである。
アリールは、本発明では、好ましくは、6から10個までの炭素原子を有する芳香族基である。好ましいアリール基は、フェニルおよびナフチルである。
アルコキシは、本発明では、好ましくは、特に、1から6、1から4または1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルコキシ基である。1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルコキシ基が好ましい。例証かつ好ましい物として、挙げることができるこうしたアルコキシは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシである。
アルコキシカルボニルは、本発明では、好ましくは、1から6または1から4個の炭素原子を有する、カルボニル基で結合している直鎖または分枝状のアルコキシ基である。1から4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルコキシカルボニル基が好ましい。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたアルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびt−ブトキシカルボニルである。
モノアルキルアミノ(アルキルアミノ)は、本発明では、好ましくは、1から6、1から4または1または2個の炭素原子を有する一つの直鎖または分枝状のアルキル置換基を有するアミノ基である。1から4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のモノアルキルアミノ基が好ましい。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたモノアルキルアミノは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノである。
ジアルキルアミノは、本発明では、好ましくは、それぞれ、1から6、1から4または1または2個の炭素原子を有する、二つの同一または異なる直鎖または分枝状のアルキル置換基を有するアミノ基である。それぞれのアルキル置換基について、それぞれ1,2,3または4個の炭素原子を有している直鎖または分枝状のジアルキルアミノ基が、好ましい。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたジアルキルアミノは、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノである。
モノアルキルアミノカルボニル(アルキルアミノカルボニル)またはジアルキルアミノカルボニルは、本発明では、カルボニル基で結合し、かつそれぞれ、好ましくは、1から4または1または2個の炭素原子を有しているひとつの直鎖または分枝状のアルキル置換基または二つの同一または異なる直鎖または分枝状のアルキル置換基を有しているアミノ基である。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたモノアルキルアミノカルボニル(アルキルアミノカルボニル)またはジアルキルアミノカルボニルは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、t−ブチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニルおよびN−t−ブチル−N−メチルアミノカルボニルである。
アリールアミノカルボニルは、本発明では、アミノカルボニル基を経由して結合している好ましくは、6から10個の炭素原子を有する芳香族基である。好ましい基は、フェニルアミノカルボニルおよびナフチルアミノカルボニルである。
アルキルカルボニルアミノ(アシルアミノ)は、本発明では、好ましくは、1から6、1から4または1または2個の炭素原子を有し、かつカルボニル基で結合している直鎖または分枝状のアルカノイル置換基を有しているアミノ基である。1または2個の炭素原子を有するモノアシルアミノ基が、好ましい。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたアルキルカルボニルアミノ(アシルアミノ)は、ホルムアミド、アセタミド、プロピオナアミド、n−ブチラミドおよびピバロイルアミド(pivaloylamido)である。
アルコキシカルボニルアミノは、本発明では、好ましくは、アルコキシ基の場合は、1から6または1から4個の炭素原子を有し、かつカルボニル基で結合している直鎖または分枝状のアルコキシカルボニル置換基を有するアミノ基である。1から4個の炭素原子を有しているアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたアルコキシカルボニルアミノは、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノおよびt−ブトキシカルボニルアミノである。
ヘテロシクリル(heterocyclyl)(ヘテロサイクル:ヘテロ環)は、4から10個の環原子(ring atoms)を有し、かつ3個まで、好ましくは、1個までのN、O、S、SO、SOの群(series)からのヘテロ原子またはヘテログループ(heterogroups)を有する単環式ヘテロ環基または多環式ヘテロ環基(mono- or polycyclic, heterocyclic radical)である。4から8員環、特に5から6員環のヘテロシクリルが好ましい。単環もしくは二環式へテロシクリルが好適である。単環式ヘテロシクリルが特に好ましい。ヘテロ原子としては、NとOが好ましい。ヘテロシクリル基は、飽和していてもよいし、一部不飽和であってもよい。飽和しているヘテロシクリル基が好ましい。ヘテロシクリル基は、炭素原子を介して結合してもよいし、ヘテロ原子を介して結合してもよい。O、NおよびSの群から二つまでのヘテロ原子を有する5員環から6員環の単環式飽和ヘテロシクリル基が、特に好ましい。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたヘテロシクリルは、オキセタン−3−イル(oxetan-3-yl)、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラニル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、チオピラニル、モルホリン−1−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、ペルヒドロアゼピニル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イルである。なお、窒素へテロシクリル環(nitrogen heterocyclyl ring)とは、ヘテロ原子として窒素のみを有しているヘテロ環である。
ヘテロアリールは、5から10個までの環原子(ring atoms)を有し、かつS、Oおよび/またはNの群から5個までのヘテロ原子を有する芳香族単環もしくは二環式基である。4個までのヘテロ原子を有する5員環から6員環のヘテロアリールが好ましい。ヘテロアリール基は、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合している。例証かつ好ましいものとして、挙げることができるこうしたヘテロアリールはチエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニルである。
カルボニルは、−C(O)基である。これに対応して、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニルおよびヘテロアリールカルボニルは、適切な基(radicals)、すなわち、アリール、ヘテロシクリルなどによってカルボニル基置換される。
スルホニルは、−S(O)基である。これに対応して、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニルおよびヘテロアリールスルホニルは、適切な基、すなわち、アルキル、アリールなどによって、スルホニル基置換される。
アミノスルホニルは、−S(O)NH基である。これに対応して、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロシクリルアミノスルホニルおよびヘテロアリールアミノスルホニルは、適切な基、すなわち、アルキル、アリールなどによって、アミノ基置換される。
ハロゲンは、本発明では、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含むものである。フッ素または塩素が好ましい。
アミノ酸の側鎖基(The side group of an amino acid)は、本発明では、アミノ酸のα−炭素原子に結合するα−アミノ酸分子の有機基(organic radical)を意味する。これについては、天然に存在するL型またはD型配置、とりわけ、天然に存在する天然L型配置(L configuration)のα−アミノ酸残基が優先される。
こうした基には、たとえば、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、プロパ−2−イル(prop-2-yl)(バリン)、2−メチルプロパ−1−イル(2-methylprop-1-yl)(ロイシン)、1−メチルプロパ−1−イル(1-methylprop-1-yl)(イソロイシン)、(3−インドリル)メチル基(トリプトファン)、ベンジル基(フェニルアラニン)、メチルチオエチル基(メチオニン)、ヒドロキシメチル(セリン)、p−ヒドロキシベンジル(チロシン)、1−ヒドロキシエタ−1−イル(1-hydroxyeth-1-yl)(スレオニン)、メルカプトメチル(システイン)、カルバモイルメチル(アスパラギン)、カルバモイルエチル(グルタミン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、カルボキシエチル(グルタミン酸)、4−アミノブタ−1−イル(4-aminobut-1-yl)(リジン)、3−グアニジノプロパ−1−イル(3-guanidinoprop-1-yl)(アルギニン)、イミダゾール−4−イルメチル(imidazol-4-ylmethyl)(ヒスチジン)、3−ウレイドプロパ−1−イル(3-ureidoprop-1-yl)(シトルリン)、メルカプトエチル(ホモシステイン)、ヒドロキシエチル(ホモセリン)、4−アミノ−3−ヒドロキシブタ−1−イル(4-amino-3-hydroxybut-1-yl)(ヒドロキシリジン)、3−アミノプロパ−1−イル(3-aminoprop-1-yl)(オルニチン)、2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イル(2-hydroxy-3-aminoprop-1-yl)(ヒドロキシオルニチン)が含まれる。
カルボニルによって結合されるアミノ酸残基(carbonyl-linked amino acid residue)は、アミノ酸の酸機能のカルボニル基を介して結合されるアミノ酸残基である。これに関連して、L型配置またはD型配置のα−アミノ酸、殊に、天然L型配置で天然に存在するα−アミノ酸、たとえば、グリシン、L−アラニンおよびL−プロリンが優先される。
アミンによって結合されるアミノ酸残基(amine-linked amino acid residue)は、アミノ酸のアミノ基を介して結合されるアミノ酸残基である。こうした関連において、α−アミノ酸またはβ−アミノ酸が優先される。これに関連して、特に優先されるのは、LまたはD型配置のα−アミノ酸、殊に、たとえば、グリシン(Rはカルボキシメチルである)、アラニン(Rは1−カルボキシルエタ−1−イル(1-carboxyleth-1-yl))のような天然L型配置で天然に存在するα−アミノ酸である。アミノ酸の酸機能は、また、たとえば、メチルエステル、エチルエステル、tert−ブチルエステルのようなエステルの形態、または、たとえば、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基のようなアミドの形態であってもよい。
アミノ保護基(amino protective groups)は、本発明では、アミノ基を、一時的に試薬によって攻撃されるから保護することができる有機基であり、その結果、酸化、還元、置換および縮合のような反応が所望(非保護)部位でのみ起こる。こうした基は、行われる反応および精製操作のすべての条件において、保護期間の間、安定であり、そして、再び、緩和な条件で、選択的かつ高収率で除去されることができる(Roempp Lexikon Chemie−Version 2.0,Stuttgart/New York:Georg Thieme Verlag 1999;T.W.Greene,P.G.Wuts,有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis), 3rded., John Wiley, New York, 1999)。
こうした関連で、カルバマート(carbamate)のようなオキシカルボニル誘導体および殊に次の基:ベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、ジクロロベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4.5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、シクロヘキソキシカルボニル、オクトキシカルボニル、2−エチルヘキソキシカルボニル、2−ヨードヘキソキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニル、2−クロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロ−tert−ブトキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、ビス−(4−メトキシフェニル)メトキシカルボニル、フェナシルオキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2−(ジ−n−ブチルメチルシリル)エトキシカルボニル、2−トリフェニルシリルエトキシカルボニル、2−(ジメチル−tert−ブチルシリル)エトキシカルボニル、メチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、トリルオキシカルボニル、2,4−ジニトロフェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、2,4,5−トリクロロフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、バレロイル(valeroyl)、イソバレロイル、ブチリル(butyryl)、エチルチオカルボニル、メチルチオカルボニル、ブチルチオカルボニル、tert−ブチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル、ベンジルチオカルボニル、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、2−ヨードアセチル、2,2,2−トリフルオロアセチル、2,2,2−トリクロロアセチル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、4−ニトロベンジル、4−ニトロベンゾイル、ナフチルカルボニル、フェノキシアセチル、アダマンチルカルボニル、ジシクロヘキシルホスホリル、ジフェニルホスホリル、ジベンジルホスホリル、ジ−(4−ニトロベンジル)ホスホリル、フェノキシフェニルホスホリル、ジエチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、フタロイル、フタルイミドまたはベンジルオキシメチレンが優先される。
特に優先されるのは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz−/Z−)およびアリルオキシカルボニル(Aloc)である。
結合手における記号*は、分子内の結合の端を示す。
本発明では、式:
Figure 2006511446
(式中、RからRは、式(I)と同様の意味を有する。)に該当する化合物およびその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物が優先される。
本発明の目的には、
《Rは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロアリールスルホニルまたはカルボニルによって結合するアミノ酸残基[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R1−1(ここで、置換基R1−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシおよびカルボキシルからなる群から,互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
は、水素またはアルキル[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R2−1(ここで、置換基R2−1は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノからなる群から,互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1または2個の置換基R1−2(ここで、置換基R1−2は、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成する、
は、水素、アルキルまたはアミノ酸の側鎖基〈上記において、アルキルは、0、1、2または3個の置換基R3−1{ここで、置換基R3−1は、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニル[ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0,1または2個の置換基R3−2(ここで、置換基R3−2は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチルおよびアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]からなる群から、互いに独立して、選択される}によって置換されてもよい、
そして、
アミノ酸の側鎖基の遊離アミノ基は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニルまたはヘテロアリールスルホニルによって置換されてもよい〉であり、
3’は、水素またはC−C−アルキルであり、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアミンによって結合するアミノ酸残基{上記において、Rは、0、1、2または3個の置換基R5−1[ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される]によって置換されてもよい}であり、
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1、2または3個の置換基R5−6(ここで、置換基R5−6は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ハロゲン化されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成し、
は、水素またはC−C−アルキルであり、
は、水素またはC−C−アルキルであり、そして、
は、水素またはC−C−アルキルである》
の本発明化合物が、優先される。
本発明の目的には、また、
《式中、Rは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニルまたはカルボニルによって結合するアミノ酸残基[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R1−1(ここで、置換基R1−1は、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニル、5から6員環のヘテロアリール、5から6員環のヘテロシクリル、ヒドロキシおよびアルコキシからなる群から,互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
は、水素またはメチルであり、
は、アミノカルボニルメチル、3−アミノプロピル、2−ヒドロキシ−3−アミノプロピル、3−グアジニノプロピル、2−アミノカルボニルエチル、2−ヒドロキシカルボニルエチル、4−アミノブチル、ヒドロキシメチルまたは2−ヒドロキシエチル、4−アミノ−3−ヒドロキシブタン−1−イル(4-amino-3-hydroxy-butan-1-yl)であり、
そして、
アミノ酸の側鎖基の遊離アミノ基は、アルキル、アルケニル、C−C−シクロアルキル、アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、5から6員環のヘテロアリールカルボニル、5から6員環のヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、5から6員環のヘテロシクリルスルホニルまたは5から6員環のヘテロアリールスルホニルによって置換されてもよい〉であり、
3’は、水素であり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素、アルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5から6員環のヘテロアリール、5から6員環のヘテロシクリルまたはアミンによって結合されるアミノ酸残基であり、
ここで、Rが、アルキル、C−C−シクロアルキルまたは5から6員環のヘテロシクリルである場合、後者は、0、1または2個の置換基R5−2(ここで置換基R5−2は、アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5から6員環のヘテロアリール、5から6員環のヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよく、
そして、
ここで、Rが、フェニルまたは5から6員環のヘテロアリールである場合、後者は、0、1または2個の置換基R5−3(ここで置換基R5−3は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5から6員環のヘテロアリール、5から6員環のヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよく、
そして、
ここで、Rが、アミンによって結合されるアミノ酸残基である場合、後者は、0、1または2個の置換基R5−4(ここで置換基R5−4は、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5から6員環のヘテロアリール、5から6員環のヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい、
は、水素、アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1または2個の置換基R5−6(ここで、置換基R5−6は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ハロゲン化されたフェニル、5から6員環のヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい5から6員環のヘテロ環を形成し、
は、水素であり、
は、水素であり
そして、
は、水素またはメチルである》
の本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、
《Rは、水素、アルキルまたはアルキルカルボニルであり、
は、水素であり、
は、アルキルまたはアミノ酸の側鎖基〈上記において、アルキルは、0、1,2または3個の置換基R3−1{ここで置換基R3−1は、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、グアニジノおよびアミジノ[ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1または2個の置換基R3−2(ここで、置換基R3−2は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチルおよびアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]から成る群から、互いに独立して、選択される}によって置換されてもよい、
そして、
アミノ酸の側鎖基の遊離アミノ基は、アルキルによって置換されてもよい〉であり、
3’は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアミンによって結合されるアミノ酸残基{上記において、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−1[ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルキシカルボニル〔ここで、アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−2(ここで置換基R5−2は、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい〕からなる群から、互いに独立して、選択される]によって置換されてもよい}であり、
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1、2または3個の置換基R5−6(ここで、置換基R5−6は、ハロゲン、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成し、
は、水素、C1−−アルキル、アルキルカルボニルまたはC3−−シクロアルキルであり、
は、水素
そして、
は、水素である。》
の本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、
《式中、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、アルキルまたはアミノ酸の側鎖基〈上記において、アルキルは、0、1,2または3個の置換基R3−1{ここで置換基R3−1は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、グアニジノおよびアミジノ[ここで、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1または2個の置換基R3−2(ここで、置換基R3−2は、アルキルおよびアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]からなる群から、互いに独立して、選択される}によって置換されてもよい〉であり、
3’は、水素であり、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアミンによって結合されるアミノ酸残基{上記において、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−1[ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニル〔ここで、アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−2(ここで置換基R5−2は、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい〕から成る群から、互いに独立して、選択される]によって置換されてもよい}であり、
は、水素、アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、またはピロリジニル[ここで、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピロリジニルは、0、1,2または3個の置換基(ここで置換基は、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)で置換されてもよい]を形成し、
は、水素であり、
は、水素であり、
そして、
は、水素である》
の本発明化合物も優先される。
本発明の目的では、また、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、アミノカルボニルメチル、3−アミノプロパ−1−イル(3-aminoprop-1-yl)、2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イル(2-hydroxy-3-aminoprop-1-yl)、1−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イル(1-hydroxy-3-aminoprop-1-yl)、3−グアニジノプロパ−1−イル(3-guanidinoprop-1-yl)、2−アミノカルボニルエチル、2−ヒドロキシカルボニルエチル、4−アミノブタ−1−イル(4-aminobut-1-yl)、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−アミノエチル、4−アミノ−3−ヒドロキシブタ−1−イル(4-amino-3-hydroxybut-1-yl)または(1−ピペリジン−3−イル)メチルであり、
3’は、水素であり、
は、水素、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロプロピルであり、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキル[上記において、アルキルおよびシクロアルキルは、0、1、2または3個の置換基R5−1(ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、C−C−アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、C−C10−アリール、5員環から10員環までのヘテロアリール、5員環から7員環までのヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、C−C−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルおよびC−C−ジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
は、水素またはメチルであり、
または、
およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニルまたはモルホリニルを形成し、
は、水素であり、
は、水素であり、そして、
は、水素である》
の本発明化合物も、優先される。
本発明の目的には、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、3−アミノプロパ−1−イルまたは2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イルであり、
3’は、水素であり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素、C−C−アルキルまたはシクロプロピル[上記において、アルキルは、0、1、2または3個の置換基R5−1(ここで、置換基R5−1は、トリフルオロメチル、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノカルボニルおよびフェニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
そして、
は、水素である、
本発明化合物は、特に優先される。
本発明の目的には、また、Rが水素である本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが水素である本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが3−アミノプロパ−1−イルまたは2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イルである本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、R3’が水素である本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが水素またはメチルである本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが、水素、C−C−アルキルまたはシクロプロピル[上記において、アルキルは、0、1、2または3個の置換基R5−1(ここで、置換基R5−1は、トリフルオロメチル、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノカルボニルおよびフェニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]である本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが水素またはメチルである本発明化合物も優先される。
本発明目的には、また、RおよびRが、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニルまたはモルホリニルを形成する本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが水素である本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、、また、Rが水素である本発明化合物も優先される。
本発明の目的には、また、Rが水素である本発明化合物も優先される。
本発明は、更に、式:
Figure 2006511446
(式中、RからRおよびRからRは、上記で示した意味を有する)の化合物[ここで、化合物(II)は、それが適切な場合は、活性化された形態(アシル供与体(acyl donor))でもよい]を、式:
H−NR (III),
(式中、RおよびRは、上記に示した意味を有する)の化合物と反応させる、式(I)の化合物を製造する方法に関する。
適切な場合は、式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応の前に、式(II)の化合物の反応官能性(reactive functionalities)(たとえば、遊離のアミノ官能基)を阻止する。このことは、保護基の化学の標準的な方法によって行われる。R(またはR)に対しては、または基RおよびR3’の置換基としては、酸に不安定な保護基が優先され、特に、Bocが好まれる。式(III)の化合物の基RおよびRの反応官能性は、すでに合成に取り入れられ、保護されているが(introduced already protected into the synthesis)、酸不安定性保護基(たとえば、Boc)が好まれる。反応が行われ、式(I)の化合物が得られた後、保護基は、脱保護反応によって除去される。このことは、保護基化学の標準的な方法よって行われる。酸性での脱保護反応が好ましい。
たとえば、式(I)の化合物のRが、選択的に除去できる保護基である場合は、脱保護(たとえば、R=Zの場合は、水素化分解)のあとに、露出したアミノ官能基(R=H)を所望の置換基Rで官能化(functionaization)することができる。
化合物(II)を活性化形態(アシル供与体)に変換するためには、たとえば、たとえば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC(適切な場合は、ペンタフルオロフェノール(PFP)の存在下で))、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)のようなカルボジイミド、または、カルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム 3−スルファート(2-ethyl-5-phenyl-1,2-oxazolium 3-sulfate)のような1,2−オキサゾリウム化合物、または2−tert−ブチル−5−メチルイソキサゾリウム過塩素酸塩(2-tert-butyl-5-methylisoxazolium perchlorate)、または2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンのようなアシルアミノ化合物、またはプロパンホスホニックアンヒドリド(propanephosphonic anhydride)、またはクロロ蟻酸イソブチル(isobutyl chloroformate)、またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド(bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphoryl chloride)、またはベンゾトリアゾリルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(benzotriazolyloxytri(dimethylamino)phosphonium hexafluorophosphate)、またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)(O-(benzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate)、2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(2-(2-oxo-1-(2H)-pyridyl)-1,1,3,3-tetramethyluronium tetrafluoroborate)(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスファート(o-(7-azabenzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate)(HATU)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(benzotriazol-1-yloxytris(dimethylamino)phophonium hexafluorophosphate)(BOP)、またはこれらと塩基の混合物が好適であり、適切な場合は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)のようなカップリング添加剤を存在させる。
塩基の例としては、たとえば、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩のようなアルカリ金属の炭酸塩、または重炭酸塩、またはトリアルキルアミン、たとえば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基があげられる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件によって変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、無水ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドである。
ジメチルホルムアミド中のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HATU)で活性化することが好ましい。
式(III)の化合物は、公知であるか、もしくは、公知の方法に準じて、製造することができる。
式(II)の化合物は、公知であるか、もしくは、式:
Figure 2006511446
(式中、RからRおよびRからRは、上記で示した意味を有し、そして、R10は、ベンジル(あるいは、たとえば、メチルまたはエチルなどのアルキル)の化合物内のエステルを開裂させる(cleaving)ことによって製造することができる。
10が、ベンジルである場合、このエステル開裂は、好ましくは、パラジウム/炭素の存在下で水素を用いて行われる。この場合の、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドのような炭化水素またはアルコール類(メタノール、エタノールおよびイソプロパノールを優先する)が含まれ、適切な場合は、ひとつまたはそれ以上の酸均等物(acid equivalents)の存在下で行われる。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。エタノール中の蟻酸、酢酸水(aqueous acetic acid)とTHFが、特に好ましい。
代替の可能性は、また、対応するカルボン酸に対して、塩基による加水分解によって、このエステル(R10=ベンジル、アルキル)を開裂させることである。塩基は、水溶性リチウム(aqueous lithium)または水酸化ナトリウムが、好ましく、用いられる。この場合の、好適な溶媒は、水に一部分もしくは無限に混和できる有機溶媒である。こうした溶媒には、アルコール類(メタノールおよびエタノールが優先される)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、およびジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、メタノール、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミドである。
Figure 2006511446
図式1:例示的実施形態の合成
式(IIa)の化合物は、式:
Figure 2006511446
(式中、RからRおよびRからR10は、上記で示した意味を有する)の化合物(この化合物は、適切な場合は、活性化された形である)を、ペプチド結合(peptide coupling)により、環化せしめることにより製造することができる。代替的な可能性のある方法は、式:
Figure 2006511446
(式中、
からRおよびRからR10は、上記で示した意味を有し、
11は、活性化後、ペンタフルオロフェノールであり、そして、
12は、アミン保護基(好ましくは、Boc)である)の化合物を、アミン保護基の保護基の除去(R12が、水素となる)およびそれに続く塩基条件のもとで環化によって、式(IIa)の化合物に変換する多段式方法(mutistage process)である。
化合物を活性化形態に変換するのには、たとえば;たとえば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC(適切な場合は、ペンタフルオロフェノール(PFP)の存在下で))、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)のようなカルボジイミド、またはカルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム 3−スルファート(2-ethyl-5-phenyl-1,2-oxazolium 3-sulfate)のような1,2−オキサゾリウム化合物、または2−tert−ブチル−5−メチルイソキサゾリウム過塩素酸塩(2-tert-butyl-5-methylisoxazolium perchlorate)、または2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンのようなアシルアミノ化合物、またはプロパンホスホニックアンヒドリド(propanephosphonic anhydride)、またはクロロ蟻酸イソブチル(isobutyl chloroformate)、またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド(bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphoryl chloride)、またはベンゾトリアゾリルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(benzotriazolyloxytri(dimethylamino)phosphonium hexafluorophosphate)、またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)(O-(benzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate)、2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(2-(2-oxo-1-(2H)-pyridyl)-1,1,3,3-tetramethyluronium tetrafluoroborate)(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスファート(o-(7-azabenzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate)(HATU)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(benzotriazol-1-yloxytris(dimethylamino)phophonium hexafluorophosphate)(BOP)、またはこれらと塩基の混合物が好適であり、適切な場合は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を存在させる。
塩基の例としては、たとえば、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩のようなアルカリ金属の炭酸塩、または重炭酸塩、または、好ましくは、トリアルキルアミン、たとえば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基があげられる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタン、トリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルが含まれる。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドである。
ペンタフルオロフェニルエステル(R11=C)の形での活性化およびそれに続く塩基触媒による閉環(base-catalyzed ring closure)が、特に好ましい。
式(IV)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造するか、または、式:
Figure 2006511446
(式中、RからRおよびRからR10およびR12は、上記で示した意味を有し、そして、
11は、シリル保護基、特に、2−(トリメチルシリル)エチルである)の化合物を、R12の保護基の除去後、フルオリド(fluoride)、特にテトラブチルアンモニウムフルオリド(tetrabutylammonium fluoride)と反応させることにより、製造することができる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましい溶媒は、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミドである。
式(IVb)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造するか、または、式:
Figure 2006511446
(式中、R、R、R、R、RおよびR10は、上記で示した意味を有し、
11は、シリル保護基である)の化合物を、式:
Figure 2006511446
(式中、R、R3’、RおよびR12は、上記に示した意味を有する)の化合物(この化合物は、適切な場合は、活性化された形である)と、反応させることによって製造することができる。
化合物を活性化形態に変換するのには、たとえば;たとえば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC(適切な場合は、ペンタフルオロフェノール(PFP)の存在下で))、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)のようなカルボジイミド、またはカルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム 3−スルファート(2-ethyl-5-phenyl-1,2-oxazolium 3-sulfate)のような1,2−オキサゾリウム化合物、または2−tert−ブチル−5−メチルイソキサゾリウム過塩素酸塩(2-tert-butyl-5-methylisoxazolium perchlorate)、または2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンのようなアシルアミノ化合物、またはプロパンホスホニックアンヒドリド(propanephosphonic anhydride)、またはクロロ蟻酸イソブチル(isobutyl chloroformate)、またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド(bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphoryl chloride)、またはベンゾトリアゾリルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(benzotriazolyloxytri(dimethylamino)phosphonium hexafluorophosphate)、またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)(O-(benzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate)、2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(2-(2-oxo-1-(2H)-pyridyl)-1,1,3,3-tetramethyluronium tetrafluoroborate)(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスファート(o-(7-azabenzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate)(HATU)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(benzotriazol-1-yloxytris(dimethylamino)phophonium hexafluorophosphate)(BOP)、またはこれらと塩基の混合物が好適であり、適切な場合は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)のようなカップリング添加剤を添加する。
塩基の例としては、たとえば、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩のようなアルカリ金属の炭酸塩、または重炭酸塩、または、好ましくは、トリアルキルアミン、たとえば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基があげられる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、無水ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドである。
HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在のもとでの反応が、特に好ましい。
式(VI)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができる。
式(V)の化合物およびその塩(たとえば、塩酸塩)は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、R、R、R、R、RおよびR10は、上記で示した意味を有し、
11は、シリル保護基であり、そして、
13は、アミン保護基であり、特にBocである)の化合物を製造し、R13を脱保護することによって製造することができる。
これは、R13が、Bocである場合、好ましくは、ジオキサン中の塩化水素で、保護基化学の標準的な方法により行われる。
Figure 2006511446
図式2:ビフェノマイシンの保護された誘導体の合成
式(Va)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、
10は、ベンジルまたはアルキルであり、そして、
13は、アミノ保護基(amino protective group)(好ましくはBoc)である)の化合物を、式:
Figure 2006511446
(式中、
、RおよびRは、上記で示した意味を有し、そして、
11は、シリル保護基であって、特に、2−(トリメチルシリル)エチルである)の化合物と反応させることによって、製造することができる。
この反応は、スズキ反応(Suzuki reaction)として知られているものあり(Synlett 1992,207−210;Chem.Rev.1995,95,2457−2483)、パラジウム触媒と塩基の存在下で、好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(bis(diphenylphosphino)ferrocenepalladium(II) chloride)と炭酸セシウム(cesium carbonate)の存在下で行われる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドが含まれる。
同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドである。
式(VII)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、
10は、ベンジルまたはアルキルであり、そして、
13は、アミノ保護基(好ましくはBoc)である)の化合物を、ビス(ピナコラト)ジボロン(bis(pinacolato)diboron)と反応させることによって、製造することが出来る。この反応は、スズキ反応の特別な変形として知られているものであり(J.Org.Chem.1995,7508−7510;Tetrahedron Lett.,1997,3841−3844)、パラジウム触媒と塩基の存在下で、好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(bis(diphenylphosphino)ferrocenepalladium(II) chloride)と酢酸カリウムの存在下で行われる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドである。
式(VIIa)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、そして、
13は、アミノ保護基(好ましくはBoc)である)の化合物を、遊離のカルボン酸エステル機能(free carboxylate function)の活性化後、4−ジメチルアミノピリジンの存在下で、10R−OH(好ましくは、ベンジルアルコール、アリルアルコールおよび低級脂肪族アルコール)と反応させることによって、製造することができる。
カルボン酸を活性化形態に変換するのには、たとえば;たとえば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)のようなカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物が適切である。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、無水のジクロロメタンおよびアセトニトリルである。
低温(−10℃)で、無水アセトニトリルまたはジクロロメタン中でEDCまたはDICによる活性化反応が、好ましい。
式(VIII)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
、RおよびRは、上記で示した意味を有する)の化合物を、遊離のカルボン酸エステル官能基(free carboxylate function)の活性化後、4−ジメチルアミノピリジンの存在下で、11R−OH(好ましくは、2−トリメチルシリルエタノール)と反応させることによって、製造することができる。
カルボン酸を活性化形態に変換するのには、たとえば;たとえば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)のようなカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物が適切である。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、無水のジクロロメタンおよびアセトニトリルである。
低温(−10℃)で、無水アセトニトリルまたはジクロロメタン中でEDCまたはDICによる活性化反応が、好ましい。
式(IXa)のカルボン酸は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、そして、
15は、アミノ保護基,特にBocである)の化合物を、R15について、最初の段階(first stage)で脱保護することによって、製造することができる。このことは、R15が、Bocである場合、好ましくは、ジオキサン中、塩化水素で、または、少量の水の存在下で、ジクロロメタン中、トリフルオロ酢酸で、保護基化学の標準的方法により行われる。
その結果生じる遊離のアミン:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有する)(ここで、適切な場合は、アミンは、塩、好ましくは、塩酸塩またはトリフルオロ酢酸塩の形であってもよい)を、次の段階で、不活性な溶媒中で塩基の存在下で、R−X(ここで、Rは,上記に示した意味を有し、そして、Xは、脱離基である)と反応させるが、適切な場合は、ヨウ化カリウム(potassium iodide)の存在下、好ましくは、0℃から室温を経てほぼ大気圧で溶媒の還流温度までの温度範囲で行う。Xにふさわしいものは、メシラート(mesylate)、トシラート(tosylate)、スクシナート(succinate)またはハロゲンであり、ハロゲンとしては、塩素、臭素またはヨウ素が好適である。
塩基の例としては、たとえば、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩のようなアルカリ金属の炭酸塩、または重炭酸塩、またはトリアルキルアミン、たとえば、トリエチルアミン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基があげられる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ジクロロメタン、またはトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトンまたはジメチルホルムアミドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンである。
Figure 2006511446
図式3:ビフェニル−ビスアミノ酸誘導体の合成
は、所望により、保護基(たとえば、Z、すなわち、ベンジルオキシカルボニル)であってもよい。
式(Va)の化合物は、別の方法で、式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、
10は、ベンジルまたはアルキルであり、そして、
13は、アミノ保護基(好ましくはBoc)である)の化合物を、式:
Figure 2006511446
(式中、
、RおよびRは、上記で示した意味を有し、そして、
11は、シリル保護基であって、特に、2−(トリメチルシリル)エチルである)の化合物と反応させることによって、製造することができる。
この反応は、スズキ反応(Suzuki reaction)として知られているものあり(Synlett 1992,207−210;Chem.Rev.1995,95,2457−2483)、パラジウム触媒と塩基の存在下で、好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(bis(diphenylphosphino)ferrocenepalladium(II) chloride)と炭酸セシウム(cesium carbonate)の存在下で行われる。
この場合、適切な溶媒は、反応条件で変化しない不活性な有機溶媒である。こうした溶媒には、ベンゼン、トルエンのような炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドが含まれる。同様に、溶媒の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのは、ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドである。
式(VIIIa)の化合物は、化合物(VII)に関して述べられている方法によって、式(VIII)の化合物から製造することができる。
式(IX)および式(IXb)のエナンチオマーとして単一の化合物は、公知であるか、または、たとえば、キラルアミン塩基を用いる結晶化またはキラル固定相でのクロマトグラフィーによる方法のような公知の方法によってラセミ体前駆体(racemic precursors)から得ることができる。
式(IX)および式(IXb)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRならびにRおよびRは、上記で示した意味を有し、
13およびR15は、アミノ保護基であり、
14は、アルキル(特に好ましくは、エチルである)の化合物を脱カルボキシル化せしめることによって、製造することができる。
この反応は、好ましくは、水−エタノール混合物中、塩基性媒質(basic medium)中で行われる。
式(X)および式(Xa)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有する)の化合物を、それぞれ、式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、
13およびR15は、アミノ保護基であり、そして、
14は、アルキル(好ましくは、エチルである)である)の化合物と反応させることによって、製造することができる。
この反応は、好ましくは、アルコール中で、アルカリ金属アルコラート(alkali metal alcoholate)、特にエタノール中で、ナトリウムエトキシド(sodium ethoxide)を用いて行われる。
式(XII)および式(XIIa)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有する)の化合物を、三臭化燐と反応させることによって製造することができる。この反応は、好ましくは、トルエン中で行われる。
式(XIIb)および式(XIIc)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または式:
Figure 2006511446
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有する)の化合物を、還元することによって製造することができる。
還元は、好ましくは、ジクロロメタン中で、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(diisobutylalunminium hydride)溶液を用い、それに続いて、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(saturated sodium tartrate solution)を添加しておこなわれる。
式(XIId)および式(XIIe)の化合物は、公知であり、公知の方法に準じて製造することができるが、または2−ヒドロキシ−5−ヨードベンズアルデヒド(2-hydroxy-5-iodobenzaldehyde)を、それぞれ、式:
−X(XIII)およびR−X(XIIIa)
(式中、
およびRは、上記で示した意味を有し、そして
Xは、脱離基(leaving group)を示す)の化合物と、不活性溶媒中で、適切な場合は、塩基の存在下で、適切な場合は、ヨウ化カリウムの存在下で、好ましくは、大気圧下、室温から溶媒の還流までの温度範囲で、反応させることによって製造することができる。Xとしては、メシラート(mesylate)、トシラート(tosylate)またはハロゲンが好ましく、ハロゲンとしては、塩素、臭素またはヨウ素が好ましい。
不活性な溶媒の例としては、メチレンクロリド、トリクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフランまたは1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル、またはアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノンまたはアセトニトリルのよう他の溶媒が挙げられるが、テトラヒドロフラン、メチレンクロリド、アセトン、2−ブタノン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドまたは1,2−ジメトキシエタンが好ましい。ジメチルホルムアミドが好適である。
塩基の例としては、炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩(alkali metal carbonate)、またはナトリウムまたはカリウムメタノラート(sodium or potassium methanolate)、またはナトリウムまたはカリウムエタノラート(sodium or potassium ethanolate)またはtert−カリウムブトキシド(potassium tert-butoxide)、またはソーダミド(sodamide)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミドのようなアミド、またはブチルリチウムまたはフェニルリチウムのような有機金属化合物(organometallic compounds)、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンのような三級アミン塩基(tertiary amine base)、または水素化ナトリウム、DBUのようなその他の塩基が上げられるが、好ましいのは、tert−カリウムブトキシド、炭酸セシウム、DBU、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムである。炭酸カリウムが好適である。
式(XIII)および式(XIIIa)の化合物は、公知であり、または、公知の方法に準じて製造することができる。
本発明化合物の製造については、次の合成図式によって図示することができる。ここでは、より明瞭にするために、本説明で使用されたローマ数字をそのままとするが、図式では、ある場合には、特別の実施態様を示し、特に、(XI)および(XIa)のR14は、エチルであり、R13およびR15は、Bocである。
Figure 2006511446
図式4:フェニルアラニン誘導体の合成
代替的方法では、置換基RおよびRは、また、式(VII)または式(VIIa)の化合物を経由して合成に導入することもできる。この目的のためには、式(VII)または式(VIIa)の化合物の酸官能基(acidic function)を、当業者に公知の条件のもとで、遊離させ、次いで、当業者に公知の条件のもとで、式(III)の化合物と反応させる。
本発明化合物は、予測できない価値の高い範囲の薬理学的かつ薬物動態学的効果を示す。
それゆえ、本発明化合物は、ヒトおよびは動物の疾患を治療および/または予防するための薬剤としての使用に適切である。
本発明化合物を、こうした薬理特性のため、感染症疾患、特に細菌感染症の治療および/または予防のために、単独または他の有効成分と組み合わせて使用することができる。
たとえば、次の病原体または次の病原体の混合物:
たとえば、スタフィロコッカス属((ブドウ球菌属:staphylococci)(スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌:Staph.aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(表皮ブドウ球菌:Staph.epidermidis))、ストレプトコッカス属((連鎖球菌属:streptococci)(ストレプトコッカス・アガラクティー(Strept.agalactiae)、ストレプトコッカス・ファエカリス(糞便連鎖球菌:Strept.faecalis)、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(肺炎連鎖球菌:Strept.pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピロジネス(化膿性連鎖球菌:Strept.pyrogenes))であるグラム陽性球菌(Gram−positive cocci);たとえば、エシェリキア・コリ(大腸菌:Escherichia coli)、ヘモフィルス・インフルエンゼ(インフルエンザ菌:Hemophilus influenzae)、シトロバクター属(Citrobacter)(シトロバクター・フレウンデー(Citrob.freundii)、シトロバクター・デヴェルニス(Citrob.divernis))、サルモネラ菌属(Salmonella)および赤痢菌属(Shigella)である腸内細菌科(enterobacteriaceae)のようなグラム陰性球菌(gram−negative cocci)(ナイセリア・ゴノッロエアエ(neisseria gonorrhoeae:淋菌))およびグラム陰性桿菌(gram−negative rods);また、クレブシエラ属(klebsiellas)(クレブシエラ・ニューモニアエ(肺炎桿菌:Klebs.pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトシ(Klebs.oxytocy))、エンテロバクター(腸内細菌属:Enterobacter)(エンテロバクター・エロゲネス(Ent.aerogenes)、エンテロバクター・アグロメランス(Ent.agglomerans))、ハフニア属(Hafnia)、セラチア属(Serratia)(セラチア・マルセッセンス(Serr.marcescens))、プロテウス属(Proteus)(プロテウス・ミラビリス(Pr.mirabilis)、プロテウス・レットゲリ(Pr.rettgeri),プロテウス・ブルガリス(Pr.vulgaris))、プロビデンシア属(Providencia)、エルジニア属(Yersinia)、およびアシネトバクター属(genus Acinetobacter)によって、引き起こされる局所および/または全身性の疾患を治療および/または予防することが可能である。抗菌範囲には、また、シュードモナス属(genus Pseudomonas)(シュードマナス・アエルギノーザ(緑膿菌:Ps.aeruginosa)、シュードモナス・マルトフィリア(Ps.maltophilia))および、たとえば、ペプトコッカス属(genusPeptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)を代表するバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)のような厳密な意味での嫌気性菌、およびクロストリジウム属;また、マイコプラズマ属(マイコプラズマ・ニューモニアエ(M.pneumoniae)、マイコプラズマ・ホミニス(M.hominis)、マイコプラズマ・ウレアリチカム(M.urealyticum))および,たとえば、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)であるマイコバクテリア(mycobacteria)が含まれる。
上記の病原体(pathogens)の列挙は、単なる例示にすぎないものあって、決して限定的に解釈されない。言及した病原体もしくは、その混合感染によって引き起こされる疾患であって、局所的に使用することができる、本発明製剤によって、予防、改善、または治療することができる疾患について、言及することが可能な例は、たとえば、敗血性感染(septic infection)、骨・関節感染症(bone and joint infections)、皮膚感染症、術後創傷感染症、膿瘍、蜂窩織炎(phlegmon)、創傷感染症、熱傷感染(infected burns)、熱傷創(burn wounds)、口腔領域感染症(infections in the oral region)、歯科手術後感染、敗血性関節炎、乳腺炎、扁桃炎、生殖器感染症および眼感染症のようなヒトにおける感染症である。
ヒトに加えて、他の種の細菌性感染症も、治療することできる。次の例が言及できる。
豚:大腸菌性下痢(coli diarrhea)、腸毒血症、敗血症、赤痢、サルモネラ症、子宮炎−乳房炎−乳汁分泌不全症候群(MMAシンドローム)(metritis-mastitis-agalactiae syndrome)、乳房炎;
反芻動物(畜牛、羊、山羊):下痢、敗血症、気管支肺炎(bronchopneumonia)、サルモネラ症、パスツレラ病、マイコプラズマ病、生殖器感染症;
馬:気管支肺炎、ジョイント・イル(joint ill)、産褥感染(puerperal and postpuerperal infections)、サルモネラ病;
犬および猫:気管支肺炎、下痢、皮膚炎、中耳炎、尿路感染症、前立腺炎;
家禽(鶏、七面鳥、ウズラ、鳩、鑑賞用鳥(ornamental birds)およびその他):マイコプラズマ病、大腸菌感染症(E.coli infections)、慢性気管疾患、サルモネラ症、パスツレラ病、オウム病。
同様に、営利・商業的な(productive)魚および観賞魚を育てる際(rearing)および管理する際の、細菌性の病気を治療することが可能であり、この場合、抗菌スペクトルは上記に述べた病原体を超えて、更に、たとえば、パスツレラ属(Pasteurella)、ブルセラ属(Brucella)、キャンピロバクター(Campylobacter)、リステリア属(Listeria)、エリジペロスリス(Erysipelothris)、コリネバクテリア(corynebacteria)、ボレリア属(Borellia)、トレポネーマ属(Treponema)、ノカルジア属(Nocardia)、リケッチエ(Rikettsie)、エルジニア属(Yersinia)ような他の病原体にまで拡張される。
本発明は、更に、疾患、とりわけ、細菌性疾患を抑制するための式(I)の化合物、式(I)の化合物および賦形剤を含んでなる薬剤、および細菌性疾患を治療する薬剤を製造するための式(I)の化合物の使用に関する。
本発明は、更に、本発明の少なくても一つの化合物を、好ましい場合は、一つまたはそれ以上の製薬学的に許容される賦形剤または担体を一緒に含んでなる薬剤、および、上記の目的のためのその使用に関する。
この活性成分は、全身および/または局所に作用することができる。この目的のために、それは、たとえば、経口、非経口、肺、鼻内、舌下、舌、口内(buccal)、直腸、経皮、結膜、または耳のルート、またはインプラントとして適切な方法で投与することができる。
これらの投与ルート用に、活性化合物を、適切な投与形態で投与することができる。
たとえば、錠剤(コーティングされていない錠剤、および、たとえば胃液に耐える被覆を施した錠剤またはフィルムコーティングされている錠剤)、カプセル剤、糖衣錠、顆粒剤、ペレット、散剤、乳剤、懸濁剤、溶液およびエアゾール剤のような、活性成分を、急速におよび/または改変された方法で、送達する公知の投与形態が、経口投与に適している。
非経口投与では、吸収ステップを回避するか(静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、または腰椎内)、または吸収を介在(筋肉内、皮下、皮内、経皮的または腹腔内)しておこなうことができる。非経口投与に適した投与形態には、とりわけ、溶液、懸濁液、乳化液、凍結乾燥、および無菌散剤(sterile powder)の形態での注射および点滴製剤がある。
他の投与ルートでは、たとえば、吸入医薬形態(とりわけ、粉末吸入器(powder inhaler)、ネブライザ)、鼻用滴剤/液剤(点鼻薬)(nasal drops/solutions)、スプレー;舌、舌下、または口内への投与する錠剤またはカプセル剤、坐剤、耳及び眼用製剤、膣用カプセル、水溶性懸濁液(ローション、振蕩剤(shake mixtures))、脂肪親和性懸濁液(lipophilic suspensions)、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、ダスティングパウダー(dusting powder)またはインプラントが適切である。
活性成分は、それ自体公知の方法で、上述した投与形態に変換することができる。これには、不活性な非毒性の製薬的に好適な賦形剤を用いておこなう。これらには、とりわけ、担体(たとえば、微結晶セルロース)、溶媒(たとえば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulphate))、分散剤(たとえば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然生体高分子(たとえば、アルブミン)、安定化剤(たとえば、アスコルビン酸のような抗酸化剤)、着色剤(colors)(たとえば、酸化鉄のような無機色素)または味及び/または匂いのマスキング物が含まれる。
一般的に、有効な結果を達成するためには、24時間につき、体重あたり約5から250mg/kgまでの量を非経口的に、投与することが、有利であることが立証されている。経口投与の量は、24時間につき、体重あたり、約5から100mg/kgである。
しかしながら、適切な場合には、特に、体重、投与ルート、活性成分に対するそれぞれ個々の応答、製剤の特質および投与がなされる時間または間隔いかんによって、上述した量を逸脱することも必要でありうる。したがって、上述の最小量より少ない量で済ますことで十分である場合もありうることであり、一方、他の場合では、上述の上限を超えなければならないこともありうる。より多い量を投与する場合は、それらの量を一日にわたり、複数回のそれぞれ個々の投与に分けることが望ましいといえる。
以下に述べる試験及び実施例におけるパーセンテージは、特に述べない限り、重量によるものであり、部(パート)も重量によるものである。溶媒比、希釈比、および液体/液体溶液(liquid/liquid solutions)の濃度は、それぞれの場合、容積(volume)に基づくものである。
A.実施例
使用される略語
Aloc アリルオキシカルボニル(allyloxycarbonyl)
aq. 水性の(aqueous)
Bn ベンジル
Boc tert−ブトキシカルボニル
CDCl クロロホルム
CH シクロヘキサン
D ダブレット(H−NMR)
Dd ダブルダブレット(dublet of dublets)
DCM ジクロロメタン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
DMAP 4−N,N−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
EA エチル アセタート(酢酸エチルエステル)
EDC N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジ
イミド×HCl
eq 当量(equivalent)
ESI エレクトロスプレーイオン化(質量分析)
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',
N'
−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N',
−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HOBt 1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール×H
H 時間
HPLC 高圧・高速液体クロマトグラフィー(high pressure, high
performance liquid chromatography)
LC−MS 液体クロマトグラフ質量分析(coupled liquid chromatography
-mass spectroscopy)
M マルチプレット(H−NMR)
Min 分
MS 質量分析
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴スペクトル
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
Pd/C パラジウム/炭素
Q カルテット(H−NMR)
保持率(retention index)(TLC)
RT 室温
保持時間(HPLC)
S シングレット(H−NMR)
sat. 飽和した
T トリプレット(H−NMR)
TBS tert−ブチルジメチルシリル
THF テトラヒドロフラン
TMSE 2−(トリメチルシリル)エチル
TPTU 2−(2−オキソ−1(2H)ピリジル)−1,1,3,3−テト
ラメチルウロニウム テトラフルオロボラート
Z ベンジルオキシカルボニル
概括的なLC−MSおよびHPLC方法:
分取RP−HPLC(Preparative RP-HPLC):カラム:YMCゲル;溶出剤(eluent):アセトニトリル/水(グラジエント);流速:50ml/分;温度:25℃;検出UV 210nm
方法1(HPLC):カラム:クロマシル(Kromasil)C18,L−R 温度:30℃;流速:0.75ml/分;溶出剤A:0.01M HClO,溶出剤B:アセトニトリル,グラジエント:→0.5分 98%A→4.5分 10%A→6.5分 10%A。
方法2(HPLC):カラム:クロマシル(Kromasil)C18,60*2mm,L−R 温度:30℃;流速:0.75ml/分;溶出剤A:0.01M HPO,溶出剤B:アセトニトリル,グラジエント:→0.5分 90%A→4.5分 10%A→6.5分 10%A。
方法3(HPLC):カラム:クロマシル(Kromasil)C18,60*2mm,L−R 温度:30℃;流速:0.75ml/分;溶出剤A:0.005M HClO,溶出剤B:アセトニトリル,グラジエント:→0.5分 98%A→4.5分 10%A→6.5分 10%A。
方法4(HPLC):カラム:symmetry C18 2.1×150mm,カラムオーブン(column oven):50℃;流速:0.6ml/分;溶出剤A:30%塩酸0.6g/l(水),溶出剤B:アセトニトリル,グラジエント:0.0分 90%A→4.0分 10%A→9分 10%A。
方法5(LC−MS):機器 Micromass Quattro LCZ;カラム symmetry C18,50mm×2.1mm,3.5μm;温度:40℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:アセトニトリル+0.1%蟻酸,溶出剤B:水+0.1%蟻酸,グラジエント:0.0分 10%A→4分 90%A→6分 90%A。
方法6(LC−MS):機器 Micromass Platform LCZ;カラム symmetry C18,50mm×2.1mm,3.5μm;温度:40℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:アセトニトリル+0.1%蟻酸,溶出剤B:水+0.1%蟻酸,グラジエント:0.0分 10%A→4分 90%A→6分 90%A。
方法7(LC−MS):機器 Micromass Quattro LCZ;カラム symmetry C18,50mm×2.1mm,3.5μm;温度:40℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:アセトニトリル+0.1%蟻酸,溶出剤B:水+0.1%蟻酸,グラジエント:0.0分 5%A→1分 5%A→5分 90%A→6分 90%A。
方法8(HPLC):カラム:250*4mm,クロマシル100,C−18,5μm;温度:40℃;流速:1ml/分;溶出剤:アセトニトリル15%および0.2%過塩素酸85%;UV検出:210nm。
方法9(LC−MS):機器:Waters Alliance 2790 LC;カラム:symmetry C18、50mm×2.1mm、3.5μm;溶出剤A:水+0.1%蟻酸,溶出剤B:アセトニトリル+0.1%蟻酸;グラジエント:0.0分 5%B→5.0分 10%B→6.0分 10%B;温度:50℃;流速:1.0ml/分;UV検出 210nm
方法10(LC−MS):ZMD Waters;カラム:Inertsil ODS3 50mm×2.1mm,3μm;温度:40℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:水+0.05%蟻酸,溶出剤B:アセトニトリル+0.05%蟻酸,グラジエント:0.0分 5%B→12分→100%B→15分 100%B。
方法11(LC−MS):MAT900,Finnigan MAT,Bremen;カラム:X−terra 50mm×2.1mm,2.5μm;温度:25℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:水+0.01%蟻酸,溶出剤B:アセトニトリル+0.01%蟻酸,グラジエント:0.0分 10%B→15分→90%B→30分 90%B。
方法12(LC−MS):TSQ7000,Finnigan MAT,Bremen;カラム:Inertsil ODS3 50mm×2.1mm,3μm;温度:25℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:水+0.05%蟻酸,溶出剤B:アセトニトリル+0.05%蟻酸,グラジエント:0.0分 15%B→15分→100%B→30分 100%B。
方法13(LC−MS):7Tesla Apex II(外付けエレクトロスプレーイオン源:with external electrospray ion source,Bruker Daltronics;カラム:X−terra C18 50mm×2.1mm,2.5μm;温度:25℃;流速:0.5ml/分;溶出剤A:水+0.1%蟻酸,溶出剤B:アセトニトリル+0.1%蟻酸,グラジエント:0.0分 5%B→13分→100%B→15分 100%B。
方法14(HPLC):カラム:X−TerraTM(Watersから),RP,5μm,3.9×150mm;スタート:95%A,5%B;12分:5%A,95%B. 溶出剤A:水+0.01%トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid);溶出剤B:アセトニトリル+0.01%トリフルオロ酢酸;流速:1.2ml/分。
方法15(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e 50×4.6mm;溶出剤A:水+50%蟻酸500μl/l;溶出剤B:アセトニトリル+50%蟻酸500μl/l;グラジエント:0.0分 10%B→3分 95%B→4分 95%B;オーブン(oven):35℃;流速:0.0分 1.0ml/分→3.0分 3.0ml/分→4.0分 3.0ml/分;UV検出:210nm。
方法16(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e 50×4.6mm;溶出剤A:水+50%蟻酸500μl/l;溶出剤B:アセトニトリル+50%蟻酸500μl/l;グラジエント:0.0分 10%B→2分 95%B→4分 95%B;オーブン:35℃;流速:0.0分 1.0ml/分→2.0分 3.0ml/分→4.0分 3.0ml/分;UV検出:210nm。
方法17(LC−MS):機器:Micromass Platform LCZ(HPLC Agilentシリーズ1100);カラム:Grom−SIL120 ODS−4 HE,50mm×2.0mm,3μm;溶出剤A:水1l+50%蟻酸1ml;溶出剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸1ml;グラジエント:0.0分 100%A→0.2分 100%A→2.9分 30%A→3.1分 10%A→4.5分 10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
方法18(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e 50×4.6mm;溶出剤A:水+50%蟻酸500μl/l;溶出剤B:アセトニトリル+50%蟻酸500μl/l;グラジエント:0.0分 10%B→3分 95%B→4.0分 95%B;オーブン:35℃;流速:0.0分 1.0ml/分→3.0分 3.0ml/分→4.0分 3.0ml/分;UV検出:210nm。
方法19(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:Waters Alliance 2790;カラム:Grom−Sil 120 ODS−4 HE 50mm×2mm,3.0μm;溶出剤B:アセトニトリル+0.05%蟻酸,溶出剤A:水+0.05%蟻酸;グラジエント:0.0分 5%B→2.0分 40%B→4.5分 90%B→5.5分 90%B;オーブン:45℃;流速:0.0分 0.75ml/分→4.5分 0.75ml/分→5.5分 1.25ml/分;UV検出:210nm。
方法20(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:Waters Alliance 2790;カラム:Uptisphere C18,50mm×2.0mm,3.0μm;溶出剤B:アセトニトリル+0.05%蟻酸,溶出剤A:水+0.05%蟻酸;グラジエント:0.0分 5%B→2.02qa分 40%B→4.5分 90%B→5.5分 90%B;オーブン:45℃;流速:0.0分 0.75ml/分→4.5分 0.75ml/分→5.5分 1.25ml/分;UV33q検出:210nm。
方法21(LC−MS):機器:Micromass Quattro LCZ(HPLC Agilentシリーズ1100付);カラム:UPTISPHERE HDO,50mm×2.0mm,3.0μm;溶出剤A:水1l+50%蟻酸1ml,溶出剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸1ml;グラジエント:0.0分 100%A→0.2分 100%A→2.9分 30%A→3.1分 10%A→4.5分 10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm。
方法22(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:HP1100シリーズ;UV DAD;カラム:Grom−Sil 120 ODS−4 HE 50×2mm,3μm;溶出剤A:水+50%蟻酸500μl/l;溶出剤B:アセトニトリル+50%蟻酸500μl/l;グラジエント:0.0分 0%B→2.9分 70%B→3.1分 90%B→4.5分 90%B;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
方法23(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro−RP Mercury 20×4mm;溶出剤A:水1l+50%蟻酸0.5ml,溶出剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸0.5ml;グラジエント:0.0分 90%A(流速:1ml/分)→2.5分 30%A(流速:2ml/分)→3.0分 5%A(流速:2ml/分)→4.5分 5%A(流速:2ml/分);オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法24(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:HP1100シリーズ;UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro−RP Mercury 20×4mm;溶出剤A:水1l+50%蟻酸0.5ml,溶出剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸0.5ml;グラジエント:0.0分 90%A(流速:1ml/分)→2.5分 30%A(流速:2ml/分)→3.0分 5%A(流速:2ml/分)→4.5分 5%A(流速:2ml/分);オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法25(LC−MS):MS機器タイプ:Micromass ZQ;HPLC機器タイプ:HP1100シリーズ;UV DAD;カラム:Grom−Sil 120 ODS−4 HE 50×2mm,3.0μm;溶出剤A:水+50%蟻酸500μl/l,溶出剤B:アセトニトリル+50%蟻酸500μl/l;グラジエント:0.0分 70%B→4.5分 90%B;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分,UV検出:210nm。
方法26(LC−MS):機器:Micromass Quattro LCZ(HPLC Agilentシリーズ1100付);カラム:Grom−SIL120 ODS−4 HE,50mm×2.0mm,3μm;溶出剤A:水1l+50%蟻酸1ml,溶出剤B:アセトニトリル1l+50%蟻酸1ml;グラジエント:0.0分 100%A→0.2分 100%A→2.9分 30%A→3.1分 10%A→4.5分 10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm。
実施例の化学合成
出発化合物の合成
例証として(−)−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノピロピオン酸[(−)−6A]を用いる置換フェニルアラニン誘導体の合成
Figure 2006511446
例証として、2(S)−トリメチルシラニルエチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)ベンジルオキシカルボニル−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート(12A)を用いる保護されたビフェニル−ビスアミノ酸の合成
Figure 2006511446
例証として、5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタン酸(14A)を用いる保護されたヒドロキシオルニチン誘導体の合成
Figure 2006511446
例証として、(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−11−{(2R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]−ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸を用いる保護されたビフェノマイシン誘導体の合成
Figure 2006511446
出発化合物
実施例1A
2−ヒドロキシ−5−ヨードベンズアルデヒド
Figure 2006511446
無水ジクロロメタン600ml中の塩化ヨウ素(iodine chloride)250g(1.54mol)の溶液を、アルゴン雰囲気下、加熱乾燥したフラスコ内で、無水ジクロロメタン1l中のサリチルアルデヒド(salicylaldehyde)188g(1.54mol)溶液に、2時間にわたって滴下する。室温(RT)で3日間撹拌した後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(saturated aqueous sodium sulfite)を激しく撹拌しながら加える。有機相を分離し、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、そして、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を、蒸発させ、次に、残渣を、酢酸エチルで再結晶する。216g(理論上の57%)の生成物が得られる。
LC−MS(ESI、方法10):m/z=246(M−H)
Figure 2006511446
実施例2A
2−ベンジルオキシ−5−ヨードベンズアルデヒド
Figure 2006511446
67.2g(0.48mol)の炭酸カリウムを、ジメチルホルムアミド1.5l中の
2−ヒドロキシ−5−ヨードベンズアルデヒド(実施例1A)100g(0.40mol)溶液に加え、ついで、数分後、51ml(0.44mol)の塩化ベンジルを加える。反応混合物を、120℃、還流下で、24時間撹拌する。更に24時間、室温で撹拌した後、1.5lの水を加えると、固体が晶出する。析出物を、吸引しながら、濾別し、水で2回洗浄し、次いで、真空下で乾燥する。固形物を、230mlのエタノールで再結晶する。目的物122.9g(理論上の90%)が、得られる。
LC−MS(ESI、方法10):m/z=338(M+H)
Figure 2006511446
実施例3A
(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)メタノール
Figure 2006511446
ジクロロメタン中の1Mジイソブチルアルミニウムヒドリド溶液100mlを、ジクロロメタン200ml中の2−ベンジルオキシ−5−ヨードベンズアルデヒド(実施例2A)33.98g(100.5mmol)溶液に、0℃に冷却しながら加える。0℃で2時間撹拌した後、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(saturated potassium sodium tartrate solution)を、冷却(高度発熱反応)しながら、添加し、そして、反応混合物を更に2時間撹拌する。相分離後、有機相を、2回水で洗浄し、そして、1回、飽和塩化ナトリウム水溶液(saturated aqueous sodium chloride solution)で洗浄し、ついで、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を真空下で、蒸発させて除く。目的物31.8g(理論上の93%)が得られる。
Figure 2006511446
実施例4A
1−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−4−ヨードベンゼン
Figure 2006511446
三臭化燐3.3ml(35mmol)を、トルエン350ml中の(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)メタノール(実施例3A)35g(103mmol)溶液に、40℃で滴下する。反応混合物の温度を、15分間にわたって100℃に上昇させ、更に10分間この温度で撹拌する。冷却後、二相に分離する。有機相を、2回、蒸留水で洗浄し、次いで、1回、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。収量は、41g(理論上の99%)になる。
Figure 2006511446
実施例5A
ジエチル 2−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードベンジル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノマロナート
Figure 2006511446
1−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−4−ヨードベンゼン(実施例4A)41g(101.7mmol)を、エタノール300ml中のジエチル 2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]マロナート(diethyl 2-[N-(tert-butoxycarbonyl)amino]malonate)28g(101.7mmol)およびナトリウムエトキシド7.9ml(101.7mmol)の溶液に加える。室温で、3時間撹拌した後、析出した生成物(precipitated product)を吸引しながら、濾別する。真空下で、乾燥後、55g(理論上の90%)の目的物が単離される。
Figure 2006511446
実施例6A
(+/−)−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸
Figure 2006511446
1N水酸化ナトリウム溶液400mlを、エタノールと水(7:3)の混合液800ml中の、ジエチル 2−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードベンジル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノマロナート(実施例5A)58g(97mmol)の懸濁液に加える。3時間、還流し、室温まで冷却した後、反応混合物のpHを濃塩酸で約pH2に調節する。反応混合物を蒸発させる。残渣を、MTBEと水に入れる。水相を、MTBEで3回抽出する。集められた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。真空下で、乾燥すると、目的物は、47g(理論上の97%)となる。
Figure 2006511446
実施例(−)−6A
3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸
Figure 2006511446
実施例6A[(+/−)−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸]のラセミ化合物を、容離剤(eluent)としてi−ヘキサン/酢酸エチル混合物を用い、ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシンジシクロプロピルメチルアミド(poly(N-methacryloyl-L-leucine dicyclopropylmethylamide)のセレクターに基づいて、キラル固定シリカゲル相(chiral stationary silica gel phase)で分離する。最初に容離したエナンチオマー(エナンチオマー過剰率98.9%:98.9%ee)は、ジクロロメタン中で右旋性であり([α] 21:+3.0、c=0.54、ジクロロメタン)、(R)エナンチオマー[実施例(+)−6A]に相当するが、これは、単結晶X線構造解析によって決定された。二番目の左旋性エナンチオマー[実施例(−)−6A]、すなわち、(S)エナンチオマーの純度は、エナンチオマー過剰率99%より大きい(>99%ee)。
実施例7A
ベンジル 3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート
Figure 2006511446
アルゴン雰囲気下で、(−)−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸[実施例(−)−6A]
10g(20.11mmol)を、アセトニトリル200mlに溶解する。これに、4−ジメチルアミノピリジン246mg(2.01mmol)およびベンジルアルコール4.16ml(40.22mmol)を添加する。混合物を、−10℃まで冷却し、次に、EDC4.63g(24.13mmol)を加える。この混合物を、ゆっくり室温まで上昇させ、次に、一晩撹拌する。約16時間後、この混合物を、真空下で、濃縮し、残渣を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン)で、精製する。収量:10.65g(理論上の88%)
HPLC(方法3):R=6.03分;LC−MS(方法9):R=4.70分
Figure 2006511446
実施例8A
ベンジル 3−[2−ベンジルオキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート
Figure 2006511446
酢酸カリウム5.15g(52.60mmol)を、70mlのDMSO中の、ベンジル 3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート(実施例7A)10.30g(17.53mol)溶液に加える。激しく撹拌した溶液に15分間、アルゴンガスを通過させて、混合物の脱酸素を行う。次いで、ビス(ピナコラト)ジボラン(bis(pinacolato)diborane)5.17g(20.16mmol)およびビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド515mg(0.70mmol)を加える。次に、混合物を、アルゴンのおだやかな流れのもとで、80℃まで加熱し、6時間後、再び冷却する。混合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン)によって、精製される。存在するDMSO残渣を、クーゲルロール蒸留によって除去する。残渣を、再び、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン:酢酸エチル 4:1)によって精製する。
収量:8.15g(理論上の79%)
HPLC(方法3):R=6.26分
LC−MS(方法6):R=5.93および6.09分
Figure 2006511446
実施例9A
2(S)−アミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオン酸塩酸塩
Figure 2006511446
3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸[実施例(−)−6A]12g(24.13mmol)を、アルゴン雰囲気下で、ジオキサン中の4M塩酸溶液60mlに入れ、2時間、室温で撹拌する。反応溶液を、濃縮し、高真空下で乾燥する。
収量:10.47g(理論上の100%)
HPLC(方法3):R=4.10分
MS(EI):m/z=398(M+H−HCl)
Figure 2006511446
実施例10A
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオン酸
Figure 2006511446
N,N−ジイソプロピルエチルアミン9.25ml(53.09mmol)を、DMF中の、2(S)−アミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオン酸塩酸塩(実施例9A)10.46g(24.13mmol)溶液に加える。N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド(Z−OSuc)6.615g(26.54mmol)を、それに加える。生じた溶液を一晩撹拌し、次いで、真空下で蒸発させる。残渣を、ジクロロメタン中で取り出し、次に、0.1N塩酸溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ2回抽出する。有機相を、乾燥し、濾過し、そして濃縮する。この混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/ジエチルエーテル 9:1から8:2)で精製する。
収量:8.30g(理論上の65%)
HPLC(方法3):R=5.01分
Figure 2006511446
実施例11A
(2−トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオナート
Figure 2006511446
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオン酸(実施例10A)8.35g(15.7mmol)を、150mlのTHF中に入れ、次に、2−トリメチルシリルエタノール2.14g(18.07mmol)および4−ジメチルアミノピリジン250mg(2.04mmol)を添加する。混合物を、0℃まで冷却し、次に、40mlのTHFに溶解されたN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド2.38g(2.95ml、18.86mmol)を添加する。この混合物を室温で一晩撹拌し、ワークアップのために真空下で蒸発させる。残渣を、ジクロロメタン中に入れ、次に、0.1N塩酸溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ2回ずつ抽出する。有機相を、乾燥し、濾過し、そして、濃縮する。この混合物は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、移動相:シクロヘキサン/ジエチルエーテル 9:1から8:2)で、精製される。
収量:8.2g(理論上の83%)
HPLC(方法3):R=6.42分
MS(EI):m/z=532(M+H)
Figure 2006511446
実施例12A
2−(トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート
Figure 2006511446
方法A
ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(PdCl(dppf))45.8mg(0.05mmol)および炭酸セシウム0.325g(1.0mmol)を、室温でアルゴン雰囲気下で、脱ガスした(degassed)DMF2.5ml中の(2−トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオナート溶液(実施例11A)0.316g(0.5mmol)に加える。反応混合物を、40℃まで加熱する。30分間にわたり、脱ガスしたDMF2.5ml中のベンジル 3−[2−ベンジルオキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート溶液(実施例8A)0.294g(0.5mmol)を、滴下する。反応混合物を、40℃で、4時間、そして、更に、50℃で2時間撹拌する。溶媒を、蒸発させ、残渣を、酢酸エチル中に入れる。有機相を水で2回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして、濃縮する。粗成生物は、ジクロロメタン/酢酸エチル(30/1)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーによって、精製される。0.320g(理論上の66%)の目的物が、得られる。
方法B
40mlのDMF中の、(2−トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオナート(実施例11A)6.99g(11.06mmol)とベンジル 3−[2−ベンジルオキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオナート(実施例8A)6.50g(11.06mmol)の溶液に、アルゴンガスを通過させて(約30分)、脱ガスを行う。次いで、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(PdCl(dppf))812mg(1.11mmol)および炭酸セシウム7.21g(22.13mmol)を、それに添加する。アルゴンをゆっくり反応混合物に流し、次いで、80℃で、2.5時間加熱する。混合物を、冷却し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(流動相:シクロヘキサン/酢酸エチル 7:3)によって、精製する。蒸発乾燥が完全になされる前に、ジイソプロピルエーテルを混合物に加える。生じた結晶を、吸引しながら、濾別し、高真空下で乾燥する。
収量:6.54g(理論上の61%)
HPLC(方法3):R=7.65分
Figure 2006511446
実施例13A
−(tert−ブトキシカルボニル)−Nε(ベンジルオキシカルボニル)−(2S,4R)−ヒドロキシオルニチンラクトン
Figure 2006511446
ジクロロメタン516mlおよびトリフルオロ酢酸516ml中の、tert−ブチル 5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノアート(tert-butyl 5-benzyloxycarbonylamino-2(S)-tert-butoxycarbonylamino-4(R)-hydroxypentanoate)(製造は、Org.Lett.2001,3,20,3153−3155に述べられている)7.60g(17.3mmol)溶液を、室温で、2時間撹拌する。溶媒は、蒸発させる。残りの粗生成物を、無水メタノール2.6lに溶解し、次に、0℃で撹拌しながら、ジ−tert−ブチルジカルボナート(di-tert-butyl dicarbonate)6.3g(28.8mmol)およびトリエチルアミン7.3ml(52.43mmol)を加える。15時間後、反応溶液を蒸発させ、残渣を酢酸エチル1l中に入れる。相分離がなされた後、有機相を5%強度クエン酸溶液で2回、水で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次に濃縮する。粗生成物は、トルエン/アセトン(5/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製される。4.92g(理論上の78%)の目的物が得られる。
LC−HR−FT−ICR−MS(方法13):計算値 C1828として(M+NH 382.19726 実測値 382.19703
Figure 2006511446
実施例14A
5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ペンタン酸
Figure 2006511446
方法A
1M水酸化ナトリウム溶液2mlを、0℃で、1,4−ジオキサン50ml中の、N−(tert−ブトキシカルボニル)−Nε(ベンジルオキシカルボニル)−(2S,4R)−ヒドロキシオルニチンラクトン(13A)0.73g(2mmol)溶液に加える。反応溶液を、2時間撹拌し、次いで、蒸発させる。残渣を、50mlのジクロロメタン中に入れる。トリエチルアミン1.12ml(8mmol)をこの溶液に加え、しばらくしてから、tert−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(tert-butyldimethylsilyl trifluoromethanesulfonate)1.38ml(6mmol)を滴下する。室温で、3時間撹拌した後、反応混合物を、ジクロロメタンで希釈する。有機相を、1N炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次に、濃縮し、蒸発させる。粗生成物を、7.4mlの1,4−ジオキサンに溶解し、次に、36.2mlの0.1N水酸化ナトリウム溶液を加える。室温で、3時間撹拌した後、反応溶液を、蒸発させ、次に、残渣を、水と酢酸エチル中に入れる。有機相を、酢酸エチルで3回抽出する。集められた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。0.90g(理論上の90%)の目的物が得られる。
方法B
エタノール/水 9/1の混合液840ml中のベンジル 2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシ−5−ニトロペンタノアート(benzyl 2(S)-tert-butoxycarbonylamino-4(R)-hydroxy-5-nitropentanoate)14.0g(38mmol)溶液を、パラジウム/炭素(10%)1.96gと混合し、大気圧下、室温で、24時間、水素化する。混合物を、キーゼルグール(kieselguhr)を通して濾過し、次に、濾液を、ジイソプロピルエチルアミン14.7g(114mmol)と混和する。次いで、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(N-(benzyloxycarbonyloxy)succinimide)11.4g(45.6mmol)を加え、次に、混合物を、室温で4時間撹拌する。溶液を、濃縮し、残渣を、ジクロロメタン中に入れ、次に、0.1N塩酸で2回抽出する。有機相を、分別し、ジイソプロピルアミン14.7g(114mmol)でアルカリ性にする。溶液を0℃まで冷却し、ジメチル−tert−ブチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(dimethyl-tert-butylsilyl trifluoromethanesulfonate)30.1g(114mmol)を添加し、次に、混合物を、室温で、2.5時間撹拌する。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残渣を、ジオキサン50mlに溶解し、0.1Nの水酸化ナトリウム200mlと混和し、室温で3時間撹拌する。酢酸エチルで数回抽出した後、集められた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮する。残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(流動相:ジクロロメタン/エタノール 20/1、9/1)で処理される。8.11g(理論上の43%)の目的物が得られる。
MS(ESI):m/z=497(M+H)
Figure 2006511446
実施例15A
2−(トリメチルシリル)エチル 3−[3'−(2(S)−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルエチル)−4,4'−ビスベンジルオキシビフェニル−3−イル]−2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオナート塩酸塩
Figure 2006511446
4M塩酸/ジオキサン溶液50mlを、約20分にわたって、0℃に冷却しながら、無水ジオキサン50ml中の2−(トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート(実施例12A)2.65g(2.75mmol)溶液に加える。3時間撹拌後、反応溶液を、蒸発させ、高真空下で乾燥する。
収量:理論上の100%
HPLC(方法3):R=5.96分
MS(EI):m/z=865(M+H)
実施例16A
ベンジル 2(S)−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノイルアミノ]−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオナート
Figure 2006511446
HATU0.219g(0.58mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.082g(0.63mmol)を、0℃に冷却して、無水DMF7.3ml中の、(2−トリメチルシリル)エチル 3−[3'−(2(S)−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルエチル)−4,4'−ビスベンジルオキシビフェニル−3−イル]−2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオナート塩酸塩(実施例15A)0.520g(0.58mmol)および5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタン酸(実施例14A)0.287g(0.58mmol)の溶液に添加する。0℃で、30分間撹拌後、更に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.164g(1.26mmol)を添加する。反応混合物を、室温で15時間撹拌する。次いで、溶媒を、蒸発させ、残渣を、酢酸エチル中に入れる。有機相を、水で3回、そして飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次に、濃縮する。粗生成物は、ジクロロメタン/酢酸エチル(グラジエント 30/1→20/1→10/1)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーで精製される。目的物533mg(理論上の66%)が得られる。
LC−MS(ESI、方法12):m/z=1342(M+H),1365(M+Na)
実施例17A
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイルアミノ)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオン酸
Figure 2006511446
方法A
THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリド(tetrabutylammonium fluoride)の1.0M溶液0.80mlを、無水DMF22.5ml中のベンジル 2(S)−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノイルアミノ]−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオナート(実施例16A)0.360g(0.27mmol)溶液に加える。室温で、1時間撹拌後、反応混合物を、0℃まで冷却し、次に、水を加える。酢酸エチルを加えた後、相分離がなされる。有機相を、重硫酸カリウム(potassium bisulfate)の1.0M溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。粗生成物0.331gが得られる。粗生成物は、更に精製することなく、反応させる。
LC−MS(ESI、方法10):m/z=1129(M+H)
LC−HR−FT−ICR−MS:計算値 C656914として(M+H) 1129.48048 実測値 1129.48123
方法B
THF中の1Nテトラブチルアンモニウムフルオリド1.8mlを、無水DMF(absolute DMF)26ml中のベンジル 2(S)−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノイルアミノ]−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオナート(実施例16A)800mg(0.6mmol)溶液に、室温で、滴下する。室温で25分後、混合物を、0℃まで冷却し、多量の氷水を加える。酢酸エチルおよび若干量の1N塩酸溶液を直ちに加える。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、次に、高真空下で、1時間乾燥する。粗生成物は、更に、精製することなく、反応させる。
実施例18A
ベンジル 2(S)−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイルアミノ)−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート
Figure 2006511446
方法A
少量のジクロロメタンに溶解した90mgのペンタフルオロフェノール(0.49mmol)、および1.1mgの4−ジメチルアミノピリジン(10μM)および19.4mg(0.10mmol)のEDCを、3mlのジクロロメタン中の2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイルアミノ)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオン酸(実施例17A)104mg(92μmol)溶液に、−25℃に冷却して、アルゴン雰囲気下で添加する。15時間撹拌後、反応混合物を、濃縮する。粗生成物は、更に精製することなく、反応させる。
LC−MS(ESI、方法11):m/z=1317(M+Na),1295(M+H)
LC−HR−FT−ICR−MS:計算値 C716814として(M+H) 1295.46467 実測値 1295.46430
方法B
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイルアミノ)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオン酸(実施例17A)691mg(粗混合物、約0.6mmol)を、ジクロロメタン25mlに入れ、次に、ジクロロメタン6mlに溶解したペンタフルオロフェノール547.6mg(2.98mmol)を添加する。DMAP7.3mg(0.06mmol)を加え、混合物を−25℃まで冷却する(エタノール/炭酸ガス浴(ethanol/carbon dioxide bath))。−25℃で、EDC148mg(0.774mmol)を添加する。混合物を、室温まで、一晩、ゆっくりと暖める。反応混合物を、真空下で濃縮し、高真空下で、しばらく乾燥する。粗生成物は、更に精製することなく反応させる。
実施例19A
ベンジル 5,17−ビスベンジルオキシ−14(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−11(S)−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(R)−ヒドロキシプロピル)−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]−ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボキシラート
Figure 2006511446
方法A
1,4−ジオキサン中の4M塩酸溶液4mlを、1,4−ジオキサン2.7ml中のベンジル 2(S)−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイルアミノ)−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート(実施例18A)119.3mg溶液に加える。反応が完結するまで、さらに、1,4−ジオキサン中の4M塩酸溶液1.5mlを加える。反応溶液を蒸発させ、クロロホルムで2回、共蒸留(codistilled)する。粗生成物(LC−HR−FT−ICR−MS、方法13:計算値 C666012(M+H) 1195.41224、実測値 1195.41419)を、クロロホルム100mlに溶解し、次に、クロロホルム200mlと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlとを極めて効率的に撹拌した懸濁液に、3時間にわたって、滴下する。この反応混合物を、2時間激しく撹拌する。二相に分離した後、水相をクロロホルムで抽出する。集められた有機相を5%強度クエン酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾燥する。この粗生成物を、アセトニトリルで洗浄し、高真空下で乾燥する。
収量:60.5mg(理論上の65%)
LC−MS(ESI、方法11):m/z=1011(M+H)
方法B
約0.595mmolのベンジル 2(S)−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート(実施例18A)を、8mlのジオキサンに溶解し、次いで、0℃で、ジオキサン中の4N塩酸溶液16mlを滴下する。45分後、ジオキサン中の4N塩酸溶液6mlを再び添加し、次に、15分後に更に、8mlを添加する。この混合物を、0℃で、30分間撹拌し、その後、反応溶液を緩和な条件のもとで濃縮し、クロロホルムで(2回)共蒸留し、高真空下で少しの間、乾燥する。この粗生成物(732mg、0.59mmol)をクロロホルム1000mlに溶解し、次に、クロロホルム50ml中の6mlのトリエチルアミン溶液を滴下する。この混合物を、室温で、一晩撹拌する。混合物を、真空下で、温和な条件で蒸発させ、そして、残渣をアセトニトリル中で撹拌することによって、ワークアップする。その結果生じる結晶を吸引しながら濾別し、アセトニトリルで洗浄し、高真空下で、乾燥する。
収量:360mg(理論上の60%)
HPLC(方法3):R=5.59分
Figure 2006511446
実施例20A
14(S)−アミノ−11(S)−(3−アミノ−2(R)−ヒドロキシプロピル)−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボン酸・二塩酸塩
Figure 2006511446
方法A:
エタノール10ml中の、10mg(9.9μM)のベンジル 5,17−ビスベンジルオキシ−14(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−11(S)−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(R)−ヒドロキシプロピル)−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]−ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボキシラート(実施例19A)および50μlの蟻酸の溶液を、パラジウム/炭素(Pd/C)10mgの存在下で、大気圧、水素雰囲気中で、16時間激しく撹拌する。この反応溶液を、蒸発させ、次に、残渣を、1N塩酸溶液中に入れ、濾過する。この粗生成物を、アセトニトリル/水を用いて、RP18カートリッジで精製する。目的物2mg(理論上の42.8%)が得られる。
方法B
ベンジル 5,17−ビスベンジルオキシ−14(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−11(S)−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(R)−ヒドロキシプロピル)−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボキシラート(実施例19A)200mg(0.20mmol)を、酢酸/水/エタノール 4:1:1の混合液(エタノールは、THFで置き換えることができる)220mlに入れる。10%パラジウム/炭素(10%Pd/C)73mgを加え、次いで、大気圧下で、15時間、水素化を行う。反応混合物を、予め洗浄したキーゼルグールを通して濾過し、次に、濾液を真空下で濃縮する。残渣を、0.1Nの水溶性塩酸(aqueous hydrochloric acid)4.95mlと混和し、濃縮する。この残渣を、ジエチルエーテル10mlと一緒に撹拌し、デカンターで処理する。残っている固形物を高真空下、乾燥する。
収量:103mg(理論上の95%)
HPLC(方法3):R=3.04分
LC−MS(方法6):R=0.38分
Figure 2006511446
実施例21A
(8S,11S,14S)−14−[(Tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−11−{(2R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸
Figure 2006511446
方法A
14(S)−アミノ−11(S)−(3−アミノ−2(R)−ヒドロキシプロピル)−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボン酸二塩酸塩(実施例20A)5.2mg(9.5μmol)を、アルゴン雰囲気下で、乾燥メタノール(分析用グレード、0.5ml)に溶解する。室温で、激しく撹拌しながら、最初に、炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、100μl)、次いで、ジ−tert−ブチル カルボナート(di-tert-butyl carbonate)(0.1M、570μl、57μmol)のメタノール溶液を滴下する。約1−2日後に、完全な変換が達成される。反応混合物を、真空下で、蒸発させ、次に、高真空下で、乾燥する。その結果生ずる粗生成物を、ゲルクロマトグラフィー[セファデックス(Sephadex)LH−20;メタノール/1M炭酸水素ナトリウム溶液(1:0.0001)]によって、精製する。目的物5.3mg(理論上の83%)が得られる。
HPLC/UV−Vis(方法14)R=7.4分
λmax(定性)=〜193nm(s)、206(sh)、269(m)、〜284(sh)(水/アセトニトリル+0.01%TFA[4:6])
LC−HR−FT−ICR−MS:計算値 C334411として(M+H) 673.3079 実測値 673.3082
方法B
14(S)−アミノ−11(S)−(3−アミノ−2(R)−ヒドロキシプロピル)−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボン酸二塩酸塩(実施例20A)50mg(0.09mmol)を、メタノール/水(9:1)混合液8mlに入れる。これに、1N炭酸水素ナトリウム溶液1ml,次いで、2mlのメタノール/水(9:1)中のジ−tert−ブチル カルボナート80mg(0.37mmol)を添加する。この混合物を室温で一晩撹拌する。溶液を、酢酸エチル60mlおよび水30mlと混合することによって、ワークアップする。有機相を0.1規定塩酸で1回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮する。
収量:49mg(理論上の79%)
LC−MS(方法9):R=2.56分
MS(EI):m/z=673(M+H)
実施例22A
tert−ブチル (2R)−3−[(8S,11S,14S)−8−(アミノカルボニル)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−11−イル]−2−ヒドロキシプロピルカルバマート
Figure 2006511446
方法A
(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−11−{(2R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸(実施例21A)4.1mg(6.1μmol)を、アルゴンガスで大気から保護して(protective atmosphere of argon gas)、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(分析用グレード、0.5ml)に溶解する。固体の二亜硫酸ナトリウム(sodium disulfite)(6.1μmol)を添加し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(7.9mg、61μmol)、塩化アンモニウム(1.6mg、30μmol)およびHATU(4.6mg、12.2μmol)のジメチルホルムアミド中に新たに作製した溶液(0.5ml、溶液A)を室温で滴下する。溶液Aは、前駆物質の変換が完成するまで、更に2回(1.5時間の反応時間の後と2時間の反応時間の後)添加しなければならない。この混合物を、更に20分間撹拌し、次いで、反応を、水(0.5ml)を加えることによって終了させる。この反応混合物を、凍結させ、次いで、凍結乾燥する。この結果得られる粗生成物は、ゲルクロマトグラフィー[セファデックス(Sephadex)LH−20;二亜硫酸ナトリウムを添加したメタノール/酢酸(1:0.0001)]によって、精製する。
収量:2.2mg(理論上の52%)
HPLC−UV−Vis(方法14):R=7.06分
λmax(定性)=〜202nm(s)、268(m)、〜285(sh)、(水/アセトニトリル+0.01%TFA[4:6])
LC−HR−FT−ICR−MS(方法13):計算値 C334610として[M+H] 672.3239 実測値 672.3239
方法B
(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−11−{(2R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸(実施例21A)49mg(0.07mmol)を、アルゴン雰囲気下で、DMF1mlに溶解し、0℃まで冷却する。次いで、HATU42mg(0.11mmol)を加え、次に、この混合物を、0℃で、10分間撹拌する。ジオキサン中の0.5モルアンモニア溶液1.46ml(0.73mmol)を滴下し、混合物は、室温で一晩撹拌される。約18時間後、同量の試薬を再び1回加える。3日後、混合物を、真空下で、濃縮し、分取RP−HPLC(preparative RP-HPLC)によって、精製する。
収量:16mg(理論上の33%)
HPLC(方法3):R=3.83分
実施例23A
tert−ブチル (2R)−3−[(8S,11S,14S)−8−[(ベンジルアミノ)カルボニル]−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−11−イル]−2−ヒドロキシプロピルカルバマート
Figure 2006511446
7.9mg(0.021mmol)のHATUを、0.5mlの無水(absolute)DMF中の((8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−11−{(2R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸(実施例21A)7mg(0.01mmol)溶液に、アルゴン雰囲気下で0℃に冷却して加える。0℃で10分後、ベンジルアミン2.3mg(0.021mmol)を加え、混合物を、室温で、一晩、撹拌する。反応混合物を、真空下で、濃縮し、次に、残渣を分取RP−HPLCで分離する。
収量:1.5mg(理論上の18.9%)
LC−MS(方法6):R=4.4分
MS(ESI−pos):m/z=785(M+Na)、762(M+H)
実施例24A
tert−ブチル (2R)−3−[(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,17−ジヒドロキシ−8−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−11−イル]−2−ヒドロキシプロピルカルバマート
Figure 2006511446
(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−11−{(2R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸(実施例21A)15mg(0.022mmol)を、アルゴン雰囲気下で、0.5mlのDMFに溶解し、次に、0℃に冷却する。10.2mg(0.027mmol)のHATUと8.64mg(0.067mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、これに加え、混合物を、0℃で、10分間、撹拌する。2−メチルアミノエタノール3.34mg(0.045mmol)を添加し、混合物を、室温で、一晩、撹拌する。この反応混合物を、濃縮し、次に、ギルソンHPLC(Gilson HPLC)で精製する。
収量:3.8mg(理論上の23%)
LC−MS(方法21):R=3.90分
次の表に列挙されている実施例25Aから32Aは、実施例24Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
Figure 2006511446
次の表に記載された実施例33Aおよび34Aは、2当量のHATUと3当量のアミンを用いて、実施例24Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例35Aおよび36Aは、2当量のHATU、2当量のアミンを用い、DIPEAは添加せずに、実施例24Aに準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
実施例37A
ベンジル 2−(ベンジルオキシ)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヨード−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニナート
Figure 2006511446
2−(ベンジルオキシ)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヨード−L−フェニルアラニン(実施例6A)0.4g(0.8mmol)およびL−フェニルアラニンベンジルエステル塩酸塩(L-phenylalanine benzyl ester hydrochloride)0.282g(0.970mmol、1.2当量)を、アルゴン雰囲気下で、6mlのDMFに入れ、室温で、0.382g(1.01mmol、1.25当量)のHATUと0.49ml(0.36mg、2.8mmol、3.5当量)のジイソプロピルエチルアミンを連続的に添加する。この混合物を、室温で12時間、撹拌する。水150mlを添加した後、生成物は白色結晶の形で分離してくる。結晶を吸引しながら、濾別し、水で洗浄し、次に、真空下で乾燥する。
収量:0.669g(定量的(quant.))
LC−MS(方法15):R=3.11分
MS(EI):m/z=735(M+H)
次の表に列挙されている実施例38Aから41Aは、実施例37Aと同様に製造することができる。
Figure 2006511446
実施例42A
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[tert−ブトキシカルボニルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロパノアート
Figure 2006511446
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(ベンジルオキシ)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−L−フェニルアラニナート(実施例84A)0.593g(0.939mmol)とベンジル 2−(ベンジルオキシ)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヨード−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニナート(実施例37A)0.734g(0.939mmol)を、アルゴン雰囲気下で、6mlのDMSOに溶解する。その結果得られる溶液に、30分間アルゴンでフラッシング(flushed)を行う。次いで、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド0.069g(0.094mmol)、0.1当量)と炭酸セシウム0.612g(1.88mmol、2.0当量)を加える。10分間、アルゴンでフラッシングした後、混合物を、アルゴンフラッシングを継続しながら、80℃で、3日間加熱する。室温まで冷却後、粗溶液(crude solution)を、シリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)で精製する。次いで、濃縮した目的物を含んでいるフラクションを、分取RP−HPLCによって精製する。
収量:0.367g(理論上の29%)
LC−MS(方法15):R=3.50分
次の表に列挙している実施例43Aから46Aは、実施例42Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
実施例47A
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[アミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロパノアート
Figure 2006511446
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[tert−ブトキシカルボニルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロパノアート(実施例42A)0.37g(0.27mmol)を、アルゴン雰囲気下で、ジオキサン中の4M塩化水素溶液10mlに溶解し、室温で、3時間、撹拌する。溶液を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次に、真空下で、乾燥する。粗生成物は、更にキャラクタリゼイション(characterization)することなく反応させる。
次の表に列挙されている実施例48Aから51Aまでは、実施例47Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
実施例52A
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロパノアート
Figure 2006511446
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[アミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロパノアート(実施例47A)0.27g(0.27mmol)と5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタン酸0.16g(0.32mmol、1.2当量)を、アルゴン雰囲気下で、5mlの無水DMFに溶解する。室温で、0.13g(0.34mmol、1.25当量)のHATUと0.16ml(0.12g、0.95mmol、3.5当量)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加する。この反応混合物を室温で12時間撹拌する。この反応混合物は、直ちに分取RP−HPLCで精製し、それ以上のキャラクタリゼイションはせずに反応させる。
収量:0.288g(理論上の71%)
次の表に列挙されている実施例53Aから56Aまでは、実施例52Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
実施例57A
2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(ヒドロキシオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロピオン酸
Figure 2006511446
THF(1.2mmol、6.3当量)中に1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオリド(tetrabutylammonium fluoride)の入った溶液1.2mlを、DMF3ml中に2−(トリメチルシリル)エチル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロパノアート(実施例52A)0.29g(0.19mmol)が入った溶液に加える。室温で4時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、次に、水50mlを加える。酢酸エチル50mlと1Nの塩酸
水溶液(aqueous hydrochloric acid)1mlを添加した後に、相分離がなされる。水相を、酢酸エチルで数回抽出する。有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥した後、それを、真空下で、濃縮し、次に、高真空下で乾燥する。粗生成物は、更に精製することなく、反応させる。
次の表に列挙されている実施例58Aから61Aまでは、実施例57Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
実施例62A
ペンタフルオロフェニル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(ヒドロキシオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロピオナート
Figure 2006511446
2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(ヒドロキシオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロピオン酸(実施例57A)0.25g(粗混合物、約0.19mmol)を、DCM4mlに注ぎ、次に、ペンタフルオロフェノール0.18g(0.97mmol、5.0当量)とDMAP0.02g(0.02mmol、0.1当量)を添加する。この混合物を、−25℃まで冷却し、次に、EDC0.048g(0.25mmol、1.3当量)を加える。この混合物を、ゆっくり室温まで一晩暖める。反応混合物を真空下で、濃縮し、次に、高真空下で、しばらく乾燥する。この粗生成物は、更に精製することなく反応させる。
次の表に列挙されている実施例63Aから66Aまでは、実施例62Aとに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
実施例67A
ペンタフルオロフェニル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−アミノ−4(R)−(ヒドロキシオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロピオナート
Figure 2006511446
ペンタフルオロフェニル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(ヒドロキシオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロピオナート(実施例62A)0.28g(0.19mmol)を、ジオキサン中の4M塩化水素溶液4mlに室温で溶解する。室温で3時間後、反応溶液を30℃、真空下で濃縮し、次に、高真空下で、乾燥する。粗生成物は、更に精製することなく、反応させる。
次の表に列挙されている実施例68Aから71Aまでは、実施例67Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
実施例72A
ベンジル N−{[(8S,11S,14S)−5,17−ビス(ベンジルオキシ)−14−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−11−((2R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−イル]カルボニル}−L−フェニルアラニナート
Figure 2006511446
ペンタフルオロフェニル 2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[3'[−2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−アミノ−4(R)−(ヒドロキシオキシ)ペンタノイルアミノ(3−アミノ−[1−(S)−ベンジルオキシ−1−オキソ−2−フェニルエチル]−3−オキソプロピル)]−4,4'−ビス(ベンジルオキシ)−1,1'−ビフェニル−3−イル]]プロピオナート(実施例67A)0.26g(0.19mmol)を、クロロホルム200mlに溶解し、次に、クロロホルムと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(saturated aqueous sodium bicarbonate solution)の2000mlの溶液に、室温で、4時間にわたって、滴下する。撹拌は、添加が終了した後も1時間続けられる。次いで、相分離がなされる。水相を、500mlのDCMで2回洗浄する。集められた有機相を、0.1Mの塩酸水溶液2000mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で、濃縮する。残渣を、15mlのアセトニトリル:メタノール(2:1)の混合液中で懸濁し、次に、室温で、1時間撹拌する。溶解しない固形物を、濾別し、真空下で乾燥する。この固形物を、メタノール中で15分間、沸騰させて、更に精製する。目的物は、新たに濾過し、真空下で乾燥することによって得られる。
収量:0.022g(理論上の10%)
LC−MS(方法15):R=3.13分
MS(EI):m/z=1158(M+H)
次の表に列挙されている実施例73Aから76Aまでは、実施例72Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
実施例77A
ベンジル 2(S)−[S−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタノイルアミノ]−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)エチル]−ビフェニル−3−イル}プロピオナート
Figure 2006511446
製造は、0.19g(0.51mmol)のHATUおよび5.55mlの乾燥DMF中の0.35ml(1.65mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いて、実施例15A化合物0.47g(0.51mmol)およびNα−Boc−Nδ−Z−L−オルニチン0.19g(0.51mmol)から、実施例16Aに準じておこなわれる。
収量:0.58g(理論上の92%)
LC−MS(方法18):R=3.46分
MS:m/z=1212(M+H)
実施例78A
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタノイルアミノ)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオン酸
Figure 2006511446
製造は、30mlの乾燥DMF中の2当量(1.3ml)のテトラブチルアンモニウムフルオリド(tetrabutylammonium fluoride)(THF中で1M)を用いて、0.82g(0.68mmol)の実施例77Aの化合物から実施例17Aに準じておこなわれる。
収量:772mg(理論上の94%)
LC−MS(方法20):R=1.62分
MS:m/z=1112(M+H)
実施例79A
ベンジル 2(S)−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタノイルアミノ)−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート
Figure 2006511446
製造は、4mlのジクロロメタン中の80mg(0.42mmol)のEDCIと4.63mg(0.04mmol)のDMAPを用いて、422mg(0.38mmol)の実施例78Aの化合物および349mg(1.9mmol)のペンタフルオロフェノールkから、実施例18A(方法A)に準じておこなわれる。
収量:502mg(理論上の95%)
LC−MS(方法20):R=3.13分
MS:m/z=1278(M+H)
実施例80A
ベンジル 2(S)−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−アミノペンタノイルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2−(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート塩酸塩
Figure 2006511446
5mlの4Mジオキサン/塩化水素溶液を、氷浴(ice bath)で撹拌しながら、215mg(0.17mmol)の実施例79Aの化合物に加える。この混合物を、1時間撹拌し、真空下で、一定重量(constant weight)になるまで蒸発させる。
収量:200mg(理論上の92%)
LC−MS(方法20):R=4.25分
MS:m/z=1178(M+H)
実施例81A
ベンジル 5,17−ビスベンジルオキシ−14(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−11(S)−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]−ヘンイコサ−1(19),2,4,6(21),16(20),17−ヘキサエン−8(S)−カルボキシラート
Figure 2006511446
実施例80Aの化合物1.35g(0.91mmol)を、クロロホルム3lに注ぎ、次に、激しく撹拌しながら、クロロホルム50ml中のトリエチルアミン2.54ml(18.2mmol)を、室温で、20分にわたって添加する。混合物を、一晩、撹拌し、真空下で、蒸発乾燥する。残渣を、アセトニトリル5mlと撹拌し、濾過し、残渣が一定重量になるまで乾燥する。
収量:890mg(理論上の93%)
LC−MS(方法20):R=5.10分
MS:m/z=994(M+H)
実施例82A
(8S,11S,14S)−14−アミノ−11−(3−アミノプロピル)−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]−ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,6,18−ヘキサエン−8−カルボン酸・二塩酸塩
Figure 2006511446
実施例81Aの化合物50mg(0.05mmol)を、氷酢酸/水/エタノール(4/1/1)50mlに懸濁させ、パラジウム/炭素(Pd/C)(10%)触媒30mgと混合し、室温で、20時間水素化する。キーゼルグール(kieselguhr)を通して濾過することによって、触媒を除去した後、濾液を、真空下で蒸発乾燥し、次に、撹拌しながら、0.1N塩酸2.5mlを加える。混合物を、真空下で蒸発乾燥し、一定重量になるまで乾燥する。
収量:17mg(理論上の63%)
TLC(メタノール/ジクロロメタン/25%強度アンモニア=5/3/2):R=0.6
LC−MS(方法9):R=0.28分
MS:m/z=457(M+H)
実施例83A
(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−11−[3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]−ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸
Figure 2006511446
実施例82Aの化合物225mg(0.42mmol)を、水2.25mlと1N水酸化ナトリウム溶液2.25mlに溶解し、氷浴で冷却し、撹拌しながら、ジ−tert−ブチルジカルボナート(di-tert-butyl dicarbonate)278mg(1.27mmol)を加える。温度は、30℃にした後、暫時、上昇させ、次に、反応を一晩、室温で持続させる。混合物を、0.1N塩酸で約pH=5の酸性にし、注意深く、室温で、真空下で蒸発・乾燥させる。残渣を、ジエチルエーテルと撹拌し、濾過し、次いで、その一定重量になるまで乾燥する。
収量:259mg(理論上の93%)
LC−MS(方法18):R=1.96分
MS:m/z=656(M+H)
実施例84A
2−(トリメチルシリル)エチル 2−(ベンジルオキシ)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−L−フェニルアラニナート
Figure 2006511446
4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビー1,3,2−ジオキサボロラン(4,4,4',4',5,5,5',5'−octamethyl-2,2'-bi-1,3,2-dioxaborolane)0.924g(3.64mmol、1.15当量)、酢酸カリウム0.932g(9.50mmol、3当量)およびビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド0.116g(0.160mmol、0.05当量)を、DMF20ml中に(2−トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ベンジルオキシ−5−ヨードフェニル)プロピオナート(実施例11A)2.00g(3.17mmol)を入れた脱ガスした溶液に、室温で添加する。この混合物を、80℃で、6時間、撹拌する。水と酢酸エチル中に入れると、相分離が行われ、次に、水相を、酢酸エチルで数回洗浄する。集められた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮する。この粗生成物は、シリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 10:1)で精製される。
収量:1.12g(理論上の56%)
LC−MS(方法22):R=4.50分
MS(EI):m/z=632(M+H)
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例85Aから87Aまでは、実施例37Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例88Aから90Aまでは、実施例42Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例91Aから93Aまでは、実施例47Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例94Aから96Aまでは、実施例52Aと同様に製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例97Aから99Aまでは、実施例57Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例100Aから102Aまでは、実施例62Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例103Aから105Aまでは、実施例67Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されている実施例106Aから108Aまでは、実施例72Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に記載されている実施例109Aは、実施例24Aに準じて製造することができる。
Figure 2006511446
実施例110A
2−(ベンジルオキシ)−N−(tert−ブトキシカルボニル)ヨード−N−メチル−L−フェニルアラニン
Figure 2006511446
アルゴン雰囲気下で、実施例6Aの化合物500mg(1mmol)をTHF20mlに溶解し、水素化ナトリウム(sodium hydride)90.5mg(3.02mmol)およびヨウ化メチル(純度80%)0.51ml(1141.6mg;8.04mmol)を加え、次に、混合物を、一晩、室温で、撹拌する。酢酸エチル25mlと水25mlで希釈し、次に、0.1N塩酸でpH=9に調整する。混合物を、真空下で、少量まで濃縮する。酢酸エチル10mlと水10mlを加え、混合物を、激しく振とうし、次に、有機相を分別する。硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で、濃縮すると、生成物140mg(理論上の19%)を得る。水相を、酸性(pH=3)にし、次に、酢酸エチル20mlで3回抽出する。真空下で、濃縮し、真空下で、乾燥すると、生成物351mg(理論上の68%)を得る。
LC−MS(方法17):R=3.9分
MS(EI):m/z=511(M+H)
実施例111A
ベンジル 2−(ベンジルオキシ)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヨード−N−メチル−L−フェニルアラニナート
Figure 2006511446
製造は、3mlのアセトニトリル中の実施例110Aの化合物350mg(0.68mmol)、DMAP8.29mg(0.07mmol)、ベンジルアルコール148mg(1.37mmol)およびEDC157.46mg(0.82mmol)で、実施例7Aに準じて行われる。
収量:382mg(理論上の93%)
LC−MS(方法17):R=4.8分
MS(EI):m/z=601(M+H)
実施例112A
ベンジル 2−(ベンジルオキシ)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−L−フェニルアラニナート
Figure 2006511446
実施例8Aに準じて、実施例111Aの化合物380mg(0.63mmol)を、加熱乾燥したフラスコ内の4mlのDMFに注ぎ、次に、室温で、撹拌しながら、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(4,4,4',4',5,5,5',5'-octamethyl-2,2'-bi-1,3,2-dioxaborolane)184.5mg(0.73mmol)、酢酸カリウム186mg(1.9mmol)およびビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド23.15mg(0.03mmol)を加える。反応は、80℃で4時間行われる。目的物は、ワークアップおよびクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)の後、得られる。
収量:196mg
LC−MS(方法17):R=4.9分
MS(EI):m/z=601(M+H)
実施例113A
2−(トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニル−(2−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル)アミノエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート
Figure 2006511446
製造は、アルゴン雰囲気下で、DMF1.5ml中の実施例112Aの化合物190mg(0.32mmol)、実施例11Aの化合物199.5mg(0.32mmol)、炭酸セシウム195.5mg(0.63mmol)およびビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド23.15mg(0.03mmol)で、実施例12A(方法B)に準じて行われる。
収量:212mg(理論上の66%)
LC−MS(方法25):R=4.86分
MS(EI):m/z=978(M+H)
実施例114A
2−(トリメチルシリル)エチル 2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルアミノエチルビフェニル−3−イル]プロピオナート・塩酸塩
Figure 2006511446
製造は、実施例113Aの化合物930mg(0.95mmol)および15mlのジオキサン中の4Mジオキサン/塩化水素溶液22.14mlで、実施例15Aに準じ行われる。
収量:915mg(理論上の78%)
LC−MS(方法25):R=2.53分
MS(EI):m/z=878(M+H)
ベンジル 2(S)−{メチル−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノイル]アミノ}−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオナート
Figure 2006511446
製造は、DMF4.2ml中の、実施例114Aの化合物922mg(1.01mmol)、実施例14Aの化合物0.5g(1.01mmol)、HATU421mg(1.11mmol)およびDIPEA0.7ml(518mg;3.27mmol)で実施例16Aに準じて行われる。
収量:703mg(理論上の51%)
LC−MS(方法16):R=3.17分
MS(EI):m/z=1356(M+H)
実施例116A
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−[2(S)−ベンジルオキシカルボニル−2−{メチル−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイル)アミノ}エチル]ビフェニル−3−イル}プロピオン酸
Figure 2006511446
製造は、20mlのDMF中の実施例115Aの化合物360mg(0.27mmol)および1Mフッ化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium fluoride)溶液(THF)0.8ml(3当量)で、実施例17Aに準じて行われる。
収量:159mg(理論上の53%)
LC−MS(方法23):R=3.19分
MS(EI):m/z=1142(M+H)
実施例117A
ベンジル 2(S)−[メチル−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイル]アミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート
Figure 2006511446
製造は、10mlのジクロロメタン中の実施例116Aの化合物330mg(0.29mmol)、ペンタフルオロフェノール265.6mg(1.44mmol)、DMAP3.53mg(0.03mmol)およびEDC60.87mg(0.32mmol)で実施例18Aに準じて行われる。
収量:271mg(理論上の69%)
LC−MS(方法23):R=3.38分
MS(EI):m/z=1308(M+H)
実施例118A
ベンジル 2(S)−[メチル−(5−ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2(S)−アミノ−4(R)−ヒドロキシペンタノイル]アミノ−3−[4,4'−ビスベンジルオキシ−3'−(2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ペンタフルオロフェニルオキシカルボニルエチル)ビフェニル−3−イル]プロピオナート塩酸塩
Figure 2006511446
実施例117Aの化合物130mg(0.1mmol)を、ジオキサン0.5mlに溶解し、次に、4Mジオキサン/塩化水素溶液5mlを、慎重に添加する(氷浴)。30分後、反応を更に、室温で2時間継続する。この混合物を、真空下で蒸発乾燥し、高真空下で、一定の重量になるまで乾燥する。
収量:130mg(理論上の70%)
LC−MS(方法15):R=2.68分
MS(EI):m/z=1208(M+H)
実施例119A
ベンジル (8S,11S,14S)−5,17−ビス(ベンジルオキシ)−14−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−11−((2R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル−9−メチル−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボキシラート
Figure 2006511446
実施例118Aの化合物130mg(0.1mmol)を、乾燥クロロホルム220mlに注ぐ。室温で撹拌しながら、ジクロロメタン5ml中のトリエチルアミン23、ml(20当量)を20分にわたって加える。この混合物を一晩、撹拌する。次いで、真空下で、蒸発乾燥する。残渣を、アセトニトリルを混ぜて撹拌する。残渣を乾燥すると、その結果44mgの生成物が生じる。更に、目的生成物(30mg)が、母液(mother liquor)から、RP−HPLCによって、得られる。
収量:74mg(理論上の69%)
LC−MS(方法15):R=3.13分
MS(EI):m/z=1024(M+H)
実施例120A
(8S,11S,14S)−14−アミノ−11−[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]5,17−ジヒドロキシ−9−メチル−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエンカルボン酸・ジトリフルオロアセタート(ditrifluoroacetate)
Figure 2006511446
実施例119Aの化合物33mg(0.032mmol)を、注意深く、希釈したトリフルオロ酢酸で処理する。その結果生じた透明な(clear)溶液を、次いで、真空状態で、凍結乾燥する。
収量:23mg(定量的)
LC−MS(方法15):R=0.92分
MS(EI):m/z=486(M+H)
実施例121A
(8S,11S,14S)−5,17−ビス(ベンジルオキシ)−14−{[ベンジルオキシカルボニル]アミノ}−11−(2R)−3−{[ベンジルオキシカルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル−9−メチル−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸
Figure 2006511446
実施例119Aの化合物37mg(0.04mmol)を、THF2mlに溶解し、1N水酸化リチウム溶液0.14mlを加え、混合物を、室温で、3時間、撹拌する。次いで、1N塩酸を用いて酸性にし、次に、高真空下で蒸発乾燥する。
収量:33mg(理論上の71%)
LC−MS(方法23):R=2.90分
MS(EI):m/z=934(M+H)
実施例122A
(8S,11S,14S)−5,17−ビス(ベンジルオキシ)−14−{[ベンジルオキシカルボニル]アミノ}−11−(2R)−3−{[ベンジルオキシカルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル−9−メチル−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボキサミド
Figure 2006511446
実施例121Aの化合物30mg(0.03mmol)をDMF1mlに溶解し、次に、トリエチルアミン0.01ml(3当量)を加える。反応溶液を、氷浴で冷却した後、クロロ蟻酸イソブチル(isobutyl chloroformate)8.76mg(2当量)を加え、反応を30分間行う。室温で更に1時間(for a further hour)撹拌した後、0.5Nジオキサン/アンモニア(dioxane/ammonia)溶液0.64ml(10当量)を添加し、この混合物を、一晩、撹拌する。真空下で濃縮した後、残渣を、RP−HPLCによって精製する。
収量:11mg(理論上の37%)
LC−MS(方法23):R=2.91分
MS(EI):m/z=934(M+H)
次の表に列挙した実施例123Aから129Aまでは、実施例115Aから122Aとして上記に詳述した方法に準じて、適切な先駆物質から製造する。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
実施例130A
ベンジル 2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−ニトロ−4−オキソペンタノアート
Figure 2006511446
テトラヒドロフラン100ml中に、2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノコハク酸 1−ベンジルエステル(2(S)-tert-butoxycarbonylaminosuccinic acid 1-benzyl ester)10g(30.9mmol)と1,1’−カルボニルジイミダゾール5.27g(32.5mmol)が入った溶液Aを、室温で、5時間、撹拌する。ニトロメタン18.8g(30.9mmol)を、テトラヒドロフラン100ml中に、tert−カリウムブトキシド3.2g(34.2mmol)が入った溶液Bに、0℃で滴下する。溶液Bを、室温まで温めながら、撹拌し、次いで、室温で溶液Aを滴下する。その結果得られる混合物を、室温で16時間、撹拌し、20%強度塩酸でpH2に調整する。溶媒を蒸発させる。残りの粗生成物を、酢酸エチル/水中に入れる。相分離の後、有機相を、水で、2回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。13g(理論上の99%)の生成物が、得られる。
MS(ESI):m/z=334(M+H)
Figure 2006511446
実施例131A
ベンジル 2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシ−5−ニトロペンタノアート
Figure 2006511446
テトラヒドロフラン300ml中のベンジル 2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−ニトロ−4−オキソペンタノアート11.3g(30.8mmol)の溶液を、−78℃まで冷却し、テトラヒドロフラン中のL−セレクトリド(L-Selectrid:商標名)1M溶液30.8mlを、滴下し、次に、混合物を−78℃で、1時間、撹拌する。室温まで暖めた後、飽和塩化アンモニウム溶液を、注意深く、溶液に加える。反応液を、濃縮し、次に、残渣を、水と酢酸エチル中に入れる。水相を、酢酸エチルで3回抽出する。集められた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、次に、蒸発させる。粗生成物を、シリカゲル60(移動相:シクロへキサン/酢酸エチル 10/1)で精製し、集められたフラクションを濃縮し、次に、シクロヘキサン/酢酸エチル 5/1とともに撹拌する。残っている結晶を、吸引しながら濾別し、乾燥する。所望のジアステレオマーが2.34g(理論上の21%)得られる。リヒロスファージオール(Lichrospher Diol)10μM(移動相:エタノール/イソ−ヘキサン 5/95)を用いた、母液(mother liquor)のクロマトグラフィーによる分離によると、更に0.8g(6.7%)の生成物が生じる。
MS(ESI):m/z=369(M+H)
Figure 2006511446
代表的実施形態(Exemplary embodiments)
代表的実施形態の合成は、一部、保護されたビフェノマイシン(biphenomycin)誘導体から出発することができる(たとえば、21Aのような)。
Figure 2006511446
実施例1
(8S,11S,14S)−14−アミノ−11−[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボキサミド・二塩酸塩
Figure 2006511446
方法A
ジオキサン(1.0ml)中の塩酸ガス(hydrochloric acid gas)の4M溶液を、乾燥ジオキサン(分析用グレ−ド、1.0ml)中のtert−ブチル (2R)−3−[(8S,11S,14S)−8−(アミノカルボニル)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−11−イル]−2−ヒドロキシプロピルカルバマート(実施例22A)2.15mg(3.2μmol)の溶液に、アルゴン下で滴下する。完全な変換には、約30分後に達する。反応混合物を、凍結させ、凍結乾燥させ、溶媒を除去する。精製は、ゲルクロマトグラフィー[セファデックス(Sephadex)LH−20;二亜硫酸ナトリウム(sodium disulfite)が添加されたメタノール/濃塩酸(1:0.0001)]によって行われ、その結果、目的生成物1.4mg(理論上の80%)を生じる。
HPLC−UV−Vis(方法14):R=3.09分
λmax(定性)=〜204nm(s)、269(m)、〜285(sh)(水/アセトニトリル+0.01%TFA[7:3])
Figure 2006511446
Figure 2006511446
LC−HR−FT−ICR−MS(方法13):計算値 C2330として[M+H] 472.2191 実測値 472.2191
方法B
アルゴン下で、tert−ブチル (2R)−3−[(8S,11S,14S)−8−(アミノカルボニル)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−11−イル]−2−ヒドロキシプロピルカルバマート(実施例22A)14.8mg(0.02mmol)を、ジオキサン0.5ml中に注ぐ。混合物を、0℃まで冷却し、次に、ジオキサン中の4M塩酸溶液の0.8mlを、滴下する。45分後、この混合物を、真空下で、濃縮し、残渣をジオキサン中に、2回以上加え(residue is taken up twice more in dioxane)、次に、真空下で、再び濃縮する。目的生成物を高真空下で乾燥する。
収量:12mg(理論上の100%)
HPLC(方法8):R=4.87分
MS(EI):m/z=472(M+H−2HCl)
Figure 2006511446
実施例2
(8S,11S,14S)−14−アミノ−11−[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−N−ベンジル−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボキサミド・二塩酸塩
Figure 2006511446
ジオキサン中の4N塩酸溶液0.5mlを、1,4−ジオキサン0.5ml中のtert−ブチル (2R)−3−[(8S,11S,14S)−8−[(ベンジルアミノ)カルボニル]−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−11−イル]−2−ヒドロキシプロピルカルバマート(実施例23A)の溶液に、氷で冷却しながら滴下する。氷冷を取り外し、混合物を、室温で2時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮し、次に、高真空下で乾燥する。残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物中に、加え、溶媒を、一晩、蒸発させて除く。
LC−MS(方法7):R=2.02分
MS(ESI−pos):m/z=562(M+H−2HCl)
Figure 2006511446
次の表に列挙された実施例3から14までは、実施例1に準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
Figure 2006511446
Figure 2006511446
実施例15
N−{[(8S,11S,14S)−14−アミノ−11−[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−イル]カルボニル}−L−フェニルアラニン・二塩酸塩
Figure 2006511446
ベンジル N−{[(8S,11S,14S)−5,17−ビス(ベンジルオキシ)−14−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−11−((2R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−イル]カルボニル}−L−フェニルアラニナート(benzyl N-{[(8S,11S,14S)-5,17-bis(benzyloxy)-14-{[(benzyloxy)carbonyl]amino}-11-((2R)-3-{[(benzyloxy)carbonyl]amino}-2-hydroxypropyl)-10,13-dioxo-9,12-diazatricyclo[14.3.1.12,6]henicosa-1(20),2(21),3,5,16,18-hexaen-8-yl]carbonyl}-L-phenylalaninate)0.02g(0.02mmol)を、6mlの酢酸:水:エタノール(4:1:1)に、懸濁し、次に、パラジウム/炭素(Pd/C)0.01gを添加する。大気圧下で、48時間、激しく撹拌しながら、水素化を行う。この反応溶液を、濾過する。残渣を、0.1N塩酸0.25mlと混和する。ロータリーエバポレーターで濃縮し、次に、真空下で、乾燥する。イソプロパノール:ジエチルエーテル(1:1)内で撹拌することによって、更なる精製が達成される。
収量:0.0037g(理論上の28%)
LC−MS(方法15):R=1.27分
MS(EI):m/z=620(M+H)
次の表に列挙された実施例16および17は、実施例15に準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されたL−オルニチンを含有するアミド(実施例18から24まで)は、
(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−11−[3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸(実施例83A)から出発して、製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
Figure 2006511446
次の表に列挙された実施例25および26は、実施例15に準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に列挙されたL−オルニチンを含有するアミド(実施例27から33まで)は、
(8S,11S,14S)−14−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−11−[3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−5,17−ジヒドロキシ−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,5,16,18−ヘキサエン−8−カルボン酸(実施例83A)から出発して、製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
Figure 2006511446
実施例34
(8S,11S,14S)−14−アミノ−11−[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−5,17−ジヒドロキシ−9−メチル−10,13−ジオキソ−9,12−ジアザトリシクロ[14.3.1.12,6]ヘンイコサ−1(20),2(21),3,15,16,18−ヘキサエンカルボキサミド・二塩酸塩
Figure 2006511446
実施例122Aの化合物11mg(0.01mmol)を、10mlの氷酢酸/エタノール/水(4/1/1)に溶解し、パラジウム−炭素(Pd-C)(10%)触媒6mgを加え、この混合物を、室温で一晩、水素化する。濾過して、触媒を除去した後、残渣を真空下で蒸発、乾燥し、0.1Nの塩酸を加え、混合物を、再び、蒸発、乾燥する。
収量:7mg(理論上の96%)
MS(EI):m/z=485(M+H)
次の表に述べられた実施例35は、実施例34の方法に準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
次の表に述べられた実施例36および37は、実施例1に準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
次の表に列挙された実施例38から40までは、実施例15に準じて、製造することができる。
Figure 2006511446
Figure 2006511446
A.生理学的活性の評価
本発明化合物のイン・ビトロ効果は、次のアッセイで示される。
大腸菌抽出物(E.Coli extracts)を用いるインビトロでの転写−翻訳(in vitro transcription-translation)
S30抽出物(S30 extract)を、インビトロ転写−翻訳アッセイについて述べられているように(Mueller,M.およびBlobel, G.Proc Natl Acad Sci USA(1984)81, pp.7421−7425)、対数的増殖するエシェリキア・コリ(大腸菌:Escherichia coli)MRE600(M.Mueller;フライベルグ大学(University Freiburg))を、採取し、洗浄し、これを使用することによって調製する。
1μlのcAMP(11.25mg/ml)を、インビトロ転写−翻訳アッセイとして用いられる反応混合物に、反応混合物50μlあたり、1μlのcAMP(11.25mg/ml)を、更に(additionally)に加える。5μlの試験物質を5%強度のDMSO中に入れ、アッセイ混合物は、総計105μlになる。プラスミド pBESTLuc(Promega, Germany)の混合物1μg/100μlを、転写テンプレートとして使用する。30℃で60分間、インキュベーションした後、50μlのルシフェリン溶液(luciferin solution)(20mM トリシン(tricine)、2.67mM 硫酸マグネシウム、0.1mM EDTA、33.3mM DTT pH7.8、270μM CoA、470μM ルシフェリン、530μM ATP)を加え、次に、この結果生じる生物発光を、ルミノメーター(luminometer)で1分間測定する。IC50は、蛍のルシフェラーゼ(firefly luciferase)の翻訳を、50%阻害することになる阻害剤の濃度によって示される。
S.アウレウス抽出物(S.aureus extractsを用いるインビトロでの転写−翻訳
S.アウレウス ルシフェラーゼ レポータープラスミドの構築
S.アウレウスのインビトロ転写―翻訳アッセイに用いることができるレポータープラスミドを、プラスミドpBESTluc(Promega Corporation、USA)を用いて、構築する。蛍のルシフェラーゼの前で、このプラスミドに存在している大腸菌tacプロモーター(E.coli tac promoter)を、適切なS.アウレウスのSD配列(シャイン・ダルガノ配列(Shine-Dalgarno sequence))を持ったcapA1プロモーター(capA1 promoter)に取り替える。プライマーCAPFor、
Figure 2006511446
およびCAPRev、
Figure 2006511446
が、この目的に使用される。このプライマーCAPForは、capA1プロモーター、リボソーム結合サイトおよびルシフェラーゼ遺伝子の5'領域を含んでいる。テンプレート(鋳型:template)としてpBESTlucを用いるPCRの後、融合したcapA1プロモーターを持った蛍のルシフェラーゼ遺伝子を含んでいるPCR生成物(PCR product)を単離することが可能である。これを、ClaIとHindIIIで制限した後、同じように、ClaIとHindIIIで消化されたベクターpBESTlucに連結する。その結果得られるプラスミドp1aは、大腸菌(E.coli)内で複製することができ、且つ、S.アウレウスのインビトロ転写−翻訳アッセイにおいて、テンプレートとして使用することができる。
S.アウレウスのS30抽出物の調製
S.アウレウス菌株の終夜培養液250mlを6リットルのBHI培地に植菌し、OD600nmが2−4になるまで、37℃で増殖させる。細胞を、遠心法で採取し、500mlの冷却バッファーA(トリスアセテート(Tris acetate) 10mM、pH 8.0、酢酸マグネシウム 14mM、DTT 1mM、塩化カリウム 1M)で洗浄する。遠心分離器を新しく取り替えて行った後、細胞を、50mMの塩化カリウムを含んでいる250mlの冷却バッファーAで洗浄し、その結果得られるペレットを−20℃で、60分間、凍結する。ペレットを、30分から60分、氷と接触させて解凍し、次に、バッファーB(10mM トリスアセテート(Tris acetate)、pH 8.0、20mM 酢酸マグネシウム、1mM DTT、50mM 塩化カリウム)に入れて、全体量を99mlにする。バッファーB中のリソスタフィン(lysostaphin)(0.8mg/ml)の1.5ml分を、三つのあらかじめ冷却した遠心用カップ(centrifuge cups)に注ぎ、それぞれ、細胞懸濁液33mlと混和する。サンプルを、時々振とうしながら、45分から60分、37℃でインキュベートし、そのあと、0.5M DTT溶液150μlを加える。溶解された細胞(lyzed cells)を、4℃で30分間、30000×gで遠心分離する。この細胞ペレットを、バッファーBに入れて、次いで、同一の条件で再び遠心分離し、次に、集められた上澄み液を一緒にまとめる。上澄み液を、再び、同一条件で、遠心分離し、次に、0.25容量(0.25 volume)のバッファーC(670mM トリスアセテート、pH 8.0、20mM 酢酸マグネシウム、7mM ホスホエノールピルビン酸三ナトリウム塩(Na phosphenolpyruvate)、7mM DTT、5.5mM ATP、70μM アミノ酸(complete,Promega社)、75μg ピルビン酸キナーゼ(Sigma, Germany)(pyruvate kinase)/mlを、上澄み液の上方2/3に加える。サンプルを、37℃で、30分間、インキュベートする。この上澄み液を、3500ダルトン・カット−オフ(3500Da cut-off)を有している透析チューブ(dialysis tube)中で、2lの透析バッファー(10mM トリスアセテート、pH 8.0、14mM 酢酸マグネシウム、1mM DTT、60mM 酢酸カリウム)に対して、バッファー交換を1回して、4℃で一晩、透析する。透析物を、冷却したPEG8000粉末(Sigma,Germany)で透析チューブを覆うことによって、4℃で、蛋白質濃度が約10mg/mlに至るまで濃縮する。このS30抽出物は、−70℃で、部分標本で(in aliquots)保存することができる。
S.アウレウス・インビトロ転写−翻訳アッセイにおけるIC 50 の決定
本化合物のタンパクの生合成の阻害は、インビトロ転写−翻訳アッセイで示すことができる。このアッセイは、鋳型(template)としてのレポータープラスミドp1aおよびS.アウレウスから得られる無細胞(cell-free)S30抽出物を用いるホタルルシフェラーゼ(firefly luciferase)の無細胞転写・翻訳に基づいている。その結果得られるルシフェラーゼの活性は、発光測定によって検出される。
使用されるS30抽出物またはプラスミドp1aの量は、アッセイの際の最適な濃度を確保するために、それぞれの調整品(preparation)について新たに試験しなければならない。試験物質3μlを5%DMSOに溶解し、MTPに入れる。次いで、適度に濃縮されたプラスミド溶液p1a10μlを加える。そして、23μlのプレミックス(premix)(500mM 酢酸カリウム、87.5mM トリス酢酸(Tris acetate)、pH 8.0、67.5mM 酢酸アンモニウム、5mM DTT、50μg 葉酸/ml(50μg of folic acid/ml)、87.5mg PEG8000/ml(87.5mg of PEG8000/ml)、5mM ATP、1.25mM 各NTP(1.25mM each NTP)、20μM 各アミノ酸(20μM each amino acid)、50mM PEP(Na塩)、2.5mM cAMP、250μg 各E.コリ tRNA/ml(250μg of each E.coli tRNA/ml))および適度の量のS.アウレウス S30抽出物23μlの混合液46μlを加え、混合する。30℃で60分、インキュベーションの後、50μlのルシフェリン溶液(20mM トリシン(tricine)、2.67mM 硫酸マグネシウム、0.1mM EDTA、33.3mM DTT pH7.8、270μM CoA、470μM ルシフェリン(luciferin)、530μM ATP)で、その結果生じる生物発光を、ルミノメーターで1分間、測定する。IC50は、ホタルルシフェラーゼの翻訳を、50%阻害することになる阻害剤の濃度として示される。
最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration)(MIC)の測定
最小発育阻止濃度(MIC)は、試験細菌の増殖を、18−24時間にわたって、阻止(阻害)する抗生物質の最小濃度である。この阻害剤の濃度は、こうした場合に、標準的な微生物学的方法によって決定することができる(たとえば、米国臨床検査標準委員会(The National Committee for Clinical Laboratory Standards)参照、好気下で増殖する細菌に対する希釈抗菌剤感受性試験方法;承認標準−第5版、NCCLS文書 M7−A5[ISBN1−56238−394−9]、NCCLS、940 West Valley Road,Suite 1400,Wayne,Pennsylvania 19087−1898 USA,2000)。本発明化合物のMICは、96穴滴定プレートスケール(96-well microtiter plate scale)で液体希釈試験によって決定される。細菌微生物は、0.4%のBHブロス(試験培地)を添加した最小培地(minimal medium)(18.5mM リン酸水素ナトリウム(NaHPO)、5.7mM リン酸二水素カリウム(KHPO)、9.3mM 塩化アンモニウム、2.8mM 硫酸マグネシウム、17.1mM 塩化ナトリウム、0.033μg/ml 塩酸チアミン(thiamine hydrochloride)、1.2μg/ml ニコチン酸、0.003μg/ml ビオチン、1% グルコース、25μg/mlの各蛋白質構成アミノ酸(ただしフェニルアラニンは除く);[H.−P.Kroll;未出版])で培養される。エンテロコッカス・フェカーリス ICB 27159の場合は、加熱非活性ウシ胎児血清(FCS;GibcoBRL,Germany)を、最終濃度10%で試験培地に加える。試験微生物の終夜培養液を、OD578が0.001(エンテロコッカスの場合は、0.01)になるまで新鮮な(fresh)試験培地内で希釈し、次に、試験培地(最終用量 150μl)中で、試験物質(希釈ステップ 1:2)を1:1希釈して(1:1 with dilutions of the test substances(1:2 dilution steps))インキュベートする。培養液を、37℃で、18−24時間インキュベートする;エンテロコッカスでは、5%COの存在下。
細菌の増殖が、もはや認識できない、それぞれの場合の最も低い物質濃度が、MICとして定義される。一連の試験微生物に対する本発明のいくつかの化合物のμMでのMIC値が、下記の表に実例によって列挙されている。本化合物は、大部分の試験微生物に対して、卓抜な(graded)抗菌作用を示す。
Figure 2006511446
S.アウレウス133を用いる全身感染
細菌感染の治療に対する本発明化合物の適合性は、種々の動物モデルで示すことができる。この目的のために、動物を、適切な毒性をもった微生物で全身(generally)感染させ、次いで、特定の治療モデルに適合する製剤にした試験化合物で、処理する。本発明化合物の適合性は、特に、S.アウレウスに感染した後のマウスの敗血症モデルにおける細菌感染の治療において証明される。
この目的のために、S.アウレウス細胞を、BHブロス(Oxoid,Germany)内で終夜培養する。終夜培養液を、新鮮なBHブロス中で1:100希釈し、3時間増殖(expand)させる。対数増殖期にある細菌を、遠心し、緩衝生理食塩水で2回洗浄する。次いで、50ユニットで死滅する食塩溶液中の細胞懸濁液を、光度計で調節する(Dr.Lange LP 2W)。希釈ステップ(1:15)の後、この懸濁液を10%強度ムチン(mucine)懸濁液と1:1で混合する。マウス20gにつき、0.2mlのこの感染溶液を腹腔内(i.p.)投与する。これは、約1−2×10E6微生物/マウスの細胞数(cell count)に相当する。静注治療は、感染後30分して、行われる。雌CFW1マウスが、この感染試験用に使用される。動物の生存が、6日間記録される。モデル動物を、治療していない動物が、感染後24時間以内に死ぬように調節する。このモデルでは、実施例2の化合物ついて、ED100=1.25mg/kgの治療効果を立証することが可能であった。
B.医薬組成物の例示的態様
本化合物は、次の方法で、医薬製剤に変換することができる。
錠剤
組成
実施例1の化合物 100mg、乳糖(一水和物) 50mg、トウモロコシ澱粉(天然)、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF,Ludwigshafen,Germany)およびステアリン酸マグネシウム。
錠剤重量 212mg、直径 8mm、曲率半径 12mm。
製造
活性成分、乳糖および澱粉の混合物を、水に溶かした5%強度PVP溶液(m/m)で顆粒化する。顆粒を、乾燥し、次いで、5分間で、ステアリン酸マグネシウムと混合する。この混合物を、従来の錠剤圧縮機で、成型する(錠剤のフォーマット:上記参照)。圧縮成型するために使用される標準値は、圧縮力(compaction force)15kNである。
経口投与用懸濁液
組成
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、ロジゲル(Rhodigel(キサンタンゴム(FMC、ペンシルバニア、USA))400mgおよび水99g。
本発明による化合物1回分の投与量100mgは、経口用懸濁液10mlに相当する。
製造
ロジゲルをエタノールで懸濁し、そして、活性化合物を、懸濁液に加える。水を攪拌しながら加える。混合物を、ロジゲルが完全に、膨潤する(swollen)まで、約6時間攪拌する。



Claims (22)

  1. 式:
    Figure 2006511446
    《式中、
    は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロアリールスルホニルまたはカルボニルによって結合するアミノ酸残基[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R1−1(ここで、置換基R1−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシおよびカルボキシルからなる群から,互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
    は、水素またはアルキル[上記において、Rは、水素である場合以外は、0、1、2または3個の置換基R2−1(ここで、置換基R2−1は、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
    または、
    およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1または2個の置換基R1−2(ここで、置換基R1−2は、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成する、
    は、水素、アルキルまたはアミノ酸の側鎖基〈上記において、アルキルは、0,1,2または3個の置換基R3−1{ここで、置換基R3−1は、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、グアニジノおよびアミジノ[ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0,1または2個の置換基R3−2(ここで、置換基R3−2は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチルおよびアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]からなる群から、互いに独立して、選択される}によって置換されてもよい、
    そして、
    アミノ酸の側鎖基の遊離アミノ基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニルまたはヘテロアリールスルホニルによって置換されてもよい〉であり、
    3’は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
    は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
    は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアミンによって結合するアミノ酸残基{上記において、Rは、0、1、2または3個の置換基R5−1[ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロシクリルアミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルアミノおよびアルコキシカルボニルアミノ〔ここで、アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−2(ここで置換基R5−2は、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシルおよびアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい〕からなる群から、互いに独立して、選択される]によって置換されてもよい}であり、
    は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり、
    または、
    およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1,2または3個の置換基R5−6(ここで、置換基R5−6は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ハロゲン化されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成し、
    は、水素、C−C−アルキル、アルキルカルボニルまたはC−C−シクロアルキルであり、
    は、水素またはC−C−アルキルであり、そして、
    は、水素またはC−C−アルキルである》
    の化合物およびその塩の一つ、またはその溶媒和物の一つおよびその塩の溶媒和物の一つ。
  2. 化合物が、式:
    Figure 2006511446
    (式中、RからRは、式(I)と同様の意味を有する)に該当することを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  3. は、水素、アルキルまたはアルキルカルボニルであり、
    は、水素であり、
    は、アルキルまたはアミノ酸の側鎖基〈上記において、アルキルは、0,1,2または3個の置換基R3−1{ここで、置換基R3−1は、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、グアニジノおよびアミジノ[ここで、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0,1または2個の置換基R3−2(ここで、置換基R3−2は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチルおよびアミノからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]から成る群から、互いに独立して、選択される}によって置換されてもよい、
    そして、
    アミノ酸の側鎖基の遊離アミノ基は、アルキルによって置換されてもよい〉であり、
    3’は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
    は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
    は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアミンによって結合されるアミノ酸残基{上記において、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−1[ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニル〔ここでアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、0、1、2または3個の置換基R5−2(ここで置換基R5−2は、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシルおよびアミノカルボニルから成る群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい〕から成る群から、互いに独立して、選択される]によって置換されてもよい}であり、
    は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり、
    または、
    およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、0、1,2または3個の置換基R5−6(ここで、置換基R5−6は、ハロゲン、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよいヘテロ環を形成し、
    は、水素、C−C−アルキル、アルキルカルボニルまたはC−C−シクロアルキルであり、
    は、水素であり、そして、
    は、水素であることを特徴とする、請求項1または2記載の化合物。
  4. は、水素であり、
    は、水素であり、
    は、アミノカルボニルメチル、3−アミノプロパ−1−イル、2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イル、1−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イル、3−グアニジノプロパ−1−イル、2−アミノカルボニルエチル、2−ヒドロキシカルボニルエチル、4−アミノブタ−1−イル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−アミノエチル、4−アミノ−3−ヒドロキシブタ−1−イルまたは(1−ピペリジン−3−イル)メチルであり、
    3’は、水素であり、
    は、水素、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロプロピルであり、
    は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキル[上記において、アルキルおよびシクロアルキルは、0、1、2または3個の置換基R5−1(ここで、置換基R5−1は、ハロゲン、C−C−アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、C−C10−アリール、5員環から10員環までのヘテロアリール、5員環から7員環までのヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシル、C−C−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルおよびC−C−ジアルキルアミノカルボニルから成る群から、互いに独立して、選択される)によって置換されてもよい]であり、
    は、水素またはメチルであるか、
    または、
    およびRは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニルまたはモルホリニルを形成し、
    は、水素であり、
    は、水素であり、そして、
    は、水素であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の化合物。
  5. は、水素であり、
    は、水素であり、
    は、3−アミノプロパ−1−イルまたは2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イルであり、
    3’は、水素であり、
    は、水素またはメチルであり、
    は、水素、C−C−アルキルまたはシクロプロピル[上記において、アルキルは、0、1、2または3個の置換基R5−1(ここで、置換基R5−1は、トリフルオロメチル、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノカルボニルおよびフェニルから成る群から、互いに独立して、選択される。)によって置換されてもよい]であり、
    は、水素またはメチルであり、
    は、水素であり、
    は、水素であり、そして、
    は、水素であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の化合物。
  6. が水素であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の化合物。
  7. が、水素であることを特徴とする、請求項1、2および6のいずれかに記載の化合物。
  8. が、3−アミノプロパ−1−イルまたは2−ヒドロキシ−3−アミノプロパ−1−イルであることを特徴とする、請求項1から4まで、および請求項6および7のいずれかに記載の化合物。
  9. 3’が、水素であることを特徴とする、請求項1から3まで、または6から8までのいずれかに記載の化合物。
  10. が、水素またはメチルであることを特徴とする、請求項1から4まで、または6から9までのいずれかに記載の化合物。
  11. が、水素、C−C−アルキルまたはシクロプロピル[上記において、アルキルは、0、1、2または3個の置換基R5−1(ここで、置換基R5−1は、トリフルオロメチル、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノカルボニルおよびフェニルからなる群から、互いに独立して、選択される。)によって置換されてもよい]であることを特徴とする、請求項1から4まで、または6から10までのいずれかに記載の化合物。
  12. が、水素またはメチルであることを特徴とする、請求項1から3まで、または6から11までのいずれかに記載の化合物。
  13. およびRが、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニルまたはモルホリニルを形成することを特徴とする、請求項1から4まで、または6から12までのいずれかに記載の化合物。
  14. が、水素であることを特徴とする、請求項1から3まで、または6から13までのいずれかに記載の化合物。
  15. が、水素であることを特徴とする、請求項1、2、6から14までのいずれかに記載の化合物。
  16. が、水素であることを特徴とする、請求項1、2、6から15までのいずれかに記載の化合物。
  17. 式:
    Figure 2006511446
    (式中、RからRまで、およびRからRまでは、請求項1に示されている意味を有する)の化合物を、式:
    H−NR (III)
    (式中、RおよびRは、請求項1に示されている意味を有する)の化合物と反応させることを特徴とする、請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法。
  18. 病気の治療および/または予防のための請求項1から16までのいずれかに記載の化合物。
  19. 請求項1から16までのいずれかに記載の少なくても一つの化合物と、少なくても一つの製薬学的に適切な、製薬学的に許容される担体または他の賦形剤を含んでなる薬剤。
  20. 細菌性疾患を治療または/予防する薬剤を製造するための請求項1から16までのいずれかに記載の化合物の使用。
  21. 細菌感染症の治療または/予防のための請求項19記載の薬剤。
  22. 抗菌的に有効な量の、請求項1から16までのいずれかに記載の少なくても一つの化合物を投与することによって、ヒトおよび動物の細菌感染症を抑制する方法。

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