JP2006508010A - カンラン石からシリカを製造する方法 - Google Patents

カンラン石からシリカを製造する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006508010A
JP2006508010A JP2004554905A JP2004554905A JP2006508010A JP 2006508010 A JP2006508010 A JP 2006508010A JP 2004554905 A JP2004554905 A JP 2004554905A JP 2004554905 A JP2004554905 A JP 2004554905A JP 2006508010 A JP2006508010 A JP 2006508010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
olivine
slurry
range
surface area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004554905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4537857B2 (ja
Inventor
グンナルッソン,グドムンダー
Original Assignee
イドンタエクニストフヌン・アイランズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イドンタエクニストフヌン・アイランズ filed Critical イドンタエクニストフヌン・アイランズ
Publication of JP2006508010A publication Critical patent/JP2006508010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4537857B2 publication Critical patent/JP4537857B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/113Silicon oxides; Hydrates thereof
    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
    • C01B33/18Preparation of finely divided silica neither in sol nor in gel form; After-treatment thereof
    • C01B33/187Preparation of finely divided silica neither in sol nor in gel form; After-treatment thereof by acidic treatment of silicates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/113Silicon oxides; Hydrates thereof
    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
    • C01B33/18Preparation of finely divided silica neither in sol nor in gel form; After-treatment thereof
    • C01B33/187Preparation of finely divided silica neither in sol nor in gel form; After-treatment thereof by acidic treatment of silicates
    • C01B33/193Preparation of finely divided silica neither in sol nor in gel form; After-treatment thereof by acidic treatment of silicates of aqueous solutions of silicates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/113Silicon oxides; Hydrates thereof
    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
    • C01B33/18Preparation of finely divided silica neither in sol nor in gel form; After-treatment thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
    • C01P2004/50Agglomerated particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/12Surface area
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/14Pore volume
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/80Compositional purity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/90Other properties not specified above

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

カンラン石から制御された比表面積および高度の純度を有する沈降シリカを製造する方法。この方法は、カンラン石を制御された仕方で加熱鉱酸溶液に加えることを含む;未溶解カンラン石を分離し、そして濾過した後、そのシリカを水溶液中でスラリー化して、効率的にデグリットすることができ、かつ比較的低いエネルギー消費で乾燥することができる低粘度、高固形分含有量のシリカスラリーを得る。得られたシリカは粉末、ビーズまたは粒体の形態をしていることができ、そして好ましくは少なくとも約100m/gの比表面積を有する。

Description

発明の分野
本発明は、カンラン石から粉末、ビーズまたは粒体の形態をしたシリカの製造方法に関する。特に、本発明は、新規な方法を用いて沈降シリカの比表面積を制御し、そして高純度のシリカを得る方法に関する。
技術背景および従来技術
沈降シリカは、通常、ケイ酸ナトリウムと酸、最もしばしば硫酸から製造される。沈降シリカの代替原料は、世界中の多くの場所で大量に入手できる天然のケイ酸マグネシウム・鉄であるカンラン石である。カンラン石は酸に容易に溶け、そしてマグネシウム化学薬品およびシリカの原料と考えられてきた。未処理の採掘カンラン石は、酸に貧溶性で、適正な処置が取られなければ沈降シリカを汚染する随伴鉱物(例えば、輝石、尖晶石および緑泥石を5−8重量%まで含んでいることができる。Olerud(米国特許第5,780,005号)は、カンラン石からシリカを製造する方法について述べている。Olerudは、カンラン石から製造される沈降シリカを、もし除去されなければ汚染するかもしれない随伴鉱物の大部分をそのカンラン石から除去するために、カンラン石を予備処理することを含む方法を開示している。Olerudによる方法は、また、生成シリカの比表面積を制御するための特長も含む。酸力価、温度および浸出時間が全てシリカの比表面積に影響を及ぼすことが証明されている。
天然ケイ酸塩から活性なシリカを製造するもう1つの方法はMasloによって記述されている(英国特許出願GB2078703A号明細書)。この方法は蛇紋石からのシリカの製造に焦点を当てるもので、得られるシリカ中の不純物の含有量は比較的高い。WO02/48036A1号公報はカンラン石からシリカを製造する方法について記載している。この方法は、カンラン石の濃硫酸によるおよそ250℃における硫酸塩化と、それに続く沈降シリカを与える水中での浸出処理に基づくもので、その沈降シリカは次いでさらなる精製工程に付される。
Jas(米国特許第4,537,699号)は、沈降シリカにアルミン酸ナトリウムのようなアルミン酸塩化合物を加えることによって、比較的高い固形分含有量および3.5−4より大きいpH値を有する沈降シリカの安定で噴霧可能な懸濁液を与える方法を開示している。
沈降シリカをカンラン石から製造する新規な効率的かつ経済的な方法、特に高表面積および高度の純度を持つシリカを製造する方法が高く評価されることになろう。
発明の目的
カンラン石は、沈降シリカおよびマグネシウム金属またはマグネシウム化学薬品を製造するための潜在的に有用な原料である。カンラン石を塩酸に熔解することによって得られる金属塩化物溶液は、マグネシウム、鉄、ニッケルおよびマンガン、並びに低含有量での他の成分を含んでいる。この溶液から、鉄、ニッケル、マンガンおよび他の不純物の制御された沈殿によって高純度の塩化マグネシウムを得ることができる。この精製された塩化マグネシウム溶液を蒸発させることによって、さらに処理するための濃厚塩化マグネシウム溶液を得ることができる。蒸発に使用されるエネルギーを最小限に抑えるためには、カンラン石の溶解で得られる金属塩化物溶液をできるだけ濃縮することが重要である。これは、同じプロセスで高比表面積を持つシリカを得るという希望とは相容れない可能性がある;使用される酸の濃度が高ければ高いほど得られるシリカの比表面積は低くなることが見いだされている(Olerudを参照されたい)からである。
本発明の1つの目的は、高純度を有する高比表面積(好ましくは100m/g超のBET表面積)シリカを提供することである。本発明のさらにもう1つの目的は、高金属含有量を有する金属塩化物溶液を得ることである。
可能性のあるカンラン石溶解法の経済性と利益は、また、得られる沈降シリカの市場価値に依存する。シリカの価値はシリカの純度に、そしてまた他の性質に依存する。シリカ粉末の著しく重要な性質は比表面積であり、これは例えばBET法(例えば、国際規格ISO 9277:1995を参照されたい)により測定することができる。所望とされる比表面積は用途が異なると変わる。カンラン石の溶解によって得られるシリカの比表面積を制御する方法が従って高く評価されることとなり、好ましくは、それは実質的に同じ粒度分布、多くの異なるシリカグレードを持つ1つのカンラン石グレードから製造することが可能であるべきである。
従って、本発明のさらにもう1つの目的は、カンラン石から制御された比表面積を持つ、不純物の含有量が低いシリカを製造する方法を提供することである。
上記の目的は、適切な粒度を持つカンラン石を用意し、そのカンラン石を鉱酸に制御された条件下で溶解し、任意にその沈降シリカのスラリーから粗い鉱物質不純物(未溶解カンラン石を含む)の少なくとも一部分を分離し、そのシリカを濾過および洗浄して溶解した塩を除去し、そのシリカを水中でスラリー化し、そしてそのpHを約1−5の範囲内の値に調整して低粘度の濃厚スラリーを得る工程を含む方法により達成される。シリカ中の残留不溶性物質は次いでシリカから重力法によって分離することができ、またシリカスラリーのpHは、任意に、最終的にシリカの粉末、ビーズまたは粒体を得るために、そのスラリーを乾燥する前に調整することができる。
発明の詳細な説明
本発明の方法にとってカンラン石粒子は適切な粒度を有すべきであって、それは、好ましくは直径1mm未満、より好ましくは直径約0.750mm未満、それよりさらに好ましくは直径約0.500mm未満、そして好ましくは直径約0.020−0.500mmの範囲内、さらに好ましくは約0.200mm未満である。適したカンラン石は、世界中の色々な供給源から、例えばノルウェー、グリーンランドおよび北アメリカで得ることができる。原料カンラン石鉱物は、常用の方法で、例えばコーンクラッシャーおよび/またはディスクミル中でミリングすることによって実質的に上記の適切な粒度まで粉砕することができ、またその物質は、任意に、もっと均質な粒度分布を得るために分別することができる。
上記のように、原料カンラン石は約5−8%までの他の鉱物を含んでいることができるが、好ましくは原料カンラン石は本発明の方法には少なくとも約90%、さらに好ましくは約95%純粋である。
カンラン石が加えられる鉱酸溶液は、1種または2種以上の適した鉱酸を含むことができる;現在のところ好ましい溶液は、約10−37重量%の範囲内の塩酸、例えば約18−37%の範囲内のHCl、または約15−30%の範囲内のHCl、例えば約15−25%の範囲内のHCl、好ましくは約20−30%の範囲内のHCl、例えば約20−25%の範囲内のHClを含む。HClに加えて、またはHClに代えて他の鉱酸、例えば硫酸または硝酸を使用することも考えられ、この場合でも適した濃度は塩酸だけを含む酸溶液によるのと同様の結果を達成するように容易に調整することができる。
カンラン石を鉱酸に溶解する方法は、生成シリカの比表面積を制御するに際して鍵となる因子である。本発明者は、カンラン石を鉱酸に制御された方法で溶解させる幾つかの態様を試験し、比較した。句「制御された方法で溶解させる」は、この文脈においては、鉱酸とカンラン石とを混合し、そして酸濃度、浸出温度、およびカンラン石がその酸中に浸出される時間を少なくとも含むパラメーターを適切な限界内に制御および維持することを意味する。好ましくは、カンラン石を鉱酸溶液に加える速度は制御される。反応器に酸とカンラン石とを同時に加えることも好ましいだろう。本発明の1つの態様において、カンラン石の添加が開始されるとき、および酸の濃度が、制御された方法で、より濃厚な酸(例えば、30−37%HClの範囲内)の添加により増大される場合、酸の濃度は低い(例えば、約8−15%HClの範囲内のような約5−18%HClの範囲内)。典型的には、この溶液はカンラン石の添加および浸出中に適当な攪拌手段で激しく攪拌される。
酸溶液の温度は、カンラン石の添加が開始されるとき、好ましくは約50−110℃の範囲内、例えば、約80−110℃の範囲内、または約90℃若しくは約100℃を含めて約80−100℃の範囲内のような約60−110℃または約70−110℃の範囲内にある。カンラン石の酸中における溶解は発熱性であり、この結果非常に効率的な冷却が用いられなければ反応混合物の温度増加がもたらされる。温度増加の速度は、例えば使用されるカンラン石の粒度、酸の濃度、およびカンラン石対酸の比のような幾つかの因子に依存性である。約20−22重量%HCl濃度の塩酸が用いられるとき、本発明者は、温度は(周囲圧力で運転される反応器中において)酸の沸点、即ち109−110℃まで増加し得ることを見いだした。加圧下で作動する反応器も使用できる。総反応時間は、好ましくは0.2−6時間、例えば0.2−4時間、または0.3−3時間を含めて約10−600分の範囲内、さらに好ましくは0.3−2時間の範囲内である。カンラン石を上記のように制御された方法で溶解し、そしてパラメーターを上記のように調整することによって、BET法に従って測定して、約150−250m/gの範囲および約150−200m/gの範囲を含めて約150−300m/gの範囲のような約150−400m/gの範囲、そしてまた約100−200m/gの範囲を含めて約100−400m/gの範囲内のような約50−500m/gの範囲内にある比表面積を持つシリカを得ることができる。好ましい態様において、比表面積は少なくとも約120m/g、好ましくは少なくとも約150m/gを含めて少なくとも約100m/gである。本発明の方法が、本明細書で説明される関連パラメーターの適正な調整によって、生成シリカの得られる比表面積を、異なる比表面積を持つシリカをシリカの意図される用途に応じて得ることができるように制御するのを可能にすることは極めて高く評価されることであろう。
カンラン石−シリカスラリーが所望とされる時間加熱された後、未溶解カンラン石および他の汚染鉱物はそのスラリーから分離されるべきである。これは、スラリーを約0.1〜5分の範囲内のような短時間、好ましくは約30−90秒の範囲ような約15−200秒の範囲内のような短時間沈降(例えば、約5−15cmの範囲内;但しこれは使用される反応器の高さに依存する)させることによって容易に成し遂げることができる。そのスラリー液体の大部分は次に吸引またはデカント処理によって沈降物から分離することができる。シリカの一部も鉱物質不純物と共に沈降するから、より長い沈降時間はより多いシリカの損失をもたらす。この目的には、別法として、適当な寸法の液体サイクロン、または粗い粒子物質の、それより細かい粒子からの分離に適した他の常用の装置を用いることができる。未溶解カンラン石および不溶性鉱物より成る粗い粒状鉱物質不純物のほとんどがこのようにしてシリカの大部分から分離される。しかし、微粒状の鉱物質不純物はこのようにしてはシリカの大部分から効果的には分離されない。
シリカスラリーはそれより溶解金属塩および他の不純物を分離するために常用の濾過技術で濾過され、そのシリカフィルターケーキは適当に純粋になるまで水性洗浄液体(典型的には水)で洗浄される。その結果得られる部分的に精製されたシリカは、続いて低粘度スラリーであるが、それでも高含有量の固体物質、好ましくは約10−30%の範囲内、好ましくは約10−25%の範囲内、例えば、約15−20%の範囲を含めて約12−25%の範囲または約12%若しくは約15%のような約12−20%の範囲のような約15−25%の範囲内の固体物質を有するそのような低粘度スラリーを得るために再びスラリー化される。本発明が高固体物質含有量を有するこのような低粘度スラリーを得る手段を提供することは極めて高く評価されるであろう。これは、好ましくは、スラリーのpHをpH約1−5の範囲内、例えばpH約2−5または3−5の範囲内に調整することによって達成される;本発明者は、驚くべきことに、微粒状鉱物質不純物はこのような濃厚低粘度シリカスラリー、例えば20秒−1の剪断速度において約100mPa未満、さらに好ましくは20秒−1の剪断速度において約50mPa未満の粘度を有するスラリーから効果的に分離できることを見いだした。上記の方法により、約18−25重量%の範囲内の固形分含有量を有するスラリーは、20秒−1の剪断速度において約5−30mPaの範囲内の粘度で得ることができる。従って、本発明の低粘度スラリーは、好ましくは20秒−1の剪断速度において約1−200mPaの範囲内、さらに好ましくは20秒−1の剪断速度において約5−50mPaの範囲内ような約1−100mPaの範囲内の粘度を有する。低粘度濃厚スラリーを得るために、シリカフィルターケーキにアルミン酸ナトリウムを、好ましくはシリカ中約300−10,000ppmのアルミナ濃度範囲内、例えば約500−7000ppmの範囲内または約500−5000ppmの範囲内で、4−9の範囲内、例えば約5−8の範囲内、好ましくは約6−7の範囲内のpHにおいて加えることを含めて他の手段を適用してもよい。pH調整には鉱酸、例えば硫酸または塩酸を加えることができる。
シリカフィルターケーキおよび酸からの、またはシリカフィルターケーキおよびアルミン酸ナトリウムからの低粘度シリカスラリーの調製には異なる手段が用い得る(この場合、任意に、pH調整のために酸が用いられる)。これらの手段には、超音波分散装置のような色々なタイプの分散装置、および高剪断ミキサーがある。このシリカスラリーの製造は、例えばまずシリカフィルターケーキと化学薬品とを混合し、次いでそのスラリーを分散工程に付すことによるような幾つかの工程で行うことができる。
本発明の方法の次工程において、シリカスラリーからさらなる鉱物質不純物が分離される;即ちスラリーはデグリット(degrit)される。これは、常用のデグリッティング(degritting)法によって、例えばスラリーを1回または2回以上沈降させ、そしてスラリーを沈降物から分離することによって、または適当な寸法を有する液体サイクロンを用いることによって便利に行われる。次に、実質的に精製、デグリットされたスラリーのpHを、任意に、乾燥前に所望とされるpH値に調整することができる。例えば、シリカスラリーのpHが低粘度スラリーを得るために1−5の値に調整されているならば、続いてそのpHは、スラリーのpHを、乾燥シリカがもっと高いpHを有するように上げるために塩基を加えることによって上昇させることができる。1つの態様において、シリカスラリーのpHは、約6−8.5の範囲、例えば約6−8の範囲を含めて約5−8.5の範囲のような約5−9の範囲内に調整される。シリカスラリーのpHを増大させるために水酸化ナトリウムまたはアンモニアが用いられるならば、スラリーはそのpHが約5より大であるとき非常に粘稠かつペースト様となる。このような粘稠なペーストは、シリカ粉末をもたらすために遠心・フラッシュ乾燥機(例えば、デンマーク、NIRO社から)、渦流流動化装置(例えば、デンマーク、APV Anhydro社が供給)または同様の装置で乾燥することができる。このような乾燥粉末は続いて粒状化させることができる。シリカスラリーはこの技術分野で周知の他の常用乾燥手段で乾燥し、そして乾燥後に必要ならば微粉砕することができる。前記のように、スラリーの高シリカ含有量は、シリカを乾燥するのに必要とされる時間および/またはエネルギーを実質的に心配のないものにする。
1つの有用な態様において、シリカスラリーはシリカビーズ、例えば直径50−500μmのビーズを得るために噴霧乾燥機で乾燥される。これは、デグリッティング後に、またはスラリーがpH調整後なおも噴霧可能であるとの条件でpH調整後に直接行うことができる。噴霧可能なスラリーは、任意に、前記のようにアルミン酸ナトリウムの使用によって得ることができる。このようなビーズは、それらの最大寸法の軸に沿って測定して約1−10mmのようなより大きい粒体を得るために、常用の手段でさらに粒状化することができる。
上記諸工程を含む方法により、前記範囲内のような高度の純度および制御された比表面積を有する粉末、マイクロビーズまたは粒体の形態をしたシリカが得られる。
前記のように、ある特定の有用な態様において、カンラン石は鉱酸溶液に前もって定められた速度で加えられる。これは色々な手段で、例えばカンラン石粒子が酸溶液中にカンラン石の流束を制限する直径を持つパイプを通して流入するか、またはカンラン石を酸溶液に色々な搬送手段のどれか、例えばコンベヤーベルトまたはスクリューフィーダーにより供給することができるシステムまたは装置を使用することによって成し遂げることができる。カンラン石添加の適した速度は、使用される容器、攪拌手段等々の構成および規模(容積および寸法)のような多くの因子に依存する。カンラン石は、また、反応器に水または酸と一緒に供給されてもよい。カンラン石添加の速度が制御される態様では、カンラン石の粒度は、相対的に速い添加が適用される態様におけるよりも、生成シリカの得られる比表面積に対して実質的に大きい影響がある。従って、カンラン石添加の速度が本明細書に記載されるように制御される場合は、約0.40mm未満の粒度を有するカンラン石が好ましく、そして0.30mm未満、例えば0.20mm未満の粒度のものがさらに好ましい。ある特定の態様において、非一定添加速度を有することが、即ち添加を第一速度で始め、その第一速度を添加プロセス中に1回または2回以上変えることが有益なことがある。1つの態様において、カンラン石は、カンラン石約1−10g/当量の酸(equivalent acid)/分の範囲を含めてカンラン石約0.2−20g/当量の酸/分の範囲のようなカンラン石約0.1−50g/当量の酸/分の範囲内の速度で加えられる。この文脈における用語・当量は通常のイオン当量用語を指すものであって、中和反応に与る物質の1当量は、その反応において1モルの水素イオンに寄与するか、または1モルの水素イオンを消費するかのいずれかである物質のその量である。
実施例1
使用されるカンラン石(ノルウェー、A/S Olivin社からのAFS 120)の化学組成が表1に示され、そして篩分け試験の結果が表2に示される。これは随伴鉱物を比較的高含有量で有する微粉の画分である。
Figure 2006508010
Figure 2006508010
カンラン石の溶解のために2Lの広口丸底フラスコを用いた。混合物をPTFE(テフロン)製の櫂形攪拌機(掃引直径70mm)で攪拌した。攪拌シャフト(ガラス製)は傾けられ、そして530rpmの速度で攪拌した。反応器には水冷還流コンデンサーが取り付けられていた。上記フラスコおよびその内容物を95℃に保たれた油浴上で加熱した。カンラン石の溶解を次のようにして行った:反応器に2024gの20重量%塩酸を入れ、そしてその酸を70℃まで加熱した。カンラン石(450g)をその酸の中に漏斗を通して約20秒で注ぎ入れた。カンラン石の酸への添加後加熱を続け、そして温度をカンラン石の酸への添加時間から記録した。その溶液を約2時間加熱し、同時に攪拌を続けた。温度は約85℃から約109℃までの範囲に及んだ。
攪拌を止め、そして未溶解固体を30−90秒の範囲内の短時間沈降させた。次に、そのスラリーを沈降物から吸引した。このようにして取り出したスラリーは、シリカから除去するのがより困難なある種の未溶解鉱物質を依然として含んでいる。明らかに、このシリカはフロック化または凝集され、そして小さい粒状未溶解鉱物はシリカフロック(凝集物)の一部を構成しているように思われる。シリカがフロック化または凝集されるということは、速い濾過速度をもたらすと思われるから、濾過には有益である。
スラリーを次に2つの部分に分け、そして各部分を真空下で24cmのプラスチックブフナー漏斗により熱時濾過し(濾過時間20−25分)、かつ冷水(600mL、25−30分)で、次いで熱水(1600mL、30−35分)で洗浄した。そのフィルターケーキの固形分含有量は25重量%であることが見いだされた。
フィルターケーキのpHは、10gのフィルターケーキを25mLの蒸留水中でスラリー化し、そしてpHを測定することによって求めたが、それは約5であり、またこのスラリーの導電率は6−8μS/cmであった。
フィルターケーキの一部を次いで少量の水に加え、そのpHを2.9に調整し、そして超音波ホーンを約250mLのスラリー中に浸漬し、1−2分間処理することによって超音波を利用してシリカを分散させた。そのスラリーにさらに多くのフィルターケーキを加え、そのpHを2.9に調整し、次いでそのスラリーを超音波処理に付した。このプロセスを低粘度スラリーがそのフィルターケーキ全てから作られるまで繰り返した。
上記スラリーを10−20分で約10cm沈降させることによってデグリッティングを行った。そのスラリーを次に沈降物から吸引し、そしてその沈降物を若干の水で再びスラリー化し、超音波で処理し、再び沈降させ、そしてスラリーを吸引して取り出した。こうして21.5重量%の固形分含有量を有する白色のデグリットされたシリカスラリーが得られた。このシリカスラリーの色はデグリッティング中に灰色がかった色から白色に変化した。最終沈降物(不純物を有する)は灰色であった。この沈降によりシリカが幾らか失われる。デグリッティング後にそのスラリーを次いで噴霧乾燥した。その試料を分析した;結果は表3に記載される。
実施例2
この実施例は、2065gの22%の酸を用い、そして500gのカンラン石を用いたことを除いて実施例1と同じ方法で行われた。洗浄後のフィルターケーキのpHは約5であり、それを水中でpH3においてスラリー化し、そして前記のようにデグリットした。22重量%の固形分含有量を有するスラリーが得られ、このスラリーを噴霧乾燥した。この試料の分析データは表3に示される。
実施例3
この実施例は、カンラン石の量が約2044gであり、また109℃での加熱時間が数分長かったことを除いて実施例1と同じ方法で行われた。シリカフィルターケーキを、また、濾過後のフィルターケーキのpH(実施例1におけるように測定)が6.1となるようにもっと大量の水で洗浄した。このフィルターケーキから低粘度スラリーを得るために、より大量の水を加えることが必要であり、その結果スラリーの固形分含有量は実施例1の21.5%および実施例2の22%と比較してたった8%に過ぎなかった。このスラリーを実施例1に記載したようにデグリットし、そして濾過し、それから105℃のオーブン中で一晩乾燥した。このシリカ試料の分析からの結果は表3に示される。
Figure 2006508010
実施例1および2は、pH約3においてデグリッティングすることによって、デグリットし得、次いで比較的少ない使用エネルギーで直接乾燥し得る低粘度の高固形分含有量スラリーを得ることが可能であることを証明している。しかし、スラリーがpH約6でデグリットされるならば、そのスラリーははるかに多く希釈されなければならず、この場合スラリーがデグリットされ得るほどの約8%の固形分含有量は乾燥前に追加の濾過工程を要する。本発明者は約21−22重量%の固形分含有量を有するスラリーのpHを水酸化ナトリウム(または他の塩基)でpH約3からpH約6−7まで増加させることによって、粘度が非常に大きく増大し、そのため非常に粘稠なペーストが得られることを経験した。このペーストは遠心・フラッシュ乾燥のような乾燥プロセスに付すことができる。このスラリーのpHは、任意に、米国特許第4,537,699号明細書に記載されるように、アルミン酸ナトリウムで6−7まで増加させることができ、その結果多分噴霧乾燥することができる、より低い粘度のスラリーがもたらされるだろう。
実施例4
前の実験におけると同じカンラン石を用いた;表1を参照されたい。1134gの10.4%塩酸を100℃にセットされた油浴上で94℃まで加熱した。この反応器に130gのカンラン石を約10秒で注ぎ入れた。この反応混合物の温度は14分で102℃まで上昇したが、その後温度はゆっくり下がり始めた。28分後にその反応器に832gの室温の34.6%塩酸を注ぎ入れた。温度が94.5℃まで上昇したとき、(開始から41.5分の時点に)320gのカンラン石のさらなる添加を開始した。カンラン石を20gずつに分けて3−5分毎に添加し、また数gの水を用いて供給漏斗を洗い流した。この実験中の温度分布は図1に見られる。カンラン石添加の時間は、この図で、カンラン石と水を加えると直ぐの僅かな温度降下により最もしばしば分かる。この実験中の温度は常に沸点より低かった;図1を参照されたい。カンラン石の添加は130gのカンラン石の最初の添加後85分で完了した。カンラン石添加の平均速度はカンラン石0.47g/当量の酸/分の添加速度に相当する。加熱をカンラン石の添加が完了した後さらに110分間続けた。室温まで冷却されたスラリー試料のpHは−0.65であることが見いだされた。この結果得られたスラリーを次に2つの部分に分けて、24cmのブフナー漏斗で熱時濾過した;濾過時間は約5分に過ぎなかった。500gの冷水および1600mLの熱水による洗浄の総時間は約14分であった。そのフィルターケーキからのデグリット済みシリカ試料は約165m/gの比表面積を有していた。そのフィルターケーキのpHは約7である(得られたスラリーにおいて、10gのフィルターケーキを25mLの蒸留水中でスラリー化することによって測定)ことが見いだされ、またそのフィルターケーキの固形分含有量は24.8%であることが見いだされた。
このフィルターケーキから、23.8%の固形分含有量を有するpH3.1の低粘度スラリーを作ることが可能であった。このスラリーは20秒−1の剪断速度において18mPaの粘度を有し、デグリッティングに適していることが見いだされた。粘度はカップ組立(cup setup)のコーンにおいてStresstech Rheometer(スウェーデン、Pheologica Instruments AB)を用いて測定した。
実施例5
この実験で使用したカンラン石の組成は以下に示される:
Figure 2006508010
このカンラン石試料の粒度は100μm未満である。
この試料を磁気処理に付し、その結果カンラン石以外の他の鉱物、例えばクロム鉄鋼が減少した含有量でもたらされた。
23.4重量%塩酸の溶液を油浴上で90℃まで加熱し、そしてこの塩酸溶液にカンラン石60%および水40%より成るスラリーを加えた。約150gのカンラン石(および100gの水)を500gの上記熱酸溶液に約93分で加えた。これはカンラン石0.50g/当量の酸/分の添加速度に相当する。得られたスラリーの計算酸濃度は19.5%である。
油浴の温度を95℃に設定した。カンラン石添加の最初の30−40分後に温度は約100℃まで上昇し、そしてカンラン石添加が完了して約5分後までそのレベルに留まったが、その後降下し、そして約15分で約95℃に達した。加熱をカンラン石添加が完了した後約1時間続けた。
この実験は、シリカの大きな部分で、速やかに沈降し、シリカを未溶解鉱物から分離するのを困難にするより大きな凝集物を形成させるように思われた。シリカは容易に濾過された。
上記2つの実験からのシリカの比表面積は約60m/gであった。これは、同じカンラン石を冷塩酸に加え、そして加熱したときにそのカンラン石試料から得られたシリカの比表面積と比較することができる。その場合、シリカの比表面積は274m/gであった。このシリカ試料は非常にゆっくり濾過された。同じカンラン石を20重量%溶液としての当量の90℃熱塩酸に短時間(10秒)で加える(カンラン石275g/当量の酸/分の添加速度に相当)と、ゼラチン状のシリカが得られ、その場合シリカの一部は反応器の内壁に堅いゲルを形成する。このゲルは反応器の強力攪拌のために動いている攪拌可能なスラリーとは混ざらなかった。このスラリーからのシリカの試料を濾過し、洗浄し、そして乾燥した。それは420m/gの比表面積を有することが見いだされた。
実施例6
この実験では、カンラン石をもっと速い速度、即ち55分で約150gの速度において加えたことを除いて実施例5の条件を繰り返した。これはカンラン石0.85g/当量の酸/分の添加速度に相当する。この実験からのシリカの比表面積は110m/gであった。
実施例7
この実験では、カンラン石をカンラン石2.5g/当量の酸/分の添加速度に相当するより速い速度で加えたことを除いて実施例5の条件を繰り返した。この実験からのシリカの比表面積は175m/gであった。
実施例8
この実験では100−500μmの粒度を有するカンラン石を用いた;以下において表5の組成を参照されたい。
Figure 2006508010
この試料を磁気処理に付し、その結果カンラン石以外の他の鉱物、例えばクロム鉄鋼が減少した含有量でもたらされた。
塩酸(20重量%、740g)を95℃の熱油浴上で85℃まで加熱した。次に、この酸に150gのカンラン石を約15秒で加えた;これはカンラン石150g/当量の酸/分の添加速度に相当する。この混合物の温度は次いで約16分で104℃まで上昇した。さらに4分後に温度は低下し始める。カンラン石の添加が完了した後、総加熱時間は2時間であった。得られたシリカを前記のように濾過し、洗浄し、デグリットし、そして乾燥した。得られたシリカのBET比表面積は150m/gであることが見いだされた。
実施例9
この実験は、カンラン石の添加時間がをカンラン石4.1g/当量の酸/分の添加速度に相当する9分であったことを除いて実施例7におけるのと同じ方法で行われた。カンラン石の添加後の総加熱時間は2時間であり、そして得られたシリカは100m/gの比表面積を有することが見いだされた。
実施例4−9は、カンラン石の熱塩酸に対する添加速度を制御することによって、得られるシリカの比表面積を制御することが可能であることを示している。添加速度が速ければ速いほど、得られるシリカの比表面積は大きい。また、これらの実施例から、この効果は大きな粒状シリカについてよりも細かい粒状シリカでより著しいこと、および1つだけのカンラン石グレードの細かい粒状シリカを用いることによって異なる性質を有するシリカ粉末を製造することが可能であることも明らかである。
実施例10
シリカを工業規模で製造する装置系が図2に略図として示される。不純物としての鉱物を低含有量で有する、本明細書に記載される適した粒度、好ましくは200μm未満の粒度を持つカンラン石(1)は、攪拌されている槽反応器(3)中の70−90℃まで加熱されている塩酸(2)に加えられる。任意に、塩酸は、再循環され、そしてHClの吸収のために使用されている希薄なブラインに由来する若干の溶解金属塩化物を含んでいることができる。カンラン石の添加速度は制御される。(攪拌されている槽反応器に代えて、少なくとも加熱の初めの約30分について、管状の連続反応器を用いることも可能であろう。)上記混合物は約1−2時間加熱され、続いて反応器は空にされる。
(3)からのブライン、シリカおよび未溶解鉱物のスラリーは、そのブライン/シリカスラリーから粗い未溶解鉱物のほとんどを分離するために液体サイクロンH1(4)中で処理される。より細かい未溶解鉱物の一部はシリカブライン/スラリーと共に液体サイクロンH1からそのオーバーフロー中に進む。粗い未溶解鉱物はアンダーフローへと進む。ブライン/シリカスラリー(液体サイクロンH1からのオーバーフロー)は濾過され、そしてフィルタープレス(6)中において水(5)でそのフィルターケーキのpHが所望とされる純度に応じて約4−6になるまで洗浄される。濃厚ブラインより成る濾液と洗浄プロセスの始めに回収された溶液とが合わされ、そしてさらに加工処理される(7)。洗浄プロセスにおいて後で回収されたより希薄なブラインは貯蔵槽に移される(8)。希薄な再循環ブラインは、任意に、洗浄プロセスの最初の部分のために使用することができる。フィルターケーキは、約20%の固形分含有量を有する低粘度シリカ水スラリーを得るために、液体サイクロンH2(10)およびH3(11)からのオーバーフローを、そして任意に若干の水および酸を用いて溶解機(9)または同様の装置中でスラリー化される。その結果得られるスラリーのpHは約3.5である。残っている細かい未溶解鉱物は、液体サイクロンH4(12)中でシリカスラリーから分離される。液体サイクロンH4(12)からのオーバーフロー(「デグリットされた」シリカスラリーより成る)は以下で説明されるようにさらに処理されるが、そのアンダーフローはスラリー槽(13)中で水(5)によりスラリー化され、その結果得られるスラリーはポンプで液体サイクロンH3(11)に給送される。希薄なシリカスラリーより成る液体サイクロンH3(11)からのオーバーフローは、溶解機(9)中でフィルターケーキからスラリーを作るために用いられる。未溶解鉱物、シリカおよび水より成るアンダーフローは廃棄物処分(14)の前にさらに処理することができる。
液体サイクロンH1からのアンダーフロー中の未溶解鉱物(およびシリカ)はフィルター(15)中で濾過され、そしてフィルタープレス(6)中での濾過および洗浄のために前記のように洗浄される。そのフィルターケーキは、次に、スラリー槽(16)の中でpH約3−4において水でスラリー化される。液体サイクロンH2(10)中の希薄シリカスラリーから未溶解鉱物が分離される。液体サイクロンH2(10)からのシリカスラリー(オーバーフロー)は、溶解機(9)中でフィルタープレスからのフィルターケーキからスラリーを作るために、液体サイクロンH3(11)からのオーバーフローと一緒に用いられる。液体サイクロンH2(10)からのアンダーフローはH3(11)からのアンダーフローと一緒に廃棄物(14)に進む。
(別法として、液体サイクロンH2(10)およびH3(11)からのオーバーフローは、それら異なる液体サイクロンからのオーバーフロー中のシリカの性質が異なるならば、別々に処理して他のシリカグレードのものを製造することができる。)
液体サイクロンH4(12)からのシリカスラリー(オーバーフロー)のpHは、槽TC(17)(または静的ミキサー)中でNaOH(16)(約1kg/トン・シリカ)でpH約6.5に調整され、その結果得られる濃厚なペースト(18)(約20重量%固形分)は適当な乾燥機で直接乾燥されるか、または乾燥前に熟成されるかのいずれかがなされる。
実施例4で説明される浸出実験中の塩酸−カンラン石スラリーの温度分布を示す線図である。 本発明の方法の1態様を実施するための、実施例10で説明される商業規模の設備を略図として図示する。

Claims (13)

  1. 制御された比表面積を有する粉末形態のシリカを製造する方法であって:
    (a)適切な粒度を持つカンラン石粒子を用意し;
    (b)上記カンラン石と約50−110℃の範囲内の温度にある鉱酸溶液とを混合し、そして約50−500m/gの範囲内の制御されたBET比表面積を有するシリカを得るために約10−600分の範囲内の期間反応させ;
    (c)任意に、得られたシリカスラリーから未溶解カンラン石の少なくとも一部分および他の鉱物を分離してよく;
    (d)該シリカスラリーを濾過してそのシリカから溶解金属塩を分離し、そしてそのシリカフィルターケーキを洗浄し;
    (e)該シリカフィルターケーキを水溶液中でスラリー化して約10−30%の範囲内の固形分含有量を有する低粘度スラリーを得;
    (f)該シリカスラリーから鉱物質不純物を分離し;
    (g)任意に、該シリカスラリーのpHを所望のpH値に調整してよく;
    (h)上記シリカスラリーを乾燥して
    制御された比表面積を有する粉末形態の高純度シリカを得る工程を含む上記の方法。
  2. 工程(e)において、シリカフィルターケーキを水溶液中でスラリー化して約1〜約5の範囲内にあるpHの低粘度スラリーを得る、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(e)において、アルミン酸ナトリウムをスラリーに加えて低粘度スラリーを得る、請求項1に記載の方法。
  4. 工程(g)において、シリカスラリーのpHを約5〜約8.5の範囲内のpH値に調整する、請求項1に記載の方法。
  5. カンラン石を約70〜約110℃の範囲内の温度に加熱されている鉱酸溶液に溶解させる、請求項1に記載の方法。
  6. カンラン石を前もって決められた速度で鉱酸溶液に加える、請求項1に記載の方法。
  7. カンラン石を、鉱酸に前もって決められた速度で加えられる水溶液中でスラリー化する、請求項1に記載の方法。
  8. 前もって決められた添加速度がカンラン石約0.1−50g/当量の酸/分の範囲内である、請求項6に記載の方法。
  9. カンラン石粒子が実質的に直径約0.200mm未満の粒度を有する、請求項6に記載の方法。
  10. 鉱酸が約10〜約37重量%の範囲内の塩酸から成る、請求項1に記載の方法。
  11. シリカスラリーを噴霧乾燥機中で乾燥させてシリカビーズを得る、請求項1に記載の方法。
  12. シリカ粉末を粒状化させる、請求項1に記載の方法。
  13. シリカビーズを粒状化させる、請求項11に記載の方法。
JP2004554905A 2002-11-27 2003-11-27 カンラン石からシリカを製造する方法 Expired - Fee Related JP4537857B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IS6635A IS2013B (is) 2002-11-27 2002-11-27 Aðferð til framleiðslu á kísli
PCT/IS2003/000035 WO2004048264A2 (en) 2002-11-27 2003-11-27 A process for production of silica from olivine

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006508010A true JP2006508010A (ja) 2006-03-09
JP4537857B2 JP4537857B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=36715406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004554905A Expired - Fee Related JP4537857B2 (ja) 2002-11-27 2003-11-27 カンラン石からシリカを製造する方法

Country Status (14)

Country Link
US (1) US8110166B2 (ja)
EP (1) EP1572588B1 (ja)
JP (1) JP4537857B2 (ja)
KR (1) KR20050091710A (ja)
CN (1) CN100384728C (ja)
AT (1) ATE496868T1 (ja)
AU (1) AU2003302410B8 (ja)
CA (1) CA2507016C (ja)
DE (1) DE60335910D1 (ja)
ES (1) ES2360358T3 (ja)
IS (1) IS2013B (ja)
NO (1) NO20053132L (ja)
RU (1) RU2338687C2 (ja)
WO (1) WO2004048264A2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO20040167L (no) 2004-01-14 2005-07-15 Cod Technologies As Prosess for fremstilling av utfelt silika fra olivin
EP1785396A1 (en) * 2005-11-09 2007-05-16 Nederlandse Organisatie voor Toegepast-Natuuurwetenschappelijk Onderzoek TNO Process for preparing a metal hydroxide
WO2015065185A1 (en) 2013-10-29 2015-05-07 Caprigemini B.V. Silica particles and method of preparation thereof
CN103601200B (zh) * 2013-11-15 2016-04-13 中国科学院生态环境研究中心鄂尔多斯固体废弃物资源化工程技术研究所 一种生产硅胶的新工艺
EA034324B1 (ru) 2015-05-06 2020-01-28 Алльянс Магнезиум Способ получения аморфного диоксида кремния с регулируемой удельной площадью поверхности из серпентина
CN109850911B (zh) * 2019-04-08 2023-11-28 原初科技(北京)有限公司 一种利用氯化氢气体浸取硅酸盐矿制备超细二氧化硅的系统及方法
JP2022544772A (ja) 2019-08-13 2022-10-21 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー カルシウム含有岩石および鉱物から酸化カルシウムまたは普通ポルトランドセメントを作製するプロセス
CN114477191B (zh) * 2022-01-20 2023-04-18 武汉大学 一种液态胶体纳米氧化硅、制备方法及用途
CN115316508A (zh) * 2022-10-13 2022-11-11 天津冶建特种材料有限公司 一种含有二氧化硅的饲料添加剂及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55109215A (en) * 1979-02-13 1980-08-22 Elkem Spigerverket As Method of leaching silicate ore
JPS59102812A (ja) * 1982-11-24 1984-06-14 ロ−ヌ−プ−ラン・シミイ・ドウ・バ−ス 沈降シリカのスラリ−の流動学的性質の改良方法
JPS60161320A (ja) * 1984-02-02 1985-08-23 Nippon Sheet Glass Co Ltd シリカゲルの製造方法
JPH07238169A (ja) * 1993-12-28 1995-09-12 Shimizu Corp ケイ酸重合体の製造方法
JPH09502688A (ja) * 1993-09-06 1997-03-18 オレルード,スヴェイン かんらん石から球状シリカを製造する方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2863727A (en) * 1957-01-28 1958-12-09 Columbia Southern Chem Corp Treatment of silica
GB883476A (en) * 1957-11-01 1961-11-29 Columbia Southern Chem Corp Process for the production of finely divided particles of silica
AT377958B (de) 1980-06-27 1985-05-28 Steirische Magnesit Ind Ag Verfahren zur herstellung von aktiver kieselerde
EP1373139B1 (en) * 2000-11-02 2011-08-24 Silica Tech ANS Extraction of silica and magnesium compounds from olivine

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55109215A (en) * 1979-02-13 1980-08-22 Elkem Spigerverket As Method of leaching silicate ore
JPS59102812A (ja) * 1982-11-24 1984-06-14 ロ−ヌ−プ−ラン・シミイ・ドウ・バ−ス 沈降シリカのスラリ−の流動学的性質の改良方法
JPS60161320A (ja) * 1984-02-02 1985-08-23 Nippon Sheet Glass Co Ltd シリカゲルの製造方法
JPH09502688A (ja) * 1993-09-06 1997-03-18 オレルード,スヴェイン かんらん石から球状シリカを製造する方法
JPH07238169A (ja) * 1993-12-28 1995-09-12 Shimizu Corp ケイ酸重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2003302410A1 (en) 2004-06-18
CN1717367A (zh) 2006-01-04
CN100384728C (zh) 2008-04-30
CA2507016A1 (en) 2004-06-10
WO2004048264A2 (en) 2004-06-10
KR20050091710A (ko) 2005-09-15
JP4537857B2 (ja) 2010-09-08
AU2003302410B8 (en) 2009-09-17
AU2003302410B2 (en) 2009-08-27
IS6635A (is) 2004-05-28
DE60335910D1 (de) 2011-03-10
US8110166B2 (en) 2012-02-07
EP1572588A2 (en) 2005-09-14
RU2338687C2 (ru) 2008-11-20
WO2004048264A3 (en) 2004-08-26
ATE496868T1 (de) 2011-02-15
US20060051279A1 (en) 2006-03-09
RU2005119002A (ru) 2006-01-27
IS2013B (is) 2005-06-15
EP1572588B1 (en) 2011-01-26
NO20053132D0 (no) 2005-06-27
NO20053132L (no) 2005-08-23
ES2360358T3 (es) 2011-06-03
CA2507016C (en) 2011-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8114371B2 (en) Process for production of precipitated silica from olivine
JP4537857B2 (ja) カンラン石からシリカを製造する方法
JP2003500192A (ja) 無機材料の加工に由来する本質的に水性の流体の処理のための方法
AU2015314413A1 (en) Process for manufacturing a milk of slaked lime of great fineness and milk of lime of great fineness thereby obtained
JPH0411489B2 (ja)
JP2002255534A (ja) 高次構造を有する沈澱シリカ
US20090242491A1 (en) Method of treating silicon powder-containing drainage water
JP4630240B2 (ja) シリコン粉含有排水の処理方法
Dewati et al. Precipitated silica from pumice and carbon dioxide gas (CO2) in bubble column reactor
JP2001519453A (ja) 部分的に中和された脂肪酸を使用するフリーフローイング粒子状材料の生成
JPH10502902A (ja) 水酸化マグネシウムスラリー
JPWO2013069720A1 (ja) 研磨剤リサイクル方法
WO2016037972A1 (en) Process for manufacturing a milk of slaked lime of great fineness and milk of lime of great fineness thereby obtained
JP2004182555A (ja) 水酸化アルミニウム及びその製造方法
JP3786717B2 (ja) 炭酸カルシウム分散体の調製方法
JP2001114514A (ja) 分散性に優れた紡錘状炭酸カルシウムの製造法
JP2006044978A (ja) アルミニウム製造工程において排出される含水アルミニウムスラッジを用いたゼオライトの製造方法
RU2197430C2 (ru) Способ переработки отходов апатито-нефелиновой флотации
US20230416107A1 (en) Recycling of components contained in a residue obtained from the chloride process
JP2002284523A (ja) 二酸化チタン−炭酸カルシウム改質複合粒子の製造方法
WO1999035086A1 (en) A process for the preparation of granular silica
JP2006076815A (ja) アルミナ粉末及びアルミナゾルの製造方法γ
JP2009155160A (ja) ボーキサイト溶解残渣の中和方法及び水酸化アルミニウム製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100618

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees