JP2006347815A - 多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法 - Google Patents

多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 他の金属成分の分別回収を行ないながら硫酸ニッケルの回収が可能な多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法を提供する。
【解決手段】 多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジを無機酸に溶解させ溶解液を回収する無機酸抽出工程と、溶解液から銅イオンを除去する銅イオン除去工程と、銅イオン除去液から水酸化クロム澱物を分離しクロムイオン除去液を回収するクロムイオン除去工程と、クロムイオン除去液から水酸化第二鉄澱物を分離し処理液を回収する鉄イオン除去工程と、処理液から亜鉛イオンを除去してから水酸化ニッケル澱物を回収するニッケル分別回収工程と、水酸化ニッケル澱物から硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、硫酸ニッケル溶液から晶析させた硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ニッケルめっきで発生するめっき廃液スラッジと他の金属めっきで発生するめっき廃液スラッジが混合した多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジから硫酸ニッケル等の有価物を回収して資源化する処理方法に関する。
ニッケルめっき廃液スラッジ中のニッケル分を回収する方法として、ニッケルめっき廃液スラッジに硫酸を加えて固形分を溶解させて溶解液を調製し、この溶解液から冷却晶析法により硫酸ニッケル結晶を晶析させて回収する方法、及びニッケル分の回収率を更に大きくするために、溶解液から硫酸ニッケル結晶を晶析させて回収すると共に、硫酸ニッケル結晶を濾過した濾液に鉄粉を加えて濾液中に残留するニッケルイオンを鉄粉表面に析出させて回収する冷却晶析処理とセメンテーション処理を組み合わせた方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、ニッケルめっき廃液スラッジに硫酸を添加して固形分を溶解した溶解液に炭酸カルシウムを加えると共に溶解液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに変えてからpH調整して鉄分を除去したニッケル原液を形成し、このニッケル原液に水酸化カルシウムを添加しpH調整して生成及び回収したニッケル含有石膏に酸を加えて水酸化ニッケルとして溶解させてニッケル分を抽出し、これに硫酸を加えて生成させた硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行なって硫酸ニッケル結晶を晶析させて回収する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−284848号公報 特開2005−15272号公報
一般に、めっき処理工場では、単一種の金属めっき処理を行なった際に発生するめっき廃液スラッジの量は少なく、しかも、2種類以上の金属めっき処理工程を有している場合が多いため、各金属めっき処理工程で発生するめっき廃液スラッジは混合処理され、めっき処理工場からは多成分の金属成分を含有した状態のめっき廃液スラッジが搬出され最終処分場で埋立処分されているのが現状である。一方、めっき廃液スラッジから有価金属を効率的に回収(再資源化)しようとする場合、発生しためっき廃液スラッジを、例えば、貯留タンク内に貯留しておき、めっき廃液スラッジが一定量に達した時点で一括処理して有価金属を回収することが経済性の観点から望ましい。
従って、処理対象となるめっき廃液スラッジは、ニッケルめっきで発生するめっき廃液スラッジに限定されず、例えば、銅めっき、クロムめっき、及び亜鉛めっきを行なった際に発生した各めっき廃液スラッジが混入し多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの状態になっている。ここで、特許文献1及び2に記載した発明を、例えば、銅、クロム、亜鉛、鉄、及びニッケルを含有した多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに適用する場合、回収される鉄及びニッケルにそれぞれ銅、クロム、及び亜鉛が混入することになる。このため、各有価金属の分別回収を精度よく行なうことができないという問題がある。そして、回収されるニッケル及び鉄の純度が低下し資源としての利用価値も低下するという問題も生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ニッケルめっき工程で発生するめっき廃液スラッジに他の金属めっき工程で発生するめっき廃液スラッジが混合した多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジから他の金属成分の分別回収を行ないながら硫酸ニッケルを回収することが可能な多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法は、銅、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を得る無機酸抽出工程と、
前記溶解液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整し、該溶解液中の銅イオンと鉄を置換し表面に銅が析出した銅付着鉄粉を分離して銅イオン除去液とする銅イオン除去工程と、
前記銅イオン除去液に酸化剤を加え該銅イオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する酸化処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程と、
前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有する。
ここで、銅、鉄、及びニッケルには、銅、鉄、及びニッケルの金属に加えてこれらの化合物も含まれる。
第1の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記第二鉄中和処理及び前記ニッケル中和処理のいずれか一方又は双方で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。ここで、前回とは、バッチ処理を行なう場合に限定されず連続処理を行なう場合も含み、連続処理の場合では、時間的に先行したことを指す。
これによって、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができる。更に、アルカリ剤を希釈して加えることにより、アルカリ剤を加えたときに高pH領域が局所的に形成されるのが防止できる。
前記目的に沿う第2の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法は、クロム、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を得る無機酸抽出工程と、
前記溶解液に還元剤を加え該溶解液中の3価鉄イオンを2価鉄イオンにする還元処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該溶解液中のクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行ない、生成した水酸化クロム澱物を分離してクロムイオン除去液とするクロムイオン除去工程と、
前記クロムイオン除去液に酸化剤を加え該クロムイオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する酸化処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程と、
前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有する。
ここで、クロムには、クロムの金属に加えてこれらの化合物も含まれる。
前記目的に沿う第3の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法は、銅、クロム、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を得る無機酸抽出工程と、
前記溶解液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整し、該溶解液中の銅イオンと鉄を置換し表面に銅が析出した銅付着鉄粉を分離して銅イオン除去液とする銅イオン除去工程と、
前記銅イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該銅イオン除去液中のクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行ない、生成した水酸化クロム澱物を分離してクロムイオン除去液とするクロムイオン除去工程と、
前記クロムイオン除去液に酸化剤を加え該クロムイオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する酸化処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程と、
前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有する。
第2及び第3の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記クロム中和処理、前記第二鉄中和処理、及び前記ニッケル中和処理のいずれか1又は2以上で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の残りの一部を用いて希釈され、該残液の残りは前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。ここで、前回とは、バッチ処理を行なう場合に限定されず連続処理を行なう場合も含み、連続処理の場合では、時間的に先行したことを指す。
これによって、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができる。更に、アルカリ剤を希釈して加えることにより、アルカリ剤を加えたときに高pH領域が局所的に形成されるのが防止できる。
第1〜第3の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源を加えて生成した石膏を分離して該残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、該硫酸根除去液の一部又は全部を前記処理液に混合することができる。
硫酸根除去液中には晶析で回収できなかったニッケルイオンが含まれているので、硫酸根除去液を処理液に加えることで含有されるニッケルイオン量を大きくすることができ、ニッケル中和処理時の水酸化ニッケル澱物の生成量を大きくすることができる。
第1〜第3の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液を前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。
これによって、残硫酸ニッケル溶液中に残留している各金属成分の再回収を行なうことができる。
第1の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジが更に亜鉛を有する場合は、前記ニッケル分別回収工程で、該ニッケル分別回収工程で使用する前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中の亜鉛イオンから水酸化亜鉛澱物を生成させて分離する亜鉛分別回収処理を施してから前記ニッケル中和処理を行なうことが好ましい。
これによって、水酸化ニッケル澱物を生成させる際に、水酸化亜鉛澱物が共沈するのを防止することができる。
また、前記第二鉄中和処理、前記ニッケル中和処理、及び前記亜鉛分別回収処理で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。
これによって、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができる。更に、アルカリ剤を希釈して加えることにより、アルカリ剤を加えたときに高pH領域が局所的に形成されるのが防止できる。
第2及び第3の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジが更に亜鉛を有する場合は、前記ニッケル分別回収工程で、該ニッケル分別回収工程で使用する前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中の亜鉛イオンから水酸化亜鉛澱物を生成させて分離する亜鉛分別回収処理を施してから前記ニッケル中和処理を行なうことが好ましい。
これによって、水酸化ニッケル澱物を生成させる際に、水酸化亜鉛澱物が共沈するのを防止することができる。
また、前記クロム中和処理、前記第二鉄中和処理、前記ニッケル中和処理、及び前記亜鉛分別回収処理のいずれか1又は2以上で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。
これによって、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができる。更に、アルカリ剤を希釈して加えることにより、アルカリ剤を加えたときに高pH領域が局所的に形成されるのが防止できる。
第1〜第3の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源を加えて生成した石膏を分離して該残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、該硫酸根除去液の一部又は全部を前記処理液から亜鉛イオンを除去した後のニッケルイオン含有液に混合することができる。
硫酸根除去液中には晶析で回収できなかった硫酸ニッケルが含まれているので、硫酸根除去液にはニッケルイオンが含まれ、この液をニッケルイオン含有液に加えることで含有されるニッケルイオン量を大きくすることができ、ニッケル中和処理時の水酸化ニッケル澱物の生成量を大きくすることができる。
また、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液を前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。
これによって、残硫酸ニッケル溶液中に残留している各金属成分の再回収を行なうことができる。
また、分離された前記水酸化亜鉛澱物に対して、該水酸化亜鉛澱物を無機酸に溶解させて亜鉛含有液を調製する無機酸抽出処理と、
前記亜鉛含有液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整して該亜鉛含有液中のニッケルイオンと鉄を置換し表面にニッケルが析出したニッケル付着鉄粉を分離したニッケルイオン除去亜鉛含有液を形成するニッケルイオン分離処理と、
前記ニッケルイオン除去亜鉛含有液に酸化剤を加え該ニッケルイオン除去亜鉛含有液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化してからpHを調整して該3価鉄イオンから生成した水酸化第二鉄澱物を分離して鉄イオン除去亜鉛含有液を形成する鉄イオン分離処理と、
前記鉄イオン除去亜鉛含有液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該鉄イオン除去亜鉛含有液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変えて、水酸化亜鉛含有率の高い澱物を回収する水酸化亜鉛再回収処理とを施すことが好ましい。
前記目的に沿う第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法は、銅、亜鉛、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を回収する無機酸抽出工程と、
前記溶解液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該溶解液中の銅イオンを水酸化銅に変える銅中和処理を行ない、生成した水酸化銅澱物を分離した銅イオン除去液とする銅イオン除去工程と、
前記銅イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該銅イオン除去液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変える亜鉛中和処理を行ない、生成した水酸化亜鉛澱物を分離した亜鉛イオン除去液を形成する亜鉛イオン除去工程と、
前記亜鉛イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該亜鉛イオン除去液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有する。
第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記銅中和処理、前記亜鉛中和処理、及び前記ニッケル中和処理のいずれか1又は2以上で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。
これによって、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができる。更に、アルカリ剤を希釈して加えることにより、アルカリ剤を加えたときに高pH領域が局所的に形成されるのが防止できる。
第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、分離した前記水酸化亜鉛澱物に対して、該水酸化亜鉛澱物を無機酸に溶解させて亜鉛含有液を調製する無機酸抽出処理と、
前記亜鉛含有液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整して該亜鉛含有液中のニッケルイオンと鉄を置換し表面にニッケルが析出したニッケル付着鉄粉を分離したニッケルイオン除去亜鉛含有液を形成するニッケルイオン分離処理と、
前記ニッケルイオン除去亜鉛含有液に酸化剤を加え該ニッケルイオン除去亜鉛含有液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化してからpHを調整して該3価鉄イオンから生成した水酸化第二鉄澱物を分離して鉄イオン除去亜鉛含有液を形成する鉄イオン分離処理と、
前記鉄イオン除去亜鉛含有液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該鉄イオン除去亜鉛含有液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変えて、水酸化亜鉛含有率の高い澱物を回収する水酸化亜鉛再回収処理とを施すことが好ましい。
第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記水酸化亜鉛再回収処理で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈されるのが好ましい。
これによって、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができる。更に、アルカリ剤を希釈して加えることにより、アルカリ剤を加えたときに高pH領域が局所的に形成されるのが防止できる。
第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源を加えて生成した石膏を分離して該残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、該硫酸根除去液の一部を前記溶解液、前記銅イオン除去液、及び前記亜鉛イオン除去液のいずれか1又は2以上に混合することができる。
硫酸根除去液中には晶析で回収できなかった硫酸ニッケルが含まれているので、硫酸根除去液にはニッケルイオンが含まれ、この液を溶解液、銅イオン除去液、及び亜鉛イオン除去液のいずれか1又は2以上に混合することで含有されるニッケルイオン量を大きくすることができ、ニッケル中和処理時の水酸化ニッケル澱物の生成量を大きくすることができる。
第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液を前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することができる。
これによって、残硫酸ニッケル溶液中に残留している各金属成分の再回収を行なうことができる。
第1〜第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記無機酸抽出工程で、前記溶解処理物にカルシウム源を加え該溶解処理物中の硫酸根と反応させて石膏を生成させ、該石膏を前記不溶解分と共に除去することが好ましい。
これによって、不溶解分中に石膏を存在させることができ、不溶解分層の濾過抵抗を低下させて不溶解分層中で溶解液の移動を容易に行なわせることができる。
第1〜第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記無機酸抽出工程で、前記溶解処理物から前記不溶解分を除去してからカルシウム源を加えて硫酸根と反応させて石膏を生成させ、該石膏を除去して前記溶解液とすることもできる。
硫酸根の含有量を低下させることにより、使用できるアルカリ剤の範囲を拡大することができ、例えば、カルシウムを含むアルカリ剤を使用しても、水酸化物中に混入する石膏量を低減させることができる。
第1〜第4の発明に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記無機酸は塩酸とすることができる。
塩酸を使用することで、溶解液中で各金属分を塩化物の状態で存在させることができ、各金属分を水酸化物の状態で容易に回収することができる。
請求項1〜23記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジからニッケルを除く各金属を順次分別回収することができると共に、ニッケル分は硫酸ニッケルとして回収することが可能になる。その結果、回収された各金属分を資源として有効利用することが可能になると共に、回収された硫酸ニッケルをそのままニッケルめっきにおいて再利用することが可能になる。
特に、請求項2、5、9、11、16及び18記載の成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、再資源化処理の各工程から系外に排出される排水量を抑制することができ、排水処理コストを低減すると共に、環境に与える負荷も低減することが可能になる。更に、アルカリ剤を希釈して加えて高pH領域が局所的に形成されるのが防止されるので、複数の金属の水酸化物が同時に生成するのを防止することが可能になる。その結果、金属成分の分別回収精度を向上することができる。
請求項6、7、12、13、19及び20記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、処理液中のニッケルイオン含有量を大きくして水酸化ニッケル澱物の生成量を大きくすることができ、硫酸ニッケルの生成量を大きくすることが可能になる。その結果、晶析する硫酸ニッケル結晶の量を増大することが可能になる。
請求項8、10記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、水酸化ニッケル澱物を生成させる際に、水酸化亜鉛澱物が共沈するのを防止することができるので、水酸化ニッケルの含有率の高い水酸化ニッケル澱物を得ることが可能になる。
請求項14及び17記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、水酸化亜鉛澱物に含まれるニッケル成分を分離して回収するので、回収される水酸化亜鉛の純度を高めることができ、回収された水酸化亜鉛含有率の高い澱物の利用を図ることが可能になると共に、総合ニッケル回収率を大きくすることが可能になる。
請求項21記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、不溶解分中に石膏を存在させることができ、不溶解分層の濾過抵抗を低下させて不溶解分層中で溶解液の移動を容易に行なわせることができ、溶解液を容易に得ることが可能になる。
請求項22記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、硫酸根の含有量が低下するため消石灰等のカルシウムを含む安価なアルカリ剤を使用することができ、安価に処理を行なうことが可能になる。
請求項23記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法においては、溶解液中で各金属分を塩化物の状態で存在させて各金属分を水酸化物の状態で容易に回収することができ、各金属成分の回収精度及び回収率を共に大きくすることが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図、図2は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における硫酸根除去処理の説明図、図3は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における銅イオン除去工程の説明図、図4は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法におけるクロムイオン除去工程の説明図、図5は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における鉄イオン除去工程の説明図、図6は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における亜鉛分別回収処理の説明図、図7は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における水酸化亜鉛の精製を行なう際の説明図、図8は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法におけるニッケル分別回収工程の説明図、図9は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における硫酸抽出工程及び硫酸ニッケル回収工程の説明図、図10は本発明の第2の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図、図11は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における硫酸根除去処理の説明図、図12は本発明の第3の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図、図13は同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における銅イオン除去工程の説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法(以下、単に廃液スラッジの再資源化処理方法という)は、例えば、銅、クロム、亜鉛、鉄、及びニッケルがいずれも水酸化物の状態で存在する多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸の一例である塩酸を加えて溶解処理物を形成し、溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液とする無機酸抽出工程と、溶解液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整し、溶解液中の銅イオンと鉄を置換して表面に銅が析出した銅付着鉄粉を分離し銅イオン除去液とする銅イオン除去工程とを有している。
また、廃液スラッジの再資源化処理方法は、銅イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、銅イオン除去液中のクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行ない、生成した水酸化クロム澱物を分離してクロムイオン除去液とするクロムイオン除去工程と、クロムイオン除去液に酸化剤の一例である過酸化水素水を加えてクロムイオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化してからアルカリ剤を加えてpHを調整し、3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程とを有している。
更に、廃液スラッジの再資源化処理方法は、処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、処理液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変える亜鉛中和処理を行ない、生成した水酸化亜鉛澱物を分離する亜鉛分別回収処理を行なってから、更に、アルカリ剤を加えてpHを調整し、ニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、回収した水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収し残硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸ニッケル回収工程と、残硫酸ニッケル溶液を多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合する残硫酸ニッケル溶液循環工程とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
図1に示すように、無機酸抽出工程では、先ず、多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジを受け入れ加水し撹拌混合して、例えば、固形分濃度が10重量%程度のスラリーを調製する(リパルプ)。次いで、このスラリーに塩酸を加えてpHを2以下、例えば、0.8程度に調整して、5〜20分間撹拌する。このとき、スラリーの温度を30〜80℃、例えば、40℃に調整する。以上の操作により、スラリー中の固形分(各金属の水酸化物)は、下記の反応によりイオンとなって溶解する(以上、塩酸溶解処理)。
Cr(OH)3 +3H+ +3Cl- → Cr3++3Cl- +3H2
Cu(OH)2 +2H+ +2Cl- → Cu2++2Cl- +2H2
Fe(OH)2 +2H+ +2Cl- → Fe2++2Cl- +2H2
Fe(OH)3 +3H+ +3Cl- → Fe3++3Cl- +3H2
Ni(OH)2 +2H+ +2Cl- → Ni2++2Cl- +2H2
Zn(OH)2 +2H+ +2Cl- → Zn2++2Cl- +2H2
続いて、溶解処理物に消石灰を加え、pHを3以下、例えば、0.9程度に調整しながら、溶解処理物に含まれる硫酸根と反応させて石膏(硫酸カルシウム)を生成させる(石膏生成処理)。そして、石膏を含有している溶解処理物を、例えば、フィルタープレスで処理して不溶解分を固層(以下、ケーキという)として分離して、クロム、銅、鉄、ニッケル、及び亜鉛の各イオンが含まれる溶解処理液を回収する(固液分離処理)。なお、ケーキとして分離した不溶解分は廃棄物として処分する。このとき、生成した石膏はケーキ側に移行するので、ケーキの透水性が大きくなって、溶解処理液の回収率が大きくなる。ここで、分離したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキ側に残留している各金属イオンを洗い流すようにする。これによって、各金属イオンの回収率が更に大きくなる。
次いで、図2に示すように、回収した溶解処理液にカルシウム源の一例である炭酸カルシウムを加え、温度を30〜80℃、例えば、60℃に保ってpHを1以上で3以下、例えば2程度に調整して、溶解処理液中に残留する硫酸根と反応させて石膏を生成させて、溶解処理液中の硫酸根を除去する。そして、石膏を含む溶解処理液を、例えば、フィルタープレスで固液分離して石膏を取り除いて溶解液とする(硫酸根除去処理)。なお、分離した石膏を洗浄水を用いて洗浄し、石膏側に残留している各金属イオンを洗い流すようにする。これによって、各金属イオンの回収率を大きくすることができる。また、炭酸カルシウムの代りに、塩化カルシウムを使用することもできる。そして、分離した石膏は、石膏ボード等の石膏製品の原料として利用できる。
ここで、石膏生成処理で生成させる石膏量は、ケーキの透水性を改善するのに必要な量に制限することが好ましい。これによって、石膏生成量を抑えてケーキの発生量(不溶解分と石膏の総和)を少なくして廃棄物処理の負担を軽減することができると共に、硫酸根除去処理工程で発生する石膏量を多くして、有効利用可能な石膏の増産を図ることができる。
図3に示すように、回収した溶解液に鉄粉を加えると共に、pHが3以下になるように塩酸を加え、更に溶解液の温度を30〜80℃、例えば40℃に保って溶解液の酸化還元電位(ORP)を−400〜−100mV、例えば−250mV程度に調整して所定時間(例えば、15〜30分間)撹拌する(セメンテーション処理)。これによって、溶解液中の銅イオンと鉄の間で下記に示す化学反応が進行し、鉄粉表面に銅が析出した銅付着鉄粉が形成され、溶解液中の銅イオンが除去される。ここで、鉄粉としては、例えば、アトマイズ鉄粉、転炉ダスト精製鉄粉を使用することができる。
2Fe3++Fe → 3Fe2+
Cu2++Fe → Cu↓+Fe2+ (セメンテーション処理)
Fe+2H+ +2Cl- → Fe2++2Cl- +H2
そして、所定時間経過後、銅付着鉄粉が懸濁している液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して銅付着鉄粉をケーキとして分離し、クロム、鉄、ニッケル、及び亜鉛の各イオンが含まれる銅イオン除去液を回収する(以上、銅イオン除去工程)。分離したケーキは洗浄水で洗浄し、ケーキ側に付着しているクロム、鉄、ニッケル、及び亜鉛の各イオンを洗い流すようにする。ここで、分離した銅付着鉄粉は、例えば、銅精錬原料として利用できる。
図4に示すように、回収した銅イオン除去液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、アルカリ剤の一例である水で希釈した苛性ソーダを加えてpHを3以上で5以下、例えば、4.2程度に調整して所定時間(例えば、15〜30分間)撹拌する(クロム中和処理)。これによって、銅イオン除去液中のクロムイオンと苛性ソーダの間で下記に示す化学反応が進行し、クロムイオンが水酸化クロムに変化する。
Cr3++3Cl- +3Na+ +3OH- → Cr(OH)3 ↓+3Na+ +3Cl-
そして、所定時間経過後、水酸化クロム澱物を含んだ銅イオン除去液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化クロム澱物をケーキとして分離し、鉄、ニッケル、及び亜鉛の各イオンが含まれるクロムイオン除去液を回収する(以上、クロムイオン除去工程)。ここで、分離したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキ側に付着している鉄、ニッケル、及び亜鉛の各イオンを洗い流すようにする。これによって、鉄、ニッケル、及び亜鉛の各イオンの回収率を大きくすることができる。なお、分離した水酸化クロム澱物は、例えば、クロム精錬原料として利用できる。
図5に示すように、回収したクロムイオン除去液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、酸化剤の一例である過酸化水素を加えてクロムイオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する(酸化処理)。次いで、アルカリ剤の一例である水で希釈した苛性ソーダを加えてpHを2.5以上で5以下、例えば、3.5程度に調整して所定時間(例えば、15〜30分間)撹拌する(第二鉄中和処理)。これによって、クロムイオン除去液中の3価鉄イオンと苛性ソーダの間で下記に示す化学反応が進行し、3価鉄イオンが水酸化第二鉄に変化する。
2Fe2++2Cl- +H22 → 2FeOCl+2Cl- +2H+
FeOCl+Cl- +H+ +2Na+ +2OH-
→ Fe(OH)3 ↓+2Na+ +2Cl-
Fe3++3Cl- +3Na+ +3OH- → Fe(OH)3 ↓+3Na+ +3Cl-
そして、所定時間経過後、水酸化第二鉄澱物を含んだ液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化第二鉄澱物をケーキとして分離し、ニッケル及び亜鉛の各イオンが含まれる処理液を回収する(以上、鉄イオン除去工程)。ここで、分離したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキ側に付着しているニッケル及び亜鉛の各イオンを洗い流すようにする。これによって、ニッケル及び亜鉛の各イオンの回収率を大きくすることができる。なお、回収した水酸化第二鉄澱物は、例えば、塩化鉄原料として利用できる。
図6に示すように、回収した処理液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、アルカリ剤の一例である水で希釈した苛性ソーダを加えてpHを4.0以上で7.0以下、例えば、5.7程度に調整して所定時間(例えば、50〜80分間)撹拌する(亜鉛中和)。これによって、処理液中の亜鉛イオンと苛性ソーダの間で下記に示す化学反応が進行し、亜鉛イオンが水酸化亜鉛に変化する。
Zn2++2Cl- +2Na+ +2OH- → Zn(OH)2 ↓+2Na+ +2Cl-
そして、所定時間経過後、水酸化亜鉛澱物を含んだ液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化亜鉛澱物をケーキとして分離し、ニッケルイオンが含まれるニッケルイオン含有液を回収する(亜鉛分別回収処理)。ここで、分離したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキ側に付着しているニッケルイオンを洗い流すようにする。これによって、ニッケルイオンの回収率を大きくすることができる。なお、回収した水酸化亜鉛澱物は、例えば、亜鉛原料として利用できる。
また、回収した水酸化亜鉛澱物に対して水酸化亜鉛の純度を高める水酸化亜鉛の精製を行なう。水酸化亜鉛の精製工程では、図7に示すように、先ず回収した水酸化亜鉛澱物に加水してスラリーを形成し、このスラリーの温度を30〜80℃、例えば、60℃保持して無機酸の一例である塩酸を加えpHを1以下に調整する。これによって、スラリー中では、下記の反応により水酸化亜鉛澱物と水酸化亜鉛澱物と共に共沈した水酸化ニッケル澱物が溶解し亜鉛含有液が形成される(無機酸抽出処理)。
Ni(OH)2 +2H+ +2Cl- → Ni2++2Cl- +2H2
Zn(OH)2 +2H+ +2Cl- → Zn2++2Cl- +2H2
次いで、亜鉛含有液に鉄粉を添加すると共に、塩酸を加えてpHが3以下になるようにして、更に、亜鉛含有液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保って、亜鉛含有液の酸化還元電位を−400〜−600mVの範囲に調整して撹拌する。これによって、亜鉛含有液中のニッケルイオンと鉄の間で下記に示す化学反応が進行し、鉄粉表面にニッケルが析出したニッケル付着鉄粉が形成され、亜鉛含有液からニッケルイオンが分離される。
Ni2++Fe → Ni↓+Fe2+
Fe+2H+ +2Cl- → Fe2++2Cl- +H2
そして、ニッケル付着鉄粉が懸濁している液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理してニッケル付着鉄粉をケーキとして分離しニッケルイオン除去亜鉛含有液とする(ニッケルイオン分離処理)。なお、分離したニッケル鉄粉は合金原料として利用できる。
続いて、回収したニッケルイオン除去亜鉛含有液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、酸化剤の一例である塩素を加え、下記の反応によりニッケルイオン除去亜鉛含有液中の2価鉄イオンを酸化して3価鉄イオンに酸化処理する。
2Fe2++4Cl- +Cl2 → 2Fe3++6Cl-
そして、アルカリ剤の一例である炭酸カルシウムを加えてpHを2.5以上で5.0以下、例えば、3.5程度に調整する。これによって、ニッケルイオン除去亜鉛含有液中の3価鉄イオンと炭酸カルシウムの間で下記に示す化学反応が進行し、3価鉄イオンが水酸化第二鉄に変化する第二鉄中和が生じる。
2Fe3++6Cl- +3CaCO3 +3H2 O → 2Fe(OH)3 ↓+3Ca2++6Cl- +3CO2
更に、水酸化第二鉄澱物を含んだ液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化第二鉄澱物をケーキとして分離し、鉄イオン除去亜鉛含有液とする(鉄イオン分離処理)。これによって、ニッケル回収時に加えた鉄を除去することができる。なお、分離した水酸化第二鉄澱物に塩酸を加えて塩化第二鉄溶液を生成させると凝集剤として利用できる。
回収した鉄イオン除去亜鉛含有液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、アルカリ剤の一例である苛性ソーダを加えてpHを7〜12の範囲に調整しする。これによって、鉄イオン除去亜鉛含有液中の亜鉛イオンと苛性ソーダの間で下記に示す化学反応が進行し、亜鉛イオンが水酸化亜鉛に変化する。
Zn2++2Cl- +2Na+ +2OH- → Zn(OH)2 ↓+2Na+ +2Cl-
そして、水酸化亜鉛を含んだ液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化亜鉛澱物をケーキとして回収し液を分離する(水酸化亜鉛再回収処理)。なお、回収した水酸化亜鉛澱物(水酸化亜鉛含有率の高い澱物)は、例えば、亜鉛原料として利用でき、分離した液は水処理設備に搬送し処理してから排水する。
図8に示すように、亜鉛分別回収処理を施して得られたニッケルイオン含有液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、アルカリ剤の一例である水で希釈した苛性ソーダを加えてpHを7以上で12以下に調整して所定時間(例えば、20〜50分間)撹拌する(ニッケル中和処理)。これによって、ニッケルイオンと苛性ソーダの間で下記に示す化学反応が進行し、ニッケルイオンが水酸化ニッケルに変化する。
Ni2++2Cl- +2Na+ +2OH- → Ni(OH)2 ↓+2Na+ +2Cl-
そして、所定時間経過後、水酸化ニッケル澱物を含んだ液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化ニッケル澱物をケーキとして回収し、残液を分離する(ニッケル分別回収工程)。ここで、回収したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキ側に付着している残液を洗い流すようにする。これによって、ケーキに付着する残液を少なくして、水酸化ニッケル中に含まれる不純物量を低減することができる。なお、回収した水酸化ニッケル澱物の一部は、例えば、ニッケル原料としても利用できる。
ここで、残液の一部を、クロム中和処理、第二鉄中和処理、及び亜鉛中和処理でそれぞれ使用される苛性ソーダを希釈する水の代りに使用する。更に、残液の残りの一部を多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジからスラリーを調製する際に使用する水の一部として利用し、残部は排水する。これによって、苛性ソーダを希釈する水の使用量、及び多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジからスラリーを調製する際の水の使用量を削減して処理コストを低減することができる。更に、水の使用が削減されるため、ニッケル分別回収工程で発生する残液の絶対量を低減することができる。
図9に示すように、回収した水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えてpHを1以下に調整すると共に温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、水酸化ニッケルと硫酸の間で下記に示す化学反応を起こさせて硫酸ニッケル溶液を形成する(硫酸抽出工程)。
Ni(OH)2 +2H+ +SO4 2- → Ni2++SO4 2- +2H2
このとき、水酸化ニッケル澱物に付着して持ち込まれたカルシウムイオンは、硫酸と反応して石膏を生成する。このため、硫酸ニッケル溶液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して生成した石膏をケーキとして分離し、硫酸ニッケルを含んだ1次濾液を回収する。更に、回収したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、再度フィルタープレスを行なって、ケーキ側に付着している硫酸ニッケルを2次濾液とし、硫酸抽出工程に循環使用するか、又は1次濾液に加える。これによって、水酸化ニッケル澱物に付着して持ち込まれたカルシウムイオンを石膏として分離できる。なお、水酸化ニッケル澱物中にカルシウムイオンが実質的に残留していない場合は、この固液分離処理を省略することができる。
続いて、1次濾液を、例えば、真空中で加熱して水を蒸発させて、例えば、比重が1.4以上になるまで濃縮を行なう。次いで、濃縮された1次濾液を、−20〜20℃の温度範囲、例えば0℃に保持して冷却晶析処理を行なう。冷却晶析処理中に下記の反応が進行し、硫酸ニッケル結晶が晶析し、晶析した硫酸ニッケル結晶を、例えば、遠心分離を行なって回収して残硫酸ニッケル溶液を分離する(以上、硫酸ニッケル回収工程)。
Ni2++SO4 2- +6H2 O → NiSO4 ・6H2 O↓
そして、分離した残硫酸ニッケル溶液中のソーダとカルシウムの含有量を測定し、ソーダとカルシウムの含有量が少ない内は残硫酸ニッケル溶液を水酸化ニッケル澱物と混合する。また、ソーダとカルシウムの含有量が多くなると、残硫酸ニッケル溶液を多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合する。これによって、硫酸ニッケル回収工程でソーダとカルシウムが濃縮されるのが防止でき、回収される硫酸ニッケル結晶中のソーダ及びカルシウムの混入量を抑制できる。また、残硫酸ニッケル溶液を、多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジからスラリーを調製する際の水の一部として使用することによって水の使用量を削減して処理コストを低減することができる。更に、水の使用が削減されるため、ニッケル分別回収工程で発生する残液の絶対量を低減することができる。
図10に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法(以下、単に廃液スラッジの再資源化処理方法という)は、残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源の一例である炭酸カルシウムを加えて残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、この硫酸根除去液をニッケルイオン含有液に混合して利用する残硫酸ニッケル溶液の硫酸根除去処理と、無機酸抽出工程において溶解処理物に硫酸根除去液を形成する際に生成した石膏を混合する濾過助剤混合処理を設けたことを特徴としており、その他の工程は第1の実施の形態に係る廃液スラッジの再資源化処理方法と実質的に同一である。このため、残硫酸ニッケル溶液の硫酸根除去処理及び濾過助剤混合処理についてのみ説明する。
図11に示すように、残硫酸ニッケル溶液に対する硫酸根除去処理は、分離した残硫酸ニッケル溶液に炭酸カルシウムを加え、温度を30〜80℃、例えば、60℃に保ってpHを1以上で3以下、例えば2程度に調整して、残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根と反応させて石膏を生成させる。これによって、残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去することができる。そして、生成した石膏が懸濁している液を、例えば、フィルタープレスで固液分離して石膏を取り除いて硫酸根除去液を回収する。回収された硫酸根除去液中にはニッケルイオンが含まれているため、ニッケルイオン含有液に混合して再度ニッケル中和処理を行なうことにより、水酸化ニッケル澱物の回収率を大きくすることができる。ここで、分離したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキに付着したニッケルイオンを洗い流し、硫酸根除去液と混合する。これによって、回収するニッケルイオン量を多くすることができる。なお、炭酸カルシウムの代りに、塩化カルシウムを使用することもできる。
また、残硫酸ニッケル溶液に対する硫酸根除去処理で生成した石膏を溶解処理物に加えてから石膏生成処理を行なうことにより、石膏生成処理で生成させる石膏量を少なくしても固液分離処理の効率を高位に維持することができる。更に、石膏生成処理時に生成する石膏量を少なくすることで、硫酸根量の低下を防止することができ、硫酸根除去処理で生成させる石膏量を増加させることができる。このため、有効利用可能な石膏量を多くすることができる。
図12に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法(以下、単に廃液スラッジの再資源化処理方法という)は、例えば、銅、亜鉛、及びニッケルがいずれも水酸化物の状態で存在する多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸の一例である塩酸を加えて溶解処理物を形成し、溶解処理物から不溶解分を除去した溶解処理液に消石灰を加えて溶解処理液中の硫酸根と反応させて生成した石膏を除去して溶解液とする硫酸根除去処理を行なう無機酸抽出工程と、溶解液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、溶解液中の銅イオンを水酸化銅に変える銅中和処理を行ない、生成した水酸化銅澱物を分離して銅イオン除去液とする銅イオン除去工程とを有している。
また、廃液スラッジの再資源化処理方法は、銅イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、銅イオン除去液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変える亜鉛中和処理を行ない、生成した水酸化亜鉛澱物を分離して亜鉛イオン除去液とする亜鉛イオン除去工程と、亜鉛イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、亜鉛イオン除去液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、生成した水酸化ニッケル澱物を生成するニッケル分別回収工程と、回収した水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収して残硫酸ニッケル溶液を分離する硫酸ニッケル回収工程と、残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源の一例である消石灰を加えて残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、この硫酸根除去液を亜鉛イオン除去液に混合(溶解液、銅イオン除去液に混合してもよい)して利用する残硫酸ニッケル溶液の硫酸根除去処理を有している。
ここで、無機酸抽出工程は、第1の実施の形態に係る廃液スラッジの再資源化処理方法における塩酸抽出工程と実質的に同一の処理内容とすることができるので、詳細な説明は省略する。
そして、図13に示すように、無機酸抽出工程で回収した溶解液の温度を30〜80℃、例えば60℃に保ち、アルカリ剤の一例である水で希釈した苛性ソーダを加えてpHを4以上で6以下、例えば、5程度に調整して所定時間(例えば、20〜50分間)撹拌する(銅中和処理)。これによって、溶解液中の銅イオンと苛性ソーダの間で下記に示す化学反応が進行し、銅イオンが水酸化銅に変化する。
Cu2++2Cl- +2Na+ +2OH- → Cu(OH)2 ↓+2Na+ +2Cl-
そして、所定時間経過後、水酸化銅澱物を含んだ液を、例えば、フィルタープレスで固液分離処理して水酸化銅澱物をケーキとして分離し、ニッケル及び亜鉛の各イオンが含まれる銅イオン除去液を回収する(以上、銅イオン除去工程)。ここで、分離したケーキを洗浄水を用いて洗浄し、ケーキ側に付着しているニッケル及び亜鉛の各イオンを洗い流すようにする。これによって、ニッケル及び亜鉛の各イオンの回収率を大きくすることができる。なお、回収した水酸化銅澱物は、例えば、銅精錬原料として利用できる。
また、銅イオン除去工程に続く亜鉛分別回収工程、ニッケル分別回収工程、硫酸抽出工程、及び硫酸ニッケル回収工程は第1の実施の形態に係る廃液スラッジの再資源化処理方法における亜鉛分別回収処理を含むニッケル分別回収工程、硫酸抽出工程、及び硫酸ニッケル回収工程とそれぞれ実質的に同一の処理内容とすることができ、分離した水酸化亜鉛澱物に対して行なう水酸化亜鉛の精製工程は第1の実施の形態に係る廃液スラッジの再資源化処理方法における水酸化亜鉛精製処理工程と実質的に同一の処理内容とすることができ、残硫酸ニッケル溶液の硫酸根除去処理は第2の実施の形態に係る廃液スラッジの再資源化処理方法における残硫酸ニッケル溶液の硫酸根除去処理と実質的に同一の処理内容とすることができるので、詳細な説明は省略する。
なお、水酸化ニッケル澱物を含んだ液から水酸化ニッケル澱物をケーキとして回収して得られる残液の一部を、銅中和処理、亜鉛中和処理及びニッケル中和処理でそれぞれ使用する苛性ソーダを希釈する水の代りに使用し、残液の残りの一部は多成分含有ニッケルめっきスラッジに混合する。これによって、苛性ソーダを希釈する水の使用量を削減して処理コストを低減することができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
(実施例1)
銅、クロム、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジから、銅、クロム、鉄、及びニッケルを順に分別回収した。図14に多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図、図15〜図17に多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細工程説明図を示す。
図15に示すように、多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジ(315.6g、固形分は100.0g)に水分を加えて、スラリー濃度が約10重量%程度となるようにスラリーを調製(リパルプ)した(S−1)。使用した多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの組成を表1に示す。
Figure 2006347815
ここで、処理開始時では上水を使用するが、水酸化ニッケル澱物を回収して得られる残液及び残硫酸ニッケル溶液が得られるようになった時点で、上水の代りに残液及び残硫酸ニッケル溶液を使用する。定常状態となった時点では、残液508.4g及び残硫酸ニッケル溶液287.0gを組み合わせて使用する。使用した残液及び残硫酸ニッケル溶液の組成を表2に示す。このような操作を行なうと、多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに対して、ニッケルが4.2g添加されたことになる。
Figure 2006347815
続いて、スラリーの温度が40℃となるように加熱しながら、pHが0.8程度になるように15%塩酸529.1gを添加して10分間撹拌し固形分を溶解させる塩酸溶解処理(S−2)を行なった。塩酸溶解処理中のスラリーのpHは0.8、温度は39℃であった。
次いで、塩酸溶解処理が終了して得られた溶解処理物の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが2程度になるように消石灰97.6gを添加して20分間撹拌し、溶解処理物中の硫酸根と反応させて石膏を生成させ硫酸根除去処理を行なった(S−3)。硫酸根除去処理開始時のpHは1.1、温度は65℃であり、硫酸根除去処理が完了したときのpHは1.2、温度は57℃であった。そして、溶解処理物を静置し、生成した石膏を溶解処理物中の不溶解分と共に不溶解残滓として沈降させた(S−4)。
溶解処理物の上澄み液を回収すると共に、不溶解残滓をフィルタープレスを用いて圧搾して不溶解残滓に付着している液を回収すると共に、ケーキ状の不溶解残滓に洗浄水150gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して上澄み液に混合して溶解液とする固液分離処理を行なった(S−5)。不溶解残滓及び溶解液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す(以上、無機酸抽出工程)。
回収した溶解液(1471.2g)に鉄粉18.0gを添加すると共に、pHが3以下になるようにして、更に、溶解液の温度を40℃に保って、溶解液の酸化還元電位が−250mV程度となるようにして20分間撹拌し、鉄粉表面に銅を析出させて銅付着鉄粉を形成する銅回収処理を行なった(S−6)。なお、鉄粉投入時の液の酸化還元電位は−270mV、pHは0.9、液の温度は45℃であり、銅回収処理が終了したときの液の酸化還元電位は−305mV、pHは1.1、温度は43℃であった。次いで、銅回収処理の終了後、液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の銅付着鉄粉に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収し、搾液に混合して銅イオン除去液とする固液分離処理を行なった(S−7)。銅付着鉄粉及び銅イオン除去液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す(以上、銅イオン除去工程)。
回収した銅イオン除去液(1481.3g)の温度が60℃となるように加熱しながら、10%苛性ソーダ409.2gを添加してpHを4.2程度に調整し30分間撹拌してクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行なった(S−8)。なお、クロム中和処理開始時のpHは4.4、温度は61℃であり、クロム中和処理が終了したときのpHは3.9、液の温度は61℃であった。ここで、10%苛性ソーダは処理開始時では上水を使用して調製するが、残液が得られるようになった時点では、残液を使用する。
次いで、クロム中和処理が終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化クロム澱物に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収し、搾液と混合してクロムイオン除去液とする固液分離処理を行なった(S−9)。水酸化クロム澱物及びクロムイオン除去液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す。
図16に示すように、回収したクロムイオン除去液1667.4gの温度が40℃となるように加熱しながら、過酸化水素水6.7gを添加して10分間撹拌し、クロムイオン除去液中の第一鉄を第二鉄にする酸化処理を行なった(S−10)。なお、第一鉄の酸化処理開始時の酸化還元電位は662mV、pHは2.6、温度は24℃であり、酸化処理終了後の酸化還元電位は673mV、pHは2.6、温度は26℃であった。
次いで、酸化処理が終了した液の温度を60℃となるように加熱しながら、pHが3.5程度となるように48%苛性ソーダ14.5g及びpH調整用の15%塩酸を加えて30分間撹拌し、第二鉄イオンを水酸化第二鉄に変化させる第二鉄中和処理を行なった(S−11)。なお、第二鉄中和処理開始時のpHは3.5、液の温度は63℃であり、第二鉄中和処理が終了後のpHは3.5、温度は62℃であった。
そして、第二鉄中和処理の終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化第二鉄澱物に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収し搾液と混合して処理液とする固液分離を行なった(S−12)。水酸化第二鉄澱物及び処理液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す(以上、鉄イオン除去工程)。
回収した処理液の温度を60℃となるように加熱しながら、pHが10程度となるように48%苛性ソーダ56.2gを加えて30分間撹拌し、ニッケルイオンを水酸化ニッケルに変化させるニッケル中和処理を行なった(S−13)。なお、ニッケル中和処理開始時のpHは10、温度は58℃であり、ニッケル中和処理の終了後のpHは10、温度は61℃であった。
次いで、ニッケル中和処理が終了した液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化ニッケル澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収搾液と混合して残液とする固液分離処理を行なった(S−14)。水酸化ニッケル澱物及び残液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す(以上、ニッケル分別回収工程)。
回収した水酸化ニッケル澱物(211.1g、固形分43.0g)に水211.0gを加えて、スラリー濃度が約10重量%程度となるようにスラリーを調製(リパルプ)した(S−15)。次いで、図17に示すように、水酸化ニッケル澱物のスラリーの温度が60℃になるように加熱しながら、pHが0.7程度になるように70%硫酸196.7gを添加して10分間撹拌し、水酸化ニッケル澱物を硫酸に溶解させる硫酸抽出処理を行なった(S−16)。なお、硫酸抽出処理開始時のpHは0.8、温度は62℃であり、硫酸抽出処理が終了したときの液のpHは0.9、温度は62℃であった。
また、水酸化ニッケル澱物が硫酸と反応して硫酸ニッケルが生成する際に、水酸化ニッケル澱物と共に持ち込まれたカルシウムイオンと硫酸が反応して石膏が生成する。このため、硫酸抽出処理が終了した液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の石膏を主体とする不溶解残滓に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収し搾液に混合して硫酸ニッケル溶液とする固液分離処理を行なった(S−17)。石膏を主体とする不溶解残滓及び硫酸ニッケル溶液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す。
続いて、回収した硫酸ニッケル溶液644.7gを加熱して水分を346.2g蒸発させて濃縮し(S−18)、硫酸ニッケル濃縮液を作製した。そして、得られた硫酸ニッケル濃縮液を間接冷却して温度を0℃に保持して硫酸ニッケル結晶を晶析させ(S−19)、遠心分離して硫酸ニッケル結晶を回収すると共に残硫酸ニッケル溶液を分離した(S−20)。硫酸ニッケル結晶及び残硫酸ニッケル溶液の組成を表1及び表2にそれぞれ示す(以上、硫酸ニッケル回収工程)。なお、回収した硫酸ニッケルは66.8gで総合ニッケル回収率は62.6%であった。
(実施例2)
実施例1で使用したのと同一の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジから、銅、クロム、鉄、及びニッケルを順に分別回収した。このとき、無機酸抽出工程で、溶解処理物に消石灰を加え溶解処理物中の硫酸根と反応させて石膏を生成させる石膏生成処理と、生成した石膏を不溶解分と共に除去して溶解処理液を形成する固液分離処理と、溶解処理液に更に消石灰を加えて残留する硫酸根と反応させて石膏を生成させて除去して溶解液とする硫酸根除去処理を行なった。図18に実施例2における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の無機酸抽出工程の説明図を示す。
図18に示すように、多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに水分を加えて、スラリー濃度が約10重量%程度となるようにスラリーを調製(リパルプ)した(T−1)。ここで、処理開始時では上水を使用するが、残液及び残硫酸ニッケル溶液が得られるようになった時点で、上水の代りに残液及び残硫酸ニッケル溶液を使用する。定常状態となった時点では、残液601.2g及び残硫酸ニッケル溶液194.2gを組み合わせて使用する。
続いて、スラリーの温度が40℃となるように加熱しながら、pHが0.8程度になるように15%塩酸を初めに952.7g、続いて205.0gを添加して10分間撹拌し固形分を溶解させる塩酸溶解処理を行なった(T−2)。塩酸溶解処理中のスラリーのpHは0.9、温度は58℃であった。次いで、塩酸溶解処理が終了して得られた溶解処理物の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが1程度になるように消石灰56.1gを添加して20分間撹拌し、溶解処理物中の硫酸根と反応させて濾過助剤用の石膏を生成させた(T−3)。石膏生成時の溶解処理物のpHは0.9、温度は72℃であった。そして、石膏生成が終了したときのpHは0.9、温度は62℃であった。続いて、石膏生成後の溶解処理物をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収し、ケーキ状の石膏を含む不溶解残滓に洗浄水150gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収した。そして、搾液と回収した洗浄水をまとめて溶解処理液とした(T−4)。不溶解残滓及び溶解処理液の組成を表3に示す。
Figure 2006347815
次いで、溶解処理液の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが2程度になるように消石灰113.1gと48%苛性ソーダ14.1gを添加して20分間撹拌し、溶解処理液に残留する硫酸根と反応させて石膏を生成させ溶解処理液中の硫酸根除去を行なった(T−5)。硫酸根除去処理の開始時のpHは1.5、温度は77℃であった。そして、硫酸根除去処理が終了した時点のpHは2.0、温度は65℃であった。続いて、硫酸根除去処理が終了した溶解処理液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の石膏に洗浄水150gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して溶解液とする固液分離処理を行なった(T−6)。石膏及び溶解液の組成を表3に示す。
回収した溶解液(2225.2g)の温度が40℃となるように加熱しながら、pHが3以下になるようにして、酸化還元電位が−250mV程度となるように鉄粉19.8gを添加して20分間撹拌し、鉄粉表面に銅が析出させて銅回収を行なった(T−7)。ここで、銅回収完了後に回収した銅イオン除去液に対して順次行なうクロムイオン除去工程以降の各工程における処理は実施例1の場合と実質的に同様であるので詳細な説明を省略する。なお、実施例2の場合、総合ニッケル回収率は57.0%であった。
(実施例3)
実施例1で使用したのと同一の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジから、銅、クロム、鉄、及びニッケルを順に分別回収した。図19に多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図、図20〜図23に多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細工程説明図を示す。
図20に示すように、前回の処理時において残硫酸ニッケル溶液に消石灰を加えて生成させた石膏20.3gを多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに加えると共に、pHが0.8になるように15%塩酸34.0gを前回の処理時に発生した残液684.5gに希釈して加え、スラリー濃度が約10重量%程度のスラリーを調製(リパルプ)した(U−1)。
続いて、スラリーの温度が40℃となるように加熱しながら、pHが1程度になるように15%塩酸346.9gを添加して30分間撹拌し固形分を溶解させる塩酸溶解処理(U−2)を行なって溶解処理物を形成した。塩酸溶解処理開始時のスラリーのpHは1.0、温度は47℃であり、塩酸溶解処理終了時のスラリーのpHは1.0、温度は42℃であった。次いで、塩酸溶解処理が終了して得られた溶解処理物の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが2程度になるように消石灰9.8gを添加して15分間撹拌し、溶解処理物中の硫酸根と反応させて石膏を生成させて溶解処理物中の硫酸根除去処理を行なった(U−3)。硫酸根除去処理開始時の溶解処理物のpHは2.1、温度は43℃であり、硫酸根除去処理が終了した時点でのpHは2.7、温度は41℃であった。そして、硫酸根除去処理が終了した後の溶解処理物をフィルタープレスを用いて固液分離し、搾液回収すると共に、ケーキ状の石膏を含む不溶解残滓に洗浄水150gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合して溶解液とする固液分離処理を行なった(U−4)。不溶解残滓及び溶解液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。
Figure 2006347815
Figure 2006347815
回収した溶解液(1348.1g)の温度が40℃となるように加熱しながら、pHが3以下になるようにして、酸化還元電位が−250mV程度となるように鉄粉3.8gを添加して10分間撹拌し、鉄粉表面に銅を析出させて銅回収を行なった(U−5)。なお、銅回収開始時の溶解液の酸化還元電位は−310mV、pHは2.9、温度は41℃であり、銅回収が終了した時点での酸化還元電位は−311mV、pHは2.9、温度は45℃であった。
次いで、銅回収の終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、鉄粉表面に銅が析出したケーキ状の銅付着鉄粉に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して銅イオン除去液とする固液分離処理を行なった(U−6)。銅付着鉄粉及び銅イオン除去液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。
図21に示すように、回収した銅イオン除去液(1345.3g)の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが4.2程度になるように10%苛性ソーダ146.1gを添加して10分間撹拌し、クロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行なった(U−7)。クロム中和処理開始時の銅イオン除去液のpHは4.2、温度は63℃であり、クロム中和処理が終了したときのpHは4.2、温度は62℃であった。ここで、10%苛性ソーダは、前回の処理時に発生した残液を使用して調製する。
次いで、クロム中和処理が終了した後の銅イオン除去液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化クロム澱物に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合してクロムイオン除去液とする固液分離処理を行なった(U−8)。水酸化クロム澱物及びクロムイオン除去液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。
図21に示すように、回収したクロムイオン除去液(1337.1g)の温度が40℃となるように加熱しながら、過酸化水素水2.2gを添加して10分間撹拌し、クロムイオン除去液中の第一鉄イオンを酸化して第二鉄イオンに変化させた(U−9)。ここで、濾過助剤として、前回の処理時に発生した水酸化第二鉄澱物を20.0g加えた。なお、第一鉄イオンの酸化処理開始時のクロムイオン除去液の酸化還元電位は613mV、pHは2.3、温度は41℃であり、第一鉄イオンの酸化処理が終了したときの酸化還元電位は617mV、pHは2.1、温度は50℃であった。
次いで、第一鉄イオンの酸化処理が終了した液の温度を60℃となるように加熱しながら、pHが3.5程度となるように48%苛性ソーダ6.4gを加えて30分間撹拌し、第二鉄イオンを水酸化第二鉄に変化させる第二鉄中和処理を行なった(U−10)。なお、第二鉄中和処理時の液のpHは2.8、温度は64℃であり、第二鉄中和処理が終了したときの液のpHは3.4、温度は62℃であった。そして、第二鉄中和処理終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化第二鉄澱物に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して処理液とする固液分離処理を行なった(U−11)。水酸化第二鉄澱物及び処理液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。
図22に示すように、回収した処理液の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが10程度となるように48%苛性ソーダ48.1gを前回の処理時に発生した残液428.6gで希釈して加え30分間撹拌し、ニッケルイオンを水酸化ニッケルに変化させるニッケル中和処理を行なった(U−12)。なお、ニッケル中和処理開始時の液のpHは10.5、温度は56℃であり、ニッケル中和処理が終了したときの液のpHは10.2、温度は62℃であった。
次いで、ニッケル中和処理終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化ニッケル澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合して残液とする固液分離処理を行なった(U−13)。水酸化ニッケル澱物及び残液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。
回収した水酸化ニッケル澱物(225.1g、固形分35.5g)に水225.0gを加えて、スラリー濃度が約10重量%程度となるようにスラリーを調製(リパルプ)した(U−14)。次いで、水酸化ニッケル澱物のスラリーの温度が60℃になるように加熱しながら、pHが0.7程度になるように70%硫酸82.4gを添加して15分間撹拌し、水酸化ニッケル澱物を硫酸に溶解させる硫酸抽出処理を行なった(U−15)。なお、硫酸抽出処理開始時のスラリーのpHは0.7、温度は64℃であった。また、硫酸抽出処理が終了したときのpHは0.7、温度は63℃であった。
次いで、硫酸抽出処理が終了したスラリーをフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の不溶解分に洗浄水50gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して硫酸ニッケル溶液とする固液分離処理を行なった(U−16)。不溶解残滓び硫酸ニッケル溶液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。
図23に示すように、回収した硫酸ニッケル溶液を加熱して水分を393g蒸発させて濃縮し(U−17)、硫酸ニッケル濃縮液を作製した。そして、得られた硫酸ニッケル濃縮液を間接冷却して温度を0℃に保持して硫酸ニッケル結晶を晶析させ(U−18)、遠心分離して硫酸ニッケル結晶を回収すると共に残硫酸ニッケル溶液を分離した(U−19)。次いで、残硫酸ニッケル溶液に30%苛性ソーダ46.6gと水200gを加えてpHを2程度調整すると共に温度を60℃に保って10分間保持した(U−20)。pH調整開始時の液のpHは2.0、温度は76℃であり、10分間保持後の液のpHは1.9、温度は65℃であった。
続いて、液に30%塩化カルシウム100.0gを加えて温度を60℃、pHを2程度に調整して20分間保持して、液中に存在する硫酸根と塩化カルシウムを反応させて石膏を生成させた(U−21)。石膏生成開始時の液のpHは2.0、温度は60℃であり、石膏生成完了時の液のpHは1.9、温度は58℃であった。
次いで、液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の石膏に洗浄水100gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して硫酸根除去液とする固液分離処理を行なった(U−22)。硫酸ニッケル結晶、残硫酸ニッケル溶液、石膏、及び硫酸根除去液の組成を表4及び表5にそれぞれ示す。ここで、回収した硫酸根除去液の一部は次回の処理時にニッケル分別回収工程で使用する苛性ソーダの希釈液として保存する。なお、実施例3の場合、総合ニッケル回収率は61.4%であった。
(実施例4)
銅、亜鉛、及びニッケルを含有する多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジ(単に、めっきスラッジともいう)から、銅、亜鉛、及びニッケルを順に分別回収した。図24に多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細工程説明図、図25〜図28に多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の各操作説明を示す。
図25に示すように、めっきスラッジ(5000.0g、固形分1825.0g)を解砕し(V−1)、pHが0.5になるように15%塩酸9184.0gを加えてスラリーを調製し、スラリーの温度が40℃となるように加熱しながら60分間撹拌し固形分を溶解させて溶解処理液を得る塩酸溶解処理を行なった(V−2)。塩酸溶解処理開始時のスラリーのpHは0.5、温度は43℃であり、塩酸抽出終了時の溶解処理物のpHは0.5、温度は42℃であった。次いで、溶解処理物をフィルタープレスを用いて固液分離して搾液回収すると共に、ケーキ状の不溶解残滓に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して溶解液とする固液分離処理を行なった(V−3)。不溶解残滓及び溶解液の組成を表6及び表7にそれぞれ示す。
Figure 2006347815
Figure 2006347815
続いて、回収した溶解液500.0gに、前回の処理時に発生した残液1069.0g及び硫酸根除去液436.5gを加えて希釈して処理希釈液を形成した(V−4)。次いで、図26に示すように、処理希釈液(1988.1g)の温度が60℃となるように加熱しながら、pHが5程度になるように炭酸カルシウム26.2gを加えて30分間撹拌し、銅イオンを水酸化銅に変える銅中和処理を行なった(V−5)。なお、銅中和処理開始時の処理希釈液のpHは4.7、温度は57℃であり、銅中和処理の終了した時点でのpHは5.4、温度は62℃であった。処理希釈液の組成を表7に示す。
次いで、銅中和処理の終了後の処理希釈液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化銅澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合して銅イオン除去液とする固液分離処理を行なった(V−6)。水酸化銅澱物及び銅イオン除去液の組成を表6及び表7にそれぞれ示す。
また、回収した銅イオン除去液(2070.9g)の温度が60℃となるように加熱しながら、48%苛性ソーダ31.6gを前回の処理時に発生した残液534gで希釈して加えると共に補給水を42.2g加えて60分間撹拌し、亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変える亜鉛中和処理を行なった(V−7)。亜鉛中和処理開始時の銅イオン除去液のpHは6.8、温度は43℃であり、亜鉛中和処理が終了したときのpHは6.2、温度は61℃であった。
次いで、亜鉛中和処理の終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化亜鉛澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合して亜鉛イオン除去液とする固液分離処理を行なった。水酸化亜鉛澱物及び亜鉛イオン除去液の組成を表6及び表7にそれぞれ示す。
図27に示すように、回収した亜鉛イオン除去液(2619.9g)の温度が60℃となるように加熱しながら、48%苛性ソーダ65.2gを加え60分間撹拌し、ニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行なった(V−9)。ニッケル中和処理開始時の亜鉛イオン除去液のpHは11.4、温度は44℃であり、ニッケル中和処理が終了したときの液のpHは10.6、温度は61℃であった。
次いで、ニッケル中和処理が終了した液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化ニッケル澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を分離して搾液に混合して残液とする固液分離を行なった(V−10)。水酸化ニッケル澱物及び残液の組成を表6及び表7にそれぞれ示す。なお、回収した残液の一部は、溶解液から処理希釈液を調製する際の希釈液として、また亜鉛中和処理時に加える苛性ソーダの希釈液として保存し、残部は廃棄液として処理する。
回収した水酸化ニッケル澱物(143.1g、固形分30.0g)に水150gを加えてスラリーを調製(リパルプ)した(V−11)。次いで、水酸化ニッケル澱物のスラリーの温度が60℃になるように加熱しながら、pHが0.7程度になるように70%硫酸60.6gを添加して10分間撹拌し、水酸化ニッケル澱物を硫酸に溶解させる硫酸抽出処理(V−12)を行なった。なお、硫酸抽出処理開始時のスラリーのpHは0.4、温度は58℃であり、硫酸抽出処理が終了したときのpHは0.5、温度は60℃であった。次いで、硫酸抽出処理が終了したスラリーをフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の不溶解残滓に洗浄水100gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して硫酸ニッケル溶液とする固液分離処理を行なった(V−13)。不溶解残滓及び硫酸ニッケル溶液の組成を表6及び表7にそれぞれ示す。
図28に示すように、回収した硫酸ニッケル溶液391.5gを加熱して水分を259g蒸発させて濃縮し(V−14)、硫酸ニッケル濃縮液を作製した。そして、得られた硫酸ニッケル濃縮液を間接冷却して温度を0℃に保持して硫酸ニッケル結晶を晶析させてから遠心分離を行なって、硫酸ニッケル結晶を回収すると共に残硫酸ニッケル溶液を分離した(V−15)。硫酸ニッケル結晶と残硫酸ニッケル溶液の組成を表6、表7に示す。
次いで、残硫酸ニッケル溶液に水200gを加えて希釈し(V−16)、温度が60℃になるように加熱しながら30%塩化カルシウム133.6gを加えた。塩化カルシウムを加えることで、残硫酸ニッケル溶液のpHは0.3、温度は58℃になった。更に、炭酸カルシウム29.4gを加えて30分間撹拌し、残硫酸ニッケル溶液中に存在する硫酸根とカルシウムイオンを反応させて石膏を生成させる硫酸根除去処理を行なった(V−17)。炭酸カルシウム添加直後の液のpHは1.2、温度は68℃であり、30分間撹拌後のpHは1.1、温度は61℃であった。
硫酸根除去処理後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の石膏に洗浄水100gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して硫酸根除去液とする固液分離処理を行なった(V−18)。石膏及び硫酸根除去液の組成を表6及び表7にそれぞれ示す。ここで、回収した硫酸根除去液の一部は溶解液から処理希釈液を調製する際の希釈液として使用するために保存し、残部は廃棄液として処理する。なお、実施例4の場合、総合ニッケル回収率は36.4%であった。
(実施例5)
実施例4で回収した水酸化亜鉛澱物(以下、被精製処理水酸化亜鉛澱物という)に対して水酸化亜鉛の精製を行なって、水酸化亜鉛澱物の亜鉛含有率及び総合ニッケル回収率の向上を図った。図29、図30に水酸化亜鉛の精製を行なう際の詳細説明図を示す。
図29に示すように、被精製処理水酸化亜鉛澱物(527.8g、固形分99.2g)に水1000gを加えてスラリー調製(リパルプ)を行なった(W−1)。次いで、スラリーのpHが1程度になるように15%塩酸477.1gを加え温度が60℃となるように加熱しながら30分間撹拌し被精製処理水酸化亜鉛澱物を溶解させてスラリーを調製する無機酸抽出処理(塩酸溶解処理)を行なった(W−2)。無機酸抽出処理開始時のスラリーのpHは1.0、温度は61℃であった。次いで、無機酸抽出処理が終了した溶解処理物をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の不溶解分に洗浄水100gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して亜鉛含有液とする固液分離処理を行なった(W−3)。被精製処理水酸化亜鉛澱物及び亜鉛含有液の組成を表8及び表9にそれぞれ示す。
Figure 2006347815
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回収した亜鉛含有液482.0gに対して鉄粉482.0gを加えると共に、pHが4以下になるように15%塩酸85.0gを加え、温度を40℃に保って、亜鉛含有液の酸化還元電位が−470mV程度となるようにして180分間撹拌し、撹拌中に亜鉛含有液中のニッケルイオンと鉄を置換して、鉄粉の表面にニッケルが析出したニッケル付着鉄粉が生成するニッケル回収セメンテーション処理(W−4)を行なった。なお、撹拌中にpHが4以下になるように、撹拌を開始してから30分毎に塩酸を2ミリリットルずつ投入した。ニッケル回収セメンテーション処理が終了したとき液の酸化還元電位は−592mV、pHは3.6、温度は43℃であった。そして、ニッケル回収セメンテーション処理が終了後の液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状のニッケル付着鉄粉に洗浄水100gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合してニッケルイオン除去亜鉛含有液とする固液分離処理を行なった(W−5)。ニッケル付着鉄粉及びニッケルイオン除去亜鉛含有液の組成を表8、表9にそれぞれ示す。
図30に示すように、回収したニッケルイオン除去亜鉛含有液(561.3g)の温度を40℃に加熱し過酸化水素水42.3gを添加して酸化還元電位が600mV以上になるように調整して2分間撹拌し、ニッケルイオン除去亜鉛含有液中の第一鉄イオンを第二鉄イオンに変化させる酸化処理を行なった(W−6)。酸化処理終了後の液の酸化還元電位は569mV、pHは1.8、温度は30℃であった。
次いで、酸化処理が完了したニッケルイオン除去亜鉛含有液の温度を60℃となるように加熱しながら、pHが4.5以下となるように炭酸カルシウム29.8gを加えて15分間撹拌し、第二鉄イオンを水酸化第二鉄に変化させる第二鉄中和処理(W−7)を行なった。第二鉄中和処理が終了したときの液のpHは4.1、温度は60℃であった。そして、第二鉄中和処理が終了した液をフィルタープレスで固液分離して搾液を回収すると共に、ケーキ状の水酸化第二鉄澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液に混合して鉄イオン除去亜鉛含有液とする固液分離処理を行なった(W−8)。水酸化第二鉄澱物及び鉄イオン除去亜鉛含有液の組成を表8及び表9にそれぞれ示す。
回収した鉄イオン除去亜鉛含有液(555.5g)の温度が60℃となるように加熱しながら、消石灰15.9gを加えてpHを8〜12の範囲に調整して15分間撹拌し、亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変える亜鉛中和処理を行なった(W−9)。亜鉛中和処理が終了したときの液のpHは10.6、温度は64℃であった。
次いで、亜鉛中和処理が終了した液をフィルタープレスで固液分離して搾液(塩化カルシウム溶液)を回収すると共に、ケーキ状の再回収水酸化亜鉛澱物に洗浄水200gを供給し再度フィルタープレスで圧搾して洗浄水を回収して搾液と混合して廃棄液とする固液分離処理を行なった(W−10)。再回収水酸化亜鉛澱物(水酸化亜鉛含有率の高い澱物)及び廃棄液の組成を表8及び表9にそれぞれ示す。表8に示すように、被精製処理水酸化亜鉛澱物中にはニッケルが35重量%含まれているのに対して、再回収水酸化亜鉛澱物中のニッケル含有量は0.1重量%となり、再回収水酸化亜鉛澱物中の水酸化亜鉛の含有率を向上させることができた。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、第1及び第3の実施の形態で無機酸抽出工程で石膏生成処理及び固液分離処理を行なったが、これらの処理を省略してもよい。第2の実施の形態で、濾過助剤混合処理、石膏生成処理、及び固液分離処理を行なったが、濾過助剤混合処理と石膏生成処理のいずれか一方を省略することも、濾過助剤混合処理、石膏生成処理、及び固液分離処理の全てを省略することもできる。更に、第1〜第3の実施の形態で、硫酸根除去処理工程及を省略することもできる。また、無機酸抽出工程で、無機酸として塩酸を使用したが、硫酸及び硝酸のいずれかを使用することもできる。
更に、第1及び第2の実施の形態では、銅、クロム、亜鉛、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジについて説明したが、銅、鉄及びニッケル、又は、銅、鉄、ニッケル及び亜鉛、又は、銅、クロム、鉄及びニッケル、又は、クロム、鉄及びニッケル、又は、クロム、鉄、ニッケル及び亜鉛を含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに対しても適用することができる。
なお、クロム、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジを使用する場合のクロムイオン除去工程では、無機酸抽出工程で得た溶解液に還元剤を加え溶解液中の3価鉄イオンを2価鉄イオンにする還元処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、溶解液中のクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行ない、生成した水酸化クロム澱物を分離してクロムイオン除去液としている。
本発明の第1の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における硫酸根除去処理の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における銅イオン除去工程の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法におけるクロムイオン除去工程の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における鉄イオン除去工程の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における亜鉛分別回収処理の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における水酸化亜鉛の精製を行なう際の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法におけるニッケル分別回収工程の説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における硫酸抽出工程及び硫酸ニッケル回収工程の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における硫酸根除去処理の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図である。 同多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法における銅イオン除去工程の説明図である。 実施例1における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の工程説明図である。 実施例1における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例1における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例1における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例2における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の無機酸抽出工程の説明図である。 実施例3における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例3における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例3における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例3における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例3における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例4における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例4における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例4における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例4における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例4における多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法の詳細説明図である。 実施例5における水酸化亜鉛精製処理の詳細説明図である。 実施例5における水酸化亜鉛精製処理の詳細説明図である。

Claims (23)

  1. 銅、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を得る無機酸抽出工程と、
    前記溶解液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整し、該溶解液中の銅イオンと鉄を置換し表面に銅が析出した銅付着鉄粉を分離して銅イオン除去液とする銅イオン除去工程と、
    前記銅イオン除去液に酸化剤を加え該銅イオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する酸化処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程と、
    前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
    回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
    前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  2. 請求項1記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記第二鉄中和処理及び前記ニッケル中和処理のいずれか一方又は双方で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合されることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  3. クロム、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を得る無機酸抽出工程と、
    前記溶解液に還元剤を加え該溶解液中の3価鉄イオンを2価鉄イオンにする還元処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該溶解液中のクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行ない、生成した水酸化クロム澱物を分離してクロムイオン除去液とするクロムイオン除去工程と、
    前記クロムイオン除去液に酸化剤を加え該クロムイオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する酸化処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程と、
    前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
    回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
    前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  4. 銅、クロム、鉄、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を得る無機酸抽出工程と、
    前記溶解液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整し、該溶解液中の銅イオンと鉄を置換し表面に銅が析出した銅付着鉄粉を分離して銅イオン除去液とする銅イオン除去工程と、
    前記銅イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該銅イオン除去液中のクロムイオンを水酸化クロムに変えるクロム中和処理を行ない、生成した水酸化クロム澱物を分離してクロムイオン除去液とするクロムイオン除去工程と、
    前記クロムイオン除去液に酸化剤を加え該クロムイオン除去液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する酸化処理を行なってからアルカリ剤を加えてpHを調整し、該3価鉄イオンを水酸化第二鉄に変える第二鉄中和処理を行ない、生成した水酸化第二鉄澱物を分離した処理液とする鉄イオン除去工程と、
    前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
    回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
    前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  5. 請求項3及び4のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記クロム中和処理、前記第二鉄中和処理、及び前記ニッケル中和処理のいずれか1又は2以上で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合されることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源を加えて生成した石膏を分離して該残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、該硫酸根除去液の一部又は全部を前記処理液に混合することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  7. 請求項1〜5いずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液を前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  8. 請求項1記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジが更に亜鉛を有する場合は、前記ニッケル分別回収工程で、該ニッケル分別回収工程で使用する前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中の亜鉛イオンから水酸化亜鉛澱物を生成させて分離する亜鉛分別回収処理を施してから前記ニッケル中和処理を行なうことを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  9. 請求項8記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記第二鉄中和処理、前記ニッケル中和処理、及び前記亜鉛分別回収処理で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合されることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  10. 請求項3及び4のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジが更に亜鉛を有する場合は、前記ニッケル分別回収工程で、該ニッケル分別回収工程で使用する前記処理液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該処理液中の亜鉛イオンから水酸化亜鉛澱物を生成させて分離する亜鉛分別回収処理を施してから前記ニッケル中和処理を行なうことを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  11. 請求項10記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記クロム中和処理、前記第二鉄中和処理、前記ニッケル中和処理、及び前記亜鉛分別回収処理のいずれか1又は2以上で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合されることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源を加えて生成した石膏を分離して該残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、該硫酸根除去液の一部又は全部を前記処理液から亜鉛イオンを除去した後のニッケルイオン含有液に混合することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  13. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液を前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、分離された前記水酸化亜鉛澱物に対して、該水酸化亜鉛澱物を無機酸に溶解させて亜鉛含有液を調製する無機酸抽出処理と、
    前記亜鉛含有液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整して該亜鉛含有液中のニッケルイオンと鉄を置換し表面にニッケルが析出したニッケル付着鉄粉を分離したニッケルイオン除去亜鉛含有液を形成するニッケルイオン分離処理と、
    前記ニッケルイオン除去亜鉛含有液に酸化剤を加え該ニッケルイオン除去亜鉛含有液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化してからpHを調整して該3価鉄イオンから生成した水酸化第二鉄澱物を分離して鉄イオン除去亜鉛含有液を形成する鉄イオン分離処理と、
    前記鉄イオン除去亜鉛含有液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該鉄イオン除去亜鉛含有液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変えて、水酸化亜鉛含有率の高い澱物を回収する水酸化亜鉛再回収処理とを施すことを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  15. 銅、亜鉛、及びニッケルを含む多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに無機酸を加え溶解処理物を形成し、該溶解処理物から不溶解分を除去して溶解液を回収する無機酸抽出工程と、
    前記溶解液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該溶解液中の銅イオンを水酸化銅に変える銅中和処理を行ない、生成した水酸化銅澱物を分離した銅イオン除去液とする銅イオン除去工程と、
    前記銅イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該銅イオン除去液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変える亜鉛中和処理を行ない、生成した水酸化亜鉛澱物を分離した亜鉛イオン除去液を形成する亜鉛イオン除去工程と、
    前記亜鉛イオン除去液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該亜鉛イオン除去液中のニッケルイオンを水酸化ニッケルに変えるニッケル中和処理を行ない、水酸化ニッケル澱物を生成させるニッケル分別回収工程と、
    回収した前記水酸化ニッケル澱物に硫酸を加えて硫酸ニッケル溶液を形成する硫酸抽出工程と、
    前記硫酸ニッケル溶液に冷却晶析処理を行ない、晶析した硫酸ニッケル結晶を回収する硫酸ニッケル回収工程とを有することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  16. 請求項15記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記銅中和処理、前記亜鉛中和処理、及び前記ニッケル中和処理のいずれか1又は2以上で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈され、該残液の残りの一部は前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合されることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  17. 請求項15及び16のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、分離した前記水酸化亜鉛澱物に対して、該水酸化亜鉛澱物を無機酸に溶解させて亜鉛含有液を調製する無機酸抽出処理と、
    前記亜鉛含有液に鉄粉を加えて酸化還元電位を調整して該亜鉛含有液中のニッケルイオンと鉄を置換し表面にニッケルが析出したニッケル付着鉄粉を分離したニッケルイオン除去亜鉛含有液を形成するニッケルイオン分離処理と、
    前記ニッケルイオン除去亜鉛含有液に酸化剤を加え該ニッケルイオン除去亜鉛含有液中の2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化してからpHを調整して該3価鉄イオンから生成した水酸化第二鉄澱物を分離して鉄イオン除去亜鉛含有液を形成する鉄イオン分離処理と、
    前記鉄イオン除去亜鉛含有液にアルカリ剤を加えてpHを調整し、該鉄イオン除去亜鉛含有液中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛に変えて、水酸化亜鉛含有率の高い澱物を回収する水酸化亜鉛再回収処理とを施すことを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  18. 請求項17記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記水酸化亜鉛再回収処理で使用されるアルカリ剤は、前回のニッケル分別回収工程で水酸化ニッケル澱物を回収した後の残液の一部を用いて希釈されることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  19. 請求項15〜18のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液にカルシウム源を加えて生成した石膏を分離して該残硫酸ニッケル溶液中の硫酸根を除去して硫酸根除去液を形成し、該硫酸根除去液の一部を前記溶解液、前記銅イオン除去液、及び前記亜鉛イオン除去液のいずれか1又は2以上に混合することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  20. 請求項15〜18のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前回の硫酸ニッケル回収工程で晶析した硫酸ニッケル結晶を回収した後の残硫酸ニッケル溶液を前記多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジに混合することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記無機酸抽出工程で、前記溶解処理物にカルシウム源を加え該溶解処理物中の硫酸根と反応させて石膏を生成させ、該石膏を前記不溶解分と共に除去することを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  22. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記無機酸抽出工程で、前記溶解処理物から前記不溶解分を除去してからカルシウム源を加えて硫酸根と反応させて石膏を生成させ、該石膏を除去して前記溶解液とすることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法において、前記無機酸は塩酸であることを特徴とする多成分含有ニッケルめっき廃液スラッジの再資源化処理方法。
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