JP7354845B2 - 硫酸ニッケル水溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫酸ニッケル水溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ニッケル硫化物から硫酸ニッケル水溶液を製造する方法に関する。
硫酸ニッケル水溶液、特に高純度硫酸ニッケル水溶液はニッケル化合物の原料として用いられる。例えば、硫酸ニッケル水溶液を晶析することで硫酸ニッケル結晶が得られる。ニッケル化合物は、一般的な電解めっき材料、装飾用途または電子部品用途の無電解めっき材料、触媒材料、コンデンサーおよびインダクターなどの電子部品用材料、電池用材料などとして用いられる。
純度の高いニッケル化合物を得るために、硫酸ニッケル水溶液から不純物を除去する処理が行なわれる。例えば、特許文献1には、粗硫酸ニッケル水溶液に空気を吹き込みながら中和して主に鉄を中和澱物として除去することが開示されている。中和澱物には鉄の水酸化物とともに回収目的金属であるニッケルの水酸化物が含まれる。そこで、中和澱物に硫酸を添加し、ニッケルを浸出して回収することが行なわれる。
特開2006-225217号公報
澱物の除去はスラリーを濾過することにより行なわれる。澱物が微細な粒子からなる場合、濾過漏れ、すなわち濾液の濁りが発生する。濁りのない濾液を得るために、通液開始時にスラリーに含まれる澱物により濾布の表面にケーキ層を形成するための初期濾過を行なうことがある。濾過漏れが著しいときは、初期濾過に長時間を要し、それに伴い生産性が低下する。
本発明は上記事情に鑑み、濾過漏れを抑制できる硫酸ニッケル水溶液の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明の硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、ニッケル硫化物を含有する原料スラリーを加圧浸出して、浸出残渣を含む浸出スラリーを得る加圧浸出工程と、酸化中和反応により前記浸出スラリーの液相に含まれる鉄の中和澱物を生成して、前記浸出残渣および前記中和澱物の混合澱物を含む中和スラリーを得る酸化中和工程と、前記中和スラリーを濾過して前記混合澱物と硫酸ニッケル水溶液とを分離する第1濾過工程と、前記第1濾過工程で得られた前記混合澱物に酸水溶液を添加して前記混合澱物に含まれるニッケルを浸出して酸洗スラリーを得る酸洗工程と、前記酸洗スラリーを濾過して酸洗澱物とニッケル回収液とを分離する第2濾過工程と、を備え、前記加圧浸出工程において、前記浸出スラリーの液相の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を480mV超、500mV以下に調整することを特徴とする。
第2発明の硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1発明において、前記第2濾過工程において、濾過機を用いて濾過を行ない、通液開始時に前記酸洗スラリーに含まれる固体分により濾布の表面にケーキ層を形成するための初期濾過を行ない、前記第2濾過工程の初期濾過時間が34分以下であることを特徴とする。
第3発明の硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1または第2発明において、前記第1濾過工程および前記第2濾過工程に用いられる濾布の通気性が0.1cm3/cm2・sec以上、0.7cm3/cm2・sec以下であることを特徴とする。
第4発明の硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1~第3発明のいずれかにおいて、前記第1濾過工程において、フィルタープレスを用いて濾過を行ない、通液開始時に前記中和スラリーに含まれる固体分により濾布の表面にケーキ層を形成するための初期濾過を行なうことを特徴とする。
第5発明の硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1~第4発明のいずれかにおいて、前記酸化中和工程において前記浸出スラリーの液相のpHを4.0以上、5.5以下に調整することを特徴とする。
第6発明の硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1~第5発明のいずれかにおいて、前記酸洗工程において前記酸洗スラリーの液相のpHを3.0以上、4.0以下に調整することを特徴とする。
本発明によれば、加圧浸出工程において酸化還元電位を500mV以下に調整することでヘマタイトの析出を低減できる。混合澱物に含まれる粒子のうち微細なヘマタイトの割合が低くなるので、濾過漏れを抑制できる。
硫酸ニッケル水溶液の製造プロセスの全体工程図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、例えば、図1に示すプロセスを有する。
ニッケル硫化物を含有する原料が用いられる。この種の原料としてニッケル・コバルト混合硫化物(MS:ミックスサルファイド)がある。低品位ラテライト鉱などのニッケル酸化鉱石を加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leaching)し、浸出液から鉄などの不純物を除去した後、硫化水素ガスを浸出液に吹き込むことで硫化反応を生じさせ、ニッケル・コバルト混合硫化物が得られる。
ニッケル・コバルト混合硫化物の組成は、ニッケルが50~60重量%、コバルトが4~6重量%、硫黄が30~34重量%(いずれも乾燥量基準)である。ニッケル・コバルト混合硫化物には、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛などの不純物が含まれている。ニッケル・コバルト混合硫化物は鉄を0.1~1重量%含む。
(1)加圧浸出工程
加圧浸出工程では、原料をレパルプして得た原料スラリーを、オートクレーブで加圧浸出して浸出スラリーを得る。浸出条件は、例えば圧力(ゲージ圧)1.8~2.0MPaG、温度140~180℃である。加圧浸出により、ニッケル・コバルト混合硫化物に含まれるニッケル、コバルト、その他の不純物が浸出される。浸出スラリーは粗硫酸ニッケル水溶液(不純物を含む硫酸ニッケル水溶液)と浸出残渣とからなるスラリーである。
(2)酸化中和工程
酸化中和工程では、酸化中和反応により浸出スラリーの液相(粗硫酸ニッケル水溶液)に含まれる不純物、主に鉄の中和澱物を生成する。酸化剤として空気を用いることができる。中和剤として、消石灰、水酸化ニッケル、水酸化ナトリウムなどが用いられる。このうち、消石灰は石膏を生成し澱物の濾過性を改善するため好ましい。
酸化中和反応は、以下の式(1)で表される。粗硫酸ニッケル水溶液に含まれるFe2+をFe3+に酸化し、中和反応によってFe(OH)3を生成して中和澱物とする。
4FeSO4+4Ca(OH)2+O2+2H2O→4Fe(OH)3+4CaSO4・・・(1)
酸化中和工程では、鉄の水酸化物が生成されるとともに、回収目的金属であるニッケルの水酸化物も極僅かに生成される。この反応は、以下の式(2)で表される。
NiSO4+Ca(OH)2→Ni(OH)2+CaSO4・・・(2)
酸化中和反応のpHが低すぎると、鉄の水酸化物があまり生成されず、液相である硫酸ニッケル水溶液中に鉄が残留してしまう。逆に、酸化中和反応のpHが高すぎると、ニッケルの水酸化物が増加し、硫酸ニッケル水溶液へのニッケル分配率が低下する。酸化中和工程において液相のpHを4.0~5.5に調整することが好ましい。そうすれば、十分に鉄を除去しつつ、硫酸ニッケル水溶液へのニッケル分配率の低下を抑制できる。
酸化中和反応後のスラリーを中和スラリーと称する。中和スラリーは鉄除去後の硫酸ニッケル水溶液と浸出残渣および中和澱物とからなるスラリーである。浸出残渣と中和澱物との混合物を混合澱物と称する。
(3)第1濾過工程
第1濾過工程では、中和スラリーを濾過して混合澱物と硫酸ニッケル水溶液とを分離する。なお、混合澱物には加圧浸出後の残渣である浸出残渣が含まれる。浸出残渣は酸化中和工程を経て、第1濾過工程で中和澱物とともに固液分離される。
(4)溶媒抽出工程
第1濾過工程で得られた硫酸ニッケル水溶液は、必要に応じてさらに不純物を除去する処理が行なわれる。例えば、硫酸ニッケル水溶液は溶媒抽出工程に付される。溶媒抽出工程では、溶媒抽出により硫酸ニッケル水溶液に含まれるコバルトなどの不純物を除去して高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。
得られた高純度硫酸ニッケル水溶液は、その後、用途に応じた処理に付される。例えば、高純度硫酸ニッケル水溶液は、晶析装置を用いて濃縮、晶析され、硫酸ニッケル結晶となる。また、高純度硫酸ニッケル水溶液は、水溶液のままの状態で二次電池の正極材料の製造に用いられる。
(5)酸洗工程
酸化中和工程で生成される中和澱物にはニッケルの水酸化物が含まれる。そこで、中和澱物に含まれるニッケルを回収する処理を行なう。酸洗工程では、第1濾過工程で得られた混合澱物をレパルプしてスラリーとした後、酸水溶液を添加して混合澱物に含まれるニッケルを浸出する。この酸洗後のスラリーを酸洗スラリーと称する。
酸洗に用いられる酸として、例えば硫酸が用いられる。酸洗処理のpHが高すぎるとニッケルの回収が不十分になる。逆に、酸洗処理のpHが低すぎると鉄の水酸化物も溶解するため、澱物が小径化して濾過性が悪くなる。酸洗工程において液相のpHを3.0~4.0に調整することが好ましい。そうすれば、ニッケルを十分に回収できるとともに、澱物の小径化を抑制できる。
(6)第2濾過工程
第2濾過工程では、酸洗スラリーを濾過して酸洗澱物とニッケル回収液とを分離する。これにより、中和澱物に含まれるニッケルがニッケル回収液として回収される。酸洗後に残存した酸洗澱物は系外に排出される。
第1濾過工程および第2濾過工程では濾過機を用いて濾過が行なわれる。濾過機として、例えば、フィルタープレスが用いられる。フィルタープレスなどの濾過機を用いる場合、通液開始時に原液(濾過対象の液)を循環濾過し、原液に含まれる固体分により濾布の表面にケーキ層を形成する初期濾過が行なわれる。
例えば、予め濾過助剤を分散させた原液を濾過機に通すボディフィードを行なって、濾布の表面に濾過助剤と固体分とからなるケーキ層を形成してもよい。ボディフィードに先立ち、濾過助剤を分散させた清澄液を濾過機に通して、濾布の表面に濾過助剤の層を形成するプリコートを行なってもよい。なお、濾過助剤として、特に限定されないが、珪藻土、パーライトなどが用いられる。
フィルタープレスは密閉された濾過一次側にポンプで加圧された原液を供給することで濾過圧力を高くすることができる。そのため、フィルタープレスを用いれば濾過速度を速くできる。しかし、加圧濾過を行なうと、通液初期に濾布を通過する微細粒子が多くなる。フィルタープレスにおいて、微細粒子は濾布のみよりに捕集されるのではなく、濾布の表面に形成されたケーキ層によって絡め取られる。そのため、初期濾過によるケーキ層の形成が重要になる。
初期濾過においては、濾液を通常の清澄濾液側に送らずに、元の一次側に戻す循環濾過を行なう。循環濾過を継続するに従って、濾液の濁りが消えていく。濾液の濁りを監視しながら、濾液が清澄になった時点で、濾過を補助するための澱物層(ケーキ層)が濾布の表面に形成されたと判断し、濾液の送り先を通常の清澄濾液側に切り替える。本明細書では、この一連の操作を初期濾過と称する。
濾布の表面にケーキ層を形成した後、原液を通液して濾過を行なう。この際、原液に含まれる微細粒子はケーキ層に捕捉される。これにより原液から固体分が除去された清澄液が得られる。
通液開始時の初期濾過は、十分なケーキ層が形成され、濾液が清澄液になるまで行なわれる。この初期濾過に要する時間を初期濾過時間と称する。初期濾過時間の間は実質的に濾過処理が進行しないため、初期濾過時間が長いほど生産性が低下する。
第1濾過工程および第2濾過工程の濾過処理において、初期濾過時間が長くなることがある。特に、酸洗後の澱物は鉄の水酸化物の一部溶解により小径化しやすいことから、第2濾過工程の初期濾過時間は長くなりやすい。
この点について、本願発明者は、加圧浸出の条件を調整することにより初期濾過時間を短くできることを見出した。具体的には、加圧浸出工程における酸化還元電位を比較的低く抑えることで、濾過工程における初期濾過時間を短くできる。その理由は以下のとおりである。
加圧浸出工程において酸化反応が促進されると、金属の浸出反応に加えて、浸出した鉄が3価に酸化されやすくなる。そうすると、式(3)で表される加水分解反応が生じ、ヘマタイト(Fe23)の生成量が増加する
2Fe3++3H2O→Fe23+6H+・・・(3)
原料に含まれる鉄の大部分は加圧浸出工程においてヘマタイトとして析出するか、酸化中和工程において水酸化鉄となる。したがって、混合澱物に含まれるヘマタイトと水酸化鉄は一方が増加すると他方が減少する関係にある。加圧浸出工程において酸化反応が促進され、ヘマタイトの生成量が増加すると、酸化中和工程における水酸化鉄の生成量が減少する。これにより、混合澱物に含まれるヘマタイトの割合が高くなり、水酸化鉄の割合が低くなる。
一般に、高温高圧下で生成されるヘマタイトは、50℃程度で生成される水酸化鉄に比べて微細である。加圧浸出工程において酸化反応が促進され、混合澱物に含まれるヘマタイトの割合が高くなれば、微細粒子の存在割合が高くなる。そのため、濾過工程における初期濾過時間が長くなる。
そこで、加圧浸出工程における酸化還元電位を比較的低く抑える。具体的には、加圧浸出工程において、浸出スラリーの液相の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を500mV以下に調整する。これにより加圧浸出工程における酸化反応の過度な進行を抑えることができ、ヘマタイトの析出を低減できる。混合澱物に含まれる粒子のうち微細なヘマタイトの割合が低くなるので、濾過漏れを抑制でき、初期濾過時間を短くできる。
なお、加圧浸出工程における酸化還元電位が低すぎると、金属の浸出反応が不十分になる。そのため、浸出スラリーの液相の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を410mV以上に調整する。
また、加圧浸出工程における酸化還元電位が低すぎると、硫黄の酸化が不十分となりチオ硫酸イオン(S23 2-)が生成する。チオ硫酸イオンは溶媒抽出によっても除去されず、硫酸ニッケル水溶液に不純物として残留する。そこで、浸出スラリーの液相の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を、480mVを超える値に調整することが好ましい。そうすれば、チオ硫酸イオンの生成が抑制されるとともに、生成されたチオ硫酸イオンが分解する。
第1濾過工程および第2濾過工程の濾過処理において、初期濾過時間を短くするためには、濾過機に用いられる濾布として、通気性が0.1~0.7cm3/cm2・secのものを用いることが好ましい。なお、ここでいう通気性はJIS L 1096:2010で規定されたA法(フラジール形法)で測定された値である。
つぎに、実施例を説明する。
図1に示すフローで硫酸ニッケル水溶液の製造を行なった。原料として鉄を0.5重量%含むニッケル・コバルト混合硫化物を用いた。加圧浸出における酸化還元電位を変更しつつ操業を行ない、第2濾過工程における初期濾過時間を測定した。その結果、表1に示すとおりとなった。なお、比較例1では、初期濾過を60分で打ち切り、酸洗スラリーの入れ替えを行なった。そのため、表1では初期濾過時間を60分を超える(>60)と表記している。比較例2、3では、初期濾過を70分で打ち切り、酸洗スラリーの入れ替えを行なった。そのため、表1では初期濾過時間を70分を超える(>70)と表記している。
Figure 0007354845000001
実施例1~5は加圧浸出における酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mV以下であり、第2濾過の初期濾過時間が30分程度である。これに対し、比較例1~3は加圧浸出における酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mVを超えている。第2濾過の初期濾過に60分以上を要している。このように、加圧浸出における酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mVを超えると、初期濾過時間が急激に長くなる。逆に、加圧浸出における酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を500mV以下とすれば、濾過漏れを抑制でき、初期濾過時間を短くできることが分かる。

Claims (6)

  1. ニッケル硫化物を含有する原料スラリーを加圧浸出して、浸出残渣を含む浸出スラリーを得る加圧浸出工程と、
    酸化中和反応により前記浸出スラリーの液相に含まれる鉄の中和澱物を生成して、前記浸出残渣および前記中和澱物の混合澱物を含む中和スラリーを得る酸化中和工程と、
    前記中和スラリーを濾過して前記混合澱物と硫酸ニッケル水溶液とを分離する第1濾過工程と、
    前記第1濾過工程で得られた前記混合澱物に酸水溶液を添加して前記混合澱物に含まれるニッケルを浸出して酸洗スラリーを得る酸洗工程と、
    前記酸洗スラリーを濾過して酸洗澱物とニッケル回収液とを分離する第2濾過工程と、を備え、
    前記加圧浸出工程において、前記浸出スラリーの液相の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を480mV超、500mV以下に調整する
    ことを特徴とする硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  2. 前記第2濾過工程において、濾過機を用いて濾過を行ない、通液開始時に前記酸洗スラリーに含まれる固体分により濾布の表面にケーキ層を形成するための初期濾過を行ない、
    前記第2濾過工程の初期濾過時間が34分以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  3. 前記第1濾過工程および前記第2濾過工程に用いられる濾布の通気性が0.1cm3/cm2・sec以上、0.7cm3/cm2・sec以下である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  4. 前記第1濾過工程において、フィルタープレスを用いて濾過を行ない、通液開始時に前記中和スラリーに含まれる固体分により濾布の表面にケーキ層を形成するための初期濾過を行なう
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  5. 前記酸化中和工程において前記浸出スラリーの液相のpHを4.0以上、5.5以下に調整する
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  6. 前記酸洗工程において前記酸洗スラリーの液相のpHを3.0以上、4.0以下に調整する
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
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