JP2006337758A - 3次元構造体の製造方法及び3次元構造体製造用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 3次元構造体製造上の歩留まりを改善することができる3次元構造体の製造方法及び3次元構造体製造用基板を提供することにある。
【解決手段】 この3次元構造体の製造方法は、第1の基板10上に保持部材7(連結部材2)を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材1を形成し、後工程の断面形状部材の接合時における連結部材2の破断を防止するための介在物93を第1の基板10と断面形状部材1との間に配置する。そして、断面形状部材1を第2の基板上に順次接合転写して積層する。この介在物93を配置する工程は、介在物93の材料である例えばフォトレジスト等の樹脂91を第1の基板10上に塗布し、硬化させる。樹脂91が保持部材および断面形状部材の少なくとも一方の一部または全部を覆っている場合には、この覆っている樹脂91を例えばアッシングにより除去する。
【選択図】 図3

Description

本発明は光通信、光インターコネクション、オプトエレクトロニクスや光計測の分野において、光導波路、光共振器、近接場光学プローブ、複屈折素子、フィルター、分岐素子、波面変換素子や偏向素子として使用される、回折型の光学素子、周期構造をもつ多層膜やフォトニック結晶等を含む3次元構造体の製造方法及び3次元構造体製造用基板に関するものである。
屈折率の分布が光の波長と同程度のピッチの周期構造を持つ媒質は、独特の光の伝播特性を有することが従来から知られている。周期構造が1次元のものとしては、誘電体多層膜が古くから知られており、その設計理論や作製技術は既に成熟した分野である。一方、光の波長と同程度のピッチの3次元的な周期構造を持つ媒質を利用して、半導体素子中の自然放出の制御を行なう方法が、1987年にYablonovitchによって提唱されて以来、2次元あるいは3次元的な周期構造媒質中での光の振る舞いが注目を集めている。そのような媒質中では、ある特定の範囲の波数ベクトルを持つ光は伝播が禁じられ、半導体中の電子のエネルギーバンドと同様の、フォトニックバンドが形成される。フォトニックバンドを形成する周期的屈折率構造を、フォトニック結晶という。
このようなフォトニックバンドを利用すると、これまでにないフォトンの制御が可能になるため、様々な応用が期待されている。既に、自然放出光の制御による低閾値あるいは閾値のないレーザ、フォトニック結晶中の格子欠陥の周りに光が局在する性質を利用した光導波路、同じく光の局在を利用した高効率でμmオーダーの超小型な光共振器、ならびに波長や入射角の微小な変化によって大きく偏向角を変える新しいプリズム機能を持つ素子などへの応用が提案されている。
これらの光学素子は、素子単体で光の放出制御、伝播制御、プリズム作用、フィルター作用、光導波路などの各種光学的機能を有しているが、さらに発光素子や受光素子と組み合わせることにより、多種多様な電子機能、光機能を発現するようになる。
フォトニック結晶において、フォトニックバンド効果をもっとも得られる構造としては、3次元フォトニック結晶が最も望ましい。また、3次元フォトニック結晶においても、完全なフォトニックバンドギャップを得ることが可能で、3次元フォトニック結晶中に比較的容易かつ自由に欠陥を挿入できる構造が望ましい。このような3次元フォトニック結晶を効率的に製造するための3次元構造体の製造方法が、例えば特許文献1に提案されている。この方法は、第1の基板(ドナー基板)上に保持部材を介して空中保持された3次元(周期)構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材を、第2の基板(ターゲット基板)上に順次接合転写して積層する工程を備えるものである。
この方法では、各断面形状部材の接合時に、(1)ターゲット基板を前記断面形状部材を含むドナー基板に押し当て、(2)前記断面形状部材をターゲット基板に接合させ、(3)ターゲット基板に接合された前記断面形状部材を引き上げ、それにより前記保持部材を構成する連結部材を破断させて前記断面形状部材をドナー基板より切り離し、ターゲット基板に転写する。これらの工程を繰り返すことにより、複数の断面形状部材をターゲット基板へ順次積層する。その利点は、断面形状部材をターゲット基板上に面(2次元)で保持し、複数の断面形状部材をターゲット基板へ順次積層するため、各断面形状部材が生ずる位置ずれの程度が極めて小さく、微小な位置修正で連続的に積層工程を行うことができ、極めて効率的であるというものである。
特開2004−347788号公報
しかしながら、前記特許文献1の方法では、前記保持部材を構成する連結部材は必ずしも前記(3)の工程で破断されるとは限らず、断面形状部材の大きさや連結部材の形状などにより、前記(1)の工程中で破断するおそれがある。このように、連結部材が前記(3)の工程以外で破断することは、断面形状部材の接合時に位置ずれや不完全な接合(転写)等を招き、歩留まりが悪化するという問題が生ずる。
また、常温接合を利用する場合、ドナー基板とターゲット基板とを接合する前の工程として、表面清浄化を目的として、接合面にFAB(Fast Atom Beam)処理(照射)等を行うが、断面形状部材が格子形状など孔を含む形状の場合、その孔からFABが通りぬけ、断面形状部材下部の基板も同時に清浄化してしまう。このため、断面形状部材の接合時に、断面形状部材がターゲット基板に接合されずに、断面形状部材下部の基板に接合されてしまうおそれがある。
またドナー基板自体の作製においても、ドナー基板の作製プロセス中や、またドナー基板をターゲット基板に接合するまでの取り扱いの際(チャンバー内へ基板を導入する作業や持ち運び、基板の洗浄等)、断面形状部材が下部基板に接してしまい、前記断面形状部材と下部基板間の空隙が維持できなくなったり、連結部材が破断してしまうなど、ドナー基板自体の歩留まりが悪化するといった問題点があった。
従って本発明の目的は、3次元構造体製造上の歩留まりを改善することができる3次元構造体の製造方法及び3次元構造体製造用基板を提供することにある。
上記目的は、第1の基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材を、第2の基板上に順次接合転写して積層する工程を備える3次元構造体の製造方法において、前記断面形状部材の接合時における前記保持部材の破断を防止するための介在物を前記第1の基板と前記断面形状部材との間に設けた3次元構造体の製造方法により、達成される。
ここで、前記介在物は、後処理で除去可能な材料からなることが好ましく、前記後処理で除去可能な材料は、例えばフォトレジストである。また、前記断面形状部材の接合は、常温接合で行われることが好ましい。常温接合とは、真空中で接合する部材の表面の酸化膜や不純物などを、FAB処理等によって除去して清浄化したのち、これらの清浄面同士を当接させることで部材間を接合する方式である。
また、本発明に係る3次元構造体の製造方法は、第1の基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材を形成する工程と、後工程の断面形状部材の接合時における前記保持部材の破断を防止するための介在物を前記第1の基板と前記断面形状部材との間に配置する工程と、前記断面形状部材を第2の基板上に順次接合転写して積層する工程とを備える。
ここで、前記介在物を配置する工程は、前記介在物の材料を前記第1の基板上に塗布する工程と、前記塗布された材料を硬化させる工程とを含むことができる。さらに、前記塗布された材料が前記保持部材および断面形状部材の少なくとも一方の一部または全部を覆っている場合に、前記覆っている材料を除去する工程を含むことができる。前記塗布された材料は、例えばフォトレジストとすることができ、この場合、前記除去する工程は、アッシングを含むことができる。アッシングとは、不要なフォトレジストを除去するため酸素プラズマなどで灰化し、除去することをいう。
さらに、本発明は、複数の断面形状部材を順次接合転写して積層する工程を備える3次元構造体の製造方法に用いる3次元構造体用基板であって、基板と、前記基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材と、前記基板と前記断面形状部材との間に設けられた前記断面形状部材の接合時における前記保持部材の破断を防止するための介在物とを備えたものである。ここで、前記介在物は、後処理で除去可能な材料からなることができる。前記後処理で除去可能な材料は、例えばフォトレジストである。
本発明によれば、3次元構造体製造上の歩留まりを改善することができる3次元構造体の製造方法及び3次元構造体製造用基板を得ることができる。これにより、自由な設計に基づいて3次元構造体を効率的にかつ構成材料の制約を低減させて製造可能とすることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。本実施例は、3次元構造体として、いわゆるウッドパイル型3次元フォトニック結晶を作製するものである。この3次元フォトニック結晶は、1種類の薄膜材料と空気若しくは真空からなるエアーブリッジ構造のパターンを、ラテラル方向に位置をずらしながら複数積層して構成される。
図1は本発明に係る3次元構造体の製造方法に用いるパターン部材を示す図で、(a)はパターン部材加工前、(b)はパターン部材加工後を示す図である。図1(a)のように、この多層膜はInP/InGaAs/InPから構成されており、第1の基板10としてのInP基板上にInGaAsスペーサー層11(犠牲層)とInP層12とをMOCVD法により順次成長して得られる。このInP/InGaAs/InPの多層膜から半導体微細加工プロセスを用いて、断面形状部材を有するパターン部材(ドナー基板)15が次のようにして作製される。図1(b)に示すように、まず、MOCVD成長したInP層12に、2次元微細構造をもつ複数の断面形状部材1を電子ビーム露光とドライエッチングにより作製する。この際、断面形状部材1に接続された連結部材2、および連結部材2を介して断面形状部材1を保持するための枠状部材3を同時に作製する。この連結部材2と枠状部材3が断面形状部材1の保持部材7を構成する。断面形状部材のストライプパターンの方向は、互いに直交するように形成され、これによりフォトニック結晶の各レイヤーを展開するようにそれぞれ配置された2種類のパターンが第1の基板上に作製される。次に、アンダーカットエッチングにより断面形状部材1及び連結部材2の下層にあるInGaAsスペーサー層11を取り除く。これにより、断面形状部材1は連結部材2を介して枠状部材3により空中に保持される。
図2は断面形状部材の保持状態の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−B断面図、(c)は(a)の一部拡大図である。図2(a)のように、本例の断面形状部材1のストライプパターンは隣接同士で直交するように形成されている。枠状部材3は柱状部4と枠部5とを備え、図2(b)のように、アンダーエッチングの工程で下層のInGaAs層11がすべて無くならない程度(柱状部4が残る程度)に十分広い幅を有している。また、連結部材2は、図2(c)に示すように、断面形状部材1との接続部6が先細りに形成されている。これは断面形状部材1を連結部2より切り離しやすくするためである。
図3(a)〜(d)は、断面形状部材の接合時における保持部材の破断を防止するための介在物を第1の基板と断面形状部材との間に設ける方法の一例を説明するための図である。本例の介在物としては、後処理で除去可能な材料、例えばフォトレジスト等の樹脂が用いられる。このフォトレジスト等の樹脂は、例えばアッシングにより除去される。以下、この方法を詳述する。
まず、図3(a)に示すように、ドナー基板15は、第1の基板10、スペーサー層11、2次元微細構造をもつ断面形状部材1、および連結部材2と枠状部材3を有する保持部材7を備える。図示のように、第1の基板10と断面形状部材1の間は空隙90となっている。このようなドナー基板15上に、図3(b)に示すように、フォトレジスト等の樹脂91を、断面形状部材1の下部の空隙90を埋めるように塗布する。これにより、図3(c)に示すように、断面形状部材1の下部の空隙が樹脂91によって満たされる。次に、このドナー基板をベークすることで、樹脂91を硬化させる。その後、図3(d)に示すように、例えば酸素プラズマ等によるアッシング92を行うことにより、断面形状部材1および連結部材2を覆っている硬化した樹脂を取り除く。これにより、第1の基板10と断面形状部材1との間に介在物93が形成される。ここで、樹脂91の塗布量が予め調整され、樹脂91が断面形状部材1および連結部材2を覆っていない場合は、図3(d)のアッシング工程は不要である。
上記のように、図3に示す各工程を用いて介在物93を形成することにより、断面形状部材1の下部の空隙90がなくなるか、もしくは小さくなる。これにより、断面形状部材1の接合時における連結部材2のたわみをなくすることができ、または、たわみを小さくすることができる。このようにして、第1の基板10と、この基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材1と、第1の基板10と断面形状部材1との間に設けられた断面形状部材の接合時における保持部材の破断を防止するための介在物93とを備えた3次元構造体製造用基板としてのドナー基板15を作製することができる。
図4(a)は本発明に係る3次元構造体の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す図、(b)はこれにより作製されるウッドパイル型3次元フォトニック結晶の一例を示す図である。
この製造装置30は、図4(a)に示すように、積層工程が行われる真空槽300を有し、真空槽300の内部に、図1(b)に示すようなパターン部材(ドナー基板)15が載置される基板ホルダ301と、パターン部材15に形成された断面形状部材1が転写される第2の基板(ターゲット基板)60を保持するステージ302と、このステージ302に取り付けられ、ステージ302側をFAB処理する第1のFAB源303A、およびパターン部材15側をFAB処理する第2のFAB源303Bと、ステージ302をX軸モータ(図示せず)によってX軸方向(図の左右方向)に移動させるX軸テーブル310と、ステージ302をY軸モータ(図示せず)によってY軸方向(図の紙面垂直方向)に移動させるY軸テーブル320とが配設されている。なお、第1および第2のFAB源303A,303Bは、FAB処理終了後、退避モータによりアームを図中の矢印方向に約90°回動させて退避させる。ここで、「FAB処理」とは、粒子ビームとして例えばアルゴンガスを1kV程度の電圧で加速して材料の表面に照射し、材料表面の酸化膜,不純物等を除去して清浄な表面を形成する処理をいう。本実施例では、FABの照射条件を処理対象の材料に応じて、例えば加速電圧1〜1.5kV、照射時間1〜10分の範囲で変更することができる。
また、本製造装置30は、真空槽300の外部に、基板ホルダ301をZ軸モータ(図示せず)によってZ軸方向(図の上下方向)に移動させるZ軸テーブル330と、アライメント調整の際にθモータによって基板ホルダ301をZ軸回りに回転させるθテーブル340と、アルゴンガスを第1および第2のFAB源303A,303Bに供給するためのアルゴンガスボンベ351とを具備している。
図4(b)は、ウッドパイル型3次元フォトニック結晶の一例を示す図である。本例の3次元フォトニック結晶40は、複数の断面形状部材1a、1b、1c、1d・・・を、図示しない基板の上にそのストライプパターンの方向が互いに直交するように、ウッドパイル(積み木)状に順次積み重ねたものである。以下、本発明による製造方法について詳述する。
図5(a)〜(g)は本発明に係る3次元構造体の製造方法の一実施例を示す図である。まず、図5(a)に示すように、断面形状部材1が複数形成されたパターン部材15を常温接合におけるドナー基板として用い、このドナー基板15を第2の基板(ターゲット基板)60と対向させるように製造装置30内に設置する。断面形状部材1は複数形成されているが、本図ではその1つを示している。一方、ターゲット基板60はドナー基板15側にメサ部61を有する。この場合、ターゲット基板60はメサ部ともInPで構成される。また、断面形状部材の積層終了後に形成される3次元構造体をターゲット基板から取り外したいときは、InPで構成されたメサ形状を有するターゲット基板上に犠牲層としてInGaAsをMOCVD法で成膜してもよい。このようにすれば前記積層終了後、InGaAsのみをエッチングによってターゲット基板から3次元構造体を取り外すこともできる。ターゲット基板60の平坦部分からのメサ部61の高さは例えば15μ程度とした。メサ部61の頂部は平坦であり、断面形状部材1の1つと同程度または若干大きい面積をもつ。
この対向するドナー基板15とターゲット基板60の両者表面をFAB処理(イオンビームなどの照射)16A、16Bにより清浄化する。次に両者の位置合わせを行い、ターゲット基板60を移動させドナー基板15(パターン部材)の断面形状部材1に接触させる。このとき、図5(b)に示すように、ターゲット基板60を断面形状部材1に押しつづける。これにより、断面形状部材1がターゲット基板60を押す抗力、および上述した介在物93に押し当たる時に生じる抗力を利用してターゲット基板60に圧接を行い常温接合させる。
ここで、介在物93の存在により、断面形状部材1の下部の空隙がなくなるか、もしくは小さくなっている。このため、断面形状部材1の接合時に連結部材2がたわむことで起こる位置ずれや、予期しない連結部材の破断を防ぐことができ、3次元構造体の製造時の歩留まりが改善される。また、第1の基板10へのFAB照射を防ぐことが可能なため、断面形状部材1の接合工程において、第1の基板10へ接合してしまうことを防ぐことができる。ここで、FABは介在物93としての例えば硬化した樹脂にも、照射されるが、断面形状部材と硬化した樹脂の常温接合における接合は、下部基板への常温接合に比べて起こりにくい。これによっても歩留まりの改善が期待できる。
また、断面形状部材1の接合を常温接合とすることで、断面形状部材間をアニール融着等をもちいて接合する必要がなくなり、簡便に強固な接合が得られる。さらに、常温接合では加熱を必要としないため,熱膨張係数の異なる材料などの接合も簡便に行うことが可能である。
その後、図5(c)に示すように、ターゲット基板60に接合された断面形状部材1を引き上げ、それにより連結部材2を破断させて断面形状部材1をドナー基板10より切り離す。次に、ターゲット基板60を動かして、これらの各工程を繰り返す。すなわち、図5(d)〜(f)に示すように、ターゲット基板60上に断面形状部材1をストライプパターンが直交するように接合転写して積層する。さらに、これらの各工程を交互に繰り返して、図5(g)に示すような3次元フォトニック結晶40を作製する。なお、本実施例では、断面形状部材1の積層時にターゲット基板60を動かして行ったが、ドナー基板15を動かして行ってもよい。
また、本実施例では、ターゲット基板60のメサ頂部を断面形状部材1の1つと同程度または若干大きい面積としたが、ターゲット基板60をドナー基板15に押し付ける際、ドナー基板15が柱状部4間に複数の断面形状部材1を含む構造で、ターゲット基板60と柱状部4が干渉しない場合には、一回の接合転写工程で複数の断面形状部材を転写することができるので、このような場合には、ターゲット基板60のメサ部の頂部の面積を大きくすることができ、大量生産と同時に作業性を改善することができる。
このように、本発明に係る3次元構造体の製造方法は、第1の基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材を形成する工程と、後工程の断面形状部材の接合時における保持部材の破断を防止するための介在物を第1の基板と断面形状部材との間に配置する工程と、断面形状部材を第2の基板上に順次接合転写して積層する工程とを備える。この介在物を配置する工程は、介在物の材料を第1の基板上に塗布する工程と、この塗布された材料を硬化させる工程とを含む。また、塗布された材料が保持部材および断面形状部材の少なくとも一方の一部または全部を覆っている場合には、この覆っている材料を除去する工程を含む。ここで、塗布される材料は、例えばフォトレジストであり、これを除去する工程は、例えばアッシングを含むものである。
このように、本発明では、断面形状部材の下部の空隙をレジストやポリイミド等の介在物により埋めることで、上記空隙をなくするか、またはその大きさを小さくすることができ、断面形状部材の接合時の連結部材のたわみを少なくすることが出来る。また、介在物の存在でFABが下部基板に照射されないため、断面形状部材と下部基板との接合を防ぐことができる。これにより、3次元構造体の製造上の歩留まりが改善される。
本発明は、光通信、光インターコネクション、オプトエレクトロニクスや光計測の分野において、光導波路、光共振器、近接場光学プローブ、複屈折素子、フィルター、分岐素子、波面変換素子や偏向素子として使用される、回折型の光学素子、周期構造をもつ多層膜やフォトニック結晶等を含む3次元構造体の製造方法及び3次元構造体製造用基板に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
本発明に係る3次元構造体の製造方法に用いるパターン部材を示す図で、(a)はパターン部材加工前、(b)はパターン部材加工後を示す図である。 断面形状部材の保持状態の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−B断面図、(c)は(a)の一部拡大図である。 (a)〜(d)は断面形状部材の接合時における保持部材の破断を防止するための介在物を第1の基板と断面形状部材との間に設ける方法の一例を説明するための図である。 (a)は本発明に係る3次元構造体の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す図、(b)はこれにより作製されるウッドパイル型3次元フォトニック結晶の一例を示す図である。 (a)〜(g)は本発明に係る3次元構造体の製造方法の一実施例を示す図である。
符号の説明
1 断面形状部材
2 連結部材
3 枠状部材
4 柱状部
5 枠部
6 接続部
7 保持部材
10 第1の基板
15 パターン部材
40 3次元フォトニック結晶
60 第2の基板
90 空隙
91 樹脂
92 アッシング
93 介在物

Claims (12)

  1. 第1の基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材を、第2の基板上に順次接合転写して積層する工程を備える3次元構造体の製造方法において、前記断面形状部材の接合時における前記保持部材の破断を防止するための介在物を前記第1の基板と前記断面形状部材との間に設けたことを特徴とする3次元構造体の製造方法。
  2. 前記介在物が、後処理で除去可能な材料からなることを特徴とする請求項1記載の3次元構造体の製造方法。
  3. 前記後処理で除去可能な材料が、フォトレジストであることを特徴とする請求項2記載の3次元構造体の製造方法。
  4. 前記断面形状部材の接合が、常温接合で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3次元構造体の製造方法。
  5. 第1の基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材を形成する工程と、後工程の断面形状部材の接合時における前記保持部材の破断を防止するための介在物を前記第1の基板と前記断面形状部材との間に配置する工程と、前記断面形状部材を第2の基板上に順次接合転写して積層する工程とを備えることを特徴とする3次元構造体の製造方法。
  6. 前記介在物を配置する工程が、前記介在物の材料を前記第1の基板上に塗布する工程と、前記塗布された材料を硬化させる工程とを含むことを特徴とする請求項5記載の3次元構造体の製造方法。
  7. 前記塗布された材料が前記保持部材および断面形状部材の少なくとも一方の一部または全部を覆っている場合に、前記覆っている材料を除去する工程を含むことを特徴とする請求項6記載の3次元構造体の製造方法。
  8. 前記塗布された材料が、フォトレジストであることを特徴とする請求項7記載の3次元構造体の製造方法。
  9. 前記覆っている材料を除去する工程が、アッシングを含むものであることを特徴とする請求項8記載の3次元構造体の製造方法。
  10. 複数の断面形状部材を順次接合転写して積層する工程を備える3次元構造体の製造方法に用いる3次元構造体用基板であって、基板と、前記基板上に保持部材を介して空中保持された3次元構造体のスライスパターンに応じた複数の断面形状部材と、前記基板と前記断面形状部材との間に設けられた前記断面形状部材の接合時における前記保持部材の破断を防止するための介在物とを備えたことを特徴とする3次元構造体製造用基板。
  11. 前記介在物が、後処理で除去可能な材料からなることを特徴とする請求項10記載の3次元構造体製造用基板。
  12. 前記後処理で除去可能な材料が、フォトレジストであることを特徴とする請求項11記載の3次元構造体製造用基板。
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