JP2006323088A - ドナー基板および微小構造体の製造方法、およびドナー基板 - Google Patents

ドナー基板および微小構造体の製造方法、およびドナー基板 Download PDF

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睦也 高橋
Kazuaki Tabata
和章 田畑
Yoshifumi Yamazaki
芳文 山崎
Takayuki Yamada
高幸 山田
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Abstract

【課題】 光学素子に適した結晶薄膜を歩留まり良く積層することが可能なドナー基板および微小構造体の製造方法、およびドナー基板を提供する。
【解決手段】 離型層2を有する第一の基板1と、複数の薄膜パターン7を有する第二の基板4を準備し、第一の基板1の離型層2上に、第二の基板4上の複数の薄膜パターン7を転写してドナー基板9を作製し、ドナー基板9の複数の薄膜パターン9を順次ターゲット基板に積層して微小構造体を作製する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小光学部品や微小機械部品などの微小構造体の製造に適したドナー基板および微小構造体の製造方法、およびドナー基板に関する。
近年、部品製造において、積層造形方法がコンピュータで設計された複雑な形状の3次元物体を短期間で形成する方法として急速に普及している。この積層造形法で作製された3次元物体は、種々の装置の部品のモデル(プロトタイプ)として、部品の動作や形状の良否を調べるために利用されている。この積層造形方法は、サイズが数cm以上の比較的大きな部品に適用されることが多かったが、近年においては、精密に加工して形成される微小構造体、例えば、微小ギアや精密光学部品にも利用されている。
この積層造形方法による従来の微小構造体の製造方法の一つとして、ドナー基板上に薄膜からなる複数の断面パターンを形成し、断面パターンを順次積層して微小構造体を作製する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、この積層造形方法による従来の微小構造体の製造方法の一つとして、ドナー基板上に形成された、連結部材および枠状部材を介して空中保持された3次元構造体の断面パターンに応じた複数の断面形状部材を、ターゲット基板上に順次接合転写して積層し、微小構造体を作製する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特許第3161362号公報 特開2004−347788号公報
しかし、特許文献1に記載の従来の微小構造体の製造方法によると、離型層の上に薄膜を直接パターニングするが、InP薄膜などの光学素子に適した結晶薄膜は離型層の上に直接成長させることは困難である。そのため、このような薄膜を有するドナー基板を形成できず、薄膜の積層による微小構造体の製造ができないという問題がある。
また、特許文献2に記載の従来の微小構造体の製造方法によると、断面パターン(薄膜)が空中保持されているために自重により撓みが生じ、そのために積層の際に断面パターンが面接触しにくくなり、歩留まりが低下するという問題がある。
従って、本発明の目的は、光学素子に適した結晶薄膜を歩留まり良く積層することが可能なドナー基板および微小構造体の製造方法、およびドナー基板を提供することにある。
本発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、前記第二の基板上の前記薄膜をパターニングして薄膜パターンを作製する第2の工程と、前記第二の基板上の前記薄膜パターンを前記第一の基板の前記離型層上に転写してドナー基板を作製する第3の工程とを含むことを特徴とするドナー基板の製造方法を提供する。
本発明の第2の態様は、上記目標を達成するため、離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、前記第二の基板上の前記薄膜を前記第一の基板の前記離型層上に転写する第2の工程と、前記離型層上に転写された前記薄膜をパターニングして薄膜パターンを有するドナー基板を作製する第3の工程とを含むことを特徴とするドナー基板の製造方法を提供する。
上記本発明の第1の態様に係るドナー基板の製造方法によれば、薄膜パターンを離型層が形成された第一の基板とは別の第二の基板に形成し、その薄膜パターンを第一の基板の離型層上に転写することにより、離型層上に直接形成することが難しい材料からなる薄膜パターンを形成することができる。
上記本発明の第2の態様に係るドナー基板の製造方法によれば、離型層が形成された第一の基板とは別の第二の基板に薄膜を形成し、この薄膜を第一の基板の離型層上に転写した後にパターニングすることにより、離型層上に直接形成することが難しい材料からなる薄膜パターンを形成することができる。
離型層は、第三の基板(ターゲット基板)に転写する際、薄膜パターンが離型層から剥離し易いように離型層と薄膜パターンとの接着強度が調整されたものである。離型層は、例えば、ポリイミド、フッ化ポリイミド、酸化シリコン等の公知の材料を用いることができるが、第一の基板の熱酸化処理を行って形成される熱酸化膜を用いてもよい。
離型層の第一の基板上への形成は、スパッタ法、分子線ビームエピタキシャル法、化学気相堆積法、真空蒸着法、スピン塗布法等の一般的な薄膜形成方法を用いることができる。
離型層上に直接形成することが難しい材料は、例えば、光学素子に適した材料である。このような材料からなる薄膜パターンは、例えば、第二の基板上にエピタキシャル成長されたInP系等の結晶薄膜をパターニングすることにより得ることができる。パターニングとしては、例えば、リソグラフィー法、集束イオンビーム(FIB)法、電子ビーム直接描画法等を用いることができるが、高い平面形状精度が得られ、量産性が高い点で、リソグラフィー法が好ましい。
上記本発明の第1の態様に係る第3の工程は、第一の基板上の離型層と第二の基板上の薄膜パターンとを接合させた後、第二の基板を物理研磨などの物理的方法を用いて除去することにより、第一の基板の離型層上に薄膜パターンを有するドナー基板を作製する構成としてもよい。
上記本発明の第2の態様に係る第2の工程は、第一の基板上の離型層と第二の基板上の薄膜とを接合させた後、第二の基板を物理研磨などの物理的方法を用いて除去することにより、第一の基板の離型層上に薄膜を転写する構成としてもよい。
上記本発明の第1の態様に係る第1の工程は、第二の基板と薄膜との間に犠牲層を形成する工程を含み、上記第3の工程は、犠牲層をエッチングにより除去して第二の基板を除去することにより、第一の基板の離型層上に薄膜パターンを有するドナー基板を作製してもよい。
上記本発明の第2の態様に係る第1の工程は、第二の基板と薄膜との間に犠牲層を形成する工程を含み、上記第2の工程は、犠牲層をエッチングにより除去して第二の基板を除去することにより、第一の基板の離型層上に薄膜を転写してもよい。
犠牲層のエッチングには、エッチング液を用いるウェット式や、プラズマエッチング等のドライ式を用いることができるが、ウェット式は横方向に腐食が進行するため、薄膜パターンが接触している離型層を除去し易い点で好ましい。
犠牲層は、第二の基板上にエピタキシャル成長された結晶薄膜からなるものでもよい。
第二の基板は、InP系からなり、犠牲層は、GaInAsP系からなり、薄膜パターンは、InP系からなるものでもよい。犠牲層のGaInAsP系はInP系と格子定数が整合するため、結晶性の高い薄膜パターンを得ることができる。
本発明の第3の態様は、上記目的を達成するため、離型層が形成された第一の基板と、複数の薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、前記第二の基板上の前記薄膜をパターニングして薄膜パターンを作製する第2の工程と、前記第二の基板上の前記複数の薄膜パターンを前記第一の基板の前記離型層上に転写してドナー基板を作製する第3の工程と、前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層して微小構造体を作製する第4の工程とを含むことを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
本発明の第4の態様は、上記目標を達成するため、離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、前記第二の基板上の前記薄膜を前記第一の基板の前記離型層上に転写する第2の工程と、前記離型層上に転写された前記薄膜をパターニングして複数の薄膜パターンを有するドナー基板を作製する第3の工程と、前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層して微小構造体を作製する第4の工程とを含むことを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
上記本発明の第3及び第4の態様に係る微小構造体の製造方法によれば、ドナー基板上の複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層することにより、離型層上に直接形成することが難しい材料からなる微小構造体を作製することができる。
上記本発明の第3及び第4の態様に係る第4の工程は、ドナー基板上の薄膜パターンとターゲット基板との接合・分離を繰り返すことにより、ドナー基板上の複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層することができる。
複数の薄膜パターンは、常温接合によって接合されるのが好ましい。「常温接合」とは、室温で原子同士を直接接合することをいう。常温接合によれば、常温接合される薄膜パターンの形状や厚みの変化が少なく、高精度な微小構造体が得られる。薄膜パターンを接合する前に、その表面に中性原子ビーム、イオンビーム等を照射して表面を清浄化するのが好ましい。清浄化により表面が活性化して強固な接合が得られる。
本発明の第5の態様は、上記目的を達成するため、第一の基板と、前記第一の基板上に形成された離型層と、前記離型層上に形成され、光学素子に適した材料からなる薄膜パターンとを備えたことを特徴とするドナー基板を提供する。
上記第5の態様に係るドナー基板によれば、光学素子に適した材料からなる薄膜パターンを第一の基板から剥離し、薄膜パターンを積層することにより、光学素子に適した材料からなる微小構造体を得ることができる。
光学素子に適した材料として、エピタキシャル成長によって形成されたInP系の材料を用いることができる。これにより、光損失の少ない光特性を得ることができる。
本発明によれば、光学素子に適した薄膜を歩留まり良く積層することが可能となる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態に係る微小構造体の製造方法をドナー基板の作製工程と薄膜パターンの積層工程とに分けて説明する。
(ドナー基板の作製)
図1(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程における断面図である。
まず、図1(a)に示すように、第一の基板1の上に離型層2として、例えば、ポリイミドをスピン塗布し、第一の積層体3を作製する。ここで、ポリイミドはベーキングしない。
次に、図1(b)に示すように、InPからなる第二の基板4の上にGaInAsPからなる犠牲層5、および光学素子に適した材料として、例えば、InPからなる薄膜6をMOCVD(有機金属気相成長法)法等のエピタキシャル成長法により順次形成する。この薄膜6は、ポリイミド等の樹脂の上には形成することが困難であるために、第一の基板1の離型層2上に直接形成することができないが、GaInAsPからなる犠牲層5の上には結晶性の良い膜として形成することが可能なものである。
次に、図1(c)に示すように、薄膜6を所望の形状にパターニングして薄膜パターン7を形成し、第二の積層体8を作製する。パターニングは、リソグラフィー法を用いて実施されることが好ましい。
続いて、図1(d)に示すように、第一の基板1の離型層2上に第二の基板4上の薄膜パターン7を転写する。すなわち、離型層2と薄膜パターン7が接するように第一の積層体3と第二の積層体8を重ね合わせ、300℃、1時間の条件でベーキングを施してポリイミドをキュアする。これにより、第一の積層体3と第二の積層体8が接合される。
第一の積層体3と第二の積層体8が接合された後、フッ酸と硝酸の混合液を用いたウェットエッチングにより犠牲層5を選択的に除去し、第二の基板4を取り除くことにより、図1(e)に示すように、薄膜パターン7の第一の基板1の離型層2上への転写が完了する。これにより、光学素子に適した薄膜パターン7を有するドナー基板9が得られる。
なお、犠牲層5および第二の基板4の除去は、エッチングの代わりに物理研磨などの物理的方法により実施してもよい。
図2は、第1の実施の形態に係るドナー基板9の平面図を示す。図3(a)〜(d)は、図2の一部を拡大した平面図を表している。
微小構造体を構成する薄膜パターン(層)7に対応して、図3に示すように、複数のセル10を定義し、これらのセル10を所定のピッチで第一の基板1上に2次元に展開配置する。セル10a〜10d上の薄膜パターン7a、7b、7c、7dを、後述するように積層することにより微小構造体が作製される。図2は、複数の微小構造体を作製するための薄膜パターン7を第一の基板1上に形成した場合を示したが、1つの微小構造体を作製するための薄膜パターン7を第一の基板1上に形成してもよい。
(薄膜パターンの積層)
図4は、微小構造体の製造工程を示す断面図である。ここでは、微小構造体の一例として、ウッドパイル型3次元フォトニック結晶について説明する。
ドナー基板9を真空槽内の図示しない下部ステージ上に配置し、ターゲット基板11を真空層内の図示しない上部ステージ上に配置する。続いて、真空槽内を排気して高真空状態あるいは超高真空状態にする。次に、図4(a)に示すように、下部ステージおよび上部ステージを相対的に移動させてターゲット基板11をドナー基板9のセル10aの薄膜パターン7a上に位置させる。続いて、ターゲット基板11の表面および薄膜パターン7a表面にアルゴン原子ビームを照射して清浄化する。
次に、図4(b)に示すように、上部ステージを下降させ、所定の荷重力(例えば、10kgf/cm2)でドナー基板9とターゲット基板11とを所定の時間(例えば、5分間)押圧し、ターゲット基板11と薄膜パターン7aとを常温接合する。
次に、図4(c)に示すように、上部ステージを上昇させると、薄膜パターン7aが離型層2から剥離し、ターゲット基板11側に転写される。これは、薄膜パターン7aとターゲット基板11との密着力が薄膜パターン7aと離型層2との密着力よりも大きいからである。
次に、下部ステージおよび上部ステージを相対的に移動させ、ターゲット基板11をセル10bの薄膜パターン7b上に位置させる。ターゲット基板11側に転写されたセル10aの薄膜パターン7aの表面(離型層2に接触していた面)および薄膜パターン7bの表面を前述したように清浄化する。
次に、図4(d)に示すように、上部ステージを下降させ、薄膜パターン7aと薄膜パターン7bとを接合させ、図4(e)に示すように、上部ステージを上昇させると、薄膜パターン7bが離型層2から剥離し、ターゲット基板11側に転写される。
次に、下部ステージおよび上部ステージを相対的に移動させ、ターゲット基板11をセル10cの薄膜パターン7c上に位置させる。ターゲット基板11側に転写された薄膜パターン7bの表面および薄膜パターン7c表面を前述したように清浄化する。
次に、図4(f)に示すように、上部ステージを下降させ、薄膜パターン7bと薄膜パターン7cとを接合させ、図4(g)に示すように、上部ステージを上昇させると、薄膜パターン7cが離型層2から剥離し、ターゲット基板11側に転写される。
続いて、さらに同様の方法によりセル10dの薄膜パターン7dをターゲット基板11側に転写し、以降薄膜パターン7a〜7dを順次繰り返し積層することで、ターゲット基板11上に微小構造体のウッドパイル型3次元フォトニック結晶が完成する。その後、上部ステージからターゲット基板11を取り外し、ターゲット基板11を除去することにより、ウッドパイル型3次元フォトニック結晶が得られる。
図5は、そのウッドパイル型3次元フォトニック結晶を示す。このウッドパイル型3次元フォトニック結晶12は、例えば、幅1μm、高さ1μm、長さ50μmの3本又は4本のストライプ状部材からなる複数の薄膜パターン7a、7b、7c、7dがウッドパイル(積み木)状に積層した構造を有する。
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、光学素子に適した材料からなる薄膜を第二の基板4上にエピタキシャル成長させた後、その薄膜を第一の基板1上に転写してドナー基板9を作製しているので、第一の基板1上に形成することが困難な光学素子用材料からなる薄膜パターン7を有するドナー基板9を作製することができる。また、このドナー基板9を用いて、微小構造体である3次元フォトニック結晶12を製造することができる。
〔第2の実施の形態〕
図6(a)〜(e)は、本発明の第2の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程の断面図を示す。第1の実施の形態では、薄膜6を図1(b)に示される段階でパターニングし、図1(c)に示される第二の積層体8を作製したが、この第2の実施の形態では、図1(b)に示す段階でパターニングせずに、第一の基板に転写した後にパターニングするものである。以下に、第2の実施の形態に係るドナー基板の作製について説明する。
まず、図6(a)に示すように、第一の基板1の上に離型層2を形成して第一の積層体3を作製する。次に、図6(b)に示すように、InPからなる第二の基板4の上にGaInAsPからなる犠牲層5、およびInPからなる薄膜6を順次形成する。
次に、図6(c)に示すように、第一の基板1の離型層2上に第二の基板4上の薄膜6を重ね合わせて接合する。
次に、図6(d)に示すように、ウェットエッチングにより犠牲層5を選択的に除去し、第二の基板4を取り除くことにより、図6(d)に示すように、第一の基板1の離型層2上に薄膜6が転写される。
次に、図6(e)に示すように、薄膜6をリソグラフィー法により所望の形状にパターニングして薄膜パターン7を形成し、ドナー基板9を作製する。
(第2の実施の形態の効果)
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、第一の基板1上に形成することが困難な光学素子用材料からなる薄膜パターン7を有するドナー基板9を作製することができるので、3次元フォトニック結晶等の光学部品を高い歩留まりで製造することができる。
〔第3の実施の形態〕
図7(a)〜(e)は、本発明の第3の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程の断面図を示す。この第3の実施の形態は、図1に示す製造工程において、第二の基板4上の犠牲層5を省いたものである。以下に、第3の実施の形態に係るドナー基板の作製について説明する。
まず、図7(a)に示すように、第一の基板1の上に離型層2を形成して第一の積層体3を作製する。
次に、図7(b)に示すように、InPからなる第二の基板4の上にInPからなる薄膜6をMOCVD(有機金属気相成長法)法等のエピタキシャル成長法により形成する。
次に、図7(c)に示すように、薄膜6をリソグラフィー法を用いて所望の形状にパターニングして薄膜パターン7を形成し、第二の積層体8を作製する。
続いて、図7(d)に示すように、第一の基板1の離型層2上に第二の基板4上の薄膜パターン7を転写する。すなわち、離型層2と薄膜パターン7が接するように第一の積層体3と第二の積層体8を重ね合わせて第一の積層体3と第二の積層体8を接合する。
第一の積層体3と第二の積層体8が接合された後、第二の基板4を物理研磨などの物理的方法により除去することにより、図7(e)に示すように、薄膜パターン7の第一の基板1の離型層2上への転写が完了する。これにより、光学素子に適した薄膜パターン7を有するドナー基板9が得られる。
(第3の実施の形態の効果)
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態に係るドナー基板の製造工程から犠牲層5を設置する工程を省くことができる。
〔第4の実施の形態〕
図8(a)〜(e)は、本発明の第4の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程の断面図を示す。この第4の実施の形態は、図6に示す製造工程において、第二の基板4上の犠牲層5を省いたものである。以下に、第4の実施の形態に係るドナー基板の作製について説明する。
まず、図8(a)に示すように、第一の基板1の上に離型層2を形成して第一の積層体3を作製する。
次に、図8(b)に示すように、InPからなる第二の基板4の上にInPからなる薄膜6をMOCVD(有機金属気相成長法)法等のエピタキシャル成長法により形成する。
次に、図8(c)に示すように、第一の基板1の離型層2上に第二の基板4上の薄膜6を重ね合わせて接合する。
続いて、図8(d)に示すように、第二の基板4を物理研磨などの物理的方法により除去することにより、第一の基板1の離型層2上に薄膜6が転写される。
次に、図6(e)に示すように、薄膜6をリソグラフィー法により所望の形状にパターニングして薄膜パターン7を形成し、ドナー基板9を作製する。
(第4の実施の形態の効果)
この第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態に係るドナー基板の製造工程から犠牲層5を設置する工程を省くことができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
上記各実施の形態では、ウッドパイル型3次元フォトニック結晶を例に説明したが、別の構造を有するフォトニック結晶、あるいはフォトニック結晶以外の導波路等の光学素子や他の微小構造体の製造にも適用が可能である。
また、上記各実施の形態では、光学素子に適した材料として、InP系を例に挙げたが、本発明は、これに限定されず、GaAs等の半導体材料や他の光学用材料にも適用することができる。
(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るドナー基板の平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るドナー基板の各セルの平面図である。 (a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係るウッドパイル型3次元フォトニック結晶の各製造工程における断面図である。 (f)〜(g)は、本発明の第1の実施の形態に係るウッドパイル型3次元フォトニック結晶の各製造工程における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウッドパイル型3次元フォトニック結晶の斜視図である。 (a)〜(e)は、本発明の第2の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程における断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の第3の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程における断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の第4の実施の形態に係るドナー基板の各製造工程における断面図である。
符号の説明
1 第一の基板
2 離型層
3 第一の積層体
4 第二の基板
5 犠牲層
6 薄膜
7,7a,7b,7c,7d 薄膜パターン
8 第二の積層体
9 ドナー基板
10,10a,10b,10c,10d セル
11 ターゲット基板
12 3次元フォトニック結晶

Claims (20)

  1. 離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、
    前記第二の基板上の前記薄膜をパターニングして薄膜パターンを作製する第2の工程と、
    前記第二の基板上の前記薄膜パターンを前記第一の基板の前記離型層上に転写してドナー基板を作製する第3の工程とを含むことを特徴とするドナー基板の製造方法。
  2. 離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、
    前記第二の基板上の前記薄膜を前記第一の基板の前記離型層上に転写する第2の工程と、
    前記離型層上に転写された前記薄膜をパターニングして薄膜パターンを有するドナー基板を作製する第3の工程とを含むことを特徴とするドナー基板の製造方法。
  3. 前記薄膜パターンは、光学素子に適した材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のドナー基板の製造方法。
  4. 前記薄膜パターンは、前記第二の基板上にエピタキシャル成長された結晶薄膜をパターニングすることにより得られたことを特徴とする請求項1又は2に記載のドナー基板の製造方法。
  5. 前記薄膜パターンは、InP系からなることを特徴とする請求項3又は4に記載のドナー基板の製造方法。
  6. 前記第3の工程は、前記第一の基板上の前記離型層と前記第二の基板上の前記薄膜パターンとを接合させた後、前記第二の基板を除去することにより、前記第一の基板の前記離型層上に前記薄膜パターンを有する前記ドナー基板を作製することを特徴とする請求項1に記載のドナー基板の製造方法。
  7. 前記第2の工程は、前記第一の基板上の前記離型層と前記第二の基板上の前記薄膜とを接合させた後、前記第二の基板を除去することにより、前記第一の基板の前記離型層上に前記薄膜を形成することを特徴とする請求項2に記載のドナー基板の製造方法。
  8. 前記第3の工程は、第二の基板を物理研磨などの物理的方法を用いて除去することにより、前記第一の基板の前記離型層上に前記薄膜パターンを有する前記ドナー基板を作製することを特徴とする請求項1に記載のドナー基板の製造方法。
  9. 前記第2の工程は、第二の基板を物理研磨などの物理的方法を用いて除去することにより、前記第一の基板の前記離型層上に前記薄膜を転写することを特徴とする請求項2に記載のドナー基板の製造方法。
  10. 前記第1の工程は、前記第二の基板と前記薄膜との間に犠牲層を形成する工程を含み、
    前記第3の工程は、前記犠牲層をエッチングにより除去して前記第二の基板を除去することにより、前記第一の基板の前記離型層上に前記薄膜パターンを有する前記ドナー基板を作製することを特徴とする請求項1に記載のドナー基板の製造方法。
  11. 前記第1の工程は、前記第二の基板と前記薄膜との間に犠牲層を形成する工程を含み、
    前記第2の工程は、前記犠牲層をエッチングにより除去して前記第二の基板を除去することにより、前記第一の基板の前記離型層上に前記薄膜を形成することを特徴とする請求項2に記載のドナー基板の製造方法。
  12. 前記犠牲層は、前記第二の基板上にエピタキシャル成長された結晶薄膜からなることを特徴とする請求項10又は11に記載のドナー基板の製造方法。
  13. 前記第二の基板は、InP系からなり、
    前記犠牲層は、GaInAsP系からなり、
    前記薄膜又は薄膜パターンは、InP系からなることを特徴とする請求項10又は11に記載のドナー基板の製造方法。
  14. 離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、
    前記第二の基板上の前記薄膜をパターニングして複数の薄膜パターンを作製する第2の工程と、
    前記第二の基板上の前記複数の薄膜パターンを前記第一の基板の前記離型層上に転写してドナー基板を作製する第3の工程と、
    前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層して微小構造体を作製する第4の工程とを含むことを特徴とする微小構造体の製造方法。
  15. 離型層が形成された第一の基板と、薄膜が形成された第二の基板とを準備する第1の工程と、
    前記第二の基板上の前記薄膜を前記第一の基板の前記離型層上に転写する第2の工程と、
    前記離型層上に転写された前記薄膜をパターニングして複数の薄膜パターンを有するドナー基板を作製する第3の工程と、
    前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層して微小構造体を作製する第4の工程とを含むことを特徴とする微小構造体の製造方法。
  16. 前記第4の工程は、前記ドナー基板上の前記薄膜パターンと前記ターゲット基板との接合・分離を繰り返すことにより、前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンをターゲット基板に順次積層することを特徴とする請求項14又は15に記載の微小構造体の製造方法。
  17. 前記複数の薄膜パターンは、常温接合によって接合されたことを特徴とする請求項14又は15に記載の微小構造体の製造方法。
  18. 第一の基板と、
    前記第一の基板上に形成された離型層と、
    前記離型層上に形成され、光学素子に適した材料からなる薄膜パターンとを備えたことを特徴とするドナー基板。
  19. 前記光学素子に適した材料は、InP系であることを特徴とする請求項18に記載のドナー基板。
  20. 前記光学素子に適した材料は、エピタキシャル成長によって形成された結晶薄膜であることを特徴とする請求項18に記載のドナー基板。
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