JP3627496B2 - 微小構造体の製造方法 - Google Patents

微小構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3627496B2
JP3627496B2 JP01658698A JP1658698A JP3627496B2 JP 3627496 B2 JP3627496 B2 JP 3627496B2 JP 01658698 A JP01658698 A JP 01658698A JP 1658698 A JP1658698 A JP 1658698A JP 3627496 B2 JP3627496 B2 JP 3627496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
thin film
microstructure
manufacturing
wafer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01658698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11207846A (ja
Inventor
高幸 山田
睦也 高橋
真生 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP01658698A priority Critical patent/JP3627496B2/ja
Publication of JPH11207846A publication Critical patent/JPH11207846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3627496B2 publication Critical patent/JP3627496B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属材料や絶縁材料を微細、かつ精密に加工して微小構造体を製造する方法に関し、特に、金属材料や絶縁材料の薄層を微小構造体の断面形状にパターニシグし、これらを積層して微小構造体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、部品製造において、積層造形方法がコンピュータで設計された複雑な形状の3次元物体を短期間で形成する方法として急速に普及している。この積層造形方法で作成された3次元物体は、種々の装置の部品のモデル(プロトタイプ)として、部品の動作や形状の良否を調べるために利用されている。この積層造形方法は、サイズが数cm以上の比較的大きな部品に適用されることが多かったが、近年においては、精密に加工して形成される微小構造体、例えば、微小ギアや微細光学部品にもこの方法が適用されている。
【0003】
図8は、積層造形方法による従来の微小構造体の製造方法を示す。図8において、まず、基板としてSiウェハ51を準傭し、表面に熱酸化膜56を0.1μm成長させ、その上にスパッタリング法によりAl薄膜52を0.5μmの厚さで着膜する(801)。
【0004】
次に、基板表面にフォトレジスト57を塗布し、通常のフォトリソグラフィ法によりAl薄膜52をエッチングし、所望の微小構造体の第1の断面形状を有する薄膜(第1のAl薄膜)53を形成する(802)。第1のAl薄膜53を形成した後、フォトレジスト57を剥離液にて除去する。このようにして形成した第1のAl薄膜53は、解像度1μm以下、精度0.1μm以下の微細かつ精密なものとなっている。
【0005】
次に、第1のAl薄膜53が形成されたSiウェハ(基板)51を真空槽59内に導入し、真空槽59内にあるステージ54と対向させ、真空槽59内を約10−6P a程度まで排気する。そしてステージ54の表面及び第1のAl薄膜53の表面にArガス58を源とするFAB(Fast Atom Bombardment )処理を施す(803)。これはArガス58を1KV程度の電圧で加速して第1のAl薄膜53及びステージ54の表面に照射し、これらの表面の酸化膜、不純物などを除去し清浄な表面を形成する。
【0006】
次に、ステージ54とSiウェハ51を接近させ清浄なステージ54の表面と清浄な第1のAl薄膜53の表面を接触させ、更に荷重Pとして50kgf/cm2をかけ5分間押し付けて、ステージ54と第1のAl薄膜53の表面を接合する(804)。
【0007】
そして、ステージ54とSiウェハ51を元のように引き離すと、第1のAl薄膜53とステージ54との接合力の方が、第1のAl薄膜53とSiウェハ51との密着力よりも大きいため、第1のAl薄膜53はSiウェハ51の熱酸化膜56からステージ54側に転写される(805)。
【0008】
同様にして、第2のAl薄膜を形成してFAB処理を施し、接合転写することにより、第1のAl薄膜53の上に第2のAl薄膜を積層する。最初の工程との違いは、FAB処理の工程において、2回目のときはステージ54表面にFAB処理をするのではなく、第1のAl薄膜53の裏面(それまでSiウェハ51に接触していた面)に照射し、そこを清浄化することである。また、第1のAl薄膜53と第2のAl薄膜の相対的な位置出しを行うために、ステージ54側又はSiウェハ51側に、x−y(水平)平面内のアライメント機構(図示せず)が設けられている。
【0009】
以上の各工程を繰り返して順にAl薄膜を積層することにより、微小構造体55が製造できる(806)。この様な方法により製造した微小構造体55はAl製であるが、他の材料で製造するには、基板上に形成する薄膜を他の金属(銅、インジウムなど)やセラミックスなどの絶縁体(アルミナ、炭化けい素)にすれば良い。
【0010】
図9は、積層造形方法による従来の他の微小構造体の製造方法の一部を示す。図9(a)は、薄膜パターン53aの隙間をエッチバックする方法を示し、図9(b)は、薄膜パターン53bの下層に緩衝層65を挿入する方法を示す。図9(a)及び(b)によると、微小構造体の製造歩留まりを向上させ、接合面同士の面接触を確実にし、バーティクル60(図9(a))などの異物によるボイドの発生を避けることができる。
【0011】
ここで、ステージ54などの対向基板は、微小構造体55を構成する薄膜を積層する基板であり、Siウェハ51などのパターン基板よりも小さく10mm角程度で十分であるため、通常はSiウェハやガラス基板をこの10mm角程度の大きさにカットして使われる。カットにはダイサなどが用いられ、このカットの際に対向基板のエッジ部にチッピングが発生したり、それに伴ってパーティクルが生じたりしてしまう。そこで、このエッジ部のダメージを回避するために、Siウェハなどの対向基板のエッジ部の内側に島状台地を形成するようにしている。これは、Siウェハ同士の常温接合の場合に用いられ、SiウェハをKOHによりエッチングして島状台地となる領域以外を30μm程エッチング除去して、高さ30μmの島状台地を形成し、エッジ部のダメージを回避している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8及び図9に示したような従来の微小構造体の製造方法によれば、島状台地は、Siウェハ同士の接合に用いられるため、表面はSiのままであり、これに対して微小構造体を形成する材料はAlなどの金属やシリコン窒化膜などの絶縁体である場合が多いため、これら微小構造体の材料とSiが常温接合で強固に接合することができない場合が生じるという問題があった。また、逆に、強固に按合できた場合、完成した微小構造体を取り出すときに、強固に接合しているため、島状台地から微小構造体を分離できなくなるといった問題があった。
【0013】
更に、対向基板がSiウェハやガラス基板の場合、これらの剛性が高いため、面同士の平行度が悪いと接合面同士が確実に接触することができず、微小構造体の製造歩留まりを著しく低下させるという問題があった。
【0014】
従って、本発明の目的は、微小構造体が形成される島状台地と完成した微小構造体の接合力を制御でき、基板上の薄膜の面接触を確実なものとし、均等な圧着荷重がかかるようにして薄膜パターンの転写歩留まりを高めることができる微小構造体の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上に述べた目的を実現するため、Siウェハなどの第1の基板の片面上に所定の形状の薄膜を形成し、第1の基板の片面と対向する位置に第2の基板を設け、第1の基板の片面上の薄膜と第2の基板の片面を接合し、薄膜を第1の基板から剥離して第2の基板上に転写し、薄膜の形成と薄膜と第2の基板の接合を繰り返して複数の薄膜を第2の基板上に積層することにより微小構造体を製造する方法において、第2の基板を設ける工程は、第2の基板の片面側に島状の突起を形成する工程と、突起の表面をコート層で覆う工程を有し、第2の基板上へ転写する工程、及び第2の基板上に積層する工程は、コート層で覆われた突起上へ転写する工程、及びコート層で覆われた突起上に積層する工程であることを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の微小構造体の製造方法を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の微小構造体の製造方法の全体的なフローチャートである。図1において、まず、Siウェハ基板の片面に島状台地を形成し、この表面に表面コート層を被覆して対向基板を作製する(100)。次に、Siウェハ基板の片面にポリイミドなどで緩衝層及び離型層を形成し、この離型層上に微小構造体の一部となる薄膜パターンを形成して、パターン基板を作製する(200)。次に、対向基板とパターン基板の位置決め(205)後、FAB処理で薄膜パターン等の接合面を清浄して接合し、パターン基板から対向基板へ薄膜パターンを転写する(300)。このステップ250とステップ300の工程を所定回数繰り返すことによって、微小構造体の薄膜パターンが順次対向基板側へ積層転写され、所定の形状の微小構造体が製造される(400)。以下、この各工程について具体的な実施の形態の一例を述べながら詳述する。
【0018】
図2は、図1のステップ100の一例を示す。図2において、まず、対向基板としてSiウェハを用意し、Siウェハ基板21の片側表面に熱酸化膜22を0.5μm形成する(101)。次に、この熱酸化膜22を、フォトレジスト23を用いた通常のフォトリソグラフィ法により、島状のパターン30(数ミリ角から十数ミリ角程度)にパターニングする(102)。
【0019】
次に、熱酸化膜のパターン30をマスクにして、Siウェハ基板21を深さ約20μmだけエッチングする(103)。具体的には、加熱した水酸化カリウム(KOH)溶液を用いて、異方性エッチングで約15分間エッチングする。この後、熱酸化膜のパターン30をバッファードフッ酸で剥離し、Siウェハ基板21の片面に、島状台地24が完成する。尚、ここで、SiのエッチングにK0H溶液を用いた湿式エッチングを採用したが、deep RIE(Reactive Ion Etching)などのドライエッチング方式を用いて、より深くSiウェハ基板21をエッチングすることもできる。
【0020】
更に、熱酸化膜のパターン30を剥離したSiウェハ基板21の島状台地24側に、スパッタリング法によりAlを0.3μm着膜し、表面コート層25を形成する。ここで、スバッタ圧力0.5Pa、Siウェハ基板21の温度は室温とする。着膜中は水晶振動子式膜厚計で常時Alの膜厚をモニタし、表面コート層25の厚さが0.3μmに達したところで着膜を終了する。この表面コート層25(Al膜)の厚さは、Siウエハの表面を被覆するだけで十分なので、0.1μm以上あれば充分である。また、表面コート層25の膜厚を厚く形成すると、Alの表面粗さが大きくなり好ましくないので、表面コート層25は、必要以上に厚くしないようにし、約1μm程度がその上限である。最後に基板を島状台地24の周囲でダイシングして対向基板が完成する(104)。このダイシングの際、Siウェハ基板21のエッジ部分に多少のチッピングが生じるが、島状台地24の高さが20μm程あるので、後の接合工程に支障が生じない。
【0021】
次にパターン基板の作製プロセス(図1のステップ200)を説明する。
【0022】
図3は、図1のステップ200の一例を示す。図3において、まず、パターン基板としてSiウェハを用意し、Siウェハ基板11の片側表面にカップラ剤を塗布した後、その上にポリイミドをスピンコーティングにより約5μm塗布し、最高温度約350℃でベイクして緩衝層16を形成する。ここで、緩衝層16のポリイミドのヤング率は約3GPaであり、Siウェハ基板11のヤング率180GPaよりも十分に小さくなっている。次に、Siウェハ基板11表面をフッ素原子を含むガスにさらし、ポリイミドの緩衝層16の表面をフッ素化して離型層17を形成する(201)。具体的には、Siウェハ基板11をドライエッチング装置などの真空装置(図示せず)に導入し、CF4ガスを用いたプラズマ処理(ガス流量100sccm、放電パワー500W、圧力10Pa、時間10分)を行うことにより、ポリイミドの緩衝層16の表面をフッ化し、疎水性にする。
【0023】
次に、スパッタリング法によりAl膜12を約1.0μmの厚さで着膜する(202)。ここで、ターゲットに高純度Alを使用し、スバッタ圧力は0.5Pa、Siウェハ基板11の温度は室温とする。着膜中は水晶振動子式膜厚計で常時Al膜12の膜厚をモニタし、Al膜12の厚さが1.0μmに達したところで着膜を終了する。このAl膜12の厚さの分布は、1.0±0.02μm以下である。このAl膜12の厚さが、最終的に得られる微小構造体のZ軸(高さ)精度を決めるため、このAl膜12の膜厚及び膜厚分布には十分配慮する必要がある。
【0024】
このAl膜12を、通常のフォトリソグラフィ法により、微小構造体の複数の断面形状にパターニングして、薄膜パターン31、32を形成する(203)。
【0025】
図4は、図1のステップ250及びステップ400の一例を示す。図4において、Siウェハ基板(バターン基板)11とSiウェハ基板(対向基板)21を真空槽(図示せず)内に導入し、Siウェハ基板11側又はSiウェハ基板21側に設けられたx−y(水平)平面内のアライメント機構(図示せず)によって、Siウェハ基板21の島状台地24とSiウェハ基板11上の薄膜パターン31、32の相対的な位置出し(図1のステップ250)を行った後、両方の基板11、21の表面にArガスでFAB処理を施して島状台地24上の表面コート層25と薄膜パターン31、32の表面を清浄する。その後、両基板11、21を接近させ(301)、清浄な表面コート層25と清浄な薄膜パターン31、32のそれぞれの表面を接触させて、所定の荷重をかけて数分間押し付け、島状台地24のAl表面コート層25とAl薄膜パターン31、32の表面を接合する。ここで、Al−Al常温接合は、バルクのAl接合並みの接合力があり、表面コート層25が無い場合のSi−Al接合よりもはるかにその接合力が強い。
【0026】
次に、パターンSiウェハ基板11と対向Siウェハ基板21を元のように引き離すと、薄膜パターン31、32とSiウェハ基板11の間には、ポリイミドの緩衝層16をフッ素化して形成された離型層17があり、薄膜パターン31、32と離型層17の密着力が、対向Siウェハ基板21と薄膜パターン31、32との接合力よりも小さいため、薄膜パターン31、32は、Siウェハ基板11側から対向Siウェハ基板21側に転写される(302)。
【0027】
以下同様にして、図4のステップ301及びステップ302(図1のステップ250及びステップ300)の工程を繰り返すことにより、対向Siウェハ基板21上に微小構造体5が製造される(401)。ここで、2回目以降の工程では、FAB処理は、Siウェハ基板21上に積層された薄膜パターンの表面とSiウェハ基板11上の新たな薄膜パターンの表面に施される。また、Siウェハ基板21上に積層された薄膜パターンとSiウェハ基板11上の新たな薄膜パターンの相対的な位置出しは、Siウェハ基板11側又はSiウェハ基板21側に設けられているx−y(水平)平面内のアライメント機構(図示せず)によって、行われる。この様にして製造された微小構造体5は、電鋳や成形で作製される微小部品の型として利用される。Al−Al接合の接合強度が大きいため、微小構造体5を対向Siウェハ基板21から分離することは困難であるが、この微小構造体5を樹脂成形の型として用いる用途には支障が無い。
【0028】
図5は、図2から図4で示したSiウェハ基板11、21の他の形態例を示す。図5において、対向Siウェハ基板21には、図2及び図4で示した島状台地24の代わりに島状の凸部3が形成されている。この凸部3は、KOHを用いた異方性エッチングによりSiウェハ基板21をエッチングして、段差約20μmの島状の凸部3にしたものである。この凸部3の表面を、図2に示したのと同様な方法で、0.3μmの厚さのAl表面コート層25で被覆する。
【0029】
また、パターンSiウェハ基板11側においては、Siウェハ基板11上に、ポリイミドの緩衝層16を形成し、この緩衝層16上に薄膜パターン31、32が形成されている。即ち、図3及び図4で示した離型層17を設けずに、薄膜パターン31、32を直接緩衝層16上に形成したものになっている。
【0030】
図6は、図2で示した図1のステップ100の他の実施の形態例を示す。まず、対向基板としてSiウェハを用意し、Siウェハ基板21の片側表面にカップラ剤を塗布した後、スピンコート法によりポリイミドを約15μm塗布する。そして、最高温度350℃でキュアして、島状台地の元となるポリイミド層26を形成する(111)。
【0031】
次に、ポリイミド層26の表面にAlをスパッタリング法により0.5μm着膜し、フォトレジスト23を用いた通常のフォトリソグラフィ法により、島状のAlマスクパターン27を形成する(112)。これは次の工程でポリイミド層26をドライエッチングする際のマスクになる。
【0032】
そして、ポリイミド層26をRIEでエッチングして、高さ約15μmのポリイミドの島状台地28を形成する(113)。このエッチングのガスにはCF4と02の混合ガスを用いる。
【0033】
次に、マスクとして用いたAlマスクパターン27をエッチングして除去し、図2と同様にして、全面にAlをスパッタリング法により0.3μm着膜して表面コート層25を形成する。最後にSiウェハ基板21を島状台地28の周囲でダイシングして、対向Siウェハ基板21が作製される(114)。このダイシングの際、エッジ部分に多少のチッピングが生じるが、島状台地28の高さが15μm程度あるので、後の接合工程(図1のステップ300)に支障はない。尚、ここで、ポリイミド層26の厚さを約15μmとしたが、チッピングの影響を回避できる膜厚であればよい。この後の工程は、図3及び図4と全く同様の工程である。
【0034】
図6に示したSiウェハ基板21によれば、島状台地28のポリイミドのヤング率が約3GPaであり、Siウェハ基板11及び21のヤング率約180GPaに比べ数十分の一と非常に小さいため、圧接荷重に対して変形し易く、その結果、パターンSiウェハ基板11と対向Siウェハ基板21の平行度が多少悪い状態で圧接されても、ポリイミドの島状台地28が変形して、表面コート層25と薄膜パターン31、32の表面同士は平行となり、薄膜パターン31、32のSiウェハ基板21側への転写歩留まりが向上する。
【0035】
尚、図6では島状台地28としてポリイミド26を用いたが、ヤング率が基板よりも十分に小さい材料であれば特にポリイミドに限定するものではなく、例えば、基板がSiウェハの場合、ヤング率が10GPa以下の材料を島状台地とすれば同様の効果を得ることができる。
【0036】
図7(a)は、図6で示した対向側の基板の他の形態例を示す。図7(a)において、対向Siウェハ基板21上のポリイミド26の島状台地28の表面を、図6で示したAl表面コート層25とは異なる材料のインジウム(In)からなるIn表面コート層7で覆ったものである。
【0037】
図7(b)は、図7(a)で示したSiウェハ基板21上のIn表面コート層7に微小構造体5が製造されたものを示す。微小構造体5がAlの場合、AlとInの常温接合強度は比較的弱いため、僅かな力でAlの微小構造体5をIn表面コート層7から分離することができる。但し、積層転写時に確実に薄膜パターン31、32がパターンSiウェハ基板11の表面から剥離するように、離型層17とAl薄膜パターン31、32との密着力を可能な限り低くしておく必要がある。
【0038】
更に、対向基板側の表面コート層を銅Cuで形成することもできる。この場合、Al−Cuの接合強度はAl−Alの接合に比べると弱いもののAl−Inの接合強度よりも大きいため、離型層17の密着力はあまり低くする必要はない。微小構造体5の製造後は、対向Siウェハ基板21を銅のエッチング液に浸漬してCu表面コート層を選択エッチングすることにより、微小構造体5を容易に分離することができる。尚、微小構造体5の材料と表面コート層の材料の組み合わせはAlとCuに限定するものではなく、互いに常温接合可能で且つ選択エッチングが可能な材料の組み合わせであればよい。
【0039】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明の微小構造体の製造方法によれば、対向基板上に島状の台地を形成し、且つその表面を表面コート層で覆うこととしたため、対向基板エッジ部のチッピングやパーティクルからの面接触の妨害を回避でき、また、表面コート層と微小構造体との接合強度を制御することができ、薄膜の確実な積層と完成後の微小構造体の基板からの分離を容易することができる。更に、島状台地をシリコンやガラスなど剛性の高い材料からポリイミドなどの剛性の小さな材料に変更することにより、接合面の面接触を確実にして積層転写効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小構造体の製造方法のフローチャートを示す図である。
【図2】本発明の微小構造体の製造方法の対向基板の作製行程を示す図である。
【図3】本発明の微小構造体の製造方法のパターン基板の作製工程を示す図である。
【図4】本発明の微小構造体の製造方法の積層工程を示す図である。
【図5】本発明の対向基板とパターン基板の実施の一形態を示す図である。
【図6】本発明の微小構造体の製造方法の対向基板の作製行程を示す図である。
【図7】本発明の対向基板の実施の一形態を示す図である。
【図8】従来の微小構造体の製造工程を示す図である。
【図9】従来の対向基板とパターン基板の実施の一形態を示す図である。
【符号の説明】
3 島状凸部
5、55 微小構造体
7、25 表面コート層
11、21、51 Siウェハ基板
12 Al膜
16、65 緩衝層
17 離型層
22 熱酸化膜
23、57 フォトレジスト
24、28 島状台地
26 ポリイミド層
27 Alマスクパターン
30 熱酸化膜パターン
31、32、53a、53b 薄膜パターン
52 AI薄膜
53 第1のAl薄膜
54 ステージ
56 酸化膜
58 Arガス
59 真空槽
60 パーティクル

Claims (8)

  1. Siウェハなどの第1の基板の片面上に所定の形状の薄膜を形成し、前記第1の基板の前記片面と対向する位置に第2の基板を設け、前記第1の基板の前記片面上の前記薄膜と前記第2の基板の片面を接合し、前記薄膜を前記第1の基板から剥離して前記第2の基板上に転写し、前記薄膜の形成と前記薄膜と前記第2の基板の接合を繰り返して複数の前記薄膜を前記第2の基板上に積層することにより微小構造体を製造する方法において、
    前記第2の基板を設ける工程は、前記第2の基板の前記片面側に島状の突起を形成する工程と、前記突起の表面をコート層で覆う工程を有し、
    前記第2の基板上へ転写する工程、及び前記第2の基板上に積層する工程は、前記コート層で覆われた前記突起上へ転写する工程、及び前記コート層で覆われた前記突起上に積層する工程であることを特徴とする微小構造体の製造方法。
  2. 前記突起を形成する工程は、前記第2の基板の前記突起以外の領域をエッチング除去して形成することを特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方法。
  3. 前記突起を形成する工程は、前記第2の基板上に薄膜層を形成し、前記第2の基板の前記突起以外の領域の前記薄膜層をエッチング除去して形成したことを特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方法。
  4. 前記薄膜層を形成する工程は、前記薄膜層を10GPa以下のヤング率にすることを特徴とする請求項3記載の微小構造体の製造方法。
  5. 前記薄膜層を形成する工程は、ポリイミドの薄膜を形成することを特徴とする請求項3又は4記載の微小構造体の製造方法。
  6. 前記コート層で覆う工程は、前記微小構造体の材料と同じ材料で覆うことを特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方法。
  7. 前記コート層で覆う工程は、前記微小構造体の材料と異なる材料で覆うことを特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方法。
  8. 前記コート層で覆う工程は、前記微小構造体の材料と選択的にエッチングすることができる異なる材料で覆うことを特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方法。
JP01658698A 1998-01-29 1998-01-29 微小構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP3627496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01658698A JP3627496B2 (ja) 1998-01-29 1998-01-29 微小構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01658698A JP3627496B2 (ja) 1998-01-29 1998-01-29 微小構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11207846A JPH11207846A (ja) 1999-08-03
JP3627496B2 true JP3627496B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=11920389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01658698A Expired - Fee Related JP3627496B2 (ja) 1998-01-29 1998-01-29 微小構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3627496B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100387370C (zh) * 2005-08-19 2008-05-14 中国科学院金属研究所 微机电安全密码锁编码齿轮加工方法和加工装置
JP5924615B2 (ja) * 2011-12-27 2016-05-25 学校法人 関西大学 プラスチックの基材にセラミック膜を形成する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11207846A (ja) 1999-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3161362B2 (ja) 微小構造体、その製造方法、その製造装置、基板および成形型
US8637953B2 (en) Wafer scale membrane for three-dimensional integrated circuit device fabrication
JP4277469B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法及び貼り合わせウエーハ
TWI354325B (ja)
JP3627496B2 (ja) 微小構造体の製造方法
CN217535470U (zh) 空腔soi基板
JPH0963912A (ja) 貼り合わせ基板製造方法
JP4575651B2 (ja) 積層構造体の製造方法および積層構造体
JP2004311713A (ja) 半導体装置製造用モールド
JP3941348B2 (ja) 微小構造体の製造方法
CN113228319A (zh) 将表面层转移到腔的方法
JP4835583B2 (ja) ダイアタッチフィルム付きの半導体装置の製造方法
CN113226978A (zh) 制造包括悬在腔之上的膜的器件的方法
CN110526201B (zh) 柔性硅片的制备方法
JP3612945B2 (ja) 微小構造体の製造方法
JP4318416B2 (ja) 微小構造体の製造方法
JP2863980B2 (ja) ウエハの製作方法
JP3882423B2 (ja) 微小構造体の製造方法
JPH11221829A (ja) 薄膜形成用基板及び微小構造体の製造方法
JP2001110765A (ja) 高精度ウェーハとその製造方法
JP3587090B2 (ja) 電子ビーム描画用アパーチャ及びマスクホルダー並びにそれらを用いた電子ビーム露光マスク
JP4427989B2 (ja) 微小構造体の製造方法
JP3864612B2 (ja) 微小構造体の製造方法および装置
JP2002036195A (ja) 微小構造体およびその製造方法
KR20040095731A (ko) 하전 입자선 노광용 마스크 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees