JPH11207846A - 微小構造体の製造方法 - Google Patents

微小構造体の製造方法

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JPH11207846A
JPH11207846A JP10016586A JP1658698A JPH11207846A JP H11207846 A JPH11207846 A JP H11207846A JP 10016586 A JP10016586 A JP 10016586A JP 1658698 A JP1658698 A JP 1658698A JP H11207846 A JPH11207846 A JP H11207846A
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高幸 山田
Mutsuya Takahashi
睦也 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小構造体が形成される島状台地と完成した
微小構造体の接合力を制御でき、基板上の薄膜の面接触
を確実なものとし、薄膜パターンの転写歩留まりを高め
ることができる微小構造体の製造方法を提供する。 【解決手段】 Siウェハ基板の片面に島状台地を形成
し、この表面に表面コート層を被覆して対向基板を作製
する(100)。次に、Siウェハ基板の片面にポリイ
ミドなどで緩衝層及び離型層を形成し、この離型層上に
微小構造体の一部となる薄膜パターンを形成して、パタ
ーン基板を作製する(200)。FAB処理で薄膜パタ
ーン等の接合面を清浄して接合し、パターン基板から対
向基板へ薄膜パターンを転写する(300)。このステ
ップ200とステップ300の工程を所定回数繰り返す
ことによって、微小構造体の薄膜パターンが順次積層転
写され、所定の形状の微小構造体が製造される(40
0)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属材料や絶縁材料
を微細、かつ精密に加工して微小構造体を製造する方法
に関し、特に、金属材料や絶縁材料の薄層を微小構造体
の断面形状にパターニシグし、これらを積層して微小構
造体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、部品製造において、積層造形方法
がコンピュータで設計された複雑な形状の3次元物体を
短期間で形成する方法として急速に普及している。この
積層造形方法で作成された3次元物体は、種々の装置の
部品のモデル(プロトタイプ)として、部品の動作や形
状の良否を調べるために利用されている。この積層造形
方法は、サイズが数cm以上の比較的大きな部品に適用
されることが多かったが、近年においては、精密に加工
して形成される微小構造体、例えば、微小ギアや微細光
学部品にもこの方法が適用されている。
【0003】図8は、積層造形方法による従来の微小構
造体の製造方法を示す。図8において、まず、基板とし
てSiウェハ51を準傭し、表面に熱酸化膜56を0.
1μm成長させ、その上にスパッタリング法によりAl
薄膜52を0.5μmの厚さで着膜する(801)。
【0004】次に、基板表面にフォトレジスト57を塗
布し、通常のフォトリソグラフィ法によりAl薄膜52
をエッチングし、所望の微小構造体の第1の断面形状を
有する薄膜(第1のAl薄膜)53を形成する(80
2)。第1のAl薄膜53を形成した後、フォトレジス
ト57を剥離液にて除去する。このようにして形成した
第1のAl薄膜53は、解像度1μm以下、精度0.1
μm以下の微細かつ精密なものとなっている。
【0005】次に、第1のAl薄膜53が形成されたS
iウェハ(基板)51を真空槽59内に導入し、真空槽
59内にあるステージ54と対向させ、真空槽59内を
約10−6P a程度まで排気する。そしてステージ54
の表面及び第1のAl薄膜53の表面にArガス58を
源とするFAB(Fast Atom Bombardment )処理を施す
(803)。これはArガス58を1KV程度の電圧で
加速して第1のAl薄膜53及びステージ54の表面に
照射し、これらの表面の酸化膜、不純物などを除去し清
浄な表面を形成する。
【0006】次に、ステージ54とSiウェハ51を接
近させ清浄なステージ54の表面と清浄な第1のAl薄
膜53の表面を接触させ、更に荷重Pとして50kgf/cm
2をかけ5分間押し付けて、ステージ54と第1のAl
薄膜53の表面を接合する(804)。
【0007】そして、ステージ54とSiウェハ51を
元のように引き離すと、第1のAl薄膜53とステージ
54との接合力の方が、第1のAl薄膜53とSiウェ
ハ51との密着力よりも大きいため、第1のAl薄膜5
3はSiウェハ51の熱酸化膜56からステージ54側
に転写される(805)。
【0008】同様にして、第2のAl薄膜を形成してF
AB処理を施し、接合転写することにより、第1のAl
薄膜53の上に第2のAl薄膜を積層する。最初の工程
との違いは、FAB処理の工程において、2回目のとき
はステージ54表面にFAB処理をするのではなく、第
1のAl薄膜53の裏面(それまでSiウェハ51に接
触していた面)に照射し、そこを清浄化することであ
る。また、第1のAl薄膜53と第2のAl薄膜の相対
的な位置出しを行うために、ステージ54側又はSiウ
ェハ51側に、x−y(水平)平面内のアライメント機
構(図示せず)が設けられている。
【0009】以上の各工程を繰り返して順にAl薄膜を
積層することにより、微小構造体55が製造できる(8
06)。この様な方法により製造した微小構造体55は
Al製であるが、他の材料で製造するには、基板上に形
成する薄膜を他の金属(銅、インジウムなど)やセラミ
ックスなどの絶縁体(アルミナ、炭化けい素)にすれば
良い。
【0010】図9は、積層造形方法による従来の他の微
小構造体の製造方法の一部を示す。図9(a)は、薄膜
パターン53aの隙間をエッチバックする方法を示し、
図9(b)は、薄膜パターン53bの下層に緩衝層65
を挿入する方法を示す。図9(a)及び(b)による
と、微小構造体の製造歩留まりを向上させ、接合面同士
の面接触を確実にし、バーティクル60(図9(a))
などの異物によるボイドの発生を避けることができる。
【0011】ここで、ステージ54などの対向基板は、
微小構造体55を構成する薄膜を積層する基板であり、
Siウェハ51などのパターン基板よりも小さく10m
m角程度で十分であるため、通常はSiウェハやガラス
基板をこの10mm角程度の大きさにカットして使われ
る。カットにはダイサなどが用いられ、このカットの際
に対向基板のエッジ部にチッピングが発生したり、それ
に伴ってパーティクルが生じたりしてしまう。そこで、
このエッジ部のダメージを回避するために、Siウェハ
などの対向基板のエッジ部の内側に島状台地を形成する
ようにしている。これは、Siウェハ同士の常温接合の
場合に用いられ、SiウェハをKOHによりエッチング
して島状台地となる領域以外を30μm程エッチング除
去して、高さ30μmの島状台地を形成し、エッジ部の
ダメージを回避している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8及
び図9に示したような従来の微小構造体の製造方法によ
れば、島状台地は、Siウェハ同士の接合に用いられる
ため、表面はSiのままであり、これに対して微小構造
体を形成する材料はAlなどの金属やシリコン窒化膜な
どの絶縁体である場合が多いため、これら微小構造体の
材料とSiが常温接合で強固に接合することができない
場合が生じるという問題があった。また、逆に、強固に
按合できた場合、完成した微小構造体を取り出すとき
に、強固に接合しているため、島状台地から微小構造体
を分離できなくなるといった問題があった。
【0013】更に、対向基板がSiウェハやガラス基板
の場合、これらの剛性が高いため、面同士の平行度が悪
いと接合面同士が確実に接触することができず、微小構
造体の製造歩留まりを著しく低下させるという問題があ
った。
【0014】従って、本発明の目的は、微小構造体が形
成される島状台地と完成した微小構造体の接合力を制御
でき、基板上の薄膜の面接触を確実なものとし、均等な
圧着荷重がかかるようにして薄膜パターンの転写歩留ま
りを高めることができる微小構造体の製造方法を提供す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上に述べた
目的を実現するため、Siウェハなどの第1の基板の片
面上に所定の形状の薄膜を形成し、第1の基板の片面と
対向する位置に第2の基板を設け、第1の基板の片面上
の薄膜と第2の基板の片面を接合し、薄膜を第1の基板
から剥離して第2の基板上に転写し、薄膜の形成と薄膜
と第2の基板の接合を繰り返して複数の薄膜を第2の基
板上に積層することにより微小構造体を製造する方法に
おいて、第2の基板を設ける工程は、第2の基板の片面
側に島状の突起を形成する工程と、突起の表面をコート
層で覆う工程を有し、第2の基板上へ転写する工程、及
び第2の基板上に積層する工程は、コート層で覆われた
突起上へ転写する工程、及びコート層で覆われた突起上
に積層する工程であることを特徴とする微小構造体の製
造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の微小構造体の製造方
法を詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の微小構造体の製造方法の
全体的なフローチャートである。図1において、まず、
Siウェハ基板の片面に島状台地を形成し、この表面に
表面コート層を被覆して対向基板を作製する(10
0)。次に、Siウェハ基板の片面にポリイミドなどで
緩衝層及び離型層を形成し、この離型層上に微小構造体
の一部となる薄膜パターンを形成して、パターン基板を
作製する(200)。次に、対向基板とパターン基板の
位置決め(205)後、FAB処理で薄膜パターン等の
接合面を清浄して接合し、パターン基板から対向基板へ
薄膜パターンを転写する(300)。このステップ25
0とステップ300の工程を所定回数繰り返すことによ
って、微小構造体の薄膜パターンが順次対向基板側へ積
層転写され、所定の形状の微小構造体が製造される(4
00)。以下、この各工程について具体的な実施の形態
の一例を述べながら詳述する。
【0018】図2は、図1のステップ100の一例を示
す。図2において、まず、対向基板としてSiウェハを
用意し、Siウェハ基板21の片側表面に熱酸化膜22
を0.5μm形成する(101)。次に、この熱酸化膜
22を、フォトレジスト23を用いた通常のフォトリソ
グラフィ法により、島状のパターン30(数ミリ角から
十数ミリ角程度)にパターニングする(102)。
【0019】次に、熱酸化膜のパターン30をマスクに
して、Siウェハ基板21を深さ約20μmだけエッチ
ングする(103)。具体的には、加熱した水酸化カリ
ウム(KOH)溶液を用いて、異方性エッチングで約1
5分間エッチングする。この後、熱酸化膜のパターン3
0をバッファードフッ酸で剥離し、Siウェハ基板21
の片面に、島状台地24が完成する。尚、ここで、Si
のエッチングにK0H溶液を用いた湿式エッチングを採
用したが、deep RIE(Reactive Ion Etching)
などのドライエッチング方式を用いて、より深くSiウ
ェハ基板21をエッチングすることもできる。
【0020】更に、熱酸化膜のパターン30を剥離した
Siウェハ基板21の島状台地24側に、スパッタリン
グ法によりAlを0.3μm着膜し、表面コート層25
を形成する。ここで、スバッタ圧力0.5Pa、Siウ
ェハ基板21の温度は室温とする。着膜中は水晶振動子
式膜厚計で常時Alの膜厚をモニタし、表面コート層2
5の厚さが0.3μmに達したところで着膜を終了す
る。この表面コート層25(Al膜)の厚さは、Siウ
エハの表面を被覆するだけで十分なので、0.1μm以
上あれば充分である。また、表面コート層25の膜厚を
厚く形成すると、Alの表面粗さが大きくなり好ましく
ないので、表面コート層25は、必要以上に厚くしない
ようにし、約1μm程度がその上限である。最後に基板
を島状台地24の周囲でダイシングして対向基板が完成
する(104)。このダイシングの際、Siウェハ基板
21のエッジ部分に多少のチッピングが生じるが、島状
台地24の高さが20μm程あるので、後の接合工程に
支障が生じない。
【0021】次にパターン基板の作製プロセス(図1の
ステップ200)を説明する。
【0022】図3は、図1のステップ200の一例を示
す。図3において、まず、パターン基板としてSiウェ
ハを用意し、Siウェハ基板11の片側表面にカップラ
剤を塗布した後、その上にポリイミドをスピンコーティ
ングにより約5μm塗布し、最高温度約350℃でベイ
クして緩衝層16を形成する。ここで、緩衝層16のポ
リイミドのヤング率は約3GPaであり、Siウェハ基
板11のヤング率180GPaよりも十分に小さくなっ
ている。次に、Siウェハ基板11表面をフッ素原子を
含むガスにさらし、ポリイミドの緩衝層16の表面をフ
ッ素化して離型層17を形成する(201)。具体的に
は、Siウェハ基板11をドライエッチング装置などの
真空装置(図示せず)に導入し、CF4ガスを用いたプ
ラズマ処理(ガス流量100sccm、放電パワー50
0W、圧力10Pa、時間10分)を行うことにより、
ポリイミドの緩衝層16の表面をフッ化し、疎水性にす
る。
【0023】次に、スパッタリング法によりAl膜12
を約1.0μmの厚さで着膜する(202)。ここで、
ターゲットに高純度Alを使用し、スバッタ圧力は0.
5Pa、Siウェハ基板11の温度は室温とする。着膜
中は水晶振動子式膜厚計で常時Al膜12の膜厚をモニ
タし、Al膜12の厚さが1.0μmに達したところで
着膜を終了する。このAl膜12の厚さの分布は、1.
0±0.02μm以下である。このAl膜12の厚さ
が、最終的に得られる微小構造体のZ軸(高さ)精度を
決めるため、このAl膜12の膜厚及び膜厚分布には十
分配慮する必要がある。
【0024】このAl膜12を、通常のフォトリソグラ
フィ法により、微小構造体の複数の断面形状にパターニ
ングして、薄膜パターン31、32を形成する(20
3)。
【0025】図4は、図1のステップ250及びステッ
プ400の一例を示す。図4において、Siウェハ基板
(バターン基板)11とSiウェハ基板(対向基板)2
1を真空槽(図示せず)内に導入し、Siウェハ基板1
1側又はSiウェハ基板21側に設けられたx−y(水
平)平面内のアライメント機構(図示せず)によって、
Siウェハ基板21の島状台地24とSiウェハ基板1
1上の薄膜パターン31、32の相対的な位置出し(図
1のステップ250)を行った後、両方の基板11、2
1の表面にArガスでFAB処理を施して島状台地24
上の表面コート層25と薄膜パターン31、32の表面
を清浄する。その後、両基板11、21を接近させ(3
01)、清浄な表面コート層25と清浄な薄膜パターン
31、32のそれぞれの表面を接触させて、所定の荷重
をかけて数分間押し付け、島状台地24のAl表面コー
ト層25とAl薄膜パターン31、32の表面を接合す
る。ここで、Al−Al常温接合は、バルクのAl接合
並みの接合力があり、表面コート層25が無い場合のS
i−Al接合よりもはるかにその接合力が強い。
【0026】次に、パターンSiウェハ基板11と対向
Siウェハ基板21を元のように引き離すと、薄膜パタ
ーン31、32とSiウェハ基板11の間には、ポリイ
ミドの緩衝層16をフッ素化して形成された離型層17
があり、薄膜パターン31、32と離型層17の密着力
が、対向Siウェハ基板21と薄膜パターン31、32
との接合力よりも小さいため、薄膜パターン31、32
は、Siウェハ基板11側から対向Siウェハ基板21
側に転写される(302)。
【0027】以下同様にして、図4のステップ301及
びステップ302(図1のステップ250及びステップ
300)の工程を繰り返すことにより、対向Siウェハ
基板21上に微小構造体5が製造される(401)。こ
こで、2回目以降の工程では、FAB処理は、Siウェ
ハ基板21上に積層された薄膜パターンの表面とSiウ
ェハ基板11上の新たな薄膜パターンの表面に施され
る。また、Siウェハ基板21上に積層された薄膜パタ
ーンとSiウェハ基板11上の新たな薄膜パターンの相
対的な位置出しは、Siウェハ基板11側又はSiウェ
ハ基板21側に設けられているx−y(水平)平面内の
アライメント機構(図示せず)によって、行われる。こ
の様にして製造された微小構造体5は、電鋳や成形で作
製される微小部品の型として利用される。Al−Al接
合の接合強度が大きいため、微小構造体5を対向Siウ
ェハ基板21から分離することは困難であるが、この微
小構造体5を樹脂成形の型として用いる用途には支障が
無い。
【0028】図5は、図2から図4で示したSiウェハ
基板11、21の他の形態例を示す。図5において、対
向Siウェハ基板21には、図2及び図4で示した島状
台地24の代わりに島状の凸部3が形成されている。こ
の凸部3は、KOHを用いた異方性エッチングによりS
iウェハ基板21をエッチングして、段差約20μmの
島状の凸部3にしたものである。この凸部3の表面を、
図2に示したのと同様な方法で、0.3μmの厚さのA
l表面コート層25で被覆する。
【0029】また、パターンSiウェハ基板11側にお
いては、Siウェハ基板11上に、ポリイミドの緩衝層
16を形成し、この緩衝層16上に薄膜パターン31、
32が形成されている。即ち、図3及び図4で示した離
型層17を設けずに、薄膜パターン31、32を直接緩
衝層16上に形成したものになっている。
【0030】図6は、図2で示した図1のステップ10
0の他の実施の形態例を示す。まず、対向基板としてS
iウェハを用意し、Siウェハ基板21の片側表面にカ
ップラ剤を塗布した後、スピンコート法によりポリイミ
ドを約15μm塗布する。そして、最高温度350℃で
キュアして、島状台地の元となるポリイミド層26を形
成する(111)。
【0031】次に、ポリイミド層26の表面にAlをス
パッタリング法により0.5μm着膜し、フォトレジス
ト23を用いた通常のフォトリソグラフィ法により、島
状のAlマスクパターン27を形成する(112)。こ
れは次の工程でポリイミド層26をドライエッチングす
る際のマスクになる。
【0032】そして、ポリイミド層26をRIEでエッ
チングして、高さ約15μmのポリイミドの島状台地2
8を形成する(113)。このエッチングのガスにはC
F4と02の混合ガスを用いる。
【0033】次に、マスクとして用いたAlマスクパタ
ーン27をエッチングして除去し、図2と同様にして、
全面にAlをスパッタリング法により0.3μm着膜し
て表面コート層25を形成する。最後にSiウェハ基板
21を島状台地28の周囲でダイシングして、対向Si
ウェハ基板21が作製される(114)。このダイシン
グの際、エッジ部分に多少のチッピングが生じるが、島
状台地28の高さが15μm程度あるので、後の接合工
程(図1のステップ300)に支障はない。尚、ここ
で、ポリイミド層26の厚さを約15μmとしたが、チ
ッピングの影響を回避できる膜厚であればよい。この後
の工程は、図3及び図4と全く同様の工程である。
【0034】図6に示したSiウェハ基板21によれ
ば、島状台地28のポリイミドのヤング率が約3GPa
であり、Siウェハ基板11及び21のヤング率約18
0GPaに比べ数十分の一と非常に小さいため、圧接荷
重に対して変形し易く、その結果、パターンSiウェハ
基板11と対向Siウェハ基板21の平行度が多少悪い
状態で圧接されても、ポリイミドの島状台地28が変形
して、表面コート層25と薄膜パターン31、32の表
面同士は平行となり、薄膜パターン31、32のSiウ
ェハ基板21側への転写歩留まりが向上する。
【0035】尚、図6では島状台地28としてポリイミ
ド26を用いたが、ヤング率が基板よりも十分に小さい
材料であれば特にポリイミドに限定するものではなく、
例えば、基板がSiウェハの場合、ヤング率が10GP
a以下の材料を島状台地とすれば同様の効果を得ること
ができる。
【0036】図7(a)は、図6で示した対向側の基板
の他の形態例を示す。図7(a)において、対向Siウ
ェハ基板21上のポリイミド26の島状台地28の表面
を、図6で示したAl表面コート層25とは異なる材料
のインジウム(In)からなるIn表面コート層7で覆
ったものである。
【0037】図7(b)は、図7(a)で示したSiウ
ェハ基板21上のIn表面コート層7に微小構造体5が
製造されたものを示す。微小構造体5がAlの場合、A
lとInの常温接合強度は比較的弱いため、僅かな力で
Alの微小構造体5をIn表面コート層7から分離する
ことができる。但し、積層転写時に確実に薄膜パターン
31、32がパターンSiウェハ基板11の表面から剥
離するように、離型層17とAl薄膜パターン31、3
2との密着力を可能な限り低くしておく必要がある。
【0038】更に、対向基板側の表面コート層を銅Cu
で形成することもできる。この場合、Al−Cuの接合
強度はAl−Alの接合に比べると弱いもののAl−I
nの接合強度よりも大きいため、離型層17の密着力は
あまり低くする必要はない。微小構造体5の製造後は、
対向Siウェハ基板21を銅のエッチング液に浸漬して
Cu表面コート層を選択エッチングすることにより、微
小構造体5を容易に分離することができる。尚、微小構
造体5の材料と表面コート層の材料の組み合わせはAl
とCuに限定するものではなく、互いに常温接合可能で
且つ選択エッチングが可能な材料の組み合わせであれば
よい。
【0039】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の微小構造体の
製造方法によれば、対向基板上に島状の台地を形成し、
且つその表面を表面コート層で覆うこととしたため、対
向基板エッジ部のチッピングやパーティクルからの面接
触の妨害を回避でき、また、表面コート層と微小構造体
との接合強度を制御することができ、薄膜の確実な積層
と完成後の微小構造体の基板からの分離を容易すること
ができる。更に、島状台地をシリコンやガラスなど剛性
の高い材料からポリイミドなどの剛性の小さな材料に変
更することにより、接合面の面接触を確実にして積層転
写効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小構造体の製造方法のフローチャー
トを示す図である。
【図2】本発明の微小構造体の製造方法の対向基板の作
製行程を示す図である。
【図3】本発明の微小構造体の製造方法のパターン基板
の作製工程を示す図である。
【図4】本発明の微小構造体の製造方法の積層工程を示
す図である。
【図5】本発明の対向基板とパターン基板の実施の一形
態を示す図である。
【図6】本発明の微小構造体の製造方法の対向基板の作
製行程を示す図である。
【図7】本発明の対向基板の実施の一形態を示す図であ
る。
【図8】従来の微小構造体の製造工程を示す図である。
【図9】従来の対向基板とパターン基板の実施の一形態
を示す図である。
【符号の説明】
3 島状凸部 5、55 微小構造体 7、25 表面コート層 11、21、51 Siウェハ基板 12 Al膜 16、65 緩衝層 17 離型層 22 熱酸化膜 23、57 フォトレジスト 24、28 島状台地 26 ポリイミド層 27 Alマスクパターン 30 熱酸化膜パターン 31、32、53a、53b 薄膜パターン 52 AI薄膜 53 第1のAl薄膜 54 ステージ 56 酸化膜 58 Arガス 59 真空槽 60 パーティクル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siウェハなどの第1の基板の片面上に所
    定の形状の薄膜を形成し、前記第1の基板の前記片面と
    対向する位置に第2の基板を設け、前記第1の基板の前
    記片面上の前記薄膜と前記第2の基板の片面を接合し、
    前記薄膜を前記第1の基板から剥離して前記第2の基板
    上に転写し、前記薄膜の形成と前記薄膜と前記第2の基
    板の接合を繰り返して複数の前記薄膜を前記第2の基板
    上に積層することにより微小構造体を製造する方法にお
    いて、 前記第2の基板を設ける工程は、前記第2の基板の前記
    片面側に島状の突起を形成する工程と、前記突起の表面
    をコート層で覆う工程を有し、 前記第2の基板上へ転写する工程、及び前記第2の基板
    上に積層する工程は、前記コート層で覆われた前記突起
    上へ転写する工程、及び前記コート層で覆われた前記突
    起上に積層する工程であることを特徴とする微小構造体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記突起を形成する工程は、前記第2の基
    板の前記突起以外の領域をエッチング除去して形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記突起を形成する工程は、前記第2の基
    板上に薄膜層を形成し、前記第2の基板の前記突起以外
    の領域の前記薄膜層をエッチング除去して形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の微小構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記薄膜層を形成する工程は、前記薄膜層
    を10GPa以下のヤング率にすることを特徴とする請
    求項3記載の微小構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記薄膜層を形成する工程は、ポリイミド
    の薄膜を形成することを特徴とする請求項3又は4記載
    の微小構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記コート層で覆う工程は、前記微小構造
    体の材料と同じ材料で覆うことを特徴とする請求項1記
    載の微小構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記コート層で覆う工程は、前記微小構造
    体の材料と異なる材料で覆うことを特徴とする請求項1
    記載の微小構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記コート層で覆う工程は、前記微小構造
    体の材料と選択的にエッチングすることができる異なる
    材料で覆うことを特徴とする請求項1記載の微小構造体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013132614A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Kansai Univ 低耐熱性の基材にセラミック膜を形成する方法

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