JP3882423B2 - 微小構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小構造体の製造方法に関し、特に、微小ギア、微細光学部品等の微小部品、或いは前記微小部品を射出成形するための金型の原形などをパターン基板から対向基板へ薄膜パターンを転写することにより製造する微小構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微小ギアや微細光学部品等の微小部品の製作方法の1つである積層造形方法は、コンピュータで設計された複雑な形状の3次元物体を短時間で形成可能な方法として、近年、急速に普及している。積層造形方法により作成された3次元物体は、種々の装置の部品のモデル(プロトタイプ)として、部品の動作や形状の良否を調べるために利用される。
【0003】
積層造形方法として、従来より、特開平10−305488号公報、特開平11−28768号公報、特開平11−61436号公報、特開平11−151754号公報、1998年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、P65.1998等において提案されているものがある。いずれも、基板上に薄膜を形成した後、この薄膜を微小構造体の断面形状にパターニングし、得られた薄膜パターンを常温接合などの方法によりパターン基板から対向基板へ順次積層することにより3次元形状の微小構造体を作製するものである。
【0004】
図15、図16、図17、図18、及び図19は従来の微小構造体の製造方法の工程を示す。以下においては、(1)対向基板作製工程、(2)パターン基板作製工程、(3)積層工程の3つの工程に分けて説明する。
(1)対向基板作製工程
図15は対向基板の作製工程を示す。
基板にはSiウェハ501を用いる。このSiウェハ501を酸化炉に入れ、Siウェハ501の両面に0.3μm厚の熱酸化膜502を形成する。ついで、図15の(a),(b)に示すように、フォトリソグラフィ(Photolithography)法により熱酸化膜502によるパターンを形成する。すなわち、Siウェハ501の表面にフォトレジスト503を塗布し、ついで露光、現像、及びエッチングを順次実行する。エッチングは、フォトレジスト503をマスクにして行われ、エッチング後にレジストを剥離することによりパターン形成が完成する。
【0005】
次に、図15の(c)に示すように、熱酸化膜502をマスクにして、Siウェハ501を所定の深さにエッチングする。エッチング後、図15の(d)に示すように、スパッタリング法によりAl(アルミニウム)膜504を着膜する。この後、Siウェハ501をダイシングすれば、対向基板601の作製が完了する。対向基板601はメサ台地601aとオーバーハング部601bを有して作製される。その理由は、ダイシングのときにオーバーハング部601bのエッジに生じるチッピングが、パターン基板との面接触の妨げにならないようにとの配慮によるものである。
【0006】
(2)パターン基板作製工程
図16はパターン基板の作製工程を示す。
まず、図16の(a)に示すように、基板としてSiウェハ505を用いる。この表面に離型層としてのポリイミド506をスピンコート法により形成してパターン基板602を作製する。次に、その表面にAl薄膜507をスパッタリング法により着膜する。ついで、図16の(b)に示すように、Al薄膜507の表面にフォトレジスト508を塗布し、フォトリソグラフィー法により薄膜パターン507をエッチングし、所望の微小構造体の複数の断面形状に対応した複数の薄膜パターン(ここでは、薄膜パターン507aの一個のみを図示)を形成する。この後、フォトレジスト508を除去する。
【0007】
(3)積層工程
図17は積層工程の第1段階を示す。
図17に示すように、まず、上記(1)の工程で作製した対向基板601と上記(2)の工程で作製したパターン基板602を準備する。ついで、真空槽605内に配置された上ステージ603に対向基板601を装着し、真空槽605内に配置された下ステージ604にパターン基板602(薄膜パターン507aが形成さている)を装着する。各基板を装着した後、真空槽605内を排気し、真空槽605内を真空にする。次に、対向基板601の表面及びパターン基板602の表面をFAB(Fast Atom Beam)処理により清浄化する。このFAB処理は、例えば、Arガスを1kV程度の電圧で加速し、Ar原子ビーム606を対向基板601及びパターン基板602上の薄膜パターン507aの表面に照射し、表面の酸化膜、不純物などを除去するために行われる。
【0008】
図18は積層工程の第2段階を示す。
まず、対向基板601とパターン基板602を接近するように上ステージ603と下ステージ604を相対接近させ、最終的に対向基板601の表面と薄膜パターン507aの表面を接触させる。この接触状態のまま、ステージ間に、例えば50kgf/cm2 の荷重を付与して5分間押し付けたままにし、対向基板601と薄膜パターン507aを接合する。
【0009】
図19は積層工程の第3段階を示す。
図18の状態から、上ステージ603と下ステージ604を初期位置に戻すと、薄膜パターン507aの下地に離型層としてポリイミド506が形成されているため、薄膜パターン507aと対向基板601の接合力の方が薄膜パターン507aとポリイミド506の密着力よりも大きいため、薄膜パターン507aはパターン基板602上から対向基板601に転写される。
【0010】
同様に、第2以降のAl薄膜パターンについても、FAB照射、接合、転写を順次行う。これにより、第1のAl薄膜パターンの上に第2以降の薄膜が積層される。この場合、1回目のように対向基板601の表面にFAB照射を行うのではなく、第1のAl薄膜パターンの表面にFAB照射が行われる。また、第1のAl薄膜パターンと第2のAl薄膜パターンの相対的な位置出しは、ステージ側又は基板側にx−y平面内のアライメント機構を設けて行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の微小構造体の製造方法によると、以下に述べる問題がある。
図20は薄膜パターンの転写時の対向基板側の荷重分布を示す。図20の(a)は接合時に荷重が加えられているときの対向基板601及び上ステージ603の変形状態を示し、図20の(b)は対向基板601の薄膜パターン507aの接触面における圧力分布を示し、図20の(c)は対向基板601のメサ台地への薄膜パターン507aの転写結果を示す。
【0012】
圧接時(転写時)には、上ステージ603側から対向基板601には均一な荷重が印加される。しかし、パターン基板602と接触しているのは対向基板601のメサ台地601aの部分だけなので、図20の(a)に示すように、オーバーハング部601bに加わる荷重によって対向基板601には反りが生じる。この反りにより、メサ台地601aの周辺に加わる圧力P1 が中央に加わる圧力P2 に比べて大きくなり、図20の(b)に示すように、メサ台地601a内に不均一な圧力分布が生じる。このため、図20の(c)に示すように、薄膜パターン507aは対向基板601のメサ台地601aの周囲にのみ転写(図中の薄膜パターン転写部507a)され、中央部には転写されない(図中の薄膜パターン末転写部507b)。この様に、薄膜パターン507aをメサ台地601aの全面に転写できないということは、微小構造体の欠落や歩留まりの低下につながる。
【0013】
一方、対向基板601にオーバーハング部601bが設けられていないとすれば、対向基板601に反りは生じない。しかし、対向基板601のダイシング時に生じるチッピングがパターン基板602との接触を妨げるため、薄膜パターン507aを対向基板601に転写できなくなる。また、対向基板601をハンドリングするには、オーバーハング部601bを把持するのが有利であり、これにより接合面であるメサ台地601aの表面に搬送機構が接触するのを防止でき、表面に傷がつくことはない。したがって、オーバーハング部601bの存在は対向基板601にとって必須であり、無くすことはできない。
【0014】
したがって、本発明の目的は、パターン基板側と対向基板との接触面の加圧力分布を均一にし、微小構造体の製造歩留まりを高めることが可能な微小構造体の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、パターン基板上に形成した複数の微小パターンの薄膜を対向基板上に順々に接合して転写することにより微小構造体を製造する微小構造体の製造方法において、前記対向基板は、前記複数の微小パターンの薄膜が転写される側に所定の面積の接触面を有する凸状のメサ台地部を形成するとともに、前記接触面と反対側の面に前記メサ台地部の前記接触面の面積と同一或いはそれ以下の面積の接触面を有する突出部を形成したものであり、前記パターン基板上の前記複数の微小パターンの薄膜の前記対向基板への転写は、前記突出部を介して付与された荷重によって前記メサ台地部の前記接触面をそれぞれの薄膜に圧接することにより行うことを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
【0016】
この方法によれば、対向基板とパターン基板が圧接した際、その接触面(転写面)に印加された荷重は、接触面の全面に均等に伝達される。この結果、パターン基板上の薄膜は対向基板の接触面の全面に転写され、微小構造体の製造歩留まりを高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明方法を実現する微小構造体の製造装置を示す。
真空ポンプ等を含む不図示の真空装置を備えた真空槽101内の下部には、z方向への移動及びθ方向の回転がシャフト102aによって可能な下ステージ102が配置されている。また、真空槽101内の上部には、x方向及びy方向へ移動可能な上ステージ103がシャフト104に支持された状態で配置されている。下ステージ102は上部に静電チャック113を備えており、この静電チャック113の電極間に所定の電圧を印加することにより、パターン基板105は静電気により保持および固定される。また、上ステージ103の下面には、対向基板106が装着される。そして、上ステージ103の両サイドの下端部には、顕微鏡114a,114b(或いは、位置合わせ用の検出部)が設けられている。この顕微鏡114a,114bを用いることにより、薄膜パターン形成時に基板上に形成されたアライメントマーク(図示せず)を認識でき、その認識結果によりアライメントが行われる。
【0018】
さらに、真空槽101内には、パターン基板105と薄膜パターンの表面、及び対向基板106の表面を清浄にするためのFAB装置107a,107bが設置されている。パターン基板105は、後述するように、表面にポリイミド層302が形成されており、このポリイミド層302上に薄膜パターンとしてのAl薄膜303aが設けられている。対向基板106の転写面には平坦な形状のメサ台地106aが設けられ、上ステージ103側の面には凸部106bが設けられている。これらの周辺部分がオーバーハング部106cを形成している。メサ台地106aと凸部106bは、対向基板106の表面と裏面の同一位置に設けられている。
【0019】
図2はパターン基板105側から対向基板106に荷重を加えたときの圧力分布を示す。図2の(a)に示すように、パターン基板105側から対向基板106に圧力が加えられた場合、図2の(b)に示すように、メサ台地106aに加えられた荷重がすべて凸部106bに伝えられ、対向基板106に付与される。したがって、接触面には荷重が均一に加わり、オーバーハング部106cを通して対向基板106に伝わる荷重は生じないので、対向基板106に反りは生じない。この結果、微小構造体の製造歩留まりを高めることが可能になる。
【0020】
図3の(a)〜(c)は、対向基板の他の構成例、および対向基板と上ステージの組み合わせの他の構成例を示す。
図3の(a)の対向基板110は、同一形状の主基板108と補助基板109からなり、主基板108は片面にメサ台地106aが設けられ、補助基板109は凸部106bが設けられている。主基板108の平坦面に補助基板109の平坦面を貼着することにより、図1に示した対向基板106と同一外形の対向基板110が得られる。なお、主基板108と補助基板109による全体の厚みは、対向基板106の厚みと同程度にする。
【0021】
図3の(b)は、対向基板と上ステージの組み合わせの第1例を示す。本例は、片面にメサ台地106aのみが設けられた対向基板111(従来と同一形状)を用い、凸部106bに相当する凸部103aを上ステージ103に設けたところに特徴がある。つまり、上ステージ103における対向基板111への荷重は凸部103aのみに加わり、オーバーハング部101aには加わらないので、対向基板111に反りを生じさせることがない。
【0022】
図3の(c)は、対向基板と上ステージの組み合わせの第2例を示す。ここでは、図1に示した対向基板106を用い、この対向基板106を接着材等を用いて固定するのではなく、凸部103aの周囲をワックス112で固定し、対向基板106の接触面が直に上ステージ103に接触するようにしている。上ステージとオーバーハング部106cの隙間にワックスが入っても、そのヤング率は小さいので実質的に支障がないためである。なお、ワックス112は、或る程度の粘性を備えていることが望ましい。
【0023】
上記した対向基板、ならびに対向基板と上ステージの組み合わせのそれぞれにおいては、パターン基板と対向基板に位置ずれが生じるほど、パターン基板と対向基板の接触面の圧力分布が不均一になる。しかし、対向基板の両面に凸部を設けたメサ形状の構成にし、或いは上ステージに凸部を設けた構成にしたことにより、両面アライナーを用いることによって両面を高精度に同一形状にすることができる。
【0024】
次に、本発明の微小構造体の製造方法について説明する。以下においては、(i) 対向基板作製工程、(ii)パターン基板作製工程、および(iii) 積層工程に分けて説明する。
(i) 対向基板作製工程
図4、図5および図6は対向基板の一連の作製工程を示す。図4は対向基板の作製工程の第1段階、図5は対向基板の作製工程の第2段階、図6は対向基板の作製工程の第3段階である。まず、両面研磨したSiウェハ201を基板として準備し、これを酸化炉(図示せず)に入れ、図4の(a)に示すように、Siウェハ201の両面に熱酸化膜202を0.3μmの厚みに形成した。以下においては、図4の(a)の上側の面をA面といい、下側の面をB面という。
【0025】
ついで、図4の(b)に示すように、Siウェハ201のA面にレジスト203を塗布した後、130℃でベーキングし、レジスト203を完全に硬化させた。このレジスト203は、B面の熱酸化膜202をエッチングする際の保護膜になる。次に、図4の(c)に示すように、Siウェハ201を裏返しにし、フォトリソグラフィ法によりB面にフォトレジストを塗布し、露光、および現像を行った。ついで、図4の(d)に示すように、レジスト203をマスクにして、B面の熱酸化膜202をフッ酸緩衝液でエッチングし、その後、両面のレジスト203を剥離した。
【0026】
さらに、図5の(a)に示すように、B面にレジスト204を塗布して130℃でベーキングし、レジスト204を完全に硬化させた。このレジスト204はA面の熱酸化膜202をエッチングするときの保護膜になる。次に、図5の(b)に示すように、Siウェハ201を裏返しにし、A面にフォトレジスト205を塗布した後、両面アライナーを用いてB面にパターニングされた熱酸化膜202の位置(図中の点線位置)に対応するようにレジスト205を露光し、ついで現像を行った。さらに、図5の(c)に示すように、レジスト205をマスクにしてA面の熱酸化膜202をフッ酸緩衝液でエッチングし、この後、両面のレジスト204,205を剥離した。
【0027】
次に、図6の(a)に示すように、熱酸化膜202をマスクにしてSiウェハ201の両面をKOHにより30μmエッチングした。ついで、図6の(b)に示すように、両面の熱酸化膜202をフッ酸緩衝液でエッチングした後、A面にAl薄膜206をスパッタリング法により0.2μm着膜した。さらに、図6の(c)に示すように、Siウェハ201をダイシングして対向基板106を得た。なお、メサ台地の側面は、着膜されたAl膜206の厚み分だけA面の面積がB面よりも広くなるが、数mm角の寸法のメサ台地106aに対してAl薄膜206の膜厚は0.2μmであり、問題は生じない。
【0028】
(ii)パターン基板作製工程
図7はパターン基板の作製工程を示す。図7の(a)に示すように、基板としてSiウェハ301を準備し、その表面にポリイミドをスピンコート法により塗布し、最高温度350℃でベーキングし、離型層302を形成した。次に、図7の(b)に示すように、離型層302の表面にスパッタリング法によりAl薄膜303を0.5μmに着膜した。ターゲットには高純度Alを使用し、スパッタ圧力0.5Pa、Siウェハ301の温度は室温とした。着膜中は水晶振動子式膜厚計で常時膜厚をモニタし、0.5μmに達したところで着膜を終了した。この結果、Siウェハ301内の膜厚分布が、0.5±0.02μm以下という値が得られた。次に、Siウェハ301の表面にフォトレジスト(図示せず)を塗布し、図7の(c)に示すように、フォトリソグラフィ法によりAl薄膜303を所望の形状のパターンにエッチングした。このとき、微小構造体のパターニングと同時にアライメントマーク(図示せず)をSiウェハ301上に同時に形成した。また、フォトレジストにはポジ型を用い、フォトレジストの露光はフォトマスクを用いて行った。Al薄膜303a,303bをエッチングを形成した後、剥離液を用いてフォトレジストを除去した。以上によりパターン基板105が完成する。
【0029】
(iii) 積層工程
図8、図9、図10、図11、および図12は積層工程を示す。図8は積層工程の第1段階、図9は積層工程の第2段階、図10は積層工程の第3段階、図11は積層工程の第4段階、図12は積層工程の第5段階を示している。また、以下においては、具体的な数値を示して説明する。
【0030】
図8に示すように、図4〜図6に示した工程により作製した対向基板106を真空層101内の上ステージ103に接着等の手段により固定し、また、パターン基板105を静電チャック113を用いて下ステージ102に固定する。両基板の装着後、真空槽101内を、例えば、10E−6Pa台まで排気して真空にする。ついで、FAB装置107a,107bを動作させ、対向基板106の表面及びパターン基板105のAl薄膜303aの表面にArガスを源とするFAB処理を施す。具体的には、1500Vの加速電圧で45度の角度からAr原子ビーム115を1分間照射し、表面約10nmの汚染層を除去するFAB処理を実施した。
【0031】
次に、図9に示すように、下ステージ102をZ方向に操作して、対向基板106とパターン基板105を接近させ、対向基板106の表面とパターン基板105上のAl薄膜303a(第1の薄膜パターン)の表面を接触させ、この状態のまま接触面に50kgf/cm2 の荷重を付与して5分間押し付け、対向基板106とAl薄膜303aを接合させた。この接合強度を引っ張り試験により評価したところ、50〜100Paであった。
【0032】
次に、図10に示すように、下ステージ102を初期位置へ戻すと、Al薄膜303aがパターン基板105上から対向基板106へ転写される。これは、Al薄膜303aと対向基板106の接合力の方が、Al薄膜303aとパターン基板105の密着力よりも大きいためである。このとき、対向基板106の両面が同一形状であるため、対向基板106のメサ台地106aの接触面における圧力分布が均一になり、Al薄膜303aは対向基板106のメサ台地106aの全面に転写される。
【0033】
次に、図11に示すように、上ステージ103をAl薄膜303b(第2の薄膜パターン)の真上に移動させる。そして、FAB装置117a,117bを動作させ、対向基板106上のAl薄膜303aおよびパターン基板105上のAl薄膜303bに対してFAB照射を行った。そして、下ステージ102と対向基板106の相対位置関係を測定し、Al薄膜303aとAl薄膜303bのアライメントを行った。
【0034】
次に、図12に示すように、下ステージ102を上昇させて対向基板106に接近させ、Al薄膜303bをAl薄膜303aに接合・転写し、2層に積層した薄膜パターンを作製した。以上は2層の転写の場合であるが、3層以上であっても、上記した手順を繰り返すことにより、薄膜パターンを多層化することができる。
【0035】
図13は、図12の工程を繰り返し、薄膜パターンを6層に積層して得られた多層構造の微小構造体304の構成を示す。
【0036】
図14は本発明における対向基板の他の例を示す。図14の(a)は、図17〜図20に示した従来の対向基板601を基本形としている。本例は、メサ台地601aが平坦面なために不均一な荷重分布を示したことに着目し、印加荷重の分布に応じた凸面のメサ台地402aを形成し、メサ台地402aに均一な荷重が加わるようにした構成の対向基板401にしている。また、図14の(b)は、図3の(a),(c)に示した対向基板110,111の変形例を示し、対向基板110,111がメサ台地106aと凸部106bが同一の形状および大きさであったのに対し、凸部106bよりやや大きいサイズのメサ台地403aを有する対向基板403としている。このように、メサ台地106aと凸部106bが不同一であっても上ステージ側の接触面が最適であれば、荷重分布が不均一になることはない。
【0037】
上記実施の形態においては、微小構造体がAlであるとしたが、他の材料、例えば、銅、インジウムなどの金属、セラミックスなどの絶縁体(アルミナ、炭化けい素)を用いることもできる。これらの微小部品は、それ自身が部品として機能するばかりでなく、射出成形用の型として使用することもできる。
【0038】
また、図1および図3の(a)に示した対向基板106,110と、図3の(b)に示した凸部103aを有する上ステージとの組み合わせも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の微小構造体の製造方法によれば、パターン基板上の薄膜を対向基板の接触面に圧接する際、対向基板の接触面の荷重分布を均一にしたので、パターン基板上の薄膜が良好に対向基板に転写されるようになり、微小構造体の製造歩留まりを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実現する微小構造体の製造装置の構成図である。
【図2】本発明においてパターン基板側から対向基板に荷重を加えたときの圧力分布図である。
【図3】本発明にかかる対向基板の他の構成例、および対向基板と上ステージの組み合わせの他の構成例を示す正面図である。
【図4】本発明における対向基板の作製工程の第1段階を示す説明図である。
【図5】本発明における対向基板の作製工程の第2段階を示す説明図である。
【図6】本発明における対向基板の作製工程の第3段階を示す説明図である。
【図7】本発明におけるパターン基板の作製工程を示す説明図である。
【図8】本発明の積層工程の第1段階における製造装置の動作を示す正面図である。
【図9】本発明の積層工程の第2段階における製造装置の動作を示す正面図である。
【図10】本発明の積層工程の第3段階における製造装置の動作を示す正面図である。
【図11】本発明の積層工程の第4段階における製造装置の動作を示す正面図である。
【図12】本発明の積層工程の第5段階における製造装置の動作を示す正面図である。
【図13】図12の工程を繰り返し、薄膜パターンを6層に積層して得られた微小構造体構成を示す断面図である。
【図14】本発明における対向基板の他の例を示す断面図である。
【図15】従来のの微小構造体の製造方法における対向基板の作製工程を示す説明図である。
【図16】従来の微小構造体の製造方法におけるパターン基板の作製工程を示す説明図である。
【図17】従来の微小構造体の製造方法の積層工程の第1段階を示す説明図である。
【図18】従来の微小構造体の製造方法の積層工程の第2段階を示す説明図である。
【図19】従来の微小構造体の製造方法の積層工程の第3段階を示す説明図である。
【図20】従来の微小構造体の製造方法における薄膜パターンの転写時の対向基板の反りの発生を示す説明図である。
【符号の説明】
101 真空槽
101a,106c オーバーハング部
102 下ステージ
102a,104 シャフト
103 上ステージ
103a,106b 凸部
105 パターン基板
106,110,111,403 対向基板
106a,402a メサ台地
107a,107b FAB装置
108 主基板
109 補助基板
112 ワックス
113 静電チャック
114a,114b 顕微鏡
201,301 Siウェハ
206,303a,303b Al薄膜
302 ポリイミド層
304 微小構造体

Claims (5)

  1. パターン基板上に形成した複数の微小パターンの薄膜を対向基板上に順々に接合して転写することにより微小構造体を製造する微小構造体の製造方法において、
    前記対向基板は、前記複数の微小パターンの薄膜が転写される側に所定の面積の接触面を有する凸状のメサ台地部を形成するとともに、前記接触面と反対側の面に前記メサ台地部の前記接触面の面積と同一或いはそれ以下の面積の接触面を有する突出部を形成したものであり、
    記パターン基板上の前記複数の微小パターンの薄膜の前記対向基板への転写は、前記突出部を介して付与された荷重によって前記メサ台地部の前記接触面をそれぞれの薄膜に圧接することにより行うことを特徴とする微小構造体の製造方法。
  2. 前記対向基板の形成は、前記メサ台地部と前記突出部を同一形状にすることを特徴とする請求項記載の微小構造体の製造方法。
  3. 前記対向基板の形成は、前記メサ台地部を有する主基板の平坦面側と、前記突出部を有する補助基板の平坦面側貼着して行うとを特徴とする請求項記載の微小構造体の製造方法。
  4. 前記対向基板への荷重の付与は、前記突出部の前記接触面と荷重伝達手段の上ステージとを直接接触させ、前記突出部の周囲にワックスを配置させて行うことを特徴とする請求項または記載の微小構造体の製造方法。
  5. 前記対向基板によるそれぞれの薄膜の圧接は、前記メサ台地部の前記接触面を円弧状に形成し、前記突出部の表面を平面に形成し、前記突出部の表面へ荷重を伝達することにより行うことを特徴とする請求項記載の微小構造体の製造方法。
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